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特表2023-530718スピニングディスク噴霧器を用いて液体供給物から多粒子を作製するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】スピニングディスク噴霧器を用いて液体供給物から多粒子を作製するための方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 2/02 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
B01J2/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577536
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 IB2021055276
(87)【国際公開番号】W WO2021255645
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】63/041,024
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】512054458
【氏名又は名称】キャプシュゲル・ベルジウム・エヌ・ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・ピー・ボウ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ブーケ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ディー・クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ナイジェル・ディー・ハリソン
(72)【発明者】
【氏名】コディ・エー・プラザー
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター・ファン・ホーレン
(72)【発明者】
【氏名】ステファーン・ヤーク・ファンクイッケンボルネ
(72)【発明者】
【氏名】バルト・ヘルウィルゲン
【テーマコード(参考)】
4G004
【Fターム(参考)】
4G004CA06
(57)【要約】
多粒子を作製するためのプロセスであって、活性成分及び賦形剤を含む溶融供給物を提供することと、スピニングディスク噴霧器(100)を提供することであって、スピニングディスク噴霧器(100)が、中空駆動シャフト(A-A’)によって上方から駆動される供給物受容面(112)有する回転ディスク(110)を備える、提供することと、を含み、中空駆動シャフト(A-A’)及び回転可能ディスク(B-B’)の回転軸が、同軸であり、中空駆動シャフト(200)の下方端部(22)が、溶融供給物の、ウェル(116)内への流れを調節するためのディストリビュータ(204)を備えて配設されており、ディストリビュータ(204)及びウェル(116)が、供給物受容面(112)全体にわたる溶融供給物の実質的に半径方向に均一な外向きの流れを提供するようにともに構成されている、プロセス。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多粒子を作製するためのプロセスであって、
活性成分及び賦形剤を含む溶融供給物を提供することと、
スピニングディスク噴霧器(100)を提供することであって、前記スピニングディスク噴霧器(100)が、
供給物受容面(112)及び回転軸(B-B’)を有する回転ディスク(110)であって、前記供給物受容面が、前記回転軸(B-B’)を中心とするウェル(116)を画定する、回転ディスク(110)、並びに
長手方向シャフトルーメン(202)及び回転軸(A-A’)を有し、かつ前記回転ディスク(110)に取り付けられている、駆動中空シャフト(200)を備える、提供することと、
前記ルーメン(202)を通る前記溶融供給物を前記供給物受容面(112)上に誘導し、かつ前記回転ディスク(110)からの前記溶融供給物を霧化して、固体多粒子を形成することと、を含み、
前記中空駆動シャフト(A-A’)及び前記回転可能ディスク(B-B’)の前記回転軸が、同軸であり、前記中空駆動シャフト(200)の下方端部(22)が、前記溶融供給物の、前記ウェル(116)内への流れを調節するためのディストリビュータ(204)を備えて配設されており、前記ディストリビュータ(204)及び前記ウェル(116)が、前記供給物受容面(112)全体にわたる前記溶融供給物の実質的に半径方向に均一な外向きの流れを提供するようにともに構成されている、プロセス。
【請求項2】
前記供給物受容面(112)が、前記ウェル(116)に向かって中心(30)及び下方(22)方向に徐々に傾斜する周囲フレア部(114)を備え、前記ウェル(116)が、ウェル基部端部(117)に向かって更に下方(22)に延在し、前記ウェル(116)の前記供給物受容面の少なくとも一部分が、前記フレア部(114)の前記供給物受容面の少なくとも一部分よりも急峻である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記供給物受容面(112)の前記フレア部(114)が、複数の半径方向チャネル(160,-a,-b)を備え、各チャネルが、溶融供給物のための導管であり、上方(20)側で開いており、周囲(32)及び中心(30)端部の両方で開いており、かつ前記ウェル(116)から前記フレア部(114)の周縁に溶融供給物を導くように構成されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記回転可能ディスク(110)が、下方側(22)上に、前記供給物受容面の温度を調節するように構成された発熱体(180)を備えて配設されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
回転可能ディスク(110)及び供給物受容面(112)の数が、1つである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ディストリビュータ(204)が、前記溶融供給物の流出のために前記中空駆動シャフト(200)の前記下方端部(22)の円周の周りに配設された複数のアパーチャ(210)を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ピラー(212,a,b)が、隣接するアパーチャ対(210,a,b)の間に配設されており、前記ピラー(212,a,b)が、横断面において、ピラー外縁(214,a)、2つのピラー側縁(216,a,b;218,a,b)、及び任意選択的にピラー内縁(220,a)を有し、前記ピラー(212,b)の前記側縁(216,b及び218b)が、前記中空駆動シャフト(200)の中央(30)に向かう方向に収束する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記中空駆動シャフトが、前記回転可能ディスク(110)の前記ウェル基部端部(117)中の開口(130)を通って、前記中空駆動シャフトの下方端部(22)に取り外し可能に取り付け可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記中空駆動シャフトが、前記中空駆動シャフトの下方端部(22)にフランジ(500)を有し、前記フランジの上面が、前記回転ディスクの下面を受容するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
シャフトプラグが、前記フランジの下面と係合し、前記回転ディスクが、前記シャフトプラグ中の複数の第1の開口、前記フランジ中の複数の第2の開口、及び回転ディスク中の複数の第3の開口を通って延在する複数の留め具によって前記フランジに固定される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記中空駆動シャフト(200)が、上方端部(20)において、解放可能な装着台(350)に取り外し可能に取り付け可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記スピニングディスク噴霧器(100)が、前記駆動シャフト(200)を受容するための長手方向シャフトルーメン(272)を有する中空外側支持シャフト(270)を更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記供給物受容面の少なくとも一部及び前記供給物受容面(112)から噴霧されている供給物粒子の1つ以上の画像を噴霧中にキャプチャするように構成されている光学カメラを更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のスピニングディスク噴霧器(100)。
【請求項14】
前記スピニングディスク噴霧器(100)が、前記回転可能ディスク(110)から噴出された粒子が変換を受けることができる容器容積(404)を有するプロセス容器(400)内に部分的に挿入されるように構成されており、前記回転可能ディスク(110)が、前記容器容積内に埋め込まれており、前記スピニングディスク噴霧器の前記上方端部が、前記容器の外側にある、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記液体供給物が、少なくとも1つの活性剤及び少なくとも1つの賦形剤を含む溶融供給物であり、
任意選択的に、前記少なくとも1つの賦形剤が、モノグリセリルベヘネート、ジグリセリルベヘネート、及びトリグリセリルベヘネートの混合物(Compritol 888)、トリステアリン酸グリセリル(Dynasan 118)、水添綿実油(Lubritab)、水添ヒマシ油(Kolliwax HCO)、ステアリルアルコール(Kolliwax SA)、ステアリン酸及びパルミチン酸50(Kolliwax S)、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ステアロイルポリオキシルグリセリド(Gelucire 50/13)、又は脂肪酸のポリグリセロールエステルなどの、アルキル含有グリセロールである、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記溶融供給物が、細孔形成剤、膨潤剤、放出改質材料、及び粘度改質剤のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記多粒子が、100μm~最大約3mmの粒径範囲を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月18日に出願された米国仮出願第63/041,024号の利益を主張する。先行出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載される装置及び方法は、スピニングディスクアトマイザとしても知られるスピニングディスク噴霧器の分野である。特に、それらは、例えば、溶融噴霧凝固(melt-spray-congeal、MSC)プロセスにおいて、溶融供給物からの多粒子の調製に適用されるスピニングディスク噴霧器に関する。
【背景技術】
【0003】
典型的なスピニングディスク噴霧器は、製品供給物を表面回転ディスクに受容し、遠心力が供給物を半径方向に外向きに排出し、そこで供給物は小さな粒子として表面を離れる。スピニングディスク噴霧器を使用して、溶剤ベースの噴霧乾燥で粒子を作製している。そのような装置の1つは、例えば、WO2016/087261に記載されている。
【0004】
多くの用途では、粒径は定義された範囲内でなければならない。溶融噴霧凝固(MSC)プロセスでは、例えば、回転式アトマイザの回転ディスクが大型プロセス容器の頂部に配置されており、溶融供給物が、容器内の空中に凝固し、かつ固体粒子として収集される基部に向かって落下する粒子を排出する回転ディスク上に供給される。MSCプロセスを使用して、薬剤の送達のための脂質多粒子が生成され得、粒径の制御が、一貫した量の薬剤を含有する均一な生成物を得るために重要である。
【0005】
本明細書では、より狭い粒径分布を有する粒子を生成するための方法及びスピニングディスク噴霧器を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に開示されるのは、溶融供給物から多粒子を調製するためのスピニングディスク噴霧器、及びそれを使用して多粒子を形成する方法を対象とする様々な実施形態である。
【0007】
本明細書では、多粒子を作製するためのプロセスであって、活性成分及び賦形剤を含む溶融供給物を提供することと、スピニングディスク噴霧器(100)を提供することであって、スピニングディスク噴霧器(100)が、供給物受容面(112)及び回転軸(B-B’)を有する回転ディスク(110)、並びに長手方向シャフトルーメン(202)及び回転軸(A-A’)を有し、かつ回転ディスク(110)に取り付けられている、駆動中空シャフト(200)を備える、提供することと、を含む、プロセスが提供される。供給物受容面は、回転軸(B-B’)を中心とするウェル(116)を画定することができる。
【0008】
溶融供給物は、ルーメン(202)を通って供給物受容面(112)上に誘導され、回転ディスク(110)からの溶融供給物を霧化して、固体多粒子を形成することができる。中空駆動シャフト(A-A’)及び回転可能ディスク(B-B’)の回転軸は同軸であり得、中空駆動シャフト(200)の下方端部(22)が、溶融供給物のウェル(116)内への流れを調節するためのディストリビュータ(204)を備えて配設され得る。ディストリビュータ(204)及びウェル(116)は、供給物受容面(112)全体にわたって溶融供給物の実質的に半径方向の均一な外向きの流れを提供するために一緒に構成することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、供給物受容面(112)は、ウェル(116)に向かって中心(30)及び下方(22)方向に徐々に傾斜する周囲フレア部(114)を備えてもよく、ウェル(116)は、ウェル基部端部(117)に向かって更に下方(22)に延在する。ウェル(116)の供給物受容面の少なくとも一部分は、フレア部(114)の供給物受容面の少なくとも一部分よりも急峻であり得る。
【0010】
他の実施形態では、供給物受容面(112)のフレア部(114)は、複数の半径方向チャネル(160,-a,-b)を備えてもよく、各チャネルは、溶融供給物のための導管であり、上方(20)側で開いており、周囲(32)及び中心(30)端部の両方で開いており、かつウェル(116)からフレア部(114)の周縁に溶融供給物を導くように構成されている。
【0011】
更に他の実施形態では、回転可能ディスク(110)は、下方側(22)上に、供給物受容面の温度を調節するように構成された発熱体(180)を備えて配設されてもよい。いくつかの実施形態では、回転可能ディスク(110)及び供給物受容面(112)の数は、1つとすることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、ディストリビュータ(204)は、溶融供給物の流出のために中空駆動シャフト(200)の下方端部(22)の円周の周りに配設された複数のアパーチャ(210)を備えることができる。いくつかの実施形態では、ピラー(212,a,b)が、隣接するアパーチャ対(210,a,b)の間に配設されてもよく、ピラー(212,a,b)は、横断面において、ピラー外縁(214,a)、2つのピラー側縁(216,a,b;218,a,b)、及び任意選択的にピラー内縁(220,a)を有し、ピラー(212,b)の側縁(216,b及び218b)は、中空駆動シャフト(200)の中央(30)に向かう方向に収束する。
【0013】
中空駆動シャフトは、回転可能ディスク(110)のウェル基部端部(117)中の開口(130)を通って、中空駆動シャフトの下方端部(22)に取り外し可能に取り付け可能である。中空駆動シャフト(200)は、上方端部(20)において、解放可能な装着台(350)に取り外し可能に取り付け可能であり得る。スピニングディスク噴霧器(100)は、駆動シャフト(200)を受容するための長手方向シャフトルーメン(272)を有する中空外側支持シャフト(270)を更に備えることができる。スピニングディスク噴霧器(100)は、供給物受容面の少なくとも一部及び供給物受容面(112)から噴霧されている供給物粒子の1つ以上の画像を噴霧中にキャプチャするように構成されている光学カメラを更に備えることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、スピニングディスク噴霧器(100)は、回転可能ディスク(110)から噴出された粒子が変換を受けることができる容器容積(404)を有するプロセス容器(400)内に部分的に挿入されるように構成されてもよく、回転可能ディスク(110)は、容器容積内に埋め込まれており、スピニングディスク噴霧器の上方端部は、容器の外側にある。液体供給物は、少なくとも1つの活性剤及び少なくとも1つの賦形剤を含む溶融供給物であり得、任意選択的に、少なくとも1つの賦形剤は、モノグリセリルベヘネート、ジグリセリルベヘネート、及びトリグリセリルベヘネートの混合物(Compritol888)、トリステアリン酸グリセリル(Dynasan118)、水添綿実油(Lubritab)、水添ヒマシ油(Kolliwax HCO)、ステアリルアルコール(Kolliwax SA)、ステアリン酸及びパルミチン酸50(Kolliwax S)、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ステアロイルポリオキシルグリセリド(Gelucire50/13)、又は脂肪酸のポリグリセロールエステルなどの、アルキル含有グリセロールである。溶融供給物は、細孔形成剤、膨潤剤、放出改質材料、及び粘度改質剤のうちの少なくとも1つを更に含んでもよい。多粒子は、100μm~最大約3mmの粒径範囲を有してもよい。
【0015】
溶融供給物から多粒子を調製するための開示されたスピニングディスク噴霧器の追加の特徴及び実施態様、並びにそれらを使用して多粒子を形成する方法が、本明細書に提供される。本発明の前述及び他の目的、特徴、並びに利点は、添付の図面を参照して進行する以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本明細書に記載のスピニングディスク噴霧器(100)の概略図である。
図2A】スピニングディスク噴霧器(100)の異なる試験の結果の写真であり、図2Aは、回転可能ディスク(110)の回転軸及び液体供給物(溶融供給物)を供給する供給物出口(111)が偏心しており、図2Bは、ウェル(116)が、液体供給物(懸濁液)を受容する平坦なウェル床面を備え、図2Cは、ウェル(116)が、液体供給物(懸濁液)を受容する凹状ウェル床面を備える。
図2B】スピニングディスク噴霧器(100)の異なる試験の結果の写真であり、図2Aは、回転可能ディスク(110)の回転軸及び液体供給物(溶融供給物)を供給する供給物出口(111)が偏心しており、図2Bは、ウェル(116)が、液体供給物(懸濁液)を受容する平坦なウェル床面を備え、図2Cは、ウェル(116)が、液体供給物(懸濁液)を受容する凹状ウェル床面を備える。
図2C】スピニングディスク噴霧器(100)の異なる試験の結果の写真であり、図2Aは、回転可能ディスク(110)の回転軸及び液体供給物(溶融供給物)を供給する供給物出口(111)が偏心しており、図2Bは、ウェル(116)が、液体供給物(懸濁液)を受容する平坦なウェル床面を備え、図2Cは、ウェル(116)が、液体供給物(懸濁液)を受容する凹状ウェル床面を備える。
図3A】回転可能ディスク(110)の様々な断面図である。
図3B】回転可能ディスク(110)の様々な断面図である。
図3C】回転可能ディスク(110)の様々な断面図である。
図3D】熱エミッタを示す回転可能ディスク(110)の断面である。
図4A】中空駆動シャフト(図4A)、ピラーを横切る横断面図(図4B及び図4C)、アパーチャの側面図(図4D)の、様々な図を示す。
図4B】中空駆動シャフト(図4A)、ピラーを横切る横断面図(図4B及び図4C)、アパーチャの側面図(図4D)の、様々な図を示す。
図4C】中空駆動シャフト(図4A)、ピラーを横切る横断面図(図4B及び図4C)、アパーチャの側面図(図4D)の、様々な図を示す。
図4D】中空駆動シャフト(図4A)、ピラーを横切る横断面図(図4B及び図4C)、アパーチャの側面図(図4D)の、様々な図を示す。
図5A】スピニングディスク噴霧器(100)の異なる試験の結果の写真であり、図5Aは、中空駆動シャフト(200)の中心に向かって収束する側縁を有するピラーを使用した流れパターンであり(図5A’)、図5Bは、中空駆動シャフト(200)の周囲に向かって収束する側縁を有するピラーを使用した流れパターンであり(図5B’)、図5Cは、非対称ピラーを使用した流れパターンである(図5C’)。
図5B】スピニングディスク噴霧器(100)の異なる試験の結果の写真であり、図5Aは、中空駆動シャフト(200)の中心に向かって収束する側縁を有するピラーを使用した流れパターンであり(図5A’)、図5Bは、中空駆動シャフト(200)の周囲に向かって収束する側縁を有するピラーを使用した流れパターンであり(図5B’)、図5Cは、非対称ピラーを使用した流れパターンである(図5C’)。
図5C】スピニングディスク噴霧器(100)の異なる試験の結果の写真であり、図5Aは、中空駆動シャフト(200)の中心に向かって収束する側縁を有するピラーを使用した流れパターンであり(図5A’)、図5Bは、中空駆動シャフト(200)の周囲に向かって収束する側縁を有するピラーを使用した流れパターンであり(図5B’)、図5Cは、非対称ピラーを使用した流れパターンである(図5C’)。
図6A】バヨネット継手、及びシャフトプラグの概略図である。図6Aは、中空駆動シャフト及び回転可能ディスクを通る長手方向断面であり、図6Bは、中空駆動シャフトバヨネット継手の等角図であり、図6Cは、回転可能ディスクバヨネット継手の等角図であり、図6Dは、中空駆動シャフト及び回転可能ディスクと係合するシャフトプラグの等角図である。
図6B】バヨネット継手、及びシャフトプラグの概略図である。図6Aは、中空駆動シャフト及び回転可能ディスクを通る長手方向断面であり、図6Bは、中空駆動シャフトバヨネット継手の等角図であり、図6Cは、回転可能ディスクバヨネット継手の等角図であり、図6Dは、中空駆動シャフト及び回転可能ディスクと係合するシャフトプラグの等角図である。
図6C】バヨネット継手、及びシャフトプラグの概略図である。図6Aは、中空駆動シャフト及び回転可能ディスクを通る長手方向断面であり、図6Bは、中空駆動シャフトバヨネット継手の等角図であり、図6Cは、回転可能ディスクバヨネット継手の等角図であり、図6Dは、中空駆動シャフト及び回転可能ディスクと係合するシャフトプラグの等角図である。
図6D】バヨネット継手、及びシャフトプラグの概略図である。図6Aは、中空駆動シャフト及び回転可能ディスクを通る長手方向断面であり、図6Bは、中空駆動シャフトバヨネット継手の等角図であり、図6Cは、回転可能ディスクバヨネット継手の等角図であり、図6Dは、中空駆動シャフト及び回転可能ディスクと係合するシャフトプラグの等角図である。
図7A】シャフトプラグの概略図である。図7Aは、シャフトプラグを通る長手方向断面であり、図7Bは、バヨネット継手を一緒にクランプするシャフトプラグを通る長手方向断面であり、図7Cは、キーを備えたシャフトプラグを通る長手方向断面である。
図7B】シャフトプラグの概略図である。図7Aは、シャフトプラグを通る長手方向断面であり、図7Bは、バヨネット継手を一緒にクランプするシャフトプラグを通る長手方向断面であり、図7Cは、キーを備えたシャフトプラグを通る長手方向断面である。
図7C】シャフトプラグの概略図である。図7Aは、シャフトプラグを通る長手方向断面であり、図7Bは、バヨネット継手を一緒にクランプするシャフトプラグを通る長手方向断面であり、図7Cは、キーを備えたシャフトプラグを通る長手方向断面である。
図8A】シャフト及び管の配置の概略図である。図8Aは、スピニングディスク噴霧器(100)内のシャフト及び管の配置の等角図/透視図であり、シャーシアセンブリに関してスピニングディスク噴霧器(100)内のシャフト及び管の配置の横断面図であり、破線によって回転部分が表されており、実線によってシャーシに固定されている部分が表されている。
図8B】シャフト及び管の配置の概略図である。図8Aは、スピニングディスク噴霧器(100)内のシャフト及び管の配置の等角図/透視図であり、シャーシアセンブリに関してスピニングディスク噴霧器(100)内のシャフト及び管の配置の横断面図であり、破線によって回転部分が表されており、実線によってシャーシに固定されている部分が表されている。
図9A】ハブ要素装着ブロックの概略図である。
図9B】ハブ要素装着ブロックの概略図である。
図9C】ハブ要素装着ブロックの概略図である。
図9D】ハブ要素装着ブロックの概略図である。
図9E】ハブ要素装着ブロックの概略図である。
図10】プロセス容器内に配設されたスピニングディスク噴霧器(100)の概略図である。
図11】半径方向チャネルを備えた回転可能ディスクの概略図であり、図11Aは、図11のボックスAの拡大であり、図11Bは、図11Aのb-bに沿った断面である。
図11A】半径方向チャネルを備えた回転可能ディスクの概略図であり、図11Aは、図11のボックスAの拡大であり、図11Bは、図11Aのb-bに沿った断面である。
図11B】半径方向チャネルを備えた回転可能ディスクの概略図であり、図11Aは、図11のボックスAの拡大であり、図11Bは、図11Aのb-bに沿った断面である。
図12】平面a-aに沿った図11の回転可能ディスクの断面図である。
図13A】中空駆動部材のフランジに結合された回転可能ディスクの断面図である。
図13B】中空駆動部材のフランジに結合された回転可能ディスクの断面図である。
図14A】中空駆動部材のフランジに結合された回転可能ディスクの追加の断面図である。
図14B】中空駆動部材のフランジに結合された回転可能ディスクの追加の断面図である。
図15A】中空駆動部材のフランジの図である。
図15B】中空駆動部材のフランジの図である。
図15C】中空駆動部材のフランジの図である。
図16A】中空駆動シャフトのフランジに取り付けられるように構成された回転可能ディスク部材の図である。
図16B】中空駆動シャフトのフランジに取り付けられるように構成された回転可能ディスク部材の図である。
図16C】中空駆動シャフトのフランジに取り付けられるように構成された回転可能ディスク部材の図である。
図17A】中空駆動シャフトのフランジに取り付けられるように構成されたシャフトプラグの図である。
図17B】中空駆動シャフトのフランジに取り付けられるように構成されたシャフトプラグの図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の本システム及び方法を記載する前に、本発明は、記載される特定のシステム及び方法又は組み合わせに限定されず、それは、そのようなシステム及び方法並びに組み合わせが、当然、変動し得るからであることを理解されたい。本明細書で使用される用語は制限することが意図されないことも理解されたい。なぜなら、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるからである。
【0018】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明示的に別様に指示しない限り、単数の指示対象及び複数の指示対象の両方を含む。
【0019】
本明細書で使用される場合、「備えている」、「備える」、及び「から構成される」という用語は、「含んでいる」、「含む」、又は「含有している」、「含有する」と同義であり、包含的であるか、又はオープンエンドであり、追加の、列挙されていない部材、要素、又は方法ステップを除外しない。本明細書で使用される用語「備えている」、「備える」、及び「から構成される」は、「からなる(consisting of)」、「からなる(consist)」、及び「からなる(consist of)」という用語を含むことが理解されるであろう。
【0020】
エンドポイントによる数値範囲の列挙は、それぞれの範囲内に属する全ての数及び分数、並びに列挙されたエンドポイントを含む。
【0021】
本明細書で使用される場合、「約」又は「およそ」という用語は、パラメータ、量、及び時間的持続時間などの測定可能な値を指す場合、開示される実施形態においてそのような変動が実施するのに適切である限り、指定された値から+/-10%以下、好ましくは+/-5%以下、より好ましくは+/-1%以下、更により好ましくは+/-0.1%以下の変動を包含することを意味する。修飾語「約」又は「およそ」が指す値自体も具体的に、かつ好ましくは開示されることを理解されたい。
【0022】
「1つ以上」又は「少なくとも1つ」という用語、例えば、部材の群のうちの1つ以上又は少なくとも1つの部材は、それ自体が明確であるが、更なる例示を用いることにより、この用語は、特に、部材のうちの任意の1つ、又は部材のうちの任意の2つ以上、例えば、部材の任意の≧3、≧4、≧5、≧6、又は≧7など、及び全ての部材までへの言及を包含する。
【0023】
本明細書で引用される全ての参照文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。特に、本明細書で具体的に言及される全ての参照文献の教示は、参照により組み込まれる。
【0024】
別途定義されない限り、技術用語及び科学用語を含む本開示で使用される全ての用語は、本開示の技術が属する技術分野の当業者に一般に理解される意味を有する。更なる指針として、用語の定義は、本開示の教示をよりよく理解するために含まれる。
【0025】
以下の節において、本開示の異なる態様は、より詳細に定義される。このように定義される各態様は、反対に明確に示されない限り、任意の他の態様又は複数の態様と組み合わせてもよい。特に、好ましい又は有利であると示される任意の特徴は、好ましい又は有利であると示される任意の他の特徴又は複数の特徴と組み合わせてもよい。
【0026】
本明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における「一実施形態において」又は「実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全てが同一の実施形態を指すわけではないが、同一の実施形態を指してもよい。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、本開示から当業者に明らかであい得るように、任意の好適な様式で組み合わせてもよい。更に、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの他の特徴を含みそれ以外の特徴は含まないが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、当業者によって理解され得るように、本発明の範囲内であることを意味し、異なる実施形態を形成する。例えば、添付の特許請求の範囲では、特許請求の範囲に記載の実施形態のいずれも、任意の組み合わせで使用することができる。
【0027】
本開示では、本開示の一部を形成し、開示された主題が実施され得る特定の実施形態の例示のみを目的として示される添付の図面が参照される。それぞれの要素に添付された括弧付き又は太字体の参照番号は、例として要素を例示しているに過ぎず、それぞれの要素を限定することを意図していない。他の実施形態が利用され得、構造的又は論理的な変更が本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0028】
「上方」(20)及び「下方」(22)という用語は、本明細書では、スピニングディスク噴霧器又はその部分の対向する端部又は側面を指すために使用され、そこで噴霧される供給物は、上方方向から下方方向に向かって供給物入口から流れる。上方は、典型的には、スピニングディスク噴霧器又はその一部の上端に向かい、下方は、スピニングディスク噴霧器又はその一部の基端に向かう。横断面は、回転軸(例えば、A-A’、B-B’)に垂直な平面を横切る断面を指す。
【0029】
「中心」(30)という用語は、本明細書では、中空駆動シャフト(200)中心回転軸(A’A’)に向かう横又は横向き方向を指すために使用され、「周囲」(32)は、本明細書では、中空駆動シャフト(200)軸の中心回転軸(A’A’)から離れる横又は横向き方向を指すために使用される。例えば、図1を参照されたい。
【0030】
本明細書では、液体供給物、特に溶融供給物から多粒子を生成するための方法及びスピニングディスク噴霧器(100)が提供される。スピニングディスク噴霧器(100)は、液体供給物を霧化し、多粒子を生成する。例示的なスピニングディスク噴霧器(100)を図1に示す。
【0031】
スピニングディスク噴霧器(100)に液体供給物を加えることによって多粒子を作製するための方法が本明細書で提供される。例示的な方法は、
-液体供給物を提供するステップと、
-本明細書に記載のスピニングディスク噴霧器(100)を提供するステップであって、スピニングディスク噴霧器(100)が、
-供給物受容面(112)と、回転軸(B-B’)と、を有する回転ディスク(110)であって、供給物受容面が、回転軸(B-B’)を中心とするウェルを画定する、回転ディスク(110)、及び
-回転ディスク(110)に取り付けられており、かつ長手方向シャフトルーメン(202)と、回転軸(A-A’)と、を有する、駆動シャフト(200)を備える、提供するステップと、
-ルーメン(202)を通る液体供給物を供給物受容面(112)上に誘導し、かつ回転ディスク(110)からの液体供給物を霧化して、固体多粒子を形成するステップと、を含む。
【0032】
液体供給物から多粒子を生成するためのスピニングディスク噴霧器(100)も本明細書で提供される。例示的なスピニングディスク噴霧器(100)は、供給物受容面(112)と、回転軸(B-B’)と、を有する回転ディスク(110)を備える。供給物受容面(112)は、回転軸(B-B’)を中心とするウェル(116)を画定する。スピニングディスク噴霧器(100)は、回転ディスク(110)に取り付けられており、かつ長手方向シャフトルーメン(202)と、回転軸(A-A’)と、を有する、駆動シャフト(200)を更に備える。液体供給物は、ルーメン(202)を通って供給物受容面(112)上に誘導され、液体供給物は、回転ディスク(110)によって霧化されて、固体多粒子を形成する。中空駆動シャフト(A-A’)及び回転可能ディスク(B-B’)の回転軸は、同軸である。
【0033】
中空駆動シャフト(200)の下方端部(22)は、溶融供給物のウェル内への流れを調節するためのディストリビュータを備えて配設されており、ディストリビュータは、供給物受容面(112)全体にわたる溶融供給物の外向きの流れを実質的に均一な様式で調節するように構成されている。中空駆動シャフト(200)の下方端部(22)は、溶融供給物のウェル内への流れを調節するためのディストリビュータを備えて配設されてもよく、ディストリビュータ(204)及びウェル(116)は、溶融供給物の供給物受容面(112)全体にわたる、実質的に半径方向の均一な外向きの流れを提供するように一緒に構成されている。ディストリビュータは、実質的に半径方向の様式で供給物受容面(112)全体にわたる溶融供給物の外向きの流れを調節するように更に構成されてもよい。
【0034】
スピニングディスク噴霧器(100)は、上方(20)及び下方(22)の端部を有する。スピニングディスク噴霧器は、上方(20)に面する供給物受容面(112)を有する回転可能ディスク(110)を備える。長手方向シャフトルーメン(202)を有する中空駆動シャフト(200)は、回転可能ディスク(110)の中心に(取り外し可能又は取り外し不可能に)取り付けられている。
【0035】
ここで、スピニングディスク噴霧器(100)及びその一部である、外側支持シャフト270、中空駆動シャフト(200)、加熱素子管(236)、剛性供給管(232)などは、中空駆動シャフト(200)の回転軸(A-A’)に平行な軸方向(C-C’)を有する。
【0036】
中空駆動シャフト(200)は、上方(20)に延在する。モータユニット(300)は、駆動シャフト(200)にトルクを加えるために、回転可能ディスク(110)の上方(20)に配設されている。駆動シャフト(200)は、モータユニット(300)のトルク出力部に取り外し可能に連結されている。
【0037】
中空駆動シャフト(200)の下方端部(22)は、供給物受容面(112)上への液体の流れを調節するためにディストリビュータ(204)を備えて配設されている。ディストリビュータ(204)は、供給物受容面(112)上への回転可能ディスク(110)の回転軸と同心の供給物の外向きの流れのための、駆動シャフトルーメン(202)と連結している複数のアパーチャ(210)を備えてもよい。
【0038】
回転可能ディスク(110)に上から取り付けられた中空駆動シャフト(200)を提供することによって、かつ中空駆動シャフト(200)ルーメン(202)に、供給物を直接供給物受容面(112)上に搬送するためのディストリビュータ(204)を提供することによって、供給物の出口の中心、中空駆動シャフト(200)の回転軸(A-A’)、及び回転可能ディスク(110)の回転軸(B-B’)が同軸に整列される。この整列によって、供給物は、より均等な様式で供給物受容面(112)全体にわたって適用かつ推進され、特に高スループット適用のための、粒子のより狭いサイズ分布をもたらす。
【0039】
供給物が中空駆動シャフト(200)の回転軸(A-A’)、及び回転可能ディスク(110)の回転軸(B-B’)と整列していない場合、すなわち偏心した供給物が存在する場合、霧化時に、より大きな粒子を作り出す膜厚の局所的な増加がある。図2Aは、中心から少し離れた供給物出口(111)からの供給物受容面(112)上への偏心した供給物の例を示しており、そこでは供給物受容面(112)全体にわたって供給物の不均一なスパイラル(90)が生成され、不均一なサイズの液滴(92)が表面から排出される結果となる。偏心した供給物は、回転可能ディスクが下から駆動され、供給物が非連結の供給物出口(111)によって上からディスク表面上に注がれる多くの既存の設計において明らかである。供給物出口(111)及び回転可能ディスク(110)の回転中心の整列は、特に溶融噴霧凝固(MSC)プロセスにおいて困難であり、そのようなプロセスにおいて、回転可能ディスク(110)は、大型プロセス容器の頂部に位置決めされ、その結果、それらが基部において固体粒子として収集される容器内で、雨のように降り、空中で凝固する液滴が生成される。回転可能ディスク(110)は、大型プロセス容器の頂部に位置決めされなければならないため、それは、長いシャフト(例えば、長さ2~3m)によって下から支持され、駆動される。長いシャフトの存在により、回転可能ディスク(110)と、大型プロセス容器の頂部にある非連結の供給物出口(111)との整列が困難になる。
【0040】
駆動シャフトルーメン(202)が、中空駆動シャフト(200)から回転可能ディスク(110)への上からの取り付けによって供給物受容面(112)の中心に供給物を供給する本構成は、供給物が回転軸(A-A’、B-B’)と同心又は同軸に整列することを確実にする。
【0041】
液体供給物は、霧化可能な任意のものであってもよい。好ましくは、液体供給物は溶融供給物である。溶融供給物は、典型的には、多粒子を作製するための噴霧凝固プロセスで用いられる。溶融供給物は、均質溶液又は懸濁液であってもよい。溶融供給物は、1~1000cP、好ましくは約40~400cPの粘度を有する。
【0042】
液体供給物、特に溶融供給物は、1つ以上の活性剤を含有してもよい。活性剤は、ヒトを含むが、これに限定されない、動物、好ましくは哺乳動物に所望の生理的効果を及ぼす含有成分である。本明細書で言及される「活性」は、ヒトのみを対象としてもよい。
【0043】
活性剤の非限定的な例としては、ビタミン又はプロビタミンA、B、C、D、E、PP、及びそれらのエステル、カロチノイド、抗ラジカル物質、ヒドロキシ酸、抗腐剤、色素沈着又は炎症に作用する分子、生物学的抽出物、酸化防止剤、細胞及び細胞小器官、抗生物質、マクロライド、抗真菌剤、イトラコナゾール、ケトコナゾール、駆虫薬、抗マラリア剤、吸着剤、ホルモン及びそれらの誘導体、ニコチン、抗ヒスタミン剤、ステロイド及び非ステロイド抗炎症剤、イブプロフェン、ナプロキセン、コルチゾン及びその誘導体、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、鎮痛剤、局所麻酔薬、抗ウイルス剤、免疫系に作用する抗体及び分子、細胞増殖抑制剤及び抗がん剤、抗高脂血症剤、血管拡張剤、血管収縮剤、アンギオテンシン変換酵素及びホスホジエステラーゼの阻害剤、フェノフィブラート及びその誘導体、スタチン、硝酸塩誘導体及び抗狭心症剤、β遮断薬、カルシウム阻害剤、抗利尿薬及び利尿薬、気管支拡張薬、アヘン剤及びそれらの誘導体、バルビツール酸塩、ベンゾジアゼピン、中枢神経系に作用する分子、核酸、ペプチド、アントラセン化合物、パラフィン油、ポリエチレングリコール、無機塩、鎮痙薬、胃酸分泌抑制剤、粘土胃包帯剤(clay gastric dressings)及びポリビニルピロリドン、アルミニウム塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、デンプン、ベンズイミダゾールの誘導体、並びに前述の組み合わせなどの、薬剤、サプリメント、栄養補助食品が含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
活性剤の他の非限定的な例としては、デキストロメトルファン、フェキソフェナジン、グアイフェネシン、ロラタジン、シルデナフィル、バルデナフィル、タダフィル(tadafil)、オランザピン、リスペルドン、ファモチジン、ロペラミド、ゾルミトリプタン、オンダンセトロン、セチリジン、デスロラタジン、リザトリプタン、ピロキシカム、パラセタモール、フロログルシノール、ニセルゴリン、メトピマジン、ジヒドロエルゴタミン、ミルタザピン、クロザピン、ゾルミトリプタン、プレドニゾロン、レボドパ、カルビドパ、ラモトリギン、イブプロフェン、オキシコドン、ジフェンヒドラミン、ラモセトロン、トラマドール、ゾルピデム、フルオキセチン、ヒヨスチアミン、及びそれらの組み合わせが含まれる。
【0045】
活性剤は結晶質(賦形剤よりも融点が高い)であることが好ましいが、非晶質であってもよい。活性剤は、賦形剤に可溶又は不溶であってもよい(好ましくは不溶)。活性剤は、典型的には溶融賦形剤と混合した場合、均質である。好ましくは、活性剤は50μm未満の粒径を有する。活性剤は、60%w/wの多粒子の量で存在してもよい。
【0046】
液体供給物、より具体的には溶融供給物は、1つ以上の賦形剤(マトリックス材料としても知られる)を含有してもよい。賦形剤は少なくとも活性剤、及び存在する場合は細孔形成剤に結合する。賦形剤の存在は、活性剤を含有する溶融供給物の固化時に滑らかな丸い球を作り出す。賦形剤は、室温で固体であってもよい。賦形剤は、室温超で液体であってもよい。賦形剤は、45~95℃の範囲の温度で融点を有してもよい。好ましくは、賦形剤は、活性剤よりも低い融点を有する。賦形剤は、急速に凝固して固体を形成してもよい。賦形剤は、少なくとも30%w/wの多粒子の量で存在してもよい。
【0047】
賦形剤の非限定的な例としては、以下のうちの1つ以上が含まれる。
-カルナバワックス、白色及び黄色の蜜蝋、微結晶ワックス、キャンデリラワックス、並びにパラフィンワックスなどの、高度に精製された形態のワックス、
-ステアリルアルコール、セチルアルコール、及びポリエチレングリコールなどの、長鎖アルコール
-ポリエチレングリコール、
-ポロキサマー、
-ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
-モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル及びジステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ポリエトキシル化ヒマシ油誘導体、モノベヘン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、及びトリベヘン酸グリセリルの混合物を含む、モノアルキルグリセリド、ジアルキルグリセリド、及びトリアルキルグリセリドの混合物、トリステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、並びに水添綿実油及び水添ヒマシ油を含む、水添野菜油などの、長鎖脂肪酸エステル(脂肪としても知られる)、
-ステアリン酸ポリエチレングリコール及びジステアリン酸ポリエチレングリコールなどの、グリコール化脂肪酸エステル、
-パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸トリエチル、レシチン、トリアセチン、及びセバシン酸ジブチルなどの、短鎖から中鎖までの脂肪酸エステル、
-ポリソルベート、
-ステアリン酸、安息香酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、パルミチン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、及びリグノセリン酸などの、カルボン酸、
-ステアロイルポリオキシルグリセリド(Gelucire50/13)及びラウロイルポリオキシルグリセリド(Gelucire44/14)などの、ポリオキシルグリセリド、
-脂肪酸のポリグリセロールエステル。
【0048】
特に好ましい賦形剤は、モノグリセリルベヘネート、ジグリセリルベヘネート、及びトリグリセリルベヘネートの混合物(Compritol888)、トリステアリン酸グリセリル(Dynasan118)、水添綿実油(Lubritab)、水添ヒマシ油(Kolliwax HCO)、ステアリルアルコール(Kolliwax SA)、ステアリン酸及びパルミチン酸50(Kolliwax S)、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ステアロイルポリオキシルグリセリド(Gelucire50/13)、脂肪酸のポリグリセロールエステルなどの、アルキル含有グリセロールである。
【0049】
脂質マトリックス材料である賦形剤の例は、当該技術分野において既知であり、例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO2015/189726又はその等価物、例えば、US2017/0112762に記載されている。WO2015/189726は、多粒子の形成において賦形剤として好適であり得る脂質マトリックス材料の例を[0049]~[0065]に記載している。
【0050】
溶融供給物である液体供給物は、1つ以上の細孔形成剤(溶解促進剤としても知られる)を含有してもよい。細孔形成剤は、多粒子の有効透水性を増加させることにより、コアによる水の取り込み速度を増加させる水溶性を有する材料である。細孔形成剤は、例えば、賦形剤材料全体にわたって細孔又はチャネルの形成を引き起こし得る。細孔形成剤は、室温で固体であってもよい。細孔形成剤は、室温超で液体であってもよい。細孔形成剤は、45~95℃の範囲の温度で融点を有してもよい。好ましくは、細孔形成剤は、活性剤よりも低い融点を有する。細孔形成剤は、水溶性を有してもよい。細孔形成剤は、活性剤の溶解を増強するために、コア内への水の取り込みを増加させ得る。細孔形成剤は、5~30%w/wの多粒子の量で存在してもよい。好ましくは、細孔形成剤は、溶融状態では賦形剤に溶解し、固体状態では相分離される。
【0051】
細孔形成剤の非限定的な例としては、Kolliphor P188及びKolliphor P407などのポロキサマー、ステアリルアルコール、セチルアルコール、及びポリエチレングリコールなどのアルコール、ポビドン、ドクサート塩、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、アルキルポリグリコールエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノエステル、モノアルキルグリセリド、ジアルキルグリセリド、及びトリアルキルグリセリド、並びにポリエチレングリコールのモノ脂肪酸エステル及びジ脂肪酸エステルの混合物、グルコース、キシリトール、ソルビトール、及びマルチトールなどの糖、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、及びリン酸カリウムなどの塩、アラニン及びグリシンなどのアミノ酸、並びにそれらの混合物のうちの1つ以上が含まれる。
【0052】
好ましい溶解促進剤は、ポロキサマー(Kolliphor P407)、脂肪酸のポリグリセロールエステル、アルキルポリグリコールエーテルを含む。
【0053】
液体供給物、特に溶融供給物は、1つ以上の他の含有成分を含有してもよい。他の含有成分の非限定的な例としては、以下が含まれる。
-コアを破裂させ、薬剤の即時放出を促進するための1つ以上の膨潤剤。膨潤剤の非限定的な例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドンが含まれる。
-溶解を遅らせるための1つ以上の放出改質材料。放出改質材料の非限定的な例としては、以下が含まれる。
-フタル酸ジブチルなどのジアルキルフタレート、
-カルナバワックス、キャンデリラワックス、蜜蝋、微結晶ワックス、及びパラフィンワックスなどの、炭化水素ワックス、
-溶融供給物の粘度を変更して適切な霧化により適するようにするための1つ以上の粘度改質剤。
-例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、低分子量ポリエチレングリコール、イソプロピルアルコール、水を含む、減粘賦形剤
-増粘賦形剤、例えば、微結晶ワックス、パラフィンワックス、高分子量ポリエチレングリコール、ポロキサマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、二酸化ケイ素、微結晶セルロース、ケイ酸マグネシウム、糖、及び塩。
【0054】
溶融供給物である液体供給物は、i)少なくとも1つの活性剤、ii)少なくとも1つの賦形剤、iii)少なくとも1つの細孔形成剤、及びiv)少なくとも1つの他の含有成分のうちの1つ以上を含んでもよい。好ましくは、溶融供給物である液体供給物は、i)、ii)、任意選択的にiii)、及び任意選択的にiv)を含む。好ましくは、溶融供給物である液体供給物は、i)、ii)、iii)、及び任意選択的にiv)を含む。好ましくは、液体供給物は、i)、ii)、iii)、及びiv)を含む。液体供給物は、本明細書に記載される方法に従って多粒子を形成する。
【0055】
本開示の方法によって形成された多粒子は、1つ以上の賦形剤の連続相にカプセル化された、1つ以上の活性成分、任意選択の1つ以上の細孔形成剤、任意選択の1つ以上の他の成分を含んでもよく、前述の含有成分は、本明細書の他の場所に記載された溶融供給物中に存在する。多粒子は、150μm未満、最大約3mmの粒径を有してもよい。多粒子は、用途に応じた粒径及び粒子分布を有してもよい。薬理学的用途では、例えば、粒径は約100~約500μmの範囲である。粒径分布のスパンは、0.6~0.9であってもよい。
【0056】
後続の固体多粒子をコーティングしてもよい。コーティングの非限定的な例としては、以下が含まれる。
-特定の外観を提供するための化粧コーティング、
-テイストマスキングを提供する口内での放出を遅らせるための逆腸溶性コーティング、
-活性剤を酸性環境から保護する、又は胃内の薬剤放出を遅らせるための腸溶性コーティング。
【0057】
中空駆動シャフト(200)に取り付けられる回転可能ディスク(110)の数は、1つのみであってもよい。供給物受容面(112)の数は、1つのみであってもよい。回転可能ディスク(110)は、単一の部品から形成されてもよい。供給物受容面(112)は、単一の部品から形成されてもよい。供給物受容面(112)は、中心ウェル(116)に向かって中心(30)及び下方(22)の方向に徐々に傾斜する周囲(32)フレア部(114)を備える。例示的な回転可能ディスク(110)を図3A図3Cに示す。
【0058】
ウェル(116)は、ウェル(116)の外に、周囲フレア部(114)に沿って遠心分離された供給物を受容し、かつ保つように構成されている。ウェル(116)は、実質的に垂直な壁を有する内側部分とほぼ一致するカップ形状を有し、垂直な壁は、ディスク(110)の外側フレア部(114)に遷移する。ウェル(116)の供給物受容面の少なくとも一部(例えば、全体又は実質的な部分)は、フレア部(114)の供給物受容面の少なくとも一部(例えば、全体又は実質的な部分)よりも急峻であってもよい。表面の急峻さは、回転可能ディスクの回転軸(B-B’)と比較したその傾斜によって決定され、より急峻な表面は、回転軸(B-B’)により平行である。ウェル(116)の供給物受容面は、側壁(120)を含んでもよく、その全部又は実質的な部分は、回転可能ディスクの回転軸(B-B’)に平行であるか、又はその角度が±10度未満で傾斜している。ウェル(116)の高さ(Wh)の50%超、好ましくは75%超は、回転可能ディスク(110)の回転軸(B-B’)に平行な側壁を有してもよい
【0059】
ウェル(116)の供給物受容面は、ウェル基部端部(117)に向かって更に下方(22)に延在する。ウェル基部端部(117)の供給物受容面は、供給物をウェル(116)内に保持するように密封されている。ウェル基部端部(117)は、ウェル(116)の表面が中心方向(30)に連続していることによって、又は中空駆動シャフト(200)、若しくは回転可能ディスク(110)と協働するシャフトプラグ(250)などの、別の要素によって密封されてもよい。
【0060】
回転可能ディスク(110)にウェル(116)を提供することによって、供給物の渦は、中空駆動シャフト(200)の回転軸(A-A’)及び回転可能ディスク(110)の回転軸(B-B’)に整列した中心を有するウェル(116)を用いて容易に形成される。
【0061】
本発明者らは、ウェル(116)内に作り出された渦が、ウェル(116)内への不均一な流れを滑らかにし、それによって、供給物受容面(112)全体にわたって、より均等な様式で供給物を拡散し、粒子のより狭いサイズ分布をもたらすことを見出した。ウェル(116)の幾何学的形状は、中空駆動シャフトルーメン(202)又はピラー(212)に起因して起こり得るある乱れから溶融供給物を均一に再分配することを支援する。図2B(平面ウェル床面)及び図2C(凹状ウェル床面)は、各々、供給物受容面全体にわたって最小限の供給物不足エリアを有する良好な性能(供給物速度10Kg/時間、ディスク速度3000rpm)を示すウェル(116)を有する回転可能ディスク(110)を示している。
【0062】
ウェル床面(118)は、ウェル基部端部(117)が密封されているところに形成されている。ウェル床面(118)は、円形であってもよい。ウェル床面(118)は、平面であってもよい。ウェル床面(118)は、凹状であってもよい。ウェル床面(118)は、中心(30)方向におけるウェル(116)の壁の連続によって形成されてもよい(例えば、図3A)。ウェル床面(118)は、中空駆動シャフト(200)の一部によって形成されてもよい(例えば、図3C)。ウェル床面(118)は、シャフトプラグ(250)の本体(252)によって形成されてもよい。ウェル基部端部(117)は、中空駆動シャフト(200)に取り外し可能に取り付けるための、開口(130)を備えてもよい。
【0063】
ウェル(116)側壁(120)は、第2の遷移部(124)を介してウェル床面(118)と連結してもよい(例えば、図3A)。第2の遷移部は、円弧又は直線傾斜のプロファイルを有してもよい。指針として、回転可能ディスク(110)の直径が101.6mmの場合、第2の遷移部円弧半径は2~12mmであり得る。
【0064】
フレア部(114)の供給物受容面(112)は、湾曲していても直線であってもよい。フレア部(114)が湾曲している場合、フレア部(114)は、円弧であり得る。フレア部(114)の供給物受容面は、滑らかであってもよい。
【0065】
供給物受容面(112)のフレア部(114)は、複数の半径方向チャネル(160,-a,-b)を備えてもよい。半径方向チャネル(160,-a,-b)は、溶融供給物のための導管であり、上方(20)側で開いており、かつ周囲(32)及び中心(30)端部の両方で開いている。半径方向チャネル(160,-a,-b)は、ウェル(116)からフレア部(114)の周縁に溶融供給物を導くように構成されている。半径方向チャネル(160,-a,-b)を備えた例示的な回転可能ディスク(110)を図11及び図12に示す。
【0066】
半径方向チャネル(160,-a,-b)は、例えば、図12に示すように、フレア部(114)の上方(20)表面の上方に突出するチャネルとして形成されてもよい。半径方向チャネル(160,-a,-b)は、フレア部(114)の上方(20)表面の下方に溝として形成されてもよい。
【0067】
半径方向チャネル(160,-a,-b)は、回転可能ディスク(110)の回転軸(B-B’)から半径方向外向きに延びる線(168)と整列される(図11Aを参照)。半径方向チャネル(160,-a,-b)の周囲端部は、回転可能ディスク(110)のフレア部(114)の周縁(32)と接してもよい。半径方向チャネル(160,-a,-b)の中心端部は、回転可能ディスク(110)のウェル(116)の中心(32)縁と接してもよく、又は、接していなくてもよい。ウェル(116)から外向きに延在するフレア部(114)の環状緩衝領域(162)は、半径方向チャネル(160,-a,-b)を欠いていてもよい。半径方向チャネル(160,-a,-b)は、フレア部(114)に限定されることが好ましい。
【0068】
半径方向チャネル(160,-a,-b)は、チャネルの中心半径方向線(168)に垂直な断面(図11Aのb-b)である半径方向断面(170)を有してもよい(図11Bを参照)。半径方向断面(170)は、矩形(長方形)の形態を有してもよい。長方形の長尺の縁は、回転可能ディスク(110)の回転軸(B-B’)に平行であってもよい。断面のサイズは、半径方向チャネルの中心(30)から周囲(32)方向に向かって変化してもよい。サイズの変化は緩やかであってもよい。
【0069】
好ましくは、断面(170)のサイズは、半径方向チャネルの中心(30)から周囲(32)方向に徐々に減少する。好ましくは、断面(170)の幅(Cw)は、半径方向チャネルの中心(30)から周囲(32)方向に徐々に減少する。断面(170)の高さ(Hw)は、半径方向チャネルの中心(30)から周囲(32)方向に一定であってもよい。フレア部(114)の周囲環状境界(164)は、半径方向チャネルの残りの部分の断面と比較して減少した断面高さを有してもよい。これは、周囲環状境界(164)中のチャネルの頂部の平坦化に起因し得る。半径方向チャネル(160,-a,-b)は、好ましくは、回転可能ディスク(110)の回転軸(B-B’)の周りに均等に分布する。半径方向チャネルは、チャネルの領域内で、すなわち、上方に開いた側から溢れることなく、溶融供給物の流れを維持するように寸法設定されている。理想的な霧化を維持したまま、滑らかなフレアディスク表面設計によって得られ得るよりも、より高い溶融供給物スループットをもたらす半径方向チャネル。
【0070】
回転可能ディスク(110)の周囲リムは、回転可能ディスク(110)の回転軸(B-B’)に垂直な平面に対して上方10度未満(例えば、3~5度)の角度で終端してもよい。フレア部(114)は、第1の遷移部(122)を介してウェルと連結していなくてもよく、又は、連結していてもよい(例えば、図3A)。第1の遷移部(122)は、円弧のプロファイルを有してもよい。
【0071】
供給物受容面(112)は、回転下でその形状完全性を維持し、かつ耐久性及び耐食性などの他の性質を有する、任意の好適な材料から作製されてもよい。好適な材料の例としては、ステンレス鋼、高温熱可塑性物質(例えば、テフロン、PEEK)、コーティングされたアルミニウム(アルマイト、ポリマーコーティング、又はその他)などのコーティングされた材料、コーティングされた鋼が含まれる。
【0072】
回転可能ディスク(110)は、供給物受容面(112)の温度を調節するために、熱を制御可能に発するように構成された発熱体(180)を備えて配設されてもよい。発熱体は、無線の誘導加熱を使用して加熱するように構成された誘導加熱体(180’)であってもよい。誘導コイルは、急速に交流する磁場の形態でエネルギーを発し、回転可能ディスク(110)の上方又は下方に設けられてもよい。誘導加熱体(180’)は、電磁場によって誘発される渦電流によって加熱される。回転可能ディスク自体の材料が、誘導加熱体(180’)を形成してもよく、又、別個の誘導加熱体(180’)が、例えば、回転可能ディスクの下方側上に設けられ、取り付けられてもよい。別個の誘導加熱体(180’)としての例示的な発熱体(180)を図3Dに示す。誘導加熱体(180’)は、ステンレス鋼、鉄又はその合金などの、誘導加熱に好適な任意の材料を含んでもよい。回転可能ディスク(110)は、1つ以上の温度センサ、任意選択的に無線、を備えて配設されてもよい。1つ以上の温度センサは、回転可能ディスク(110)の下方側、例えば、発熱体(180)若しくは誘導加熱体(180’)の空洞又はボア内に配設されてもよい。無線温度センサは、Bluetooth(例えば、BLE)、又はRFIDを使用してもよい。
【0073】
当業者は、流量及び粒径の要件に従って回転可能ディスク(110)を準備することができる。指針として、回転可能ディスク(110)の供給物受容面は、101.6mmの直径(Dd)を有し得、ウェルの供給物受容面は、30mmの直径(Wd)を有し得る。寸法の指標を図3Aに示す。円弧半径は63.5mmであり得る。回転可能ディスク(110)の周囲リムは、回転可能ディスク(110)の回転軸(B-B’)に垂直な平面に対して上方10度未満(例えば、3~5度)の角度で終端し得る。ウェルの供給物受容面の高さ(Wh)(ウェル側壁(120)の頂部とウェル床面(118)との間の距離)は、4~5mmであり得る。第1の遷移部(122)の円弧半径は、8~12mm、例えば、10mmであり得る。第2の遷移部は、円弧又は直線傾斜のプロファイルを有し得る。第2の遷移部の円弧半径は、2~12mmであり得る。フレア部(114)の周囲(32)縁における半径方向チャネルの幅(Cw)は、200~500μmであってもよい(図11B参照)。ディスクの中心(30)端部における半径方向チャネル断面(170)の幅(Cw)は、1~2μmであり得る。周縁の幅(Cw)から中心縁への遷移は、緩やかであり得る。周縁における半径方向チャネル断面(170)の高さ(Ch)は、溶融供給物が壁を越えて流れるのを防ぐために、好ましくは1mm以上であるように、十分に大きく構成されている。半径方向チャネル断面高さ(Ch)は、半径方向に一定であり得、半径方向チャネル断面高さ(Ch)は、周囲環状境界(164)におけるディスク表面のプロファイルとともにテーパオフ(すなわち、低減)してもよく、例えば、チャネルの頂上面は、周囲環状境界(164)において平坦化されてもよい。半径方向チャネル(160,-a,-b)の数は、50~500、例えば、80~100であり得る。回転可能ディスク(110)の寸法は、供給物及び製品の所望の流速に応じて、拡大又は縮小されてもよいことが理解される。
【0074】
中空駆動シャフト(200)は、回転可能ディスク(110)にトルクを伝達する。トルクは、任意選択的に外側支持シャフト(270)を介して、モータユニット(300)から中空駆動シャフト(200)に提供される(後述を参照)。中空駆動シャフト(200)ルーメン(202)は、供給物を、回転可能ディスク(110)の供給物受容面(112)全体にわたる通過のために、下方(22)方向にアパーチャ(110)に輸送する。中空駆動シャフト(200)ルーメン(202)は、回転可能ディスク(110)の回転軸(B-B’)と整列されており、その結果、液体供給物が供給物受容面(112)のウェル(116)内に集約的に供給される。
【0075】
中空駆動シャフト(200)は、中空駆動シャフト(200)の外部を外側支持シャフト(270)のルーメン壁に対して密封するために、1つ以上のOリングを備えて配設されてもよい。
【0076】
中空駆動シャフト(200)は、回転下でその形状完全性を維持し、かつ剛性及び耐久性などの他の性質を有する、任意の好適な材料から作製されてもよい。他の品質としては、液体供給物との適合性、例えば、低毒性及び化学的安定性が含まれる。好適な材料の例としては、ステンレス鋼及びテフロンコーティング材料が含まれる。
【0077】
中空駆動シャフト(200)は縦長である。中空駆動シャフト(200)は、ウェル床面(118)から上方(20)終端まで測定された有効高さ(Seh)を有し得る(図4Aを参照)。一般に、高回転速度での振動及び不安定性を低減するために、低減された有効高さ(Seh)が好ましい。中空駆動シャフト(200)は、壁厚(St)を有し得る(図4Bを参照)。中空駆動シャフト(200)は、ルーメン直径(Sd)を有し得る(図4Bを参照)。非限定的な指針として、有効高さ(Seh)は200~400mmであり得、壁厚(St)は1~5mmであり得、ルーメン直径(Sd)は10~25mmであり得る。
【0078】
中空駆動シャフト(200)は、液体供給物の外向きの流れの調節のために構成された下方(22)端部に、又はそれに向かうディストリビュータ(204)を備える。ディストリビュータ(204)は、溶融供給物の流出のために中空駆動シャフト(200)の下方端部(22)の円周の周りに配設された複数のアパーチャ(210)を備える。ピラー(212,a,b)が、隣接するアパーチャ対(210,a,b)の間に配設されており、ピラーは、ウェル(116)から供給物受容面(112)のフレア部(114)への液体供給物の流れを最小限に妨げるように構成されている。ピラー(212)は、A-A’軸の方向に、又は10度未満の傾斜で配設された長手方向軸を有してもよい。
【0079】
ディストリビュータ(204)は、複数のアパーチャ(210)を備えて配設されてもよい。例示的なアパーチャ(210)を、図4A図4Dに示す。中空駆動シャフト(200)中のアパーチャ(210)の数は、例えば、3~9、好ましくは6などの2~24であってもよい。アパーチャ(210)は、中空駆動シャフト(200)の下方端部(22)に向かって円周の周りに均等に配設されてもよい。各アパーチャ(210)は、同一の形状及び寸法を有してもよい。各アパーチャ(210)は、図4Dに示すように、軸(A-A’)方向のアパーチャ高さ(Ah)と、軸(A-A’)方向に垂直な平面におけるアパーチャ幅(Aw)と、を有し得る。
【0080】
各アパーチャ(210)は、2つの対向する平行な直線側縁(例えば、図4C図4Dの216,b;218,a)を有し得る。直線側縁は、軸方向(A-A’)に平行であってもよい。側縁(例えば、216,b;218,a)は、アパーチャ幅(Aw)によって分離され得る。各アパーチャ(210)は、対向する上縁及び下縁(例えば、224、226)を有し得る。上縁及び下縁(例えば、224、226)は、軸方向(A-A’)に垂直な平面に平行であってもよい。上縁及び下縁(例えば、224、226)は、アパーチャ高さ(Ah)によって分離され得る。各アパーチャ(210)の角(228,a~d)は、丸みを帯びていてもよい。
【0081】
アパーチャ(210)は、中空駆動シャフト(200)の同一の軸位置に位置決めされてもよい。アパーチャ(210)は、アパーチャ(210)の軸方向の高さ(Ah)がウェルの軸方向の高さ(Wh)内、好ましくはウェル側壁(120)の頂部とウェル床面(118)との間の軸方向スパン内にあるような、中空駆動シャフト(200)の軸位置に、中空駆動シャフト(200)上に位置決めされてもよい。
【0082】
ピラー(212,a,b)は、横断面を有し得る。ピラー(212,a,b)の横断面は、中空駆動シャフト(200)の回転軸(A-A’)に垂直な平面(例えば、図4A、D-D’)を横切る断面である。ピラー(212,a,b)横断面は、図4B及び図4Cにおいて見ることができる。ピラー(212,a,b)横断面は、ピラー外縁(214,a)、2つのピラー側縁(216,a,b;218,a,b)、及び任意選択的にピラー内縁(220,a)を有し得る。ピラー外縁(214,a)は、中空駆動シャフト(200)の外面上に設けられており、中空駆動シャフト(200)の丸みを帯びた外面に対応するように、典型的には丸みを帯びている(凸状)。ピラー側縁(216,a,b;218,a,b)は、中空駆動シャフト(200)壁の厚さによって形成されており、典型的には直線である。ピラー内縁(220、a)は、中空駆動シャフト(200)の内面上に設けられており、中空駆動シャフト(200)の丸みを帯びた内面に対応するように丸みを帯びていてもよい(凹状)。
【0083】
横断面におけるピラー(212)は、中空駆動シャフト(200)の回転軸(A-A’)に平行であり、交差する対称面(222)を有し得る。
【0084】
同一のピラー(例えば、212,b)の側縁(例えば、216,b及び218b)は、中空駆動シャフト(200)の中心(30)に向かう方向に収束してもよい。換言すれば、ピラー側縁(例えば、216,b及び218b)に平行であり、接触する軸は、中空駆動シャフト(200)の中心(30)(周囲32ではない)に向かって交差する。それらはアルファ(α)の角度で交差する。同一のピラー(例えば、212,b)の側縁(例えば、216,b及び218b)は、互いに角度アルファ(α)で配設されて、中空駆動シャフト(200)の中心(30)に向かって形成されてもよい。角度アルファ(α)は、180度未満、好ましくは10~80度であり得る。6つのアパーチャがある場合、アルファは好ましくは60度である。互いに隣接するピラーの側縁(例えば、218,a及び216,b)、すなわち、アパーチャ(210)を形成するピラーの側縁は、互いに平行であってもよい(図4Cを参照)。
【0085】
発明者らは、同一のピラー(例えば、212,b)の側縁(例えば、216,b及び218b)が中空駆動シャフト(200)の中心(30)に向かって(周囲32ではない)方向に収束する場合、他の構成と比較して供給物受容面の不足領域が少ないことを見出した。図5Aは、供給物受容面全体にわたる流れを示しており、ここでは、同一の対称ピラーの側縁が中空駆動シャフトの中心に向かう方向に収束しており(図5A’)、不足領域(94)は、狭く、かすかである。図5Bは、供給物受容面全体にわたる流れを示しており、ここでは、同一のピラーの側縁が中空駆動シャフトの周囲に向かう方向に収束しており(図5B’)、不足領域(94)は、より多く、顕著である。図5Cは、供給物受容面全体にわたる流れを示しており、ここでは、ピラーが非対称であり(図5C’)、不足領域(94)は、非常に顕著である。
【0086】
ピラー、ウェル、及び集約的に整列された供給物の組み合わせの幾何学的形状は、ディスク表面に液体供給物の均一な膜を生成し、これは、明確に定義され、かつ狭い霧化プロファイル、及び堅牢な粒径制御につながる。特に、いくつかの溶融供給物を有する高スループットに関して、所望の粒径及びサイズ分布を得ることが問題となる可能性がある。ディスクをディスクへの溶融供給物の送達に整列させるトップドライブ、ディストリビュータ、及び回転可能ディスク形状は、スピニングディスク全体にわたる溶融供給物の均一性を向上させる。ディスクの供給物受容面上の半径方向の溝の使用により、より高いスループットで(シート化ではなく)リガメントの形成を誘導することによって理想的な霧化を維持する。より高い流量では、標準的なディスクはシート形成(劣等な霧化)を呈し得、一方、チャネル化されたディスクはリガメントレジーム(優れた霧化)を呈する。
【0087】
中空駆動シャフト(200)は、その下方(22)端部で回転可能ディスク(110)に取り外し可能に取り付け可能であり得る。中空駆動シャフト(200)は、回転可能ディスク(110)のウェル基部端部(117)中の開口(130)を通過し、1つ以上の継手を使用して回転可能ディスク(110)に取り付けられる。中空駆動シャフト(200)は、中空駆動シャフト(200)の外部をウェル(216)の供給物受容面に対して密封するために、1つ以上の密封要素(206)(例えば、Oリング)を備えてもよい。中空駆動シャフト(200)は、1つ以上の固定具(例えば、ボルト)を含む任意の手段を使用して回転可能ディスク(110)に取り付けられてもよい。中空駆動シャフト(200)は、中空駆動シャフト(200)のバヨネット継手又はフランジ端を介して部品を一緒にクランプするシャフトプラグ(250)を使用して、回転可能ディスク(110)に取り付けられてもよい。
【0088】
プラグヘッド(254)と、プラグヘッド(254)に取り付けられたプラグ本体(252)と、を有するシャフトプラグ(250)を設けてもよい。例示的なシャフトプラグを図7A図7C、及び図6Dに示す。プラグ本体(252)は、中空駆動シャフト(200)の下方端部(22)で中空駆動シャフト(200)のルーメン(202)内に上方(22)方向に挿入可能であり、密封的に嵌合する。プラグ本体(252)は、プラグ本体(252)を中空駆動シャフト(200)の壁に対して密封するために、1つ以上のOリング(258)を備えて配設されてもよい。プラグ本体(252)の頂上面は、ウェル床面(118)を形成してもよい。図7Aでは、プラグ本体(252)は、プラグキーを欠いており、プラグキーは、中空駆動シャフト(200)及び回転可能ディスク(110)が、後述のバヨネット継手を欠いている場所で用いられ得る。図7B及び図7Cでは、プラグキー(256)が、前述のバヨネット継手が存在する場所でバヨネット継手を回転させるために設けられている。
【0089】
プラグヘッド(254)は、下方側(22)から回転可能ディスク(110)に取り付け可能である。プラグヘッド(254)は、保持ボルトなどの複数の固定具(260)のうちの1つを使用して、回転可能ディスク(110)への取り付けを可能にするために、1つ以上の通路(258)を備えて配設されてもよい。固定具(260)によるプラグヘッド(254)と回転可能ディスク(110)との締め付けにより、プラグ本体(252)を所定の位置にクランプし、ウェル(116)を密封する。
【0090】
後述するバヨネット継手が存在する場所において、プラグヘッド(254)はまた、プラグキー(254)の回転のためのグリップを提供し、バヨネット継手(140、240)を一緒にクランプする。
【0091】
中空駆動シャフト(200)がフランジ端を有する場所において、プラグヘッド(254)は、フランジの上方(20)端部と回転可能ディスク(110)の下方(22)端部との間に配設された環状リングに対してフランジ部をクランプし、それによって中空駆動シャフト(200)を回転可能ディスク(110)に取り付ける。
【0092】
バヨネット継手(140、240)は、中空駆動シャフト(200)及び回転可能ディスク(110)の下方端部(22)、特にウェル(116)内に設けられてもよい。例示的なバヨネット継手を図6A図6Cに示す。バヨネット継手は、中空駆動シャフト(200)の外側上に設けられている間隔の空いた突起のセット(240)と、基部端部(117)に向かうウェル(116)の内側上に設けられている間隔の空いた突起の相補的なセット(140)と、を含んでもよい。それぞれの間隔の空いた突起(140、240)は、それらが対応する部分の突起(140、240)の間の隙間と整列しているときに、互いを通過してスライドすることができる。それぞれの間隔の空いた突起(140、240)は、それらが一緒に整列したときに、係合して、離れてスライドするのを防止する。換言すれば、第1の位置にあるバヨネット継手は、回転可能ディスク(110)中の開口(130)を通して中空駆動シャフト(200)を下方(22)に挿入することを可能にし、第2の位置においては、回転可能ディスク(110)中の開口(130)を通して中空駆動シャフト(200)の上方(20)方向の取り外しを防止する。第1の位置と第2の位置との間の移動は、中空駆動シャフト(200)の軸(A-A’)回転によって行われる。
【0093】
プラグヘッド(254)に対して固定して配設されたプラグキー(256)は、プラグヘッドに取り付けられたプラグ本体(252)上に設けられてもよい。プラグキーは、プラグ本体(252)からの1つ以上の突起(例えば、半径方向の突起)を備えてもよい。プラグキー(254)は、中空駆動シャフト(200)上の1つ以上のスロット(242)と係合する。1つ以上のスロットは、中空駆動シャフト(200)の下方(22)縁に設けられてもよい。プラグキー(254)と1つ以上のスロットとの係合により、中空駆動シャフト(200)がウェル(116)開口(130)に位置決めされている間、中空駆動シャフト(200)を回転可能ディスク(110)に対してターンさせることができる。プラグキー(254)は、バヨネット継手の係合及び離脱を可能にする。
【0094】
中空駆動シャフト(200)及び回転可能ディスク(110)の下方端部(22)にバヨネット継手が存在しない場合があることが理解される。この場合、プラグキーはプラグ本体(252)上で必要とされない。
【0095】
シャフトプラグ(250)は、回転下でその形状完全性を維持し、かつ耐久性及び耐食性などの他の性質を有する、任意の好適な材料から作製されてもよい。他の品質としては、液体供給物との適合性、例えば、低毒性及び化学的安定性が含まれる。好適な材料の例としては、ステンレス鋼及びテフロンコーティング材料が含まれる。
【0096】
中空駆動シャフト(200)は、解放可能な装着台(350)に上方(20)端部で取り外し可能に取り付け可能であってもよい。例示的な解放可能な装着台を、図9A図9Eに示す。上方端部において中空駆動シャフト(200)は、環状溝(208)を備えてもよい。環状溝(208)は、解放可能な装着台(350)と係合する。解放可能な装着台(350)は、ばねラッチ(352)及びプッシュスライダ(354)を備えてもよく、環状溝は、ばねラッチ(352)と係合し、それによって中空駆動シャフト(200)の固定された軸位置を維持する。図9Bにおいて、ばねラッチ(352)は、まず、環状溝(208)と係合される。プッシュスライダ(354)は、中空駆動シャフトの回転軸(A-A’)に垂直にスライドするように構成されてもよく、配備位置及び解放位置を有する。プッシュスライダ(354)は、配備位置において環状溝(208)と係合するように構成された突起(356)を備えて配設されてもよい。図9Bにおいて、プッシュスライダ(354)は、解放位置にある。図9Cにおいて、プッシュスライダ(354)は、配備位置に移動されている。図9Dにおいて、プッシュスライダ(354)は、配備位置にある。環状溝(208)は、1つの円周部分においてばねラッチ(352)と係合し、別の円周部分においてプッシュスライダ(354)と係合してもよい。解放可能な装着台(350)は、中空駆動シャフト(200)をシャーシアセンブリ(320)に迅速かつ確実に解放可能に取り付けることを可能にする。
【0097】
プッシュスライダ(354)は、1つ以上の留め具(例えば、ねじ留め具)によって配備位置にロック可能であり得る。1つ以上のねじ留め具は、プッシュスライダ(354)及びばねラッチ(352)を上方方向に更に上昇させてもよく、ここでプッシュスライダ(354)及びばねラッチ(352)は、距離リミッタと係合し、距離リミッタとプッシュスライダ(354)/ばねラッチ(352)との間の摩擦は、後者が固定された位置を維持することを確実にする。
【0098】
プッシュスライダ(354)は、ハブ要素装着ブロック(360)によって配備位置でガードされてもよい(図9Eを参照)。ハブ要素装着ブロック(360)は、受容空間(362)を画定する襟状の本体を含んでもよい。配備位置にあるプッシュスライダ(354)と、付勢された状態の(中空駆動シャフト(200)環状溝上にラッチされた)ばねラッチ(352)とは、ハブ要素装着ブロック(360)の受容空間(362)に嵌合係合されてもよく、それによって、ハブ要素装着ブロック(360)が所定の位置にある間、プッシュスライダ(354)が解放位置に移動するのを防止する。ハブ要素装着ブロック(360)は、シャーシアセンブリ(320)に取り付け可能であってもよい。解放可能な装着台(350)は、シャーシアセンブリ(320)に対して回転してもよい。解放可能な装着台(350)は、外側支持シャフト(270)に対して固定された(軸方向)回転関係で設けられてもよい(後述)。
【0099】
ハブ要素装着ブロック(360)の要素装着ブロック(320)は、取り外し可能な安全ロックとして利用されて、プッシュスライダ(356)が動作中に解放位置に移動するのを防止してもよい。留め具が緩む可能性のある状況では、距離リミッタとプッシュスライダ(354)との間の摩擦が解放され、回転中空駆動シャフト(200)によって発生した遠心力が、それを半径方向に変位させ、スライダ(354)を外側に押し出す。ハブ要素装着ブロック(360)は、ストップ部材として機能することによって、プッシュスライダ(354)が中空駆動シャフト(200)を完全に解放することを防止する。ハブ要素装着ブロック(360)とプッシュスライダ(354)との間の衝突が繰り返されると、可聴アラートが発生し、モータユニット(300)によって誘発される回転を安全に停止するようにオペレータに警告する。したがって、ハブ要素装着ブロック(360)は、中空駆動シャフト(200)及び回転可能ディスク(110)の高速での解放によって引き起こされる損傷を防止する。
【0100】
スピニングディスク噴霧器(100)は、中空駆動シャフト(200)を受容するための長手方向シャフトルーメン(272)を有する中空外側支持シャフト(270)を更に備え得る。例示的な外側支持シャフト(270)を、図8A及び図8Bに示す。外側支持シャフト(270)は、モータユニット(300)のトルク出力部に(点検修理を除いて)取り外し不可能に連結されてもよい。外側支持シャフト(270)のルーメン(272)は、駆動シャフト(200)を嵌合受容するように構成されてもよい。外側支持シャフト(270)は、シャーシアセンブリ(320)(静止部分を支持する)の一部によって、1つ以上のベアリング(例えば、ローラベアリング)上で支持されてもよい。
【0101】
シャーシアセンブリ(320)は、スピニングディスク噴霧器(100)の1つ以上の部分を支持するスピニングディスク噴霧器(100)の静的部分である。シャーシアセンブリ(320)は、単一の部品であってもよく、又、(耐用年数の間)互いに強固にかつ永久的に取り付けられた1つ以上の部品で構成されてもよい。
【0102】
外側支持シャフト(270)は、中空駆動シャフト(200)の回転軸(A-A’)に沿って回転する。モータユニット(300)のトルク出力による外側支持シャフト(270)の軸(A-A’)回転は、中空駆動シャフト(200)の回転を引き起こす。トルクは、摩擦力によって外側支持シャフト(270)から中空駆動シャフト(200)に伝達される。外側支持シャフト(270)は、解放可能な装着台(350)に対して固定された(軸方向)回転関係で配設されてもよく、トルクの経路は、順次、モータユニット(300)-外側支持シャフト(270)-解放可能な装着台(350)-中空駆動シャフト(202)に続いてもよい。
【0103】
外側支持シャフト(270)は、回転下でその形状完全性を維持し、かつ剛性及び耐久性などの他の性質を有する、任意の好適な材料から作製されてもよい。好適な材料の例としては、真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム(コーティング又は非コーティング)、鋼(コーティング又は非コーティング)、ポリマー材料が含まれる。
【0104】
スピニングディスク噴霧器(100)は、駆動シャフト(200)のルーメン(202)内でアパーチャ(210)に向かって下方(22)に延在する静的な(回転しない)剛性製品供給管(232)を更に含んでもよい。例示的な剛性製品供給管(232)を図8A及び図8Bに示す。剛性製品供給管(232)は、アパーチャ(232)への供給物の通過のための軸方向ルーメン(233)を有する。剛性製品供給管(232)は、ディストリビュータ(204)又はアパーチャ(210)によって占められる軸方向領域内に、軸方向(A-A’)に延在しない場合がある。剛性製品供給管(232)は、例えば、1~25mmを超える距離だけ、ディストリビュータ(204)又はアパーチャ(210)の上方で終端してもよい。製品供給管ユニット(230)は、駆動シャフト(200)と製品供給管(232)の外面との間に隙間があるような寸法であってもよい。製品供給管ユニット(230)は、供給物入口(234)を有する。供給物入口(234)は、剛性製品供給管(232)へ供給物を搬送する。
【0105】
ハブ要素は、例えば、1つ以上の保持ボルトによって、製品供給管(230)をシャーシアセンブリ(320)に取り付けるために提供されてもよい。剛性製品供給管(232)は、その上方(20)端部でハブ要素に強固に取り付けられてもよい。ハブ要素は、任意選択的に、ハブ要素装着ブロック(360)を介して、シャーシアセンブリ(320)に取り外し可能に取り付けられてもよい。製品供給管(230)の供給物入口(234)は、ハブ要素に統合されてもよく、又は、ハブ要素によって支持されてもよい。
【0106】
外側支持シャフト(270)は、剛性、耐久性、及び熱伝導性の必要な性質を有する任意の好適な材料から作製されてもよい。好適な材料の例としては、ステンレス鋼が含まれる。
【0107】
スピニングディスク噴霧器(100)は、剛性製品供給管(232)の少なくとも一部を加熱するための加熱素子管(236)を更に備えてもよい。例示的な剛性製品供給管(232)を図8A及び図8Bに示す。加熱素子管(236)は、剛性製品供給管(232)がその中に嵌合するルーメンを備える管状の形態を有する、電気加熱素子を備える。加熱素子管(236)は、可撓性であってもよい。加熱素子管(236)に電力を供給する電気ケーブルは、ハブ要素を介して抜け出てもよい。加熱素子管(236)は、剛性製品供給管(232)の軸方向長さの90%を超えて延在してもよい。加熱素子管(236)は、ハブ要素に上方端部(20)において取り付けられてもよい。
【0108】
スピニングディスク噴霧器(100)は、供給物受容面の少なくとも一部及び供給物受容面から噴霧されている供給物粒子の1つ以上の画像を噴霧中にキャプチャするように構成された、光学カメラを更に備えてもよい。光学カメラは、供給物受容面の周囲部分(32)をキャプチャするように構成されてもよい。光学カメラは、回転可能ディスクの角度回転位置に従って画像のキャプチャをトリガするように構成されたトリガにリンクされてもよい。
【0109】
スピニングディスク噴霧器(100)は、プロセス容器(400)に取り付けられて、配設されてもよい。特に、スピニングディスク噴霧器(100)は、プロセス容器の上方端部(頂部)に取り付けられてもよい。例示的なプロセス容器(400)を図10に示す。プロセス容器は、回転可能ディスク(110)から噴出された粒子が変換(例えば、凝固)を受け、それらが収集される基部(406)に向かって落下することができる容器容積(404)を囲む含有壁(402)を有する。容器(400)の出口(408)は、形成された製品を除去する。スピニングディスク噴霧器(100)は、プロセス容器(400)内に部分的に挿入されるように構成されてもよく、回転可能ディスク(110)は容器容積(404)内に埋め込まれ、スピニングディスク噴霧器(100)の上方端部(20)は容器(400)又は容器容積(404)の外側にある。スピニングディスク噴霧器(100)及びプロセス容器を含むシステムが提供され得る。
【0110】
図13A図17Bは、中空シャフト(200)とディスク(110)との間の代替の連結システムを含む、スピニングディスク噴霧器(100)の別の実施形態を示している。以下に別段の説明がある場合を除き、本実施形態におけるスピニングディスク噴霧器の構造及び動作は、他の実施形態で説明されるのと同じであり得る。例えば、流体経路、上部ディスク表面、ピラー、及び窓の幾何学的形状は、本明細書に記載される他の実施形態の幾何学的形状と同じであり得る。
【0111】
図13A図13Bは、中空駆動シャフトの下端部で中空駆動シャフト(200)に固定されたフランジ(500)を有する中空駆動シャフト(200)の断面図を示している。フランジ(500)は、任意の好適な様式で中空駆動シャフト(200)に固定することができる。好ましくは、フランジは、中空駆動シャフトの底部に溶接される。しかしながら、フランジは、中空駆動シャフトと一体的に形成される(例えば、単一の部分から機械加工される)か、又は任意の他の好適な留め具によってシャフトに結合することができることを理解すべきである。
【0112】
図13A図13Bに示すように、ディスク110は、フランジ(500)の上面(502)上に受容され得る。いくつかの実施形態では、上面(502)は、ディスク(110)の対応する形状の下面と係合するように平坦であり得る。あるいは、表面が互いに対応して係合して、本明細書に記載される連結を可能にする限り、フランジの上面及びディスクの下面の他の形状が提供され得る。
【0113】
ディスク(110)を中空駆動シャフト(200)に固定するために、ディスク(100)中の開口(504)(図16B)を中空駆動シャフト(200)の上に配置することができ、ディスク(110)は、ディスクの下面がフランジ(500)の上面(502)上に載置されるまで、シャフトの上部から降下させることができる。次いで、シャフトプラグ(506)をフランジ(500)の底面(508)の下に位置決めすることができ、シャフトプラグをフランジ及びディスク(110)に固定することができる。
【0114】
図13A図13Bに示すように、シャフトプラグ(506)はフランジの下方に位置決めされており、ディスクはフランジの上方に位置決めされている。いくつかの実施形態では、フランジの上面とディスクの下面との間の連結(以下でより詳細に説明する)が十分な密封を提供するため、シャフトとディスクとの間に追加の密封部材(例えば、Oリング)を提供する必要はない。図13A及び図17Bに示すように、例えば、密封部材(510)、例えば、Oリングを、プラグとシャフトの内面との間のより緊密な密封を達成するために提供することができる。図13Bはまた、上述のように1つ以上のセンサ(例えば、温度センサ)を含むことができるカバー512を示している。
【0115】
図14A図14Bは、シャフトプラグ(506)をフランジ(500)及びディスク(110)に固定するための例示的な留め具システムを示す断面図である。シャフトプラグ(506)は、フランジ中の第2の開口(514)及びディスク(110)中の第3の開口(516)に対応する1つ以上の第1の開口(512)を有することができる。1つ以上の留め具(518)は、図14A図14Bに示すように、それぞれの対応する開口を通って延在し、それらを一緒に固定することができる。例えば、留め具(518)は、第1の開口(512)、第2の開口(514)、及び第3の開口(516)を通って延在し、かつ第3の開口(516)のねじ切り加工部分、並びに任意選択的に、第1及び第2の開口のうちの1つ以上と係合する、ねじであり得る。
【0116】
図17Aは、シャフトプラグ(506)中の複数の第1の開口(512)を示している。いくつかの実施形態では、各構造における対応する開口の数は変動し得、1つ以上であり得る。好ましくは、各構造に提供される開口の数は、1~4であり、好ましくは、少なくとも2つ又は少なくとも3つの開口を含む。
【0117】
図15A図15Cは、フランジ(500)中の複数の第2の開口(514)を示している。上記で考察されたように、第2の開口の数は変動し得るが、3つの第2の開口が図中に示されている。図15A図15Cに見ることができるように、及び他の実施形態において説明されるように、複数のアパーチャ(210)を、溶融供給物の流出のために中空駆動シャフト(200)の下方端部の円周の周りに配設することができる。フランジ(500)は、複数のアパーチャ(210)の下方に位置する。
【0118】
図16A図16Cは、ディスク(110)中の複数の第3の開口(516)を示している。図15A図15C及び図17Aにおける第1及び第2の開口の数に対応する、3つの第3の開口がこれらの図に示されている。第3の開口は、シャフトプラグ(506)をフランジ(500)及びディスク(110)の第3の開口(516)に固定するために留め具(例えば、ねじ)と係合する、内部ねじ切り加工を有することができる。
【0119】
図13A図17Bに示す代替の連結システムは、他のシステムよりもいくつかの利点を提供することができる。他の連結方法を使用する本明細書に記載のスピニングディスク噴霧器の望ましい機能を維持しながら、この連結方法は、たとえ留め具が故障してもディスクがフランジから落下することができないため、動作の向上した安全性を提供することができる。加えて、いくつかの実施形態では、代替の連結システムは、より軽く、より短い連結構成要素を可能にすることができ、これにより、より高い回転速度で潜在的に望ましくない軸外振動を低減することができる。
【0120】
本明細書では、溶融噴霧凝固(MSC)プロセスのための本明細書に記載のスピニングディスク噴霧器(100)の使用が提供される。本明細書では、溶融供給物から多粒子を生成するための、本明細書に記載のスピニングディスク噴霧器(100)の使用が提供される。
【0121】
開示される発明の原理を適用することができる数多くの可能な実施形態を考慮して、例示される実施形態は、本発明の好適な例に過ぎないものであり、また、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではないことが認識されるべきである。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定義される。したがって、我々は、これらの特許請求の範囲の範囲及び趣旨内に入る全てを我々の発明として主張する。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5A-1】
図5B
図5B-1】
図5C
図5C-1】
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10
図11
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
【国際調査報告】