(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(54)【発明の名称】少なくとも1つの対象物の複数の対象物データセットの半自動捕捉
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20230710BHJP
【FI】
G01B11/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579008
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2021066780
(87)【国際公開番号】W WO2021259839
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】102020207655.3
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダルノ アレクサンダー ケッテラー
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン シュミット
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA21
2F065BB05
2F065FF01
2F065FF05
2F065FF31
2F065FF43
2F065GG21
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ08
2F065JJ26
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの対象物(12a;12b)の複数の対象物データセットを少なくとも半自動捕捉するための捕捉装置(10a;10b)であって、対象物データの捕捉のための少なくとも1つの対象物データ捕捉ユニット(16a;16b)と、対象物(12a;12b)の配置のための少なくとも1つの対象物支持体ユニット(22a;22b)とを備えた捕捉装置(10a;10b)を前提とする。ここでは、捕捉装置(10a;10b)は、少なくとも1つの基準ユニット(26a;26b)を含み、当該少なくとも1つの基準ユニット(26a;26b)は、少なくとも、対象物(12a;12b)のサイズ割当てのための基準要素(38a;38b)を出力するために、特に光学的に出力するために設けられていることが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの対象物(12a;12b)の複数の対象物データセットを少なくとも半自動捕捉するための捕捉装置(10a;10b)であって、
対象物データの捕捉のための少なくとも1つの対象物データ捕捉ユニット(16a;16b)と、
前記対象物(12a;12b)の配置のための少なくとも1つの対象物支持体ユニット(22a;22b)と、
を備えた捕捉装置(10a;10b)において、
少なくとも1つの基準ユニット(26a;26b)が含まれ、前記少なくとも1つの基準ユニット(26a;26b)は、少なくとも、前記対象物(12a;12b)のサイズ割当てのための基準要素(38a;38b)を出力するために、特に光学的に出力するために設けられていることを特徴とする、捕捉装置(10a;10b)。
【請求項2】
前記基準要素(38a;38b)は、少なくとも前記対象物(12a;12b)の少なくとも1つの特性パラメータに依存して前記基準ユニット(26a;26b)から出力可能である、請求項1に記載の捕捉装置(10a;10b)。
【請求項3】
前記基準ユニット(26a;26b)を用いることにより、前記基準要素(38a;38b)は、少なくとも前記対象物支持体ユニット(22a;22b)上の異なる位置及び/又は前記対象物データセット内の異なる位置に出力可能である、請求項1又は2に記載の捕捉装置(10a;10b)。
【請求項4】
前記基準ユニット(26a;26b)は、少なくとも1つのさらなる基準要素(40a;40b)を出力するために設けられ、前記基準要素(38a;38b)及び前記さらなる基準要素(40a;40b)は、前記対象物支持体ユニット(22a;22b)上の相互に異なる位置及び/又は前記対象物データセット内の相互に異なる位置に出力可能である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の捕捉装置(10a;10b)。
【請求項5】
前記基準ユニット(26a)は、少なくとも前記基準要素(38a)を投影によって出力するために設けられる投影ユニットとして構成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の捕捉装置(10a;10b)。
【請求項6】
前記基準ユニット(26b)は、前記対象物データセットの捕捉後に少なくとも前記基準要素(38b)を前記対象物データセットに割り当てる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の捕捉装置(10a;10b)。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の捕捉装置(10a;10b)を用いて、少なくとも1つの対象物(12a;12b)の複数の対象物データセットを捕捉するための方法において、
少なくとも1つの方法ステップ(30a;30b)において、基準ユニット(26a;26b)により、基準要素(38a;38b)を出力することを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記基準要素(38a;38b)は、少なくとも前記方法ステップ(30a;30b)において、対象物支持体ユニット(22a)上に投影され、及び/又は、少なくとも部分的に前記対象物データセットに出力される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも前記方法ステップ(30b)において、前記基準要素(38b)は、特に、捕捉された対象物データセットとは異なるファイルに格納される、請求項7又は8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
独国特許出願公開第102017219407号明細書においては、対象物データの捕捉のための少なくとも1つの対象物データ捕捉ユニットと、対象物の配置のための少なくとも1つの対象物支持体ユニットとを備えた、少なくとも1つの対象物の複数の対象物データセットを少なくとも半自動捕捉するための捕捉装置が既に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】独国特許出願公開第102017219407号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の開示
本発明は、対象物データの捕捉のための少なくとも1つの対象物データ捕捉ユニットと、対象物の配置のための少なくとも1つの対象物支持体ユニットとを備えた、少なくとも1つの対象物の複数の対象物データセットを少なくとも半自動捕捉するための捕捉装置を前提とする。
【0004】
ここでは、捕捉装置は、少なくとも1つの基準ユニットを含み、当該少なくとも1つの基準ユニットは、少なくとも、対象物のサイズ割当てのための基準要素を出力するために、特に光学的に出力するために設けられることが提案される。これにより、対象物は、好適には、特に容易にサイズに従って分類することができる。さらに、好適には、操作者に、少なくとも対象物の対象物データを前提として、対象物サイズの推定及び/又は決定をし得るようにさせることができる。
【0005】
捕捉装置は、好適には、少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニットを有し、特に対象物データ捕捉ユニットと、さらなる対象物データ捕捉ユニットとを有する。捕捉装置は、好適には、少なくとも1つの対象物データ捕捉ユニットを案内するために設けられた少なくとも1つの案内ユニットを有する。この案内ユニットには、好適には、2つの対象物データ捕捉ユニットが配置されており、ここで、当該案内ユニットは、特に好適には、少なくとも1つの、特に、少なくとも部分的に湾曲した、案内要素を有する。好適には、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの一方の対象物データ捕捉ユニットが案内要素に配置され、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちのさらなる対象物データ捕捉ユニットは、案内ユニットのさらなる案内要素に配置され、又は、2つの対象物データ捕捉ユニットが相互に離隔した側の案内要素に配置される。
【0006】
好適には、少なくとも、2つの対象物データ捕捉ユニットは、相互に分離されて案内ユニットに配置されている。特に、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの少なくとも一方が、可動に案内ユニットに配置されている。この案内ユニットは、特に、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの案内ユニットに配置された少なくとも一方を運動させる際に案内するために設けられ、この場合、案内ユニットを用いて、好適には、少なくとも一方の対象物データ捕捉ユニットの定義された運動経路が予め設定されている。「設けられている」とは、特に、特別に構成されている、特別に設計されている、及び/又は、特別に備えられていることを意味するものと理解されるべきである。対象物が特定の機能のために設けられているとは、特に、対象物がその特定の機能を少なくとも1つの用途及び/又は動作状態において満たすこと及び/又は実行することを意味するものと理解されるべきである。案内ユニットは、特に、少なくとも、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの案内ユニットに配置された対象物データ捕捉ユニットの、定義された運動経路から逸脱する方向に沿った運動に対抗するために設けられている。案内ユニットは、例えば、少なくとも1つの多軸ロボットアーム、ジョイントアーム、旋回アーム、及び/又は、少なくとも案内要素、特に好適には複数の案内要素を有し得る。
【0007】
2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの少なくとも一方は、好適には、可動に案内要素に配置されている。この案内要素は、好適には、少なくとも、案内要素に配置された少なくとも1つの対象物データ捕捉ユニットを運動させる際に案内するために設けられる。案内要素は、特に、少なくとも1つの主案内経路を有し、この場合、案内要素に配置された少なくとも1つの対象物データ捕捉ユニットの定義された運動経路は、少なくとも主案内経路に対して平行に延在する。好適には、案内要素は、レールとして構成されている。好適には、案内要素の主案内経路は、案内要素の主長手軸線に対して少なくとも実質的に平行に延在する。好適には、特にレールとして構成された案内要素は、少なくとも1つのさらなる主案内経路を有し、このさらなる主案内経路には、特に、少なくとも1つの実施例においては、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちのさらなる対象物データ捕捉ユニットが配置可能であり及び/又は可動である。特に、主案内経路及びさらなる主案内経路は、相互に離隔した側の案内要素に配置されている。好適には、主案内経路は、さらなる主案内経路に対して平行に延在する。
【0008】
好適には、案内ユニットは、特に、少なくとも1つの実施例において、少なくとも案内要素及びさらなる案内要素を含む。このさらなる案内要素は、案内要素と同一に構成されること、又は、案内要素と異なって構成されることが想定され得る。好適には、案内要素は、さらなる案内要素とは別個に構成され、及び/又は、さらなる案内要素から少なくとも離間して配置される。特に好適には、案内要素及びさらなる案内要素は、捕捉装置の対象物支持体ユニットの表面に対して少なくとも実質的に平行に延在する方向に沿って、対象物支持体ユニットから同一の距離において配置され、この対象物支持体ユニットは、特に好適には、捕捉装置の対象物データ捕捉領域内における対象物の位置決めのために設けられている。
【0009】
特に、2つの対象物データ捕捉ユニットは、特に案内ユニットに沿って、相互に相対的に可動に支承されている。2つの対象物データ捕捉ユニットは、好適には、相互に依存することなく可動である。好適には、2つの対象物データ捕捉ユニットは、少なくとも案内要素の主案内経路及び/又はさらなる案内要素の主案内経路に沿って見て、特に、相互に別個に配置可能であると同時に同一の捕捉高さにおいて案内ユニットに配置可能である。少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニットが、案内要素の主案内経路に又は案内要素のさらなる主案内経路に配置されることも想定され得る。好適には、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの少なくとも一方の対象物データ捕捉ユニットは、少なくとも案内要素の主案内経路に沿って見て側方の案内要素に配置され、又は、少なくともさらなる案内要素の主案内経路に沿って見て特に側方のさらなる案内要素に配置される。2つの対象物データ捕捉ユニットのうちのさらなる対象物データ捕捉ユニットは、特に、少なくとも1つの実施例においては、好適には、少なくとも案内要素の主案内経路に沿って見て側方の案内要素に配置され、又は、少なくともさらなる案内要素の主案内経路に沿って見て特に側方のさらなる案内要素に配置される。特に好適には、特に、少なくとも1つの実施例において、対象物データ捕捉ユニット及びさらなる対象物データ捕捉ユニットが、案内要素の相互に離隔した側に配置される。好適には、案内ユニットによって定義される運動経路は、少なくとも部分的に湾曲して及び/又は少なくとも部分的に直線状に延在し、特に好適には、定義された運動経路は円弧状に延在する。好適には、運動経路又は案内経路は、円弧を形成する。特に、この円弧は、90°の中心角、好適には90°を超える中心角、特に好適には180°を超える中心角を含む。運動経路又は案内経路が完全な円を描くことも想定され得る。特に、少なくとも部分的に湾曲した運動経路又は少なくとも部分的に湾曲した案内経路の円弧の中心点は、捕捉するための対象物を収容するために設けられた対象物データ捕捉領域の中心点を定義する。ゼロとは異なる経過点における「曲率」とは、この文脈においては特に、経過点からの距離に伴って二次関数的に増加する、直線からの偏差を意味するものと理解されるべきである。案内要素の主案内経路は、特に、少なくとも部分的に湾曲して延在し、この場合、主案内経路が少なくとも部分的に直線状に延在することも想定され得る。
【0010】
「対象物データ捕捉ユニット」とは、特に、少なくとも1種類の対象物データの捕捉のために設けられたユニットを意味するものと理解されるべきである。好適には、対象物データ捕捉ユニットは、特に静止画カメラ及び/又は動画カメラを含む撮像捕捉ユニットである。好適には、対象物データ捕捉ユニットは、リアルカラーカメラを有する。代替的に、対象物データ捕捉ユニットは、例えば、赤外線カメラ、TOFカメラなどを含むことも想定され得る。対象物データセットは、好適には、対象物データ捕捉ユニットの少なくとも2つ、特に好適には少なくとも10個の異なる撮像を含む。「対象物データセット」は、特に、同一の対象物に関する少なくとも2つの異なる対象物データを含む。複数の対象物データセットは、同一の対象物に関する好適には10個を超える異なる対象物データを含み、特に好適には100個を超える異なる対象物データを含む。好適には、複数の対象物データセットは、同一の対象物に関する少なくとも2つの異なるタイプの対象物データを含む。「対象物データ」とは、特に、対象物を特徴付けるのに適した情報、特にさらなる対象物と区別するのに適した情報を意味するものと理解されるべきである。好適には、対象物データは、対象物に固有の特性を含む。対象物データは、特に、外観、形状、輪郭、色、対称性、重量、材料、及び/又は、当業者にとって有意に見える他の特性を含み得る。また、状況に起因した特性、例えば、さらなる対象物、特に対をなす対象物に対する相対的な配置、汚れ具合、及び/又は、一時的なマーキングが捕捉されることも想定され得る。「半自動捕捉」とは、特に、複数の対象物データセットのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの動作状態において、操作なしで、即ち、特に操作者の介入なしで捕捉されることを意味するものと理解されるべきである。
【0011】
好適には、捕捉装置は、少なくとも、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの少なくとも一方の対象物データ捕捉ユニットと対象物との間の定義された相対運動を生成するために設けられる少なくとも1つの駆動ユニットを含む。「定義された相対運動」とは、特に、少なくとも捕捉装置の通常の動作状態において能動的に制御可能である、位置及び/又は配向の相対変化を意味するものと理解されるべきである。特に、駆動ユニットは、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの少なくとも一方の対象物データ捕捉ユニットと、対象物支持体ユニットとの間の定義された相対運動を生成するために設けられている。好適には、駆動ユニットは、案内ユニットに配置された2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの少なくとも一方の対象物データ捕捉ユニットを、特に案内ユニットによって予め設定される定義された運動経路に沿って自動的に運動させるために設けられる。特に、2つの対象物データ捕捉ユニットは、駆動ユニットを用いて相互に依存することなく可動である。特に、駆動ユニットによって生成される定義された相対運動を用いることにより、対象物データが複数の視点から捕捉可能である。「視点」とは、特に、対象物データ捕捉ユニット及び対象物、特に対象物支持体ユニットの特定の相対配置、特に位置及び/又は配向を意味するものと理解されるべきである。特に、複数の視点は、対象物データ捕捉ユニット及び対象物、特に対象物支持体ユニットの少なくとも2つの異なる相対配置を含む。好適には、複数の視点は、対象物、特に対象物支持体ユニットに対する相対的な対象物データ捕捉ユニットの10個を超える異なる配置を含む。特に、2つの視点が捕捉平面を定義する。好適には、複数の視点は、少なくとも2つの異なる捕捉平面を含む。好適には、駆動ユニットを用いて可能なすべての捕捉平面の全体は空間充填である。代替的に、2つの可能な捕捉平面の間の距離は少なくとも1mm未満であり、及び/又は、2つの可能な捕捉平面の間の角距離は少なくとも1°未満である。駆動ユニットは、好適には電気機械式に構成され、特に、少なくとも1つの電気モータを含み、及び/又は、例えば微調整のための少なくとも1つの圧電素子を含む。代替的に、駆動ユニットが空気圧式又は油圧式に構成されることも想定され得る。好適には、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの少なくとも一方の対象物データ捕捉ユニットは、特に可動に案内要素又はさらなる案内要素に配置された、案内ユニットの案内スライダ上に取り付けられる。さらなる対象物データ捕捉ユニットは、特に好適には、特に可動に案内要素又はさらなる案内要素に配置された、案内ユニットのさらなる案内スライダ上に取り付けられる。好適には、案内スライダは、さらなる案内スライダとは別個に構成される。特に好適には、少なくとも案内スライダ及び/又はさらなる案内スライダは、可動の受容体を用いて多次元の運動性を可能にするように構成されており、この可動の受容体は、特にボールジョイントなどを用いて、案内要素及び/又はさらなる案内要素と相互作用する基体部に可動に配置される。
【0012】
好適には、捕捉装置は、少なくとも、対象物学習プロセスを実施するために設けられた少なくとも1つの主計算ユニットを含む。「対象物学習プロセス」とは、特に、複数の対象物データセットのさらなる利用のための処理を意味するものと理解されるべきである。例えば、対象物学習プロセスは、対象物の全景の作成、対象物の3次元モデルの作成、及び/又は、特にパターン認識を可能にするための特徴量の抽出を含み得る。好適には、主計算ユニットは、駆動ユニット及び/又は2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの少なくとも一方の対象物データ捕捉ユニットから空間的に分離して構成される。好適には、主計算ユニットは、サーバーとして構成される。代替的に、主計算ユニットが対象物データ捕捉ユニット内に統合されることも想定され得る。「主計算ユニット」とは、特に、情報入力部、情報処理部及び情報出力部を備えたユニットを意味するものと理解されるべきである。好適には、主計算ユニットは、少なくとも1つのプロセッサと1つのメモリ要素とを有する。特に好適には、主計算ユニットの構成部品は、共通の基板上に配置され、及び/又は、極めて特に好適には、共通のハウジング内に配置される。好適には、駆動ユニット及び/又は2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの少なくとも一方の対象物データ捕捉ユニットは、主計算ユニットを用いて制御可能である。好適には、主計算ユニットは、少なくとも定義された相対運動、特に2つの対象物データ捕捉ユニットの相互に相対的な運動、及び/又は、案内要素及びさらなる案内要素の相互に相対的な運動、並びに、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの少なくとも一方の対象物データ捕捉ユニットの少なくとも1つの捕捉時点を制御する。
【0013】
好適には、捕捉装置は、少なくとも1つのハウジングユニットを有し、このハウジングユニットは、少なくとも、対象物データ捕捉領域を少なくとも部分的に外部から遮蔽するために設けられている。好適には、少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニット、案内ユニット、及び/又は、駆動ユニットは、少なくとも部分的にハウジングユニットによって画定される内部空間に配置される。ハウジングユニットは、特に、内部空間を塵埃から遮蔽するために設けられている。好適には、ハウジングユニットは、内部空間を電磁放射から遮蔽する。好適には、ハウジングユニットは、対象物データ捕捉領域内における対象物の位置決めのための1つの開口部、特に唯一の開口部を含む。特に好適には、捕捉装置は、開口部の特に自動的な開閉のための少なくとも1つのロックユニットを含む。好適には、このロックユニットは、特にドアなどとして構成され得る少なくとも1つのロック要素を有する。ロック要素は、好適には、開口部に対して相対的に可動であり、特に可動にハウジングユニットに支承される。ロック要素がハウジングユニットに回転可能に又は直線的に可動に支承されることが想定され得る。ロックユニットは、好適には、特にロック要素に配置された少なくとも1つの把持要素を有する。特に、少なくとも把持要素の主延在軸線に沿って見た把持要素の最大長は、少なくともロック要素の主延在平面にある軸線に沿って見たロック要素の最大延在長を少なくとも実質的に完全に超えて延在する。好適には、これにより、開口部の開閉の際のユーザにとっての高い操作利便性を保証することができる。好適には、さらに、異なる体格の操作者が、高い利便性でロック要素を運動させることができる。対象物の「主延在軸線」とは、ここでは特に、対象物をほぼ完全に取り囲む最小の幾何学的直方体の最長辺に対して平行に延在する軸線を意味するものと理解されるべきである。構造ユニット又は要素の「主延在平面」とは、特に、構造ユニットをほぼ完全に取り囲む最小限の仮想直方体の最大側面に対して平行でかつ特に直方体の中心点を通って延在する平面を意味するものと理解されるべきである。さらに、把持要素が可変の把持厚さを有することが想定され得、この場合、把持厚さは、好適には設定可能である。特に好適には、ロックユニットは減衰要素を有し、この減衰要素は、少なくとも、ロック要素を終端位置において制動し、自動的にロックするために設けられる。特に好適には、ロック要素の運動、特にロック要素を用いた開口部の開閉は、モータ方式、好適には電気モータなどによって支援される。ロック要素を用いた開口部の開放及び/又は閉鎖は、主計算ユニットによって、特に自動的に制御可能であることも想定され得る。好適には、ロックユニットは、少なくとも1つの密封要素を有し、この少なくとも1つの密封要素は、少なくとも、閉鎖状態において開口部とロック要素との間の領域を密封するために設けられ、この場合、少なくとも密封要素は、ロック要素又はロック要素に配置及び/又は固定される。好適には、これにより、少なくとも塵埃からの対象物データ捕捉領域の高い保護を保証することができる。
【0014】
捕捉装置は、特に、少なくとも1つの接続ユニットを含み、この少なくとも1つの接続ユニットは、少なくとも、捕捉装置の少なくとも個々の構成部品を少なくとも部分的に相互に、好適には電気的に接続するために設けられ、及び/又は、さらなるユニット及び/又は要素と接続するために設けられる。接続ユニットは、特に、少なくとも1つの圧縮空気接続部、400Vの電源接続部、230Vの電源接続部、漏電遮断器とアースとを備えた230Vの保護接点、防火スイッチ(AFDD)、消火器用の水接続部、メディア接続部(HDMI、VGA、Displayport、Lightningなど)、LAN接続部(ギガビットLAN、ギガビット光ファイバなど)、通信接続部(LTEモジュール、5Gモジュール、アンテナ、WLANモジュール、Bluetooth、NFC)、カードリーダ、外部スケール用の接続部、外部ロボット、カメラシステム、計量ユニット用の接続部、キーボード用のUSB3.0、バーコード/QRコードスキャナ、マウス、ハードディスク、SATA接続部、eSATA接続部、集合接続部、カメラ接続部などを含み得るものであり、これらは、好適には、捕捉装置における異なる位置に、特にハウジングユニットに配置されている。
【0015】
接続ユニットは、特に、少なくとも好適には少なくともLTEモジュール及び/又は5Gモジュールを用いて、捕捉装置への外部アクセスを可能にするために設けられる。好適には、この外部アクセスによって捕捉装置の少なくとも1回の遠隔保守管理が実行可能である。この接続ユニットを用いることにより、捕捉装置の少なくとも1つのカメラ画像を、特に少なくとも遠隔保守管理のために伝送可能にすることが想定され得る。捕捉装置、特に主計算ユニットは、少なくとも部分的に接続ユニットを用いた外部アクセスにより制御可能にすることが想定され得る。特に好適には、捕捉装置への外部アクセスは、接続ユニットのハードウェアスイッチを用いて解除可能及び阻止可能である。代替的又は付加的に、外部アクセスが少なくともパスワード保護されていることが想定され得る。好適には、接続ユニットは、特に、例えばVLANを用いて、接続ユニットのさらなる要素とは別個に構成された、外部アクセス用の少なくとも1つの接続要素を含む。接続ユニットは、少なくともソフトウェアファイアウォール及び/又はハードウェアファイアウォールを含むことが想定され得る。
【0016】
さらに、捕捉装置は、少なくとも捕捉装置を搬送するための少なくとも1つの搬送ユニットを含むことが想定され得る。好適には、この搬送ユニットは、捕捉装置に、特に好適にはハウジングユニットに配置され、特に固定されている。好適には、搬送ユニットは、少なくとも1つの搬送要素、特に好適には少なくとも2つ、極めて特に好適には少なくとも4つの搬送要素を有し、この場合、これらの搬送要素は、特に均一に、捕捉装置のハウジングユニットの片側に配置されている。搬送要素は、例えば、ローラ、チェーンなどとして構成されるものとしてよい。好適には、少なくとも搬送要素は、捕捉装置の少なくとも1つの意図しない運動に対抗するために固定可能である。特に、少なくとも搬送要素は、捕捉装置の搬送運動を生成するために、又は、少なくとも捕捉装置の搬送運動を支援するために駆動されることが想定され得、この場合、搬送運動は、特に好適には、搬送制御ユニットを用いて制御可能である。好適には、搬送制御ユニットは、リモコン、主計算ユニット、モバイル捕捉ユニットなどとして構成されるものとしてよい。搬送ユニットが、少なくともフォークリフトの1つのフォークのための凹部として構成された受容部を有すること、及び/又は、クレーンに接続するためのフックなどを有することも想定され得る。代替的又は付加的に、搬送ユニットが、捕捉装置のハウジングユニットと一体的に構成され、又は、取り外し可能にハウジングユニットに固定可能である操作補助具を含むことが想定され得る。さらに、搬送ユニットが、特にハウジングユニットと一体的に構成され、又は、取り外し可能にハウジングユニットに固定可能であるトレーラフックを有することも想定され得る。トレーラフックは、特に好適には、ハウジングユニットに格納可能に配置されている。
【0017】
好適には、基準ユニットは、少なくとも、対象物のサイズ割当ての際に少なくとも1人のユーザを支援する基準要素を出力するために設けられる。好適には、基準ユニットは、少なくとも、基準要素を用いて少なくとも1人の操作者に、特に、少なくとも対象物データセットを前提として対象物サイズの推定ができるようにさせるために設けられる。好適には、対象物の対象物データセットの少なくとも一部は、サイズ割当てのための基準要素を有する。好適には、対象物データセットの少なくとも一部は、主計算ユニットの対象物学習プロセスのために設けられない基準要素を有する。ただし、対象物データセット全体が基準要素を有することも想定され得る。代替的又は付加的に、基準要素は、対象物データセットとは別個に出力可能及び/又は格納可能であることが想定され得る。基準ユニットは、例えば、投影ユニット、レーザユニット、計算ユニット、Augmented-Realityユニット(以下、拡張現実ユニットと称する)などとして構成されるものとしてよい。基準ユニットは、好適には、少なくとも対象物の定性的サイズ割当て、特に好適には対象物の定量的サイズ割当てのための基準要素を出力するために設けられる。基準要素は、特に、尺度、比較対象物、例えば硬貨などとして表示可能である。基準要素は、少なくとも対象物上、対象物支持体ユニット上、及び/又は、対象物データセット内に出力可能であることが想定され得る。基準要素は、特に、少なくとも1つの実施例においては、少なくとも対象物データ捕捉ユニットを用いた対象物データの捕捉の際に捕捉可能であり、対象物データセットに追加可能であることが想定され得る。好適には、特に、少なくとも投影ユニット又はレーザユニットとして構成された基準ユニットは、少なくとも、基準要素を、対象物支持体ユニットの対象物データ捕捉領域内に、好適には対象物支持体ユニット上に、特に好適には対象物支持体ユニットの表面上に及び/又は対象物上に出力するために、特に光学的に出力するために設けられる。これにより、好適には、基準要素を対象物支持体ユニット上に出力することができ、この場合、対象物支持体ユニットは、出力手段を有する必要はない。好適には、対象物のサイズ割当てのための物理的な基準要素を省略することが可能になる。少なくとも1つの実施例においては、基準ユニットは、好適には拡張現実ユニットとして構成され、特に、少なくとも、基準要素を拡張現実要素として出力するために設けられ、この場合、拡張現実ユニットとして構成される基準ユニットは、好適には少なくとも1つのカメラと1つの出力要素とを含む。この出力要素は、例えば、モニタ、スマートフォン、眼鏡レンズなどとして構成されるものとしてよい。特に好適には、基準ユニットは、少なくとも、基準要素を出力要素上に出力するために設けられる。好適には、これにより、特に柔軟な基準ユニットを提供することができる。さらに、好適には、基準要素は、特に簡単に異なる対象物に適合化させることができ、特に、特に簡単に位置決めすることができる。
【0018】
少なくとも1つのさらなる実施例においては、特に計算ユニットとして構成された基準ユニットは、好適には、少なくとも、基準要素を対象物データの捕捉後に対象物データセットの少なくとも一部に割り当てるために設けられる。好適には、基準ユニットは、少なくとも、捕捉された対象物データの少なくとも一部に基準要素を、特にデジタル方式で組み込むために設けられる。代替的又は付加的に、基準要素は、少なくとも対象物データ捕捉ユニットを用いて捕捉された対象物データとは別個のファイルに格納可能であることが想定され得る。好適には、これにより、対象物データ捕捉に依存することなく対象物のサイズ割当てを行うことができる。基準要素のデジタル出力により、好適には、少なくとも実質的に、基準ユニットの構成のための付加的構成部品を省略することが可能になる。
【0019】
さらに、基準要素が、少なくとも対象物の少なくとも1つの特性パラメータに依存して基準ユニットから出力可能であることが提案される。好適には、これによって、基準要素を対象物に適合化させることができる。さらに、好適には、基準要素の良好な可視性が保証され得る。好適には、基準要素の少なくとも1つの特性は、対象物の特性パラメータに依存して設定可能である。基準要素の特性は、例えば、位置、色、形状、強度などであるものとしてよい。対象物の特性パラメータは、例えば、位置、寸法、色などであるものとしてよい。好適には、基準要素の特性は、主計算ユニット及び/又は基準ユニットを用いて自動的に設定可能であり、この場合、代替的に、基準要素の特性が操作者によって手動で設定可能であることも想定され得る。好適には、少なくとも1つの実施例においては、基準要素は、対象物の寸法及び/又は位置決めに依存して出力可能である。対象物の少なくとも1つの特性パラメータが、対象物データの捕捉前及び/又は基準要素の出力前に、特に自動的に捕捉可能であることが想定され得る。例えば、対象物の少なくとも1つの特性パラメータは、少なくとも寸法捕捉ユニット及び/又は識別ユニットを用いて捕捉可能である。好適には、識別ユニットは、少なくとも、対象物の少なくとも1つの特性パラメータの事前捕捉のために設けられ、この場合、識別ユニットは、例えば、識別要素を読み取るための走査ユニットとして構成される。識別要素は、例えば、EAN、バーコード、QRコード、RFIDタグなどとして構成されるものとしてよい。好適には、識別要素に基づいて、対象物の少なくとも特性パラメータがデータベースから呼び出し可能である。識別要素は、好適には、対象物に配置され、及び/又は、対象物に統合される。しかしながら、識別要素が対象物とは別個に、例えばパッケージ及び/又はデータシートに配置されることも想定され得る。「寸法捕捉ユニット」とは、特に、対象物の少なくとも1つの延在及び/又は位置決めを捕捉し得るユニットを意味するものと理解されるべきである。好適には、寸法捕捉ユニットは、飛行時間測定のために可動に支承されたレーザモジュールを有する。代替的に、対象物の延在が、主計算ユニットにより、対象物データ捕捉ユニットを用いて捕捉された対象物データ及び対象物支持体ユニットの運動データ、特に回転速度に基づき、Structure-from-Motion法を用いて計算可能であることも想定され得る。「寸法捕捉ユニット」は、透過光方式及び/又は入射光方式から延在を得るために、照明ユニット及び検出ユニットを含むことも想定され得る。好適には、少なくとも寸法捕捉ユニット及び/又は識別ユニットは、データ技術的に主計算ユニットと接続可能である。また、複数の方法を相互に組み合わせることも想定され得る。代替的又は付加的に、少なくとも対象物の特性パラメータが操作者によって手動で入力可能であることも想定され得る。
【0020】
さらに、基準ユニットを用いることにより、基準要素を、少なくとも対象物支持体ユニット上の異なる位置及び/又は対象物データセット内の異なる位置に出力可能にすることが提案される。これにより、基準要素の良好な可視性を保証することができる。さらに、好適には、基準要素と対象物との不所望な重畳に対抗することができる。好適には、基準要素は、特に、少なくとも1つの実施例において、対象物支持体ユニット上の任意の位置、好適には対象物支持体ユニットの表面上に出力可能である。特に好適には、基準ユニット、特に少なくとも投影ユニットとして構成された基準ユニットの出力方向は設定可能であり、この場合、好適には、基準ユニットの出力方向の設定によって基準要素の位置が設定可能である。好適には、基準ユニットの出力方向は、少なくとも対象物支持体ユニットに対する基準ユニットの相対運動、好適には傾斜によって設定可能である。基準ユニットと対象物支持体ユニットとの間の相対運動は、特に、少なくとも主計算ユニット及び/又は基準ユニットを用いて制御可能であり、この場合、少なくとも基準ユニットの相対運動は、好適には、少なくとも駆動ユニットを用いて生成可能である。相対運動が操作者によって生成可能であることも想定され得る。特に好適には、基準ユニットは、可動に、好適には旋回可能に案内ユニットに配置される。好適には、基準ユニット、特に、少なくとも投影ユニットとして構成された基準ユニットは、案内ユニットの案内要素に配置される。付加的に、少なくとも拡張現実ユニットとして構成された基準ユニットが、少なくとも部分的に案内ユニットに配置されることが想定され得る。しかしながら、代替的に、基準ユニットが、少なくとも部分的にさらなる案内要素又は案内ユニットのロボットアームに配置されることも想定され得る。好適には、基準ユニットは、少なくとも1つの実施例においては、対象物データ捕捉ユニットのうちの一方に配置及び/又は固定され、この場合、対象物データ捕捉ユニットは、特に旋回可能に案内ユニットに配置される。特に、基準ユニットが配置されている対象物データ捕捉ユニットの旋回によって、対象物データ捕捉ユニットが対象物の対象物データを捕捉するために利用可能になり、又は、基準ユニットが対象物支持体ユニットに基準要素を出力するために利用可能になる。代替的に、基準ユニットが、対象物データ捕捉ユニットとは別個に案内ユニットに配置されることが想定され得る。少なくとも1つのさらなる実施例においては、好適には、基準ユニットを用いることにより、特に少なくとも主計算ユニット又は拡張現実ユニットとして構成された基準ユニットを用いることにより、対象物データセット内の基準要素の位置が設定可能になる。好適には、少なくとも拡張現実ユニットとして構成された基準ユニットは、少なくとも部分的に対象物データ捕捉ユニットによって形成される。対象物データ捕捉ユニットは、好適には、少なくとも、基準要素を対象物データセット内に出力するための対象物データ捕捉領域を捕捉するために設けられる。好適には、主計算ユニット及び/又は拡張現実ユニットの計算ユニットを用いることにより、対象物データ捕捉ユニットを用いて捕捉された対象物データ捕捉領域内において基準要素が生成可能である。好適には、基準要素は、対象物データ捕捉ユニットの位置に依存することなく案内ユニットにおいて生成可能である。好適には、基準要素は、少なくとも主計算ユニット及び/又は拡張現実ユニットの計算ユニットを用いて、対象物データ捕捉ユニットの位置に適合化可能である。拡張現実ユニットとして構成された基準ユニットの出力要素は、少なくとも例えば捕捉装置に、好適には捕捉装置のハウジングユニットの外面に配置されるものとしてよい。出力要素が捕捉装置とは別個に構成され、外部要素として配置されることも想定され得、この場合、出力要素は、特に少なくともデータ技術的に有線又は無線で、少なくとも対象物データ捕捉ユニット及び/又は主計算ユニットと接続可能である。出力要素は、好適には、少なくとも対象物データ捕捉ユニットを用いて捕捉された対象物データ捕捉領域を表示するために設けられる。拡張現実ユニットは、少なくとも、基準要素を少なくとも出力要素上に出力された対象物データ捕捉領域内に生成するために設けられる。
【0021】
さらに、基準ユニットは、少なくとも、少なくとも1つのさらなる基準要素を出力するために設けられ、この場合、基準要素及びさらなる基準要素は、対象物支持体ユニット上の相互に異なる位置及び/又は対象物データセット内の相互に異なる位置に出力可能であることが提案される。好適には、これにより、サイズ割当てのための基準要素の特に良好な可視性を保証することができる。すべての基準要素は、好適には、対象物支持体ユニット上、対象物上、及び/又は、対象物データセット内、特に対象物データセット内の任意の位置に出力可能である。好適には、少なくとも投影ユニットとして構成された基準ユニットは、少なくとも、さらなる基準要素を対象物支持体ユニット上又は対象物上に出力するために設けられる。好適には、少なくとも投影ユニットとして構成された基準ユニットは、少なくとも、基準要素及びさらなる基準要素を、対象物の2つの異なる側に、特に好適には2つの相互に離隔した側に出力するために設けられる。付加的に、基準ユニットが、付加的な基準要素を出力するように設けられることも想定され得、この場合、好適には少なくとも、投影ユニットとして構成された基準ユニットを用いて、対象物の少なくとも2つの異なる側に、特に好適には少なくとも4つの異なる側に、極めて特に好適には少なくとも5つの異なる側にそれぞれ基準要素が出力可能である。少なくとも、少なくとも1つの実施例において拡張現実ユニットとして構成された基準ユニットが、少なくとも、基準要素、さらなる基準要素、及び/又は、付加的な基準要素を、少なくとも、対象物データ捕捉ユニットを用いて捕捉された対象物データ捕捉領域内及び/又は対象物データセット内において生成するために設けられる。好適には、少なくとも拡張現実ユニットとして設計された基準ユニットは、少なくとも、すべての基準要素を任意に少なくとも捕捉された対象物データ捕捉領域内に出力するように構成される。
【0022】
さらに、基準ユニットは、特に、少なくとも1つの実施例においては、少なくとも基準要素を投影によって出力するために設けられる投影ユニット、特に上記において既述した投影ユニットとして構成されることが提案される。好適には、基準要素は、これによって、対象物支持体ユニット上に出力することができ、この場合、対象物支持体ユニットが出力手段を有する必要はない。さらに好適には、対象物のサイズ割当てのための物理的な基準要素を省略することが可能になる。投影ユニットは、好適には、少なくともすべての基準要素を出力するために設けられる少なくとも1つのプロジェクタ、好適には複数のプロジェクタを有する。少なくともプロジェクタは、好適には、案内ユニットに、特に可動に配置可能である。プロジェクタは、案内ユニットにおける異なる位置に配置可能であり、又は、少なくとも部分的に案内ユニットから離間させて捕捉装置に、特に好適には可動に配置可能であることが想定され得る。投影ユニットは、少なくとも部分的に少なくとも案内要素に、さらなる案内要素に、及び/又は、案内ユニットのロボットアームに配置されることも想定され得る。
【0023】
さらに、基準ユニットは、特に、少なくとも1つの実施例においては、対象物データセットの捕捉後に少なくとも基準要素を対象物データレセットに割り当てることが提案される。好適には、これにより、対象物データ捕捉に依存することなく対象物のサイズ割当てを行うことができる。基準要素のデジタル出力によって、さらに好適には、少なくとも実質的に、基準ユニットの構成のための付加的な構成部品を省略することが可能になる。特に、少なくとも計算ユニットとして構成される基準ユニットは、少なくとも、対象物の少なくとも1つの特性パラメータを前提として基準要素を生成するために設けられ、この場合、基準要素は、例えば、対象物のサイズ割当てに関する情報としてファイル内において構成されるものとしてよい。好適には、基準ユニットは、少なくとも、基準要素を捕捉された対象物データセットに割り当てるために設けられ、この場合、基準要素は、好適には、対象物データとは別個のファイルに格納されている。さらに、少なくとも拡張現実ユニットとして構成された基準ユニットが、少なくとも、基準要素を捕捉された対象物データとは別個のファイルに格納するために設けられることも想定され得、この場合、基準要素は、特に対象物データの捕捉後に対象物データに割当て可能である。
【0024】
さらに、本発明は、本発明に係る捕捉装置を用いて、少なくとも1つの対象物の複数の対象物データセットを捕捉するための方法を前提とする。ここでは、少なくとも1つの方法ステップにおいて、基準ユニットにより、基準要素を出力することが提案される。好適には、これにより、対象物を特に容易にサイズに従って分類することができる。さらに、好適には、操作者に、対象物の対象物データを前提として対象物サイズの推定及び/又は決定をし得るようにさせる。好適には、少なくとも方法ステップにおいて、対象物の定性的サイズ割当て、特に好適には対象物の定量的サイズ割当てのための基準要素が出力される。基準要素は、少なくとも方法ステップにおいて、対象物の少なくとも1つの特性パラメータに依存して出力されることが想定され得る。好適には、少なくとも方法ステップにおいて、少なくとも1つの特性が、特に対象物の少なくとも1つの特性パラメータに依存して、主計算ユニット及び/又は基準ユニットを用いて自動的に設定される。少なくとも方法ステップにおいて、基準ユニットにより、複数の基準要素が、好適には少なくとも基準要素及びさらなる基準要素が出力されることが想定され得る。
【0025】
その他に、基準要素は、少なくとも方法ステップにおいて、対象物支持体ユニット上に投影され、及び/又は、少なくとも部分的に対象物データセットに出力されることが提案される。好適には、これにより、対象物のサイズ割当てのための物理的な基準要素を省略することが可能になる。
【0026】
基準要素は、少なくとも方法ステップにおいて、対象物上、対象物支持体ユニット上、及び/又は、対象物データセット内の任意の位置に出力される。特に好適には、基準要素は、少なくとも方法ステップにおいて、少なくとも、対象物支持体ユニット上、対象物上、及び/又は、対象物データセット内の対象物の寸法及び/又は位置決めに依存して自動的に位置決めされる。特に、少なくとも、基準要素及びさらなる基準要素は、少なくとも方法ステップにおいて、異なる位置に、好適には対象物上、対象物支持体ユニット上、及び/又は、対象物データセット内の異なる位置に出力される。好適には、2つの対象物データ捕捉ユニットは、少なくとも1つの方法ステップにおいて、駆動ユニットによって運動させられ、この場合、少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニットによって、対象物の対象物データが少なくとも異なる視点から捕捉される。好適には、少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニットの運動及び対象物データの捕捉は、少なくとも方法ステップにおいて、主計算ユニットによって制御される。好適には、主計算ユニットを用いて、特に対象物パラメータの事前捕捉に基づいて、動作パラメータが、少なくとも駆動ユニット及び少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニットについて自動的に確定される。特に、少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニットについての位置と、対象物データの捕捉が少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの一方の対象物データ捕捉ユニットを用いて、特に好適には2つの対象物データ捕捉ユニットを用いて行われる対象物支持体ユニットについての位置とを有するリストが作成される。特に好適には、少なくとも1つの方法ステップにおいて、2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの一方の対象物データ捕捉ユニット、特に、少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニット、及び、好適には対象物支持体ユニットも、リストの位置に制御され、この場合、それぞれの位置において、少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニットのうちの一方の対象物データ捕捉ユニットを用いて、特に好適には少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニットを用いて、対象物の対象物データが捕捉される。好適には、特に、少なくとも1つの実施例において、少なくとも基準要素が、少なくとも部分的に対象物データの捕捉の際に捕捉される。
【0027】
さらに、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に、少なくとも1つの実施例においては、基準要素は、特に、捕捉された対象物データセットとは異なるファイルに格納されることが提案される。これにより、好適には、特に簡単に対象物のサイズ割当てを呼び出すことができる。対象物をサイズに従って分類するために、対象物データセットの読み出しを省略することが可能になり、好適には、対象物の分類は、少なくともサイズに従って特に簡単かつ迅速に実施することができる。好適には、少なくとも1つの方法ステップにおいて、少なくとも計算ユニット又は拡張現実ユニットとして構成された基準ユニットを用いて、基準要素が、対象物の少なくとも1つの特性パラメータに依存して生成され、この場合、基準要素は、例えば、対象物のサイズ割当てに関する情報としてファイル内において構成されるものとしてよい。少なくとも1つの方法ステップにおいて、基準要素を含むファイルが対象物の対象物データセットに割り当てられ、この場合、対象物データセット及び基準要素は、別個のファイルに格納される。少なくとも1つのさらなる方法ステップにおいて、対象物のサイズ割当てが、基準要素を含むファイルの読み出しによって実施されることが想定され得る。
【0028】
本発明に係る捕捉装置及び/又は本発明に係る方法は、本明細書においては、上述の用途及び実施形態に限定されるべきではない。特に、本発明に係る捕捉装置及び/又は本発明に係る方法は、本明細書に記載された機能形態を満たすために、本明細書において挙げられた個々の要素、部品及びユニットの数、並びに、方法ステップの数とは異なる数を有し得る。さらに、本開示において示された値範囲においては、上記の制限内にある値も開示されているとみなされ、任意に使用可能とみなされるべきである。
【0029】
図面
さらなる利点は、以下の図面の説明から明らかとなる。これらの図面には、本発明の2つの実施例が示されている。これらの図面、明細書及び特許請求の範囲には、多くの特徴が組み合わせられて含まれている。当業者は、これらの特徴を便宜上個別に観察し、有用なさらなる組合せに統合することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係る第1の実施形態における捕捉装置の概略的な側面図である。
【
図2】本発明に係る第1の実施形態における捕捉装置を用いた複数の対象物データセットを捕捉するための本発明に係る方法の概略的なフローチャートである。
【
図3】本発明に係る第2の実施形態における捕捉装置の概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
実施例の説明
図1には、少なくとも1つの対象物データ捕捉ユニットを案内する案内ユニット14aを備えた捕捉装置10aが側面図において示されている。案内ユニット14aは、少なくとも部分的に湾曲したレールとして構成された案内要素20aを有する。捕捉装置10aは、対象物12aの対象物データを捕捉するための少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニット16a,18aを備え、これらの対象物データ捕捉ユニット16a,18aは、案内ユニット14aに配置される。2つの対象物データ捕捉ユニット16a,18aは、相互に離隔した側の案内要素20aに配置される。さらなる捕捉ユニット32aが、案内ユニット14a、特に案内要素20aに配置されることが想定され得、これらは、例えば、付加的な対象物データ捕捉ユニット、照明ユニット、コントラストユニットなどとして構成されるものとしてよい。2つの対象物データ捕捉ユニット16a,18aは、可動に案内要素20aに配置され、この場合、案内要素20aは、少なくとも、2つの対象物データ捕捉ユニット16a,18aを運動させる際に案内するために設けられる。案内要素20aは、少なくとも2つの主案内経路を有し、この場合、案内要素20aに配置された対象物データ捕捉ユニット16a,18aの定義された運動経路は、少なくとも2つの主案内経路のうちの一方に対して平行に延在する。2つの対象物データ捕捉ユニット16a,18aのうちの一方の対象物データ捕捉ユニット16aは、案内要素20aの主案内経路に配置され、さらなる対象物データ捕捉ユニット18aは、案内要素20aの2つの主案内経路のうちのさらなる主案内経路に配置される。主案内経路及びさらなる主案内経路は、相互に離隔した側の案内要素20aに配置され、この場合、主案内経路は、さらなる主案内経路に対して平行に延在する。
【0032】
捕捉装置10aは、捕捉装置10aの対象物データ捕捉領域内において対象物12aを位置決めするために設けられた対象物支持体ユニット22aを備える。案内要素20aの主延在平面は、対象物支持体ユニット22aの位置決め平面に対して垂直に延在し、対象物支持体ユニット22aの回転軸線28aと交差する。
【0033】
2つの対象物データ捕捉ユニット16a,18aは、相互に相対的に、特に相互に依存することなく可動であると同時に、特に相互に別個に、少なくとも案内要素20aの2つの主案内経路のうちの一方の主案内経路に沿って見て、同等の捕捉高さにおいて案内ユニット14aに配置可能である。捕捉装置10aは、少なくとも1つの駆動ユニット(詳細には図示せず)を含み、この駆動ユニットは、少なくとも、2つの対象物データ捕捉ユニット16a,18aと対象物12aとの間の定義された相対運動を生成するために設けられる。駆動ユニットは、少なくとも、2つの対象物データ捕捉ユニット16a,18aと対象物支持体ユニット22aとの間の定義された相対運動を生成するために設けられる。駆動ユニットは、2つの対象物データ捕捉ユニット16a,18aを、案内ユニット14aによって予め設定される定義された運動経路に沿って自動的に運動させるために設けられる。
【0034】
駆動ユニットによって生成される定義された運動経路を用いることにより、対象物データが複数の視点から捕捉可能である。駆動ユニットは、例えば電気機械式に構成されるものとしてよく、この場合、駆動ユニットは、少なくとも1つの電気モータを有する。代替的に、駆動ユニットは、空気圧式又は油圧式に構成されることも想定され得る。対象物データ捕捉ユニット16a,18aは、それぞれ案内ユニット14aの案内スライダ(詳細には図示せず)に取り付けられ、これらは、相互に別個に構成され、可動に案内ユニット14aに配置される。これらの案内スライダは、特にボールジョイントなどを用いて案内要素20aと相互作用する基体に可動に配置された可動の受容体を用いて多次元の運動性を可能にするために構成されることが想定され得る。
【0035】
案内ユニット14aは、案内要素20の主案内経路を、主案内経路に沿って少なくとも2つの相互に別個の運動領域に分割するための少なくとも1つの区切り要素24aを有する。この区切り要素24aは、案内要素20aの主案内経路に固定される。区切り要素24aは、少なくとも案内要素20aの主案内経路に沿って可変に配置可能であることが想定され得る。付加的に、案内ユニット14aが、当該案内ユニット14aに配置可能であるさらなる区切り要素を有することも想定され得る。
【0036】
捕捉装置10aは、少なくとも1つの基準ユニット26aを有し、この基準ユニット26aは、少なくとも、対象物12aのサイズ割当てのための基準要素38aを出力するために、特に光学的に出力するために設けられる。基準ユニット26aは、少なくとも、基準要素38aを用いて、少なくとも1人の操作者に、少なくとも対象物データセットを前提として対象物サイズの推定ができるようにさせるために設けられる。基準ユニット26aは、投影ユニットとして構成される。基準要素38aは、特に、尺度、比較対象物、例えば硬貨などとして表示可能である。基準要素38aは、少なくとも対象物データ捕捉ユニット16a,18aを用いた対象物データの捕捉の際に捕捉可能であり、対象物データセットに追加可能である。基準ユニット26aは、少なくとも、基準要素38aを、対象物支持体ユニット22aの対象物データ捕捉領域内に、好適には対象物支持体ユニット22a上に、特に好適には対象物支持体ユニット22aの表面上に、及び/又は、対象物12a上に光学的に出力するために設けられる。
【0037】
基準要素38aは、少なくとも対象物12aの少なくとも1つの特性パラメータに依存して基準ユニット26aから出力可能である。好適には、基準要素38aの少なくとも1つの特性は、対象物12aの特性パラメータに依存して設定可能である。基準要素38aの特性は、例えば、位置、色、形状、強度などであるものとしてよい。対象物12aの特性パラメータは、例えば、位置、寸法、色などであるものとしてよい。基準要素38aの特性は、主計算ユニット及び/又は基準ユニット26aを用いて自動的に設定可能であることが想定され得、この場合、代替的に、基準要素38aの特性が、操作者によって手動で設定可能であることも想定され得る。基準要素38aは、少なくとも対象物12aの寸法及び/又は位置決めに依存して出力可能である。対象物12aの特性パラメータは、対象物データの捕捉前及び/又は基準要素38aの出力前に、特に自動的に捕捉可能である。例えば、対象物12aの少なくとも1つの特性パラメータは、少なくとも寸法捕捉ユニット(詳細には図示せず)及び/又は識別ユニット(詳細には図示せず)を用いて捕捉可能である。好適には、識別ユニットは、少なくとも、対象物12aの少なくとも1つの特性パラメータの事前捕捉のために設けられ、この場合、識別ユニットは、例えば、識別要素を読み取るための走査ユニットとして構成される。識別要素は、例えば、EAN、バーコード、QRコード、RFIDタグなどとして構成されるものとしてよい。好適には、識別要素に基づいて、対象物12aの少なくとも特性パラメータがデータベースから呼び出し可能である。識別要素は、好適には、対象物12aに配置され、及び/又は、対象物12aに統合される。しかしながら、識別要素が対象物12aとは別個に、例えばパッケージ及び/又はデータシートに配置されることも想定され得る。「寸法捕捉ユニット」とは、特に、対象物12aの少なくとも1つの延在及び/又は位置決めを捕捉し得るユニットを意味するものと理解されるべきである。好適には、寸法捕捉ユニットは、飛行時間測定のために可動に支承されたレーザモジュールを有する。代替的に、対象物12aの延在が、主計算ユニットにより、対象物データ捕捉ユニット16a,18aを用いて捕捉された対象物データ及び対象物支持体ユニット22aの運動データ、特に回転速度に基づき、Structure-from-Motion法を用いて計算可能であることも想定され得る。「寸法捕捉ユニット」は、透過光方式及び/又は入射光方式から延在を得るために、照明ユニット及び検出ユニットを含むことも想定され得る。好適には、少なくとも寸法捕捉ユニット及び/又は識別ユニットは、データ技術的に主計算ユニットと接続可能である。また、複数の方法を相互に組み合わせることも想定され得る。代替的又は付加的に、少なくとも対象物12aの特性パラメータが操作者によって手動で入力可能であることも想定され得る。
【0038】
基準要素38aは、基準ユニット26aを用いることにより、少なくとも対象物支持体ユニット22a上の異なる位置に出力可能である。基準要素38aは、対象物支持体ユニット22a上の任意の位置、特に対象物支持体ユニット22aの表面上に出力可能である。基準ユニット26aの出力方向は設定可能であり、この場合、基準ユニット26aの出力方向の設定によって基準要素38aの位置が設定可能である。基準ユニット26aの出力方向は、少なくとも対象物支持体ユニット22aに対する基準ユニット26aの相対運動、好適には傾斜によって設定可能である。基準ユニット26aと対象物支持体ユニット22aとの間の相対運動は、少なくとも主計算ユニット及び/又は基準ユニット26aを用いて制御可能であり、この場合、少なくとも基準ユニット26aと対象物支持体ユニット22aとの間の相対運動は、少なくとも駆動ユニットを用いて生成可能である。相対運動が操作者によって生成可能であることも想定され得る。基準ユニット26aは、可動に、好適には旋回可能に案内ユニット14aの案内要素20aに配置される。
【0039】
基準ユニット26aは、少なくとも、少なくとも1つのさらなる基準要素40aを出力するために設けられ、この場合、基準要素38a及びさらなる基準要素40aは、対象物支持体ユニット22a上の相互に異なる位置に出力可能である。すべての基準要素は、対象物支持体ユニット22a上及び/又は対象物12a上に出力可能である。基準ユニット26aは、少なくとも、基準要素38aを対象物支持体ユニット22a上又は対象物12a上に出力するために設けられる。基準ユニット26aは、少なくとも、さらなる基準要素38aを対象物支持体ユニット22a上又は対象物12a上に出力するために設けられる。好適には、少なくとも基準ユニット26aは、少なくとも、基準要素38a及びさらなる基準要素40aを、対象物12aの2つの異なる側に、特に好適には2つの相互に離隔した側に出力するために設けられる。付加的に、基準ユニット26aが、付加的な基準要素を出力するために設けられることも想定され得、この場合、好適には、少なくとも基準ユニット26aを用いて、対象物12aの少なくとも2つの異なる側で、特に好適には少なくとも4つの異なる側で、極めて特に好適には少なくとも5つの異なる側で、それぞれ1つの基準要素38aが出力可能である。投影ユニット26aとして、少なくとも1つのプロジェクタ、好適には複数のプロジェクタを有することが想定され得、この又はこれらのプロジェクタは、少なくともすべての基準要素を出力するために設けられる。これらのプロジェクタは、例えば、異なる位置において案内ユニット14aに好適には可動に配置されるものとしてよく、あるいは少なくとも部分的に案内ユニット14aから離間して捕捉装置10aに配置されるものとしてもよい。代替的に、少なくとも基準ユニット26aがレーザユニットとして構成されることも想定され得る。
【0040】
図2は、捕捉装置10aを用いて対象物12aの複数の対象物データセットを捕捉するための方法のフローチャートを概略的に示している。
【0041】
少なくとも1つの方法ステップ30aにおいて、基準ユニット26aを用いて、対象物12aのサイズ割当てのために設けられる基準要素38aが出力される。少なくとも方法ステップ30aにおいては、基準要素38aは、対象物12aの定性的サイズ割当て、又は、対象物12aの定量的サイズ割当てのために出力される。少なくとも方法ステップ30aにおいては、基準要素38aは、少なくとも対象物12aの少なくとも1つの特性パラメータに依存して出力される。少なくとも方法ステップ30aにおいては、少なくとも1つの特性が、特に、対象物12aの少なくとも1つの特性パラメータに依存して主計算ユニット及び/又は基準ユニット26aを用いて自動的に設定されることが想定され得る。少なくとも方法ステップ30aにおいては、基準ユニット26aから複数の基準要素が出力されることが想定され得る。少なくとも方法ステップ30aにおいては、少なくとも基準要素38a及びさらなる基準要素40aが出力され、対象物支持体ユニット22a上に投影される。特に好適には、基準要素38aは、少なくとも方法ステップ30aにおいて、少なくとも、対象物12aの寸法及び/又は位置決めに依存して、対象物支持体ユニット22a上及び/又は対象物12a上に自動的に位置決めされる。少なくとも基準要素38a及びさらなる基準要素40aは、少なくとも方法ステップ30aにおいて、異なる位置に、好適には対象物12a上及び/又は対象物支持体ユニット22a上の異なる位置に出力される。
【0042】
代替的又は付加的に、少なくとも方法ステップ30aにおいて、基準要素38aが、特に捕捉された対象物データセットとは異なるファイルに格納されることが想定され得る。
【0043】
少なくとも1つの方法ステップ34aにおいて、2つの対象物データ捕捉ユニット16a,18aは、相互に離隔した側の案内要素20aにおいて、案内要素20aに沿って運動させられる。この方法ステップ34aにおいては、対象物データ捕捉ユニット16aは、複数の対象物データセットを捕捉するために、区切り要素24aによって区切られた運動領域の1つに運動させられる。主計算ユニットを用いて、特に対象物パラメータの事前捕捉に基づいて、少なくとも駆動ユニットのための動作パラメータ及び少なくとも2つの対象物データ捕捉ユニット16a,18aのための動作パラメータが少なくとも1つの方法ステップ36aにおいて自動的に確定される。方法ステップ36aにおいては、少なくとも対象物データ捕捉ユニット16a,18a及び対象物支持体ユニット22aについての位置を有するリストが作成され、ここでは、対象物データの捕捉が、対象物データ捕捉ユニット16a,18aを用いて行われる。方法ステップ34aにおいては、少なくとも対象物データ捕捉ユニット16a,18a及び対象物支持体ユニット22aは、リストの位置に制御され、この場合、それぞれの位置上で、方法ステップ34aにおいて少なくとも対象物データ捕捉ユニット16a,18aのうちの一方を用いて、対象物12aの対象物データが捕捉される。基準要素38aは、少なくとも部分的に対象物データ捕捉ユニット16a,18aを用いた対象物データの捕捉の際に捕捉される。
【0044】
図3には、本発明のさらなる実施例が示されている。以下の説明及び図面は、実質的に、実施例間の差異に限定され、この場合、同様に称される構成部品、特に参照符号が同一の構成部品に関しては、基本的に、特に
図1及び
図2の他の実施例の図面及び/又は説明が参照され得る。
図1及び
図2における実施例の参照符号に続く文字aは、実施例を区別するためのものである。そのため
図3の実施例においては、この文字aが文字bに置き換えられている。特に、さらなる実施例に関する方法は、これまでに説明した方法に類似して経過するが、当該方法は、さらなる実施例における捕捉装置の技術的な構成に関して説明される相違により、これまでに説明した実施例とは異なる可能性がある。
【0045】
図3は、対象物データの捕捉のための少なくとも1つの対象物データ捕捉ユニット16bと、対象物12bの配置のための少なくとも1つの対象物支持体ユニット22bとを備えた、少なくとも1つの対象物12bの複数の対象物データセットを少なくとも半自動捕捉するための捕捉装置10bを示している。この捕捉装置10bは、少なくとも1つの基準ユニット26bを有し、この基準ユニット26bは、少なくとも、対象物12bのサイズ割当てのための基準要素38bを出力するために設けられる。基準ユニット26bは、拡張現実ユニットとして構成され、これは、少なくとも基準要素38bを拡張現実要素として出力するために設けられる。基準ユニット26bは、少なくとも部分的に対象物データ捕捉ユニット16bによって形成される。この対象物データ捕捉ユニット16bは、少なくとも、基準要素38bを対象物データセット内に出力するための対象物データ捕捉領域を捕捉するために設けられる。主計算ユニット及び/又は拡張現実ユニットの計算ユニットを用いることにより、対象物データ捕捉ユニット16bを用いて捕捉された対象物データ捕捉領域内において基準要素38bが生成可能である。好適には、基準要素38bは、案内ユニット14bにおける対象物データ捕捉ユニット16bの位置に依存することなく生成可能である。基準要素38bは、少なくとも主計算ユニット及び/又は拡張現実ユニットの計算ユニットを用いることにより、対象物支持体ユニット22bに対して相対的な対象物データ捕捉ユニット16bの位置に適合化可能である。
【0046】
基準ユニット26bは、モニタとして構成された出力要素42bを含む。この出力要素42bは、スマートフォン、眼鏡レンズなどとして構成されることも想定され得る。拡張現実ユニットとして構成された基準ユニット26bの出力要素42bは、例えば捕捉装置10bに、好適には捕捉装置10bのハウジングユニットの外面に配置されるものとしてよい。出力要素42bが捕捉装置10bとは別個に構成され、外部要素として配置されることも想定され得、この場合、出力要素42bは、特に少なくともデータ技術的に有線又は無線で、少なくとも対象物データ捕捉ユニット16b及び/又は主計算ユニットと接続可能である。出力要素42bは、好適には、少なくとも対象物データ捕捉ユニット16bを用いて捕捉された対象物データ捕捉領域を表示するために設けられる。拡張現実ユニットは、少なくとも、基準要素38bを少なくとも出力要素42b上に出力された対象物データ捕捉領域内に生成するために設けられる。
【0047】
基準要素38bは、基準ユニット26bを用いて、少なくとも対象物データセット内の、特に対象物データ捕捉ユニット16aを用いて捕捉された対象物データ捕捉領域内の異なる位置に出力可能である。基準ユニット26bは、少なくとも、少なくとも1つのさらなる基準要素40bを出力するために設けられ、この場合、基準要素38b及びさらなる基準要素40bは、対象物データセット内の相互に異なる位置に出力可能である。基準ユニット26bが、対象物データセットの捕捉後に基準要素38bを対象物データセットに割り当てることも想定され得、この場合、基準要素38bは、特に、捕捉された対象物データとは別個のファイルに格納可能である。
【0048】
代替的に、少なくとも、基準ユニット26bが計算ユニットとして構成されていることも想定され得る。この基準ユニット26bは、対象物データセットの捕捉後に基準要素38bを対象物データセットに割り当てる。基準ユニット26bは、少なくとも、対象物12bの少なくとも1つの特性パラメータを前提として基準要素38bを生成するために設けられ、この場合、基準要素38bは、対象物12bのサイズ割当てに関する情報としてファイル内において構成されるものとしてよい。さらに、基準ユニット26bが、少なくとも、基準要素38bを捕捉された対象物データセットに割り当てるために設けられることも想定され得、この場合、基準要素38bは、好適には、対象物データとは別個のファイルに格納される。
【国際調査報告】