(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】コーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/42 20060101AFI20230711BHJP
A47J 42/52 20060101ALI20230711BHJP
A23F 5/08 20060101ALI20230711BHJP
A23F 5/04 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
A47J31/42
A47J42/52
A23F5/08
A23F5/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575441
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(85)【翻訳文提出日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 EP2021065041
(87)【国際公開番号】W WO2021259617
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】アイト ブジアッド, ユーセフ
(72)【発明者】
【氏名】ヨーキム, アルフレッド
【テーマコード(参考)】
4B027
4B104
【Fターム(参考)】
4B027FB21
4B027FC01
4B027FC02
4B027FQ02
4B027FQ04
4B104AA24
4B104AA25
4B104BA01
4B104BA12
4B104DA56
4B104DA57
4B104EA19
(57)【要約】
本発明は、焙煎デバイス50及び関連する粉砕デバイス60を備える、コーヒー豆の焙煎及び粉砕装置に関し、焙煎デバイスは、豆の特徴を識別する読取手段53と、読み出された特徴に従って、及び/又はデータベース51内の豆の特徴から、及び/又はユーザ入力に従って、焙煎プロファイルを構成する制御ユニットとを備え、焙煎豆は、焙煎豆の製品パラメータが焙煎デバイス内のエンコーダ52によってコード化されるプログラム可能な識別手段を備える豆容器10、20に分配され、粉砕デバイスは、豆容器を受け入れるハウジングと、焙煎豆の製品パラメータの情報を取得するリーダ62と、製品パラメータに従って、及び/又はレシピデータベース64に従って、及び/又はユーザ入力に従って粉砕される、コーヒー及び/又はコーヒーブレンドの量を各豆容器から取得するために、豆容器から供給される焙煎豆の粉砕サイズ及び量を適合させる制御ユニットとを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焙煎デバイス(50)及び関連する粉砕デバイス(60)を備える、コーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置であって、
前記焙煎デバイス(50)は、焙煎される特定のタイプのコーヒー豆を受け入れるように構成されており、前記焙煎デバイス(50)は、前記焙煎デバイスに分配される前記コーヒー豆の特徴を識別するための読取手段(53)を備え、前記焙煎デバイス(50)は、制御ユニットであって、前記読取手段(53)から読み出された特徴に従って、及び/又は前記制御ユニットのデータベース(51)内の前記豆の特徴から、及び/又はユーザ入力に従って、前記豆の焙煎プロファイルを構成する、制御ユニットを更に備え、前記焙煎コーヒー豆は、豆容器(10、20)に分配され、前記豆容器(10、20)は、プログラム可能な識別手段であって、特定のタイプの前記焙煎コーヒー豆の製品パラメータが前記焙煎デバイス内のエンコーダ(52)によって前記識別手段上にコード化される、プログラム可能な識別手段を備え、
前記粉砕デバイス(60)は、1つ以上の豆容器(10、20)を受け入れるための1つ以上のハウジングを備え、前記粉砕デバイス(60)は、前記1つ以上の豆容器(10、20)の前記焙煎コーヒー豆の前記製品パラメータの情報を取得するためのリーダ(62)を備え、前記粉砕デバイス(60)は、前記製品パラメータに従って、及び/又はレシピデータベース(64)に従って、及び/又はユーザ入力に従って粉砕される、特定のコーヒー量及び/又は特定のコーヒーブレンド量を各豆容器から取得するために、前記コーヒー豆容器(10、20)から供給される前記焙煎コーヒー豆の粉砕サイズ及び量を適合させるように構成された制御ユニットを更に備える、コーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項2】
前記コーヒー豆の前記特徴が、コーヒー豆タイプ、コーヒー豆原産地、バッチ量、1つ以上の推奨焙煎レベル、収穫日、生産日、生産データ、生産者データ、有効期限、会社及び販売情報のうちの1つ又は複数である、請求項1に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項3】
前記コーヒー豆が、生コーヒー豆及び/又は部分焙煎コーヒー豆である、請求項1又は2に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項4】
前記焙煎デバイス(50)によって受け入れられる前記コーヒー豆が、前記焙煎デバイス内の前記読取手段(53)によって読み取られる前記焙煎コーヒー豆の特徴を有する識別手段(41)を含み、前記識別手段(41)が、バーコード、OID、及び/若しくはQRコード(登録商標)などの光学識別手段、並びに/又はRFIDタグなどの電磁識別手段である、請求項1~3のいずれか一項に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項5】
前記焙煎デバイス(50)内の前記エンコーダ(52)が、特定の容器(10、20)の前記プログラム可能な識別手段に特定のタイプの前記焙煎コーヒー豆の前記製品パラメータを書き込み、前記製品パラメータが、前記コーヒー豆の特徴と、焙煎レベル、焙煎プロファイル、CTN、アロマプロファイルチャート、適当な飲料の推薦、焙煎日、最良消費期限日のうちの1つ又は複数とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項6】
1つ又は複数の前記豆容器(10、20)内の前記プログラム可能な識別手段が、RFIDタグを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項7】
前記粉砕デバイス内の粉砕される前記焙煎コーヒー豆の量、前記粉砕サイズ、及び前記ブレンドが、前記粉砕デバイス(60)に接続される1つ又は複数の前記豆容器(10、20)の前記焙煎コーヒー豆の前記製品パラメータと組み合わせて、粉砕された前記焙煎コーヒー豆から調製される飲料のタイプに応じて適合される、請求項1~6のいずれか一項に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項8】
1つ又は複数の前記コーヒー豆容器(10、20)が、前記粉砕デバイス(60)に焙煎コーヒー豆を必要量だけ投入するための組み込み型投入手段を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項9】
前記粉砕デバイス(60)は、前記粉砕デバイス(60)に前記焙煎コーヒー豆を必要量だけ投入するように、前記1つ又は複数のコーヒー豆容器(10、20)の前記組み込み型投入手段を制御するためのモータ及び駆動装置を備える、請求項8に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項10】
1つ又は複数の前記コーヒー豆容器(10、20)が、前記粉砕デバイス(60)上に迅速に差し込まれる差し込み手段を備え、それにより自由に交換可能である(プラグアンドプレイ)、請求項1~9のいずれか一項に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項11】
1つ又は複数の前記コーヒー豆容器(10、20)が、前記粉砕デバイス(60)の上にロックされて、粉砕動作中の前記1つ又は複数の容器(10、20)の堅固な固定を可能にする、請求項1~10のいずれか一項に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項12】
前記差し込み手段が、バヨネット接続、磁気接続、電磁接続、クラッチシステムなどのうちの1つ又は複数を含む、請求項10に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項13】
前記焙煎デバイス(50)が、1つ又は複数の前記豆容器(10、20)に特定のタイプの前記焙煎コーヒー豆の前記製品パラメータをコード化するためのRFIDタグエンコーダを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項14】
前記粉砕デバイス(60)が、前記粉砕デバイスに接続される前記1つ以上の豆容器(10、20)の前記焙煎コーヒー豆の前記製品パラメータの情報を取得するためのRFIDタグリーダを備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の焙煎及び粉砕装置を使用して、コーヒー豆を焙煎及び粉砕するための方法であって、
前記焙煎デバイス(50)に特定量のコーヒー豆を分配するステップと、
分配される前記コーヒー豆の特徴を読み取るステップと、
読み取った前記特徴及び/又はデータベース情報(51)及び/又はユーザの選定若しくは選択に従って焙煎プロセスを実行するステップと、
前記焙煎コーヒー豆を豆容器(10)に供給するステップと、
前記コーヒー豆容器(10)に前記製品パラメータをコード化するステップと、
コーヒー豆容器(10)を前記粉砕デバイス(60)に取り付けるステップと、
前記コーヒー豆容器(10)の前記製品パラメータを読み取るステップと、
粉砕サイズ及び量について、読み取った前記製品パラメータに従って、粉砕を実行するステップと、を含む、方法。
【請求項16】
請求項14に従ってコーヒー豆を焙煎及び粉砕し、特定のコーヒーブレンドを生成するための方法であって、
複数のコーヒー豆容器(10、20)を前記粉砕デバイス(60)に取り付けるステップと、
前記複数のコーヒー豆容器(10、20)の各々の前記製品パラメータを読み取るステップと、
前記コーヒー豆容器(10、20)の各々の粉砕サイズ及び量について、各々についての読み取られた前記製品パラメータに従って、及び粉砕された前記焙煎コーヒー豆から前記レシピデータベース(51)により調製される飲料のタイプに従って、粉砕を実行するステップと、を更に含む、方法。
【請求項17】
焙煎及び粉砕されたコーヒー豆のブレンドを特定量で供給するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の焙煎及び粉砕装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー豆を焙煎及び粉砕するための装置、並びに焙煎及び粉砕のための関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品及び飲料の調製の全ての領域において、調製された食品又は飲料の品質は、少なくとも、適切な品質の原産物と、正しい調製プロセスを確保するための正しいツール(マシン、デバイスなど)並びに知識及びスキルとを必要とする。
【0003】
高温飲料の調製、より具体的にはコーヒーの調製及びその派生物も同じ規則に従う。
【0004】
コーヒー抽出マシンのまさに最初の発明以来、関連技術がこの数十年の間に大きく進化してきた。当該技術において、エスプレッソを作製する初めてのマシンは、イタリア、トリノのAngelo Moriondoによって1884年に構築され特許取得されたことが知られている。改善された設計が、その後、Luigi Bezzeraによって、1903年4月28日に特許取得された。La Pavoni社の創業者が同特許を購入し、1905年からミラノで小規模に市販されるエスプレッソマシンの生産を始めた。エスプレッソを生成するために複数のマシン設計が作成されている。いくつかのマシンは、グループヘッドやポルタフィルタなどのいくつかの共通の要素を共有する。エスプレッソマシンはまた、カプチーノ及びカフェラテなどのコーヒー飲料のために、蒸気を発生させて液体(ミルクなど)を泡立てるために使用される蒸気ワンドを有し得る。
【0005】
コーヒー飲料を調製するための本技術は、熟練者(バリスタと呼ばれる)及び当該コーヒー飲料を調製するための専用マシン/デバイスを含む。典型的には、焙煎及び粉砕(R&G)コーヒーでは、バリスタは、調製される飲料のタイプ、使用されるコーヒーのタイプ、及び上記の調製で使用される材料/手段に応じて調製される1杯の品質を保証するためのコーヒーに関する知識及び専門知識を有する。
【0006】
典型的には、調製するコーヒー飲料のタイプ(エスプレッソ、ドリップコーヒータイプ、コールドブリューなど)、並びに使用される抽出方法(ドリップ、ケミックス、エスプレッソマシンなど)に応じて、バリスタは、コーヒーのタイプ(原産地、焙煎レベルなど)並びに調製方法(粉砕機パラメータ、抽出方法、水温など)における各マシンの設定を選択する。言い換えれば、全てがバリスタの知識に依存しているため、これらのタイプの調製は、全てのパラメータが正しく設定されていること、及び調製中に適切な手順に従っていることを確保するために熟練した又は訓練された人物を必要とする。
【0007】
本発明の主要目的は、任意のシングルサーブパッケージを使用する必要なく、かつ特定のスキルを必要とすることなく、カプセルシステムを使用するときに得られる最終結果と同様のコーヒー飲料の最終結果を達成することである。本発明は、バリスタのノウハウを人工知能(AI)システムで置き換えるために、付属デバイスを介して互いに通信し、必要なパラメータを転送/通信するいくつかのメインデバイスを含むシステムを構築することによってこれを達成する。
【0008】
本発明のシステムは、前の段階で使用されるメインデバイスの出力に従って、各メインデバイスのパラメータ(入力)を調整する。目標は、使用される正しいパラメータを通信することによって、手順及び情報の完全性を確保することである。
【0009】
完全自動飲料調製マシンは、最新技術で知られており、コーヒー飲料を調製するために広く使用されている。これらの自動マシンは、焙煎コーヒー豆を保管することから始まり、コーヒー飲料をカップに供給することで終了する完全自動プロセスを提供する。完全自動マシンとは異なり、本発明のシステムは、メインデバイス間で、正しい調整に合わせて異なる付属デバイスを使用することによってより高い柔軟性を可能にする。典型的には、これらの付属デバイスは、エスプレッソ、ドリップコーヒー、インスタントコーヒーなどのためのデバイスである。
【0010】
シングルサーブシステム(典型的にはカプセルを使用するもの)とは異なり、本発明のシステムは、飲料調製毎のシングルパッケージでなくマルチパックを使用して、抽出/処理用の付属デバイスを使用する。
【0011】
これらの目的、及び以下の説明を読むことで明らかとなる他の目的は、独立請求項の主題によって解決される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態に言及する。
【発明の概要】
【0012】
第1の態様によれば、本発明は、焙煎デバイス及び関連する粉砕デバイスを備える、コーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置に関する。焙煎デバイスは、焙煎される特定のタイプのコーヒー豆を受け入れるように構成されており、焙煎デバイスは、焙煎デバイスに分配されるコーヒー豆の特徴を識別するための読取手段を備える。焙煎デバイスは、制御ユニットであって、読取手段から読み出された特徴に従って、及び/又はこの制御ユニットのデータベース内の豆の特徴から、及び/又はユーザ入力に従って、豆の焙煎プロファイルを構成する、制御ユニットを更に備える。焙煎コーヒー豆は、豆容器に分配され、豆容器は、プログラム可能な識別手段であって、特定のタイプの焙煎コーヒー豆の製品パラメータが焙煎デバイス内のエンコーダによって識別手段上にコード化される、プログラム可能な識別手段を備える。本発明の粉砕デバイスは、1つ以上の豆容器を受け入れるための1つ以上のハウジングを備え、粉砕デバイスは、1つ以上の豆容器の焙煎コーヒー豆の製品パラメータの情報を取得するためのリーダを備え、粉砕デバイスは、これらの製品パラメータに従って、及び/又はレシピデータベースに従って、及び/又はユーザ入力に従って粉砕される、特定のコーヒー量及び/又は特定のコーヒーブレンド量を各豆容器から取得するために、コーヒー豆容器から供給される焙煎コーヒー豆の粉砕サイズ及び量を適合させるように構成された制御ユニットを更に備える。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明の焙煎及び粉砕装置におけるコーヒー豆の特徴は、コーヒー豆タイプ、コーヒー豆原産地、バッチ量、1つ以上の推奨焙煎レベル、収穫日、生産日、生産データ、生産者データ、有効期限、会社及び販売情報のうちの1つ又は複数である。
【0014】
特に、本発明の装置によって受け入れられたコーヒー豆は、生コーヒー豆及び/又は部分焙煎コーヒー豆であってもよい。
【0015】
更に、本発明の更なる実施形態によれば、焙煎デバイスによって受け入れられたコーヒー豆は、焙煎デバイス内の読取手段によって読み取られるこれらのコーヒー豆の特徴を有する識別手段を含み、これらの識別手段は、バーコード、OID、及び/若しくはQRコード(登録商標)などの光学識別手段、並びに/又はRFIDタグなどの電磁識別手段である。
【0016】
好ましくは、焙煎デバイス内のエンコーダは、特定の容器のプログラム可能な識別手段に特定のタイプの焙煎コーヒー豆の製品パラメータを書き込み、これらの製品パラメータは、コーヒー豆の特徴と、焙煎レベル、焙煎プロファイル、CTN、アロマプロファイルチャート、適当な飲料の推薦、焙煎日、最良消費期限日のうちの1つ又は複数とを含む。
【0017】
好ましい実施形態によれば、本発明の装置内の1つ又は複数の豆容器のプログラム可能な識別手段は、RFIDタグを備える。
【0018】
本発明のコーヒー豆のための焙煎及び粉砕装置では、好ましくは、粉砕デバイス内の粉砕される焙煎コーヒーの量、粉砕サイズ、及びブレンドが、粉砕デバイスに接続される1つ又は複数の豆容器の焙煎コーヒー豆の製品パラメータと組み合わせて、粉砕された焙煎コーヒー豆から調製される飲料のタイプに応じて適合される。
【0019】
典型的には、本発明の焙煎及び粉砕装置では、1つ又は複数のコーヒー豆容器は、粉砕デバイスに焙煎コーヒー豆を必要量だけ投入するための組み込み型投入手段を有する。
【0020】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、粉砕デバイスは、粉砕デバイスに焙煎コーヒー豆を必要量だけ投入するように、1つ又は複数のコーヒー豆容器の組み込み型投入手段を制御するためのモータ及び駆動装置を更に備える。
【0021】
典型的には、本発明の装置内の1つ又は複数のコーヒー豆容器は、粉砕デバイス上に迅速に差し込まれる差し込み手段を備え、それにより自由に交換可能である(プラグアンドプレイ)。
【0022】
好ましくは、1つ又は複数のコーヒー豆容器は、粉砕デバイスの上にロックされて、粉砕動作中の1つ又は複数の容器の堅固な固定を可能にする。典型的には、差し込み手段は、バヨネット接続、磁気接続、電磁接続、クラッチシステムなどのうちの1つ又は複数を含む。
【0023】
本発明による装置の別の実施形態では、焙煎デバイスは、1つ又は複数の豆容器に特定のタイプの焙煎コーヒー豆の製品パラメータをコード化するためのRFIDタグエンコーダを備える。
【0024】
好ましくは、本発明の装置の粉砕デバイスは、粉砕デバイスに接続される1つ以上の豆容器の焙煎コーヒー豆の製品パラメータの情報を取得するためのRFIDタグリーダを備える。
【0025】
第2の態様によれば、本発明は更に、記載される焙煎及び粉砕装置を使用してコーヒー豆を焙煎及び粉砕するための方法に関し、本方法は、
焙煎デバイスに特定量のコーヒー豆を分配するステップと、
分配されるコーヒー豆の特徴を読み取るステップと、
読み取った特徴及び/又はデータベース情報及び/又はユーザの選定若しくは選択に従って焙煎プロセスを実行するステップと、
焙煎コーヒー豆を豆容器に供給するステップと、
コーヒー豆容器に製品パラメータをコード化するステップと、
コーヒー豆容器を粉砕デバイスに取り付けるステップと、
コーヒー豆容器の製品パラメータを読み取るステップと、
粉砕サイズ及び量について、読み取った製品パラメータに従って、粉砕を実行するステップと、を含む。
【0026】
好ましくは、本発明の方法は、更に、
複数のコーヒー豆容器(10、20)を粉砕デバイスに取り付けるステップと、
複数のコーヒー豆容器の各々の製品パラメータを読み取るステップと、
コーヒー豆容器の各々の粉砕サイズ及び量について、各々について読み取られた製品パラメータに従って、及び粉砕された焙煎コーヒー豆からレシピデータベースにより調製される飲料のタイプに従って、粉砕を実行するステップと、を更に含む。
【0027】
本発明の更なる目的によれば、本発明は、焙煎及び粉砕されたコーヒー豆のブレンドを特定量で供給するための、記載される焙煎及び粉砕装置の使用に関する。
【0028】
本発明の更なる特徴、利点及び目的は、以下の本発明の非限定的実施形態の詳細な説明を添付の図面と併せて読めば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下では、本発明が、以下の付属の図を参照して例示的に説明される。
【
図1】本発明の一実施形態による焙煎、粉砕、抽出システムの例示的な機能図である。
【
図2】本発明の一実施形態による投入及び抽出システムの例示的な機能図である。
【
図3】本発明の一実施形態による分配及び抽出システムの概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態による焙煎、粉砕、抽出システムの概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態による焙煎及び粉砕システムの概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態による焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図7】本発明の一実施形態による焙煎、粉砕、抽出システムの、それに属する様々な要素を示す概略代表図である。
【
図8】コーヒー豆を含む容器の識別手段の読み取りを示す、
図7の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図9】焙煎デバイスへのコーヒー豆の供給を示す、
図7の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図10】焙煎デバイス内のコーヒー豆を焙煎するプロセスを示す、
図7の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図11】粉砕又は分配デバイスへの容器の差し込みを示す、
図7の焙煎、粉砕、及び抽出システムの概略代表図である。
【
図12】粉砕又は分配デバイスに差し込まれた2つの容器を示す、
図7の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図13】コーヒー豆を含む容器の識別手段の読み取りを示す、
図7の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図14】最終的にカップ内に分配された飲料を示す、
図7の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図15】カップ内の飲料の分配を示す、
図7の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図16】飲料を分配するために準備されたシステムを示す、
図7の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図17】飲料の更なる調製のための粉砕コーヒーの分配を示す、
図7の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図18】調製デバイスに配置されて、飲料を調製する準備ができている粉砕コーヒーを示す、
図17の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図19】異なるタイプのコーヒー豆を含むいくつかの容器を粉砕デバイスに差し込む可能性を示す、
図7の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【
図20】異なるコーヒーブレンドを得るために粉砕デバイスに差し込むことができる、異なるタイプのコーヒー豆を含む異なる容器を示す、
図7の焙煎、粉砕、抽出システムの概略代表図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の主な目標は、任意のシングルサーブパッケージを使用することなく、かつ特定のスキルを必要とすることなく、カプセルシステムで達成されるものと同様の最終結果を達成することである。本発明の目標は、以下により詳細に説明するように、バリスタ(熟練者)のノウハウをAI(人工知能)システムで置き換えるために、付属デバイスを介して互いに通信し、パラメータを転送/通信するメインデバイスを構築することである。
【0031】
本発明のシステムは、前の段階で使用されるメインデバイスの出力に従って、各メインデバイスのパラメータ(入力)を調整する。目標は、使用される正しいパラメータを通信することによって、手順及び情報の完全性を確保することである。
【0032】
完全自動マシンと異なり、本発明のシステムは更に、メインデバイス間で異なる付属デバイス(正しい調製に合わせてある、典型的には、エスプレッソ、ドリップコーヒー、インスタントコーヒーなどのための付属デバイス)を使用することによってより高い柔軟性を可能にする。
【0033】
シングルサーブシステム(典型的には、カプセル又は単回用量容器から飲料を調製すること)とは異なり、本発明のシステムは、飲料調製毎にシングルパッケージでなくマルチパックを使用し、かつ、抽出/処理用の付属デバイスを使用する。
【0034】
図1を見ると、リーダ53及びエンコーダ52を備える焙煎デバイス50が示されている。リーダ53は、コーヒー豆を含む容器40の識別手段41上の情報を読み出すことができ、これらのコーヒー豆は、生豆、若しくは部分焙煎豆、又は2つの混合物であり得る。識別手段41は、
図1に概略的に表されるように、容器40内のコーヒー豆の情報0を含む。この情報0は、コーヒー豆タイプ、コーヒー豆原産地、バッチ量、推奨焙煎レベル、有効期限などの1つ又は複数の情報を含むことができる。容器40の識別手段41は、光学コード(バーコード、QRコード(登録商標)、OID)又は電磁可読コード(典型的には、RFIDコード)であり得る。焙煎デバイス50は制御ユニットを更に備え、この制御ユニットは、読取手段53から読み出された特徴に従って、及び/又は制御ユニットのデータベース51内の豆の特徴から、及び/又はユーザ入力に従って、豆の焙煎プロファイルを構成する。したがって、焙煎デバイス50は、この情報に基づいて、生豆、部分焙煎豆、又はこれら2つの混合物の焙煎を行い、次いで、焙煎コーヒー豆を豆容器10、20に供給する。豆容器10、20は、プログラム可能な識別手段21であって、特定のタイプの焙煎コーヒー豆の製品パラメータが、焙煎デバイス内のエンコーダ52によって識別手段上にコード化される、プログラム可能な識別手段21を備える。豆容器10、20上のコード化された情報は、
図1の概略図では情報1と称され、この情報1は、上述した情報0、及び焙煎レベル、焙煎日、コーヒー原産地、焙煎プロファイル、焙煎日などのうちの1つ又は複数の情報を含む。
【0035】
本発明のシステムは、1つ以上の豆容器10、20を受け入れるための1つ以上のハウジングを備える粉砕デバイス60を更に備える。粉砕デバイス60は、1つ以上の豆容器10、20の焙煎コーヒー豆の製品パラメータ(情報1)の情報を取得するためのリーダ62を備える。粉砕デバイス60は、これらの製品パラメータ(情報1)に従って、及び/又はレシピデータベース64に従って、及び/又はユーザ入力に従って粉砕される、特定のコーヒー量及び/又は特定のコーヒーブレンド量を各豆容器から取得するために、コーヒー豆容器10、20から供給される焙煎コーヒー豆の粉砕サイズ及び量を適合させるように構成された制御ユニットを更に備える。
【0036】
粉砕されたコーヒーは、粉砕デバイス60から製品ホルダ61に供給される。この製品ホルダ61は、プログラム可能な識別手段65を備え、粉砕デバイス60内のエンコーダ63は、飲料情報(情報2と称される)をコード化することができる。この情報は、飲料タイプ、調製される飲料の量、飲料温度、ポンププロファイルなどのうちの1つ又は複数を含む。次いで、粉砕コーヒーと共に飲料情報(情報2)を含む製品ホルダ61は、調製又は抽出デバイス70に移送され、ここで最終飲料(コーヒー飲料)が調製され、カップに供給される。調製デバイス70は、製品ホルダ61の識別手段65から飲料情報(情報2)を読み出すことができる読取手段72を備え、したがって、この情報に従って飲料調製(飲料抽出)を行う。
【0037】
ここで
図2を参照すると、特に、容器40に含まれる粉末の形態の食品に言及して、本発明のシステムの一実施形態が示されている。同様に、容器40には、製品情報(例えば、コーヒー又はミルクなどの製品タイプ、有効期限などの情報0)を含む、識別手段41である光学コード(バーコード、QRコード(登録商標)、OID)又は電磁可読コード(典型的には、RFIDコード)が提供される。システムは、容器40から製品に関する情報を読み出し、それにより、この情報(情報0)に従って投入を行うためのリーダ62を備える分配デバイス(60)を備える。分配デバイス60はまた、前の図で説明したように、粉砕デバイスであり得る。好ましい実施形態によれば、粉末製品は、容器10、20に含まれる。分配デバイス60は、調製される飲料に応じて、これらの製品パラメータ(情報0)に従って、及び/又はレシピデータベース64に従って、容器(40又は10、20のいずれか)から特定量の粉末食品又は飲料製品を分配するように構成された制御ユニットを更に備える。分配デバイス60は、分配された粉末食品又は飲料製品が送られる分配デバイス60内の製品ホルダ61のプログラム可能な識別手段65の飲料情報(情報2)をコード化するためのエンコーダ63を更に備える。
図1に記載の実施形態と同様に、製品ホルダ61は、最終食品又は飲料製品を調製し分配するために、抽出又は調製デバイス70へ移動可能である。調製デバイス70は、製品ホルダ61の識別手段65から飲料情報(情報2)を読み出し、それに応じて飲料を調製するためのリーダ72を備える。この情報2は、飲料タイプ、調製される飲料の量、飲料温度、ポンププロファイルなどのうちの1つ又は複数を含む。
【0038】
図2に機能的に表される実施形態を
図3に概略的に示す。分配デバイス60は、特定のタイプの粉末製品(例えば、乳粉末)を含む特定の製品容器10を受け入れる。投入デバイス60は、この容器10の識別手段を読み取り、製品情報を読み出し、それによって、調製される特定の飲料に対して(ユーザ入力に従って、及び/又はレシピデータベース64で取得された情報に従って)どのくらいの乳粉末を製品ホルダ61に供給しなければならないかを知る。別のタイプの粉末製品(例えば、コーヒー)を有する容器20が、投入デバイス60に差し込まれる。投入デバイスは、この製品に関する情報を読み取り、調製される飲料に対して(ユーザ入力及び/又はレシピデータベース64で取得された情報に従って)製品ホルダ61に必要な量を供給する。次いで、投入デバイス60内のエンコーダ63は、ユーザ入力及び/又はレシピデータベース64に従って、製品ホルダ61上の飲料情報(情報2)をコード化する。製品ホルダ61が調製デバイス70に差し込まれると、飲料を調製するため、特定の飲料抽出のための情報2がデバイス70によって読み出され、特定のパラメータに従って調製が行われる。
【0039】
図1の機能図を
図4に概略的に示す。コーヒー豆(生豆及び/又は部分焙煎豆)を有する容器40は、豆を焙煎デバイス50に分配する。情報0が焙煎デバイス50によって読み取られ、それにより、焙煎が特定のパラメータに従って行われる。焙煎コーヒー豆は、容器10内に供給される。同様に、異なるタイプのコーヒー豆を、異なるパラメータに従って焙煎デバイス50内で焙煎することができ、容器20内に供給することができる。容器10、20は、粉砕デバイス60に差し込むことができ、各容器10、20からの特定量の各焙煎豆を製品ホルダ61に送ることができる。この製品ホルダ61は、飲料情報(情報2)でコード化されるため、分配又は抽出デバイス70に移送されると、飲料調製が特定のパラメータに従って行われる。最終飲料は、例えば、カップ71に供給される。
【0040】
本発明のシステムの更に別の実施形態を
図5に示す。焙煎デバイス50は、容器40から特定のタイプのコーヒー豆を受け入れるように構成されている。これらの豆は、焙煎される。焙煎デバイス50は、焙煎デバイスに分配されるコーヒー豆の特徴を識別するための読取手段53を備え、制御ユニットを更に備え、制御ユニットは、読取手段から読み出された特徴に従って、及び/又はこの制御ユニットのデータベース内の豆の特徴に従って、及び/又はユーザ入力に従って、豆の焙煎プロファイルを構成する。焙煎コーヒー豆は、容器10に送られ、次いで、処理デバイス60に移送される。処理デバイス60は、豆が粉砕され(異なる容器20からの別の特定の量の豆も)、製品ホルダ61に送られ、次いで最終飲料分配のために飲料調製デバイス70に移送される粉砕デバイスであり得る、又は処理デバイス(図示せず)は、粉砕デバイス及び調製又は抽出デバイス(装置60及び70をまとめた機能)であり得る。
【0041】
焙煎デバイス50は、特定のタイプの焙煎コーヒー豆の製品パラメータをコーヒー処理デバイス(粉砕デバイス又は粉砕及び抽出デバイス)に通信するためのデータ転送機能を備える。
【0042】
本発明のシステムの概略図を
図6に示す。容器40は、異なるタイプのコーヒー豆について、デバイス50内で焙煎され容器10、20に送られるコーヒー豆(生豆及び/又は部分焙煎豆)を含む。容器10、20は、粉砕デバイス60に差し込まれて、特定のブレンドを製品ホルダ61に供給し、調製デバイス70に差し込まれると、コーヒー飲料をカップ71に供給する。
【0043】
図7は、
図6に表されるシステムの主な構成要素及び接続部、すなわち、焙煎デバイス50、容器10、20、分配又は粉砕デバイス60、及び調製又は抽出デバイス70を表す。
【0044】
図8は、コーヒー豆を含む容器40の識別手段41を示す。これらの識別手段41は、情報の中でも特に、コーヒー豆タイプ及び/若しくは原産地、及び/又はバッチ量、及び/又は有効期限、及び/又は推奨焙煎レベルに関する情報を含む。焙煎デバイス50内の読取手段53は、この情報を読み出し、その結果、特定のパラメータに従って焙煎を行う。
【0045】
図9は、容器40からの豆が、容器10、20の一方、次いで粉砕デバイス60に送られる前に、焙煎のために焙煎デバイス50に供給されることを示す。
図10は、焙煎デバイス50内の豆(生豆及び/又は部分焙煎豆)の焙煎ステップを示す。
【0046】
焙煎デバイス50は開放しており(
図12)、粉砕デバイス60に差し込まれた容器10又は20のうちの一方が外されて(
図11)、焙煎デバイス50から来る焙煎豆を受け入れることができる(
図13)。典型的には、焙煎デバイス50は、未焙煎及び/又は部分焙煎豆が容器40から供給され、後に焙煎される取り外し可能なバスケットを備える。バスケットは、焙煎デバイス50から取り外すことができ、次いで、焙煎豆は、後で粉砕デバイス60に差し込まれる容器10又は20に送ることができる(
図14)。
【0047】
図16は、本発明のシステムにおける焙煎ステップを概略的に示す。焙煎が完了すると、粉砕が行われ(
図18)、粉砕コーヒー(コーヒーブレンド)が、後で調製又は抽出デバイス70に差し込まれる製品ホルダ61に送られる(
図17)。調製又は抽出デバイス70における飲料調製及びカップ71への飲料の供給が、
図15に示される。
【0048】
図19及び
図20は、異なる容器10、20に入れることができるために異なるコーヒーブレンドを調製することができる、異なるタイプのコーヒー豆を概略的に示す。本発明のシステムは、高い汎用性を可能にし、容器10、20を粉砕又は分配デバイス60(プラグアンドプレイ型システム)に迅速に差し抜きすることができる。
【0049】
第2の目的によれば、本発明は、記載される焙煎及び粉砕装置を使用してコーヒー豆を焙煎及び粉砕するための方法に関する。
【0050】
第3の目的によれば、本発明は更に、焙煎及び粉砕されたコーヒー豆のブレンドを特定量で供給するための、記載される焙煎及び粉砕装置の使用に関する。
【0051】
図面に示される実施形態は、好ましい実施形態に過ぎないこと、しかしながら、システムの他の設計も使用できることが、当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】