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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】照明モジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230711BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230711BHJP
   F21V 14/02 20060101ALI20230711BHJP
   H05B 47/115 20200101ALI20230711BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20230711BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230711BHJP
【FI】
F21S2/00 365
F21V23/00 113
F21V23/00 115
F21V23/00 117
F21V23/00 140
F21V14/02 200
H05B47/115
H05B47/19
F21Y115:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567491
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 AT2020060195
(87)【国際公開番号】W WO2021222951
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】A50380/2020
(32)【優先日】2020-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】522431830
【氏名又は名称】オープス ノヴォ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトフング
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】フランクル アンドレアス
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K273PA08
3K273QA36
3K273QA37
3K273SA02
3K273SA04
3K273SA20
3K273SA24
3K273SA37
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA32
3K273TA54
3K273TA71
3K273UA02
3K273UA22
3K273VA01
3K273VA03
3K273VA04
3K273VA08
(57)【要約】
本発明は、照明素子(1;1a、…、1d)によって光を制御しながら放出するための照明モジュール(100)に関する。照明モジュール(100)は、少なくとも2つの照明素子(1;1a、…、1d)であって、個々の照明素子(1;1a、…、1d)が、いずれも具体的には共通の軸線(13)を中心に回転可能に、かつ、いずれも共通の軸線(13)に対して揺動可能に配置されている少なくとも2つの照明素子(1;1a、…、1d)と、前記個々の照明素子(1;1a、…、1d)と通信接続している制御ユニット(2)と、前記照明モジュール(100)の周囲における、少なくとも1つの具体的には物理的及び/又は化学的パラメータを測定するための少なくとも1つのセンサ(3)であって、前記センサ(3)は前記制御ユニット(2)と通信接続しており、前記センサ(3)は、所定の時点まで具体的には繰り返し前記少なくとも1つのパラメータの測定値を判定するように構成されており、前記制御ユニット(2)は、前記少なくとも1つのセンサ(3)によって少なくとも1つの所定の基準に相当する測定値が判定されると、選択された照明素子(1;1a、…、1d)を個別に作動させるように、具体的にはオンするように、並びに/又は、その回転位置及び/若しくは揺動位置を調節するように構成されている少なくとも1つのセンサ(3)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明素子(1;1a、…、1d)によって光を制御しながら放出するための照明モジュール(100)であって、
少なくとも2つの照明素子(1;1a、…、1d)であって、
個々の照明素子(1;1a、…、1d)が、いずれも具体的には共通の軸線(13)を中心に回転可能に、かつ、いずれも前記共通の軸線(13)に対して揺動可能に配置されている、少なくとも2つの照明素子(1;1a、…、1d)と、
前記個々の照明素子(1;1a、…、1d)と通信接続している制御ユニット(2)と、
前記照明モジュール(100)の周囲における、少なくとも1つの具体的には物理的及び/又は化学的パラメータを測定するための少なくとも1つのセンサ(3)であって、
前記センサ(3)は前記制御ユニット(2)と通信接続しており、
前記センサ(3)は、所定の時点まで具体的には繰り返し前記少なくとも1つのパラメータの測定値を判定するように構成されており、
前記制御ユニット(2)は、前記少なくとも1つのセンサ(3)によって少なくとも1つの所定の基準に相当する測定値が判定されると、選択された照明素子(1;1a、…、1d)を個別に作動させるように、具体的にはオンするように、並びに/又は、その回転位置及び/若しくは揺動位置を調節するように構成されている、少なくとも1つのセンサ(3)と、を備える、照明モジュール(100)。
【請求項2】
前記制御ユニット(2)は、前記少なくとも1つのセンサ(3;3a,3b)によって少なくとも1つの所定の基準に相当する測定値が判定されると、選択された照明素子(1;1a、…、1d)を個別に作動停止させるように、具体的にはターンオフするように、並びに/又は、各前記照明素子(1;1a、…、1d)の回転位置及び/若しくは揺動位置の調節を終了するように、並びに/又は、前記選択された照明素子(1;1a、…、1d)の輝度を下げるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の照明モジュール(100)。
【請求項3】
前記制御ユニット(2)は、前記選択された照明素子(1;1a、…、1d)を、所定の順番で、具体的には互いに対して所定の時間間隔を置いて個別に作動させるように、及び/又は、作動停止させるように、及び/又は、その輝度を設定するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の照明モジュール(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサ(3)は、
動きセンサ(3a)、具体的には超音波動きセンサ若しくは赤外線動きセンサ、又は、
振動センサ(3b)、具体的には加速度センサ、又は、
光バリア、具体的には反射光電スキャナ、又は、
少なくとも1つの化学物質、具体的には有害物質に感度を有するセンサ、具体的にはCOに感度を有するセンサ、であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項5】
前記制御ユニット(2)は、前記照明素子(1;1a、…、1d)を作動させること、及び/又は、作動停止させること、及び/又は、前記照明素子(1;1a、…、1d)の輝度を設定することを、以下の基準、すなわち、
・前記センサ(3)によって判定された具体的には物理的及び/又は化学的パラメータの測定値が、前記照明モジュール(100)の周囲において人の動きを示唆していること、
・前記センサ(3)によって判定された具体的には物理的及び/又は化学的パラメータの測定値が、前記照明モジュール(100)の周囲において人が動いていないことを示唆していること、
・前記センサ(3)によって判定された具体的には物理的及び/又は化学的パラメータの測定値の時間的変化が、所定の閾値を超えていること、
・前記センサ(3)によって判定された具体的には物理的及び/又は化学的パラメータの測定値が、所定の閾値を超えていること、のうちの少なくとも1つを考慮するように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項6】
前記照明モジュール(100)は動きセンサ(3a)及び振動センサ(3b)を含み、前記制御ユニット(2)は、
前記動きセンサ(3a)及び前記振動センサ(3b)によって同時に前記照明モジュール(100)の周囲における人の動きが検出されると、前記照明素子(1;1a、…、1d)を個別に所定の順番で作動させて、具体的にはその後所定の時間、作動した状態で維持するように、
前記動きセンサ(3a)及び前記振動センサ(3b)によって前記照明モジュール(100)の周囲において人の動きが検出されない場合に、前記照明素子(1;1a、…、1d)を作動停止するように、及び、
前記動きセンサ(3a)だけによって前記照明モジュール(100)の周囲において人の動きが検出されると、前記照明素子(1;1a、…、1d)を個別に逆の順番で作動させるように、構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の照明モジュール(100)。
【請求項7】
前記照明モジュール(100)に多数の同様のセンサ(3)が配置され、各前記センサ(3)が前記照明モジュール(100)の周囲の所定の部分領域における少なくとも1つの物理的及び/又は化学的パラメータを測定するようになっており、
各前記センサ(3)に1つの照明素子(1;1a、…、1d)が割り当てられ、
前記制御ユニット(2)は、センサ(3)によって少なくとも1つの所定の基準に相当する測定値が判定されると、前記センサ(3)に割り当てられた照明素子(1;1a、…、1d)を作動させるように、及び/又は、作動停止させるように、及び/又は、その輝度を設定する、具体的には下げるように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項8】
前記照明モジュール(100)は、前記照明モジュール(100)の周囲における輝度の測定値を判定するための輝度センサ(4)を含み、前記輝度センサ(4)は前記制御ユニット(2)とデータ通信しており、
前記制御ユニット(2)は、前記輝度センサ(4)によって判定された輝度測定値に応じて、前記照明素子(1;1a、…、1d)の輝度を設定するように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項9】
個々の前記照明素子(1;1a、…、1d)は、いずれも、以下の構成要素、すなわち、
発光体(5;5a、…、5d)、具体的には発光ダイオード、並びに、
前記発光体(5;5a、…、5d)によって照らされる周囲領域、具体的には光点(50a、…、50d;60a、…、60d)を設定するための、レンズ(6;6a、…、6d)及び/又は具体的には中空の円筒形に形成された焦点調節素子(7;7a、…、7d)を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項10】
各前記照明素子(1;1a、…、1d)は、多色の発光体(5;5a、…、5d)、具体的には多色の発光ダイオード、又は、様々な波長の光を放出する複数の発光ダイオードを含み、
具体的には、前記制御ユニット(2)は、
前記発光体(5;5a、…、5d)から放出される光の色を、前記輝度センサ(4)によって判定された輝度測定値に応じて選択するように、及び/又は、
時刻を判定し、前記時刻に応じて、前記発光体(5;5a、…、5d)から放出される光の色を選択するように構成されていることが可能であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項11】
各前記照明素子(1;1a、…、1d)は、具体的には前記共通の軸線(13)に対する、前記照明素子(1;1a、…、1d)の回転位置及び/又は傾斜を設定するための調節装置を含み、前記調節装置は、前記制御ユニット(2)の後段に配置されており、
具体的には、前記制御ユニット(2)は、
前記調節装置を用いて、各前記照明素子(1;1a、…、1d)の回転位置及び/又は傾斜を、前記輝度センサ(4)によって判定された輝度測定値に応じて設定するように、及び/又は、
時刻を判定し、前記時刻に応じて、前記調節装置を用いて各前記照明素子(1;1a、…、1d)の回転位置及び/又は傾斜を設定するように構成されていることが可能であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項12】
前記照明モジュール(100)は、多数の個々の区域(8;8a、…、8e)からモジュール式に構成されており、各前記照明素子(1;1a、…、1d)は、いずれも別々の区域(8;8a、…、8e)に収容されており、前記照明モジュール(100)は、さらなる区域(8;8a、…、8e)、具体的には照明素子(1;1a、…、1d)を備えるさらなる区域(8;8a、…、8e)によって拡張可能であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項13】
前記照明モジュール(100)は、ほぼ円筒形を有し、
具体的には、前記照明モジュール(100)の区域(8;8a、…、8e)が、ほぼ円筒形の前記照明モジュール(100)の部分区域を形成するように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項14】
前記照明モジュール(100)の選択された区域(8;8a、…、8e)、具体的には照明素子(1;1a、…、1d)を備える選択された区域(8;8a、…、8e)は、前記照明モジュール(100)の長手方向軸線を中心に回転可能であることを特徴とする、請求項12又は13に記載の照明モジュール(100)。
【請求項15】
前記制御ユニット(2)及び前記少なくとも1つのセンサ(3)は、具体的には半球型の共通の制御/センサ区域(8a)内に収容されており、
具体的には、
前記制御/センサ区域(8a)は、前記照明モジュール(100)の一端を形成し、及び/又は、
前記制御/センサ区域(8a)は、前記制御ユニット(2)の後段に配置された固定式の発光体(5e)、具体的には発光ダイオードを含むように構成されていることを特徴とする、請求項12~14のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項16】
前記照明モジュール(100)は保持装置(9)を含み、前記保持装置(9)は、前記照明モジュール(100)を、家具、具体的にはベッド、好ましくは介護用ベッドの脚部又は頭部に固定するように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項17】
前記照明モジュール(100)は、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な通信ユニット(10)を含み、前記通信ユニット(10)は前記制御ユニット(2)の後段に配置されており、
前記通信ユニット(10)は、具体的には同様に構成されたさらなる照明モジュール、及び/又は、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な照明器具との通信接続を生成するように構成されており、
前記制御ユニット(2)は、前記少なくとも1つのセンサ(3)によって少なくとも1つの所定の基準に相当する測定値が判定されると、
選択された照明器具を作動させる、及び/若しくは、作動停止させる、及び/若しくは、その輝度を下げるように、並びに/又は
選択されたさらなる照明モジュールの制御ユニットを駆動して、前記さらなる照明モジュールの選択された照明素子を作動させる及び/又は作動停止させる及び/又は輝度を下げるように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項18】
前記照明モジュール(100)は、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な通信ユニット(10)を含み、前記通信ユニット(10)は前記制御ユニット(2)の後段に配置されており、
前記通信ユニット(10)は、人の生体パラメータ、具体的には脈拍、血圧、呼吸数、血糖、又は、体温を監視するための、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な少なくとも1つの生体パラメータセンサとの通信接続を生成するように構成されており、
前記制御ユニット(2)は、測定された生体パラメータが所定の閾値を上回る又は下回る場合に、選択された照明素子(1;1a、…、1d)及び/又は前記固定式の発光体(5e)を作動させるように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【請求項19】
前記照明モジュール(100)は、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な通信ユニット(10)を含み、前記通信ユニット(10)は前記制御ユニット(2)の後段に配置されており、
前記通信ユニット(10)は、少なくとも1つの物理的及び/又は化学的パラメータを測定するための、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な少なくとも1つの外部センサとの通信接続を生成するように構成されており、
前記制御ユニット(2)は、前記少なくとも1つの外部センサによって判定された物理的及び/又は化学的測定値が前記外部センサの周囲において人の動きを示唆する場合、選択された照明素子(1;1a、…、1d)を作動停止された状態で維持するように構成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の照明モジュール(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の照明素子によって光を制御しながら放出するための照明モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
人が、例えば部屋又は建物からの出口への道を自身で見つけることができない様々な状況が発生し得る。これに関する一例としては、火事の際に建物内に煙が発生し、人が部屋又は建物内の現状を具体的に認識して避難するための出口を見つけることが難しい状況である。これに関する他の例としては、高齢者や認知症患者が、特に夜間、慣れた空間において自身の位置を確認し、例えば浴室や台所への道を見つけることが非常に困難な状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに関して、従来技術からは、個々の部屋用の照明や家具に基づいた照明といった様々な照明の選択肢が、例えばフランス国第2982135A1号公報、ドイツ国第19746194A1号公報、米国第2018/315287A1号公報、米国第2017/020297A1号公報、又は、欧州公開第1857737A1号公報から知られている。これらの文献では、例えば人の動きが検出されると照明がターンオンされる。しかしながら、このようなセンサと組み合わされた従来の、例えば天井又は特定の家具からの部屋の照明は、確かに部屋全体は照らされるが特別な方向案内が提供される訳ではないため、人を例えば非常口又は所定のドアまで狙い定めて誘導することには適していない場合が多い。また、特に高齢者や認知症患者は、このような従来の部屋の照明が不快又は明るすぎると感じ、再び眠りにつくのが困難となり得る場合が多い。
【0004】
したがって、照明素子によって光を制御しながら放出することを可能にし、人を制御された光の放出によって出口まで、又は、所定の空間内を狙い定めて誘導し、危険時に建物から迅速に避難したり、暗闇や道に迷った場合でも所定の道を安全に戻ってきたりすることが確保可能な照明モジュールを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、この課題を、請求項1に記載の照明素子によって光を制御しながら放出するための照明モジュールによって解決する。本発明によれば、照明モジュールは、次の部品、すなわち、
少なくとも2つの照明素子であって、
個々の照明素子が、いずれも具体的には共通の軸線を中心に回転可能に、かつ、いずれも共通の軸線に対して揺動可能に配置されている、少なくとも2つの照明素子と、
個々の照明素子と通信接続している制御ユニットと、
照明モジュールの周囲における、少なくとも1つの具体的には物理的及び/又は化学的パラメータを測定するための少なくとも1つのセンサであって、
センサは制御ユニットと通信接続しており、
センサは、所定の時点まで具体的には繰り返し少なくとも1つのパラメータの測定値を判定するように構成されており、
制御ユニットは、少なくとも1つのセンサによって少なくとも1つの所定の基準に相当する測定値が判定されると、選択された照明素子を個別に作動させるように、具体的にはオンするように、並びに/又は、その回転位置及び/若しくは揺動位置を調節するように構成されている、少なくとも1つのセンサと、を備える。
【0006】
本発明に係る照明モジュールのこの構成により、有利にも、個々の照明素子によって照らされたエリア又は光点を、狙い定めて設定することが可能となるので、照明素子が作動されると、人を安全かつ確実に、例えば所定の空間又は非常口に導くことができる。
【0007】
照明モジュールの周囲における好適なパラメータをセンサによって監視することによって、必要な場合、及び、センサによって判定された測定値が所定の基準に相当している場合のみ、制御ユニットが個々の照明素子を作動させることが確保される。これは一方では、センサによって判定された測定値が所定の基準に相当している場合のみ、照明素子が制御ユニットによって作動されるため、照明モジュールのエネルギー消費を低い状態で維持することを支援する。他方で、本発明に係る照明モジュールのこの構成により、人が、例えば安全に浴室の出口又は入口に導かれることが必要な場合にのみ、制御ユニットが個々の照明素子を作動させることも可能となる。これは、照明モジュールの選択された照明素子が、制御ユニットによって作動される、例えばターンオンされる、並びに/又は、対応する回転位置及び/若しくは揺動位置にもたらされるからである。
【0008】
「照明素子」とは、本発明の文脈では、照明モジュールの周囲における、例えば光円錐又は光点の形の所定の領域を照らすことができる素子であると理解される。これに対して、照明素子自体は、光源又は発光体を使用することが可能であり、又は、別個の外部光源から照射されて、例えばフィルタや型板によって所定の周囲領域を照らすことが可能である。
【0009】
「パラメータ」とは、本発明の文脈では、任意のセンサによって測定され得る任意の値であると理解される。「パラメータの測定値」とは、本発明の文脈では、具体的な測定時にセンサによって測定又は判定される、パラメータの具体的な値であると理解される。
【0010】
最適に照らされた例えば非常口又は所定の部屋のドアまでの道の標示を確保するために、制御ユニットは、少なくとも1つのセンサによって少なくとも1つの所定の基準に相当する測定値が判定されると、選択された照明素子を個別に作動停止させるように、具体的にはターンオフするように、並びに/又は、各照明素子の回転位置及び/若しくは揺動位置の調節を終了するように、並びに/又は、選択された照明素子の輝度を下げるように構成されていてもよい。
【0011】
照明モジュールによって人を特に狙い定めて誘導することは、制御ユニットが、選択された照明素子を、所定の順番で、具体的には互いに対して所定の時間間隔を置いて個別に作動させるように、及び/又は、作動停止させるように、及び/又は、その輝度を設定又は下げるように構成されていることによって確保することが可能である。
【0012】
本発明に係る照明モジュールのこの構成は、有利にも、個々の選択された照明素子を、例えば人が通常滞在している場所、例えばベッドや机から所定の順番で次々に作動することを可能にし、そしてこれらが、信頼性を有して部屋の出口までの道を、たとえそこまでの道が強く発煙していたり暗闇であったりする場合であっても、標示することを可能にする。
【0013】
様々な状況において人に信頼性を有して所定の道を示す又は光を当てる照明モジュールは、前記少なくとも1つのセンサが、
動きセンサ、具体的には超音波動きセンサ若しくは赤外線動きセンサ、又は、
振動センサ、具体的には加速度センサ、又は、
光バリア、具体的には反射光電スキャナ、又は、
少なくとも1つの化学物質、具体的には有害物質に感度を有するセンサ、具体的にはCOに感度を有するセンサ、である場合に提供可能である。
【0014】
このようなセンサの使用により、例えば、照明モジュールの周囲で人の動きが検出された場合、又は、例えばベッドに横になっている人がベッドを離れた場合、又は、例えば照明モジュールの周囲に所定の化学物質又は有害物質が存在する場合に、制御ユニットが個々の選択された照明素子を作動させることが確保され得る。
【0015】
照明モジュールの使用目的又は使用場所に合わせた、制御ユニットによる選択された個々の照明素子の作動、作動停止、及び/又は、減光を特に狙い定めて規定することは、制御ユニットが、照明素子を作動させること、及び/又は、作動停止させること、及び/又は、その輝度を設定又は下げることを、以下の基準、すなわち、
・センサによって判定された具体的には物理的及び/又は化学的パラメータの測定値が、照明モジュールの周囲において人の動きを示唆していること、
・センサによって判定された具体的には物理的及び/又は化学的パラメータの測定値が、照明モジュールの周囲において人が動いていないことを示唆していること、
・センサによって判定された具体的には物理的及び/又は化学的パラメータの測定値の時間的変化が、所定の閾値を超えていること、
・センサによって判定された具体的には物理的及び/又は化学的パラメータの測定値が、所定の閾値を超えていること、
のうちの少なくとも1つを考慮するように構成されている場合に、確保可能である。
【0016】
これらの、制御ユニットによる照明素子の作動、又は、作動停止、又は、減光のための基準のうちの少なくとも1つを規定することは、有利にも、照明モジュールを狙い定めて、例えば介護が必要な人の転倒防止用の介護設備において、又は、非常口への誘導システムにおいて利用することを可能にする。
【0017】
介護が必要な人がベッドから出た場合にのみ個々の照明素子を作動させるが、例えば介護要員が部屋に入ってきた時には作動させないことを特に信頼性を有して確保する照明モジュールは、照明モジュールが動きセンサ及び振動センサを含み、制御ユニットが、
動きセンサ及び振動センサによって同時に照明モジュールの周囲における人の動きが検出されると、照明素子を個別に所定の順番で作動させて、具体的にはその後所定の時間、作動した状態で維持するように、
動きセンサ及び振動センサによって照明モジュールの周囲において人の動きが検出されない場合に、照明素子を作動停止するように、及び、
動きセンサだけによって照明モジュールの周囲において人の動きが検出されると、照明素子を個別に逆の順番で作動させるように、構成されている場合に提供可能である。
【0018】
制御ユニットが個々の選択された照明素子を特に狙いを定めて例えば作動させることを、人が部屋や建物中を移動する速度に適合可能に実現することは、
照明モジュールに多数の同様のセンサが配置され、各センサが照明モジュールの周囲の所定の部分領域における少なくとも1つの物理的及び/又は化学的パラメータを測定するようになっており、
各センサに1つの照明素子が割り当てられ、
制御ユニットは、センサによって少なくとも1つの所定の基準に相当する測定値が判定されると、当該センサに割り当てられた照明素子を作動させるように、及び/又は、作動停止させるように、及び/又は、その輝度を設定する、具体的には下げるように構成されている場合に、可能である。
【0019】
本発明に係る照明モジュールのこの構成により、有利にも、個々のセンサが照明モジュールの周囲の部分領域を監視し、この部分領域において、対応する測定値がセンサによって判定されると、この部分領域に割り当てられた照明素子を作動させる、作動停止させる、又は、減光することが可能である。
【0020】
例えば、部屋が既に強く発煙している場合であっても最適な照明強度を個々の照明素子によって確保するために、又は、人の睡眠リズムを明るすぎる照明によって妨げないためにも、
照明モジュールが、照明モジュールの周囲における輝度の測定値を判定するための輝度センサを含み、輝度センサは制御ユニットとデータ通信しており、
制御ユニットが、輝度センサによって判定された輝度測定値に応じて、照明素子の輝度を設定するように構成されていてもよい。
【0021】
このような輝度センサによって提供される輝度測定値により、有利にも、時刻に関する情報も導き出すことが可能であるので、制御ユニットが、照明素子を時刻に応じて駆動し、様々な道を標示させることが可能であり、又は、例えば照明モジュールに収容されている電池の充電も制御することが可能である。
【0022】
本発明に係る照明モジュールを各部屋の現状に最適に適合させること、又は、特に個別に適合可能な、個々の照明素子により照射された領域又は光点の設定は、個々の照明素子が、いずれも、以下の構成要素、すなわち、
発光体、具体的には発光ダイオード、並びに、
発光体によって照らされる周囲領域、具体的には光点を設定するための、レンズ及び/又は具体的には中空の円筒形に形成された焦点調節素子を含む場合に実現可能である。
【0023】
例えば介護が必要な人を、例えば時刻に応じて変化する要望に合わせて、その住居の様々な領域又は部屋に特に狙い定めて誘導することは、各照明素子が、多色の発光体、具体的には多色の発光ダイオード、又は、様々な波長の光を放出する複数の発光ダイオードを含み、
具体的には、制御ユニットが、
発光体から放出される光の色を、輝度センサによって判定された輝度測定値に応じて選択するように、及び/又は、
時刻を判定し、当該時刻に応じて、発光体から放出される光の色を選択するように構成されている場合に、実現可能である。
【0024】
個々の照明素子の回転位置及び揺動位置を特に狙い定めて自動的に設定することは、各照明素子が、具体的には共通の軸線に対する、照明素子の回転位置及び/又は傾斜を設定するための調節装置を含み、調節装置は、制御ユニットの後段に配置されており、
具体的には、制御ユニットが、
調節装置を用いて、各照明素子の回転位置及び/又は傾斜を、輝度センサによって判定された輝度測定値に応じて設定するように、及び/又は、
時刻を判定し、当該時刻に応じて、調節装置を用いて各照明素子の回転位置及び/又は傾斜を設定するように構成されている場合に、実現可能である。
【0025】
本発明に係る照明モジュールのこの構成により、有利にも、制御ユニットが、特に狙い定めて、例えば照明モジュールの周囲を監視するセンサの測定値に応じて、又は、例えば輝度センサの測定値に応じて、個々の照明素子の回転及び揺動位置、又は傾斜を設定可能とすることができる。
【0026】
照明モジュールを特に容易に拡張するための方法は、照明モジュールが、多数の個々の区域からモジュール式に構成されており、各照明素子が、いずれも別々の区域に収容されており、照明モジュールが、さらなる区域、具体的には照明素子を備えるさらなる区域によって拡張可能である場合に、提供可能である。
【0027】
このようにして、有利にも、照明モジュールを、例えば連続して別々の場所で使用しなければならない場合に、例えば照明素子を備える区域を追加したり再び取り外したりすることが可能である。そして、各部屋の現状に合わせることを実現するために、例えば照明素子を備えるさらなる区域を加えることや、例えば特に密に連続した照明点を実現すること、又は、例えば非常口までの特に長い距離を照らすことを可能にする。
【0028】
本発明に係る照明モジュールは、照明モジュールが、ほぼ円筒形を有し、具体的には、照明モジュールの区域が、ほぼ円筒形の照明モジュールの部分区域を形成するように構成されている場合に、特に小型に構成され得る。
【0029】
個々の照明素子又は区域の回転位置を特に容易に手動で、又は、自動でも設定することは、照明モジュールの選択された区域、具体的には照明素子を備える選択された区域が、照明モジュールの長手方向軸線を中心に回転可能である場合に、実現可能である。
【0030】
照明モジュールを特に小型に構成しながら、特に狙い定めてかつ支障なく、センサにより照明モジュールの周囲におけるパラメータを測定することを確保するためには、制御ユニット及び少なくとも1つのセンサが、具体的には半球型の共通の制御/センサ区域内に収容されており、
具体的には、
制御/センサ区域が、照明モジュールの一端を形成し、及び/又は、
制御/センサ区域が、制御ユニットの後段に配置された固定式の発光体、具体的には発光ダイオードを含むように構成されていることが可能である。
【0031】
本発明に係る照明モジュールを特に容易に家具の様々な位置に取り付けることは、照明モジュールが保持装置を含み、保持装置は、照明モジュールを、家具、具体的にはベッド、好ましくは介護用ベッドの脚部又は頭部に固定するように構成されている場合に実現可能である。
【0032】
したがって、例えば、照明モジュールは、特に取り付けの手間が少なく、同時に、長期にわたり信頼性を有して家具に配置されることが可能であり、又は、必要に応じて再び取り外すことが可能である。この場合、家具は、保持装置と対を成す部品として構成された装着装置を有していてもよく、これによって、照明モジュールは特に容易に固定されることが可能である。
【0033】
人を、例えば建物の複数の部屋や入口を通って、例えば非常口に特に信頼性を有して誘導することは、
照明モジュールが、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な通信ユニットを含み、通信ユニットが制御ユニットの後段に配置されており、
通信ユニットは、具体的には同様に構成されたさらなる照明モジュール、及び/又は、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な照明器具との通信接続を生成するように構成されており、
制御ユニットは、少なくとも1つのセンサによって少なくとも1つの所定の基準に相当する測定値が判定されると、
選択された照明器具を作動させる、及び/若しくは、作動停止させる、及び/若しくは、その輝度を下げるように、並びに/又は
選択されたさらなる照明モジュールの制御ユニットを駆動して、さらなる照明モジュールの選択された照明素子を作動させる及び/又は作動停止させる及び/又は輝度を下げるように構成されている場合に実現可能である。
【0034】
このようにして、照明モジュールは、さらなる照明モジュール又は別の照明器具と通信可能であり、制御ユニットによって、さらなる照明モジュールの個々の照明素子を、狙い定めて作動させることが可能であり、これによって、全体として、例えば建物全体を通る避難経路の信頼性を有した照明を確保できる。
【0035】
例えば、患者が特に救急で医者の診療や介護要員の助けを必要とする場合に、照明素子を制御ユニットによって作動させる方法を提供するためには、
照明モジュールが、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な通信ユニットを含み、通信ユニットが制御ユニットの後段に配置されており、
通信ユニットは、人の生体パラメータ、具体的には脈拍、血圧、呼吸数、血糖、又は、体温を監視するための、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な少なくとも1つの生体パラメータセンサとの通信接続を生成するように構成されており、
制御ユニットは、測定された生体パラメータが所定の閾値を上回る又は下回る場合に、選択された照明素子及び/又は固定式の発光体を作動させるように構成されていてもよい。
【0036】
例えば、このような生体パラメータセンサが人又は患者に固定されており、測定値を通信ユニットに送信するならば、測定された生体パラメータが患者にとっての臨界値に達した時に、制御ユニットが個々の選択された照明素子を作動させる、作動停止させる、又は、減光することが可能である。
【0037】
照明モジュールの周囲で動いているのが、例えば介護要員であり、照明素子の作動によって誘導されるはずの人がベッドを離れておらず、照明素子の作動が必要ない場合に、照明モジュールの制御ユニットが選択された照明素子を作動させることを特に信頼性を有して回避するためには、
照明モジュールが、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な通信ユニットを含み、通信ユニットが制御ユニットの後段に配置されており、
通信ユニットは、少なくとも1つの物理的及び/又は化学的パラメータを測定するための、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な少なくとも1つの外部センサとの通信接続を生成するように構成されており、
制御ユニットは、少なくとも1つの外部センサによって判定された物理的及び/又は化学的測定値が外部センサの周囲において人の動きを示唆する場合、選択された照明素子を作動停止された状態で維持するように構成されていてもよい。
【0038】
外部センサが、例えば患者の部屋の入り口のドアの傍で人の動きを検出すると、制御ユニットは選択された照明素子を作動停止した状態で維持する。
【0039】
本発明のさらなる利点および実施形態は、詳細な説明及び添付の図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
特に有効であるが制限されるものと理解されるべきではない、本発明の実施形態を、以下に、添付の図面に概略的に図示し、図面を参照しながら例示的に説明する。
【0041】
以下に概略図を示す。
図1】本発明にかかる外部電源付き照明モジュールの第1の実施形態を示す図である。
図2】本発明に係る照明モジュールの第2の実施形態が取り付けられた介護用ベッドを示す図である。
図3】本発明に係る照明モジュールの第2の実施形態が取り付けられた介護用ベッドを示す図である。
図4】本発明に係る照明モジュールの第2の実施形態が取り付けられた介護用ベッドを示す図である。
図5】本発明に係る照明モジュールの第2の実施形態が取り付けられた介護用ベッドを示す図である。
図6】本発明に係る照明モジュールの第3の実施形態が取り付けられた介護用ベッドを示す図である。
図7図6の本発明に係る照明モジュールの第3の実施形態を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、照明素子1a、…、1dにより光を制御して放出するための本発明に係る照明モジュール100の第1の実施形態を示す概略的な断面図である。第1の実施形態の照明モジュール100は、4つの照明素子1a、…、1dを備えている。しかしながら、照明素子1の個数は必ずしもこの個数である必要はない。なぜなら、本発明に係る照明モジュールは、実際は少なくとも2つの照明素子1を備えるが、さらに原則的に言えば任意の数の照明素子1を備えていてもよいからである。
【0043】
図1に明示されているように、照明モジュール100の個々の照明素子1a、…、1dは、個別に回転可能かつ個別に揺動可能な状態で照明モジュール100に配置されている。ここで、第1の実施形態では、個々の照明素子1a、…、1dはいずれも共通の軸線13を中心に回転可能であり、共通の軸線13の方向に揺動可能である。この共通の軸線13は、第1の実施形態では照明モジュール100の長手方向軸線によって規定される。
【0044】
第1の実施形態の照明モジュール100は、ほぼ円筒形を有しており、多数の個々の区域8a、…、8eからモジュール式に構成されている。図1において認識可能であるように、第1の実施形態における各照明素子1a、…、1dは、別々の区域8b、…、8eに収容されている。照明素子5a、…、5dが収容されている個々の区域8b、…、8eも同様にほぼ円筒形を有しており、したがって照明モジュール100の部分区域を形成している。このモジュール式の照明モジュール100の構造により、照明モジュール100を、例えば照明素子1を備えるさらなる区域8の分だけ容易に拡大することが可能になる。
【0045】
図1において概略的に示されるように、照明モジュール100の個々の区域8a、…、8eは、共通の軸線13(第1の実施形態では、照明モジュール100の長手方向軸線)を中心に回転可能である。このようにして、特に容易に、個々の照明素子1a、…、1dの回転位置を手動又は自動で設定可能である。
【0046】
図1にさらに概略的に示されているように、第1の実施形態における照明モジュール100は、個々の照明素子1a、…、1dと通信可能に接続された制御ユニット2、例えばマイクロプロセッサを含む。このため一方では、制御ユニット2が、ケーブル接続を介して個々の照明素子1a、…、1dと接続されることが実現される。これに対して代替的に、この通信接続は、例えばW-LAN、又は、Bluetoothといった無線接続を介して実現されることも可能である。
【0047】
図1においてさらに明示されているように、本発明に係る照明モジュール100は、照明モジュール100の周囲における少なくとも1つのパラメータを測定するための少なくとも1つのセンサ3をさらに含む。このパラメータとは、具体的には、物理的及び/又は化学的パラメータである。ここでセンサ3は、制御ユニット2と通信接続しており、少なくとも1つの、具体的には物理的及び/又は化学的パラメータの測定値を判定する。ここでセンサ3は、例えばアクティブセンサとして、所定の時点まで繰り返しパラメータの測定値を判定してもよいし、又は、パッシブセンサの形で、監視対象のパラメータに変化が確認されるとすぐに測定値を提供してもよい。
【0048】
少なくとも1つのセンサ3によって、少なくとも1つの所定の基準に対応する測定値が判定されると、制御ユニット2は、選択された照明素子1a、…、1dを個別に作動させ、すなわち制御ユニット2は例えば選択された個々の照明素子1a、…、1dをオンし、並びに/又は、その回転位置及び/若しくは揺動位置を設定する。
【0049】
図1に明示されるように、第1の実施形態における照明モジュール100は、2つのセンサ3a、3bを含む。これらは、例えば超音波動きセンサ又は赤外線動きセンサといった動きセンサ3a、及び、例えば加速度センサといった振動センサ3bである。
【0050】
これに対して追加的又は代替的に、本発明に係る照明モジュール100では、センサ3として、光バリア、例えば反射光電スキャナ、又は、少なくとも1つの化学物質に感度を有するセンサを使用してもよい。つまりこのようなセンサ3は、例えば、有害物質センサ、例えば二酸化炭素に感度を有するセンサであり得る。
【0051】
本発明に係る各照明モジュール100の制御ユニット2は、照明素子1a、…、1dを個別に作動させるように、すなわち、例えばオンするように、並びに/又は、選択された照明素子1a、…、1dの回転位置及び/若しくは揺動位置を設定するように構成されている。
【0052】
第1の実施形態では、照明モジュール100の制御ユニット2は、選択された照明素子1a、…、1dを個別に作動停止させるように、すなわち、例えばターンオフするように、並びに/又は、回転位置及び/若しくは揺動位置の調節を終了するように、及び/又は、選択された照明素子1a、…、1dの輝度を下げるようにも構成されている。
【0053】
第1の実施形態では、制御ユニット2は、例えば、選択された照明素子1a、…、1dを個別に所定の順番で作動させる、及び/又は、作動停止させる、及び/又は、その輝度を下げることが可能である。これは、連続して行うことが可能であるだけでなく、所定の時間的間隔を置いて断続的に行うことも可能である。これについては、以下に、本発明に係る照明モジュール100の第2及び第3の実施形態に関連してより詳細に説明する。
【0054】
個々の照明素子1a、…、1dの作動、及び/又は、作動停止、及び/又は、その輝度を下げるための基準として、本発明に係る照明モジュール100の制御ユニット2は、一般に、以下の基準のうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを使用可能である。すなわち、
・センサ3によって判定された、例えば物理的及び/又は化学的パラメータの測定値が、照明モジュール100の周囲における人の動きを示唆している。
・センサ3によって判定された例えば物理的及び/又は化学的パラメータの測定値の時間的変化が、所定の閾値を超えている。
・判定された測定値自体が所定の閾値を超えている。
・センサ3によって判定された例えば物理的及び/又は化学的パラメータの測定値が、照明モジュールの周囲において人が動いていないことを示唆している。
【0055】
第1の実施形態では、制御ユニット2、動きセンサ3a、及び、振動センサ3bは、共通の半球型の制御/センサ区域8a内に収容されている。この制御/センサ区域8aの構成は、照明モジュール100の周囲における測定値を特に効果的に判定することを可能にする。
【0056】
しかしながら、このような制御/センサ区域8aは、ほぼ円筒形又は他の好適な形状を有していてもよい。制御ユニット2及び少なくとも1つのセンサ3は、別々の異なる区域8に収容されていてもよい。
【0057】
第1の実施形態では、制御/センサ区域8aは、照明モジュール100の一端を形成している。しかしながらこの構成の選択肢も、任意である。
【0058】
第1の実施形態では、照明モジュール100はさらに外部電源を利用可能であり、これは、図1では、照明モジュール100に繋がる電気ケーブル11によって概略的に示されている。
【0059】
第1の実施形態のように、本発明に係る照明モジュール100は、保持装置9も含むことが可能である。保持装置9は、照明モジュール100を家具、例えばベッドの脚部又は頭部に固定するように機能する。これについては、以下により詳細に説明する。
【0060】
随意により、個々の照明素子1a、…、1dは、本発明に係る照明モジュール100の全ての想定可能な実施形態において、例えば共通の軸線13に対する各照明素子1a、…、1dの回転位置及び/又は揺動位置若しくは傾斜を調節するための調節装置を含んでいてもよい。しかしながらこの調節装置は、図1図6には示されていない。
【0061】
このような調節装置によって、単純な構成の実施形態において、各照明素子1a、…、1dの回転位置及び/又は揺動位置若しくは傾斜を手動で設定可能である。しかしながら、このような調節装置は、制御ユニット2の後段に配置されていてもよく、これによって制御ユニット2は、少なくとも1つのセンサ3によって少なくとも1つの所定の基準に対応する測定値が判定されると、回転位置及び/又は揺動位置を自動で設定可能である。
【0062】
随意により、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、制御ユニット2は時刻を判定し、時刻に応じて各照明素子1a、…、1dの回転位置及び/若しくは傾斜を調節装置により設定し、並びに/又は、例えば輝度センサ4によって判定された輝度測定値に応じて、各照明素子1a、…、1dの回転位置及び/若しくは傾斜を調節装置により設定するように構成されていてもよい。これについては、第3の実施形態に関連してより詳細に説明する。
【0063】
図1に概略的に示される第1の実施形態では、照明モジュール100の個々の照明素子1a、…、1dは、それぞれ1つの発光体5a、…、5dを含むと共に、発光体5a、…、5dによってそれぞれ照らされる周囲領域又は光点を設定するために、レンズ6a、…、6d及び焦点調節素子7a、…、7dを含む。随意により、追加的なカバーが設けられていてもよい。
【0064】
図1においてさらに認識できるように、第1の実施形態における個々の照明素子1a、…、1dはそれぞれ、発光体5a、…、5dとしての発光ダイオード、レンズ6a、…、6d、及び、中空の円筒形に形成された焦点調節素子7a、…、7dを含む。
【0065】
LEDボード上の発光ダイオードは、第1の実施形態では、照明モジュール100の内部、又は、各区域8a、…、8dの内部に配置されており、レンズ6a、…、6d及び焦点調節素子7a、…、7dを介して、光を、外方に向かって照明モジュール100の周囲に、回転位置及び揺動位置の設定によって規定される方向に誘導する。
【0066】
この照明モジュール100の内側における配置に対して代替的に、照明素子1a、…、1dは、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、照明モジュール100又は照明モジュール100の各区域8a、…、8dにおける外側に配置されていてもよい。
【0067】
本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、LEDボード上には、例えば定電流源といったアクティブ又はパッシブな電子回路が配置されていることも可能である。
【0068】
随意により、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、焦点調節素子7a、…、7d上には、さらなる焦点調節素子、又は、例えばさらなるレンズといったさらなる光学部品が取り付けられていてもよく、焦点調節素子7a、…、7dからの光の出口角を特に正確に設定可能になっている。
【0069】
したがって、照らされることになる周囲領域又は生成された光点の照明モジュール100からの異なる距離について、異なるさらなる焦点調節素子又はさらなる光学部品を設けることが可能である。こうすることによって例えば、床の全ての光点50a、…、50d;60a、…、60dが、照明モジュール100から異なる距離で床に生成されるにもかかわらず、同一の直径を有するように実現可能である。なぜなら、さらなる焦点調節素子又はさらなる光学部品によって、光の拡散を変動させることが実現され、又は、個々の照明素子1a、…、1d用の出口角/放射角を特に正確に設定され得るからである。
【0070】
随意により、これに関して制御ユニット2は、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、レンズ6a、…、6d及び/又は焦点調節素子7a、…、7dが実際に個々の照明素子1a、…、1dに配置されているかどうか、又は、さらなる焦点調節素子又はさらなる光学部品が実際に個々の照明素子1a、…、1dに配置されているかどうか、及び、もし配置されているならば、どのレンズ6a、…、6d及び/又は焦点調節素子7a、…、7dであるか、又は、さらなる焦点調節素子及びさらなる光学部品のどちらであるかを自動的に認識するように構成されていてもよい。
【0071】
実際に個々の照明素子1a、…、1dに配置されているレンズ6a、…、6d及び/又は焦点調節素子7a、…、7d又はさらなる焦点調節素子若しくはさらなる光学部品の自動認識を実現するための1つの方法は、例えば、圧力センサが設けられていることである。この圧力センサは、各部品を取り付ける際に自動的に作動されるか又は負荷がかかり、これに関する信号を制御ユニット2に送信する。これに対して代替的に、各部品を取り付ける際に作動するスイッチが設けられていてもよい。
【0072】
随意により、それぞれ異なる部品に割り当てられた複数の異なるスイッチが設けられていてもよく、これによって、それぞれ別のスイッチが作動され、信号が制御ユニット2に送信され、そのため部品の区別が可能になっている。このことは、異なる部品が同じ輝度で放出点に達するためには異なる光強度が必要であるため、特に有利である。このようにして、制御ユニット2は、所望の照明特性を実現するためにはどれ位の光輝度が必要であるかを自動的に認識可能である。
【0073】
随意により、各照明素子1a、…、1d又は個々の照明素子1は、拡散特性を設定するためのガラス体又は拡散器を含んでいてもよい。
【0074】
本発明に係る照明モジュール100は、特に介護分野において、介護が必要な人の転倒防止のために、有利に使用可能である。転倒の防止は、介護が必要な人間の世話において最大の課題である。特に夜間は、転倒した人の怪我のリスクが、部屋の床の輝度が低いこと、視力が制限されていること、疲れ、混乱状態、又は、介護要員若しくは介護する家族が足りていないことといったリスク要因により特に高くなる。
【0075】
したがって以下に、図2図5を参照して、本発明に係る照明モジュール100の第2の実施形態を記載する。この照明モジュール100には、第1の実施形態において詳細に図示したような保持装置9が、介護が必要な人用の養護施設の介護用ベッド30の脚部に配置されている。
【0076】
ここで、本発明に係る照明モジュール100の第2の実施形態は、第1の実施形態の照明モジュール100と同じ構成を有している。第1の実施形態と同様に、第2の実施形態の照明モジュール100も、動きセンサ3a及び振動センサ3bを含む。このセンサの組み合わせは、人が介護用ベッド30から離れた時を、信頼性を有して検出することに特に適している。
【0077】
図2図5に概略的に示されるような介護用ベッド30は、多くの位置において、本発明に係る照明モジュール100の保持装置9を固定するための(予め組み込まれた又は後付けで取り付けられた)装着装置を備えていることが可能である。このような装着装置は、有利にも、照明モジュール100を後付けで各介護用ベッド30に設置し再び取り外し可能とすることも可能にし、又は、例えば部屋内の介護用ベッド30の位置を変える場合に照明モジュール100の位置を変化させることも可能にする。
【0078】
特に高齢者は、夜間に何度も目が覚め、トイレに行きたいと感じることが多い。この場合、浴室に行ってまた戻ってくるまでの道は、転倒又は怪我のリスクを著しく上昇させる。上述したように従来の室内照明は、多くの場合、当事者にとって不快であり明るすぎると感じ、再び眠りにつくことが妨げられるので、本発明に係る照明モジュール100は、有利にも、トイレへの道をより安全にすると共に睡眠リズムが損なわれない、当事者にとって安全かつ快適な照明環境を実現する可能性を提供する。
【0079】
これを確保するために、上述のように照明モジュール100の制御ユニット2は、照明モジュール100の少なくとも1つのセンサ3によって少なくとも1つの所定の基準に対応する測定値が判定された場合に、選択された照明素子1a、…、1dを個別に作動させるように、例えばオンするように、並びに/又は、その回転位置及び/若しくは揺動位置を調節するように構成されている。
【0080】
すなわち簡単に言うと、第2の実施形態における照明素子1a、…、1dは、特定の「減光リズム」に従って、制御ユニット2によって制御されることが可能である。したがって、個々の照明素子1a、…、1dは、所定の道を標示するために、個別に駆動され、例えば、個別に次々と明るくされ再び暗く減光される、すなわち、ターンオンされて再びターンオフされることが可能である。これによって、例えば介護用ベッド30から所定の目的地、例えば浴室へのドア20に移動しなければならない人に、光点50a、…、50dが連続的に、その人が移動すべき位置に与えられることが可能になる。
【0081】
少なくとも1つのセンサ3が、人が介護用ベッド30の近傍に居ないと認識すると、(簡単に言うと)減光リズムを逆の順番で使用し、介護用ベッド30に最も遠隔の光点50dが最初に点灯され、これによって介護用ベッド30まで戻る道が患者に提示されるようにすることが可能である。次にこの措置について、照明モジュール100の第2の実施形態及び図2図5を参照しながら、詳細に説明する。
【0082】
照明モジュール100は、図2図5において、人が介護用ベッド30を離れるとすぐに、介護用ベッド30からトイレ又は浴室へのドア20までの道を標示するものである。これは、人をその目的地(図2図5では浴室へのドア20)の方向に導く個々の光点50a、…、50dの形の個々の照明素子1a、…、1dによって光を制御しながら放出することによって行われる。加えて、個々の照明素子1a、…、1dの回転及び揺動位置、又は傾斜が、戻る道が正確に標示されるように設定される。この場合、個々の照明素子1a、…、1dの回転位置及び揺動位置は、手動で設定されるか、又は、調節装置による制御ユニット2によって、例えば介護要員が入力ユニットで入力した規定値に従って自動で設定され得る。加えて、照明モジュール100は、制御用ソフトウェアのための規定値を入力可能とするために、入力ユニット、例えばタッチスクリーン付きディスプレイを含むことが可能である。
【0083】
上述したように、照明モジュール100の第2の実施形態は、個々のセンサ3の代わりに、組み合わされることにより介護用ベッド30に横になっている人が介護用ベッド30を離れたかどうかを特に信頼性を有して検出する動きセンサ3a及び振動センサ3bを含む。ここで、振動センサ3bは、揺れ又は振動の形でベッドフレーム、つまり照明モジュール100に伝達される、介護用ベッド30内のあらゆる動きを検出する。しかしながら制御ユニット2は、動き報知器3aも動きを検出していない間は照明素子1a、…、1dを作動させず、人が実際に介護用ベッド30を離れており、例えば介護用ベッド30で睡眠中に寝返りをうっただけではないことが確認された場合にのみ照明素子1a、…、1dを作動させる。このような際に照明素子1a、…、1dを作動させることは、残念ながらその人を起こしてしまうことになり、人の睡眠リズムを過敏に妨げることになるかもしれず、望ましくない。
【0084】
すなわち、動きセンサ3a及び振動センサ3bが同時に、照明モジュール100の周囲における人の動きを検出したならば、これは、その前に介護用ベッド30で寝ていた人が介護用ベッド30を離れてしまったこと、又は、ちょうど離れたところであることを示すものである。この場合、制御ユニット2は、照明素子1a、…、1dを個別に所定の順番でオンし、続いてこれを、場合によっては所定の時間だけ作動された状態で維持する。
【0085】
ここで、制御ユニット2は、図2に示されるように、最初に照明素子5bを作動させ、又はこれをオンし、そして進むべき道の開始方向を示す第1の光点50bが生成される。この第1の光点50bは、介護用ベッド30に対して、浴室へのドア20の方向に所定の距離にある。
【0086】
次に、例えば人が第1の光点50bまでの道を進むために必要な時間に相当する所定の時間が過ぎた後、制御ユニット2は照明素子5cを作動させ、又はこれをオンし、そして浴室へのドア20の方向のさらに先に位置する第2の光点50cが生成される。これは図3に概略的に示されている。
【0087】
例えば人が第2の光点50cまでの道を進むために必要な時間に相当する所定の時間の後、制御ユニット2は照明素子5dを作動させ、又はこれをオンし、第2の実施形態では浴室へのドア20のすぐ前に位置する第3の光点50dが生成される。これは図4に概略的に示されている。
【0088】
動きセンサ3a及び振動センサ3bによって、照明モジュール100の周囲に人の動きが検出できない場合、すなわち、人がドア20を通って浴室に入った時、制御ユニット2は、エネルギーを節約するために、照明素子1a、…、1dを作動停止する、すなわちこれをターンオフする。
【0089】
動きセンサ3aだけが照明モジュール100の周囲における人の動きを検出した場合、制御ユニット2は、人が浴室から戻ってきたことを認識し、制御ユニット2は照明素子1b、1c、1dを個別に逆の順番で、互いの間に所定の時間的間隔を置いて作動させる、すなわち制御ユニット2は、この人に介護用ベッド30に戻る道を示すために、照明素子を逆の順番に再びオンする。
【0090】
次に、制御ユニット2は、この人が介護用ベッド30に上ることを容易にするために、照明素子5aを作動させ、又はこれをオンし、そして介護用ベッド30のすぐ前に位置する第4の光点50aが生成される。こうして、この人は再び介護用ベッド30の正しい位置に戻る。これは図5に概略的に示される。
【0091】
再び、人の動きが動きセンサ3aによって、介護用ベッド30の揺れが振動センサ3bによって同時に記録されると、つまりこの人が再び介護用ベッド30に居ることが分かると、制御ユニット2は、最後に作動させた又はオンした照明素子1aを作動停止させる、すなわちターンオフする。
【0092】
随意により、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、照明モジュール100は、制御ユニット2の後段に、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な通信通信ユニット10を含んでいてもよい。このような通信ユニット10は、図1に概略的に示されている。照明モジュール100がこのような通信ユニット10を有しているならば、少なくとも1つの物理的及び/又は化学的パラメータの測定のための、例えば少なくとも1つの、具体的には具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な外部センサとの通信接続が生成されることが可能である。この外部センサは、例えば、一般的な介護スタッフが患者の部屋に入る際に通る患者の部屋の入口に配置可能な光バリアであり得る。
【0093】
このような外部センサによって判定された物理的及び/又は化学的測定値が外部センサの周囲における人の動きを示唆している場合、制御ユニット2は、介護用ベッド30に横になっている人が動いている又は介護用ベッド30から離れているのではなく、介護要員が患者の部屋に入ってきたことを認識する。したがって、制御ユニット2は、選択された照明素子又は全ての照明素子1a、…、1dを、作動停止状態で維持する。
【0094】
随意により、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態では、照明モジュール100が、多数の同様のセンサ3を含み、各センサ3が、照明モジュール100の周囲の所定の部分領域における少なくとも1つの物理的及び/又は化学的パラメータを測定することも可能である。ここでセンサ3は、それぞれ、照明素子1a、…、1dに割り当てられている。
【0095】
多数の同様のセンサ3によって、制御ユニット2は、特に狙いを定めて、各照明素子1a、…、1dに割り当てられたセンサ3が少なくとも1つの所定の基準に対応する測定値を判定した場合に、個々の照明素子1a、…、1dを作動させる、又は、作動停止させる、又は、その輝度を下げることが可能である。
【0096】
例えば多数の動きセンサ3aが照明モジュール100の周囲に配置されているならば、制御ユニット2は、照明素子1a、…、1dを、例えば所定の時間とは無関係に、人が近づいた際に合わせて有利にも正確に、例えばオンすることが可能である。
【0097】
以下に、図6及び図7を参照して、本発明に係る照明モジュール100の第3の実施形態を記載する。この照明モジュール100には、同じく、第1の実施形態において詳細に確認できるような保持装置9が、介護が必要な人のための養護施設内の介護用ベッド30の脚部に取り付けられている。
【0098】
本発明に係る照明モジュール100の第3の実施形態は、第1の実施形態の照明モジュール100と同様に構成されているが、外部電源の代わりに、電池12を備えている。第3の実施形態では、制御/センサ区域8aは、照明モジュール100の一端を形成し、制御ユニット2の後段に配置された静止した発光体5e、例えば発光ダイオードを含む。
【0099】
第3の実施形態では、照明モジュール100は、照明モジュール100の周囲における輝度の測定値を判定するための輝度センサ4をさらに含む。輝度センサ4は、制御ユニット2とデータ通信可能であり、制御ユニット2は、輝度センサ4によって判定された輝度測定値に応じて、照明素子1a、…、1dの輝度を設定可能である。この輝度測定値は、当然ながら、時刻及び光関係又は天候条件に合わせて変動するが、例えば、燃えている建物の発煙の強度に応じても変動する。
【0100】
したがって、例えば、薄明り時や軽微な発煙時に、部屋の中の所定のドアまでの道、又は、建物からの非常口までの道を標示するためには、それほど強い光は必要ないが、例えば強い発煙時には、例えば避難経路の効果的な標示を確保するためにより強い照明強度が求められる。
【0101】
高齢者の場合の大きな問題は、夜間に何回も目を覚まし、トイレに行かなければならない点である。このため、一方では睡眠時間が短くなり、他方では睡眠の質が低下する。加えて高齢者は、例えば室内照明が明るすぎると、再び眠りにつくことが難しい場合が多く、健康が損なわれる。正しい輝度により、一方では、所望の目的地、例えば浴室へのドア20までの道の最適な標示が確保され、他方では、睡眠リズムが全く又はほとんど損なわれないことが確保され得る。これに関して、輝度センサ4を照明モジュール100の中に埋め込むことが特に有利であり得る。なぜなら、そうすれば、制御ユニット2は、周囲の輝度又は輝度センサ4によって提供される輝度測定値に応じて、光点50a、…、50d;60a、…、60dの輝度を明確に設定可能だからである。
【0102】
第3の実施形態では、照明モジュール100は、いずれの場合も、制御ユニット2の後段に配置された、上述したような個々の照明素子1a、…、1dの回転位置及び/又は傾斜を設定するための調節装置を含む。さらに、照明モジュール100は、第3の実施形態において、輝度センサ4及びさらにリアルタイムクロックを備えている。これらはいずれも、制御ユニット2とデータ接続されている。したがって、制御ユニット2は、例えば、時刻や室内の輝度に応じて、照明素子1a、…、1dにより、異なる道を標示する異なる光点50a、…、50d;60a、…、60dを生成可能である。これについては、図6に概略的に示される。
【0103】
第3の実施形態では、夜間の例えば21時~6時の間の時間、及び/又は、輝度センサ4によって提供された輝度測定値が所定の閾値を下回った時に、動きセンサ3a及び振動センサ3bが、人が介護用ベッド30を離れたことを検出すると、介護用ベッド30から浴室へのドア20までの道が標示される。加えて、光点50a、…、50dが浴室へのドア20までの道を標示するように、個々の照明素子1a、…、1dの回転及び揺動位置、又は傾斜が制御ユニット2によって設定され、個々の照明素子1a、…、1dが次々と作動される、すなわちターンオンされる。さらに、個々の照明素子1a、…、1dの輝度は、例えば眩しい照明を回避するように、輝度センサ4によって提供された輝度測定値に対応して、制御ユニット2によって設定される。
【0104】
日中の例えば6時~21時までの時間、及び/又は、輝度センサ4によって提供された輝度測定値が所定の閾値を上回った時に、動きセンサ3a及び振動センサ3bが、人が介護用ベッド30を離れたことを検出すると、介護用ベッド30から台所へのドア40までの道が標示されるように、個々の照明素子1a、…、1dの回転及び揺動位置、又は傾斜が制御ユニット2によって設定され、個々の照明素子1a、…、1dが次々と作動される、すなわちターンオンされる。
【0105】
加えて、随意により、第3の実施形態のように、選択された又は全ての照明素子1a、…、1dは、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、多色の発光体5a、…、5d、例えば多色の発光ダイオード又は異なる波長の光を放射する複数の発光ダイオードを含んでいてもよい。この場合、制御ユニット2は、発光体5a、…、5dによって放射された光の色の規定値について、例えば一体化されたリアルタイムクロックによって時刻を判定し、この時刻に応じて、発光体5a、…、5dから放射される光の色を選択し、及び/又は、例えば輝度センサ4によって判定された輝度測定値に応じて選択する。
【0106】
つまり、第3の実施形態では、発光体5a、…、5dとして、例えば青色及び緑色の発光ダイオードが設けられている。これらは、制御ユニット2によって制御されて、浴室へのドア20までの道をマークする青色光点50a、…、50dを生成すると共に、台所へのドア40までの道をマークする緑色光点60a、…、60dを生成する。
【0107】
随意により、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、照明モジュール100は、患者に、言語制御によってどの光点50a、…、50d;60a、…、60dをアクティブにするべきかを選択させることを可能にする言語制御システムを含んでいてもよい。
【0108】
一般的に、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、図7に概略的に示されるように電池12が設けられていてもよい。本発明に係る照明モジュール100が、第3の実施形態のように電池12を使用する場合、電池12は、独自の区域8内に、又は、制御ユニット2と共に共通の区域8内に収容されてもよく、スティック、例えばUSBスティックを介して充電されることが可能である。このような区域8は、電池12に固定可能であり、すなわち、照明モジュール100に回転不可能に配置されていてもよい。随意により、このような区域8が電池管理システムを含んでいてもよい。
【0109】
随意により、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、制御/センサ区域8aがこのような電池12を含んでいてもよい。随意により、制御ユニット2は、バスシステムを介して、例えば充電状態といったデータを電池12から読み出すことが可能である。そして制御ユニット2は、電池の充電状態が低いというような警告を発するために、例えば発光体5、例えば固定式の発光体5eをオンすることが可能である。随意により、制御ユニット2は、無線通信接続によって、電池の充電状態が低く充電が必要なことを、例えば介護要員に知らせることも可能である。
【0110】
さらに、電池12を備える区域8は、その外壁が光透過性であるように構成されていてもよい。電池12を取り囲むこの外壁の背後に、発光体5を取り付けることが可能である。これは例えば、異なる2つの光の色、例えば暖白色発光ダイオード及び冷白色発光ダイオードを有する発光体5である。
【0111】
このような発光体5は、制御ユニット2の後段に配置されていてもよく、制御ユニット2は、時刻又は輝度測定値に応じて、発光体5を所定の光の色、例えば目覚める際及び日中は冷白色で、かつ、朝、夕、及び、眠りにつく頃は暖白色で作動させることが可能である。制御ユニット2は、当該電池区域におけるこのような所定の輝度及び/又は光の色を有する発光体5を、エネルギー節約の理由により、眠りにつく時及び目覚める時だけ作動させて、暗闇に対して不安を有する人が眠りにつくことを容易にするように構成されていてもよい。
【0112】
本発明に係る照明モジュール100の全ての想定可能な実施形態は、外部電源とは無関係にターンオフされてもよい。この場合、照明モジュール100は、太陽光又は光起電力区域を有していてもよく、この太陽光又は光起電力区域は、照明モジュール100の電池12と接続してこれを充電する太陽電池又は光電池を有している。
【0113】
随意により、このような太陽光又は光起電力区域及び電池12を備える照明モジュール100は、上述のような輝度センサ4も備えていてもよい。つまり、例えば日中に、照明モジュール100の周囲において輝度センサ4によって判定された照明モジュール100の輝度測定値が、所定の輝度閾値を上回った場合、照明モジュール100の一部又は照明モジュール100全体が動作を停止し、電池12が、太陽電池又は光電池によって充電されることが可能である。
【0114】
夜間に、照明モジュール100の周囲において輝度センサ4によって判定された照明モジュール100の輝度測定値が、所定の輝度閾値を下回った場合、照明モジュール100はスタンバイ状態になり、制御ユニット2は、選択された個々の照明素子1a、…、1dを作動させる、又は作動停止させる、又は減光する準備ができた状態になり得る。
【0115】
随意により、制御ユニット2は、輝度センサ4に対して追加的又は代替的にリアルタイムクロックを含んでいてもよいし、又は、これと接続されていてもよい。これによって、制御ユニット2は実際の時刻を利用し、昼及び夜のサイクルをリアルタイムクロックによって区別することが可能である。
【0116】
随意により、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、照明モジュール100の区域8は、USBスティック又はメモリーカードが接続され得るUSB又はSD端子を有していてもよく、USBスティック又はメモリーカードには、例えば患者の子供時代の良く知っている曲が記憶され、例えば、制御ユニット2によって再生されることが可能である。このようにして認知症患者は、例えば子供時代の懐かしい思い出を思い出すことができ、これによって落ち着くことができる。同様に、良く知っている香りも、認知症患者の子供時代の懐かしい思い出を思い出させることが可能である。
【0117】
したがって、本発明に係る照明モジュール100は、随意により、室内用芳香剤を放出する装置を備える区域8を含んでいてもよく、室内用芳香剤は、制御ユニット2によって制御されながら放出され得る。
【0118】
随意により、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、照明モジュール100は、マイク及び/又はスピーカーを含んでいてもよい。これによって患者は、場合によっては言語制御を介して、照明モジュール100や介護スタッフや他の人と通信でき、場合によっては照明モジュール100を介して、音楽やラジオを聴くことができる。
【0119】
随意により、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、照明モジュール100の区域8は、例えば照明モジュール100の周囲におけるCO含有量又は空気の温度や湿度を測定するために、制御ユニット2とデータ通信しているセンサ3を含んでいてもよい。センサ3によって判定されたCO測定値が所定の閾値を上回ると、制御ユニット2は、例えば所定の照明素子1a、…、1d、又は、図7の第3の実施形態において存在するような例えば固定発光体5eを作動させて、警報信号を発出してもよい。
【0120】
随意により、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、照明モジュール100は、図1に概略的に示されるような、例えばWLAN又はBluetoothを利用可能な通信ユニット10を含んでいてもよい。このような通信ユニット10は、制御ユニット2の後段に配置されており、例えば、人の脈拍、血圧、呼吸数、血糖、又は、体温といった生体パラメータを監視するための少なくとも1つの、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な生体パラメータセンサとの通信接続を生成可能である。この生体パラメータセンサは、例えば人又は患者に取り付けられていることが可能である。この場合、制御ユニット2は、測定された生体パラメータが所定の閾値を上回るか又は下回った場合に、選択された照明素子1a、…、1d、及び/又は、図7の第3の実施形態において存在するような固定発光体5eを作動させるように構成されていてもよい。
【0121】
このようにして、人が助けを必要とする時や、又は、上述のように、例えば部屋の空気の質が悪い場合に、空気の質を良くするために介護要員に窓を開けてもらいたい場合にも、介護スタッフと効果的に通信することができる。この照明モジュール100と介護要員との間の通信は、制御工程を短縮し、休養になる睡眠を実現し、人同士のやり取りにより多くの時間を費やすことを可能にする。
【0122】
随意により、本発明に係る照明モジュール100によって睡眠リズムを記録することも可能である。これは、例えば照明モジュール100の振動センサ3bによって、患者の動きが登録及び測定されることにより、睡眠の深さ及び患者の睡眠に関するさらなる情報が制御ユニット2によって得られることで実現される。。このような情報は、通信ユニット10によって介護スタッフやデータ記録ユニットに転送されることも可能であるので、介護スタッフは、睡眠リズムを監視することができ、又は、早朝これを照明モジュール100から、例えばディスプレイ又はUSB端子を介して直接読み出すことができる。
【0123】
随意により、通信ユニット10によって、外部ソフトウェアとの通信を行うことも可能である。これによって、人が介護用ベッド30を離れた時や、又は、ベッド不在時間について、介護スタッフに知らせることができると共に、振動センサ3bによって、睡眠リズムや睡眠状態について、及び、場合によっては照明モジュール100が測定又は記録した、例えば空気中のCO含有量等といった他の測定データについて、介護スタッフに知らせることができる。
【0124】
本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、制御ユニット2が全ての測定結果を記録し、このデータを匿名化するように構成されていてもよい。この場合、データは中央処理ユニットに転送されることが可能であり、中央処理ユニットは、非常に多くの照明モジュール100から匿名化されたデータを得て、これを評価し、そして様々な、場合によっては匿名化された大量のデータによって、さらなる認識を得ることが可能である。したがって、例えば照明モジュール100中の振動センサ3bによって、多くの人の睡眠リズムが記録され、匿名化された評価で中央処理ユニットにおいて評価され、こうして、例えば所定の臨床像を有する人の睡眠リズムに対する新たな認識を得ることが可能になる。この場合、随意により、患者の臨床像を入力装置によって照明モジュール100に直接入力するか、又は、無線通信接続によって入力することが可能であるので、後で匿名化されるデータをより良好にカテゴリー化し、重要な認識を得ることができる。
【0125】
具体的には、例えば以下の患者に関連する値、すなわち、
・ベッドに不在であること、すなわち、人が介護用ベッド30を離れた時の記録、
・ベッドに入ったこと、すなわち、人が介護用ベッド30に戻ってきた時の認識、
・介護用ベッド30における動き
・睡眠リズム
・呼吸数、脈拍、音、...
・湿度
・ベッドにおける(睡眠)位置、が判定され、場合によっては介護スタッフや、場合によっては匿名化されたデータ評価のための中央データ評価部に転送されることが可能である。
【0126】
さらに、本発明に係る照明モジュール100の想定可能な全ての実施形態において、随意により、照明モジュール100は、患者の体温を測定、又は、監視及び観察することが可能な赤外線カメラが一体化された区域8を含むように構成されていてもよい。これは、患者が病気であり、例えば発熱している場合に、特に介護スタッフにとって役に立つものであり得る。これによって、健康状態を容易に制御可能である。
【0127】
随意により、制御ユニット2によって、例えば人工知能を用いて、例えば実際に得られたデータに基づき結果として得られる、輝度、空気の質、ベッドの傾斜、空気湿度等に関する最適な周囲関係を導出することも可能であり、つまり、介護スタッフ及び介護対象者自身にとってのさらなる支援となる。
【0128】
測定された生体パラメータや他の記録された測定値が臨界閾値を上回ること又は下回ることといった、この推奨される設定は、場合によっては、例えばWLAN又はBluetooth通信接続を介して通信ユニット10によって、例えばディスプレイ、例えばスマートフォンに送信されることが可能であり、これによって介護スタッフに表示可能である。
【0129】
介護施設において、又は、介護が必要な人の支援又は世話において特に有利に使用できる、本発明に係る照明モジュール100の2つの実施形態について記載した。しかしながら、本発明に係る照明モジュール100は様々な分野で使用可能である。
【0130】
つまり、本発明に係る照明モジュール100は、上述のように、建物内の人に非常口までの避難経路を標示する非常灯を提供することが可能である。したがって、非常時に人に部屋からの避難経路を光点50によって表示するために、例えば個々の照明モジュール100は、例えば部屋の天井、床、又は、壁に配置されていてもよい。
【0131】
例えば、CO検出器として構成された化学センサ3によって判定された照明モジュール100の周囲のCO測定値が所定の閾値を超えた場合、又は、センサ3によって判定された測定値の時間的変化が所定の閾値を超えた場合、制御ユニット2は、個々の照明素子1a、…、1dをオンし、これによって避難経路への道を標示する。また、避難経路の迅速な照明を実現するために、回転位置及び/又は揺動位置は、予め手動で、又は、制御ユニット2によって自動で設定可能である。
【0132】
随意により、多数の本発明に係る照明モジュール100を建物全体に配置することも可能である。各照明モジュール100は、いずれも、具体的にはWLAN又はBluetoothを利用可能な通信ユニット10を含む。ここで、通信ユニット10は、いずれも、当該照明モジュール100の制御ユニット2の後段に配置されている。通信ユニット10は、具体的には同様の構成を有するさらなる照明モジュール100’及び/又は、例えばWLAN又はBluetoothを利用可能な照明器具との通信接続を生成するように構成されている。
【0133】
部屋の照明モジュール100の少なくとも1つのセンサ3、例えばCOセンサによって、例えば所定の閾値を超えた測定値が判定されると、制御ユニット2は、選択された照明器具を作動させる、及び/若しくは、作動停止させる、及び/若しくは、その輝度を下げることが可能であり、並びに/又は、選択されたさらなる照明モジュールの制御ユニットを、このさらなる照明モジュールの選択された照明素子の作動及び/若しくは作動停止及び/若しくは輝度の低下のために駆動させて、人を、最も近傍に位置する照明モジュール100によって誘導し建物から迅速に避難させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
第1の実施形態の照明モジュール100は、ほぼ円筒形を有しており、多数の個々の区域8a、…、8eからモジュール式に構成されている。図1において認識可能であるように、第1の実施形態における各照明素子1a、…、1dは、別々の区域8b、…、8eに収容されている。照明素子1a、…、1dが収容されている個々の区域8b、…、8eも同様にほぼ円筒形を有しており、したがって照明モジュール100の部分区域を形成している。このモジュール式の照明モジュール100の構造により、照明モジュール100を、例えば照明素子1を備えるさらなる区域8の分だけ容易に拡大することが可能になる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
上述したように、照明モジュール100の第2の実施形態は、個々のセンサ3の代わりに、組み合わされることにより介護用ベッド30に横になっている人が介護用ベッド30を離れたかどうかを特に信頼性を有して検出する動きセンサ3a及び振動センサ3bを含む。ここで、振動センサ3bは、揺れ又は振動の形でベッドフレーム、つまり照明モジュール100に伝達される、介護用ベッド30内のあらゆる動きを検出する。しかしながら制御ユニット2は、動きセンサ3aも動きを検出していない間は照明素子1a、…、1dを作動させず、人が実際に介護用ベッド30を離れており、例えば介護用ベッド30で睡眠中に寝返りをうっただけではないことが確認された場合にのみ照明素子1a、…、1dを作動させる。このような際に照明素子1a、…、1dを作動させることは、残念ながらその人を起こしてしまうことになり、人の睡眠リズムを過敏に妨げることになるかもしれず、望ましくない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
ここで、制御ユニット2は、図2に示されるように、最初に照明素子1bを作動させ、又はこれをオンし、そして進むべき道の開始方向を示す第1の光点50bが生成される。この第1の光点50bは、介護用ベッド30に対して、浴室へのドア20の方向に所定の距離にある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
次に、例えば人が第1の光点50bまでの道を進むために必要な時間に相当する所定の時間が過ぎた後、制御ユニット2は照明素子1cを作動させ、又はこれをオンし、そして浴室へのドア20の方向のさらに先に位置する第2の光点50cが生成される。これは図3に概略的に示されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
例えば人が第2の光点50cまでの道を進むために必要な時間に相当する所定の時間の後、制御ユニット2は照明素子1dを作動させ、又はこれをオンし、第2の実施形態では浴室へのドア20のすぐ前に位置する第3の光点50dが生成される。これは図4に概略的に示されている。
【国際調査報告】