(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】芳香族エーテル化合物の調製方法
(51)【国際特許分類】
C07D 215/28 20060101AFI20230711BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20230711BHJP
A61K 31/47 20060101ALI20230711BHJP
A61K 31/4709 20060101ALI20230711BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
C07D215/28
C07D401/12
A61K31/47
A61K31/4709
A61P31/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576160
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 CN2021096279
(87)【国際公開番号】W WO2021258979
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】202010573569.2
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521129576
【氏名又は名称】江▲蘇▼▲亞▼虹医▲薬▼科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU YAHONG MEDITECH CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】D-1009,New Drug Innovation Base,No.1,Yaocheng Avenue,CMC,Taizhou,Jiangsu 225316,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】522049004
【氏名又は名称】上▲海▼▲亜▼虹医▲薬▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ASIERIS PHARMACEUTICALS(SHANGHAI)CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】12F,Building 56,No.1000 Jinhai Road,City Of Elite,Pudong,Shanghai 201203,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 亮
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲チェン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 一▲軍▼
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB08
4C063CC14
4C063DD03
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA04
4C086BC28
4C086NA02
4C086ZB35
(57)【要約】
芳香族エーテル化合物の調製方法。調製方法は、以下の工程:c)溶媒中で、触媒及びアルカリの存在下で、化合物Vを化合物6と反応させて化合物VIIを得る工程を含み、
【化1】
溶媒が、水、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル及びジオキサンから選択される2つ以上の成分を有する溶媒系である。本発明による芳香族エーテル化合物の調製方法によれば、反応の変換率が大幅に改善され得、かつ、それにより工程の収率及び全反応経路の総収率が向上され、化合物VIIを調製するための後処理及び精製操作が大幅に簡略化され並びに、簡単な反応溶液のろ過、ろ過ケーキの洗浄及び乾燥のみによって、高い純度を有する化合物VIIを得ることができる。この調製方法は、工業的なスケールアップ生産に好適である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式VIIの化合物の調製方法であって、以下の工程:
c)化合物Vを、溶媒中で、触媒及び塩基の存在下で、化合物6と反応させて、化合物VIIを得る工程、
を含み、
【化1】
式中、環Aは、芳香族環又は複素芳香族環、好ましくは、6~10員の芳香族環又は5~10員の複素芳香族環、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環又はキノリン環であり、環Aの炭素にヒドロキシ基が結合し、
各R
1は、
【化2】
からなる群から独立して選択され、
式中、各R
2は独立してC
1~C
20アルキル、好ましくは、C
1~C
6アルキル、より好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、Xはハロゲン、好ましくは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、
kは、0から環A上で置換可能な最大数までであり、好ましくは、kは0~6の整数であり、より好ましくは、kは0~4の整数であり、さらにより好ましくは、kは0、1又は2であり、最も好ましくは、kは1であり、
使用される溶媒が、水、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル及びジオキサンからなる群から選択される二元以上の溶媒系であることを特徴とする、調製方法。
【請求項2】
工程c)で、化合物Vが、
【化3】
m及びnが、それぞれ独立して0、1、2又は3であり、好ましくは、
【化4】
m及びnが、それぞれ独立して0、1、2又は3であり、より好ましくは、
【化5】
さらにより好ましくは、
【化6】
であることを特徴とする、請求項1に記載の式VIIの化合物の調製方法。
【請求項3】
工程c)で、化合物Vが、
【化7】
であり、化合物VIIが、
【化8】
であり、m及びnが、それぞれ独立して0、1、2又は3であり、
好ましくは、化合物Vが、
【化9】
であり、化合物VIIが、
【化10】
であり、m及びnが、それぞれ独立して0、1、2又は3であり、
より好ましくは、化合物Vが、
【化11】
であり、化合物VIIが、
【化12】
であり、
さらにより好ましくは、化合物Vが、
【化13】
であり、化合物VIIが、
【化14】
であることを特徴とする、請求項1に記載の式VIIの化合物の調製方法。
【請求項4】
工程c)で、使用される前記溶媒が、水、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル及びジオキサンからなる群から選択される二元溶媒系又は三元溶媒系であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の式VIIの化合物の調製方法。
【請求項5】
工程c)で、前記溶媒が、
水/テトラヒドロフラン、水/2-メチルテトラヒドロフラン及び水/酢酸エチルの二元溶媒系のいずれか1つ又は、
水/2-メチルテトラヒドロフラン/テトラヒドロフラン及び水/2-メチルテトラヒドロフラン/ジオキサンの三元溶媒系のいずれか1つであり、
溶媒が、好ましくは、水/テトラヒドロフランの二元溶媒系又は水/2-メチルテトラヒドロフラン/テトラヒドロフランの三元溶媒系であり、
より好ましくは、水/2-メチルテトラヒドロフラン/テトラヒドロフランの三元溶媒系であり、
二元溶媒系で、有機溶媒に対する水の体積比が、好ましくは10:15~15:0.1、より好ましくは、0.8:1~1.2:1、さらにより好ましくは1:1であり、
三元溶媒系で、3つの体積比が、好ましくは、10:15:15~15:5:5、より好ましくは、3:2:1~2.25:0.5:1、さらにより好ましくは2:1:1であることを特徴とする、請求項1~3いずれか一項に記載の式VIIの化合物の調製方法。
【請求項6】
工程c)で、前記触媒が、第四級アンモニウム相間移動触媒であり、好ましくは、水酸化テトラブチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム及び塩化テトラブチルアンモニウムの1つ又は複数であり、より好ましくは、水酸化テトラブチルアンモニウムであり、
好ましくは、工程c)で、前記塩基が、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムの1つ又は両方、好ましくは、重炭酸ナトリウムであり、
好ましくは、工程c)で、触媒に対する化合物Vのモル比が、1:0.01~1:0.3、好ましくは、1:0.05~1:0.2、より好ましくは1:0.1であり、
好ましくは、工程c)で、塩基に対する化合物Vのモル比が、1:2.5~1:15、好ましくは、1:6~1:10、より好ましくは1:6~1:8、さらにより好ましくは、1:7~1:8であり、
好ましくは、工程c)で、化合物6に対する化合物Vのモル比が、1:1~1:5、好ましくは、1:2~1:3、より好ましくは1:2.5~1:2.7であり、
好ましくは、工程c)で、化合物Vに対する溶媒の体積/質量比が、20mL/g~50mL/g、好ましくは、24mL/g~45mL/g、より好ましくは25mL/g~40mL/g、さらにより好ましくは25mL/g~35mL/g、さらにいっそうより好ましくは30mL/gであり、
好ましくは、工程c)で、前記反応の反応温度が20℃~35℃、好ましくは25℃~30℃であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の式VIIの化合物の調製方法。
【請求項7】
工程c)の前に、以下の工程:
b)化合物3を、溶媒中で、塩基の存在下で、加水分解して、化合物4を得る工程、
をさらに含み、
【化15】
工程b)で、前記溶媒が、好ましくは2-メチルテトラヒドロフラン及び水の混合溶媒であり、前記塩基が、好ましくは水酸化リチウムであり、
好ましくは、工程b)の前に、以下の工程:
a)化合物1を、溶媒中で、塩基の存在下で、化合物2と反応させて、化合物3を得る工程、
をさらに含み、
【化16】
工程a)で、前記溶媒が、好ましくはジクロロメタンであり、前記塩基が、好ましくはトリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンの1つ又は両方、より好ましくはトリエチルアミンであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の式VIIの化合物の調製方法。
【請求項8】
式VIIIの化合物の調製方法であって、以下の工程:
d)化合物4を、溶媒中で、塩基の存在下で、化合物VIIと反応させて、化合物VIIIを得る工程、
を含み、
【化17】
式中、環Aは、芳香族環又は複素芳香族環、好ましくは、6~10員の芳香族環又は5~10員の複素芳香族環、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環又はキノリン環であり、環Aの炭素に-OCH
2Clが結合し、
各R
1は、
【化18】
からなる群から独立して選択され、
式中、各R
2は独立してC
1~C
20アルキル、好ましくは、C
1~C
6アルキル、より好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、Xはハロゲン、好ましくは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、
kは、0から環A上で置換可能な最大数までであり、好ましくは、kは0~6の整数であり、より好ましくは、kは0~4の整数であり、さらにより好ましくは、kは0、1又は2であり、最も好ましくは、kは1であり、
化合物VIIが、請求項1~7のいずれか一項に記載の式VIIの化合物の調製方法によって、調製され、
工程d)で、前記溶媒が、好ましくはDMF、NMP及びACNの1つ又は複数、より好ましくはDMFであり、
工程d)で、前記塩基が、好ましくは炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸ナトリウムの1つ又は複数、より好ましくは炭酸カリウムであり、
工程d)で、塩基に対する化合物4のモル比が、好ましくは1~1.5:1、より好ましくは、1.2:1であり、
工程d)で、化合物VIIに対する化合物4のモル比が、好ましくは1~1.5:1、より好ましくは、1.2:1であり、
工程d)で、化合物4の質量に対する溶媒の体積比が、好ましくは8:1mL/g~12:1mL/g、より好ましくは10:1mL/gであり、
工程d)で、前記反応の反応温度が、好ましくは20℃~30℃であることを特徴とする、調製方法。
【請求項9】
工程d)の後、化合物VIIIを分離して、かつ、精製する工程e)
をさらに含み、
工程e)が、好ましくは以下の工程:
工程d)で得られた化合物VIIIを、良溶媒(positive solvent)に溶解させて、その後、溶液を貧溶媒と混合して化合物VIIIの結晶形態を得る工程、
を含み、
前記良溶媒が、好ましくは酢酸エチル、前記貧溶媒が、好ましくは石油エーテルであることを特徴とする、請求項8に記載の式VIIIの化合物の調製方法。
【請求項10】
化合物VIIが、
【化19】
であり、
化合物VIIIが、
【化20】
であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の式VIIIの化合物の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族エーテル化合物の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ニトロキソリンは、商用の抗菌薬剤であり、尿路感染症の治療に長く使用されている。最近の発見では、ニトロキソリンが、血管新生を阻害し並びにがん細胞の成長及び浸潤を阻害することにも非常に有効であることが示され、現在、抗腫瘍用途での開発が行われている。ヒトの薬物動態の研究は、ニトロキソリンが血液循環中に急速に吸収され得ることを示している。しかしながら、薬剤に対する肝臓の深刻な初回通過効果により、その生物学的半減期は、非常に短く(中国のJiangsu Yahong Meditech Technology Co. Ltdによって実施された単群、非盲検、多施設共同第II相臨床試験で、その半減期が1.22~1.44時間であると示された)、したがって、頻繁な投与が必要である。継続的な薬剤暴露を維持するために、ニトロキソリン薬剤は一般的に、1日3回(TID)又は1日4回(QID)投与するように処方されるが、これは経済的損失をもたらすだけでなく、患者の服薬順守を助長するものではないが、より深刻な結果として、身体に対する薬剤の持続的な損傷を増加させる。その一方で、ニトロキソリンの非常に低い水溶性によって、通常、即時放出製剤(immediate-release formulation)として調製して溶解性を向上させる必要があり、これによって製造コストが実質的に増加する。
【0003】
プロドラッグは、活性薬剤の化学的修飾によって得られる化合物であり、生体内では酵素の作用によって元の薬剤に変換され、その効果を発揮する。プロドラッグは、薬剤の研究開発で幅広く使用され、適用で良好な効果を有する数多くの様々な薬剤の開発に成功している。プロドラッグ戦略は、その物理的及び化学的特性、たとえば、1)薬剤の悪臭の除去、2)薬剤の血中濃度の上昇、3)薬剤の脂溶性又は水溶性の向上、4)薬剤の作用時間の延長、5)薬剤の投与経路の変更等により、活性剤のいくつかの欠陥を解決することができる。
【0004】
((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチルイソブチリル-L-プロリネートは、ニトロキソリンのプロドラッグであり、ニトロキソリンの上述の欠陥を解決することができる。現在、国際公開第2020/063824号のみが、((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチルイソブチリル-L-プロリネートの調製方法を開示し、調製方法は以下に詳述される。
【0005】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の調製方法では、第一の反応工程の変換率が低く、この工程の低い収率につながり、かつ、最終的に全合成経路の低い収率につながる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の調製方法中の第一の反応工程の低い変換率の技術的課題を解決するために、本発明は、芳香族エーテル化合物の調製方法を提供する。
【0009】
したがって、本発明の目的は、以下の工程:
c)化合物Vを、溶媒中で、触媒及び塩基の存在下で、化合物6と反応させて、化合物VIIを得る工程を含み、
【化2】
式中、環Aは、芳香族環又は複素芳香族環、好ましくは、6~10員の芳香族環又は5~10員の複素芳香族環、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環又はキノリン環であり、環Aの炭素にヒドロキシ基が結合し、
各R
1は、
【化3】
からなる群から独立して選択され、式中、各R
2は独立してC
1~C
20アルキル、好ましくは、C
1~C
6アルキル、より好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、Xはハロゲン、好ましくは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、kは、0から環A上で置換可能な最大数までであり、好ましくは、kは0~6の整数であり、より好ましくは、kは0~4の整数であり、さらに好ましくは、kは0、1又は2であり、最も好ましくは、kは1であり、
使用される溶媒が、水、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル及びジオキサンからなる群から選択される二元以上の溶媒系である、式VIIの化合物の調製方法を提供することである。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、工程c)で、化合物Vが、
【化4】
m及びnが、それぞれ独立して0、1、2又は3であり、好ましくは、
【化5】
m及びnが、それぞれ独立して0、1、2又は3であり、より好ましくは、
【化6】
さらにより好ましくは、
【化7】
である、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0011】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程c)で、化合物Vが、
【化8】
であり、化合物VIIが、
【化9】
であり、m及びnが、それぞれ独立して0、1、2又は3であり、
好ましくは、化合物Vが、
【化10】
であり、化合物VIIが、
【化11】
であり、m及びnが、それぞれ独立して0、1、2又は3であり、
より好ましくは、化合物Vが、
【化12】
であり、化合物VIIが、
【化13】
であり、
さらにより好ましくは、化合物Vが、
【化14】
であり、化合物VIIが、
【化15】
である、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0012】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程c)で、ハロゲンが、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0013】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程c)で、使用される溶媒が、水、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル及びジオキサンからなる群から選択される二元溶媒系又は三元溶媒系である、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0014】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程c)で、溶媒が、水/テトラヒドロフラン、水/2-メチルテトラヒドロフラン及び水/酢酸エチルの二元溶媒系のいずれか1つ又は、水/2-メチルテトラヒドロフラン/テトラヒドロフラン及び水/2-メチルテトラヒドロフラン/ジオキサンの三元溶媒系のいずれか1つであり、溶媒が、好ましくは、水/テトラヒドロフランの二元溶媒系又は水/2-メチルテトラヒドロフラン/テトラヒドロフランの三元溶媒系であり、より好ましくは、水/2-メチルテトラヒドロフラン/テトラヒドロフランの三元溶媒系である、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。二元溶媒系で、有機溶媒に対する水の体積比が、好ましくは10:15~15:0.1、より好ましくは、0.8:1~1.2:1、さらにより好ましくは1:1である。三元溶媒系で、3つの体積比が、好ましくは、10:15:15~15:5:5、より好ましくは、3:2:1~2.25:0.5:1、さらにより好ましくは2:1:1であり、ここで、「3つの体積比」は、上述の三元溶媒系で、順番に現れる3つの物質の体積比を意味する。
【0015】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程c)で、触媒が、従来の第四級アンモニウム相間移動触媒、好ましくは、水酸化テトラブチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム及び塩化テトラブチルアンモニウムの1つ又は複数、より好ましくは、水酸化テトラブチルアンモニウムである、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0016】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程c)で、塩基が、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムの1つ又は両方、好ましくは、重炭酸ナトリウムである、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0017】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程c)で、触媒に対する化合物Vのモル比が、1:0.01~1:0.3、好ましくは、1:0.05~1:0.2、より好ましくは1:0.1である、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0018】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程c)で、塩基に対する化合物Vのモル比が、1:2.5~1:15、たとえば、1:3、好ましくは、1:6~1:10、より好ましくは1:6~1:8、さらにより好ましくは、1:7~1:8である、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0019】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程c)で、化合物6に対する化合物Vのモル比が、1:1~1:5、好ましくは、1:2~1:3、より好ましくは1:2.5~1:2.7である、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0020】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程c)で、化合物Vに対する溶媒の体積/質量比が、20mL/g~50mL/g、好ましくは、24mL/g~45mL/g、より好ましくは25mL/g~40mL/g、さらにより好ましくは25mL/g~35mL/g、最も好ましくは30mL/gである、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0021】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程c)で、反応の反応温度が20℃~35℃、好ましくは25℃~30℃である、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0022】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、調製方法が、工程c)の前に、以下の工程:b)化合物3を、溶媒中で、塩基の存在下で、加水分解して、化合物4を得る工程、をさらに含み得、
【化16】
工程b)で、溶媒が、好ましくは2-メチルテトラヒドロフラン及び水の混合溶媒であり、塩基が、好ましくは水酸化リチウムである、本発明による式VIIの化合物の調製方法が提供される。
【0023】
調製方法が、工程b)の前に、以下の工程:a)化合物1を、溶媒中で、塩基の存在下で、化合物2と反応させて、化合物3を得る工程、をさらに含み得る。
【化17】
【0024】
工程a)で、溶媒が、好ましくはジクロロメタンであり、塩基が、好ましくはトリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンの1つ又は両方、より好ましくはトリエチルアミンである。
【0025】
本発明は、調製方法が、以下の工程:d)化合物4を、溶媒中で、塩基の存在下で、化合物VIIと反応させて、化合物VIIIを得る工程、を含み、
【化18】
式中、環Aは、芳香族環又は複素芳香族環、好ましくは、6~10員の芳香族環又は5~10員の複素芳香族環、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環又はキノリン環であり、環Aの炭素に-OCH
2Clが結合し、
各R
1は、
【化19】
からなる群から独立して選択され、式中、各R
2は独立してC
1~C
20アルキル、好ましくは、C
1~C
6アルキル、より好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルであり、Xはハロゲン、好ましくは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、kは、0から環A上で置換可能な最大数までであり、好ましくは、kは0~6の整数であり、より好ましくは、kは0~4の整数であり、さらに好ましくは、kは0、1又は2であり、最も好ましくは、kは1であり、化合物VIIが、本発明の式VIIの化合物の調製方法によって、調製されることを特徴とする、式VIIIの化合物の調製方法をさらに提供する。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、工程d)で、溶媒が、DMF、NMP及びACNの1つ又は複数、好ましくはDMFである、本発明による式VIIIの化合物の調製方法が提供される。
【0027】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程d)で、塩基が、炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸ナトリウムの1つ又は複数、好ましくは炭酸カリウムである、本発明による式VIIIの化合物の調製方法が提供される。
【0028】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程d)で、塩基に対する化合物4のモル比が、1~1.5:1、好ましくは、1.2:1である、本発明による式VIIIの化合物の調製方法が提供される。
【0029】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程d)で、化合物VIIに対する化合物4のモル比が、1~1.5:1、好ましくは、1.2:1である、本発明による式VIIIの化合物の調製方法が提供される。
【0030】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程d)で、化合物4の質量に対する溶媒の体積比が、8:1mL/g~12:1mL/g、好ましくは10:1mL/gである、本発明による式VIIIの化合物の調製方法が提供される。
【0031】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程d)で、反応の反応温度が、20℃~30℃である、本発明による式VIIIの化合物の調製方法が提供される。
【0032】
調製方法が、工程d)の後、化合物8を分離して、かつ、精製する工程e)も含む、本発明による式VIIIの化合物の調製方法が提供される。工程e)が、好ましくは以下の工程:工程d)で得られた化合物VIIIを、良溶媒(positive solvent)に溶解させて、その後、溶液を貧溶媒と混合して化合物VIIIの結晶形態を得る工程、を含む。工程e)が、より好ましくは以下の工程:工程d)に記載した反応の完了後、得られた混合溶液を水と混合する工程、有機相を得るために液-液分離を実施する工程、酢酸エチルを用いて有機相を抽出する工程、水を除去する工程、その後、粗生成物を得るために減圧下で有機相を濃縮する工程、良溶媒中に粗生成物を溶解させる工程及びその後、化合物VIIIの結晶形態を得るために溶液を貧溶媒と混合する工程、を含み、水の除去には飽和塩水が使用され得、好ましくは、飽和塩水を用いて水を除去した後、無水硫酸ナトリウム上での乾燥が実施され、かつ、ろ過の後、減圧下で濃縮が実施され、良溶媒が、好ましくは酢酸エチルであり、貧溶媒が、好ましくは石油エーテルである。
【0033】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物VIIが、
【化20】
であり、化合物VIIIが、
【化21】
である、本発明による式VIIIの化合物の調製方法が提供される。
【0034】
本技術分野で常識に反しないことに基づいて、上述の好ましい条件を任意に組み合わせて、本発明の好ましい実施例を得ることができる。
【0035】
本発明で使用される試薬及び材料は、全て市販で入手可能である。
【0036】
本発明の有益な効果は、本発明の芳香族エーテル化合物の調製方法が、上述の第一の反応工程の変換率を大幅に改善し、それによって、この工程の収率及び全反応経路(化合物VIIIを製造するための反応経路)の全体の収率を改善し得ることである。本発明の芳香族エーテル化合物の調製方法は、化合物VIIを調製するための後処理及び精製操作を大幅に簡略化する。高い純度を有する化合物VIIは、簡単な反応溶液のろ過並びにろ過ケーキの洗浄及び乾燥のみによって得ることができ、かつ、ろ液中の化合物VIIも、簡単な濃縮及び結晶化によって抽出することができ、これによって、カラムクロマトグラフィー等の工業的に困難な精製手段を回避する。したがって、この調製方法は、工業的なスケールアップ生産に好適である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
実施例を参照して、下に、本発明をより詳細に説明する。本発明の実施例は、本発明の技術的解決策を例示するためにのみ使用され、本発明の本質及び範囲を限定するものでない。
【0038】
以下、TEAはトリエチルアミンであり、DCMはジクロロメタンであり、2‐Me‐THFは2-メチルテトラヒドロフランであり、TBAOHは水酸化テトラ-n-ブチルアンモニウムであり、THFはテトラヒドロフランであり、DMFは、N,N-ジメチルホルムアミドである。
【0039】
以下、LCMSは、Agilent 1260 infinity II 液相 + G6125Bシングル四重極質量分析器を適用する。
【0040】
以下、サンプルの純度を分析する方法は、以下の通りである:流速1.5mL/分及び210nm及び254nmの検出波長で、移動相としてアセトニトリル-水を用いて、Kinetex EVO C18 (50×4.6mm, 5μm, 100Å)クロマトグラフィーカラムを使用して、グラジエント溶出を実施する。
【0041】
以下、水素分光器のモデルは、WNMR-I-400MHzである。
【0042】
以下、担体として、Yantai Huanghaiシリカゲル200-300メッシュシリカゲルを用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施した。
【0043】
実施例の合成経路は、以下の通りである。:
【0044】
【0045】
【0046】
実施例1 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(1g、5.28mmol、1当量)を1Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(2.64g、31.7mmol、6当量)を加えた。その後、水20mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(0.34g、0.528mmol、0.1当量、水中40質量%)及びTHF20mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(1.74g、10.56mmol、2.0当量)をゆっくりと反応フラスコに滴下(added dropwise)し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が82.7%であったことを示した。
【0047】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0048】
実施例2 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(1g、5.28mmol、1当量)を1Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(2.64g、31.7mmol、6当量)を加えた。その後、水20mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(0.34g、0.528mmol、0.1当量、水中40質量%)及び2-Me-THF20mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(1.74g、10.56mmol、2.0当量)をゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が75.2%であったことを示した。
【0049】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0050】
実施例3 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(1g、5.28mmol、1当量)を1Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(2.64g、31.7mmol、6当量)を加えた。その後、水20mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(0.34g、0.528mmol、0.1当量、水中40質量%)及び酢酸エチル20mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(1.74g、10.56mmol、2.0当量)をゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が73.8%であったことを示した。
【0051】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0052】
実施例4 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(5g、26.3mmol、1当量)を1Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(15.5g、197.3mmol、7.5当量)を加えた。その後、水100mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(1.7g、2.63mmol、0.1当量、水中40質量%)及びTHF80mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(10.9g、65.8mmol、2.5当量)をTHF20mLに溶解させて、ゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が98.1%であったことを示した。
【0053】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0054】
実施例5 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(5g、26.3mmol、1当量)を1Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸カリウム(19.8g、197.3mmol、7.5当量)を加えた。その後、水100mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(1.7g、2.63mmol、0.1当量、水中40質量%)及び2-Me-THF80mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(10.9g、65.8mmol、2.5当量)を2-Me-THF20mLに溶解させて、ゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が80%であったことを示した。
【0055】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0056】
実施例6 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(10g、52.6mmol、1当量)を3Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(35.7g、426.2mmol、8.1当量)を加えた。その後、水200mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(3.4g、5.26mmol、0.1当量、水中40質量%)及びTHF150mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(23.4g、142.1mmol、2.7当量)をTHF50mLに溶解させて、ゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が77.9%であったことを示した。
【0057】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0058】
実施例7 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(10g、52.6mmol、1当量)を3Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(33.1g、394.6mmol、7.5当量)を加えた。その後、水200mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(3.4g、5.26mmol、0.1当量、水中40質量%)及びTHF150mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(21.7g、131.6mmol、2.5当量)をTHF50mLに溶解させて、ゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が95.8%であったことを示した。
【0059】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0060】
実施例8 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(10g、52.6mmol、1当量)を3Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(33.1g、394.6mmol、7.5当量)を加えた。その後、水200mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(3.4g、5.26mmol、0.1当量、水中40質量%)、2-Me-THF100mL及びTHF50mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(21.7g、131.6mmol、2.5当量)をTHF50mLに溶解させて、ゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が98.7%であったことを示した。
【0061】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0062】
実施例9 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(10g、52.6mmol、1当量)を3Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(33.1g、394.6mmol、7.5当量)を加えた。その後、水150mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(3.4g、5.26mmol、0.1当量、水中40質量%)、2-Me-THF75mL及びTHF50mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(21.7g、131.6mmol、2.5当量)をTHF25mLに溶解させて、ゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が97.1%であったことを示した。
【0063】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0064】
実施例10 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(10g、52.6mmol、1当量)を3Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(33.1g、394.6mmol、7.5当量)を加えた。その後、水100mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(3.4g、5.26mmol、0.1当量、水中40質量%)、2-Me-THF50mL及びTHF35mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(21.7g、131.6mmol、2.5当量)をTHF15mLに溶解させて、ゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が85.8%であったことを示した。
【0065】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0066】
実施例11 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(30g、157.8mmol、1当量)を3Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(99.4g、1183.2mmol、7.5当量)を加えた。その後、水450mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(10.24g、15.8mmol、0.1当量、水中40質量%)、2-Me-THF100mL及びTHF150mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(65.1g、394.4mmol、2.5当量)をTHF50mLに溶解させて、ゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が89.2%であったことを示した。
【0067】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0068】
実施例12 ((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチルイソブチリル-L-プロリネート(8)の調製
【0069】
1. 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(30g、157.8mmol、1当量)を3Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(99.4g、1183.2mmol、7.5当量)を加えた。その後、水450mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(10.24g、15.8mmol、0.1当量、水中40質量%)、2-Me-THF300mL及びTHF100mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(65.1g、394.4mmol、2.5当量)をTHF50mLに溶解させて、ゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が88.0%であったことを示した。その後、混合系をろ過して、ろ過ケーキを水50mLですすぎ、乾燥させて、22gの生成物を黄色固体として、収率59%及び純度92%で得た。
【0070】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 9.18 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 9.06 (m, 1H), 8.51 (dd, J=8.8 Hz, 1.2Hz, 1H), 7.76 (m, 1H),7.45 (d, J=1.2 Hz, 1H), 6.25 (s, 2H)。
【0071】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1[M + H]+。
【0072】
2. メチルイソブチリル-L-プロリネート(3)の調製
L‐プロリン酸メチル塩酸塩(1)(30g、181.1mmol)を、1Lの三口フラスコに入れ、ジクロロメタン300mLを加えて、混合物を氷浴で冷却した。窒素雰囲気下、撹拌しながらトリエチルアミン(37.6g、371.3mmol)をゆっくりと滴下し、混合物を20分間撹拌した。その後、塩化イソブチリル(2)(20.3g、190.2mmol)を、0~10℃でゆっくりと滴下して、混合物を1時間撹拌した。その後、反応が停止するまで2時間、反応の温度を20℃まで上昇させた。その後、水30mLを加えて、混合物を静置して、液‐液分離を実施して有機相を得た。有機相を、減圧下で、濃縮した。濃縮によって得られた粗生成物を、酢酸エチル150mLに溶解させて、その後、水30mL及び飽和塩水30mLで、順次洗浄した。得られた有機相を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、ろ過した。減圧下で、ろ液を濃縮して、34.8gのメチルイソブチリル-L-プロリネート(3)を無色油として、収率96.4%及び純度96.5%で得た。
【0073】
計算したMS:199.2、測定されたMS:200.2 [M + H]+。
【0074】
3. イソブチリル-L-プロリン(4)の調製
メチルイソブチリル-L-プロリネート(3)(34.8g、124.5mmol)を、2-Me-THF210mLに溶解させて、水140mLを加えて、その後、LiOH H2O(10.4g、249.0mmol)を加えた。反応溶液を、20℃で、2時間撹拌した。反応が停止した後、反応溶液を静置して、液‐液分離を実施して、水性相を得た。水性HCl(35mL、6N)を用いて、水性相のpHを4~5に調整して、ジクロロメタン(70mL×2)を用いて、水性相を抽出した。得られた有機相を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、ろ過した。減圧下で、ろ液を濃縮して、29.5gのイソブチリル-L-プロリン(4)を白色固体として、収率91.3%及び純度99%で得た。
【0075】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.47 (s,1H), 4.20-4.24 (m, 1H), 3.58-3.55 (m, 2H), 2.68-2.65 (m, 1H), 2.19-2.14 (m, 1H), 1.92-1.85 (m, 2H), 1.83-1.78 (m, 1H) , 0.95 (d, J=3.6 Hz, 3H), 0.89 (d, J=3.6 Hz, 3H)。
【0076】
計算したMS:185.2、測定されたMS:186.2 [M + H]+。
【0077】
4. ((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチルイソブチリル-L-プロリネート(8)の調製
イソブチリル-L-プロリン(4)(40g、215.6mmol、1.2当量)を、乾燥DMF400mLに溶解させて、室温で撹拌しながら、炭酸カリウム(25g、179.6mmol、1.0当量)を加えた。室温で、25分間撹拌した後、5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)(42.8g、179.6mmol、1.0当量)を加えて、反応のために、混合物を、室温で1.5時間保持した。反応が停止した後、水2Lを加えて反応溶液を希釈して、その後、液‐液分離を実施して、有機相を得た。有機相を、酢酸エチル(1L×2)を用いて抽出して、飽和塩水1Lを用いて洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、ろ過した。減圧下で、ろ液を濃縮して、65gの粗生成物を得た。室温で、粗生成物を酢酸エチル130mLに溶解させて、石油エーテル390mLを加えることによって、再結晶させた。結晶をろ過して、62gの((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチルイソブチリル-L-プロリネート(8)を、収率99.1%及び純度89.2%で得た。
【0078】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 9.05 (d, J = 4.0 Hz,1H), 9.00 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.56 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.89-7.86 (dd, J = 4.0 Hz,8.8Hz, 1H), 7.55 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.24-6.11 (m, 2H), 4.36-4.33 (m, 1H), 3.58-3.55 (m, 2H), 2.68-2.65(m, 1H), 2.19-2.14(m, 1H), 1.92-1.85 (m, 2H), 1.83-1.78 (m, 1H), 0.95 (d, J=6.8 Hz, 3H), 0.89 (d, J=6.8 Hz, 3H)。
【0079】
計算したMS:387.3、測定されたMS:388.3 [M + H]+。
【0080】
実施例13 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(10g、52.6mmol、1当量)を3Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(33.1g、394.6mmol、7.5当量)を加えた。その後、水150mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(3.4g、5.26mmol、0.1当量、水中40質量%)、2-Me-THF75mL及びTHF50mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(21.7g、131.6mmol、2.5当量)をTHF25mLに溶解させて、ゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が93.5%であったことを示した。その後、混合系をろ過して、ろ過ケーキを水50mLですすぎ、乾燥させて、7gの生成物を黄色固体として、収率56%及び純度98.1%で得た。
【0081】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 9.18 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 9.06 (m,1H), 8.51 (dd, J=8.8 Hz, 1.2Hz,1H), 7.76 (m, 1H),7.45 (d, J=1.2 Hz, 1H), 6.25 (s, 2H)。
【0082】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1 [M + H]+。
【0083】
実施例14 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
化合物5(30g、157.8mmol、1当量)を3Lの丸底フラスコに入れ、重炭酸ナトリウム(79.5g、947mmol、6当量)を加えた。その後、水360mLを加え、室温で、混合物を撹拌した。その後、水酸化テトラブチルアンモニウムの水性溶液(10.24g、15.8mmol、0.1当量、水中40質量%)、2-Me-THF180mL及びTHF140mLを加え、室温で30分間、混合物を撹拌した。化合物6(52.1g、315.5mmol、2当量)をTHF40mLに溶解させて、ゆっくりと反応フラスコに滴下し、滴下中の温度を25℃~30℃に維持した。滴下を約15分間続け、反応のために、混合物を、25~30℃で1.5時間、保持した。大量の化合物7が沈殿した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が90.4%であったことを示した。その後、混合系をろ過して、ろ過ケーキを水50mLですすぎ、乾燥させて、25gの生成物を黄色固体として、収率66.4%及び純度96.5%で得た。
【0084】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 9.18 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 9.06 (m,1H), 8.51 (dd, J=8.8 Hz, 1.2Hz,1H), 7.76 (m, 1H),7.45 (d, J=1.2 Hz, 1H), 6.25 (s, 2H)。
【0085】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1 [M + H]+。
【0086】
比較例1 ((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチルイソブチリル-L-プロリネート(8)の調製
【0087】
【0088】
工程1 5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)の調製
重炭酸ナトリウムの水性溶液(150mL、0.88mol/L)及び硫酸水素テトラブチルアンモニウム(1.78g、5.24mmol)を、室温で、ジクロロメタン(150mL)のニトロキソリン(5)(10.00g、52.59mmol)の溶液に加え、混合物を20分間撹拌した。クロロスルホン酸クロロメチル(17.44g、105.7mmol)を反応系に滴下して、室温で、16時間撹拌した。その後、反応によって得られた混合系を、LCMSによって分析し、結果は、化合物5の変換率が30.7%であったことを示した。その後、反応溶液をろ過して、液‐液分離を実施して、有機相を得た。有機相を、炭酸カリウムの飽和溶液(20mL)及び飽和塩水(20mL)で順次洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、ろ過した。減圧下で、ろ液を濃縮した。その後、得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、ジクロロメタン:メタノール=20:1、比は体積比である)によって精製して、2.5gの5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)を、収率20%及び純度98%で得た。
【0089】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 9.18 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 9.06 (m,1H), 8.51 (dd, J=8.8 Hz, 1.2Hz, 1H), 7.76 (m, 1H), 7.45 (d, J=1.2 Hz, 1H), 6.25 (s, 2H)。
【0090】
計算したMS:238.1、測定されたMS:239.1 [M + H]+。
【0091】
工程2 1-(tert-ブチル)2-(((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチル)(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(9)の調製
5-ニトロ-8-クロロメトキシキノリン(7)(1.5g、6.3mmol)及びBoc-L-プロリン(2.02g、9.4mmol)を、室温で、DMF15mLに溶解させて、炭酸カリウム(1.73g、12.6mmol)を加えて、室温で3時間反応させた。水70mLを反応溶液に加えて、液‐液分離を実施して、有機相を得た。有機相を、酢酸エチル(50mL×2)を用いて抽出して、飽和塩水を用いて洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、ろ過した。減圧下で、ろ液を濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、PE:EA=1:1、比は体積比である)によって精製して、2.8gの1-(tert-ブチル)2-(((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチル)(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(9)を黄色油として、収率106%及び純度97%で得た。
【0092】
計算したMS:417.1、測定されたMS:418.2 [M + H]+。
【0093】
工程3 ((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチル)-L-プロリネート塩酸塩(10)の調製
1-(tert-ブチル)2-(((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチル)(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(9)(2.8g、6.71mmol)を、0℃で、ジオキサン(4M)中のHCl溶液30mLに入れ、混合物を室温で20分間撹拌した。反応溶液を、減圧下で濃縮して、2.3gの((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチル)L-プロリネート塩酸塩(10)を白色固体として、収率97%及び純度96%で得た。
【0094】
計算したMS:317.1、測定されたMS:318.1 [M + H]+。
【0095】
工程4 ((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチルイソブチリル-L-プロリネート(8)の調製
((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチル)L-プロリネート塩酸塩(10)(150mg、0.43mmol)を、室温でDCM10mLに入れて、氷浴で0~5℃まで冷却した。塩化イソブチリル(0.86mmol)を加えて、その後、TEA(170mg、1.72mmol)をゆっくりと加えた。添加が完了した後、反応溶液を室温で20分間撹拌して、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、PE:EA=1:1、比は体積比である)によって精製して、41mgの((5-ニトロキノリン-8-イル)オキシ)メチルイソブチリル-L-プロリネート(8)を、収率24.6%及び純度99%で得た。
【0096】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 9.05 (d, J = 4.0 Hz,1H), 9.01 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.58 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.80-7.86 (dd, J = 4.0 Hz, 8.8Hz, 1H), 7.55 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.22-6.14 (m, 2H), 4.36-4.33 (m, 1H), 3.55-3.55 (m, 2H), 2.68-2.65 (m, 1H), 2.19-2.13 (m, 1H), 1.92-1.85 (m, 2H), 1.86-1.78 (m, 1H), 0.94 (d, J=6.8 Hz, 3H), 0.89 (d, J=6.8 Hz, 3H)。
【0097】
計算したMS:387.3、測定されたMS:388.3 [M + H]+。
【0098】
表1の関係する実験データによれば、本発明の芳香族エーテル化合物の調製方法は、化合物5及び化合物6の反応の変換率を大幅に改善して、化合物7を調製することができ、それによって、この工程の収率及び全反応経路(化合物8を製造するための反応経路)の全体の収率を改善し得ることがわかる。
【0099】
さらに、化合物5及び化合物6から化合物7が調製される反応が完了した場合、大量の化合物7が、反応系に沈殿する。したがって、本発明の芳香族エーテル化合物の調製方法は、化合物7を調製するための後処理及び精製操作を大幅に簡略化する。いくつかの実施例では、92%超、さらには98%超の純度を有する化合物7を、簡単な反応溶液のろ過並びにろ過ケーキの洗浄及び乾燥によって得ることができ、かつ、ろ液中の化合物7も、簡単な濃縮及び結晶化によって抽出することができ、これによって、カラムクロマトグラフィー等の工業的に困難な精製手段を回避する。したがって、上述の本発明の調製方法は、工業的なスケールアップ生産に好適である。ここで、本発明の発明者らは、化合物7に含まれるクロロメチルエーテル基は、熱と同様に酸及び塩基に対しても影響を受けやすく、調製及び精製が非常に困難であり、公開された文献での報告がほとんどないことについても説明したい。本発明の発明者らは、大量の研究を行って、本発明の化合物7の非常に有用な調製方法を開発した。
【国際調査報告】