(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】免疫抑制剤、その製造方法及び応用
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20230711BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20230711BHJP
A61K 31/4375 20060101ALI20230711BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20230711BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230711BHJP
A61P 31/18 20060101ALI20230711BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20230711BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20230711BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230711BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230711BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20230711BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230711BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230711BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20230711BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20230711BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20230711BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20230711BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230711BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20230711BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20230711BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20230711BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20230711BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230711BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20230711BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20230711BHJP
A61P 31/16 20060101ALI20230711BHJP
A61P 31/22 20060101ALI20230711BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20230711BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20230711BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20230711BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20230711BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
C07D471/04 113
C07D519/00 311
C07D519/00 CSP
A61K31/4375
A61P31/10
A61P31/04
A61P31/18
A61P31/12
A61P37/06
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61P29/00 101
A61P19/02
A61P13/12
A61P11/06
A61P17/06
A61P1/04
A61P1/16
A61P1/18
A61P37/08
A61P25/28
A61P9/04
A61P9/00
A61P19/10
A61P25/16
A61P31/16
A61P31/22
A61P31/20
A61P31/14
A61P3/10
A61P3/02 102
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577776
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2021091383
(87)【国際公開番号】W WO2021254005
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】202010553412.3
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519166372
【氏名又は名称】アビスコ セラピューティクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ミンミン
(72)【発明者】
【氏名】ザオ バオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ヨンシェン
(72)【発明者】
【氏名】ユ ホンピン
(72)【発明者】
【氏名】チェン チュイ
(72)【発明者】
【氏名】シュウ ヤオチャン
【テーマコード(参考)】
4C065
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA05
4C065BB09
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH09
4C065JJ01
4C065KK03
4C065KK08
4C065LL01
4C065PP12
4C072MM02
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB09
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA16
4C086ZA36
4C086ZA37
4C086ZA45
4C086ZA62
4C086ZA68
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZA97
4C086ZB08
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZC23
4C086ZC31
4C086ZC35
4C086ZC55
(57)【要約】
式(I)の構造免疫抑制剤、その製造方法と応用。本発明の一連の化合物はPD-1/PD-L1シグナル伝達経路に媒介された癌または腫瘍、免疫関連疾患及び障害、伝染性疾患、感染症または代謝性疾患の予防及び/または治療薬の製造に幅広く利用でき、新世代PD-1/PD-L1阻害剤として開発されることが期待できる。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩であって、
【化1】
ここで、mは、0、1、2、3または4であり、
L
1およびL
2は、それぞれ独立して、-CR
7=CR
8-、-NH-C(O)-、-NR
9-C(R
10R
11)-、-NR
12-または結合から選択され、
環Aは、
【化2】
の基から選択され、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-10アルキル基、C
3-10シクロアルキル基またはC
1-10アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-10アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
1-10アルコキシ基またはC
3-10シクロアルキルオキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
5は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-10アルキル基、C
3-10シクロアルキル基もしくはC
1-10アルコキシ基から選択されか、または、m≧2の場合、その中の2つのR
5は、それに直接連結する炭素原子とともにカルボキシル基、C
3-10シクロアルキル基または3-10員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
6は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、ハロゲン置換C
1-10アルキル基、重
水素置換C
1-10アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C
0-8-S(O)
rR
21、-C
0-8-O-R
22、-C
0-8-C(O)OR
22、-C
0-8-C(O)R
23、-C
0-8-O-C(O)R
23、-C
0-8-NR
24R
25、-C
0-8-C(=NR
24)R
23、-C
0-8-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-8-C(O)NR
24R
25または-C
0-8-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、ハロゲン置換C
1-10アルキル基、重水素置換C
1-10アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C
0-8-S(O)
rR
21、-C
0-8-O-R
22、-C
0-8-C(O)OR
22、-C
0-8-C(O)R
23、-C
0-8-O-C(O)R
23、-C
0-8-NR
24R
25、-C
0-8-C(=NR
24)R
23、-C
0-8-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-8-C(O)NR
24R
25または-C
0-8-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
R
7およびR
8は、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、シアノ基、ヒドロキシル基、C
1-10アルキル基またはC
3-10シクロアルキル基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
9およびR
12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-10アルキル基またはC
3-10シクロアルキル基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
10およびR
11は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
21、-C
0-8-O-R
22、-C
0-8-C(O)OR
22、-C
0-8-C(O)R
23、-C
0-8-O-C(O)R
23、-C
0-8-NR
24R
25、-C
0-8-C(=NR
24)R
23、-C
0-8-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-8-C(O)NR
24R
25あるいは-C
0-8-N(R
24)-C(O)R
23から選択されか、または、R
10およびR
11は、それに直接連結する炭素原子とともに3-12員シクロアルキル基または3-12員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-10アルキル基、ハロゲン置換C
1-10アルキル基、重水素置換C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C
0-8-S(O)
rR
21、-C
0-8-O-R
22、-C
0-8-C(O)OR
22、-C
0-8-C(O)R
23、-C
0-8-O-C(O)R
23、-C
0-8-NR
24R
25、-C
0-8-C(=NR
24)R
23、-C
0-8-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-8-C(O)NR
24R
25または-C
0-8-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
13は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C
0-8-S(O)
rR
21、-C
0-8-O-R
22、-C
0-8-C(
O)OR
22、-C
0-8-C(O)R
23、-C
0-8-O-C(O)R
23、-C
0-8-NR
24R
25、-C
0-8-C(=NR
24)R
23、-C
0-8-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-8-C(O)NR
24R
25または-C
0-8-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、ハロゲン置換C
1-10アルキル基、重水素置換C
1-10アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C
0-8-S(O)
rR
21、-C
0-8-O-R
22、-C
0-8-C(O)OR
22、-C
0-8-C(O)R
23、-C
0-8-O-C(O)R
23、-C
0-8-NR
24R
25、-C
0-8-C(=NR
24)R
23、-C
0-8-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-8-C(O)NR
24R
25または-C
0-8-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
pは、0または1であり、
qは、1または2であり、
各nは、それぞれ独立して、0、1、2、3または4であり、
各R
14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-10アルキル基、C
3-10シクロアルキル基もしくはC
1-10アルコキシ基から選択されか、または、n≧2の場合、その中の2つのR
14はそれに直接連結する炭素原子とともにカルボキシル基、C
3-10シクロアルキル基または3-10員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
15は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
16およびR
17は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-10アルキル基、C
3-10シクロアルキル基またはC
1-10アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
18は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-10アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
1-10アルコキシ基またはC
3-10シクロアルキルオキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
19aおよびR
20aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルキルC
1-8アルキル基、3-10員複素環基、3-10員複素環基C
1-8アルキル基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールC
1-8アルキル基あるいは5-10員ヘテロアリール基から選択されか、または、R
19aおよびR
20aは、それに直接連結する窒素原子とともに3-10員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、ハロゲン置換C
1-10アルキル基、重水素置換C
1-10アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C
0-8-S(O)
rR
21、-C
0-8-O-R
22、-C
0-8-C(O)OR
22、-C
0-8-C(O)R
23、-C
0-8-O-C(O)R
23、-C
0-8-NR
24R
25
、-C
0-8-C(=NR
24)R
23、-C
0-8-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-8-C(O)NR
24R
25または-C
0-8-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
19bおよびR
20bは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルキルC
1-8アルキル基、3-10員複素環基、3-10員複素環基C
1-8アルキル基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールC
1-8アルキル基あるいは5-10員ヘテロアリール基から選択されか、または、R
19bおよびR
20bは、それに直接連結する窒素原子とともに3-10員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C
0-8-S(O)
rR
21、-C
0-8-O-R
22、-C
0-8-C(O)OR
22、-C
0-8-C(O)R
23、-C
0-8-O-C(O)R
23、-C
0-8-NR
24R
25、-C
0-8-C(=NR
24)R
23、-C
0-8-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-8-C(O)NR
24R
25または-C
0-8-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、ハロゲン置換C
1-10アルキル基、重水素置換C
1-10アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C
0-8-S(O)
rR
21、-C
0-8-O-R
22、-C
0-8-C(O)OR
22、-C
0-8-C(O)R
23、-C
0-8-O-C(O)R
23、-C
0-8-NR
24R
25、-C
0-8-C(=NR
24)R
23、-C
0-8-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-8-C(O)NR
24R
25または-C
0-8-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
21は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基または-NR
24R
25から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、オキシル、シアノ基、C
1-10アルキル基、C
1-10アルコキシ基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR
24R
25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
22は、それぞれ独立して、水素、重水素、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、オキシル、シアノ基、C
1-10アルキル基、C
1-10アルコキシ基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR
24R
25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
23は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-10アルキル基、C
1-10アルコキシ基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR
24R
25から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、シアノ基、C
1-10アルキル基、C
1-10アルコキシ基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10
シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10シクロアルキルオキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR
24R
25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
24およびR
25は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC
1-10アルカノイル基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、C
1-8アルキル基、C
1-10アルコキシ基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10シクロアルキルオキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC
1-10アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
または、R
24およびR
25は、それに直接連結する窒素原子とともに4-10員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、C
1-10アルキル基、C
1-10アルコキシ基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10シクロアルキルオキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC
1-10アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各rは、それぞれ独立して、0、1または2であることを特徴とする、前記式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記L
1およびL
2は、それぞれ独立して、-CR
7=CR
8-、-NH-または-NH-C(O)-から選択され、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基またはC
1-4アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
1-4アルコキシ基またはC
3-6シクロアルキルオキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
ここで、R
7およびR
8は、請求項1に記載された通りであることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記各R
5は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基もしくはC
1-4アルコキシ基から選択されか、または、m≧2の場合、その中の2つのR
5はそれに直接連結する炭素原子とともにカルボニル基、C
3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基に
よってさらに置換されることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記R
6は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C
0-4-S(O)
rR
21、-C
0-4-O-R
22、-C
0-4-C(O)OR
22、-C
0-4-C(O)R
23、-C
0-4-O-C(O)R
23、-C
0-4-NR
24R
25、-C
0-4-C(=NR
24)R
23、-C
0-4-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-4-C(O)NR
24R
25または-C
0-4-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C
0-4-S(O)
rR
21、-C
0-4-O-R
22、-C
0-4-C(O)OR
22、-C
0-4-C(O)R
23、-C
0-4-O-C(O)R
23、-C
0-4-NR
24R
25、-C
0-4-C(=NR
24)R
23、-C
0-4-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-4-C(O)NR
24R
25または-C
0-4-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
ここで、R
21、R
22、R
23、R
24、R
25、rは、請求項1に記載された通りであることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
前記環Aは、下記基から選択され、
【化3】
ここで、各R
13は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C
0-4-S(O)
rR
21、-C
0-4-O-R
22、-C
0-4-C(O)OR
22、-C
0-4-C(O)R
23、-C
0-4-O-C(O)R
23、-C
0-4-NR
24R
25、-C
0-4-C(=NR
24)R
23、-C
0-4-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-4-C(O)NR
24R
25または-C
0-4-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換
C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C
0-4-S(O)
rR
21、-C
0-4-O-R
22、-C
0-4-C(O)OR
22、-C
0-4-C(O)R
23、-C
0-4-O-C(O)R
23、-C
0-4-NR
24R
25、-C
0-4-C(=NR
24)R
23、-C
0-4-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-4-C(O)NR
24R
25または-C
0-4-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
各R
14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基もしくはC
1-4アルコキシ基から選択されか、または、n≧2の場合、その中の2つのR
14はそれに直接連結する炭素原子とともにカルボキシル基、C
3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
15は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
16およびR
17は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基またはC
1-4アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
18は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
1-4アルコキシ基またはC
3-6シクロアルキルオキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
19aおよびR
20aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキルC
1-4アルキル基、3-6員複素環基、3-6員複素環基C
1-4アルキル基、C
5-8アリール基、C
5-8アリールC
1-4アルキル基あるいは5-8員ヘテロアリール基から選択されか、または、R
19aおよびR
20aは、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C
0-4-S(O)
rR
21、-C
0-4-O-R
22、-C
0-4-C(O)OR
22、-C
0-4-C(O)R
23、-C
0-4-O-C(O)R
23、-C
0-4-NR
24R
25、-C
0-4-C(=NR
24)R
23、-C
0-4-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-4-C(O)NR
24R
25または-C
0-4-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
19bおよびR
20bは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキルC
1-4アルキル基、3-6員複素環基、3-6員複素環基C
1-4アルキル基、C
5-8アリール基、C
5-8アリールC
1-4アルキル基あるいは5-8員ヘテロアリール基から選択されか、または、R
19bおよびR
20bは、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アル
ケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C
0-4-S(O)
rR
21、-C
0-4-O-R
22、-C
0-4-C(O)OR
22、-C
0-4-C(O)R
23、-C
0-4-O-C(O)R
23、-C
0-4-NR
24R
25、-C
0-4-C(=NR
24)R
23、-C
0-4-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-4-C(O)NR
24R
25または-C
0-4-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C
0-4-S(O)
rR
21、-C
0-4-O-R
22、-C
0-4-C(O)OR
22、-C
0-4-C(O)R
23、-C
0-4-O-C(O)R
23、-C
0-4-NR
24R
25、-C
0-4-C(=NR
24)R
23、-C
0-4-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C
0-4-C(O)NR
24R
25または-C
0-4-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
ここで、R
21、R
22、R
23、R
24、R
25、r、n、p、qは、請求項1に記載された通りであることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
式(I)の化合物は、式(IIa)の化合物、式(IIb)の化合物、式(IIc)の化合物、式(IId)の化合物または式(IIe)の化合物から選択され、
【化4】
ここで、L
1およびL
2は、それぞれ独立して、-CR
7=CR
8-または-NH-C(O)-から選択され、
各R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基またはC
1-4アルコキシ基から選択され、
各R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
1-4アルコキシ基またはC
3-6シクロアルキルオキシ基から選択され、
各R
5は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基またはC
1-4アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
6は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23、-NR
24R
25、-C(O)NR
24R
25または-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23、-NR
24R
25、-C(O)NR
24R
25または-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
R
7およびR
8は、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、シアノ基、ヒドロキシル基、C
1-14アルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基またはC
3-6シクロアルキル基から選択され、
各R
13は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23または-NR
24R
25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23または-NR
24R
25から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
各R
14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基またはC
1-4アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
15は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、
R
16は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基またはC
1-4アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
17は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基またはC
1-4アル
コキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC
1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
18は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、3-6員複素環基、C
1-4アルコキシ基またはC
3-6シクロアルキルオキシ基から選択され、
R
19aおよびR
20aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキルC
1-4アルキル基、3-6員複素環基あるいは3-6員複素環基C
1-4アルキル基から選択されか、または、R
19aおよびR
20aは、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23、-NR
24R
25、-C(=NR
24)R
23、-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C(O)NR
24R
25または-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
19bおよびR
20bは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキルC
1-4アルキル基、3-6員複素環基、3-6員複素環基C
1-4アルキル基、C
5-8アリール基、C
5-8アリールC
1-4アルキル基あるいは5-8員ヘテロアリール基から選択されか、またはR
19bおよびR
20bは、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-S(O)
rR
21、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23、-NR
24R
25、-C(=NR
24)R
23、-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C(O)NR
24R
25または-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-S(O)
rR
21、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23、-NR
24R
25、-C(=NR
24)R
23、-N(R
24)-C(=NR
25)R
23、-C(O)NR
24R
25または-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
ここで、R
21、R
22、R
23、R
24、R
25、m、n、r、p、qは、請求項1に記載された通りであることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
式(I)の化合物は、式(IIIa)の化合物、式(IIIb)の化合物、式(IIIc)の化合物、式(IIId)の化合物または式(IIIe)の化合物から選択され、
【化5】
ここで、各L
1は、それぞれ独立して、-CH=CF-または-NH-C(O)-から選択され、
各R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基またはC
1-4アルコキシ基から選択され、
R
5は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基またはC
1-4アルコキシ基から選択され、
各R
6は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23、-NR
24R
25、-C(O)NR
24R
25または-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23、-NR
24R
25、-C(O)NR
24R
25または-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
13は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23または-NR
24R
25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23または-NR
24R
25から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
R
15は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、3-6員複
素環基、C
5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、
R
18は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、3-6員複素環基、C
1-4アルコキシ基またはC
3-6シクロアルキルオキシ基から選択され、
R
19aおよびR
20aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキルC
1-4アルキル基、3-6員複素環基あるいは3-6員複素環基C
1-4アルキル基から選択されか、または、R
19aおよびR
20aは、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23、-NR
24R
25、-C(O)NR
24R
25または-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R
19bおよびR
20bは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基あるいは5-8員ヘテロアリール基から選択されか、または、R
19bおよびR
20bは、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23、-NR
24R
25、-C(O)NR
24R
25または-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、重水素置換C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-O-R
22、-C(O)OR
22、-C(O)R
23、-O-C(O)R
23、-NR
24R
25、-C(O)NR
24R
25または-N(R
24)-C(O)R
23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
ここで、R
22、R
23、R
24、R
25、p、qは、請求項1に記載された通りであることを特徴とする
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
各R
22は、それぞれ独立して、水素、重水素、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、オキシル、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C
5-8アリール基、C
5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基または-NR
24R
25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
23は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C
5-8アリール基、C
5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基または-NR
24R
25から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、シアノ基、C
1-4アルキル基、C
1-4
アルコキシ基、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6シクロアルキルオキシ基、C
5-8アリール基、C
5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基または-NR
24R
25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R
24およびR
25は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC
1-4アルカノイル基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6シクロアルキルオキシ基、C
5-8アリール基、C
5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC
1-4アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
または、R
24およびR
25は、それに直接連結する窒素原子とともに4-8員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、C
1-4アルキル基、C
1-4アルコキシ基、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6シクロアルキルオキシ基、C
5-8アリール基、C
5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC
1-4アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換されることを特徴とする
請求項7に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
【化6】
から選択されることを特徴とする
請求項1~8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、
以下のような工程を含み、
【化7】
任意選択で、置換基の違いに従って、さらに反応させて、対応する式(I)の化合物を得る工程を含み、
ここで、環A、L
1、L
2、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、mは、請求項1に記載された通りであることを特徴とする、前記請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩の製造方法。
【請求項11】
薬物組成物であって、
請求項1~9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩と薬用可能な担体とを含むことを特徴とする、前記薬物組成物。
【請求項12】
PD-1/PD-L1シグナル伝達経路によって媒介された疾患の予防及び/または治療用薬物の調製における、請求項1~9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩の応用。
【請求項13】
前記PD-1/PD-L1シグナル伝達経路によって媒介された疾患は、癌または腫瘍、免疫関連疾患及び障害、伝染性疾患、感染症または代謝性疾患から選択されることを特徴とする
請求項12に記載の応用。
【請求項14】
前記感染症は、細菌感染症、ウイルス感染症、または真菌感染症から選ばれ、前記癌または腫瘍は、リンパ腫(リンパ球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、T細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性中心リンパ腫、ホッジゴールドリンパ腫、非ホジキンリンパ腫または原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫を含むがこれらに限定されない)、肉腫(カポシ肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、軟組織肉腫、血管肉腫、またはリンパ管肉腫を含むがこれらに限定されない)、メラノーマ、神経膠芽細胞腫、滑膜腫瘍、髄膜腫、胆道腫瘍、胸腺腫瘍、神経腫瘍、精上皮腫、腎芽腫、多形性腺腫、肝細胞乳頭腫、腎尿細管腺腫、嚢胞腺腫、乳頭腫、腺腫、平滑筋腫、横紋筋肉腫、血管腫、リンパ管腫、骨腫、軟骨腫、脂肪腫、線維腫、中枢神経系腫瘍、脊索腫、脳幹部神経膠腫、下垂体腺腫、多発性骨髄腫、卵巣腫瘍、骨髄異形成症候群または中皮腫、前立腺癌、再発性または抵抗性前立腺癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、肛門癌、精巣癌、尿道癌、陰茎癌、膀胱癌、尿管癌、子宮癌、卵巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、副腎癌、メルケル細胞癌、胚癌、慢性または急性白血病(急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病を含むがこれらに限定されない)、気管支癌、食道癌、鼻咽頭癌、肝細胞癌、腎細胞癌、小細胞肺癌、基底細胞癌、肺癌、乳癌、腺癌、乳頭癌、嚢胞腺癌、扁平上皮非小細胞肺癌、非扁平上皮非小細胞肺癌、直腸癌、結腸癌、結腸直腸癌、胃癌、膵臓癌、頭頸部扁平上皮癌、頭頸部癌、胃腸管、骨癌、皮膚癌、小腸癌、内分泌系癌、腎骨盤癌、類表皮癌、腹壁癌、腎細胞癌、移行細胞癌または絨毛癌、および転移性腫瘍、特にPD-L1を発現する腫瘍から選ばれ、
前記の免疫関連疾患及び障害は、関節リウマチ、腎不全、紅斑性狼瘡、喘息、乾癬、潰
瘍性大腸炎、膵炎、アレルギー、線維症、貧血性線維筋痛症、アルツハイマー病、うっ血性心不全、脳卒中、大動脈弁狭窄症、動脈硬化症、骨粗鬆症、パーキンソン病、感染症、クローン氏病、潰瘍性大腸炎、アレルギー性接触皮膚炎および湿疹、全身性硬化症および多発性硬化症から選ばれ、
前記伝染性疾患または感染性疾患は、膿毒症、肝臓感染、HIV、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、ヘルペスウイルス、パピローマウイルスまたはインフルエンザから選ばれ、
前記代謝性疾患は、糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群、低血糖症、痛風、栄養失調、ビタミンA欠乏症、壊血病、ビタミンD欠乏症または骨粗鬆症から選択されることを特徴とする
請求項13に記載の応用。
【請求項15】
PD-1/PD-L1シグナル伝達経路によって媒介された癌または腫瘍、免疫関連疾患及び障害、伝染性疾患、感染症または代謝性疾患の予防及び/または治療用薬物として使用される、請求項1~9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は、薬物合成の分野に属し、具体的に、免疫抑制剤、その製造方法と応用に関する。
【0002】
背景技術
免疫系は、癌などの疾患を制御および除去する上で非常に重要な役割を果たしている。一方、腫瘍細胞は、免疫系の監視を回避または抑制することにより、自身の悪性増殖を促進することがよく見られる。重要なメカニズムの1つとして、免疫細胞における共刺激および共抑制の免疫チェックポイント分子の発現を改変することである。PD1などの免疫チェックポイント分子のシグナル伝達経路を阻害することは、非常に有望で効果的な治療法であることが確認されている。
【0003】
プログラム細胞死分子1(PD-1)はCD279とも呼ばれ、活性化T細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞及びマクロファージ表面に発現する受容体分子であり、その構造には、一つの細胞外の免疫グロブリン可変領域様領域、一つの膜貫通領域と一つの細胞内領域が含まれており、そのうち、細胞内領域に2つのリン酸化部位が含まれ、免疫受容体チロシンキナーゼに基づく阻害領域及び免疫受容体チロシンキナーゼに基づく転換領域に位置し、PD1がT細胞に媒介されたシグナル伝達経路を負に調節できることが示唆されている。
【0004】
PD1はPD-L1とPDL2の2つのリガンドを持っており、その発現プロファイルが異なっている。PDL1タンパク質はマクロファージと樹状細胞において、リポ多糖(LPS)および顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)処理後にアップレギュレートされ、T細胞お帯びB細胞においてT細胞受容体及びB細胞受容体シグナル伝達経路の刺激を受けてもアップレギュレートされます。また、同タンパク質は、ほとんど腫瘍細胞に高発現し、インターフェロン(IFN)ガンマ刺激後に発現的にアップレギュレーションされる。実際、腫瘍PDL1の発現状態は、複数の腫瘍タイプで予後のPD-L2関連性発現と考えられるが、主に樹状細胞に集中的に発現している。
【0005】
PD-1発現のT細胞とそのリガンド発現の細胞と接触すると、細胞増殖、サイトカイン放出、細胞溶解活性など、抗原刺激後の機能的活性が阻害される。従って、PD1とそのリガンド間の相互作用は感染、免疫寛容、または腫瘍形成中のT細胞の過剰活性化を防ぎ、それによって自己免疫疾患を軽減し、自己免疫寛容を促進するための固有の負のフィードバック調節メカニズムとして機能する。腫瘍や長期感染症で発生するような長期抗原刺激は、T細胞にPD-1を高発現させ、これらの長期抗原応答において不活性で機能しなくなり、つまり、T細胞機能の枯渇に繋がる。B細胞もPD1及びそのリガンドによる阻害作用及び関連機能の枯渇が認められる。
【0006】
前臨床動物試験では、PD-1とそのリガンドが免疫応答を負に調節することが示唆されている。PD-1欠損マウスは、紅斑性狼瘡様の急性増殖性糸球体腎炎と拡張型心筋症を発症する。PDL1抗体でPD-1/PDL1相互作用を阻害すると、多くの系統でT細胞の活性化が回復および増強されることが示されている。PDL1のモノクローナル抗体も、進行がん患者の治療が期待できる。いくつかの前臨床動物腫瘍モデルでは、モノクローナル抗体によるPD-1/PD-L1シグナル伝達の遮断が免疫応答を増強し、組織学的に異なる一連の腫瘍に対する免疫応答を引き起こすことが示されている。慢性感染LCMVモデルでは、PD-1/PD-L1相互作用は、ウイルス特異的CD8 T細胞の
活性化、拡大及びエフェクター細胞機能の獲得を阻害することが確認されている。長期抗原に対する免疫応答を強化することに加えて、PD-1/PDL1経路を阻害すると、慢性感染症での治療用ワクチンを含むワクチンに対する応答を強化することも確認されている。
【0007】
前記のように、既存のモノクローナル抗体に加えて、PD1-PDL1タンパク質とタンパク質間の相互作用を阻害する化合物を開発できれば、PD-1/PDL1を媒介した阻害性シグナル伝達経路を阻害することにより、T細胞の機能を強化または回復できる。したがって、PD-1/PD-L1の相互作用を標的にして阻害する化合物は、さまざまな癌の免疫療法やその他の免疫関連疾患治療において良好な効果を果たせる。
【0008】
発明の概要
本発明の目的は、PD-1/PD-L1の相互作用を遮断する免疫抑制剤を提供することにより、新世代のPD-1/PD-L1阻害剤の開発に寄与することにある。
【0009】
本発明の第一の側面では、式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩を提供し、
【0010】
【0011】
ここで、mは0、1、2、3または4であり、
L1、L2は、それぞれ独立して、-CR7=CR8-、-NH-C(O)-、-NR9-C(R10R11)-、-NR12-または結合から選択され、
「L1またはL2」に定義される基の連結方向には、2つの方向が含まれている、例えば、「-NH-C(O)-」における「窒素原子」は環Aまたはピリジン環に連結することができ、ベンゼン環に連結することもできる、
環Aは、
【0012】
【0013】
の基から選択され、
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基またはC
1-10アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C1-10アルコキシ基またはC3-10シクロアルキルオキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R5は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基もしくはC1-10アルコキシ基から選択されか、または、m≧2の場合、その中の2つのR5はそれに直接連結する炭素原子とともにカルボキシル基、C3-10シクロアルキル基または3-10員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R6は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
R7およびR8は、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、シアノ基、ヒドロキシル基、C1-10アルキル基またはC3-10シクロアルキル基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R9およびR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-10アルキル基またはC3-10シクロアルキル基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)
R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25あるいは-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択されか、または、R10およびR11は、それに直接連結する炭素原子とともに3-12員シクロアルキル基または3-12員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-12シクロアルキル基、3-12員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R13は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
pは、0または1であり、
qは、1または2であり、
各nは、それぞれ独立して、0、1、2、3または4であり、
各R14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基もしくはC1-10アルコキシ基から選択されか、または、n≧2の場合、その中の2つのR14はそれに直接連結する炭素原子とともにカルボキシル基、C3-10シクロアルキル基または3-10員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R15は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R16およびR17は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基またはC1-10アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R18は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C1-10アルコキシ基またはC3-10シクロアルキルオキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R19aおよびR20aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルC1-8アルキル基、3-10員複素環基、3-10員複素環基C1-8アルキル基、C5-10アリール基、C5-10アリールC1-8アルキル基あるいは5-10員ヘテロアリール基から選択されか、または、R19aおよびR20aは、それに直接連結する窒素原子とともに3-10員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R19bおよびR20bは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルC1-8アルキル基、3-10員複素環基、3-10員複素環基C1-8アルキル基、C5-10アリール基、C5-10アリールC1-8アルキル基あるいは5-10員ヘテロアリール基から選択されか、または、R19bおよびR20bは、それに直接連結する窒素原子とともに3-10員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R21は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基または-NR24R25から選択され、
前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、オキシル、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR24R25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R22は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、オキシル、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR24R25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R23は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR24R25から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10シクロアルキルオキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR24R25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R24およびR25は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-10アルカノイル基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、C1-8アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10シクロアルキルオキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-10アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
あるいは、R24およびR25は、それに直接連結する窒素原子とともに4-10員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10シクロアルキルオキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-10アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各rは、それぞれ独立して、0、1または2である。
【0014】
好適な形態として、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、L1、L2は、それぞれ独立して、-CR7=CR8-、-NH-または-NH-C(O)-から選択され、
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基またはC1-4アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R3およびR4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C1-4アルコキシ基またはC3-6シクロアルキルオキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
ただし、R7、R8は式(I)の化合物に記載された通りである。
【0015】
好適な形態として、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、各R5は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基もしくはC1-4アルコキシ基から選択されか、または、m≧2の場合、その中の2つのR5はそれに直接連結する炭素原子とともにカルボニル基、C3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換される。
【0016】
好適な形態として、前記の式(I)、化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R6は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR21、-C0-4-O-R22、-C0-4-C(O)OR22、-C0-4-C(O)R23、-C0-4-O-C(O)R23、-C0-4-NR24R25、-C0-4-C(=NR24)R23、-C0-4-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-4-C(O)NR24R25または-C0-4-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR21、-C0-4-O-R22、-C0-4-C(O)OR22、-C0-4-C(O)R23、-C0-4-O-C(O)R23、-C0-4-NR24R25、-C0-4-C(=NR24)R23、-C0-4-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-4-C(O)NR24R25または-C0-4-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
ここで、R21、R22、R23、R24、R25、rは式(I)の化合物に記載された通りである。
【0017】
好適な形態として、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、環Aは下記基から選択され、
【0018】
【0019】
ここで、各R13は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR21、-C0-4-O-R22、-C0-4-C(O)OR22、-C0-4-C(O)R23、-C0-4-O-C(O)R23、-C0-4-NR24R25、-C0-4-C(=NR24)R23、-C0-4-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-4-C(O)NR24R25または-C0-4-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR21、-C0-4-O-R22、-C0-4-C(O)OR22、-C0-4-C(O)R23、-C0-4-O-C(O)R23、-C0-4-NR24R25、-C0-4-C(=NR24)R23、-C0-4-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-4-C(O)NR24R25または-C0-4-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
各R14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基もしくはC1-4アルコキシ基から選択されか、または、n≧2の場合、その中の2つのR14はそれに直接連結する炭素原子とともにカルボキシル基、C3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R15は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R16およびR17は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基またはC1-4アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R18は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C1-4アルコキシ基またはC3-6シクロアルキルオキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R19aおよびR20aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルC1-4アルキル基、3-6員複素環基、3-6員複素環基C1-4アルキル基、C5-8アリール基、C5-8アリールC1-4アルキル基あるいは5-8員ヘテロアリール基から選択されか、または、R19aおよびR20aは、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR21、-C0-4-O-R22、-C0-4-C(O)OR22、-C0-4-C(O)R23、-C0-4-O-C(O)R23、-C0-4-NR24R25、-C0-4-C(=NR24)R23、-C0-4-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-4-C(O)NR24R25または-C0-4-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R19bおよびR20bは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルC1-4アルキル基、3-6員複素環基、3-6員複素環基C1-4アルキル基、C5-8アリール基、C5-8アリールC1-4アルキル基あるいは5-8員ヘテロアリール基から選択されか、または、R19bおよびR20は、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR21、-C0-4-O-R22、-C0-4-C(O)OR22、-C0-4-C(O)R23、-C0-4-O-C(O)R23、-C0-4-NR24R25、-C0-4-C(=NR24)R23、-C0-4-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-4-C(O)NR24R25または-C0-4-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR21、-C0-4-O-R22、-C0-4-C(O)OR22、-C0-4-C(O)R23、-C0-4-O-C(O)R23、-C0-4-NR24R25、-C0-4-C(=NR24)R23、-C0-4-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-4-C(O)NR24R25または-C0-4-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
ここで、R21、R22、R23、R24、R25、r、n、p、qは、式(I)の化合物に記載された通りである。
【0020】
好適な形態として、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、式(I)の化合物は式(IIa)の化合物、式(IIb)の化合物、式(IIc)の化合物、式(IId)の化合物または式(IIe)の化合物から選択され、
【0021】
【0022】
ここで、L1、L2は、それぞれ独立して、-CR7=CR8-または-NH-C(O)-から選択され、
各R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基またはC1-4アルコキシ基から選択され、
各R3およびR4は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C1-4アルコキシ基またはC3-6シクロアルキルオキシ基から選択され、
各R5は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基またはC1-4アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R6は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23、-NR24R25、-C(O)NR24R25または-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23、-NR24R25、-C(O)NR24R25または-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R7およびR8は、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、シアノ基、ヒドロキシル基、C1-14アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基またはC3-6シクロアルキル基から選択され、
各R13は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23または-NR24R25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23または-NR24R25から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
各R14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基またはC1-4アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R15は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、
R16は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基またはC1-4アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R17は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基またはC1-4アルコキシ基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、シクロプロピル基、ヒドロキシル基またはC1-4アルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R18は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、3-6員複素環基、C1-4アルコキシ基またはC3-6シクロアルキルオキシ基から選択され、
R19aおよびR20aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルC1-4アルキル基、3-6員複素環基あるいは3-6員複素環基C1-4アルキル基から選択されか、または、R19aおよびR20aは、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23、-NR24R25、-C(=NR24)R23、-N(R24)-C(=NR25)R23、-C(O)NR24R25または-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R19bおよびR20bは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルC1-4アルキル基、3-6員複素環基、3-6員複素環基C1-4アルキル基、C5-8アリール基、C5-8アリールC1-4アルキル基あるいは5-8員ヘテロアリール基から選択されか、
またはR19bおよびR20bは、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-S(O)rR21、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23、-NR24R25、-C(=NR24)R23、-N(R24)-C(=NR25)R23、-C(O)NR24R25または-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-S(O)rR21、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23、-NR24R25、-C(=NR24)R23、-N(R24)-C(=NR25)R23、-C(O)NR24R25または-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
ここで、R21、R22、R23、R24、R25、m、n、r、p、qは式(I)の化合物に記載された通りである。
【0023】
好適な形態として、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、式(I)の化合物は式式(IIIa)の化合物、式(IIIb)の化合物、式(IIIc)の化合物、式(IIId)の化合物または式(IIIe)、化合物から選択され
【0024】
【0025】
ここで、各L1は、それぞれ独立して、-CH=CF-または-NH-C(O)-から選択され、
各R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基またはC1-4アルコキシ基から選択され、
R5は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基またはC1-4アルコキシ基から選択され、
各R6は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23、-NR24R25、-C(O)NR24R25または-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23、-NR24R25、-C(O)NR24R25または-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R13は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23または-NR24R25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23または-NR24R25から選択される1つまたは複数の置換基によってまたさらに置換され、
R15は、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、
R18は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、3-6員複素環基、C1-4アルコキシ基またはC3-6シクロアルキルオキシ基から選択され、
R19aおよびR20aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルC1-4アルキル基、3-6員複素環基あるいは3-6員複素環基C1-4アルキル基から選択されか、または、R19aおよびR20aは、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23、-NR24R25、-C(O)NR24R25または-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
R19bおよびR20bは、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基あるいは5-8員ヘテロアリール基から選択されか、または、R19bおよびR20bは、それに直接連結する窒素原子とともに3-6員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23、-NR24R25、-C(O)NR24R25または-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4
アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-O-R22、-C(O)OR22、-C(O)R23、-O-C(O)R23、-NR24R25、-C(O)NR24R25または-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
ここで、R22、R23、R24、R25、p、qは式(I)の化合物に記載された通りである。
【0026】
好適な形態として、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、各R22は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、オキシル、シアノ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基または-NR24R25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R23は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基または-NR24R25から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、シアノ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6シクロアルキルオキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基または-NR24R25から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
各R24およびR25は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-4アルカノイル基から選択され、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6シクロアルキルオキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-4アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
あるいは、R24およびR25は、それに直接連結する窒素原子とともに4-8員複素環基を形成し、前記基は、任意選択で、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6シクロアルキルオキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-4アルカノイル基から選択される1つまたは複数の置換基によってさらに置換され、
最も好適な形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩は、
【0027】
【0028】
等の化合物を含むが、これらに限定されない。
本発明の第二の側面では、以下のような工程段階を含む、前記式(I)の化合物、その
立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩の製造方法を提供し、
【0029】
【0030】
任意選択で、選ばれた置換基の違いにしたがって、さらに反応させて、対応する式(I)の化合物を得る工程を含み、
ここで、環A、L1、L2、R1、R2、R3、R4、R5、R6、mは式(I)の化合物に記載された通りである。
【0031】
本発明の第三の側面では、前記式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩と薬用可能な担体とを含む薬物組成物を提供する。
本発明の第四の側面では、PD-1/PD-L1シグナル伝達経路によって媒介された疾患の予防及び/または治療用薬物の調製における前記式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩の応用を提供する。
【0032】
好適な形態として、前記PD-1/PD-L1シグナル伝達経路によって媒介された疾患は癌または腫瘍、免疫関連疾患及び障害、伝染性疾患、感染症または代謝性疾患から選択される。
【0033】
さらに好適な形態として、前記感染症は細菌感染症、ウイルス感染症、または真菌感染症から選ばれ、前記癌または腫瘍は、リンパ腫(リンパ球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、T細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性中心リンパ腫、ホッジゴールドリンパ腫、非ホジキンリンパ腫または原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫を含むがこれらに限定されない)、肉腫(カポシ肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、軟組織肉腫、血管肉腫、またはリンパ管肉腫を含むがこれらに限定されない)、メラノーマ、神経膠芽細胞腫、滑膜腫瘍、髄膜腫、胆道腫瘍、胸腺腫瘍、神経腫瘍、精上皮腫、腎芽腫、多形性腺腫、肝細胞乳頭腫、腎尿細管腺腫、嚢胞腺腫、乳頭腫、腺腫、平滑筋腫、横紋筋肉腫、血管腫、リンパ管腫、骨腫、軟骨腫、脂肪腫、線維腫、中枢神経系腫瘍、脊索腫、脳幹部神経膠腫、下垂体腺腫、多発性骨髄腫、卵巣腫瘍、骨髄異形成症候群または中皮腫、前立腺癌、再発性または抵抗性前立腺癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、肛門癌、精巣癌、尿道癌、陰茎癌、膀胱癌、尿管癌、子宮癌、卵巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、副腎癌、メルケル細胞癌、胚癌、慢性または急性白血病(急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病を含むがこれらに限定されない)、気管支癌、食道癌、鼻咽頭癌、肝細胞癌、腎細胞癌、小細胞肺癌、基底細胞癌、肺癌、乳癌、腺癌、乳頭癌、嚢胞腺癌、扁平上皮非小細胞肺癌、非扁平上皮非小細胞肺癌、直腸癌、結腸癌、結腸直腸癌、胃癌、膵臓癌、頭頸部扁平上皮癌、頭頸部癌、胃腸管、骨癌、皮膚癌、小腸癌、内分泌系癌、腎骨盤癌、類表皮癌、腹壁癌、腎細胞癌、移行細胞癌または絨毛癌、および転移性腫瘍、特にPD-L1を発現する腫瘍から選ばれ、
前記免疫関連疾患及び障害は、関節リウマチ、腎不全、紅斑性狼瘡、喘息、乾癬、潰瘍
性大腸炎、膵炎、アレルギー、線維症、貧血性線維筋痛症、アルツハイマー病、うっ血性心不全、脳卒中、大動脈弁狭窄症、動脈硬化症、骨粗鬆症、パーキンソン病、感染症、クローン氏病、潰瘍性大腸炎、アレルギー性接触皮膚炎および湿疹、全身性硬化症または多発性硬化症から選択される。
【0034】
前記伝染性疾患または感染性疾患は、膿毒症、肝臓感染、HIV、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、ヘルペスウイルス、パピローマウイルスまたはインフルエンザから選択される。
【0035】
前記代謝性疾患は、糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群、低血糖症、痛風、栄養失調、ビタミンA欠乏症、壊血病、ビタミンD欠乏症または骨粗鬆症から選択される。
【0036】
本発明の第五の側面では、PD-1/PD-L1シグナル伝達経路によって媒介された癌または腫瘍、免疫関連疾患及び障害、伝染性疾患、感染症または代謝性疾患の予防及び/または治療用薬物に使用される式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0037】
本発明の第六の側面では、必要な患者に有効用量の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩またはその薬物複合体投与する工程を含む、PD-1/PD-L1シグナル伝達経路によって媒介された癌または腫瘍、免疫関連疾患及び障害、伝染性疾患、感染症または代謝性疾患の予防及び/または治療方法をさらに提供する。
【0038】
発明の実施形態
本出願の発明者は、広範囲にわたる詳細な研究を経て、初めて式(I)に示される構造の免疫抑制剤を開発した。本発明の一連の化合物はPD-1/PD-L1の相互作用に対し、強力な阻害効果を有し、PD-1/PD-L1シグナル伝達経路に媒介された癌または腫瘍、免疫関連疾患及び障害、感染症または代謝性疾患の予防及び/または治療薬の製造に幅広く利用でき、新世代PD-1/PD-L1阻害剤として開発されることが期待できる。これに基づき、本発明を完成させた。
【0039】
詳述:相反する陳述または特記事項がない限り、以下の明細書と請求の範囲で使用される用語は下記の意味となる。
「アルキル基」とは、直鎖または分岐鎖含有の飽和の脂肪族炭化水素基をいうが、たとえば、から選択される1-10個または1-6個または1-4個含む直鎖アルキル基および分岐鎖含有アルキル基をいいであることが好ましい、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、n-ヘキシル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、n-オクチル基、2,3-ジメチルヘキシル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,2-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシ
ル基、2-メチル-2-エチルペンチル基、2-メチル-3-エチルペンチル基やその様々な分岐鎖異性体などを含むが、これらに限定されない。例えば、「C1-10アルキル基」とは、炭素原子を1-10個含む直鎖アルキル基および分岐鎖含有アルキル基をいい、「C1-4アルキル基」とは、炭素原子を1-4個含む直鎖アルキル基および分岐鎖含有アルキル基をいい、「C1-2アルキル基」とは、炭素原子を1-2個含む直鎖アルキル基および分岐鎖含有アルキル基をいい、「C0-8」とは、C0-8アルキル基をいい、「C0-4」とは、C0-4アルキル基をいい、C0とは、炭素原子が0個であることをいい、「C1-4」とは、C1-4アルキル基をいい、アルキル基の定義は前記に記載された通りである。
【0040】
アルキル基は、任意選択で、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニルレン基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0041】
「シクロアルキル基」または「炭素環」は、飽和または部分的に不飽和の単環式または多環式の環状炭化水素の置換基をいい、一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。炭素原子を3-10個、または3-8個、または3-6個含むシクロアルキル基が好ましい。例えば、「C3-12シクロアルキル基」とは、炭素原子を3-12個含むシクロアルキル基をいい、「C3-8シクロアルキル基」とは、炭素原子を3-8個含むシクロアルキル基をいい、「C3-6シクロアルキル基」とは、炭素原子を3-6個含むシクロアルキル基をいい、「C5-8シクロアルキル基」とは、炭素原子を5-8個含むシクロアルキル基をいい、「C5-10シクロアルキル基」とは、炭素原子を5-10個含むシクロアルキル基をいう。シクロアルキル基は単環式シクロアルキル基、多環式シクロアルキル基に分かれ、ここで、単環式シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロヘプタトリエニル基、シクロオクチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0042】
多環式シクロアルキル基は、スピロ環、縮合環および架橋環のシクロアルキル基を含む。「スピロシクロアルキル基」とは、単環の間で一つの炭素原子(スピロ原子と呼ぶ)を共有する多環基をいい、これらの基は一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。環と環の間で共有するスピロ原子の数によってスピロシクロアルキル基はモノスピロシクロアルキル基、ジスピロシクロアルキル基またはポリスピロシクロアルキル基に分かれ、スピロシクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0043】
【0044】
「縮合シクロアルキル基」とは、系における各環が系におけるほかの環と隣接する一対の炭素原子を共有する全炭素多環基をいい、その一つまたは複数の環は一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の縮合シクロアルキル基に分かれ、縮合シクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0045】
【0046】
「架橋シクロアルキル基」とは、任意の二つの環が直接連結しない二つの炭素原子を共有する全炭素多環基をいい、これらの基は一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の架橋シクロアルキル基に分かれ、架橋シクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0047】
【0048】
前記シクロアルキル基の環はアリール基、ヘテロアリール基または複素環基の環に縮合してもよいが、ただし、母体構造と連結した環はシクロアルキル基で、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、ベンゾシクロヘプチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0049】
シクロアルキル基は、任意選択で、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニルレン基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロ
アルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0050】
「複素環基」または「複素環」は、飽和または部分的に不飽和の単環式または多環式の環状炭化水素の置換基をいい、一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、そのうちの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が窒素、酸素またはS(O)r( ここで、rは整数の0、1、2である)から選択される複素原子であるが、-O-O-、-O-S-または-S-S-の環部分を含まず、その他の環原子は炭素である。好ましくは、環原子を3-12個、3-8個または3-6個の含む複素環基である。例えば、「3-6員複素環基」とは、環原子を3-6個含む環基をいい、「4-8員複素環基」とは、環原子を4-8個含む環基をいい、「4-10員複素環基」とは、環原子を4-10個含む環基をいい、「5-10員複素環基」とは、環原子を5-10個含む環基をいい、「5-8員複素環基」とは、環原子を5-8個含む環基をいい、「5-6員複素環基」とは、環原子を5-6個含む環基をいい、「3-12員複素環基」とは、環原子を3-12個含む環基をいう。
【0051】
単環式複素環基は、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリル基、チオモルホリル基、ホモピペラジル基などを含むが、これらに限定されない。
多環式複素環基は、スピロ環、縮合環および架橋環の複素環基を含む。「スピロ複素環基」とは、単環の間で一つの原子(スピロ原子と呼ぶ)を共有する多環式複素環基で、そのうちの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選択されるヘテロ原子で、残りの環原子が炭素である基をいう。これらの基は一つまたは複数(1、2または3個が望ましい)の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。環と環の間で共有するスピロ原子の数によってスピロ複素環基はモノスピロ複素環基、ジスピロ複素環基またはポリスピロ複素環基に分かれる。スピロ複素環基は、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0052】
【0053】
「縮合シクロアルキル基」とは、系における各環が系におけるほかの環と隣接する一対の炭素原子を共有する全炭素多環基をいい、一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環は一つまたは複数(1、2または3個が望ましい)の二重結合を含んでもよ
いが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、そのうちの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が窒素、酸素、またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選択されるヘテロ原子で、残りの環原子が炭素である。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の縮合複素環基に分かれ、縮合複素環基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0054】
【0055】
「架橋複素環基」とは、任意の二つの環が直接連結しない二つの原子を共有する多環式複素環基をいい、これらの環は一つまたは複数(1、2または3個が望ましい)の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、そのうちの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が窒素、酸素,またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選択される複素原子で、残りの環原子が炭素である。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の架橋複素環基に分かれ、架橋複素環基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0056】
【0057】
前記複素環基の環はアリール基、ヘテロアリール基またはシクロアルキル基の環に縮合してもよいが、ただし、母体構造と連結した環は複素環基で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0058】
【0059】
複素環基は、任意選択で、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニルレン基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0060】
「アリール基」または「アリール環」とは全炭素の単環または縮合多環(すなわち隣接する炭素原子対を共有する環)の基で、共役のπ電子系を有する多環(すなわち隣接する炭素原子対を持つ環)の基をいい、好ましくは、6-10個または6-8個の炭素を含む全炭素アリール基であり、たとえば、「C6-10アリール基」とは6-10個の炭素を含む全炭素アリール基を、「C6-8アリール基」とは6-8個の炭素を含む全炭素アリール基をいい、フェニル基やナフチル基を含むが、これらに限定されない。前記アリール基の環はヘテロアリール基、複素環基またはシクロアルキル環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はアリール環で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0061】
【0062】
アリール基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニルレン基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-1
0アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0063】
「ヘテロアリール基」または「ヘテロアリール環」とは、ヘテロ原子を1-4個を含むヘテロアリール族系をいい、前記ヘテロ原子は窒素、酸素及びS(O)r (ここで、rは整数の0、1、2である)を含むヘテロ原子であり、好ましくは、環原子を5-10個、または5-8個、または5-6個を含むヘテロアリール族系をいい、例えば、5-8員ヘテロアリール基とは、環原子を5-8個含むヘテロアリール族系をいい、5-10員ヘテロアリール基とは、環原子を5-10含むヘテロアリール族系をいい、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、イミダゾール基、テトラゾリル基等を含むが、これらに限定されない。前記ヘテロアリール基の環はアリール基、複素環基またはシクロアルキル環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はヘテロアリール基の環で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0064】
【0065】
ヘテロアリール基は、任意選択で、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニルレン基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0066】
「アルケニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素二重結合からなる、前記のように定義されるアルキル基をいい、例えば、C2-10アルケニル基とは、2-10個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルケニル基をいい、C2-4アルケニル基とは、2-4個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルケニル基をいう。ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基や3-ブテニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0067】
「アルケニル基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0068】
「アルキニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素三重結合からなる、前記のように定義されるアルキル基をいうが、好適な形態として、2-10個または2-4個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルキニル基をいい、例えば、C2-10アルキニル基とは、2-10個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルキニル基をいい、C2-4アルキニル基とは、2-4個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルキニル基をいう。エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基や3-ブチニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0069】
「アルキニル基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0070】
「アルコキシ基」とは-O-アルキル基をいうが、そのアルキル基の定義は前記の通りで、たとえば、「C1-10アルコキシ基」とは、1-10個の炭素を含むアルコキシ基をいい、「C1-4アルコキシ基」とは1-4個の炭素を含むアルコキシ基をいい、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0071】
アルコキシ基は、任意選択で、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニルレン基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0072】
「シクロアルキルオキシ基」または「シクロアルキル基オキシ基」とは、-O-(シクロアルキル基)をいうが、そのシクロアルキル基の定義は前記の通りで、たとえば、「C3-10シクロアルキルオキシ基」とは、とは3-10個の炭素を含むシクロアルキルオキシ基をいい、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0073】
「シクロアルキルオキシ基」または「シクロアルキル基オキシ基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0074】
「複素環オキシ基」または「複素環基オキシ基」とは、-O-複素環をいうが、その複素環基の定義は前記の通りで、例えば、「C3-10複素環オキシ基」とは、3-10個の炭素を含む複素環オキシ基をいい、アゼチジニルオキシ基、オキセタノキシ基、アザシクロペンチルオキシ基、窒素、オキヘキシルオキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0075】
「複素環オキシ基」または「複素環基オキシ基」は置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立して重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR21、-C0-8-O-R22、-C0-8-C(O)OR22、-C0-8-C(O)R23、-C0-8-O-C(O)R23、-C0-8-NR24R25、-C0-8-C(=NR24)R23、-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23、-C0-8-C(O)NR24R25または-C0-8-N(R24)-C(O)R23から選択される1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0076】
「C1-10アルカノイル基」とはC1-10アルキル基酸からヒドロキシル基を除いて残った1価の原子団をいうが、通常、「C0-9-C(O)-」とも表示され、たとえば、「C1-C(O)-」とはアセチル基を、「C2-C(O)-」とはプロピオニル基を、「C3-C(O)-」とはブチリル基またはイソブチリル基をいう。
【0077】
「-C0-8-S(O)rR21」とは、-S(O)rR21における硫黄原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、ここで、C0アルキル基とは、炭素原子数が0であることをいい、C1-8アルキル基の定義は前記に記載された通りである。
【0078】
「-C0-8-O-R22」とは、-O-R22における酸素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、ここで、C0アルキル基とは、炭素原子数が0であることをいい、C1-8アルキル基の定義は前記に記載された通りである。
【0079】
「-C0-8-C(O)OR22」とは、-C(O)OR22におけるカルボニル基が
C0-8アルキル基に連結したものをいい、ここで、C0アルキル基とは、炭素原子数が0であることをいい、C1-8アルキル基の定義は前記に記載された通りである。
【0080】
「-C0-8-C(O)R23」とは、-C(O)R23におけるカルボニル基がC0-8アルキル基に連結したものをいい、ここで、C0アルキル基とは、炭素原子数が0であることをいい、C1-8アルキル基の定義は前記に記載された通りである。
【0081】
「-C0-8-O-C(O)R23」とは、-O-C(O)R23における酸素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、ここで、C0アルキル基とは、炭素原子数が0であることをいい、C1-8アルキル基の定義は前記に記載された通りである。
【0082】
「-C0-8-NR24R25」とは、-NR24R25における窒素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、ここで、C0アルキル基とは、炭素原子数が0であることをいい、C1-8アルキル基の定義は前記に記載された通りである。
【0083】
「-C0-8-C(=NR24)R23」とは、-C(=NR24)R23における炭素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、ここで、C0アルキル基とは、炭素原子数が0であることをいい、C1-8アルキル基の定義は前記に記載された通りである。
【0084】
「-C0-8-N(R24)-C(=NR25)R23」とは、-N(R24)-C(=NR25)R23における窒素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、ここで、C0アルキル基とは、炭素原子数が0であることをいい、C1-8アルキル基の定義は前記に記載された通りである。
【0085】
「-C0-8-C(O)NR24R25」とは、-C(O)NR24R25におけるカルボニル基がC0-8アルキル基に連結したものをいい、ここで、C0アルキル基とは、炭素原子数が0であることをいい、C1-8アルキル基の定義は前記に記載された通りである。
【0086】
「-C0-8-N(R24)-C(O)R23」とは、-N(R24)-C(O)R23における窒素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいい、ここで、C0アルキル基とは、炭素原子数が0であることをいい、C1-8アルキル基の定義は前記に記載された通りである。
【0087】
「ハロゲン置換C1-10アルキル基」とは、アルキル基における水素が任意選択で、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子で置換された、炭素1-10個のアルキル基をいうが、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0088】
「ハロゲン置換C1-10アルコキシ基」とは、アルキル基における水素が任意選択で、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子で置換された、炭素1-10個のアルコキシ基である。ジフルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、ジブロモメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリブロモメトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0089】
「ハロゲン置換C1-10アルキル基」とは、アルキル基における水素が任意選択で、重水素原子で置換された、炭素1-10個のアルコキシ基である。モノデューテロメチル基、ジデューテロメチル基、トリデューテロメチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0090】
「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。「PE」とは、石油エーテルをいい、「EtOAc」/「EA」とは、酢酸エチルをいい、「MeOH」とは、メタノールをいい、「DMF」とは、N,N-ジメチルホルムアミドをいい、「THF」とは、テトラヒドロフランをいい、「LiHMDS」とは、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドをいい、「Dess-Martin試薬」とは、デス・マーチン試薬、1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンゾドン-3-(1H)-オンをいい、「Pd(dppf)Cl2・DCM」とは、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体をいう。
【0091】
「任意の」または「任意選択で、」とは後記の事項または環境によって可能であるが必ずしも発生するわけではないという意味で、当該記述は当該事項または環境が発生する場合または発生しない場合を含み、置換されたものまたは無置換のものも含む。たとえば、「任意選択で、アルキル基で置換された複素環基」とはアルキル基が存在しうるが必ずしも存在するわけではないという意味で、当該記述は複素環基がアルキル基で置換された場合および複素環基がアルキル基で置換されていない場合を含む。
【0092】
「置換」とは基における1個または複素の「水素原子」が互いに独立に相応する数の置換基で置換されることをいう。もちろん、置換基は化学における原子価結合理論と一致し、これらが化学的に可能な位置にあるだけで、当業者は格別な努力を要することなく(実験的にまたは理論的に)置換が可能か不可能か確認することができる。たとえば、遊離水素を有するアミノ基またはヒドロキシル基は不飽和結合を有する炭素原子(たとえばオレフィン)と結合する場合不安定な可能性がある。
【0093】
「立体異性体」の英語名はstereoisomerで、空間内の分子内における原子の配列方式の違いによる異性体を指すもので、シス-トランス異性体と鏡像異性体に分けられ、鏡像異性体と鏡像異性体にも分けられる。単結合の回転による立体異性体は立体配置異性体(conformational stereo-isomer)と言われ、ときには回転異性体(rotamer)とも言われる。結合長、結合角、分子内の二重結合、環などに起因する立体異性体は、立体配置異性体(configuration stereo-isomer)と言われ、立体配置異性体は二種類に分けられる。そのうち、自由に回転できない二重結合または環形成炭素原子の単結合に起因する異性体は幾何異性体(geometric isomer)またはシス-トランス異性体(cis-trans isomer)と言われ、Z、E配置に分けられる。例えば、シス-2-ブチレンとトランス-2-ブチレンはペアとなった幾何異性体であり、分子に反軸対称性がないために旋光特性が異なる立体異性体は光学異性体(optical isomer)と言われ、R、S配置に分けられる。特別に明記しない限り、本発明に記載された「立体異性体」は上記鏡像異性体、立体配置異性体と立体配置異性体の一つから複数であると理解して良い。
【0094】
「プロドラッグ」は、薬物前駆体、前駆薬物などともいわれ、薬物が化学構造修飾によって得られた、インビトロで不活性または活性が低く、酵素的または非酵素的変換によって活性薬物を放出する薬物をいう。例えば、「エステル基」を含む化合物は酵素の作用下で「カルボキシル基」化合物または「ヒドロキシル基」化合物などに放出され得る。
【0095】
本発明では、「薬学的に許容される塩」は無機酸性塩および有機酸性塩を含む薬学的に許容される酸付加塩を指し、これらの塩は、当技術分野で知られている方法により調製することができる。
【0096】
「薬物組成物」とは、一つまたは複数の本明細書に記載された化合物あるいはその生理
学/薬用可能な塩またはプロドラッグとほかの化学成分の混合物と、ほかの成分、たとえば、生理学/薬用可能な担体および賦形剤とを含有するものを表す。薬物組成物の目的は生物体への投与を促進し、活性成分の吸収に貢献することによって生物活性を発揮させることである。
【0097】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく、全面的に説明するが、本発明を制限するものではなく、本発明は実施例の内容のみに限定されないものでもない。
本発明の化合物の構造は、核磁気共鳴(HNMR)および/または液相質量分析(LC-MS)によって確認された。NMRの化学シフト(δ)は百万分の一(ppm)の単位で表示する。NMRの測定は、Bruker AVANCE-400またはAVANCE-500核磁気共鳴装置が使用され、測定の溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化メタノール(CD3OD)、重水素化水(D2O)および重水素化クロロホルム(CDCl3)で、内部標準はテトラメチルシラン(TMS)であった。
【0098】
液相質量分析LC-MSの測定はAgilent 6120質量分析装置を使用した。HPLCの測定はアジレントの1200DAD高圧液相クロマトグラフ (Sunfire C18 150 × 4.6 mmカラム)およびWaters 2695-2996高圧液相クロマトグラフ(Gimini C18 150 × 4.6 mmカラム)を使用した。
【0099】
薄層クロマトグラフィーのシリカゲル板は煙台黄海HSGF254または青島GF254のシリカゲル板が使用され、TLCに使用された規格は0.15 mm~0.20 mmで、薄層クロマトグラフィー法による製品の分離・精製に用いられた規格は0.4 mm~0.5 mmである。カラムクロマトグラフィーは通常煙台黄海シリカゲルの200~300メッシュのシリカゲルが担体として使用された。
【0100】
本発明の実施例における出発原料は既知の市販品、あるいは本分野で既知の方法によって合成することができるものである。
特別に説明しない限り、本発明のすべての反応はいずれも連続的な磁気撹拌で、乾燥窒素またはアルゴンの雰囲気において行われ、溶媒は乾燥溶媒で、反応温度の単位はセルシウス度(℃)である。
【0101】
一、中間体の製造
中間体A1: N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミドの製造
【0102】
【0103】
工程1:2-(t-ブチル)6-エチル3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2,6(1H)-ジカルボキシレートの合成
【0104】
【0105】
エチル 1-クロロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキシレート(3.15 g, 13.3 mmol, 文献「Heterocycl. Commun., 2000, 6, 25」を参照して調製)、パラジウム炭素(500 mg)と無水酢酸ナトリウム(1.75 g, 19.5 mmol)を無水メタノール(100 mL)に溶かし、水素ガス雰囲気で室温で24時間撹拌する。反応後、パラジウム炭素を濾出し、ろ液を濃縮した後に、ジクロロメタン(50 mL)に溶かし、Boc酸無水物(3.27 g, 15 mmol)を加え、室温でさらに2時間撹拌する。濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: 石油エーテル ~ 石油エーテル/酢酸エチル (1:1)]。2-(t-ブチル)6-エチル3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2,6(1H)-ジカルボキシレート(2.8 g, 収率70.2%)を得る。ESI-MS: 307 [M+H]+。
【0106】
工程2:t-ブチル 6-((3-ブロモ-2-クロロフェニル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレートの合成
【0107】
【0108】
2-(t-ブチル)6-エチル3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2,6(1H)-ジカルボキシレート (2.8 g, 9.3 mmol)と3-ブロモ-2-クロロアニリン(2 g, 9.77 mmol)を無水テトラヒドロフラン(100
mL)に溶かし、氷浴下で1Mカリウムt-ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液(14 mL, 14 mmol)に滴下し、室温で1時間反応させる。反応液を水(200
mL)に入れ、ジクロロメタン(100 mL*2)で抽出し、有機相を水と食塩水で2回洗浄し、有機相を乾燥、ろ過、濃縮後に、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: 石油エーテル ~ 石油エーテル/酢酸エチル (1:1)]。t-ブチル
6-((3-ブロモ-2-クロロフェニル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレート(2.66 g, 収率61.5%)を得る。ESI-MS: 466 [M+H]+。
【0109】
工程3:N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミドの合成
【0110】
【0111】
t-ブチル 6-((3-ブロモ-2-クロロフェニル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレート(116 mg, 0.25 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(1
mL)を加える。反応液を室温で1時間撹拌した後、溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をジクロロメタンジクロロメタン(10 mL)に溶かし、順次トリエチルアミン(1 mL)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(213 mg, 1 mmol)を加える。反応液をさらに2時間撹拌する。水(20 mL)に入れ、酢酸エチル(50 mL*2)で抽出し、有機相を合わせ、乾燥、ろ過、濃縮後に、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: 石油エーテル ~ 石油エーテル/酢酸エチル (1:1)]。N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド(87 mg, 収率85%)を得る。ESI-MS: 408 [M+H]+。
【0112】
中間体A2~A28の製造は中間体A1の製造方法を参照することにより得る:
【0113】
【0114】
中間体B: (Z)-2-(2-(2-クロロ-3-(メトキシメトキシ)フェニル)-1-フルオロビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの製造
【0115】
【0116】
工程1:2-クロロ-3-(メトキシメトキシ)ベンゼン(メチル)アルデヒドの合成
【0117】
【0118】
2-クロロ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(10.0 g, 64.10 mmol)をアセトニトリル(80 mL)に溶かし、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(16.5 g, 128.20 mmol)とブロモ-メトキシアルキルメタン(17.9 g, 128.20 mmol)を加え、密閉し、80℃に加温して一晩反応させる。冷却後、水(150 mL)に入れ、酢酸エチル(100 mL*2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: 石油エーテル=100%~酢酸エチル=10%]。2-クロロ-3-(メトキシメトキシ)ベンゼン(メチル)アルデヒド(12.7 g, 収率100 %)を得る。
【0119】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.45 (d, J =
0.8 Hz, 1H), 7.52 (dd, J = 7.7, 1.6 Hz,
1H), 7.35 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1H), 7.25 (td, J = 7.9, 0.8 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 3.47 (s, 3H).
【0120】
工程2:2-クロロ-1-(2,2-ジフルオロビニル)-3-(メトキシメトキシ)ベンゼンの合成
【0121】
【0122】
2-クロロ-3-(メトキシメトキシ)ベンゼン(メチル)アルデヒド(18.2 g, 91.0 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(182 mL)(即ち0.5Mのアルデヒド溶液)に溶かし、トリフェニルホスフィン(28.6 g, 109.2 mmol)を加え、100℃まで加温した後、クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(20.8 g, 136.5 mmol)の2 MのN,N-ジメチルホルムアミド溶液を滴下する。反応液をさらに100℃で1時間撹拌する。水(250 mL)に入れ、石油エーテル(300 mL * 2)で抽出し、有機相を順次水(100 mL)と飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: 石油エーテル]。2-クロロ-1-(2,2-ジフルオロビニル)-3-(メトキシメトキシ)ベンゼン(13.3 g, 収率62 %)を得る。
【0123】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.24 - 7.14 (m, 2H), 7.08 (dd, J = 6.8, 3.0 Hz, 1H), 5.72 (dd, J = 25.4, 3.9 Hz, 1H), 5.25 (s, 2H), 3.52 (s, 3H).
19F NMR (377 MHz, CDCl3) δ -81.31 (d, J
= 24.9 Hz), -82.22 (d, J = 25.0 Hz).
【0124】
工程3:(Z)-2-(2-(2-クロロ-3-(メトキシメトキシ)フェニル)-1-フルオロビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成
【0125】
【0126】
2-クロロ-1-(2,2-ジフルオロビニル)-3-(メトキシメトキシ)ベンゼン(4.6 g, 19.65 mmol)をテトラヒドロフラン(150 mL)に溶かし、ビス(ピナコラート)ジボロン(6.0 g, 23.59 mmol)、塩化第一銅(20 mg, 0.196 mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(110 mg, 0.393 mmol)及び酢酸カリウム(5.8 g, 58.97 mmol)を加える。反応液を40℃で16時間撹拌し、水(100 mL)に入れた後、酢酸エチル(100 mL*2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: 石油エーテル=100%~酢酸エチル=10%]。(Z)-2-(2-(2-クロロ-3-(メトキシメトキシ)フェニル)-1-フルオロビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(3.7 g, 収率55 %)を得る。
【0127】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.66 (dd, J =
7.8, 1.5 Hz, 1H), 7.22 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 8.3, 1.5 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 45.4 Hz, 1H), 5.27 (s, 2H), 3.54 (s, 3H), 1.37 (s, 12H).
19F NMR (377 MHz, CDCl3) δ -122.01.
【0128】
中間体C1: (Z)-2-クロロ-3-(2-フルオロ-2-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-イル)ビニル)フェニルトリフルオロメタンスルホン酸の製造
【0129】
【0130】
工程1:5-ブロモ-2-メトキシ-4-メチルピリジンの合成
【0131】
【0132】
1000 mL単口フラスコに5-ブロモ-2-フルオロ-4-メチルピリジン(40.0 g, 0.21 mol)、メタノール(200 mL)を加え、30%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(75.8 g, 0.42 mol)を滴下する。反応溶液を加熱して一晩還流させる。メタノールを減圧下で蒸発させ、水(500 mL)、酢酸エチル(1000 mL*2)を加えて抽出する。有機相を飽和食塩水(500 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム硫酸で乾燥し、ろ過、濃縮後に5-ブロモ-2-メトキシ-4-メチルピリジン(41.1 g, 収率97%)を得る。ESI-MS: 202.1 [M+H]+。
【0133】
工程2:6-メトキシ-4-メチルニコチンニトリルの合成
【0134】
【0135】
500 mL単口フラスコに5-ブロモ-2-メトキシ-4-メチルピリジン(41.1 g, 0.2 mol)、シアン化亜鉛(47.6 g, 0.4 mol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(10 g, 8.65 mmol)及びN,
N-ジメチルホルムアミド(300 mL)を加え、100℃で一晩反応させる。反応液を室温まで冷却した後、セライトを用いて濾過し、ろ過ケーキを酢酸エチルで(300
mL*2)すすぐ。ろ液を層分けし、水相をさらに酢酸エチル(300 mL)で抽出する。有機相をあわせ、水で洗浄する。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、濃
縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離する(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)。6-メトキシ-4-メチルニコチンニトリル(25 g, 収率 84%)を得る。ESI-MS: 149.1 [M+H]+。
【0136】
工程3:2-メチル-(5-シアノ-2-メトキシピリジン-4-イル)アセテートの合成
【0137】
【0138】
1000 mL三口フラスコに6-メトキシ-4-メチルニコチンニトリル(25 g, 0.17 mol)、テトラヒドロフラン(300 mL)を加え、氷浴下で1M LiHMDS(340 mL, 0.34 mol)を滴下し、反応液を室温に戻し、1時間撹拌した後、炭酸ジエチル(39.9 g, 0.34 mol)を加える。反応液を室温で3時間撹拌し、希塩酸でpHを8-9に調整し、酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、濃縮する。クルードをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離した(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)後、2-メチル-(5-シアノ-2-メトキシピリジン-4-イル)アセテート(26.2 g, 収率70%)を得る。ESI-MS: 221.2 [M+H]+。
【0139】
工程4:6-メトキシ-1,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3(2H)-オンの合成
【0140】
【0141】
2-メチル-(5-シアノ-2-メトキシピリジン-4-イル)アセテート(12.5
g, 56.8 mmol)をエタノール(300 mL)に溶かし、ラネーニッケル(17.5 g)、アンモニア(30 mL)を加える。反応液を50℃水素ガス雰囲気で48時間撹拌する。室温まで冷却し、反応液をろ過し、ろ液を濃縮し、クルードの6-メトキシ-1,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3(2H)-オン(10.5
g, 収率100%)を得る。ESI-MS: 179.0 [M+H]+。
【0142】
工程5:6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレンの合成
【0143】
【0144】
6-メトキシ-1,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3(2H)-オン(10.5 g, 60 mmol)をテトラヒドロフラン(80 mL)に溶かし、1Mボ
ランテトラヒドロフラン溶液(300 mL, 300 mmol)を加える。反応液を一晩還流撹拌し、LC-MSで反応が完了したことを示された後、反応液をメタノール、希塩酸でクエンチし、濃縮後に6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン(クルード)を得て、次工程に使われる。ESI-MS: 165.3
[M+H]+。
【0145】
工程6:t-ブチル 6-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレートの合成
【0146】
【0147】
6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン(クルード)を臭化水素酸水溶液(50 mL)に溶かし、100℃で反応させ、一晩撹拌する。反応液を濃縮後にメタノール(150 mL)に溶かし、トリエチルアミン(58.6 g, 58 mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(15.4 g, 0.07 mol)を加える。反応液を室温で1時間撹拌する。メタノールを減圧下で蒸発させ、水(100 mL)、酢酸エチル(100 mL*2)を加えて抽出する。有機相を飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、濃縮後にt-ブチル 6-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレート(16.5 g, クルード)を得る。ESI-MS: 251.0 [M+H]+。
【0148】
工程7:t-ブチル 6-(((ジフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレートの合成
【0149】
【0150】
t-ブチル 6-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレート(16.5g, 0.066 mol)をジクロロメタン(250 mL)に溶かし、トリエチルアミン(20.0 g, 0.2 mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(24.2 g, 0.086 mol)を加える。反応液を室温で1時間撹拌する。水(100 mL)を加え、ジクロロメタン(100 mL*2)で抽出する。有機相を飽和食塩水(100 mL)で洗浄、層分けし、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、濃縮したクルードをシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより分離した(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)後に、t-ブチル 6-(((ジフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレート(11.5 g, 四工程収率 53%)を得る。
【0151】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.33 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 4.61 (s, 2H), 3.58 (t,
J = 5.9 Hz, 2H), 2.91 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H). ESI-MS: 383.1 [M+H]+。
【0152】
工程8:t-ブチル (Z)-6-(2-(2-クロロ-3-(メトキシメトキシ)フェニル)-1-フルオロビニル)-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレートの合成
【0153】
【0154】
t-ブチル 6-(((ジフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレート(1.5 g, 3.93
mmol)をテトラヒドロフラン(40 mL)と水(20 mL)に溶かし、(Z)-2-(2-(2-クロロ-3-(メトキシメトキシ)フェニル)-1-フルオロビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(2.0 g, 5.89 mmol)、[(2-ジ-t-ブチルホスフィン-2′,4′,6′-トリイソプロピル-1,1′-ビフェニル)-2-(2′-アミノ-1,1′-ビフェニル)]パラジウムメタンスルホネート(II)](150 mg)およびリン酸カリウム(2.0
g, 9.82 mmol)を加え、反応液を窒素ガス保護下で40℃で一晩撹拌する。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を乾燥、濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: 石油エーテル(100%)~酢酸エチル (16%)]。t-ブチル (Z)-6-(2-(2-クロロ-3-(メトキシメトキシ)フェニル)-1-フルオロビニル)-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレート(1.22 g, 収率69%)を得る。ESI-MS: 479
[M+H]+。
【0155】
工程9:(Z)-2-クロロ-3-(2-フルオロ-2-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-イル)ビニル)フェノール塩酸塩の合成
【0156】
【0157】
t-ブチル (Z)-6-(2-(2-クロロ-3-(メトキシメトキシ)フェニル)-1-フルオロビニル)-3,4-ジヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-2(1H)-カルボキシレート(1.22 g, 2.72 mmol)をTHF(5 mL)とMeOH(5 mL)に溶かし、4Mのジオキサン塩酸塩溶液(10 mL)を加える。反応液を室温で2時間撹拌後、濃縮により、(Z)-2-クロロ-3-(2-フルオロ-2-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-イル)ビニル)フェノール塩酸塩(クルード)を得る。ESI-MS: 305 [M+H]+。
【0158】
工程10:(Z)-2-クロロ-3-(2-フルオロ-2-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-イル)ビニル)フェノールの合成
【0159】
【0160】
(Z)-2-クロロ-3-(2-フルオロ-2-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-イル)ビニル)フェノール塩酸塩(720 mgクルード, 2.11 mmol)をメタノール(50 mL)に溶かし、トリエチルアミン(1
mL)とアセトン(2 mL)を加える。反応液40℃で1時間撹拌し、シアノ水素化ホウ酸ナトリウム(400 mg, 6.35 mmol)を加える。反応液をさらに2時間撹拌した後に濃縮し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を乾燥、濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: 石油エーテル(100%)~酢酸エチル(50%)]。(Z)-2-クロロ-3-(2-フルオロ-2-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-イル)ビニル)フェノール(386 mg, 収率53%)を得る。ESI-MS: 347 [M+H]+。
【0161】
工程11:(Z)-2-クロロ-3-(2-フルオロ-2-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-イル)ビニル)フェニルトリフルオロメタンスルホン酸の合成
【0162】
【0163】
(Z)-2-クロロ-3-(2-フルオロ-2-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-イル)ビニル)フェノール(100 mg, 0.29 mmol)を無水ジクロロメタン(12 mL)に溶かし、トリエチルアミン(86 mg, 0.87 mmol)を加える。0℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(106 mg, 0.376 mmol)を加える。反応液を1時間撹拌した後に水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を乾燥、濃縮後に(Z)-2-クロロ-3-(2-フルオロ-2-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-イル)ビニル)フェニルトリフルオロメタンスルホン酸(クルード)を得る。ESI-MS: 479 [M+H]+。
【0164】
中間体C2~C9の製造は中間体C1の製造方法を参照することにより得る:
【0165】
【0166】
中間体D: 4-(2-オキソエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸メチルの製造
【0167】
【0168】
工程1:4-(カルボメトキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸の合成
【0169】
【0170】
ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1,4-ジカルボキシレート(5.6 g, 26.4 mmol)を含有する単口フラスコにテトラヒドロフラン(180 mL)を加え、定圧滴下漏斗を用いて水酸化ナトリウム(1.06 g, 26.4 mmol)を含むメタノール溶液(11 mL)を滴下し、反応液を室温で一晩撹拌する。溶媒がスピン乾燥するまで反応液を濃縮し、固体を石油エーテルで洗浄して濾過し、ろ過ケーキを水(50mL)に溶解する。水溶液は2M塩酸でpH=4に酸性化した後に、酢酸エチルで抽出し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮で4-(カルボメトキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸(4.17 g, 収率80%)を得る。
【0171】
工程2:4-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸メチルの合成
【0172】
【0173】
氷浴下で、4-(カルボメトキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸(4.17 g, 21.03 mmol)を含有する単口フラスコに乾燥テトラヒドロフラン(100 mL)を加え、シリンジでボランジメチルスルフィド錯体(2.7 mL, 27.35 mmol, 10.0 M)をゆっくり滴下する。滴下後、室温で一晩撹拌する。反応液にメタノール(10 mL)を滴下し、4時間還流してクエンチする。酢酸エチル/水で抽出し、有機相を水と飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより分離する(石油エーテル/酢酸エチル=3:2)。4-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸メチル(3.53 g, 収率90%)を得る。
【0174】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.70 (s, 2H),
3.67 (s, 3H), 2.06 - 1.93 (m, 2H), 1.73
- 1.62 (m, 4H), 1.58 - 1.54 (m, 2H), 1.43 - 1.34 (m, 2H).
【0175】
工程3:4-ホルミルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸メチルの合成
【0176】
【0177】
4-(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸メチル(4.75 g, 25.7 mmol)を含有する単口フラスコにジクロロメタン(180 mL)を加えて溶かし、溶液にDess-Martin試薬(13.1 g, 30.9 mmol)を加える。反応液を室温で攪拌し、原料がなくなるまでTLCで反応を検出する。セライト濾過し、濾液を濃縮した後にカラムクロマトグラフィーにより分離する(石油エーテル/酢酸エチル=5:1)。4-ホルミルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸メチル(3.38 g, 収率72%)を得る。
【0178】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.81 (s, 1H),
3.70 (s, 3H), 2.13 - 2.00 (m, 4H), 1.86
- 1.82 (m, 2H), 1.79 - 1.68 (m, 2H), 1.60 - 1.52 (m, 2H).
【0179】
工程4:メチル(E / Z)-4-(2-メトキシビニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシレートの合成
【0180】
【0181】
窒素雰囲気で(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(3.4 g, 9.87 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(45 mL)懸濁液に、カリウムt-ブトキシド(10 mL, 1.0 M)を滴下する。滴下後、室温で30分撹拌する。反応液に4-ホルミルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸メチル(1.2
g, 6.58 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(12 mL)を滴下する。滴下後、室温で3時間撹拌する。飽和塩化アンモニウム溶液を滴下してクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機相を水と飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより分離する(石油エーテル/酢酸エチル=9:1)。メチル(E / Z)-4-(2-メトキシビニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシレート(0.74 g, 少量のトリフェニルホスフィンを含有する)を得る。
【0182】
工程5:メチル 4-(2-オキソエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシレートの合成
【0183】
【0184】
メチル(E/Z)-4-(2-メトキシビニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシレート(1.0 g, 4.7 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(30 mL)に1M HCl (47 mL)を加える。反応液を室温で2時間撹拌する。飽和重炭酸ナトリウムで塩基性化した後、酢酸エチルで抽出し、有機相を水と飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより分離する(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)。4-(2-オキソエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸メチル(0.85 g)を得る。
【0185】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.80 (t, J = 2.7 Hz, 1H), 3.68 (s, 3H), 2.60 (d, J = 2.6 Hz, 2H), 2.06 - 1.95 (m, 2H), 1.69 - 1.55 (m, 8H).
中間体D2~D5の製造は中間体D1の製造方法を参照することにより得る:
【0186】
【0187】
中間体E:5-(t-ブチル)2-メチル1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2,5-ジカルボキシレートの製造
【0188】
【0189】
工程1:N-メチル-3-ニトロピリジン-4-アミンの合成
【0190】
【0191】
4-クロロ-3-ニトロピリジン(25.0 g, 158.22 mmol)をジクロロメタン(200 mL)に溶かし、氷浴下にメチルアミン水溶液(40%, 78 mL)を滴下する。反応液を室温で3時間撹拌し、有機相を分離する。水相をジクロロメタン(200 mL*3)で抽出し、合併有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後にN-メチル-3-ニトロピリジン-4-アミン(24 g, 収率96 %)を得る。ESI-MS: 154 [M+H]+。
【0192】
工程2:N4-メチルピリジン-3,4-ジアミンの合成
【0193】
【0194】
N-メチル-3-ニトロピリジン-4-アミン(23.7 g)をメタノール(600
mL)に溶かし、湿式粉末パラジウム炭素(10% Pd, 4.0 g)を加える。反応液を水素下、室温で一晩撹拌し、パラジウム炭素をろ過し、濾液を濃縮した後にN4-メチルピリジン-3,4-ジアミン(クルード)を得る。ESI-MS: 124 [M+H]+。
【0195】
工程3:1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジンの合成
【0196】
【0197】
N4-メチルピリジン-3,4-ジアミン(クルード)を98%ギ酸(150 mL)に溶かし、100℃まで加温し、48時間反応させる。反応液を濃縮した後にジクロロメタン(200 mL)を加え、10%の水酸化ナトリウムでpHを8~10に調節する。水相をジクロロメタン:メタノール=10:1で抽出し、合併有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: ジクロロメタン(100%)~メタノール(10%)]。1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(16 g)を得る。ESI-MS: 134 [M+H]+。
【0198】
工程4:5-(2-(4-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)-1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カチオンブロミドの合成
【0199】
【0200】
1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(29.7 g, 223.30
mmol)をアセトン(400 mL)に溶かし、2-ブロモ-1-(4-メトキシフェニル)エタン-1-オン(56 g, 245.63 mmol)のアセトン(300
mL)溶液を滴下する。反応液を室温で3時間撹拌し、ろ過する。ろ過ケーキの乾燥後、5-(2-(4-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)-1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カチオンブロミド(78.5 g, 収率97%)を得る。ESI-MS: 282 [M+H]+。
【0201】
工程5:1-(4-メトキシフェニル)-2-(1-メチル-1,4,6,7-テトラ
ヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)エタン-1-オールの合成
【0202】
【0203】
5-(2-(4-メトキシフェニル)-2-オキソエチル)-1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カチオンブロミド(73.5 g, 203.60 mmol)をメタノール(600 mL)に溶かし、氷浴下で水素化ホウ素ナトリウム(23.2 g, 610.80 mmol)を少しずつゆっくり加え、反応液を室温で一晩撹拌する。濃縮後、水と酢酸エチルを加え、有機相を分留し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後に、1-(4-メトキシフェニル)-2-(1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)エタン-1-オール(66gクルード)を得る。ESI-MS: 288 [M+H]+。
【0204】
工程6:t-ブチル1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カルボキシレートの合成
【0205】
【0206】
1-(4-メトキシフェニル)-2-(1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)エタン-1-オール(55gクルード)をエタノール(150 mL)に溶かし、濃塩酸(100 mL)を加え、反応液を110℃で一晩撹拌する。濃縮後、水と酢酸エチルを加え、有機相を分離し、水相にアセトン(150 mL)を加え、炭酸カリウムでpHを8~9に調節し、二炭酸ジ-t-ブチル(41.8 g)を滴下する。反応液を室温で一晩撹拌し、アセトンをスピン乾燥し、酢酸エチルで抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: ジクロロメタン(100%~メタノール(6%))]。t-ブチル1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カルボキシレート(28 g)を得る。ESI-MS: 238 [M+H]+。
【0207】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.27 (s, 1H),
4.38 (s, 2H), 3.67 (d, J = 6.1 Hz, 2H),
3.46 (s, 3H), 2.53 (t, J = 5.8 Hz, 2H),
1.40 (s, 9H).
【0208】
工程7:5-(t-ブチル)2-メチル1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2,5-ジカルボキシレートの合成
【0209】
【0210】
t-ブチル1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カルボキシレート(3.5 g, 14.77 mmol)を無水テトラヒドロフラン(40 mL)に加え、-78℃でn-ブチルリチウム(7 mL, 17.72 mmol)を滴下する。滴下後、-78℃でさらに10分撹拌する。次に反応液を素早くクロロギ酸メチル(1.7 mL, 22.15 mmol)の無水テトラヒドロフラン(40 mL)に滴下する。-78℃でさらに30分撹拌してから水に入れ、酢酸エチルで抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: ジクロロメタン(100%~メタノール(6%))]。5-(t-ブチル)2-メチル1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2,5-ジカルボキシレート(2.6 g, 収率97%)を得る。ESI-MS: 296 [M+H]+。
【0211】
中間体F1:t-ブチル2-((2-クロロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロペナン-2-イル)フェニル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カルボキシレートの製造
【0212】
【0213】
2-クロロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(500 mg, 1.98 mmol)を無水テトラヒドロフラン(20 mL)に溶かし、5-(t-ブチル)2-メチル1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2,5-ジカルボキシレート(700 mg, 2.37 mmol)を加える。反応液を室温で10分撹拌し、1Mカリウムt-ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液(4 mL, 3.95 mmol)を滴下する。30分撹拌後に水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を乾燥、濃縮後にクルードを得る。クルードをPE:EA=50:1の溶液でスラリー化し、ろ過、乾燥後にt-ブチル2-((2-クロロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロペナン-2-イル)フェニル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カルボキシレート(540 mg)を得る。ESI-MS: 517 [M+H]+。
【0214】
中間体F2~F10の製造は中間体F1の製造方法を参照することにより得る:
【0215】
【0216】
二、具体的な実施例の化合物の製造
実施例1:4-(2-(2-((2,2’-ジクロロ-3’-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)エチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸の製造
【0217】
【0218】
工程1:t-ブチル 2-((2,2’-ジクロロ-3’-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カルボキシレートの合成
【0219】
【0220】
N-(3-ブロモ-2-クロロフェニル)-7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド(160 mg, 0.39
mmol)を1,4-ジオキサン(8 mL)と水(2 mL)の混合溶媒に溶かし、t-ブチル 2-((2-クロロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カルボキシレート(264 mg, 0.51 mmol)、Pd(dppf)Cl2・DCM(20 mg)及び炭酸カリウム(109 mg, 0.79 mmol)を加え、反応液を窒素ガス保護下で95℃で一晩撹拌する。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を乾燥、濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: 石油エーテル(100%)~酢酸エチル (100%)、そしてジクロロメタン(100%)~メタノール(5%)]。t-ブチル 2-((2,2’-ジクロロ-3’-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カルボキシレート(108 mg)を得る。ESI-MS: 718 [M+H]+。
【0221】
工程2:N-(2,2’-ジクロロ-3’-(1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド塩酸塩の合成
【0222】
【0223】
t-ブチル 2-((2,2’-ジクロロ-3’-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-カルボキシレート(108 mg, 0.15mmol)をTHF(2 mL)とMeOH(2 mL)に溶かし、4Mのジオキサン塩酸塩溶液(2 mL)を加える。反応液を室温で2時間撹拌し、濃縮後にN-(2,2’-ジクロロ-3’-(1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド塩酸塩(クルード)を得る。ESI-MS: 309.7 [M/2+H]+。
【0224】
工程3:メチル4-(2-(2-((2,2’-ジクロロ-3’-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)エチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシレートの合成
【0225】
【0226】
N-(2,2’-ジクロロ-3’-(1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド塩酸塩(クルード, 0.15 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶かし、トリエチルアミン(0.3 mL)とメチル 4-(2-オキソエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシレート(100 mgクルード)を加える。反応液を室温で30分撹拌し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(96 mg, 0.45 mmol)を加える。反応液を室温でさらに30分撹拌した後に、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を乾燥、濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤: ジクロロメタン(100%)~メタノール(5%)]。メチル4-(2-(2-((2,2’-ジクロロ-3’-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)エチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシレート(135 mg)を得る。ESI-MS: 399.9 [M/2+H]+。
【0227】
工程4:4-(2-(2-((2,2’-ジクロロ-3’-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)エチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸の合成
【0228】
【0229】
メチル 4-(2-(2-((2,2’-ジクロロ-3’-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)エチル)ビシクロ[2.2
.1]ヘプタン-1-カルボキシレート(135 mg, 0.17 mmol)をTHF:MeOH:H2O=1:1:1(3 mL)に溶かし、水酸化リチウム(100 mg)を加える。反応液を室温で2時間撹拌する。反応液をろ過した後、逆相カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:水(0.5%ギ酸)/アセトニトリル、アセトニトリル:0~28%]。凍結乾燥後に、4-(2-(2-((2,2’-ジクロロ-3’-(7-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ジアザナフタレン-3-カルボキサミド)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)カルバモイル)-1-メチル-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)エチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸(58 mg, 収率44%)を得る。ESI-MS: 392.8 [M/2+H]+。
【0230】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.94 (s, 1H), 10.71 (s, 1H), 9.90 (s, 1H), 8.55 (dd, J = 8.4, 1.5 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.38 (dd, J = 8.2, 1.5 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.51 (dt, J = 15.8, 8.0 Hz, 2H), 7.16 (td, J = 7.8, 1.6 Hz, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.77 (s, 2H), 3.42 (s, 2H), 2.93 (d,
J = 5.6 Hz, 3H), 2.71 (dd, J = 32.6, 5.6 Hz, 6H), 2.53 (s, 2H), 1.93 - 1.67 (m,
4H), 1.57 - 1.30 (m, 8H), 1.08 (d, J = 6.5 Hz, 6H).
実施例2~78は実施例1の合成方法の全部または一部を参照し、対応の原料を選び、製造により得ることができる。
【0231】
【0232】
前記実施例で製造することにより得た化合物の核磁気共鳴装置測定データは下記の通りである。
【0233】
【0234】
生物学的測定・評価
一、PD1-PDL1 HTRF結合活性試験
PD-1/PD-L1タンパク質相互作用に対する本発明の実施例の影響について、CisbioのPD-1/PD-L1 binding assay kit によって測定した(#64ICP01PEG或者64ICP01PEH)。具体的な試験方法は下記の通りである。
【0235】
1)384ウェルプレートに希釈した化合物、Tag1-PD-L1タンパク質4μL及びTag2-PD1タンパク質4μLを加える。
2)室温で15分間インキュベートし、抗Tag1-Eu3+抗体5μLと抗Tag2-XL665抗体5μLを加える。
【0236】
3)室温で2時間または4℃で一晩インキュベートした後、Pelkin ElmerのEnvisionで読み取り値を読み取る。それぞれ665nmでの読み取り値及び620nmの読み取り値を読み取り、二者の比を各ウェルの読み取り値とする。
【0237】
4)化合物処理後に得られた各ウェルの読み取り値を、DMSO処理されたウェルの読み取り値と比較し、化合物阻害率を得る。
5)非線形回帰によって異なる化合物濃度での阻害率を分析することにより、本発明の実施例の化合物のIC50値を測定する。具体的な試験結果は表1の通りである。
【0238】
二、Jurkatレポーター遺伝子細胞活性試験
細胞表面に発現したPD-1/PD-L1タンパク質の相互作用に対する本発明の実施例の化合物の影響およびこれに伴うT細胞機能に対する影響について、Jurkatレポーター遺伝子細胞活性試験によって測定した。
【0239】
つまり、NF-κB-lucのレポーター遺伝子プラスミドとヒトPD-1のプラスミドをJurkat細胞にトランスフェクトし、PD-1とNF-κB-Lucレポーター遺伝子を同時に安定的に発現する安定トランスフェクト細胞株を確立した。 PD-1の表面発現レベルはフローサイトメトリーにより特定され、レポーター遺伝子の発現レベルはOKT-3とRaiji細胞刺激後のレポーター遺伝子の応答によって特定された。
【0240】
また、ヒトPD-L1の発現プラスミドをRaji細胞にトランスフェクトし、PD-L1を安定的に発現する細胞株を得た。次に、urkat/NF-κB-luc/PD1細胞とRaji-PD-L1細胞を共培養し、OKT-3で刺激し、この上で化合物を添加し、レポーター遺伝子応答の読み取り数によりPD-1/PD-L1相互作用に対する化合物の阻害作用、及びT細胞活性化シグナル伝達経路の増強効果を反映した。具体的な試験方法は下記の通りである。
【0241】
1)白色96ウェルプレート(corning, 3610)に異なる希釈濃度の化合物または抗体30μLを加え、さらにOKT3(Biolegend, 317326)(OKT3の最終濃度は1μg/mLである)10μLを加えた。
【0242】
2)5×104 cells/ウェルとして、20μLのRaji-PD-L1細胞懸濁液を各ウェルに加え、インキュベーターで20分間インキュベートした。
3)5×104 cells/ウェルとして、20μLのJurkat/NF-κb-luc/PD-1細胞懸濁液を各ウェルに加え、均一に混ぜ、6h後にBright-glo(Promega, E2620)を測定した。
【0243】
4)化合物処理後に得られた各ウェルの読み取り値を、DMSO処理されたウェルの読み取り値と比較し、化合物作用の活性化倍数を得た。
5)非線形回帰によって異なる化合物濃度での活性化倍数を分析することにより、本発明の実施例の化合物のEC50値を測定した。具体的な試験結果は表1の通りである。
【0244】
【0245】
具体的な実施例における化合物の生物活性データによれば、本発明の一連の化合物は、PD-1 / PD-L1のタンパク質相互作用に対して強力な阻害効果を有し、この阻害効果は、細胞レベルでT細胞の活性化を増強または回復できることが示唆されている。
【0246】
三、マウスの薬物動態測定
1.研究目的
本試験の目的は本発明のいくつかの化合物の薬物動態的挙動を研究することで、投与方式は次に記載された通りである:ICRマウスへの単回経口投与(PO)、投与用量:10mg/kg。
【0247】
2.試験計画
2.1試験薬
本試験用の化合物は本発明の具体的な実施例による化合物である。
【0248】
2.2試験動物
ICRマウス雄 N=3 提供元:上海西普爾-必凱実験動物有限公司。
2.3薬剤の準備と投与
化合物を秤量し、それぞれ0.5% SDS+0.5%CMCNaの溶媒に溶かし、振とう、超音波処理を経て、無色透明の溶液を調製した。一晩絶食させた後に9匹のマウスに対し、経口投与した。投与用量は10mg/kgであった。
【0249】
2.4サンプル採集:
1)約90μL /時点で下顎静脈から採血し、ヘパリンナトリウムで抗凝固処理し、採取後に氷上に置き、1時間以内に血漿を遠心分離した(遠心分離条件:8000rpm、6分、2~8℃)。
【0250】
2)採血時点はそれぞれ0,0.25,0.5,1,2,4,6,8,24時間である。サンプルを-20℃で冷蔵庫に保管した。
3)血漿サンプル40μLに160μLの内部標準物質を含む氷冷アセトニトリルを加え、3分ボルテックスし、11000rpmで5分間遠心分離した。
【0251】
4)上清を100μLを100μLの水に入れ、5μLをLC/MS/MSに注入し、分析を行った。
本発明の一部代表的な実施例における化合物を前記方法で投与及び試験した結果、そのプロトタイプ化合物を検出した。試験結果は表2に記載された通りである。
【0252】
【0253】
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の前記の内容を読み終わった後、当業者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の形態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。
【国際調査報告】