IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中移(上海)信息通信科技有限公司の特許一覧 ▶ 中移智行網絡科技有限公司の特許一覧 ▶ 中国移▲動▼通信集▲団▼公司の特許一覧

特表2023-530651情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体
<>
  • 特表-情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体 図1
  • 特表-情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体 図2
  • 特表-情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体 図3
  • 特表-情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体 図4
  • 特表-情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体 図5
  • 特表-情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体 図6
  • 特表-情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体 図7
  • 特表-情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/07 20100101AFI20230711BHJP
【FI】
G01S19/07
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576201
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2021085131
(87)【国際公開番号】W WO2022033046
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】202010819515.X
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522479278
【氏名又は名称】中移(上海)信息通信科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】China Mobile Shanghai ICT Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 10, No. 27 Xin Jinqiao Road, Pudong New Area, Shanghai 201206, China
(71)【出願人】
【識別番号】522479289
【氏名又は名称】中移智行網絡科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CM INTELLIGENT MOBILITY
【住所又は居所原語表記】Building 10, No. 27 Xin Jinqiao Road, Pudong New Area, Shanghai 201206, China
(71)【出願人】
【識別番号】507142144
【氏名又は名称】中国移動通信集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHINA MOBILE COMMUNICATIONS GROUP CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】塗 奎
(72)【発明者】
【氏名】劉 傑
(72)【発明者】
【氏名】王 靖瑜
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062BB01
5J062CC07
5J062EE04
(57)【要約】
本出願の実施形態は、情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体を提供する。前記情報送信方法は、端末デバイスの測位のための第1情報を取得するステップであって、第1情報は、差分測位情報を含み、又は、第1情報は、環境情報又は衛星測位信号のうちの少なくとも1つ及び差分測位情報を含む、ステップ(S210)と、第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに差分測位情報を送信するステップ(S220)と、を含む。この方法により、不要な差分測位情報の送信を効果的に減少し、路側デバイス及び端末デバイスの不要なエネルギー浪費を回避し、端末デバイスによる位置情報の計算時間を節約し、システムの高精度測位の効率を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報送信方法であって、
端末デバイスの測位のための第1情報を取得するステップであって、前記第1情報は、差分測位情報を含み、又は、前記第1情報は、環境情報又は衛星測位信号のうちの少なくとも1つ及び差分測位情報を含む、ステップと、
前記第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに前記差分測位情報を送信するステップと、を含む、情報送信方法。
【請求項2】
前記第1情報が前記環境情報及び差分測位情報である場合、前記予め設定された条件は、環境情報が第1環境情報であることを含む請求項1に記載の情報送信方法。
【請求項3】
前記差分測位情報は、差分値を含み、前記第1情報が前記差分値である場合、前記予め設定された条件は、予め設定された差分閾値よりも大きいことを含む請求項1に記載の情報送信方法。
【請求項4】
前記第1情報が衛星測位信号及び差分測位情報である場合、衛星測位信号及び差分測位情報に基づいて路側デバイスの計算位置を計算し、
前記計算位置及び前記路側デバイスの実際の位置に基づいて、前記計算位置と実際の位置との距離差を決定し、
前記第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに前記差分測位情報を送信するステップは、
前記距離差が予め設定された距離差閾値よりも大きい場合、端末デバイスに前記差分測位情報を送信するステップを含む請求項1に記載の情報送信方法。
【請求項5】
情報送信装置であって、
端末デバイスの測位のための第1情報を取得するように構成される取得モジュールであって、前記第1情報は、差分測位情報を含み、又は、前記第1情報は、環境情報又は衛星測位信号のうちの少なくとも1つ及び差分測位情報を含む、取得モジュールと、
前記第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに前記差分測位情報を送信するように構成される送信モジュールと、を含む、情報送信装置。
【請求項6】
前記第1情報が前記環境情報及び差分測位情報である場合、前記予め設定された条件は、環境情報が第1環境情報であることを含む請求項5に記載の情報送信装置。
【請求項7】
前記差分測位情報は、差分値を含み、前記第1情報が前記差分値である場合、前記予め設定された条件は、予め設定された差分閾値よりも大きいことを含む請求項5に記載の情報送信装置。
【請求項8】
前記情報送信装置は、前記第1情報が衛星測位信号及び差分測位情報である場合、衛星測位信号及び差分測位情報に基づいて路側デバイスの計算位置を計算するように構成される計算モジュールをさらに含み、
前記情報送信装置は、前記計算位置及び前記路側デバイスの実際の位置に基づいて、前記計算位置と実際の位置との距離差を決定するように構成される決定モジュールをさらに含み、
前記送信モジュールは、具体的には、前記距離差が予め設定された距離差閾値よりも大きい場合、端末デバイスに前記差分測位情報を送信するように構成される請求項5に記載の情報送信装置。
【請求項9】
コンピュータプログラム命令を記憶するメモリと、
前記コンピュータプログラム命令を読み取って実行し、請求項1-4のいずれか一項に記載の情報送信方法を実現するプロセッサと、含む、路側デバイス。
【請求項10】
プロセッサに請求項1-4のいずれか一項に記載の情報送信方法を実行させるためのコンピュータプログラム命令を記憶した、コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、測位技術分野に属し、特に、情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、出願番号が202010819515.Xであり、出願日が2020年8月14日である中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容がここで参照により本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
モバイルインターネットからモノのインターネットまで、位置は1つの基本的かつ不可欠な情報である。しかし、細分化された業界アプリケーションニーズの観点から、より高い精度の測位情報のみがより高い価値をもたらすことができ、人々は人やモノの位置をより正確に知ることができ、これにより、人やモノにサービスをより良く提供することができる。したがって、高精度測位技術は、モバイルインターネット及びモノのインターネット、特に車両のインターネットのアプリケーションにとって重要である。
【0004】
最も一般的な測位方法は、衛星測位であるが、衛星信号は、太陽黒点の移動、悪天候、電磁干渉などの要因の影響を受けやすく、これらの影響が避けられなく、これらの干渉を打ち消すために、業界では、通常、差分測位技術が採用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
路車協調システムでは、路側デバイスの路側ユニット(RSU:Road Side Unit)を介して端末デバイスの車載ユニット(OBU:On Board Unit)に差分測位情報がブロードキャストされ、端末デバイスは、受信された衛星測位信号及び差分測位情報に基づいて、正確な位置を計算する。OBUが差分測位情報を必要とするか否かに関わらず、RSUは、OBUに差分測位情報を送信し続け、端末デバイスは、高精度の測位計算を実行し続け、その結果、測位情報の計算時間が増加し、路側デバイス及び端末デバイスのエネルギー浪費が引き起こされ、同時にシステムの高精度測位の効率が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の実施例は、端末デバイスのニーズに応じて差分測位情報の送信時間を決定し、測位情報の計算時間を短縮し、路側デバイス及び端末デバイスのエネルギー消費を低減させ、システムの高精度測位の効率を向上させることができる、情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0007】
第1態様では、本出願の実施例は、
端末デバイスの測位のための第1情報を取得するステップであって、第1情報は、差分測位情報を含み、又は、第1情報は、環境情報又は衛星測位信号のうちの少なくとも1つ及び差分測位情報を含む、ステップと、
第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに差分測位情報を送信するステップと、を含む、情報送信方法を提供する。
【0008】
幾つかの実施例では、第1情報が環境情報及び差分測位情報である場合、予め設定された条件は、環境情報が第1環境情報であることを含む。
【0009】
幾つかの実施例では、差分測位情報は、差分値を含み、第1情報が差分値である場合、予め設定された条件は、予め設定された差分閾値よりも大きいことを含む。
【0010】
幾つかの実施例では、第1情報が衛星測位信号及び差分測位情報である場合、衛星測位信号及び差分測位情報に基づいて路側デバイスの計算位置を計算し、
計算位置及び路側デバイスの実際の位置に基づいて、計算位置と実際の位置との距離差を決定し、
第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに差分測位情報を送信するステップは、
距離差が予め設定された距離差閾値よりも大きい場合、端末デバイスに差分測位情報を送信するステップを含む。
【0011】
第2態様では、本出願の実施例は、
端末デバイスの測位のための第1情報を取得するように構成される取得モジュールであって、第1情報は、差分測位情報を含み、又は、第1情報は、環境情報又は衛星測位信号のうちの少なくとも1つ及び差分測位情報を含む、取得モジュールと、
第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに差分測位情報を送信するように構成される送信モジュールと、を含む、情報送信装置を提供する。
【0012】
幾つかの実施例では、第1情報が環境情報及び差分測位情報である場合、予め設定された条件は、環境情報が第1環境情報であることを含む。
【0013】
幾つかの実施例では、差分測位情報は、差分値を含み、第1情報が差分値である場合、予め設定された条件は、予め設定された差分閾値よりも大きいことを含む。
【0014】
幾つかの実施例では、当該情報送信装置は、第1情報が衛星測位信号及び差分測位情報である場合、衛星測位信号及び差分測位情報に基づいて路側機の計算位置を計算するように構成される計算モジュールをさらに含み、
当該情報送信装置は、計算位置及び前記路側デバイスの実際の位置に基づいて、前記計算位置と実際の位置との距離差を決定するように構成される決定モジュールをさらに含み、
送信ユニットは、具体的には、前記距離差が予め設定された距離差閾値よりも大きい場合、端末デバイスに前記差分測位情報を送信するように構成される。
【0015】
第3態様では、本出願の実施例は、コンピュータプログラム命令を記憶するメモリと、コンピュータプログラム命令を読み取って実行し、上記情報送信方法を実現するプロセッサと、を含む、路側デバイスを提供する。
【0016】
第4態様では、本出願の実施例は、プロセッサに実行されると当該プロセッサに上記情報送信方法を実現させるためのコンピュータプログラム命令を記憶したコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0017】
本出願の実施例によって提供される情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体では、前記情報送信方法は、路側デバイスが端末デバイスの測位のための第1情報を取得するステップであって、第1情報は、差分測位情報を含み、又は、第1情報は、環境情報又は衛星測位信号のうちの少なくとも1つ及び差分測位情報を含む、ステップと、を含み、端末デバイスと高精度測位プラットフォームとの間の通信接続を確立する必要がなく、即ち、端末デバイスがモバイル通信モジュールと高精度測位機能を必要としないため、デバイスコストを削減させる。第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに差分測位情報を送信することにより、不要な差分測位情報の送信を効果的に減少し、路側デバイスと端末デバイスの不要なエネルギー浪費を回避し、端末デバイスによる位置情報の計算時間を節約し、システムの高精度測位の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本出願の実施例によって提供される情報送信システムの構造概略図である。
図2】本出願の実施例によって提供される情報送信方法のフローチャートである。
図3】本出願の実施例によって提供される路側情報管理装置の構造概略図である。
図4】本出願の実施例によって提供される情報送信方法のフローチャートである。
図5】本出願の実施例によって提供される情報送信方法のフローチャートである。
図6】本出願の実施例によって提供される情報送信方法のフローチャートである。
図7】本出願の実施例によって提供される情報送信装置の構造概略図である。
図8】本出願の実施例によって提供される路側デバイスの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本出願の実施例における技術案をより明確に説明するために、本出願の実施例に必要な図面を簡単に紹介するが、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0020】
以下に本出願の様々な態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明する。本出願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に図面及び実施例を組み合わせながら本出願をさらに詳しく説明する。ここで説明される具体的な実施例が本出願を解釈するためのものだけであるが、本出願を限定するために使用されないことを理解すべきである。本出願がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者にとって明らかである。以下の実施例の説明は、本出願の例を示すことにより、本出願のより良い理解を提供することのみを目的としている。
【0021】
説明すべきものとして、本説明書において、第1と第2などのような関係用語は、1つのエンティティ又は操作を別のエンティティ及び操作と区別するためのものだけであり、必ずしもこれらのエンティティ又は操作の間にいかなるこの実際の関係又は順序が存在することをリクエスト又は暗示しない。そして、用語「包括」、「包含」又は他のいかなる変形が非排他的な包含を含むことを図るため、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又はデバイスは、これらの要素だけでなく、明確に示されない他の要素を含み、又は、このようなプロセス、方法、物品又はデバイスに固有な要素を含む。更なる制限がない場合、語句「…を含む」によって限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又はデバイスに別の同じ要素も存在することを排除するものではない。
【0022】
現在、最も一般的な測位方法は、衛星測位であり、世界の四大衛星測位システムは、中国の北斗、米国の全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)、ロシアの全地球航法衛星システム(GLONASS:Global Navigation Satellite System)、欧州連合のガリレオであり、様々な衛星測位システムの動作原理は、ほぼ同じであり、GPSを例とすると、27基の作業衛星から構成されるため、いつでも世界中のどこでも4つ以上の衛星を観測でき、位置が知られた衛星からユーザの受信機までの距離を測定し、次に複数の衛星のデータを組み合わせると受信機の具体的な位置を知ることができると簡単に理解されてもよい。これにより、受信された衛星信号の品質が測位精度に大きく関係することがわかるが、衛星信号は、太陽黒点の移動、悪天候、電磁干渉などの要因の影響を受けやすく、これらの影響が避けられない。これらの干渉を打ち消すために、業界で一般的に使用される差分測位技術については、その原理は、地上基準局を設けて現在の衛星信号を測定し、地上基準局の既知の実際の位置と受信された衛星信号に基づいて、信号の差分パラメータを計算し、当該差分パラメータに様々な干渉要因の影響が含まれ、基準局によって端末デバイスに当該差分パラメータが送信され、端末デバイスが差分パラメータによってその測定結果を補正し、正確な測位結果を取得することである。したがって、高精度の測位を実現するために、測位デバイスは、差分測位情報を受信する必要がある。
【0023】
従来技術では、端末デバイスが差分測位情報を取得する方式は、主に2つある。1つの方式は、端末デバイスは、主にモバイル通信モジュールを介して高精度測位プラットフォームのサーバーと通信し、その差分測位情報をクエリすることであり、この方法では、端末デバイスがモバイル通信モジュールを備え、高精度測位機能を活性化する必要があり、その結果、端末デバイスのコストが増加する。もう一つの方式は、道路シーンにおいて、路車協調システムが様々な干渉要因の影響を打ち消すために、路側デバイスの路側ユニット(RSU:Road Side Unit)を介して端末デバイスの車載ユニット(OBU:On Board Unit)に差分測位情報をブロードキャストすることである。しかし、天気状況が良好な場合、様々な干渉要因が弱められ、このとき、端末デバイスは、差分測位情報を必要しなくても、高精度の測位結果を取得することができる。したがって、環境が良好な場合、RSUが差分測位情報をブロードキャストし続けると、不要な差分測位情報の伝送及び端末デバイス側の高精度な計算が発生し、端末デバイス側による位置情報の計算時間が増加し、さらにRSU、OBU及び端末デバイスのエネルギー浪費が引き起こされ、システムの高精度測位の効率が低下する。
【0024】
従来技術の問題を解決するために、本出願の実施例は、情報送信方法、装置、デバイス及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0025】
本出願の実施例では、路側デバイスによって端末デバイスの測位のための第1情報を取得し、第1情報と予め設定された条件との関係に応じて差分測位情報が測位結果情報の補正精度を向上させるか否かを判定し、端末デバイスが測位結果を補正するために測位差分情報を必要とする場合のみ、路側の端末デバイスに差分測位情報を送信するようにRSUを制御するため、端末デバイスは、差分測位情報によって正確な測位を完了し、路側デバイスと端末デバイスの不要なエネルギー浪費が回避され、端末デバイスによる位置情報の計算時間が節約され、システムの高精度測位の効率が向上する。
【0026】
以下、まず本出願の実施例によって提供される情報送信システムを紹介する。
【0027】
図1は本出願の一実施例によって提供される情報送信システムの構造概略図である。
【0028】
図1に示すように、情報送信システムは、衛星110、路側デバイス120、地上基準局130、高精度測位プラットフォーム140、端末デバイス150を含むことができる。
【0029】
ここで、路側デバイス120は、路側ユニット121と、路側情報管理装置122とを含む。路側ユニット121は、路側に取り付けられており、専用の近距離通信技術(DSRC:Dedicated Short Range Communication)及び/又は長期進化技術(LTE-V:Long Term Evolution-Vehicle)を用い、道路を走行する通信デバイスと通信し、様々な情報を送受信することができる。本出願の実施例における路側ユニット121は、このエリアの測位端末に適した地上基準局130に対応する差分測位情報を路側にブロードキャストするためにも使用される。
【0030】
端末デバイス150には、車載ユニット151が取り付けられており、車載ユニット151は、DSRC及び/又はLTE-V技術を用いて路側ユニット121と通信し、様々な情報を送受信することができる。本出願の実施例における車載ユニット151は、路側ユニット121によって路側にロードキャストされた、このエリアの端末デバイス150に適した地上基準局130に対応する差分測位情報を受信するためにも使用されてもよい。路側ユニット121が路側に差分測位情報を送信することは、路側ユニット121が路側に差分測位情報をタイミングで送信することであってもよく、路側ユニット121が車載ユニット151を検出したとき、路側に差分測位情報を送信することであってもよく、端末デバイス150が高精度の測位を必要とする場合、車載ユニット151が差分測位情報を送信するように路側ユニット121に要求することであってもよい。端末デバイス150は、セダン、トラックであってもよく、測位システムを備えた他の幾つかの車両であってもよいが、ここでは限定されない。
【0031】
衛星測位システムでは、衛星110は、衛星測位信号を送信し、地上基準局130は、衛星測位信号を長期にわたって連続的に観測し、通信デバイスによって観測データを高精度測位プラットフォーム140にリアルタイム又はタイミングで伝送し、高精度測位プラットフォーム140は、各地上基準局130の観測データを解析計算し、差分測位情報を得る。路側情報管理装置122は、環境情報と差分測位情報とを取得し、衛星110によって送信された衛星測位信号を受信し、予め設定された条件に応じて差分測位情報が測位結果の補正精度を向上させたか否かを判定し、差分測位情報が測位結果の補正精度を向上させたという判定結果1と、差分測位情報が測位結果の補正精度を向上させないという判定結果2とを得、2つの判定結果に応じて制御情報を形成する。路側ユニット121は、制御情報を受信し、制御情報に判定結果1が含まれる場合、制御情報に基づいて路側の端末デバイス150に差分測位情報を送信し、車載ユニット151は、差分測位情報を受信し、端末デバイス150は、受信された衛星測位信号と車載ユニット151によって受信された差分測位情報に基づいて、端末デバイス150の高精度の測位結果を計算する。
【0032】
図2は本出願の1つの実施例によって提供される情報送信方法のフローチャートである。図2に示すように、当該情報送信方法は、以下のステップを含むことができる。
【0033】
S210において、端末デバイスの測位のための第1情報を取得し、第1情報は差分測位情報を含み、又は、第1情報は、環境情報又は衛星測位信号のうちの少なくとも1つ及び差分測位情報を含む。
【0034】
路側デバイス120は、路側の端末デバイス150に、位置情報を補正できる差分測位情報を提供し、路側デバイス120の路側情報管理装置122によって高精度測位プラットフォーム140から差分測位情報を取得し、当該差分測位情報が少なくとも衛星及び受信機のクロック差、大気伝搬遅延、マルチパス効果などの誤差を含む。路側デバイス120の路側ユニット121から端末デバイス150の車載ユニット151への不要な差分測位情報の送信を減少するために、路側情報管理装置122は、差分測位情報に基づいて、車載ユニット151に差分測位情報を送信するか否かを判定するだけでなく、環境情報又は衛星測位信号のうちの少なくとも1つ及び差分測位情報に基づいて、車載ユニット151に差分測位情報を送信するか否かを判定することもできる。ここで、環境情報には、気流情報、気温情報、PM値などの天気状況に影響を与える要因が含まれる。
【0035】
S220において、第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに差分測位情報を送信する。
【0036】
第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイス150は、高精度測位を支援するために差分測位情報を必要とし、このとき、路側情報管理装置122は、端末デバイス150に差分測位情報を送信する。第1情報は、差分測位情報のみを含むことができ、環境情報及び差分測位情報、又は衛星測位信号及び差分測位情報を含むこともできる。第1情報に含まれる補助情報が異なる場合、対応する、予め設定された条件が異なり、路側情報管理装置122が端末デバイス150に差分測位情報を送信する必要があるか否かの任意の状況を満たし、端末デバイス150による任意の環境における測位結果の計算精度を保証する。
【0037】
本出願の実施例では、路側デバイスによって端末デバイスの測位のための第1情報を取得し、第1情報に差分測位情報が含まれ、又は、第1情報に環境情報又は衛星測位信号のうちの少なくとも1つ及び差分測位情報が含まれ、端末デバイスと高精度測位プラットフォームとの通信接続を確立する必要がなく、即ち、端末デバイスは、モバイル通信モジュールを備えて高精度測位機能を活性化する必要がなく、デバイスコストが削減される。第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに差分測位情報を送信することにより、不要な差分測位情報の送信を効果的に減少し、路側デバイスと端末デバイスの不要なエネルギー浪費を回避し、端末デバイスによる位置情報の計算時間を節約し、システムの高精度測位の効率を向上させることができる。
【0038】
1つの実施例では、第1情報が環境情報及び差分測位情報である場合、予め設定された条件は、環境情報が第1環境情報であることを含む。
【0039】
第1環境情報は、低空気可視性情報、陰雨天情報、気流変動情報などの悪天候を表す環境情報を含む。路側デバイス120の路側情報管理装置122には、環境情報を取得するための環境監視モジュールが設けられてもよく、環境情報を取得するための環境情報公開プラットフォームが接続されてもよい。
【0040】
路側情報管理装置122は、環境情報に基づいて天気状態を判定し、現在の空気可視性が高く、天気が晴れ、気流が安定しているなどの場合、天気状態が非常に良く、即ち、衛星測位信号に対する気層の干渉は、少なく、差分測位情報は、端末デバイス150の測位結果の計算にほとんど影響を与えず、端末デバイス150は、差分測位情報を必要せずに測位を支援することができる。この判定結果に基づいて制御情報を生成し、路側ユニット121に送信し、路側ユニット121は、制御情報に基づいて車載ユニット151に差分測位情報を送信せず、端末デバイス150は、衛星測位信号のみに基づいてその所在位置を計算する。
【0041】
環境情報が第1環境情報を含む場合、即ち、現在の雷鳴、暴風雨、乱気流などの場合、天気状態が良くなく、即ち、衛星測位信号に対する気層の干渉が多く、差分測定情報は、端末デバイス150の測定結果の計算に大きな影響を与え、端末デバイス150は、測位を支援するために差分測位情報を必要とする。この判定結果に基づいて制御情報を生成し、路側ユニット121に送信し、路側ユニット121は、制御情報に基づいて車載ユニット151に差分測位情報を送信し、端末デバイス150は、差分測位情報及び衛星測位信号に基づいてその所在位置を計算する。
【0042】
1つの実施例では、差分測位情報は、差分値を含み、第1情報が差分値である場合、予め設定された条件は、予め設定された差分閾値よりも大きいことを含む。
【0043】
現在、環境情報に基づいて天気状態を判定することが容易でない場合、差分測位情報のうちの差分値を取得し、差分値と予め設定された差分閾値との関係を比較し、差分値は、衛星110と受信機との間のクロック差、大気伝搬遅延、マルチパス効果などの誤差値を含むことができ、差分値が予め設定された差分閾値の範囲にあるか否かを比較する。
【0044】
差分値が予め設定された差分閾値の範囲にある場合、即ち、差分値が予め設定された差分閾値未満である場合、衛星測位信号への干渉は、少なく、差分測位情報は、端末デバイス150の測位結果の計算にほとんど影響を与えないと考えられ、端末デバイス150は、差分測位情報を必要せずに測位を支援することができる。この判定結果に応じて、制御情報を生成して路側ユニット121に送信し、路側ユニット121は、制御情報に基づいて車載ユニット151に差分測位情報を送信せず、端末デバイス150は、衛星測位信号のみに基づいてその所在位置を計算する。
【0045】
差分値が予め設定された差分閾値の範囲を超える場合、即ち差分値が予め設定された差分閾値よりも大きい場合、衛星測位信号への干渉は、多く、差分測位情報は、端末デバイス150の測位結果の計算に大きな影響を与えると考えられ、端末デバイス150は、測位を支援するために差分測位情報を必要とする。この判定結果に基づいて制御情報を生成し、路側ユニット121に送信し、路側ユニット121は、制御情報に基づいて車載ユニット151に差分測位情報を送信し、端末デバイス150は、差分測位情報及び衛星測位信号に基づいてその所在位置を計算する。
【0046】
路側ユニット121による差分測位情報の送信プロセスが車載ユニット151から路側ユニット121への要求によってトリガされる場合、車載ユニット151は、さらに測位に必要な精度要件を要求メッセージに含ませることができ、路側情報管理装置122は、測位精度要求に応じて、予め設定された差分閾値を決定し、測位精度要求が高いほど、予め設定された差分閾値が小さく設定され、逆に予め設定された差分閾値が大きくなる。したがって、測位精度が高くなく要求される場合、不要な差分測位情報の送信を効果的に回避することができ、それによってエネルギー消費を節約するという目的を達成し、端末デバイス150による位置情報の計算時間を短縮する。
【0047】
1つの実施例では、第1情報が衛星測位信号及び差分測位情報である場合、衛星測位信号及び差分測位情報に基づいて路側デバイス120の計算位置を計算し、計算位置と路側デバイス120の実際の位置に基づいて、計算位置と実際の位置との距離差を決定する。第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイス150に差分測位情報を送信するステップは、距離差が予め設定された距離差閾値よりも大きい場合、端末デバイス150に差分測位情報を送信するステップを含む。
【0048】
路側情報管理装置122は、衛星110によって送信された衛星測位信号を受信し、衛星測位信号のうちの測位情報を取得し、当該測位情報が少なくとも衛星110の座標、衛星測位信号の伝搬遅延を含む。路側情報管理装置122は、測位情報に基づいて1つの測位結果を選別し、差分測位情報によって測位結果を補正し、路側デバイス120の計算位置を得る。計算位置及び路側デバイス120の実際の位置に基づいて、計算位置と実際の位置との距離差を決定する。
【0049】
具体的には、路側デバイス120の計算位置に基づいて、計算位置の座標(x1,y1,z1)を得、路側デバイス120が配置される場合、当該路側デバイス120の実際の位置を記録及び記憶し、前記実際の位置に基づいて、実際の位置の座標(x2,y2,z2)を得、次の式(1)に従って各計算位置座標と実際の位置座標との距離を計算する。
【0050】
【数1】
………(1)
【0051】
路側デバイス120の計算位置と実際の位置との間の距離dが予め設定された距離差閾値の範囲内にあるか否かを比較し、距離dが予め設定された距離差閾値の範囲内にある場合、即ち距離dが予め設定された距離差閾値よりも小さい場合、差分測位情報は、端末デバイス150の測位結果の計算にほとんど影響を与えず、端末デバイス150は、差分測位情報を必要とせずに補正することができる。この判定結果に基づいて制御情報を生成し、路側ユニット121に送信し、路側ユニット121は、制御情報に基づいて車載ユニット151に差分測位情報を送信せず、端末デバイス150は、衛星測位信号のみに基づいてその所在位置を計算する。
【0052】
距離dが予め設定された距離差閾値の範囲を超える場合、即ち距離dが予め設定された距離差閾値よりも大きい場合、差分測位情報は、端末デバイス150の測位結果の計算に大きな影響を与え、端末デバイス150は、補正するために差分測位情報を必要とする。判定結果に基づいて制御情報を生成して路側ユニット121に送信し、路側ユニット121は、制御情報に基づいて車載ユニット151に差分測位情報を送信し、端末デバイス150は、差分測位情報及び衛星測位信号に基づいてその所在位置を計算する。
【0053】
1つの実施例では、図3に示すように、路側情報管理装置122は、衛星信号受信モジュール1221、通信モジュール1222、位置計算モジュール1223、差分測位情報判定モジュール1224、路側情報管理モジュール1225を含む。
【0054】
路側情報管理装置122は、衛星信号受信モジュール1221を介して衛星測位信号を受信し、衛星測位信号のうちの測位情報を取得し、通信モジュール1222は、高精度測位プラットフォーム140から差分測位情報を取得し、位置計算モジュール1223は、測位情報及び差分測位情報に基づいて路側デバイス120の計算位置を計算し、路側デバイス120の計算位置と実際の位置に基づいて路側デバイス120の計算位置と実際の位置との間の距離差を得る。
【0055】
差分測位情報判定モジュール1224は、環境情報又は差分測位情報又は路側デバイス120の計算位置と実際の位置との間の距離差と予め設定された条件との間の関係に応じて、差分測位情報が路側デバイス150の測位結果に影響を与えたか否かを判定し、その判定方法は、以下の3種類である。
【0056】
1.図4に示すように、この判定方法は、以下のステップを含む。
【0057】
S401において、環境情報を取得し、環境情報に基づいて天気状態を判定する。
【0058】
S402において、差分測位情報が端末デバイスの測位結果に影響を与えたか否かを判定し、天気状況が良好な場合、差分測位情報が端末デバイスの測位結果の計算にほとんど影響を与えず、端末デバイスが差分測位情報を必要とせずに測位を支援するため、S403をスキップしてS404を直接実行する。天気状態が良くない場合、差分測位情報が端末デバイスの測位結果の計算に大きな影響を与え、端末デバイスが測位を支援するために差分測位情報を必要とするため、S403を実行する。
【0059】
S403において、地上基準局の観測データを受信し、差分測位情報を取得する。ここで、差分測位情報は、少なくとも衛星及び受信機のクロック差、大気伝搬遅延、マルチパス効果などの誤差を含む。
【0060】
S404において、判定結果に基づいて制御情報を生成し、路側ユニットに制御情報を送信する。
判定結果は、差分測位情報が端末デバイスの測位結果の計算に関与する必要があるという判定結果1と、差分測位情報が端末デバイスの測位結果の解析計算に関与する必要がないという判定結果2とを含む。判定結果1の場合、制御情報に差分測位情報が含まれ、判定結果2の場合、制御情報に差分測位情報が含まれず、路側情報管理モジュール1225は、路側ユニットに制御情報を送信する。
【0061】
S405において、制御情報に基づいてブロードキャストメッセージを生成し、端末デバイスにブロードキャストメッセージを送信する。
【0062】
制御情報に決定結果1が含まれる場合、即ち制御情報に差分測位情報が含まれる場合、ブロードキャストメッセージに差分測位情報が含まれ、端末デバイスの測位結果の解析計算精度を向上するために、端末デバイスにブロードキャストメッセージを送信する。制御情報に判定結果2が含まれる場合、即ち制御情報に差分測位情報が含まれない場合、ブロードキャストメッセージに差分測位情報が含まれず、端末デバイスにブロードキャストメッセージを送信する。
【0063】
ここで、路側ユニットが路側の端末デバイスに差分測位情報を送信する方式は、次の3種類を含む。
【0064】
(1)路側ユニットは、路側の端末デバイスに差分測位情報をタイミングで送信する。
(2)路側ユニットは、端末デバイスの車載ユニットを検出したとき、差分測位情報を送信する。
(3)端末デバイスが高精度測位を必要とする場合、車載ユニットは、差分測位情報を送信するように路側ユニットを要求する。
【0065】
S406において、衛星から受信された衛星測位信号とブロードキャストメッセージに基づいて、測位結果を解析計算する。
【0066】
車載ユニットは、ブロードキャストメッセージを受信し、ブロードキャストメッセージに差分測位情報が含まれている場合、端末デバイスは、衛星から受信した衛星測位信号のうちの測位情報と差分測位情報に基づいて、正確な測位結果を解析計算する。ブロードキャストメッセージに差分測位情報が含まれない場合、端末デバイスは、衛星から受信された衛星測位信号のうちの測位情報のみに基づいて測位結果を解析計算する。差分測位情報を用いて補正していないが、衛星測位信号への外部環境の影響が小さく、この測位結果も比較的正確である。
【0067】
この判定方法では、衛星信号受信モジュール1221及び位置計算モジュール1223を起動する必要がないため、路側デバイスのエネルギー浪費を最大限に減少させる。
【0068】
2.図5に示すように、この判定方法は、以下のステップを含む。
【0069】
S501において、地上基準局の観測データを受信し、差分測位情報を取得する。
【0070】
S502において、差分測位情報が端末デバイスの測位結果に影響を与えたか否かを判定する。
【0071】
差分測位情報に基づいて差分値を取得し、差分値と予め設定された差分閾値との間の関係を比較し、差分値が予め設定された差分閾値を超える場合、差分測位情報が端末デバイスの測位結果の計算に大きな影響を与え、端末デバイスが測位を支援するために差分測位情報を必要とするという判定結果1を生成する。差分値が予め設定された差分閾値未満である場合、差分測位情報が端末デバイスの測位結果の計算にほとんど影響を与えず、端末デバイスが差分測位情報を必要せずに測位を支援するという判定結果2を生成する。
【0072】
S503-S505のプロセスは、S404-S406のプロセスと同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0073】
この判定方法では、衛星信号受信モジュール1221及び位置計算モジュール1223を起動する必要がないため、路側デバイスのエネルギー浪費を最大限に減少させる。
【0074】
3.図6に示すように、この判定方法は、以下のステップを含む。
【0075】
S601において、衛星測位信号を受信し、測位情報を取得する。ここで、測位情報は、少なくとも衛星の座標、衛星測位信号の伝搬遅延を含む。
【0076】
S602において、地上基準局の観測データを受信し、差分測位情報を取得する。
【0077】
S603において、差分測位情報が端末デバイスの測位結果に影響を与えたか否かを判定する。
【0078】
位置計算モジュール1223は、路側デバイスの計算位置を計算し、路側デバイスの計算位置と実際の位置に基づいて距離差を得、距離差と予め設定された距離差閾値との間の関係を比較する。距離差が予め設定された距離差閾値よりも大きい場合、差分測位情報が端末デバイスの測位結果の計算に大きな影響を与え、端末デバイスが測位を支援するために差分測位情報を必要とするという判定結果1を生成する。距離差が予め設定された距離差閾値未満である場合、差分測位情報が端末デバイスの測位結果の計算にほとんど影響を与えず、端末デバイスが差分測位情報を必要せずに測位を支援するという判定結果2を生成する。
【0079】
S604-S606のプロセスは、S404-S406のプロセスと同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0080】
路側情報管理装置の機能は、図3に示す1つの装置で独立して実現されてもよく、同時に、衛星信号受信モジュール以外のモジュールも路側ユニット又は車載ユニット又は高精度測位プラットフォームに統合されてもよく、独立した装置の形態で路側に設けられ、又は路側ユニット又は車載ユニットに統合されるとデバイスのコストが高くなるが、車載ユニットが差分測位情報を取得するための時間遅延を短縮することができる。高精度測位プラットフォームに統合された場合、路側又は端末デバイスのコストが削減されるが、車載ユニットが差分測位情報を取得するための時間遅延が増加し、技術者は、デバイスのコストと遅延要件に応じて適切な方式を選択して当該装置の機能を実行することができる。
【0081】
本出願の実施例では、路側デバイスは、端末デバイスの測位のための第1情報を取得し、第1情報が差分測位情報を含み、又は、第1情報が環境情報又は衛星測位信号のうちの少なくとも1つ及び差分測位情報を含み、端末デバイスと高精度測位プラットフォームとの通信接続を確立する必要がなく、即ち、端末デバイスは、モバイル通信モジュールを備え、高精度測位機能を活性化する必要がなく、デバイスコストが削減される。第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに差分測位情報を送信することにより、不要な差分測位情報の送信を効果的に減少し、路側デバイスと端末デバイスの不要なエネルギー浪費を回避し、端末デバイスによる位置情報の計算時間を節約し、システムの高精度測位の効率を向上させることができる。本出願の実施例は、高速道路、都市高速道路などを含むがこれらに限定されない路車協調シーンの高精度衛星測位要件に適用する。
【0082】
図7は本出願の実施例によって提供される情報送信装置の構造概略図である。図7に示すように、当該情報送信装置は、取得モジュール710と、送信モジュール720とを含むことができる。
【0083】
取得モジュール710は、端末デバイスの測位のための第1情報を取得するように構成され、第1情報は、差分測位情報を含み、又は、第1情報は、環境情報又は衛星測位信号のうちの少なくとも1つ及び差分測位情報を含む。
【0084】
送信モジュール720は、第1情報が予め設定された条件を満たす場合、端末デバイスに差分測位情報を送信するように構成される。
【0085】
1つの実施例では、第1情報が環境情報及び差分測位情報である場合、予め設定された条件は、環境情報が第1環境情報であることを含む。
【0086】
1つの実施例では、差分測位情報は、差分値を含み、第1情報が差分値である場合、予め設定された条件は、予め設定された差分閾値よりも大きいことを含む。
【0087】
1つの実施例では、当該情報送信装置は、第1情報が衛星測位信号及び差分測位情報である場合、衛星測位信号及び差分測位情報に基づいて路側デバイスの計算位置を計算するように構成される計算モジュールをさらに含み、
当該情報送信装置は、計算位置及び前記路側デバイスの実際の位置に基づいて、前記計算位置と実際の位置との距離差を決定するように構成される決定モジュールをさらに含み、
送信ユニットは、具体的には、前記距離差が予め設定された距離差閾値よりも大きい場合、端末デバイスに差分測位情報を送信するように構成される。
【0088】
図7に示す情報送信装置の各モジュールは、図2の各ステップを実現する機能を備え、それに対応する技術的効果を達成することができ、説明を簡潔にするために、ここでは説明を省略する。
【0089】
図8は本出願の実施例によって提供される情報送信のためのハードウェア構造の概略図である。
【0090】
路側デバイスは、プロセッサ801と、コンピュータプログラム命令を記憶するためのメモリ802とを備えることができる。
【0091】
具体的には、上記プロセッサ801は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、又は特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)を含むことができ、又は、本出願の実施例を実施する1つ又は複数の集積回路として構成されてもよい。
【0092】
メモリ802は、データ又は命令のための大容量メモリを含むことができる。限定ではなく一例として、メモリ802は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ又はユニバーシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)ドライブ又は2つ又はそれ以上のこれらの組み合わせを含むことができる。1つの実施例では、メモリ802は、リムーバブル又は非リムーバブル(又は固定)媒体を含むことができ、又は、メモリ802は、不揮発性ソリッドステートメモリである。メモリ802は、統合型ゲートウェイ災害復旧デバイスの内部又は外部に位置することができる。
【0093】
1つの例では、メモリ802は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体デバイス、光記憶媒体デバイス、フラッシュメモリデバイス、電気的、光学的又は他の物理的/有形メモリ記憶デバイスを含むことができる。したがって、通常、メモリ802は、コンピュータ実行可能命令を含むソフトウェアで符号化された1つ又は複数の有形(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリデバイス)を含み、当該ソフトウェアが(例えば、1つ又は複数のプロセッサによって)実行されると、本出願の実施例の一態様の方法を参照して説明した動作を実行するように動作可能である。
【0094】
プロセッサ801は、メモリ802に記憶されたコンピュータプログラム命令を読み取って実行することにより、図2に示す実施例におけるステップS210からS220を実現し、図2に示す例におけるそれらのステップを実行することによって達成される対応する技術的効果を達成し、説明を簡潔にするために、ここでは説明を省略しない。
【0095】
1つの例では、路側デバイスは、通信インターフェース803及びバス810を含むこともできる。ここで、図8に示すように、プロセッサ801、メモリ802、通信インターフェース803がバス810を介して接続され、相互通信を完了する。
【0096】
通信インターフェース803は、主に、本出願の実施例における各モジュール、装置、ユニット及び/又はデバイス間の通信を実現するために使用される。
【0097】
バス810は、ハードウェア、ソフトウェア又はその両方を含み、情報送信のための部材を互いに結合する。限定ではなく一例として、バスは、アクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP:Accelerated Graphics Port)又は他のグラフィックスバス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA:Extended Industry Standard Architecture)バス、フロントサイドバス(FSB:Front Side Bus)、ハイパートランスポート(HT:Hyper Transport)相互接続、業界標準アーキテクチャ(ISA:Industry Standard Architecture)バス、インフィニバンド相互接続、低ピン数(LPC)バス、メモリーバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、周辺コンポーネント相互接続(PCI)バス、PCI-Express(PCI-X)バス、シリアルアドバンストテクノロジーアタッチメント(SATA)バス、ビデオエレクトロニクス規格協会ローカル(VLB)バス又は他の適切なバス又は2つ又はそれ以上の組み合わせを含むことができる。適切な場合、バス810は、1つ又は複数のバスを含むことができる。本出願の実施例は、特定のバスを説明及び示すが、本出願の実施例は、任意の適切なバス又は相互接続を考慮する。
【0098】
当該路側デバイスは、差分測位情報、環境情報、衛星測位信号及び予め設定された閾値に基づいて、本出願の実施例における情報送信方法を実行することができ、それによって図2から図7を組み合わせて説明された情報送信方法及び装置を実現する。
【0099】
また、上記実施例における情報送信方法と組み合わせて、本出願の実施例は、コンピュータ記憶媒体を提供することで実現されてもよい。当該コンピュータ記憶媒体には、コンピュータプログラム命令が記憶されており、当該コンピュータプログラム命令がプロセッサに実行されると上記実施例における任意の情報送信方法を実現する。
【0100】
本出願の実施例が以上で説明され、図に示される特定の構成及び処理に限定されないことは、明らかである。簡潔にするために、既知の方法の詳細な説明は、ここでは省略される。上記実施例では、幾つかの具体的なステップが例として説明されて示される。しかし、本出願の実施例の方法プロセスは、説明及び図示された具体的なステップに限定されず、当業者は、本出願の実施例の精神を理解した上で、様々な変更、修正及び追加を行い、又はステップ間の順序を変更することができる。
【0101】
上記の構造ブロック図に示される機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせとして実現され得る。ハードウェアで実現される場合、それは、例えば、電子回路、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、適切なファームウェア、プラグイン、機能カードなどであってもよい。ソフトウェアで実現される場合、本出願の実施例の要素は、必要なタスクを実行するために使用されるプログラム又はコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは、機械可読媒体に記憶されてもよく、又は、搬送波に含まれるデータ信号によって伝送媒体又は通信リンクで伝送されてもよい。「機械可読媒体」は、情報を記憶又は伝送できる任意の媒体を含むことができる。機械可読媒体の例として、電子回路、半導体メモリデバイス、ROM、フラッシュメモリ、消去可能ROM(EROM)、フロッピーディスク、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、光ファイバー媒体、無線周波数(RF:Radio Frequency)リンクなどが含まれる。コードセグメントは、インターネット、イントラネットなどのコンピュータネットワークを介してダウンロードされてもよい。
【0102】
なお、本出願の実施例で言及された例示的な実施例は、一連のステップ又は装置に基づいて幾つかの方法又はシステムを説明する。しかし、本出願の実施例は、上記ステップの順序に限定されず、つまり、実施例で言及された順序でステップを実行することができ、実施例における順序とは異なる順序で実行してもよく、又は、幾つかのステップは、同時に実行される。
【0103】
以上、本出願の様々な態様は、本出願の実施例の方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明された。フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図の各ブロックの組み合わせがコンピュータプログラム命令によって実現されてもよいことを理解すべきである。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行されるこれらの命令によりフローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで規定された機能/動作が実現される機械を生じることができる。このようなプロセッサは、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、特定用途向けプロセッサ又はフィールドプログラマブル論理回路であってもよいがこれらに限定されない。ブロック及び/又はフローチャートの各ブロック及びブロック及び/又はフローチャートのブロックの組み合わせは、所定の機能又は動作を実行するための専用ハードウェアによって実現されてもよく、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実現されてもよい。
【0104】
上記は、本出願の具体的な実施形態に過ぎず、当業者は、説明を容易及び簡潔にするために、上記のシステム、モジュール及びユニットの具体的な動作プロセスについて、上記方法の実施例における対応するプロセスを参照することができることを明確に理解することができ、ここでは説明を省略する。本出願の保護範囲がこれに限定されず、いかなる当業者が本出願に開示された技術範囲内で様々な同等の変更又は入れ替わりを容易に想到することができ、これらの変更又は入れ替わりが全て本出願の保護範囲内に含まれるべきであることを理解するべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】