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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】通気性火炎止め
(51)【国際特許分類】
   A62C 4/00 20060101AFI20230711BHJP
   E04B 1/94 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
A62C4/00
E04B1/94 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022554419
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(85)【翻訳文提出日】2022-10-18
(86)【国際出願番号】 NO2021050078
(87)【国際公開番号】W WO2021194352
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】20200349
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522354894
【氏名又は名称】スクーティー エイエス
【氏名又は名称原語表記】SCUTI AS
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ゲイル ジェンセン
(72)【発明者】
【氏名】ルス アストリッド ストロム
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DE04
2E001FA51
2E001GA32
2E001HB02
(57)【要約】
本発は、イントメッセントが用いられた耐荷重メッシュ(12)を備える火炎止め(10)に関する。前記メッシュ(12)は、完全又は部分的に制限された容積に対して可鍛性を有し、前記メッシュに用いられたイントメッセントは、相互に離間して配置されたイントメッセントのストライプパターン及び該ストライプ間の通気性開口部を形成する。火災に曝露される平面内の少なくとも1つのイントメッセントは、細かいメッシュ状で急速に膨張可能なストライプパターンを形成する。前記ストライプパターンは火災の侵襲段階において、前記メッシュの開口部を密閉し、前記ストライプ間に防火シールドを形成し、前記シールドとは離れて位置するイントメッセントは、前記シールドの形成後、それに続いて当該火炎止めの残りの容積を埋めるために膨張可能である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イントメッセントが用いられた自立型メッシュを備える火炎止めであって、
前記メッシュは、完全又は部分的に制限された容積に対して可鍛性を有し、
前記メッシュに用いられたイントメッセントは、相互に離間して配置されたイントメッセントのストライプパターン及び該ストライプ間の通気性開口部を形成し、
火災の影響を受ける平面内の少なくとも1つのイントメッセントは、細かいメッシュ状で急速に膨張可能なストライプパターンを含み、
前記ストライプパターンは火災の侵襲段階において、前記メッシュの開口部を密閉し、前記ストライプ間に防火シールドを形成し、
前記シールドとは離れて位置するイントメッセントは、前記シールドの形成後、それに続いて当該火炎止めの残りの容積を埋めるために膨張可能である、
火炎止め。
【請求項2】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、
イントメッセントの前記細かいメッシュは、表面と短い相互距離を有し、
前記表面と短い相互距離は、熱の影響を受けて、前記火災の侵襲段階において、前記シールドの形成のために前記ストライプが互いに向かって素早く膨張するのに十分なものであることを特徴とする、
火炎止め。
【請求項3】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記シールドの内側又は外側に配置されたイントメッセントは、ゆっくりと膨張して体積を埋める粗いグリッドを形成して耐火時間の延長させることを特徴とする、火炎止め。
【請求項4】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記メッシュは、鎮火ギャップを供するメッシュサイズを有する火炎止めメッシュとして設計されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項5】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記イントメッセントは、平行なイントメッセントのストライプパターン中の前記メッシュに用いられることを特徴とする、火炎止め。
【請求項6】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記イントメッセントは、イントメッセントのストライプのチェックパターン中の前記メッシュに用いられることを特徴とする、火炎止め。
【請求項7】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記イントメッセントは、密閉かつ均一に分布するドット若しくは直立ピンの形態又は前記メッシュへ至る空気容積内に分布するワイヤの形態で全部又は一部が作られるストライプパターンとして前記メッシュに用いられることを特徴とする、火炎止め。
【請求項8】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記メッシュは、一方又は両方が取付フランジを備える長手方向に延びる長手方向側端部を有するシート形態で製造されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項9】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、
前記メッシュはシート形態で製造され、かつ長手方向側端部を有するシート形態に切断され、
1つ以上の側端部は取付フランジに折り畳まれて収納され、又は取付フランジに適合されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の通気性火炎止めであって、前記側端部上の取付フランジは、互いにロック係合するように配置されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項11】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、
前記メッシュは長手方向に延びる側端部を有し、
前記側端部の第1側端部がS字形状で形成され、
前記側端部の第2側端部は半球形状に形成され、
前記半球形状は、これが基部に固定されるときには、前記S字形状の下に挿入されてロック配置される、
ことをを特徴とする、火炎止め。
【請求項12】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記メッシュは、バネ懸架効果を構成するためのスプリングワイヤで製造された可鍛性のバネ懸架メッシュであることを特徴とする、火炎止め。
【請求項13】
請求項12に記載の通気性火炎止めであって、前記可鍛性のバネ懸架メッシュは、バネ懸架効果を構成するための横バネワイヤを備えた編組鋼鉄製ワイヤで製造されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項14】
請求項12に記載の通気性火炎止めであって、前記可鍛性のバネ懸架メッシュは、バネ懸架効果を構成するための横バネワイヤを備えた鋼鉄製ワイヤを接合することによって製造されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項15】
請求項3及び13又は14に記載の通気性火炎止めであって、
前記横バネワイヤは、前記メッシュの長手方向に距離を置いて配置され、
前記メッシュは、前記鎮火ギャップよりも大きく、膨張したイントメッセントの損失を防止するために最大メッシュよりも小さい、
ことを特徴とする、火炎止め。
【請求項16】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、さらに複数のメッシュ間に介在する膨張性イントメッセントを含む膨張ポケットを含むことを特徴とする、火炎止め。
【請求項17】
請求項12,13,又は14に記載の通気性火炎止めであって、
前記スプリングワイヤ及び/又は鋼鉄製ワイヤのうちの1つ以上はイントメッセントで被覆され、かつ電源に接続され、
前記ワイヤは、(複数の)加熱ワイヤとして作動するように配置される、
ことを特徴とする、火炎止め。
【請求項18】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記イントメッセントは、金属でラッカー塗布された粉末/電極であるか、又はナノファイバーによってコーティングされることを特徴とする、火炎止め。
【請求項19】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記イントメッセントは、1層以上のメッシュの間に存在する通気性のメッシュ開口部に対して平行又は横切るように前記メッシュ上で押し出され、接着され、又は噴霧されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項20】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記イントメッセントは、メッシュに縫い目-犠牲材料としてのポリエステル又は綿の縫い目など-によって取り付けられることを特徴とする、火炎止め。
【請求項21】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、鎮火ギャップを有するそれぞれのメッシュ層間に、中間イントメセントストライプがはめ込まれた複数のメッシュ層を含むことを特徴とする、火炎止め。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イントメッセント材料を担持及び補強する自立性メッシュを備える通気性火炎止めに関する。
【背景技術】
【0002】
イントメッセント系受動的換気部材は、簡便で効果的な火炎止め製品である。通常のイントメッセント系換気部材が5分以内に火災を止める、あるいは火災による放射線又は煙を止めるには、高価で大きな他のタイプの防火ダンパー、あるいは直線的な接触面を必要とし、動きに対する可撓性が低く、正確な取り付けを必要とする特殊なイントメッセントに置換されなければならない。
【0003】
建物の正面、屋根の突出部、及び屋根の空洞の直線状の火炎止めに使用されるイントメッセント系換気部材は、火災で被覆体又は他の建築部品が曲がる又は消耗されて延焼の隙間ができることで破損しやすくなる。また取り付け方法は、現場での取り付け時に間違えやすい。標準的なイントメセントベントは層が厚いため、最大50mmの隙間を塞ぐのに時間がかかる。膨張すると脱落する可能性がある。新しい要求は、通常の空洞用換気部材が故障することによる大火災を防ぐことである。火災や風災で建築物が動いても、製品が防火性能を維持し、約3m/分の速度で延焼する火災や、高さ100mmの通気孔を2秒以内に通過する火災を防火しなければならないという要求がある。
【0004】
[従来技術の開示]
特許文献1は、様々な形態の防火及び防煙システムを記載している。この文献には、ロールに巻かれ、建物の開口部の前の壁に取り付けられる可撓性防火具が記載されている。この可撓性防火具は、火災発生時に開口部を閉鎖するように広げられる防火カーテンである。さらに可撓性防火具は、耐火性の可撓性織布を含む。織布は、強力な噴流水などの外力の影響に対する耐性を向上さ殻編み合わせ織布を有する。イントメッセントの使用も言及されており、部材は自立型に見える。しかし、この解決策は、換気を提供しない閉鎖的な構造である。
【0005】
特許文献2は、ハニカム状の構造を持つ周囲のフレームをイントメッセントでコーティングした自動閉鎖式の板状換気部材を示している。この換気部材は、開口部を有する壁面に取り付けられると、通常は開いており、開口部を介した空気の流れを許容する。火災による熱にさらされると、イントメッセント材料は膨張して換気部材を閉鎖する。
【0006】
さらに特許文献3を参照する。特許文献3は国際公開第2018174720A号公報に対応し、枝編形状の紐をイントメッセントで覆った立体構造を含む建築構造における通気性防火フィルタを記載している。この立体構造体は、自立型の無枠型部材を切断して可撓性を持たせた形態である。構造の部材のない部分は、空洞の隙間に適応して押し込まれることによって装着され、熱の影響下で自己ロックされる。
【0007】
公知の技術における共通の特徴は、容積が完全にイントメッセントで充填されるまで、火災絶縁が達成されないことである。典型的な体積は、空気口の大きさに応じて、30秒から5分後まで充填されないのが普通である。その間に火災が通過するのを防ぐために、鎮火ギャップ及びヒートシンク用の部材を広範囲に使用する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013255893A1号公報
【特許文献2】米国特許第7413024B1号公報
【特許文献3】諾国特許第343232B1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、通常は通気性を有し、火災の熱にさらされると非常に短時間内で十分反応する火炎止めに変化する火炎止め装置を提供することを目的とする。
【0010】
第一段階での共通する解決策は、第二段階での通気性換気部材の開口部が、換気部材全体を満たし火災を断熱する膨張性イントメッセントによって閉じられる前に、炎を止める火炎ギャップ部材である。本発明により、前述の2つの間にさらなる段階を導入することが可能である。それは、例えば、鎮火ギャップ部材が機能するのに必要とされる時間を短縮するために、火災における最初の熱応力に対する薄い殻を迅速に形成する。
【0011】
本発明はさらに、最初の熱のできるだけ多くが、殻を形成する前記イントメッセント材料に吸収されることに基づいている。同時に他のイントメッセントへ向かうことによって前記殻における熱の取り込みを減少させる熱は、前記殻の形成を遅らせることになる。これは体積充填用の前記イントメッセントと殻用のイントメッセントが近い場合に起こり得る。本発明によれば、火炎放射と対流の両方による熱伝導が、殻形成段階において前記殻の近くの「不要な」イントメッセントに奪われない。
【0012】
さらなる目的は、特に火災の侵襲段階において、急速に膨張して火災に対する防火殻を形成する、イントメッセントストライプを有するバネ懸架式メッシュの火炎止めを提供することである。
【0013】
当該火炎止めは単独で使用することができる。あるいはその代わりに当該火炎止めは、換気部材が開く条件下で炎を遮断する鎮火部材、又は十分長い耐火時間で所定の容積を満たすイントメッセントを有し得る。3段階の火炎止めは、一般的な一連の段階が防炎、防火殻、及び防火充填容積である技術を組み合わせ得る。開放状態での火炎遮断と殻形成は、火災の侵襲段階で行われる。
【0014】
本発明による火炎止めは、無枠型で、切断可能で、柔軟性で、使用現場又は工場で箱若しくはフレームに組み込まれた中空空間、スリット、シート、管に1層以上の層で取り付けられ得る。
【0015】
本発明による充填イントメッセントを有する火炎止め換気部材は、一定の膨張量を達成し、膨張ポケット、鎮火ギャップ、火花防止ネット、引火性液滴の捕獲ネットを用いることにより自己ロックを実現するように設計され、かつタイトスクリーンと組み合わせられ得る。よって本発明による火炎止め換気部材は、火炎放射と煙を止めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、通常は空気により換気され、火災時に遮断される通気性火炎止め部材-建物内で使用するための耐火性を有する空気伝達グリル-に関する。よって通気性火炎止めは、完全に換気可能な火炎止め又は防火ダンパーとも呼ばれ得る。
【0017】
本発明は鎮火ギャップ部材を有するか又は有しない通気性火炎止めに基づく。当該通気性火炎止めは、火災熱で非常に迅速に殻又は硬い外皮を形成する半開放型イントメッセントパターンが用いられた自立型メッシュ部材を含む。前記殻形成部材は、できるだけ直接的に熱を受けるように当該火炎止め内に配置される。前記イントメッセントパターンは、前記熱を取り込む表面積を最大にし、前記パターン内の糸状体からの膨張するイントメッセント質量体が最も近い糸状体からの膨張するイントメッセント質量体と早期に出会うような短い距離を提供するため、細かいメッシュ状になっている。以下では前記パターンはストライプパターンとも指称される。パターンストライプは、任意の角度でよく、互いに交差してもよく、あるいは互いに平行であってもよい。前記ストライプパターンは、必要な場合には鎮火ギャップ部材として作られる-典型的には金属製の-補強用自己支持型メッシュに取り付けられる。
【0018】
本発明で使用されるイントメッセント系又は他の反応性若しくはアブレーション材料は例えば、グラファイト、ケイ酸ナトリウム又はリン酸アンモニウムに基づき、熱への曝露で膨張することを特徴とし得る。熱への曝露は典型的には130~180℃になると思われる。しかしその代わりに高温活性化は後に、例えば300℃以上で起こり得る。
【0019】
本発明による通気性火炎止めは好適には、当該通気性火炎止めが開いている間に炎とイントメッセントとの間での大きく良好な接触面が炎の通過の防止を容易にするように寸法設定される。具体的にはそのように寸法設定されることにより、イントメッセント材料が膨張して当該火炎止め部材を密封した時点まで鎮火ギャップ部材が使用される場合の「鎮火ギャップ」効果の持続期間を延ばすことにより、炎の通過の防止は容易になる。例えば、1層の鎮火ギャップメッシュは複数の鎮火ギャップ部材を置き換え得る。
【0020】
本発明で使用できる鎮火ギャップメッシュとは、意図した使用で可燃性ガス火災向けに推奨される特定の鎮火ギャップより小さい開口部を有するメッシュを意味する。
【0021】
なお、自立及び切断可能とは、当該通気性火炎止めを何らかの枠等に嵌め込む必要がなく、所望の寸法に切断及び/又は切り取ることにより、実際の換気口に適合する大きさとすることができることを意味する。
【0022】
本発明による通気性を有して曲がりやすい火炎止めは、例えば、板材から切り出されたものであれば、自立性である。すなわち当該火炎止めは、耐火材を保持するための筋交い又は枠なしでそのまま使用可能で、手で及び/又は開口部内でクランプ、ネジ、ピン、接着剤、パッキン等を用いて、押す及び/又は挟み込むことによって所定の場所に取り付けることができる。さらに曲がりやすいメッシュは、構造物の形状及び/又は動きに追従することができるようになり、より効率的な火炎止めに貢献することができるようになる。
【0023】
本発明による火炎止めは、耐火時間の延長を達成するために、二重又は複数の層に折り曲げられ得る。切り出された平らな火炎止めは、工場で建築部材全体又は枠に装着された層内で折り畳まれ、かつ適合され得て、例えば直線又は長方形の形状をとり得る。
【0024】
上記の目的は、イントメッセントを備えた自立型メッシュを含む通気性火炎止めによって実現される。前記メッシュは、完全又は部分的に制限された容積に対して可鍛性を有し、前記メッシュに用いられたイントメッセントは、相互に離間して配置されたイントメッセントのストライプパターン及び該ストライプ間の通気性開口部を形成する。火災の影響を受ける平面内の少なくとも1つのイントメッセントは、細かいメッシュ状で急速に膨張可能なストライプパターンを含む。前記ストライプパターンは、火災の侵襲段階において、前記メッシュの開口部を密閉し、前記ストライプ間に防火シールドを形成する。前記シールドとは離れて位置するイントメッセントは、前記シールドの形成後、それに続いて当該火炎止めの残りの容積を埋めるために膨張可能である。
【0025】
試験によると、本発明によるシールドを使用した場合、同じ開口部において、従来の換気部材の一般的な35秒に対して5秒以内に完全な防火が実現されたことが分かった。
【0026】
イントメッセントの前記微細なメッシュは、表面と短い相互距離を有する。前記表面と短い相互距離は、熱の影響を受けて、火災の侵襲段階において、前記シールドの形成のために前記ストライプが互いに向かって素早く膨張するのに十分なものである。
【0027】
前記シールドの内側又は外側に配置されたイントメッセントは、ゆっくりと膨張して体積を埋める粗いグリッドを形成することができる。それにより耐火時間の延長のための火災絶縁が実現される。
【0028】
さらに前記メッシュは、ギャップを閉じる矩形のメッシュ開口部を有する火炎止めメッシュとして形成され得る。
【0029】
前記イントメッセントは、第1実施形態では、平行なイントメッセントのストライプパターン中の前記メッシュに用いられ得る。あるいはその代わりに前記イントメッセントは、第2実施形態において、イントメッセントのストライプのチェックパターン中の前記メッシュに用いられ得る。
【0030】
前記イントメッセントは、前記メッシュに隣接する空気の容積内に分布する密接かつ均一に分布するドット若しくは隆起した釘又は糸状体の形態で、完全又は部分的に実施されるストライプパターンとして前記メッシュに付加され得る。
【0031】
メッシュは、一方又は両方が補強フランジを備える長手方向に延びる長手方向側端部を有するシート形態で提供され得る。
【0032】
同様に、メッシュは、シート形態で製造されてよく、または長手方向の側端部を有するシート形態に切断される。1つ以上の側端部は取付フランジに折り畳まれるか、または取付フランジに取り付けられる。
【0033】
前記側端部上の取付けフランジは、互いにロック係合するように配置され得る。
【0034】
一の変形例では、前記メッシュは長手方向に延びる側端部を有し得る。前記側端部の第1側端部がS字形状で形成され、前記側端部の第2側端部は半球形状に形成される。そのため前記半球形状は、これが基部に固定されるときには、前記S字形状の下に挿入されてロック配置される。
【0035】
前記メッシュは、バネ懸架効果を構成するため、バネワイヤで製造された可鍛性のバネ懸架メッシュであってよい。
【0036】
さらに前記可鍛性のバネ懸架メッシュは、バネ懸架効果を構成するため、横バネワイヤを備えた編組鋼鉄製ワイヤで製造され得る。
【0037】
前記可鍛性のバネ懸架メッシュは、バネ懸架効果を構成するため、横バネワイヤを備えた鋼鉄製ワイヤを接合することによって製造され得る。
【0038】
前記横バネワイヤは、前記の膨張したイントメッセントの無駄を防ぐために、鎮火ギャップより大きくて最大メッシュサイズより小さい前記メッシュの長手方向に相互に離間して配置され得る。
【0039】
さらに当該火炎止めは膨張ポケットを含んでよく、該膨張ポケットは、複数のメッシュ間に介在する膨張性イントメッセントを含む。前記ポケットは膨張時には展開されて周囲の構造物や端部に抗して押し付けられた状態となる。
【0040】
前記スプリングワイヤ及び/又は鋼鉄製ワイヤのうちの1つ以上はイントメッセントで被覆され、かつ電源に接続され得る。前記ワイヤは、(複数の)加熱ワイヤとして作動するように配置される。一の実施形態では、前記イントメッセントストライプは、金属でラッカー塗布された粉末/電極であるか、又はナノファイバー表面を有してよい。
【0041】
さらにイントメッセントの前記ストライプは、1層以上のメッシュの間に存在する通気性のメッシュ開口部に対して平行又は角度をなすように前記メッシュ上で押し出され、接着され、又は噴霧されてよい。
【0042】
前記イントメッセントのパターンは、メッシュに縫い目-犠牲材料としてのポリエステル又は綿の縫い目など-によって取り付けられ得る。
【0043】
当該火炎止めは、鎮火ギャップを有するそれぞれのメッシュ層間に、中間イントメセントストライプがはめ込まれた複数のメッシュ層を含むように切断又は折りたたまれ得る。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明の好適実施形態は、以下において、添付図面を参照しながらより詳細に説明される。
図1】本発明による通気性火炎止めを示す。
図2】建築構造物等の開口部又は空洞部に装着した状態の図1に示す通気性火炎止めを示す。
図3】本発明による通気性火炎止めの変形例を示す。
図4図4は、建築構造物等の開口部又は空洞部に装着した状態の図3に示された通気性火炎止めを示す。
図5】装着中の通気性火炎止めの一例を示す。
図6】装着後の通気性火炎止めを示す図である。
図7】一方の側端部のみに取り付けられた通気性火炎止めを例示する。
図8】本発明による通気性火炎止めのさらなる変形例を示す。
図9】建築物等の開口部又は空洞部に装着した状態の図8に示された通気性火炎止めを示す。
図10】本発明による通気性火炎止めをより詳細に示す。
図11】加熱ワイヤを取り付けた本発明による通気性火炎止めの変形例を示す。
図12】メッシュへの取付フランジの変形例を例示的に示している。
図13】メッシュへの取付フランジの変形例を例示的に示している。
図14】火災による熱の影響下にある先行技術による火炎止めの例を示す。
図15】最初期段階における火災からの熱の影響下にある本発明による殻を形成する通気性火炎止めの例を示す。
図16】通気性火炎止めが膨張ポケットとして機能する本発明の変形例を示している。
図17】メッシュ上に設けられたイントメッセントのワイヤが互いに向かって膨張する様子を断面で示している。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図から分かるように、実施形態において、本発明は好適には、火災の最初期段階において断熱殻を形成するイントメッセントの微細メッシュストライプパターン14を有する可鍛性ばね懸架メッシュ12を含む通気性火炎止めを備える。メッシュ12はまた、その後の体積充填及び火災時の断熱用のイントメッセントのストライプ又はバンドを含む。メッシュ12は、内部容積22が形成されるように、完全又は近似的に管状形状となるように曲げられ又は巻かれ得る。管の形状は、円形、正方形、又は他の形状であってよい。
【0046】
本発明による火炎止めは、鎮火ギャップのないメッシュ12で作られてよい。ただし、図に関連する説明では、一般に「鎮火ギャップメッシュ」という用語が用いられ、特許請求の範囲では、より一般的な「メッシュ」という用語が用いられる。メッシュが鎮火ギャップを有するか否かにかかわらず、イントメッセント14は同じようにメッシュ12に塗布され得る。
【0047】
鎮火ギャップメッシュ12は、これが用いられる場合、鎮火ギャップを与えるメッシュサイズ-例えば0.8~8mmのメッシュサイズ-を有する。メッシュサイズ-すなわち鎮火ギャップメッシュのワイヤ間の開口部30のサイズ-は、鎮火するために、火災によって発生するガス混合物によって決まる特定の用途における鎮火ギャップの最大サイズ未満でなければならない。
【0048】
イントメッセントの薄いストライプ、ドット、ピン、又はワイヤ14のパターンがメッシュ12に適用され得る。これは、大きな表面積及びストライプ、ドット、ピン、又はワイヤ間での短い相互間隔を有し得る。火災が最初に襲う平面内にはストライプ、ドット、ピン、又はワイヤの間に開放メッシュすなわち開口30が存在する。前記イントメッセントは、第1実施形態では、平行なイントメッセントのストライプパターンでメッシュに塗布され得る。あるいはその代わりに、前記イントメッセントは、第2実施形態において、イントメッセントのストライプのチェックパターンでメッシュに塗布され得る。図2図4図5図6図7、及び図9では、意図された火災の方向は上向きであり、したがって火災は、火炎止め10の下部において最初に気づかれる。火災が及ぼす影響については、図15に関連してより詳細に説明する。
【0049】
鎮火ギャップメッシュ12内にバネ懸架効果をもたらすために、鎮火ギャップメッシュ12は、編組又は接合されたバネ糸状体28で作られてよく、あるいは鎮火ギャップメッシュ12は、好適には横方向に延びるバネ糸状体28を備えた編組又は接合された鋼鉄製糸状体34で作られてよい。バネ糸状体28は、例えば1mmの大きさを有し得る。鋼鉄製ワイヤ34はまた曲がりやすくてよい。
【0050】
横方向バネワイヤ28は、通常、鎮火ギャップメッシュ12の長手方向に距離を置いて配置される。メッシュサイズは、鎮火ギャップよりも大きく、膨張したイントメッセントの損失を防止するために最大メッシュよりも小さい。ここで最大メッシュとは、膨張したイントメッセントが押し出されて落下する開口部/メッシュの大きさを意味する。メッシュの大きさは、イントメッセントの種類によって異なり得る。
【0051】
図10及び図11は、上述したような鎮火ギャップメッシュ12の具体的な実施形態を示し、残りの図は、鎮火ギャップメッシュを例示的に示している。
【0052】
図11において、ワイヤ28又は34のうちの1つ以上は、イントメッセント14によって覆われ、ワイヤ36を介して電力源38に接続されている。電源38の起動時に、(複数の)ワイヤが加熱され、前記イントメッセント14が膨張することになる。
【0053】
前記鎮火ギャップメッシュ12は、当初は平坦な形状で製造されることを意図しているが、圧縮に耐えると同時に取り付けられる表面の突起又は窪みと反応するようにばね効果を有して、略半円形の形状又は管状の形状に曲げられ得る。図10及び図11は、一例として、横方向ばねワイヤ28が実質的にばね効果を生じさせる一方、長手方向ワイヤ34は、不均一な表面を埋めるメッシュを提供するために、より薄く及び/又はより剛性が低いことを表している。
【0054】
鎮火ギャップメッシュ12は、一方又は両方が取付フランジ16を備える長手方向側端部32を有するシート形態で製造され得る。これは、鎮火ギャップメッシュ12がシート形態で製造されるか、又はシート形態に切断されるかのいずれかで行われ得る。側端部32のうちの1つ以上が取付フランジ16に折り込まれるか、又は取付フランジ16に取り付けられる。
【0055】
取付フランジ16は、ねじ、ピン18、又は同様の締結手段によって、2つの建築部品20の間の空洞22に火炎止め10を固定するために用いられ得る。また取付フランジ16は、表面に接着されても良い。図5はそのような取付を示す。図中の取付では、最初に第1側端部32上の一の取付フランジ16がネジ又はピン18によって基部20に取り付けられ、図6では第2側端部32上の第2取付フランジ16もネジ又はピン18によって基部20に取り付けられる。
【0056】
図7は変形例の一例を示している。図示された変形例は、閉じた管形状に形成されておらず、一方の側縁にのみ取り付けられ、他の部分が「自由に」動くようになっている。
【0057】
鎮火ギャップメッシュ12の側端部32に設けられた取付フランジ16は、互いにロック統合するように配置されてもよい。
【0058】
図8及び図9は、鎮火ギャップメッシュ12が対応して長手方向に延びる側端部32を有するが、第1側端部がS字形状24で形成され、第2側端部が半球形状26で形成されている通気性火炎止めの代替実施形態を示している。半球形状26は、図9に示すように、表面20に取り付けられたときに、S字形状24の下に挿入されることによってロック係合になり得る。
【0059】
図12及び図13はさらに、取付フランジ16の変形例を示しており、1つ又は2つの垂直端部/折り畳み部が、メッシュに対して例えば直角に立った折り畳み及びフランジ機械によって折り畳まれ得る。これにより、取付フランジ16は、鎮火ギャップメッシュ12を硬いまたは柔らかい表面-例えば木材又はロックウール-に固定するのに十分な剛性を有する。
【0060】
火炎止め10の側端部32をロックすることにより、(図14及び図15に示すように)一定の膨張容積22が得られる。一定の膨張容積は、2つの建築部品20の間の前記空洞22と同様である。
【0061】
図14及び図15は、3段階の機能で実行される先行技術と本発明との違いを示している。図14は、空気通路を最大化するために2つの建築部品20の間のメッシュ構造112にイントメッセント114を配置し、そのような配置によってイントメッセント114が、該イントメッセントのすべてが熱で膨張したときにイントメッセントと反対側との間の全空隙を埋めることを可能にして、火災を遮断する先行技術の一例を示す(右図)。
【0062】
図15に示すように本発明によれば、イントメッセント14が、実際の火災負荷に直面する空気方向と角度をなす少なくとも一の面内に微細メッシュストライプパターンを構成する複数の微細なストライプ内に配置され、かつ通気が十分に良好となる程度に閉じている。ストライプが熱で互いに向かうように膨張する間、侵襲段階の最初の数分間(中央図に示すように)で素早く換気部材を完全に閉鎖するシールド又は殻バリア40が形成される。その後、火災による持続的な熱で、換気部材内の残りのイントメッセントが活性化することで、完全な充填段階で容積密閉が持続する(右図)。この他のイントメッセントは、微細メッシュでもよいが、より広いストライプ又はバンドを有する粗いメッシュが好ましい。シールド形成用のイントメッセントと体積充填用のイントメッセントは、互いに分離されている。
【0063】
また本発明は、火災の方向が図15に示す方向と反対である場合にも有効である。
【0064】
このように、本発明による火炎止め10は、従来の太いストライプ及び回折格子ではなく、イントメッセントの多数の細かいストライプ14を含み、ストライプが、該ストライプ間の換気距離が最適化された状態で鎮火ギャップメッシュ12上に直接コーティングされる。炎の熱とイントメッセントとの大きな接触面により、ストライプは非常に速く膨張し、何分間も炎を遮断する閉じたシールド40になる。曝露段階において、熱は、火災ガス/炎から熱を取るイントメッセント材料における吸熱化学プロセス(熱消費)を活性化し、炎に触れる最も外側のメッシュ層に集中する大きな面積のイントメッセント表面が存在し、前記プロセスは、鎮火ギャップメッシュの複数の層(先行技術において必要ないくつかの層)を回避できるように鎮火ギャップ効果をさらに有効に拡張する。
【0065】
次の耐火時間の段階では、より多くの不燃物14が前記シールド40より下流側で膨張するが、シールド40への遮熱によりゆっくりと膨張する。そのような膨張は均一でコンパクトな体積の膨張したイントメッセントの構築には有益である。同時に本発明の好適用途は、イントメッセントは360度、長辺同士がくっついた筒状に巻かれることである。この効果は、膨張が所与の体積22内で常に起こることである。具体的には環境がフィルタを楕円形にするか、平坦な形状にするか、若しくは適当な枠の中の四角形に形成するか、又はその他の形状にすることである。微細なイントメッセント糸状体を有する密閉ストライプ14が存在するため、次の層でも火災が通過しなければならず、堅牢な信頼性が達成される。また、膨張体積が一定であることで、最適な量のイントメッセントを使用することが可能となり、耐火時間を最長にできると同時に、イントメッセントの脱落がほとんどない。従来は、このような脱落するイントメッセントは火災のため開口を飛び出す。これは従来の解決法の2つの最大の課題のうちの1つとして知られている(もう一つは初期に炎が通過してしまうことである)。
【0066】
煙の通過に対する迅速な反応のための追加保証として、図11に示すように、鎮火ギャップメッシュ12にコーティングする前に、ワイヤは加熱ワイヤで押し出され得る。短時間に適切な電流が流れることで、火災のあった部屋にまだ煙が少ししかない間に、数秒でイントメッセントが膨張して密閉する。作動は煙探知機から又は手動で起こり、相対的に小さな電池が用いられ得る。
【0067】
急速な膨張と少ない集塵のさらなる改善として、金属粉末/電極ラッカーによるイントメッセントストライプ(電流)または高い熱伝達性能を有する「ナノヘア」コーティングが用いられ得る。
【0068】
火炎止め10はさらに膨張ポケットを備えてよい。例えば前記膨張ポケットは、複数の鎮火ギャップ間隙メッシュ12の間に介在する膨張性イントメッセントを含む。
【0069】
図16に示すように、イントメッセントストライプパターン14を有する鎮火ギャップメッシュ12をストライプ等として建築構造物の開口部に配置され、上述のように取り付けられ得る。さらに、外部に穿孔された被覆体42が用いられ得る。
【0070】
膨張ポケット44は、火炎止め10が、火災熱の影響を受けて、火炎止め10が存在する通気性の何もない空間22を充填するだけでなく、火災で建築部品20が曲がって空所が増えることによって起こり得る膨張空間を埋め得ることに寄与する。膨張ポケットは、膨張のための「限られた空間」で「膨らむ」のである。建築部品がわずかに圧縮しても外側へ変位しても、膨張ポケットは、「膨張」したときに、火炎止めが建築部品に抗するように堅く閉じることに寄与することになる。膨張ポケットはメッシュ状になっており、通常は通気性があるが、火災時に膨張し始めるイントメッセントを通さないようになっている。膨張ポケットの部品は、膨張ポケットのメッシュの部品の間に留められた糸などによって保持することができ、ここで糸は犠牲にされてよい。
【0071】
図16は、通気性の膨張ポケットが膨張すると、1枚の防火シートに取り付けられることを示している。たとえ通気性の膨張ポケットが外側からだけ取り付けられても、膨張すると開口部から外側に押し出すことも内側に押し入ることもできない。通気性の膨張ポケットは、枠とシートの間に通常の換気部材のようなガスケットを持たず、迅速に取り付けられる。
【0072】
本発明による火炎止めは、押出成形によりイントメッセントがストライプ14に塗布されてことによって製造され得る。
【0073】
イントメッセントのストライプパターン14は、代替的に、通気性メッシュ開口部30を間に挟んで平行又は角度をなす状態で、1層以上の層で鎮火ギャップメッシュ12上に接着又は噴霧され得る。これは、押し出し成形にも適用される。
【0074】
さらに、イントメッセントの前記ストライプ14は、犠牲材料としてのポリエステル又は綿の縫い目など、鎮火ギャップメッシュ12に縫い目で固定されてもよい。
【0075】
本発明による火炎止めは、それぞれの鎮火ギャップメッシュ12の間にはめ込まれた、中間的イントメッセントストライプ14を有する複数の鎮火ギャップメッシュ12で製造されてもよい。
【0076】
使用時には、平坦に製造された火炎止めは、例えば端部を切断して曲げた2本以上の連続的な鋼鉄製ワイヤと一緒に嵌め込んだ1本以上の短いローラーに折り畳まれてまとめられ、又は前記ローラーに巻かれ得る。これは、空気伝達グリル、軒下換気部材、外壁換気部材など、イントメッセントが経時的に滑らない場所に使用するための部材を構成する。横方向のロックは延焼方向に貫通することなく固定され、通気孔はしっかりと正確に充填され、途中で膨らむことはない。
【0077】
エアギャップの最適な用途の例は、2mmの鎮火ギャップメッシュが考えられるが、これは主に火が当たる底部にしか必要ない。その他のメッシュは、より粗い-例えば12mの-メッシュのバネ糸状体に用いられ得る。12mmは、イントメッセントの大部分を所定の場所に固定するのに十分であるが、接続部に対して封止する適当な少量のイントメッセントを押し通すことができる。
【0078】
図17は、耐荷重メッシュ12上の、距離aだけ離れた、直径bの微細メッシュ状のイントメッセントパターンのイントメッセント糸状体14の断面をより詳細に示している。火災の場合、図示されているように、膨張したイントメッセントの塊14'は、シールド40を形成するため、例えば膨張した厚さが1/2aのときに2本のワイヤ14の間で会合する。好適実施形態では、限定されないが、ワイヤ直径bが1~5mmであるとき、aは2bより大きく、5bより小さくされ得る。
【0079】
耐荷重メッシュは、金属、ガラス繊維などの難燃性材料で、好適ワイヤ径は0.1~1mmであるが、これに限定されない。
【0080】
略完成した膨張イントメッセントの塊14'が破線で示されている。耐荷重メッシュ12を含む早期活性化防火シールド40は、少なくとも厚さcを達成する。殻の厚さcは、どの程度断熱するかに応じて変化し得る。好適厚さは、上述した物品がない場合には10~30mmである。一定の鎮火ギャップメッシュにおいて上述した物品を用いると、厚さcは10mm未満になり得る。本発明による防火殻の試験において、3~10分の防火時間が達成されているが、本発明による殻は、より長い時間機能するように寸法を設定することができる。追加の防火時間は、より多くの膨張したイントメッセントが火炎止め全体を充填する最後の段階で達成され得る。
【0081】
実用的な実施形態では、シールド40を形成し、急速に膨張する細かいメッシュのストライプのパターンは、例えば2x2mmのような非常に薄いストライプであり、互いに短い距離であり、全体として単位質量当たり非常に大きな表面積を有することができる。
体積22を充填するイントメッセントメッシュの残りのストライプは、より任意で粗いメッシュにすることができ、典型的な用途では、例えば断面が35x3mmの帯で、互いに20~50mmの距離を有するものを使用することができる。あるいは、体積充填用の縞模様も細かいメッシュにすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イントメッセントが用いられた自立型メッシュを備える火炎止めであって、
前記メッシュは可鍛性を有し、完全又は部分的に制限された容積内に形成され
前記メッシュは、鎮火ギャップを供するメッシュサイズを有する火炎止めメッシュとして設計され、
前記メッシュは、相互に離間して配置されたイントメッセントのストライプパターン及び該ストライプ間の通気性開口部を形成する第1イントメッセント及び第2イントメッセントを含み
前記第1イントメッセントは、前記メッシュの火災の影響を受ける平面上に存在し、細かいメッシュ状で急速に膨張可能なイントメッセントのストライプパターンを含み、
前記イントメッセントのストライプパターンは火災の侵襲段階において、前記メッシュの開口部を密閉し、前記イントメッセントのストライプ間に防火シールドを形成し、
前記第2イントメッセントは、前記第1イントメッセントとは離れて前記メッシュ上に位置し、かつ、前記防火シールドの形成後、それに続いて当該火炎止めの残りの容積を埋めるように膨張可能な粗いメッシュ状でゆっくりと膨張可能なイントメッセントのストライプパターンを有し、
ことを特徴とする火炎止め。
【請求項2】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、
イントメッセントの前記細かいメッシュは、表面と短い相互距離を有し、
前記表面と短い相互距離は、熱の影響を受けて、前記火災の侵襲段階において、前記シールドの形成のために前記ストライプが互いに向かって素早く膨張するのに十分なものであることを特徴とする、
火炎止め。
【請求項3】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記イントメッセントは、平行なイントメッセントのストライプパターン中の前記メッシュに用いられることを特徴とする、火炎止め。
【請求項4】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記イントメッセントは、イントメッセントのストライプのチェックパターン中の前記メッシュに用いられることを特徴とする、火炎止め。
【請求項5】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記イントメッセントは、密閉かつ均一に分布するドット若しくは直立ピンの形態又は前記メッシュへ至る空気容積内に分布するワイヤの形態で全部又は一部が作られるストライプパターンとして前記メッシュに用いられることを特徴とする、火炎止め。
【請求項6】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記メッシュは、一方又は両方が取付フランジを備える長手方向に延びる長手方向側端部を有するシート形態で製造されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項7】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、
前記メッシュはシート形態で製造され、かつ長手方向側端部を有するシート形態に切断され、
1つ以上の側端部は取付フランジに折り畳まれて収納され、又は取付フランジに適合されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項8】
請求項又はに記載の通気性火炎止めであって、前記側端部上の取付フランジは、互いにロック係合するように配置されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項9】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、
前記メッシュは長手方向に延びる側端部を有し、
前記側端部の第1側端部がS字形状で形成され、
前記側端部の第2側端部は半球形状に形成され、
前記半球形状は、これが基部に固定されるときには、前記S字形状の下に挿入されてロック配置される、
ことを特徴とする、火炎止め。
【請求項10】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記メッシュは、バネ懸架効果を構成するためのスプリングワイヤで製造された可鍛性のバネ懸架メッシュであることを特徴とする、火炎止め。
【請求項11】
請求項10に記載の通気性火炎止めであって、前記可鍛性のバネ懸架メッシュは、バネ懸架効果を構成するための横バネワイヤを備えた編組鋼鉄製ワイヤで製造されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項12】
請求項10に記載の通気性火炎止めであって、前記可鍛性のバネ懸架メッシュは、バネ懸架効果を構成するための横バネワイヤを備えた鋼鉄製ワイヤを接合することによって製造されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項13】
請求項及び11又は12に記載の通気性火炎止めであって、
前記横バネワイヤは、前記メッシュの長手方向に距離を置いて配置され、
前記メッシュは、前記鎮火ギャップよりも大きく、膨張したイントメッセントの損失を防止するために最大メッシュよりも小さい、
ことを特徴とする、火炎止め。
【請求項14】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、さらに複数のメッシュ間に介在する膨張性イントメッセントを含む膨張ポケットを含むことを特徴とする、火炎止め。
【請求項15】
請求項10,11,又は12記載の通気性火炎止めであって、
前記スプリングワイヤ及び/又は鋼鉄製ワイヤのうちの1つ以上はイントメッセントで被覆され、かつ電源に接続され、
前記ワイヤは、(複数の)加熱ワイヤとして作動するように配置される、
ことを特徴とする、火炎止め。
【請求項16】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記イントメッセントは、金属でラッカー塗布された粉末/電極であるか、又はナノファイバーによってコーティングされることを特徴とする、火炎止め。
【請求項17】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、前記イントメッセントは、1層以上のメッシュの間に存在する通気性のメッシュ開口部に対して平行又は横切るように前記メッシュ上で押し出され、接着され、又は噴霧されることを特徴とする、火炎止め。
【請求項18】
請求項1に記載の通気性火炎止めであって、鎮火ギャップを有するそれぞれのメッシュ層間に、中間イントメセントストライプがはめ込まれた複数のメッシュ層を含むことを特徴とする、火炎止め。
【国際調査報告】