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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】便器封止デバイス
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/24 20060101AFI20230711BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
A47K13/24
E03D9/00 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577362
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 CA2020050908
(87)【国際公開番号】W WO2022000069
(87)【国際公開日】2022-01-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522486047
【氏名又は名称】ハント,ライアン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ハント,ライアン
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AD00
2D038ZA02
(57)【要約】
【課題】 構築が比較的単純且つロバストである便器封止デバイス又はシステムを提供することである。
【解決手段】 便器を封止するデバイスを提供する。このデバイスは、互いに解放可能に封止するように係合し、互いに磁気的に引き寄せ合うように構成された障壁部材を備えた少なくとも1つの障壁を備える。障壁部材は、便器蓋、便座、及び/又は、便器ボウルに連結されるように構成され、障壁部材が互いに封止するように係合するとき、少なくとも1つの障壁は、便器ボウルの内部から便器ボウルの外部への物体の移動を阻止又は低減する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器ボウル及び便器蓋を備える便器を封止するように構成されたデバイスであって、
互いに解放可能に封止するように係合し、且つ、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成された、少なくとも1つの第1の障壁部材と少なくとも1つの第2の障壁部材とを備える少なくとも1つの第1の障壁を備え、
前記少なくとも1つの第1の障壁部材は、前記便器蓋に連結されるように構成され、
前記少なくとも1つの第2の障壁部材は、前記便器ボウルに連結されるように構成され、
前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、前記少なくとも1つの第1の障壁は、前記便器ボウルの内部から前記便器ボウルの外部への物体の移動を阻止又は低減する、デバイス。
【請求項2】
前記便器は、便座をさらに備え、前記デバイスはさらに、
互いに解放可能に封止するように係合し、且つ、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成された、少なくとも1つの第3の障壁部材と少なくとも1つの第4の障壁部材とを備える少なくとも1つの第2の障壁を備え、
前記少なくとも1つの第3の障壁部材は、前記便器蓋に連結されるように構成され、
前記少なくとも1つの第4の障壁部材は、前記便座に連結されるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
互いに解放可能に封止するように係合し、且つ、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成された、少なくとも1つの第5の障壁部材と少なくとも1つの第6の障壁部材とを備える少なくとも1つの第3の障壁を備え、
前記少なくとも1つの第5の障壁部材は、前記便座に連結されるように構成され、
前記少なくとも1つの第6の障壁部材は、前記便器ボウルに連結されるように構成され、
前記少なくとも1つの第3の障壁部材と前記少なくとも1つの第4の障壁部材とが互いに封止するように係合し、且つ、前記少なくとも1つの第5の障壁部材と前記少なくとも1つの第6の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、前記少なくとも1つの第2の障壁と前記少なくとも1つの第3の障壁とは、前記便器ボウルの内部から前記便器ボウルの外部への物体の移動を阻止又は低減する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第3の障壁部材は、前記蓋の蓋外周伸長部に連結され、
前記便座は、
開口を規定する座部外周伸長部と座部内周伸長部と、
前記座部の離間端部を形成する、前記座部外周伸長部と前記座部内周伸長部との間に伸長した空間と、を備え、
前記第4の障壁部材は、前記座部内周伸長部に連結され、
前記第3の障壁部材と前記第4の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、前記便器ボウルの内部から前記便座の上面への物体の移動が阻止又は低減される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの障壁は、前記便器蓋と前記便器ボウルとの間に配された空隙を少なくとも部分的に埋めるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの障壁は、前記便器蓋と前記便器ボウルとの間に配された第1の空隙を少なくとも部分的に埋めるように構成され、
前記少なくとも1つの第2の障壁は、前記便器蓋と前記便座との間に配された第2の空隙を少なくとも部分的に埋めるように構成され、
前記少なくとも1つの第3の障壁は、前記便座と前記便器ボウルとの間に配された第3の空隙を少なくとも部分的に埋めるように構成される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、少なくとも1つの気密封止が形成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、少なくとも1つの第1の気密封止が形成され、
前記少なくとも1つの第3の障壁部材と前記少なくとも1つの第4の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、少なくとも1つの第2の気密封止が形成され、
前記少なくとも1つの第5の障壁部材と前記少なくとも1つの第6の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、少なくとも1つの第3の気密封止が形成される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材とは、便器ボウルの洗浄動作中、前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材を互いに封止するように係合された状態を維持できる大きさの磁気吸引力により、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材とは、便器ボウルの洗浄動作中、前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材を互いに封止するように係合された状態を維持できる大きさの磁気吸引力により、互いを磁気的に引き寄せるように構成され、
前記少なくとも1つの第3の障壁部材と前記少なくとも1つの第4の障壁部材とは、便器ボウルの洗浄動作中、前記少なくとも1つの第3の障壁部材と前記少なくとも1つの第4の障壁部材を互いに封止するように係合された状態を維持できる大きさの磁気吸引力により、互いを磁気的に引き寄せるように構成され、
前記少なくとも1つの第5の障壁部材と前記少なくとも1つの第6の障壁部材とは、便器ボウルの洗浄動作中、前記少なくとも1つの第5の障壁部材と前記少なくとも1つの第6の障壁部材を互いに封止するように係合された状態を維持できる大きさの磁気吸引力により、互いを磁気的に引き寄せるように構成される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材とは、それぞれ強磁性材料を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材、前記少なくとも1つの第2の障壁部材、前記少なくとも1つの第3の障壁部材、前記少なくとも1つの第4の障壁部材、前記少なくとも1つの第5の障壁部材、及び前記少なくとも1つの第6の障壁部材は、それぞれ強磁性材料を備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材とは、それぞれ可撓性材料からなる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材、前記少なくとも1つの第2の障壁部材、前記少なくとも1つの第3の障壁部材、前記少なくとも1つの第4の障壁部材、前記少なくとも1つの第5の障壁部材、及び前記少なくとも1つの第6の障壁部材は、それぞれ可撓性材料からなる、請求項3に記載のデバイス。
【請求項15】
前記可撓性材料には、ネオプレン、ゴム引き、シリコン、及び/又は、プラスチック材料が含まれる、請求項13又は14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記便器ボウルの外部から前記便器ボウルの内部への空気の通過を可能にし、前記便器ボウルの内部から前記便器ボウルの外部への空気及び/又は物体の通過を防止又は低減するように構成された少なくとも1つの弁をさらに備える、請求項1又は3に記載のデバイス。
【請求項17】
前記少なくとも一方向の弁が、第1の端部及び第2の端部を有する細長い通路を備え、前記第1の端部は前記便器ボウルの外部に隣接し、前記第2の端部は前記便器ボウルの内部に隣接する、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記通路は、前記通路の外部から前記通路の内部への空気の通過を可能にし、前記通路の内部から前記通路の外部への空気及び/又は物体の通過を防止又は低減するように構成された前記第1の端部に連結されたフラップ部材を備える請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記通路は、第1の部分と第2の部分とを備え、前記第1の部分及び前記第2の部分は、基本的に互いに平行であることにより、前記通路の外部から前記便器ボウルの内部への空気の通過を可能にし、前記通路の内部から前記通路の外部への空気及び/又は物体の通過を阻止又は低減する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
便器ボウル、便座、及び便器蓋を備える便器を封止するように構成されたデバイスであって、
互いに解放可能に封止するように係合し、且つ、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成された、少なくとも1つの第1の障壁部材と少なくとも1つの第2の障壁部材とを備える少なくとも1つの第1の障壁と、
互いに解放可能に封止するように係合し、且つ、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成された、少なくとも1つの第3の障壁部材と少なくとも1つの第4の障壁部材とを備える少なくとも1つの第2の障壁とを備え、
前記少なくとも1つの第1の障壁部材は、前記便器蓋に連結されるように構成され、
前記少なくとも1つの第2の障壁部材は、前記便座に連結されるように構成され、
前記少なくとも1つの第3の障壁部材は、前記便座に連結されるように構成され、
前記少なくとも1つの第4の障壁部材は、前記便器ボウルに連結されるように構成され、
前記少なくとも1つの第1の障壁部材及び前記少なくとも1つの第2の障壁部材が、互いに封止するように係合し、且つ、前記少なくとも1つの第3の障壁部材及び前記少なくとも1つの第4の障壁部材が、互いに封止するように係合するとき、前記少なくとも1つの第1の障壁及び前記少なくとも1つの第2の障壁は、前記便器ボウルの内部から前記便器ボウルの外部への物体の移動を阻止又は低減する、デバイス。
【請求項21】
前記第1の障壁部材は、前記蓋の蓋外周伸長部に連結され、
前記便座は、
開口を規定する座部外周伸長部と座部内周伸長部とを備え、
前記第2の障壁部材は、前記座部内周伸長部に連結され、
前記第1の障壁部材と前記第2の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、前記便器ボウルの内部から前記便座の上面への物体の移動が阻止又は低減される、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、前記少なくとも1つの障壁は、前記便器蓋と前記便座との間に配された第1の空隙を少なくとも部分的に埋め、
前記少なくとも1つの第3の障壁部材と前記少なくとも1つの第4の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、前記少なくとも1つの第2の障壁は、
前記便座と前記便器ボウルとの間に配された第2の空隙を少なくとも部分的に埋めるように構成される、請求項20に記載のデバイス。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、少なくとも1つの第1の気密封止が形成され、
前記少なくとも1つの第3の障壁部材と前記少なくとも1つの第4の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、少なくとも1つの第2の気密封止が形成される、請求項20に記載のデバイス。
【請求項24】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材とは、便器ボウルの洗浄動作中、前記少なくとも1つの第1の障壁部材と前記少なくとも1つの第2の障壁部材を互いに封止するように係合された状態を維持できる大きさの磁気吸引力により、互いを磁気的に引き寄せるように構成され、
前記少なくとも1つの第3の障壁部材と前記少なくとも1つの第4の障壁部材とは、便器ボウルの洗浄動作中、前記少なくとも1つの第3の障壁部材と前記少なくとも1つの第4の障壁部材を互いに封止するように係合された状態を維持できる大きさの磁気吸引力により、互いを磁気的に引き寄せるように構成される、請求項20に記載のデバイス。
【請求項25】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材、前記少なくとも1つの第2の障壁部材、前記少なくとも1つの第3の障壁部材、及び前記少なくとも1つの第4の障壁部材は、それぞれ強磁性材料を備える、請求項20に記載のデバイス。
【請求項26】
前記少なくとも1つの第1の障壁部材、前記少なくとも1つの第2障壁部材、前記少なくとも1つの第3の障壁部材、及び前記少なくとも1つの第4の障壁部材は、それぞれ可撓性材料からなる、請求項20に記載のデバイス。
【請求項27】
前記可撓性材料には、ネオプレン、シリコン、ゴム引き、及び/又は、プラスチック材料が含まれる、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記便器ボウルの外部から前記便器ボウルの内部への空気の通過を可能にし、前記便器ボウルの内部から前記便器ボウルの外部への空気及び/又は物体の通過を防止又は低減するように構成された少なくとも1つの弁をさらに備える、請求項20に記載のデバイス。
【請求項29】
前記少なくとも一方向の弁が、第1の端部及び第2の端部を有する細長い通路を備え、前記第1の端部は前記便器ボウルの外部に隣接し、前記第2の端部は前記便器ボウルの内部に隣接する、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記通路は、前記通路の外部から前記通路の内部への空気の通過を可能にし、前記通路の内部から前記通路の外部への空気及び/又は物体の通過を防止又は低減するように構成された前記第1の端部に連結されたフラップ部材を備える、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記通路は、第1の部分と第2の部分とを備え、前記第1の部分及び前記第2の部分は、基本的に互いに平行であることにより、前記通路の外部から前記便器ボウルの内部への空気の通過を可能にし、前記通路の内部から前記通路の外部への空気及び/又は物体の通過を阻止又は低減する、請求項29に記載のデバイス。
【請求項32】
請求項1から31のいずれか一項に記載の便器及びデバイスを備えた便器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は便器に関し、特に、便器を封止するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
便器ボウル内部から便器ボウル外部に物体が移動するのを部分的に阻止又は低減するために、蓋を採用することが便器の分野において周知である。しかしながら通常、便器の蓋は、蓋とボウルとの間に空隙が配され、これが有害物の外部への通過を可能にするため、物体が便器ボウルから出るのを最小限に抑えるのみである。これは一般的に、物体が粒状物又はプルームの形である場合に該当する。便器ボウルから出る物体は、非衛生的な状況を生じ、COVID-19ウイルス等を含むがこれに限定されない疾病又は微生物の伝染を結果として生じ得る。
【0003】
便器ボウルの内部から便器ボウルの外部への物体の移動を阻止又は低減するための簡易且つ単純な手段を提供する取り組みにおいて、多数の便器関連デバイスが開発されてきた。
【0004】
例えば、Corbinによる米国特許出願公開第2006/0206998号は、便器ボウルの囲いからの汚染粒子の移動を阻止又は低減するシステム及び装置を記載している。このシステム及び装置は、粒子が便器ボウルの囲いから外へ移動することを阻止又は低減するように構成された便座及び/又は便器蓋に連結された少なくとも1つの障壁を備える。障壁はさらに、便器ボウルの囲い内に空気を移動させ得る。
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、Corbinによって熟考されたシステム及び装置はいくつかの欠点を有する。Corbinによって記載された特定の実施形態によると、蓋又は便座への閉鎖力を増加させる際、ヒンジを保持して、これに対する封止を向上するためにバネが採用されている。特に、便座を開け閉めする場合のように頻繁に使用するとき、バネが経時的に摩耗することは当分野において周知である。蓋又は便座に掛かる閉鎖力を増すためにバネを採用することは、時間の経過とともに失敗するようになり、結果として封止が無効となることで便器ボウルの囲いから微粒子が移動する可能性がある。
【0006】
Corbinはまた、障壁が採用されて便器蓋、便座、及び便器ボウルの間に配された空隙に十分に気密な封止を形成するにも関わらず、便器ボウルの囲いに空気を流入させることにより、便器ボウルの囲いに十分な空気を流入させ、便器の洗浄が阻止されないようにする、1つ以上の弁を備えたシステムの実施形態についても記載している。しかしながらCorbinは、採用した弁が、便器ボウルの内部から便器ボウルの外部への空気及び物体の通過を防止することで、微生物や他の有害物質が放出された場合に非衛生的な状況を引き起こすことは考慮していない。
【0007】
さらに、Corbinによって考慮された障壁では、障壁が便座の外周に隣接して設けられるため、洗浄動作中に依然として便器ボウルの内部から便座上へ物体を移動させる。これは、使用者が毎回の使用後に便座全体を滅菌しなければならないという、非常に非衛生的な状況を作り出し得る。
【0008】
したがって必要なのは、長期間に渡って維持される閉鎖力により任意の封止促進を確保する手段と、便器ボウルの外部から便器ボウルの内部への空気の通過を可能にし、便器ボウルの内部から便器ボウルの外部への空気及び/又は物体の通過を防止する手段とを提供しつつ、構築が比較的単純且つロバストである便器封止デバイス又はシステムである。さらに、このデバイス又はシステムが、便器ボウル内部から便座の上面への物体の移動を阻止又は低減する封止手段を提供すると好都合である。
【0009】
本発明の第1の広範な態様によると、便器ボウルと便器蓋とを備える便器を封止するように構成されたデバイスであって、互いに解放可能に封止するように係合し、且つ、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成された、少なくとも1つの第1の障壁部材と少なくとも1つの第2の障壁部材とを備える少なくとも1つの第1の障壁を備え、少なくとも1つの第1の障壁部材は、便器蓋に連結されるように構成され、少なくとも1つの第2の障壁部材は、便器ボウルに連結されるように構成され、少なくとも1つの第1の障壁部材と少なくとも1つの第2の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、少なくとも1つの第1の障壁は、便器ボウルの内部から便器ボウルの外部への物体の移動を阻止又は低減するデバイスを提供する。
【0010】
好ましくは、便器が便座をさらに備えるとき、デバイスはさらに、互いに解放可能に封止するように係合し、且つ、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成された、少なくとも1つの第3の障壁部材と少なくとも1つの第4の障壁部材とを備える少なくとも1つの第2の障壁を備え、少なくとも1つの第3の障壁部材は、便器蓋に連結されるように構成され、少なくとも1つの第4の障壁部材は、便座に連結されるように構成され、互いに解放可能に封止するように係合し、且つ、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成された、少なくとも1つの第5の障壁部材と少なくとも1つの第6の障壁部材とを備える少なくとも1つの第3の障壁を備え、少なくとも1つの第5の障壁部材は、便座に連結されるように構成され、少なくとも1つの第6の障壁部材は、便器ボウルに連結されるように構成され、少なくとも1つの第3の障壁部材と少なくとも1つの第4の障壁部材とが互いに封止するように係合し、且つ、少なくとも1つの第5の障壁部材と少なくとも1つの第6の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、少なくとも1つの第2の障壁と少なくとも1つの第3の障壁とは、便器ボウルの内部から便器ボウルの外部への物体の移動を阻止又は低減する。
【0011】
本発明の第2の広範な態様によると、便器ボウル、便座、及び便器蓋を備える便器を封止するように構成されたデバイスであって、互いに解放可能に封止するように係合し、且つ、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成された、少なくとも1つの第1の障壁部材と少なくとも1つの第2の障壁部材とを備える少なくとも1つの第1の障壁と、互いに解放可能に封止するように係合し、且つ、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成された、少なくとも1つの第3の障壁部材と少なくとも1つの第4の障壁部材とを備える少なくとも1つの第2の障壁とを備え、少なくとも1つの第1の障壁部材は、便器蓋に連結されるように構成され、少なくとも1つの第2の障壁部材は、便座に連結されるように構成され、少なくとも1つの第3の障壁部材は、便座に連結されるように構成され、少なくとも1つの第4の障壁部材は、便器ボウルに連結されるように構成され、少なくとも1つの第1の障壁部材と少なくとも1つの第2の障壁部材とが互いに封止するように係合し、且つ、少なくとも1つの第3の障壁部材と少なくとも1つの第4の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、少なくとも1つの第1の障壁と少なくとも1つの第2の障壁とは、便器ボウルの内部から便器ボウルの外部への物体の移動を阻止又は低減するデバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付の図面では、本発明の例示的な実施形態を示している。
【0013】
図1】便器によって実装された本発明の第1の実施形態の展開斜視図である。
図2】便器によって実装された本発明の第1の実施形態の斜視図である。
図3】便器によって実装された本発明の第1の実施形態の上面図である。
図4】便座によって実装された本発明の第1の実施形態の上面横断面図である。
図5】便器によって実装された本発明の第3の実施形態の展開斜視図である。
図6】便器によって実装された本発明の第3の実施形態の斜視図である。
図7】便器によって実装された本発明の第3の実施形態の部分斜視図である。
図8】便器によって実装された本発明の第3の実施形態の上面図である。
図9】便座によって実装された本発明の第3の実施形態の上面横断面図である。
【0014】
以下、添付の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
当業者により完全な理解を提供するために、以下の説明全体を通して具体的な詳細を記載する。しかしながら、周知の要素は、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために詳細に図示又は説明を行っていない場合もある。以下の説明は、網羅的であること、又は本発明を任意の例示的な実施形態の精密な形に限定することが意図されたものでない。したがって、説明及び図面は、限定的な意味としてではなく、例示的な意味として見なされ、解釈されなければならない。
【0016】
本発明は、便器封止デバイスに係る。デバイスは、互いに解放可能に封止するように係合し、互いに磁気的に引き寄せ合うように構成された障壁部材を備えた少なくとも1つの障壁を備える。障壁部材は、便器蓋、便座、及び/又は、便器ボウルに連結されるように構成され、障壁部材が互いに封止するように係合するとき、少なくとも1つの障壁が、便器ボウルの内部から便器ボウルの外部への物体の移動を阻止又は低減する。
【0017】
図1から図4を参照すると、本発明の第1の実施形態が図示されている。便器ボウル1、便座5、及び便器蓋3を有する通常の便器101上に取り付けられるか、又は取り付けられるように構成された便器封止デバイス100が示されている。
【0018】
デバイス100は、便器蓋3に連結されるか又はこれに組み込まれた第1の障壁部材9と、便座5に連結されるか又はこれに組み込まれた第2の障壁部材11aと、を備える。第1の障壁部材9及び第2の障壁部材11aは、糊及び接着剤等であるがこれらに限定されない様々な手段により、便器蓋3及び便座5にそれぞれ連結され得る。第1の障壁部材9及び第2の障壁部材11aは、互いに解放可能に封止するように係合し、磁気的に引き寄せ合うように構成される。便器蓋3は、便座5に向かって回転可能に位置決めされるため、第1の障壁部材9及び第2の障壁部材11aは互いに封止するように係合する。
【0019】
図1及び図2に示される通り、第1の障壁部材9は蓋3の外周伸長部31に連結され、第2の障壁部材11aは便座5の内周伸長部33に連結されて、便座に開口29を規定する。この結果として、第1の障壁部材9及び第2の障壁部材11aが互いに封止するように係合するとき、便器ボウル1内部から便座5の上面への物体の移動が阻止又は低減される。好ましくは、第1の障壁部材9及び第2の障壁部材11aが互いに封止するように係合する際、蓋3及び第1の障壁部材9は、便座5内にフィットすることで、開口29を塞ぎ、便器ボウル1の内部から便座5の上面への物体の移動を阻止又は低減する。このような実施形態において、蓋3の上面及び第1の障壁部材9は、開口29を塞ぎつつ、便座5の上面と面一であることが好ましい。
【0020】
デバイス100は、便座5に連結されるか又はこれに組み込まれた第3の障壁部材蓋11bと、便器ボウル上面1a又は便器ボウル内面1b上で便器ボウル1に連結されるか又はこれに組み込まれた第4の障壁部材7と、をさらに備える。第3の障壁部材11b及び第4の障壁部材7は、糊及び接着剤等であるがこれらに限定されない様々な手段により、便座5及び便器ボウル1にそれぞれ連結され得る。第3の障壁部材11b及び第4の障壁部材7は、互いに解放可能に封止するように係合し、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成される。便座5が便器ボウル1に向かって回転可能に位置決めされるため、第3の障壁部材11b及び第4の障壁部材7は互いに封止するように係合する。
【0021】
第1の障壁部材9及び第2の障壁部材11aが互いに封止するように係合し、第3の障壁部材11b及び第4の障壁部材7が互いに封止するように係合するとき、便器ボウル1内部から便器ボウル1外部への物体の移動を阻止又は低減する障壁が形成される。これは、便器蓋3と便座5との間に配された第1の空隙と、便座5と便器ボウル1との間に配された第2の空隙と、を少なくとも部分的に埋めるように形成された障壁によって達成され得る。
【0022】
好ましくは、第1の障壁部材9及び第2の障壁部材11aが互いに封止するように係合し、第3の障壁部材11bと第4の障壁部材7とが互いに封止するように係合するとき、便器ボウル1内部から便器ボウル1外部への物体の移動を阻止又は低減するのを補助する気密封止が形成される。これは、障壁部材が、ネオプレン、シリコン、ゴム引き及び/又はプラスチック材料等であるがこれらに限定されない可撓性材料を含み得るため、達成することができる。
【0023】
上述の通り、障壁部材は、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成され得る。これは、障壁部材が強磁性材料を含み得るため達成可能である。好ましくは、障壁部材は、便器ボウルの洗浄動作中に互いを封止するように係合した状態を維持できる大きさの磁気吸引力により、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成される。
【0024】
特定のタイプの便器では、便器ボウル内への空気の通過を著しく阻止することが、洗浄中の便器の適切な動作に悪影響を与え得ると考えられている。適切な洗浄動作を補助するために、デバイス100は、便器ボウル外部から便器ボウル内部への空気の通過を可能にし、便器ボウル内部から便器ボウル外部への空気及び/又は物体の通過を防止するように構成された弁をさらに備え得る。当業者には、現在採用され得る多数の一方向の弁が既知である。
【0025】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、第1の端部17が便器ボウル1の外部に隣接し、第2の端部19が便器ボウル1の内部に隣接するように、第1の端部17及び第2の端部19を有する細長い通路15を備える。好ましくは、このような実施形態では、第1の部分15a及び第2の部分15bが互いに基本的に平行に位置決めされることにより、通路15内部から通路15外部への物体の通過を阻止又は低減しつつ、通路外部から便器ボウル1内部への空気の通過を可能にするように、通路15が、第1の部分15aと第2の部分15bとを備える。図4は、通路15が便座5内に設けられるような実施形態を示している。物体は便器ボウル1内部から通路内へと移動する際、物体の一部は、第1の部分と第2の部分とを接続するターンに衝突するため、通路内で捕捉される。通路15の部分とターンの数が多いほど、通路15内部から通路15外部へ向かう物体の通過の阻止又は低減を増す。フラップ21は、第1の端部17に連結されて、通路15内部から通路15外部への物体の通過を阻止又は低減するのを補助してもよい。フラップ21は、開放して空気が通路15に入るのを可能にするものの、閉じたままであり、物体が通路15から存在するのを阻止又は低減するように構成される。
【0026】
動作中、使用者は、便器101を使用した後、第1の障壁部材9及び第2の障壁部材11aが互いに封止するように係合するように便器蓋3を閉じる。便座5は、使用中には既に下の位置にあり、そうでない場合、使用者は蓋3を閉じる前に便座を下げて、第3の障壁部材11bと第4の障壁部材7が互いに封止するよう係合するようにする。使用者が便器を洗浄する際、障壁部材は、障壁部材内の磁気材料から生じた磁気による吸引閉鎖力により、封止して係合された状態を維持する。洗浄動作を補助するために、弁は、便器ボウル1内部から便器ボウル1外部への空気及び/又は物体の通過を防止しつつ、便器ボウル1外部から便器ボウル1内部への空気の通過を可能にする。
【0027】
しかしながら、本発明の第2の実施形態によると、便器封止デバイスは、本発明の第1の実施形態について説明したのと同様に、便器ボウル及び便器蓋を有する便器(すなわち、便座がない)に取り付けられるか又は取り付けられるように構成される。
【0028】
このデバイスは、便器蓋に連結されるか又はこれに組み込まれた第1の障壁部材と、便器ボウルに連結されるか又はこれに組み込まれた第2の障壁部材と、を備える。第1の障壁部材及び第2の障壁部材は、糊及び接着剤等であるがこれらに限定されない様々な手段により、便器蓋及び便器ボウルにそれぞれ連結され得る。第1の障壁部材及び第2の障壁部材は、互いに解放可能に封止するように係合し、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成される。便器蓋が便器ボウルに向かって回転可能に位置決めされるため、第1の障壁部材及び第2の障壁部材は互いに封止するように係合する。
【0029】
第1の実施形態と同様に、いくつかの実施形態において、第1の障壁部材は、蓋の外周伸長部に連結され、第2の障壁部材は、ボウルの内周伸長部に連結されて、ボウルの開口を規定してもよい。この結果として、第1の障壁部材と第2の障壁部材とが互いに封止するように係合するとき、便器ボウルの内部から便器ボウルの上面(1a参照)への物体の移動が阻止又は低減される。好ましくは、蓋及び第1の障壁部材は、第1の障壁部材及び第2の障壁部材が互いに封止するように係合する際、ボウル内部にフィットして、便器ボウルの開口を塞ぎ、便器ボウルの内部からボウル上面への物体の移動を阻止又は低減する。このような実施形態において、蓋の上面及び第1の障壁部材は、開口を塞ぎつつ、ボウル上面と面一であることが好ましい。
【0030】
第1の障壁部材及び第2の障壁部材が互いに封止するように係合するとき、便器ボウル内部から便器ボウル外部への物体の移動を阻止又は低減する障壁が形成される。これは、便器蓋と便器ボウルとの間に配された空隙を少なくとも部分的に埋めるように形成された障壁によって達成され得る。
【0031】
好ましくは、第1の障壁部材及び第2の障壁部材が互いに封止するように係合するとき、便器ボウル内部から便器ボウル外部への物体の移動を阻止又は低減するのを補助する気密封止が形成される。これは、障壁部材が、ネオプレン、シリコン、ゴム引き及び/又はプラスチック材料等であるがこれらに限定されない可撓性材料を含み得るため、達成することができる。
【0032】
上述の通り、障壁部材は、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成され得る。これは、障壁部材が強磁性材料を含み得るために達成可能である。好ましくは、障壁部材は、便器ボウルの洗浄動作中に互いを封止するように係合した状態を維持できる大きさの磁気吸引力により、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成される。
【0033】
特定のタイプの便器では、便器ボウル内への空気の通過を著しく阻止することが、洗浄中の便器の適切な動作に悪影響を与え得ると考えられている。適切な洗浄動作を補助するために、このデバイスはさらに、便器ボウル外部から便器ボウル内部への空気の通過を可能にし、便器ボウル内部から便器ボウル外部への空気及び/又は物体の通過を防止するように構成された弁を備えてもよい。当業者には、現在採用され得る多数の一方向の弁が既知である。
【0034】
いくつかの実施形態において、このデバイスは、第1の端部が便器ボウル外部に隣接し、第2の端部が便器ボウル内部に隣接するように、第1の端部及び第2の端部を有する細長い通路を備える。好ましくは、このような実施形態について、通路は、第1の部分及び第2の部分が互いに基本的に平行となるように位置決めされることにより、通路内部から通路外部への物体の通過を阻止又は低減しつつ、通路外部から便器ボウル内部への空気の通過を可能にする第1の部分及び第2の部分を備える。物体は便器ボウル内部から通路内へと移動する際、物体の一部は、第1の部分と第2の部分とを接続するターンに衝突するため、通路内で捕捉される。通路の部分とターンの数が多いほど、通路内部から通路外部へ向かう物体の通過の阻止又は低減を増す。フラップは、第1の端部に連結されて、通路内部から通路外部への物体の通過を阻止又は低減するのを補助してもよい。フラップは、開放して空気が通路に入るのを可能にするものの、閉じたままであり、物体が通路から存在するのを阻止又は低減するように構成される。
【0035】
図5から図9を参照すると、本発明の第3の実施形態が示されている。便器ボウル31、便座35、及び便器蓋33を有する通常の便器3101に取り付けられるか又は取り付けられるように構成された便器封止デバイス3100が示されている。しかしながら、便座35が空間323を有したU字型である。空間323は、便座35の離間した端部を形成する便座35の外周伸長部335と内周伸長部333との間に延設される。蓋33は、空間323内にフィットするように構成されたナブ部材325を備える。
【0036】
デバイス3100は、便器蓋33に連結されるか又はこれに組み込まれた第1の障壁部材39と、便器ボウル31に連結されるか又はこれに組み込まれた第2の障壁部材37と、を備える。第1の障壁部材39及び第2の障壁部材37は、空間323に隣接したナブ部材325の底面及び便器ボウル31において、糊及び接着剤等であるがこれらに限定されない様々な手段により、便器蓋33にそれぞれ連結されてもよい。第1の障壁部材39及び第2の障壁部材37は、互いに解放可能に封止するように係合し、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成される。便器蓋33は便器ボウル31に向かって回転可能に位置決めされるため、第1の障壁部材39及び第2の障壁部材37aは互いに封止するように係合する。
【0037】
デバイス3100は、便器蓋33に連結されるか又はこれに組み込まれた第3の障壁部材39aと、便座35に連結されるか又はこれに組み込まれた第4の障壁部材311aと、をさらに備える。第3の障壁部材39a及び第4の障壁部材311aは、糊及び接着剤等であるがこれらに限定されない様々な手段により、ナブ部材325及び便座35の側面を含んで便器蓋33にそれぞれ連結されてもよい。第3の障壁部材39a及び第4の障壁部材311aは、互いに解放可能に封止するように係合し、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成される。便器蓋33が便座35に向かって回転可能に位置決めされるため、第3の障壁部材39a及び第4の障壁部材311aは互いに封止するように係合する。
【0038】
図5及び図6に示される通り、第3の障壁部材39aは、蓋33の外周伸長部331とナブ325の側面とに連結され、第4の障壁部材311aは、便座35の内周伸長部333に連結されて、便座の開口329を規定する。この結果として、第3の障壁部材39a及び第4の障壁部材311aが互いに封止するように係合するとき、便器ボウル31内部から便座35の上面への物体の移動が阻止又は低減される。好ましくは、第3の障壁部材39a及び第4の障壁部材311aが互いに封止するように係合する際、蓋33及び第3の障壁部材39aは、便座35内部でフィットすることにより、開口329を塞ぎ、便器ボウル31内部から便座35の上面への物体の移動を阻止又は低減する。このような実施形態において、蓋33の上面及び第3の障壁部材39aは、開口329を塞ぎつつ、便座35上面と面一であることが好ましい。
【0039】
デバイス3100は、便座35に連結されるか又はこれに組み込まれた第5の障壁部材311bと、便器ボウル上面31a上で、便器ボウル31に連結されるか又はこれに組み込まれた第6の障壁部材37aと、をさらに備える。第5の障壁部材311b及び第6の障壁部材37aは、糊及び接着剤等であるがこれらに限定されない様々な手段により、便座35及び便器ボウル31にそれぞれ連結されてもよい。第5の障壁部材311b及び第6の障壁部材37aは、互いに解放可能に封止するように係合し、磁気的に引き寄せ合うように構成される。便座35は、便器ボウル31に向かって回転可能に位置決めされるため、第5の障壁部材311b及び第6の障壁部材37は互いに封止するように係合する。
【0040】
第1の障壁部材39及び第2の障壁部材37が互いに封止するように係合するとき、第3の障壁部材39a及び第4の障壁部材311aは、互いに封止するように係合し、第5の障壁部材311b及び第6の障壁部材37は、互いに封止するように係合し、便器ボウル31内部から便器ボウル31外部への物体の移動を阻止又は低減する障壁が形成される。これは、空間323に隣接した(ナブ部材325における)便器蓋33と便器ボウル31との間に配された第1の空隙と、便器蓋33と便座35との間に配された第2の空隙と、便座35と便器ボウル31との間に配された第3の空隙と、を少なくとも部分的に埋めるように形成された障壁によって達成され得る。
【0041】
好ましくは、第1の障壁部材39及び第2の障壁部材37が互いに封止するように係合し、第3の障壁部材39a及び第4の障壁部材311aが互いに封止するように係合し、第5の障壁部材311b及び第6の障壁部材37が互いに封止するように係合するとき、便器ボウル31内部から便器ボウル31外部への材料の移動の阻止又は低減を補助する気密封止が形成される。これは、障壁部材が、ネオプレン、シリコン、ゴム引き及び/又はプラスチック材料等であるがこれらに限定されない可撓性材料を含み得るため、達成することができる。
【0042】
上述の通り、障壁部材は、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成され得る。これは、障壁部材が強磁性材料を含み得るために達成可能である。好ましくは、障壁部材は、便器ボウルの洗浄動作中、互いを封止するように係合した状態を維持できる大きさの磁気吸引力により、互いを磁気的に引き寄せ合うように構成される。
【0043】
特定のタイプの便器では、便器ボウル内への空気の通過を著しく阻止することが、洗浄中の便器の適切な動作に悪影響を与え得ると考えられている。適切な洗浄動作を補助するために、デバイス3100はさらに、便器ボウル外部から便器ボウル内部への空気の通過を可能にし、便器ボウル内部から便器ボウル外部への空気及び/又は材料の通過を防止するように構成された弁を備えてもよい。当業者には、現在採用され得る多数の一方向の弁が既知である。
【0044】
いくつかの実施形態において、デバイス3100は、第1の端部317は便器ボウル31外部に隣接し、第2の端部319は、便器ボウル31内部に隣接するように、第1の端部317及び第2の端部319を有する細長い通路315を備える。好ましくは、このような実施形態について、通路315は、第1の部分315a及び第2の部分315bが互いに基本的に平行に位置決めされることにより、通路315内部から通路315外部への物体の通過を阻止又は低減しつつ、通路外部から便器ボウル31内部への空気の通過を可能にするように、第1の部分315a及び第2の部分315bを備える。図9は、通路315が便座35内部に設けられるような実施形態を示している。物体は便器ボウル31内部から通路内へと移動する際、物体の一部は、第1の部分と第2の部分とを接続するターンに衝突するため、通路内で捕捉される。通路315の部分とターンの数が多いほど、通路315内部から通路315外部へ向かう物体の通過の阻止又は低減を増す。フラップ321は、第1の端部317に連結されて、通路315内部から通路315外部への物体の通過を阻止又は低減するのを補助してもよい。フラップ321は、開放して空気が通路315に入るのを可能にするものの、閉じたままであり、物体が通路315から存在するのを阻止又は低減するように構成される。
【0045】
本発明のいくつかの例示的な実施形態によると、デバイスは、噴霧器アセンブリを備えてもよい。噴霧器アセンブリ13、313は、消毒剤等の液体を便器ボウル内に噴霧するように構成される。噴霧器アセンブリ13、313は、空気の入口及び噴霧ディスペンサの入口として、便座裏に孔部340を備えてもよい。当業者には、本発明において採用し得る多数の噴霧器アセンブリが既知であろう。使用者は、便器ボウル内部が確実に衛生的であるように、便器蓋を持ち上げる前に噴霧器アセンブリを採用してもよい。いくつかの実施形態において、噴霧器アセンブリノズルが回転して、液体を便器ボウル内に完全に噴霧させてもよい。
【0046】
本発明のいくつかの例示的な実施形態によると、デバイスは、蓋の少なくとも一部が透明で、蓋が閉じた位置にあり、便器が封止されているときに、使用者が便器ボウル内部を検査することができるようにした便器蓋を備えてもよい。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態によると、障壁部材は、蓋又は便座等の便器部品を閉じる際衝突及び衝突による騒音を減衰するようにゴム引きされる。
【0048】
文脈上明確に別段の要求のない限り、説明及び特許請求の範囲全体を通して、
・「備える」、「備えている」等は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味で理解されなければならない。すなわち、「含むが限定されない」、「接続される」、「連結される」、又はその任意の活用形は、直接又は間接を問わず、2つ以上の要素の任意の接続又は連結を意味し、それら要素の間の連結又は接続は、物理的、論理的、又はこれらの組み合わせであり得る。
・「ここで」、「以上」、「以下」等、同様の意味を持つ単語は、本明細書の記載に使用される場合、本明細書の特定の部分でなく、本明細書全体を指すものとする。
・2つ以上の項目一覧を参照して「又は」と述べた場合、単語の以下の解釈すべてを網羅する。つまり、一覧中の項目のいずれか、一覧中の項目のすべて、及び一覧中の項目の任意の組み合わせである。
・単数形の不定冠詞及び定冠詞は、任意の適切な複数の形の意味も含む。
【0049】
本明細書及び任意の添付の請求項(存在する場合)において使用される「垂直」、「横」、「水平」、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「内側」、「外側」、「垂直」、「横」、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「底」、「下方に」、「上方に」、「下に」等、方向を示す単語は、説明及び図示の装置の特定の向きに応じて決まる。本明細書に記載の主題は、様々な代替の向きを想定してもよい。したがって、これらの方向を表す用語は厳密に規定されるものでなく狭義に解釈されてはならない。
【0050】
本明細書において構成要素(例えば、回路、モジュール、アセンブリ、デバイス等)について言及したが、別段の指摘のない限り、この構成要素(「手段」との言及を含む)は、本発明の例示的な実施形態における機能を実施する本開示の構造と構造的に同一でない構成要素を含む、記載の構成要素の機能を実施する任意の機能の同等物(すなわち、機能的に同等であるもの)を含むものとして解釈されなければならない。
【0051】
本明細書では、例示を目的として方法及び装置の具体例を説明した。これらは単なる例である。本明細書において提供される発明は、以上に記載の例示的な文脈以外の文脈にも適用可能である。本発明の実施の範囲内において、多数の代替、変更、追加、省略、及び配置換えが可能である。本発明には、特徴、要素、及び/又は、行為を同等の特徴、要素、及び/又は、行為に置き換えること、特徴、異なる実施形態の特徴、要素、及び/又は、行為を混合及びマッチさせること、本明細書に記載の実施形態の特徴、要素、及び/又は行為を、他の技術の特徴、要素、及び/又は行為と組み合わせること、及び/又は、本記載の実施形態の特徴、要素、及び/又は行為の組み合わせを省略することを含む、当業者によって明らかな記載の実施形態のバリエーションが含まれる。
【0052】
以上は、本発明の原則の単なる例示と考えられる。特許請求の範囲は、以上に記載の例示的な実施形態によって限定されてはならず、本明細書全体と一致する最も広義の解釈が与えられなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】