(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(54)【発明の名称】小葉を偏位させるためのプロテーゼインプラント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20230710BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577712
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 US2021037474
(87)【国際公開番号】W WO2021257597
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・モルデチャイ・ライフネル
(72)【発明者】
【氏名】ハノック・コーヘン-スマク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・スー・リー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC05
4C097SB03
4C097SB09
4C097SB10
(57)【要約】
本明細書に開示される実施形態は、そのような小葉の偏位を含む、患者の体内の小葉に対処するためのデバイス、システムおよび方法を対象としてよい。小葉は、生来の心臓弁であってよい、または患者の体内に予め植え込まれているプロテーゼ心臓弁であってもよい。小葉は、小葉が患者の体内の構造物への到達を妨害する可能性を低下させるために偏位されてよく、構造物は、例えば、冠状動脈口などの心臓の構造物を含んでよい。したがって、心臓の構造物の閉塞によって生じる疾病の可能性の低下が生じてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体と、
前記流れチャネルの中に位置決めされ、前記弁本体の前記内面から内向きに延在する複数の弁小葉と、
前記弁本体の前記外面から外向きに延在するように構成され、前記弁本体の前記流れチャネルの外側に位置決めされた1つまたは複数の弁小葉を遠位方向に偏位させるように構成された1つまたは複数の突起とを備えるプロテーゼ弁。
【請求項2】
前記1つまたは複数の突起は、前記1つまたは複数の弁小葉を前記1つまたは複数の突起の遠位であり、かつ前記弁本体の前記外面の外側の空間に保持するように構成される、請求項1に記載のプロテーゼ弁。
【請求項3】
前記複数の弁小葉は、近位方向に開放するように構成される、請求項1または請求項2に記載のプロテーゼ弁。
【請求項4】
前記弁本体の前記近位端は、前記弁本体の流出端部であり、前記遠位端は前記弁本体の流入端部である、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項5】
前記1つまたは複数の突起は、前記遠位方向に向かって角度を成すように各々構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項6】
前記1つまたは複数の突起は、前記弁本体の前記外面の周りに互いから円周方向に離間した複数の突起を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項7】
前記1つまたは複数の突起は、互いから軸方向に離間した複数の突起を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項8】
前記1つまたは複数の突起は各々、前記弁本体に結合された第1の端部と、非外傷性の先端を有する第2の端部とを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項9】
前記第2の端部は平坦化した本体を含む、請求項8に記載のプロテーゼ弁。
【請求項10】
前記平坦化した本体は、開口を取り巻き、丸みのある形状またはダイアモンド形状のうちの1つまたは複数を有する、請求項9に記載のプロテーゼ弁。
【請求項11】
前記1つまたは複数の突起は、1つまたは複数の先が分かれた突起を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項12】
前記1つまたは複数の突起は、前記遠位方向に向かって回転するように各々構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項13】
前記1つまたは複数の突起は、近位方向に延在し、前記遠位方向に向かって回転するように各々構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項14】
前記弁本体を前記1つまたは複数の突起のそれぞれ1つに結合し、前記1つまたは複数の突起の前記それぞれ1つに力を加えて、前記1つまたは複数の突起の前記それぞれ1つを前記遠位方向に回転させるように構成された1つまたは複数の係留コードをさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項15】
前記弁本体は、拡張式フレームを含み、前記1つまたは複数の係留コードは、前記拡張式フレームの拡張によって前記1つまたは複数の係留コードが前記1つまたは複数の突起の前記それぞれ1つに前記力を加えるように、前記拡張式フレームに結合される、請求項14に記載のプロテーゼ弁。
【請求項16】
前記拡張式フレームは、開口によって隔てられた支柱を有し、前記1つまたは複数の係留コードの各々は、前記支柱に結合された第1の端部と、前記1つまたは複数の突起の前記それぞれ1つに結合された第2の端部とを有する、請求項14または請求項15に記載のプロテーゼ弁。
【請求項17】
前記1つまたは複数の突起は、1つまたは複数のフラップを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項18】
前記1つまたは複数の突起は各々、第1の端部と、第2の端部とを含み、前記第1の端部は、前記弁本体の前記近位端に結合され、前記第2の端部は先端を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項19】
前記1つまたは複数の突起は各々、第1の端部と、第2の端部とを含み、前記第1の端部は、前記弁本体の前記近位端と前記弁本体の前記遠位端との間で前記弁本体に結合され、前記第2の端部は先端を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項20】
前記1つまたは複数の突起に結合され、前記弁本体の前記外面の周りに円周方向に延在するスカートをさらに備える、請求項1から19のいずれか一項に記載のプロテーゼ弁。
【請求項21】
患者の体内でプロテーゼ弁を拡張させるステップであって、前記プロテーゼ弁は、近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体と、前記流れチャネルの中に位置決めされ、前記弁本体の前記内面から内向きに延在する複数の弁小葉とを含む、ステップと、
前記弁本体の前記流れチャネルの外側に位置決めされた1つまたは複数の弁小葉を前記弁本体の前記外面から外向きに延在する1つまたは複数の突起で遠位方向に偏位させるステップとを含む、方法。
【請求項22】
前記流れチャネルの外側に位置決めされた前記1つまたは複数の弁小葉を、前記1つまたは複数の突起の遠位であり、かつ前記弁本体の前記外面の外側の空間に保持するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
患者の血管系の内側面は、前記空間を取り囲む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記内側面は、前記患者の大動脈の表面である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記先に展開されたプロテーゼ弁は、前記空間を取り囲む、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記1つまたは複数の突起は、前記遠位方向に向かって角度が付けられる、請求項21から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記1つまたは複数の突起は、1つまたは複数の先が分かれた突起を備える、請求項21から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記1つまたは複数の突起は、近位方向に延在し、前記方法は、前記1つまたは複数の突起を前記遠位方向に回転させるステップをさらに含む、請求項21から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
1つまたは複数の係留コードを利用して、前記1つまたは複数の突起のそれぞれ1つに力を加えて、前記1つまたは複数の突起の前記それぞれ1つを前記遠位方向に向かって回転させるステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記1つまたは複数の係留コードは、前記弁本体のフレームに結合される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記フレームを半径方向に拡張して、前記1つまたは複数の係留コードが前記1つまたは複数の突起の前記それぞれ1つに前記力を加えるようにするステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記1つまたは複数の突起は、1つまたは複数のフラップを備える、請求項21から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記弁本体を半径方向に拡張して、前記1つまたは複数の突起が、前記弁本体の前記流れチャネルの外側に位置決めされた前記1つまたは複数の弁小葉を前記遠位方向に偏位させるようにするステップをさらに含む、請求項21から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記弁本体を半径方向に拡張する間、前記弁本体の前記近位端を前記弁本体の前記遠位端に向かって移動させるステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記弁本体の前記流れチャネルの外側に位置決めされた前記1つまたは複数の弁小葉を1つまたは複数の冠状動脈口の遠位の方向に偏位させるステップをさらに含む、請求項21から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記流れチャネル内に位置決めされた前記複数の弁小葉の近位端の遠位の、前記弁本体の前記流れチャネルの外側に位置決めされた前記1つまたは複数の弁小葉を偏位させるステップをさらに含む、請求項21から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記弁本体の前記流れチャネルの外側に位置決めされた前記1つまたは複数の弁小葉を、前記1つまたは複数の突起の遠位であり、かつ1つまたは複数の冠状動脈口の遠位である空間に保持するステップをさらに含む、請求項21から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記弁本体は、1つまたは複数の開口を有するフレームを含み、前記方法は、1つまたは複数の冠状動脈口に到達するために、前記1つまたは複数の開口の1つにカテーテルを通過させるステップを含む、請求項21から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記1つまたは複数の冠状動脈口と前記弁本体の前記外面との間に位置決めされた空間を通って1つまたは複数の冠状動脈口に到達するステップをさらに含む、請求項21から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
スカートが前記1つまたは複数の突起に結合され、前記弁本体の前記外面の周りに円周方向に延在する、請求項21から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
プロテーゼ弁のための圧着デバイスであって、
前記プロテーゼ弁を受け入れるように構成されたチャネルを取り囲む内面を有する圧縮本体であって、前記内面は、前記プロテーゼ弁を圧着するために前記チャネル内の前記プロテーゼ弁に圧縮力を加えるために収縮されるように構成され、かつ前記プロテーゼ弁の突起を収容するために前記内面に成形された凹部を有する、圧縮本体と、
前記内面を収縮させるためにアクチュエータとを含む、圧着デバイス。
【請求項42】
前記凹部の外側の前記内面は、均一な内径を有する、請求項41に記載の圧着デバイス。
【請求項43】
前記凹部は、均一な内径を有する、請求項41または請求項42に記載の圧着デバイス。
【請求項44】
前記凹部は、円筒形の形状を有する、請求項41から43のいずれか一項に記載の圧着デバイス。
【請求項45】
前記凹部の外側の前記チャネルは円筒形の形状を有する、請求項41から44のいずれか一項に記載の圧着デバイス。
【請求項46】
前記凹部は、前記内面に溝を備える、請求項41から45のいずれか一項に記載の圧着デバイス。
【請求項47】
前記圧縮本体は、複数のプレートを含む、請求項41から46のいずれか一項に記載の圧着デバイス。
【請求項48】
前記圧縮本体は、前記チャネルに進入するために前記プロテーゼ弁が通される開口を含む、請求項41から47のいずれか一項に記載の圧着デバイス。
【請求項49】
前記アクチュエータはハンドルを含む、請求項41から48のいずれか一項に記載の圧着デバイス。
【請求項50】
前記ハンドルは、前記圧縮本体を移動させるために回転されるように構成される、請求項49に記載の圧着デバイス。
【請求項51】
プロテーゼ弁を圧着するための方法であって、
前記チャネルを取り囲む内面を有する圧着デバイスのチャネル内に前記プロテーゼ弁を位置決めするステップと、
前記プロテーゼ弁の突起を収容するために前記内面に成形された凹部の中に前記プロテーゼ弁の突起を位置決めするステップと、
前記プロテーゼ弁を圧着するために前記プロテーゼ弁に当接して前記内面を圧縮するステップとを含む、方法。
【請求項52】
前記凹部の外側の前記内面は、均一な内径を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記凹部は、均一な内径を有する、請求項51または請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記凹部は円筒形の形状を有する、請求項51から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記凹部の外側の前記チャネルは円筒形の形状を有する、請求項51から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記凹部は、前記内面に溝を備える、請求項51から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記圧着デバイスは、複数のプレートを含む、請求項51から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記圧着デバイスは、前記チャネルに進入するために前記プロテーゼ弁が通される開口を含む、請求項51から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記圧着デバイスは、前記圧着デバイスを操作するためのアクチュエータを含む、請求項51から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記アクチュエータは、前記プロテーゼ弁を圧着するために前記プロテーゼ弁に当接して前記内面を圧縮するために回転されるように構成されたハンドルを含む、請求項59に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年6月17日に提出された米国仮特許出願シリアル番号63/040,235の利益および優先権を主張し、その明細書はこの特有の参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多様な疾病が個人の身体に影響を及ぼす場合がある。そのような疾病は、個人の心臓のものであってよく、大動脈弁、僧帽弁、三尖弁および肺動脈弁を含む、個人の心臓弁の疾病を含む場合がある。例えば狭窄症は、心臓弁の機能および個人の健康全体に影響を与える可能性がある一般的で重篤な弁疾患である。
【0003】
患者の心臓の一部を置き換える、または修復することができるインプラントが提供されてよい。プロテーゼ弁などのプロテーゼインプラントが、患者の心臓の一部を置き換えるために提供されてよい。プロテーゼ大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、およびさらには肺動脈弁も提供されてよい。
【0004】
インプラントは、最小限の侵襲性で経皮的に患者の身体の所望の部分に展開されてよい。そのような展開は、経カテーテル術が行われる場合があり、そこではカテーテルは、個人の血管系を通して展開されてよい。
【0005】
例えばそのようなインプラントの生来の心臓弁への展開の間、生来の心臓弁小葉は、患者の体内に留まったままであり得る。生来の小葉は、プロテーゼ弁の展開によって脇に押される場合があり、プロテーゼ小葉は、生来の小葉によってこれまで行われた機能を実行する。体内に留まる生来の小葉は、それらが心臓の構造物への到達を妨害する可能性がるあるため、望ましくない位置に位置決めされる場合がある。そのような構造物は、例えば1つまたは複数の冠状動脈口を含む場合がある。そのような構造物への到達を妨害することは、望ましくない場合がある他の健康状態をもたらす可能性がある。生来の小葉を含む、患者の体内の生来の構造物の位置に対処する中で、これに従う改善が望まれてよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される実施形態は、そのような小葉の偏位を含め、患者の体内の小葉に対処するためのデバイス、システムおよび方法を対象としてよい。小葉は、生来の心臓弁であってよい、または患者の体内に予め植え込まれているプロテーゼ心臓弁であってもよい。小葉は、小葉が患者の体内の構造物への到達を妨害する可能性を低下させるために偏位されてよく、構造物は、例えば、冠状動脈口などの心臓の構造物を含んでよい。したがって、心臓の構造物の閉塞によって生じる疾病の可能性の低下が生じてよい。さらに、植え込みに続く心臓の構造物への到達は、そのような構造物への到達を妨害しない小葉によってよりし易くなる可能性がある。
【0007】
本明細書に開示される実施形態は、プロテーゼ弁を含んでよい。プロテーゼ弁は、近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体を含んでよい。複数の弁小葉が、流れチャネルの中に位置決めされてよく、弁本体の内面から内向きに延在してよい。1つまたは複数の突起が、弁本体の外面から外向きに延在するように構成されてよく、弁本体の流れチャネルの外側に位置決めされた1つまたは複数の弁小葉を遠位方向に偏位させるように構成されてよい。
【0008】
本明細書に開示される実施形態は、方法を含んでよい。方法は、患者の体内でプロテーゼ弁を拡張させるステップを含んでよく、プロテーゼ弁は、近位端、遠位端、外面、および流れチャネルに面する内面を有する弁本体と、流れチャネルの中に位置決めされ、弁本体の内面から内向きに延在する複数の弁小葉とを含む。方法は、弁本体の流れチャネルの外側に位置決めされた1つまたは複数の弁小葉を弁本体の外面から外向きに延在する1つまたは複数の突起で遠位方向に偏位させるステップを含んでよい。
【0009】
本明細書に開示される実施形態は、プロテーゼ弁のための圧着デバイスを含んでよい。圧着デバイスは、プロテーゼ弁を受け入れるように構成されたチャネルを取り囲む内面を有する圧縮本体を含んでよく、内面は、プロテーゼ弁を圧着するために、チャネル内のプロテーゼ弁に圧縮力を加えるために収縮されるように構成され、内面は、プロテーゼ弁の突起を収容するために内面に成形された凹部を有する。圧着デバイスは、内面を収縮させるためのアクチュエータを含んでよい。
【0010】
本明細書に開示される実施形態は、プロテーゼ弁を圧着するための方法を含んでよい。方法は、チャネルを取り囲む内面を有する圧着デバイスのチャネル内にプロテーゼ弁を位置決めするステップを含んでよい。方法は、プロテーゼ弁の突起を収容するために内面に成形された凹部の中にプロテーゼ弁の突起を位置決めするステップを含んでよい。方法は、プロテーゼ弁を圧着するためにプロテーゼ弁に当接して内面を圧縮するステップを含んでよい。
【0011】
これらのおよび他の機構、態様および利点は、図面を参照して以下で説明され、これらの図面は、開示を例示することが意図されており、限定することは意図されていない。図面では、同様の参照符号は、同様の実施形態を通して一貫して対応する機構を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態によるプロテーゼ弁の斜視図である。
【
図2】
図1に示されるプロテーゼ弁の頂部概略図である。
【
図3】
図1に示されるプロテーゼ弁の断面概略図である。
【
図4】非拡張構成であり、患者の身体の大動脈弁輪内の、
図1に示されるプロテーゼ弁の断面概略図である。
【
図5】拡張構成であり、患者の身体の大動脈弁輪内の、
図1に示されるプロテーゼ弁の断面概略図である。
【
図6】本開示の一実施形態によるプロテーゼ弁の断面概略図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、平坦化した構成でのプロテーゼ弁のフレームの平面図である。
【
図8】本開示の一実施形態による、平坦化した構成でのプロテーゼ弁のフレームの平面図である。
【
図9】本開示の一実施形態による、
図8に示されるフレームを含むプロテーゼ弁の断面概略図である。
【
図10】本開示の一実施形態による、プロテーゼ弁の斜視図である。
【
図11】本開示の一実施形態による、平坦化した構成でのプロテーゼ弁のフレームの平面図である。
【
図12】本開示の一実施形態による、平坦化した構成でのプロテーゼ弁のフレームの平面図である。
【
図13】本開示の一実施形態による、
図12に示されるフレームを含むプロテーゼ弁の断面概略図である。
【
図14】本開示の一実施形態による、平坦化した構成でのプロテーゼ弁のフレームの平面図である。
【
図15】
図14に示されるフレームの一部のクローズアップ図である。
【
図16】本開示の一実施形態による、
図14に示されるフレームを含むプロテーゼ弁の断面概略図である。
【
図17】突起が半径方向外向きに延在する状態の、
図16に示されるプロテーゼ弁の断面概略図である。
【
図18】本開示の一実施形態によるプロテーゼ弁の側部概略図である。
【
図19】プロテーゼ弁が拡張され、突起が半径方向外向きに延在する状態の、
図18に示されるプロテーゼ弁の側部概略図である。
【
図20】突起が半径方向外向きに延在する状態の、
図19に示されるプロテーゼ弁の断面概略図である。
【
図21】突起が半径方向外向きに延在する状態の、本開示の一実施形態によるプロテーゼ弁の断面概略図である。
【
図22】本開示の一実施形態によるプロテーゼ弁の断面概略図である。
【
図23】本開示の一実施形態によるプロテーゼ弁の斜視図である。
【
図24】本開示の一実施形態による圧着デバイスの斜視図である。
【
図25】
図24に示される圧着デバイスのチャネルの断面概略図である。
【
図26】プロテーゼ弁および送達システムの細長いシャフトがチャネル内に位置決めされた状態の、
図25に示される圧着デバイスのチャネルの断面概略図である。
【
図27】プロテーゼ弁がチャネル内に圧着された状態の、
図25に示される圧着デバイスのチャネルの断面概略図である。
【
図28】本開示の一実施形態による送達装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の記載および例は、本開示の一部の一例の実施形態を詳細に例示する。当業者は、その範囲によって包含される、本開示の多くの変形形態および修正形態が存在することを認識するであろう。したがって特定の一例の実施形態の記載は、本開示の範囲を限定するようにみなすべきではない。
【0014】
図1は、プロテーゼ弁10の形態のインプラントの斜視図を例示する。プロテーゼ弁10は、近位端14と、遠位端16と、近位端14と遠位端16との間の長さ18(
図3に印が付けられるような)とを有してよい弁本体12を含んでよい。近位端14は、プロテーゼ弁10の流出端部を備えてよく、遠位端16はプロテーゼ弁10の流入端部を備えてよい。
【0015】
弁本体12は、連結点24で一緒に連結し得る複数の支柱22を含んでよく、支柱22の間に空間26を有し得るフレーム20を含んでよい。空間26は、流体がその中を通ることを可能にしてよい、または他の構成要素のそこを通る通過を可能にしてよい、フレーム20の開口を備えてよい。フレームの構成は、他の実施形態では変化する場合がある。
【0016】
フレーム20は、フレーム20が折り畳まれた(あるいは非展開または非拡張)状態に移動するように圧着された状態、および拡張(または展開)状態に移動するように拡張された状態で、弁本体12が折り畳み可能かつ拡張可能であることを可能にするように構成されてよい。複数の支柱22は、フレーム20が折り畳まれた状態に移動することを可能にするように共により近づくように移動するように構成されてよい。支柱22の間の開口の幅は、フレーム20が折り畳まれた(あるいは非展開または非拡張)状態に移動するときに縮小されてよく、開口の長さは拡大する。フレーム20の支柱22は、拡張状態に移動するために互いから離れるように円周方向に移動するように構成されてよい。支柱22の間の開口の幅は、フレーム20が拡張(または展開)状態に移動するときに拡大されてよく、開口の長さは縮小する。
【0017】
弁本体12は、フレーム20の一部を覆ってよい1つまたは複数のカバー27をさらに含んでよい。カバー27は、フレーム20の周りに円周方向に延在してよく、弁本体12の外面30の全て、またはその一部を形成するように位置決めされてよい。カバー27は、患者の体内の所望の場所に対する展開されたプロテーゼ弁10の固定を強化してよい。
【0018】
弁本体12は、流体の流れ(例えば血液または別の流体)が弁本体12の中を通ることを可能にし得る流れチャネル28(
図2および
図3に印が付けられるような)を取り囲んでよい。弁本体12は、弁本体12から外向きに面してよい外面30を含んでよく、流れチャネル28に面する内面32(
図2および
図3に印が付けられるような)を含んでよい。外面30は、患者の身体の所望の部分(例えば所望ならば心臓弁輪)の中にプロテーゼ弁10をしっかりと固定するために利用されてよいアンカー面を備えてよい。外面30は、プロテーゼ弁10を弁輪の中にしっかりと固定するために半径方向外向きに力を加えてよい。
【0019】
複数の弁小葉34が、流れチャネル28の中に位置決めされてよく、弁本体12の内面32から内向きに延在してよい。弁小葉34は、弁本体12のフレーム20に結合する外側端部部分35(
図1および
図2に印が付けられるような)を含んでよく、弁小葉34が閉鎖されたとき互いに向かって引き寄せられる内側部分37を含んでよい。外側端部部分35は、小葉34の継ぎ目点でフレーム20に結合してよく、フレーム20に結合するために、フレーム20の開口を通過してよい。各小葉34は、流出方向に小葉34の縁部を形成し得る近位端39(
図3に印が付けられるような)を含んでよい。近位端39は、各小葉の遠位端41(
図3に印が付けられるような)の反対側にあってよい。プロテーゼ弁10は、
図1および
図2に示されるように3つの小葉34を含んでよい、または所望により、これより多い数またはこれより少ない数の小葉34を含んでもよい。
【0020】
弁小葉34は、開放状態(流体が流れチャネル28の中を流れる)と、閉鎖状態(流体流れが流れチャネル28の中を通るのが妨げられる)との間で移動してよく、これは、生来の心臓弁小葉の動きを模倣してよい。弁小葉34は、近位端39を半径方向内向きのやり方で互いに向かって移動させ、互いに接触して弁を閉鎖し、その後半径方向外向きのやり方で互いから離れるように移動して弁を開放するようにさせてよい。弁小葉34は、近位方向に開放してよい。
図2は、例えば、開放状態の弁小葉34を例示しており、弁小葉34は、半径方向外向きのやり方で互いから離れて位置決めされている。
【0021】
複数の弁小葉34が、プロテーゼ弁10の近位方向、すなわち流出方向で流れを可能にするために開放するように構成されてよく、プロテーゼ弁10の遠位方向、すなわち流入方向で流れを妨げるために閉鎖するように構成されてよい。
【0022】
図1を参照すると、プロテーゼ弁10は、弁本体12の外面30から外向きに延在するように構成された1つまたは複数の突起36を含んでよい。1つまたは複数の突起36は、弁本体12の流れチャネル28の外側に位置決めされた1つまたは複数の弁小葉を遠位方向に偏位させるように構成されてよい。1つまたは複数の突起36は各々、弁本体12のフレーム20に結合された第1の端部38(
図3に印が付けられるような)を有してよく、突起36の第2の端部40に対して外向きに延在してよい。突起36の第2の端部40は、非外傷性であり得る突起36の先端を備えてよい。各突起36は、
図1および
図3に示されるように、遠位方向に向かって角度が付けられてよく、第2の端部40は、第1の端部38より遠位方向に位置決めされている。各突起36は、示されるように直線形状であってよい、または所望により別の形状を有してもよい。各突起36は、実施形態では、先が分かれた突起を備えてよい。
【0023】
各突起36は、弁本体12の拡張時に、突起36が生来の(またはホスト)小葉に接触することを可能にし得る位置で弁本体12上に軸方向に位置決めされてよい。各突起36は、多様な場所に位置決めされてよく、(
図1に示されるように)弁本体12の近位部分に位置決めされてもよい。突起36は、弁本体12の近位端14と遠位端16との間に位置決めされてよいが、所望により他の場所も利用されてよい。実施形態では、突起36は、(そのような小葉34が開放状態にあるとき、および/またはそのような小葉34が閉鎖状態にあるとき)プロテーゼ小葉34の近位端39の遠位に軸方向に位置決めされてよい。そのような位置決めにより、生来のまたはホスト小葉がプロテーゼ小葉34の近位端39と同じ軸方向の位置に近位端を有する場合、突起36が生来の(またはホスト)小葉を偏位させることを可能にしてよい。したがって、突起36は、生来のまたはホスト小葉の近位端より、弁本体12の流入、すなわち遠位端16により近づいて軸方向に位置決めされてよい。他の実施形態において、突起36の他の位置が利用されてもよい。
【0024】
各突起36は、弁本体12の外面30の周りに円周方向に互いから離間されてよい。
図2は、例えば、プロテーゼ弁10の頂部概略図を例示しており、突起36が外面30から半径方向外向きに延在し、弁本体12の外面30の周りで互いから円周方向に離間されているのを示している。間隔は、
図2に示されるように均等であってよい、または所望により実施形態では他の可変の間隔が利用されてもよい。
【0025】
実施形態では、突起36の数は、
図2に示されるように8個であってよい、または所望によりこれより多い数またはこれより少ない数が提供されてもよい。例えば、一実施形態では、3つの突起36が利用されてよく、1つの突起が、各生来の、またはホスト小葉を偏位させる。一実施形態では、1つの突起のみが利用されてもよい。一実施形態では、2つが利用されてもよい、またはそれより多い数(例えば4つ以上)が利用されてもよい。突起36の数が多くなることは、突起36が生来の、またはホスト小葉を偏位させる見込みを高める可能性がある。突起36の数は、偏位されるべき小葉の数に一致するように選択されてよい、または異なる数の突起36として提供されてもよい。
【0026】
図2は、流体流れが流れチャネル28を通るのを可能にする、開放構成での弁小葉34を例示する。
【0027】
弁本体12は、
図1および
図2に示されるように円筒形の形状を有してよい、または別の形状(例えば先細の形状または「V字」形状、もしくは電球形状、または他の所望の形状)を有してもよい。円筒形の形状は、実施形態では弁本体12の外面30について均一な外径を含んでよく、内面32について均一な内径を含んでよい。円筒形の形状の他の構成も所望により利用されてよい。
【0028】
図3は、プロテーゼ弁10の断面概略図を例示する。弁本体12は、弁本体12の軸42に沿って延在し、この軸を取り囲む。弁本体12は、弁本体12の軸42を横断する幅44を有する。弁本体12は、弁本体12の幅44の変化に応じて変動する長さ18を有してよい。例えば、
図1に戻ってこれを参照すると、フレーム20の支柱22の間の各空間26は、特定の幅および特定の長さを有してよい。弁本体12は、折り畳み可能かつ拡張可能であってよく、折り畳まれた状態では、支柱22は、各空間26の幅が
図1に示されるものより小さくなるように、かつ各空間26の長さは、
図1に示されるものより大きくなるように、共に引き寄せられてよい。弁は、(
図3に矢印46で印が付けられるように)軸42から半径方向外向きに拡張されるとき、各空間26の長さは縮小してよく、各空間26の幅は拡大してよい。各空間のサイズの対応する変化および支柱22の移動によって、フレーム20全体が、その長さを縮小させ、その幅を拡大することを可能にしてよい。
【0029】
したがって、弁本体12の拡張時、弁本体12の幅44は拡大してよく、これは、弁本体12の長さ18をこれに対応して縮小させる。拡張は、長さ18の縮小が特定の方向に生じるように、弁本体12の近位端14または遠位端16が所定の位置に保持され得るように制御されてよい。例えば、遠位端16が所定の位置に保持され、弁本体12が拡張される場合、このとき近位端14は、遠位端16に向かって移動してよい。近位端14が所定の位置に保持される場合、このとき遠位端16が近位端14に向かって移動してよい。したがって、1つまたは複数の突起36の軸方向の移動は、拡張中に弁本体12の遠位端16または近位端14のいずれかを所定の位置に保持することによって制御されてよい。突起36は、フレーム20の長さの縮小の方向でフレーム20と共に軸方向に移動するように構成されてよい。
【0030】
プロテーゼ弁10は、患者の体内の所望の治療箇所に展開されてよい。治療箇所は、患者の体内に植え込まれるべきプロテーゼ弁10のために植え込み箇所であってよい。治療箇所は、患者の身体の弁であってよく、これは生来の弁であってよい、または患者の体内のこれ以前に展開されたプロテーゼ弁を備えてもよい。治療箇所は、小葉を含んでよく、これは(生来の弁の)生来の小葉であってよい、または(これ以前に展開された弁またはホスト弁の)ホスト小葉であってもよい。小葉は、小葉をプロテーゼ弁10の小葉と置き換えることを要求する可能性がある多様な疾病を患う可能性がある。例えば、小葉の石灰化または弁の他の症状(例えば狭窄または他の症状)は、小葉をプロテーゼ弁10の小葉と置き換える手術を必要とする場合がある。小葉は、プロテーゼ弁10が展開されているとき、患者の体内に留まったままである場合がある。プロテーゼ弁10は、生来の小葉またはホスト小葉がプロテーゼ弁の拡張時に半径方向外向きに押されるように、生来の小葉とホスト小葉との間に展開されてよい。そのような構成は、プロテーゼ弁10が生来の弁内で展開されるか、これ以前に展開されているホスト弁内で展開されるかどうかに起因してよい。
【0031】
生来の小葉またはホスト小葉を半径方向外向きに押すことで、多様な疾病を引き起こす可能性がある。例えば
図4は、生来の大動脈弁48の概略図を例示しており、これは、大動脈弁の弁輪52から、近位方向、すなわち流出方向に延在する生来の弁小葉50を含んでいる。小葉50は、生来の大動脈弁48の流れチャネルと、大動脈(上行大動脈)の表面との間に位置決めされる。とりわけ、冠状動脈口54が大動脈の表面上に位置決めされてよい。プロテーゼ弁が、生来の大動脈弁48内で拡張された場合、このとき、拡張したプロテーゼ弁が生来の小葉50を半径方向に外向きに押すことで、生来の小葉50が、冠状動脈口54の1つまたは複数を完全にまたは部分的に覆う場合がある可能性があり、これは、心臓疾病につながる可能性がある。プロテーゼ弁が、大動脈弁輪52の中で、これ以前に展開されたプロテーゼ弁またはホストプロテーゼ弁内で拡張された場合、同様の問題が生じる場合がある。
【0032】
突起36は、弁本体12の流れチャネル28の外側に位置決めされた生来の小葉50の1つまたは複数を遠位方向に偏位させるのに利用されてよい。弁本体12の外面30から外向きに延在する突起36は、生来の小葉50に接触し、小葉50を遠位方向に偏位させて、小葉50が冠状動脈口54または他の心臓構造物を完全に、または部分的に覆う可能性を低下させてよい。そのような作用は、プロテーゼ弁10(ゲスト弁として機能している)が、そのようなプロテーゼ弁内に植え込まれた場合、大動脈弁輪52内のこれ以前に拡張したプロテーゼ弁またはホストプロテーゼ弁の小葉に関して生じる場合がある。
【0033】
図4は、折り畳まれた(あるいは非展開または非拡張)状態のプロテーゼ弁10を例示しており、ここでは弁10は拡張されて、弁本体12の幅44を拡張し、長さ18(
図3に印が付けられるような)を縮小するように構成されてよい。プロテーゼ弁10は、弁10を大動脈弁輪52に送達するように構成され得る送達装置(
図4には示されない)の細長いシャフト上に位置決めされてよい。例示の送達装置154が
図28に示されている。弁10は、経血管式に細長いシャフトによって通過されてよく、大動脈弁輪52に到達するために大動脈弓の上を通過してよい。他の実施形態において、他のアプローチ(例えば、経心尖アプローチまたは別のアプローチ)が利用されてもよい。他の生来の弁が治療される実施形態では、生来の弁に到達するために、他のアプローチが利用されてもよい。
【0034】
図4を参照すると、プロテーゼ弁10が生来の大動脈弁48に接近すると、突起36は、(小葉の流出側にある)小葉50の近位端の近位に位置決めされてよい。突起36は、小葉50の近位端に接触してよい。プロテーゼ弁10はこのとき拡張されて、弁本体12の幅44を拡大し、長さ18(
図3に印が付けられるような)を縮小してよい。プロテーゼ弁10の遠位端16などの一端は、弁10の拡張中、大動脈弁輪52または生来の弁の他の部分または他の植え込み箇所に対して軸方向の位置(ライン56によって印が付けられるような)に保持されてよい。遠位端16は、プロテーゼ弁10を展開するのに利用され得る送達装置の作動によって所定の位置に保持されてよい。所定の位置に保持されている遠位端16は、近位端14が遠位端16に向かって移動することを可能にし、これにより1つまたは複数の突起36を遠位方向に移動させてよい。
【0035】
図5は、拡張(または展開)状態のプロテーゼ弁10を例示する。プロテーゼ弁10は、患者の体内で拡張される。弁本体12の長さ18は縮小され、弁本体12の幅44(
図3に印が付けられるような)は拡大される。弁本体12の遠位端16は所定の位置に保持されており、弁本体12が半径方向に拡張される間、近位端14が遠位端16に向かって移動することを可能にし、これにより、1つまたは複数の突起36がフレーム20の移動と共に遠位方向に移動する。1つまたは複数の突起36は、生来の弁小葉50に接触し、これを遠位方向に偏位させ、このことは、生来の弁小葉50を折り曲げる、またはそうでなければ圧縮する可能性がある。したがって、弁本体12は、突起36が1つまたは複数の小葉を偏位させるように半径方向に拡張されてよい。生来の弁小葉50の近位端は、冠状動脈口54の遠位の方向に偏位されている。小葉50は、1つまたは複数の突起36で冠状動脈口54の遠位に保持され、これにより、生来の弁小葉50が冠状動脈口54または患者の身体の他の心臓構造物を完全に、または部分的に覆う可能性を低下させる。生来の弁小葉50は、弁小葉34の(
図1に印が付けられるような)近位端39の遠位に偏位されてよい。植え込み時に、弁小葉34は、生来の弁小葉50のためのプロテーゼ代用品として機能する。
【0036】
生来の弁小葉50は、1つまたは複数の突起36によって、1つまたは複数の突起36の遠位であり、弁本体12の外面30の外側である空間58に保持されてよい。空間58は、冠状動脈口54の遠位であってよい。空間58は、弁本体12の外面30および外面30を取り囲む外側面(ここでは、大動脈の表面)によって境界が決められる。外側面は、大動脈の表面など、患者の血管系の内側面であってよい、および/または他の面の中でも、空間58を取り囲む先に展開されたプロテーゼ弁を備えてもよい。空間58は、弁本体12の外面30の周りに延在する環状空間であってよい。さらに、突起36の角度は、生来の弁小葉50を弁本体12の外面30に当接して保持するように機能して、小葉50が外面30から半径方向外向きに移動するのを阻止してよい。したがって、小葉50は、弁本体12の外面30に当接して保持されて、小葉50が冠状動脈口54を完全に、または部分的に覆う可能性をさらに低下させてよい。
【0037】
弁本体12の外面30の弁輪52に対する力は、プロテーゼ弁10を弁輪52内にしっかりと固定してよい。
【0038】
プロテーゼ弁10の構成および作用は、生来の小葉またはホスト小葉による構造物の閉塞の可能性を低下させるように有利に機能してよく、弁10の拡張を利用して、突起36を所望の方向に移動させて、生来の小葉またはホスト小葉を偏位させてよい。
【0039】
プロテーゼ弁10の構成および作用は、所定の位置の弁10での構造物への到達をさらに可能にしてよい。例えば、弁10が大動脈弁に展開される実施形態では、空間は、弁本体12の外面30と冠状動脈口54との間に存在してよい。空間は、突起36の1つまたは複数の近位ならびに生来の小葉50の近位であってよい。冠状動脈口54には、空間を通って到達することができる。冠状動脈口54に到達するために、カテーテルが空間に通されてもよい。
【0040】
実施形態では、生来の弁小葉50は、フレーム20の1つまたは複数の開口の少なくともある程度遠位に偏位されてよい。
図1を参照すると、フレーム20は、開口を形成する空間26を含んでよく、突起36は、そのような開口の少なくともある程度遠位に小葉50を偏位させてよい。開口は、プロテーゼ弁小葉34の近位端の近位であってよい。流体流れはよって、開口を通ることが許可されて冠状動脈口54に到達することができる。さらに、冠状動脈口54に到達するために、カテーテルが弁本体12の内側から弁本体12の外側まで開口の1つに通されてもよい。
【0041】
実施形態では、プロテーゼ弁10は多様な形状を有してよく、所望によりバルーン拡張式弁または機械拡張式弁型が含まれる。自己拡張型弁も利用されてよい。弁10を展開させるために利用される送達システムは、遠位端16を所定の位置に保持し、所望の拡張方法(中でもバルーン拡張式、機械拡張式、自己拡張型)に従って弁10を拡張するように構成されてよい。
【0042】
プロテーゼ弁10の構成および使用の変形形態が提供されてよい。
【0043】
図6は、弁10と同様に構成されたプロテーゼ弁60の一実施形態を例示するが、互いから軸方向に離間した複数の突起36を含んでいる。突起36は、弁本体62上で互いに対して1つまたは複数の軸方向に離間したレベルに位置決めされてよい。各レベルの突起36は、互いから円周方向に離間されてよく、そのため突起36は、弁本体62の外面の周りに延在する突起の列を形成する。軸方向に離間した突起36の構成は、弁60の拡張時に突起36が小葉に接触しこれを偏位させる見込みを高める可能性がある。例えば、より低い(または遠位の)レベルにある突起36が小葉に噛み合い損ねた場合、このとき、より上の(または近位の)レベルにある突起36が小葉に噛み合うことができる。さらに、軸方向に離間した突起36は、突起の両方のレベルが小葉に接触しこれを偏位させることによって、両方が小葉に噛み合うことを可能にしてよい。
図6に示される突起36の構成は、所望により変更されてもよい。
【0044】
図7は、平坦化した構成での弁本体のフレーム64を例示する。フレーム64は、平坦化した構成で形成されてよく、その後、円筒形(
図1に示されるような)、または使用のために所望により別の形状などの所望の形状になるように移動されてよい。フレーム64は、材料の平坦なプレートから平坦化した構成で切断されてよく、そのため、フレーム64は、平坦化した本体を備える。例えば、フレーム64は、支柱66、連結点68、および開口を形成する支柱66の間の空間70を形成するために、レーザ切断されてよい、またはそうでなければ材料の平坦なプレートから形成されてもよい。切断材料はその後、円筒形または所望により他の形状を形成するために丸められてよい。特定の空間は、弁小葉34の外側端部部分35を受け入れるための開口67を備えてよい、および小葉34の継ぎ目点として機能してよい。支柱66、連結点68および空間70は、フレーム64の周りに円周方向に繰り返すセルのパターンを含んでよい。
【0045】
図8は、フレーム72と一体式の1つまたは複数の突起74を含むように形成されたフレーム72を例示する。したがって、フレーム72のパターンが切断されるとき、切断パターンは、突起74を生み出してよい。突起74は各々、フレーム72と同じ平坦化した本体から形成された、およびレーザ切断または別の切断形態などの切断プロセス中に形成された平坦化した本体を備えてよい。突起74は、
図1に示される近位開口または上方開口と同様に構成された、例えばフレームの近位開口または上方開口などのフレーム72の開口75内に最初に位置決めされるように形成されてよい。
【0046】
突起74は、ネック部分76と、ヘッド部分78とを各々含むように形成されてよい。ネック部分76は、ヘッド部分78をフレーム72に、例えば、フレーム72の連結点80に結合してよい。連結点80は、開口75の遠位に位置決めされてよい。ネック部分76は、連結点80から近位方向に最初に延在するように形成されてよい。ネック部分76は、ネック部分76が所望によりフレーム72から半径方向外向きに曲げられることを可能にするように曲げられるように構成されてよい。
【0047】
ヘッド部分78は、ネック部分76より大きくなるように形成されサイズが決められてよく、開口75内に最初に位置決めされるように形成されてよい。ヘッド部分78は、平坦化した本体であってよく、突起74の一端を備えてよい。ヘッド部分78は、開口82を取り巻いてよく、そのためヘッド部分78は、開口82の周りに延在する材料のリングを備えてよい。開口82は、ヘッド部分78を含む材料の量を削減してよい。ヘッド部分78は、丸みのある形状を有してよく、円形または楕円形、あるいは所望により別の形状などを有してよい。ヘッド部分78は、実施形態ではダイアモンド形状を有してよい、または形状の組み合わせ、または所望により別の形状を有してもよい。突起74は、フレーム72の周りで円周方向に繰り返すパターンで形成されてよい。ネック部分76は、弁本体に結合された突起74の一端を備えてよく、ヘッド部分78は、突起74の非外傷性の先端を備えてよい。
【0048】
各突起74は、突起74が、フレームを含む弁本体の外面から外向きに延在するように、フレーム72から半径方向外向きに曲げられるように構成されてよい。よって、フレーム72および突起74の形成後、フレーム72は、円筒形などの所望の形状に形成されてよく、突起74は、ヘッド部分78が遠位方向に延在し、ネック部分76が突起74を曲げる湾曲形状または「u字」形状を形成している状態で、曲げられてよい。ヘッド部分78は、開口75の遠位に延在してよい。
【0049】
図9は、弁本体88の外面86から外向きに延在する突起74を含むプロテーゼ弁84の断面概略図を例示しており、ヘッド部分78は、ネック部分76に関して遠位方向に曲げられている。突起74は、遠位方向に向けて角度が付けられている。ヘッド部分78は、弁本体88の外面86と平行に延在してよく、実施形態では遠位方向に配向されてよく、ネック部分76は、半径方向外向きに延在している。ネック部分76は、外面86から垂直に半径方向外向きに延在してよい。各突起74は、弁本体88の外面86の周りに円周方向に互いから離間されてよい。
【0050】
空間79は、弁本体88の外面86とヘッド部分78との間に位置決めされてよく、これは生来の小葉をその中に保持してよい。空間79は、ネック部分76によって近位方向に境界が決められ、ヘッド部分78によって半径方向外向きに境界が決められてよい。生来の小葉はこれに従って突起74によって偏位され、空間79内に保持されることによって外面86から半径方向外向きに延在して保持されてよい。
図10は、例えば突起74を含むプロテーゼ弁90の斜視図を例示する。
【0051】
突起74は、
図1~
図5に関して考察された1つまたは複数の突起36と同様に動作するように構成されてよい。1つまたは複数の突起74は、弁本体の外面から外向きに延在するように各々構成されてよい。1つまたは複数の突起74は、弁本体の流れチャネルの外側に位置決めされた1つまたは複数の弁小葉を遠位方向に偏位させるように構成されてよい。ヘッド部分78は、小葉を損傷する可能性を低下させ得る、突起74の大きな非外傷性の先端として機能してよい。突起74は、
図1~
図5に関して考察されたように、弁の拡張の方向に従って移動するように構成されてよい。
【0052】
突起74の軸方向の位置は、フレームの開口92(
図10に印が付けられる)のさらに遠位であることで、開口92を通り、かつ冠状動脈口または所望により他の心臓構造物への流体の流れを可能にしてよい。冠状動脈口への到達は、カテーテルまたは所望により他のデバイスを介して開口を通して実現されてもよい。
【0053】
ヘッド部分78の形状は、実施形態で変化してよい。
図11は、例えばヘッド部分94がダイアモンド形状を有する実施形態を例示している。ダイアモンド形状は、フレーム96を利用するプロテーゼ弁の圧着外形を改善してよく、圧着されるフレーム96の能力を改善してよい。ネック部分は、
図8~
図10に示される突起の実施形態と同様のやり方でヘッド部分を配向するように曲げられてよい。
【0054】
突起の位置は実施形態で変化してよい。
図12は例えば、突起97がフレーム100の近位端98(または流出端部)に結合され得るのを例示する。突起97はその後、フレーム100の近位端98から遠位方向に曲げられてよい。
図13は、例えば、そのような一実施形態の断面概略図を例示しており、そこでは、突起97は、フレーム100の近位端98に結合された第1の端部を有する。突起97のヘッド部分94は、突起97の先端を備え、フレーム100の近位端98または流出端部から遠位方向に延在する。ネック部分は、
図8~
図10に示される突起の実施形態と同様のやり方でヘッド部分を配向するように曲げられてよい。そのような構成は、小葉との噛み合いを改善してよく、プロテーゼ弁の圧着外形を改善してよい。
【0055】
実施形態では、突起は、それらが結合される弁本体またはフレームに対して静止状態であってよい。実施形態では、突起は、遠位方向に向かって移動する、または回転するように構成されてよい。
図14は例えば、
図8に示されるフレーム72の切断パターンを有するフレーム99の構成を例示する。フレーム99は、
図8に示されるヘッド部分78と同様に構成されたヘッド部分103を有する突起101を含む。ネック部分105はしかしながら、ヘッド部分103が遠位方向に向かってそれを中心に回転してよいヒンジを備えてよい。
【0056】
1つまたは複数の係留コード102が突起101に結合されてよく、かつフレーム99に結合されてよい。各係留コード102は、弁本体を1つまたは複数の突起101のそれぞれ1つに結合してよく、1つまたは複数の突起101のそれぞれ1つに力を加えて、1つまたは複数の突起101のそれぞれ1つを遠位方向に向けて回転させるように構成されてよい。フレーム99は、拡張式フレームであってよく、1つまたは複数の係留コード102は、フレームの拡張によって1つまたは複数の係留コード102が1つまたは複数の突起101のそれぞれ1つに力を加えるように、拡張式フレームに結合されてよい。
【0057】
図15は、係留コード102の構成を示す、フレーム99の一部のクローズアップ図を例示する。各係留コード102は、突起101のそれぞれ1つに結合された第1の端部104または近位端を含んでよい。第1の端部104は、突起101のヘッド部分103に結合してよい。結合は、ヘッド部分103の先端に向かって生じてよい、または所望により別の場所であってもよい(所望によりヘッド部分103上のさらに遠位で、または結合はネック部分105上で生じてもよい)。第1の端部104は、それぞれの突起101の本体の周りでループを形成してよい。各係留コード102は、フレーム99の一部に結合する第2の端部106を含んでよい。フレーム99の一部は、フレームの支柱109を備えてよく、これは、フレーム99の開口によって隔てられている。例えば結合は、フレーム99の支柱109の連結点107で生じてもよい。結合は、それぞれの突起101の場所から円周方向にずれた連結点で生じてもよい。各端部106は、ループまたは他の構成を備えてよい。
【0058】
ループ構成によって、別の隣接する係留コード102の本体がループになった端部106を通過することを可能にしてよい。係留コード102の本体はその後、連結点107の間の空間にわたってよい。係留コード102の本体は、
図15に示されるようにループになった端部106から円周方向に左側に延在してよく、その後、隣接する係留コードのループになった端部を通過してよい。係留コード102の本体は、その後、ヘッド部分103に結合するために近位方向に上向きに偏向されてよい。したがって、フレーム99が半径方向外向きに拡張されるとき、連結点107の間の空間111の幅が拡大する。ループになった端部106は、よって円周方向に引っ張られ、これは、係留コード102の本体を円周方向に引っ張る。係留コード102の隣接するループを通る偏向により、ヘッド部分103に結合した係留コード102の一部は、遠位方向に引っ張られる。突起101はこれに従って遠位方向に引っ張られ、ネック部分105を中心に遠位方向に回転してよい。係留コード102は、これに従って突起101を半径方向外向きに拡張してよい。1つまたは複数の係留コード102の構成は、実施形態で変化してよく、例えば、弁本体の拡張によって、ループを拡張させ、突起101を遠位方向に引っ張るように、単一のループがフレームの外面全体の周りに延在してもよい。
【0059】
図16は、例えば、
図14および
図15に示される実施形態の断面概略図を例示する。
図16は、遠位方向に回転するように構成された突起101を有するプロテーゼ弁108を例示する。プロテーゼ弁108は、折り畳まれた(あるいは非展開または非拡張)状態で示される。突起101は、
図14に印が付けられるフレーム99の開口113内に位置決めされてよく、近位方向に延在してよい。そのような構成は、プロテーゼ弁108の外径は、折り畳まれた構成にあるときは、突起101の存在によって拡大されない。したがって、弁108は、突起101が近位方向に延在する状態で比較的低い外形または直径を有してよく、これは、突起101が存在しない場合と同一の直径または外形であってよい。そのような機構は、比較的低い外径を維持しながら、治療箇所に送達される弁108の能力を改善してよい。突起101は、弁本体の外面の外径より小さい、またはそれを超えない外径を有してよい。考察したように、プロテーゼ弁108が拡張されると、係留コード102は、突起101を遠位方向に向けて引っ張り回転させてよい。
【0060】
図17は、例えば、係留コード102によって加えられる引っ張り力によって遠位方向に回転される突起101を例示する。係留コード102を利用して、突起101に力を加えて、突起を遠位方向に向けて回転させる。ヘッド部分103は、遠位方向に回転し、弁本体の外面と平行に遠位方向に配向される。ヘッド部分103は、ネック部分105を中心に回転し、これはヒンジを備えてよい。突起101は、例えば
図9に示されるような配向にあってよく、
図9に示される突起と同様のやり方で動作してよい。引っ張り力は、プロテーゼ弁108の半径方向の拡張によって生じる。そのような構成では、弁本体の近位端または遠位端は、ネック部分105を中心とした回転による突起101の遠位の移動が小葉を遠位方向に偏位させ得るため、拡張中に特定の位置に保持される必要は恐らくない。そのような機構は小葉を遠位方向に偏位させるために単独で使用されてよい、または本明細書に開示されるような突起の遠位の移動を引き起こす弁の拡張と組み合わせて利用されてもよい。
【0061】
1つまたは複数の突起101は各々、弁本体の外面から外向きに延在するように構成されてよい。1つまたは複数の突起101は、弁本体の流れチャネルの外側に位置決めされた1つまたは複数の弁小葉を遠位方向に偏位させるように構成されてよい。
【0062】
突起および突起を回転させる、または展開するための機構の他の構成が利用されてもよい。
【0063】
図18は、プロテーゼ弁110の一実施形態を例示しており、そこでは、突起は、遠位方向に向かって回転するように各々構成された1つまたは複数のフラップ112を備える。フラップ112は、弁本体120に結合されてよく、プロテーゼ弁110の近位端115に位置決めされてよい。フラップ112は、ヒンジ117(
図19に印が付けられるような)で弁本体の近位端115に結合されてよい。フラップ112の反対の端部は、フラップ112の非外傷性の先端を備えてよい。フラップ112は各々、弁本体120の外面の周りで互いから円周方向に離間されてよい。3つのフラップ112、あるいはそれより多い数、またはそれより少ない数のフラップ112が所望により利用されてよい。
【0064】
フラップ112は、特定の幅および特定の長さを有し、小葉に接触しこれと噛み合うための幅広の表面積を形成する本体として各々構成されてよい。フラップ112は、遠位方向に回転されたとき、
図19に示されるように、弓形形状を形成するように構成されてよい。所望によりフラップ112に他の形状が利用されてもよい。フラップ112の他の位置も同様に利用されてよい。本明細書に開示される突起の実施形態のいずれもフラップを含んでよい。
【0065】
図18は、折り畳まれた(あるいは非展開または非拡張)状態のプロテーゼ弁110を例示する。そのような構成のフラップ112は、近位方向に延在してよく、弁本体120の外面と平行に延在してよい。フラップ112は、弁本体120の近位端115から近位方向に突出してよいが、半径方向外向きには突出しない。そのような構成では、プロテーゼ弁110の外径は、折り畳まれた構成にあるとき、フラップ112の存在によって拡大される可能性はない。したがって、弁110は、フラップ112が近位方向に延在する状態で比較的低い外形または直径を有してよく、これは、あたかもフラップ112が存在しない場合と同一の直径または外形であってよい。そのような機構は、比較的低い外径を維持しながら、治療箇所に送達される弁110の能力を改善してよい。フラップ112は、弁本体120の外面の外径より小さい、またはそれを超えない外径を有してよい。
【0066】
各フラップ112は、
図14~
図17に関して考察した係留コード102と同様に動作してよい係留コード114に結合されてよい。各係留コード114は、フラップ112の形態の1つまたは複数の突起のそれぞれ1つに弁本体120を結合してよく、1つまたは複数のフラップ112のそれぞれ1つに力を加えて、フラップ112を遠位方向に回転させるように構成されてよい。弁本体120は、拡張式フレームを含んでよく、1つまたは複数の係留コード114は、フレームの拡張によって1つまたは複数の係留コード114がフラップ112に力を加えるようにするように、拡張式フレームに結合されてよい。各係留コード114は、それぞれのフラップ112に結合された第1の端部116を有してよく、フレーム122を備えてよい、弁本体120の一部に結合された反対側の第2の端部118を有してよい。開口123によって隔てられ、連結点125で接続された支柱121を含むフレーム122の一部が
図18に示されている。
【0067】
各係留コード114は、フレーム122の半径方向の拡張によって、係留コード114がそれぞれのフラップ112に力を加えて、それぞれのフラップを遠位方向に回転させるように、フレーム122に結合されてよい。係留コード114を利用して、フラップ112に力を加えて、フラップを遠位方向に向けて回転させる。各係留コードの第2の端部118は、例えば、フレーム122の支柱121の連結点125に結合されてよく、連結点の間の空間(例えば開口123)の幅が拡大するとき、係留コード114は、それぞれのフラップ112を遠位方向に引っ張ってよい。係留コード114は、
図18に示されるように「Y」字形状を有してよく、2つの遠位の本体127は、係留コード114の連結点129から外向きに延在している。近位の本体131は、連結点129から上向きに延在してよい。
【0068】
図19は、フレーム122が拡張されており、これによりフラップ112を遠位方向に回転させるのを例示している。フラップ112は、プロテーゼ弁の近位縁部の上で折れ曲がってもよい。係留コード114は、
図18に示されるような「Y」字形状から、
図19に示されるような「T」字形状に移動してよい。係留コード114の引っ張りが、フラップ112をそれぞれのヒンジ117を中心に回転させてよい。フラップ112はこれに従って弁110の外面から半径方向外向きに延在してよく、弁本体の流れチャネルの外側に位置決めされた1つまたは複数の弁小葉を遠位方向に偏位させるように構成されてよい。フラップ112は、遠位方向に向かって角度が付けられる。フラップ112の形態の突起は、本明細書に開示されるのと同様のやり方で1つまたは複数の弁小葉を偏位させてよい。しかしながらフラップ112の回転は、フラップ112の遠位の移動が小葉を遠位方向に偏位させてよいため、拡張時に弁本体の近位端または遠位端が特定の位置に固定されないことを可能にしてよい。そのような機構は小葉を遠位方向に偏位させるために単独で使用されてよい、または本明細書に開示されるような突起の遠位の移動を引き起こす弁の拡張と組み合わせて利用されてもよい。
【0069】
フラップ112の幅広の表面積は、フラップ112が小葉と噛み合い、小葉を遠位方向に偏位させる見込みを高める可能性がある。
【0070】
図20は、拡張構成のプロテーゼ弁110の断面概略図を例示する。
【0071】
係留コード114は、多様な場所で弁本体120に結合してよく、同様に多様な場所でフラップ112のそれぞれ1つに結合してよい。例えば、
図21に示されるように、係留コード114は、特定の実施形態ではヒンジ117の近位の(またはフラップの先端から遠位方向の)1つに結合してよい。これは
図20に示される実施形態とは対照的であり、ここでは係留コード114は、フラップ112の先端の近位で、かつヒンジ117から遠位方向でフラップ112に結合してよい。
図21に示される構成では、係留コード114は、
図20に示されるものよりフラップ112の先端から遠くに結合されるため、小葉に噛み合いこれを偏位させるためにフラップ112のより大きな表面積が利用可能であってよい。小葉を中に保持するために、フラップ112と弁本体の外面との間に空間133が設けられてよい。
【0072】
突起は、本明細書に開示される多様な形態であり、特定の実施形態では1つの突起を備えてよい。例えば、突起がフラップを備える実施形態では、1つのフラップが弁本体から延在し、所望により小葉を偏位させるように構成されてよい。
【0073】
図22は、スカート124が1つまたは複数の突起74に結合し、これを覆う実施形態の側部断面概略図を例示する。スカート124は、流体が中を通ることを可能にする開口を有する材料で作成されてよいが、但し、スカート124が塞栓などの物質を捕捉することを可能にするように適切にサイズが決められる。スカート124は、織物で作成されてよく、実施形態ではポリマーまたは他の材料で作成されてもよい。スカート124は、スカート124を通過する流体(血液など)を濾過するためのフィルタとして機能してよい。
【0074】
スカート124は、弁本体88の外面の全体の周りに、またはその一部を覆って円周方向に延在してよい。スカート124は、プロテーゼ弁84の外面86から半径方向外向きに延在してよく、外面86から延在する1つまたは複数の突起74を覆ってよい。突起74は、
図9に示される突起74と同様に構成されてよい、または特定の実施形態では回転するように構成されてもよく、または別の構成を有する場合もある。
【0075】
スカート124は、スカート124と弁本体88の外面との間に空間126を形成してよい。空間126は、弁本体の外面の周りで環状の形状であってよい。空間126は、患者の血管系を通過する可能性のある物質を捕捉するように構成されてよい。そのような物質は、塞栓または植え込みプロセス中に取り除かれる可能性のある他の物質を含んでよい。スカート124は、そのような物質を捕捉して、発作などの、そのような物質の伝播に関連する疾病の可能性を低下させてよい。そのような物質は、プロテーゼ弁の展開中、あるいはそのような展開の前または後に捕捉されてよい。スカート124は、例えば、スカート124によって覆われた突起74による小葉の偏位により生成された物質を捕捉してよい。そのような物質(石灰化した物質)は、小葉の偏位中に小葉から放出される可能性がある。
【0076】
スカート124によって覆われた突起74は、弁小葉を遠位方向に偏位させるように継続して機能してよい。
図23は、例えば、突起74(
図22に示されるような)を覆い、プロテーゼ弁128の弁本体の外面から半径方向外向きに延在するそのようなスカート124の斜視図を例示する。
【0077】
プロテーゼ弁が本明細書に開示されるような突起を含む実施形態では、プロテーゼ弁を圧着し、弁本体から外向きに延在し得る突起を収容するのに圧着デバイスを利用してよい。
図24は例えば、そのような圧着デバイス130を例示する。圧着デバイス130は、ベース132、圧縮本体134、および圧着デバイスの内面を収縮させることによって圧着デバイスを操作するように構成されたアクチュエータ136を含んでよい。
【0078】
ベース132は、特定の表面上に位置決めされるように構成されてよく、圧縮本体134およびアクチュエータ136を支持してよい。アクチュエータ136は、回転されるように構成される、または所望により別の構成を有する場合があるハンドルを備えてよい。例えば、実施形態では、アクチュエータ136はポンプ、モータ、または圧着デバイスを作動させるための他の機構を備えてよい。アクチュエータ136がハンドルである実施形態では、ハンドルは回転して、縮小した内径を有するように圧縮本体134を移動させてよい。
【0079】
圧縮本体134は、プロテーゼ弁を受け入れるように構成されたチャネル140を取り囲む内面138を有してよい。弁は、チャネル140に進入するために開口141に通されてよい。内面138は、プロテーゼ弁を圧着するために、チャネル140内のプロテーゼ弁に圧縮力を加えるために収縮されるように構成されてよい。圧縮本体134は、絞り構造を形成する複数のプレートを含め、多様なやり方で構成されてよく、この場合、プレートの回転が(
図25に印が付けられるような)チャネル140の内径142、146を縮小させる。内面138はこれに従って、プレートの回転時に収縮する。ハンドルの形態のアクチュエータは、プレートを移動させて内径を縮小させるために回転されてよい。他の実施形態において、圧縮本体の他の構成が利用されてもよく、中でもレバーと空気袋が含まれる。
【0080】
図25は、プロテーゼ弁を受け入れるように構成されたチャネル140の断面概略図を例示する。チャネル140は、収縮するように構成される内面138によって画定され、それによって囲まれてよい。内面138は、内径142を有してよい。内面138は、プロテーゼ弁の突起を収容してよい、内面138内に成形された凹部144を有してよい。凹部144は、凹部144の外側の内面138の内径142より大きな内径146を有してよい。凹部144の内径146および凹部144の外側の内面138の内径142は各々均一であってよい。凹部144は、円筒形の形状を有してよく、凹部144の外側のチャネル140も同様に円筒形の形状を有してよい。凹部144は、内面138に形成された溝を備えてよい。
【0081】
図26は、本明細書に開示される突起と同様に構成されてよい突起150を含む、非圧着または拡張状態のプロテーゼ弁148を例示する。プロテーゼ弁148は、チャネル140内に位置決めされてよく、プロテーゼ弁148が圧着されるべき送達装置の細長いシャフト152上に位置決めされてよい。
図28は例えば、プロテーゼ弁148が圧着され得る、かつ所望の植え込み箇所に本明細書に開示されるプロテーゼ弁のいずれかを送達するのに利用され得る送達装置154を例示する。送達装置154の構成は、他の実施形態では変更されてもよい。送達装置154は、細長いシャフト152を含んでよく、これは、弁148が圧着されるインプラント保持領域156を含んでよい。細長いシャフト152の外装は、インプラント保持領域156内の圧着された、または圧縮された、あるいは展開されていない弁148を覆って、弁148をシャフト152に対して保持してよい。インプラント保持領域156は、細長いシャフト152の遠位端158に位置決めされてよい。ノーズコーン160が、細長いシャフト152の遠位端158にさらに位置決めされてよい。細長いシャフト152は、送達装置154を把持するのに利用されるハンドル164に結合してよい、またはハウジングの別の形態に結合し得る近位端162を含んでよい。
【0082】
図26に戻って参照すると、突起150は、凹部144の中に位置決めされてよい。内面138は、プロテーゼ弁148を圧着するために、半径方向の圧縮力でプロテーゼ弁148に当接して圧縮されてよい。
図27は例えば、プロテーゼ弁148に加えられた圧縮力を例示する。プロテーゼ弁148は、突起150が弁本体の外面から半径方向外向きに継続して延在する状態で圧着される。凹部144は、突起150が弁148の残りのものと同じ直径まで圧縮されるのを阻止してよい。凹部144内の内面138の一部は、圧着中に突起150に接触してよい、または
図27に示されるように圧着中に突起150から離れていてもよい。弁148は、例えば
図28に示されるインプラント保持領域156で細長いシャフト152に圧着されてよい。弁148は、所望の治療箇所に展開される所定の位置で送達装置に結合されてよい。
【0083】
特定の実施形態において、クッション材がプロテーゼ弁148に加えられてもよい。クッション材は、Qualcrimp(登録商標)または所望による別の形態のクッション材を含んでよい。そのようなクッション材は、圧着中に弁および突起150の衝撃を吸収することで、圧着中の突起への損傷を回避してよい。
【0084】
本明細書に開示されるような実施形態は、プロテーゼ弁に関して考察され得るが、本明細書に開示されるシステム、デバイスおよび方法は、プロテーゼ弁に限定されない。他の形態のインプラントおよびプロテーゼインプラントが、本明細書に開示されるシステム、デバイスおよび方法を利用してもよく、これには、ステントおよび医療用インプラントの他の形態が含まれる。
【0085】
本明細書に開示されるシステム、デバイスおよび方法は、大動脈弁の治療に限定されるものではなく、僧帽弁、肺動脈弁および三尖弁、同様に患者の身体の他の部分の治療に拡大されてよい。本明細書に開示されるシステム、デバイスおよび方法は、生来の僧帽弁または他の場所などの生来の解剖学的構造を覆うように折り曲げられ、それに当接して設置され得るドッキング支持部材として利用されてよい。他の使用法が提供されてもよい。突起の実施形態は、小葉を偏位させるのに利用されてよい、または実施形態では所望により他の解剖学的構造を偏位させるように構成されてもよい。
【0086】
インプラントは、円筒形インプラントであってよい、または他の実施形態では「V字」形状、または所望により他の形状などの、他の形状を有してもよい。インプラントは、例えばインプラントの長手方向軸など、インプラントが周りを囲む軸から半径方向外向きに延在するように構成されてよい。インプラントは、バルーン拡張式または機械拡張式であってよい、あるいは、実施形態では自己拡張型であってもよい。利用される送達装置は、例えば、拡張の所望の形態を生み出すように構成されてよい。バルーン拡張式弁の場合、例えば、送達装置は、拡張バルーンを含んでよく、弁の内部に位置決めされたバルーンを膨らませ拡張させるための内腔を含んでよい。機械拡張式弁の場合、送達装置は、弁を拡張させるための機械展開機構を含んでよい。自己拡張型弁の場合、送達装置は、弁をあらわにし、弁が拡張するのを可能にするための格納式の外装などを含んでよい。展開および送達装置の他の形態が所望により利用されてもよい。
【0087】
本明細書に開示されるシステム、デバイスおよび方法は、多様な処置で使用されてよく、経カテーテル大動脈弁植え込み(TAVI)を含んでよい。本明細書に開示される送達装置およびシステムは、患者の心臓への、大腿アクセスを含めた、肝動脈アクセスに利用されてよい。送達箇所へのアプローチは、多様なやり方であってよい。例えば、生来の大動脈弁へのアプローチは、大動脈弓を介してよい。実施形態では、生来の大動脈弁の流入側から生来の大動脈弁に接近する心室アプローチが利用されてもよい。プロテーゼ弁は、突起が生来の小葉を遠位方向に偏位しながらそのような方向から植え込まれてよい。
【0088】
実施形態では、本明細書に開示されるシステム、デバイスおよび方法は、僧帽弁置き換え、三尖弁置き換え、および肺動脈弁置き換えに利用され、同様に修復にも利用されてよい。送達装置は、経カテーテル経皮的処置で利用されてよく、これには肝動脈処置が含まれ、これは、経大腿あっても経頸静脈であってもよい。中でも経心尖処置が利用されてもよい。本明細書に開示されるシステム、デバイスおよび方法は、ゲストプロテーゼ弁をホストプロテーゼ弁内で展開して、ホストプロテーゼ弁の機能不全を治療するために利用されてよい。そのような実施形態は、バルブインバルブ(ViV)処置を含んでよい。
【0089】
本明細書に開示されるような係留コードは、縫合糸、コード、ケーブルまたはワイヤなどの可撓性の本体を備えてよく、所望により他の形態の係留コードを備えてもよい。
【0090】
実施形態の機構は、修正される、代用される、排除される、または所望により実施形態にわたって組み合わされてもよい。
【0091】
加えて、本明細書の方法は、具体的に記載される方法に限定されず、本明細書に開示されるシステムおよびデバイスを利用する方法を含んでよい。方法のステップは、本明細書に開示されるシステム、デバイスおよび方法と共に、修正される、排除される、またはそこに加えられてもよい。
【0092】
本明細書に開示される実施形態の機構は、本明細書に開示される他の構成要素から独立して実装されてよい。システムの種々の装置は、独立して実装されてよい。
【0093】
締めくくりに、本明細書の態様は、特有の実施形態を参照して強調されていることを理解されたく、当業者は、これらの開示の実施形態は本明細書に開示される主題の原理の単なる例示であることを容易に理解するであろう。したがって開示の主題は、本明細書に記載される、特定の方法論、プロトコルおよび/または反応物に決して限定されないことを理解されたい。したがって、開示の主題に対する種々の修正または変更、あるいはその代替の構成を、本明細書の精神から逸脱することなく、本明細書の教示に従って作成することができる。最後に、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のものであり、本明細書に開示されるようなシステム、装置および方法の範囲に限定されることは意図されておらず、これは特許請求の範囲によってのみ定義される。したがってシステム、装置および方法は、厳密に示され記載されるようには限定されない。
【0094】
システム、装置および方法の特定の実施形態が本明細書に記載されており、これらを実施するために、発明者等にとって既知の最適な様式が含まれている。当然のことながら、これらの記載される実施形態に対する変形形態は、上述の記載を読むとき、当業者にとって明らかになるであろう。発明者等は、熟練した熟練工が、そのような変形形態を適切に採用することを期待しており、発明者等は、システム、装置および方法が、本明細書に具体的に記載されるもの以外の方法で実施されることを意図している。したがって、システム、装置および方法は、適用法によって許可されるように、ここに添付される特許請求の範囲に列挙される主題の全ての修正形態および等価物を含んでいる。さらに、その全ての可能な変形形態における上記に記載した実施形態のいずれの組み合わせも、そうでないことが本明細書で指摘されなければ、または文脈によってはっきりと否定されなければ、システム、装置および方法によって包含される。
【0095】
代替の実施形態、要素、またはシステムのステップ、装置、および方法のグループ分けは、限定として解釈されるべきではない。各グループの構成要素は、個別に、または本明細書に開示される他のグループの構成要素との任意の組み合わせで参照され、クレーム請求されてよい。グループの1つまたは複数の構成要素は、便宜上および/または特許性の理由のために特定のグループに含まれてよい、またはそのようなグループから削除されてもよいことが考慮される。任意のそのような包含または削除が起こった場合、明細書は、添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュグループの書かれた記載をこのように履行するように修正されるように、このグループを包含するようにみなされる。
【0096】
そうでないことが指摘されなければ、本明細書および特許請求の範囲において使用される特徴、製品、品質、パラメータ、特性、用語などを表す全ての数字は、用語「およそ」によって全ての例において修飾されるように理解されるべきである。本明細書で使用される際、用語「およそ」は、そのように修飾された特徴、製品、品質、パラメータ、特性または用語などは、変化する場合があるが、本明細書に考察される所望の動作またはプロセスを実行することが可能である近似値を包含する。
【0097】
システム、装置および方法を記載する文脈において(とりわけ以下の特許請求の範囲の文脈において)使用される用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」および同様の指示対象は、そうでないことが本明細書で指摘されなければ、または文脈によってはっきりと否定されなければ単数と複数の両方を網羅するように解釈すべきである。本明細書に記載される全ての方法は、そうでないことが本明細書で指摘されなければ、または文脈によってはっきりと否定されなければ任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供される任意のおよび全ての実施例、または例示の言語(例えば「など」)の使用は、システム、装置および方法をより最適に解明することが単に意図されており、別の方法で特許請求されるシステム、装置および方法の範囲に対する限定を与えるものではない。本明細書におけるいかなる言語も、システム、装置および方法の実施に必須である、特許請求されない何らかの要素を指し示すように解釈されるべきではない。
【0098】
本明細書で参照され識別される全ての特許、特許公報および他の刊行物は、例えば、システム、装置および方法と関連して使用される可能性があるそのような刊行物に記載される構成および方法論を記載し開示する目的のために、個別に、かつはっきりと、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。これらの刊行物は、もっぱら本出願の出願日より前のその開示に関して提供される。発明者等は、先の発明のために、または任意の他の理由のために、そのような開示に先行する権利は与えられていないことの承認として、この点において少しも解釈されるべきではない。これらの文献の内容についての日付または表現についての全ての記述は、出願人にとって入手可能な情報に基づいており、これらの文献の日付または内容の正確さについてのいかなる承認も構成していない。
【符号の説明】
【0099】
10 プロテーゼ弁
12 弁本体
14 近位端
16 遠位端
18 長さ
20 フレーム
22 支柱
24 連結点
26 空間
27 カバー
28 流れチャネル
30 弁本体の外面
32 内面
34 弁小葉
35 外側端部部分
36 突起
37 内側部分
38 第1の端部
39 近位端
40 第2の端部
41 遠位端
42 軸
44 幅
46 矢印
48 大動脈弁
50 生来の弁小葉、小葉
52 大動脈弁輪
54 冠状動脈口
56 ライン
58 空間
60 プロテーゼ弁
62 弁本体
64 フレーム
66 支柱
68 連結点
70 空間
72 フレーム
74 突起
75 開口
76 ネック部分
78 ヘッド部分
79 空間
80 連結点
82 開口
84 プロテーゼ弁
86 外面
88 弁本体
90 プロテーゼ弁
92 開口
96 フレーム
97 突起
98 近位端
99 フレーム
100 フレーム
101 突起
102 係留コード
103 ヘッド部分
104 第1の端部
105 ネック部分
106 第2の端部
107 連結点
108 プロテーゼ弁
109 支柱
111 空間
112 フラップ
113 開口
114 係留コード
115 近位端
116 第1の端部
117 ヒンジ
118 第2の端部
120 弁本体
121 支柱
122 フレーム
123 開口
124 スカート
125 連結点
126 空間
127 遠位の本体
128 プロテーゼ弁
129 連結点
130 圧着デバイス
131 近位の本体
132 ベース
133 空間
134 圧縮本体
136 アクチュエータ
138 内面
140 チャネル
141 開口
142、146 内径
144 凹部
148 プロテーゼ弁
150 突起
152 細長いシャフト
154 送達装置
156 インプラント保持領域
158 シャフトの遠位端
160 ノーズコーン
162 シャフトの近位端
164 ハンドル
【国際調査報告】