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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】自己排出型セパレータ
(51)【国際特許分類】
   B04B 11/04 20060101AFI20230711BHJP
   G01F 11/04 20060101ALI20230711BHJP
   B04B 1/14 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
B04B11/04
G01F11/04
B04B1/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572519
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 EP2021065652
(87)【国際公開番号】W WO2021259659
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】102020116658.3
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518091934
【氏名又は名称】ジーイーエー メカニカル イクイップメント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘルシャー, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】バテルト, トーマス
【テーマコード(参考)】
4D057
【Fターム(参考)】
4D057AB01
4D057AC01
4D057AC06
4D057AD01
4D057AE02
4D057AF07
4D057BC12
4D057CA00
4D057CA03
4D057CB01
(57)【要約】
本発明は、垂直回転軸と固形物排出開口(7)を有する回転可能な遠心ドラム(1)を備えた自己排出型セパレータに関し、該遠心ドラム(1)にピストン弁(6)を有する排出機構が割り当てられ、特に液体による流体作動方式でピストン弁は開位置と閉位置を動き、排出機構は更に開閉動作を制御するためにピストン弁(6)に割り当てられた制御アセンブリ(28)を備え、該制御アセンブリ(28)は制御ユニット(24)と、開き工程に必要な特に液体量である流体量を計量し分配する計量デバイス(14)を備え、該計量デバイス(14)は計量チャンバ(16)内で変位可能で、圧縮空気の利用のために計量チャンバ(16)を流体チャンバ(18)と圧力チャンバ(19)に分割する計量要素(17)を有し、計量デバイス(14)は流体チャンバ(18)の開き工程に必要な特に液体の量である流体量を計量する調整システムを有し、調整システムは測定デバイス(15)を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直回転軸と固形物排出開口(7)を有する回転可能な遠心ドラム(1)を備えた自己排出型セパレータであって、
該遠心ドラム(1)にピストン弁(6)を有する排出機構が割り当てられ、特に液体による流体作動方式でピストン弁(6)は開位置と閉位置を動き、排出機構は更に開閉動作を制御するためにピストン弁(6)に割り当てられた制御アセンブリ(28)を備え、該制御アセンブリ(28)は制御ユニット(24)と、開き工程に必要な特に液体量である流体量を計量し分配する計量デバイス(14)を備え、該計量デバイス(14)は計量チャンバ(16)内で変位可能で、圧縮空気の利用のために計量チャンバ(16)を流体チャンバ(18)と圧力チャンバ(19)に分割する計量要素(17)を有し、計量デバイス(14)は流体チャンバ(18)の開き工程に必要な特に液体の量である流体量を計量する調整システムを有し、調整システムは測定デバイス(15)を有し、
前記測定デバイス(15)は、流体測定原理に基づき、流体測定原理に基づいた測定デバイスを有する調整デバイスは圧力チャンバ(19)内に配置された圧力測定デバイス(15)を有し、圧力測定デバイス(15)を用いて圧力チャンバ(19)内の圧力が決定され、圧力チャンバ(19)内の圧力が、開き工程に必要な流体量の計量のための基礎を形成することを特徴とする自己排出型セパレータ。
【請求項2】
前記制御アセンブリ(28)は、開放用流体用の注入チャンバ(8)を有し、該注入チャンバには、流体、特に水が開放用流体供給部(10)を介して供給されて開き動作を駆動し、開放用流体供給部(10)内に開放用流体弁(12)が配置されている、請求項1に記載の自己排出型セパレータ。
【請求項3】
前記計量要素(17)は、ピストンまたはダイヤフラムとして構成されている、請求項1又は2に記載の自己排出型セパレータ。
【請求項4】
前記圧力チャンバ(19)が温度センサを有する、請求項1乃至3の何れかに記載の自己排出型セパレータ。
【請求項5】
前記圧力チャンバ(19)の体積は、流体チャンバ(18)が最大まで充填された場合でも、流体供給ライン(20)内の圧力が、圧力チャンバ(19)内の対応する圧力Pよりもなお高い状態にあるように寸法が決定されている、請求項1乃至4の何れかに記載の自己排出型セパレータ。
【請求項6】
前記流体チャンバ(18)が充填弁(21)と開放用流体弁(12)との間に接続されている、請求項1乃至5の何れかに記載の自己排出型セパレータ。
【請求項7】
前記流体供給ライン(20)にオリフィス板が組み込まれている、請求項5に記載の自己排出型セパレータ。
【請求項8】
前記充填弁(21)の直ぐ上流にオリフィス板が配置されている、請求項6に記載の自己排出型セパレータ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに係るセパレータを有する流動性生成物の処理において固形物の排出を行う方法であって、
a) 請求項1乃至8の何れかの1つに記載の自己排出型セパレータを配備して、処理されるべき流動性生成物を処理して、該流動性生成物を少なくとも液体相及び固体相に分離する工程と、
b) 充填弁(21)を開放し、流体が流入する故に計量要素(17)が圧力チャンバ(19)に向かって移動し、圧力チャンバ(19)内の圧力が増加する工程と、
c) 測定デバイスを用いて、圧力チャンバ(19)内又は圧力チャンバ(19)上の測定を反復して実施し、測定結果を、予め設定された値と手作業又は制御ユニットを用いて比較する工程であって、ここで、圧力チャンバ(19)内の圧力(P)は圧力測定デバイス(15)を用いて測定され、測定された圧力を、デフォルト値としての予め設定された圧力と、手作業又は制御デバイス(24)を用いて比較する工程と、
d) 測定値がデフォルト値に対応するときに、計量された開放用流体の体積が流体チャンバ(18)内に存在するように、充填弁(21)を閉止する工程であって、測定された圧力が所定の圧力に対応するときに充填弁(21)の閉止が行われ、その結果、計量された体積の開放用流体が流体チャンバ(18)内に存在する工程と、
e) 開放用流体弁(12)及び圧縮空気ライン(22)の弁(23)を開いて、流体チャンバ(18)内の計量された体積の開放用流体を、開放用流体供給部(10)を介してセパレータ内及び開放用流体用の注入チャンバ(8)内に注入し、それによりピストン弁(6)を閉位置から開位置に移動させて、固形物排出開口(7)を解放し、固体相が遠心ドラム(1)から排出される工程を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部に記載された自己排出型セパレータと、請求項9に記載の遠心材料を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に定義されるように、不連続に排出するセパレータは、1つまたは複数の液体相に対する1つまたは複数の出口に加えて、特に流体として液体によって流体駆動されるピストン弁を備えた排出機構を有し、ピストン弁がドラム壁内の固形物排出開口を開き(開位置)と閉じる(閉位置)結果、排出機構は開位置と閉位置を交互に動かされる。開位置では、固体相が遠心ドラムから排出される。閉位置では固体相が遠心ドラムから排出されない。
【0003】
自己排出型セパレータのこのようなドラム排出システムの正確な作動を保証するために、自己排出型セパレータは、流体供給部及びピストン弁を備えた排出システムを有する。これは、ピストン弁上のチャンバに流体-液体-を充填する役割を果たし、固形物を排出するために、ピストン弁上のチャンバから流体を逃がし、その結果、ピストン弁が移動できるようにする役割を果たす。例えば、垂直回転軸を有するセパレータにおいて、流体はピストン弁の下に逃がすことができ、その結果、ドラム内の生成物はピストン弁を垂直に押し下げる。ここでの目的は、できるだけ正確に測定された液量を、排出中(「開放用流体」)に遠心ドラムの油圧システムに短時間で供給することである。したがって、開放用流体の体積が排出量を決定する。
【0004】
多くの分離プロセスでは、電子制御装置を介して排出量を柔軟に設定したり、規制したり、あるいはより一般的に変更することが可能であることが有利である。ここでの課題は、たとえ流体供給部内の上流圧力が可成りの変動を受けていても、必要に応じて変化し、特定の要求に対して正確な流体量を可能な限り確実に計量することである。
【0005】
ドイツ特許明細書3115875号によれば、ハウジング及び例えば計量ピストン又は計量ダイアフラムである該ハウジング内に移動可能に案内される計量要素を備えた計量デバイスは、開放用流体の体積を計量するために用いられる。
ハウジングが流体で満たされると、計量要素が動かされ、調整ねじのストッパに押し付けられる。次いで、このようにして測定された液体の量は、例えば遠心ドラム内のピストン弁を開くための開放用流体として使用される。この目的のために、計量要素は、例えば空気圧によって、端部位置に押し戻され、それによって、流体は遠心ドラム内に、従って対応する弁位置にあるピストン弁に運ばれ得るか、または運ばれる。
【0006】
設定ねじを調整することによって、計量要素の停止位置が必要に応じて変更され、それによって、計量デバイスによって計量される液体の量を変更する。しかし、これは、オペレータが必要な排出量を機械上に直接手作業で設定しなければならないことを意味する。ドイツ特許明細書3115875号では、計量要素として撓み変形可能なダイアフラムを使用している。
【0007】
この計量デバイスの変形例は、ドイツ特許公開公報102005049941号に記載されている。ここでは、ハウジングとしてのシリンダ内で案内される計量ピストンが、計量要素として使用される。計量ピストンのストロークは、計量ピストンのストッパを形成するねじ付きロッドによって制限される。ストッパの位置は、電気モータによって調節され、開放用流体の体積は電子制御システムを介して設定され、または付随的にて、自動的に調節されることができる。
【0008】
従来技術による計量デバイスは、実際には十分に証明されているが、これらの解決策は、計量のための機械的アクチュエータがねじ付きスピンドルを有するピストンの所望の位置に移動することを必要とする。これは固形物排出のための調整プロセスに高い動的要件がある場合には、障害となリ得る。
この問題を解決するのが本発明の目的である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、請求項1の主題事項によってこの目的を達成する。さらに、請求項9の方法を提供する。
【0010】
請求項1に従って、自己排出型セパレータが提供され、該セパレータは垂直回転軸を有し、固形物排出開口を備えた回転可能な遠心ドラムを備え、該遠心ドラムにピストン弁を有する排出機構が割り当てられ、流体、特に液体による作動方式でピストン弁は開位置と閉位置を動き、排出機構は更に開閉動作を制御するためにピストン弁に割り当てられた制御アセンブリを備え、該制御アセンブリは制御デバイスと、開き工程に必要な特に液体量である流体量を計量し分配する計量デバイスを備え、該計量デバイスは計量チャンバ内で変位可能で、圧縮空気の利用のために計量チャンバを流体チャンバと圧力チャンバに分割する計量要素を有し、計量デバイスは流体チャンバの開き工程に必要な特に液体の量である流体量を計量する調整システムを有し、調整システムは測定デバイスを有する。
【0011】
特に実施が容易であり、しかも正確に作動する本発明によれば、測定デバイスが流体測定原理に基づいていることがさらに示される。開放用流体の量を調節するために、ねじ付きスピンドルのような機械的アクチュエータを必要としないのが好ましい。従って、計量デバイスは固形物排出の調整プロセスにおける非常に高い動的要件も有利に満たすことができる。
【0012】
また、本発明によれば、流体測定原理に基づいた測定デバイスを備えた調整システムには、圧力チャンバ内に配置された圧力測定デバイスがあることが更に示され、該圧力測定デバイスを用いて圧力チャンバ内の圧力を決定することができ、この圧力チャンバ内の圧力は、開き工程に必要な流体量を計量する基礎であり、又は基礎を形成し、又は計量するためである。このように、非接触測定原理の特徴は、特に有利かつ建設的に単純な方法で実施される。
【0013】
開き工程に使用される流体は、液体であり、好ましくは、水または水以外の液体が使用されて、このような流動性生成物を、この製品のセパレータまたは相で処理することができる。
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、制御アセンブリは、開放用流体のための注入チャンバと、閉止用流体のための注入チャンバを有し、両チャンバに流体、特に水が供給されて、夫々開放用流体供給部と閉止用流体供給部を介して開閉動作が駆動され、開放用流体弁及び閉止用流体弁が配置され、好ましくは計量デバイスが開放用流体供給部に割り当てられる。これにより、定義された数量の固形物(固体相)をセパレータから迅速かつ安全に正確に排出することができるデバイスが作成される。
【0015】
この文脈において、計量デバイスは計量要素を有し、該計量要素は計量チャンバ内で移動可能であり、計量チャンバを流体チャンバと、圧縮空気が印加される圧力チャンバとに分割することが好ましい。これは構造的に単純な計量デバイスを有利に作り出す。
【0016】
特に、計量要素がピストンであることが有利であることが示される。これにより、堅牢で正確に使用可能な計量要素が作成される。しかしながら、計量要素は、本質的に撓み変形可能なダイヤフラムを有することもできる。
【0017】
付随的に、圧力チャンバは温度センサを有することが示される。このようにして、制御システムがそれに応じて圧力設定値を変化させるか、または調節するという点において、計量デバイスの圧力チャンバ内の温度変動は、単に構成によって補償することができる。
【0018】
本発明の更なる変形例によれば、計量要素の下の圧力チャンバは、ガス気密性であるように構成されていることが示される。このことは、圧力変動または圧力測定デバイスの不正確な測定、ひいては開放用流体の不正確な計量といった悪影響を最小限に抑えるのに有利である。
【0019】
また、更なる付随例によれば、圧力チャンバの体積は、流体チャンバが最大に充填されたときでも、開放用流体供給部の圧力が圧力チャンバの対向する圧力よりもまだ高いように寸法決めされると有利である。その結果、簡単な構成上の方策により、計量デバイスの安全な動作がもたらされた。
【0020】
さらに、1つの付随例によれば、開放用流体供給部にオリフィス板を設置すれば有利である。これは、開放用流体の流入量を制限し、その結果、充填プロセスを高い流体圧力下でも減速させることができるので、計量要素の目標位置に安全に近づけることができる。
【0021】
本発明のさらに有利な実施形態の変形例では、オリフィス板は充填弁の直接上流に配置される。これにより、オリフィス板の開放用流体供給部との一体化が容易になる。例えば、パイプラインと弁との間のねじ接続部に一体化することができる。
【0022】
本発明はまた、請求項9に記載の方法を提供する。上記の何れかの請求項に係るセパレータを有する流動性生成物の処理において固形物の排出を行うこの有利かつ簡便な方法は、以下の方法の工程によって特徴付けられる。
a) 関連する請求項のうちの1つ以上に記載の自己排出型セパレータを提供し、処理されるべき流動性生成物を処理して、該流動性生成物を少なくとも液体相及び固体相に分離する工程と、
b) 充填弁を開放し、流体が流入する故に計量要素が圧力チャンバに向かって移動し、圧力チャンバ内の圧力が増加する工程と、
c) 測定デバイスを用いて、圧力チャンバ内又は圧力チャンバ上の反復測定を実施し、測定結果を、予め設定された値と手作業又は制御ユニットを用いて比較する工程であって、ここで、圧力チャンバ内の圧力は圧力測定デバイスを用いて測定され、測定された圧力を、デフォルト値としての予め設定された圧力と、手作業又は制御デバイスを用いて比較する工程と、
d) 測定値がデフォルト値に対応するときに、計量された開放用流体の体積が流体チャンバ内に存在するように、充填弁を閉止する工程であって、測定された圧力が所定の圧力に対応するときに充填弁の閉止が行われ、その結果、計量された開放用体積の流体が流体チャンバ内に存在する工程と、
e) 開放用流体弁及び圧縮空気ラインの弁を開いて、流体チャンバ内の計量された体積の開放用流体を、開放用流体供給部を介してセパレータ内及び開放用流体用の注入チャンバ内に注入し、それによりピストン弁を閉位置から開位置に移動させて、固形物排出開口を解放し、固体相が遠心ドラムから排出される工程を備える。
【0023】
この簡単で正確な方法は、少なくとも請求項1の装置に関しても与えられる利点を提供し、また、計量の正確な調整をもたらす。
本発明のさらに有利な構成は、従属形式の請求項に見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、図面を参照しながら、例示的な実施形態によって以下により詳細に説明される。本発明は、これらの例示的な実施形態に限定されるものではなく、文言に従うか、または他の等価な方法で他の方法で実現することもできる。
図1】遠心ドラムの部分断面図と固体相用の遠心ドラムの排出機構のダイヤフラムを示す。
図2】本発明による計量デバイスの断面図及び計量デバイスのブロック図を示し、計量デバイスは第1の位置に示されている。
図3】計量デバイスの断面図及び計量デバイスのブロック図を示し、計量デバイスは第2の位置に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の図の説明では、例示的な実施形態が説明される。この例示的な実施形態の個々の特徴はまた、図示されていない例示的な実施形態と組み合わせることができ、また、主請求項及び従属請求項のうちの1つ以上に記載された主題事項の有利な構成として各々適している。
【0026】
図1は、セパレータとして構成された遠心分離機の回転可能な遠心ドラム1の下部横断面を示す。遠心ドラム1は、回転の垂直軸Dを有する。
遠心ドラムは、単一及び/又はこの場合のように、二重円錐形(底部及び/又は上部、特に内側)である。遠心ドラム1は、連続運転用に構成されることが好ましい。
【0027】
遠心ドラム1は、下部ドラム部2と上部ドラム部3とを有する。これらのドラム部2、3は、ロックリング27を用いたような種々の方法で互いに接続することができる。
遠心ドラム1に生成物を供給する分配器4とセパレータディスクのディスクスタック5が配置される。
【0028】
供給パイプ及び液体出口は図示されていない。それらは、どのような方法でも実現できる。
固形相を排出するために排出機構が使用され、固形相排出開口7を開閉するピストン弁6を備え、該固形相排出開口7は、遠心ドラム1の最大直径の領域に周方向に分散して形成されている。
排出機構は、ピストン弁6に関連した制御アセンブリ28をさらに備え、ピストン弁6の開閉動作を制御する。
【0029】
制御アセンブリ28は、制御ユニット24を備える。制御アセンブリ28はさらに、流体を開放するための注入チャンバ8と、流体を閉止するための注入チャンバ9とを含み、流体、特に水が、開放用流体供給部10及び閉止用流体供給部11を介して供給され、開閉動作を駆動する開放用流体弁12及び閉止用流体弁13が配置される。
【0030】
開放用流体供給部10には、開放用流体弁12の上流に接続される計量デバイス14が関連付けられる。
計量デバイス14-図2も参照-は、可動式、特に変位可能な計量要素17を計量チャンバ16内に有し、計量要素17は計量チャンバ16を流体チャンバ18と圧力チャンバ19とに分割し、流体、特に圧縮空気のようなガスを流入させる。計量要素17は、ここでは変位可能なピストンとして構成されている。ピストンに代わるものとして、可動式、特に本質的に撓み変形可能なダイヤフラムを計量要素17として用いることもできる。
【0031】
流体チャンバ18は、充填弁21と開放用流体弁12と計量要素17との間に形成される。
弁23が接続された圧縮空気ライン22もまた、圧力チャンバ19内に開く。制御可能な全ての弁の制御入力は、制御ユニット24に接続される。
【0032】
遠心ドラム1の壁に挿入されるピストン弁25は、ピストン弁6の開閉動作を行うために使用される流体を制御されて排出するために使用される(図1参照)。
【0033】
更に、オリフィス板を流体供給ライン20に追加的に設置して、開放用流体の流入量(体積)を制限し、従って高い流体圧力でも充填プロセスを遅することができ、その結果、予め選択された圧力に到達する計量要素17の目標位置に安全に近づけることができる。オリフィス板の有利な位置-流れの方向で見た場合-は充填弁21の直ぐ上流にある。
【0034】
圧力チャンバ19は、第1の側-この場合、計量要素17の「下方」にある-圧縮空気ライン22を通って-流体、特に空気で充填されることができ、その結果、圧力チャンバ19内が圧力を作り上げられる。しかし、この弁23を介して流体を「放出」することもできる。圧力チャンバ19は、この目的のために、対応してガス気密になるように構成されている。
【0035】
流体チャンバ18を他方の側で流体供給ライン20を通って流体、特に開放用流体で充填するとき、-ここでは、純粋に図示したように、計量要素17の上に、―流体、特に空気は圧力チャンバ19内で圧縮され、計量要素17の「下」の第1の側の圧力チャンバ19内で圧力上昇が生じ、この圧力チャンバ19内の圧力上昇は、計量チャンバ16内の計量要素17の位置の変化に本質的に比例し、ここでは図2の位置からの例として開始する。
【0036】
圧力チャンバ19には測定デバイス15が配置されているか、またはそのような測定デバイス15が圧力チャンバ19に接続されており、これにより測定デバイス15を用いて圧力チャンバ19内の圧力を決定することができる。
【0037】
圧力測定デバイス15により、圧力チャンバ19内の圧力は、1回又は繰り返し測定されて、予め記憶されたテーブル又は記憶された機能関係性等との比較により、圧力測定を介して計量要素17の位置を決定することができる。この位置により、今度は、流体チャンバ18内の現在の流体量を決定することが可能になる。
【0038】
この目的のため、測定された圧力値が制御ユニット24に渡され、制御ユニット24で、または制御ユニット24を介して、この測定値に基づいて測定によって供給された流体の量(体積)を繰り返し決定することができ、したがって、流体の量(体積)を正確に設定することもできる。流体チャンバ18の充填は、所望の充填量(体積)または所望の予め設定された計量量(体積)に到達または合わせられたときに停止させることができる。
【0039】
あるいは、圧力測定デバイス15での圧力値を手作業で読み取り、このようにして調整に使用することもできる。
このようにして、ここでの計量デバイス14は、流体の量-この場合には開放用流体の体積-を測定するための調整システムを有し、該調整システムは、流体測定原理に基づく排出機構を作動させる。図示されたシステムの変形例は、専門的技能の範囲内で実現することができる。
【0040】
計量要素17の第1の側上の圧力チャンバ19の量(体積)及び計量要素17の他方の側上の流体チャンバ18の体積は、流体チャンバ18が最大まで充填されたときでさえ、流体供給ライン20内の圧力が圧力チャンバ19内の背圧よりもなお高くなるように、夫々寸法決めされることが好ましい。
【0041】
圧力チャンバ19内の更なる温度センサ(図示せず)を使用して、流体チャンバ18を充填するときに、制御ユニット24がそれに応じて圧力設定値を変化させることを可能にすることによって、温度変動を補償することができる。
遠心材料の処理におけるこの装置の機能は、再び簡単に要約される。
【0042】
図2に示される計量デバイス14の第1の位置では、計量要素17の位置は、流体チャンバ18に向かって「上」であり、その結果、流体チャンバ18の体積は小さくなる。圧力チャンバ19は周囲圧力である。代替的に、圧力チャンバ19は、規定の上流圧力を有することもできる。流体チャンバ18に向かって充填弁21が閉じられる。開放用流体弁12は閉じられる。圧縮空気ライン22の弁23も閉じている。
【0043】
ここで、充填弁21が開かれる。流入する流体は、図3に示されるように、計量要素17を第2の位置まで下方に移動させ、圧力チャンバ19内の圧力の測定値を増加させる。測定値が、流体チャンバ18内の規定された流体体積に対応する予め選択された設定値に達すると、充填弁21-制御ユニット24によって手作業または自動で制御される―が閉じられる。例えば、このような方法で、圧力チャンバ内の圧力は、有利には、開放に必要な流体体積の計量の基礎を形成することができる。
【0044】
開放用流体弁12及び圧縮空気ライン22内の弁23が開いて、流体チャンバ18内の計量された開放用流体量を、開放用流体供給部10及び開放用流体用の注入チャンバ8を介してドラム内に注入し、ピストン弁25を開いて、これによってピストン弁6を-ここでは垂直下方に-開位置に移動させ、固形相排出開口7が解放され、固体相が遠心ドラム1から排出される。
【0045】
したがって、測定原理は、非接触測定原理の一種であり得る。開放用流体体積を調節するために、ねじ付きスピンドルのような機械的アクチュエータを必要としないのが好ましい。したがって、有利なことに、計量デバイス14は、固形物排出のための調節プロセスの非常に高い動的要件さえも満たすことができる。
【0046】
制御ユニット24は、セパレータの制御及び調節を引き継ぐコンピュータプログラム製品で制御することができ、必要に応じて、ピストン弁の駆動、特に計量、特に測定の性能及び実行も制御する。
【0047】
開放用流体体積を測定するための機械的アクチュエータを備えた計量デバイスを備えた既存の遠心分離機は、有利なことに、本発明による計量デバイス14を容易に後付けまたは変換することができる、何故なら多くの場合、測定デバイス15に対してねじ付きロッドのような機械的アクチュエータのみを交換しなければならず、制御システムのソフトウェアを適合させなければならないからである。
【符号の説明】
【0048】
符号の一覧
1 遠心ドラム
2 下部ドラム部
3 上部ドラム部
4 分配器
5 ディスクスタック
6 ピストン弁
7 固形相排出開口
8 開放用流体の注入チャンバ
9 閉止チャンバ用の注入チャンバ
10 開放用流体供給部
11 閉止用流体供給部
12 開放用流体弁
13 閉止用流体弁
14 計量デバイス
15 測定デバイス
16 計量チャンバ
17 計量要素
18 流体チャンバ
19 圧力チャンバ
20 流体供給ライン
21 充填弁
22 圧縮空気ライン
23 弁
24 制御ユニット
25 ピストン弁
27 ロックリング
28 制御アセンブリ
D 回転軸
図1
図2
図3
【国際調査報告】