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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(54)【発明の名称】開放手術用患者インターフェース
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20230710BHJP
【FI】
A61B17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578704
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-02-17
(86)【国際出願番号】 IB2021055346
(87)【国際公開番号】W WO2021255677
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】63/040,376
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/061,694
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ジーザス アントニオ アマダー ノリエガ
(72)【発明者】
【氏名】ゼイン ポール ジェル
(72)【発明者】
【氏名】ユー-リー テー
(72)【発明者】
【氏名】バーナード チ ルン アイピー
(72)【発明者】
【氏名】ロリー アレクサンダー モンロ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ロバート ジャーミー グリーンフィールド
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド ロイ クリガー
(72)【発明者】
【氏名】アリ ガリブ アブドゥル ラーマン ガリブ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンマ タムシン サマービル
(72)【発明者】
【氏名】スコット ハミッシュ フリーベアン
(72)【発明者】
【氏名】ザック ジョナサン ワーナー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン エリオット ハーディング ペグマン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM23
(57)【要約】
手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、ガス源と流体接続された入口と出口とを有する患者インターフェースを含み、患者インターフェースは、コンディショニングされたガス流を手術腔に送達するように構成される、デバイス。コンディショニングされたガス流は、入口ガスの速度に対して減少した出口速度を有すること、又は拡散流を有すること、又は加熱されること、又は実質的に層状若しくは非乱流であること、又はこれらの組み合わせの特性を有し得る。本発明は、患者インターフェースに取り付けるか又はそれを固定するための取付機構も含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術腔を保護するための患者インターフェースであって、
手術部位にガスを案内するように構成されるか、又は構成可能なガス流路を少なくとも部分的に画定する1つ以上の包囲層又は外層であって、前記ガス流路は、第1の端部と、反対側の第2の端部とを有する、1つ以上の包囲層又は外層と、
前記第1の端部に配置された入口と、
前記第2の端部に配置された出口と、
を含む患者インターフェース。
【請求項2】
ガス源と流体接続された入口と、出口とを含む、手術腔を保護するための患者インターフェースであって、
該患者インターフェースはコンディショニングされたガス流を手術部位に送達するように構成され、
前記コンディショニングされたガス流は、
i)入口ガスの速度に対して減少した出口速度を有するか、又は、
ii)拡散流を有するか、又は、
iii)加熱されるか、又は、
iv)実質的に層状又は非乱流であるか、又は、
v)(i)~(iv)のいずれかの組み合わせ、
である、患者インターフェース。
【請求項3】
第1の端部における前記入口と、反対側の第2の端部における前記出口との間にガス流路を少なくとも部分的に画定する1つ以上の包囲層又は外層を含む、請求項2に記載のインターフェース。
【請求項4】
手術腔を保護するための患者インターフェースであって、
入口と、
出口と、
前記入口と前記出口との間にガス流路を少なくとも部分的に画定する1つ以上の包囲層又は外層であって、前記ガス流路は、形成可能部分を含む、1つ以上の包囲層又は外層と、
前記形成可能部分内に配置された少なくとも1つの変形可能要素であって、前記形成可能部分の少なくとも1つの曲げ方向を形成するように構成される少なくとも1つの変形可能要素と、
を含む患者インターフェース。
【請求項5】
前記患者インターフェースが曲げられ、且つその形状を保持することを可能にするための変形可能要素を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項6】
前記変形可能要素は展性がある、請求項4又は5に記載のインターフェース。
【請求項7】
前記変形可能要素はステンレス鋼又はプラスチックから形成される、請求項4~6のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項8】
前記変形可能要素は弾性変形可能である、請求項4~7のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項9】
ガス透過性基材を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項10】
前記変形可能要素は、
a)前記ガス透過性基材内、又は、
b)前記ガス透過性基材と包囲層又は外層との間、又は、
c)包囲層又は外層内、又は、
d)前記包囲層又は外層の外側、
に位置する、請求項4~9のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項11】
前記ガス透過性基材は前記包囲層又は外層によって包囲される、請求項9又は10に記載のインターフェース。
【請求項12】
前記ガス透過性基材は、連続気泡発泡体であるか、又はそれを含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項13】
前記ガス透過性基材は前記出口におけるガスの速度を前記入口に対して減少させる、請求項9~12のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項14】
前記ガス透過性基材は平坦である、請求項9~13のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項15】
前記ガス透過性基材は矩形である、請求項9~14のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項16】
前記ガス透過性基材の長さ及び/又は幅は高さを上回る、請求項9~15のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項17】
前記ガス透過性基材の前記長さは前記幅を上回る、請求項16に記載のインターフェース。
【請求項18】
前記ガス透過性基材の前記幅は前記長さを上回る、請求項16に記載のインターフェース。
【請求項19】
前記変形可能要素は前記ガス透過性基材の外周部の形状に実質的に適合するように形作られる、請求項9~18のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項20】
前記包囲層又は外層は可撓性である、請求項1又は3~19のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項21】
出口を出る前記ガス流路は実質的に単一平面内にある、請求項1~20のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項22】
前記出口を出る前記ガスは実質的に層状及び/又は非乱流である、請求項1~21のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項23】
前記ガス流路に沿って実質的に同じ高さ又は断面積を有する、請求項1~22のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項24】
前記ガス流路に沿って一定の幅を有する、請求項1~23のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項25】
前記出口を出るガス流は、前記患者インターフェースの前記入口における前記ガス流の速度よりも低い速度を有するように構成される、請求項1~24のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項26】
前記包囲層又は外層はフィルム又は膜である、請求項1又は3~25のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項27】
前記包囲層又は外層は通気性材料で形成され、該通気性材料は水分子が通過することを可能にする、請求項1又は3~26のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項28】
前記包囲層又は外層は水蒸気を透過させる、請求項1又は3~27のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項29】
前記包囲層又は外層は、皺発生及び/又は手術器具による損傷に耐える品質を有する材料で少なくとも部分的に形成される、請求項1又は3~28のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項30】
前記包囲層又は外層は弾性変形可能である、請求項1又は3~29のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項31】
前記包囲層又は外層はポリウレタンから形成される、請求項1又は3~30のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項32】
前記第1の端部に支持構造体を含み、該支持構造体は、ハウジング入口及びハウジング出口を画定し、該ハウジング出口は、前記インターフェースの前記入口及び/又は前記出口と流体連通する、請求項1~32のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項33】
前記変形可能要素は前記支持構造体に取り付けられる、請求項32に記載のインターフェース。
【請求項34】
前記支持構造体はガス透過性基材に当接する、請求項33又は34に記載のインターフェース。
【請求項35】
前記支持構造体はガス透過性基材の一部分を包囲する、請求項33又は34に記載のインターフェース。
【請求項36】
前記支持構造体の高さはガス透過性基材と実質的に同じ高さである、請求項32~35のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項37】
前記包囲層又は外層を少なくとも部分的に取り囲む第2の層を更に含む、請求項1~36のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項38】
前記第2の層は、
a)前記ガス流路の少なくとも一部分を画定するか、又は、
b)前記包囲層又は外層の周りに位置するか、又は、
c)前記包囲層又は外層の厚さを上回る厚さを有するか、又は、
d)前記包囲層又は外層の可撓性を下回る可撓性を有するか、又は、
e)前記包囲層又は外層の耐穿刺性を上回る耐穿刺性を有するか、又は、
f)流体を透過させないか、又は、
g)(a)~(f)の1つ以上のいずれかの組み合わせ、
である、請求項37に記載のインターフェース。
【請求項39】
第1の端部及び第2の端部を有する管を更に含み、前記第1の端部は、前記支持構造体の前記ハウジング入口の前記入口に接続可能である、請求項33~38のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項40】
前記管の第1の端部は、ルアー接続、圧入接続、ねじ又は摩擦嵌合接続を介して前記ハウジング入口に接続する、請求項39に記載のインターフェース。
【請求項41】
前記管の前記第2の端部はルアーロックコネクタを有する、請求項39又は40に記載のインターフェース。
【請求項42】
前記管は可撓性である、請求項39~41のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項43】
前面及び後面を画定する、請求項1~42のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項44】
前記後面は接着剤を更に含む、請求項43に記載のインターフェース。
【請求項45】
前記接着剤は接着剤層である、請求項44に記載のインターフェース。
【請求項46】
前記接着剤層は、除去されると前記接着剤層を露出させる除去可能な裏材を含む、請求項45に記載のインターフェース。
【請求項47】
取り外しタブを更に含む、請求項1~46のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項48】
前記取り外しタブは、包囲層若しくは外層又は前記第2の層によって提供される、請求項47に記載のインターフェース。
【請求項49】
前記包囲層又は外層は、インターフェース出口に隣接する前記後面上に切欠部を含む、請求項43~48のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項50】
前記ガス透過性材料の側面領域の少なくとも一部分は、包囲層若しくは外層、前記第2の層又は接着層によって他の場合に提供され得るいかなる被覆もない、請求項11~49のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項51】
インターフェース出口は断面が実質的に矩形である、請求項11~50のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項52】
インターフェース出口の縁部は丸みを帯びている、請求項11~51のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項53】
ガス源と前記インターフェースとの間に流体接続された送達アセンブリを更に含む、請求項1~52のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項54】
前記送達アセンブリはコンディショニング源を含む、請求項53に記載のインターフェース。
【請求項55】
前記コンディショニング源は、加湿器、ヒータ又は加湿器及びヒータである、請求項54に記載のインターフェース。
【請求項56】
コンディショニングされたガス流は加湿される、請求項2~55のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項57】
前記送達アセンブリは、ガス調整器、フローメータ又はフローメータ及びガスメータを含む、請求項53~56のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項58】
前記送達アセンブリは、ガス供給部又は前記ガス源に接続し、且つ前記インターフェースに接続するように適合された1つ以上の導管を含む、請求項53~57のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項59】
前記ガス源と前記インターフェースとの間にフィルタを更に含む、請求項53~58のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項60】
前記フィルタは、前記コンディショニング源の上流に位置するフィルタであるか、前記コンディショニング源の下流にあるか、又は前記コンディショニング源の一部を形成する、請求項59に記載のインターフェース。
【請求項61】
手術腔の治療の方法であって、
請求項1~60のいずれか一項に記載のインターフェースを手術部位又はその近傍に配置することを含む方法。
【請求項62】
手術中に水分の喪失及び/又は熱の喪失から患者を保護する方法であって、
請求項1~60のいずれか一項に記載のインターフェースを手術部位又はその近傍の表面上に配置することを含む方法。
【請求項63】
前記インターフェースは前記手術腔内の表面上に位置する、請求項61又は62に記載の方法。
【請求項64】
前記インターフェースは前記手術腔の壁上又はその近傍に位置する、請求項61又は62に記載の方法。
【請求項65】
ガス源は、前記ガス流路にガス流を提供するために作動される、請求項61~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
手術部位の感染から患者を保護する方法であって、
請求項1~60のいずれか一項に記載のインターフェースを、前記インターフェースの前記出口からの前記ガスが手術部位の周りに保護バリアを形成するように、前記手術部位の近傍の表面上に配置することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、開放手術用医療ガス送達システムに関し、より具体的には、開放手術用医療ガス送達システムで使用するための患者インターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
送気ガスは、様々な目的のために手術で使用され得る。開放手術では、例えば心臓又は胸部手術のように、ガスは、脱気のために体腔に送気され得る。送気ガスは、空気又は二酸化炭素(CO)から選択され得る。
【0003】
手術創又は腔へのガスの送達の成功を妨げる最大の障壁の1つは、ガス送達システムが周囲の手術作業場に一体化されていることである。これは、主に外科的処置、切開の種類及び位置、患者の人口統計、外科医の好み、創傷準備手法、創傷開創システム並びに患者のドレーピング及び加温システムに大きい差異が存在することによる。
【0004】
本明細書では、特許明細書及び他の文献を含む外部の情報源に言及する場合、これは、一般に、本開示の特徴を説明するための背景を提供するためである。別段の記載のない限り、そのような情報源への言及は、いかなる法域においても、そのような情報源が先行技術であること又は当技術分野における共通の一般知識の一部を成すことを承認するものと解釈されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示されるのは、手術腔を保護するための患者インターフェースであって、
手術部位にガスを案内するように構成されるか又は構成可能なガス流路を少なくとも部分的に画定する1つ以上の包囲層又は外層であって、ガス流路は、第1の端部と、反対側の第2の端部とを有する、1つ以上の包囲層又は外層と、
第1の端部に配置された入口と、
第2の端部に配置された出口と、
を含む患者インターフェースである。
【0006】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、ガス源と流体接続された患者インターフェースを含み、患者インターフェースは、コンディショニングされたガス流を手術腔に送達するための出口を有する、デバイスである。
【0007】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、ガス源と流体接続された入口と出口とを有する患者インターフェースを含み、患者インターフェースは、入口と出口との間のガスの速度を減少させるように構成される、デバイスである。
【0008】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、ガス源と流体接続された入口と出口とを有する患者インターフェースを含み、患者インターフェースは、ガス透過性材料を含み、入口と出口との間のガスの速度を減少させるように構成される、デバイスである。
【0009】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、ガス源と流体接続された患者インターフェースを含み、患者インターフェースは、支持構造体と、送達アセンブリの出口と流体接続された支持構造体への入口と、コンディショニングされたガス流を手術腔に送達するための支持構造体からの出口と、を含む、デバイスである。
【0010】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、
ガス源と流体接続された入口と出口とを有する送達アセンブリと、
支持構造体と、送達アセンブリの出口と流体接続された支持構造体への入口と、コンディショニングされたガス流を手術腔に送達するための支持構造体からの出口とを含む患者インターフェースと、
を含むデバイスである。
【0011】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、ガス源と流体接続可能な入口と出口とを有する患者インターフェースを含み、患者インターフェースは、ガス流を操作するように適合される、デバイスである。
【0012】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、ガス源と流体接続可能な入口と出口とを有する患者インターフェースを含み、患者インターフェースは、入口と出口との間のガス流の速度を減少させるように構成されたガス透過性材料を含む、デバイスである。
【0013】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、
ガス源と流体接続された入口と出口とを有する送達アセンブリと、
患者インターフェースであって、
ガス透過性材料を含む支持構造体と、
送達アセンブリと流体接続された支持構造体への入口と、
コンディショニングされたガス流を手術腔に送達するための支持構造体からの出口と
を含む患者インターフェースと、
を含むデバイスである。
【0014】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、
ガス源と流体接続可能な入口と出口とを有する患者インターフェースと、
出口からのガス流をコンディショニングするための機構と、
取付手段と、
を含むデバイスである。
【0015】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、
入口と出口とを有する送達アセンブリであって、入口は、送達アセンブリにガス流を提供するためにガス源と流体連通する、送達アセンブリと、
インターフェースであって、
送達アセンブリと流体連通する入口と、コンディショニングされたガス流を支持構造体出口の近傍のガス透過性材料に送達するための出口とを有する支持構造体と、
支持構造体及びガス透過性材料の少なくとも一部分を被覆するか又はそれに積層される1つ以上のガス不透過性層であって、1つ以上のガス不透過性層は、支持構造体の出口の近傍のガス透過性材料を維持するように適合される、1つ以上のガス不透過性層と、
インターフェース入口からインターフェース出口へのガス流がガス透過性材料を通過しなければならないように、1つ以上のガス不透過性層で被覆されていないか又は1つ以上のガス不透過性層が積層されていないガス透過性材料の表面によって画定されるインターフェース出口と、
を含むインターフェースと、
を含むデバイスである。
【0016】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのインターフェースであって、
ガス流のための入口と、コンディショニングされたガス流を支持構造体出口の近傍のガス透過性材料に送達するための出口とを有する支持構造体と、
支持構造体及びガス透過性材料の少なくとも一部分を被覆するか又はそれに積層される1つ以上のガス不透過性層であって、1つ以上のガス不透過性層は、支持構造体の出口の近傍のガス透過性材料を維持するように適合される、1つ以上のガス不透過性層と、
インターフェース入口からインターフェース出口へのガス流がガス透過性材料を通過しなければならないように、1つ以上のガス不透過性層で被覆されていないか又は1つ以上のガス不透過性層が積層されていないガス透過性材料の表面によって画定されるインターフェース出口と、
を含むインターフェースである。
【0017】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、
入口と出口とを有する送達アセンブリであって、入口は、送達アセンブリにガス流を提供するためにガス源と流体連通する、送達アセンブリと、
インターフェースであって、
容積を有する支持構造体であって、容積の一部分がガス透過性材料を含む、支持構造体と、
送達アセンブリと流体連通する支持構造体への入口と、
コンディショニングされたガス流を手術腔に送達するための支持構造体からの出口と
を含み、ガス透過性材料は、インターフェース入口からインターフェース出口へのガス流がガス透過性材料を通過しなければならないように、
・ガス透過性材料と支持構造体入口との間に支持構造体の未充填部分を画定するために、出口に位置するか又は出口を画定するか、又は
・ガス透過性材料と支持構造体出口との間に支持構造体の未充填部分を画定するために、出口の遠位に位置する、インターフェースと、
を含むデバイスである。
【0018】
開示されるのは、開放手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、
入口と出口とを有する送達アセンブリであって、入口はガス源と流体連通する、送達アセンブリと、
送達アセンブリの出口と流体連通する入口を有し、拡散器を含む患者インターフェースと、
を含み、デバイスは患者インターフェース出口を通して開放手術腔にガスを送達するように構成され、拡散器は少なくとも180mmの出口面積を有する、デバイスである。
【0019】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、
入口と出口とを有する送達アセンブリであって、入口は、約5~約20L/分のガス流を送達アセンブリに提供するためにガス源と流体連通する、送達アセンブリと、
インターフェースであって、
支持構造体の約25~約75体積%がガス透過性材料を含む支持構造体と、
送達アセンブリと流体連通する支持構造体への入口と、
コンディショニングされたガス流を手術腔に送達するための支持構造体からの出口であって、ガスは、出口において約2m/秒未満の流速を有するようにコンディショニングされる、出口と、
を含むインターフェースと、
を含むデバイスである。
【0020】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、
入口と出口とを有する送達アセンブリであって、入口は、約20L/分未満のガス流を提供するためにガス源と流体連通する、送達アセンブリと、
インターフェースであって、
支持構造体の約25%~約75体積%がガス透過性材料を含む支持構造体と、
送達アセンブリと流体連通する支持構造体への入口と、
少なくとも1mmの有効出口面積を有する出口であって、出口は、コンディショニングされたガス流を支持構造体から手術腔に約2m/秒未満の出口速度で排出する、出口と
を含むインターフェースと
を含むデバイスである。
【0021】
開示されるのは、手術腔にガスを送達するためのデバイスであって、ガス源と流体接続された入口と出口とを有する患者インターフェースを含み、患者インターフェースは、コンディショニングされたガス流を手術部位に送達するように構成され、コンディショニングされたガス流は、
i)入口ガスの速度に対して減少した出口速度を有するか、又は
ii)拡散流を有するか、又は
iii)加熱されるか、又は
iv)実質的に層状又は非乱流であるか、又は
v)(i)~(iv)のいずれかの組み合わせ、
である、デバイスである。
【0022】
開示されるのは、手術腔を保護するための患者インターフェースであって、入口と、出口と、入口と出口との間にガス流路を少なくとも部分的に画定する1つ以上の包囲層又は外層であって、ガス流路は、形成可能部分を含む、1つ以上の包囲層又は外層と、形成可能部分内に配置された少なくとも1つの変形可能要素であって、形成可能部分の少なくとも1つの曲げ方向を形成するように構成される少なくとも1つの変形可能要素とを含む患者インターフェースである。
【0023】
開示されるのは、手術腔を保護するための患者インターフェースであって、
ガス流を実質的に非乱流又は層流にコンディショニングするように構成されたインターフェースであって、非乱流若しくは層流ガス流及び/又は手術腔内への周囲空気の進入を妨げるガス流を提供するために、手術部位若しくは手術腔又はその近傍の表面上に配置されるような形状であり、
ガス源からガスを受け入れるための入口と、入口から離隔した出口とを有するチャンバであって、出口の高さ及び幅は、周囲空気から手術部位又は手術腔を遮蔽するためのガス流の高さ及び幅を少なくとも部分的に画定するように構成される、チャンバと、
出口の少なくとも近傍にあるチャンバ内の多孔質媒体であって、入口に受け入れられたガスは、多孔質媒体を通り、実質的に非乱流又は層流が出口から提供される、多孔質媒体と
を含むインターフェース、
を含む患者インターフェースである。
【0024】
開示されるのは、手術腔の治療の方法であって、記載したインターフェースを手術部位又はその近傍に配置することを含む方法である。
【0025】
開示されるのは、手術中に水分の喪失及び/又は熱の喪失から患者を保護する方法であって、記載したインターフェースを手術部位又はその近傍の表面上に配置することを含む方法である。
【0026】
開示されるのは、手術部位の感染から患者を保護する方法であって、記載したインターフェースを、インターフェースの出口からのガスが手術部位の周りに保護バリアを形成するように、手術部位の近傍の表面上に配置することを含む方法である。
【0027】
以下の実施形態又は構成のいずれか1つ以上は、上記の開示のいずれかに関連し得る。
【0028】
いくつかの構成では、包囲層又は外層は、可撓性である。
【0029】
いくつかの構成では、包囲層又は外層は、フィルム又は膜である。
【0030】
いくつかの構成では、包囲層又は外層は、材料を水分子が通過することを可能にする通気性材料で形成される。
【0031】
いくつかの構成では、包囲層又は外層は、水蒸気を透過させる。
【0032】
いくつかの構成では、包囲層又は外層は、皺発生及び/又は手術器具による損傷に耐える品質を有する材料で少なくとも部分的に形成される。
【0033】
いくつかの構成では、包囲層又は外層は、弾性変形可能である。
【0034】
いくつかの構成では、包囲層又は外層は、ポリウレタンから形成される。
【0035】
いくつかの構成では、インターフェースは、包囲層又は外層を少なくとも部分的に取り囲む第2の層を更に含む。
【0036】
いくつかの構成では、第2の層は、
a)ガス流路の少なくとも一部分を画定するか、又は
b)包囲壁又は外膜の周りに位置するか、又は
c)包囲壁又は外膜の厚さを上回る厚さを有するか、又は
d)包囲壁又は外膜の可撓性を下回る可撓性を有するか、又は
e)包囲壁又は外膜の耐穿刺性を上回る耐穿刺性を有するか、又は
f)流体を透過させないか、又は
g)(a)~(f)の1つ以上のいずれかの組み合わせ
である。
【0037】
いくつかの構成では、コンディショニングされたガス流は、拡散流を含む。
【0038】
本明細書で使用する場合、用語「拡散」又は「拡散流」及びその文法的均等物は、ガス流が、送達アセンブリ内のガス流と比較して減少した速度を有することを意味する。
【0039】
1つの構成では、拡散流は、送達アセンブリ内のガス流の速度に対して約10、20、30、40、50、60、70又は80%だけ減少した速度を有し、適切な範囲は、これらの値のいずれかの間から選択され得る。
【0040】
1つの構成では、拡散流は、送達アセンブリ内の断面ガス流に対して広がった断面ガス流を有する。
【0041】
1つの構成では、拡散流は、送達アセンブリ内のガス流に対して少なくとも50、60、70、80、90、100、110、120、130、140又は150%だけ広がったガス流を有する。
【0042】
本明細書で使用する場合、拡散器という用語及びその文法的均等物は、拡散されたガス流を送達するデバイス又は装置を意味する。
【0043】
いくつかの構成では、インターフェースは、ガス源とインターフェースとの間に流体接続された送達アセンブリを含む。
【0044】
いくつかの構成では、送達アセンブリは、コンディショニング源を含む。
【0045】
いくつかの構成では、コンディショニング源は、加湿器、ヒータ又は加湿器及びヒータである。
【0046】
いくつかの構成では、コンディショニングされたガス流は、加湿される。
【0047】
いくつかの構成では、送達アセンブリは、ガス調整器、フローメータ又はフローメータ及びガスメータを含む。
【0048】
いくつかの構成では、送達アセンブリは、ガス供給部又はガス源に接続し、且つインターフェースに接続するように適合された1つ以上の導管を含む。
【0049】
いくつかの構成では、インターフェースは、ガス源とインターフェースとの間にフィルタを含む。
【0050】
いくつかの構成では、フィルタは、コンディショニング源の上流に位置するフィルタであるか、コンディショニング源の下流にあるか、又はコンディショニング源の一部を形成する。
【0051】
いくつかの構成では、デバイスは、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースを手術腔内又はその近傍の所定の位置に保持するための取付機構を含む。
【0052】
いくつかの構成では、デバイスは、0.1~20L/分のガス流を有する。
【0053】
いくつかの構成では、出口を出るガス流路は、実質的に単一平面内にある。
【0054】
いくつかの構成では、出口を出るガスは、実質的に層状及び/又は非乱流である。
【0055】
いくつかの構成では、ガス流路は、実質的に同じ高さ又は断面積を有する。
【0056】
いくつかの構成では、ガス流路は、一定の幅を有する。
【0057】
いくつかの構成では、インターフェースは、出口を出るガス流が、インターフェース入口におけるガス流速度よりも低い速度を有するように構成される。
【0058】
いくつかの構成では、デバイスは、インターフェース出口を通して開放手術腔に3.99kPa(30mmHg)未満の供給圧力のガスを送達するように構成される。
【0059】
いくつかの構成では、ガス源は、ボトル入りガス、加圧ガスを提供するガスシリンダ、壁ガス源、網状ガス源、関節式ガス源(例えば、ペンダント供給)、周囲空気又はガス流を発生させる流れ発生器若しくは圧縮器から選択される。
【0060】
いくつかの構成では、ガス源は、所望の流量であり得る連続的又は間欠的なガス流を提供する。
【0061】
いくつかの構成では、ガス源は、治療用ガスを含む、特定の外科的用途に適した任意のガス又は混合ガスであり得る。好ましくは、ガスは、空気、二酸化炭素(CO)、窒素ガス(N)、二酸化窒素(NO)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)又はこれらの混合物から選択される。
【0062】
いくつかの構成では、ガス源によって提供されるガスの密度は、空気を上回る。好ましくは、患者インターフェースの出口が手術腔にあるか、手術腔の近傍にあるか又は手術腔の上方にある場合、ガス源によって提供されるガスの密度は、空気を上回る。
【0063】
いくつかの構成では、ガス源によって提供されるガスの密度は、空気と同じ又は同様である。好ましくは、患者インターフェースの出口が手術腔内に位置する場合、ガス源によって提供されるガスの密度は、空気と同じ又は同様である。
【0064】
いくつかの構成では、送達アセンブリ内のガス流の速度は、患者インターフェースの出口速度よりも少なくとも2倍高い。
【0065】
いくつかの構成では、デバイスは、患者インターフェースへのガス入口を画定するガス入口管を含む。
【0066】
いくつかの構成では、ガス透過性材料は、患者インターフェースの出口の遠位に位置する。
【0067】
いくつかの構成では、患者インターフェースの出口の表面積は、ガス透過性材料の表面積の約6~約20%である。
【0068】
いくつかの構成では、ガス透過性材料は、出口に位置するか又は出口を画定する。
【0069】
いくつかの構成では、送達アセンブリは、ガス源と患者インターフェースとの間に流体接続される。
【0070】
いくつかの構成では、送達アセンブリは、コンディショニング源を含む。
【0071】
いくつかの構成では、コンディショニング源は、加湿器、ヒータ又は加湿器及びヒータである。
【0072】
いくつかの構成では、送達アセンブリは、ガス調整器、フローメータ又はフローメータ及びガスメータを含む。
【0073】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、支持構造体を含む。
【0074】
いくつかの構成では、インターフェースは、第1の端部に支持構造体を含み、支持構造体は、ハウジング入口及びハウジング出口を画定し、ハウジング出口は、インターフェース入口及び/又はインターフェース出口と流体連通する。
【0075】
いくつかの構成では、支持構造体はチャンバである。
【0076】
いくつかの構成では、チャンバはガス透過性材料を含む。
【0077】
いくつかの構成では、支持構造体はガス透過性基材に当接する。
【0078】
いくつかの構成では、支持構造体はガス透過性基材の一部分を包囲する。
【0079】
いくつかの構成では、支持構造体の高さはガス透過性基材と実質的に同じ高さである。
【0080】
いくつかの構成では、インターフェースは、第1の端部及び第2の端部を有する管を更に含み、第1の端部は、支持構造体ハウジング入口の入口に接続可能である。
【0081】
いくつかの構成では、管の第1の端部は、ルアー接続、圧入接続、ねじ又は摩擦嵌合接続を介してハウジング入口に接続する。
【0082】
いくつかの構成では、管の第2の端部はルアーロックコネクタを有する。
【0083】
いくつかの構成では、管は可撓性である。
【0084】
いくつかの構成では、ガス透過性材料はガス流の速度を減少させるように構成される。
【0085】
いくつかの構成では、ガス透過性材料は、患者インターフェースの出口に位置するか若しくは患者インターフェースの出口を画定するか、ガス透過性材料と支持構造体入口への入口との間に支持構造体の空洞を画定するか、又は患者インターフェースの出口の遠位に位置し、ガス透過性材料と支持構造体出口との間に支持構造体の空洞を画定する。
【0086】
いくつかの構成では、支持構造体の約25~約75体積%はガス透過性材料を含む。
【0087】
いくつかの構成では、ガス透過性基材は前面及び後面を有する。ガス透過性基材の各前面及び後面の端部は支持構造体に当接し得る。
【0088】
いくつかの構成では、支持構造体はチャンバであり、ガス透過性基材はチャンバの少なくとも一部分を満たす。ガス透過性基材は、チャンバ内に収容され得るか、又は少なくとも一部分が出口又はその近傍でチャンバの外に延び得る。
【0089】
いくつかの構成では、患者インターフェースは1つ以上の接着剤層を含む。
【0090】
いくつかの構成では、インターフェースは前面及び後面を画定する。
【0091】
いくつかの構成では、後面は接着剤を更に含む。
【0092】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、患者インターフェースの後面、患者インターフェースの前面又は患者インターフェースの前面及び後面の両方の少なくとも一部分に接着剤層を含む。
【0093】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、患者インターフェースデバイスの前面の少なくとも一部分に接着剤層を含む。
【0094】
いくつかの構成では、接着剤は接着剤層である。
【0095】
いくつかの構成では、接着剤層は除去されると接着剤層を露出させる除去可能な裏材を含む。
【0096】
いくつかの構成では、インターフェースは取り外しタブを含む。
【0097】
いくつかの構成では、取り外しタブは、包囲壁若しくは外膜又は第2の層によって提供される。
【0098】
いくつかの構成では、包囲層又は外層はインターフェース出口に隣接する後面上に切欠部を含む。
【0099】
いくつかの構成では、ガス透過性材料の側面領域の少なくとも一部分は、包囲壁若しくは外膜、第2の層又は接着剤層によって他の場合に提供され得るいかなる被覆もない。
【0100】
いくつかの構成では、インターフェース出口は断面が実質的に矩形である。
【0101】
いくつかの構成では、インターフェース出口の縁部は丸みを帯びている。
【0102】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、インターフェースを保護することを目的とした材料層を含む。
【0103】
いくつかの構成では、インターフェースを保護することを目的とした材料層は、別個の保護材料層によって提供される。
【0104】
いくつかの構成では、インターフェースを保護することを目的とした材料層は、インターフェースの層の厚肉化によって提供される。
【0105】
いくつかの構成では、支持構造体又はチャンバは、プラスチックなどの剛性材料で形成される。チャンバは、シリコンなどの可撓性材料で少なくとも部分的に形成され得る。
【0106】
いくつかの構成では、ガス透過性基材は壁又は外膜によって包囲される。
【0107】
いくつかの構成では、ガス透過性基材の表面積の少なくともの一部分は、1つ以上のガス不透過性層で被覆又は積層される。
【0108】
いくつかの構成では、ガス不透過性層はガス不透過性フィルムである。
【0109】
いくつかの構成では、ガス不透過性層で被覆又は積層されていないガス透過性基材の一部分はインターフェース出口を画定する。
【0110】
いくつかの構成では、ガス透過性基材は気泡発泡体であるか又はそれを含む。
【0111】
いくつかの構成では、ガス透過性基材は平坦である。
【0112】
いくつかの構成では、ガス透過性基材は矩形である。
【0113】
いくつかの構成では、ガス透過性基材の長さ及び/又は幅は高さを上回る。
【0114】
いくつかの構成では、ガス透過性基材の長さは幅を上回る。
【0115】
いくつかの構成では、ガス透過性基材の幅は長さを上回る。
【0116】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、患者インターフェースの後面の少なくとも一部が、外科用リトラクタの表面など、手術腔内又はその近傍の表面に付着した状態で手術腔内に少なくとも部分的に配置されるように構成される。
【0117】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、出口が手術腔の創縁又はその近傍に配置された状態で配置されるように構成される。
【0118】
いくつかの構成では、患者インターフェースの少なくとも一部分は、患者インターフェースが曲げられ、且つその形状を保持することを可能にするために可撓性及び/又は変形可能である。
【0119】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、患者インターフェースが曲げられ、且つその形状を保持することを可能にするための変形可能要素を含む。
【0120】
いくつかの構成では、変形可能要素は支持構造体に取り付けられる。
【0121】
いくつかの構成では、変形可能要素は展性がある。
【0122】
いくつかの構成では、変形可能要素はステンレス鋼又はプラスチックから形成される。
【0123】
いくつかの構成では、変形可能要素は弾性変形可能である。
【0124】
いくつかの構成では、変形可能要素は、
・ガス透過性基材内、
・包囲層又は外層とガス透過性基材との間、
・包囲層又は外層内、又は
・包囲層又は外層の外側に、
位置する。
【0125】
いくつかの構成では、変形可能要素はガス透過性基材の外周部の形状に実質的に適合するように形作られる。
【0126】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、創縁の構成に実質的に一致するように曲げることができ、その構成に曲げられるとその形状を保持する。
【0127】
いくつかの構成では、ガス透過性基材は支持構造体又はチャンバから取り外し可能である。
【0128】
いくつかの構成では、ガス透過性基材は出口におけるガスの速度を入口に対して減少させる。
【0129】
いくつかの構成では、患者インターフェースの出口におけるガス流の速度は、約2m/秒未満である。
【0130】
いくつかの構成では、患者インターフェースの出口におけるガス流の速度は、約0.8m/秒未満である。
【0131】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、少なくとも1mmの有効出口面積を有する出口を有し、出口は、コンディショニングされたガス流を約2m/秒未満の出口速度で排出する。
【0132】
いくつかの構成では、ガス源は約5~約20L/分のガス流を提供する。
【0133】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、少なくとも180mmの有効出口面積を有する。
【0134】
いくつかの構成では、患者インターフェースの出口におけるガス流の圧力は3.99kPa(30mmHg)未満である。
【0135】
いくつかの構成では、送達アセンブリは、ガス供給部又はガス源に接続し、且つ患者インターフェースに接続するように適合された1つ以上の導管を含む。
【0136】
いくつかの構成では、デバイスは、手術腔をアクセス可能な状態に維持するためのリトラクタを含み、リトラクタは、
・患者インターフェースとは別個のものであるか、又は
・患者インターフェースの一部である。
【0137】
いくつかの構成では、送達アセンブリは、手術腔に送達する前にガスをコンディショニングするためのコンディショニング源を含む。いくつかの構成では、コンディショニング源は、手術腔に送達されるガスを加湿するための加湿器である。
【0138】
いくつかの構成では、送達アセンブリはガス制御ユニットを含み、ガス制御ユニットはガスの供給を制御する。
【0139】
いくつかの構成では、デバイスはガス流を加熱するための加熱源を含む。
【0140】
いくつかの構成では、デバイスは、ガス制御ユニット入口及び出口、加湿器入口及び出口並びに患者インターフェース入口及び出口を含み、ガス制御ユニットはガス源と流体連通し、ガス制御出口は加湿器入口と流体連通し、加湿器出口はインターフェース入口と流体連通する。
【0141】
いくつかの構成では、患者インターフェースの断面サイズは、患者インターフェース入口と患者インターフェース出口との間で拡張する。
【0142】
いくつかの構成では、患者インターフェース出口は患者インターフェース入口に対して拡張される。
【0143】
いくつかの構成では、患者インターフェースの出口総面積の断面サイズは患者インターフェース入口の断面サイズの10、15、20、25又は30倍である。
【0144】
いくつかの構成では、患者インターフェースは患者インターフェース入口及び出口間に滑らかな移行部を含む。
【0145】
いくつかの構成では、送達アセンブリ内のガス流の流量は10L/分未満である。
【0146】
いくつかの構成では、インターフェース出口表面積はガス透過性材料の表面積の約6~約20%である。
【0147】
いくつかの構成では、デバイスはガスを最大20L/分の流量で送達するように適合される。
【0148】
いくつかの構成では、患者インターフェースはガスを2m/秒未満の速度で排出するように適合される。
【0149】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、手術腔を開放状態に維持するためのリトラクタとして機能するように適合される。
【0150】
いくつかの構成では、リトラクタと患者インターフェースとは一体化される。
【0151】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、拡張可能及びロック可能な足場であり、1つ以上の出口を含み、足場は手術腔内で径方向に拡張及び引っ込むように適合される。
【0152】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、膨張可能部材を含み、膨張可能部材の少なくとも一部分は、手術腔又はその周りに位置し、1つ以上の出口を含む。
【0153】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、1つ以上の出口を含む拡張可能な管であり、手術腔の壁に径方向力を印加するために拡張するように適合される。
【0154】
いくつかの構成では、出口は膨張可能な管の内縁部に配置される。
【0155】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、手術腔を少なくとも部分的に包囲するサージカルドレープの一部を形成し、サージカルドレープは、手術腔の近傍に1つ以上のガス経路及び1つ以上の出口を有する。
【0156】
いくつかの構成では、患者インターフェースはL字形である。
【0157】
いくつかの構成では、患者インターフェースはU字形である。
【0158】
いくつかの構成では、患者インターフェース出口は空気を手術腔内に下向きに案内するために患者インターフェースの下面にある。
【0159】
いくつかの構成では、患者インターフェース出口は空気を水平に案内するために患者インターフェースの垂直面上にある。
【0160】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、空気を手術腔に送達するための1つ以上のガス流路を有するガス出口領域を含む可撓性パッドである。
【0161】
いくつかの構成では、可撓性パッドは、好ましくは、ガス排出前面と裏接着面とを有するフィルムの形態の接着剤領域を含む。
【0162】
いくつかの構成では、パッドは、塑性変形に曝されたときにその形状を保持する材料によって少なくとも部分的に形成される。
【0163】
いくつかの構成では、可撓性パッドは接着剤領域を含む。
【0164】
いくつかの構成では、可撓性パッドの形態は、ガス出口表面、出口と反対側のパッド上の接着面を含む。
【0165】
いくつかの構成では、パッドは、所望の形状に操作され、その所望の形状に保持され得る材料によって少なくとも部分的に形成される。
【0166】
いくつかの構成では、患者インターフェースは実質的に管状のプロファイルを有する1つ以上の長尺状部分を含む。
【0167】
いくつかの構成では、複数の第2の長尺状部分は主要な長尺状部分から生じる。
【0168】
いくつかの構成では、長尺状部分は、1つ以上の関節を有する。一実施形態では、主要な長尺状部分は1つ以上の関節を有する。
【0169】
いくつかの構成では、長尺状部分は、所望の形状に操作され、その所望の形状に保持され得る材料から作られる。
【0170】
いくつかの構成では、長尺状部分の少なくとも1つは、手術腔の上方に位置するように適合され、出口は手術腔へと下方に向けられる。
【0171】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、患者の組織を貫通するように適合された突起を含む。
【0172】
いくつかの構成では、突起はフックである。
【0173】
いくつかの構成では、患者インターフェースはより重い重量及び/又は高密度の領域を含む。
【0174】
いくつかの構成では、より重い重量及び/又は高密度の領域は患者インターフェース入口の遠位に位置する。
【0175】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、グリップハンドル及びシャフトを含み、患者インターフェースの出口は、シャフト上にハンドルから遠位に位置する。
【0176】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、1つ以上のインターフェース出口又は患者インターフェースの複数の出口をそれぞれ含む1つ以上のアームを含む。
【0177】
いくつかの構成では、患者インターフェースは実質的に「Y」字形である。
【0178】
いくつかの構成では、患者インターフェースは少なくとも2つの別個のアームを含む。
【0179】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、患者インターフェースの各アームの内面に少なくとも1つの出口を含む。
【0180】
いくつかの構成では、患者インターフェースは1つ以上の調節可能なループを含む。
【0181】
いくつかの構成では、患者インターフェースはループを形成する摺動可能なカラーを含む。
【0182】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、ガスが患者インターフェース出口において患者インターフェースを出る前に衝突する1つ以上のガス衝突表面を有する。
【0183】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、患者インターフェース入口と患者インターフェース出口との間に2つ以上の干渉ガス流路を含む。
【0184】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、2つ以上のガス出口を含み、出口は、実質的に互いの方に向けられる。
【0185】
いくつかの構成では、出口は手術腔の互いに反対の側に配置される。
【0186】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、手術腔の上に吊るされ、患者インターフェース又は送達アセンブリのいずれかは、取付機構によって手術腔の上方に配置可能である。
【0187】
いくつかの構成では、患者インターフェース又は送達アセンブリの一部分はリールの周りに巻かれる。
【0188】
いくつかの構成では、患者インターフェースは移動可能な長尺状スタンドによって所定の位置に維持される。
【0189】
いくつかの構成では、患者インターフェースはベントを含み、ベントは手術腔の上方に位置する。
【0190】
いくつかの構成では、ベントは手術腔の上方の天井に位置する。
【0191】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、既存の空調又は換気システムに一体化又は接続される。
【0192】
いくつかの構成では、患者インターフェースは複数の出口を含む。
【0193】
いくつかの構成では、出口は、患者インターフェースの長さに沿って均等に分布する。
【0194】
いくつかの構成では、出口は、患者インターフェースの長さに沿って不均等に分布する。
【0195】
いくつかの構成では、出口は患者インターフェースの表面の穴であり、穴は均一なサイズのものである。
【0196】
いくつかの構成では、出口は患者インターフェースの表面の穴であり、穴はサイズが異なる。
【0197】
いくつかの構成では、患者インターフェース又は患者インターフェース出口は多孔質媒体を含み、多孔質媒体は複数のガス流路及び複数の出口を有する。
【0198】
いくつかの構成では、多孔質媒体は、織地、フェルト、多孔質フィルム、編メッシュ、繊維質材料から選択される軟質多孔質媒体である。
【0199】
いくつかの構成では、多孔質媒体は、焼結金属、焼結ポリマー、焼結プラスチック又は焼結セラミックから選択される硬質及び/又は剛性多孔質媒体である。
【0200】
いくつかの構成では、多孔質媒体は、砂、カーボン、ガーネット又は無煙炭から選択される粒状基材である。
【0201】
いくつかの構成では、患者インターフェースはヒンジ式又は関節式の部分を含み、患者インターフェース出口はヒンジ式又は関節式の部分に位置する。
【0202】
いくつかの構成では、ヒンジ式又は関節式の部分は、ピンの対及び対応する凹部を介して患者インターフェースの第1の部分に接続される。
【0203】
いくつかの構成では、ヒンジ式又は関節式の部分は、第1の部分とヒンジ式又は関節式の部分との間のインターフェースに、又はインターフェースの近傍に位置するシリンダを介して、患者インターフェースの第1の部分に接続される。
【0204】
いくつかの構成では、シリンダは複数の孔を有する。
【0205】
いくつかの構成では、リトラクタは、展性のある材料で形成され、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースのための1つ以上の取付機構を含む。
【0206】
いくつかの構成では、リトラクタはガスを加熱するための加熱源を含む。
【0207】
いくつかの構成では、リトラクタはガス源と患者インターフェース出口との間に1つ以上のガス流路を含む。
【0208】
いくつかの構成では、リトラクタは交換可能構成要素を含み、交換可能構成要素はガス流路を含む。
【0209】
いくつかの構成では、リトラクタは手術腔を開創するための少なくとも2つのアームを含み、2つのアームは手術腔の反対の側に位置する。
【0210】
いくつかの構成では、リトラクタの少なくともアームの対(各部材は、手術腔の反対の側に位置する)は、ガス流路及び拡散出口を含む。
【0211】
いくつかの構成では、取付機構は、患者インターフェース及び/又は送達アセンブリをサージカルドレープ、患者、リトラクタ、手術道具又は用具のいずれか1つ以上に取り付ける。
【0212】
いくつかの構成では、取付機構は、ベース及び該ベース上に介在するブラケットとを含む2部品クリップ又はブラケットを組み込み、クリップは該クリップとブラケットとの間に孔を含む。
【0213】
いくつかの構成では、クリップは追加的にスロットを含む。
【0214】
いくつかの構成では、2部品クリップは、リトラクタ、患者インターフェース又はリトラクタ及び患者インターフェースを保持する。
【0215】
いくつかの構成では、リトラクタは孔内に保持される。
【0216】
いくつかの構成では、ブラケットは磁気インタラクタを用いてベースに接続される。
【0217】
いくつかの構成では、締結具によりブラケットをベースに接続する。
【0218】
いくつかの構成では、ベースは回転式ジョイントを含む。
【0219】
いくつかの構成では、クリップは中央孔及び締結アームの対を有するリングを含むリングクリップ要素の形態である。
【0220】
いくつかの構成では、リングクリップ要素のクランプ面は、発泡体、ゴム、シリコーン又はこれらの組み合わせを含む。
【0221】
いくつかの構成では、リングクリップ要素は、患者の皮膚、サージカルドレープ又は手術機器に締結されるか又は留められる。
【0222】
いくつかの構成では、リングクリップ要素は送達アセンブリと一体形成される。
【0223】
いくつかの構成では、取付機構は、サージカルドレープ、患者、手術道具又は用具に取り付けるための吸盤を含む。
【0224】
いくつかの構成では、取付機構は、サージカルドレープ、患者、手術道具又は用具に取り付けるための接着剤パッド又はストリップを含む。
【0225】
いくつかの構成では、接着剤パッド又はストリップは、接着剤パッド又はストリップの上面及び下面の両方に接着剤を含む。
【0226】
いくつかの構成では、接着剤パッド又はストリップは手術部位内の表面に取り付けられる。
【0227】
いくつかの構成では、取付機構は、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースをリトラクタに取り付ける。
【0228】
いくつかの構成では、取付機構は、クリップ、タイ、バンド、フックアンドループ構造(例えば、Velcro(登録商標)ストラップ)などの解放可能なメカニカルファスナー、弾性ストラップ、曲げられたワイヤ又は結び目のある紐である。
【0229】
いくつかの構成では、タイは弾性接着タイである。
【0230】
いくつかの構成では、取付機構は、サージカルドレープ、患者、手術道具又は用具に取り付けるための接着面と、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースの周りの対応するVelcro(登録商標)スリーブとを有する解放可能なメカニカルファスナー(例えば、Velcro(登録商標)ストラップ)を含む。
【0231】
いくつかの構成では、取付機構は、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースを覆うブラケットであり、ブラケットは、患者の皮膚、サージカルドレープ又は手術器具若しくは用具に取り付けられる。
【0232】
いくつかの構成では、カバーはスリーブである。
【0233】
いくつかの構成では、ブラケットは、縫合糸、のり又は接着剤によって患者の皮膚に固定される。
【0234】
いくつかの構成では、取付機構は、サージカルドレープ、患者、手術道具若しくは用具上又はそれらの周りに配置するための磁気パッド、磁気ストリップ又はパッドと、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースの両方の周りの対応する相手要素と、を含む。
【0235】
いくつかの構成では、磁気パッドは接着面を含む。
【0236】
いくつかの構成では、患者インターフェースの表面は、実質的に平坦であり、手術腔の表面、サージカルドレープ、手術道具又は用具に取り付けるための接着剤を含む。
【0237】
いくつかの構成では、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースの両方を覆って延びるカバーであり、カバーは、適切な締結具によってサージカルドレープ又は患者表面に取り付け可能である。
【0238】
いくつかの構成では、カバーは、剛性材料、弾性材料又は軟質及び柔軟な材料で形成される。
【0239】
いくつかの構成では、カバーは、創縁の周り又はその上に形成されるように成形される。
【0240】
いくつかの構成では、取付機構は、手術腔の壁の周りに取り付けるためのクランプであり、クランプは、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースのためのアタッチメントを含む。
【0241】
いくつかの構成では、デバイスは、一方の部品が孔又はスロットを有し、もう一方の部品が相補的な突起を有する、組み合わされる2つの相補的な部品を含む。
【0242】
いくつかの構成では、クランプは高さ調整可能である。
【0243】
いくつかの構成では、高さ調整可能な機構はラチェット機構である。
【0244】
いくつかの構成では、クランプはCクランプ又はGクランプである。
【0245】
いくつかの構成では、取付機構は、
手術腔又はその近傍に取付可能な長尺状のレールと、
レールに取り付けるためのクリップであって、前記レールに沿って移動可能であり、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースの取付を行う、クリップと
を含む。
【0246】
いくつかの構成では、長尺状のレールはリトラクタに一体化される。
【0247】
いくつかの構成では、レールは、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースの両方を取り付けるための2つの垂直方向に離隔した軌道を含み得る。
【0248】
いくつかの構成では、レールは「L」字形を含むか又はリングの形態である。
【0249】
いくつかの構成では、取付機構は、サージカルドレープに取り付けられ、ドレープは、手術腔の少なくとも縁部、任意選択的に手術腔の壁の少なくとも一部分を覆う。
【0250】
いくつかの構成では、取付機構は手術腔の縁部の外周部に延びるフレームに取り付けられる。
【0251】
いくつかの構成では、レールは、手術腔を包囲するように手術部位に位置するリング構成で提供される円形のレールシステムである。
【0252】
いくつかの構成では、取付機構は、サージカルドレープを通過させるための1つ以上の突起を含み、各突起は、ねじ山を含む。
【0253】
いくつかの構成では、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースは、長さ5mm未満の複数の突起を含み、突起は軟質及び/又は可撓性材料から形成される。
【0254】
いくつかの構成では、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースの1つ以上の領域が突起に含まれ、突起により領域の表面積が少なくとも5倍増加する。
【0255】
いくつかの構成では、取付機構は、患者インターフェース上又は患者インターフェースの近傍の送達アセンブリ上に位置する1つ以上の加重アンカーであり、患者インターフェース又は送達アセンブリは、使用時に1つ以上の加重アンカーを手術腔内又はその近傍に配置するように適合される。
【0256】
いくつかの構成では、取付機構は2つ以上の指を有する機械的な爪を含み、機械的な爪は解放機構を含むように適合される。
【0257】
いくつかの構成では、機械的な爪は機械的又は空気的に動作する解放機構を含む。
【0258】
いくつかの構成では、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースは、拡張可能スリーブを含み、拡張可能スリーブは手術腔内に配置されるように適合される。
【0259】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、手術腔の上に吊るされ、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースは、手術腔の反対の側に取り付けられた少なくとも2つのワイヤによって配置可能である。
【0260】
いくつかの構成では、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースは、可撓性領域を含み、可撓性領域は、リトラクタ、手術器具又は用具を取り囲む。
【0261】
いくつかの構成では、可撓性領域は波形構造を含む。
【0262】
いくつかの構成では、送達アセンブリ、患者インターフェース又は送達アセンブリ及び患者インターフェースは、医療関係者の手足に取り付けるように適合される。
【0263】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、手術腔の近傍の手術部位から手術腔の患者壁までの通路を作成する切開を通る患者インターフェースの挿入によって手術腔にガスを送達する。
【0264】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、プラグを含み、プラグは、手術腔内に位置する切開内に配置されるように適合される。
【0265】
いくつかの構成では、患者インターフェースは、患者インターフェース出口又はその近傍に、手術腔に押し込まれる圧縮可能な構成要素を含む。
【0266】
いくつかの構成では、圧縮可能な構成要素は、患者インターフェース出口であるか又はそれを含む。
【0267】
いくつかの構成では、インターフェースは手術腔内の表面上に位置する。
【0268】
いくつかの構成では、インターフェースは手術腔の壁上又はその近傍に位置する。
【0269】
いくつかの構成では、ガス源は、ガス流路にガス流を提供するために作動される。
【0270】
本明細書に開示される数値範囲(例えば、1~10)への言及は、その範囲内の全ての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9及び10)及びまたその範囲内の有理数の任意の範囲(例えば、2~8、1.5~5.5及び3.1~4.7)への言及も組み込み、したがって本明細書に明示的に開示される全ての範囲の全ての部分範囲をこれにより明示的に開示するものとする。これらは、具体的に意図したものの例に過ぎず、列挙した最低値と最大値との間の数値の全ての可能な組み合わせが本出願において同様に明示されたとみなされる。
【0271】
代替的な実施形態又は構成は、本明細書に図示、説明又は言及される部品、要素又は特徴の2つ以上の一部又は全部の組み合わせを含み得ることが理解されるべきである。
【0272】
本開示のいくつかの実施形態はまた、個々に又は集合的に、広く本出願の明細書において言及されるか又は示される部品、要素及び特徴並びにいずれか2つ以上の前記部品、要素又は特徴のいずれか又は全ての組み合わせからなるか又は含むものとされ得、本明細書において、本開示が関係する技術分野で既知の均等物を有する特定の整数に言及する場合、そのような既知の均等物は、個々に説明されるかのように本明細書に組み込まれるものと考えられる。
【0273】
用語「包囲層又は外層」及びその文法的変化形は、その定義内にフィルム、バリア、壁又は膜を含み、したがってインターフェースのガス流路の少なくとも一部分を画定するように構成された層を定義する。
【0274】
本明細書で使用される用語「含む」は、「包含する」を意味する。本明細書において用語「含む」を含む各記載を解釈する場合、その用語が前に置かれた特徴以外の特徴も存在し得る。「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの関連する用語も同様に解釈されるものとする。
【0275】
本明細書で使用する場合、名詞に続く用語「(s)」は、その名詞の複数形及び/又は単数形を意味する。
【0276】
本明細書で使用する場合、用語「及び/又は」は、「及び」若しくは「又は」又は文脈で許容される場合にはその両方を意味する。
【0277】
本開示は、上記を開示し、以下では単なる例を記載する構造をとる。
【0278】
以下の図を参照する本明細書の詳細な説明から、特定の実施形態及びその修正形態が当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0279】
図1A図1Aは記載される医療ガス送達システムを示す。
図1B図1Bは記載される別の医療ガス送達システムを示す。
図2A図2Aは手術腔の上縁部を超えるガスの緩やかな流れ/フラッディングを示す。
図2B図2Bは少量の噴射による手術腔へのガスの充填を示す。
図2C図2Cは噴射による手術腔へのガスの充填を示す。
図3A図3Aは手術腔内に配置された患者インターフェースを示す。
図3B図3Bは手術腔の近傍に配置された患者インターフェースを示す。
図3C図3Cはトップダウン充填による手術腔の充填を示す。
図3D図3Dはボトムアップ充填による手術腔の充填を示す。
図4A-4I】図4A図4Iは支持構造体を含む患者インターフェースを示し、図4A及び図4C図4Hでは、支持構造体はチャンバを含むことを示す。
図4J図4J図4IのZ-Zを通る断面の一実施形態を示す。
図4K図4K図4IのZ-Zを通る断面の一実施形態を示す。
図4L図4Lは患者インターフェースの分解図を示す。
図4M図4M図4Lの患者インターフェースの長手方向断面を示す。
図5A図5Aはガス透過性基材の形態の患者インターフェースを示す。
図5B図5Bはガス透過性基材を通るガス流を示す。
図6A-6B】図6A図6Bはその長さに沿って又は入口から出口に向かって広がる断面積を有する患者インターフェースを示す。
図7A図7Aはガス衝突流を有する患者インターフェースを示す。
図7B-7C】図7B図7Cは2つのガス衝突流の結果を示す。
図7D図7Dは内部バッフルを有する患者インターフェースを示す。
図8A図8Aは実質的にU字形の患者インターフェースを示す。
図8B-8D】図8B図8Dは実質的にL字形の患者インターフェースを示す。
図9A-9B】図9A図9Bは、ヒンジ式又は関節式の部分を有する患者インターフェースを示す。
図10A-10B】図10A図10Bは、手術腔の創縁又は上部患者壁の近傍に配置されたヒンジ式部分を有する患者インターフェースを示す。
図11図11は可撓性パッドの形態の患者インターフェースを示す。
図12A図12Aは高可撓性多孔質フィルムを有する可撓性パッドの形態の患者インターフェースを示す。
図12B図12Bは手術腔内に位置する図12Aの患者インターフェースを示す。
図13A図13Aは実質的に管状のプロファイルを有する1つ以上の長尺体を含む患者インターフェースを示す。
図13B図13Bは第1の長尺体及び第2の長尺体を有する図13Aの患者インターフェースを示す。
図14図14はループの形態の図13Aの患者インターフェースを示す。
図15図15は1つ以上の関節を有する患者インターフェースを示す。
図16A-16B】図16A図16Bは可撓性パッドの形態の患者インターフェースを示す。
図17A図17Aは1つ以上の突起を有する患者インターフェースを示す。
図17B図17Bは創縁の所定の位置にある図17Aの患者インターフェースを示す。
図18図18は手術道具の形態の患者インターフェースを示す。
図19図19は分岐した構成のアームを有する患者インターフェースを示す。
図20図20はループを形成する摺動可能なカラーを含む患者インターフェースを示す。
図21図21は手術腔の上方に位置する患者インターフェースを示す。
図22図22は手術腔の上に吊るされた患者インターフェースを示す。
図23図23は手術腔の上方に吊るされた患者インターフェースを示す。
図24図24は手術部位の上方に配置されたベントに組み込まれた又はその一部を形成する患者インターフェースを示す。
図25A-25B】図25A図25Bはサージカルドレープの一部として形成された患者インターフェースの上部斜視図を示す。
図25C図25C図25A及び図25Bの患者インターフェースの断面図を示す。
図26図26は外科用リトラクタ又は外科用開創システムを含む患者インターフェースを示す。
図27A-27C】図27A図27Cは拡張可能な骨組み又はリンク機構システムの形態のリトラクタを示す。
図28図28は拡張可能な導管の形態のリトラクタを示す。
図29図29は展性があるフックの形態の取付システムを示す。
図30A-30B】図30A図30Bは2部品クリップ又はブラケットの形態の取付システムを示す。
図31図31はリングクリップの形態の取付システムを示す。
図32-33】図32図33はクリップの形態の取付システムを示す。
図34A-34B】図34A図34Bはクリップ締結具の形態の取付システムを示す。
図35図35はラップタイの形態の取付システムを示す。
図36図36は弾性接着タイの形態の取付システムを示す。
図37図37は相補的な解放可能な相手構造を含む取付ストリップの形態の取付システムを示す。
図38A-38B】図38A図38Bは磁気要素を使用した取付システムを示す。
図39A-39B】図39A図39Bは接着剤パッド又はストリップの形態の取付システムを示す。
図40図40は接着剤又は他の適切な外科用若しくは医療用接着剤を使用する取付システムを示す。
図41図41はカバーを含む取付システムを示す。
図42-43C】図42及び図43A図43Cはクランプの形態の取付システムを示す。
図44図44は長尺状のレールの形態の取付システムを示す。
図45図45はリング構成を有するレールの形態の取付システムを示す。
図46図46はサージカルドレープに取り付けるための取付システムを示す。
図47A-47B】図47A図47Bはサージカルドレープを通過させるための1つ以上の突起を含む取付システムを示す。
図48図48は複数の突起を含む取付システムを示す。
図49A図49Aは1つ以上の加重アンカーを含む取付システムを示す。
図49B図49B図49Aの取付システムの拡大図を示す。
図50図50は機械的な爪の形態の取付システムを示す。
図51図51は拡張可能スリーブの形態の取付システムを示す。
図52図52図51の拡張可能スリーブのためのポンプを示す。
図53図53は可撓性ラップの形態の取付システムを示す。
図54図54は外科医の手足又は手術道具に取り付けるための取付システムを示す。
図55図55は手術腔の側方切開に基づく取付システムを示す。
図56A-56B】図56A図56Bは圧縮可能な構成要素を含む取付システムを示す。
図57A-57B】図57A図57Bは複数のスリット/溝を有するインターフェースの断面図を示す。
図57C-57H】図57C図57Hは複数のスリット/溝を有するインターフェースを示す。
図58図58は例えばリトラクタに取り付けるための取付機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0280】
本発明は、開放手術用医療ガス送達システム及び医療ガス送達システムで使用される患者インターフェースに関する。
【0281】
送気ガスは、様々な外科的処置で使用され得る。
【0282】
関連する外科的処置は、手術腔の作成に至るものである。手術部位は、手術腔内及び外を含む手術空間の全体と定義される。手術腔は、切開後の創傷の内容積と定義され、ガスが充填されることになる容積である。創縁は、最初の外科的切開後の、切開によって作成され、その後、開創される縁と定義される。上部患者壁は、手術腔を作成するための開口を作成するために外科医が切断する皮膚、脂肪、組織の最上層と定義される。
【0283】
開放外科的処置では、患者の組織は、手術室の大気条件に曝される。これにより、細胞の脱水、蒸発冷却及び空中浮遊粒子が創傷に入ることになる可能性がある。加熱及び/又は加湿されたガスを送達すると、外科医が創傷内で作業中に保護空間が作成される可能性があり、患者の創傷を手術室環境から保護する。開放手術では、体腔内でガスを使用することができ、これにより手術に関連する様々なリスクを軽減することができ、限定されないが、例えば空気塞栓症のリスクが低下するか又は感染のリスクが低下する。開放外科的用途では、送気システムは、略一定の送気ガス流を所望の流量として、外科的処置の一部又は全部を含み得る適切な時間にわたり提供する。
【0284】
開放手術用医療ガス送達システムの1つ以上の構成要素は、生体適合性及び/又は滅菌可能であり得る。滅菌可能な構成要素は、加熱及び/又は放射による滅菌などの適切な手段によって滅菌可能であり得る。
【0285】
「ガス」という用語は、とりわけ、二酸化炭素、ヘリウム、空気、亜硝酸と結合した二酸化炭素、酸素と結合した二酸化炭素など、外科的用途で使用され得る任意のガス及び/又はガスの組み合わせを広く指すために本明細書で使用される。
【0286】
1.概要
図1A及び図1Bに示されているのは、開放手術のための例示的な医療ガス送達システム1である。医療ガス送達システム1は、概して、ガス供給部又はガス源2、3と、送達アセンブリ4とを含み、送達アセンブリ4は、ガス供給部又はガス源2、3からガスを受け入れる入口と、手術腔6又はその近傍にガスを送達する患者インターフェース5に接続される出口とを有する。送達アセンブリ4は、ガス制御ユニット8及び/又はガスコンディショニング源7を更に含み得る。送達アセンブリ4は、1つ以上のフィルタ46も含み得る。1つ以上のフィルタ46は、ガスコンディショニング源7の上流及び/若しくは下流に位置し得る並びに/又は図1Aに示されるようにガスコンディショニング源7と一体であり得る。1つ以上のフィルタ46は、送達アセンブリ4を出るガスが実質的に無菌であるように、ガス流を濾過することができる。1つ以上のフィルタ46は、典型的には直径0.3マイクロメートル超の空中浮遊粒子の少なくとも90%を除去することが可能な高性能微粒子エアフィルタ(HEPA)を含むことができる。
【0287】
ガス供給部又はガス源2、3は様々なソース及び種類のものであり得る。ガス供給部又はガス源2、3は、ボトル入りガス、加圧ガスを提供するシリンダ3、壁ガス源、網状ガス源、関節式ガス源(例えば、ペンダント供給)、周囲空気又は例えば周囲空気からガス流を発生させる流れ発生器若しくは圧縮器などの任意の適切な供給源であり得る。ガス供給部又はガス源2、3は、所望の流量で送達することができる連続的又は間欠的なガス流を提供することができる。例えば、図1a及び図1bは、ガス源の2つの例を示す。図1aは、ガス源がボトル入りガス若しくはシリンダ3又は壁源2のいずれかによって提供され得ることを示し、図1bは、ガス源が主に流れ発生器を介して周囲空気から提供されることを示す。
【0288】
ガス供給部又はガス源2、3は、1種以上の送気ガスを提供することができる。送気ガスは、治療用ガスを含む、特定の外科的用途に適した任意のガス又は混合ガスであり得、空気又は二酸化炭素(CO2)又はこれらの混合物から選択され得る。単独で又は他のガスとの組み合わせのいずれかで使用され得る他の送気ガスとしては、窒素ガス(N2)、二酸化窒素(N2O)、アルゴン(Ar)及びヘリウム(He)が挙げられる。
【0289】
図1aに示される医療ガス送達システム1において、ガス供給部又はガス源2、3は、ガス制御ユニット8と流体連通する。ガス制御ユニット8は、典型的には、ガス調整器及びフローメータを含む。ガス制御ユニット8は、送気器であり得る。ガス制御ユニット8は、連続的又は間欠的なガス流を提供し得る。連続的又は間欠的なガス流は、所望の流量であり得る。
【0290】
ガス制御ユニット8は、図1Aに加湿器として示されるコンディショニング源7と流体連通する。コンディショニング源7は、ガス流に加熱及び/又は加湿を提供することによってガス流をコンディショニングすることができる。コンディショニング源7は、加湿器、ヒータ又は加湿器及びヒータを含み得る。加湿器、ヒータ又は加湿器及びヒータは、患者インターフェース導管又は送気管11を介して患者インターフェースに接続され得るか又は流体連通し得る。
【0291】
ガス供給部又はガス源2、3及び制御ユニット8は、導管9、10を介してコンディショニング源7と流体連通することができる。流れ連通は直列接続であり得る。接続は、ガス供給部又はガス源2、3をガス制御ユニット8及びコンディショニング源7に接続するコネクタアセンブリを含み得る。例えば、コネクタアセンブリは、ねじコネクタ、摩擦接続、雄雌ロックコネクタ又は当技術分野で周知の任意の他の種類の接続であり得る。
【0292】
コンディショニング源7は加湿器であり得る。ガスは、加湿器を通過するときに加湿することができ、水などのある量の加湿流体を含むことができる。加湿されたガスは、加湿器内から出て、患者インターフェース導管/送気管11に入ることができる。ガスは、患者インターフェース導管/送気管11内を移動し、患者インターフェース5を通して患者の手術腔6に入ることができる。
【0293】
コンディショニング源7は、ヒータであり得る。ガスは、ヒータを通過するときに加熱され得る。ガス流の加熱により凝縮を低減又は防止することができ、患者を所望の温度に保つのに役立ち得る。ガスは、加熱要素などの適切な手段を使用して加熱され得る。加熱要素は、ヒータプレートを含み得る。加熱されたガスは、ヒータ内から出て、患者インターフェース導管11に入ることができる。ガスは、患者インターフェース導管/送気管11内を移動し、患者インターフェース5を通して患者の手術腔6に入ることができる。
【0294】
ガスは、コンディショニング源7を通過するときに加湿及び加熱され得る。コンディショニング源7は、図1aに示されるように、ガスの加湿及び加熱の両方を行う加湿器を含み得る。加湿器は、Fisher and Paykel HealthcareのSH870 Surgical Humidifierなどの外科的用途に適した任意の加湿器であり得る。そのような加湿器は、典型的には、ある量の加湿流体を保持するための加湿器チャンバと、ヒータプレートを含み得る加熱システムとを含む。加湿及び加熱されたガスは、コンディショニング源7内から出て、患者インターフェース導管/送気管11に入ることができる。ガスは、患者インターフェース導管/送気管11内を移動し、患者インターフェース5を通して患者の手術腔6に入ることができる。患者インターフェース導管/送気管11は、ガスが患者インターフェース導管/送気管11を通過するときのガスの湿度及び/又は温度レベルを維持するために加熱され得る。
【0295】
手術腔6内の環境は、比較的乾燥した低温のガスに曝されると損傷しやすい細胞を含み得る。したがって、送気ガス流の加温、加湿又は加温及び加湿の適用により細胞の脱水を低減又は防止することができる。これは、患者の転帰に好影響を及ぼし得、ケアの質を高め、回復時間を低減し、患者入院の長さを低減することができる。送気ガスの加温及び/又は加湿により、また術中低体温症を低減し、術後合併症を低減し、術後回復を向上させることができる。
【0296】
記載されるいくつかの実施形態は、動作モード、制御モード、ヒータプレート設定点又はこれらの任意の組み合わせを決定するように構成された加湿器制御システムを含む外科用加湿システムを提供する。加湿器制御システムは、この決定を加湿システムの構成要素からのフィードバックに少なくとも部分的に基づいて行う。加湿システムの構成要素は、センサ又は他の電気構成要素を介してフィードバックを提供することができ、フィードバックは、例えば、出口及び/又は入口ガス温度、周囲温度、ヒータプレート温度、ヒータプレート電力、ガス流量、ユーザインターフェース要素を介したユーザ入力、動作持続時間などを含み得る。加湿器制御システムのいくつかの実施形態は、加湿システムの効率を向上させ、比較的一定の湿度及び/又は温度の出力ガスを提供し、システム構成要素のフィードバックを組み込んでいない制御システムと比較してガスの温度及び/又は湿度のより良好な制御を提供することができる。加湿器制御システムは、システム構成要素のフィードバックを処理し、制御ループフィードバックメカニズムに従って出力設定を調整するように構成されたモジュールにより、これらの改善の少なくともいくつかを提供することができる。
【0297】
ガス流の圧力は、ガス流を動作パラメータ(そのようなパラメータは以下に記載する)で駆動するようなものであることが好ましい。ガスの流量は、手術腔にどれほど効果的にガスが充填されるかに寄与し得る。
【0298】
1種以上の薬剤がガス流中に同伴され得る。例えば、薬剤は、ガス流中にミスト又はエアロゾルとして同伴され得る。薬剤は、送達アセンブリ4内のガス流中に同伴され得る。例えば、薬剤は、送達導管9、10、11に注入されることによってガス流中に同伴され得る。
【0299】
図1Bを参照すると、ガス源が流れ発生器17によって提供され得る医療ガス送達システム1の構成が示されている。流れ発生器17は、ガス源2、3の代わりにガスを提供し得る。代わりに、流れ発生器17は、ガス源2、3と併せてガスを提供し得る。
【0300】
流れ発生器17は、ガス流を所望の圧力及び/又は流量で患者インターフェース5に送達する。流れ発生器17を使用すると、ガス源を手術腔6に提供するために必要なデバイスがより少数になり得る。流れ発生器17は、周囲空気又は室内気及び任意選択的にガス供給部又はガス源2、3によって提供され得る第2のガス源(例えば、酸素又はCO)を引き込むことができるモータ(ポンプ又は圧縮器を有する)を含み得る。代わりに、流れ発生器17は、主に又は専らガス供給部又はガス源2、3からガスを引き得る。第2のガス源が流れ発生器17に供給される場合、周囲空気又は室内気と第2のガス源とは、ガスが温度センサ、フローセンサ及び酸素センサを含む1つ以上のセンサを過ぎて流れる際に流れ発生器17内で混合され得る。流れ発生器17は、ガスを、任意選択的に加湿器を介して患者インターフェース5に送達するように動作する。
【0301】
ガス供給部又はガス源としての流れ発生器17は、一体化された加湿器、ヒータ又は加湿器及びヒータを含み得る。例えば、流れ発生器17は、ヒータプレート又は加湿プロセス中に使用される加湿器チャンバ内の加湿液体を加熱するための他の適切な加熱要素を有する加湿器を含み得る。ヒータプレートは、加湿器加熱要素と熱連通し得る。したがって、加湿器加熱要素はヒータプレートに熱を伝達し得る。それにより、ヒータプレートは、加湿器加熱要素から加湿器チャンバに熱を伝達することができる。
【0302】
流れ発生器17の加湿器は、様々な流れ及び/又は圧力パラメータの監視及び制御を可能にする少なくとも1つのコントローラによって制御され得る。少なくとも1つのコントローラは、存在する場合、ガス流を加湿する及び/又はガス流を所望の温度に加熱するように加湿器を制御する。コントローラは、ガス流の適切な目標温度及び/若しくは湿度がプログラムされ得るか、又はガス流の適切な目標温度及び/若しくは湿度を決定することができる。コントローラは、ガス流の適切な目標温度及び/若しくは湿度にプログラムすることができるか、又はガス流の適切な目標温度及び/若しくは湿度を決定することができ、加熱要素、加湿器加熱要素及び流れ発生器の1つ以上を使用して、流れ及び/又は圧力を目標温度及び/又は湿度に制御することができる。
【0303】
流れ発生器17は、ユーザインターフェース(例えば、ディスプレイ及びボタン、タッチスクリーン等などの入力デバイスを含む)を含み得る。流れ発生器コントローラは、患者インターフェース5に送達するためのガス流(ガス流)を生じさせるように流れ発生器17を操作すること、発生したガス流を加湿及び/又は加熱するように加湿器(存在する場合)を操作すること、流れ発生器の再構成及び/又はユーザ定義動作のためにセンサ(フローセンサ、温度センサ、湿度センサ及び/又は圧力センサなど)及び/又はユーザインターフェースから1つ以上の入力を受け取ること並びにユーザに(例えば、デバイスのディスプレイ上に)情報を出力することなど、システムの構成要素を制御するように構成又はプログラムされ得る。流れ発生器17は、ガス制御ユニット8を含み得るか、又はそのコントローラ若しくは制御システムに機能的に組み込まれたガス制御ユニットを有し得る。
【0304】
2.送達アセンブリ
送達アセンブリ4は、ガス供給部又はガス源2、3からのガス流を所望の流量で、且つ所望の流量を送達するのに十分な圧力で患者インターフェース5に案内することができる。概して、送達アセンブリ4は、ガス供給部又はガス源2、3に接続され、且つ患者インターフェース5に接続されるように適合された1つ以上の導管9、10、11を含む。送達アセンブリ4は、コンディショニング源7(加湿器、ヒータ又は加湿器及びヒータなど)並びに/又はガス調整器及び/若しくはフローメータを含み得るガス制御ユニット8も含み得る。
【0305】
送達アセンブリ4は、独立型加湿器7を含み得る。例えば、加湿器7は、ガス制御ユニット8からガス流を受け入れ得、ガス制御ユニット8は、ガス供給部又はガス源2、3からガス流を受け入れる。
【0306】
1つの構成では、ガス制御ユニット8は、加湿器7とは別のユニットである。別の構成では、ガス制御ユニット8は、図1Bに示されるように、加湿器7と一体化され得る。ガス制御ユニット8は、連続的又は間欠的なガス流を提供し得る。連続的又は間欠的なガス流は、所望の流量であり得る。
【0307】
医療ガス送達システム1がガス供給部又はガス源2、3及び患者インターフェース5を含む導管9、10、11に関して、導管9、10、11は、ガス供給部又はガス源2、3と患者インターフェース5との間の単一の導管であり得る。ガス供給部又はガス源が、任意選択的にヒータ及び/又は加湿器を含む流れ発生器17である構成では、導管は、流れ発生器17と患者インターフェース5との間及び流れ発生器17とガス源との間の導管を含み得る。周囲空気又は室内気を引き込むことができる流れ発生器17を含む構成では、導管9、10、11は、流れ発生器17と患者インターフェース5との間の単一の導管であり得る。
【0308】
流れ発生器17は、ガス流を所望の圧力及び/又は流量で患者インターフェース5に送達する。流れ発生器17を使用すると、ガス源を手術腔6に提供するために必要なデバイスがより少数になり得る。流れ発生器17は、周囲空気又は室内気及び任意選択的にガス供給部又はガス源2、3によって提供され得る第2のガス源(例えば、酸素又はCO)を引き込むことができるモータ(ポンプ又は圧縮器を有する)を含み得る。代わりに、流れ発生器17は、主に又は専らガス供給部又はガス源2、3からガスを引き得る。第2のガス源が流れ発生器17に供給される場合、周囲空気又は室内気と第2のガス源とは、ガスが温度センサ、フローセンサ及び酸素センサを含む1つ以上のセンサを過ぎて流れる際に流れ発生器17内で混合され得る。流れ発生器17は、ガスを、任意選択的に加湿器を介して患者インターフェース5に送達するように動作する。
【0309】
医療ガス送達システム1がコンディショニング源7又はガス制御ユニット8を含む場合、導管9、10、11は、ガス供給部又はガス源2、3とコンディショニング源7又はガス制御ユニット8との間に導管9(すなわちガス供給導管9)を含み得る。医療ガス送達システム1は、コンディショニング源7又はガス制御ユニット8と患者インターフェース5との間に更なる導管11(患者インターフェース導管/送気管)(すなわち患者インターフェース導管11/送気管)を有し得る。
【0310】
医療ガス送達システム1がコンディショニング源7及びガス制御ユニット8を含む場合、導管9、10、11は、
・ガス供給部又はガス源2、3とガス制御ユニット8との間の導管(すなわちガス供給導管9)、
・ガス制御ユニット8とコンディショニング源7との間の導管(すなわち中間導管10)、及び
・コンディショニング源7と患者インターフェース5との間の導管(すなわち患者インターフェース導管又は送気管11)
を含み得る。
【0311】
加湿器チャンバがより低い圧力に曝されるように、加湿器7から上流にガス制御ユニット8を有する送達アセンブリ4が好ましい。コンディショニング源7の加湿器チャンバがより低い圧力に曝されるように、典型的には、コンディショニング源7(加湿器)から上流に制御ユニット8を配置することが好ましい。
【0312】
いくつかの実施形態では、コンディショニング源7はガス制御ユニット8の上流にあり得る。
【0313】
送達アセンブリ4は、ガス源2、3と患者インターフェース5との間に空気接続を提供するように構成される。必要圧力は、送達アセンブリ4及び患者インターフェース5内の固有流れ抵抗に打ち勝つのに十分でなければならない。
【0314】
送達アセンブリ4は、送達アセンブリ導管9、10、11の少なくとも一部内に延びる加熱要素などによって内部凝縮を低減するために、加熱される導管を含み得る。導管9、10、11又は導管(患者インターフェース導管/送気管11など)の1つ以上の部分が加熱され得る。
【0315】
例えば、加湿器を含むコンディショニング源7の存在下で、コンディショニング源7と患者インターフェース5との間の導管(すなわち患者インターフェース導管11)のみが加熱され得る。しかしながら、各導管9、10、11は、必要に応じて加熱され得る。
【0316】
加熱される導管は、管内に埋め込まれた、封入された又は他に配置された1つ以上の導電性要素を有する管を含み得る。1つ以上の導電性要素は、加熱フィラメント(又はより具体的には抵抗加熱フィラメント)であり得る。患者インターフェース5は、送達アセンブリ4に着脱可能に又は永久的に取り付けられ得る。
【0317】
ガス制御ユニット8は、圧力センサ又はフローセンサなどの1つ以上のセンサを含み得る。ガス制御ユニット8は、患者インターフェース5に送達されるガスの圧力及び/又は流れを制御し得る。ガス制御ユニット8は、ガス流の入力圧力を低減する圧力調整器を含み得る。ガス制御ユニット8は、1つ以上のガス源及び/又はガス流量を混合し得る。ガス制御ユニット8は、ガス供給部又はガス源と患者インターフェース5との間に位置し得る。
【0318】
ガス供給部又はガス源2、3とガス制御ユニット8との間に延びる導管9は、高圧導管であり得る。高圧導管は、約200barの定格動作圧力を有し得る。高圧導管の動作圧力は、ガスの種類及びガス源並びにガスが使用される処置の1つ以上に依存し得る。例えば、COボトルは、典型的には50barであり、壁供給COは、典型的には10bar未満である。
【0319】
いくつかの構成では、導管9、10、11は電気コネクタを含む。電気コネクタは、1つ以上のセンサ及び/又はパワーコネクタに結合され得る。いくつかの構成では、電気コネクタは、送達アセンブリ4の一部分から突出する。
【0320】
いくつかの構成では、導管9、10、11の電気コネクタは、1つ以上のセンサに結合される。一実施形態では、センサは、温度センサ、フローセンサ又は湿度センサの1つ以上であり得る。センサは、送達アセンブリ4内のセンサの位置を流れるガスの温度、流量及び/又は湿度を測定するように構成され得る。
【0321】
3.患者インターフェース
上記のように、医療ガス送達システム1は、ガス供給部又はガス源2、3からガスを受け入れ、ガスを患者インターフェース5に案内するための送達アセンブリ4を含む。
【0322】
患者インターフェース5は、送達アセンブリ4の出口端部(患者インターフェース5の近位の送達アセンブリ4の端部)に取付可能である。例えば、患者インターフェース5は、患者インターフェース導管/送気管11に接続され得る。患者インターフェース5は、例えば、ルアー接続、ねじ接続又は摩擦嵌合接続などの任意の適切な接続手段を用いて取り付けられ得る。
【0323】
送達アセンブリ4がコンディショニング源7(加湿器及び/又はヒータなど)及び/又はガス制御ユニット8を含む場合、患者インターフェース5は、ガス流を患者インターフェース5に送達する患者インターフェース導管/送気管11に接続される。
【0324】
例えば、図2A図2C図8C図8D図9A図9B図11図12A図16A及び図19図23に示すように、患者インターフェース5は、インターフェース入口管13を含み得る。図4Bに示されるように、インターフェース入口管13は、一端でインターフェース入口47に接続され得る。次いで、インターフェース入口管13は、送達アセンブリ4のインターフェース管/送気管11に取り付けられ得る。インターフェース入口47及びインターフェース管/送気管11への接続は、例えば、ルアー接続、ねじ接続又は摩擦嵌合接続などの任意の適切な接続手段によるものであり得る。いくつかの実施形態では、インターフェース入口管13は、患者インターフェース5と一体形成され得、例えばルアー接続、ねじ接続又は摩擦嵌合接続などの任意の適切な接続手段によってインターフェース管/送気管11に接続され得る。一実施形態では、患者インターフェース5は、送達アセンブリ4と一体化され得る。
【0325】
インターフェース入口管13の使用により、インターフェース入口管13と送達アセンブリ4との間の接続箇所が手術腔6から離隔し得るため、送達アセンブリ4が手術腔6から離隔することになり得る。このような設計は、接続箇所及び/又は患者インターフェース導管/送気管11を手術腔6から出た又は離れた状態に保つのに役立ち、それにより、接続箇所又は患者インターフェース導管11が手術腔6内の空間を占めること又は手術腔6へのアクセスを妨げることを回避することができる。
【0326】
インターフェース入口管13は、インターフェース入口管13が任意の形状を形成するよう操作され得るように軟質及び/又は可撓性材料から形成され得るが、その形状を維持する必要はない。代わりに、インターフェース入口管13は、力が印加された場合に材料がその形状を保持するように、弾性の変形可能な材料で形成され得る。
【0327】
いくつかの実施形態では、患者インターフェース5及びインターフェース入口管13は、患者インターフェース導管11/送気管と一体形成され得る。いくつかの実施形態では、患者インターフェース5は患者インターフェース導管11/送気管と一体形成され得る。
【0328】
患者インターフェース5は、ガスが手術腔6を充填するように、患者インターフェース出口14におけるガスの速度を減少させる。出口14におけるガスの速度の減少は、ガス流が出口を出る際のガス流の性質に影響を及ぼし得る。例えば、乱流が減少し得、及び/又はガスが実質的に層流として出口14を出ることができる。出口14の構成を含む患者インターフェース5の構成に応じて、ガスは、一方向、二方向又は全方向のガス流として出口14を出ることができる。患者インターフェース5は、図2Aに示されるような、手術腔の上縁部を超えるガスの緩やかな流れ/フラッディング6による手術腔6の実質的に均一且つ一様な充填を提供することが好ましい。
【0329】
ガスが手術腔6に充填される際にガスの大部分は、層流を呈し得る。本明細書で使用する場合、用語「層流」は、ガス流の層間に大きい乱れがないことを意味する。図2Aから分かるように、手術室内のガスの分散は、ないか又はごくわずかである。換言すると、いくらかのガスは、手術腔6を出ることができるが、出ていくガスは、室内又は部屋中に分散しない。手術腔6を出るガスは、制御された手法でこれを行い、ガスが空気より高密度になった場合、ガスが出て下方に落ちる。したがって、ガスは、手術腔6に実質的に局在化する。これは、手術腔6内に部分保護環境を形成する観点のみならず、手術腔6から出た流体小滴の分散及び分布を最小限にするという観点でも有利な場合がある。手術腔からの小滴、特にエアロゾル化された小滴の放出を最小限にするか又は他に低減すると、患者が自らの系内に感染因子、例えばウイルスを有する状況において外科医及び他の手術スタッフの感染のリスクを軽減するのに特に役に立つ可能性がある。
【0330】
理論によって拘束されることを望むものではないが、患者インターフェース出口14におけるガスの速度が高過ぎる場合、噴射が起こる可能性があり、ガスが手術腔6内に部分保護環境を形成しない可能性がある。例えば、図2Bに示されるように、少量の噴射が依然としてあるが、手術腔6がなおもガスで充填され、いくらかのオーバフローフラッディングがある。しかしながら、手術腔6内のガス分布の均一性は、図2Aに示されるものほど一定ではない。
【0331】
噴射は、図2Cに示されるような手術腔6の不十分な充填に至る可能性のある乱流混合につながり得る。図2Cは、噴射が起こった場合の充填の失敗を示す。ガスは、手術腔6内に均一に分布するガスの塊を形成せず、オーバフローフラッディングがない。したがって、噴射により、患者に任意の治療的利点を提供するガスの能力が低下し得る。
【0332】
ガス源又はガス供給部2、3によって提供されるガスの密度は、空気よりも高い場合がある。特に、患者インターフェース5が手術腔6、手術腔6の近傍又は手術腔6の上方に出口14を有する場合、空気よりも高密度のガスは、手術腔6内におけるガスの分布、沈降及び/又は維持を促進し得る。
【0333】
いくつかの実施形態では、ガスは、空気と同じ又は同様の密度を有し得る。空気と同じ又は同様の密度を有するガスは、インターフェース出口14が手術腔6内に位置するように手術腔6内に位置するインターフェースとともに使用され得る。
【0334】
送達アセンブリ4及び/又は導管8内のガスの流量は、20L/分未満、又は15L/分未満、又は10L/分未満、又は9L/分未満、又は8L/分未満、又は7L/分未満、又は6L/分未満、又は5L/分未満、又は4L/分未満、又は3L/分未満、又は2L/分未満、又は1L/分未満、又は0.5L/分未満であり得る。
【0335】
患者インターフェース出口14におけるガス流の速度は、2.0m/秒未満、又は1.5m/秒未満、又は1.0m/秒未満、又は0.9m/秒未満、又は0.8m/秒未満、又は0.7m/秒未満、又は0.6ms未満、又は0.5m/秒未満、又は0.4m/秒未満であり得る。出口14におけるガス流速度は、噴射及び混合を回避するために重要である。患者インターフェース出口14のガス流は、患者インターフェース5内を又は患者インターフェース5にわたってガス流が通過することにより減少する。したがって、患者インターフェース出口14におけるガス流の速度は、入口管13及び/又は患者インターフェース入口に入るガス流の速度よりも低い。患者インターフェース5の設計は、流れを広い表面積にわたって分布させて流れの速度を減少させるようなものである。好ましくは、表面積は少なくとも1110mmである。これを達成するために様々な設計を使用することができ、これらは以下で説明する。
【0336】
医療ガス送達システム1内の体積流量は、約0.1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20L/分であり得、有効範囲は、これらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、0.1~約20、約0.1~約150.1~約12、約0.1~約10、約0.1~約5、約1~約20、約1~約16、約1~約13、約1~約10、約1~約8、約2~約20、約2~約15、約2~約10、約3~約20、約3~約17、約3~約12、約3~約10、約4~約20、約4~約13、約4~約10、約5~約20、約5~約16、約5~約12、約5~約10、約6~約20、約6~約15、約6~約13、約6~約10、約7~約20、約7~約16、約7~約10、約8~約20、約8~約14、約8~約10、約9~約20、約9~約15、約10~約20、約10~約15又は約15~約20L/分)。
【0337】
手術腔6に入るガス流の速度は、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9又は2.0m/秒であり、有効範囲は、これらの値のいずれかの間で選択され得る(例えば、0.05~約2.0、約0.05~約1.5、約0.05~約1.0、約0.1~約2.0、約0.1~約1.6、約0.1~約1.0、約0.1~約0.8、約0.2~約2.0、約0.2~約1.4、約0.2~約1.0、約0.2~約0.8、約0.3~約2.0、約0.3~約1.6、約0.3~約1.0、約0.3~約0.8、約0.4~約2.0、約0.4~約1.6、約0.4~約1.0、約0.4~約0.8、約0.5~約2.0、約0.5~約1.6、約0.5~約1.0、約0.6~約2.0、約0.6~約1.6、約0.6~約1.0、約0.7~約2.0、約0.7~約1.6、約0.8~約2.0、約0.8~約1.6、約0.8~約1.0、約0.9~約2.0、約0.9~約1.6、約1.0~約2.0、約1.0~約1.6、約1.1~約2.0、約1.1~約1.6、約1.2~約2.0又は約1.2~約1.6m/秒)。
【0338】
一実施形態では、患者インターフェース5は、流れの運動エネルギーの一部を圧力の位置エネルギーに変換することにより、手術腔6に入るガス流を遅くする。
【0339】
一実施形態では、患者インターフェース5は、図3Aに示されるように手術腔6内に配置される。このような実施形態では、ガス流は、手術腔6に直接送達される。このような実施形態では、ガスの密度は、空気と少なくとも同じ又は同様であることが好ましい。
【0340】
別の実施形態では、患者インターフェース5は、図3Bに示されるように手術腔6の近傍に配置され得る。このような実施形態では、ガスの密度は、空気よりも高いことが好ましい。このような実施形態では、患者インターフェース5は、手術腔の容積及び/若しくは形状寸法の変化により適応可能であり得る、手術作業空間内でより目立たなくなり得、且つ/又は患者インターフェース5と体液との間の相互作用を制限し得る。
【0341】
患者インターフェース5が手術腔6の近傍に配置されるように構成された実施形態では、患者インターフェース5は、手術腔6にわたってガス流を案内するように構成され得る。換言すると、ガス流は、出口14から外に向かって手術腔6の一方の側から手術腔6の反対側に案内され得る。ガス流は、ガス流及び/又は手術腔6への周囲空気の進入を防ぐことができる。そのような実施形態では、患者インターフェース5は、外科的切開が作成される場所の近傍の表面上に配置され得る。患者インターフェース5は、患者の皮膚の表面上、フィルム/ドレープ上に配置され得、患者の皮膚などの上方に配置され得る。患者インターフェース5は、手術部位/手術腔6に対するガス流の境界層の付着を達成するために、患者インターフェース5が表面に十分に接近するように配置され得る。ガス流は、患者インターフェース5の出口14を出る際に実質的に非乱流又は層状であり得る。ガス流は、実質的に一方向であり得る。すなわち、それは、出口14から外に向かって実質的に1つの方向にのみ流れる。
【0342】
実質的に非乱流若しくは層状及び/又は一方向の流れは、以下に説明するような患者インターフェース5の特徴によって形成され得る。そのような実施形態では、患者インターフェース5は、実質的に患者インターフェース5又は出口14の幅に沿って手術部位/手術腔6に対するガスの一方向流及び/又は非乱流若しくは層流の境界層の付着を達成するために表面に十分に接近するように配置され得る。このような実施形態では、出口14から出て手術腔6の上を流れるガスに空中浮遊粒子が入ることを阻止することができる。空気及び空中浮遊粒子がガス流中又はガス流の下に及び手術腔6内に同伴されることを阻止することができる。ガス流は、手術腔6上に保護層又はシールを提供し得る。保護層は、手術腔6をガスで充填することにより又は充填することなく形成され得る。
【0343】
患者インターフェース5の位置は、手術腔6がどのように充填されるかを決定し得る。手術腔6は、図3Cに示されるように、手術腔6の上部から充填され得る(トップダウン充填)。これにより、ガスによる内臓のポンピング/移動、血液/体液の飛散及び/又は望ましくない雑音の可能性を軽減する可能性がある。
【0344】
ガスポンピング又は臓器ポンピングは、患者インターフェース5の出口が内部解剖学的構造と体組織との間の隙間に位置することになる場合に起こり得る。これにより、体組織を押し開く膨張可能なポケットが生じ、ポケットが開いて、その時点で加圧されているガスを放出する可能性がある。圧力が低下するにつれて、ポケットが収縮してその元の形状に戻り、体組織を戻し、密閉されたポケットを再形成し得る。体組織の移動は、外科的処置を行う外科医の能力を妨げるか又は少なくとも不自由にする可能性がある。
【0345】
代わりに、手術腔6は、図3Dに示されるように、底部から充填され得る(ボトムアップ充填)。ボトムアップ充填は、同伴の可能性を排除するのに役立ち得る。同伴は、流体のストリームが周囲環境内を移動するときに環境と流体ストリームとの間に剪断力が生じると起こり得る。剪断力により、周囲環境の一部が流体ストリームの移動方向に引き込まれる。これが同伴として知られている。ガスが手術腔に送達される状況では、同伴は、手術腔への(治療用ガスストリームの近傍の)周囲空気の意図しない輸送である。これは、空中浮遊汚染物質(塵埃など)を手術腔に引き込むという望ましくない結果となる可能性がある。
【0346】
トップダウン充填において、ガスは、手術腔6の上縁部の上方、手術腔6の上縁部の上部又は手術腔6の上縁部の近傍に送達される。その後、ガスは、手術腔6内に溢れ落ちて充填される。ボトムアップ充填において、ガスは、手術腔6の底部に向けて送達され、ガスは、手術腔6に充填される。
【0347】
少なくとも180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、240又は250mm2の出口表面積を有する患者インターフェース5を使用すると有利な場合があり、適切な範囲は、これらの値のいずれかの間から選択され得る(例えば、約180~約250、約180~約230、約180~約200、約185~約250、約185~約235、約185~約215、約190~約250、約190~約240、約190~約200、約195~約250、約195~約225、約195~約215、約200~約250、約200~約235、約200~約210、約205~約250又は約205~約240、約210~約250mm)。出口の表面積は、図4A図4Hに示されるような患者インターフェース出口14の物理的な表面積に基づいて計算され得る。代わりに、出口表面積は、流れの概念的な表面積を基に計算され得る。すなわち、インターフェースにより、インターフェースを横断する前の一方向のガス流と比較するとはるかに広い範囲の流れ方向を有する流れにつながる。これは、最初のガス流の方向が線形の一方向の流れを有し、患者インターフェース5を横断した後に、ガス流の方向ははるかに多様となり且つ分散する、図7A図7D(以下で説明する)に示されている。
【0348】
一実施形態では、患者インターフェース出口14におけるガス圧力は、30mmHg未満である。インターフェース出口におけるガス圧力は、28mmHg未満であり得る。インターフェース出口におけるガス圧力は、26mmHg未満であり得る。患者インターフェース出口14におけるガス圧力は、24mmHg未満であり得る。患者インターフェース出口14におけるガス圧力は、22mmHg未満であり得る。患者インターフェース出口14におけるガス圧力は、20mmHg未満であり得る。患者インターフェース出口14におけるガス圧力は、18mmHg未満であり得る。患者インターフェース出口14における圧力は、圧力センサなどのセンサによって測定され得る。圧力センサは、閉ループ制御のためにコントローラに送信される信号を生成し得る。コントローラは、所望の出口圧を維持するためにガス流を増加又は減少させ得る。代わりに、コントローラは、所望の出口流を維持するためにガスの圧力を増加又は減少させ得る。
【0349】
医療ガス送達システム1内のガスの流量は、手術創がどれほど効果的に充填されるかを少なくとも部分的に定義し得る。圧力は、所望の流量を送達するほど十分でなければならない。流量は、手術腔6がどれほど速く充填されるかを少なくとも部分的に定義し得る。流量は、ガスが選択した速度で及び/又は実質的に層状若しくは非乱流として患者インターフェース5から出ることを可能にするように調整され得る。
【0350】
いくつかの実施形態では、患者インターフェース5は、コネクタ入口47とコネクタ出口52とを有する支持構造体19を含む。支持構造体19のコネクタ入口47は、インターフェース入口管13への取付又は結合手段を提供する。いくつかの実施形態では、入口47は、インターフェース入口管13への取付のための返し付き部分を含み得る。別の実施形態では、インターフェース入口管13は、支持構造体19と一体形成され得る。
【0351】
いくつかの実施形態では、支持構造体19は、ガス透過性基材12のアタッチメント、結合手段及び/又はハウジングを提供することができる。いくつかの実施形態では、支持構造体19は、チャンバ55を含み得るか又は画定し得る。いくつかの実施形態では、支持構造体19は、コネクタ入口47とコネクタ出口52との間において、ガス透過性基材12へのガス流の通過を可能にするための通路を含み得る。いくつかの実施形態では、支持構造体19は、ガス透過性基材12のフレーム形態であり得るか、又はガス透過性基材12のフレームを画定し得る。支持構造体19は、コンディショニングされたガス流を提供するガス透過性基材12に当接するか、このようなガス透過性基材12に隣接するか、ガス透過性基材12を含むか又はガス透過性基材12を少なくとも部分的に収容し得る。理論によって拘束されることを望むものではないが、ガス透過性基材12は、インターフェース出口14から拡散ガス流を提供する。ガス透過性基材12は、患者インターフェース5の支持構造体19の一部分を満たし得る。支持構造体19は、ガス透過性基材とコネクタ入口47との間にチャンバ55を含み得る。代わりに、支持構造体の全体がガス透過性基材12で満たされ得る。
【0352】
ガス透過性基材12は、ガスが基材12を通過することを可能にし、入口ガス流を手術腔6への拡散流に変換する。ガス透過性基材12は、任意の多孔質の材料及び/又は構造、例えば焼結プラスチック、連続気泡発泡体及び他の多孔質透過性基材18、例えば紙、フェルト、焼結金属及び/又はフィルタ材料から選択され得る。
【0353】
存在する場合、ガス透過性基材12は、
・ガス透過性基材12と患者インターフェース5の入口との間に支持構造体の空洞を画定するために、患者インターフェース5の出口14に位置し得るか、又は患者インターフェース5の出口14を少なくとも部分的に画定し得るか、又は
・ガス透過性基材12と患者インターフェースデバイス5の出口14との間に支持構造体の空洞を画定するために、患者インターフェースデバイス5の入口に位置し得るか、又は患者インターフェースデバイス5の入口に近接し得るか、又は
・ガス透過性基材12と患者インターフェースデバイス5の入口及び出口の両方との間に支持構造体の空洞を画定するために、患者インターフェースデバイス5内に位置し得る。
【0354】
ガス透過性基材12の上流に位置する支持構造体19内の空洞により、ガス流がガス透過性基材12の表面にわたって分散することを可能にでき、ガス流が通過するガス透過性材料の表面積が広くなる。
【0355】
図4A及び図4C図4Hに示されているのは、支持構造体19がチャンバ55を含む患者インターフェース5の例である。支持構造体19のチャンバは、ガス透過性基材12を含み得るか又は収容し得る。チャンバ55の全体又はその一部分がガス透過性基材12で満たされ得る。
【0356】
チャンバ55に入るガス流は、インターフェース入口管13又は患者インターフェース導管11を通り得る。ガス流は、ガス透過性基材12を通過するときにコンディショニングされる。例えば、ガス流は、拡散流及び/又は実質的に非乱流(すなわち実質的に層流)になるようにコンディショニングされ、それにより拡散及び/又は非乱流ガス流を手術腔6に提供する。インターフェース出口14から外に向かって案内されるガス流は、一方向、二方向又は全方向性であり得る。
【0357】
図4A図4Fは、患者インターフェース5の出口14が入口ガス流の方向に対して斜めに向けられた患者インターフェース5を示す。入口に対する出口のオフセット角は、約45~約180度、より好ましくは約120度であり得る。図4B又は図4Cのインターフェース入口管13などの患者インターフェース5の入口は、患者インターフェース5の本体に対して旋回し得る。
【0358】
図4Aの患者インターフェース5に関して、角度オフセットにより、患者インターフェースデバイス5が創縁の近傍に配置され、上部患者壁に延びることを可能にすることができ、インターフェース出口14は、ガス流を手術腔6へと下方に提供する。
【0359】
図4B図4Dに示される各患者インターフェース5は、インターフェース出口14を含み、出口14の表面積は、ガス透過性基材12によって画定される。ガス透過性基材12の厚さは、表面積と比べて薄くてもよく、インターフェースは、ガス流が患者インターフェース5を通過する際に分散するための広い面積を提供する。図4B図4Dの患者インターフェース5は、患者インターフェース5の厚さよりも薄い厚さを有するガス透過性基材12を含み得、したがってガス透過性基材12と患者インターフェース5の内側後壁との間に支持構造体を提供する。1つの構成では、ガス透過性基材12は、ガス透過性基材12の1つ以上の層を含み得る。一実施形態では、入口ガス流は、ガス透過性基材12の2つの層を通して及び/又はガス透過性基材12の2つの層間に案内され得る。ガス透過性基材12の2つの層間に空洞又は隙間が形成され得る。一実施形態では、ガス透過性基材12は、例えば、ガス透過性基材12の縁部に沿って患者インターフェース5の支持構造体19(例えば、図4Bに示されるように)又はフレーム(例えば、図4C又は図4Dに示されるように)に取り付けられるか又は当接する。これは、患者インターフェース5の支持構造体19とガス透過性基材12との間におけるガスの喪失を防ぐように機能することができ、したがってガス透過性基材12内及び/又はガス透過性基材12間にガス流を強制的に通過させる。支持構造体19は、入口から外向きに延びる棚状部又は他の表面を有し得、その上にガス透過性基材12が取り付けられ得る。棚状部上にガス透過性基材12を取り付けると、ガス流をガス透過性基材12に提供する支持構造体19の出口の遮断を阻止するのに役立ち得る。ガス透過性基材12は、支持構造体の突出部(棚状部など)を挟み得る。ガス透過性基材12は、支持構造体19とフィンガージョイント、ブライドルジョイント又はラップジョイントを形成し得る。
【0360】
図4B及び図4Cに示されるように、患者インターフェース5は、患者インターフェース5の入口に支持構造体19を含み得る。支持構造体19は、ガス流を送達アセンブリ4からガス透過性基材12に且つガス透過性基材12を通して案内するためのコネクタ出口52を有し得る。
【0361】
図4B図4Dの患者インターフェースデバイス5は、ガス流が手術腔6にわたって且つ手術腔6内に案内されるように、使用中に手術腔6の上部患者壁の近傍に配置され得る。
【0362】
図4C及び図4Gは、インターフェース出口14が患者インターフェース5の入口に入るガス流の方向と実質的に整合している患者インターフェースデバイス5を示す。図4E及び図4Gのデバイスは、手術腔6にわたってガス流を案内するために、手術腔の創縁の近傍に配置され得る。
【0363】
図4E及び図4Fに示されるように、出口14は、ガス流が患者インターフェース5から排出されるためにはガス透過性基材12を通過しなければならないように、ガス透過性基材12を含む1つ以上の長尺状のスリットであり得る。支持構造体の空洞は、ガス流がスリットの全長に分散することを可能にし、ガス流が通過することができるガス透過性基材12の利用可能な表面積を増加させるために、ガス透過性基材12とガス流入口との間に設けられ得る。図4Fに示されるように、長尺状のスリットは、一連の小さいスリットを含み得る。
【0364】
図4Hは、インターフェース出口14の表面積がガス透過性基材12によって画定される、入口から出口14に広がった支持構造体を有する患者インターフェース5を示す。ガス透過性基材12とガス流入口との間において、ガス流がガス透過性基材12の表面全体にわたって分散することを可能にするための支持構造体の空洞が設けられ得る。
【0365】
一実施形態では、支持構造体は、ガス入口端部と遠位端とを画定する本体を有する長尺状である。支持構造体19は、その長さに沿って、患者インターフェース出口14を画定する複数の孔を含み得る。孔は、支持構造体本体の遠位端に向かって大きさが増加し得る。支持構造体19は、その長さに沿って変化する断面を有するシリンダ又は管として構成され得る。
【0366】
図4Bを参照すると、チャンバ55の形態の支持構造体19を含む患者インターフェース5が示されており、支持構造体19は、インターフェース入口管13に流体接続されたコネクタ入口47を有する。ガス透過性基材12は、支持構造体19に当接し、前面及び後面を有する。患者インターフェース5は、患者インターフェース5の厚さを画定することができる側壁を有し得る。ガス透過性基材12の上部側壁は、支持構造体19の少なくとも一部分に当接し、且つ/又は重なり得る。ガス透過性基材12は、接着剤又は任意の他の適切な手段を用いて支持構造体19に接着又は他に付着され得る。ガス透過性基材12は、少なくとも部分的に支持構造体19内に延び、支持構造体19の一部分を満たし得る。代わりに、ガス透過性基材12は、支持構造体19の表面に当接するか又は重なり得る。ガスは、インターフェース入口管13から支持構造体19を通してガス透過性基材12に流れる。
【0367】
患者インターフェース5は、患者インターフェース5の後面又は患者対向表面上に接着層42を含み得る。一例が図4Jに示されている。接着剤層は剥離層であり得る。すなわち、層は、接着剤コーティングを露出させるために除去される。接着層42は、患者インターフェース5の後面又はその一部分を覆い得る。使用時、患者インターフェース5は、手術腔6内に患者壁に接して、手術部位/手術腔の近傍の表面上又は外科用リトラクタなどの医療機器上に配置され得る。したがって、拡散したガス流は、患者インターフェース5のガス透過性基材12から流れ出る際に手術腔6を満たすか又は覆う。図4Bに示されるようないくつかの実施形態では、ガス透過性基材12の前面の実質的に全表面積がインターフェース出口14を画定する。
【0368】
支持構造体19は、プラスチックなどの剛性材料、シリコンなどの可撓性材料又は剛性材料と可撓性材料の組み合わせで形成され得る。
【0369】
ガス透過性基材12の外部表面積の少なくとも一部分は、包囲層又は外層でコーティング、被覆又は包囲され得る。包囲層又は外層は、1つ以上の層から形成され得る。用語「外層」は、層がインターフェースデバイスの最外層であることに限定されず、単に外層がガス流路の外側にあるということである。包囲層又は外層は、少なくとも部分的に可撓性であり得る。本明細書で後述するように、可撓性は、壁の材料の物性によって及び/又は患者インターフェース5の設計特徴から付与され得る。包囲層又は外層は、ガス流が入口から患者インターフェース5内に案内され、ガス透過性基材12を通り、出口14を通して出るように、実質的にガス不透過性であり得る。包囲層又は外層は、図4Kに示されるような実質的にガス不透過性層41を含み得る。包囲層又は外層は、ガス不透過性膜、表皮などを含み得る。可撓性の実質的にガス不透過性の包囲層又は外層は、患者インターフェース5に可撓性を提供することができる一方で、ガス流を入口13から患者インターフェース5内に案内し、ガス透過性基材12を通し、出口14を通して患者インターフェース5から出す。
【0370】
包囲層又は外層又はその一部は通気性材料を含み得る。本明細書の状況における通気性材料は、包囲層又は外層の全体に液体の水を大量に通すこと又はガスを大量に流すことなく材料の壁に水分子を通過させることを可能にする材料であり、「通気性」材料として記載される。モノリシック構造の壁などのそのような包囲壁又は外膜における水分子の通過は、溶液拡散メカニズムによるものであり得る。当業者には、壁内の水分子は媒体中に分子的に分散し、したがって、状態(固体、液体又は気体)を伴わず、当技術分野では蒸気と呼ばれ得ることが理解され得る。移動速度は、多くの場合、水蒸気透過速度などと呼ばれる。
【0371】
「通気性」材料は、その構成、物理的構造又はこれらの組み合わせによって通気性であり得る。通気性材料の例としては、ブロック共重合体、親水性ポリエステルブロック共重合体、熱可塑性エラストマー、スチレンブロックポリマー、コポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、非多孔質モノリシックポリマー、ポリウレタン、親水性熱可塑性物質、親水性ポリエステル、ペルフルオロポリマー、ポリアミド及び通気性特性を呈する処理済み織布が挙げられる。
【0372】
患者インターフェース5内のガス流路の少なくとも一部を画定する包囲層又は外層は、通気性材料で作られ得る。通気性材料を用いた患者インターフェース5の様々な設計が可能である。例えば、患者インターフェース5の包囲層又は外層の全体が通気性材料で形成され得、患者インターフェース5の包囲層又は外層の一部分が通気性材料で形成され得、患者インターフェース5の上部上の包囲層又は外層の一部分が通気性材料で形成され得る。患者インターフェース5のガス流路の包囲層又は外層全体の1つ又は複数の領域、例えば一部分が通気性材料で形成され得る。通気性材料は、ガス透過性基材12上に配置され得、且つ/又はガス透過性基材12に結合又は他に付着され得る。患者インターフェース5は、通気性材料の1つ以上の層を含み得る。通気性材料は、患者インターフェース5から周囲空気への水蒸気流路を提供することができる。
【0373】
患者インターフェース5の通気性領域は患者インターフェース5からの水蒸気の拡散を可能にし、患者インターフェース5内の凝縮の蓄積を排除又は軽減することができる。通気性領域は、凝縮蓄積のリスク及びガス透過性基材12の飽和の可能性を低下させることができる。
【0374】
患者インターフェース5内のガス流路の少なくとも一部を画定する包囲層又は外層は、以下の品質:鋭利な物体に対して頑丈であること;包囲層又は外層が接着剤層に適用されたときの接着剤層などの皺発生又は変形を阻止すること;特に患者インターフェース5が変形された又は曲げられたときの包囲外層の皺発生を阻止又は最小限にすること;ガス流に対して不透過性の1つ以上を有する材料を含み得る。材料は、熱可塑性ポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステルフィルム、二軸配向ポリエチレンテレフタレート(BoPET)などであり得る。
【0375】
前述の材料を含む患者インターフェース5のガス流路の少なくとも一部を被覆又は画定する包囲層又は外層の少なくとも一部は、その層、したがって患者インターフェース5の可撓性を促進又は付与するために、その表面の少なくとも一部に1つ以上の折り目、チャネル、溝又はスリット51を有し得る。これらスリット/溝は、可撓性を付与するための任意の適切な配置構成又はパターンであり得、その例は、図57A図57Hに示されている。
【0376】
図57Aを参照すると、溝又はスリットは、別の縁部から延びる一連の交互するスリット/溝51を含み得る。交互するスリット/溝51は、互いに平行に配置され得る。平行なスリット/溝51は、図57Aのように連続的であり得るか、又は図57Bのように不連続であり得る。交互するスリット/溝51は、出口14に平行に延びることができるか、又は図57Cに示されるように、側面及び出口14に対して斜めに配置され得る。一連のスリット/溝51は、スリット/溝51の第1のセットが一方の縁部から延び、スリット/溝51の第2のセットが他方の縁部から延び、一方のセットのスリット/溝が他方のセットのスリット/溝51と交互配置されるように反対の側から延び得る。
【0377】
一連のスリット/溝51は、反対の側から延び得る。スリット/溝51の第1の群は、スリット/溝51の第2の群に対して平行でない角度に方向付けられ得る。各セットのスリット/溝51は、入口端部と出口端部との間にスリット/溝51が入っていない直線路が存在しないように、インターフェースの中心線又は中心部分を越えて延び得る。スリット/溝51の第1の群と第2の群は、実質的にヘリンボーンパターンを形成し得、その例は、図57Dに示されている。
【0378】
図57Fに示されるように、スリット/溝51は、患者インターフェース5の長手方向の縁部に向かってアーチ状に延びる連続的なスリット/溝51のパターンで配置され得る。スリット/溝51は、均一な長さのものであり得、且つ互いに実質的に均等に離隔され得る。
【0379】
スリット/溝51は、反対の側に交互に延びるスリット/溝51の列で配置され得る。スリット/溝の各列は、図57Gに示されるように、隣の列内のスリット/溝の半円状又は三日月形の形状とは反対方向に面し、隣の列内のスリット/溝の半円状又は三日月形の形状に向かって少なくとも部分的にずれている半円状又は三日月形の形状を有するスリット/溝51を含み得る。いくつかの実施形態では、スリット/溝51の列の一部は、患者インターフェース5の長手方向において、すなわち入口と出口14との間の長手方向において重なる。
【0380】
スリット/溝51は、図57Hに示すように、平行な隆起及び溝の連なり、例えばコルゲーションを含み得る。コルゲーションは、患者インターフェース5が1つ以上の所定の場所で優先的に屈曲するように促進するための1つ以上の領域に配置され得る。換言すれば、コルゲーションの場所は、コルゲーションの領域における屈曲を促進することができる。
【0381】
ガス不透過性層41は、支持構造体19も少なくとも部分的にコート又はカバーし得る。ガス不透過性層41は、空気、二酸化炭素(CO)、窒素ガス(N)、二酸化窒素NO、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などのガスがフィルムを通ることを防止し得る。例えば、ガス不透過性層41は、フィルムを通るガス流の少なくとも95.0%、96.0%、97.0%、98.0%、99.0%又は99.9%を阻止し得る。ガス不透過性層41は、ガス不透過性層41でコート又は積層されたとき、患者インターフェース5の屈曲及び/又は変形を可能にする厚さを有し得る。
【0382】
各実施形態では、ガス透過性基材12の外面領域の一部分がガス不透過性層41によってカバーされないままであり、これによりインターフェース出口14を画定する。インターフェース出口14は、インターフェース入口管13と軸方向に整列され得る。代わりに、インターフェース出口14は、インターフェース入口管13に対して垂直に又は角度をなして整列され得る。ガス透過性基材12の前面及び/又は側壁の表面領域の一部分は、ガス不透過性層41によってカバーされないままであり得る。一実施形態では、ガス透過性基材12は、ガス不透過性層41によって表面をコート又はカバーされた円筒状のものであり得、インターフェース出口14は、ガス不透過性層41における1つ以上のスリットによって画定される。このような実施形態は、図4Fに示すような患者インターフェースに類似し得る。拡散されたガス流は、ガス透過性基材12のカバーされていない領域から流出することができる。ガス不透過性層41は、支持構造体19の一部分に重なるか又はそれをカバーし得、これによりガス透過性基材12が支持構造体19に固定され得る。ガス透過性基材12は、接着剤によって支持構造体19に接着され得る。ガス不透過性層41は、ガス透過性基材12の体積を画定する。ガス不透過性層41は、実質的に全て又はほとんどのガス透過性基材12を収容し得る。ガス透過性基材12の一部分は、例えば、インターフェース出口14において又はインターフェース出口14に隣接して、ガス不透過性層41を超えて延び得る。
【0383】
いくつかの実施形態では、ガス透過性基材12の前面の1つ以上の部分は、ガス不透過性層41によるカバーを伴わない。患者インターフェース5は、使用中、患者インターフェース5の後面が適切な表面、一般的には手術用開創器などの医療機器の表面に接着された状態で手術腔6内又は手術腔6に隣接して配置され得る。拡散されたガス流は、ガス透過性基材12のガス不透過性層41でコート又は積層されていない前面の部分から流出すると、手術腔6を満たす。
【0384】
ガス透過性基材12の底側壁は、インターフェース出口14が支持構造体19とは反対側且つインターフェース入口管13よりも遠位に配置されるように、ガス不透過性層41を伴わなくてもよい。このような実施形態の例を図4E図4G及び図4Iに示す。患者インターフェース5は、使用中、患者インターフェース5の後面が手術用開創器の表面などの適切な表面に接着された状態で手術腔6内又は手術腔6に隣接して配置され得る。拡散されたガス流は、インターフェース出口14から流出すると、手術腔6を満たす。
【0385】
代わりに、患者インターフェース5は、使用中、手術腔6の創縁又はそれに隣接して配置され得る。ガスは、図4E及び図4Gに示す例など、患者インターフェース5の底側壁に配置され得るインターフェース出口14から流出すると、手術腔6を満たし得る。すなわち、患者インターフェース5は、インターフェース出口14が創縁に概ね整列した状態で、創縁に隣接する患者の皮膚又は手術用ドレープに接着され得る。患者インターフェース5は、インターフェース出口14が水平又は創縁の表面に対して挙上された角度で方向付けられるように、創縁に隣接して配置され得る。例えば、インターフェース出口14は、水平から5度、10度、15度、20度、25度又は30度の角度で方向付けられ得る。ガス透過性基材12の一部分は、例えば、図4Eに示すように支持構造体19から外側に延び得る。ガス透過性基材12のこの部分は、支持構造体19の幅よりも実質的に小さくてもよい。例えば、図4Eを参照すると、ガス透過性基材12は、支持構造体19の幅にわたって延び、支持構造体19から外側に支持構造体19の幅の約半分、3分の1又は4分の1未満の長さだけ延び得る。上で論じたように、ガス透過性基材12は、支持構造体19に当接し得るか、少なくとも部分的に支持構造体19の上に固定され得るか、又は支持構造体19の一部分を満たし得る。支持構造体19は、支持構造体19、したがって患者インターフェース5が患者の身体の輪郭により容易に適合することができるように、少なくとも部分的に軟質材料及び/又は可撓性材料で形成され得る。
【0386】
論じたように、患者インターフェース5は、図4J及び図4Kに示すように、患者インターフェース5の片側に接着剤層42を含み得る。接着剤層42は、患者、開創器、手術用ドレープ、手術器具又は手術機器に患者インターフェース5を取り付けるために使用され得る。接着剤層42は、患者インターフェース5の後面の一部分をカバーし得る。例えば、接着剤層42は、患者インターフェース5の後面のインターフェース入口管13に近接する部分をカバーし得る。接着剤層42は、患者インターフェースの後面の上半分をカバーし得る。
【0387】
ガス透過性基材12、したがってガス透過性基材12によって形成された患者インターフェース5は、可撓性且つ/又は変形可能であり得る。患者インターフェース5を屈曲できるようにし、且つその形状を保持できるようにするために、患者インターフェース5は、1つ以上の変形可能要素40を含み得る。変形可能要素40は、様々な形態であり得る。例えば、変形可能要素40は、患者インターフェース5内のワイヤの形態であり得る。ワイヤは、図4Iに示すように、ループを形成し得る。しかしながら、限定されないが、支持構造体19から外側に延びる1つ以上の変形可能要素40、部材、ワイヤなどの他の構成も可能である。変形可能要素40は、1つ以上の変形可能なプレート又はパネルを含み得る。変形可能要素40は、連続しているか、又は使用時にどのように変形され得るかを制御若しくは優先的に規定するのに役立ち得る、切り欠き、コルゲーション若しくはプリベンドなどの特徴を有し得る。
【0388】
変形可能要素40は、ガス透過性基材12内、ガス不透過性層41/支持構造体19とガス透過性基材12との間、ガス不透過性層41/支持構造体19の内部又は外側に配置され得る。いくつかの実施形態では、変形可能要素40は、ガス不透過性層41及び/又は支持構造体19と共押出され得る。変形可能要素40により、インターフェースが配置される創縁又は表面の幾何学的形状に一致又は適合し、且つその形状を保持するように患者インターフェース5を屈曲させることができる。これにより、患者インターフェース5の上部が患者の皮膚又は手術用ドレープに配置されるように患者インターフェース5を創縁に配置することができる。
【0389】
患者インターフェース5は、壁によって画定されるガス流路が所望の方向のガス流を提供するように構成されるように屈曲することができる。換言すれば、患者インターフェース5及びそのガス流路は、所望の方向のガス流を提供するようにインターフェース出口14を配置するように構成され得る。ガス流の所望の方向は、手術腔6内への方向であり得る。例えば、患者インターフェース5が手術腔の壁に配置され、インターフェース出口14が患者インターフェース5の下面に配置される場合、必要に応じて患者インターフェース5を屈曲させて、インターフェース出口14から水平方向にガス流を方向付けることもできる。患者インターフェース5が手術腔6に隣接する皮膚の表面に配置される場合、患者インターフェース5は、ガスが手術腔6内に導かれるようにガス流路及び/又は出口14を配置するように屈曲され得る。
【0390】
インターフェース5の後面上の接着剤層42は、患者インターフェース5の手術部位/手術腔6に隣接する患者の皮膚、手術用ドレープ又は他の適切な表面に置かれる(すなわち手術腔の患者の壁に対してではない)部分に限られ得る。
【0391】
ガス透過性基材12は、支持構造体19から取り外し可能であり得る。すなわち、支持構造体19が再使用可能であり、患者インターフェース5のガス透過性基材12部分が使い捨てであることが望ましい場合がある。このような実施形態では、ガス不透過性層41は、支持構造体19をカバーするように延びなくてもよく、ガス透過性基材12は、支持構造体19に接着剤によって接着されない。代わりに、ガス透過性基材12は、ガス透過性基材12及び支持構造体19と重なり得る取り外し可能なタブの使用を介して支持構造体19の一部分内にガス透過性基材12の一部分を摩擦嵌めすること又は任意の他の適切な取付方法によって支持構造体19に固定され得る。
【0392】
次に、図4Lを参照すると、コネクタ43の形態の支持構造体19を有する患者インターフェース5の実施形態が示されている。コネクタ43は、ガス透過性基材12に隣接して設けられる。コネクタ43は、実質的に中実の形態を有し得、インターフェース入口47又はインターフェース入口管13からコネクタの出口52にガスの流れが通過できるようにするために、コネクタを通る通路を含み得る。コネクタ43は、プラスチックなどの硬質な材料、シリコンなどの可撓性材料又は硬質な材料と可撓性材料との組み合わせで形成され得る。
【0393】
コネクタ43は、インターフェース入口47に隣接する第1の表面53と、ガス透過性基材12に隣接する、反対側にある第2の表面54とを有し得る。コネクタ43は、インターフェース入口47又はインターフェース入口管13からコネクタ出口52にコネクタを通る1つ以上の通路を含み得る。インターフェース入口47又はインターフェース入口管13は、コネクタ52の第1の表面53にあり得る。コネクタ出口52は、コネクタ43の第2の表面54にあり得る。第1の表面53は、第2の表面54とは反対側であり得る。コネクタ出口52からのガス流は、ガス透過性基材12にガスの流れを提供する。
【0394】
ガス透過性基材12は、コネクタ43の側面に当接し得る。一実施形態では、ガス透過性基材12は、コネクタ43の側面に当接し得るか又は取り付けられ得る。図示の実施形態では、ガス透過性基材12は、1つ以上の開口部44から構成される第2の端部を実質的にカバーするように、入口とは反対側にあるコネクタ43の第2の表面に当接するか又は取り付けられる。上述のように、ガス透過性基材12は、多孔質である任意の材料及び/又は構造体、例えば焼結プラスチック、連続気泡発泡体及び他の多孔質透過性基材18(例えば、紙、フェルト、焼結金属及び/又はフィルタ材料)から選択され得る。
【0395】
ガス透過性基材12の外面領域の少なくとも一部分は、ガス不透過性層41でコート又は積層され得る。ガス不透過性層41は、コネクタ43の少なくとも一部分もコート又はカバーし得る。いくつかの実施形態では、ガス不透過性層41は、変形可能要素40もコート又はカバーし得る。ガス不透過性層41は、必ずしもガス透過性基材12とコネクタ43との間に直接的な接着を塗布することを必要とせずに、ガス透過性基材12がコネクタ43に当接したままに留まることを促進し得る。
【0396】
いくつかの実施形態では、ガス不透過性層41は、コネクタ43の上又はコネクタの周囲に延びる1つ以上のタブ45を含み得る。例えば、図4Lに示すように、タブ45は、インターフェース入口管13のうち、インターフェース入口管13がコネクタ43に接合する部分の片側又は両側の周囲に延び得る。
【0397】
ガス不透過性層41は、インターフェース出口14を画定し得る。すなわち、インターフェース出口14は、ガス透過性基材12のうち、ガス不透過性層41によってコート又はカバーされていない部分によって画定される。インターフェース出口14は、ガス透過性基材12のコネクタ43に当接する端部に対して患者インターフェース5の反対側の端部に位置し得る。インターフェース出口14は、ガスの流れを提供する。出口から流出するガスは、実質的に一方向、双方向又は全方向であり得る。
【0398】
いくつかの実施形態では、インターフェース出口は、ガス透過性基材12の角部及び/又は側面まで延び得る。いくつかの実施形態では、出口から流出するガスは、全方向であり得る。いくつかの実施形態では、出口から流出するガスは、単一平面において全方向であり得る。出口から流出するガスは、2つ以上の平面において全方向であり得る。全方向の流れは、互いに異なる平面にある2つ以上の表面にガス透過性基材12を露出させることにより実現され得る。例えば、患者インターフェース5の患者に面する表面及び患者インターフェース5の側壁面におけるものである。出口から流出するガスは、単一平面において全方向であり得る。
【0399】
図4Lに示すように、インターフェース出口14は、コネクタに当接する壁とは反対側にある表面に位置し得る。ガス不透過性層41は、ガス透過性基材12から1つ以上のインターフェース出口14を画定するか又は延ばすための1つ以上のスロット又は切り欠き56を含み得る。1つ以上のスロット又は切り欠きは、ガス透過性基材12の前面、後面及び/又は側面に配置され得る。本明細書で定義される場合、ガス透過性基材12の「後面」は、患者に面する側面であり、「前面」は、後面とは反対側の面である。
【0400】
図4Lに示すように、不透過性層41は、ガス透過性基材12の後面の一部分を露出させる切り欠きを有する。これにより、拡散されたガス流は、切り欠きを介してガス透過性基材12から出ることができ、したがって、切り欠きは、インターフェース出口14の少なくとも一部分を画定する。切り欠きは、出口14において又は出口14に隣接して対向する接着剤層が互いに付着するリスクを低減することにより、インターフェース出口14の起こり得る遮蔽又は閉塞を緩和又は回避するようにも機能し得る。
【0401】
ガス透過性基材12は、可撓性及び/又は変形可能であり得る。患者インターフェース5は、上述のように、必要に応じて患者インターフェース5を屈曲させることができ、且つ屈曲させた場合にはその形状を保持することができるように、1つ以上の変形可能要素40を含み得る。この変形可能要素40又は各変形可能要素40は、ガス透過性基材12又はガス透過性基材12に隣接して配置され得る。
【0402】
図4Lに示す実施形態では、患者インターフェース5は、単一の変形可能要素40を含む。変形可能要素40は、ガス不透過性層41とガス透過性基材12との間に配置され得る。すなわち、変形可能要素40は、ガス透過性基材12の外部に配置され得る。
【0403】
変形可能要素40は、コネクタ43に取り付けられ得る。変形可能要素40は、コネクタ43の第2の表面に固定され得るか又は他に取り付けられ得る。変形可能要素40の1つ以上の端部は、実質的にコネクタ43の第2の表面の片側又は片側に隣接して固定され得る。図4Lに示すように、変形可能要素40のそれぞれの端部は、コネクタ43の上側又は患者に面していない側に隣接して間隔を空けた構成で第2の表面に取り付けられ、第2の表面から外側に延びる。代わりに、この変形可能要素40又は各変形可能要素40の端部は、コネクタ43の患者に面する側に隣接して間隔を空けた構成で第2の表面に取り付けられ、第2の表面から外側に延びる。このように、ガス透過性基材12がコネクタ43に当接するか又は取り付けられる場合、変形可能要素40は、ガス透過性基材12の面上に配置され得る。
【0404】
変形可能要素40により、必要に応じて患者インターフェース5を屈曲させることができる。例えば、患者インターフェース5は、創縁又は開創器などの表面の幾何学的形状に一致又は適合し、且つその形状を保持するように屈曲又は変形され得る。これにより、必要に応じて創縁若しくは創縁に隣接して又は表面に患者インターフェース5を配置することができる。患者インターフェース5は、手術腔6に向けて概ね下方に出口14を方向付けることができるように屈曲し得る。これは、インターフェース出口14から外側に方向付けられたガス流で手術腔6を満たすプロセスを支援し得る。
【0405】
少なくとも1つの接着剤層42は、ガス透過性基材12の1つ以上の面に塗布され得る。少なくとも1つの接着剤層42は、両面であり得る。いくつかの実施形態では、ガス不透過性層41は、ガス透過性基材12を部分的にカバーし得る。これにより、接着剤層42などの後続の層がガス透過性層41及びガス透過性基材12に取り付けられ得る。
【0406】
図4Lに示すように、ガス不透過性層41は、ガス透過性基材12の後面のかなりの部分をカバーし、ガス透過性基材12の側壁及びガス透過性基材12の前面の一部分まで延び得る。図4Lは、2つの別個の接着剤層42を含む一実施形態を示す。接着剤層42は、ガス不透過性層41に後面で取り付けられ得、ガス不透過性層41及びガス透過性基材12に前面で取り付けられ得る。
【0407】
上述のように、少なくとも1つの接着剤層42は、ガス透過性基材12のうち、既にガス不透過性層41が塗布されている面に塗布され得る。このような例では、少なくとも1つの接着剤層42は、ガス透過性基材12の面に塗布されたとき、ガス不透過性層41によってカバーされている領域を超えないような形状及びサイズに形成され得る。
【0408】
患者インターフェース5は、図4Lに示す保護裏当て48などの層を含み得、この層を取り外して接着剤層42を露出させることができる。保護裏当ては、実質的に堅牢な非粘着性材料から形成され得る。接着剤層42は、患者インターフェース5の後面又はその一部分をコートし得る。
【0409】
図4Lに関連して、患者インターフェース5は、別個の接着剤層を含み得る。患者インターフェース5は、保護特性を与える厚さを有する最上層50も含み得る。この厚肉層50は、患者インターフェース5の側壁まで延びることもできる。厚肉層50は、接着剤を使用することなどにより塗布され得る。厚肉層50は、その一方の面において接着剤でコートされ得る。
【0410】
少なくとも1つの接着剤層42には、外部フィルム50が塗布され得る。外部フィルム51は、少なくとも以下の特性を有する材料、すなわち鋭利な物体に対して堅牢であり、このような接着剤層に塗布された場合に接着剤層などのパッカリング又は他の何らかの変形を防止し、ガス流に対して不透過性である材料から構成され得る。
【0411】
いくつかの実施形態では、ガス透過性基材12の周囲にある層のいずれかは、その層、したがって患者インターフェース5の可撓性を促進又は付与するために、その表面の少なくとも一部にわたって1つ以上の折り目、チャネル、溝又はスリット51を含み得る。これらのスリット/溝51は、可撓性を付与するための任意の適切な配置構成又はパターンであり得る。
【0412】
患者インターフェース5は、手術腔6において、患者の壁又は手術用開創器などの医療器具に対して位置決めされ得る。したがって、拡散されたガス流は、患者インターフェース5のガス透過性基材12から流出すると、手術腔6を満たす。接着剤層42は、患者、開創器、手術用ドレープ、手術器具又は手術機器に患者インターフェース5を取り付けるために使用され得る。
【0413】
ガスは、インターフェース出口14から流出すると、手術腔6を満たし得る。患者インターフェース5は、インターフェース出口14が創縁に概ね整列した状態で、創縁に隣接する患者の皮膚又は手術用ドレープに接着され得る。患者インターフェース5は、インターフェース出口14が水平又は創縁の表面に対してある角度で方向付けられるように、創縁に隣接して配置され得る。例えば、インターフェース出口14は、水平から5度、10度、15度、20度、25度又は30度の角度で方向付けられ得る。
【0414】
図5Aは、ガス透過性基材12の形態の患者インターフェース5を示す。ガス透過性基材12は、閉じ込められた体積の空間でガスを減速させるのに効果がある。ガス透過性基材12は、患者インターフェース5の幾何学的形状にのみ依存するものではなくてもよく、ほとんどの幾何学的形状に合うように適応させることができる。
【0415】
ガス透過性基材12は、送達アセンブリ4の出口、例えば患者インターフェース5の出口14内に置かれ得る。ガス透過性基材12は、流れを拡散させ、より大きい出口領域に係合し、その結果、出ていくガスの速度を減速させるガス流路の迷路を形成する孔を含み得る。ガス透過性基材12の孔は、ガスがあらゆる箇所に分散するための通路のネットワークを生成し得る。
【0416】
ガス透過性基材12の空隙率は、流動抵抗に影響を与えるように変更され得る。所与の流量に対して、流れに対する抵抗を大きくすると、ガス供給に必要な駆動圧力が増す。所与の流量に対して、流れに対する抵抗を小さくすると、ガス供給に必要な駆動圧力が減る。流れに対する抵抗が変化することにより、多孔質媒体全体のガスの分散の度合いが変化し、結果としてガスの流速の減少を変化させることもできる。
【0417】
多孔質媒体は、軟質材料、弾性材料及び/又は可撓性材料から選択され得る。好ましくは、多孔質媒体は、織布、フェルト、多孔質フィルム、例えばウールなどの織メッシュ若しくは繊維状材料又はソフトフィルタから選択される。一実施形態では、多孔質媒体は、硬度又は剛性が高い材料から選択される。いくつかの実施形態では、多孔質媒体は、焼結金属、焼結ポリマー/プラスチック又は焼結セラミックから選択される。一実施形態では、多孔質媒体は、粒状基材から選択される。好ましくは、多孔質媒体は、砂、炭素、ガーネット、無煙炭又は他の適切な粒子状材料の1つ以上から選択される。
【0418】
図5Bは、ガス透過性基材12を通るガスの流れを示し、ガス流が、ガス透過性基材12への入力とガス透過性基材12の出口との間のガス透過性基材12を通る拡大する経路をたどることを示す。一実施形態では、患者インターフェース5は、患者インターフェース5の断面積が小から大に移行する地点に置かれる多孔質媒体を含み得る。すなわち、インターフェース出口14は、インターフェース入口に対して拡大される。
【0419】
患者インターフェース5は、図6A及び図6Bに示すように、その長さに沿って広がる断面積を有し得る。図6Aは、流路を示し、流路では、断面積の小さい入口から比較的流速の速いガスが流れ、流路は、断面積の大きい1つ以上の出口に均等にガスを分散させる。図6は、拡大する出口の断面を示す。拡大する出口とは、すなわち、流れが付着したままであり且つ層流のままであるように流路が拡大することである。理論に拘束されることを望むものではないが、この設計により流れの剥離が抑制され、ガスの静圧が回復するため、ガスを減速させることができる。一実施形態では、これは、長いガス経路の入口と出口との間の円滑な移行を含み得る。1つの構成では、患者インターフェースは、ガス透過性基材12を有しない。
【0420】
図6Bは、入口13から出口14までその長さに沿って拡大する断面積を有することにより、少なくとも部分的にガス流をコンディショニングする患者インターフェース5の更なる実施形態を示す。本実施形態では、患者インターフェース5は、実質的に層流又は非乱流のガス流の流れを送達又は放出するように構成される。出口14から外側に放出又は送達されるガス流は、単一方向のガス流であり得る。図6Aの患者インターフェース5は、入口、出口14及び体積を画定するチャンバ55を有する点において、図6に示す実施形態と同様である。
【0421】
入口は、出口14よりも小さい断面積を有する。チャンバ55は、入口に隣接する狭いネック部分から幅広の部分に横方向に外側に幅広になる。チャンバ55は、底面若しくは底壁又は患者に面する面若しくは患者に面する壁と、反対側を向く上壁とを有する。底面及び/又は上面は、それぞれ実質的に平面であり得る。底面及び上面の一方又は両方は、概ね内側又は外側に湾曲し得る。上面及び/又は底面が内側又は外側に湾曲することは、チャンバ55の広い部分に概ね局在し得る。図示の実施形態では、上面は、概ね凸面であり、患者に面する面は、概ね凹面である。概ね凹面である下面は、患者インターフェース5が適用又は配置されることを意図される表面の概略的な形状に一致するように構成され得る。
【0422】
チャンバ55は、ガス流がチャンバ55に入ると、ガス流を案内するように配置又は構成された1つ以上の内部構造体を有し得る。1つ以上の内部構造体は、バッフルなどの流れ案内要素を含み得る。内部構造体は、チャンバ55内に配置され、入口からのガス流を実質的に出口14の断面領域にわたって分散させる/方向付けるように構成される。
【0423】
ガス流は、追加的に、チャンバ55に配置されたガス透過性基材12によってコンディショニングされ得る。図示の実施形態では、ガス透過性基材12は、出口14又は出口14に隣接して配置される。ガス透過性基材12は、出口14の全体にわたり得、出口から内側にある距離だけ延び得る。図示の実施形態では、ガス透過性基材12は、チャンバ/患者インターフェースの最も幅広の部分を実質的に満たす。代わりに、ガス透過性基材は、より大きい容積のチャンバを満たし得る。他の説明される実施形態によれば、ガス透過性基材12は、ガス流をコンディショニングし、本実施形態に関連して、出口14を出るガスが実質的に一方向若しくは平面内で外側に方向付けられように、且つ/又は層流若しくは非乱流としてガス流をコンディショニングする。1つ以上の内部構造体は、入口からのガス流を、出口14に位置するか又は隣接するガス透過性基材12の表面にわたって実質的に分散させるか又は方向付ける。入口からチャンバに入るガスは、入口13から直接ガス透過性基材12に方向付けられ得るだけでなく、内部構造体によって方向付けられるように横方向/外側に向けられ得る。
【0424】
患者インターフェース5は、追加的に、変形可能又は形状適合性の要素又は構成要素を含み得る。変形可能要素は、実質的に図4I図4Lの実施形態を参照して説明したとおりであり得る。変形可能な又は形状適合性の要素は、代わりに又は追加的に、チャンバの下面に接触する変形可能な構成要素を含み得る。変形可能な構成要素は、変形可能なパッド又はクッションを含み得る。変形可能なパッド又はクッションは、発泡体などの適切な材料から構成され得る。発泡体はメモリーフォームなどであり得る。変形可能なパッド又はクッションは、患者インターフェース5が配置又は取り付けられる表面に適合するように適宜変形させることができる。
【0425】
一実施形態では、異なるガス経路の幾何学的形状が特定の流量範囲に合わせて調整される。更に、ガス経路の長さに沿った断面積の拡大の割合は、低い流量(例えば、5L/分)に比べて高い流量(例えば、20L/分)の方が緩やかであり得る。
【0426】
一実施形態では、インターフェースは、付随して生じる流れを含むガス流を生成する。例えば、手術腔6内に出るガス流は、流れを衝突させて、手術腔6内への分散及び拡散させたガス流としたものである。一実施形態では、ガス流は、図7Aに示すような表面に導かれる。流れは、表面に衝突した後、横方向に拡散する。したがって、横方向の流れは、表面に衝突した主な流れから付随して生じる流れである。図7Aでは、平坦な直線状の表面が示されているが、様々な幾何学的形状の衝突面が使用され得ることを理解されたい。例えば、凸面は、図7Aに示すような平坦な表面に比べて、衝突したガスを様々な角度で反射させる。表面の性質も多様であり得る。例えば、滑らかな表面は、速度が減衰した流れを生じる粗い表面よりも直接的に空気を反射させることができる。表面粗さは、所望の結果を実現するように適切に変更することができる。
【0427】
手術腔6内へのガス流は、図7B及び図7Cに示すように、2つ以上のガス流が衝突することによってもたらされ得る。すなわち、ガス源からの流れは、その出口が実質的に互いに向けられる2つ以上の管に沿って送達される。患者インターフェース5の出口端部を含む2つ以上の管は、主管から分岐し得る。主管及び患者インターフェース5の出口端部を含む管のいずれも、送達アセンブリ4に接続するための主管の入口端部を含む患者インターフェース5の一部を構成し得る。
【0428】
一実施形態では、図7Dに示すように、衝突したガス流は、患者インターフェース5内で内部バッフルを使用することによりもたらされ得る。ガス流の方向を示す矢印が示すように、ガスは、患者インターフェース5のベースの対向する壁に当たった後、インターフェース出口14を介してガス流の当初の方向と実質的に直交する方向に出る。衝突したガス流は、手術腔6内に減速させたガスの拡散流を発生させる。
【0429】
患者インターフェース5の2つ以上の出口は、手術腔6の外側で対向する表面に配置され得る。図7Cに示すように、ガス流は、それぞれの出口から噴出し、噴流が手術腔6の上で衝突する。一実施形態では、ガス流の衝突により手術腔6の上方に乱流領域が発生する。乱流部位は、ガスの保護層又は「カーテン」を形成することなどにより、空気中の汚染物質が手術腔6に入らないように跳ね返すことに役立ち得る。
【0430】
上記の例では、患者インターフェース5の有効出口領域は、概念上、ガス流の2つ以上の噴流が合流する乱流の領域である。
【0431】
インターフェースにおけるガス流の衝突よる性質に起因して、ガス流は、衝突前のインターフェースから出るガスの流れに比べて出口表面積が増加する。すなわち、流れのベクトル又は方向は、はるかに多様となり、衝突点から放射状に流れる成分を含む。加えて、インターフェース出口でガス流の速度が減少する。
【0432】
図8A図8Cに示すように、患者インターフェース5は、略L字形又は略U字形であり得る。患者インターフェース5は、創縁に近接して配置され得、手術腔6の患者上部壁まで延びて上方から手術腔6をガスで溢れさせることもできる。
【0433】
いくつかの実施形態では、略L字形又はU字形のインターフェースは、軟質材料又は適合性のある材料から作られる。別の実施形態では、略L字形又はU字形のインターフェースは、弾性材料又は硬質な材料から作られる。
【0434】
図8Aに示す一実施形態では、患者インターフェース5は、略U字形である。図8Aに示すように、患者インターフェース5の少なくとも一部分(すなわち「U」の一方のアーム)を創縁の組織層の下に引っ掛けることができる。図示のように、送達アセンブリ4の患者インターフェース導管11からのガス流は、患者インターフェース5の一方のアームに入り、手術腔6内に下方に導かれる。患者インターフェース5のインターフェース出口14は、手術腔6内にガス流を提供するために、「U」の底部に配置され得る。例えば、患者インターフェース5のインターフェース出口14は、アームの遠位部分が組織層の下に引っ掛かるように延びて、患者インターフェース5を所定の位置に保持する状態で、組織層の下に引っ掛けるアームに、U字形の患者インターフェース5の垂直部分に近接して配置され得る。代わりに、インターフェース出口14は、「U」の垂直部分に配置され得るか、又は組織層の下に引っ掛けるアームに接続し得る。すなわち、組織層の下に引っ掛けるアームは、U字形の患者インターフェース5の残りの部分と一体的に形成されても又はされなくてもよい。患者インターフェース5のインターフェース出口14は、様々な形態であり得る。例えば、インターフェース出口14は、インターフェース出口14からガスのコンディショニングされた流れを供給するための複数の開口部、多孔質媒体又は上述の機構のいずれかを含み得る。いくつかの実施形態では、インターフェース出口14は、U字又はL字の形状の任意の表面に配置され得る。例えば、図8Cに関連して、インターフェース出口14は、下面又は「L」の垂直表面上にあり得る。図8Dに関連して、インターフェース出口14は、「L」の垂直表面上にあり得る。
【0435】
一実施形態では、患者インターフェース5は、略L字形である。図8B及び図8Cに一例を示す。Lのアームは、送達アセンブリ4に接続し、接続部は、任意選択的に、手術腔6の上方にあるか又は手術腔6に隣接する。また、L字形の直交するアームは、手術腔6内で下方に延びる。患者インターフェース5の下方に延びる部分は、インターフェース出口14を含み得る。いくつかの実施形態では、インターフェース出口14は、患者インターフェース5の下方に延びる部分の下部に配置される。いくつかの実施形態では、図8Cに示すように、インターフェース出口14は、患者インターフェース5の下方部分、すなわち手術腔6内で下方に空気を導く患者インターフェース5の下部に配置される。患者インターフェース5のインターフェース出口14は、様々な形態であり得る。例えば、インターフェース出口14は、インターフェース出口14からガスのコンディショニングされた流れを供給するための複数の開口部、多孔質媒体又は上述の機構のいずれかを含み得る。
【0436】
一実施形態では、患者インターフェース5は、略L字形である。「L」の下向きのアームが直接又はインターフェース入口管13を介して送達アセンブリ4に接続する例を図8Dに示す。「L」の直交するアームを創縁の組織層の下に引っ掛けて、患者インターフェース5を所定の位置に保持し得る。図8Dのインターフェース出口14は、患者インターフェース5の下向きの部分(すなわち手術腔6内で下方に空気を導く患者インターフェース5の下部)に配置される。インターフェース出口14は、「L」字形の患者インターフェース5の任意の面に配置され得る。例えば、出口は、「L」の2つのアームの接合部に配置され得るか、又は患者インターフェース5の下方部分の面(すなわち垂直表面)に配置され得る。患者インターフェース5のインターフェース出口14は、様々な形態であり得る。例えば、インターフェース出口14は、インターフェース出口14からガスのコンディショニングされた流れを供給するための複数の開口部、多孔質媒体又は上述の機構のいずれかを含み得る。
【0437】
図9A及び図9Bは、ヒンジ式部分又は関節部分18を含む患者インターフェース5の分解図をそれぞれ示し、患者インターフェース出口14は、ヒンジ式部分又は関節部分18に配置される。したがって、患者インターフェース5は、インターフェース入口管13又は送達アセンブリ4への接続部と、ヒンジ式部分又は関節部分18のための接続部とを含む第1の部分22を含み得る。患者インターフェース5は、患者インターフェース5の第1の部分22と、ヒンジ式部分若しくは関節部分18とのいずれか一方又は両方の部分にガス透過性基材12を含み得る。ガス透過性基材12は、第1の部分22及び/又はヒンジ式部分又は関節部分18の空洞を部分的に満たし得る。一実施形態では、ガス透過性基材12は、患者インターフェース5の第1の部分22、ヒンジ式部分若しくは関節部分18又は第1の部分2、ヒンジ式部分若しくは関節部分18の両方の空洞を満たし得る。
【0438】
図9Aを参照すると、ヒンジ式部分又は関節部分18は、ピンと対応する凹部との対を介して第1の部分22に接続される。各ピンは、対応する凹部に回転可能に配置されて、ヒンジ式部分又は関節部分18が第1の部分22に対して動くことができるようにする。(矢印で示す)ガス流は、インターフェース入口管13を介して第1の部分22に入り、ヒンジ式部分又は関節部分18とのインターフェースにおいて第1の部分22から出る。ガス流は、ヒンジ式部分又は関節部分18を通り続けて患者インターフェース出口14から出る。この構成では、ガスは、患者インターフェース出口14の実質的に全ての表面領域にわたって外側に流れることができる。第1の部分22とヒンジ式部分又は関節部分18とのインターフェースは、第1の部分22、ヒンジ式部分若しくは関節部分18又は第1の部分22とヒンジ式部分若しくは関節部分18との両方においてガス透過性基材12を含み得る。ヒンジ式部分又は関節部分18は、ヒンジ式分又は関節部分18の幅にわたって延びる入口(第1の部分22からの出口とインターフェースする入口)を含み得る。ヒンジ式部分又は関節部分18への入口は、ヒンジ式部分又は関節部分18の縁部に沿って延び得る。ヒンジ式部分又は関節部分18への入口は、ヒンジ式部分又は関節部分18がピンを中心として回転したとき、入口が第1の部分22の出口とインターフェースしたままとなるように、ヒンジ式部分又は関節部分18の縁部からヒンジ式部分又は関節部分18の下向き部分まで延び得る。
【0439】
次に、図9Bを参照すると、ヒンジ式部分又は関節部分18を有する患者インターフェース5の別の構成が示されている。この構成では、第1の部分22とヒンジ式部分18との間の接続部は、第1の部分22とヒンジ式部分又は関節部分18との間のインターフェース又はインターフェースに隣接して配置されるシリンダであり得る。シリンダは、両端にある開放端部と、その表面にわたる複数の開口部とを有し得る。(矢印で示す)ガス流は、インターフェース入口管13から第1の部分22に流入し、開放端部を介してシリンダ内に流入し得る。次いで、ガス流は、シリンダの開口部を通して流れて、ヒンジ式部分又は関節部分18に入り得る。次いで、ガスは、ガス流が患者インターフェース出口14の表面領域にわたって実質的に均等に分散される状態で患者インターフェース出口14から外側に流出し得る。
【0440】
図10A及び図10Bに示すように、ヒンジ式部分又は関節部分18を有する患者インターフェース5は、手術腔6の創縁又は患者上部壁に近接して配置され得る。例えば、図10Aに示すように、患者インターフェース5の第1の部分22は、患者インターフェース5のヒンジ式部分又は関節部分18を回転させてガス流を手術腔6内に導くことができるように、創縁に近接して配置され得る。図10Aに示すように、患者インターフェース5は、創縁に近接して配置されて、手術腔6の患者上部壁まで延び得る。患者インターフェース5は、開創器20に接続され得、開創器は、手術腔6へのアクセスを可能にするために創縁を離間した状態に維持するために使用される。患者インターフェース5のヒンジ式部分又は関節部分18は、手術腔6内又は手術腔6にわたってガス流を導くように回転され得る。
【0441】
患者インターフェース5のヒンジ式部分又は関節部分18は、手術の開始時及び手術中、必要に応じて向きを定めて手術腔6内にガス流を導くことができる。
【0442】
一実施形態では、患者インターフェース5は、手術腔6内にガスを送達するための1つ以上のガス流路を有するガス出口ゾーンを含む可撓性パッド23を含む。患者インターフェース5は、送達アセンブリ4に接続するためのインターフェース管13を含む。患者インターフェース5は、手術腔6上に、手術腔6に隣接して又は手術腔6の周囲に置かれ得る。例えば、図11に示す一実施形態では、患者インターフェース5は、可撓性パッドが手術腔6内で下方に延びる状態で手術腔6の創縁に置かれる。一実施形態では、患者インターフェース5の少なくとも一部分が手術腔6内に延びる。手術腔5内に延びる部分は、インターフェース出口14を含み得る。患者インターフェース5の出口は、様々な形態であり得る。例えば、患者インターフェース5の出口は、複数の開口部を含み得るか、又は多孔質媒体を含み得る。患者インターフェース5が可撓性パッドを含む場合、必要に応じて、丸めたるか、折り畳むか又は他に邪魔にならないように操作若しくは移動することができる。例えば、医療処置の一環としてアクセスが必要な場合など、患者インターフェース5の手術腔6内に延びる部分が手術腔6の外に折り畳まれ得る。
【0443】
一実施形態では、患者インターフェース5は、手術領域への取付のための接着面を含む。接着面は、本明細書で説明される患者インターフェース5の他の形態に使用され得、送達アセンブリ4などの例示的な医療ガス送達システム1の他の構成要素又はインターフェース入口管13に使用され得る。例えば、患者インターフェース5は、手術用ガウン及び/若しくはドレープ、患者の皮膚又は手術機器に取り付けられ得る。接着剤は、剥離層の下にあり得る。すなわち、可撓性パッドの底面から一層剥がして接着面を露出させる。接着ゾーンは、可撓性パッドの任意の部分に配置され得る。例えば、接着ゾーンは、患者インターフェース5の手術腔6の外側に置かれる部分に配置され得るか、又はガウン、患者の皮膚又は開創器に取り付けられ得る。接着ゾーンは、患者インターフェース5の出口部分の裏側に配置され得る。接着ゾーンは、患者インターフェース5の手術腔6の外側に置かれる部分と、患者インターフェース5の出口部分の裏側との両方の領域に配置され得る。
【0444】
患者インターフェース5は、患者インターフェース5の長さに沿って分散されたガス流入口を提供するインターフェース入口管13を含み得る。インターフェース入口管13は、その長さに実質的に沿って複数の開口部、スリット又は他の同様の開口部を有し得る。これは、患者インターフェース5からのガスの出口流をその長さに沿って均等に提供することに役立ち得る。送達アセンブリ4は、患者インターフェース5に直接取り付けられ得るか、図11に示すように一端で取り付けられ得るか、又は患者インターフェース5の長さに沿った任意の位置に取り付けられ得る。
【0445】
患者インターフェース5は、患者インターフェース5をできるだけ目立たせないように保つことを支援するために、スリムなプロファイル(すなわち薄型)を有し得る。
【0446】
患者インターフェース5は、手術用開創システム又は手術用開創器20にも接続され得る。手術用開創器システム又は手術用開創器20は、外科的切開部若しくは創傷の縁部を分離し、且つ/又は切開の下の身体部分にアクセスできるように下にある臓器及び組織を押さえるために使用される手術器具である。これを以下で説明する。可撓性パッドは、開創器20の周囲に巻き付くか、包むか又は付着し得る。これにより、可撓性パッドを所定の位置に保持することができる。
【0447】
一実施形態では、可撓性パッド23は、ガス出口面を含み得、パッドのうち、出口とは反対側にある側に接着面を有し得る。この一例を図12Aに示す。患者インターフェース5は、図12Bに示すように、創縁などの任意の表面又は手術腔6内に取り付けられ得る粘着性裏当てを有する極めて薄く高度に可撓性の多孔質フィルムを含み得る。
【0448】
可撓性パッド23は、多孔質膜を有する可撓性フィルムから作られ得る。一実施形態では、可撓性パッド23は、操作された形状を保持し得る材料で形成され得る。
【0449】
可撓性パッド23は、可撓性パッド23にガス流を送達するインターフェース入口管13を含み得る。インターフェース入口管13は、可撓性パッド23と一体であり得るか、又は可撓性パッド23に取り付けられ得る。一実施形態では、インターフェース入口管13は、可撓性パッド23と一体的に形成され、可撓性パッドから離れた箇所で送達アセンブリ4に接続する。インターフェース入口管13は、パッドの一端又はパッドの側壁において可撓性パッド23への入口を形成し得る。
【0450】
図12Bに示すように、可撓性パッド23は、手術腔6内に置かれ、手術腔6の壁に密着又は隣接して置かれ得る。可撓性パッド23は、コンディショニングされたガス流を手術腔6内に供給する。
【0451】
可撓性パッド23は、限定されないが、1つ以上のリング開創器などの開創システムに接続され得る。可撓性パッド23は、開創器の一部分に付着され得る。これにより、可撓性パッド23を所定の位置に保持することができる。
【0452】
一実施形態では、患者インターフェース5は、実質的に管状のプロファイルを有する1つ以上の長尺体29を含む。この一例を図13Aで見ることができる。患者インターフェース5の長尺体29は、限定されないが、シリコーン又は可鍛性金属などの弾性材料又は軟質材料から形成され得る。長尺体29は、所望の形状に操作され、その所望の形状に保持され得る。
【0453】
長尺体29は、所望の形状に保持される材料から形成され得る。例えば、長尺体29は、その長さに沿ってワイヤを含む軟質材料を含み得る。ワイヤは、低い弾性変形限界及び長い疲労寿命を有し得る。非限定的な例として、電機子巻線が挙げられる。長尺体29を所望の形状に操作すると、ワイヤが長尺体をその形状に保持する。
【0454】
長尺体29は、弾力性のある(すなわち屈曲後に元の形状に戻る)材料で形成され得る。材料は、軟質プラスチック若しくはシリコン又はばね鋼から選択され得る。
【0455】
長尺体29は、主長尺体29aから派生した1つ以上の副長尺体29bを含み得る。この一例を図13Bで見ることができる。
【0456】
1つ以上のインターフェース出口14は、主長尺体29a及び/又は副長尺体29の少なくとも一部分に配置される。図13Aに示すように、インターフェース出口14は、長尺体の一部分をカバーする複数の小さい開口部で形成され得る。例えば、開口部は、主長尺体29a、副長尺体29又は主長尺体29aと副長尺体29との両方に配置され得る。
【0457】
長尺体29の1つ以上が手術腔6内に置かれ得る。長尺体29は、可撓性であり得、これにより長尺体29を都合のよい位置、特に任意の内部幾何学的形状の周囲に操作することができるため、手術腔6内への配置が容易になる。
【0458】
一実施形態では、長尺体29の壁が多孔質媒体から形成される。このような設計では、長尺体29は、ガス流を輸送するための管を含み、管の壁は、ガス流をコンディショニングするように構成された多孔質媒体で形成される。
【0459】
一実施形態では、長尺体29又は長尺体29の1つ以上は、図14に示すようなループを形成し得る。ここでも同様に、インターフェース出口14は、長尺体の任意の部分に配置され得、複数の開口部を含み得るか、又は多孔質媒体から形成された壁を含み得る。
【0460】
一実施形態では、患者インターフェース5は、1つ以上の関節を有する管に接続される。例えば、図15は、インターフェース出口14が多関節管の端部に接続される患者インターフェース5を示す。多関節管は、その形状を依然として保持したまま、手術環境の周囲で変形、方向付け又は他の操作を行うことができる。インターフェース出口14は、手術腔6の内部に術者の都合のよいように配置された後、その位置を保持することができる。多関節管は、一連のボール/ソケット接続、コルゲーション、柔軟な材料の選択又はそれらの組み合わせ(可撓性管における変形可能なロッドの組み合わせなど)として形成され得る。
【0461】
多関節管は、患者インターフェース5の一部を形成し得、患者インターフェース5と一体的に形成され得る。本実施形態では、多関節管は、送達アセンブリ4に接続する入口を有する。接続部は、ねじ山又は摩擦嵌め接続で取り付けられ得る。多関節管と送達アセンブリ4との間の接続箇所は、手術腔6から間隔を空けて配置され得る。このような設計は、送達アセンブリ4に体液を付着させないことに役立ち得る。送達アセンブリ4は、再利用可能なアイテムであり得るため、体液からの保護は、確実に再利用できるようにするために有用であり得る。
【0462】
代替的な実施形態では、多関節管は、送達アセンブリ4の一部を形成し得る。その場合、多関節管の出口は、多関節管の端部に取り付けられる患者インターフェース5とインターフェースする。
【0463】
一実施形態では、多関節管は、多関節管が任意の形状に操作できるが、その形状を維持できないように、軟質材料及び/又は可撓性材料から形成される。
【0464】
患者インターフェース5は、可撓性パッド37であり得るか、又は可撓性パッド37を含み得る。図16A及び図16Bに一例を示す。可撓性パッド37は、塑性変形を受けたときにその形状を保持し、縦方向及び横方向の両方に変形され得る材料で形成され得る。パッドの可撓性により、臓器間又は手術腔の壁の下など、手術腔6の様々な部分にパッドを配置することができる。
【0465】
患者インターフェース5のインターフェース出口14は、可撓性パッド37に配置される。いくつかの実施形態では、可撓性パッド37は、多孔質媒体から形成され得る。可撓性パッド37は、可撓性パッド37と一体的に形成されたインターフェース入口管13を含み得る。本実施形態では、インターフェース入口管13は、送達アセンブリ4に接続する入口を有する。
【0466】
代替的な実施形態において、インターフェース入口管13は、送達アセンブリ4の一部を形成し得る。多関節管の出口は、このとき、多関節管の端部に取り付けられる可撓性パッド37と整合される。多関節管は、可撓性パッド37の面又はそのパッドの端部に接続し得る。
【0467】
使用中、可撓性パッド37は、都合の良い大きさになるように切断され得、次いで手術腔6において使用され得る。例えば、可撓性パッド37は、空洞の物理的寸法に適合するか又は手術腔6における障害物(例えば、手術器具、器官、生理学的突出部)に適合するように切断され得る。これにより、単一の可撓性パッド37は、異なる大きさを有するか又は異なるタイプの空洞である様々な異なる手術腔において用いることが可能となる。
【0468】
一実施形態において、患者インターフェース5は、本体であって、一端にインターフェース出口14及び他端に送達アセンブリ4に接続するためのインターフェース入口管13を有する本体を含む。
【0469】
インターフェースの例が図17A及び17Bに示されている。患者インターフェース5の本体は、患者インターフェース5を適所に保持することを支援するために患者の組織層を貫通するように適合された1つ以上の突出部15を含む。図17Aに示されるとおり、突出部15は、図17A及び17Bに示されるとおり、患者インターフェース5の保持が突出部15の手術腔6内への貫通により実施されるように、患者インターフェース5の出口端部に位置し得る。保持のための突出部15の貫通は、創縁より下又は手術腔6の上部患者壁内であり得る。そのような設計は、患者インターフェース5が創縁の周りにあるか、又は創縁と手術腔6の上部患者壁との間に延びる場合に有用である。突出部15は、図17Aに示されるとおり、患者インターフェース5のインターフェース出口14が手術腔6内にある状態で、手術腔6から間隔の空いた位置において患者の皮膚又は組織を貫通し得る。
【0470】
代替的な実施形態において、突出部15は、患者インターフェース5の保持が手術腔6の上部患者壁での突出部の貫通により行われるように、患者インターフェース5のインターフェース出口14の先端側に位置し得る。
【0471】
一実施形態において、患者インターフェース5のインターフェース出口14は、より重い重量及び/又は高密度のゾーン24を含む。このゾーンは、患者インターフェース5の本体を形成するために使用される材料より高密度の材料を用いることにより提供され得る。例えば、ゾーンは、金属又は固形プラスチックにより形成され得る。一実施形態において、より大きい重量及び/又は高密度のゾーン24は、取付具により提供される。取付具は、その長さに沿った任意のポイントで患者インターフェース5の本体に付けることができる。取付具は、患者インターフェース5の本体の周りに形成されるスリーブであり得るか、又はそれは、患者インターフェース5の本体に係止され得る。
【0472】
より大きい重量のゾーン24は、手術腔6の上部患者壁に対して保持され得る患者インターフェース5を提供するように突出部15と結合し得る。一実施形態において、突出部15が創縁又は手術腔6の上部患者壁で組織層を貫通すると、特に図17Aに示されるとおり突出部15がフック状構成で提供されると、患者インターフェース5の突出部15と重りの付いた端部との組み合わせは、実質的に自己係止の機構を提供する。患者インターフェース5の本体は、手術腔6の上縁を通ることを円滑にするためにアークとして形成され得る。
【0473】
一実施形態において、患者インターフェース5は、手術器具に結合可能となるように適合される。手術機器は、既存の器具であり得るか、又は患者インターフェース5のために特に提供され得る。例が図18に示されている。患者インターフェース5のインターフェース出口14は、シャフト16の先端に位置し、シャフト16は、その対向する端部でハンドルに接続される。ハンドルは、ユーザの手に沿う把持部を含み得る。患者インターフェース5は、多くの異なる方法、例えば多孔質媒体、多出口本体又は拡張した出口により形成される。
【0474】
いくつかの実施形態において、患者インターフェース5は、既存の手術器具、例えばハンドヘルド開創器、電気焼灼用具、クランプ又は管シーリングデバイスなどと一体化される。いくつかの実施形態において、患者インターフェース5は、手術器具の側部に取り外し可能に取り付けられ得る。
【0475】
シャフト16は、剛性材料、例えばプラスチック又は金属で形成され得る。シャフト16は、ある程度の可撓性を有し得る。例えば、シャフト16は、可撓性材料で形成され得る(可撓性材料の1つ以上のゾーンを含み得る)。可撓性材料は、望ましい形状を保持する材料で形成され得る。
【0476】
一実施形態において、患者インターフェース5は、1つ以上のアームであって、患者インターフェース5のための1つ以上のインターフェース出口14又は複数の出口をそれぞれ含む1つ以上のアームを含む。この患者インターフェース5の例が図19に示されている。患者インターフェース5は、好ましくは、創縁又はそれに隣接して位置する。患者インターフェース5は、創縁の少なくとも一部を囲み得る。一実施形態において、患者インターフェース5は、1つ以上の別個のアームを含む。
【0477】
患者インターフェース5は、図19に示されるとおり、「Y」字形に似た二股構成のアームを有し得る。アームの二股構成により、アームが手術腔6の外周をより良好に覆うことが可能となる。患者インターフェース5は、ループを形成し、且つ「b」又は「d」字形に似た患者インターフェース5を提供するために、図20に示されるとおり、摺動可能カラーを含み得る。ループは、固定された大きさであり得るか、又は摺動カラーは、図20に示されるとおり、調整可能な大きさを提供し得る。有利には、調整可能ループは、構成が異なる創傷の大きさに適合することを可能にする。調整可能ループは、フープ調整可能性Bを提供するスリーブ又はフープを含み得る。例えば、患者インターフェース5は、送達アセンブリ4及び先端部への接続のためのインターフェース入口管13を有する長尺状の可撓性管であり得る。先端部は、スリーブ又はフープであって、入口管が通されてループを作り出すスリーブ又はフープに取付可能であり得る。患者インターフェース5のインターフェース入口管13は、送達アセンブリ4に接続される。患者インターフェース5のインターフェース出口14は、内部ループの表面において又は内面ループの表面上に位置し得、且つ多孔質の材料の1つ以上の開口、スリット又はバンドを含み得る。
【0478】
患者インターフェース5のアームは、剛性材料から形成され得る。代替的な実施形態において、アームは、可撓性材料から形成され得る。可撓性材料は、塑性変形を受けたときに形状又は構成を保持することができる。
【0479】
患者インターフェース5のインターフェース出口14は、使用中手術腔6を囲む、患者インターフェース5のアームに位置する1つ以上のゾーンに位置し得る。例えば、患者インターフェース5のアームが管状の構成を有する場合、出口は、アームの、使用中手術腔6に面する面又は側に位置し得る。これは、インターフェース出口が概して患者インターフェース5の内部又は患者インターフェース5の内部上に位置することを意味する。患者インターフェース5のインターフェース出口14は、多孔質の材料の1つ以上の開口、スリット又はバンドを含み得る。例えば、図19及び20に示されるとおり、患者インターフェース5は、適所にある場合、手術腔6を少なくとも部分的に含み、患者インターフェース5の、手術腔6に隣接する部分は、使用中、ガス流が手術腔6内に向けられるように少なくとも1つの出口を含む。
【0480】
先行する実施形態のとおり、患者インターフェース5は、送達アセンブリ4から受け取られたガス流のためのインターフェース入口管13を含み得る。患者インターフェース5は、接続のために適合された患者インターフェース5のアームの1つ以上から送達アセンブリ4に延びるインターフェース入口管13を含み得る。
【0481】
一実施形態において、患者インターフェース5は、手術腔6より上に位置するように適合された少なくとも1つの長尺状のインターフェース入口管13を含み、患者インターフェース5のインターフェース出口14は、手術腔6に向かって下方に向けられる。この例は、図21に示され、「A」は、患者インターフェース5のインターフェース出口14からのガス流を指す。
【0482】
可撓性首部の形態のインターフェース入口管13は、高くされた配置を形成するように曲げられることにより、手術腔6より上に位置するように適合され得るか、又は高くされた配置を形成するように多関節であり得る。インターフェース入口管13は、材料が塑性変形を受けたときにその形状を保持するようにレジリエントな変形可能材料で形成されることにより、又は好適な機構、例えば一連のボール/ソケット接続部、波形若しくは曲げやすい材料選択の使用を通してその形状を維持し得る。
【0483】
インターフェース入口管13は、患者インターフェース5の一部を形成し得、患者インターフェース5のインターフェース出口14は、インターフェース入口管13の端部に位置する。患者インターフェース5のインターフェース入口管13は、送達アセンブリ4に接続する。
【0484】
インターフェース入口管13は、ユーザが外科手術全体を通して配置を決定することを可能にし、且つ患者インターフェース5を手術作業空間から離れたところに維持する。この患者インターフェース5の設計は、患者が手術台で水平に対してある角度で位置付けられるときを含み、手術腔6の作業空間の外部にある位置から手術腔6の作業空間内に下方にガスを送達する。ガス流は、手術腔6の有効な充填を提供するために空気より高密度を有し得る。
【0485】
一実施形態において、インターフェース出口14が手術腔6より上に位置付けられる場合、空気より高密度を有するガス流が使用される。
【0486】
患者インターフェース5は、手術腔6より上に吊るされることにより手術腔6より上に位置し得る。例えば、図22は、手術腔6上に吊るされた患者インターフェース5を示し、患者インターフェース5は、手術腔6の対向する側に取り付けられた少なくとも1つのケーブルにより位置付けられ得る。1つ以上のケーブルは、患者インターフェース5に接続するインターフェース入口管13に取り付けられ得る。インターフェース入口管13は、インターフェース入口管13を1つ以上のケーブルに接続する取付手段を有し得る。一実施形態において、接続手段は、インターフェース入口管13の周りに位置するリング又はスリーブであり得る。ケーブルは、リング又はスリーブに直接接続され得る。一実施形態において、吊り下げシステムは、手術腔6の対向する側に位置するケーブルの2つの対を含み得る。ケーブルは、患者インターフェース5を吊り下げるための任意の材料、例えば金属、ストリング、ロープ又は好適なポリマー材料で形成され得る。
【0487】
ケーブルは、創縁又は創縁の隣にクリップで手術腔6に取り付けられ得る。ケーブルは、接着剤、糊又はホチキスを使用して創縁に取り付けられ得る。ケーブルは、患者インターフェース5の、手術腔6より上の固定した高さまで張力をかけられ得る。各ケーブルの長さは、それらが手術腔6上での患者インターフェース5の位置を変更するために操作され得るように調整可能であり得る。
【0488】
一実施形態において、患者インターフェース5は、手術腔6より上に吊るされる。例えば、図23は、患者インターフェース5を適所に保持するためにインターフェース入口管13が天井に取り付けられた状態の、手術腔6上に吊るされた患者インターフェース5を示す。この実施形態は、柔軟な高さ調整を提供することができ、ユーザが外科手術全体を通して配置を決定することを可能にし、患者インターフェース5を手術部位から離れたところに維持する。患者インターフェース5は、伸縮自在ホースと同様に、必要に応じてインターフェース入口管13の長さを変えるリールに接続し得る。
【0489】
一実施形態において、患者インターフェース5は、手術部位より上に位置付けられた通気口に一体化され得るか又はその通気口の一部を形成し得る。例えば、図24に示されているのは、手術部位より上の天井に位置し得る通気口である。ガス流システムは、通気口に一体化又は接続され得る。通気口は、ガス源2、3からガス流を受け得、且つ次いでガスを、通気口を介して手術部位に下方に導き得る。いくつかの実施形態において、患者インターフェース5は、既存の空調又は換気システムに一体化又は接続され得る。医療ガス送達システム1は、カスタムメイドの又は別個のシステムとは反対に、手術室の下降流システムに組み込まれ得る。医療ガス送達システム1は、コンディショニングされた空気とは反対に、特定のガスを送達し得る。
【0490】
一実施形態において、患者インターフェース5は、手術用ドレープの一部を形成する。図25Aに示されるとおり、手術用ドレープは、手術腔6の意図された部位上に置かれる。手術用ドレープは、2つ以上の層を含み得る。手術用ドレープは、上層38及び下層39を含み得、2つの層間にガス透過性基材12の層が挿入される。ガス透過性基材12は、多孔質媒体、例えば繊維層であり得る。上層38及び下39層は、実質的にガス不透過性の材料からなり得る。下層38は、ドレープを患者の皮膚に貼り付けるために接着層40又は接着部分を含み得る。手術用ドレープは、1つ以上のガス通路を含み得る。ガス通路は、例えば、ガス透過性基材12を通して手術用ドレープに組み込まれ得る。
【0491】
手術用ドレープには、切開41の意図されたラインで印が付けられ得る。使用中、手術用ドレープは、切開41の意図されたラインが意図された手術部位の頂部に位置するように患者に配置され得る。外科医は、手術部位に入り、手術腔6を作り出すために、ドレープの層を通して切開を行うことができる。ガス透過性基材12を通して切開を作ることは、図25bに示されるとおり、創縁に隣接して位置する出口14を効果的に作り出す。インターフェース出口14は、手術腔6内にガス流を提供する。出口14は、創縁に隣接して位置し得る。出口は、手術腔内にガス流を提供し得る。
【0492】
インターフェース入口管13は、手術用ドレープ内に延び、且つガス流を患者インターフェース5のインターフェース出口14に提供する。インターフェース入口管13は、上及び底部層間並びに/又はガス透過性基材層内に挿入され得る。インターフェース入口管13は、送達アセンブリ4に接続するように手術用ドレープから延出する。
【0493】
患者インターフェース5を手術用ドレープに組み込むことは、自己位置決めシステムを提供し、手術チームに不便さをほとんど又は全くもたらさない。ドレープは、ガス透過性基材層内を循環し、且つ/又はガス透過性基材層を通して流れるガスを温めるために、それ自体の加熱システムも含み得る。加熱システムは、したがって、ガス透過性基材層全体にわたってガスを効果的に温めることができ、ドレープの大きい表面積、したがって患者の、ドレープの下に位置する領域に加熱を提供する。加熱システムは、ガスのコンディショニングにも寄与し得る。いくつかの実施形態は、ドレープの大部分又はドレープの実質的に全体にわたってガス透過性基材層を含み得る。そのような実施形態において、ドレープが患者の体に置かれると、ガス透過性基材層に導入されるガスの加熱は、患者を効果的に温め得る。
【0494】
いくつかの実施形態において、手術用ドレープは、患者又は他の好適な装置、例えば外科用開創器に取り付けられ得る。ドレープは、患者に直接付着し得、且つ最初の外科的切開を行うときに切開されるように設計され得る。これにより、有利には、ドレープが広範な大きさ及び形状の創傷に使用されるか、又は広範な大きさ及び形状の創傷のための大きさにされることが可能となる。
【0495】
医療ガス送達システム1は、外科用開創器又は外科用開創システムも含み得る。
【0496】
いくつかの実施形態において、患者インターフェース5は、取付機構(例えば、以下に記載の取付機構)により外科用開創器20に接続されるか、又は外科用開創器20と一体的に形成される(例えば、図26を参照されたい)。
【0497】
いくつかの実施形態において、外科用開創器20は、外科用開創器に組み込まれ得るか、又は外科用開創器の上流に提供され得る加熱システムを含む。加熱システムによりガス流が特定の温度に調整されることが可能となり、凝結を減らすか若しくは防ぎ、患者を加熱し、且つ/又は望ましい患者の体温を維持するように構成され得る。
【0498】
様々な形態の開創器20が本明細書で説明され、且つ説明されたディフューザ及び取付機構の任意の1つ以上とともに使用され得る。
【0499】
図26は、創縁及び/又は手術腔6の壁を離して保持するのに好適な幅に調整及び係止され得る1つ以上の調整可能アームを有する自己保持開創器20の例を提供する。図示のとおり、患者インターフェース5は、患者インターフェース5が開創器ブレードの一部を形成するように開創器に組み込まれ得る。開創器20は、開創器20内に又は開創器20に取り付けられた1つ以上のガス流路を含み得る。図26に示されるとおり、開創器は、ガス流路を提供する管状の材料で形成される。インターフェース入口管13は、次いで、例えばねじが切られた接続部又は他の好適な接続手段により、送達アセンブリ4に結合可能である。
【0500】
一実施形態において、患者インターフェース5は、好適な接続又は締結手段により開創器20に取り外し可能に接続される。これは、開創器20が再利用可能及び再殺菌可能となり得ることを支援し得、患者インターフェース5が必要に応じて交換されることを提供する。代わりに、開創器20のガス通路を含む部分は、開創器20に取り付けられ得、開創器20のガス通路を提供する部分は、取り替え可能である。有利には、患者インターフェース5は、異なるタイプの開創器で使用され得る。
【0501】
上述の患者インターフェース5の実施形態のいずれも、開創器とともに使用され得るか又は開創器に取り付けられ得る。このシステムの利益は、必要に応じて手術腔6の外側、手術腔6内又は手術腔6にわたる患者インターフェース5の位置付けを提供するために、患者インターフェース5が開創器20上のある範囲の位置に取り付けられ得ることである。
【0502】
図27A~27Cに示されるとおり、開創器は、拡張可能なフレームワーク又はリンク機構システムの形態であり得る。そのようなシステムは、幅広い大きさの手術腔6に調整可能であり、且つ2つの機能性を単一のデバイスにおいて組み合わせる。開創器は、それが手術腔6内でその位置を保持するように係止可能であり得る。拡張可能なフレームワーク又はリンク機構システムは、手術腔6内での半径方向伸長及び格納のために適合される。拡張可能なフレームワーク又はリンク機構システムの本体は、拡張可能なフレームワーク又はリンク機構システム内のガス流路を提供するために管状の材料から形成され得る。拡張可能なフレームワーク又はリンク機構システムは、患者インターフェース5のための1つ以上のインターフェース出口14を含み得る。例えば、インターフェース出口14は、広範な分離した入口ポイントからガス流が手術腔6に導入されるように、拡張可能なフレームワーク又はリンク機構システムの長さに分配され得る。拡張可能なフレームワーク又はリンク機構システムは、送達アセンブリ4に結合可能なインターフェース入口管13を有し得る。
【0503】
拡張可能なフレームワーク又はリンク機構システムは、手術腔の壁を保持するために、手術腔6において、例えば創縁又は全体的に手術腔6内に位置し得る。
【0504】
図28に示されるとおり、開創器は、膨張式導管の形態であり得る。膨張式導管は、膨張式管であるか、又は他の任意の好適な構成で提供され得る。導管は、円形又は楕円形の断面を有し得る。膨張式管は、手術腔6の壁を保持するために、周辺で又は全体的に手術腔内部に位置付けられ得る。管は、手術腔6の壁に外向き及び/又は開放力をかけるために膨張され得る。管は、膨張式管の表面において患者インターフェース5のための1つ以上の出口14を含み得、膨張式管は、送達アセンブリに結合可能な入口を有する。代わりに、患者インターフェース5は、例えば、以下に記載の取付機構で膨張式管の表面に取り付けられ得る。
【0505】
一実施形態において、膨張式開創器は、ドーナツ形になるように形成されるように管の先端部に接続機構を有する長尺状の管として形成される。
【0506】
膨張式開創器の本体は、膨張式開創器の表面に沿って間隔を空けて配設された患者インターフェース5のための1つ以上のインターフェース出口14を有し得る。インターフェース出口14は、図28に示されるとおり、穴又はスリットの形態であり得る。
【0507】
4.取付機構
手術腔6の周りの環境に医療ガス送達システム1を固定する何らかの方法がないと、医療ガス送達システム1の構成要素(例えば、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4)の任意の1つ以上が移動しやすくなり得る。これは、構成要素がそれらの作業空間に衝突するため外科医にフラストレーションを引き起こし得る。システムの構成要素の移動は、ガス流が組織又は体液に向けられることを引き起こす可能性もあり、これは、望ましくない雑音又は飛散を引き起こし、且つガスポケット内に入り、ガスポケットは、膨らみ得、且つ器官の移動を引き起こし得る(上のパラグラフ[0297]を参照されたい)。患者インターフェース5又は送達アセンブリ4の有効な保持は、これらの問題が生じる可能性を大幅に低下させ、且つシステムの使いやすさを向上させる。
【0508】
説明された患者インターフェース5は、取付機構30により手術腔6に対して位置付けられ得る。取付機構30は、送達アセンブリ5又はインターフェース入口管13の任意の1つ以上及び手術部位の位置に取り付けられる。取付機構は、患者インターフェース5を必要な位置に保持するために、患者インターフェース5(例えば、インターフェース入口管13若しくは患者インターフェース5の本体)又は送達アセンブリ4に取り付けられ得る。取付機構30は、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)を患者、開創器、手術用ドレープ、手術器具又は手術機器に取り付けることができる。例えば、説明された取付機構30は、開創器又は手術機器と別個であるか又は一体的であり得る。
【0509】
上述の患者インターフェース5システムのための様々な取付機構30がここで説明される。以下に記載の取付機構30のいずれのものも、上で説明された患者インターフェース5の実施形態の任意のものとともに使用され得る。
【0510】
一実施形態において、取付機構30は、展性構造、例えば展性フックとして提供され得る。取付機構30は、有利には、開創器又は開創器システムの一部であるか又はそれを含み得る。一例が図29に示されており、且つ送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5のための1つ以上のクリップ構造21を備えた長尺状の本体24を含む。長尺状の本体24は、展性材料で形成され得、且つ展性開創器、例えば当技術分野で既知のものの形態をとり得る。長尺状の本体24は、手術腔6の壁の周りに引っ掛かるように成形され得、一部が手術腔6の壁に架かるように手術腔6まで外側に延びる。したがって、長尺状の本体24は、斜材であり得るパドル若しくはブレードの形態であり得るか、又はそうでなければ手術腔6の縁の頂部に位置付けられ、創縁の下に押し込むように構成され得る。取付機構30は、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5に取付可能であり、且つ送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5を適所に保持するために、クリップ又はブラケットなど、本明細書で説明された任意の機構を含み得る。図29に示された実施形態において、取付機構30は、長尺状の本体24の表面から外向きに突出する一連のクリップ構造21を含む。クリップ構造21は、患者インターフェース5の一部、例えばインターフェース入口管13を受け、患者インターフェース5を、手術腔6に隣接する且つ/又は手術腔6における望ましい位置において保持するように構成される。クリップ構造21は、患者インターフェース5を、手術腔6に隣接する且つ/又は手術腔6における望ましい位置において保持するために送達アセンブリ4の一部を受けるように構成され得る。
【0511】
図30A及び30Bに示されるとおり、患者インターフェース5は、二部クリップ又はブラケットを含み得る。クリップ又はブラケットは、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5の接続を支持し得る。送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5のための接続は、ベース31を有するクリップ及びベース31の上に挿入されたブラケット32の形態の取付機構30により提供され得、クリップは、クリップとブラケット32との間に孔34を含む。孔34は、例えば、開創器20のアームに係合することにより、開創器20を受ける及び保持するように構成される。クリップは、送達アセンブリ4又は患者インターフェース5の一部、例えば管13を受けるために、スロット33を追加的に含み得、患者インターフェース5を、手術腔6に隣接する且つ/又は手術腔6における望ましい位置において保持することを支援する。
【0512】
一実施形態において、クリップのブラケット32は、磁気インタラクタを用いてベース31に接続するが、接着剤又は摩擦篏合の使用などの他の方法も使用され得る。
【0513】
クリップは、回転継手を含み得、クリップは、(例えば、接着剤で)手術用ドレープ、患者、開創器又は手術器具に取り付けられ、回転継手は、手術腔における患者インターフェース5の位置付け及び/又は移動を円滑にするために、二部クリップがその位置を調整することを可能にする。
【0514】
一実施形態において、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)は、リングクリップ要素の形態の取付機構30により保持される。図31に示されるとおり、リングクリップ要素は、表面、例えば手術衣/ドレープ患者の皮膚に締結又はクリップ留めされる。リングクリップ要素は、例えば、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)を位置付けるために、それを貫通する孔を備えて形成され得る。図31に示される実施形態において、リングクリップ要素は、中央孔を備えたリングを含み、リングは、患者インターフェース5の一部を囲むように構成される。リングクリップ要素は、リングから外向きに延びる締結アーム35の対を更に含み得る。孔は、締結アーム35の枢動ポイントに位置し得る。一実施形態において、リングクリップ要素は、ばね仕掛けであり得る。リングクリップ要素のリングは、クリップ留めされた位置に対する位置調整のためにいくらかの自由度を依然として維持しつつ、位置を保持するのに役立つように、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)が押され得る可撓性材料で形成され得る。代わりに、リング及び締結アームは、患者インターフェース5と一体的に形成され得る。
【0515】
リングクリップ要素は、やわらかい材料、例えば発泡体、ゴム又はシリコーンで形成された締付表面を有し得る。やわらかい材料は、過剰な力をかける可能性を減らし得るため、やわらかい材料の使用は、より良好な把持又は向上された安全性を提供し得る、
【0516】
リングクリップ要素の締結アーム35は、締め付けられた位置又は閉位置に付勢され得る。例えば、リングクリップ要素は、ばね仕掛けであり得るか、又は締め付けられた位置に機械的に付勢され得る。
【0517】
取付機構30は、代わりに、手術部位、例えば患者又は手術用ドレープに取り付けられるように吸引カップを含み得る。吸引カップは、患者インターフェース5、送達アセンブリ4又は両方を取り付けるために保持器又はリングを含み得る。
【0518】
図32及び33を参照すると、患者の皮膚、開創器、手術衣、手術器具又は備品に取り付けるためのクリップを含む患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)のための取付機構の実施形態が示されている。クリップは、ベース部分とインターフェース係合部分とを含む。ベース部分は、望ましい表面、例えば皮膚への取付のための接着面を有し得る。接着剤は、クリップが取り付けられることになる表面に基づいて選択され得る。ベース部分は、クリップを適所に保持するために吸引カップ、糊、テープパッド又はVelcroを含み得る。クリップは、代わりに又は追加的に、患者の皮膚、手術腔又は縫合糸を備えた手術用ドレープ、外科用ステープル若しくはピンに取り付けられ得る。クリップのインターフェース係合部分は、導管又は管を適所に係合及び保持し得る。インターフェース係合部分は、送達アセンブリ4のインターフェース入口管13又は患者インターフェース導管11を部分的に又は完全に囲み得る。
【0519】
一実施形態において、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)のための取付機構30は、開創器、手術用ドレープ、手術器具又は外科用備品に患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)を係合するためにその先端部に1つ以上の相互係止特徴を有する、図34A又は34Bに示されるクリップ閉鎖具であり得る。
【0520】
クリップの締付表面は、発泡体、ゴム又はシリコーンを使用し得る。クリップは、例えば、ばね又は機械的閉鎖具で閉位置に付勢され得る。
【0521】
クリップは、患者インターフェース5及び/又は送達アセンブリ4に対して別個の構成要素であり得る。クリップは、最初に、第1の構成要素、例えば開創器、送達アセンブリ4又はインターフェース入口管13に取り付けられ得る。クリップは、次いで、構成要素の別のものに取り付けられる。
【0522】
一実施形態において、取付機構30は、クリップ、紐、ストリップ、取り外し可能な機械的閉鎖具、例えばフックアンドループ構造(例えば、Velcro(登録商標)ストラップ)、弾性ストラップ、曲げられたワイヤ又は結ばれたストリングである。図35に示されるとおり、取付機構30は、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)を開創器、手術器具又は外科用備品に取り付け得る。
【0523】
一実施形態において、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)は、ストラップ、紐、ワイヤ又はストリングが望ましい向きにおいて通過することを可能にする単一のブラケットを含み得る。例えば、送達アセンブリ及び/又は患者インターフェース5は、ストラップ、紐、ワイヤ又はストリングの挿入を可能にするために中にスロット又は孔が提供された突出部を含み得る。孔又はスロットは、孔又はスロットを形成するように送達アセンブリ又は患者インターフェース5の表面から輪になるアームにより形成され得る。アームは、ストラップ、紐、ワイヤ又はストリングが孔又はスロット内に摺動されることを可能にする限り、一端で送達アセンブリ又は患者インターフェース5に取り付けられ得る。
【0524】
一実施形態において、取付機構30は、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)を、図36に示されるとおり、開創器20、手術器具又は外科用備品に保持するレジリエント接着紐である。紐は、患者インターフェース5及び/又は送達アセンブリ4と予め組み立てられ得る。粘着性紐は、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)を開創器20、手術器具又は外科用備品に保持するための外科用テープであり得る。水又はアルコールに可溶な糊は、外科手術後に洗い流され得る。
【0525】
図37に示されるとおり、保持機構30は、取付ストリップであって、手術用ドレープ、患者、外科用工具又は備品並びに送達アセンブリ4、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4及び患者インターフェース5の周りの対応する取付ストリップへの取付のための接着面を有する相補的な取り外し可能な嵌合構造(例えば、取り外し可能な機械的閉鎖具、例えばフックアンドループ構造又はボール係止構造)を含む取付ストリップを含み得る。
【0526】
取付ストリップは、手術腔5に隣接して延び得る。取付ストリップは、単一のストリップ又は複数のより小さいストリップを含み得る。取付ストリップは、相補的嵌め合い構造の分離を可能にすることができ、取付ストリップの再位置付けを可能にし得る。
【0527】
図38A及び38Bに示されるとおり、一実施形態において、保持機構30は、手術用ドレープ、患者、外科用工具又は備品に又はそれらの周りに位置付けるための磁気ストリップ又はパッドと、送達アセンブリ4、患者インターフェース5(又は両方)の周りの対応する嵌合要素(すなわち磁気又は強磁性要素)とを含む。磁気パッドは、手術用ドレープ、患者、外科用工具又は備品に付着する接着面を含み得る。送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5の周りの磁気要素は、磁気パッドに接続する。
【0528】
磁気パッドは、患者の体より下に配置され得る。鉄材料又は他の磁気金属を含む患者インターフェース5は、手術腔6に配置されると、磁気パッドから磁力により適所に位置付けられ得る。
【0529】
送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5は、磁気材料を含み得、嵌合要素は、手術用ドレープ、患者、外科用工具又は備品又はその周りに位置付けられる。
【0530】
図39A及び39Bに示されるとおり、保持機構30は、接着パッド又はストリップの上面及び下面の両方に接着剤を含む接着パッド又はストリップであり得る。接着パッド又はストリップは、図39Aに示されるとおり創縁に隣接する表面又は図39Bに示されるとおり手術腔6の外側の手術部位に取り付けられ得る。粘着性パッドは、送達アセンブリ4、患者インターフェース5(又は両方)上に形成され得、且つ手術用ドレープ、開創器、患者、外科用工具又は備品に固定され得る。
【0531】
図示のとおり、保持機構30は、手術腔6内にある接着パッド又はストリップであり得る。患者インターフェース6は、このとき、接着パッド又はストリップに取り付けられ得る。
【0532】
図40に示されるとおり、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)は、糊又は他の好適な外科用又は医療接着剤を使用する保持機構30を含み得る。例えば、保持機構30は、パッド又はストリップであって、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4(又は両方)と一体的に形成され、且つ患者、手術腔、手術用ドレープ、外科用工具又は備品の表面に糊付けされたパッド又はストリップであり得る。患者インターフェース5又は送達アセンブリ4の表面は、取付を支持するために実質的に平らな表面を有し得る。糊は、外科手術後に除去され得る水性糊であり得る。例えば、糊は、外科手術後の除去を支援するために可溶性であり得る。
【0533】
図41に示されるとおり、保持機構30は、好適な閉鎖具(例えば、糊、縫合糸又は接着剤)により送達アセンブリ4、患者インターフェース5(又は両方)、手術用ドレープに取付可能なカバー又は患者の表面の上に延びるカバーを含み得る。カバーは、剛性又はレジリエント(例えば、シリコーン)材料で形成され得る。代わりに、カバーは、やわらかく曲げやすい材料で形成され得る。カバーは、創縁の周り又は創縁の上に形成されるように成形される。カバーは、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4を手術腔6における外科用工具による損傷から保護し得る保護シェルを形成し得る。
【0534】
図42及び43A~43Cに示されるとおり、保持機構30は、手術腔の患者壁の周りでの取付のためのクランプであり、クランプは、送達アセンブリ4、インターフェース又は両方のための取付具を含む。クランプは、例えば、図43A~43Cに示されるとおり、ラチェット機構の使用により高さ調整可能であり得る。
【0535】
クランプは、2つの相補的片であって、孔又はスロットを有する一方の部片と相補的突出部を有する他方の部片とが組み合わされる2つの相補的片を含み得る。図43A~43Cに示されるとおり、クランプは、手術腔6内に延びる創縁に設置し得る。二部クリップの利益は、様々な創傷壁厚さに適用され得ることである。クランプは、送達アセンブリ4、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4及び患者インターフェース5の両方のための取付デバイスを含み得る。取付デバイスは、送達アセンブリ4又は患者インターフェース5をクランプに取り付けるために用いることができる任意の機構から選択することができ、非限定的な例には、クリップ、糊、粘着性パッド、磁石、吸引、クリップ又は圧入溝が含まれる。代わりに、取付デバイスは、(クランプ(図示せず)と一体的に形成され得る。一実施形態において、保持機構(すなわちクランプ)は、患者インターフェース5と一体的に形成され得る。
【0536】
一実施形態において、クランプは、1つ以上の磁気部分を含む。すなわち、クランプの要素は、磁力により一緒に付着し得る。例えば、第1の部分がある極性を有し、第2の部分が異なる極性を有するか、又は第1の部分が磁石であり、第2の部分が鉄材料で形成される。2つの部分は、締め付けられることになる構造の両側に配置され得、磁気的相互作用が2つの部分を引き合わせて望ましい構造の上を固定する。クランプは、ばね仕掛けのクランプであり得る。すなわち、ばねは、創傷壁厚さに広がるように付勢に対抗してクランプを開くことがクランプを適所に固定するように、クランプを閉位置に付勢する。ばね仕掛けのクランプは、軸を中心として回転するか又は2つ以上のレールを移動し得る。
【0537】
クランプは、スロット内で突出部を変位及び解放するために、解放機構、例えばボタンを含み得る。
【0538】
図44に示されるとおり、保持機構30は、手術腔6に取り付けられるか又は手術腔6に隣接する長尺状のレールと、レールへの取付のためのクリップとを含む。クリップは、前記レールに沿って可動であり、且つ送達アセンブリ4、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4及び患者インターフェース5の取付を提供する。保持機構30は、開創器20に一体化され得る。送達アセンブリ4、患者インターフェース5又は送達アセンブリ4及び患者インターフェース5の両方は、好ましくは、好ましくは摺動可能な配置構成においてレールのトラックに取り付けられる。レールは、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5の取付のための2つの垂直に間隔を空けて配設されたトラックを含み得る。レールは、代替的な幾何学的形状、例えば「L」形で提供され得るか、又は垂直に間隔を空けて配設されたトラックが曲線であり得、且つリング構造に近づけるように配置され得る。送達アセンブリ4又は患者インターフェース5の管又は導管は、2つの垂直に間隔を空けて配設されたトラック間に入り得る患者インターフェース5の出口に取り付けられるように適合され得る。
【0539】
レールは、機械的格納システムと一体化され得る。例えば、格納システムは、レールの取付のために適合され得、レールは、手術スペースの壁の少なくとも一部に及び得る。
【0540】
図45に示されるとおり、レールは、レールのほとんど又は全てが手術腔6に入らないように、代わりに患者の手術腔6を囲む表面に締結され得る。図示のとおり、円形のレールシステムは、それが手術腔6を囲むように、手術部位(手術腔6の外側)に位置するリング構成で提供され得る。円形のレールシステムは、患者又は手術用ドレープ又はその組み合わせの上に載り得る。
【0541】
円形のレールシステムは、患者インターフェース5が手術腔6の「円周」の周りをたどり、且つ必要に応じて外科手術中に再配置されることを可能にする。一実施形態において、円形のレールシステムは、開創器20と一体化され得る。
【0542】
一実施形態において、保持機構30は、手術用ドレープに取り付けられ、ドレープは、手術腔6の少なくとも創縁及び任意選択的に手術腔6の患者壁の少なくとも一部を覆う。例えば、図46に示されているのは、創縁を囲み、且つ手術腔6内に延び得る手術用ドレープである。手術用ドレープは、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5の取付のために創縁に隣接して又は手術腔6の上部患者壁に位置する取付機構30を含み得る。取付具は、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5を手術用ドレープに対して適所に保持する。送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5を手術用ドレープに取付可能な取付機構30の非限定的な例には、取り外し可能な機械的締結具(例えば、Velcro)、磁気デバイス、吸引カップ、紐又はクリップが含まれる。
【0543】
ドレープは、水平又は垂直に間隔を空けて配設されたレールを含み得るレールシステム(上で検討されたとおり)を含み得る。例えば、水平に間隔を空けて配設されたレールである場合、レールシステムは、手術腔6の外側で又は手術腔6の患者壁に沿って、手術部位の創縁に沿って移動し得る。レールは、手術用ドレープに縫い付けられ得、例えば接着剤で取り付けられ得る。
【0544】
一実施形態において、保持機構30は、手術腔6の縁の外周に延びるフレームを含む。フレームは、剛性であり得、且つ保持機構30に取り付けられるか又は手術腔6の上にあり得る。代替的な実施形態において、保持機構30は、手術腔6の外周の少なくとも一部に延びるフレームを含み得る。剛性フレームは、手術用ドレープに組み込まれるか、又はドレープとは別個のものであり得る。
【0545】
保持機構30は、手術腔6のためのライナであり得る。例えば、ライナは、手術腔6の縁、例えば手術腔6の患者壁又は手術腔6の上部患者壁の周りに延びる可撓性のある格子(例えば、ネット又はクロスハッチロープ)として存在し得る。いくつかの実施形態において、ライナは、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5のための取付具で手術腔6の内側及び外側を横断し得る。
【0546】
一実施形態において、保持機構30は、手術用ドレープを通り抜けるための1つ以上の突出部を含む。例えば、突出部は、手術用ドレープに既に存在する貫通孔を通しても、使用中にドレープを貫通してユーザが保持機構を希望する場所に置くことを可能にし得る。
【0547】
図47A及び47Bに示されるとおり、突出部は、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5の周りに形成されたスリーブに取り付けられたフックの形態であり得る。フックは、スリーブを手術用ドレープに対して適所に保持するために、手術用ドレープを穿刺し得る。別の実施形態において、突出部は、突出部が手術用ドレープを通されるときの相補的締結部分の取付のための取付手段を含み得る。例えば、突出部は、突出部が手術用ドレープを通されるときに相補的なねじが切られたナットに取り付けるためのねじが切られた部分を含み得る。
【0548】
保持機構30は、複数の突出部、例えば少なくとも2~10個の突出部を含み得る。使用中、フックは、手術用ドレープ内に任意の向きに突出し、スリーブはこのとき送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5を手術用ドレープに対して適所に保持する。
【0549】
一実施形態において、取付機構30は、複数の突出部を含む。図48に示されるとおり、突出部は、長さが5mm未満であり得、突出部は、やわらかい及び/又は可撓性材料から形成され得る。突出部は、例えば、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5の一部として形成されることにより、又は送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5に篏合するスリーブにより、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5に及び得る。突出部はインターフェースの表面積を増大させ、且つ結果として他の物体との摩擦の増大を作り出す。この摩擦力は、創縁の周り又は外科創傷内部でインターフェースを適所に保持するために用いられる。突出部は、やわらかい材料、例えばやわらかいプラスチック又はシリコーンから形成され得る。
【0550】
図49A及び49Bに示されるとおり、取付機構30は、患者インターフェース5に位置する1つ以上の重りの付いたアンカー37を含む。重りの付いたアンカー37は、患者インターフェース5(図示せず)に隣接する送達アセンブリ4にも位置し得る。重りの付いたアンカー37は、使用中に患者インターフェース5を手術腔内に位置付ける役割を果たす。重りの付いたアンカー37は、金属、密度の高いプラスチック又はセラミックで形成され得る。重りの付いたアンカー37は、例えば、上述の取付機構の任意の1つ以上を使用して、患者インターフェース5の一部を形成するか又はインターフェースに取り付けられ得る。
【0551】
一実施形態において、取付機構30は、2つ以上の指部を有する機械爪を含み、機械爪は、解放機構を含むように適合される。
【0552】
図50に示されるとおり、機械爪は、手術腔6内部の表面、例えば手術腔の壁又は器官に取り付けられ得る。爪は、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5上に引き出され得るスリーブ25の一部を形成し得る。爪は、解放機構、例えば機械爪を把持/解放するために外科医が押すためのボタンに延びるワイヤ26を含み得る。
【0553】
一実施形態において、取付機構30は、膨張式スリーブ27を含み、膨張式スリーブ27は、手術腔6内部に位置付けるために適合される。膨張式スリーブは、器官28間又は器官28と手術腔6の壁との間に位置し得る。図51に示されるとおり、膨張式スリーブ27は、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5の周りに巻き付くことができるか、又は膨張式スリーブは、患者インターフェース5の1つ以上の出口14をその表面上又はその表面内に含み得る。膨張式スリーブ27は、手術腔6における患者インターフェース5の位置を固定するために患者の内部生体構造間に割り込まされ、且つ膨張され得る。
【0554】
図52に示されるとおり、膨張式スリーブは、膨張式スリーブのためのポンプ、例えばハンドポンプに接続され得る。
【0555】
一実施形態において、取付機構30は、可撓性領域を含み、可撓性領域は、開創器、手術器具又は備品の周りに巻き付く。図53に示されるとおり、送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5の可撓性領域は、開創器の長さに延び得る。送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5の可撓性領域は、変形後に形状又は構成を保持する能力が少なくともある程度ある波形部又はスリーブから形成され得る。
【0556】
図54に示されるとおり、取付機構30は、例えば、ストリップ、ストラップ又はクリップでの外科医の手足又は外科用工具への送達アセンブリ4及び/又は患者インターフェース5の取付を可能にし得る。患者インターフェース5は、外科医の手に位置付けられ、外科医の作業時にガスが手術腔6内に送達されることを可能にする。
【0557】
図55に示されるとおり、患者インターフェース5は、手術腔6に隣接する手術部位から手術腔6の患者壁への通路を作り出す切開を通した患者インターフェース5の挿入を介してガスを手術腔6に送達し得る。
【0558】
図示のとおり、ガス流(「A」により示される)は、患者壁に位置するか又は患者壁に隣接する患者インターフェース5から手術腔6内に広がる。
【0559】
患者インターフェース5は、プラグの形態の取付機構30を含み得、プラグは、手術腔に位置する切開内部の配置のために適合される。手術腔の側壁に作られた切開は、プラグが挿入され、且つ患者インターフェース5の管が、患者インターフェース5のインターフェース出口14が手術腔6内に位置付けられるように、プラグを通されることを可能にする。
【0560】
図56A及び56Bに示されるとおり、患者インターフェース5は、患者インターフェース出口14に又は患者インターフェース出口14に隣接して、手術腔を押す圧縮可能な構成要素を含み得る。圧縮可能な構成要素の圧縮可能な性質が患者インターフェース5を適所に保持する。すなわち、構成要素は、圧縮、次いで特定の領域に挿入される。構成要素は、次いで、少なくとも部分的に圧縮されていない状態に戻り、この動きが構成要素を領域に保持する。圧縮可能な構成要素は患者インターフェース5の1つ以上の出口14を含み得る。
【0561】
上述のとおり、取付機構30は、患者インターフェース5の背面又は患者側の面少なくとも部分的に接着層、構成要素又は領域、例えば接着層42を含み得る。このような接着層又は構成要素は、患者インターフェース5を、手術腔6に隣接する表面又は外科用開創器の表面を含む様々な表面に取り付けるのに有用である。外科手術における使用のために利用可能な多くのタイプの外科用開創器があることが理解されるであろう。一部の外科用開創器は、接着面が確実に取り付けられ得る表面積が最小限であるか又は限られている場合がある。例えば、バルファー開創器は、棒状の素材から形成されたブレードを有し得、棒は、いずれのものも取り付けられ得るブレードの唯一の表面である。これは、接着剤による満足のいく取付のために十分な表面積を提供しない場合がある。
【0562】
この潜在的問題に対処するために、取付機構30は、固定構造49を含み得る。固定構造49は、外科手術の必要に応じて患者インターフェース5と協働して、患者インターフェース5を適所に固定するように適合される。固定構造49の例示的実施形態が図58に示されている。固定構造は、第1の部分56と第2の部分57とを有する本体を含む。第1の部分は、患者インターフェース5の接着面、領域又は構成要素が取り付けられ得る表面を提供するように構成される。図示の実施形態において、第1の部分は、外科用開創器ブレード20一方側、すなわち手術腔に向いた側に位置付けられるように構成される。第2の部分は、開創器ブレード20の反対側、すなわち患者壁側に位置付けられるように構成される。
【0563】
第1及び第2の部分は、それぞれのその第1の端部で互いに枢動可能に取り付けられ得る。第1及び第2の部分は、使用中、第1及び第2の部分が開創器ブレード20の各側に配置されるように枢動され得るか又は折り畳まれ得る。第1及び/又は第2の部分は、縁から外向きに延びる伸長部又はタブを有し得る。図58に示された実施形態において、伸長部又はタブは、第1の部分の上縁から延びる。伸長部又はタブは、開創器ブレードの周りで適所に置かれた際の第1及び第2の部分の互いに対する折り畳み及び固定を可能にするために接着剤を有し得る。代わりに又は追加的に、第1及び第2の部分の対応する表面には、接着剤又は他の固定要素、例えばフックアンドループなどの機械的閉鎖具が提供され得る。対応する表面は、固定構造49を開創器ブレード20に保持し、且つ/又は患者インターフェース5をその間に保持するために互いに取り付けられ得る。
【0564】
第1及び第2の部分は、それぞれの第1及び第2の端部で取り付けられ得、開創器ブレード20上に配置され得るスリーブ又はポケットを形成する。固定構造49は、上述のとおり、第1及び/又は第2の部分の表面にある接着剤又は他の固定要素により開創器ブレード20上の適所に保持され得る。第1の部分の手術腔に面した側は、患者インターフェース5が取り付けられ得る表面積を提供し得る。
【0565】
本明細書における任意の先行技術を参照することは、先行技術が世界のいずれの国でも当技術分野における共通の一般知識の一部を成すことの承認又は何らかの形式の示唆と解釈されるべきではない。
【0566】
本明細書において、方向を示す用語、例えば「上」、「下」、「前方」、「後方」、「水平」、「垂直」などに言及される場合、これらの用語は、装置が典型的な使用中位置にあるとき及び/又は図に示された特定の向きを参照するときを指し、相対的方向又は向きを示し且つ/又は説明するために使用される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図4M
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図26
図27A
図27B
図27C
図28
図29
図30A
図30B
図31
図32
図33
図34A
図34B
図35
図36
図37
図38A
図38B
図39A
図39B
図40
図41
図42
図43A
図43B
図43C
図44
図45
図46
図47A
図47B
図48
図49A-49B】
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56A
図56B
図57A
図57B
図57C
図57D
図57E
図57F
図57G
図57H
図58
【国際調査報告】