IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーリス ヘルス インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(54)【発明の名称】医療器具のための制御スキーム較正
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20230710BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579038
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-01-19
(86)【国際出願番号】 IB2021055494
(87)【国際公開番号】W WO2021260545
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】63/042,457
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケブラー
2.QRコード
3.ハーモニックドライブ
4.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】グレッツェル・チョーンシー・エフ
(72)【発明者】
【氏名】ポン・ラッセル・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】プリュー・サラ
(72)【発明者】
【氏名】ディビック、トニ
(72)【発明者】
【氏名】アル-ジャッダ・アーデル
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA04
4C130AA13
4C130AA19
4C130AA22
4C130AA34
4C130AA37
4C130AA44
4C130AA50
4C130AA54
4C130AB01
4C130AC03
4C130AC11
4C130AD02
4C130AD05
4C130AD12
4C130AD13
4C130AD21
4C130AD23
4C130AD25
4C130BA02
4C130BA06
4C130BA08
(57)【要約】
本明細書では、医療器具を較正するための方法、システム、及びデバイスが、論じられる。例えば、第1の器具は、第1のアクセス経路を介して解剖学的部位にアクセスするように構成することができ、第2の器具は、第2のアクセス経路を介して解剖学的部位にアクセスするように構成することができる。第2の器具は、解剖学的部位及び第1の器具を表す画像データを提供するように構成された、撮像構成要素を含み得る。第1の器具に関連付けられた第1の座標系と第2の器具に関連付けられた第2の座標系との間の差異を特定し得る。第1の機器に関連付けられた制御基準座標系は、差異に少なくとも部分的に基づいて更新され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
第1のアクセス経路を介して解剖学的部位にアクセスするように構成された第1の器具と、
前記解剖学的部位及び前記第1の器具を表す画像データを提供するように構成された撮像構成要素を含む第2の器具であって、前記第2の器具は、第2のアクセス経路を介して前記解剖学的部位にアクセスするように構成された、第2の器具と、
実行可能命令を記憶する1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、前記実行可能命令は、制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
前記第1の器具に関連付けられた第1の座標系と、前記第2の器具に関連付けられた第2の座標系との間の差異を識別することと、
前記差異に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の器具に関連付けられた制御基準座標系を更新することと、を行わせる、1つ以上のコンピュータ可読媒体と、を備える、医療システム。
【請求項2】
前記第1の座標系は、前記第1の器具の遠位端のロールを示し、前記第2の座標系は、前記第2の器具の遠位端のロールを示す、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し、前記実行可能命令は、前記制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
位置合わせインジケータを表示することであって、前記位置合わせインジケータは、前記第1の座標系を表す、ことと、
前記位置合わせインジケータに対する調整を含む入力を受信することと、を行わせ、
前記第1の座標系と前記第2の座標系との間の前記差異は、前記位置合わせインジケータに対する前記調整に少なくとも部分的に基づいて特定される、請求項1に記載の医療システム。
【請求項4】
前記第1の器具は、前記第1の器具上の1つ以上のマーキングを含み、前記位置合わせインジケータは、前記1つ以上のマーキングの向きを表す、請求項3に記載の医療システム。
【請求項5】
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し、前記実行可能命令は、前記制御回路によって実行されると、前記制御回路にユーザインターフェースを表示させ、前記ユーザインターフェースは、前記画像データの画像表現と、前記位置合わせインジケータと、を含み、前記位置合わせインジケータは、リングと、前記1つ以上のマーキングの前記向きを表す1つ以上のマーキングインジケータと、を含む、請求項4に記載の医療システム。
【請求項6】
前記第1の器具に接続し、前記第1の器具の移動を制御するように構成されたロボットマニピュレータを更に備え、
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し、前記実行可能命令は、前記制御回路によって実行されると、前記制御回路に前記ロボットマニピュレータの位置又は向きのうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1の座標系を決定させる、請求項1に記載の医療システム。
【請求項7】
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し、前記実行可能命令は、前記制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
入力デバイスから方向入力信号を受信することであって、前記方向入力信号は、前記第1の器具の移動方向を示す、ことと、
前記方向入力信号及び前記制御基準座標系に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の器具の移動を制御することと、を行わせる、請求項1に記載の医療システム。
【請求項8】
方法であって、
制御回路が、標的解剖学的部位に位置する第1の器具から画像データを受信することであって、前記画像データは、第2の器具の少なくとも一部を表す、ことと、
前記画像データの画像表現を表示することと、
前記画像表現における前記第2の器具の向きを示す入力を受信することと、
前記制御回路が、前記入力に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の器具のための制御スキームを較正することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記第2の器具の移動方向を示す方向入力を受信することと、
前記方向入力及び前記制御スキームに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の器具の移動を制御することと、を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記制御スキームを前記較正することは、
前記入力に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の器具に対する前記第1の器具の遠位端のロールを決定することと、
前記第2の器具に対する前記第1の器具の前記遠位端の前記ロールに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の器具を制御するために使用される制御基準座標系を調整することと、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の器具に対する前記第1の器具の前記ロールを前記決定することは、前記第2の器具の遠位端に対する前記第1の器具の遠位端のロールを決定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の器具の前記向きを表す位置合わせインジケータを表示することを更に含み、
前記入力を前記受信することは、前記位置合わせインジケータに対する調整を受信することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の器具は、前記第2の器具の遠位端上に1つ以上のマーキングを含み、前記位置合わせインジケータは、前記1つ以上のマーキングの向きを表す、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の器具は、内視鏡であり、前記第2の器具は、カテーテルである、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
標的解剖学的部位に位置する直接的アクセス器具から画像データを受信することであって、前記画像データは、前記標的解剖学的部位に位置する経皮的アクセス器具の少なくとも一部を表す、ことと、
前記画像データに少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具に対する前記直接的アクセス器具の遠位端のロールを示すロールデータを生成することと、
前記ロールデータに少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具の移動を制御することと、を含む動作を実行させる、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記直接的アクセス器具は、内視鏡を含み、前記経皮的アクセス器具は、カテーテルを含む、請求項15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記ロールデータは、前記経皮的アクセス器具に関連付けられた座標系に対する、前記直接的アクセス器具に関連付けられた座標系の向きを示す、請求項15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記画像データは、1つ以上のマーキングを含む前記経皮的アクセス器具の遠位端を表す、請求項15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記動作は、
前記画像データの画像表現を表示させることと、
位置合わせインジケータを表示させることであって、前記位置合わせインジケータは、前記経皮的アクセス器具の推定された向きを表す、ことと、
前記位置合わせインジケータに対する調整を含む入力を受信することと、を更に含み、
前記ロールデータは、前記位置合わせインジケータに対する前記調整に少なくとも部分的に基づいて生成される、請求項15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記動作は、
前記経皮的アクセス器具を制御するように構成されたロボットマニピュレータの位置又は向きのうちの少なくとも1つに基づいて、前記経皮的アクセス器具の前記推定された向きを決定することを更に含む、請求項19に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記動作は、
入力デバイスから方向入力信号を受信することであって、前記方向入力信号は、前記経皮的アクセス器具の移動方向を示す、ことを更に含み、
前記経皮的アクセス器具の移動を前記制御することは、前記ロールデータに少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具の移動を制御するための制御信号を生成することを含む、請求項15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記動作は、
前記画像データを使用して1つ以上の画像処理技法を実行することと、
前記1つ以上の画像処理技法に少なくとも部分的に基づいて、前記直接的アクセス器具に対する前記経皮的アクセス器具の向きを決定することと、を更に含み、
前記ロールデータは、前記直接的アクセス器具に対する前記経皮的アクセス器具の前記向きに少なくとも部分的に基づいて生成される、請求項15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
前記動作は、
前記画像データの画像表現をユーザインターフェースを介して表示させることと、
命令を前記ユーザインターフェースを介して表示させることであって、前記命令は、入力デバイス上の特定の方向制御部を選択することを示す、ことと、
前記入力デバイスから方向入力信号を受信することであって、前記方向入力信号は、前記特定の方向制御部に関連付けられている、ことと、
前記ユーザインターフェースに対して前記経皮的アクセス器具が移動した方向を示す入力を受信することと、を更に含み、
前記ロールデータは、前記入力に少なくとも部分的に基づいて生成される、請求項15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
前記動作は、
前記画像データの画像表現をユーザインターフェースを介して表示させることと、
命令を前記ユーザインターフェースを介して表示させることであって、前記命令は、前記ユーザインターフェースに対して前記経皮的アクセス器具を特定の方向に移動させることを示す、ことと、
前記入力デバイスから方向入力信号を受信することと、
前記方向入力信号に少なくとも部分的に基づいて移動するように、前記経皮的アクセス器具を制御することと、を更に含み、
前記ロールデータは、前記方向入力信号に少なくとも部分的に基づいて生成される、請求項15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項25】
システムであって、
直接的アクセス器具を操作するように構成された第1のロボットマニピュレータと、
経皮的アクセス器具を操作するように構成された第2のロボットマニピュレータと、
前記第1のロボットマニピュレータ及び前記第2のロボットマニピュレータに通信可能に結合された制御回路と、を備え、前記制御回路は、
前記直接的アクセス器具から画像データを受信することであって、前記画像データは、前記経皮的アクセス器具の少なくとも一部を表す、ことと、
前記画像データの画像表現を表示させることと、
前記画像表現における前記経皮的アクセス器具の向きを示す入力を受信することと、
前記入力に少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具のための制御スキームを較正することと、を含む動作を実行するように構成されている、システム。
【請求項26】
患者の自然内腔を介して、標的解剖学的部位にアクセスするように構成された前記直接的アクセス器具と、
前記患者内の経皮的アクセス経路を介して、前記標的解剖学的部位にアクセスするように構成された前記経皮的アクセス器具であって、前記経皮的アクセス器具は、遠位端に1つ以上のマーキングを含む、前記経皮的アクセス器具と、を更に備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記画像表現と、前記1つ以上のマーキングの向きを表す1つ以上のマーキングインジケータを含む位置合わせインジケータと、を表示するように構成されたディスプレイを更に備え、
前記入力は、前記位置合わせインジケータに対する調整を含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記直接的アクセス器具は、内視鏡を含み、前記経皮的アクセス器具は、カテーテルを含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記制御スキームを前記較正することは、
前記入力に少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具に対する前記直接的アクセス器具の遠位端のロールを決定することと、
前記経皮的アクセス器具に対する前記直接的アクセス器具の前記遠位端の前記ロールに少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具を制御するために使用される制御基準座標系を調整することと、を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
前記動作は、
前記経皮的アクセス器具の移動方向を示す第1の方向入力信号を受信することと、
前記第1の方向入力信号及び前記制御スキームに少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具の移動を制御することと、を更に含む、請求項25に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年6月22日に出願され、「CONTROL SCHEME CALIBRATION FOR MEDICAL INSTRUMENTS」と題する米国特許仮出願第63/042,457号の優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、医療デバイス及び医療手技の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な医療手技は、1つ以上のスコープ及び/又は経皮的アクセス器具の使用を伴う。ある特定の手術プロセスは、1つ以上の装置を患者の皮膚及び他の解剖学的構造を通して挿入して治療部位に到達させ、尿路結石などの物体を患者から摘出することを伴い得る。かかるデバイスの不適切な位置又は前進は、特定の生理学的合併症及び手技上の合併症をもたらし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実装形態では、本開示は、医療システムであって、第1のアクセス経路を介して解剖学的部位にアクセスするように構成された第1の器具と、解剖学的部位及び第1の器具を表す画像データを提供するように構成された撮像構成要素を含む第2の器具と、実行可能命令を記憶する1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、実行可能命令は、制御回路によって実行されると、制御回路に、第1の器具に関連付けられた第1の座標系と、第2の器具に関連付けられた第2の座標系との間の差異を識別することと、差異に少なくとも部分的に基づいて、第1の器具に関連付けられた制御基準座標系を更新することと、を行わせる、1つ以上のコンピュータ可読媒体と、を備える、医療システムに関する。第2の器具は、第2のアクセス経路を介して解剖学的部位にアクセスするように構成されている。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1の座標系は、第1の器具の遠位端のロールを示し、第2の座標系は、第2の器具の遠位端のロールを示す。
【0006】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し、その実行可能命令は、制御回路によって実行されると、制御回路に、位置合わせインジケータを表示することであって、位置合わせインジケータは、第1の座標系を表す、ことと、位置合わせインジケータに対する調整を含む入力を受信することと、を行わせる。第1の座標系と第2の座標系との間の差異は、位置合わせインジケータに対する調整に少なくとも部分的に基づいて識別され得る。いくつかの実施形態では、第1の器具は、第1の器具上に1つ以上のマーキングを含み、位置合わせインジケータは、1つ以上のマーキングの向きを表す。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し、実行可能命令は、制御回路によって実行されると、制御回路に、ユーザインターフェースを表示させる。ユーザインターフェースは、画像データ及び位置合わせインジケータの画像表現を含み得る。位置合わせインジケータは、リングと、1つ以上のマーキングの向きを表す、1つ以上のマーキングインジケータと、を含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、医療システムは、第1の器具に接続し、第1の器具の動きを制御するように構成されたロボットマニピュレータを更に備える。1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し得、その実行可能命令は、制御回路によって実行されると、制御回路に、ロボットマニピュレータの位置又は向きのうちの少なくとも1つに基づいて、第1の座標系を決定させる。
【0008】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し得、実行可能命令は、制御回路によって実行されると、制御回路に、入力デバイスから方向入力信号を受信することと、方向入力信号及び制御基準座標系に少なくとも部分的に基づいて、第1の器具の移動を制御することと、を行わせる。方向入力信号は、第1の器具の移動方向を示し得る。
【0009】
いくつかの実装形態では、本開示は、制御回路によって、標的解剖学的部位に位置する第1の器具から、画像データを受信することを含む方法に関する。画像データは、第2の器具の少なくとも一部を表す。本方法は、画像データの画像表現を表示することと、画像表現における第2の器具の向きを示す入力を受信することと、制御回路が、入力に少なくとも部分的に基づいて、第2の器具のための制御スキームを較正することと、を更に含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、本方法は、第2の器具の移動方向を示す方向入力を受信することと、方向入力及び制御スキームに少なくとも部分的に基づいて、第2の器具の移動を制御することと、を更に含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、制御スキームを較正することは、入力に少なくとも部分的に基づいて、第2の器具に対する第1の器具の遠位端のロールを決定することと、第2の器具に対する第1の器具の遠位端のロールに少なくとも部分的に基づいて、第2の器具を制御するために使用される制御基準座標系を調整することとを含む。第2の器具に対する第1の器具のロールを決定することは、第2の器具の遠位端に対する第1の器具の遠位端のロールを決定することを含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法は、第2の器具の向きを表す位置合わせインジケータを表示することを、更に含む。入力を受信することは、位置合わせインジケータに対する調整を受信することを含み得る。第2の器具は、第2の器具の遠位端上に1つ以上のマーキングを含むことができ、位置合わせインジケータは、1つ以上のマーキングの向きを表すことができる。第1の器具は、内視鏡であってもよく、第2の器具は、カテーテルであってもよい。
【0013】
いくつかの実装形態では、本開示は、コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体に関し、コンピュータ実行可能命令は、制御回路によって実行されると、制御回路に、標的解剖学的部位に位置する直接的アクセス器具から画像データを受信することを含む動作を行わせる。画像データは、標的解剖学的部位に位置する経皮的アクセス器具の少なくとも一部分を表す。動作は、画像データに少なくとも部分的に基づいて、経皮的アクセス器具に対する直接的アクセス器具の遠位端のロールを示すロールデータを生成することと、ロールデータに少なくとも部分的に基づいて、経皮的アクセス器具の移動を制御することと、を更に含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、直接的アクセス器具は、内視鏡を含み、経皮的アクセス器具は、カテーテルを含む。ロールデータは、経皮的アクセス器具に関連付けられた座標系に対する、直接的アクセス器具に関連付けられた座標系の向きを示し得る。画像データは、1つ以上のマーキングを含む経皮的アクセス器具の遠位端を表すことができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、動作は、画像データの画像表現を表示させることと、位置合わせインジケータを表示させることと、位置合わせインジケータに対する調整を含む入力を受信することと、を更に含む。位置合わせインジケータは、経皮的アクセス器具の推定された向きを表すことができる。ロールデータは、位置合わせインジケータに対する調整に少なくとも部分的に基づいて生成され得る。動作は、経皮的アクセス器具を制御するように構成されたロボットマニピュレータの位置又は向きのうちの少なくとも1つに基づいて、経皮的アクセス器具の推定された向きを決定することを更に含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、動作は、入力デバイスから方向入力信号を受信することを更に含む。方向入力信号は、経皮的アクセス器具の移動方向を示し得る。経皮的アクセス器具の移動を制御することは、ロールデータに少なくとも部分的に基づいて、経皮的アクセス器具の移動を制御するための制御信号を生成することを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、動作は、画像データを使用して1つ以上の画像処理技法を実行することと、1つ以上の画像処理技法に少なくとも部分的に基づいて、直接的アクセス器具に対する経皮的アクセス器具の向きを決定することと、を更に含む。ロールデータは、直接的アクセス器具に対する経皮的アクセス器具の向きに少なくとも部分的に基づいて生成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、動作は、画像データの画像表現をユーザインターフェースを介して表示させることと、命令をユーザインターフェースを介して表示させることであって、命令は、入力デバイス上の特定の方向制御部を選択することを示す、ことと、入力デバイスから方向入力信号を受信することであって、方向入力信号は、特定の方向制御部に関連付けられている、ことと、ユーザインターフェースに対して経皮的アクセス器具が移動した方向を示す入力を受信することと、を更に含む。ロールデータは、入力に少なくとも部分的に基づいて生成され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、動作は、画像データの画像表現をユーザインターフェースを介して表示させることと、命令をユーザインターフェースを介して表示させることであって、命令は、ユーザインターフェースに対して経皮的アクセス器具を特定の方向に移動させることを示す、ことと、入力デバイスから方向入力信号を受信することと、方向入力信号に少なくとも部分的に基づいて移動するように、経皮的アクセス器具を制御することと、を更に含む。ロールデータは、方向入力信号に少なくとも部分的に基づいて生成され得る。
【0020】
いくつかの実装形態では、本開示は、システムであって、直接的アクセス器具を操作するように構成された第1のロボットマニピュレータと、経皮的アクセス器具を操作するように構成された第2のロボットマニピュレータと、第1のロボットマニピュレータ及び第2のロボットマニピュレータに通信可能に結合された制御回路と、を備える、システムに関する。制御回路は、直接的アクセス器具から画像データを受信することであって、画像データは、経皮的アクセス器具の少なくとも一部を表す、ことと、画像データの画像表現を表示させることと、画像表現における経皮的アクセス器具の向きを示す入力を受信することと、入力に少なくとも部分的に基づいて、経皮的アクセス器具のための制御スキームを較正することと、を含む動作を実行するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、システムは、患者の自然管腔を介して標的解剖学的部位にアクセスするように構成された、直接的アクセス器具を更に備える。経皮的アクセス器具は、患者内の経皮的アクセス経路を介して標的解剖学的部位にアクセスするように構成され得る。経皮的アクセス器具は、遠位端上に1つ以上のマーキングを含み得る。システムは、画像表現と、1つ以上のマーキングの向きを表す1つ以上のマーキングインジケータを含む位置合わせインジケータと、を表示するように構成されたディスプレイを更に備え得る。入力は、位置合わせインジケータに対する調整を含み得る。直接的アクセス器具は、内視鏡を含むことができ、経皮的アクセス器具は、カテーテルを含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、制御スキームを較正することは、入力に少なくとも部分的に基づいて、経皮的アクセス器具に対する直接的アクセス器具の遠位端のロールを決定することと、経皮的アクセス器具に対する直接的アクセス器具の遠位端のロールに少なくとも部分的に基づいて、経皮的アクセス器具を制御するために使用される制御基準座標系を調整することとを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、動作は、経皮的アクセス器具の移動方向を示す第1の方向入力信号を受信することと、第1の方向入力信号及び制御スキームに少なくとも部分的に基づいて、経皮的アクセス器具の移動を制御することとを更に含む。
【0024】
本開示を要約する目的のために、ある特定の態様、利点、及び新規の特徴が記載されている。必ずしも全てのかかる利点が任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではないことを理解されたい。したがって、開示された実施形態は、本明細書で教示又は提案され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点の群を達成又は最適化する様式で、実行され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
様々な実施形態が、例示目的のために添付の図面に描写されるが、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。加えて、異なる開示された実施形態の様々な特徴は、本開示の一部である追加の実施形態を形成するために組み合わせることができる。図面の全体を通して、参照番号は、参照要素間の対応を示すために再利用され得る。
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、様々な医療手技を実施するための例示的医療システムを示す図である。
図2】1つ以上の実施形態による、患者の泌尿器系の部分に配設された例示的スコープを示す図である。
図3】1つ以上の実施形態による、患者の腎臓に配設された例示的カテーテルを示す図である。
図4-1】1つ以上の実施形態による、カテーテルがスコープに正対しているときの直接制御モードでのカテーテルの駆動を示す図である。
図4-2】1つ以上の実施形態による、カテーテルがスコープに正対しているときの直接制御モードでのカテーテルの駆動を示す図である。
図5-1】1つ以上の実施形態による、カテーテル及びスコープが実質的に同じ方向を向いているときの直接制御モードにおけるカテーテルの駆動を示す図である。
図5-2】1つ以上の実施形態による、カテーテル及びスコープが実質的に同じ方向を向いているときの直接制御モードにおけるカテーテルの駆動を示す図である。
図6-1】1つ以上の実施形態による、カテーテルがスコープに正対しているときの反転制御モードでのカテーテルの駆動を示す図である。
図6-2】1つ以上の実施形態による、カテーテルがスコープに正対しているときの反転制御モードでのカテーテルの駆動を示す図である。
図7】1つ以上の実施形態による、医療器具を制御/ナビゲーションするための例示的なインターフェースを示す図である。
図8】1つ以上の実施形態による、医療器具を、別の医療器具の視点から制御するためのプロセスの例示的なフロー図である。
図9-1】1つ以上の実施形態による、医療器具の座標系に対する異なる制御モードの場合の、一人称視点からの医療器具の駆動の例示的な実装形態を示す図である。
図9-2】1つ以上の実施形態による、医療器具の座標系に対する異なる制御モードの場合の、一人称視点からの医療器具の駆動の例示的な実装形態を示す図である。
図10-1】1つ以上の実施形態による、医療器具の座標系及び制御フレームに対する異なる制御モードの場合の、三人称視点からの医療器具の駆動の例示的な実装形態を示す図である。
図10-2】1つ以上の実施形態による、医療器具の座標系及び制御フレームに対する異なる制御モードの場合の、三人称視点からの医療器具の駆動の例示的な実装形態を示す図である。
図11】1つ以上の実施形態による、医療器具のための制御スキームを較正するための例示的なインターフェースを示す図である。
図12】1つ以上の実施形態による、医療器具のための制御スキームを較正するための例示的なインターフェースを示す図である。
図13】1つ以上の実施形態による、医療器具のための制御スキーム/制御基準座標系を較正するためのプロセスの例示的なフロー図である。
図14-1】1つ以上の実施形態による、医療器具のための制御フレームを較正する例示的な実装形態を示す図である。
図14-2】1つ以上の実施形態による、医療器具のための制御フレームを較正する例示的な実装形態施を示す図である。
図14-3】1つ以上の実施形態による、医療器具のための制御フレームを較正する例示的な実装形態を示す図である。
図14-4】1つ以上の実施形態による、医療器具のための制御フレームを較正する例示的な実装形態を示す図である。
図15】1つ以上の実施形態による、患者内にスコープを挿入するのを支援するように配列された図1の医療システムの上部を示す図である。
図16】1つ以上の実施形態による、患者内のスコープをナビゲーションするように配列された図1の医療システムの上部を示す図である。
図17】1つ以上の実施形態による、患者内に針を挿入するのを支援するように配列された図1の医療システムの上部を示す図である。
図18】1つ以上の実施形態による、患者内のカテーテルをナビゲーションするように配列された図1の医療システムの上部を示す図である。
図19】1つ以上の実施形態による、図1のロボットシステムの例示的な詳細図である。
図20】1つ以上の実施形態による、図1の制御システムの例示的な詳細図である。
図21A】1つ以上の実施形態による、コントローラの例示的な詳細図である。
図21B】1つ以上の実施形態による、コントローラの例示的な詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書で提供される見出しは、単に便宜的なものに過ぎず、必ずしも開示の範囲又は意味に影響を及ぼすものではない。特定の好ましい実施形態及び実施例が以下に開示されるが、主題は、具体的に開示された実施形態を超えて他の代替実施形態及び/又は用途まで、並びにそれらの修正及び均等物まで拡張する。したがって、本明細書から生じ得る特許請求の範囲は、以下に記載される特定の実施形態のうちのいずれかによって限定されない。例えば、本明細書に開示される任意の方法又はプロセスでは、方法又はプロセスの行為又は動作は、任意の好適な順序で実施され得、必ずしも任意の特定の開示された順序に限定されない。様々な動作が、特定の実施形態を理解することに役立ち得る様式で、複数の別個の動作として説明され得る。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が順序依存的であることを暗示すると解釈されるべきではない。加えて、本明細書に記載の構造、システム、及び/又はデバイスは、統合された構成要素として、又は別個の構成要素として具現化され得る。様々な実施形態を比較する目的のために、これらの実施形態の特定の態様及び利点が記載される。必ずしも全てのそのような態様又は利点が、任意の特定の実施形態によって達成されるわけではない。したがって、例えば、様々な実施形態は、本明細書で同様に教示又は提案され得るような他の態様又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点の群を達成又は最適化する様式で、実行され得る。
【0027】
場所の特定の標準的な解剖学的用語が、本明細書では、好ましい実施形態に関して、動物、すなわち、ヒトの解剖学的構造を指すために使用される。「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、及び同様の用語などの特定の空間的に相対的な用語は、本明細書では、1つの装置/要素又は解剖学的構造の別の装置/要素又は解剖学的構造との空間的関係を説明するために使用されるが、これらの用語は、図面に図示されるように、要素(複数可)/構造(複数可)の間の位置関係を説明するための説明を容易にするために本明細書で使用されることが理解される。空間的に相対的な用語は、図面に描写される配向に加えて、使用又は動作時の要素(複数可)/構造(複数可)の異なる配向を包含することを意図していると理解されたい。例えば、別の要素/構造の「上方」として記載される要素/構造は、対象患者又は要素/構造の代替配向に対してそのような他の要素/構造の下方にある、又はその傍にある位置を表し得、逆もまた同様である。
【0028】
概説
本開示は、特定の医療手技を補助するために、医療器具を制御及び/又は較正するためのシステム、デバイス、及び方法に関する。本開示のある特定の態様は、腎臓結石の除去/治療手技などの腎臓、泌尿器、及び/又は腎臓学的な手技の文脈において本明細書で詳細に記載されるが、かかる文脈は、便宜上提供され、本明細書に開示される概念は、任意の適切な医療手技に適用可能であることを理解されたい。しかしながら、上述のように、腎臓/泌尿器の解剖学的構造並びに関連する医学的問題及び手技の記載が、本明細書に開示される概念の記載を補助するために以下に提示される。
【0029】
尿路結石症としても知られる腎臓結石病は、比較的よく見られる医学的状態であり、「腎臓結石」、「尿路結石」、「腎結石」、「腎臓結石症」、又は「腎結石症」と称される物質の固体片の尿路内の形成を伴う。尿路結石は、腎臓、尿管、及び膀胱内で形成され、かつ/又は見出され得る(「膀胱結石」と称される)。尿路結石は、濃縮されたミネラル分の結果として形成し、尿管又は尿道を通した尿流を妨げるために十分なサイズに達すると、著しい腹痛を引き起こし得る。尿路結石は、カルシウム、マグネシウム、アンモニア、尿酸、システイン、及び/又は他の化合物から形成され得る。
【0030】
一般に、腎臓結石を有する患者を治療するためのいくつかの方法があり、これには、観察、医学的治療(排除療法など)、非侵襲的治療(体外衝撃波結石破砕法(extracorporeal shock wave lithotripsy、ESWL)など)、及び外科的治療(尿管鏡術及び経皮的腎切石術(ureteroscopy and percutaneous nephrolithotomy、「PCNL」)など)が挙げられる。外科的アプローチでは、医師は、病変(すなわち、除去される物体、例えば、結石)へのアクセスを得て、結石を、小片又は断片に破砕し、比較的小さい結石断片/粒子が、腎臓から取り出される。
【0031】
場合によっては、医師は、膀胱及び/又は尿管から尿路結石を除去するために、尿管鏡を使用することがあり得る。典型的には、尿管鏡は、尿路の可視化を可能にするように構成された内視鏡をその遠位端に含む。尿管鏡はまた、尿路結石を捕捉又は破砕するための結石摘出機構を含むこともできる。尿管鏡術実施中、医師は、尿道を通して尿路内に尿管鏡を挿入することがある。1人の医師/技師が、尿管鏡の位置を制御し得る一方で、別の1人の医師/技師は、切石術機構(複数可)を制御し得る。
【0032】
他の場合では、医師は、経皮的腎切石術(「PCNL」)技法を使用して、大きすぎるか又は他の形態の治療に抵抗する結石を、除去し得る。この技法は、皮膚を通して(すなわち、経皮的に)腎盂尿管鏡を挿入し、結石(複数可)を破砕及び/又は除去することを伴う。いくつかの実装形態では、蛍光透視法が手技中に使用され、腎盂尿管鏡及び/又は他の器具を誘導することを補助する。しかしながら、蛍光透視法は、蛍光透視鏡自体のコスト、並びに蛍光透視鏡を操作する技師のコストにより、腎石切除手技のコストを概して増加させる。蛍光透視法はまた、比較的長期間にわたって患者を放射線に曝露する。蛍光透視法でさえも、腎臓結石(複数可)にアクセスするための経皮的切開を正確に加えることは、困難であり、不必要に不正確であり得る。更に、いくつかの腎石切除技法は、2日間又は3日間の入院を伴う。要するに、特定の腎石切除ソリューションは、比較的高価であり、患者にとって問題となり得る。
【0033】
本開示の態様による特定の医療手技によれば、医療システムは、複数の医療器具を実装して、尿路結石を患者から除去するか、又は別の医療手技を実行し得る。医療システムは、尿路結石にアクセスし、かつ/又は患者から結石を除去するために、1つ以上の医療器具と係合し、かつ/又はそれを制御する、ロボットツールを含み得る。例えば、医師は、医療システムを操作して、患者内の自然アクセス経路を通して治療部位まで、例えば、尿道を通して、腎臓結石が位置する腎臓まで、スコープを駆動し得る。医師は、スコープを使用して、カテーテルが腎臓結石の除去を支援するためのスコープと合流する標的部位を、指定し得る。医師は、医療システムを操作して、経皮的アクセス経路を通してカテーテルを挿入し、スコープが位置する治療部位までカテーテルをナビゲーションし得る。いくつかの実施形態では、医療システムは、カテーテル及び/又はスコープを駆動する際に医師を支援するための機能を提供し得る。例えば、医療システムは、医師がスコープの視点からカテーテルを駆動することを可能にし得る。そのために、医療システムは、スコープの視点からの画像データ(例えば、スコープからの画像)とのインターフェースを提供し得る。画像データは、治療部位におけるカテーテルを描写し得る。医療システムは、カテーテルに対するスコープの向きを判定し、カテーテルを移動させるための医師からの入力が受信されると、そのような情報を使用して、カテーテルをスコープに対して適切な方向に駆動し得る。医師は、カテーテルの動きを、インターフェースを通して見ることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、医療システムは、スコープの視点からカテーテルを駆動する際に医師を支援するために、1つ以上の制御モードを容易にし得る。例えば、医療システムは、カテーテルの移動方向が反転される反転制御モードを実装することができる(例えば、右入力が受信されると、カテーテルはカテーテルに対して左に移動し、逆もまた同様である)。これは、カテーテルがスコープに対して、より正対しているように位置決めされる(例えば、カテーテルの先端がスコープの先端に面している)場合に有用であり得る。例えば、カテーテルがスコープに面しており、左入力が受信される場合、カテーテルは、カテーテルを制御するために使用されるインターフェースに対して左に移動し得る。更に、医療システムは、カテーテルの移動方向が反転されない直接制御モードを実装することができる(例えば、カテーテルは、左入力が受信されると、カテーテルに対して左に移動し、右入力が受信されると、カテーテルに対して右に移動する)。これは、カテーテルがスコープに対してより平行に位置決めされる(例えば、カテーテルの先端とスコープの先端とが実質的に同じ方向を向いている)場合に有用であり得る。例えば、カテーテル及びスコープが同じ方向を向いており、左入力が受信される場合、カテーテルは、カテーテルを制御するために使用されるインターフェースに対して左に移動し得る。医療システムは、医師などからの入力に基づいて、制御モードを自動的に選択し得る。
【0035】
更に、いくつかの実施形態では、医療システムは、医療器具のための制御スキームを較正する機能を提供し得る。そのような較正は、医療システムが医療器具の向きを、不正確に追跡するか又はそうでなければ認識しない場合に有用であり得るのは、こうしたことが起こると、スコープの視点からカテーテルを制御するときなど、別の医療器具を制御するときに方向の誤りをもたらし得るためである。例えば、スコープの視点から制御されるカテーテルのための制御スキームを較正するために、医療システムは、カテーテルの遠位端に対するスコープの遠位端の向きなど、カテーテルに対するスコープの向きを決定し得る。いくつかの実施形態では、医療システムは、医師がカテーテルの向きを指定することを可能にするために、スコープの視点からカテーテルを描写し、1つ以上のインターフェース要素を描写する画像データを、ユーザインターフェースに提供し得る。更に、いくつかの実施形態では、医療システムは、スコープ及び/又はカテーテルからの画像データ及び/又は他のセンサのデータを分析して、カテーテルに対するスコープの向きを識別し得る。更に、他の技法が、カテーテルに対するスコープの向きを識別するために使用されてもよい。いずれにしても、医療システムは、向きの情報を使用して、カテーテルの制御に関連する制御スキームを調整し得る。そのような調整は、入力が医師によって提供されるとき、カテーテルがスコープに対して適切な方向に移動することを可能にし得る。
【0036】
いくつかの実装形態では、本開示は、ロボット支援医療手技に関し、ロボットツールは、医師が標的解剖学的部位のための、内視鏡のアクセス及び/若しくは経皮的アクセス、並びに/又は内視鏡による治療及び/又は経皮的治療を行うことを可能にし得る。例えば、ロボットツールは、患者内の標的部位にアクセスし、かつ/又は標的部位において治療を行うために、1つ以上の医療器具と係合し、かつ/又はそれを制御し得る。いくつかの場合には、ロボットツールは、医師によって誘導/制御される。他の場合には、ロボットツールは、自動的又は半自動的に動作する。多くの技法がロボット支援医療手技の文脈で論じられるが、それらの技法は、ロボットツールを実装しない、又は比較的少ない動作(例えば、閾値数未満)のためにのみロボットツールを実装する手技など、他のタイプの医療手技にも適用可能であり得る。
【0037】
本明細書に説明される実施例のうちのいくつかでは、物体除去手技は、腎臓からの腎臓結石の除去に関する。しかしながら、本開示は、腎臓結石除去のみに限定されない。例えば、以下の説明は、経皮的及び/又は内視鏡的アクセスを介して治療部位又は患者の体腔(例えば、食道、尿管、腸、眼など)から除去することができる任意の物体を含む、物体の患者からの除去に関する他の外科/医療手術又は医療手技、例えば、胆嚢結石除去、肺臓(肺/経胸腔)腫瘍生検、又は白内障摘出などにも適用可能である。
【0038】
医療システム
図1は、本開示の態様による、様々な医療手技を実施するための例示的医療システム100を図示する。医療システム100は、医療器具120、医療器具130、及び/又は他の医療器具と係合し、かつ/又はそれらを制御して、患者140に対して手技を実施するように構成された、ロボットシステム110を含む。医療システム100はまた、ロボットシステム110とのインターフェースを有し、手技に関する情報を提供し、かつ/又は種々の他の動作を実行するように構成された制御システム150も含む。例えば、制御システム150は、医師160を支援するために、ある特定の情報を提示するディスプレイ(複数可)152を含み得る。医療システム100は、患者140を保持するように構成されたテーブル170を含み得る。いくつかの実施形態では、医療システム100はまた、Cアームに一体化され、かつ/又は蛍光透視術タイプの手技などの手技中に撮像を提供するように構成され得る撮像デバイス180を含み得る。様々な行為が、医師160によって行われるものとして本明細書に記載されている。これらの行為は、医師160によって直接、医師160の指示の下にあるユーザによって、別のユーザ(例えば、技術者)によって、それらの組み合わせによって、及び/又は任意の他のユーザによって実行され得ることを理解されたい。
【0039】
図1の実施例では、医療器具120は、スコープとして実装され、医療器具130は、カテーテルとして実装される。こうして、考察を容易にするために、医療器具120は、「スコープ120」又は「直接的アクセス/エントリー器具120」と称され、医療器具130は、「カテーテル130」又は「経皮的アクセス/エントリー器具130」と称される。しかしながら、医療器具120及び医療器具130は各々、例えば、スコープ(「内視鏡」と称されることもある)、カテーテル、針、ガイドワイヤ、腎石砕石器、バスケット回収デバイス、鉗子、バキューム、針、メス、撮像プローブ、ジョー、ハサミ、把持器、針ホルダ、マイクロ切開器具、ステープルアプライヤ、タッカ、吸引/灌注ツール、クリップアプライヤなどを含む、任意のタイプの医療器具として実装され得る。いくつかの実施形態では、医療器具が、操縦可能デバイスである一方で、他の実施形態では、医療器具は、操縦不可能デバイスである。いくつかの実施形態では、外科用ツールは、針、メス、ガイドワイヤなどの、人体解剖学的構造を穿刺するか、又はそれを通して挿入されるように構成されたデバイスを指す。しかしながら、外科用ツールは、他のタイプの医療器具も指し得る。
【0040】
「スコープ」又は「内視鏡」という用語は、本明細書では、それらの広義及び通常の意味に従って使用され、画像生成、視認、及び/又は取り込み機能性を有し、身体の任意のタイプの臓器、腔、管腔、室、及び/又は隙に導入されるように構成された任意のタイプの細長い医療器具を指すことができる。例えば、本明細書におけるスコープ又は内視鏡への言及は、(例えば、尿路にアクセスするための)尿管鏡、腹腔鏡、(例えば、腎臓にアクセスするための)腎孟尿管鏡、(例えば、気管支などの気道にアクセスするための)気管支鏡、(例えば、結腸にアクセスするための)結腸鏡、(例えば、関節にアクセスするための)関節鏡、(例えば、膀胱にアクセスするための)膀胱鏡、ボアスコープなどを指すことができる。スコープ/内視鏡は、いくつかの事例では、剛性又は可撓性チューブを備えてもよく、外側シース、カテーテル、導入器、若しくは他の管腔型デバイス内を通過させられるように寸法決めされ得るか、又はそのようなデバイスを用いることなく使用され得る。
【0041】
「直接的エントリー」又は「直接的アクセス」という用語は、本明細書では、それらの広義及び通常の意味に従って使用され、患者の身体内の自然の又は人工の開口部を通した器具類の任意のエントリーを指し得る。例えば、図1を参照すると、上述したように、スコープ120は、患者140の尿路内に尿道を介して入るので、直接的アクセス器具と呼ばれ得る。
【0042】
「経皮的エントリー」又は「経皮的アクセス」という用語は、本明細書では、それらの広義及び通常の意味に従って使用され、患者の皮膚を通した、及び手技に関連付けられた標的解剖学的場所(例えば、腎臓の腎杯網)に到達するために必要な任意の他の身体層を通した、器具類の穿刺及び/又は小切開などによるエントリーを指し得る。したがって、経皮的アクセス器具は、針、メス、ガイドワイヤ、シース、シャフト、スコープ、カテーテルなど、皮膚及び/又は他の組織/解剖学的構造を穿刺するように構成された、又はそれを通して挿入されるように構成された医療器具、デバイス、又はアセンブリを指す場合がある。しかしながら、経皮的アクセス器具は、本開示の文脈において他のタイプの医療器具を指し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、経皮的アクセス器具は、穿刺及び/又は小切開を容易にするデバイスとともに、患者の皮膚を通して挿入又は実装される器具/デバイスを指す。例えば、カテーテル130は、カテーテル130が患者140の皮膚を穿刺したシース/シャフトを通して挿入されるとき、経皮的アクセス器具と称され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、スコープ120及び/又はカテーテル130などの医療器具は、センサデータを生成するように構成されるセンサ(位置センサと称されることもある)を含む。実施例では、センサデータは、医療器具の位置及び/又は向きを示すことができ、かつ/又は医療器具の位置及び/又は向きを判定するために使用され得る。例えば、センサデータは、スコープの位置及び/又は向きを示すことができ、これはスコープの遠位端のロールを含み得る。医療器具の位置及び向きは、医療器具の姿勢と称され得る。センサは、医療器具の遠位端及び/又は任意の他の場所に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、センサは、センサデータを制御システム150及び/又は他のシステム/デバイスに提供することができ、医療器具の位置及び/又は向きを判定/追跡するための1つ以上の位置特定技法を実行させ得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、センサは、導電性材料のコイルを有する電磁(electromagnetic、EM)センサを含み得る。ここで、EM場発生器は、医療器具上のEMセンサによって検出されるEM場を提供し得る。磁場は、EMセンサのセンサコイル内に小電流を誘導することができ、この小電流を分析して、EMセンサとEM場発生器との間の距離及び角度を判定し得る。更に、センサとしては、例えば、カメラ、レンジセンサ、レーダデバイス、形状検知ファイバ、加速度計、ジャイロスコープ、加速度計、衛星ベースの測位センサ(例えば、全地球測位システム(global positioning system、GPS))、無線周波数トランシーバなどの他のタイプのセンサが挙げられ得る。
【0045】
医療器具は、互いに直角をなす2つ以上のベクトル(又は軸)のセットを含むことができる座標系に関連付けることができる。例えば、3次元空間において、座標系は、互いに直角をなす3つのベクトル(例えば、xベクトル、yベクトル、及びzベクトル)を含み得る。様々な慣習を使用することができるが、例示を容易にするために、本明細書の説明は、多くの場合、正のzに対応するものとして「前方」方向(例えば、挿入/後退)、正のxに対応するものとして「右」方向、及び正のyに対応するものとして「上」方向を指す。zベクトルは、医療器具の長手方向軸に沿って延びることができる。このような座標系は、「左手座標系」と呼ぶことができる。しかしながら、本明細書の開示は、右手座標系の文脈で同様に説明/実装され得る。実施例では、座標系は、医療デバイスの1つ以上の細長い移動部材(例えば、1つ以上のプルワイヤ)の位置に基づいて設定される/位置に相関される。更に、実施例では、座標系は、スコープの先端上の画像デバイスの遠位端などの医療器具上の画像デバイスの位置に基づいて設定される/位置に相関される。したがって、座標系は、カメラの基準系に対応し得る。しかしながら、座標系は、他の場所に相関され得る/他の場所で設定され得る。多くの例では、医療器具のための座標系は、医療器具の遠位端(例えば、治療部位における端部)に関して表現/説明される。しかしながら、座標系は、他の場所に位置決めされ得る。
【0046】
上に述べたように、制御システム150は、医療手技の実施を支援するための様々な機能を提供するように構成し得る。いくつかの実施形態では、制御システム150は、ロボットシステム110に結合され、ロボットシステム110と協働して動作して、患者140に対して医療手技を実施し得る。例えば、制御システム150は、無線又は有線接続を介してロボットシステム110と通信して、ロボットシステム110に接続されたスコープ120及び/又はカテーテル130を制御すること、スコープ120によって取得された画像(複数可)を受信することなどができる。加えて、又は代替として、制御システム150は、1つ以上の流体チャネルを介してロボットシステム110に流体を提供すること、1つ以上の電気的接続を介してロボットシステム110に電力を提供すること、1つ以上の光ファイバ又は他の構成要素を介してロボットシステム110に光学系を提供することなどができる。いくつかの実施形態では、制御システム150は、スコープ120(及び/又はカテーテル130)と通信して、(ロボットシステム110を介して、及び/又はスコープ120及び/又はカテーテル130から直接)センサデータを受信し得る。実施例では、センサデータは、医療器具の位置及び/又は向きを示すことができる、又はそれを決定するために使用され得る。更に、いくつかの実施形態では、制御システム150は、テーブル170と通信して、テーブル170を特定の向きに位置決めするか、又は別様にテーブル170を制御し得る。更に、いくつかの実施形態では、制御システム150は、EM場発生器と通信して、患者140の周囲のEM場の生成を制御し得る。
【0047】
制御システム150は、医師160又は他の者が医療手技を実行するのを支援するように構成された様々なI/Oデバイスを含む。図1の実施例では、制御システム150は、医師160又は他のユーザが医療器具をナビゲーション又は他の方法で制御するために使用するI/Oデバイス(複数可)156を含む。例えば、医師160は、I/Oデバイス(複数可)156を介して入力を提供することができ、それに応答して、制御システム150は、スコープ120/カテーテル130を操作するために制御信号をロボットシステム110に送信し得る。実施例では、医師160は、同じI/Oデバイスを使用して、スコープ120及び/又はカテーテル130を制御する(例えば、デバイス間で制御を切り替える)ことができる。いくつかの実施形態では、以下で更に詳細に論じられるように、スコープ120は、一人称視点から(例えば、スコープ120の視点から)駆動され、かつ/又はカテーテル130は、三人称視点から(例えば、スコープ120の視点から)駆動される。I/Oデバイス(複数可)156は、図1の実施例ではコントローラとして例示されているが、I/Oデバイス(複数可)156は、タッチスクリーン、タッチパッド、マウス、キーボードなどの様々なタイプのI/Oデバイスとして実装され得る。
【0048】
図1にも示されるように、制御システム150は、手技に関する様々な情報を提供するためのディスプレイ(複数可)152を含み得る。例えば、制御システム150は、スコープ120によって取得されたリアルタイム画像を受信し、ディスプレイ(複数可)152を介して、リアルタイム画像及び/又はリアルタイム画像のバーチャル表現を表示し得る。ディスプレイ(複数可)152は、スコープ120及び/又は別の医療器具からの画像データを含むことができる、本明細書で論じられるインターフェースの任意のものなどのインターフェース(複数可)154を提示し得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、画像データの一定の向きを維持する(「元の画像ビュー」と呼ばれることもある)ように、インターフェース(複数可)154を介して画像データを提供し得る。例えば、インターフェース154(複数可)は、スコープ120の座標系と一定の関係を維持する(例えば、インターフェース(複数可)154内の上がスコープ120の座標系の正のyベクトルに対応するようにする)ことができる。例示のために、スコープ120からの画像データ内に描写される腎臓結石が、最初に、インターフェース(複数可)154内の左側に現れると仮定する。スコープが180°回転する場合、腎臓結石は、回転中にインターフェース(複数可)154内で移動し、回転後にインターフェース(複数可)154内の右側に現れる。ここで、インターフェース(複数可)154を介して表示される画像データの向きを、制御システムは調整しない。したがって、画像データ内の水平線は、ローリングしているものとして知覚され得る。
【0050】
他の実施形態では、制御システム150は、画像データの向きを更新するように、インターフェース(複数可)154を介して画像データ(「回転画像又は仮想ビュー」と呼ばれることもある)を提供し得る。例えば、インターフェース(複数可)154は、スコープ120の座標系との関係を更新することができる(例えば、その結果、インターフェース(複数可)154内の上がスコープ120の座標系の正のyベクトルに常に対応するとは限らないようになる)。例示のために、スコープ120からの画像データ内に描写される腎臓結石が、最初、インターフェース(複数可)154内の左側に現れると仮定する。スコープが180°回転する場合、腎臓結石は、回転後にインターフェース(複数可)154の左側に依然として現れる。ここで、制御システム150は、スコープ120が180°回転する際に、インターフェース(複数可)154を介して表示される画像データの向きを調整して、画像データに示されるオブジェクトを同じ向きに維持する(例えば、画像データを回転補正する)ことができる。したがって、画像データ内の水平線は、同じままであると知覚され得る。
【0051】
加えて、又は代替的に、制御システム150は、ディスプレイ(複数可)152を介して他の情報を出力し得る。例えば、制御システム150は、患者140に関連する医療モニタ及び/又はセンサから信号(例えば、アナログ、デジタル、電気、音響/音波、空気圧、触覚、油圧など)を受信することができ、ディスプレイ(複数可)152は、患者140の健康又は環境に関する情報を提示し得る。そのような情報は、例えば、心拍数(例えば、ECG、HRVなど)、血圧/血流速度、筋肉生体信号(例えば、EMG)、体温、血液酸素飽和度(例えば、SpO)、CO、脳波(例えば、EEG)、環境温度及び/又は局所体温若しくは中核体温などを含む、医療モニタを介して表示される情報を含み得る。
【0052】
制御システム150の機能を容易にするために、制御システム150は、様々な構成要素(「サブシステム」と称されることもある)を含み得る。例えば、制御システム150は、制御電子機器/回路、並びに1つ以上の電源、空気圧、光源、アクチュエータ、メモリ/データ記憶デバイス、及び/又は通信インターフェースを含み得る。いくつかの実施形態では、制御システム150は、実行されると、様々な動作を実装させる、実行可能な命令を記憶するように構成された、コンピュータベースの制御システムを備える、制御回路を含む。いくつかの実施形態では、図1に示されるように、制御システム150は、移動可能であるが、他の実施形態では、制御システム150は、固定システムである。様々な機能性及び構成要素が制御システム150によって実装されるものとして考察されているが、この機能性及び/又は構成要素のうちのいずれも、ロボットシステム110、テーブル170、又は更にスコープ120及び/又はカテーテル130などの他のシステム及び/又はデバイスに一体化され得る、及び/又はそれらによって実行され得る。
【0053】
ロボットシステム110は、特定の手技に応じて種々の方法で手配され得る。ロボットシステム110は、手技を実行するための医療器具(複数可)と係合し、かつ/又はそれを制御するように構成された1つ以上のロボットアーム112を含み得る。示されるように、各ロボットアーム112は、関節に結合された複数のアームセグメントを含み得、これにより、複数の移動度を提供し得る。図1の実施例では、ロボットアーム112のうちの2つは、患者140の尿道を通して標的部位にアクセスするためにスコープ120と係合するように作動され、ロボットアーム112のうちの1つは、経皮的アクセス経路を通して標的部位にアクセスするためにカテーテル130と係合するように作動される。ロボットシステム110が適切に位置決めされると、スコープ120及び/又はカテーテル130は、ロボットアーム112を使用してロボット制御で、医師160によって手動で、又はそれらの組み合わせで、患者140内に挿入され得る、かつ/又はナビゲーションされ得る。図1には示されていないが、ロボットアーム112は、手技の特定の段階中に治療部位の近くに位置決めされ得る電磁(EM)場発生器などの、手技中に交換され得る他の医療器具にも接続され得る。更に、ロボットアーム112は、様々な位置で示され、様々な器具類に結合されているが、そのような構成は、便宜上及び説明のために示されており、そのようなロボットアーム112は、医療手技中に時間が経過するにつれて異なる構成を有し得るということを理解されたい。
【0054】
ロボットシステム110はまた、1つ以上のロボットアーム112に結合された支持構造114を含み得る。支持構造114は、制御電子機器/回路、1つ以上の電源、1つ以上の空気圧、1つ以上の光源、1つ以上のアクチュエータ(例えば、1つ以上のロボットアーム112を移動させるモータ)、メモリ/データ記憶装置、及び/又は1つ以上の通信インターフェースを含み得る。いくつかの実施形態では、支持構造114は、ロボットシステム110を制御するためのユーザ入力などの入力を受信することと、及び/又はグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)、ロボットシステム110に関する情報、手技に関する情報などの出力を提供することと、を行うように構成された入力/出力(input/output、I/O)デバイス(複数可)116を含む。I/Oデバイス(複数可)116は、ディスプレイ、タッチスクリーン、タッチパッド、プロジェクタ、マウス、キーボード、マイクロフォン、スピーカなどを含み得る。いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、移動可能である(例えば、支持構造114は、ホイールを含む)ため、ロボットシステム110は、手技に適切な又は所望される場所に位置決めされ得る。他の実施形態では、ロボットシステム110は、固定システムである。更に、いくつかの実施形態では、ロボットシステム112は、テーブル170に一体化されている。
【0055】
ロボットシステム110は、制御システム150、テーブル170、スコープ120、カテーテル130、及び/又は他のデバイス/器具などの、医療システム100の任意の構成要素に結合し得る。一実施例では、ロボットシステム110は、制御システム150に通信可能に結合され、制御システム150から制御信号を受信して、特定の方法でロボットアーム112を位置決めする、スコープ120及び/又はカテーテル130を操作するなどの動作を実行するように構成され得る。別の実施例では、ロボットシステム110は、患者140の内部の解剖学的構造を描写する画像をスコープ120から受信し、かつ/又は画像を制御システム150に送信するように構成され、次いで、その画像はディスプレイ(複数可)152上に表示され得る。更に、いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、制御システム150などの医療システム100の構成要素に、流体、光学系、電力などをそこから受信することを可能にするように結合される。
【0056】
撮像デバイス180は、1つ以上のX線又はCT画像など、手技中に、患者140の1つ以上の画像を取得/生成するように構成され得る。実施例では、撮像デバイス180からの画像は、医師160が手技を実行するのを支援するため、患者140内の解剖学的構造及び/又は、スコープ120及び/又はカテーテル130などの医療器具を視認するように、リアルタイムで提供され得る。撮像デバイス180を使用して、(例えば、患者140内で造影剤を用いた)蛍光透視法又は別のタイプの撮像技法を実行し得る。図1に示されているが、複数の実施形態では、撮像デバイス180は、手技を実行するために実装されず、かつ/又は撮像デバイス180(Cアームを含むもの)は省かれる。
【0057】
医療システム100の様々な構成要素は、無線及び/又は有線のネットワークを含み得るネットワークを介して互いに通信可能に結合され得る。例示的なネットワークとしては、1つ以上のパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、インターネットエリアネットワーク(Internet area network、IAN)、セルラーネットワーク、インターネットなどが挙げられる。更に、いくつかの実施形態では、医療システム100の構成要素は、1つ以上の支持ケーブル、チューブなどを介して、データ通信、流体/ガス交換、電力交換などのために接続されている。
【0058】
上述したように、医療システム100は、医師160が、患者140内で医療器具をナビゲーションするなど、医療器具を駆動することを可能にし得る。例えば、制御システム150は、医療器具の動きの方向を示す入力信号を、I/Oデバイス(複数可)156から受信し得る。制御システム150は、医療器具の向き/位置、(場合によっては)医療器具の画像データを提供する別の医療器具の向き/位置、及び/又はインターフェース(複数可)154を介して表示される画像データの向きを決定し得る。制御システム150は、そのような情報を使用して、医療器具の座標系/制御フレームに対して、適切な方向に医療器具を移動させるための制御信号を生成し得る。制御システム150は、制御信号をロボットシステム110に送信して、医療器具を操作し得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、医療システム100は、医師160が、医療器具の視点から医療器具を駆動する(「一人称駆動」とも呼ばれる)ことを可能にする。このタイプの駆動は、医療器具が画像データを提供する撮像装置を含む文脈及び/又は他の文脈において有用であり得る。例えば、制御システム150は、スコープ120が、スコープ120の視点から駆動されることを可能にし得る。スコープ120は、画像データを制御システム150に提供するように構成された撮像デバイスを含み得る。制御システム150は、インターフェース(複数可)154を介して画像データを表示して、医師160が、スコープ120の視点からスコープ120を駆動するのを支援し得る。
【0060】
一人称運転の場合、制御システム150は、概して、インターフェース(複数可)154を介して表示される、医療器具からの画像データの向きに相関して移動するように、医療器具を制御し得る。例えば、医師160が、スコープ120の視点からスコープ120を駆動しており、医師160が、I/Oデバイス(複数可)156を介して入力を提供して、I/Oデバイス(複数可)156上で、上方向移動の制御を選択することなどによって、スコープ120をI/Oデバイス(複数可)156に対して上方向に移動させると仮定する。制御システム150は、スコープ120の向き/位置、及び/又はインターフェース(複数可)154を介して表示される、スコープ120からの画像データの向きを決定し得る。制御システム150は、そのような向き/位置情報を使用して、インターフェース(複数可)154上で上方向として現れる適切な方向に、スコープ120を移動させることができる。
【0061】
例示すると、インターフェース(複数可)154が、スコープ120の静的ビューを表示している場合(例えば、インターフェース(複数可)154内の上が、スコープ120の座標系の正のyベクトルに対応する場合)、制御システム150は、I/Oデバイス(複数可)156上での上への入力に応答して、スコープ120を、スコープ120のための座標系の正のyベクトルに沿って移動させることができる。更に、インターフェース(複数可)154が、スコープ120の回転画像ビューを表示している場合(例えば、インターフェース(複数可)154での上は、スコープ120のための座標系の正のyベクトルに常に対応するわけではない場合)、制御システム150は、スコープ120のための座標系に対する画像データの基準系のオフセットを決定して、インターフェース(複数可)154においてスコープ120が上方向に移動するように見える適切な方向に、スコープ120を移動させることができる。
【0062】
更に、いくつかの実施形態では、医療システム100は、医師160が、別の医療器具の視点から医療器具を駆動する(「三人称駆動」とも呼ばれる)ことを可能にし得る。このタイプの駆動は、医療器具どうしが互いに合流する状況、及び/又は医療器具のうちの1つが撮像デバイスを含まない状況において有用であり得る。例えば、制御システム150は、医師160が、スコープ120の視点からカテーテル130を駆動することを可能にすることができ、これは、カテーテル130が、撮像デバイスを含まない場合に有用であり得る。ここで、スコープ120は、画像データを提供することができ、制御システム150は、インターフェース(複数可)154を介して画像データを表示し得る。カテーテル130がスコープ120の視野内にあるとき、医師160は、インターフェース(複数可)154内のカテーテル130を見て、スコープ120の視点からカテーテル130を駆動し得る。
【0063】
三人称駆動の場合、制御システム150は、一般に、医療器具の動きを制御するための制御スキームを実装し得る。例えば、医師160が、スコープ120の視点からカテーテル130を駆動しており、医師160が、I/Oデバイス(複数可)156を介して入力を提供して、例えばI/Oデバイス(複数可)156上で、上方向移動の制御を選択することなどによって、カテーテル130をI/Oデバイス(複数可)156に対して上方向に移動させると仮定する。制御システム150は、カテーテル130に対するスコープ120の向きを考慮する、カテーテル130のための制御スキームを実装し得る。これは、カテーテル130が、インターフェース(複数可)154上で上方向として現れる適切な方向に移動することを可能にし得る。
【0064】
制御スキームを使用して、入力制御を制御信号にマッピングして、医療器具を移動させることができる。いくつかの実施形態では、制御スキームは、医療器具/デバイスを制御するために使用される、抽出座標系/ベクトルのセットを含むことができる制御フレーム(「制御基準座標系」と呼ばれることもある)を含む。例えば、制御フレームは、互いに直角をなす2つ以上のベクトル(又は軸)のセットを含み得る。制御フレームは、一般に、医療器具に対する座標系に相関させることができる。例えば、医療器具に対する制御フレームは、その医療器具の座標系に対してオフセットされ得る(例えば、軸/ベクトルの周りに30度オフセットされ得る)。実施例では、座標系は医療器具に対して静的なままである(すなわち、医療器具上の点に固定される)が、制御フレームは、医療器具のロール、ユーザインターフェースを介した画像データの向きなどに基づいて、動的に更新され得る。実施例では、制御フレームは、医療器具の先端に相関付けられる。しかしながら、制御フレームは、他の場所に対して相関付け/センタリングされ得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、制御スキーム/フレームは、インターフェースを介して表示される画像データの向きに基づいて決定される。例えば、制御フレームの垂直軸/水平軸は、インターフェース内で、画像データの垂直軸/水平軸に相関付/位置合わせされ得る。例示のため、スコープ120の視点からカテーテル130を駆動する場合には、カテーテル130のための制御フレームは、インターフェース(複数可)154を介して表示される、スコープ120からの画像データの向きに相関付けられ得る。例示的な制御フレームが、以下で更に詳細に説明される。制御フレームは、多くの場合、三人称駆動の文脈で議論されるが、制御フレームは、一人称駆動の場合など、他の文脈で使用されることができる。
【0066】
三人称駆動のいくつかの状況では、医師160が医療器具を駆動することは困難であり得る。例えば、医師160が、スコープ120の視点からカテーテル130を駆動しており、カテーテル130が、スコープ120に対して実質的に正対している(例えば、カテーテル130の先端がスコープ120の先端に面している)場合、医師160は、インターフェース(複数可)154に対して適切な方向にカテーテル130を移動させるために、左右反転入力を提供しなければならない。例えば、医師160が、カテーテル130をインターフェース(複数可)154に対して左に移動させたい場合、医師160は、I/Oデバイス(複数可)156を介して、右入力を提供することを要求されてもよく、逆もまた同様である。対照的に、カテーテル130及びスコープ120が、実質的に同じ方向を向いている(例えば、カテーテル130の先端及びスコープ120の先端が、同じ方向を向いている)場合、そのような反転入力は必要とされない。要するに、第三者駆動の特定の状況は、医師160が医療器具を駆動することを困難にする可能性があり、これは、(例えば、医療器具が望ましくない方向に移動される場合)、患者140に害を与え、非効率的な手技などにつながる可能性がある。
【0067】
したがって、医療システム100は、医師160が、医療器具を駆動するのを支援するために、1つ以上の制御/駆動モードを容易にし得る。複数の制御モードを使用することによって、医療器具は、互いに対して異なる向きの医療器具に対して、効果的な方法で駆動され得る。例えば、カテーテル130が、スコープ120の視点から駆動されている場合、医師160は、カテーテル130が、I/Oデバイス(複数可)156を介して提供される入力に、より直感的に対応するインターフェース(複数可)154上の方向に移動しているのを見ることができるようになっていてもよい。いくつかの例では、医療システム100は、制御システム150を再構成すること(例えば、I/Oデバイス(複数可)156からの入力信号を処理すること、及び/又は異なる様式でロボットシステム110のための制御信号を生成すること)、I/Oデバイス(複数可)156を再構成すること(例えば、異なる入力制御信号を送信すること)、及び/又はロボットシステム110を再構成すること(例えば、異なる様式でロボットアームを制御すること)によって、異なる制御モードに切り替えることができる。多くの場合、複数の制御モードが三人称駆動の文脈で議論されるが、そのような制御モードは、一人称駆動又は任意の他の駆動シナリオなどの、他の文脈で使用され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、直接制御モード(「パラレルモード」とも呼ばれる)を実施して、医療器具を、その医療器具の座標/制御フレームに対して対応する方法で駆動し得る。例えば、直接制御モードでスコープ120の視点からカテーテル130を駆動するとき、医師160が、I/Oデバイス(複数可)156上で左入力を選択する場合、制御システム150は、カテーテル130に対して、左に移動するようにカテーテル130を制御し得る。カテーテル130が、スコープ120と実質的に同じ方向に向いている場合、医師160は、カテーテル130が、インターフェース(複数可)154内で左に移動しているのを(例えば、三人称の視点から)見ることができる。対照的に、カテーテル130が、スコープ120に正対している場合、医師160は、カテーテル130が、インターフェース(複数可)154内で右に移動しているのを見ることができる。したがって、直接制御モードは、カテーテル130及びスコープ120が、実質的に同じ方向を向いているときに実施されることが多くなり得る。
【0069】
追加的に又は代替的に、制御システム150は、医療器具の座標系/制御フレームに対して反転された態様で医療器具を駆動するための、反転制御モード(「ミラーモード」とも呼ばれる)を実装し得る。例えば、反転制御モードでスコープ120の視点からカテーテル130を駆動するとき、医師160が、I/Oデバイス(複数可)156上で左入力を選択する場合、制御システム150は、カテーテル130に対して、右に移動するようにカテーテル130を制御し得る。カテーテル130が、スコープ120に正対している場合、医師160は、カテーテル130が、インターフェース(複数可)154内で左に移動しているのを、(例えば、三人称の視点から)見ることができる。対照的に、カテーテル130が、スコープ120と実質的に同じ方向に向いている場合、医師160は、カテーテル130がインターフェース(複数可)154内で右に移動しているのを見ることができる。したがって、直接制御モードは、多くの場合、カテーテル130とスコープ120とが実質的に正対しているときに実施され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、反転制御モードは、医療器具の垂直移動ではなく水平移動を反転させることに関連付けられる。例えば、反転制御モードでは、制御システム150は、座標系/制御フレームの水平成分を反転させ、垂直成分(複数可)を反転させない(例えば、y値ではなくx値の符号を反転させる)ことができる。しかしながら、反転制御モードのいくつかの場合では、垂直方向も反転させることもできる。
【0071】
更に、いくつかの実施形態では、制御モードは、後退及び挿入を反転させるか否かを示すことができる。例えば、直接制御モードでは、I/Oデバイス(複数可)156上での進行方向の入力制御は、カテーテル130を患者140の中へ更に挿入することと関連付けることができ、I/Oデバイス(複数可)156上での逆方向入力制御は、カテーテル130を患者140から後退させることと関連付けることができる。カテーテル130が、スコープ120の視点から駆動されており、器具が互いに正面を向いている場合、医師160は、カテーテル130を、進行方向の入力に対してスコープ120に近づくように移動し、逆方向の入力に対してスコープ120から遠ざかるように移動しているように見ることができる。更に、反転制御モードでは、進行方向の入力制御は、カテーテル130を後退させることと関連付けることができ、逆方向の入力制御は、カテーテル130を挿入することと関連付けることができる。カテーテル130が、スコープ120の視点から駆動されており、器具が互いに正面を向いている場合、医師160は、カテーテル130を、進行方向の入力に対してスコープ120から遠ざかるように移動し、逆方向の入力に対してスコープ120に近づくように移動しているように見ることができる。
【0072】
制御モードは、様々な方法で選択し得る。いくつかの実施形態では、医師160は、インターフェース(複数可)154を通じて、I/Oデバイス(複数可)156を通じて、又はその他の様式で、制御モードを選択するための入力を提供し得る。これは、医師160が、医療システム100を医師160の好みに合わせて構成することを可能にし得る。更に、いくつかの実施形態では、制御システム150は、特定の状況に適した制御モードを自動的に選択し得る。例えば、制御システム150は、図20を参照して以下に更に詳細に説明されるように、1つ以上の位置特定技法を実行して、医療器具及び/又は別の物体の位置及び/又は向きを判定及び/又は追跡し得る。場合によっては、制御システム150は、カテーテル130及びスコープ120が正面を向いているときには、反転制御モードを、かつ/又はカテーテル130及びスコープ120が実質的に同じ方向を向いているときには、直接制御モードを、自動的に選択し得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、医療システム100は、特定の制御モードを自動的に選択することを学習し得る。例えば、スコープ120が、カテーテル130に対して正対している(例えば、互いに対してある角度で配向されている)ときに、ある特定の医師が閾値回数を超えて反転制御モードを選択する場合、医療システム100は、スコープ120及びカテーテル130が将来、同様に配向されているときはいつでも、かつ/又はその特定の医師が医療システム100にログインしているときには、反転制御モードを自動的に選択するように学習し得る。医療システム100は、実行されている手技のタイプ、実装されている医療器具のタイプなど、様々なパラメータを使用して、特定の制御モードをいつ選択するかを学習し得る。したがって、医療システム100は、ある特定の状況に対して、ある制御モードを自動的に選択し得る。
【0074】
更に、いくつかの実施形態では、医療システム100は、制御モード(複数可)を実装する代わりに、又はそれに加えて、医療器具を駆動する他の技法を実装し得る。一実施例では、カテーテル130は撮像装置を含むことができ、インターフェース(複数可)154は、一人称視点からカテーテル130を駆動するために、カテーテル130からの画像データを提供し得る。別の実施例では、カテーテル130の先端は、1つ以上のマーキングを含むことができ、I/Oデバイス(複数可)156は、カテーテル130の移動方向への入力制御のマッピングを示すために、同じ1つ以上のマーキングを含み得る。例示すると、カテーテル130の先端は、先端の一方の側(例えば、先端の一方の半分)に赤色マーキングを含み、先端の他方の側(例えば、先端の他方の半分)に青色マーキングを含み得る。ここで、I/Oデバイス(複数可)156は、赤色マーキングを有する右入力制御部を含むことができ、右入力制御部は、選択されると、カテーテル130をカテーテル130の先端上の赤色マーキングの方向に移動させる。更に、I/Oデバイス156は、青色マーキングを有する左入力制御部を含むことができ、左入力制御部は、選択されると、カテーテル130をカテーテル130の先端上の青色マーキングの方向に移動させる。したがって、医師160は、I/Oデバイス(複数可)156上のマーキングを見て、選択すべき入力制御部を決定し得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、医療システム100は、医療器具に対する制御スキームを較正する機能を提供し得る。そのような較正技法は、医療システムが医療器具の向き/位置を認識しないか、又は不正確に判定する場合に有用であり得る。例えば、医療システム100は、スコープ120がロボットシステム110のアーム112上に搭載されるときに、スコープ120に関連付けられたロールの量を知らないという場合がある。場合によっては、スコープ120は、スコープ120の特定のロールに関連付けられたロックアウト位置を含む。ロックアウトは、スコープ120上の機構及び/又はアーム112の搭載構成要素上の機構(例えば、ピン、ピンを受容するためのスロットなど)と関連付けられてもよい。ロックアウト位置に配置されると、スコープ120は、(ロックアウトを解放する)アーム112の搭載構成要素上に配置されるまで、ロールすることができない。スコープ120がロボットシステム110上に搭載される場合、医療システム100は、概して、スコープ120がロックアウト位置(例えば、0ロール位置)にあると仮定してもよい。しかしながら、スコープ120が、非ロックアウト位置でロボットシステム110から除去され、かつ/又はロボットシステム110から離れて位置するときに任意のロール位置まで手動でロールされ、その後、ロボットシステム100に再搭載される場合、医療システム100は、スコープ120のロール量を不正確に仮定する(例えば、スコープ120がロックアウト位置にあると不正確に仮定する)場合がある。
【0076】
更に、医療システム100は、手技中に、スコープ120に関連付けられたロールの量を見失う場合がある。例えば、スコープ120が、患者の様々な解剖学的構造内に配置されることに起因して、手技中に、スコープ120には摩擦又は他の力が加えられ得る。そのような力は、スコープ120の近位端の操作がスコープ120の遠位端に完全に伝搬することを妨げ、スコープ120の先端において検出されない量のロールをもたらし得る。例えば、ロボットシステム110が、スコープ120に接続されたロボットアームを操作してスコープを80度回転させる場合、たとえ制御システム150がスコープ120を80度回転したものとして追跡し得るとしても、スコープ120の先端は、60度だけ回転するということが起こり得る。更に、手技の特定の段階の間、EM場発生器は、医療器具の位置/向きを追跡するように実装され得る。しかしながら、他の段階の間、EM場発生器は、(以下で更に詳細に論じられるように)カテーテル130又は他の器具を同じアーム上に搭載するなどの目的で、除去される必要があり得る。EM場発生器なしでは、医療器具の位置/向きを追跡することは困難であり得る。更に、スコープ120は、スコープ120の遠位端を望ましくなく回転させる、「湾曲位置合わせ」と呼ばれる寄生的なロールを経験する場合がある。
【0077】
スコープ120などの医療器具の、上記のような原因不明のロールは、クロッキング/ロール誤差をもたらす可能性があり、その結果、スコープ120又は別の医療器具を制御することを困難にする可能性がある。例えば、スコープ120が、ある特定の量のロールを有すると推定されるものの、そのような推定が不正確であるという場合、医療システム100は、スコープ120の視点から、スコープ120及び/又はカテーテル130を、不正確に駆動するおそれがある(例えば、スコープ120/カテーテル130が、インターフェース(複数可)154に対して誤った方向に移動するおそれがある)。
【0078】
ロールエラーという状況に対処するためには、医療システム100は、1つ以上の較正技法を実行して、医療器具(複数可)に関連付けられた向き/位置情報を更新し得る。例えば、医療システム100は、カテーテル130の遠位端の向きに対するスコープ120の遠位端の向きを判定し、そのような情報を使用して、スコープ120の視点からカテーテル130を制御することに関連する制御スキームを調整し得る。例えば、医療システム100が、カテーテル130に対するスコープ120の推定された向きが、カテーテル130に対するスコープ120の実際の向きから30度ずれていると判定した場合、医療システム100は、制御フレームを、30度だけ又は30度のオフセットに基づいて調整し得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、医師160が、医療器具の向きを較正することを可能にするために、インターフェース(複数可)154を介して情報を提供し得る。例えば、制御システム150は、カテーテル130を描写し得る、スコープ120によって取得された画像データを表示し得る。制御システム150はまた、スコープ120に対するカテーテル130の向き(例えば、スコープ120の座標系に対する、カテーテル130の座標系の推定された向き)を表す、位置合わせインジケータを表示し得る。いくつかの実施形態では、カテーテル130は、カテーテル130の遠位端などに、1つ以上のマーキングを含むことができ、位置合わせインジケータは、カテーテル130上の1つ以上のマーキングの向きを表すことができる。位置合わせインジケータが、カテーテル130上の1つ以上のマーキングと、画像データ内で描写されているようには、インターフェース(複数可)154内で位置合わせされていない場合、医師160は、位置合わせインジケータを適切な向きに調節し、スコープ120の先端に対するカテーテル130の先端の実際の向きを示すことができる。医師160によって示された向きに基づいて、制御システム150は、必要であれば、制御フレームに関連付けられた1つ以上のパラメータ(例えば、1つ以上のベクトルの向き)を更新することなどによって、カテーテル130を制御するために使用される制御スキームを更新し得る。
【0080】
更に、いくつかの実施形態では、制御システム150は、医療器具の向きを較正するために、1つ以上の画像処理技法を実行し得る。例えば、制御システム150は、スコープ120によって取得された、カテーテル130を示す画像データを処理して、スコープ120に対するカテーテル130の向き(例えば、スコープ130の座標系に対するカテーテル130の座標系の向き)を識別し得る。そのような処理は、カテーテル130の先端上の1つ以上のマーキング(それらが含まれる場合)、カテーテル130の屈曲の量若しくは屈曲方向、及び/又はカテーテル130の他の特徴を識別し得る。画像処理によって識別された向きに基づいて、制御システム150は、必要に応じて、カテーテル130の制御スキームを更新し得る。
【0081】
更に、いくつかの実施形態では、制御システム150は、ある特定の動作を実行するように医師160に指示し得る。一実施例では、制御システム150は、医師160に、I/Oデバイス(複数可)156上の特定の方向制御部を選択する(例えば、上入力制御部を選択する)ように指示する。医師160が特定の方向制御部を選択したことに応答して、制御システム150は、カテーテル130を移動させるように制御し得るが、その移動方向は、カテーテル130に関連付けられた制御フレーム/スキームの精度に応じて、任意の方向であり得る。次いで、制御システム150は、カテーテル130がインターフェース(複数可)154に対して移動した方向を示す更なる入力を、医師160から受信し得る。(制御フレーム/座標系に対して)カテーテル130が移動したと医師160によって示される方向と、(制御フレーム/座標系に対して)カテーテル130が移動したと制御システム150が推定した方向との間の何らかの差異に基づいて、制御システム150は、必要に応じて、カテーテルのための制御フレーム/スキームを更新し得る。別の実施例では、制御システム150は、医師160に、カテーテル130をインターフェース154に対して、ある特定の方向に移動させるように指示することができる(例えば、「カテーテルを右に移動させる」というテキスト、右矢印などが、インターフェース(複数可)154を介して表示され得る)。医師160は、I/Oデバイス(複数可)156を介して入力制御を提供して、カテーテル130を、インターフェース(複数可)154に対して上記の特定の方向に移動させることができ、これは複数回の試行を必要とする場合がある。カテーテル130を、上記の特定の方向に首尾よく移動させると、医師160は、そのような命令が完了したことを示す、追加的入力を提供し得る。カテーテル130がインターフェース(複数可)154上で、特定の方向に正常に移動したときに提供される入力制御、正常な移動のための制御フレーム/座標系に対してカテーテル130が移動した方向、及び/又は(制御フレーム/座標系に対して)カテーテル130が移動したと制御システム150が推定した方向に基づいて、制御システム150は、必要に応じて、カテーテルの制御フレーム/スキームを更新し得る。
【0082】
多くの実施形態が、三人称駆動に関連付けられた制御スキームを較正する文脈で説明されるが、較正技法は、一人称駆動及び/又は任意の他のシナリオの文脈で実装され得る。更に、多くの実施形態が、カテーテルのための制御スキームを較正する文脈で議論されるが、較正技法は、それに加えて又はその代替として、スコープ及び/又は別の医療器具のための制御スキームを較正するように実装され得る。例えば、カテーテル130は、場合によってはロール機能と関連付けられてもよく、そのような較正技法は、カテーテル130のロール誤差を補正するために実装され得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、較正技法は、医療器具を制御するために提供される入力に相関するように医療器具が移動していないことに医師160が気付いたときなど、トラブルシューティング機能の一部として実施され得る。ここで、医師160は、較正インターフェースに入ることができる。しかしながら、較正技法は、自動的に、周期的に、又は任意の時間に、かつ/又は様々なイベントに基づいて実施され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、カテーテル130は、較正のための基準点としてカテーテル130を使用することを支援する、ある特性を含む、又はそれと関連付けられる。例えば、カテーテル130は、ロールすることができない場合があるが、これは、いかなる潜在的なロールエラーも回避し得る。更に、カテーテル130は、スコープ120が進む経路と比較して、実質的に直線である経路に沿って挿入され得る。これは、スコープ120と比較して、カテーテル130の遠位端における伝搬エラーを、最小限にし得る。更に、いくつかの例では、カテーテル130は、スコープ120と比較して相対的に短くてもよい。カテーテル130のそのような特性は、カテーテル130に取り付けられたロボットアーム112の向き/位置などに基づいて(例えば、カテーテル130の位置/向きは、カテーテル130がロボットアーム112に搭載されている平面からオフセットされ得る)、カテーテル130の位置/向きが正確に判定/追跡されることを可能にすることができる。
【0085】
医療器具を較正し、かつ/又は医療器具の正確な向き/位置情報を維持するために、追加的技法が実装され得る。例えば、制御システム150は、ロボットアーム112の向き/位置を使用して、カテーテル130の位置/向きを判定し得る。制御システム150はまた、スコープ120によって取得される画像データ内にカテーテル130がどのように見えるかを判定することができる(例えば、画像処理を使用するか、又はユーザ入力を受信して、カテーテル130が位置決めされるか、又は画像データが入力される方向/角度を判定する)。カテーテル130の位置/向き、及びカテーテル130が画像データ内にどのように見えるかに基づいて、制御システム150は、スコープ120に対するカテーテル130の向きを決定し、制御スキームを較正し得る。更に、制御システム150は、EMセンサ、ジャイロスコープ、加速度計など、カテーテル130上に含まれるセンサ及び/若しくはスコープ120上のセンサに基づいて、並びに/又は本明細書で説明する他の位置特定技法に基づいて、スコープ120に対するカテーテル130の向きを判定/較正し得る。更に、制御システム150は、画像データ内に描写される気泡を(例えば、画像処理、気泡の位置又は気泡が移動している方向を示すユーザ入力などに基づいて)識別し、そのような情報を(気泡が典型的に集まる/移動する場所を示す情報とともに)使用して、スコープ120の向き、カテーテル130のための制御スキームなどの医療器具の向き/制御スキームを較正し得る。更に、ロボットシステム110は、ロボットアーム112上に搭載される前にスコープ120がロックアウト位置にロールされることを必要とするために、機械的キー嵌合を実装し得る。これにより、スコープ120が搭載される前に制御システム150が、スコープ120のロールに気付かないという状況を回避し得る。加えて、制御システム150は、スコープ120がロボットアーム112上に搭載されるたびに、スコープ120が自動的に(又は手動で)ハードストップ位置にロールされる、ロールホーミング技法を実装し得る。これは、制御システム150が、スコープ120の初期ロールを識別するのを支援するものである。
【0086】
実施例では、医療システム100は、経皮的手技及び/又は内視鏡(例えば、尿管鏡)手技のために使用されてもよい。特定の尿管鏡手技は、腎臓結石の治療/除去を伴う。いくつかの実装形態では、腎臓結石治療は、図1に示し、本明細書に詳述するものと同様であり得るものなど、特定のロボット技術/デバイスの支援から利益を得ることができる。ロボット医療ソリューションは、人の手のみによる手技と比較して、特定の器具に対して比較的より高い精度、より優れた制御、及び/又はより優れた視覚と手との協調をもたらし得る。例えば、いくつかの手技による、腎臓へのロボット支援型経皮的アクセスは、泌尿器科医が、直接エントリー内視鏡腎臓アクセス及び経皮的腎臓アクセスの両方を実行することを、有利なことに可能にし得る。本開示のいくつかの実施形態は、カテーテル、腎盂尿管鏡、尿管鏡及び/又は人間の腎臓の解剖学的構造の文脈で提示されているが、本明細書に開示する原理は、任意のタイプの内視鏡手技及び/又は経皮的手技で実施され得ることを理解されたい。
【0087】
1つの例示的な経皮的手技では、医療システム100を使用して、経皮的アクセス経路を通して患者140から腎臓結石を除去し得る。例えば、医師160は、(例えば、I/Oデバイス(複数可)156を介して)制御システム150と相互作用し、ロボットシステム110に、尿道から、膀胱を通して、尿管の上方に、結石が位置する腎臓の中へ、スコープ120を前進及び/又はナビゲーションさせることができる。制御システム150は、医師160がスコープ120をナビゲーションするのを支援するために、スコープ120を用いて取得されたリアルタイム画像など、スコープ120に関する情報を、ディスプレイ(複数可)152を介して提供し得る。実施例では、スコープ120は、一人称視点から(例えば、スコープ120の視点から)駆動され得る。スコープ120が、(例えば、腎臓の腎杯内の)腎臓結石の部位に到達すると、スコープ120を使用して、腎臓に経皮的にアクセスするために、カテーテル130の標的の場所を指定/タグ付けし得る。腎臓及び/又はその周囲の解剖学的構造への損傷を最小限に抑えるために、医師160は、カテーテル130で経皮的に腎臓内に進入するための標的場所として特定の乳頭突起を指定し得る。しかしながら、他の標的場所も、指定又は決定することができる。
【0088】
医師160はまた、制御システム150と相互作用し、ロボットシステム110に、カテーテル130を、経皮的アクセス経路を通して、スコープ120によって指定される標的の場所まで、前進及び/又はナビゲーションさせることができる。いくつかの実施形態では、針又は別の医療器具が患者140に挿入されて、経皮的アクセス経路を作成する。制御システム150は、医師160がカテーテル130をナビゲーションするのを支援するために、カテーテル130に関する情報を、ディスプレイ(複数可)152を介して提供し得る。例えば、インターフェース(複数可)154は、スコープ120の視点からの画像データを提供し得る。画像データは、カテーテル130を描写し得る(例えば、スコープ120の撮像デバイスの視野内にカテーテル130があるとき)。実施例では、カテーテル130は、三人称の視点から(例えば、スコープ120の視点から)駆動され得る。
【0089】
スコープ120及び/又はカテーテル130が標的場所に配置されると、医師160は、スコープ120を使用して、腎臓結石を破砕し、及び/又はカテーテル130を使用して、腎臓結石片を患者140から取り出し得る。例えば、スコープ120は、ツール(例えば、レーザ、切断器具など)を展開させて、腎臓結石を破片に断片化することができ、カテーテル130は、腎臓から、経皮的アクセス経路を通して破片を吸引して取り出し得る。実施例では、カテーテル130及び/又はスコープ120は、腎臓結石の除去を容易にするために灌注及び/又は吸引を提供し得る。例えば、カテーテル130は、灌注及び/又は吸引システムに結合され得る。
【0090】
医療システム100は、医師が手技を実施することを支援するための誘導(例えば、器具追跡、器具ナビゲーション、器具較正など)を提供すること、医師がぎこちない腕の運動及び/又は位置を必要とすることなく人間工学的位置から手技を実施することを可能にすること、1人の医師が1つ以上の医療器具を用いて手技を実施することを可能にすること、(例えば、蛍光透視技法と関連付けられた)放射線曝露を回避すること、手技が単一手術設定で実施されることを可能にすること、連続的吸引を提供し、より効率的に物体を除去する(例えば、腎臓結石を除去する)ことなどの種々の利益を提供し得る。例えば、医療システム100は、出血及び/又は解剖学的構造(例えば、決定臓器、血管など)への損傷を最小限に抑えながら、医師が様々な医療器具を使用して、標的解剖学的特徴にアクセスすることを支援するための誘導情報を提供し得る。更に、医療システム100は、医師及び患者の放射線への曝露を低減し、かつ/又は手術室内の機器の量を低減するための非放射線ベースのナビゲーション並びに/若しくは位置特定技法を提供することができる。更に、医療システム100は、少なくとも制御システム150とロボットシステム110との間に分散された機能性を提供することができ、これにより、独立して移動可能になり得る。機能性及び/又は移動性のかかる分散は、制御システム150及び/又はロボットシステム110が、特定の医療手技に対して最適である場所に配置されることを可能にすることができ、これにより、患者の周囲の作業領域を最大化し、かつ/又は医師が手技を実行するための最適化された場所を提供することが可能になる。
【0091】
様々な技法及びシステムがロボット支援手技(例えば、医療システム100を少なくとも部分的に使用する手技)として実装されるものとして考察されているが、これらの技法及びシステムは、完全ロボット医療手技、人間のみの手技(例えば、ロボットシステムを含まない)などの他の手技で実装され得る。例えば、医療システム100は、医師が医療器具を保持/操作することなく手技(例えば、完全ロボット手技)を実行するために使用され得る。すなわち、手技中に使用される医療器具は各々、ロボットシステム110のロボットアーム(複数可)112などの、医療システム100の構成要素によって保持/制御され得る。
【0092】
更に、多くの技法及びシステムが、カテーテル130と合流するスコープ120の文脈で議論されるが、それらの技法及びシステムは、腹腔鏡又は他のタイプの手技など、治療部位又は他の場所で別の医療器具と合流し得る任意のタイプの医療器具など、他のタイプの医療器具に適用可能であり得る。
【0093】
例示的なスコープ
図2は、1つ以上の実施形態による、患者の尿路系の部分に配設された、例示的なスコープ202(例えば、内視鏡、尿管鏡など)を示す。スコープ202は、図1のスコープ120及び/又は本明細書で論じる任意の他のスコープを表し得る。スコープ202は、ヒトの尿管の異常を調査し、かつ/又はそれを治療するための、尿管鏡手技において使用されてもよい。例えば、尿管鏡手技は、腎臓204内の腎臓結石を治療及び/又は除去するために実行し得る。しかしながら、スコープ202は、他のタイプの手技において使用されることができる。上述したように、尿管鏡手技及び/又は他のタイプの手技は、少なくとも部分的に手動で実行することができ、かつ/又は図1に示す医療システム100などを用いて少なくとも部分的にロボット技術を使用して実行し得る。
【0094】
スコープ202は、患者の内部解剖学的構造を表す画像データなどの画像データを取得するように構成された撮像デバイス(複数可)206を含み得る。撮像デバイス206は、光学カメラ及び/又は別の撮像デバイスなどのカメラを含み得る。撮像デバイス206は、光ファイバ、ファイバアレイ、及び/又はレンズを含み得る。撮像デバイス206の1つ以上の光学的構成要素は、スコープ202の先端208とともに移動して、スコープ202の先端208の移動が、撮像デバイス206によって取得された画像に変化をもたらす結果となる。いくつかの実施形態では、スコープ202は、光学アセンブリ及びスコープ202の遠位端208に/遠位端208から、信号を伝達するためのワイヤ及び/又は光ファイバを収容し得る。更に、スコープ202は、発光ダイオードなどの近位側に位置する光源からスコープの遠位端208まで光を搬送するための光ファイバを収容するように更に構成され得る。スコープ202の遠位端208は、撮像デバイス206を使用するときに解剖学的空間を照明するための光源用のポートを含み得る。
【0095】
スコープ202はまた、スコープ202の遠位端208において作業領域に対し、医療器具(複数可)(例えば、砕石器、バスケットデバイス、鉗子、レーザなど)、灌注、及び/又は吸引を展開するための作業チャネル210を含み得る。実施例では、作業チャネル210は、図2に示されるように、スコープ202の片側にオフセットされる。他の例では、作業チャネル210は、スコープ202の中心又は別の場所に位置決めされる。
【0096】
スコープは、いくつかの事例では、剛性又は可撓性チューブを備え得るが、かつ/又は外側シース、カテーテル、導入器、又は他の管腔型デバイス内を通過するように寸法決めされ得る。しかしながら、スコープ202は、いくつかの例では、そのようなデバイスなしで使用されることができる。いくつかの実施形態では、スコープ202は、内側リーダ部分及び外側シース部分などの伸縮部品を含み得るが、これら伸縮部品は、スコープを伸縮自在に延伸するように操作され得る。
【0097】
スコープ202は、少なくともスコープ202の遠位端208などに対して、関節接合されるように構成され得る。例えば、スコープ202は、スコープ202の曲げ特性を通して結合され得る、3-自由度(DOF)(例えば、x、y、及びz移動)、4-DOF(例えば、x、y、z、及びロール移動)、6-DOF(例えば、x、y、z、ピッチ、ヨー、及びロール移動)などの種々の自由度で動くように構成され得る。例示のために、先端208は、ヨー軸212、ピッチ軸214、及び/又はロール軸216(「長手方向軸216」又は「z軸216」とも呼ばれる)上で偏向され得る。スコープ202の先端208又は本体218は、縦軸216方向、x軸220方向、又はy軸222方向において伸長又は並進され得る。スコープ202が位置センサを装備している実施形態では、位置センサは、3-DOF位置情報(例えば、x、y、及びz座標)、5-DOF位置情報(例えば、x、y、及びz座標並びにピッチ角及びヨー角)、6-DOF位置情報(例えば、x、y、及びz座標並びにピッチ角、ヨー角及びロール角)などの位置情報を提供し得る。
【0098】
ロボット実装形態のために、ロボットシステムのロボットアームは、1つ以上の細長い移動部材を使用してスコープ202を操作するように構成され得る/構成可能であり得る。細長い移動部材は、1つ以上のプルワイヤ(例えば、プルワイヤ若しくはプッシュワイヤ)、ケーブル、ファイバ、及び/又は可撓性シャフトを含んでもよい。例えば、ロボットアームは、スコープ202に結合された複数のプルワイヤ(図示せず)を作動させて、スコープ202の先端208を偏向させるように構成され得る。プルワイヤは、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、炭素繊維、及び同等物などの金属及び非金属材料などの任意の好適な又は望ましい材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スコープ202は、細長い移動部材によって印加された力に応答して、非直線的挙動を呈するように構成されている。非直線的挙動は、スコープ202の剛性及び圧縮性、並びに異なる細長い移動部材間の緩み又は剛性の変動性に基づき得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、スコープ202は、センサデータを生成し、かつ/又は別のデバイスに送信するように構成されたセンサ(「位置センサ」と呼ばれることもある)を含む。センサデータ(「センサ位置データ」と呼ばれることもある)は、医療器具202(例えば、その遠位端208)の位置及び/又は向きを示すことができ、かつ/又は医療器具202の位置/向きを判定/推定するために使用され得る。例えば、センサは、センサデータを制御システムに提供することができ、そのセンサデータは、次いで、スコープ202の位置及び/又は向きを判定するために使用される。センサは、スコープ202の遠位端208及び/又は別の場所に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、センサとしては、導電性材料のコイルを有する電磁(EM)センサ、又はアンテナの他の形態/実施形態を挙げることができる。図2は、スコープ202上のEMセンサによって検出されるEM場226を伝播するように構成されている、EM場発生器224を示す。磁場226は、わずかな電流をEM位置センサのコイル内で誘導し得るが、このわずかな電流は、EMセンサとEM場発生器224との間の距離及び/又は角度/向きを判定するために分析され得る。あるいは、又はそれに加えて、スコープ202は、形状感知ファイバ、加速度計(複数可)、ジャイロスコープ(複数可)、衛星ベースの測位センサ(複数可)(例えば、全地球測位システム(GPS)センサ)、高周波トランシーバ(複数可)など、他のタイプのセンサを含み得る。
【0100】
スコープ202は、ユーザ入力に基づき又は自動的にのいずれかで、任意の好適な又は望ましい方法で制御可能であり得る。制御部228、230(「I/Oデバイス」とも呼ばれる)は、ユーザ入力を受信するために使用され得る実施例を提供する。実施例では、制御部228は、スコープ202の近位ハンドル上に位置する。更に、実施例では、制御部230は、図2の実施例におけるようなコントローラとして実装される。いくつかの実施形態では、制御部228及び/又は制御部230は、図1の医療システム100などのロボット技術の文脈で使用される。例えば、制御部230は、ユーザから入力を受信し、スコープ202に接続されたロボットシステムを制御するための入力信号を提供し得る。制御部228、230は、手持ち式コントローラとして示されているが、ユーザからの入力は、タッチスクリーン/パッド、マウス、キーボード、マイクロフォンなど任意のタイプのI/Oデバイスを使用して受信され得る。
【0101】
例示的なカテーテル
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、患者の腎臓に配設されたカテーテル302を示す図である。カテーテル302は、図1のカテーテル130及び/又は本明細書で説明される任意の他のカテーテルを表し得る。例えば、カテーテル302は、腎臓304内の腎臓結石を治療及び/又は除去するための尿管鏡手技において使用され得る。しかしながら、カテーテル302は、他のタイプの手技においても使用され得る。上述したように、尿管鏡手技及び/又は他のタイプの手技は、少なくとも部分的に手動で実施することができ、かつ/又は図1に示す医療システム100などを用いて少なくとも部分的にロボット技術を使用して実行することができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、カテーテル302は、解剖学的部位に灌注及び/又は吸引を提供するように構成されている。例えば、カテーテル302は、腎臓304から、1つ以上の腎臓結石断片を除去するためなどの吸引流出チャネル、及び/又は流体を提供するための灌注流入チャネルを実装するための管腔306を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテル302は、解剖学的部位に灌注/吸引を提供するための別の医療器具(複数可)308とともに実装される。例えば、カテーテル302は、医療器具308内を通過するように寸法決めされた剛性又は可撓性の管(複数可)を備えることができ、医療器具308としては、外側シース、導入器、腎盂尿管鏡、又は別の管腔型デバイスを挙げることができる。チャネル310は、カテーテル302の外壁と医療器具308の内壁/シースとの間の空間に形成され得る。チャネル310は、吸引(及び/又は場合によっては灌注)を提供し得る。カテーテル302が医療器具308内に配置された状態では、カテーテル302及び医療器具308のシャフト(複数可)/シース(複数可)は、概ね同心状であってもよい。カテーテル302及び医療器具308は、少なくともその一部にわたって、略円形の断面形状を有してもよい。カテーテル302及び/又は医療器具308は、吸引及び灌注の両方を提供することができるが、灌注及び吸引は、同じ器具(複数可)を介して提供されてもされなくてもよい。例えば、スコープが灌注を提供することができ、カテーテル302/医療器具308が吸引を提供することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル302は、経皮的アクセス経路を介して解剖学的部位にアクセスし、かつ/又は解剖学的部位に灌注/吸引を提供するように構成される。
【0103】
カテーテル302は、カテーテル302の先端314上に1つ以上のマーキング312(「1つ以上の配向マーキング312」と称されることもある)を含んでもよい。1つ以上のマーキング312は、カテーテル302を較正するために、又はそうでなければ、カテーテル302の先端314の向きを視認するために使用され得る。1つ以上のマーキング312は、変形(複数可)(例えば、凹み、穴、切り欠き、平坦部分など)、着色(例えば、先端部の一方の側を第1の色に着色し、他方の側を異なる色に着色する、着色されたローマ数字など)、画像(複数可)(例えば、数字、文字、形状、又は他の画像)などを含み得る。図3の実施例では、1つ以上のマーキング312は、先端部314の一方の側にローマ数字Iの凹み、及び先端部314の反対側にローマ数字IIの凹みの形態で実装される。実施例では、1つ以上のマーキング312が、先端314の外径及び内径の両方に実装され得る。これにより、先端314の種々の向き/位置に対して、1つ以上のマーキング312の向きを視認することが支援され得る。いくつかの実施形態では、凹みマーキングは、先端314上に比較的平滑な表面を提供するように、物質で充填することができる。いくつかの実施形態では、先端314は、平坦部分を有する円形の断面など、1つ以上のマーキング312を実装するための特定の形状を含み得る。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上のマーキング312は、パターン、画像(例えば、QRコード)などの画像処理技法によってより容易に検出可能である特定の様式で実装される。1つ以上のマーキング312は、カテーテル302の外縁/外径上に実装されるが、1つ以上のマーキング312は、それに加えて又はその代替として、カテーテル302の先端314の内縁/内径上に実装され得る。これは、カテーテル302のための滑らかな外縁を提供することができ、これは、場合によっては、カテーテル302をナビゲーションするために有利であり得る、かつ/又は患者の解剖学的構造への損傷を回避するために有利であり得る。1つ以上のマーキング312は、カテーテル302の先端314上に図示されているが、1つ以上のマーキング312は、カテーテル302の本体316などの、他の場所に位置し得る。
【0104】
カテーテル302はまた、カテーテル302の本体上に1つ以上のマーキング318(「1つ以上の深度マーキング318」と称されることもある)を含み得る。1つ以上のマーキング318は、カテーテル302が解剖学的構造内にどれだけ深く挿入されたかを判定するために使用され得る。例えば、カテーテル302は、カテーテル302の先端314から異なる距離に位置する、複数のマーキング318を実装し得る。医師/制御システムが、カテーテル302の先端314に対してある特定の距離に位置する第1のマーキングを視認/検出することができる場合、その医師/制御システムは、カテーテル302が少なくともその特定の距離だけ患者内に挿入されていると判定し得る。1つ以上のマーキング318は、上述した1つ以上のマーキング312と同様の方法で、変形(複数可)(例えば、凹み、穴、ノッチ、平坦部など)、着色、画像(複数可)(例えば、数字、文字、形状、又は他の画像)などを用いて実装され得る。図3の実施例では、マーキング318は、カテーテル302の本体316の外周の周りに延在する着色マーキングとともに示されている。実施例では、1つ以上のマーキング318(及び/又は1つ以上のマーキング312)は、蛍光透視法、超音波カメラなどを用いて検出され得る/視認できる。
【0105】
カテーテル302は、カテーテル302の少なくとも遠位端314などに対して、関節接合されるように構成され得る。例えば、カテーテル302は、カテーテル302の曲げ特性を通して結合され得る、3-自由度(DOF)(例えば、x、y、及びz移動)、4-DOF(例えば、x、y、z、及びロール移動)、6-DOF(例えば、x、y、z、ピッチ、ヨー、及びロール移動)などの種々の自由度で動くように構成され得る。例示のために、先端314は、ヨー軸320、ピッチ軸322、及び/又はロール軸324(「長手方向軸324」又は「z軸324」とも呼ばれる)上で偏向され得る。いくつかの実施形態では、カテーテル302は、2つの独立した自由度(DOF)において動くように構成され(例えば、ヨー及びピッチプルワイヤを用いて)、かつ/又はカテーテル302は、ロール運動するようには構成されていない。しかしながら、カテーテル302は、場合によっては、ロール及び/又は他のタイプの動きができるように構成され得る。カテーテル302の先端314又は本体316は、縦軸324方向、x軸326方向、又はy軸328方向に、伸長又は並進され得る。カテーテル302が位置センサを装備している実施形態では、位置センサは、3-DOF位置情報(例えば、x、y、及びz座標)、5-DOF位置情報(例えば、x、y、及びz座標並びにピッチ角及びヨー角)、6-DOF位置情報(例えば、x、y、及びz座標並びにピッチ角、ヨー角及びロール角)などの位置情報を提供し得る。
【0106】
ロボット実装形態のために、ロボットシステムのロボットアームは、1つ以上の細長い移動部材を使用してカテーテル302を操作するように構成され得る/構成可能であり得る。細長い移動部材は、1つ以上のプルワイヤ(例えば、プルワイヤ若しくはプッシュワイヤ)、ケーブル、ファイバ、及び/又は可撓性シャフトを含んでもよい。例えば、ロボットアームは、カテーテル302に結合された複数のプルワイヤ(図示せず)を作動させて、カテーテル302の先端314を偏向させるように構成され得る。プルワイヤは、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、炭素繊維、及び同等物などの金属及び非金属材料などの任意の好適な又は望ましい材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル302は、細長い移動部材によって印加された力に応答して、非直線的挙動を呈するように構成されている。非直線的挙動は、カテーテル302の剛性及び圧縮性、並びに異なる細長い運動部材間の緩み又は剛性の変動性に基づくものであり得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、カテーテル302の先端314は、壊滅的な劣化などの特定の文脈における劣化を回避する材料で実装される。例えば、先端部314は、ステンレス鋼(又は他の種類の鋼)、チタン、タングステン、及び/又は、スコープからのレーザビームが意図せずかつ/若しくはしばしばカテーテル302の先端部314に接触するという場合にもその構造を概ね維持することができる他の材料(比較的高い融点を有し得る材料)で実装され得る。しかしながら、カテーテル302の先端314及び/又は任意の他の部分は、他の材料で実装され得る。
【0108】
いくつかの実施形態は、位置センサなしで実装されるカテーテル302の文脈で論じられるが、他の実施形態では、カテーテル302は、センサデータを生成し、かつ/又は別のデバイスに送信するように構成された、位置センサを含む。センサデータは、カテーテル302(例えば、その遠位端314)の位置及び/若しくは向きを示すことができる、かつ/又は、カテーテル302の位置/向きを判定/推定するために使用し得る。センサは、カテーテル302の遠位端314及び/又は別の場所に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、位置センサとしては、導電性材料のコイルを有する電磁(EM)センサ、又はアンテナの他の形態/実施形態を挙げることができる。あるいは、又はそれに加えて、位置センサとしては、形状感知ファイバ、加速度計(複数可)、ジャイロスコープ(複数可)、衛星ベースの測位センサ(複数可)(例えば、全地球測位システム(GPS)センサ)、高周波トランシーバ(複数可)など、他のタイプのセンサが挙げられ得る。
【0109】
更に、図3には示されていないが、いくつかの実施形態では、カテーテル302は、患者の内部解剖学的構造を表す画像データなどの画像データを取得するように構成された撮像装置(複数可)を含み得る。例えば、カテーテル302は、カテーテル302の先端314上に位置する撮像デバイスを含み得る。場合によっては、撮像デバイスからの画像データを使用して、カテーテル302の視点からカテーテル302を駆動し得る。
【0110】
カテーテル302は、ユーザ入力に基づき又は自動的にのいずれかで、任意の好適な又は望ましい方法で制御可能であり得る。制御部330、332(「I/Oデバイス」とも呼ばれる)が、ユーザ入力を受信するために使用され得る実施例を提供する。実施例では、制御部330は、カテーテル302の近位ハンドル上に位置する。更に、実施例では、制御部332は、図2の実施例におけるようなコントローラとして実装される。いくつかの実施形態では、制御部330及び/又は制御部332は、図1の医療システム100などのロボット技術の文脈で使用される。例えば、制御部332は、ユーザから入力を受信し、カテーテル302に接続されたロボットシステムを制御するための入力信号を提供し得る。制御部330、332は、手持ち式コントローラとして示されているが、ユーザからの入力は、タッチスクリーン/パッド、マウス、キーボード、マイクロフォンなど任意のタイプのI/Oデバイスを使用して受信され得る。
【0111】
例示的な制御モード
図4図6は、1つ以上の実施形態による、別の医療器具の観点から医療器具を駆動するための制御/駆動モードの例示的な実装形態を示す図である。これらの制御モードは、腎臓結石412を除去するために、スコープ410の視点から腎臓408内でカテーテル406を駆動する目的で入出力デバイス404を使用する医師402の文脈で説明される。ユーザインターフェース414は、医師402がカテーテル406を駆動するのを支援するために提示されることができる。示されるように、ユーザインターフェース414は、スコープ410の視点からの画像データ416(例えば、スコープ410によって取得された画像データ)を提示し得る。これらの実施例では、医師402は、スコープ410に対するカテーテル406の様々な向き/位置に対して、実施する制御モードを選択し得る。しかしながら、制御モードは、本明細書で説明するように、様々な方法で選択し得る。
【0112】
図4図6では、スコープ410に対するカテーテル406の様々な向きに対して、カテーテル406をナビゲーションするための直接制御モード及び/又は反転制御モードを説明する。反転制御モードは、カテーテル406がスコープ410に面しているときにしばしば使用され、直接制御モードは、カテーテル406及びスコープ410が同じ方向に面しているときにしばしば使用され得るが、反転制御モード及び/又は直接制御モードは、器具の、互いに対する他の向き及び/又は腎臓結石412に対する他の向きなど、任意の文脈で実装され得る。更に、いくつかの実施形態では、カテーテル406/スコープ410が手技中に再位置決めされるときに、医師402が駆動モードを切り替えることなどによって、同じ手技中に複数の駆動モードを実施し得る。
【0113】
これらの実施例は、カテーテル406が腎臓結石412に対して様々な位置から腎臓408に入ることができることを示す。例えば、図4-1及び図4-2並びに図6-1及び図602では、カテーテル406は、スコープ410に対して腎臓結石412の背後で腎臓408に進入する。図5-1及び図5-2において、カテーテル406は、スコープ410と実質的に同じ方向から腎臓結石412にアクセスする。しかしながら、カテーテル406は、腎臓408及び/又はスコープ410に対して、様々な他の位置/経路から、腎臓結石412にアクセスし得る。更に、スコープ410は、様々な他の位置に位置決めされ得る。
【0114】
図4-1及び図4-2は、カテーテル406がスコープ410に正対しているときの直接制御モード(「パラレルモード」とも呼ばれる)でのカテーテル406の駆動を示す。このように、アイコン418は、直接制御モードが選択されていることを示す。この実施例では、医師402は、I/Oデバイス404に対する右方向に関連付けられた、I/Oデバイス404上の方向制御部を選択する。直接制御モードが実施されているので、カテーテル406は、カテーテル406に対して対応する方法で制御され得る。すなわち、カテーテル406は、カテーテル406の座標系/制御フレームに対して右に移動する。図4-2に示すように、ユーザインターフェース414は、カテーテル406がスコープ410に正対しているので、カテーテル406が左に移動しているように示す。
【0115】
図5-1及び図5-2は、カテーテル406及びスコープ410が実質的に同じ方向を向いているときの直接制御モードでのカテーテル406の駆動を示す。この例では、医師402は、再びI/Oデバイス404に対して右方向に関連付けられた、I/Oデバイス404上の方向制御部を選択する。直接制御モードが実施されているので、カテーテル406は、カテーテル406の座標系/制御フレームに対して右に移動する。図5-2に示すように、ユーザインターフェース414は、カテーテル406が概ね同じ方向を向いているので、カテーテル406を右に移動しているように示す。実施例では、直接制御モードは、カテーテル406及びスコープ410が同じ領域から腎臓結石412に実質的に面している図5-1及び図5-2の文脈においてより頻繁に実装され得るが、それは、ユーザインターフェース414を介して、カテーテル406の移動の、よりユーザフレンドリなビューを提供し得るためである。
【0116】
図6-1及び図6-2は、カテーテル406がスコープ410に正対しているときの反転制御モード(「ミラーモード」とも呼ばれる)でのカテーテル406の駆動を示す。アイコン420は、反転制御モードが選択されていることを示す。この実施例では、医師402は、I/Oデバイス404に対する左方向に関連付けられた、I/Oデバイス404上の方向制御部を選択する。反転制御モードが実施されているので、カテーテル406を、カテーテル406に対して反転させた様式で制御し得る。すなわち、カテーテル406は、カテーテル406の座標系/制御フレームに対して左に移動する。そうするために、以下で更に詳細に説明するように、座標系/制御フレームの移動方向の水平成分を反転させることができる。図6-2に示すように、ユーザインターフェース414は、カテーテル406がスコープ410に正対しているので、カテーテル406が左に移動しているように示す。実施例では、反転制御モードは、カテーテル406及びスコープ410が実質的に互いに正対している図6-1及び図6-2の文脈においてより頻繁に実装され得るが、それは、ユーザインターフェース414を介して、カテーテル406の移動の、よりユーザフレンドリなビューを提供し得るためである。
【0117】
例示的な器具駆動インターフェース
図7は、1つ以上の実施形態による、医療器具を制御/ナビゲーションするための例示的なインターフェース702を示す図である。例えば、インターフェース702は、医師が、スコープの視点からスコープを駆動し、スコープの視点からカテーテル704を駆動し、かつ/又は別の医療器具を使用するのを支援するための情報を提供し得る。以下で説明するように、インターフェース702は、タッチスクリーン、コントローラ、マウス、トラックパッド、又は別のタイプのI/Oデバイスを通じて選択することができる、1つ以上のインターフェース要素(例えば、アイコン)を含み得る。
【0118】
示されるように、インターフェース702は、概ねスコープの視点からのものであり得る、画像データ706を提示し得る。すなわち、画像データ706は、スコープ上の撮像デバイスの視野の少なくとも一部を描写し得る。いくつかの実施形態では、画像データ706は、(上述のように)元の画像ビューとして提示されるが、他の実施形態では、画像データ706は、回転された画像ビューとして提示される。インターフェース702は、一般に、スコープの視点からの画像データを提示するが、インターフェース702は、それに加えて又はその代替として、別の医療器具の視点からの画像データを提示し得る。例えば、カテーテル704がカテーテル704の視点から駆動されている場合、インターフェース702は、カテーテル704の視点からの画像データを提示し得る。
【0119】
インターフェース702は、制御する医療器具を選択するためのインターフェース要素708、710、712を含み得る。インターフェース要素708は、スコープの制御を可能にし、インターフェース要素710は、スコープに関連付けられた医療器具(「ツール」とも呼ばれる)の制御を可能にし、インターフェース要素712は、カテーテル704の制御を可能にする。スコープに関連付けられた医療器具としては、レーザ、切断器具、砕石器、バスケットデバイス、鉗子などが挙げられ得る。本明細書で議論されるように、そのような医療器具は、スコープの作業チャネルを通して展開され、腎臓結石714を破壊して、カテーテル704によって取り出せるようにすることができる。
【0120】
インターフェース702は、直接駆動/制御モードを可能にするインターフェース要素716と、反転駆動/制御モードを可能にするインターフェース要素718と、を含み得る。例えば、スコープの視点からカテーテル704を駆動し(すなわち、インターフェース要素712が選択される)、直接制御モードが有効にされる(すなわち、インターフェース要素716が選択される)ときには、カテーテル704は、カテーテル704の視点に対して対応する様式で駆動され得る。対照的に、スコープの視点からカテーテル704を駆動し(すなわち、インターフェース要素712が選択される)、反転制御モードが有効化される(すなわち、インターフェース要素718が選択される)ときには、カテーテル704は、カテーテル704の視点に対して反転様式で駆動され得る。
【0121】
インターフェース702はまた、ユーザが医療器具を制御するのを支援するための他の情報を含み得る。例えば、関節運動バー720、722を画像データ706の周りに提示して、選択された医療器具に関連付けられた関節運動の量を見ることができる。上部/底部関節運動バー722は、垂直関節運動の量(例えば、医療器具が垂直方向にどれだけ移動されたか)を示すことができる。例えば、上部/底部関節運動バー722は、画像データ706の上又は下に位置決めされてもよい、かつ/又は医療器具の垂直関節屈曲を示すために、長さが拡張/収縮してもよい。図7の実施例では、上部/底部関節接合バー722は、カテーテル704が下方に関節運動していることを示すために、画像データ706の下に位置決めされる。右/左関節運動バー720は、水平関節運動の量(例えば、医療器具が水平方向にどれだけ移動されたか)を示すことができる。例えば、右/左関節動作バー720は、画像データ706の右又は左に位置決めされてもよい、かつ/又は医療器具の水平関節動作を示すために、長さが拡張/収縮してもよい。図7の実施例では、右/左関節運動バー720は、画像データ706の左に位置決めされて、カテーテル704がミラーモードで右に関節運動されていることを示す。したがって、カテーテル704が制御されているとき、関節運動バー720、722は、カテーテル704が、カテーテル704の長手方向軸に対して、インターフェース704内で右、左、上、又は下にどれだけ関節運動したかなど、カテーテル704の移動量を示すことができる。場合によっては、関節運動バーが最短の許容長さで(かつ/又は関節運動バーなしで)示されているとき、これは、カテーテル704がカテーテル704の長手方向軸と位置合わせされている(例えば、関節運動がない)ことを示し得る。
【0122】
図7の実施例では、関節動作バー720、722は、画像データ706を実質的に中心とし、関連付けられた医療器具が関節動作するにつれて長さが拡張/収縮する。例えば、画像データ706の下端に沿った関節運動バー722は、医療器具がインターフェース702内で上/下にナビゲーションされるときに、画像データ706の中心を通る垂直軸との位置合わせを維持しながら、長さを増加/減少させることができる。同様に、画像データ706の側縁に沿った関節運動バー720は、医療器具がインターフェース702内で右/左にナビゲーションされるとき、画像データ706の中心を通る水平軸との位置合わせを維持しながら、長さを増加/減少させることができる。しかしながら、他の実施例では、関節運動バー720、722は、長さを変化させることなくインターフェース702に対して垂直/水平方向に移動するなど、医療器具の関節運動を示すために他の方法で操作され得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、関節運動バー720、722のうちの1つ以上は、制御スキームの較正に基づいて更新され得る。例えば、当初、関節運動バー720、722が、カテーテルが、ある方向に関節運動されることを示し、カテーテルのための制御スキームが調節される場合、関節運動バー720、722は、カテーテルが、スコープに対するカテーテルの実際の向きを正確に反映する異なる方向に関節運動されることを示すように更新されることができる。対照的に、いくつかの実施形態では、画像データ706の向きは、制御スキームの較正後にも維持され得る。しかしながら、場合によっては、更新された制御スキームを反映するように、画像データ706の向きは更新され得る。
【0124】
インターフェース702はまた、標的場所又は別の目印に対して現在制御されている最中の医療器具の位置を示すために、進捗バー724を提示し得る。例えば、進捗バー724は、スコープによってタグ付けされた/指定された標的場所、カテーテル704が腎臓に入るための入口点として指定された乳頭など、に対するスコープの近接度を示すことができる。場合によっては、進捗バー724が完全に埋められたとき、スコープが標的場所にあるということを示すことができる。他の場合には、進捗バー724は、標的場所の位置を示すための、バーに沿ったマーキングを含み得る。追加的に又は代替的に、進捗バー724は、カテーテル704/腎臓結石714へのスコープの近接度、スコープ/標的場所/腎臓結石714へのカテーテル704の近接度、カテーテル704/標的場所/腎臓結石714へのツールの近接度などの他の進捗情報を示すことができる。いくつかの実施形態では、進捗バー724は、選択された医療器具(例えば、現在駆動されている医療器具)に関する情報を含み得る。
【0125】
図7には示されていないが、いくつかの実施形態では、インターフェース702は、1つ以上のX線画像、CT画像など、外部撮像デバイスによって取得された画像データを提示し得る。そのような画像データは、カテーテル704、スコープ、別の医療器具、患者の内部解剖学的構造などを描写し得る。いくつかの実施例では、画像データは、蛍光透視手技の一部として取得され得る。
【0126】
例示的なフロー図:機器制御プロセス
図8は、1つ以上の実施形態による、医療器具を、別の医療器具の視点から制御するためのプロセス800の例示的なフロー図である。プロセス800に関連付けられた様々な動作は、制御システム150、ロボットシステム110、テーブル170、スコープ120、カテーテル130、及び/又は図1の別のデバイスなどの、本明細書で考察されるデバイス/システムのうちのいずれか、又はそれらの組み合わせ中に実装された制御回路によって実行され得る。
【0127】
ブロック802において、プロセス800は、第1の器具から画像データを受信することを含み得る。例えば、制御回路は、第1のアクセス経路を介して解剖学的部位にアクセスするように構成された第1の器具から、画像データを受信し得る。画像データは、解剖学的部位及び/又は第2の器具を表すことができ、第2の器具は、第2のアクセス経路を介して解剖学的部位にアクセスするように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の器具は、スコープであり、かつ/又は、第2の器具は、カテーテルである。
【0128】
ブロック804において、プロセス800は、画像データの視覚表現を表示させることを含み得る。例えば、制御回路は、ユーザインターフェースを表すユーザインターフェースデータ及び/又は画像データの視覚表現を生成し得る。制御回路は、ユーザインターフェースデータに基づいて、ユーザインターフェース及び/又は視覚表現を表示させることができる。
【0129】
ブロック806において、プロセス800は、第1の器具又は第2の器具を制御するように制御システムを構成することを含み得る。例えば、制御回路は、制御を第2の器具から第1の器具に切り替える、又はその逆に切り替えることを示す入力信号を、入力デバイスから受信し得る。そのような入力信号に基づいて、制御回路は、第1の器具又は第2の器具を制御するように、制御システムを構成し得る。したがって、いくつかの実施形態では、同じ入力デバイスが、第1の器具及び第2の器具を制御するために使用され得る。
【0130】
ブロック808において、プロセス800は、入力デバイスから方向入力信号を受信することを含み得る。例えば、ユーザは、入力デバイスを介して入力を提供することができ、入力デバイスは、入力デバイスに対する特定の方向にそれぞれ関連付けられた複数の入力制御部を含み得る。入力デバイスは、入力に基づいて方向入力信号を生成し、方向入力信号を制御回路に送信し得る。方向入力信号は、入力デバイスに対する方向に関連付けることができる。方向は、水平/垂直成分に関連付けることができる。
【0131】
ブロック810において、プロセス800は、第2の器具に対する第1の器具の向き及び/又は位置を判定することを含み得る。例えば、制御回路は、第1の器具の向き/位置及び第2の器具の向き/位置を追跡するために、1つ以上の位置特定技法を実行し得る。制御回路は、そのような情報を使用して、第2の器具に対する第1の器具の向き/位置を判定し得る。
【0132】
ブロック812で、プロセス800は、第1の器具/第2の器具の制御モードを決定することを含み得る。例えば、制御回路は、受信した入力に対して直接様式で器具を制御することに関連付けられる直接制御モード、及び/又は受信した入力に対して反転様式で器具を制御することに関連付けられる反転制御モードを決定し得る。一実施例において、制御回路は、複数の制御モードの中から1つの制御モードを示す入力信号を受信し得る。入力信号は、入力デバイス又は別のI/Oデバイスから受信され得る。別の実施例では、制御回路は、第2の器具に対する第1の器具の向き/位置に基づいて、複数の制御モードの中から自動的に、ある制御モードを決定し得る。例えば、制御回路は、複数の器具どうしの互いに対するある特定の向きに関連付けられた、所定の制御モードを選択し得る。
【0133】
ブロック812において、プロセス800は、第1の器具/第2の器具の移動を制御することを含み得る。例えば、制御回路は、制御モード及び/又は方向入力信号に基づいて制御信号を生成し得る。制御回路は、ロボットシステムに制御信号を送信して、ロボットシステムに、第1の器具/第2の器具を操作させて、その結果として解剖学的部位における第1の器具/第2の器具の移動をもたらすことができる。例示すると、入力デバイスに対する第1の方向に関連付けられた方向入力信号が受信され、反転制御モードが決定された場合、第2の器具は、第2の器具の基準系に対して第2の方向に移動するように制御され得る。第2の方向は、第1の方向に関連付けられた水平/垂直成分とは反対の符号を有する水平/垂直成分に関連付けることができる。対照的に、入力デバイスに対する第1の方向に関連付けられた方向入力信号が受信され、直接制御モードが決定された場合、第2の器具は、第2の器具の基準系に対して第2の方向に移動するように制御され得る。第2の方向は、第1の方向に関連付けられた水平/垂直成分と同じ符号を有する水平/垂直成分に関連付けることができる。基準系は、制御フレーム及び/又は座標系を含み得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、制御回路は、決定された制御モードに基づいて、第1の器具/第2の器具の挿入/後退を制御し得る。例示すると、挿入に関連付けられた方向入力信号が受信され、反転制御モードが決定された場合、第2の器具を後退させるように制御し得る。反対に、後退に関連付けられた方向入力信号が受信され、反転制御モードが決定された場合、第2の器具が挿入されるように制御し得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、ブロック802~814のうちの1つ以上は、入力デバイスを介して受信された入力に基づいて、1つ以上の制御モードで第1の器具及び/又は第2の器具を制御するために、任意の回数繰り返され得る。
【0136】
例示的な座標系/制御フレーム及び制御の実装形態
図9-1及び図9-2は、1つ以上の実施形態による、医療器具の座標系に対する異なる制御モードの場合の、一人称視点からの医療器具の駆動の例示的な実装形態を示す図である。これらの図において、カテーテル902は、カテーテル902の先端に関連付けられた座標系904とともに、実質的にカテーテル902の視点から示されている。座標系に対して様々な慣例を使用することができるが、例示を容易にするために、本明細書の説明は、多くの場合、正のzに対応するものとして「前方」方向(例えば、挿入/後退)、正のxに対応するものとして「右」方向、及び正のyに対応するものとして「上」方向を指す。zベクトルは、医療器具の長手方向軸に沿って延びることができる。説明を容易にするために、座標系のzベクトルは図9-1及び図9-2には示されていない。座標系の文脈で説明したが、座標系904は、場合によっては、制御フレームを表すことができる。
【0137】
カテーテル902は、I/Oデバイス906を介して受信される入力に基づいて、I/Oデバイス906上の方向制御部を選択することなどによって制御され得る。ここで、入力は、I/Oデバイス906に対する方向/ベクトル908に関連付けられ、それは、I/Oデバイス906に対して負のx値(水平成分)及び正のy値(垂直成分)を有する。水平/垂直成分は、方向及び/又は大きさを示すことができる。
【0138】
図示されるように、カテーテル902は、異なる制御モードの場合に、異なる様式で(座標系904に対して)移動し得る。直接制御モード(図9-1に示されるモード)では、カテーテル902は、座標系904に対して、負のx値及び正のy値を有する方向/ベクトル910に移動するように制御される。対照的に、同じ入力に対して、反転制御モード(図9-2に示されるモード)では、カテーテル902は、座標系904に対して、正のx値及び正のy値を有する方向/ベクトル912に移動するように制御される。ここで、方向/ベクトル912は、方向908と同じ大きさ(又は何倍か)を有するが、方向/ベクトル908のx値の反対の符号を有するx値を有する。したがって、水平成分は、反転制御モードの場合に反転され得る。
【0139】
いくつかの実施形態、例えば三人称駆動の場合又は他の場合などにおいて、医療器具の移動を容易にするために制御基準座標系が実装される。図10-1及び図10-2は、1つ以上の実施形態による、医療器具の制御フレームに対する異なる制御モードの場合の、三人称視点からの医療器具の駆動の例示的な実装形態を示す図である。これらの図では、図9-1及び図9-2からのカテーテル902は、スコープ1002と実質的に正対するように配向されている。説明を容易にするために、カテーテル902は、本体部分ではなく、先端部分のみを有するように示されている。図10-1及び図10-2は、医療手技中に起こり得る様式で位置決めされたカテーテル902及びスコープ1002を示す。
【0140】
図10-1及び図10-2において、カテーテル902は、カテーテル902に関連付けられた制御フレーム1004(「制御基準座標系1004」とも呼ばれる)に対して、スコープ1002の視点から制御される。制御フレーム1004は、xベクトル、yベクトル、及びzベクトルなどのカテーテル902を制御するために使用される抽出座標系/ベクトルのセットを含み得る。説明を容易にするために、制御フレーム1004のzベクトルは、図10-1及び図10-2には示されていない。制御フレーム1004は、カテーテル902を駆動するためにユーザインターフェースを介して表示される画像データの向きに相関させることができる。例えば、制御フレーム1004は、インターフェース内に表示されるようなスコープ1002から取得された画像データの向きを表すことができる(例えば、制御フレーム1004の正のy軸は、インターフェースのy軸と位置合わせされている)。すなわち、インターフェースを通して表示される画像データは、図10-1及び図10-2に示される向きでカテーテル902を描写する。制御フレーム1004は、カテーテル902の座標系(図10-1及び図10-2に図示せず)に対して、位置合わせされ得るか、又はある角度だけオフセットされることができる。上述したように、座標系は、器具に対して固定され得る(例えば、カテーテル902上のマーキングに固定される)一方で、制御フレームは、変化し得る(例えば、スコープ1002がロールするにつれて回転する、かつ/又は画像データの向きがインターフェース内で変化する)。
【0141】
図10-1及び図10-2はまた、スコープ1002の先端に関連付けられたスコープ1002の座標系1006も示す。座標系1006は、スコープ1002の先端に位置する撮像デバイスに相関させることができる。
【0142】
カテーテル902は、異なる制御モードの場合に、異なる様式で制御フレーム1004に対して移動するように制御され得る。図10-1及び図10-2の実施例では、負のx値(水平成分)及び正のy値(垂直成分)を有する、I/Oデバイス906に対する方向/ベクトル908に関連付けられた入力が、I/Oデバイス906を介して受信される。直接制御モード(図10-1に示されるモード)では、カテーテル902は、座標系1004に対して、負のx値及び正のy値を有する方向/ベクトル1008に移動するように制御される。対照的に、同じ入力に対して、反転制御モード(図10-2に示されるようなモード)では、カテーテル902は、制御フレーム1004に対して正のx値及び正のy値を有する方向/ベクトル1010に移動するように制御される。ここで、方向1010は、方向908のx値と反対の符号(及び図10-1からの方向1008のx値と反対の符号)を有するx値に関連付けられる。したがって、水平成分は、反転制御モードの場合に反転され得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、制御フレーム1004に対してカテーテル902をどのように制御するかを決定するために、ベクトル908に基づいて制御フレーム1004に対するベクトル1008を決定し得る。例えば、ベクトル1008の方向/大きさは、ベクトル908の方向/大きさに基づいて決定し得る。反転制御モードが実装される事例では、ベクトル1008の方向は、水平/垂直成分を反転させる(例えば、ベクトル908のx成分の符号を切り替える)ことによって決定され得る。いくつかの実施形態では、ベクトル908は、1つ以上のアルゴリズムを使用して、カテーテル902の座標系及び/又は制御フレームに間接的に(又は場合によっては直接的に)マッピング/変換される。
【0144】
上述したように、カテーテル902のためのI/Oデバイス906を介して受信される入力は、カテーテル902の関節運動の速度など、カテーテル902の関節運動を駆動し得る。例えば、I/Oデバイス906上の入力構成要素(例えば、ジョイスティック)を介して入力が受信される場合、カテーテル902は、関節運動される。次いで、入力構成要素が接触されないままにされる場合、カテーテル902は、その現在の位置/向きを維持することができる(例えば、その現在の関節運動位置にとどまっている)。したがって、I/Oデバイス906上の入力は、カテーテル902の既存の関節運動に対して加算/減算することによって、カテーテル902を制御させることができる。
【0145】
図9-1、図9-2、図10-1、及び図10-2の実施例の反転制御モードは、水平成分(例えば、x値)を反転させる文脈で説明されているが、反転制御モードは、代替的に又は追加的に、垂直成分を変化させ(例えば、y値に関連付けられた符号を変化させ)、かつ/又は挿入/後退に関連付けられた成分を変化させる(例えば、z値に関連付けられた符号を変化させる)ことができる。
【0146】
例示的な較正インターフェース
図11図12は、1つ以上の実施形態による、医療器具のための制御スキームを較正するための例示的なインターフェース1102を示す。例えば、インターフェース1102は、カテーテル1104の遠位端に対するスコープの遠位端に関する向き情報を調整するための情報を提供し得る。いくつかの実施形態では、医療器具の動きが、入力デバイスを介して提供される入力と、完全には相関していないことにユーザが気付いたときに、ユーザは、インターフェース1102に合わせてナビゲーションすることができる。例えば、ユーザがスコープの視点からカテーテル1104を駆動しており、入力デバイスを介して上という入力が提供されるときに、カテーテル1104が器具駆動インターフェース(例えば、図7のインターフェース702)において右に移動することに気付いた場合、ユーザは、インターフェース1102に合わせてナビゲーションして、カテーテル1104及び/又はスコープを較正し得る。しかしながら、インターフェース1102は、他の時点でかつ/又は異なる方法でアクセスされ得る。
【0147】
示されるように、インターフェース1102は、カテーテル1104の近傍内にあるスコープの視点からの画像データ1106を提示し得る。すなわち、画像データ1106は、スコープ上の撮像デバイスの視野の少なくとも一部を描写し得る。画像データ1106は、元の画像ビュー又は回転された画像ビューで提示し得る。インターフェース1102は、一般に、スコープの視点からの画像データを提示するが、インターフェース1102は、それに加えて又はその代替として、別の医療器具の視点からの画像データを提示し得る。
【0148】
インターフェース1102はまた、較正/制御する医療機器を選択するためにインターフェース要素1108、1110、1012を提示し得る。インターフェース要素1108は、スコープの較正/制御を可能にし、インターフェース要素1110は、スコープに関連付けられた医療器具(「ツール」とも呼ばれる)の較正/制御を可能にし、インターフェース要素1112は、カテーテル1104の較正/制御を可能にする。図11の実施例では、インターフェース要素1112は、カテーテル1104が較正され得るように選択される。例えば、ユーザは、カテーテル1104に関連付けられた制御スキーム/制御基準座標系を較正し得る。しかしながら、代替として、インターフェース要素1108/インターフェース要素1110を、制御スキームを較正するように選択することができる。
【0149】
カテーテル1102の制御スキーム/制御フレームを較正するために、インターフェース1102は、カテーテル1104の先端の向きを表す位置合わせインジケータ1116を提供し得る。例えば、位置合わせインジケータ1116は、スコープの座標系に対するカテーテル1104の座標系を表すことができる。位置合わせインジケータ1116は、リング1116(A)と、カテーテル1104上に位置する1つ以上のマーキング1118の、スコープに対する推定される向きを表す1つ以上のマーキングインジケータ1116(B)と、を含み得る。例えば、制御システム(図示せず)は、互いに対するスコープのロールとカテーテル1104のロールとを追跡しようと試みることができる。そのような情報に基づいて、制御システムは、マーキングインジケータ1116(B)を提示して、スコープの先端の推定されるロールに対する、カテーテル1104の先端の推定されるロールを示すことができる。マーキングインジケータ1116(B)は、リング1116(A)の周囲に位置決めされて、カテーテル1104の先端上のマーキング1118の推定される向きを示し得る。
【0150】
所望であれば、ユーザは、入力を提供して、位置合わせインジケータ1116の向きを、カテーテル1104の先端上のマーキング1118の向きにより厳密に一致するように調整することができる。例えば、図11に示すように、マーキングインジケータ1116(B)の向きは、カテーテル1104上のマーキング1118と位置合わせされていない。したがって、ユーザは、位置合わせインジケータ1116を回転させるための入力を提供して、図12に示されるように、マーキングインジケータ1116(B)が、画像データ1106内に表示されるマーキング1118の向きにより位置合わせされるようにすることができる。ユーザは、位置合わせインジケータ1116を、ユーザが、カテーテル1104上のマーキング1118と位置合わせしていると考える位置まで、任意の角度だけ回転させることができる。
【0151】
ユーザは、位置合わせインジケータ1116を回転させるために、任意のタイプの入力デバイスを介して入力を提供し得る。例えば、ユーザは、右方向インターフェース要素1120に関連付けられ得るコントローラ(又はタッチスクリーンなど)上の右方向制御部を介して入力を提供して、位置合わせインジケータ1116を時計回りに回転させることができる。更に、ユーザは、左方向インターフェース要素1122に関連付けられ得るコントローラ(又はタッチスクリーンなど)上の左方向制御部を介して入力を提供して、位置合わせインジケータ1116を反時計回りに回転させることができる。しかしながら、他の様式の入力及び/又は回転を実装することもできる。回転されると、ユーザは、マーキングインジケータ1116(B)がマーキング1118と位置合わせされていることを示す入力を提供し得る。位置合わせインジケータ1116に対する調整を使用して、カテーテル1104に対する制御スキーム/制御基準座標系を更新/較正し得る。
【0152】
マーキングインジケータ1116(B)の向きは、概ね、当初は、カテーテル1104のマーキング1118の推定された向きに基づいて(図11に示されるように)表示されるが、マーキングインジケータ1116(B)は、別の向きで表示されることもできる。例えば、マーキングインジケータ1116(B)は、リング1116(A)の周りの所定の位置など、所定の向きで最初に表示され得る。上述したのと同様に、ユーザは、マーキングインジケータ1116(B)を調整して、カテーテル1104上のマーキング1118の向きに一致させることができる。次いで、制御システムは、スコープに対するカテーテル1104の指定された向きを使用して、カテーテル1104の制御スキーム/制御基準座標系を調整/較正し得る。
【0153】
更に、位置合わせインジケータ1116は、図11図12の文脈において実装されているが、他の視覚要素を追加的に又は代替的に実装し得る。例えば、ユーザがスコープに対するカテーテル1104の向きを調節することを可能にするために、スライダを提示することもできる。
【0154】
例示的なフロー図:器具較正プロセス
図13は、1つ以上の実施形態による、医療器具のための制御スキーム/制御基準座標系を較正するためのプロセス1300の例示的なフロー図である。プロセス1300に関連付けられた様々な動作は、制御システム150、ロボットシステム110、テーブル170、スコープ120、カテーテル130、及び/又は図1の別のデバイスなどの、本明細書で考察されるデバイス/システムのうちのいずれか、又はそれらの組み合わせ中に実装された制御回路によって実行され得る。
【0155】
ブロック1302において、プロセス1300は、解剖学的部位を表す画像データを受信することを含み得る。例えば、第1の器具は、第1のアクセス経路を介して解剖学的部位にアクセスするように構成することができ、第2の器具は、第2のアクセス経路を介して解剖学的部位にアクセスするように構成することができる。第2の機器は、画像データを生成し、画像データを制御回路に送信し得る。制御回路は、第2の器具から画像データを受信し得る。画像データは、解剖学的部位及び/又は第1の器具を表すことができる。いくつかの実施形態では、第1の器具は、カテーテルであり、かつ/又は、第2の器具は、スコープである。
【0156】
ブロック1304において、プロセス1300は、ブロック1306~1322のうちの1つ又は複数を実行することを含み得る。例えば、制御回路は、ブロック1306~1322のうちの1つ以上を、並行して、連続的になどの様式で実行することができる。
【0157】
ブロック1306において、プロセス1300は、画像データを表示させることを含み得る。例えば、制御回路は、ユーザインターフェースを介して、画像データ(ブロック1302で受信されたもの)の画像表現を表示させることができる。
【0158】
ブロック1308において、プロセス1300は、位置合わせインジケータを表示させることを含み得る。例えば、制御回路は、インターフェースを介して位置合わせインジケータを表示させることができ、位置合わせインジケータは、(例えば、第2の器具に対する)第1の器具の向き/第1の座標系を表す。いくつかの実施形態では、位置合わせインジケータは、リング、及び/又は第1の器具の向き/第1の座標系を表す1つ以上のマーキングインジケータを含む。いくつかの実施形態では、位置合わせインジケータは、第1の器具の遠位端の推定されたロールを表す。
【0159】
ブロック1310において、プロセス1300は、第1の器具の遠位端のロールなどの第1の器具の向きを示す入力を受信することを含み得る。例えば、制御回路は、位置合わせインジケータへの調整を含む入力を受信し得る。入力は、位置合わせインジケータを回転させて、位置合わせインジケータの1つ以上のマーキングインジケータを、第1の器具の遠位端上の1つ以上のマーキングに配向することを含み得る。代替的に又は追加的に、制御回路は、インターフェースを介して表示される、第1の器具の先端上の1つ以上のマーキングの度数/角度を示すテキスト/音声入力などの、第1の器具の向きを示す他のタイプの入力を受信し得る。
【0160】
ブロック1312において、プロセス1300は、画像データを表示させることを含み得る。例えば、制御回路は、インターフェースを介して、画像データ(ブロック1302で受信されたもの)の画像表現を表示させることができる。
【0161】
ブロック1314において、プロセス1300は、命令を表示させることを含み得る。命令は、ユーザがある特定のアクションを実行することを要求し得る。一実施例では、命令は、入力デバイス上で、ある特定の方向制御部を選択することを示す(例えば、「右方向を選択」というテキストをインターフェースを介して提示することができる)。別の一実施例では、命令は、第1の器具をインターフェースに対して特定の方向に移動させることを示す(例えば、「カテーテルを右に移動させる」というテキストをインターフェースを介して表示することができる)。
【0162】
ブロック1316において、プロセス1300は、方向入力信号を受信することを含み得る。ユーザが入力デバイス上のある特定の方向制御部を選択するように要求される一実施例では、制御回路は、その特定の方向制御部を介して受信された入力を示す方向入力信号を受信し得る。ユーザが、第1の器具をインターフェースに対してある特定の方向に移動させるように要求される別の一実施例では、制御回路は、第1の器具をインターフェースに対してその特定の方向に移動させる方向入力信号を受信し得る。ここで、ユーザは、第1の器具をインターフェースに対して、その特定の方向に移動させる試みにおいて、複数の入力を提供してもよい。
【0163】
ブロック1318において、プロセス1300は、第1の器具を制御して移動させ得る。例えば、制御回路は、方向入力信号に少なくとも部分的に基づいて、第1の器具を移動させることができる。
【0164】
ユーザが、入力デバイス上で、ある特定の方向制御部を選択するように要求される場合などのいくつかの実施形態では、ブロック1320において、プロセス1300は、移動方向を示す入力を受信することを含み得る。例えば、制御回路は、入力デバイス上で、その特定の方向制御部を選択したことに応答して、第1の器具がインターフェース内で移動した方向を示す入力を受信し得る。ここで、ユーザは、インターフェース、コントローラなどの入力デバイスを介して入力を提供することにより、第1の器具が移動した方向を指定し得る。
【0165】
ブロック1322において、プロセス1300は、ブロック1302において受信された画像データを使用して、1つ以上の画像処理技法を実行することを含み得る。例えば、制御回路は、画像データ内に描写される第1の器具を識別するために、1つ以上の画像処理技法を実行し得る。そのような技法は、第1の器具の先端、第1の器具上の1つ以上のマーキングなどの、第1の器具の1つ以上の特徴部を識別し得る。
【0166】
ブロック1324において、プロセス1300は、第1の器具の向き及び/又は第2の器具の向きを判定することを含み得る。例えば、制御回路は、ブロック1306~1322のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、第1の器具に関連付けられた第1の座標系及び/又は第2の器具に関連付けられた第2の座標系を判定し得る。座標系は、器具の遠位端のロールを示す/表すことができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、第2の器具の遠位端のロールに対する第1の器具の遠位端のロールを示すロールデータを生成し得る。例えば、ロールデータは、第2の器具に関連付けられた座標系に対する第1の器具に関連付けられた座標系の向きを示すことができる。
【0167】
ブロック1326において、プロセス1300は、第1の器具に対する制御スキームを較正することを含み得る。例えば、制御スキームは、第1の機器のための制御基準座標系を含むことができる、かつ/又はそれを用いて表され得る。制御回路は、第1の器具に関連付けられた第1の座標系と、第2の器具に関連付けられた第2の座標系との間の差異を識別し、その差異に基づいて、第1の器具に関連付けられた制御基準座標系を更新し得る。
【0168】
ブロック1328において、プロセス1300は、入力デバイスから入力信号を受信することを含み得る。例えば、制御回路は、入力デバイスに対する第1の器具の移動方向を示す方向入力信号を、入力デバイスから受信し得る。
【0169】
ブロック1330において、プロセス1300は、制御スキーム及び入力信号に基づいて、第1の器具の動きを制御することを含み得る。例えば、制御回路は、ブロック1328で受信された入力信号に基づいて、第1の器具の移動を制御するために、ブロック1326で較正された制御スキームを使用し得る。
【0170】
例示的制御フレーム較正
図14-1~図14-4は、1つ以上の実施形態による、医療器具のための制御フレームを較正することの、例示的な実装形態を示す。これらの図において、カテーテル1402は、医療手技を容易にするためにスコープ1404に近接して位置決めされる。ここで、カテーテル1402は、スコープ1404に対して実質的に正対するように配向され、カテーテル1402は、本体部分は省略され、先端部分のみを示している。図14-1~図14-4は、カテーテル1402及び/又はスコープ1404のための様々な座標/制御フレームを示す。様々な慣例を使用することができるが、説明は、正のzに対応するものとして「前方」方向を、正のxに対応するものとして「右」方向を、正のyに対応するものとして「上」方向を指すことが多い。説明を容易にするために、座標/制御フレームのzベクトルは、図14-1~図14-4には示されていない。
【0171】
図14-1は、スコープ1404に対するカテーテル1402の、推定された向きを示す。特に、図14-1は、スコープ1404に関連付けられた座標系1408に対する、カテーテル1402に関連付けられた、推定された座標系1406を示す。一方、図14-2は、スコープ1404に対するカテーテル1402の実際の向き、すなわち、スコープ1404の座標系1408に対するカテーテル1402の実際の座標系1410を示す。この実施例では、スコープ1404に対する、カテーテル1402の推定された向き(図14-1に示されるような向き)は、スコープ1404に対するカテーテル1404の実際の向き(図14-2に示されるような向き)に対して、いくらかの量の誤差を含む。例えば、座標系1406及び1410は、互いにオフセットされる。上述したように、そのような誤差は、スコープ1404の検出されないロール、スコープ1404の遠位端に完全には伝搬しないスコープ1404の近位端の操作、又はスコープ1404の他の原因不明のロールに起因し得る。
【0172】
図14-1はまた、スコープ1404に対するカテーテル1402の推定された向きに基づいて設定される、カテーテル1402のための制御フレーム1412を示す。制御フレーム1412は、スコープ1404の視点からカテーテル1402の動きを制御するように実装され得る。制御フレーム1412は、カテーテル1402の推定された座標系1406に対するオフセットによって表される/定義される。しかしながら、制御フレーム1412がカテーテル1402の実際の向きで実装されるとき、制御フレーム1412は、図14-3に示されるように現れる。図示のように、カテーテル1402の推定座標系1406に対する制御フレーム1412のオフセット(図14-2)は、カテーテル1406の実際の座標系1410に対する制御フレーム1412のオフセット(図14-3)と同じである。
【0173】
制御フレーム1412は、スコープ1404に対するカテーテル1402の推定された向きに基づいて設定され、この推定された向きは、誤差を有するので、制御フレーム1412は、図14-3に示されるように、カテーテル1402を制御するための基準系を不正確に表す。例えば、カテーテル1402を真上に移動させるための方向制御入力が、入力デバイスから受信される場合、カテーテル1402は、制御フレーム1410に対して上に(すなわち、制御フレーム1412のy軸に沿って正の方向に)移動するように制御される。スコープ1404に対する、カテーテル1402の実際の向きを示す図14-3の文脈では、カテーテル1402は、真上ではなく、右上に移動する。そのため、カテーテル1402は、スコープ1404に対して不正確に移動するように制御されてしまう。
【0174】
スコープ1404に対するカテーテル1402の推定された向きと実際の向きとの間の不一致に対処するために、カテーテル1402のための制御フレーム1412を較正することができる。例えば、制御フレーム1412は、図14-4に示すように、スコープ1404に対するカテーテル1402の向きを、正確に反映するように調整し得る。いくつかの実施形態では、カテーテル1402の推定された座標系1406とスコープ1404の座標系1408とは、同一平面に移動されることができる。次いで、座標系1406と座標系1408との間の第1のオフセット/差異(例えば、座標系1406のx/y軸と座標系1408のx/y軸との間のオフセット)を判定することができる。加えて、カテーテル1402の判定された座標系(例えば、インターフェース上の位置合わせインジケータに対するユーザ調節を通して判定される、画像処理を通して判定されるなど)と、スコープ1404の座標系1408とは、同一平面に移動され得る。カテーテル1402に対して判定された座標系とスコープ1404に対する座標系1408との間の第2のオフセット/差異を判定し得る。第1のオフセットと第2のオフセットとの間の差異が判定され、制御フレーム1412を更新するために使用され得る。例えば、第1のオフセットと第2のオフセットとの間に15度の差異がある場合(例えば、スコープ1404に対するカテーテル1402の推定された向きが15度不正確であることを意味する)、制御フレーム1412は、15度だけ又は15度に基づくある量だけ、調整され得る。
【0175】
医療システムを使用する例示的な手技
図15図18は、1つ以上の実施形態による、経皮的手技を実行するように配列された図1の医療システム100の上面図である。これらの実施例では、医療システム100は、スコープ120(例えば、尿管鏡)及びカテーテル130の助けを借りて、患者140から腎臓結石を除去するために手術室に配置される。かかる手技の多くの実施形態では、患者140は、図1に例示されるように、患者140の背面又は側面にアクセスするために、患者140が側部にわずかに傾けられた修正された仰臥位に位置決めされる。しかしながら、患者140は、仰臥位、腹臥位など、別様に位置決めされ得る。また、例示を容易にするために、撮像デバイス180(Cアームを含む)は取り外されている。
【0176】
図15図18は、患者140から腎臓結石を除去するための経皮的手技を実行するための医療システム100の使用を例示しているが、医療システム100は、別様に腎臓結石を除去するために、及び/又は他の手技を実行するために使用され得る。更に、患者140は、手技のために所望される他の位置に配置され得る。様々な行為が、図15図18において、及び本開示全体を通して、医師160によって実行されるものとして記載されている。これらの行為は、医師160、医師の指示の下にあるユーザ、別のユーザ(例えば、技術者)、それらの組み合わせ、及び/又は任意の他のユーザによって直接実行され得ることを理解されたい。
【0177】
腎解剖学的構造は、図15図18に少なくとも部分的に例示されるように、本概念の態様に関連するある特定の医療手技に関する参照のために本明細書に記載される。腎臓は、一般に、後腹膜腔の左右に位置する2つの豆形状臓器を含む。成人のヒトでは、腎臓は、一般に、長さが約11cmである。腎臓は、対になった腎動脈から血液を受容し、血液は、対になった腎静脈内に出る。各腎臓は、尿管に付着し、尿管は、排泄された尿を腎臓から膀胱に搬送するチューブである。膀胱は、尿道に付着している。
【0178】
腎臓は、典型的には、腹腔内で比較的高く位置し、わずかに斜めの角度で後腹膜位置にある。肝臓の位置によって引き起こされる腹腔内の非対称性は、典型的には、右腎臓を左よりわずかに低く、かつ小さくし、左腎臓よりもわずかに中央に配置させる。各腎臓の上部には、副腎がある。腎臓の上部は、第11肋骨及び第12肋骨によって部分的に保護される。その副腎を伴う各腎臓は、脂肪の2つの層、すなわち、腎筋膜と腎被膜との間に存在する腎周囲脂肪、及び腎筋膜の上方にある腎傍脂肪によって囲繞される。
【0179】
腎臓は、様々な体液区画の体積、流体浸透圧、酸塩基平衡、様々な電解質濃度、及び毒素の除去の制御に関与する。腎臓は、特定の物質を分泌し、他の物質を再吸収することによって、濾過機能を提供する。尿中に分泌される物質の例は、水素、アンモニウム、カリウム、及び尿酸である。加えて、腎臓はまた、ホルモン合成及びその他などの様々な他の機能も実行する。
【0180】
腎臓の凹状境界上の凹部領域は腎門部であり、腎門部では、腎動脈が腎臓に入り、腎静脈及び尿管が出ている。腎臓は、丈夫な繊維状組織である腎被膜によって囲まれており、腎被膜自体は、腎周囲脂肪、腎筋膜、及び腎傍脂肪によって囲まれている。これらの組織の前(正)面が、腹膜である一方で、後(裏)面は、横筋筋膜である。
【0181】
腎臓の機能基質又は実質は、2つの主要構造、すなわち、外側腎皮質及び内側腎髄質に分割される。これらの構造は、複数の円錐形の腎葉の形状をとり、それぞれが腎錐体と称される髄質の一部分を囲む腎皮質を含む。腎錐体間には、腎柱と称される皮質の突起がある。ネフロン、すなわち腎臓の尿産生機能構造体は、皮質及び髄質に及ぶ。ネフロンの初期濾過部分は、皮質に位置する腎小体である。これに、皮質から髄錐体の奥深くに通過する尿細管が続く。腎皮質の一部である、髄線は、単一の集合管の中に排出する尿細管の集合である。
【0182】
各錐体の先端又は乳頭は、尿をそれぞれの小腎杯に排出し、小腎杯は大腎杯に排出し、大腎杯は腎孟に排出し、尿は尿管に遷移する。門部では、尿管及び腎静脈が腎臓から出て、腎動脈が入る。腎門脂肪及びリンパ節を伴うリンパ組織は、これらの構造を囲繞する。腎門脂肪は、腎洞と呼ばれる脂肪で充填された空洞と隣接している。腎洞は、腎盂及び腎杯を集合的に含有し、これらの構造を腎髄組織から分離する。
【0183】
図15図18は、患者140の解剖学的構造の様々な特徴部を示す。例えば、患者140は、尿管1506を介して膀胱1504に流体接続された腎臓1502、及び膀胱1504に流体接続された尿道1508を含む。腎臓1502(A)の拡大描写に示されるように、腎臓1502(A)は、腎杯(腎杯1510を含む)、腎乳頭(「乳頭1512」とも称される、「腎乳頭1512」を含む)、及び腎錐体(腎錐体1514を含む)を含む。これらの実施例では、腎臓結石1516は、乳頭1512に近接して位置している。しかしながら、腎臓結石1516は、腎臓1502(A)内の他の場所などに位置し得る。
【0184】
図15に示されるように、例示的な経皮的手技において腎臓結石1516を除去するために、医師160は、ロボットシステム110をテーブル170の側部/足部に位置決めして、スコープ120(図15には例示せず)の患者140への送達を開始し得る。具体的には、ロボットシステム110は、患者140の足の近接範囲内でテーブル170の側部に位置決めされ、患者140の尿道1508への直接的な直線的アクセスのために位置合わせされ得る。実施例では、患者140の股関節が、ロボットシステム110を位置決めするための基準点として使用される。位置決めされると、ロボットアーム112(B)及び112(C)などのロボットアーム112のうちの1つ以上は、外向きに伸びて、患者140の脚の間に到達することができる。例えば、ロボットアーム112(B)は、図15に示されるように、尿道1508まで延伸して、そこに直線的なアクセスを提供するように制御され得る。この実施例では、医師160は、医療器具1518を、この直接的な直線状のアクセス経路(「仮想レール」と称されることもある)に沿って、尿道1508内に少なくとも部分的に挿入する。医療器具1518は、スコープ120を受容するように構成された管腔型デバイスを含むことができ、それによって、スコープ120を患者140の解剖学的構造内に挿入するのを支援する。ロボットアーム112(B)を患者140の尿道1508に位置合わせすることによって、かつ/又は医療器具1518を使用することによって、その領域内の敏感な解剖学的構造に対する摩擦及び/又は力が低減され得る。医療器具1518が図15に例示されているが、いくつかの実施形態では、医療器具1518は使用されない(例えば、スコープ120は、尿道1508に直接挿入され得る)。
【0185】
医師160はまた、手技のために、ロボットアーム112(A)を処置部位の近くに位置決めすることができる。例えば、ロボットアーム112(A)は、患者140の切開部位及び/又は腎臓310の近接範囲内に位置決めされ得る。ロボットアーム112(A)は、手技中にスコープ120及び/又は他の器具の場所を追跡するのを支援するために、EM場発生器1520に接続され得る。ロボットアーム112(A)は、患者140の比較的近くに位置決めされているが、いくつかの実施形態では、ロボットアーム112(A)は、他の場所に位置決めされ、かつ/又はEM場発生器1520は、テーブル170に一体化されている(これにより、ロボットアーム112(A)がドッキング位置にあることを可能にすることができる)。この実施例では、手技のこの時点で、ロボットアーム112(C)は、図15に示されるように、ドッキング位置のままである。しかしながら、ロボットアーム112(C)は、いくつかの実施形態では、ロボットアーム112(A)及び/又は112(C)の上記で考察された機能のうちのいずれかを実行するために使用され得る。
【0186】
ロボットシステム110が適切に位置決めされ、かつ/又は医療器具1518が尿道1518に少なくとも部分的に挿入されると、図16に示されるように、スコープ120は、ロボット的に、手動で、又はそれらの組み合わせで患者140に挿入され得る。例えば、医師160は、スコープ120を、ロボットアーム112(C)に接続し、かつ/又はスコープ120を、医療器具1518及び/又は患者140内に少なくとも部分的に位置決めし得る。スコープ120は、手技前又は手技中(例えば、ロボットシステム110を位置決めした後)などの任意の時点でロボットアーム112(C)に接続され得る。次いで、医師160は、スコープ120を患者140内でナビゲーションするために、I/Oデバイス(複数可)156などの制御システム150と対話し得る。例えば、医師160は、尿道1508、膀胱1504、尿管1506(A)を通って、腎臓1502(A)までスコープ120をナビゲーションするために、I/Oデバイス(複数可)156を介して入力を提供して、ロボットアーム112(C)を制御し得る。
【0187】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、医師160がスコープ120を制御するのを支援するために、スコープ120によって取得されたリアルタイム画像を見せるために、ディスプレイ(複数可)152を介してインターフェース(図示せず)を提示し得る。医師160は、スコープ120をナビゲーションして、腎臓結石1516の位置を特定し得る。いくつかの実施形態では、制御システム150は、位置特定技法を用いて、スコープ120の位置及び/又は向きを決定し得るが、これは、ディスプレイ(複数可)152を介して医師160によって視認され、スコープ120を制御するのを支援する。更に、いくつかの実施形態では、スコープ120の制御時に医師160を支援するために、患者140の内部解剖学的構造のX線画像など、他のタイプの情報がディスプレイ(複数可)152を通して提示され得る。
【0188】
腎臓結石1516の位置を特定すると、医師160は、腎臓結石1516の最終的な摘出のために、針17022が腎臓1502(A)に進入する場所を、特定し得る。例えば、出血を最小限に抑え、及び/又は腎臓1502(A)の血管若しくは他の望ましくない解剖学的構造及び/又は腎臓1502(A)を囲む解剖学的構造に当たることを回避するために、医師160は、針17022を腎杯の軸と位置合わせすることを求めることができる(例えば、腎杯の中心を通って真正面から腎杯に到達することを求めることができる)。そうするために、医師160は、乳頭を標的場所として識別することができる。この実施例では、医師160は、スコープ120を使用して、腎臓結石1516の近くにある乳頭1512の位置を特定し、その乳頭1512を標的場所として指定する。乳頭1512を標的場所として指定するいくつかの実施形態では、医師160は、乳頭1512に接触するようにスコープ120をナビゲーションすることができ、制御システム150は、位置特定技法を使用して、スコープ120の場所(例えば、スコープ120の端部の場所)を決定することができ、制御システム150は、スコープ120の場所を標的場所と関連付けることができる。他の実施形態では、医師160は、乳頭1512まで特定の距離内にある(例えば、乳頭1512の前に静止状態にする)ようにスコープ120をナビゲーションし、標的場所がスコープ120の視野内にあることを示す入力を提供し得る。制御システム150は、標的場所の場所を判定するために、画像分析及び/又は他の位置特定技法を実行し得る。更に他の実施形態では、スコープ120は、標的場所として乳頭1512をマーク付けするための基準点を送達し得る。
【0189】
図17に示されるように、医師160(及び/又はロボットシステム110)は、標的場所への挿入のために針1702を位置決めすることによって、手技を進めることができる。いくつかの実施形態では、医師160は、患者140の解剖学的構造に関する知識、以前に当該手技を実行した経験、CT/X線画像の分析、又は患者140の他の術前情報などに基づいて、自分の最善の判断を使用して、切開部位で患者140に針1702を配置し得る。更に、いくつかの実施形態では、制御システム150は、針1702を患者140に配置する場所に関する情報を提供し得る。医師160は、肺、胸膜、結腸、傍脊椎筋、肋骨、肋間神経などの患者140の重要な解剖学的構造を回避しようと試みることができる。いくつかの実施例では、制御システム150は、CT/X線/超音波画像を使用して、針1702を患者140に配置する場所に関する情報を提供し得る。いくつかの実施形態では、制御システム150は、医師160が針1702を挿入するのを支援するための情報を提示し得る。例えば、制御システム150は、標的軌道に対する針1702の向きを示す器具位置合わせ要素を表示して、医師160が、針1702を適切な向き(すなわち、標的軌道)に向けるのを支援することができる。更に、制御システム150は、標的場所への針1702の近接度を示す、進捗情報を表示し得る。
【0190】
図18に示すように、針1702が標的場所に到達すると、医師160及び/又はロボットシステム110は、針1702によって形成された経路に別の医療器具を挿入し得る。この実施例では、ロボットアーム112(A)上のEM場発生器1520は、経皮的アクセス経路内に挿入されるように構成されたカテーテル130と置き換えられる。医師160は、制御システム150(例えば、I/Oデバイス(複数可)156)と対話して、経皮的アクセス経路を通して標的場所までカテーテル130をナビゲーションし得る。制御システム150は、医師160がカテーテル130をナビゲーションするのを支援するために、本明細書で論じられるインターフェースのいずれかなどのディスプレイ(複数可)152を介して情報を提供し得る。実施例では、カテーテル130は、三人称の視点から(例えば、スコープ120の視点から)駆動され得る。いくつかの実施形態では、医療システム100は、カテーテル130、スコープ120、及び/又は別の医療器具を駆動及び/又は較正する際に、医師160を支援するために、1つ以上の制御/駆動モード及び/又は較正技法を容易にし得る。
【0191】
スコープ120及び/又はカテーテル130が適切な位置に配置されると、医師160は、スコープ120を使用して、腎臓結石1516を破砕し、かつ/又はカテーテル130を使用して、腎臓結石1516の破片を患者140から摘出し得る。例えば、スコープ120は、ツール(例えば、レーザ、切断器具など)を展開させて、腎臓結石を破片に断片化することができ、カテーテル130は、腎臓1502(A)から、経皮的アクセス経路を通して破片を吸引して取り出し得る。医師160は、場合によっては、スコープ120及びカテーテル130の制御を切り替えることができる。例えば、医師160は、同一のI/Oデバイス(複数可)156を使用して、カテーテル130及びスコープ120を制御し得る。実施例では、I/Oデバイス(複数可)156は、医療器具の制御を切り替えるボタンを含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、カテーテル130及び/又はスコープ120は、腎臓結石1516の除去を容易にするために灌注及び/又は吸引を提供し得る。例えば、カテーテル130及び/又はスコープ120は、灌注/吸引システム1802に接続し得る。洗浄/吸引システム1802は、1つ以上の流体バッグ/容器を保持し、かつ/又はそこからの流体を制御するように構成され得る。例えば、灌注ライン1804は、バッグ/容器のうちの1つ以上と、カテーテル130の灌注ポートとに結合され得る。灌注流体は、灌注ライン1804及びカテーテル130を介して、標的解剖学的構造に提供され得る。灌注/吸引システム1802は、ディスプレイ、流量制御機構、及び/又は特定の関連する制御回路などの、特定の電子構成要素を含み得る。いくつかの例では、灌注/吸引システム1802は、流体管理カートとして実装される。実施例では、灌注/吸引システム1802は、制御システム150、ロボットシステム110、及び/又は他の構成要素などの、医療システム100の他の構成要素とインターフェース接続するように構成される。
【0193】
図18を参照して上述した例などのいくつかの実施形態では、EM場発生器1520は、カテーテル130が駆動されている間、ロボットアーム112(A)から取り外される。そのような段階の間、1つ以上のEMベースの位置特定技法は、スコープ120の位置/向きを判定するために実行されなくてもよい。したがって、医療システム100は、ときに、スコープ120及び/又は別の医療器具の位置/向きを追跡できなくなる可能性がある。したがって、本明細書で論じられる技法のうちの1つ以上は、スコープ120を較正するため、及び/又はスコープ120の視点からカテーテル130を制御するための制御スキームを較正するために、実装され得る。
【0194】
ロボットシステム110の特定のロボットアームは、図15図18の文脈において特定の機能を実行するものとして例示されているが、ロボットアーム112のうちのいずれかを使用してそれらの機能を実行し得る。更に、任意の追加のロボットアーム及び/又はシステムを使用して、手技を実行することができる。更に、ロボットシステム110を使用して、手技の他の部分を実行することができる。いくつかの実施形態では、経皮的手技は、完全に又は部分的に医療システム100を用いて(例えば、医師160の助けを借りて又はそれを伴わずに)実行され得る。
【0195】
例示的なロボットシステム
図19は、1つ以上の実施形態による、図1のロボットシステムの例示的な詳細図である。示されるように、ロボットシステム110は、制御回路1902、通信インターフェース(複数可)1904(例えば、1つ以上の構成要素/デバイスと通信するように構成されるもの)、電源ユニット(複数可)1906(例えば、ロボットシステム110の構成要素に電力を供給/管理するように構成されるもの)、I/O構成要素1908(例えば、ディスプレイ(複数可)116及び/又は他のI/Oデバイス/制御部1910)、1つ以上のロボットアーム112、アクチュエータ/ハードウェア1912、及び/又は移動構成要素(複数可)1914(例えば、ホイール)を含み得る。いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、ロボットシステム110の構成要素のうちの1つ以上の少なくとも一部を収容若しくは含有するように構成された、かつ/又は寸法決めされた、ハウジング/筐体を備えることができる。この実施例では、ロボットシステム110は、1つ以上のホイール1914を用いて移動可能なカートベースのシステムとして例示されている。いくつかの事例では、適切な位置に到達した後、1つ以上のホイール1914は、ホイールロックを使用して固定されて、ロボットシステム110を所定の位置に保持し得る。しかしながら、ロボットシステム110は、固定システムとして実装され、別のシステム/デバイスなどに統合され得る。
【0196】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム110の1つ以上の構成要素は、ある特定の接続回路/デバイス/機能部を使用して、電気的及び/又は通信可能に結合され得るが、それら構成要素は、制御回路1902の一部であってもなくてもよい。例えば、接続機能部(複数可)は、ロボットシステム110の様々な構成要素/回路のうちの少なくともいくつかの取り付け及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ以上のプリント回路基板を含み得る。ロボットシステム110の特定の構成要素を図18に図示しているが、図示していない追加の構成要素が本開示による実施形態に含まれ得ることを理解されたい。更に、いくつかの実施形態では、例示される構成要素のうちのいくつかは、省略され得る。
【0197】
支持構造114は、基部1916、細長いカラム1918、及び/又は柱1918の上部にあるコンソール1920を含み得る。カラム1918は、1つ以上のロボットアーム112(図2には3つが示されている)の展開を支持するための1つ以上のアーム支持体1922(「キャリッジ」とも称される)を含み得る。アーム支持体1922は、患者に対するより良好な位置決めのために、垂直軸に沿って回転してロボットアーム112の基部を調整する、個別に構成可能なアームマウントを含んでもよい。アーム支持体1922はまた、アーム支持体1922がカラム1916に沿って垂直方向に並進することを可能にする、カラムインターフェース1924も含む。いくつかの実施形態では、カラムインターフェース1922は、アーム支持体1922の垂直方向の並進を誘導するためにカラム1918の両側に位置決めされる、スロット1926などのスロットを通してカラム1918に接続し得る。スロット1926は、基部1916に対して様々な垂直方向の高さにおいて、アーム支持体1922を位置決めし、保持するための垂直方向の並進インターフェースを含有する。アーム支持体1922の垂直方向の並進は、ロボットシステム110が、種々のテーブルの高さ、患者のサイズ、及び/又は医師の選好を満たすようにロボットアーム112の到達範囲を調整することを可能にする。同様に、アーム支持体1922上の個別に構成可能なアームマウントは、ロボットアーム1916の基部1916が種々の構成で角度付けされることを可能にし得る。
【0198】
ロボットアーム112は、概して、各関節が1つ以上の独立したアクチュエータ1912を備える、一連の関節1934によって接続される一連のリンケージ1932によって分離された、ロボットアーム基部1928及びエンドエフェクタ1930を備え得る。各アクチュエータは、独立して制御可能なモータを備えてもよい。各独立して制御可能な関節1934は、ロボットアームに利用可能な独立した自由度を提供するか、又は表すことができる。いくつかの実施形態では、アーム112の各々は、7つの関節を有し、したがって、「冗長」自由度を含む7つの自由度を提供する。冗長自由度は、ロボットアーム112が、それらのそれぞれのエンドエフェクタ1930を、異なるリンク機構位置及びジョイント角度を使用して、空間内の特定の位置、向き、及び/又は軌道に位置決めすることを可能にする。これにより、ロボットシステム110が空間内の所望のポイントから医療用器具を位置決めし、方向付けることが可能になると同時に、医師が、アーム関節を患者から離れる臨床的に有利な位置へと移動させて、アームの衝突を回避しながらよりよいアクセスを生み出すことを可能にする。
【0199】
各エンドエフェクタ1930は、機構交換器インターフェース(mechanism changer interface、MCI)を使用して取り付けられ得る、器具デバイスマニピュレータ(instrument device manipulator、IDM)を備えてもよい。いくつかの実施形態では、IDMは、除去され、異なるタイプのIDMと交換することができ、例えば、第1のタイプのIDMが、内視鏡を操作し得る一方で、第2のタイプのIDMは、腹腔鏡を操作し得る。MCIは、空気圧、電力、電気信号、及び/又は光信号を、ロボットアーム112からIDMに伝達するためのコネクタを含み得る。IDMは、例えば、直接駆動、ハーモニックドライブ、ギア駆動、ベルト及びプーリ、磁気駆動などを含む技法を使用して、医療器具(例えば、外科用ツール/器具)を操作するように構成され得る。
【0200】
ロボットシステム基部1916は、床の上のカラム1918、アーム支持体1920、及びアーム112の重量の平衡を保つことができる。したがって、ロボットシステム基部1916は、電子機器、モータ、電源などのより重い構成要素と、選択的にロボットシステム110の移動を可能にするか、又は固定化する構成要素と、を収容し得る。例えば図19に図示されるような実施例では、ロボットシステム基部1916は、手技前にロボットシステムが部屋中をあちこちに容易に移動することを可能にする、ホイール形状のキャスタ1914を含む。適切な位置に到達した後、キャスタ1914は、手技中にカート110を所定の場所に保持するためにホイールロックを使用して固定され得る。
【0201】
コンソール1920がカラム1918の上端に位置決めされると、コンソール1920は、ユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースと、表示画面116(又は、例えば、タッチスクリーンなどの二重目的デバイス)の両方に、術前のデータ及び/又は術中のデータの両方を医師/ユーザに提供するのを可能にする。潜在的な術前データとしては、術前計画、ナビゲーション、及び/又は術前コンピュータ断層撮影(CT)スキャンから導出されたマッピングデータ、及び/又は術前患者問診からのメモを含み得る。術中データとしては、ツールから提供される光学情報、センサからのセンサ及び座標情報、並びに呼吸、心拍数、及び/又は脈拍などの不可欠な患者統計が挙げられ得る。コンソール1920は、医師がアーム支持体1922の反対側のカラム1918側からコンソール1920にアクセスすることを可能にするように位置決めされ、傾転され得る。この位置から、医師は、コンソール1920をロボットシステム110の背後から操作しながら、コンソール1920、ロボットアーム112、及び/又は患者を視認し得る。図示するように、コンソール1920はまた、ロボットシステム110の操作及び安定化を支援するためのハンドル1936を含み得る。
【0202】
例示的な制御システム
図20は、1つ以上の実施形態による、図1の制御システム150の例示的な詳細図である。例示されるように、制御システム150は、以下の構成要素、デバイス、モジュール、及び/又はユニット(本明細書では「構成要素」と称される)のうちの1つ以上を、別個に/個別に、及び/又は組み合わせて/まとめてのいずれかで含むことができ、すなわち、制御回路2002、データ記憶装置/メモリ2004、1つ以上の通信インターフェース2006、1つ以上の電源ユニット2008、1つ以上の入力/出力(I/O)構成要素2010、及び/又は可動化部材2012(例えば、キャスタ又は他のタイプのホイール)である。いくつかの実施形態では、制御システム150は、制御システム150の構成要素のうちの1つ以上の少なくとも一部を収容若しくは含有するように構成された、かつ/又は寸法決めされたハウジング/筐体を備えることができる。この実施例では、制御システム150は、1つ以上のホイール2012を用いて移動可能なカートベースのシステムとして例示されている。いくつかの事例では、適切な位置に到達した後、1つ以上のホイール2012は、ホイールロックを使用して固定されて、制御システム150を所定の位置に保持し得る。しかしながら、制御システム150は、固定システムとして実装され、別のシステム/デバイスなどに統合され得る。
【0203】
制御システム150の特定の構成要素を図20に図示しているが、図示していない追加の構成要素が本開示による実施形態に含まれ得ることを理解されたい。更に、いくつかの実施形態では、例示される構成要素のうちのいくつかは、省略され得る。制御回路2002は、図20の図において別個の構成要素として図示しているが、制御システム150の残りの構成要素のうちのいずれか又は全てが、制御回路2002に少なくとも部分的に具現化され得ることを理解されたい。すなわち、制御回路2002は、様々なデバイス(能動的及び/又は受動的)、半導体材料、及び/又は領域、層、区域、及び/又はそれらの部分、導体、リード、ビア、接続などを含むことができ、制御システム150の他の構成要素のうちの1つ以上及び/又はその一部分(複数可)は、かかる回路構成要素/デバイスによって少なくとも部分的に形成及び/又は具現化され得る。
【0204】
制御システム150の様々な構成要素は、ある特定の接続回路/デバイス/機能部を使用して、電気的及び/又は通信可能に結合され得るが、それら構成要素は、制御回路2002の一部であってもなくてもよい。例えば、接続機能部(複数可)は、制御システム150の様々な構成要素/回路のうちの少なくともいくつかの取り付け及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ以上のプリント回路基板を含み得る。いくつかの実施形態では、制御回路2002、データ記憶装置/メモリ2004、通信インターフェース(複数可)1206、電源ユニット(複数可)1208、及び/又は入力/出力(I/O)構成要素(複数可)1210のうちの2つ以上は、互いに電気的及び/又は通信可能に結合され得る。
【0205】
例示されるように、メモリ2004は、本明細書で考察される様々な機能性を容易にするように構成された、位置特定構成要素2014、ユーザインターフェース構成要素2016、器具駆動構成要素2018、及び較正構成要素2020を含み得る。いくつかの実施形態では、位置特定構成要素2014、ユーザインターフェース構成要素2016、器具駆動構成要素2018、及び/又は較正構成要素2020は、1つ以上の動作を実行するために制御回路2002によって実行可能な1つ以上の命令を含み得る。多くの実施形態は、制御回路2002によって実行可能な1つ以上の命令を含む構成要素2014~2020の文脈で考察されているが、構成要素2014~2020のうちのいずれも、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ以上のプログラム固有標準製品(ASSP)、1つ以上の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)など、1つ以上のハードウェア論理構成要素として少なくとも部分的に実装され得る。更に、構成要素2014~2020は、制御システム150内に含まれるものとして例示されているが、構成要素2014~2020のうちのいずれも、ロボットシステム110、テーブル170、又は別のデバイス/システムなど、別のデバイス/システム内に少なくとも部分的に実装され得る。同様に、制御システム150の他の構成要素のうちのいずれも、別のデバイス/システム内に少なくとも部分的に実装され得る。
【0206】
位置特定構成要素2014は、1つ以上の位置特定技法を実行して、医療器具などの物体の位置及び/又は向きを判定及び/又は追跡するように構成され得る。例えば、位置特定構成要素2014は、入力データ(例えば、医療器具からのセンサデータ、患者の解剖学的構造に関するモデルデータ、患者の位置データ、術前データ、ロボットコマンド、及び/又は運動学データなど)を処理して、1つ以上の医療器具の位置/向きデータ2022を生成し得る。実施例では、位置/向きデータ2022は、1つ以上の医療器具の、基準系に対する場所及び/又は向きを示すことができる。基準系は、患者の解剖学的構造、既知の物体(例えば、EM場発生器、ロボットアーム、別の1つの医療器具、など)、座標系/座標空間、制御フレームなどに対する基準系であり得る。いくつかの実装形態では、位置/向きデータ1220は、医療器具の遠位端(及び/又はいくつかの事例では、近位端)の場所及び/又は向きを示し得る。
【0207】
いくつかの実施形態では、位置特定構成要素2014は、術前データを処理して、物体の位置及び/又は向きを判定し得る。術前データ(「マッピングデータ」と称されることもある)は、低用量CTスキャンなどのコンピュータ断層撮影(CT)スキャンを実行することによって生成することができる。スキャンからの術前CT画像は、三次元画像に再構成され得、三次元画像は、例えば、患者の内部解剖学的構造の切断図の「スライス」として視覚化される。全体として分析される場合、患者の肺網、腎臓の解剖学的構造などの、患者の解剖学的構造の、解剖学的腔、空間、及び構造について画像ベースのモデルが生成され得る。中心線ジオメトリをCT画像から判定及び近似して、モデルデータと称される(術前CTスキャンのみを使用して生成された場合は「術前モデルデータ」とも称される)患者の解剖学的構造の三次元ボリュームを現像することができる。ネットワークトポロジーモデルはまた、CT画像から導出され得る。
【0208】
更に、いくつかの実施形態では、位置特定構成要素2014は、物体の位置及び/又は向きを判定するために視覚ベースの技を実行し得る。例えば、医療器具は、視覚データの形態でセンサデータを提供するために、カメラ、距離センサ(「深さセンサ」と称されることもある)、レーダデバイスなどを備えることができる。位置特定構成要素2014は、視覚データを処理して、医療器具の視覚ベースの場所追跡を容易にし得る。例えば、術前モデルデータを視覚データとともに使用して、医療器具(例えば、内視鏡)のコンピュータ視覚ベースの追跡を可能にすることができる。実施例では、術前モデルデータを使用して、制御システム150は、スコープの予想される移動経路に基づいて、予測される内視鏡画像のライブラリを生成することができ、各画像はモデル内の場所にリンクされる。術中に、このライブラリは、スコープ(例えば、内視鏡の遠位端にあるカメラ)で取得されたリアルタイム画像及び/又は他の視覚データを、画像ライブラリ内の画像と比較するために、制御システム150によって参照され、位置特定を支援し得る。
【0209】
更に、いくつかの実施形態では、物体の位置及び/又は向きを判定するために、他のタイプの視覚ベースの技法が実行され得る。例えば、位置特定構成要素2014は、画像センサ(例えば、カメラ又は他のセンサ)の運動を判定するために特徴部の追跡を使用することができ、こうして、医療器具は画像センサと関連付けられる。いくつかの事例では、位置特定構成要素2014は、解剖学的管腔に対応する術前モデルデータ内の円形ジオメトリを識別し、それらのジオメトリの変化を追跡して、どの解剖学的管腔が選択されたか、並びに医療器具の相対的な回転運動及び/又は並進運動を判定し得る。トポロジーマップの使用はまた、視覚ベースのアルゴリズム又は技法を更に強化することができる。更に、位置特定構成要素2014は、光学フロー、別のコンピュータ視覚ベースの技法を使用して、視覚データ内のビデオシーケンス内の画像ピクセルの変位及び/又は並進を分析してカメラ移動を推測し得る。光学フロー技法の例としては、動き検出、物体セグメント化計算、輝度、動き補償符号化、ステレオ視差測定などを挙げることができる。複数の反復にわたって複数のフレームを比較することによって、位置特定構成要素2014は、画像センサ(及び、したがって内視鏡)の移動及び場所を判定し得る。
【0210】
更に、いくつかの実施形態では、位置特定構成要素2014は、電磁追跡を使用して、物体の位置及び/又は向きを判定し得る。例えば、位置特定構成要素2014は、リアルタイムEM追跡を使用して、患者の解剖学的構造に記録され得る、座標系/空間における(及び/又は別の医療器具に対する)医療器具のリアルタイムの場所を決定することができ、この場所は、術前モデル又は他のモデルによって表され得る。EM追跡では、1つ以上のセンサコイルを含むEMセンサ(又はトラッカ)が、医療器具(例えば、スコープ、針など)内の1つ以上の場所及び/又は向きに埋め込まれ得る。EMセンサは、既知の場所に位置決めされた1つ以上の静的EM場発生器によって作り出されたEM場の変動を測定し得る。EMセンサによって検出された場所情報は、EMデータとして記憶され得る。位置特定構成要素2014は、EMデータを処理して、医療器具など物体の位置及び/又は向きを判定し得る。EM場発生器(又は送信機)は、EMセンサが検出することができる低強度磁場を作り出すために、患者の近くに(例えば、所定の距離内に)配置することができる。磁場は、EMセンサのセンサコイル内に小電流を誘導することができ、これを分析して、EMセンサとEM場発生器との間の距離及び角度を判定することができる。これらの距離及び向きは、座標系内の単一の場所を患者の解剖学的構造の術前モデルにおける位置と位置合わせする幾何学的変換を判定するために、患者の解剖学的構造(例えば、術前モデル)に術中「記録」され得る。記録されると、医療器具の1つ以上の位置(例えば、内視鏡の遠位先端、針など)におけるEMセンサ(例えば、埋め込まれたEMトラッカ)は、患者の解剖学的構造を通る医療器具の位置及び/又は向きをリアルタイムで示し得る。
【0211】
追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、位置特定構成要素2014は、ロボットコマンド及び/又は運動学データを使用して、物体の位置及び/又は向きを判定し得る。ロボットコマンド及び/又は運動学データは、例えば術前較正中及び/又は手技中に使用されるコマンドなどの、関節運動コマンドから生じる、ロボットアームの位置/向き(例えば、ピッチ、ヨーなど)を示し得る。実施例では、位置特定コンポーネント2014は、ロボットアームの位置/向きを示すデータを使用して、ロボットアームに取り付けられた医療器具の位置/向きを判定し得る。例えば、カテーテルに取り付けられたロボットアームの位置/向き、カテーテルを制御するために送信されたコマンド、及び/又はカテーテルの特性(複数可)(例えば、カテーテルの長さ、カテーテルの能力など)に基づいて、位置特定構成要素2014は、カテーテルの位置/向きを判定/推定し得る。更に、実施例では、位置特定コンポーネント2014は、ロボットコマンドデータを使用し、医療器具を制御するコマンド、距離を示す医療器具上のマーキングなどに基づいて、医療器具が患者内などにどれだけ挿入/後退されたかを判定することができる。いくつかの術中実施形態では、較正測定値を既知の挿入深さ情報と組み合わせて使用して、医療器具の位置及び/又は向きを推定し得る。代替的又は追加的に、これらの計算は、EM、視覚、及び/又はトポロジーモデリングと組み合わせて分析されて、医療器具の位置及び/又は向きを推定し得る。
【0212】
更に、いくつかの実施形態では、位置特定構成要素2014は、他のタイプのデータを使用して、物体の位置及び/又は向きを判定し得る。例えば、位置特定構成要素2014は、医療器具に埋め込まれた、形状検知ファイバ(例えば、これは、医療器具の場所/形状に関する形状データを提供することができる)、加速度計、ジャイロスコープ、衛星ベースの位置決めセンサ(例えば、全地球測位システム(GPS))、無線周波数トランシーバなどからのセンサデータを分析し得る。かかるデータは、医療器具の位置及び/又は向きを示唆することができる。
【0213】
いくつかの実施形態では、位置特定構成要素2014は、入力データを組み合わせて使用し得る。例えば、位置特定構成要素2014は、信頼重みが複数の形態の入力データから判定された位置/向きに割り当てられる、確率的手法を使用し得る。例示するために、EMデータが(EM干渉がある場合のように)信頼できない場合、EMデータは比較的低い信頼値と関連付けられ得、視覚データ、ロボットコマンド、運動学データなどの他の形態の入力データに依拠することができる。
【0214】
ユーザインターフェース構成要素2016は、1つ以上のユーザインターフェース(「1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)」とも称される)を容易にするように構成され得る。例えば、ユーザインターフェース構成要素2016は、図7のインターフェース702、図11図12のインターフェース1102など、本明細書で説明するインターフェースのうちの1つ以上を表すユーザインターフェースデータを生成し得る。ユーザインターフェース構成要素2016は、医療器具の駆動及び/又は制御スキームの較正を支援するために、1つ以上の視覚化情報又は他の情報を提示し得る。実施例では、ユーザインターフェース構成要素2016は、スコープによって取得された画像データの視覚表現を生成し得る。ユーザインターフェース構成要素2016は、1つ以上のユーザインターフェースデータ又は他のデータを、ディスプレイ156及び/又は別のディスプレイ(複数可)に情報を表示させるために提供し得る。
【0215】
器具駆動機構2018は、医療器具を駆動するように構成され得る。例えば、器具駆動構成要素2018は、I/Oデバイス(複数可)156からの方向入力信号を処理し、医療器具に関する位置又は/向きデータ2022を処理し、制御信号を生成し、制御信号をロボットシステム110に送信して、ロボットシステム110に接続された器具(複数可)の動きを制御するなどするように構成され得る。いくつかの実施形態では、器具駆動構成要素2018は、別の医療器具の視点から医療器具の駆動を容易にし得る。更に、いくつかの実施形態では、器具駆動構成要素2018は、医師が医療器具を駆動するのを支援するために、直接制御モード、反転制御モードなど、1つ以上の駆動/制御モードを容易にし得る。
【0216】
較正構成要素2020は、医療器具の制御スキーム/制御基準座標系を較正するように構成され得る。例えば、較正構成要素2020は、スコープの遠位端に対するカテーテルの遠位端の向きなど、第2の器具に対する第1の器具の向きを判定し得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース構成要素2016は、第2の器具の視点から第1の器具を描写する画像データと、1つ以上のインターフェース要素とを、ユーザインターフェースに提供し、医師がカテーテルの向きを識別することを可能にし得る。較正構成要素2020は、医師からの入力を処理して、複数の器具どうしの、互いに対する向きを識別し得る。更に、いくつかの実施形態では、較正構成要素2020は、第1の器具/第2の器具からの画像データ及び/又は他のセンサデータを分析して、それらの器具どうしの互いに対する向きを識別し得る。更に、いくつかの実施形態では、他の技法が、器具どうしの互いに対する向きを識別するために使用されてもよい。器具の向きに基づいて、較正構成要素2020は、第1の器具/第2の器具の制御に関連付けられた制御スキームを調整する。
【0217】
図20には示されていないが、いくつかの実施形態では、データストレージ2004は、人体解剖学的構造及び/又は座標空間/座標系内の、標的場所の位置を判定するように構成された標的構成要素を含み得る。標的場所は、人体解剖学的構造及び/又は座標空間/座標系内の点/点セットを表すことができる。例えば、標的構成要素は、座標系内の標的場所の1つ以上の点を識別し、1つ以上の点の座標(例えば、各点のX、Y、Z座標)を識別し、座標を標的場所と関連付けることができる。いくつかの実施形態では、標的構成要素は、医療器具の位置及び/又は向きを使用して、標的場所の位置を決定し得る。例えば、スコープは、標的場所に接触するか、又は近接範囲内にある(例えば、標的場所の前に静止状態にある)ようにナビゲーションされ得る。位置特定構成要素2014は、位置特定技法を使用して、スコープの位置(例えば、スコープの端部の場所)及び/又はスコープの視野内の物体の位置を判定し得る。標的構成要素は、スコープの位置(例えば、スコープの座標)を標的場所と関連付けることができる。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、スコープは、標的場所をマーク付けするために基準点を送達することができ、基準点の位置が判定され得る。
【0218】
標的場所は、人体解剖学的構造及び/又は座標空間/座標系内の固定点(複数可)又は可動点(複数可)を表すことができる。例えば、乳頭が最初に標的場所として指定されている場合、手技が進行し、(例えば、医療器具の挿入に起因して)乳頭が移動するにつれて、標的場所の座標が判定及び更新され得る。ここで、スコープの場所(乳頭の近接範囲内にあり得る)は、標的場所の座標を更新するために経時的に追跡され、使用され得る。いくつかの実施形態では、標的構成要素は、標的場所の位置を推定/予測し得る。ここで、標的場所は、予測位置で表すことができる。例えば、標的構成要素は、人体解剖学的構造が移動するときに標的場所の座標を予測するアルゴリズムを使用し得る。予測座標を使用して、標的軌道を判定することができる。
【0219】
1つ以上の通信インターフェース2006は、1つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成され得る。例えば、1つ以上の通信インターフェース2006は、ネットワークを介して無線及び/又は有線の方式でデータを送信/受信し得る。本開示の実施形態によるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ボディエリアネットワーク(body area network、BAN)などを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の通信インターフェース2006は、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信(near field communication、NFC)などの無線技術を実装し得る。
【0220】
1つ以上の電源ユニット2008は、制御システム150(及び/又はいくつかの事例では、ロボットシステム110)の電力を管理するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット2008(及び/又は任意の他の電源ユニット)は、リチウム系電池、鉛酸電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの1つ以上の電池を含み得る。すなわち、1つ以上の電源ユニット2008は、電力源を提供及び/又は電力管理機能性を提供するように構成された、1つ以上のデバイス及び/又は回路を備えることができる。更に、いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット2008は、交流(AC)又は直流(DC)の主電源に結合するように構成されている主電源コネクタを含む。
【0221】
1つ以上のI/O構成要素2010は、ユーザとのインターフェース接続などの入力を受信し、かつ/又は出力を提供するための様々な構成要素を含み得る。1つ以上のI/O構成要素2010は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受信するように構成され得る。実施例では、1つ以上のI/O構成要素2010を使用して、デバイス/システムの制御に関する入力を提供し得、例としては、ロボットシステム110の制御、ロボットシステム110に取り付けられたスコープ又は他の医療器具のナビゲーション、テーブル170の制御、蛍光透視デバイス190の制御などが挙げられる。示されるように、1つ以上のI/O構成要素2010は、データを表示するように構成された1つ以上のディスプレイ152(「1つ以上のディスプレイデバイス152」と称されることもある)を含み得る。1つ以上のディスプレイ152は、1つ以上の液晶ディスプレイ(liquid-crystal display、LCD)、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ、及び/又は任意の他のタイプ(複数可)の技術を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のディスプレイ152は、入力及び/又は表示データを受信するように構成された1つ以上のタッチスクリーンを含む。更に、1つ以上のI/O構成要素2010は、1つ以上のI/Oデバイス/制御部156を含み得、これにはタッチスクリーン、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)などを挙げることができる。追加的に、1つ以上のI/O構成要素2010は、音声信号に基づいて音を出力するように構成された1つ以上のスピーカ2024、及び/又は音を受信し音声信号を生成するように構成された1つ以上のマイクロフォン2026を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のI/O構成要素2010は、コンソールを含むか、又はコンソールとして実装される。
【0222】
図20には図示していないが、制御システム150は、制御された灌注能力及び/又は吸引能力を医療器具(例えば、スコープ)、医療器具を通して展開され得るデバイスなどに提供するために、1つ以上のポンプ、流量計、バルブ制御装置、及び/又は流体アクセス構成要素など他の構成要素を含み得る、かつ/又は制御し得る。いくつかの実施形態では、灌注能力及び吸引能力は、別個のケーブル(複数可)を通して医療器具に直接送達され得る。更に、制御システム150は、フィルタリングされた、かつ/又は保護された電力をロボットシステム110など別のデバイスに提供するように設計された電圧プロテクタ及び/又はサージプロテクタを含むことができ、それによって、ロボットシステム110内に電力変圧器及び他の補助電力構成要素を配置することが回避され、ロボットシステム110がより小さく、より移動可能になる。
【0223】
制御システム150はまた、医療システム100全体に展開されたセンサのための支持機器も含み得る。例えば、制御システム150は、光センサ及び/又はカメラから受信されたデータを、検出、受信、及び/又は処理するための光電子機器を含み得る。かかる光電子機器を使用して、制御システム150内に含まれる、任意の数のデバイス/システムに表示するためのリアルタイム画像を生成し得る。同様に、制御システム150は、展開された電磁(EM)センサから受信された信号を受信及び/又は処理するための電子サブシステムも含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御システム150を使用して、医療器具内又は医療器具上のEMセンサによる検出のためにEM場発生器を収容及び位置決めすることもできる。
【0224】
いくつかの実施形態では、制御システム150は、1つ以上のケーブル又は接続(図示せず)を介して、ロボットシステム110、テーブル170、医療器具などに結合され得る。いくつかの実装形態では、制御システム150からのサポート機能性は、単一のケーブルを介して提供されることができ、手術室を簡略化し、乱雑さを軽減し得る。他の実装形態では、特定の機能性は、別個の配線及び接続で結合され得る。例えば、電力は単一の電力ケーブルを通して供給され得るが、制御、光学、流体工学、及び/又はナビゲーションのためのサポートは、別個のケーブルを通して提供され得る。
【0225】
「制御回路」(例えば、制御回路1902、制御回路2002、及び/又は任意の他の制御回路)という用語は、本明細書では、その広い通常の意味に従って使用され、1つ以上のプロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、1つ以上の能動デバイス及び/若しくは受動デバイス及び/若しくは接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、グラフィック処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、状態機械(例えば、ハードウェア状態機械)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/又は回路及び/若しくは動作命令のハードコーディングに基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイスの任意の集合を指すことができる。制御回路は、1つ以上の記憶デバイスを更に含むことができ、これは、単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、及び/又はデバイスの埋め込み回路の中に具現化され得る。かかるデータ記憶装置は、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意のデバイスを含み得る。制御回路が、ハードウェア状態機械を備え(かつ/又はソフトウェア状態機械を実装し)、かつアナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を備える、実施形態では、任意の関連付けられた動作命令を記憶するデータ記憶デバイス(複数可)/レジスタ(複数可)は、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を備える回路の内部に又はその外部に埋め込まれ得ることに留意されたい。
【0226】
「メモリ」という用語は、本明細書では、その広い通常の意味に従って使用され、任意の適切な又は望ましいタイプのコンピュータ可読媒体を指すことができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、1つ以上の揮発性データ記憶デバイス、不揮発性データ記憶デバイス、取り外し可能なデータ記憶デバイス、並びに/又は任意の技術、レイアウト、及び/若しくはデータ構造(複数可)/プロトコルを使用して実装される取り外し可能なデータ記憶デバイスを含むことができ、任意の適切な又は望ましいコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のタイプのデータを含む。
【0227】
本開示の実施形態に従って実装され得る、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、これらに限定されないが、相変化メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又はコンピューティングデバイスによるアクセスのための情報を記憶するために使用され得る任意の他の非一時的媒体を含む。本明細書においてある特定の文脈で使用される場合、コンピュータ可読媒体は、一般に、変調データ信号及び搬送波などの通信媒体を含まなくてもよい。そのため、コンピュータ可読媒体は、一般に、非一時的媒体を指すと理解されるべきである。
【0228】
例示的なI/Oデバイス
図21A及び図21Bは、1つ以上の実施形態による、コントローラ2102の例示的詳細図である。実施例では、制御システム150のI/Oデバイス(複数可)156及び/又は本明細書で論じられる別のI/Oデバイスは、コントローラ2102として実装される。しかしながら、I/Oデバイス(複数可)156は、他のタイプのデバイスとして実装されてもよい。図21A及び図21Bは、特定の実施形態による、コントローラ2102の斜視図及び側面図をそれぞれ示す。
【0229】
コントローラ2102は、1つ以上のジョイスティック2104、2106及び/又は1つ以上の方向パッド2108などを介して、軸移動入力を受信し得る/容易にし得る。例えば、ユーザは、1つ以上のジョイスティック2104、2106(及び/又は場合によっては1つ以上の方向パッド2108)を操作して、医療器具を制御するための方向入力を提供し得る。いくつかの実施形態では、ジョイスティック2104、2106は、アナログ入力を提供し、一方、方向パッド2108は、デジタル入力を提供する。しかしながら、ジョイスティック2104、2106及び/又は方向パッド2108のいずれも、アナログ入力及び/又はデジタル入力を提供し得る。実施例では、1つ以上の方向パッド2108を介して受信された入力は、ユーザインターフェースを制御するために使用され得る一方で、1つ以上のジョイスティック2104、2106を介して受信された入力は、医療器具の動きを制御するために使用され得る。コントローラ2102は、追加の制御入力を提供するための複数のボタン2110を更に含み得る。図21Bに示される実施例では、コントローラ2102は、コントローラの側面に4つのボタン、すなわち、R1 2112、R2 2114、L1 2116、及びL2 2118を含む。他の実施形態は、異なる数のボタン及び/又は異なるレイアウトを含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ2102は、制御システム150と協働するように再利用される、ゲームタイプのコンソールコントローラ(及び/又はゲームタイプのコンソールコントローラと同様のもの)であり得る。例えば、コントローラゲームファームウェアが、医療デバイスファームウェアで上書きされてもよく、かつ/又は入力デバイスマネージャが、医療システム100の構成要素(例えば、制御システム150)にインストールされて、コントローラ2102からの入力をロボットシステム110によって理解可能な入力に変換することができる。
【0230】
コントローラ2102は、医療器具を制御/駆動するための入力を受信するように実装され得る。例えば、ジョイスティック2104、2104は、医療器具を移動させる方向(例えば、右、左、斜め、上、下、挿入、後退など)を示す方向入力を受け取ることができる。例示すると、ユーザは、上述したように、ジョイスティック2106を左右に傾けて、カテーテル/スコープを制御フレームに対して左右方向(制御モードに依存し得る)に移動させることができる。別の一例では、ユーザは、ジョイスティック2104を図21Aに対して前方/後方に押す/傾けて、カテーテル/スコープを、挿入/後退させる(制御モードに依存する)ことができる。特定の制御が特定の機能へのマッピングとして説明されるが、コントローラ2102は、様々な他の方法で構成され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ2102は、コントローラ2102上の特定の制御部に機能を割り当てることを可能にするユーザインターフェースを用いてカスタマイズし得る。
【0231】
いくつかの実施形態では、コントローラ2102は、異なる医療器具間の切り替えを容易にするための制御部(例えば、制御部2104~2118のうちの1つ以上及び/又は他の制御部)を実装し得る。例えば、ユーザは、ボタン2110のうちの1つを選択して、スコープの駆動からカテーテルの駆動に切り替えることができる。更に、コントローラ2102は、直接制御モード、反転制御モードなどの医療器具(複数可)の制御モード/駆動モード間で切り替える制御部を実装し得る。更に、コントローラ2102は、駆動インターフェース、較正インターフェースなどの特定のインターフェースにナビゲーションする制御部を実装し得る。
【0232】
追加の実施形態
実施形態に応じて、本明細書に記載されるプロセス又はアルゴリズムのうちのいずれかの特定の行為、事象、又は機能は、異なる順序で実施することができ、追加、マージ、又は完全に除外され得る。したがって、特定の実施形態では、全ての記載された行為又は事象が、プロセスの実践のために必要であるわけではない。
【0233】
とりわけ、「することができる(can)」、「することができる(could)」、「し得る(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、及び同等物などの本明細書で使用される仮定的な言語は、別途具体的に記述されない限り、又は使用される文脈内で別途理解されない限り、その通常の意味で意図され、一般的に、ある特定の実施形態が、ある特定の特徴、要素、及び/又はステップを含むが、他の実施形態が含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような仮定的な言語は、一般的に、特徴、要素、及び/又はステップが、1つ以上の実施形態のために任意の方法で必要とされること、又は1つ以上の実施形態が、オーサ入力若しくはプロンプティングの有無を問わず、これらの特徴、要素、及び/又はステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、若しくは実施されるかどうかを判断するための論理を必ず含むことを暗示することを意図しない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及び同等物などの用語、それらの通常の意味で使用され、非限定的な様式で包括的に使用され、追加の要素、特徴、行為、動作などを除外しない。また、「又は」という用語は、使用される場合、例えば、要素の列挙を接続するために、「又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味するように、その包含的な意味で(かつその排他的な意味ではなく)使用される。別途具体的に記述されない限り、「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」という語句などの接続言語は、アイテム、用語、要素などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために、一般的に使用されるような文脈で理解される。したがって、そのような接続言語は、一般に、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つが、それぞれ存在することを要求することを暗示することを意図しない。
【0234】
実施形態の上記の説明では、様々な特徴が、時として、本開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの1つ以上の理解を補助する目的で、単一の実施形態、図、又はその説明においてともにグループ化されることを理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、任意の請求項がその請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。更に、本明細書の特定の実施形態(複数可)に図示及び/又は記載される任意の構成要素、特徴、又はステップは、任意の他の実施形態に適用されるか、又はそれとともに使用することができる。更に、いずれの構成要素、特徴、ステップ、又は構成要素、特徴、若しくはステップの群も、各実施形態のために必要又は不可欠ではない。したがって、本明細書において開示され、以下で特許請求される本開示の範囲、以下に特許請求される本発明の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきであることが意図される。
【0235】
特定の序数用語(例えば、「第1」又は「第2」)が参照を容易にするために提供され得、必ずしも物理的特性又は順序付けを暗示するわけではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される場合、構造、構成要素、動作などの要素を修正するために使用される序数用語(例えば、「第1」、「第2」、「第3」など)は、必ずしも任意の他の要素に対する要素の優先順位又は順序を示すわけではなく、むしろ、一般に、要素を(序数用語の使用を別として)同様又は同一の名称を有する別の要素と区別し得る。更に、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「1つ」ではなく「1つ以上」を示し得る。更に、条件又は事象に「基づいて」実施される動作はまた、明示的に列挙されていない1つ以上の他の条件又は事象に基づいて実施され得る。
【0236】
別途定義されない限り、本明細書で使用されている全ての用語(技術的用語及び科学的用語を含む)は、例示的実施形態が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書で定義されているものなどの用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想的な意味又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことを更に理解されたい。
【0237】
「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」という空間的に相対的な用語、及び同様の用語は、図面に図示されるような1つの要素又は構成要素と別の要素又は構成要素との間の関係を説明するための説明を容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に描写される配向に加えて、使用又は動作時のデバイスの異なる配向を包含することを意図していると理解されたい。例えば、図面に示されるデバイスが反転される場合、別のデバイスの「下方」又は「下に」位置決めされたデバイスは、別のデバイスに「上方」に配置され得る。したがって、「下方」という例示的用語は、下側及び上側位置の両方を含み得る。デバイスはまた、他の方向に配向され得、したがって、空間的に相対的な用語は、配向に応じて異なって解釈され得る。
【0238】
別途明記されない限り、「より少ない」、「より多い」、「より大きい」などの比較及び/又は定量的用語は、平等の概念を包含することを意図している。例えば、「より少ない」は、厳密な数学的意味では「より少ない」だけでなく、「以下」も意味することができる。
【0239】
〔実施の態様〕
(1) 医療システムであって、
第1のアクセス経路を介して解剖学的部位にアクセスするように構成された第1の器具と、
前記解剖学的部位及び前記第1の器具を表す画像データを提供するように構成された撮像構成要素を含む第2の器具であって、前記第2の器具は、第2のアクセス経路を介して前記解剖学的部位にアクセスするように構成された、第2の器具と、
実行可能命令を記憶する1つ以上のコンピュータ可読媒体であって、前記実行可能命令は、制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
前記第1の器具に関連付けられた第1の座標系と、前記第2の器具に関連付けられた第2の座標系との間の差異を識別することと、
前記差異に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の器具に関連付けられた制御基準座標系を更新することと、を行わせる、1つ以上のコンピュータ可読媒体と、を備える、医療システム。
(2) 前記第1の座標系は、前記第1の器具の遠位端のロールを示し、前記第2の座標系は、前記第2の器具の遠位端のロールを示す、実施態様1に記載の医療システム。
(3) 前記1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し、前記実行可能命令は、前記制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
位置合わせインジケータを表示することであって、前記位置合わせインジケータは、前記第1の座標系を表す、ことと、
前記位置合わせインジケータに対する調整を含む入力を受信することと、を行わせ、
前記第1の座標系と前記第2の座標系との間の前記差異は、前記位置合わせインジケータに対する前記調整に少なくとも部分的に基づいて特定される、実施態様1に記載の医療システム。
(4) 前記第1の器具は、前記第1の器具上の1つ以上のマーキングを含み、前記位置合わせインジケータは、前記1つ以上のマーキングの向きを表す、実施態様3に記載の医療システム。
(5) 前記1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し、前記実行可能命令は、前記制御回路によって実行されると、前記制御回路にユーザインターフェースを表示させ、前記ユーザインターフェースは、前記画像データの画像表現と、前記位置合わせインジケータと、を含み、前記位置合わせインジケータは、リングと、前記1つ以上のマーキングの前記向きを表す1つ以上のマーキングインジケータと、を含む、実施態様4に記載の医療システム。
【0240】
(6) 前記第1の器具に接続し、前記第1の器具の移動を制御するように構成されたロボットマニピュレータを更に備え、
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し、前記実行可能命令は、前記制御回路によって実行されると、前記制御回路に前記ロボットマニピュレータの位置又は向きのうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1の座標系を決定させる、実施態様1に記載の医療システム。
(7) 前記1つ以上のコンピュータ可読媒体は、実行可能命令を更に記憶し、前記実行可能命令は、前記制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
入力デバイスから方向入力信号を受信することであって、前記方向入力信号は、前記第1の器具の移動方向を示す、ことと、
前記方向入力信号及び前記制御基準座標系に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の器具の移動を制御することと、を行わせる、実施態様1に記載の医療システム。
(8) 方法であって、
制御回路が、標的解剖学的部位に位置する第1の器具から画像データを受信することであって、前記画像データは、第2の器具の少なくとも一部を表す、ことと、
前記画像データの画像表現を表示することと、
前記画像表現における前記第2の器具の向きを示す入力を受信することと、
前記制御回路が、前記入力に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の器具のための制御スキームを較正することと、を含む、方法。
(9) 前記第2の器具の移動方向を示す方向入力を受信することと、
前記方向入力及び前記制御スキームに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の器具の移動を制御することと、を更に含む、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記制御スキームを前記較正することは、
前記入力に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の器具に対する前記第1の器具の遠位端のロールを決定することと、
前記第2の器具に対する前記第1の器具の前記遠位端の前記ロールに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の器具を制御するために使用される制御基準座標系を調整することと、を含む、実施態様8に記載の方法。
【0241】
(11) 前記第2の器具に対する前記第1の器具の前記ロールを前記決定することは、前記第2の器具の遠位端に対する前記第1の器具の遠位端のロールを決定することを含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記第2の器具の前記向きを表す位置合わせインジケータを表示することを更に含み、
前記入力を前記受信することは、前記位置合わせインジケータに対する調整を受信することを含む、実施態様8に記載の方法。
(13) 前記第2の器具は、前記第2の器具の遠位端上に1つ以上のマーキングを含み、前記位置合わせインジケータは、前記1つ以上のマーキングの向きを表す、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記第1の器具は、内視鏡であり、前記第2の器具は、カテーテルである、実施態様8に記載の方法。
(15) コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
標的解剖学的部位に位置する直接的アクセス器具から画像データを受信することであって、前記画像データは、前記標的解剖学的部位に位置する経皮的アクセス器具の少なくとも一部を表す、ことと、
前記画像データに少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具に対する前記直接的アクセス器具の遠位端のロールを示すロールデータを生成することと、
前記ロールデータに少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具の移動を制御することと、を含む動作を実行させる、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0242】
(16) 前記直接的アクセス器具は、内視鏡を含み、前記経皮的アクセス器具は、カテーテルを含む、実施態様15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(17) 前記ロールデータは、前記経皮的アクセス器具に関連付けられた座標系に対する、前記直接的アクセス器具に関連付けられた座標系の向きを示す、実施態様15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(18) 前記画像データは、1つ以上のマーキングを含む前記経皮的アクセス器具の遠位端を表す、実施態様15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(19) 前記動作は、
前記画像データの画像表現を表示させることと、
位置合わせインジケータを表示させることであって、前記位置合わせインジケータは、前記経皮的アクセス器具の推定された向きを表す、ことと、
前記位置合わせインジケータに対する調整を含む入力を受信することと、を更に含み、
前記ロールデータは、前記位置合わせインジケータに対する前記調整に少なくとも部分的に基づいて生成される、実施態様15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(20) 前記動作は、
前記経皮的アクセス器具を制御するように構成されたロボットマニピュレータの位置又は向きのうちの少なくとも1つに基づいて、前記経皮的アクセス器具の前記推定された向きを決定することを更に含む、実施態様19に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0243】
(21) 前記動作は、
入力デバイスから方向入力信号を受信することであって、前記方向入力信号は、前記経皮的アクセス器具の移動方向を示す、ことを更に含み、
前記経皮的アクセス器具の移動を前記制御することは、前記ロールデータに少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具の移動を制御するための制御信号を生成することを含む、実施態様15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(22) 前記動作は、
前記画像データを使用して1つ以上の画像処理技法を実行することと、
前記1つ以上の画像処理技法に少なくとも部分的に基づいて、前記直接的アクセス器具に対する前記経皮的アクセス器具の向きを決定することと、を更に含み、
前記ロールデータは、前記直接的アクセス器具に対する前記経皮的アクセス器具の前記向きに少なくとも部分的に基づいて生成される、実施態様15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(23) 前記動作は、
前記画像データの画像表現をユーザインターフェースを介して表示させることと、
命令を前記ユーザインターフェースを介して表示させることであって、前記命令は、入力デバイス上の特定の方向制御部を選択することを示す、ことと、
前記入力デバイスから方向入力信号を受信することであって、前記方向入力信号は、前記特定の方向制御部に関連付けられている、ことと、
前記ユーザインターフェースに対して前記経皮的アクセス器具が移動した方向を示す入力を受信することと、を更に含み、
前記ロールデータは、前記入力に少なくとも部分的に基づいて生成される、実施態様15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(24) 前記動作は、
前記画像データの画像表現をユーザインターフェースを介して表示させることと、
命令を前記ユーザインターフェースを介して表示させることであって、前記命令は、前記ユーザインターフェースに対して前記経皮的アクセス器具を特定の方向に移動させることを示す、ことと、
前記入力デバイスから方向入力信号を受信することと、
前記方向入力信号に少なくとも部分的に基づいて移動するように、前記経皮的アクセス器具を制御することと、を更に含み、
前記ロールデータは、前記方向入力信号に少なくとも部分的に基づいて生成される、実施態様15に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
(25) システムであって、
直接的アクセス器具を操作するように構成された第1のロボットマニピュレータと、
経皮的アクセス器具を操作するように構成された第2のロボットマニピュレータと、
前記第1のロボットマニピュレータ及び前記第2のロボットマニピュレータに通信可能に結合された制御回路と、を備え、前記制御回路は、
前記直接的アクセス器具から画像データを受信することであって、前記画像データは、前記経皮的アクセス器具の少なくとも一部を表す、ことと、
前記画像データの画像表現を表示させることと、
前記画像表現における前記経皮的アクセス器具の向きを示す入力を受信することと、
前記入力に少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具のための制御スキームを較正することと、を含む動作を実行するように構成されている、システム。
【0244】
(26) 患者の自然内腔を介して、標的解剖学的部位にアクセスするように構成された前記直接的アクセス器具と、
前記患者内の経皮的アクセス経路を介して、前記標的解剖学的部位にアクセスするように構成された前記経皮的アクセス器具であって、前記経皮的アクセス器具は、遠位端に1つ以上のマーキングを含む、前記経皮的アクセス器具と、を更に備える、実施態様25に記載のシステム。
(27) 前記画像表現と、前記1つ以上のマーキングの向きを表す1つ以上のマーキングインジケータを含む位置合わせインジケータと、を表示するように構成されたディスプレイを更に備え、
前記入力は、前記位置合わせインジケータに対する調整を含む、実施態様26に記載のシステム。
(28) 前記直接的アクセス器具は、内視鏡を含み、前記経皮的アクセス器具は、カテーテルを含む、実施態様26に記載のシステム。
(29) 前記制御スキームを前記較正することは、
前記入力に少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具に対する前記直接的アクセス器具の遠位端のロールを決定することと、
前記経皮的アクセス器具に対する前記直接的アクセス器具の前記遠位端の前記ロールに少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具を制御するために使用される制御基準座標系を調整することと、を含む、実施態様25に記載のシステム。
(30) 前記動作は、
前記経皮的アクセス器具の移動方向を示す第1の方向入力信号を受信することと、
前記第1の方向入力信号及び前記制御スキームに少なくとも部分的に基づいて、前記経皮的アクセス器具の移動を制御することと、を更に含む、実施態様25に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図7
図8
図9-1】
図9-2】
図10-1】
図10-2】
図11
図12
図13
図14-1】
図14-2】
図14-3】
図14-4】
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
【国際調査報告】