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特表2023-530540変形可能な工具によりサンプリングまたは把持するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】変形可能な工具によりサンプリングまたは把持するための装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/12 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
B25J15/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022554663
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 FR2021050414
(87)【国際公開番号】W WO2021181046
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】2002401
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519453320
【氏名又は名称】オラノ・デエス-デマンテレメ・エ・セルヴィス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・エスコフィエ
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707ES10
3C707EV12
3C707EV14
3C707EV16
(57)【要約】
装置は、剛性のあるサポート(1)上に取り付けられた可撓性のあるスリーブ(6)を備え、スリーブには、スリーブ(6)の周囲でリング状に分布されたウェーハ(7)が並んでいる。スリーブは、折り畳み部(14)を作ることにより、スリーブの端面(9)をスリーブの内側に戻すために、作動器(3)により後退させることができ、取得された対象物またはサンプルを保持するためのリング(17)を形成することにより、ウェーハを内方向に傾斜させ、対象物またはサンプルを、ウェーハ(7)の間、またはチャンバ(18)の内側に維持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリングまたは把持装置であって、側方壁および後面(5)を有するサポート(1)と、前記サポートに取り付けられる工具(2)と、を備え、前記工具が、変形可能であり、側方壁と前記工具の前記側方壁がその間で延びる端面(9)および縁部(8)とを有するスリーブ(6)を備え、前記縁部(8)が前記サポート(1)に固定され、前記端面が、前記スリーブの展開状態において前記サポートから離れる方へ延び、展開状態において、前記サポート(1)の前記側方壁、前記スリーブ(6)の前記側方壁、前記後面(5)、および前記端面(9)が内部容積(11a)を囲み、前記サンプリングまたは把持装置が、前記端面(9)を前記内部容積(11a)の中へと戻し、かつ前記スリーブ(6)の前記側方壁を折り畳まれた状態に折り畳むスリーブ後退作動器(3)をさらに備え、前記工具が、前記スリーブ(6)に取り付けられかつ前記展開状態において前記スリーブの周囲で放射状に延びるウェーハ(7)の少なくとも1つのリングをさらに備え、前記ウェーハの少なくとも1つの前記リングが、前記折り畳まれた状態において、前記スリーブの前記側方壁により囲まれ、前記サンプリングまたは把持装置は、前記工具(2)の前記端面(9)から前記サポート(1)の前記後面(5)へと前記内部容積(11a)内で延びる、前記スリーブ後退作動器(3)による前記スリーブの後退をガイドするための手段(12)をさらに備えることを特徴とする、サンプリングまたは把持装置。
【請求項2】
前記サポート(1)は、前記スリーブ(6)が前記折り畳まれた状態で収容されるシースであることを特徴とする、請求項1に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項3】
前記ガイド手段は後退可能であり、その両端において、前記サポート(1)の前記後面(5)と前記スリーブ(6)の前記端面(9)とに接続されることを特徴とする、請求項1または2に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項4】
前記ガイド手段は、前記内部容積(11a)に含まれるチャンバ(11b)を区画するベローズ(12)であることを特徴とする、請求項3に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項5】
前記チャンバ(11b)は気密封止されており、前記スリーブ後退作動器(3)は前記チャンバ(11b)を吸引するための手段(13)であることを特徴とする、請求項4に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項6】
前記ガイド手段は、互いの上で、または互いの中で摺動するセクション(27)から構成される伸縮式機構(26)であることを特徴とする、請求項3に記載のサンプリング装置。
【請求項7】
前記セクションは同心円の管であり、その外管(27a)は、前記サポートの前記後面(5)に固定されることにより前記シースを形成し、その内管(27e)は、前記工具(2)の前記端面(9)に固定されることを特徴とする、請求項6に記載のサンプリング装置。
【請求項8】
前記セクションは、隣接するセクションに対する前記セクションの展開を制限する停止部(32、33)を備えることを特徴とする、請求項6または7に記載のサンプリング装置。
【請求項9】
前記セクションは、隣接するセクションに対する前記セクションの前記展開または折り畳みを停止するためのロックを備えることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項10】
前記ロックはそれぞれ、前記セクションのうち第1のセクションの壁を通過する穴(34)と、前記穴の中にあり、前記穴の長さ方向において前記穴の前記長さを超える寸法を有する移動可能な要素(35)と、前記セクションのうち第2のセクションおよび第3のセクションの中に掘り込まれた空洞部(36、37)であって、移動中に前記穴の両端の前方に別々に到達し、それぞれが、前記要素を前記穴の中に押し込むように傾斜している面(39)を有する、空洞部(36、37)と、を備えることを特徴とする、請求項9に記載のサンプリング装置。
【請求項11】
前記内部容積(11a)は気密封止されており、前記スリーブ後退作動器(3)は前記内部容積(11a)を吸引するための手段(13)であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項12】
前記スリーブは、主材料、および前記主材料を補強するためのシート(10)を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項13】
前記ウェーハの少なくとも1つの前記リングは、連続的なものであり、前記折り畳まれた状態で封止されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項14】
前記ウェーハは、サンプリングされるまたは把持される対象物の取得を容易にする手段(24)を担持することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項15】
前記ウェーハは、前記展開状態で1つの面が前記端面を向く窪み(25)であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のサンプリングまたは把持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変形可能な工具によりサンプリングまたは把持するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のサンプリングおよび把持工具には、多くの様々な種類があり、それらは、ほとんどの場合、固い工具により、または装置の表面に対して吸引することにより掴むことに基づいている。このような装置は、満足の行くものが多いが、それらは、概してサンプリングされる物品のいくつかのタイプにだけ限定されるという欠点を有する。それらの別の欠点は、このような装置は、掴むことが安全にされるべきである場合、さらにかなり複雑に製作しなければならないことである。それとは対照的に、本発明は、高い信頼性、および簡単な構成の装置を用いて、例えば、砕けやすい、非常に不規則な表面を有する、または液体など、非常に変化に富んだ対象物もしくはサンプルを取得できることを目標としている。
【0003】
関連する従来技術は、特許文献1を含み、それは、ジャッキのアクション下で、変形可能な薄膜から構成された工具を備えた、把持し、掴む装置を述べており、それは、ジャッキを後退させると形成される薄膜の折り畳み部に小さな対象物を把持する。このデバイスは嵩高である。
【0004】
別の文献は、特許文献2であり、それは、前述の諸見が適用される装置を述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2016/146140号
【特許文献2】欧州特許出願公開第1731452号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
全般的な形態では、本発明は、サンプリングまたは把持装置に関し、装置は、側方壁および後面を有するサポートと、サポートに取り付けられる工具と、を備え、工具は変形可能であり、工具は、側方壁と、工具の側方壁がその間で延びる端面および縁部と、を有するスリーブを備え、縁部はサポートに固定され、端面はスリーブの展開状態においてサポートから離れる方へ延び、展開状態において、サポートの側方壁、スリーブの側方壁、後面、および端面は、内部容積を囲み、装置は、端面を内部容積の中へと戻し、かつスリーブの側方壁を折り畳まれた状態に折り畳むスリーブ後退作動器をさらに備え、工具は、スリーブに取り付けられかつ展開状態においてスリーブの周囲で放射状に延びるウェーハの少なくとも1つのリングをさらに備え、ウェーハの少なくとも1つのリングは、折り畳まれた状態において、スリーブの側方壁により囲まれ、装置は、工具の端面からサポートの後面へと内部容積内で延びる、後退作動器によるスリーブの後退をガイドするための手段をさらに備えることを特徴とする。
【0007】
サポートは、有利には、スリーブが畳まれた状態で収容されるシースである。
【0008】
スリーブには、端面に向けて先細りするようにテーパを付けることができ、それはその折り畳みを容易にする。
【0009】
特定の実施形態では、内部容積は、チャンバを区画し、かつ後退作動器によりスリーブの後退をガイドするベローズを含み、それはガイド手段を構成する。
【0010】
本発明の特定の実施形態では、内部容積および/またはチャンバは、気密封止された容積であり、後退作動器は、気密封止された容積を吸引するための手段である。
【0011】
別の変形形態によれば、後退作動器は、ロッドが端面に固定されるジャッキである。
【0012】
本発明を特徴付けるウェーハで満たされたスリーブは、スリーブを後退させることにより、サンプリングされる、または把持される対象物もしくはサンプル上で、その上に配置された後、閉じることができ、ウェーハは、スリーブの折り畳みがそれらの水準に達したとき、それ自体の上に傾けることによって互いに近接し、そのリングは工具の内側で閉じて、したがって、最終状態において、サポートの内側の対象物またはサンプルを収容するコンパートメントを区画する。
【0013】
ウェーハは、把持された対象物を取得するのを容易にし、かつそれらを損傷するのを回避するために、可撓性があることが有利である。この可撓性のあるウェーハの場合、それらが、スリーブと共に一体成形された構造を形成することがさらに有利である。
【0014】
スリーブは、必要に応じてウェーハと共に、例えば、シリコーンまたはポリウレタンから作ることができ、スリーブはまた、これらのものなどの主材料、および例えば、Kevlar(ケブラー)から作られた主材料を補強するシートを収容することができる。
【0015】
ウェーハのリング、または各リングはまた、有利には連続的なものであり、かつ折り畳まれた状態で封止される。その場合、それは、装置の他の部分を区画するコンパートメントに、液体であり得るサンプルを保持することができる。
【0016】
対象物を掴む、または把持することはまた、ウェーハが、対象物を取得することを容易にする手段を用いて整列された場合、向上させることができる。これは、例えば、磁気的な対象物を取得することを容易にするための磁石、または摩擦係合を向上させる粗面とすることができる。
【0017】
構成の別の可能性においては、ウェーハは、液体サンプルを容易に収集できるようにするために、展開された状態において1つの面が端面を向く窪みである。
【0018】
しかし、本発明の重要な態様は、展開されたれ状態からの可撓性のあるスリーブの後退が、ガイド手段と呼ばれる手段により行われることであり、ガイド手段は、それ自体後退可能であり、その両端において、サポートの後面とスリーブの端面とに接続される。このような後退可能なガイド手段は、折り畳まれた状態において、わずかな容積を占有し、すべての状況においてサポートの後面に接したままになる特性を有し、それは、ジャッキロッドまたはピストンなどのガイド手段を摺動させることと比べて装置の容積を低減する。
【0019】
サポートがシースの形態であるいくつかの特定の認められる実施形態では、ガイド手段は、シースに収容されたままであり、かつすべての状況で、それにより保護され、スリーブも折り畳まれた状態でシースに収容され、同じ利益を有する。次いで、特に認められることであるが、作動器が吸引手段であり、有利にはスリーブおよびサポートにより区画される内部容積を吸引するために、またはベローズもしくは類似のガイド手段により区画される気密封止チャンバが存在する場合、それを吸引するために、可撓性のある導管によりサポートの後面に接続され、吸引は、両方の場合にスリーブとガイド手段との後退を生成する。工具は、サポートが(例えば)可搬型のシースである場合、おそらくは手によって、吸引手段とは独立して配置され得るので、特定の手持ち式装置が提供される。
【0020】
使用することができ、かつ特に評価されるガイド手段の中で、互いの上で、またはその中で摺動するセクションからなる伸縮式機構と呼ばれる機構に関しても言及が行われるべきである。このような機構は、特に側方へのスリーブの偶発的な片寄りに対して、良好な剛性を有する。
【0021】
伸縮式機構の展開および折り畳みは、隣接するセクションの間に確立される停止機構によってのみ限定され、したがって、大幅に簡略化され得る。
【0022】
これらの実施形態のいくつかの態様によれば、
- セクションは同心の管であり、その外管は、サポートの後面に固定されることによりシースを形成し、その内管は工具の端面に固定される、
- 前記セクションは、隣接するセクションに対する前記セクションの展開を制限する停止部を備える、
- セクションは、隣接するセクションに対する前記セクションの展開または折り畳みを停止するためのロックを備える、
- ロックはそれぞれ、セクションの第1のセクションの壁を通過する穴と、穴の中にあり、穴の長さの方向に、穴の長さよりも大きい寸法を有する移動可能な要素と、セクションのうち第2および第3のセクションの中に掘り込まれた空洞部であって、動作中に穴の両端の前に別々に到達し、それぞれが、要素を穴の中に押し込むように傾斜している面を有する、空洞部と、を備える。
【0023】
本発明の様々な態様、特徴、および利点が、次に、以下の図により述べられるが、それは、純粋に例示的な目的のために与えられるいくつかの実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】装置の全体図である。
図2図1の断面図である。
図3】工具の正面図である。
図4】スリーブが部分的に折り畳まれた状態にある、図1に相応する図である。
図5】部分的に折り畳まれた状態にある、図2に相応する図である。
図6】部分的に折り畳まれた状態にある、図3に相応する図である。
図7】スリーブが完全に折り畳まれた状態にある、図1に相応する図である。
図8】完全に折り畳まれた状態にある、図2に相応する図である。
図9】完全に折り畳まれた状態にある、図3に相応する図である。
図10】把持する前の予備として、展開された状態にあるスリーブの斜視図である。
図11】対象物を把持する、部分的に折り畳まれた状態にあるスリーブの斜視図である。
図12】対象物を把持する、折り畳まれたスリーブを示す図である。
図13】本発明の別の実施形態を示す図である。
図14】スリーブの実施形態の成形部品を示す図である。
図15】ウェーハの特定の実施形態を示す図である。
図16】ウェーハの別の特定の実施形態を示す図である。
図17】後退した状態にあるスリーブの展開を制御するための伸縮式機構を示す図である。
図18】完全に延ばされた状態にあるこの機構を示す図である。
図19】機構のセクションの1つを示す図である。
図20】機構の折り畳みプロセスの時点を示す図である。
図21】直ぐ次の時点を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
説明は、まず図1図2、および図3に関する。図で表される装置の実施形態は、主として、サポート1、工具2、および作動器3からなる。サポート1は、剛性部品であり、前端部4において開いており、後面5においてプレートにより閉じられている円筒形のシースの形をしている。工具2は、おそらく弾性材などの可撓性のある材料から作られ、それは、スリーブ6およびウェーハ7からなる。スリーブ6は、サポート1の前端部4において圧着された後端部8を有する。スリーブ6は、主として、開いた後端部8から、端面9によって閉じられた前端部へと先細りになっているテーパ付き側方壁からなる。本記述の全体を通して、「前」および「後」は、工具2の作動器の移動方向であるとみなされ、それは、前方に展開され、かつ後方に折り畳まれるまたは後退される。装置は概略的に、この方向に関して軸対称であり、したがって、それはまた、それを簡便に述べるのを助けることができ、工具2は、サポート1および作動器3の正面にある。
【0026】
ウェーハ7は、円錐の軸回りで、スリーブ6の高さに重ね合わされたリングを形成するグループとして分布しており、これらのリングは、ここでは数が5個であるが、その数は重要なものではない。
【0027】
図3は、ウェーハ7が外方向に狭くなっている台形形状を有することを示している。それらは、有利にはスリーブ6と同様に可撓性があり、また有利には、共に一体に、したがって、同じ基材から構成される。しかし、それは、例えば、柔軟過ぎるとみなされる場合、その内壁上に配置され得る補強シート10により、スリーブを補強することが可能である。スリーブ6、およびおそらくウェーハ7の製作に適した基材は、シリコーン、ポリウレタンであり、また存在する場合、補強シート10は、Kevlar(登録商標)から作ることができる。
【0028】
サポート1およびスリーブ2は、図1から図3で示される展開された状態において、端面9から後面5へと延びる内部容積11aを囲む。作動器3は、ここでは、後面5において確立され、かつ内部容積11aの中へと開口している吸引出口13からなる。
【0029】
図2を参照する好ましい実施形態では、内部容積11aは、その両端により端面9と後面5とに固定されるベローズ12を備え、その内部容積は、チャンバ11bを形成する。吸引出口13は、その場合、チャンバ11bへと開口する。
【0030】
図4から図6は、工具2の部分的に後退した状態にある装置を示し、図7から図9では、装置は完全に後退した状態にある。これは、吸引出口13に結合された、図示されていないデバイスによりチャンバ11bの容積を吸引することにより達成される。端面9は、スリーブ6の中に沈み込み、かつスリーブ6上で折り畳み部(図5の14、図8の15)を形成することにより、スリーブ6の前方部分を徐々に駆動する。折り畳み部14がウェーハ7のリングに達したとき、ウェーハの前記リングは傾斜し、その端部が隣接するようになるまで(これは図4から図6のリング16に関して示されている)、少しずつ閉じられ、次いで、ウェーハ7のリングは閉じることを続けて、そのウェーハ7は連続するようになるか、またはさらに、平坦な面を形成することにより重なり、それは、おそらく連続的なものであり、外部から反対側が封止され(これは、図5図8、および図9のリング17の場合である)、気密封止されたコンパートメント18を形成することにより、スリーブ6の折り畳まれた部分の内側を区分する。示された実施形態では、スリーブ6は、サポート1の内部容積内にほとんど完全に収容され、かつ後者によって、完全に折り畳まれた状態に保護される。
【0031】
対象物19を把持すべき場合(図10)、展開した状態のスリーブ2を備える装置はそれに接近し、対象物19に対するスリーブ6のわずかな圧力を維持しながら、チャンバ11bの容積が徐々に吸引される。ウェーハ7のリングは、対象物19上で徐々に閉じられ(図11、ほぼ図4から図6の状態にある装置を表している)、対象物19は、スリーブ6が折り畳まれると、サポート1の内側に徐々に運ばれる(図12)。それは、次いで、自然に中に保持される。
【0032】
固体の対象物19を把持するようにここで例示された装置は、閉じるウェーハ7が、気密封止的にコンパートメント18を区画する実施形態において、同様に粉末状、液体、または他の物品のサンプルを取得するために使用することもできる。
【0033】
本発明の他の実施形態も明らかに可能である。それは、後退作動器を構成する吸引手段を、どのようにしてジャッキ20(図13)によって置き換えることができるかであり、ジャッキの可動の一端が端面9にも固定され、また後面5を通過させることにより装置の後方へと延びる。ベローズは、有利には、スリーブの後退をガイドできるので、ジャッキに関連付けて保持され得る。
【0034】
工具2は、成形することにより製作することができる。成形組立体の例は、図14に示されており、外側シリンダ21、一群の成形セクタ22、および中心コア23を備える。ウェーハ7は、成形セクタ22の対応する形状の刻み目が成形され、スリーブ6は、シリンダ21にすべて配置された場合、成形セクタ22と中心コア23との間に残る間隔において成形される。成形セクタ22および中心コア23の製作は、三次元印刷により、またはカウンター成形(counter-moulds)から成形することにより実施することができる。
【0035】
ウェーハ7は、いくつかの範疇の対象物または物品を掴むまたは引っかけることを促進するように向上させることができる。それらは、例えば、永久磁石24を備える(図15)、または液体製品をサンプリングできるようにする窪み25を備える、端面9に向けて方向付けられたその面を有する(図16)。
【0036】
図17および後続する図は、本発明の特に好ましい実施形態を述べるように意図される。それは、スリーブ6の展開および折り畳みを制御するための伸縮式機構26を使用することに基づく。その両端は、それぞれ、サポート1の後面5、およびスリーブ6の端面9に固定される。それは、スリーブ6の展開方向に、互いに同心でありかつ、摺動する管27からなる。管27は、ここでは数が5個であり、その最大半径からその最小半径へと27aから27eで示される。外管27aは固定され、サポート1の実際的な部分であり、それは、その後端部により後面5に固定され、シースを形成するものである。その後に続く3つの管27b、27c、および27dは、中間的な管であり、それぞれは、外管27aと同様な円筒形の壁からなり、内管27eは、円筒形の壁と、前方における、スリーブ6の前端部9が固定される前面28と、から構成される。管27bから27eは、サポート1に対して移動可能である。管27aから27eは、展開した状態で(図18)、前方へと互いの外に連続的に突き出しており、折り畳まれた状態で(図17)、互いの内部に収容され、その場合、サポート1の後面5に接触するか、またはほぼ接触する。示されていない吸引導管の端部を保持する吸引ノズル29は、次いで、27番目の内管の中空の中へと延びることができる。前の実施形態におけるように、スリーブ6の後退は、伸縮式機構26のものと同時に、ガス状の内容物を、内部容積11aからノズル29の穴30を介して吸引することにより行われる。外管27aと同様に、サポート1のシースを形成することは、他のものよりもはるかに長く、折り畳み状態では、シースの内側に長い折り畳み長さがスリーブ6に提供される。
【0037】
管27の円筒形の壁は、まず、後退方向に方向付けられたスプライン31を備え(図19)、そのいくつかにおいて、ピン32が、不変の角度位置で管27を維持するために、隣接する管27上を摺動する(ここでは、図20に示されるねじにより形成される)。対応するスプライン31は、対応するピン32、およびそれを担持する管27の展開を停止させるために、その前端部に停止面33を有する。
【0038】
伸縮式機構26の段階的で漸進的な折り畳みを保証するために、有効なロッキングシステムが提案され、その動作は、図20および図21によって、よりよく理解されよう。中間的な管27b、27c、および27dのそれぞれは、半径方向の穴34を備え、その円筒形の壁の全体厚を通過し、かつ、ボール35などのロッキング部分を収容し、ボール35は、その中で半径方向に移動可能であり、かつ円筒形の壁の厚さを超える直径を有する。外側の隣接する管27(27a、27b、または27c)には、球面の一部に空洞部36が掘られ、ボール35は、空洞部36の前に達したとき、その中に入り込むことができる。加えて、内側の隣接する管27(27c、27d、または27e)は、真っ直ぐな面38(後退方向に対して直角)により前方で、かつ傾斜面39により後部で(半径方向外側方向に斜めに、後方に傾斜している)制限された短い溝に空洞部37を含む。展開された状態では、ボール35は穴34と空洞部36との両方の中に延び、そこで、直ちに内管27により保持され、その間、短い溝にある空洞部37は、かなり前方にある。後退が始まったとき、短い溝にあるその空洞部37が、直接隣接する管27dに収容されたボール35の前に達するまで、内管27eは、まず単独で後方に移動する。ボール35は、空洞部36の外へと摺動することにより短い溝にある空洞部37の中へと入り、直ぐ外管27cから管27dを解放して、それを内管27eと共に後方へと移動できるようにし、かつボール35が真っ直ぐな面38に接触すると直ちに共にそれを保持する。ボール35は、空洞部36を下降すると直ちに、短い溝にある空洞部37に保持される。そのプロセスは、次いで、ロッキングシステムのそれぞれに対して連続的に反復される。ボール35はすべて、伸縮式機構26およびスリーブ6の完全に折り畳まれた状態において、短い溝にある空洞部37の中にあり、その完全に展開された状態において、すべて空洞部36内にある。折り畳み動作は、常に内管27eで開始し、その前面28は、吸引デバイスにより生成された差圧を受ける。伸縮式機構26の展開は、反対方向に運動学的に同一であり、すなわち、内管27eは、まず、すべての中間的な管27bから27dを駆動し、ボール35が、傾斜面39によりその中へと押されることにより、直ぐ外側の管27aから27cの空洞部36に連続して入るまで行われ、管27b、27c、27d、および27eは次いで停止する。
【0039】
この伸縮式機構は、したがって、展開および折り畳み状態において、順序付けられた動作、大きな安定性を提供し、かつ展開された状態におけるスリーブ6の偶発的な横方向の片寄りに対する一定の剛性を提供する。その構造は簡単であり、かつ強固である。それは、この手段により提供される利点にかかわらず、ガス圧以外によっても作動させることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 サポート
2 工具
3 作動器
4 前端部
5 後面
6 スリーブ
7 ウェーハ
8 後端部
9 端面
10 補強シート
11a 内部容積
11b チャンバ
12 ベローズ
13 吸引出口
14 折り畳み部
15 折り畳み部
16 リング
17 リング
18 コンパートメント
19 対象物
20 ジャッキ
21 外側シリンダ
22 成形セクタ
23 中心コア
24 永久磁石
25 窪み
26 伸縮式機構
27 管
27a 外管
27b 管
27c 管
27d 管
27e 内管
28 前面
29 吸引ノズル
30 穴
31 スプライン
32 ピン
33 停止面
34 穴
35 ボール
36 空洞部
37 空洞部
38 真っ直ぐな面
39 傾斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2022-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリングまたは把持装置であって、
側方壁および後面(5)を有するサポート(1)と、
前記サポートに取り付けられる工具(2)と、を備え、前記工具が変形可能であり、
前記工具(2)が、側方壁と、前記工具の前記側方壁がその間で延びる端面(9)および縁部(8)と、を有するスリーブ(6)を備え、
前記縁部(8)が前記サポート(1)に固定され、前記端面(9)が、前記スリーブの展開状態において前記サポートから離れる方へ延び、展開状態において、前記サポート(1)の前記側方壁、前記スリーブ(6)の前記側方壁、前記後面(5)、および前記端面(9)が、前記端面(9)から前記後面(5)へと延びる内部容積(11a)を囲み、
前記サンプリングまたは把持装置が、
前記端面(9)を前記内部容積(11a)の中へと戻し、かつ前記スリーブ(6)の前記側方壁を折り畳まれた状態に折り畳むスリーブ後退作動器(3)をさらに備え、
前記工具が、前記スリーブ(6)に取り付けられウェーハ(7)の少なくとも1つのリングをさらに備え、前記ウェーハ(7)は、前記展開状態において、前記スリーブの周囲で放射状に延びており、
前記ウェーハの少なくとも1つの前記リングが、前記折り畳まれた状態において、前記スリーブ(6)の前記側方壁により囲まれ、
前記サンプリングまたは把持装置は前記スリーブ後退作動器(3)による前記スリーブの後退をガイドするための後退可能な手段(12)をさらに備え、前記後退可能な手段(12)は、その両端において、前記サポートの前記後面(5)と前記スリーブ(6)の前記端面(9)とに接続されることにより、前記内部容積(11a)内で延びることを特徴とする、サンプリングまたは把持装置。
【請求項2】
前記サポート(1)は、前記スリーブ(6)が前記折り畳まれた状態で収容されるシースであり、前記後面(5)は、前記シースの後端部において前記シースを閉じるプレートである、請求項1に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項3】
前記ガイド手段は、前記内部容積(11a)に含まれるチャンバ(11b)を区画するベローズ(12)である、請求項1または2に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項4】
前記チャンバ(11b)は気密封止されており、前記スリーブ後退作動器(3)は前記チャンバ(11b)を吸引するための手段(13)である、請求項に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項5】
前記ガイド手段は、互いの上で、または互いの中で摺動するセクション(27)から構成される伸縮式機構(26)であり、
前記セクションは同心円の管であり、その外管(27a)は、前記サポートの前記後面(5)に固定されることにより前記シースを形成し、その内管(27e)は、前記工具(2)の前記端面(9)に固定される、請求項に記載のサンプリング装置。
【請求項6】
前記伸縮式手段(26)の前記セクション(27)は、隣接するセクションに対する前記セクションの展開を制限する停止部(32、33)を備える、請求項に記載のサンプリング装置。
【請求項7】
前記セクションは、隣接するセクションに対する前記セクションの前記展開または折り畳みを停止するためのロックを備える、請求項5または6に記載のサンプリング装置。
【請求項8】
前記ロックはそれぞれ、
前記セクションのうち第1のセクションの壁を通過する穴(34)と、
前記穴の中にあり、前記穴の長さ方向に、前記穴の前記長さを超える寸法を有する移動可能な要素(35)と、
前記セクションのうち第2のセクションおよび第3のセクションの中に掘り込まれた空洞部(36、37)であって、移動中に前記穴の両端の前方に別々に到達し、それぞれが、前記要素を前記穴の中に押し込むように傾斜している面(39)を有する、空洞部(36、37)と、を備える、請求項に記載のサンプリング装置。
【請求項9】
前記内部容積(11a)は気密封止されており、前記スリーブ後退作動器(3)は前記内部容積(11a)を吸引するための手段(13)である、請求項1からのいずれか一項に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項10】
前記スリーブは、主材料、および前記主材料を補強するためのシート(10)を含む、請求項1からのいずれか一項に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項11】
前記ウェーハの少なくとも1つの前記リングは、連続的なものであり、前記折り畳まれた状態で封止される、請求項1から10のいずれか一項に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項12】
前記ウェーハは、サンプリングされるまたは把持される対象物の取得を容易にする手段(24)を担持する、請求項1から11のいずれか一項に記載のサンプリングまたは把持装置。
【請求項13】
前記ウェーハは、前記展開状態で1つの面が前記端面を向く窪み(25)である、請求項1から12のいずれか一項に記載のサンプリングまたは把持装置。
【国際調査報告】