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特表2023-530496頭部支持組立体及び頭部支持ユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(54)【発明の名称】頭部支持組立体及び頭部支持ユニット
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/12 20060101AFI20230710BHJP
   A61G 5/10 20060101ALI20230710BHJP
   A47C 7/38 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
A61G5/12 703
A61G5/10 703
A47C7/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578703
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 IL2021050726
(87)【国際公開番号】W WO2021255734
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】275441
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520411353
【氏名又は名称】ヘッドオベーションズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コーエン ガジット,ベン
(72)【発明者】
【氏名】シャハム,カルマン
(72)【発明者】
【氏名】リブラス,マイケル
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084DB05
3B084DB10
(57)【要約】
本開示の主題の態様によれば、右側フレーム部材及び左側フレーム部材を備える座席に取り付け可能な頭部支持組立体である。頭部支持組立体は、右側支柱及び左側支柱と、右側カプラと左側カプラとの間に延びるピッチ軸を中心として支柱を少なくとも部分的に傾斜させることを容易にするように、右側フレーム部材に、及び左側フレーム部材にそれぞれ関節接合可能であり、右側支柱及び左側支柱をそれぞれ独立して拘束するように構成された右側カプラ及び左側カプラと、右側支柱の右上部及び左側支柱の左上部に関節接合可能な頭部支持ユニットと、を備える。第1の態様の頭部支持組立体は、右側フレーム部材及び左側フレーム部材を有する任意の座席に取り付けられるように構成され、その頭部支持ユニットは、頭部に支持を提供し、頭部が前方及び/又は下方に傾くことを防止するために、座席に着座したユーザの頭部に装着されるように構成される。ある場合には、頭部支持ユニットは、ヘッドレストレイントが取り付け可能である前方部分を備えて構成される支持体を有することができる。そのような場合、ヘッドレストレイントは、座席に着座している間、ユーザに改善された頭部及び頸部支持を提供するように構成される。
【選択図】図1E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右側フレーム部材及び左側フレーム部材を備える座席に取り付け可能な頭部支持組立体であって、前記頭部支持組立体は、
右側支柱及び左側支柱と、
右側カプラと左側カプラとの間に延びるピッチ軸を中心として前記支柱を少なくとも部分的に傾斜させることを容易にするように、前記右側フレーム部材に、及び前記左側フレーム部材にそれぞれ関節接合可能であり、前記右側支柱及び前記左側支柱をそれぞれ独立して拘束するように構成された前記右側カプラ及び前記左側カプラと、
前記右側支柱の右上部及び前記左側支柱の左上部に関節接合可能な頭部支持ユニットと、
を備える、頭部支持組立体。
【請求項2】
前記右側カプラ及び前記左側カプラは、前記右側フレーム部材及び前記左側フレーム部材にそれぞれ関節接合可能であり、前記支柱のその長手方向軸に沿った選択的な摺動変位もまた容易にするように、前記右側支柱及び前記左側支柱をそれぞれ独立して拘束するように構成されている、請求項1に記載の頭部支持組立体。
【請求項3】
前記右側カプラ及び前記左側カプラの各々は、前記それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材に関節接合可能な取付部材と、前記それぞれの右側支柱及び左側支柱を拘束するように構成され、前記ピッチ軸を中心とした前記支柱の前記傾斜を容易にするために前記取付部材に対して枢動可能である支柱受け部材とを備える、請求項1又は2に記載の頭部支持組立体。
【請求項4】
前記取付部材は、前記それぞれのフレーム部材のロール軸の周りでの前記それぞれの支柱の回転変位を容易にするように、前記それぞれの右側及び左側フレーム部材に関節接合可能である、請求項3に記載の頭部支持組立体。
【請求項5】
前記取付部材は、そのそれぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材を抱持することによって前記関節接合を行うように構成された抱持部分を備え、前記抱持部分は、前記それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材に対する前記それぞれの支柱の前記回転変位を行う能力を制御するために、前記それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材に前記抱持部分によって加えられる張力を制御するように構成された張力機構を備える、請求項4に記載の頭部支持組立体。
【請求項6】
請求項2に従属する場合、前記取付部材に対する前記支柱受け部材の前記枢動と、前記それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材に対する前記取付部材の前記回転変位とは、前記ピッチ軸及び前記ロール軸の両方の周りでの前記それぞれの支柱の変位を容易にするために同時に行われるように構成される、請求項4又は5に記載の頭部支持組立体。
【請求項7】
前記右側カプラ及び前記左側カプラのうちの少なくとも1つは、前記傾斜時に、前記支柱受け部材に対する前記取付部材の角度位置を選択的に拘束し、それによって、前記それぞれの支柱と前記座席の背もたれによって画定される背もたれ平面との間の傾斜角を固定するように構成された主角度固定機構を備える、請求項3から6のいずれか一項に記載の頭部支持組立体。
【請求項8】
前記支柱受け部材は、前記長手方向軸に沿って前記支柱受け部材に対して異なる位置で前記それぞれの支柱を選択的に拘束するように構成された高さ固定機構を備える、請求項3から7のいずれか一項に記載の頭部支持組立体。
【請求項9】
前記頭部支持ユニットは、前記右上部に関節接合可能な右側取付要素と、前記左上部に関節接合可能な左側取付要素と、前記右側取付要素と前記左側取付要素との間に配置された支持体と、を備え、前記支持体は、前記右側取付要素及び前記左側取付要素のうちの少なくとも1つに対してねじり可能である、請求項1から8のいずれか一項に記載の頭部支持組立体。
【請求項10】
前記右側取付要素及び前記左側取付要素は、それぞれ右側伸長要素及び左側伸長要素を介して前記支持体の両側に配置され、前記右側取付要素及び前記左側取付要素のうちの少なくとも1つは、前記右側取付要素及び前記左側取付要素のうちのそれぞれ1つに対する前記支持体の前記ねじれを容易にするために、そのそれぞれの伸長要素に枢動可能に接続される、請求項9に記載の頭部支持組立体。
【請求項11】
前記頭部支持ユニットは、前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素をそれぞれ後退位置と伸長位置との間で変位させることによって、前記右側取付要素及び前記左側取付要素の位置を互いに対して選択的に調整するように構成された調整機構と、前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素のうちの少なくとも1つに対する前記支持体の自由な変位を選択的に可能にするために前記調整機構と共に動作する中和機構とを備える、請求項10に記載の頭部支持組立体。
【請求項12】
前記中和機構は、前記調整機構が前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の両方を変位させるように動作する動作状態と、前記支持体が前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の両方に対して、かつ前記調整機構に関係なく自由に変位可能である完全な非動作状態との間で切り替え可能である、請求項11に記載の頭部支持組立体。
【請求項13】
前記調整機構は、それぞれ前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の長さに沿って互いに対向して配置された右側駆動要素及び左側駆動要素と、前記中和機構の前記動作状態において、前記右側駆動要素及び前記左側駆動要素と係合するように構成され、駆動歯車の回転時に、前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素をそれぞれ変位させるように構成された駆動部分を含む前記駆動歯車と、を含む、請求項12に記載の頭部支持組立体。
【請求項14】
前記中和機構は、前記動作状態に対応し、前記駆動部分が前記右側駆動要素及び左側駆動要素と係合される係合位置と、前記非動作状態に対応し、前記駆動部分が前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の両方から係合解除される係合解除位置との間で、前記駆動部分をその回転軸に沿って軸方向に変位させるように構成された中和部材を備える、請求項13に記載の頭部支持組立体。
【請求項15】
前記頭部支持ユニットは、前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の位置を選択的に固定し、前記支持体に対する前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の変位を防止するために、前記調整機構と共に動作するユニット固定機構を更に備える、請求項11から14のいずれか一項に記載の頭部支持組立体。
【請求項16】
前記駆動歯車は、前記支持体のロック部と選択的に係合可能なラッチ部を更に備え、前記ラッチ部及び前記ロック部は、前記ユニット固定機構の少なくとも一部を構成し、前記駆動歯車は、前記駆動歯車の回転を防止するように前記ラッチ部が前記ロック部と係合するロック状態と、前記駆動歯車の回転及び前記右側取付要素及び前記左側取付要素の互いに対する位置のそれぞれの調整を可能にするように、前記ラッチ部が前記ロック部から係合解除されるロック解除状態との間で構成可能である、請求項15に記載の頭部支持組立体。
【請求項17】
前記頭部支持ユニットは、中央部と2つの側部とを備えるヘッドレスト部材を受容するように構成され、前記2つの側部は、前記ヘッドレスト部材が、前記側部が第1の範囲で互いに離間する第1の状態と、前記側部が前記第1の範囲よりも小さい第2の範囲で互いに離間する第2の状態とをとることを可能にするように、前記中央部に対して折り畳み可能である、請求項1から16のいずれか一項に記載の頭部支持組立体。
【請求項18】
前記ヘッドレスト部材は、前記側部に取り付けられ、少なくとも上方位置と下方位置との間で回転するように構成された拘束部材を更に備え、前記下方位置にあるとき、前記拘束部材は、前記頭部支持ユニットによって支持される被験者の頭部の被験者の額を支持するように構成される、請求項17に記載の頭部支持組立体。
【請求項19】
前記頭部支持ユニットは、対応する頭部支持ユニット側部を備え、前記ヘッドレスト部材の前記側部は、前記ヘッドレスト部材の前記側部及び前記頭部支持ユニット側部が一緒に折り畳まれるように、前記頭部支持ユニット側部に取り付けられるか、又は前記頭部支持ユニット側部に嵌合するように構成される、請求項17又は18に記載の頭部支持組立体。
【請求項20】
前記頭部支持ユニットは、(i)前記頭部支持ユニット側部の各々を所望の折り畳み位置で独立してロックすること、又は(ii)前記側部の自由移動、を可能にするためのロック機構を備える、請求項19に記載の頭部支持組立体。
【請求項21】
前記頭部支持ユニットの各側部は、それ自体のそれぞれのロック機構を備える、請求項20に記載の頭部支持組立体。
【請求項22】
前記中央部は中央クッションを備え、各側部はそれぞれの側部クッションを備え、前記中央クッションは前記中央部によって画定される中央面から突出し、前記側部クッションは前記側部によって画定される側面から突出し、前記側部クッションは前記中央クッションよりも大きく突出して被験者の頭蓋骨の形状に適合する、請求項17から21のいずれか一項に記載の頭部支持組立体。
【請求項23】
前記中央クッションは、前記中央面から第1の範囲まで突出する第1の部分と、前記中央面から第2の範囲まで突出する第2の部分とを備え、前記第2の範囲は、前記第1の範囲よりも大きく、前記中央部は、一対の支持クッションを備え、前記対の各部材は、前記中央クッションの異なる側に配置され、そこから離間される、請求項22に記載の頭部支持組立体。
【請求項24】
前記ヘッドレスト部材に取り外し可能に結合された顎支持ユニットを備える、請求項17から23のいずれか一項に記載の頭部支持組立体。
【請求項25】
座席の右側フレーム部材及び左側フレーム部材にそれぞれ取り付け可能な右側支柱及び左側支柱を有する頭部支持組立体のための頭部支持ユニットであって、前記支持ユニットは、
支持体と、
前記右側支柱及び前記左側支柱とそれぞれ関節接合するように構成された右側取付要素及び左側取付要素であって、前記右側取付要素及び前記左側取付要素は、前記支持体の両側に配置され、それぞれ右側伸長要素及び左側伸長要素を介して前記支持体に接続される、右側取付要素及び左側取付要素と、
前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素をそれぞれ後退位置と伸長位置との間で変位させることによって、前記右側取付要素及び前記左側取付要素の位置を互いに対して選択的に調整するように構成された調整機構と、
前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素のうちの少なくとも1つに対する前記支持体の自由な変位を選択的に可能にするために、前記調整機構と共に動作する中和機構とを備える、頭部支持ユニット。
【請求項26】
前記中和機構は、前記調整機構が前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の両方を変位させるように動作する動作状態と、前記支持体が前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の両方に対して、かつ前記調整機構に関係なく自由に変位可能である完全非動作状態との間で切り替え可能である、請求項25に記載の頭部支持ユニット。
【請求項27】
前記調整機構は、それぞれ前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の長さに沿って互いに対向して配置された右側駆動要素及び左側駆動要素と、前記中和機構の前記動作状態において、前記右側駆動要素及び前記左側駆動要素と係合するように構成され、駆動歯車の回転時に、前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素をそれぞれ変位させるように構成された駆動部分を含む前記駆動歯車と、を含む、請求項26に記載の頭部支持ユニット。
【請求項28】
前記中和機構は、前記動作状態に対応し、前記駆動部分が前記右側駆動要素及び左側駆動要素と係合される係合位置と、前記非動作状態に対応し、前記駆動部分が前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の両方から係合解除される係合解除位置との間で、前記駆動部分をその回転軸に沿って軸方向に変位させるように構成された中和部材を備える、請求項27に記載の頭部支持ユニット。
【請求項29】
前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の位置を選択的に固定し、前記支持体に対する前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素の変位を防止するために、前記調整機構と共に動作するユニット固定機構を更に備える、請求項25から28のいずれか一項に記載の頭部支持ユニット。
【請求項30】
前記駆動歯車は、前記支持体のロック部と選択的に係合可能なラッチ部を更に備え、前記ラッチ部及び前記ロック部は、前記ユニット固定機構の少なくとも一部を構成し、前記駆動歯車は、前記駆動歯車の回転を防止するように前記ラッチ部が前記ロック部と係合するロック状態と、前記駆動歯車の回転及び前記右側取付要素及び前記左側取付要素の互いに対する位置のそれぞれの調整を可能にするように、前記ラッチ部が前記ロック部から係合解除されるロック解除状態との間で構成可能である、請求項29に記載の頭部支持ユニット。
【請求項31】
前記支持体は、前記右側取付要素及び前記左側取付要素の少なくとも一方に対してねじり可能である、請求項25から30のいずれか一項に記載の頭部支持ユニット。
【請求項32】
前記右側取付要素及び前記左側取付要素のうちの少なくとも1つは、前記右側取付要素及び前記左側取付要素のうちのそれぞれ1つに対する前記支持体の前記ねじれを容易にするために、そのそれぞれの伸長要素に枢動可能に接続される、請求項31に記載の頭部支持ユニット。
【請求項33】
前記右側取付要素及び前記左側取付要素は、前記右側伸長要素及び前記左側伸長要素にそれぞれ枢動可能に接続されて、それらの独立した枢動変位を可能にする、請求項32に記載の頭部支持ユニット。
【請求項34】
前記頭部支持ユニットは、前記ねじれ時に、前記支持体と前記それぞれの右側支柱及び左側支柱との間のねじれ角度を選択的に固定するように構成された、少なくとも1つの補助角度固定機構を更に備える、請求項29から33のいずれか一項に記載の頭部支持ユニット。
【請求項35】
被験者の頭部を上に載せるための頭部支持ユニット中央部を備え、前記頭部支持ユニット中央部は、頭部支持組立体への結合を可能にするための結合構成を備え、
前記頭部支持ユニットは、2つの頭部支持ユニット側部を更に備え、各々は、前記中央部に対する折り畳み位置の範囲に沿って長手方向軸を中心に独立して折り畳み可能である、請求項25から34のいずれか一項に記載の頭部支持ユニット。
【請求項36】
(i)前記頭部支持ユニット側部の各々を所望の折り畳み位置で独立してロックすること、又は(ii)前記側部の自由移動、を可能にするためのロック機構を備える、請求項35に記載の頭部支持ユニット。
【請求項37】
座席の右側フレーム部材及び左側フレーム部材にそれぞれ取り付け可能な右側支柱及び左側支柱を有する頭部支持組立体に結合可能な頭部支持ユニットであって、
被験者の頭部を載せ、頭部支持組立体への結合を可能にするための結合構成を含む、頭部支持ユニット中央部と、
2つの頭部支持ユニット側部であって、各々は、前記中央部に対する折り畳み位置の範囲に沿って長手方向軸を中心に独立して折り畳み可能である、頭部支持ユニット側部と、
を備える、頭部支持ユニット。
【請求項38】
(i)前記頭部支持ユニット側部の各々を所望の折り畳み位置で独立してロックすること、又は(ii)前記側部の自由移動、を可能にするためのロック機構を備える、請求項37に記載の頭部支持ユニット。
【請求項39】
請求項25から38のいずれか一項に記載の頭部支持ユニット内に受容可能なヘッドレスト部材であって、前記ヘッドレスト部材は、
中央部及び2つの側部であって、前記2つの側部は、前記ヘッドレスト部材が、前記側部が第1の範囲で互いに離間する第1の状態と、前記側部が前記第1の範囲よりも小さい第2の範囲で互いに離間する第2の状態とをとることを可能にするように、前記中央部に対して折り畳み可能である、中央部及び2つの側部と、
前記ヘッドレスト部材は、前記頭部支持ユニットに取り外し可能に取り付け可能であり、
前記頭部支持ユニットは、対応する頭部支持ユニット側部を備え、前記ヘッドレスト部材の前記側部は、前記頭部支持ユニット側部と前記ヘッドレスト部材の前記側部とが一緒に折り畳まれるように、前記頭部支持ユニット側部上に嵌合する、ヘッドレスト部材。
【請求項40】
前記側部に取り付けられ、少なくとも上方位置と下方位置との間で回転するように構成された拘束部材を更に備え、前記下方位置にあるとき、前記拘束部材は、前記頭部支持ユニットによって支持される被験者の頭部の被験者の額を支持するように構成される、請求項39に記載のヘッドレスト部材。
【請求項41】
前記中央部は中央クッションを備え、各側部はそれぞれの側部クッションを備える、請求項39又は40に記載のヘッドレスト部材。
【請求項42】
前記中央クッションは、前記中央面から第1の範囲まで突出する第1の部分と、前記中央面から第2の範囲まで突出する第2の部分とを備え、前記第2の範囲は、前記第1の範囲よりも大きい、請求項41に記載のヘッドレスト部材。
【請求項43】
前記中央部は、一対の支持クッションを備え、前記対の各部材は、前記中央クッションの異なる側に配置され、そこから離間される、請求項41又は42に記載のヘッドレスト部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座席用の頭部支持組立体、及び頭部支持組立体と共に使用するための頭部支持ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第9,566,885号明細書は、背部と、そこから延在する2つの側部とで構成されたヘッドレスト部材であって、ヘッドレスト部材が、側部が第1の範囲で互いに離間する第1の状態と、側部が第1の範囲よりも小さい第2の範囲で互いに離間する第2の状態とをとることを可能にするように、側部が背部に対して折り畳み可能である、ヘッドレスト部材と、ヘッドレストレイントを座席に取り付けるためにヘッドレスト部材に関節接合された取り付け装置と、側部に枢動可能に関節接合され、少なくとも上方位置と下方位置との間で回転するように構成された拘束部材と、を含み、拘束部材の上方位置と下方位置との間の変位が、ヘッドレスト部材をそれぞれ第1の状態及び第2の状態にするように構成されている、ヘッドレストレイントを開示する。
【0003】
国際公開第2019/207580号パンフレットは、右側支柱及び左側支柱を有する頭部支持組立体用の頭部支持ユニットを開示しており、その内容は参照により組み込まれる。頭部支持ユニットは、支持体と、当該右側支柱及び当該左側支柱とそれぞれ関節接合するように構成された右側取付要素及び左側取付要素と、右側取付要素及び左側取付要素の位置を互いに対して、少なくとも伸長位置から後退位置に向かって選択的に調整するように構成された調整機構とを備える。
【0004】
しかしながら、国際公開第2019/207580号パンフレットの頭部支持組立体及び頭部支持ユニットを、座っているユーザが首下がり症候群又は頭部が下方に傾いている任意の他の疾患を有する場合に使用するためには、まず、ユーザの頭部に大きな力を加えながら手で強化する必要があり、頭部が正しく位置決めされた場合にのみ、頭部支持ユニットをそこに取り付けることができる。国際公開第2019/207580号パンフレットの頭部支持組立体及び頭部支持ユニットのこの操作方法は、多くの力を加えなければならない2人以上の操作者を必要とする場合があり、座っているユーザに多くの不快感、更には痛みを引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示の主題の第1の態様によれば、右側フレーム部材及び左側フレーム部材を備える座席に取り付け可能な頭部支持組立体であって、頭部支持組立体が、
右側支柱及び左側支柱と、
右側カプラと左側カプラとの間に延びるピッチ軸を中心として支柱を少なくとも部分的に傾斜させることを容易にするように、右側フレーム部材に、及び左側フレーム部材にそれぞれ関節接合可能であり、右側支柱及び左側支柱をそれぞれ独立して拘束するように構成された右側カプラ及び左側カプラと、
右側支柱の右上部及び左側支柱の左上部に関節接合可能な頭部支持ユニットと、
を備える、頭部支持組立体が提供される。
【0006】
本明細書で使用される「座席」という用語は、座っているユーザを支持するように構成された座部及び背部を有する任意の装置を意味し、車椅子、補助座席、安全座席、ベビーカー、車両座席、椅子、ベンチなどのうちのいずれか1つであり得る。
【0007】
第1の態様の頭部支持組立体は、右側フレーム部材及び左側フレーム部材を有する任意の座席に取り付けられるように構成され、その頭部支持ユニットは、頭部に支持を提供し、頭部が前方及び/又は下方に傾くことを防止するために、座席に着座したユーザの頭部に装着されるように構成される。ある場合には、頭部支持ユニットは、ヘッドレストレイントが取り付け可能である前方部分を備えて構成される支持体を有することができる。そのような場合、ヘッドレストレイントは、例えば、ユーザが眠りに落ちた場合、又は身体的障害を有する個人の場合、座席に着座している間、ユーザに改善された頭部及び頸部支持を提供するように構成される。より具体的には、ヘッドレストレイントは、ユーザの頭部が前方に倒れることを防止するように、更に、ユーザの頭部が左側又は右側に傾くことを防止するように構成される。これは、座席に座っている間、ユーザの頭部の快適で安定した支持を提供する。特定の例によれば、ヘッドレストレイントは、米国特許第9,566,885号に開示されているものとすることができ、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。使用時に、ユーザの頭部がヘッドレストレイントに取り付けられると、ヘッドレストレイントの拘束部材は、ユーザの額の前のその下方位置に位置付けられることができる。
【0008】
第1の態様の頭部支持組立体はまた、座っているユーザが首下がり症候群、又はALS、CP、パーキンソン病、筋ジストロフィー、脊柱後弯症、脊柱側弯症のような頸部筋肉に影響を及ぼす任意の他の疾患を有する場合、並びに脳外傷、放射線療法から生じる状態、及び進行した変性脊髄状態の場合であっても、頭部を上向きに保持するために使用されるように構成される。頭部支持組立体の使用は、ユーザに、快適さ、痛みの軽減、日常活動を行う能力、適切に呼吸及び嚥下する能力を提供することができる。
【0009】
そのような場合、頭部を頭部支持ユニットに取り付ける前に手動でユーザの頭部を持ち上げて強化する(場合によっては不可能でさえあり得る)代わりに、頭部支持組立体の頭部支持ユニットは、右側支柱及び/又は左側支柱を傾けることによってユーザの頭部に向かって傾くように構成される。これにより、頭部支持ユニットをユーザの頭部に近接させると、頭部を頭部支持ユニット及び/又はそれに取り付けられたヘッドレストレイントに取り付けることができ、頭部支持ユニット全体をユーザの頭部と共に反対方向に傾けることができ、それによってユーザの首及び背中を強化し、頭部を持ち上げることができる。この場合、右側支柱及び左側支柱の底部を、頭部を反対方向に傾斜させてユーザの背中を強化するためのレバーとして用いることができる。
【0010】
以下の特徴、設計、及び構成のうちの任意の1つ以上を、本開示の主題の第1の態様の頭部支持ユニット及び頭部支持組立体に、独立して、又は組み合わせて組み込むことができる。
【0011】
右側カプラ及び左側カプラは、右側フレーム部材及び左側フレーム部材にそれぞれ関節接合可能であり得、支柱のその長手方向軸に沿った選択的な摺動変位もまた容易にするように、右側支柱及び左側支柱をそれぞれ独立して拘束するように構成され得る。この摺動変位はまた、頭部支持ユニットを持ち上げる前に頭部支持ユニットをユーザの頭部に可能な限り接近させることを支援することができ、追加の自由度を提供する。
【0012】
右側カプラ及び左側カプラの各々は、それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材に関節接合可能な取付部材と、それぞれの右側支柱及び左側支柱を拘束するように構成され、ピッチ軸を中心とした支柱の傾斜を容易にするために取付部材に対して枢動可能である支柱受け部材とを備え得る。
【0013】
取付部材は、それぞれのフレーム部材のロール軸の周りでのそれぞれの支柱の回転変位を容易にするように、それぞれの右側及び左側フレーム部材に関節接合可能であり得る。
【0014】
取付部材は、そのそれぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材を抱持することによって関節接合を行うように構成された抱持部分を備えることができ、抱持部分は、それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材に対するそれぞれの支柱の回転変位を行う能力を制御するために、それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材に抱持部分によって加えられる張力を制御するように構成された張力機構を備えることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、抱持部分は、ブリッジの形状であり、カプラの一部と共にフレーム部材を覆って嵌合するように成形及びサイズ決めされる。ブリッジの一方の側は、ブリッジがその2つの側でカプラと接合する抱持状態と、フレーム部材と抱持部分との間に画定された抱持領域へのフレーム部材の取り外し又は挿入を可能にする枢動位置にブリッジがある開放状態との間の切換えを可能にするように、カプラに枢動可能に結合されてもよい。
【0016】
抱持部分は、異なるサイズのフレーム部材に適応的に適合することを可能にするために抱持領域のサイズを低減するためにサイズアダプタ要素を受容するように構成されてもよい。
【0017】
取付部材に対する支柱受け部材の枢動と、それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材対する取付部材の回転変位とは、ピッチ軸及びロール軸の両方の周りでのそれぞれの支柱の変位を容易にするために同時に行われるように構成され得る。
【0018】
右側カプラ及び左側カプラのうちの少なくとも1つは、傾斜時に、支柱受け部材に対する取付部材の角度位置を選択的に拘束し、それによって、それぞれの支柱と座席の背もたれによって画定される背もたれ平面との間の傾斜角を固定するように構成された主角度固定機構を備え得る。
【0019】
支柱受け部材は、長手方向軸に沿って支柱受け部材に対して異なる位置でそれぞれの支柱を選択的に拘束するように構成された高さ固定機構を備え得る。
【0020】
主角度固定機構及び高さ固定機構は、それぞれのカプラの両側に配置することができる。
【0021】
頭部支持ユニットは、右上部に関節接合可能な右側取付要素と、左上部に関節接合可能な左側取付要素と、右側取付要素と左側取付要素との間に配置された支持体と、を備え得る。支持体は、右側取付要素及び左側取付要素のうちの少なくとも1つに対してねじり可能であり得る。
【0022】
右側取付要素及び左側取付要素は、それぞれ右側伸長要素及び左側伸長要素を介して支持体の両側に配置することができる。右側取付要素及び左側取付要素のうちの少なくとも1つは、右側取付要素及び左側取付要素のうちのそれぞれ1つに対する支持体のねじれを容易にするために、そのそれぞれの伸長要素に枢動可能に接続され得る。
【0023】
右側取付要素及び左側取付要素は、右側伸長要素及び左側伸長要素にそれぞれ枢動可能に接続されて、それらの独立した枢動変位を可能にし得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、取付要素の各々は、支柱の長手方向軸に垂直な水平軸を中心に回転可能である。この回転は、各アタッチメントがそれぞれの上部に枢動可能に結合されているために可能である。より具体的には、取付要素の各々は、それぞれの伸長要素からそれぞれの取付要素を通って支持体まで延在する軸上で枢動される。換言すれば、取付要素は、それぞれの支持体と伸長要素との間に挟まれ、共通の軸が、それぞれの支持体及び伸長要素に固定される一方で、それぞれの取付要素を通過し、当該軸によって画定される軸を中心としたその回転を可能にする。各取付要素は、互いに独立して回転することができる。いくつかの実施形態では、取付要素の回転は、180°まで可能にされる。
【0025】
頭部支持組立体は、ねじれ時に、支持体とそれぞれの右側支柱及び左側支柱との間のねじれ角度を選択的に固定するように構成された、少なくとも1つの補助角度固定機構を更に備え得る。
【0026】
頭部支持ユニットは、右側伸長要素及び左側伸長要素をそれぞれ後退位置と伸長位置との間で変位させることによって、右側取付要素及び左側取付要素の位置を互いに対して選択的に調整するように構成された調整機構と、右側伸長要素及び左側伸長要素のうちの少なくとも1つに対する支持体の自由な変位を選択的に可能にするために調整機構と共に動作する中和機構とを備え得る。したがって、中和機構は、支持体を右又は左に変位させるための調整機構を中和することを可能にし、これは、着座したユーザの頭部に対して頭部支持ユニットの支持体を適切に位置付けるための追加の自由度を提供する。
【0027】
中和機構は、調整機構が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方を変位させるように動作する動作状態と、支持体が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方に対して、かつ調整機構に関係なく自由に変位可能である完全非動作状態との間で切り替え可能であり得る。
【0028】
右側取付要素及び左側取付要素が右側支柱及び左側支柱と関節接合されるとき、中和機構の完全な非動作状態において、支持体は、右側伸長要素及び左側伸長要素の一方に向かって、かつ右側伸長要素及び左側伸長要素の他方から離れるように自由に変位可能であり得る。
【0029】
調整機構は、それぞれ右側伸長要素及び左側伸長要素の長さに沿って互いに対向して配置された右側駆動要素及び左側駆動要素と、中和機構の動作状態において、右側駆動要素及び左側駆動要素と係合するように構成され、駆動歯車の回転時に、右側伸長要素及び左側伸長要素をそれぞれ変位させるように構成された駆動部分を含む駆動歯車と、を含み得る。
【0030】
第1の方向に向かう駆動歯車の回転は、伸長位置に向かう右側及び左側取付要素のそれぞれの調節を伴うことができ、第2の反対方向に向かう回転は、後退位置に向かう右側及び左側取付要素のそれぞれの調節を伴うことができる。中和機構は、動作状態に対応し、駆動部分が右側駆動要素及び左側駆動要素と係合される係合位置と、非動作状態に対応し、駆動部分が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方から係合解除される係合解除位置との間で、駆動部分をその回転軸に沿って軸方向に変位させるように構成された中和部材を備え得る。
【0031】
中和部材は駆動部分を含み、駆動部分の変位は中和部材の軸方向の変位によって行われるように構成することができる。
【0032】
駆動部分はピニオンであってもよく、左右の駆動要素の各々はラックであってもよい。
【0033】
中和部材は、駆動歯車内に同軸に配置することができる。
【0034】
調整機構は、右側取付要素及び左側取付要素の両方の位置を同時に調整するように構成され得る。
【0035】
右側取付要素及び左側取付要素の位置の同時調整は、右側取付要素及び左側取付要素が互いから離れて同じ距離に沿って変位されるようなものであり得る。
【0036】
頭部支持ユニットは、右側伸長要素及び左側伸長要素の位置を選択的に固定し、支持体に対する右側伸長要素及び左側伸長要素の変位を防止するために、調整機構と共に動作するユニット固定機構を更に備える。
【0037】
ユニット固定機構は、右側取付要素及び左側取付要素を、伸長位置と後退位置との間の複数の中間位置のうちのいずれか1つの中間位置で固定するように構成され得る。
【0038】
駆動歯車は、支持体のロック部に選択的に係合可能なラッチ部を更に備え、ラッチ部とロック部とは、ユニット固定機構の少なくとも一部を構成してもよい。駆動歯車は、駆動歯車の回転を防止するようにラッチ部がロック部と係合するロック状態と、駆動歯車の回転及び右側取付要素及び左側取付要素の互いに対する位置のそれぞれの調整を可能にするように、ラッチ部がロック部から係合解除されるロック解除状態との間で構成可能であり得る。
【0039】
支持体は長手方向軸を有することができ、右側取付要素及び左側取付要素の互いに対する位置は、長手方向軸に沿って直線的に調整可能であり得る。
【0040】
調整機構及び中和機構は、支持体内に少なくとも部分的に延在することができる。
【0041】
要約すると、第1の態様の頭部支持組立体は、以下の5つの独立した変位機構を有することができ、頭部支持ユニット及びその支持体の空間位置及び向きを5つの異なる独立した自由度で変更することを可能にし、
● 第1の変位機構は、取付部材に対する支柱受け部材の枢動回転によって提供され、ピッチ軸の周りで支柱を傾けることを可能にし、
● 第2の変位機構は、右側フレーム部材及び左側フレーム部材のそれぞれに対する取付部材の回転変位によって提供され、支柱をそれらのそれぞれのロール軸の周りに傾斜させることを可能にし、
● 高さ固定機構によって提供される第3の変位機構は、それぞれの長手方向軸に沿って支柱を摺動変位させることを可能にし、いくつかの実施形態では、支柱は伸縮自在であり、組立体をよりコンパクトにし、保管及び輸送のために効率的にする。したがって、支柱は、支柱の長さの最大部分が伸縮部分内に格納される最小サイズに折り畳むことができ、支柱の全ての部分が伸縮部分の外側に延在する最大サイズに延びることができる。
● 中和機構によって提供される第4の変位機構は、右側支柱及び左側支柱並びにそれらのそれぞれの右側伸長要素及び左側伸長要素を変位させることなく、支持体をその長手方向軸に沿って変位させることを可能にし、
● 第5変位機構は、右側補助角度固定機構及び左側補助角度固定機構によって提供され、右側取付要素及び左側取付要素に対して支持体を独立してねじることを可能にする。
【0042】
本開示の主題の第2の態様によれば、座席の右側フレーム部材及び左側フレーム部材にそれぞれ取り付け可能な右側支柱及び左側支柱を有する頭部支持組立体のための頭部支持ユニットであって、支持ユニットは、
支持体と、
右側支柱及び左側支柱とそれぞれ関節接合するように構成された右側取付要素及び左側取付要素であって、右側取付要素及び左側取付要素は、支持体の両側に配置され、それぞれ右側伸長要素及び左側伸長要素を介して支持体に接続される、右側取付要素及び左側取付要素と、
右側伸長要素及び左側伸長要素をそれぞれ後退位置と伸長位置との間で変位させることによって、右側取付要素及び左側取付要素の位置を互いに対して選択的に調整するように構成された調整機構と、
右側伸長要素及び左側伸長要素のうちの少なくとも1つに対する支持体の自由な変位を選択的に可能にするために、調整機構と共に動作する中和機構とを備える、頭部支持ユニットが提供される。
【0043】
右側支柱及び左側支柱は、典型的には、互いに平行に垂直上方に延在し、それらの間にある距離を画定する。右側支柱及び左側支柱が右側フレーム部材及び左側フレーム部材に取り付けられるとき、それらの間の距離は、座席の幅によって、特に座席の構造及び右側フレーム部材と左側フレーム部材との間の距離によって決定される。この距離は、座席ごとに変化してもよいし、又は左右の支柱が特定の座席の側部フレームに関節接合される位置に依存してもよい。したがって、右側取付要素及び左側取付要素は、頭部支持ユニットを右側支柱及び左側支柱に取り外し可能に取り付けるために、調整機構によって互いに対して調整可能である。また、右側取付要素及び左側取付要素は、それらの間の距離が、右側フレーム部材及び左側フレーム部材に取り付けられた右側支柱と左側支柱との間の距離に適合するように調整可能である。この調節は、右側取付要素及び当該左側取付要素が、複数の中間位置からの任意の1つの中間位置、又は伸長位置と後退位置との間の複数の離散した所定の位置からの任意の1つの離散した所定の位置をとることを可能にすることができる。
【0044】
支柱の上端部に関節接合されると、支持ユニットは、本開示の主題の第1の態様に関して上述したように、座席に着座したユーザの頭部に支持を提供するように構成され得る。
【0045】
第2の態様の中和機構は、ユーザの頭部が右又は左に下向きに傾斜しており、支持体を頭部と整列させて傾斜した頭部の後ろに位置決めする必要がある場合に使用されるように構成される。したがって、中和機構は、ユーザの頭部に可能な限り近接して支持体を位置決めするために、支持体を右又は左に移動させる自由度を提供し、頭部を支持体に取り付ける際に操作者がユーザの頭部を手動で持ち上げて中心に置く必要性を最小限にする。
【0046】
以下の特徴、設計、及び構成のうちの任意の1つ以上を、本開示の主題の第2の態様の頭部支持ユニットに、独立して、又は組み合わせて組み込むことができる。
【0047】
中和機構は、調整機構が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方を変位させるように動作する動作状態と、支持体が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方に対して、かつ調整機構に関係なく自由に変位可能である完全非動作状態との間で切り替え可能であり得る。
【0048】
右側取付要素及び左側取付要素が右側支柱及び左側支柱と関節接合されるとき、中和機構の完全な非動作状態において、支持体は、右側伸長要素及び左側伸長要素の一方に向かって、かつ右側伸長要素及び左側伸長要素の他方から離れるように自由に変位可能であり得る。
【0049】
調整機構は、それぞれ右側伸長要素及び左側伸長要素の長さに沿って互いに対向して配置された右側駆動要素及び左側駆動要素と、中和機構の動作状態において、右側駆動要素及び左側駆動要素と係合するように構成され、駆動歯車の回転時に、右側伸長要素及び左側伸長要素をそれぞれ変位させるように構成された駆動部分を含む駆動歯車と、を含み得る。
【0050】
第1の方向に向かう駆動歯車の回転は、伸長位置に向かう右側及び左側取付要素のそれぞれの調節を伴うことができ、第2の反対方向に向かう回転は、後退位置に向かう右側及び左側取付要素のそれぞれの調節を伴うことができる。
【0051】
中和機構は、動作状態に対応し、駆動部分が右側駆動要素及び左側駆動要素と係合される係合位置と、非動作状態に対応し、駆動部分が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方から係合解除される係合解除位置との間で、駆動部分をその回転軸に沿って軸方向に変位させるように構成された中和部材を備え得る。
【0052】
中和部材は駆動部分を含み、駆動部分の変位は中和部材の軸方向の変位によって行われるように構成することができる。
【0053】
駆動部分はピニオンであってもよく、左右の駆動要素の各々はラックであってもよい。
【0054】
中和部材は、駆動歯車内に同軸に配置することができる。
【0055】
調整機構は、右側取付要素及び左側取付要素の両方の位置を同時に調整するように構成され得る。
【0056】
右側取付要素及び左側取付要素の位置の同時調整は、右側取付要素及び左側取付要素が互いから離れて同じ距離に沿って変位されるようなものであり得る。
【0057】
頭部支持ユニットは、右側伸長要素及び左側伸長要素の位置を選択的に固定し、支持体に対する右側伸長要素及び左側伸長要素の変位を防止するために、調整機構と共に動作するユニット固定機構を更に備え得る。
【0058】
ユニット固定機構は、右側取付要素及び左側取付要素を、伸長位置と後退位置との間の複数の中間位置のうちのいずれか1つの中間位置で固定するように構成され得る。
【0059】
駆動歯車は、支持体のロック部に選択的に係合可能なラッチ部を更に備え、ラッチ部とロック部とは、ユニット固定機構の少なくとも一部を構成してもよい。駆動歯車は、駆動歯車の回転を防止するようにラッチ部がロック部と係合するロック状態と、駆動歯車の回転及び右側取付要素及び左側取付要素の互いに対する位置のそれぞれの調整を可能にするように、ラッチ部がロック部から係合解除されるロック解除状態との間で構成可能であり得る。
【0060】
支持体は長手方向軸を有することができ、右側取付要素及び左側取付要素の互いに対する位置は、長手方向軸に沿って直線的に調整可能であり得る。
【0061】
調整機構及び中和機構は、支持体内に少なくとも部分的に延在することができる。
【0062】
右側取付要素及び左側取付要素のうちの少なくとも1つは、右側取付要素及び左側取付要素のうちのそれぞれ1つに対する支持体のねじれを容易にするために、そのそれぞれの伸長要素に枢動可能に接続され得る。
【0063】
頭部支持ユニットは、当該ねじれ時に、支持体とそれぞれの右側支柱及び左側支柱との間のねじれ角度を選択的に固定するように構成された、少なくとも1つの補助角度固定機構を更に備え得る。
【0064】
頭部支持ユニットは、中央部及び2つの側部を含むヘッドレスト部材を受容するように構成され得る。2つの側部は、ヘッドレスト部材が、側部が第1の範囲で互いに離間する第1の状態と、側部が第1の範囲よりも小さい第2の範囲で互いに離間する第2の状態とをとることを可能にするように、中央部に対して折り畳み可能である。
【0065】
ヘッドレスト部材は、例えば、頭部支持ユニットに形成された挿入可能なスリットに取り付けタブを嵌め込むことによって、又は頭部支持ユニットへのVelcro(登録商標)取り付けによって、頭部支持ユニットに取り外し可能に取り付けることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、ヘッドレスト部材は、側部に取り付けられ、少なくとも上方位置と下方位置との間で回転するように構成された拘束部材を更に備え、下方位置にあるとき、拘束部材は、頭部支持ユニットによって支持される被験者の頭部の被験者の額を支持するように構成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、拘束部材のその上方位置とその下方位置との間の変位は、ヘッドレスト部材にその第1及び第2の状態をそれぞれとらせるように構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、頭部支持ユニットは、長手方向軸に平行な軸を中心に回転可能な、対応する頭部支持ユニット側部を備える。頭部支持ユニット側部は、典型的には剛性であり、ヘッドレスト部材の側部は、ヘッドレスト部材の側部及び頭部支持ユニット側部が一緒に折り畳まれるように、頭部支持ユニット側部に取り付けられるか、又は頭部支持ユニット側部に嵌合するように構成される。すなわち、ヘッドレスト部材の側部は、頭部支持ユニットの側部と関連付けられるか、又は頭部支持ユニットの側部上に嵌合され、それにより、それらのうちの一方の任意の移動が、他方の移動をもたらす。
【0069】
頭部支持ユニットは、(i)拘束部材又は任意の他の要素の回転移動に関係なく、頭部支持ユニット側部の各々を独立して所望の折り畳み位置にロックすることを選択的に可能にするためのロック機構を備える。各側部が異なる折り畳み位置、又は(ii)側部の自由な動き、に調整され得ることに留意されたい。したがって、例えば、側部は自由に動くことができ、その結果、拘束部材の回転移動により、側部は様々な程度に折り畳まれる。
【0070】
いくつかの実施形態では、ロック機構は、(i)ヘッドレスト部材の側部の各々を所望の折り畳み位置で独立してロックすること、又は(ii)当該側部の自由な移動を選択的に可能にするために、ヘッドレスト部材に埋め込まれてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、ヘッドレスト部材又は頭部支持ユニットのいずれかの各側部は、そのそれぞれの側部の移動経路を独立して選択的に制御する、すなわち、それが特定の折り畳み位置でロックされるか、又はその自由な折り畳み移動を可能にする、それ自体のロック機構を有し得ることに留意されたい。
【0072】
いくつかの実施形態では、中央部は中央クッションを備え、各側部はそれと共に折り畳み可能なそれぞれの側部クッションを備える。側部クッションは、側部の折り畳みを可能にするために中央クッションから分離され、すなわち、中央クッションと側部クッションとの間の間隙は、概して、側部の折り畳みが行われる軸又は折り畳み部分としての役割を果たす。
【0073】
中央クッションは中央部によって画定される中央面から突出し、側部クッションは側部によって画定される側面から突出し、側部クッションは中央クッションよりも大きく突出する。
【0074】
いくつかの実施形態では、中央クッションは、中央面から第1の範囲まで突出する第1の上部部分と、中央面から第2の範囲まで突出する第2の下部部分とを備え、第2の範囲は、第1の範囲よりも大きい。中央クッションは、後頭骨の輪郭に一致する外形を有する。したがって、クッションの下部は、クッションの上部よりも厚い。
【0075】
いくつかの実施形態では、中央部は、一対の支持クッションを備え、対の各部材は、中央クッションの異なる側に配置され、そこから離間される。支持クッションは、中央クッションの下部の2つの側部に配置されて、被験者の後頭骨に追加の周辺支持を提供する。
【0076】
いくつかの実施形態では、対の各クッションは当該中央面から、第2の範囲よりも大きい第3の範囲まで突出する。
【0077】
上述の実施形態のいずれかにおけるヘッドレスト部材のクッションは、ヘッドレスト部材のそれぞれの部分、すなわち、中央部又は側部分のうちの1つに取り外し可能に取り付けられてもよいことに留意されたい。これは、例えば、Velcro(登録商標)アタッチメントによって行われてもよい。したがって、ヘッドレスト部材を使用し得る各個人のために、個人向けクッションシステムが作成されてもよく、ヘッドレスト部材は、それを使用する個人の個人向けクッションシステムを受容するように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態では、頭部支持組立体は、例えば、Velcroによって、ヘッドレスト部材に取り外し可能に結合された顎支持ユニットを更に備える。
【0079】
本開示の別の態様は、上述の実施形態のいずれか1つの頭部支持組立体に結合可能な頭部支持ユニットを提供する。頭部支持ユニットは、被験者の頭部を載置するための頭部支持ユニット中央部と、頭部支持組立体への結合を可能にするための、例えばいくつかのねじ込み位置におけるねじによる結合構成とを備える。頭部支持ユニットは、2つの頭部支持ユニット側部を含み、各々は、閉じた折り畳み位置と開いた折り畳み位置との間の中央部に対する折り畳み位置の範囲に沿って長手方向軸を中心に独立して折り畳み可能である。
【0080】
いくつかの実施形態では、頭部支持ユニットは、2つの状態、(i)頭部支持ユニットの各頭部支持ユニット側部を所望の折り畳み位置で独立してロックする、又は(ii)側部の自由な動き、に調整され得ることに留意されたい。
【0081】
頭部支持ユニットのいくつかの実施形態では、頭部支持ユニットの各側部は、それ自体のそれぞれのロック機構を備える。本開示の更に別の態様は、頭部支持組立体の頭部支持ユニット内に受容可能なヘッドレスト部材を提供する。頭部支持ユニットは、車椅子に結合されるように構成された頭部支持組立体の一部である。頭部支持ユニットは剛性材料で作られ、ヘッドレスト部材は、使用中にその一部が折り畳まれることを可能にする軟質材料で作られる。ヘッドレスト部材は、中央部及び2つの側部であって、2つの側部は、ヘッドレスト部材が、側部が第1の範囲で互いに離間する第1の状態と、側部が第1の範囲よりも小さい第2の範囲で互いに離間する第2の状態とをとることを可能にするように、中央部に対して折り畳み可能である、中央部及び2つの側部を含む。ヘッドレスト部材は、例えば、頭部支持ユニットに形成された挿入可能なスリットに取り付けタブを嵌め込むことによって、又は頭部支持ユニットへのVelcro(登録商標)取り付けによって、頭部支持ユニットに取り外し可能に取り付けられる。頭部支持ユニットは、対応する頭部支持ユニット側部を備え、典型的には、頭部支持ユニット側部は剛性である。ヘッドレスト部材の側部は、頭部支持ユニット側部とヘッドレスト部材の側部とが一緒に折り畳まれるように、頭部支持ユニット側部上に嵌合する。頭部支持ユニット側部は、平行な長手方向軸の周りを回転可能であり、ヘッドレスト部材の側部は、頭部支持ユニットの側部と関連付けられるか、又は頭部支持ユニットの側部上に嵌合され、それにより、それらのうちの一方の任意の移動が、他方の移動をもたらす。
【0082】
いくつかの実施形態では、ヘッドレスト部材は、側部に取り付けられ、少なくとも上方位置と下方位置との間で回転するように構成された拘束部材を更に備え、下方位置にあるとき、拘束部材は、頭部支持ユニットによって支持される被験者の頭部の被験者の額を支持するように構成される。
【0083】
いくつかの実施形態では、拘束部材のその上方位置とその下方位置との間の変位は、ヘッドレスト部材にその第1及び第2の状態をそれぞれとらせるように構成される。
【0084】
いくつかの実施形態では、ヘッドレスト部材は更に(i)拘束部材又は任意の他の要素の回転運動に関係なく、ヘッドレスト部材の側部の各々を独立して所望の折り畳み位置にロックすることを選択的に可能にするロック機構を含む。各側部は、互いに独立して異なる折り畳み位置、又は(ii)側部の自由な動き、に調整され得ることに留意されたい。
【0085】
いくつかの実施形態では、ヘッドレスト部材の各側部は、そのそれぞれのロック機構を備える。
【0086】
いくつかの実施形態では、中央部は中央クッションを備え、各側部はそれと共に折り畳み可能なそれぞれの側部クッションを備える。側部クッションは、側部の折り畳みを可能にするために中央クッションから分離され、すなわち、中央クッションと側部クッションとの間の間隙は、概して、周りで側部部分の折り畳みが行われる軸としての役割を果たす。
【0087】
中央クッションは中央部によって画定される中央面から突出し、側部クッションは側部によって画定される側面から突出し、側部クッションは中央クッションよりも大きく突出する。
【0088】
いくつかの実施形態では、中央クッションは、中央面から第1の範囲まで突出する第1の上部部分と、中央面から第2の範囲まで突出する第2の下部部分とを備え、第2の範囲は、第1の範囲よりも大きい。中央クッションは、後頭骨の輪郭に一致する外形を有する。したがって、クッションの下部は、クッションの上部よりも厚い。
【0089】
いくつかの実施形態では、中央部は、一対の支持クッションを備え、対の各部材は、中央クッションの異なる側に配置され、そこから離間される。支持クッションは、中央クッションの下部の2つの側部に配置されて、被験者の後頭骨に追加の周辺支持を提供する。
【0090】
いくつかの実施形態では、対の各クッションは当該中央面から、第2の範囲よりも大きい第3の範囲まで突出する。
【0091】
いくつかの実施形態では、ヘッドレスト部材は、例えば、Velcroによって、ヘッドレスト部材に取り外し可能に結合された顎支持ユニットを更に備える。
【0092】
実施形態
以下は、本開示の異なる態様の様々な非限定的な実施形態である。
【0093】
1. 右側フレーム部材及び左側フレーム部材を備える座席に取り付け可能な頭部支持組立体であって、頭部支持組立体が、
右側支柱及び左側支柱と、
右側カプラと左側カプラとの間に延びるピッチ軸を中心として支柱を少なくとも部分的に傾斜させることを容易にするように、右側フレーム部材に、及び左側フレーム部材にそれぞれ関節接合可能であり、右側支柱及び左側支柱をそれぞれ独立して拘束するように構成された右側カプラ及び左側カプラと、
右側支柱の右上部及び左側支柱の左上部に関節接合可能な頭部支持ユニットと、
を備える、頭部支持組立体が提供される。
【0094】
2. 右側カプラ及び左側カプラは、右側フレーム部材及び左側フレーム部材にそれぞれ関節接合可能であり、支柱のその長手方向軸に沿った選択的な摺動変位もまた容易にするように、右側支柱及び左側支柱をそれぞれ独立して拘束するように構成されている、実施形態1に記載の頭部支持組立体。
【0095】
3. 右側カプラ及び左側カプラの各々は、それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材に関節接合可能な取付部材と、それぞれの右側支柱及び左側支柱を拘束するように構成され、ピッチ軸を中心とした支柱の傾斜を容易にするために取付部材に対して枢動可能である支柱受け部材とを備え得る、実施形態1又は2に記載の頭部支持組立体。
【0096】
4. 取付部材は、それぞれのフレーム部材のロール軸の周りでのそれぞれの支柱の回転変位を容易にするように、それぞれの右側及び左側フレーム部材に関節接合可能である、実施形態3に記載の頭部支持組立体。
【0097】
5. 取付部材は、そのそれぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材を抱持することによって関節接合を行うように構成された抱持部分を備え、抱持部分は、それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材に対するそれぞれの支柱の回転変位を行う能力を制御するために、それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材に抱持部分によって加えられる張力を制御するように構成された張力機構を備える、実施形態4に記載の頭部支持組立体。
【0098】
6. 請求項2に従属する場合、取付部材に対する支柱受け部材の枢動と、それぞれの右側フレーム部材及び左側フレーム部材対する取付部材の回転変位とは、ピッチ軸及びロール軸の両方の周りでのそれぞれの支柱の変位を容易にするために同時に行われるように構成される、実施形態4又は5に記載の頭部支持組立体。
【0099】
7. 右側カプラ及び左側カプラのうちの少なくとも1つは、傾斜時に、支柱受け部材に対する取付部材の角度位置を選択的に拘束し、それによって、それぞれの支柱と座席の背もたれによって画定される背もたれ平面との間の傾斜角を固定するように構成された主角度固定機構を備える、実施形態3から6のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0100】
8. 支柱受け部材は、長手方向軸に沿って支柱受け部材に対して異なる位置でそれぞれの支柱を選択的に拘束するように構成された高さ固定機構を備える、実施形態3から7のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0101】
9. 実施形態7に従属する場合、主角度固定機構及び高さ固定機構は、それぞれのカプラの両側に配置される、実施形態8に記載の頭部支持組立体。
【0102】
10. 頭部支持ユニットは、右上部に関節接合可能な右側取付要素と、左上部に関節接合可能な左側取付要素と、右側取付要素と左側取付要素との間に配置された支持体と、を備え、支持体は、右側取付要素及び左側取付要素のうちの少なくとも1つに対してねじり可能である、実施形態1から9のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0103】
11. 右側取付要素及び左側取付要素は、それぞれ右側伸長要素及び左側伸長要素を介して支持体の両側に配置され、右側取付要素及び左側取付要素のうちの少なくとも1つは、右側取付要素及び左側取付要素のうちのそれぞれ1つに対する支持体のねじれを容易にするために、そのそれぞれの伸長要素に枢動可能に接続される、実施形態10に記載の頭部支持組立体。
【0104】
12. 右側取付要素及び左側取付要素は、右側伸長要素及び左側伸長要素にそれぞれ枢動可能に接続されて、それらの独立した枢動変位を可能にする、実施形態11に記載の頭部支持組立体。
【0105】
13. 頭部支持組立体は、ねじれ時に、支持体とそれぞれの右側支柱及び左側支柱との間のねじれ角度を選択的に固定するように構成された、少なくとも1つの補助角度固定機構を更に備える、実施形態10から12のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0106】
14. 頭部支持ユニットは、右側伸長要素及び左側伸長要素をそれぞれ後退位置と伸長位置との間で変位させることによって、右側取付要素及び左側取付要素の位置を互いに対して選択的に調整するように構成された調整機構と、右側伸長要素及び左側伸長要素のうちの少なくとも1つに対する支持体の自由な変位を選択的に可能にするために調整機構と共に動作する中和機構とを備える、請求項11に属する場合、実施形態10から13のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0107】
15. 中和機構は、調整機構が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方を変位させるように動作する動作状態と、支持体が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方に対して、かつ調整機構に関係なく自由に変位可能である完全な非動作状態との間で切り替え可能である、実施形態14に記載の頭部支持組立体。
【0108】
16. 右側取付要素及び左側取付要素が右側支柱及び左側支柱と関節接合されるとき、中和機構の完全な非動作状態において、支持体は、当該右側伸長要素及び当該左側伸長要素の一方に向かって、かつ右側伸長要素及び左側伸長要素の他方から離れるように自由に変位可能である、実施形態15に記載の頭部支持組立体。
【0109】
17. 調整機構は、それぞれ右側伸長要素及び左側伸長要素の長さに沿って互いに対向して配置された右側駆動要素及び左側駆動要素と、中和機構の動作状態において、右側駆動要素及び左側駆動要素と係合するように構成され、駆動歯車の回転時に、右側伸長要素及び左側伸長要素をそれぞれ変位させるように構成された駆動部分を含む駆動歯車と、を含む、実施形態15又は16に記載の頭部支持組立体。
【0110】
18. 第1の方向に向かう駆動歯車の回転は、伸長位置に向かう当該右側及び左側取付要素のそれぞれの調節を伴い、第2の反対方向に向かう回転は、後退位置に向かう当該右側及び左側取付要素のそれぞれの調節を伴う、実施形態17に記載の頭部支持組立体。
【0111】
19. 中和機構は、動作状態に対応し、駆動部分が右側駆動要素及び左側駆動要素と係合される係合位置と、非動作状態に対応し、駆動部分が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方から係合解除される係合解除位置との間で、駆動部分をその回転軸に沿って軸方向に変位させるように構成された中和部材を備える、請求項17又は18に記載の頭部支持組立体。
【0112】
20. 当該中和部材は当該駆動部分を含み、駆動部分の当該変位は中和部材の軸方向の変位によって行われるように構成される、実施形態19に記載の頭部支持組立体。
【0113】
21. 駆動部分は、ピニオンであり、右側駆動要素及び左側駆動要素の各々は、ラックである、実施形態17から20のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0114】
22. 当該中和部材は、当該駆動歯車内に同軸に配置されている、実施形態19に記載の頭部支持組立体。
【0115】
23. 調整機構は、右側取付要素及び左側取付要素の両方の位置を同時に調整するように構成される、実施形態15から22のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0116】
24. 右側取付要素及び左側取付要素の位置の同時調整は、右側取付要素及び左側取付要素が互いから離れて同じ距離に沿って変位されるようなものである、実施形態23に記載の頭部支持組立体。
【0117】
25. 頭部支持ユニットは、右側伸長要素及び左側伸長要素の位置を選択的に固定し、支持体に対する右側伸長要素及び左側伸長要素の変位を防止するために、調整機構と共に動作するユニット固定機構を更に備える、実施形態15から24のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0118】
26. ユニット固定機構は、当該右側取付要素及び当該左側取付要素を、伸長位置と後退位置との間の複数の中間位置のうちのいずれか1つの中間位置で固定するように構成される、実施形態25に記載の頭部支持組立体。
【0119】
27. 駆動歯車は、支持体のロック部と選択的に係合可能なラッチ部を更に備え、ラッチ部及びロック部は、ユニット固定機構の少なくとも一部を構成し、駆動歯車は、駆動歯車の回転を防止するようにラッチ部がロック部と係合するロック状態と、駆動歯車の回転及び右側取付要素及び左側取付要素の互いに対する位置のそれぞれの調整を可能にするように、ラッチ部がロック部から係合解除されるロック解除状態との間で構成可能である、実施形態25又は26に記載の頭部支持組立体。
【0120】
28. 支持体は当該長手方向軸を有し、右側取付要素及び左側取付要素の互いに対する位置は、長手方向軸に沿って直線的に調整可能である、実施形態15から27のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0121】
29. 調整機構及び中和機構は、支持体内に少なくとも部分的に延在する、実施形態15から28のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0122】
30. 頭部支持ユニットは、中央部と2つの側部とを備えるヘッドレスト部材を受容するように構成され、2つの側部は、ヘッドレスト部材が、側部が第1の範囲で互いに離間する第1の状態と、側部が第1の範囲よりも小さい第2の範囲で互いに離間する第2の状態とをとることを可能にするように、中央部に対して折り畳み可能である、実施形態1から29のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0123】
31. ヘッドレスト部材は、頭部支持ユニットに取り外し可能に取り付け可能である、実施形態30に記載の頭部支持組立体。
【0124】
32. ヘッドレスト部材は、側部に取り付けられ、少なくとも上方位置と下方位置との間で回転するように構成された拘束部材を更に備え、下方位置にあるとき、拘束部材は、頭部支持ユニットによって支持される被験者の頭部の被験者の額を支持するように構成される、実施形態30又は31に記載の頭部支持組立体。
【0125】
33. 拘束部材のその上方位置とその下方位置との間の変位は、ヘッドレスト部材にその第1及び第2の状態をそれぞれとらせるように構成される、実施形態32の頭部支持組立体。
【0126】
34. 頭部支持ユニットは、対応する頭部支持ユニット側部を備え、ヘッドレスト部材の側部は、ヘッドレスト部材の側部及び頭部支持ユニット側部が一緒に折り畳まれるように、頭部支持ユニット側部に取り付けられるか、又は頭部支持ユニット側部に嵌合するように構成される、実施形態30から33のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0127】
35. 頭部支持ユニットは、(i)頭部支持ユニット側部の各々を所望の折り畳み位置で独立してロックすること、又は(ii)側部の自由移動、を可能にするためのロック機構を備える、実施形態34に記載の頭部支持組立体。
【0128】
36. 頭部支持ユニットの各側部は、それぞれのロック機構を備える、実施形態34又は35に記載の頭部支持組立体。
【0129】
37. 中央部は中央クッションを備え、各側部はそれぞれの側部クッションを備える、実施形態30から36のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0130】
38. 中央クッションは中央部によって画定される中央面から突出し、側部クッションは側部によって画定される側面から突出し、側部クッションは中央クッションよりも大きく突出する、実施形態37に記載の頭部支持組立体。
【0131】
39. 中央クッションは、中央面から第1の範囲まで突出する第1の部分と、中央面から第2の範囲まで突出する第2の部分とを備え、第2の範囲は、第1の範囲よりも大きい、実施形態37又は38に記載の頭部支持組立体。
【0132】
40. 中央部は、一対の支持クッションを備え、対の各部材は、中央クッションの異なる側に配置され、そこから離間される、請求項37から39のいずれか1つに記載の頭部支持組立体。
【0133】
41. 対の各クッションは、当該中央面から、第2の範囲よりも大きい第3の範囲まで突出する、実施形態40に記載の頭部支持組立体。
【0134】
42. ヘッドレスト部材に取り外し可能に結合された顎支持ユニットを備える、実施形態41に記載の頭部支持組立体。
【0135】
43. 座席の右側フレーム部材及び左側フレーム部材にそれぞれ取り付け可能な右側支柱及び左側支柱を有する頭部支持組立体のための頭部支持ユニットであって、支持ユニットは、
支持体と、
右側支柱及び左側支柱とそれぞれ関節接合するように構成された右側取付要素及び左側取付要素であって、右側取付要素及び左側取付要素は、支持体の両側に配置され、それぞれ右側伸長要素及び左側伸長要素を介して支持体に接続される、右側取付要素及び左側取付要素と、
右側伸長要素及び左側伸長要素をそれぞれ後退位置と伸長位置との間で変位させることによって、右側取付要素及び左側取付要素の位置を互いに対して選択的に調整するように構成された調整機構と、
右側伸長要素及び左側伸長要素のうちの少なくとも1つに対する支持体の自由な変位を選択的に可能にするために、調整機構と共に動作する中和機構とを備える、頭部支持ユニット。
【0136】
44. 中和機構は、調整機構が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方を変位させるように動作する動作状態と、支持体が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方に対して、かつ調整機構に関係なく自由に変位可能である完全な非動作状態との間で切り替え可能である、実施形態43に記載の頭部支持ユニット。
【0137】
45. 右側取付要素及び左側取付要素が右側支柱及び左側支柱と関節接合されるとき、中和機構の完全な非動作状態において、支持体は、当該右側伸長要素及び当該左側伸長要素の一方に向かって、かつ右側伸長要素及び左側伸長要素の他方から離れるように自由に変位可能である、実施形態44に記載の頭部支持ユニット。
【0138】
46. 調整機構は、それぞれ右側伸長要素及び左側伸長要素の長さに沿って互いに対向して配置された右側駆動要素及び左側駆動要素と、中和機構の動作状態において、右側駆動要素及び左側駆動要素と係合するように構成され、駆動歯車の回転時に、右側伸長要素及び左側伸長要素をそれぞれ変位させるように構成された駆動部分を含む駆動歯車と、を含む、実施形態44又は45に記載の頭部支持ユニット。
【0139】
47. 第1の方向に向かう駆動歯車の回転は、伸長位置に向かう当該右側及び左側取付要素のそれぞれの調節を伴い、第2の反対方向に向かう回転は、後退位置に向かう当該右側及び左側取付要素のそれぞれの調節を伴う、実施形態46に記載の頭部支持ユニット。
【0140】
48. 中和機構は、動作状態に対応し、駆動部分が右側駆動要素及び左側駆動要素と係合される係合位置と、非動作状態に対応し、駆動部分が右側伸長要素及び左側伸長要素の両方から係合解除される係合解除位置との間で、駆動部分をその回転軸に沿って軸方向に変位させるように構成された中和部材を備える、実施形態46又は47に記載の頭部支持ユニット。
【0141】
49. 当該中和部材は当該駆動部分を含み、駆動部分の当該変位は中和部材の軸方向の変位によって行われるように構成される、実施形態48に記載の頭部支持ユニット。
【0142】
50. 駆動部分は、ピニオンであり、右側駆動要素及び左側駆動要素の各々は、ラックである、実施形態46から49のいずれか1つに記載の支持ユニット。
【0143】
51. 当該中和部材は、当該駆動歯車内に同軸に配置されている、実施形態50に記載の頭部支持ユニット。
【0144】
52. 調整機構は、右側取付要素及び左側取付要素の両方の位置を同時に調整するように構成される、実施形態45から51のいずれか1つに記載の頭部支持ユニット。
【0145】
53. 右側取付要素及び左側取付要素の位置の同時調整は、右側取付要素及び左側取付要素が互いから離れて同じ距離に沿って変位されるようなものである、実施形態52に記載の頭部支持ユニット。
【0146】
54. 右側伸長要素及び左側伸長要素の位置を選択的に固定し、支持体に対する右側伸長要素及び左側伸長要素の変位を防止するために、調整機構と共に動作するユニット固定機構を更に備える、実施形態43から53のいずれか1つに記載の頭部支持ユニット。
【0147】
55. ユニット固定機構は、当該右側取付要素及び当該左側取付要素を、伸長位置と後退位置との間の複数の中間位置のうちのいずれか1つの中間位置で固定するように構成される、実施形態54に記載の頭部支持ユニット。
【0148】
56. 駆動歯車は、支持体のロック部と選択的に係合可能なラッチ部を更に備え、ラッチ部及びロック部は、ユニット固定機構の少なくとも一部を構成し、駆動歯車は、駆動歯車の回転を防止するようにラッチ部がロック部と係合するロック状態と、駆動歯車の回転及び右側取付要素及び左側取付要素の互いに対する位置のそれぞれの調整を可能にするように、ラッチ部がロック部から係合解除されるロック解除状態との間で構成可能である、実施形態54又は55に記載の頭部支持ユニット。
【0149】
57. 支持体は当該長手方向軸を有し、右側取付要素及び左側取付要素の互いに対する位置は、長手方向軸に沿って直線的に調整可能である、実施形態43から56のいずれか1つに記載の頭部支持ユニット。
【0150】
58. 調整機構及び中和機構は、支持体内に少なくとも部分的に延在する、実施形態43から57のいずれか1つに記載の頭部支持ユニット。
【0151】
59. 支持体は、右側取付要素及び左側取付要素の少なくとも一方に対してねじり可能である、請求項43から58のいずれか1つに記載の頭部支持ユニット。
【0152】
60. 右側取付要素及び左側取付要素のうちの少なくとも1つは、右側取付要素及び左側取付要素のうちのそれぞれ1つに対する支持体のねじれを容易にするために、そのそれぞれの伸長要素に枢動可能に接続される、実施形態59に記載の頭部支持ユニット。
【0153】
61. 当該右側取付要素は、
右側取付要素及び左側取付要素は、右側伸長要素及び左側伸長要素にそれぞれ枢動可能に接続されて、それらの独立した枢動変位を可能にする、実施形態60に記載の頭部支持ユニット。
【0154】
62. 頭部支持ユニットは、ねじれ時に、支持体とそれぞれの右側支柱及び左側支柱との間のねじれ角度を選択的に固定するように構成された、少なくとも1つの補助角度固定機構を更に備える、実施形態59から61のいずれか1つに記載の頭部支持ユニット。
【0155】
63. 被験者の頭部を上に載せるための頭部支持ユニット中央部を備え、頭部支持ユニット中央部は、頭部支持組立体への結合を可能にするための結合構成を備え、
頭部支持ユニットは、2つの頭部支持ユニット側部を更に備え、各々は、中央部に対する折り畳み位置の範囲に沿って長手方向軸を中心に独立して折り畳み可能である、実施形態44から62のいずれか1つに記載の頭部支持ユニット。
【0156】
64. (i)頭部支持ユニット側部の各々を所望の折り畳み位置で独立してロックすること、又は(ii)側部の自由移動、を可能にするためのロック機構を備える、実施形態63に記載の頭部支持ユニット。
【0157】
65. 頭部支持ユニットの各側部は、それぞれのロック機構を備える、実施形態64に記載の頭部支持ユニット。
【0158】
66. 頭部支持組立体に結合可能な頭部支持ユニットであって、
被験者の頭部を載せ、頭部支持組立体への結合を可能にするための結合構成を含む、頭部支持ユニット中央部と、
2つの頭部支持ユニット側部であって、各々は、中央部に対する折り畳み位置の範囲に沿って長手方向軸を中心に独立して折り畳み可能である、頭部支持ユニット側部と、
を備える、頭部支持ユニット。
【0159】
67. (i)頭部支持ユニット側部の各々を所望の折り畳み位置で独立してロックすること、又は(ii)側部の自由移動、を可能にするためのロック機構を備える、実施形態66に記載の頭部支持ユニット。
【0160】
68. 頭部支持ユニットの各側部は、それぞれのロック機構を備える、実施形態67に記載の頭部支持ユニット。
【0161】
69. ヘッドレスト部材は、
中央部及び2つの側部であって、2つの側部は、ヘッドレスト部材が、側部が第1の範囲で互いに離間する第1の状態と、側部が第1の範囲よりも小さい第2の範囲で互いに離間する第2の状態とをとることを可能にするように、中央部に対して折り畳み可能である、中央部及び2つの側部と、
ヘッドレスト部材は、頭部支持ユニットに取り外し可能に取り付け可能であり、
頭部支持ユニットは、対応する頭部支持ユニット側部を備え、ヘッドレスト部材の側部は、頭部支持ユニット側部とヘッドレスト部材の側部とが一緒に折り畳まれるように、頭部支持ユニット側部上に嵌合する、請求項64から69のいずれかに記載の頭部支持ユニット内に受容可能なヘッドレスト部材。
【0162】
70. 側部に取り付けられ、少なくとも上方位置と下方位置との間で回転するように構成された拘束部材を更に備え、下方位置にあるとき、拘束部材は、頭部支持ユニットによって支持される被験者の頭部の被験者の額を支持するように構成される、実施形態69に記載のヘッドレスト部材。
【0163】
71. 拘束部材のその上方位置とその下方位置との間の変位は、ヘッドレスト部材にその第1及び第2の状態をそれぞれとらせるように構成される、実施形態70のヘッドレスト部材。
【0164】
72. 中央部は中央クッションを備え、各側部はそれぞれの側部クッションを備える、実施形態69から71のいずれか1つに記載のヘッドレスト部材。
【0165】
73. 中央クッションは中央部によって画定される中央面から突出し、側部クッションは側部によって画定される側面から突出する、実施形態72に記載のヘッドレスト部材。
【0166】
74. 中央クッションは、中央面から第1の範囲まで突出する第1の部分と、中央面から第2の範囲まで突出する第2の部分とを備え、第2の範囲は、第1の範囲よりも大きい、実施形態72又は73に記載のヘッドレスト部材。
【0167】
75. 中央部は、一対の支持クッションを備え、対の各部材は、中央クッションの異なる側に配置され、そこから離間される、実施形態72から74のいずれか1つに記載のヘッドレスト部材。
【0168】
76. 対の各クッションは当該中央面から、第2の範囲よりも大きい第3の範囲まで突出する、実施形態75に記載のヘッドレスト部材。
【0169】
77. ヘッドレスト部材に取り外し可能に結合された顎支持ユニットを備える、実施形態76に記載のヘッドレスト部材。
【図面の簡単な説明】
【0170】
本明細書に開示される主題をよりよく理解し、実際にその主題をどのように実施することができるのかを例示するために、ここで添付の図面を参照しながら単なる非限定的な例によって実施形態について説明する。
【0171】
図1A】本開示の主題の一例による、頭部支持ユニットを有する頭部支持組立体が取り付けられた折り畳み式車椅子の背面斜視図を示す。
図1B図1Aの車椅子において、頭部支持ユニットが図1Aよりも低い位置にある状態を示す図である。
図1C図1Aの車椅子であって、頭部支持ユニットの支持体が前方に傾斜し、右に位置合わせされ、左右の取付要素に対してねじれている状態を示す図である。
図1D図1Aの車椅子において、頭部支持ユニットの支持体が右側かつ図1Aよりも下方に位置した状態を示す図である。
図1E図1Aの車椅子であって、頭部支持ユニットの支持体が、各支柱の異なる傾斜角度で前方に傾斜し、右に位置合わせされ、その右及び左側取付要素のそれぞれに対して異なる角度でねじられ、右及び左側支柱が、右及び左側フレーム部材に対してそれらのピッチ軸の周りに傾斜している状態を示す図である。
図1F図1Eの車椅子の正面斜視図である。
図1G図1Eの車椅子の背面図である。
図2A図1Aの頭部支持組立体の左側カプラの背面斜視図を示す。
図2B図2AのA-A線断面図である。
図2C図1Eの頭部支持組立体の左側カプラの背面斜視図を示す。
図3A図1Aの頭部支持組立体の頭部支持ユニットの背面斜視図を示し、その右及び左側取付要素は伸長位置にあり、その支持体は右及び左側取付要素に対して中心に置かれている。
図3B図3Aの頭部支持ユニットの分解図である。
図3C図3AのB-B線に沿った断面図である。
図3D図3AのC-C線に沿った断面図である。
図4A図3Aの頭部支持ユニットを示し、その支持体は右に位置合わせされている。
図4B図4AのD-D線に沿った断面図である。
図5図1CのE-E線に沿った断面図である。
図6A】頭部支持組立体の非限定的な実施形態の概略図であり、頭部支持ユニットの側部の異なる図及び/又は異なる折り畳み状態を示す。図6A開放状態の側部を示す斜視図である。図6B開放状態の側部を示す側面図である。図6C平行な中立状態にある側部を示す斜視図である。図6D非対称状態の側部を示す斜視図である。図6E閉じた状態の側部を示す斜視図である。
図6B】頭部支持組立体の非限定的な実施形態の概略図であり、頭部支持ユニットの側部の異なる図及び/又は異なる折り畳み状態を示す。図6A開放状態の側部を示す斜視図である。図6B開放状態の側部を示す側面図である。図6C平行な中立状態にある側部を示す斜視図である。図6D非対称状態の側部を示す斜視図である。図6E閉じた状態の側部を示す斜視図である。
図6C】頭部支持組立体の非限定的な実施形態の概略図であり、頭部支持ユニットの側部の異なる図及び/又は異なる折り畳み状態を示す。図6A開放状態の側部を示す斜視図である。図6B開放状態の側部を示す側面図である。図6C平行な中立状態にある側部を示す斜視図である。図6D非対称状態の側部を示す斜視図である。図6E閉じた状態の側部を示す斜視図である。
図6D】頭部支持組立体の非限定的な実施形態の概略図であり、頭部支持ユニットの側部の異なる図及び/又は異なる折り畳み状態を示す。図6A開放状態の側部を示す斜視図である。図6B開放状態の側部を示す側面図である。図6C平行な中立状態にある側部を示す斜視図である。図6D非対称状態の側部を示す斜視図である。図6E閉じた状態の側部を示す斜視図である。
図6E】頭部支持組立体の非限定的な実施形態の概略図であり、頭部支持ユニットの側部の異なる図及び/又は異なる折り畳み状態を示す。図6A開放状態の側部を示す斜視図である。図6B開放状態の側部を示す側面図である。図6C平行な中立状態にある側部を示す斜視図である。図6D非対称状態の側部を示す斜視図である。図6E閉じた状態の側部を示す斜視図である。
図7A】頭部支持組立体の非限定的実施形態の概略図であり、頭部支持ユニットは、ヘッドレスト、クッション部材と嵌合される。図7Aは上面図であり、図7Bは斜視図である。
図7B】頭部支持組立体の非限定的実施形態の概略図であり、頭部支持ユニットは、ヘッドレスト、クッション部材と嵌合される。図7Aは上面図であり、図7Bは斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0172】
最初に、一般的に14で示される一般的なタイプの車椅子の形態の座席へのアドオンとして取り付けられた、一般的に10で示される本開示による頭部支持組立体の例を対象とする図面の図1A図1Gに注目する。
【0173】
車椅子14は、折り畳み式X字形クロスフレーム24、によって互いに関節接合された右側フレーム部材18及び左側フレーム部材20を備えるタイプの折り畳み式車椅子であり、各側部フレームは、大型後輪26及び前輪キャスタ車輪28の上に取り付けられ、折り畳み式座席30及び折り畳み式背もたれ32が、右側フレーム部材18と左側フレーム部材20との間に延在する。添付図面には特定の車椅子が示されているが、他のタイプ及び形状の車椅子も同様に使用できることが理解される。
【0174】
頭部支持組立体10は、右側カプラ46によって右側フレーム部材18に関節接合され、左側カプラ48によって左側フレーム部材20に関節接合された一対の支柱、すなわち右側支柱40及び左側支柱42を備える。右側カプラ46及び左側カプラ48は、類似しており、互いに対して対称である。右側カプラ46及び左側カプラ48は、それぞれ、図1Aに示す上方位置と図1Bに示す下方位置との間での右側支柱40及び左側支柱42の摺動変位を容易にすると共に、以下に説明するように、上方位置と下方位置との間の任意の位置で右側支柱40及び左側支柱42を固定するように構成されている。
【0175】
頭部支持組立体10は、支持体52と、長手方向軸Xに沿って支持体52の両側に配置された右側取付要素60及び左側取付要素70とを有する頭部支持ユニット50を更に備える。右側取付要素60及び左側取付要素70は、それぞれ、右側支柱40及び左側支柱42の上部に関節接合される。
【0176】
頭部支持ユニット50は、車椅子14に着座したユーザ12の頭部13を支持するように構成される。図1Aに示すように、ヘッドレストレイント2は、支持体52に取り付けられており、支持体52の前方に配置されている。ヘッドレストレイント2は、例えば、ユーザ12が眠りに落ちた場合、又は身体的障害を有する個人の場合、車椅子14に着座している間、ユーザに改善された頭部及び頸部支持を提供するように構成される。より具体的には、ヘッドレストレイント2は、ユーザの頭部が前方に倒れることを防止するように、更に、ユーザの頭部が左側又は右側に傾くことを防止するように構成される。これは、車椅子14に座っている間、ユーザの頭部の快適で安定した支持を提供する。
【0177】
頭部支持組立体10はまた、座っているユーザが首下がり症候群、又はALS、CP、パーキンソン病、筋ジストロフィー、脊柱後弯症、脊柱側弯症のような頸部筋肉に影響を及ぼす任意の他の疾患を有する場合、並びに脳外傷、放射線療法から生じる状態、及び進行した変性脊髄状態の場合であっても、頭部を上向きに保持するために使用されるように構成される。頭部支持組立体の使用は、ユーザに、快適さ、痛みの軽減、日常活動を行う能力、適切に呼吸及び食事をする能力を提供することができる。
【0178】
図1Aの例によれば、ヘッドレストレイント2は、米国特許第9,566,885号に開示されているものである。ヘッドレストレイント2は、頭部13が落下するのを防止するように構成された枢動可能な拘束部材8と、ヘッドレストレイント2を支持体52に取り外し可能に取り付けるための取付装置7とを備える。使用時、頭部13がヘッドレストレイント2に位置付けられると、その上方位置にある拘束部材8は、頭部13の実質的に上方に位置することができ、その下方位置では、拘束部材8は、ユーザの額の正面に位置し、頭部を支持する。
【0179】
本開示の主題の背景で述べたように、国際公開第2019/207580号パンフレットの頭部支持組立体及び頭部支持ユニットを、座っているユーザが首下がり症候群又は頭部が下方に傾いている任意の他の疾患を有する場合に使用するためには、まず、ユーザの頭部に大きな力を加えながら手で強化する必要があり、頭部が真っ直ぐな位置に正しく位置決めされた場合にのみ、頭部支持ユニットをそこに取り付けることができる。更に、頭部支持ユニットは、頭部が中心にあり、右又は左に整列していないときに、ユーザの頭部を支持することができる。国際公開第2019/207580号パンフレットの頭部支持組立体及び頭部支持ユニットのこの操作方法は、したがって、ユーザの頭部を強化するために多くの力を加えなければならない2人以上の操作者を必要とする場合があり、頭部支持ユニットへの頭部の取り付けは、座っているユーザに多くの不快感及び痛みさえ引き起こす。
【0180】
したがって、図1D~1Gに示すように、頭部支持組立体10は、以下に詳述するように、座席30の上方の領域において支持体52を異なる角度及び配向で空間的に位置決め及び固定するように構成されたいくつかの位置変更機構を有し、支持体52及びそれに取り付けられたヘッドレストレイント2をユーザ12の頭部13に可能な限り近く位置決めすることを可能にする。頭部支持組立体10のこの能力は、下向きに傾斜した及び/又は横向きに傾斜した頭部を有するユーザを適切に治療することを可能にする。
【0181】
(国際公開第2019/207580号パンフレットのように)頭部を頭部支持ユニットに取り付ける前に、頭部を手動で持ち上げて強化することによって、ユーザの頭部を頭部支持ユニットに運ぶ代わりに、頭部支持ユニット50は、ユーザの頭部に向かって変位されるように構成されている。この操作により、頭部支持ユニット50をユーザの頭部に近接させると、頭部を頭部支持ユニットに取り付けることができ、必要に応じて、頭部支持ユニット全体をユーザの頭部と共に反対方向(例えば、図1Aの位置)に傾けることができ、それによってユーザの首及び背中を強化し、頭部を持ち上げることができる。この場合、右側支柱及び左側支柱の底部を、この頭部の逆方向へ傾けるためのレバーとして利用することができる。以下では、頭部支持ユニット50が異なる傾斜角度及び位置合わせ位置に空間的にどのように操作され得るかを詳細に説明するために、説明が提供される。
【0182】
右側カプラ46及び左側カプラ48は、それらの間に延在するピッチ軸Pを画定し、左側フレーム部材20及び右側フレーム部材18の各々は、ロール軸R1及びR2をそれぞれ画定し、支柱40及び42の各々は、そのそれぞれの長手方向軸L1及びL2を画定する。
【0183】
頭部支持組立体10は、以下の5つの独立した変位機構を有し、頭部支持ユニット50及びその支持体52の空間位置及び向きを5つの異なる独立した自由度で変化させることを可能にし、
● 第1の変位機構は、ピッチ軸Pの周りで支柱40及び42を傾斜させることを可能にし
● 第2の変位機構は、支柱40及び42をそれらのそれぞれのロール軸R1及びR2の周りで傾斜させることを可能にし、
● 第3の変位機構は、支柱40及び42をそれらのそれぞれの軸L1及びL1に沿って摺動変位させることを可能にし、
● 第4の変位機構は、左右の支柱を変位させることなく、支持体52を長手方向軸Xに沿って変位させることを可能にし、
● 第5の変位機構は、右側取付要素60及び左側取付要素70に対して支持体52を独立してねじることを可能にする。
【0184】
最初の3つの変位機構は、右側カプラ46及び左側カプラ48の各々の構造に関連しており、支柱40及び42の傾斜及び変位を可能にする。ここで、特に図2A~2Cを参照して、カプラの1つ、すなわち左側カプラ48の構造を説明する。
【0185】
左側カプラ48は、2つの部分、すなわち、左側フレーム部材20に関節接合可能な取付部材110と、左側支柱42を拘束するように構成された支柱受け部材120とから構成される。支柱受け部材120は、ピッチ軸Pを中心とした左側支柱42の傾斜を容易にし、第1の変位機構を提供するために、取付部材110に対して枢動可能である。
【0186】
取付部材110は、左側支柱42がピッチ軸Pを中心に傾斜すると、支柱受け部材120に対して取付部材110の角度位置を選択的に拘束し、それによって、左側支柱42の長手方向軸L1と、車椅子14の背もたれ32によって画定される背もたれ平面Bとの間の傾斜角βを固定するように構成された主角度固定機構111を備える(図1Cに示すように)。
【0187】
主角度固定機構111は、作動ボタン113、及び阻止部材114によってピッチ軸Pに沿って取付部材110のハウジング内で直線的に変位可能なばね(図示せず)付勢作動部材112を有する。支柱受け部材120は、作動部材112内に延在する枢動部材121を有する。図2Bに示すように、作動部材112は、枢動部材121と共に作動部材112の枢動可能な変位を阻止するために、阻止部材114のそれぞれの凹部(図示せず)内に受容されるように構成された歯112’を有する。
【0188】
作動ボタン113を押すことによって作動部材112が変位すると、歯112’は阻止部材114の凹部から係合解除され、左側支柱42は、ピッチ軸Pを中心に支柱受け部材120と共に傾斜することができる。左側支柱42と背もたれ平面Bとの間の新たな傾斜角を固定するために、操作者は、作動ボタン113を押すことを停止しなければならず、これは次にその通常位置に戻り、作動部材112と阻止部材114との間の角度位置を固定し、例えば図2Cに示す構成をもたらす。
【0189】
支柱受け部材120は、長手方向軸L1に沿ったその異なる位置で左側支柱42を選択的に拘束するように構成された高さ固定機構122を有する。高さ固定機構122は、第3の変位機構を構成し、主角度固定機構111に対向して配置されている。
【0190】
高さ固定機構122は、ペダル123と摩擦部材124とを有している。ペダル123は、ペダルの軸123を中心として枢動可能であり、図2Bに示される通常位置に向かって圧縮ばね(図示せず)によって付勢され、通常位置において、ペダルの底部は摩擦部材124を押し、摩擦部材は、次に、左側支柱42を押し、支柱受け部材120内のその位置を固定する。
【0191】
左側支柱42の高さを変更し、その摺動変位を容易にするために、操作者はペダル123の上部を押さなければならない。これにより、圧縮ばねが摩擦部材124を外向きに変位させ、その結果、摩擦部材124が左側支柱42から係合解除される。
【0192】
取付部材110は、左側カプラ48及びその左側支柱42を左側フレーム部材20に関節接合するように構成された抱持部分130を備える。
【0193】
抱持部分130は、ロール軸R1を中心とした左側支柱42の回転変位を行う能力を制御するために、抱持部分130によって左側フレーム部材20に印加される張力を制御するように構成される、ボルト及びナットの形態の張力機構(図示せず)を伴って構成される。
【0194】
抱持部分130は、カプラ内に受け入れられた支柱上に嵌合するような形状及びサイズのブリッジの形状である。ブリッジの一方の側は、ブリッジがその2つの側でカプラと接合する抱持状態と、カプラと抱持部分との間に画定された抱持領域へのフレーム部材の取り外し又は挿入を可能にする枢動位置にブリッジがある開放状態との間の切換えを可能にするように、カプラに枢動可能に結合されてもよい。
【0195】
左側カプラ48がロール軸R1を中心に回転する能力は、第2の変位機構を構成する。
【0196】
図1E図1Gに示すように、左側支柱42をピッチ軸P及びロール軸R1の両方の周りに回転させることによって、取付部材110に対する支柱受け部材120の枢動と、左側フレーム部材20に対する取付部材110の回転変位とを同時に行うことができる。
【0197】
ここで、頭部支持ユニット50の構造及び動作を説明するために、特に、第4及び第5の変位機構の動作方法を説明するために、図3A図3D図4A図4B及び図5を参照する。
【0198】
図3A図3Dにおいて、頭部支持ユニット50の支持体52は、車椅子14に対して中央に配置されている。図4A及び図4Bにおいて、支持体52は、以下に説明するように、第4の変位機構によって車椅子14の右側に位置合わせされて変位される。図5において、支持体52は、右側支柱40及び左側支柱42に対してねじれている。
【0199】
頭部支持ユニット50は、右側取付要素60及び左側取付要素70の位置を、伸長位置(図5A及び図5Bに示す)と後退位置(図示せず)との間で互いに対して選択的に調整及び固定するように構成された調整機構80を備える。調整機構80の動作原理は、国際公開第2019/207580号パンフレットの調整機構と同様である。
【0200】
特に、右側取付要素60及び左側取付要素70の位置の調整は、それらを長手方向軸Xに沿って互いに向かって及び互いから離れるように同時に直線的に変位させることによって行われる。
【0201】
図1Aに示すように、右側支柱40及び左側支柱42は、互いに平行に垂直上方に延び、それらの間に一定の距離を画定する。右側支柱40及び左側支柱42が、右側フレーム部材18及び左側フレーム部材20に取り付けられ、互いに垂直かつ平行に位置決めされるとき、それらの間の距離は、車椅子14の幅によって、特に、車椅子14の構造及び右側フレーム部材18と左側フレーム部材20との間の距離によって決まる。この距離は、座席ごとに変化してもよいし、又は左右の支柱が特定の座席の側部フレームに関節接合される位置に依存してもよい。したがって、右側取付要素60及び左側取付要素70は、頭部支持ユニット50を右側支柱40及び左側支柱42に取り外し可能に取り付け、それらの間及びそれぞれ右側フレーム部材18及び左側フレーム部材20の間の距離を固定して嵌合するために、互いに対して調整可能である。この調整により、右側取付要素60及び左側取付要素70は、伸長位置と後退位置との間の複数の中間位置のうちのいずれか1つの中間位置を固定的にとることができる。図1A及び図1Bの例では、右側取付要素60及び左側取付要素70は、右側フレーム部材18と左側フレーム部材20との間の距離によって決定される右側支柱40と左側支柱42との間の距離に適合する中間位置に固定的に調整される。
【0202】
ここで、頭部支持ユニット50及びその異なる部分を示す図3A図3Dを特に参照する。
【0203】
調整機構80は、支持体52内に少なくとも部分的に延在し、右側取付要素60及び左側取付要素70を互いに対して、かつ支持体52に対して同時に変位させるように構成される。右側取付要素60及び左側取付要素70の位置の同時調整は、調整機構80の動作時に、右側取付要素60及び左側取付要素70が同じ距離だけ変位するようなものである。更に、図3A図3Dの例では、支持体52は、右側取付要素60及び左側取付要素70に対して対称であり、右側取付要素及び左側取付要素は、伸長位置と後退位置との間のそれらの様々な位置において支持体52の中心から等しく離間されている。調整機構80は、右側取付要素60と左側取付要素70との間の距離を増加又は減少させるように操作者によって操作可能であり、その結果、ユーザの単一の操作によって、右側取付要素60及び左側取付要素70の両方を、伸長位置及び/又は後退位置のいずれかに向かって調整及び変位させる。
【0204】
図2に示すように、右側取付要素60及び左側取付要素70は、それぞれ右側伸長要素62及び左側伸長要素72を介して支持体52の両側で接続され、両方ともトンネル57内で摺動可能であり、調整機構80の一部を構成する。調整機構80は、右側伸長要素62及び左側伸長要素72を支持体52に対して変位させて固定することにより、右側取付要素60及び左側取付要素70を複数の位置で変位させて固定するように構成されている。
【0205】
右側伸長要素62は、そこに形成された右側細長い開口部63を備え、右上リム64は、そこから延在し、上部ラック84を構成する歯の形態の右側駆動要素を有する。左側伸長要素72は、そこに形成された左側細長い開口部73を備え、左下リム74は、そこから延在し、下ラック86を構成する歯の形態の左側駆動要素を有する。調整機構80は、上部ラック84と、下部ラック86と、上部ラック84及び下部ラック86の両方と係合し、右側細長い開口部63及び左側細長い開口部73を通って延びるピニオン88の形態の駆動部分を備える駆動歯車87とを備える。
【0206】
駆動歯車87は、操作者によって把持され、左右の取付要素60及び70を後退位置から延伸位置に向かって調整するために時計回り方向に回転され、右側及び左側取付要素60及び70を伸長位置から格納位置に向かって調節するために反時計回り方向に回転されるように構成された回転可能なハンドル89を備える。
【0207】
上述したように、調整機構80は更に、右側取付要素60及び左側取付要素70の位置を互いに対して選択的に固定するように構成される。このように、頭部支持ユニット50は、調整機構80と連動して、右側取付要素60及び左側取付要素70を、通常時には、伸長位置と後退位置との間の複数の中間位置のうちのいずれか1つの中間位置に固定し、支持体52に対する変位を防止するように構成されたユニット固定機構90を備える。
【0208】
ユニット固定機構90は、窪みとして形成された支持体52(図2、3C、3D、4Cに示す)のロック部94に選択的に係合可能な、ハンドル89内に形成された歯状のラッチ部92(図3Cに示す)を有する。ロック部94の歯は、ロック部94がラッチ部92と係合するように変位されると、ロック部94がラッチ部92と同一平面上にあり、移動が防止されるように、ラッチ部92の窪みに相補的に設計される。ユニット固定機構90のこの状態は、全ての図に示されており、ユニット固定機構90のロック状態と見なされる。歯及び窪みの数並びにそれらの間の間隔は、離散位置(例えば、中間位置)の数及び位置間の差を決定する。
【0209】
したがって、ユニット固定機構90は、
ラッチ部92がロック部94に係合して駆動歯車87の回転を阻止し、左右の取付要素60、70の相対位置を固定するロック状態(全ての図に示す)と、
ラッチ部92とロック部94との係合が解除され、駆動歯車87の回転が可能なロック解除状態(図示せず)と、の間で構成可能である。
【0210】
ハンドル89は、引張ばね(図示せず)によって通常ロック状態に向かってばね付勢されており、ハンドル89を引っ張り、固定機構がそのロック解除状態になるようにするために、操作者は、引張ばねの力に抗して引っ張り力を加えなければならない。
【0211】
ユニット固定機構90は、操作者がハンドル89を支持体52に向かって、及び支持体52から離れるように引っ張ることによって、駆動歯車87を長手方向軸Xに対して垂直に支持体に向かって、及び支持体から離れるように摺動可能に変位させることによって、ロック状態とロック解除状態との間で構成可能である。
【0212】
例えば、ユニット固定機構90がロック状態にある後退位置から右側取付要素60及び左側取付要素70を変位させるためには、まず、ハンドル89が支持体52から離れるようにユーザによって引っ張られなければならない。これにより、ユニット固定機構90はロック解除状態となる。このロック解除状態においてのみ、ラッチ部分92はロック部分94から係合解除され、操作者はハンドル89を時計回り方向に回転させて、駆動歯車87を回転させることができる。ハンドル89の回転中、右側取付要素60と左側取付要素70との間の距離は減少し、それらは複数の中間位置を通過する。所望の距離が得られる任意の中間位置において、ハンドル89は支持体52に向かって押され、ユニット固定機構90をそのロック状態にさせる。
【0213】
頭部支持ユニット50は、右側伸長要素62及び左側伸長要素72に対する支持体52の自由変位を選択的に可能にするために調整機構80と共に動作する中和機構95を備える。したがって、中和機構95は、調整機構80を中和することを可能にし、これは、着座したユーザの頭部に対して支持体52を適切に位置付けるための追加の自由度を提供する。
【0214】
中和機構95は、遠位端に駆動歯車87を有し、近位端に中和ボタン97を有する中和部材96によって構成されている。中和部材96は、ハンドル89内に同軸に位置付けられ、圧縮ばね99によってばね付勢される。
【0215】
中和機構95は、調整機構80が右側伸長要素62及び左側伸長要素72の両方を変位させるように動作する動作状態と、支持体52が右側伸長要素62及び左側伸長要素72の両方に対して調整機構80とは無関係に自由に変位可能な非動作状態との間で切り替え可能である。図3A図3C、及び図3Dに示される中和機構95の動作状態では、ユニット固定機構90は、右側伸長要素62及び左側伸長要素72を変位させるために上述のように使用されなければならない。
【0216】
中和部材96は、ピニオン88が上部ラック84及び下部ラック86に係合する動作状態に対応する係合位置(図3C及び図3Dに示す)と、ピニオン88が上部ラック84及び下部ラック86の両方から離脱する非動作状態に対応する係合解除位置(図1D図4A及び図4Bに示す)との間で、駆動歯車87と共にその回転軸に沿って軸方向に変位するように構成されている。
【0217】
中和部材96の係合位置から係合解除位置への変位は、操作者が中和ボタン97を押して保持することによって行われる。操作者が中和ボタン97を押すのを止めると、中和部材96は自動的にその通常の係合位置に戻ろうとする。その結果、調整機構80は、上述したように、右側取付要素62及び左側取付要素72を同時に変位させるために使用することができる。
【0218】
要約すると、右側取付要素60及び左側取付要素70が、それぞれ、右側支柱40及び左側支柱42と関節接合されるとき、中和機構95の非動作状態において、支持体52は、右側伸長要素62及び左側伸長要素72のうちの一方に向かって、かつ右側伸長要素62及び左側伸長要素72のうちの他方から離れるように自由に整合及び変位されることができる。
【0219】
ここで図1D図4A及び図4Bを参照すると、中和ボタン97が操作者によって押される間、支持体52は、(第4の変位機構を構成する)中和機構95を使用することによって右に最大限に変位され、右側取付要素60に近接する。図4Bに示すように、中和部材96は、駆動歯車87と共にその回転軸に沿って軸方向に変位して、非動作状態に対応し、ピニオン88が上部ラック84及び下部ラック86の両方から係合解除される係合解除位置に移動する。この位置では、頭部支持組立体は、着座者の頭部を右に傾けた状態で頭部支持組立体に取り付けるために使用することができる。
【0220】
次に、支持体52が右側取付要素60及び左側取付要素70に対してねじれることを容易にすることができる第5の変位機構を示す図1C及び図5を参照する。
【0221】
この機構は、右側取付要素60及び左側取付要素70に対する支持体52のねじれを容易にするために、右側枢動部材(図示せず)によって右側取付要素60に枢動可能に接続された右側伸長要素62と、左側枢動部材71によって左側伸長要素72に枢動可能に接続された左側取付要素70とによって提供される。
【0222】
また、頭部支持ユニット50には、右側補助角度固定機構66と左側補助角度固定機構76とが設けられている。左側補助角度固定機構76(図5に明確に示す)は、ねじり時に、支持体52と長手方向軸L1との間のねじれ角度μを選択的に固定するように構成される。左側補助角度固定機構76は、複数の凹部78のうちの1つの中に選択的に受容されるように構成される、ばね付勢ピン77を備える。ピン77は、ねじれ角度μを選択的に固定するためにピン77を上下に変位させるように構成された押しボタン79に接続される。
【0223】
5つの変位機構の上述した動作方法を要約するために、ここで図1E図1Gを参照すると、これらの機構全てを使用することによって支持部材52が複雑な空間配向にされている。
【0224】
第1の変位機構は、右側支柱40をピッチ軸Pの周りに長手方向軸L2と背もたれ平面Bとの間の傾斜角β1まで傾斜させ、左側支柱42をピッチ軸Pの周りに長手方向軸L1と背もたれ平面Bとの間の傾斜角β2まで傾斜させるために使用されている。右側支柱40及び左側支柱42のこの傾斜は、それぞれの主角度固定機構を使用する際に、右側カプラ46及び左側カプラ48の支柱受け部材の枢動回転によって得られている。
【0225】
第2の変位機構は、支柱40及び42をそれらのそれぞれのロール軸R1及びR2の周りに傾斜させるために使用されている。図1Gに示すように、この傾斜を実行すると、ロール角α1が長手方向軸L1と垂直軸V1との間に形成される。
【0226】
第3の変位機構は、右側カプラ46及び左側カプラ48の高さ固定機構をそれぞれ使用することによって、支柱40及び42の高さをそれらのそれぞれの軸L1及びL2に沿って適切に位置決めするために使用されている。
【0227】
第4の変位機構は、頭部支持ユニット50の中和機構95を利用して、支持体52を右側支柱40にできるだけ近づけるためのものである。
【0228】
第5の変位機構は、左側取付要素70及びその長手方向軸L1に対して支持体52をねじり、それらの間の角度をねじれ角度μ1に固定するために使用されている(図1F及び図1Gに示される)。
【0229】
次に、本開示の頭部支持組立体の非限定的な実施形態の概略図である図6A図6Eを参照する。この実施形態は、頭部支持組立体600の頭部支持ユニット610が、頭部支持ユニット側部を頭部支持ユニット610の中央部613に結合するヒンジ611から横方向に延在する2つの頭部支持ユニット側部612及び614を含む点で、図1~5に記載されたものとは異なる。頭部支持ユニット側部612及び614は、それぞれ、2つの平行な軸L3及びL4の周りに折り畳み可能である。軸L3及びL4は、支柱が中立位置にあるとき、長手方向軸L1及びL2に平行である。頭部支持ユニット側部612及び614はそれぞれ、図6A及び6Bに見られるように、各側部が他方の側部の方向とは反対方向に向かって最も折り畳み位置にある最も開いた位置と、図6Eに見られるように、各側部が他方の側部に向かって最も折り畳み位置にある最も閉じた位置との間の折り畳み位置の範囲に沿って折り畳み可能である。最も開いた位置と最も閉じた位置との間において、頭部支持ユニット側部の各々は、他の頭部支持ユニット側部の折り畳み状態とは独立して、複数の折り畳み状態に調節され得る。頭部支持ユニット側部612及び614の各々は、それぞれのロック機構616及び618とそれぞれ関連付けられる。各ロック機構は、2つの状態の間で切り替わるように構成される。第1の状態は、(i)それぞれの頭部支持ユニット側部を、他の頭部支持ユニット側部の折り畳み位置とは独立して、ある折り畳み位置にロックすることを可能にし、第2の状態は、(ii)それぞれの頭部支持ユニット側部の自由な折り畳み運動を、頭部支持ユニット側部の他の折り畳み状態とは独立して可能にする。図6Cは、平行な中立折り畳み位置にある頭部支持ユニット側部を示す。図6Dは、2つの頭部支持ユニット側部の非対称折り畳み位置を示し、すなわち、頭部支持ユニット側部のうちの1つは、ある折り畳み位置にあり、第2の頭部支持ユニット側部は、異なる折り畳み位置にあり、すなわち、中立位置に対して異なる折り畳み角度にある。
【0230】
更に、この実施形態では、頭部支持組立体600は、図6A~6Eに示される中立位置から水平軸Xを中心に±90°回転可能である2つの取付要素615及び617を含む。取付要素の回転は、地面に対して中央部613によって画定される平面の角度に影響を及ぼす。
【0231】
支柱619及び621は伸縮自在であり、頭部支持組立体のより効率的な使用を可能にし、頭部支持組立体をよりコンパクトに格納する。
【0232】
頭部支持ユニット610は、ねじの形態の4つの結合部材623を介して頭部支持組立体600に結合される。この結合構成により、頭部支持組立体に結合された頭部支持ユニットを交換することができる。したがって、頭部支持ユニットは、特定の個人のために個人的に設計することができ、結合部材を介して任意の頭部支持組立体に結合することができる。更に、1つの頭部支持組立体を多くの頭部支持ユニットに結合することができ、ある期間にわたって多くの異なる個人にサービスを提供することができる。
【0233】
頭部支持ユニットは、ヘッドレスト部材が取り付けられるように構成されており、ヘッドレスト部材は、典型的には、被験者の頭部が載せられるクッションの柔らかい構成である。ヘッドレスト部材を取り付けた頭部支持ユニットを図7A図7Bに示す。ヘッドレスト部材730は、頭部支持ユニット710の中央部722に形成されたスリット720に受容されるタブ732を含む。ヘッドレスト部材730の対応する側部734及び736は、それぞれ、頭部支持ユニット側部712及び714に嵌合するように構成される。ヘッドレスト部材730の側部734及び736並びに頭部支持ユニット側部は、一緒に折り畳み可能であり、すなわち、一方の折り畳み位置は、他方の同様の折り畳み位置をもたらす。ヘッドレスト部材730は、側部734及び736に取り付けられ、少なくとも上方位置と下方位置との間で回転するように構成された拘束部材738を更に備え、下方位置にあるとき、拘束部材738は、頭部支持ユニット710によって支持される被験者の頭部の被験者の額を支持するように構成される。拘束部材738のその上方位置とその下方位置との間の変位は、ヘッドレスト部材にその第1及び第2の状態をそれぞれとらせるように構成される。
【0234】
ヘッドレスト部材730は、対象の頭部のための柔軟な支持を提供するように構成される、柔軟な緩衝材料から作製される。ヘッドレスト部材730は、複数のクッションで形成される。ヘッドレスト部材730の中央部740には、中央部740から突出する中央クッション742が形成されている。中央クッション742は、図7Aで最もよく分かるように、第1の高さまで突出する第1の部分744と、第1の高さよりも高い第2の高さまで突出する第2の部分746とを含む。中央クッション742の輪郭は、対象の後頭骨に適合するように設計され、したがって、第2の部分746は、対象の頭部の下部に合致するように構成される。中央部740は、一対の支持クッション748を更に含み、各々は、中央クッション742の第2の部分746の異なる側に配置される。支持クッション748の各々は、第2の部分746よりも大きい第3の高さまで突出する。
【0235】
ヘッドレスト部材730の側部734及び736の各々は、中央部742及び中央クッション744から分離されたそれぞれの側部クッション750及び752でそれぞれ形成されている。中央クッション744と側部クッション750及び752との間の分離部分754及び756は、頭部支持ユニット側部と共に中央クッションに対して側部クッションを折り畳むことができるように比較的薄い。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
【国際調査報告】