(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】ローラーコースタ用の乗客拘束システム
(51)【国際特許分類】
A63G 7/00 20060101AFI20230711BHJP
A63G 21/00 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
A63G7/00
A63G21/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575388
(86)(22)【出願日】2021-07-02
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 IB2021055956
(87)【国際公開番号】W WO2022003642
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522475476
【氏名又は名称】ボリガー アンド マビラード アンジェニユールス コンセイルス エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ツルヒャー,アラン
(72)【発明者】
【氏名】ベラ,エリック
(57)【要約】
乗客(P)を基本的に着座又は臥位姿勢に、足をぶら下げて維持するように設計された、ローラーコースタ用の乗客拘束システム(1)が特に記載されている。乗客拘束システム(1)は、固定コラム(10)及び乗客(P)を支持して保持するように設計されたシートコラム(20)を含み、シートコラム(20)は、ローラーコースタに乗車中に固定コラム(10)に対して移動可能であるように固定コラム(10)に結合される。シートコラム(20)は、好ましくは関節連結部(30)を用いて固定コラム(10)に結合され、乗客拘束システム(1)は、シートコラム(20)の均衡を取る平衡装置(15)を更に含み、平衡装置(15)は、第1の端部(15A)で固定コラム(10)に固定され、第2の端部(15B)でシートコラム(20)に固定される。平衡装置(15)は、乗客(P)に掛けられた垂直加速度により、ローラーコースタに乗車中にシートコラム(20)の垂直移動を確実にするように有利に構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足を垂らして、乗客(P)を基本的に着座又は臥位姿勢に維持するように設計されたローラーコースタ用の乗客拘束システム(1)であって、
前記乗客拘束システム(1)は、固定コラム(10)及び前記乗客(P)を支持して保持するように設計されたシートコラム(20)を含み、前記シートコラム(20)は、ローラーコースタに乗車中に前記固定コラム(10)に対して移動可能であるように前記固定コラム(10)に結合されることと、
前記乗客拘束システム(1)は、前記シートコラム(20)の均衡を確保する平衡装置(15)を更に含み、前記平衡装置(15)は、第1の端部(15A)で前記固定コラム(10)に固定され、第2の端部(15B)で前記シートコラム(20)に固定されることを特徴とする、乗客拘束システム(1)。
【請求項2】
前記シートコラム(20)は、関節接合部(30)を用いて前記固定コラム(10)に結合されることと、
前記固定コラム(10)及び前記シートコラム(20)のそれぞれに固定された前記平衡装置(15)の前記第1及び第2の端部(15A、15B)が、関節接合されることを特徴とする、請求項1に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項3】
前記関節接合部(30)は、前記固定コラム(10)上及び前記シートコラム(20)上に関節接合され、前記固定コラム(10)と前記シートコラム(20)との間に平行四辺形接合部を形成する、1組のレバー(31、32)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項4】
前記平衡装置(15)は、前記関節接合部(30)の隙間空間を通って延在することを特徴とする、請求項2又は3に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項5】
前記平衡装置(15)は、前記乗客(P)に掛けられた垂直加速度に依存して、前記ローラーコースタに乗車中に前記シートコラム(20)の垂直移動を確保するように構成されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の乗客拘束システム。
【請求項6】
前記平衡装置(15)は、前記シートコラム(20)の前記垂直移動の速度を調節して制御することを可能にするシステムを具備することを特徴とする、請求項5に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項7】
前記平衡装置(15)は、バネ装置、具体的にはガススプリングであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項8】
前記平衡装置(15)は、油圧又は油空圧装置、具体的には油圧又は油空圧シリンダであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項9】
前記平衡装置(15)は、油圧又は油空圧装置、具体的には油圧又は油空圧シリンダであることと、
前記平衡装置(15)は、前記シートコラム(20)の前記垂直移動の前記速度を調節して制御することを可能にする、油圧流体流速調整器を具備することを特徴とする、請求項6に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項10】
前記乗客拘束システム(1)は、前記平衡装置(15)に結合され、前記シートコラム(20)の重量の均衡に必要な油圧を発生することができる、アキュムレータ(125)を更に含むことを特徴とする、請求項8又は9に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項11】
前記アキュムレータ(125)は、油空圧アキュムレータであることを特徴とする、請求項10に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項12】
前記油圧又は油空圧装置の内圧は、調節可能であることを特徴とする、請求項8~11のいずれか一項に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項13】
前記乗客拘束システム(1)は、前記乗客(P)が存在し、重力に起因する以外のいかなる垂直加速度もない状態で、前記シートコラム(20)が、前記固定コラム(10)に対して下部位置を占めるように構成されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項14】
乗客(P)を基本的に着座又は臥位姿勢に維持するように設計されたローラーコースタ用の乗客拘束システム(1)であって、
前記乗客拘束システム(1)は、固定コラム(10)及び前記乗客(P)を支持して保持するように設計されたシートコラム(20)を含み、前記シートコラム(20)は、ローラーコースタに乗車中に前記固定コラム(10)に対して移動可能であるように前記固定コラム(10)に結合されることと、
前記乗客拘束システム(1)は、前記シートコラム(20)の均衡を確保する平衡装置(15)を更に含み、前記平衡装置(15)は、第1の端部(15A)で前記固定コラム(10)に固定され、第2の端部(15B)で前記シートコラム(20)に固定されることと、
前記平衡装置(15)は、前記乗客(P)に掛けられた垂直加速度に依存して、前記ローラーコースタに乗車中に前記シートコラム(20)の垂直移動を確保するように構成されることと、
前記乗客拘束システム(1)は、前記乗客(P)が存在し、重力に起因する以外のいかなる垂直加速度もない状態で、前記シートコラム(20)が、前記固定コラム(10)に対して下部位置を占めるように構成されることを特徴とする、乗客拘束システム(1)。
【請求項15】
前記シートコラム(20)及び前記乗客(P)に掛けられて生じた力が、前記平衡装置(15)によって掛けられた押出力より低くなるように、前記シートコラム(20)及び前記乗客(P)からなるアセンブリが垂直加速度を受ける場合、前記乗客拘束システム(1)は前記アセンブリが前記下部位置から上昇できるように構成されることを特徴とする、請求項13又は14に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項16】
前記乗客拘束システム(1)は、前記シートコラム(20)及び前記乗客(P)が前記下部位置から上昇する間の上昇段階、続いて前記シートコラム(20)及び前記乗客(P)が前記下部位置に戻される間の下降段階を、前記シートコラム(20)及び前記乗客(P)が続けて受けることができるように構成されることを特徴とする、請求項15に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項17】
前記平衡装置(15)は、減衰システムを具備することを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項18】
前記乗客拘束システム(1)は、前記シートコラム(20)に固定された保持装置(200)を更に含むことを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項19】
前記保持装置(200)は、
前記シートコラム(20)に固定された背もたれ(201)であって、前記乗客(P)は前記背もたれ(201)に背中を置いて前記背もたれ(201)に寄りかかることができる、背もたれ(201)と、
前記シートコラム(20)の支持部(20A)によって支えられた座席(202)と、
前記シートコラム(20)の上部に枢動可能に装着され、前記乗客(P)の胴体の上部及び周囲に降りるように設計された、正面安全バー(203)を含むことを特徴とする、請求項18に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項20】
前記背もたれ(201)及び前記座席(202)は、それぞれが前記乗客(P)の背中、腕、臀部及び大腿部を取り囲むように構成された1対の横保持要素を含むことを特徴とする、請求項19に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項21】
前記正面安全バー(203)は、前記正面安全バー(230)が降ろされた時に、前記乗客(P)の腹部及び大腿部の上部を支えるように構成された保持要素(204)を含むことを特徴とする、請求項19又は20に記載の乗客拘束システム(1)。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の少なくとも1つの乗客拘束システム(1)を含む、ローラーコースタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、一般にローラーコースタ用の乗客拘束システムに関し、より詳細にはローラーコースタに乗車中に乗客を基本的に着座又は臥位姿勢に維持するように設計されたような乗客拘束システムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
このような乗客拘束システムは特に、全てが本出願人の名による、欧州特許出願公開第0545860A1号、同第1020212A1号、同第1020213A1号、同第1201280A2号、及び同第1215091A2号から最先端の技術水準で公知である。
【0003】
欧州特許出願公開第0545860A1号は、いわゆる「インバーテッド」ローラーコースタ設備(又は「インバーテッドコースタ」)を開示し、各乗客拘束システムは、乗客の周りに壁又は床がなく、脚を宙にぶら下げて、乗客拘束システムを支える車両を支持するレールの下に吊るされたローラーコースタに乗車中に、乗客を基本的に着座姿勢に維持するように設計されている。
【0004】
欧州特許出願公開第1020212A1号は、乗客拘束システムを支える車両の床の上に乗客の足を置いてローラーコースタに乗車中に、乗客を座席内に基本的に着座姿勢に維持するように設計された乗客拘束システムを開示している。乗客拘束システムは、乗客を座席に拘束することを意図した保持要素の上にある回転バーを含み、保持要素は、乗客の大腿部と接触することを意図した特定の形を有する。この型の乗客拘束システムは、反転しない高速ローラーコースタ設備(又は「ハイパーコースタ」)に特に使用される。
【0005】
欧州特許出願公開第1020213A1号は、フロアレスローラーコースタ設備(又は「フロアレスコースタ」)を開示し、各乗客拘束システムは、乗客の足の下に床がなく、脚を宙にぶら下げて、乗客拘束システムを支える車両を支持するレールの上のローラーコースタに乗車中に、乗客を基本的に着座姿勢に維持するように設計されている。
【0006】
欧州特許出願公開第1201280A2号は、いわゆる「フライング」ローラーコースタ設備(又は「フライングコースタ」)を開示し、各乗客拘束システムは、乗客の背中がレールによって形成された軌道に実質的に平行に配列されて、乗客拘束システムを支える車両を支持するレールの下に吊るされたローラーコースタに乗車中に、乗客を基本的に臥位姿勢に維持するように設計されている。この場合、乗客拘束システムは、脚保持装置も含む。乗客の脚を保持するためのこのような保持装置の変形は、欧州特許出願公開第1215091A2号にも開示されている。
【0007】
乗客の基本的に着座又は臥位姿勢と無関係に、上述の公開に開示された乗客拘束システムは、ローラーコースタに乗車中に前記車両に対して相対運動ができず、乗客を運ぶ車両にしっかりと固定されるように全てが配置される。乗客が受ける動きは、こうして乗客を運ぶ車両が辿る軌道の特定の配置によって直接誘発されて決定され、各乗客は、この配置によって画定された方向及び加速度の変更から生じる感覚を感じる。
【0008】
国際公開第2007/136245A1号は、乗客の足を支持台上に載せて、乗客を複数の姿勢に維持するように設計されたローラーコースタ用の乗客拘束システムを開示している。この乗客拘束システムは、より詳細には乗客が複数の姿勢を占有し、これらの姿勢、つまり基本的な垂直(立位)姿勢、しゃがんだ姿勢、及びお辞儀をした/前傾姿勢の間を動くことができるように設計されている。国際公開第2007/136245A1号の
図5は、特に乗客が前傾又はお辞儀をすることができるような乗客拘束システムをより詳細に示す。この拘束システムは、特に乗客の胴体に結合することを意図した背もたれ、及び乗客を支持する車両の台に背もたれを結合することを意図した連結手段(その一部のみが例示されている)を含む。連結手段は、台上に配列されたコラム(図示せず)も含むことができることが述べられているが、このコラムが例示された連結手段にどのように結合されることになっているかを明示されていない。いずれにしても、多くとも枢軸を介して互いに結合される、1対の横バー、対角位置に置かれた1対のダンパ、及び水平位置に置かれたダンパによって接合された、2つの重なったプレートを含むダブルウィッシュボーン構造について言及されている。この構造の幾何形状は、基本的に背もたれが、ひいては乗客が、約15°~20°の前方回転運動を行うことができることを目的とする。しかし平衡装置は具体的に記載されておらず、上記のダンパは平衡機能を確保するのではなく、単に背もたれの回転運動を減衰させるだけである。
【0009】
米国特許第7,070,153B1号は、関節腕を含む関節接合部、並びに対角に配列され、座席がその振幅を調節可能な上向力を受けるように配置された1対のガスアクチュエータ/支持部を含む懸架装置を用いて、台の上でその基部を介して支持される座席を基本的に開示している。この座席は、主に車両を備えることを意図する。この座席をスリルライドに適用する1つの可能性が記載されており、乗客が数百フィートの垂直の自由落下を受けて、落下の最後に急停止で終わる、フリーフォール型の娯楽用乗り物のみについて言及されていることに留意されたい。この解決策をローラーコースタ用の乗客拘束システムに適用するいかなる可能性にも言及していない。
【0010】
仏国特許出願第2442381A1号及び仏国特許第2084495A5号は、この部分については、車両座席、特に全地形対応車用の懸架及び減衰装置のみを開示している。
【0011】
乗客を基本的に、乗客により大きい感覚を供給する一方で、快適性を確実に増加させる着座又は臥位姿勢に維持するための乗客拘束システムを提案する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
発明の概要
従って本発明の一般目的は、乗客を基本的に公知の解決策の欠点を改善する着座又は臥位姿勢に維持するためのシステムを提案することである。
【0013】
より具体的には、本発明の目的は、乗客を十分に拘束する一方で、ローラーコースタに乗車中に乗客により大きい感覚及びより良好な快適性を確保する、両方を保証するような解決策を提案することである。
【0014】
更に本発明の目的は、頑強で実装が合理的に単純であるような解決策を提案することである。
【0015】
本発明の別の目的は、信頼でき、維持管理が容易であるような解決策を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した目的を考えると、本発明の第1の態様によれば、ローラーコースタ用の乗客拘束システムが提案され、その特徴は請求項1に列挙されており、つまり足を垂らして、乗客を基本的に着座又は臥位姿勢に維持するように設計されたような乗客拘束システムであり、乗客拘束システムは、固定コラム及び乗客を支持して保持するように設計されたシートコラムを含み、シートコラムは、ローラーコースタに乗車中に固定コラムに対して移動可能であるような方法で固定コラムに結合されることを特に特徴とする。乗客拘束システムは、シートコラムの均衡を確保する平衡装置を更に含み、平衡装置は、第1の端部で固定コラムに固定され、第2の端部でシートコラムに固定される。
【0017】
シートコラムは、具体的には関節接合部を用いて固定コラムに結合することができ、固定コラム及びシートコラムのそれぞれに固定された平衡装置の第1及び第2の端部は、関節接合される。従ってこの状況では、公知の解決策と対照的に、乗客は、可動シートコラムを介して、つまりシートコラムと固定コラムとの間の関節接合部を介して、着座又は臥位位置に保持され、シートコラムは、固定コラムから一定距離にシートコラムを維持するために、平衡装置によって均衡を取られることに留意されよう。これは、乗客拘束システムを支える車両に対する乗客の相対運動を可能にする。関節接合部は、より平滑で柔軟な移動も確保する。この関節接合部は、更に具体的には単純で小型である一方で、依然として頑強である。
【0018】
特に好ましい実施形態によれば、関節接合部は、固定コラム上及びシートコラム上に関節接合され、固定コラムとシートコラムとの間に平行四辺形接合部を形成する1組のレバーを含む。これは、固定コラム上にシートコラムを確実に最適に誘導し、垂直方向に対するシートコラムの配向は、シートコラムの高さ位置と無関係に、変わらないままであることも保証する。しかし、本発明は、記載されて例示されたような1組の関節接合されたレバーの使用に特に限定されず、他の関節接合部の構成も全く可能であることを理解されよう。
【0019】
好ましくは、平衡装置は、関節接合部の隙間空間を通って延在し、これにより特に小型の配置になる。
【0020】
特に好都合なことに、本発明の別の態様によれば、平衡装置は、乗客に掛けられた垂直加速度に依存して、ローラーコースタに乗車中にシートコラムの垂直移動を確保するように構成することができる。この他の態様は、更にシートコラムが固定コラムに結合される手法と無関係に適用可能である。
【0021】
この状況では、平衡装置は、シートコラムの垂直移動の速度を調節して制御することを可能にするシステムも具備することができる。
【0022】
平衡装置は、ガススプリングなどのバネ装置、又は好ましくは、油圧若しくは油空圧装置、具体的には油圧若しくは油空圧シリンダであることが可能である。後者の場合、平衡装置は、次いでシートコラムの垂直移動の速度を調節して制御することを可能にする、油圧流体流速調整器を具備することができる。しかし本発明は、平衡装置のようにバネ装置又は油圧若しくは油空圧装置の使用に特に限定されず、他の型の平衡装置も全く可能であることを理解されよう。
【0023】
シートコラムの均衡のための油圧又は油空圧装置の使用に対して、乗客拘束システムは、好ましくは平衡装置に結合されたアキュムレータを更に含み、アキュムレータは、シートコラムの重量の均衡に必要な油圧を発生することができる。このアキュムレータは、具体的には油空圧アキュムレータであることが可能である。
【0024】
依然としてシートコラムの均衡のための油圧又は油空圧装置を使用する状況では、油圧又は油空圧装置の内圧は、完全に調節可能である。それにより、具体的にはローラーコースタの乗車を通して加速度へのシステムの感度を修正して変えることが可能になる。発生された効果の強度は、その結果選択した内圧に依存して変わることができる。
【0025】
好ましい変形によれば、乗客拘束システムは、乗客が存在し、重力に起因する以外のいかなる垂直加速度もない状態で、シートコラムが、固定コラムに対して下部位置を占めるように構成される。乗客がいない場合、シートコラムが上部位置又は下部位置を占めるように、シートコラムは平衡装置を用いて区別することなく均衡を取ることができる。
【0026】
この好ましい変形は、本発明の他の態様と無関係に実施することができる本発明の第2の態様を更に構成する。その点で、本発明の第2の態様によれば、ローラーコースタ用の乗客拘束システムが提案され、その特徴は、独立請求項14に列挙されており、つまり乗客を基本的に着座又は臥位姿勢に維持するように設計されたような乗客拘束システムであり、乗客拘束システムは、固定コラム及び乗客を支持して保持するように設計されたシートコラムを含み、シートコラムは、ローラーコースタに乗車中に固定コラムに対して移動可能であるように固定コラムに結合されることを特に特徴とする。乗客拘束システムは、シートコラムの均衡を確保する平衡装置を更に含み、平衡装置は、第1の端部で固定コラムに固定され、第2の端部でシートコラムに固定される。その上、平衡装置は、乗客に掛けられた垂直加速度に依存して、ローラーコースタに乗車中にシートコラムの垂直移動を確保するように構成される。最後に、乗客拘束システムは、乗客が存在し、重力に起因する以外のいかなる垂直加速もない状態で、シートコラムが、固定コラムに対して下部位置を占めるように構成される。
【0027】
後者の状況では、従ってシートコラム及び乗客は、ある特定の垂直加速閾値が達成されると、下部位置から上昇する傾向があることが理解されよう。より詳細には、垂直加速度が、シートコラム及び乗客に掛る様々な力の均衡によって決定されたある特定の閾値より低くなる時、例えば段差を超える時に、シートコラム及びシートコラムによって保持された乗客は、上昇段階を受け、上部位置に向かって垂直に上昇するために下部位置を離れる傾向があり、恐らくシートコラムの移動の限界に達する。垂直加速度が再度前記閾値を超えて増加すると、その結果、加えられた力は、シートコラム及び乗客から構成されたアセンブリを下部位置に戻す傾向がある。
【0028】
好ましくは、乗客拘束システムは、シートコラム及び乗客に掛けられて生じた力が、平衡装置によって掛けられた押出力より低くなるような垂直加速度をシートコラム及び乗客から形成されたアセンブリが受けた時に、前記アセンブリが下部位置から上昇できるように構成される。
【0029】
尚より好ましくは、乗客拘束システムは、シートコラム及び乗客が下部位置から上昇する間の上昇段階、続いてシートコラム及び乗客が下部位置に戻される間の下降段階を、シートコラム及び乗客が(特にローラーコースタの軌道に提供された段差を通過する時に)続けて受けることができるように構成される。
【0030】
最後に、平衡装置は、減衰装置を更に具備することができるので、振動並びにシステムが接合点に着いた時の衝突の危険も制限する。
【0031】
好ましくは、乗客拘束システムは、シートコラムに固定された保持装置を含む。この保持装置は具体的には、
シートコラムに固定された背もたれであって、乗客は背もたれに背中を置いて背もたれに寄りかかることができる、背もたれと、
シートコラムの支持部によって支えられた座席と、
シートコラムの上部に枢動可能に装着され、乗客の胴体の上部及び周囲に降りるように設計された正面安全バーとを含むことができる。
【0032】
前述の背もたれ及び座席は、好都合なことにそれぞれが乗客の背中、腕、臀部及び大腿部を取り囲むように構成された、1対の横保持要素を含むことができる。
【0033】
正面安全バーは、具体的には正面安全バーが降ろされた時に、乗客の腹部及び大腿部の上部を支えるように構成された保持要素を含むことができる。
【0034】
本発明による少なくとも1つの乗客拘束システムを含む、ローラーコースタも主張されている。
【0035】
本発明の他の態様は、本明細書の残余部に開示される。
【0036】
図面の簡単な説明
本発明の特徴及び利点は、本発明の様々な実施形態の以下の詳述からより明らかになろう。本発明は、非限定的例のみとして提示され、添付図面によって例示される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施形態による乗客拘束システムの側面図である。
【
図2】ローラーコースタに乗車中の前記拘束システムの垂直移動を例示する、
図1の乗客拘束システムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
発明の実施形態
本発明は、具体的に添付図面に例示されたような様々な好ましい実施形態を参照して記載される。
【0039】
図1は、本発明の実施形態によるローラーコースタ用の乗客拘束システムの側面図を示し、システムは参照番号1によって概ね示されている。この乗客拘束システム1は、
図1に概略的に例示もされ、参照記号Pによって示されている乗客を維持するように設計されており、乗客Pは、ここでは乗客拘束システム1によって支持され、基本的に着座姿勢に保持される。
【0040】
乗客拘束システム1は、固定コラム10を含み、固定コラム10はその基部によって支持台に固定され、又は別法としてこの支持台の統合部を形成することができる。この台は、典型的にはローラーコースタ上を、典型的にはレールに沿って走るように設計された車両の一部(図示せず)を形成する。乗客Pは、足を前記支持台の上に垂らして、支持台から一定距離にシートコラム20によって支持されて保持され、シートコラム20は、後に詳述するように、固定コラム10に対して移動可能であるような方法で固定コラム10に結合される。この点で、
図1に示された高さhは、可変であることを理解するべきである。
【0041】
シートコラム20は、着座位置に乗客Pを収容するように構成された保持装置200を提供され、保持装置200は様々な形を取ることができる。
図1に実例として示された実施形態によれば、保持装置200は、シートコラム20に固定された背もたれ201を基本的に含み、乗客Pは背もたれ201に背中を置いて背もたれ201に寄りかかることができ、背もたれ201は、ヘッドレスト201A、並びに乗客Pの背中及び腕を取り囲むように構成された1対の横保持要素を更に提供される。保持装置200は、シートコラム20の支持部20Aによって支えられる座席202も含み、座席202は、バケットシートの方法で、乗客の臀部及び大腿部を取り囲む1対の横保持要素も提供される。保持装置200は、シートコラム20の上部に枢動可能に装着され、乗客Pの胴体の上部及び周囲に降りるように設計された正面安全バー203も含む。この正面安全バー203は、ここではその遠位端に正面安全バー203が降ろされた時に、乗客Pの腹部及び大腿部の上部を支えることになる保持要素204を含む。この安全バーは、一旦乗客の大腿部の上に位置付けられると、適切な係止装置によって典型的には所定の位置に係止される。
【0042】
本発明は、詳細に例示されたような保持装置200を含む乗客拘束システムに特に限定されず、他の保持装置の構成も全く可能であることを理解されよう。
【0043】
示された例では、シートコラム20は、参照番号30によって示された関節接合部を用いて固定コラム10に結合され、乗客拘束システム1は、シートコラム20の均衡を確保する平衡装置を更に含み、平衡装置は、シートコラム20によって掛けられた重量と反対の方向に垂直押出力を掛け、シートコラム20によって掛けられた重量を一部又は全部補完するように設計される。この平衡装置は、ここでは好ましくは第1の関節端部15Aで固定コラム10に固定され、第2の関節端部15Bでシートコラム20に固定された、油圧(又は油空圧)シリンダ15を含む。例示された好ましい実施形態では、参照記号15aは、関節端部15Bでシートコラム20に固定された油圧シリンダ15のピストンを示す。
【0044】
関節接合部30は様々な形を取ることができる。好ましくは例示されたように、この関節接合部30は、好都合なことに固定コラム10とシートコラム20との間に平行四辺形接合部を形成する、それぞれ下部レバー31及び上部レバー32の1組のレバーを含む。より詳細には、関節接合部30は、ここでは各端部を一方は固定コラム10に、他方はシートコラム20に関節接合された1対の下部レバー31を含む。同様に関節接合部30は1対の上部レバー32を含み、その有効長は、下部レバー31の有効長と同一であり、上部レバー32は、同様に各端部を一方は固定コラム10に、他方はシートコラム20に関節接合される。
【0045】
関節接合部30の非常に小型の構成は、すぐに目に付く。関節接合部30の幾何形状は、好ましくはシートコラム20が基本的に垂直軌跡に沿って動くことができるような方法で選択されるが、平行四辺形接合部は、固定コラム10とシートコラム20との間に円弧軌跡に沿った相対運動をもたらし、運動の振幅は平衡装置15の有効作用振幅によって決定されることに留意されたい。その点で、
図1は、シートコラム20が上部位置に置かれた構成における拘束システム1を示し、油圧シリンダ15は、ピストン15aがほぼ全体に展開される位置に例示されている。
【0046】
平衡装置15の端部15A、15Bは、ここでは平衡装置15が、固定コラム10に対するシートコラム20の位置付けに依存して、平衡装置15の底端15Aと一致する軸を中心にわずかな回転運動を受けることにより、固定コラム10及びシートコラム20に対して平衡装置15の対応する相対運動を生じるという点で関節接合される。より詳細には
図1に示された例では、平衡装置15の下部は、支持要素100に固定され、支持要素100は関節端部15Aで固定コラム10上に関節接合される。この支持要素100は、支持要素100が平衡装置15の動きを追従し、従って固定コラム10に対して対応する相対運動を受けるという点で同様に関節接合される。この支持要素100は、関連した平衡装置15と共に固定コラム10内に形成された凹部の内側に装着される。
【0047】
好都合なことに、平衡装置15は、関節接合部30の隙間空間を通って、ここでは下部レバー31の間に形成された空間を通って延在する。
【0048】
図1に例示された関節接合部30のような固定コラム10とシートコラム20との間の関節接合部を使用することにより、動きやすさ、並びにより平滑で柔軟な移動を提供する。この関節接合部は、更に単純で小型である一方で、依然として頑強である。
【0049】
例示された油圧(又は油空圧)シリンダ15の代わりに、必要であれば平衡装置としてガスバネなどのバネ装置、又はあらゆる他の適切な平衡装置の使用を想定することが可能である。
【0050】
尚より好都合なことに、前述の関節接合部と無関係に適用可能な本発明の別の態様によれば、平衡装置15は、ローラーコースタに乗車中にシートコラム20の垂直移動を確保するように構成され、これは垂直加速度に依存して乗客Pに掛けられる。この垂直移動は、その振幅を変えられる動きの上昇段階及び下降段階に応じて、乗客Pを支える車両が辿る軌道に依存して乗客Pが垂直運動を受けることができることを目的とする。
図2は、シートコラム20が床に対して第1の高さh
1に配列された下部位置における(左側)、及びシートコラム20が床に対して第2の高さh
2に配列された上部位置における(右側)乗客拘束システム1を示す。シートコラム20及びシートコラム20によって支えられた乗客Pの垂直運動の最大振幅は、
図2に強調されており、参照記号Aによって示されている。
【0051】
論じている実施形態によれば、上部位置は、好ましくは乗客Pがいない状態でシートコラム20によって占有された位置に対応する。換言すると、乗客拘束システム1は、ここではシートコラム20が、乗客Pがいない状態で固定コラム10に対して上部位置を占有するために均衡を取るように構成される。乗客搭乗段階が開始する前に、各乗客拘束システム1は、こうしてデフォルトでは上部位置で均衡を取られ、すなわち平衡装置15は、シートコラム20を上部位置に運ぶ展開位置を仮定する。搭乗段階の間に、乗客Pが座席に座ると、乗客Pの重量が加わることにより、アセンブリの力の均衡に変化が生じ、これはシートコラム20を固定コラム10に対して下部位置に運ぶ効果を有する。
【0052】
しかしシートコラム20が、乗客Pがいない状態であっても固定コラム10に対して下部位置を占有するために均衡を取るように、乗客拘束システム1を構成することが別法として可能である。このような場合、従ってシートコラム20は、搭乗段階の間にすでにデフォルトで下部位置を占有し、平衡装置15によって掛けられた押出力は、前に述べた場合より比較的低くなることが理解されよう。
【0053】
どちらの場合も、シートコラム20及びシートコラム20によって保持された乗客Pから構成されたアセンブリは、デフォルトで重力(ここでは9.81m/s2に等しい、地球の重力に起因する垂直加速度を参考にしていることを理解されたい)に起因する以外のいかなる垂直加速度もない状態で下部位置を占有することになり、垂直加速度が、加えられた力、つまり具体的にはシートコラム20及び乗客Pに掛けられる垂直加速度に起因する力(重力及びローラーコースタに乗車することにより生じる垂直加速度に起因する力を含む)、並びに平衡装置15によって掛けられた押出力の均衡によって決定されたある特定の閾値より下がらない限り、これが適用することが理解されよう。
【0054】
乗客Pを運ぶ車両が搭乗ゾーンを離れた時に、垂直加速度が高いままである限り、シートコラム20及び乗客Pに掛けられて生じる力が平衡装置15の押出力を超えるように、システム自体は下部位置に留まる。
【0055】
好ましくは、乗客拘束システム1は、ここではシートコラム20及び乗客Pから構成されたアセンブリに掛けられて生じた力が、例えば段差を通過する時に起きる、平衡装置15によって掛けられた押出力より低くなるような垂直加速度をアセンブリが受けた時に、下部位置から上昇するように構成される。シートコラム20及びシートコラム20によって保持された乗客Pは、こうして下部位置から離れ、上部位置に向かって垂直に上昇する(上昇段階)傾向があり、恐らくシートコラム20の移動の限界に達する。
【0056】
シートコラム20及び乗客Pに掛けられて生じた力が、再度平衡装置15の押出力より大きくなるような値に、垂直加速度が再度達するように増加すると、シートコラム20及びシートコラム20によって保持された乗客Pは、下部位置に戻る(下降段階)傾向がある。
【0057】
その点で、平衡装置15は減衰システムを具備することが好ましく、これは特にあらゆる振動現象を低減し、上昇又は下降段階の間で接合点に突然到着することを回避することを可能にする。内部又は外部減衰システムは独立することが可能である。この減衰は、シートコラム20の各運動循環に有効であることを理解されよう。
【0058】
すでに上に述べたように、シートコラム20の垂直移動は、固定コラム10とシートコラム20との間に関節接合部30を使用することと無関係に実施することができる。代替例として、平衡装置15の垂直移動は、シートコラムが滑動部又は滑走部を用いて固定コラムに対して具備されるはずである、拘束システムの状況で同様に実行することができる。
【0059】
図1に見られるように、油圧シリンダ15は、好ましくはアキュムレータ125に結合され、アキュムレータ125は、シートコラム20の重量の均衡に必要な油圧を発生することができる。このアキュムレータ125は、特に油空圧アキュムレータ、具体的にはブラダ型の油空圧アキュムレータであることが可能であり、これは、圧縮性流体として作用し、エネルギーを蓄積することができる気体(例えば窒素)を充填される。この場合、この蓄積されたエネルギーは、シートコラム20の重量の均衡に必要な油圧を発生するため、つまりシートコラム20の重量によって油圧シリンダ15に掛けられた力を補完するために利用される。
図1に例示されたように、アキュムレータ125は、好都合なことに先に述べた支持要素100によって支えられる。油圧シリンダ15、アキュムレータ125及び支持要素100から構成されたアセンブリは、それに応じて特に小型の構成で、システムに容易に統合されるものを形成する。
【0060】
平衡装置15が油圧(又は油空圧)型からなる示された例では、具体的には油圧(又は油空圧)装置の内圧を調節できる手段を提供することが好都合である。これは、ローラーコースタに乗車中を通して掛けられた垂直加速度への平衡装置15(ひいてはシステム全体)の感度を変えることを可能にさせる。効果の強度は、その結果、選択された内圧に依存して異なることが可能になる。
【0061】
その上、平衡装置15は、シートコラム20の垂直移動の速度を調節して制御することを可能にするシステムを具備することができる。示された例では、これは、ピストン15aの速度をそれが開いている間(上昇段階)及び閉じている間(下降段階)のどちらでも調節するように、油圧流体流速調整器を加えることによって行うことができる。この流体流速調整器は、油圧シリンダ15の内部又は外部、つまりシリンダ15に関連した油圧循環に置くことができる。
【0062】
当業者に明らかな様々な修正及び/又は改良は、添付の特許請求の範囲によって定義されたような本発明の範囲を超えることなく、本明細書に記載された実施形態に行うことができることが概ね理解されよう。具体的には、関節接合及び垂直移動は、互いに個別に又は非常に好都合なことには組み合わせて実行できる2つの別個の機能である。
【0063】
その上、図は専用アキュムレータが拘束システムに関連した実施形態を示すが、他の解決策を想定することができる。例えば一変形では、より大きい容量の集中型アキュムレータは、いくつかの拘束システム、具体的には全く同じ列の乗客又は全く同じ車両の各拘束システムに結合することができる。このような場合、従ってアキュムレータは、もはや各拘束システム上に配列されて組み込まれる必要はなくなるが、関連した乗客の列の付近又は関連した車両上に配列され、様々な拘束システムの油圧システムの全てが、次いで全く同じ集中型アキュムレータに結合されることが理解されよう。
【0064】
その上、
図1及び2は、固定コラムが車両の床の上に配列された、乗客を基本的に着座姿勢で維持する拘束システムを示すが、同じ原理は、欧州特許出願公開第0545860A1号に記載された設備のように車両の下に、足をぶら下げて乗客拘束システムが吊り下げられる、反転した設備を想定して適用できることが理解されよう。本発明は、同様に乗客拘束システムが、欧州特許出願公開第1201280A2号に記載された設備のように、乗客を基本的に臥位姿勢で支持して保持するように設計された、飛行設備にも適用できる。
【0065】
その上、上記と無関係に、固定コラムは、好ましくはなくとも、支持台若しくは乗客拘束システムを支える車両のシャーシに固定された要素から構成することができ、又はこの支持台若しくはこのシャーシの統合部を形成することができる。
【符号の説明】
【0066】
本明細書及び図面に使用された参照記号の一覧
1 本発明の実施形態による乗客拘束システム
10 固定コラム
15 平衡装置、具体的には油圧又は油空圧装置(例えば油圧若しくは油空圧シリンダ)
15a 油圧又は油空圧シリンダ15のピストン
15A 固定コラム10上に関節接合された、平衡装置15の下端
15B シートコラム20上に関節接合された、平衡装置15の上端(ピストン15aの上端)
20 固定コラム10に対して垂直に移動することができる、シートコラム
20A 座席支持部
30 固定コラム10とシートコラム20との間の関節接合部/平行四辺形接合部
31 関節接合部30の対の下部レバー
32 関節接合部30の対の上部レバー
100 平衡装置15の底端15Aに装着され、固定コラム10内に形成された凹部の内側に装着された支持要素
125 シートコラム20の重量の均衡のためのアキュムレータ(具体的には油空圧アキュムレータ)
200 シートコラム20に固定された乗客Pのための保持装置
201 横保持要素を備えた背もたれ
201A 背もたれ201に組み込まれたヘッドレスト
202 横保持要素を備えた座席
203 シートコラム20に枢動可能に装着された正面安全バー
204 正面安全バー203の遠位端に装着された保持要素
P 基本的に着座姿勢の乗客
h シートコラム20の高さ(可変)
h1 下部位置におけるシートコラム20の高さ
h2 上部位置におけるシートコラム20の高さ
A シートコラム20の移動の振幅
【国際調査報告】