(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】農業的に有益な微生物、微生物組成物、及び共同体
(51)【国際特許分類】
A01N 63/22 20200101AFI20230711BHJP
C12N 1/00 20060101ALI20230711BHJP
C12N 1/14 20060101ALI20230711BHJP
C12N 1/20 20060101ALI20230711BHJP
A01G 7/00 20060101ALI20230711BHJP
A01C 1/08 20060101ALI20230711BHJP
A01P 21/00 20060101ALI20230711BHJP
A01P 5/00 20060101ALI20230711BHJP
C12R 1/07 20060101ALN20230711BHJP
C12R 1/11 20060101ALN20230711BHJP
C12R 1/01 20060101ALN20230711BHJP
C12R 1/645 20060101ALN20230711BHJP
【FI】
A01N63/22
C12N1/00 P ZNA
C12N1/14 A
C12N1/20 E
C12N1/20 Z
A01G7/00 605Z
A01C1/08
A01P21/00
A01P5/00
C12R1:07
C12R1:11
C12R1:01
C12R1:645
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578581
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 US2021037653
(87)【国際公開番号】W WO2021257718
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522489772
【氏名又は名称】バイオコンソーティア・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100157923
【氏名又は名称】鶴喰 寿孝
(72)【発明者】
【氏名】サンティアゴ-オルティーズ,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ウィルク,デボラ
(72)【発明者】
【氏名】チュー,ホン
(72)【発明者】
【氏名】パトリ,アブヒシェク
(72)【発明者】
【氏名】ヒムス,グラハム
【テーマコード(参考)】
2B051
4B065
4H011
【Fターム(参考)】
2B051AB01
2B051BA09
2B051BB14
4B065AA01X
4B065AA15X
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4B065AC20
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4B065CA47
4B065CA49
4H011AB03
4H011AC00
4H011BB21
4H011DA13
4H011DD04
(57)【要約】
本開示は、微生物の新規株、微生物共同体、及びそれを含む農業用組成物を含む、単離された微生物に関する。更に、本開示は、標的植物種に有益な性質を付与するための方法において、記載される微生物、微生物共同体、及びそれを含む農業用組成物を利用する方法を教示する。特定の態様では、本開示は、農業的に重要な作物種において望ましい植物の形質を増加させる方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成組成物であって、
a.微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、前記微生物細胞が、
i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、
ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及び
iii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、
b.植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、
を含み、前記微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在する、合成組成物。
【請求項2】
少なくとも1つの追加の微生物を更に含む、請求項1に記載の合成組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つの追加の微生物が、Bacillus velezensisである、請求項1に記載の合成組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つの追加の微生物が、表2から選択される、請求項2に記載の合成組成物。
【請求項5】
前記植物要素が、種子である、請求項1に記載の合成組成物。
【請求項6】
前記種子が、導入遺伝子を含む、請求項5に記載の合成組成物。
【請求項7】
前記植物要素が、葉である、請求項1に記載の合成組成物。
【請求項8】
前記植物要素が、根である、請求項1に記載の合成組成物。
【請求項9】
前記植物要素が、植物全体である、請求項1に記載の合成組成物。
【請求項10】
前記製剤成分が、前記微生物の安定性を改善する化合物、防腐剤、担体、界面活性剤、抗複合体剤(anticomplex agent)、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の合成組成物。
【請求項11】
前記農業用組成物が、殺真菌剤、殺線虫剤、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の合成組成物。
【請求項12】
前記合成組成物が、管、ボトル、瓶、アンプル、パッケージ、容器、袋、箱、ビン、封筒、カートン、コンテナ、サイロ、輸送用コンテナ、トラックの荷台、及びケースからなる群から選択される物体内に実質的に閉じ込められる、請求項1に記載の複数の合成組成物。
【請求項13】
前記合成組成物が、摂氏0度未満の温度である、請求項11に記載の複数の合成組成物。
【請求項14】
前記植物要素が、トウモロコシ、大豆、小麦、綿、キュウリ、トマト、ピーマン、ジャガイモ、イチゴ、オレンジ、レモン、ライム、リンゴ、スナップエンドウ、ズッキーニ、エンドウ、レタス、ブロッコリー、セロリ、カリフラワー、ソルガム、及びキャノーラからなる群から選択される植物から取得される、請求項1に記載の合成組成物。
【請求項15】
前記農業用組成物が、成長培地を含む、請求項1に記載の合成組成物。
【請求項16】
前記成長培地が、土壌を含む、請求項15に記載の合成組成物。
【請求項17】
前記複数の合成組成物が、前記合成組成物の各々の間に実質的に等しい間隔を伴って規則的なパターンで前記土壌中に置かれる、請求項16に記載の複数の合成組成物。
【請求項18】
合成組成物であって、
a.複数の細胞の滲出液又は培養ブロスであって、前記細胞が、
i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、
ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及び
iii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される少なくとも1つの微生物細胞を含む、複数の細胞の滲出液又は培養ブロスと、
b.植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含む、合成組成物。
【請求項19】
少なくとも1つの追加の微生物を更に含む、請求項18に記載の合成組成物。
【請求項20】
Bacillus velezensisを更に含む、請求項18に記載の合成組成物。
【請求項21】
植物要素から取得又は誘導される植物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、前記植物要素を、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを含む製剤で処理することを含み、前記微生物細胞が、Bacillus velezensis、
a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、
b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及び
c.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus,Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、方法。
【請求項22】
少なくとも1つの追加の微生物を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
Bacillus velezensisを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記農学的に重要な形質が、耐病性、耐干ばつ性、耐熱性、耐寒性、耐塩性、金属耐性、除草剤耐性、薬剤耐性、水使用効率の改善、窒素利用の改善、窒素固定の改善、病虫害耐性、草食動物耐性、病原体耐性、生産高の増加、水が制限された条件下での生産高の増加、健康増進、活力の改善、成長の改善、光合成能力の改善、栄養増進、タンパク質含有量の改変、油含有量の改変、バイオマスの増加、新芽の長さの増加、根の長さの増加、根の構造の改善、種子重量の増加、種子炭水化物組成の改変、種子油組成の改変、根の長さの増加、さやの数、老化の遅延、緑化、種子タンパク質組成の改変、成熟植物繁殖要素の乾燥重量の増加、成熟植物繁殖要素の新鮮重量の増加、植物当たりの成熟植物繁殖要素の数の増加、クロロフィル含有量の増加、植物当たりのさやの数の増加、植物当たりのさやの長さの増加、植物当たりの種子の数の増加、植物当たりの種子重量の増加、植物当たりのしおれた葉の数の低減、植物当たりのひどくしおれた葉の数の低減、植物当たりのしおれていない葉の数の増加、又は植物の外観の改善からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスが、前記微生物細胞又はそこからの滲出液で処理されていない植物要素から誘導される植物と比較して、前記植物要素から誘導される植物に利益を提供することが可能な量で存在する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
植物を培養する方法であって、前記植物の植物要素に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、前記微生物細胞が、
a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、
b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及び
c.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、
前記微生物細胞が、前記植物要素と異種である、方法。
【請求項27】
少なくとも1つの追加の微生物を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
Bacillus velezensisを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記植物要素への前記導入が、畝内散布、土壌被水散布、及び側方施肥散布からなる群から選択される間接的方法によって達成される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記植物要素への前記導入が、前記植物要素を前記微生物又はそこからの滲出液の液体製剤でコーティングすることによって達成される、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記植物要素への前記導入が、前記植物要素を前記微生物又はその滲出液の実質的に非液体の製剤でコーティングすることによって達成される、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記植物要素が、種子である、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記植物要素が、葉である、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
前記植物要素が、根である、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記植物要素が、植物全体である、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、前記収穫された生産物が取得された生物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、前記微生物細胞が、
a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、
b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及び
c.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、方法。
【請求項37】
収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、前記収穫された生産物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、前記微生物細胞が、
a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、
b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及び
c.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、方法。
【請求項38】
少なくとも1つの追加の微生物を更に含む、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
Bacillus velezensisを更に含む、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項40】
前記収穫された生産物が、果実である、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項41】
前記収穫された生産物が、野菜である、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項42】
前記収穫された生産物が、種子である、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項43】
前記収穫された生産物が、繊維である、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項44】
微生物の培養物から取得又は誘導される実質的に無細胞の調製物であって、前記微生物が、
a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、
b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及び
c.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、調製物。
【請求項45】
請求項44に記載の実質的に無細胞の調製物から調製される精製組成物。
【請求項46】
単離された細菌株であって、
a)NRRLアクセッション番号B-67810として寄託されたBacillus tequilensis、
b)NRRLアクセッション番号B-67812として寄託されたBacillus methylotrophicus、
c)NRRLアクセッション番号B-67815として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、
d)NRRLアクセッション番号B-67947として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、
e)NRRLアクセッション番号B-67949として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、
f)NRRLアクセッション番号B-67813として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、
g)NRRLアクセッション番号XXXXとして寄託されたPaenibacillus alginolyticus、
h)NRRLアクセッション番号XXXXとして寄託されたPaenibacillus alginolyticus、
i)NRRLアクセッション番号B-67811として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、
j)NRRLアクセッション番号67879として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys、
k)NRRLアクセッション番号B-67878として寄託されたBacillus pumilus、
l)NRRLアクセッション番号B-67871として寄託されたLysinibacillus fusiformis、
m)NRRLアクセッション番号XXXXとして寄託されたBacillus methylotrophicus、
n)NRRLアクセッション番号XXXXとして寄託されたBacillus amyloliquefaciens、
o)NRRLアクセッション番号XXXXとして寄託されたBacillus tequilensis、
p)NRRLアクセッション番号XXXXとして寄託されたBacillus megaterium、
q)NRRLアクセッション番号XXXXとして寄託されたPaenibacillus taichungensis、
r)NRRLアクセッション番号XXXXとして寄託されたPaenibacillus ehimensis、
s)NRRLアクセッション番号XXXXとして寄託されたPaenibacillus illinoisensis、
t)NRRLアクセッション番号XXXXとして寄託されたMicrobacterium arabinogalactanolyticum、及び
u)NRRLアクセッション番号XXXXとして寄託された Talaromyces pinophilus、からなる群から選択される単離された細菌株、
又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する単離された細菌株。
【請求項47】
配列番号1~21のうちのいずれか1つと少なくとも97%の配列同一性を共有するポリヌクレオチド配列を含む、単離された細菌株。
【請求項48】
農業用組成物であって、
a)請求項46又は47に記載の単離された細菌株と、
b)農業的に許容される担体と、
を含み、前記細菌株が、それが関連する植物において改善された表現型を産生するために有効な量で前記農業用組成物中に存在する、農業用組成物。
【請求項49】
前記農業用組成物が、種子コーティング、葉面噴霧、土壌被水、浸漬処理、畝内処理、土壌改良、顆粒、広域播種処理、又は収穫後の疾患制御処理として製剤化される、請求項48に記載の農業用組成物。
【請求項50】
配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列と、植物要素とを含む、微生物細胞であって、前記微生物細胞が、前記植物要素に異種配置される、微生物細胞。
【請求項51】
Bacillus velezensisの株の微生物細胞を更に含む、請求項50に記載の微生物細胞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、2020年6月17日に出願された米国仮特許出願第62/705,239号の利益を35U.S.C.119(e)の下で主張する。
【0002】
電子的に提出された配列表の参照
配列表の正式なコピーは、EFS-Webを介して、2021年6月3日に作成され、41.2KBのサイズを有する20041USPCT_Microbes5_SequenceListing_ST25.TXTという名称のファイルとともにASCIIフォーマットの配列表として電子的に提出され、明細書と同時に提出される。このASCIIフォーマットの文書に含まれる配列表は、本明細書の一部であり、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる。
技術分野
【0003】
本開示は、概して、生物学の分野、特に、植物の改善のための微生物及び微生物組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
国連世界食糧計画(United Nations World Food Program)によると、世界には9億近い栄養失調の人々がいる。栄養失調の流行は、6人に1人の子供が低体重である、世界の発展途上国で特に顕著である。利用可能な食糧の不足は、多くの社会経済的要因に起因し得る。しかしながら、最終的な原因にかかわらず、2050年までに90億人に達すると予期される、増大しつつある世界の人口を養うために利用可能な食糧の不足があるという事実に変わりはない。国連は、農業生産高が2050年に予測世界人口を養うために70~100%増加しなければならないことを推定している。
【0005】
これらの驚くべき世界の人口及び栄養失調の数字は、世界の増大する人口を扶養することにおいて農業効率及び生産性の重要性を強調している。かつて見たことのない作物収穫高につながっている近代的な条播作物農業によって達成された技術的進歩は、印象的である。しかしながら、遺伝子操作された作物並びに新しい新規殺虫及び除草化合物などの技術的革新によって成された進歩にもかかわらず、指数関数的に増加する世界人口の需要を満たすために、作物の出来高の改善の必要性がある。
【0006】
科学者らは、世界の農業の「生産高の格差」(最高の観察された生産高と頬化の場所の結果との間の差である)が埋められ得る場合、世界的な作物生産が45~70%上昇するであろうと推定している。すなわち、全ての農業従事者が、世界的な場所にかかわらず、その個別の地域に期待される最高の達成可能な生産高を達成し得る場合、世界的な食糧生産の不足の大部分が対処され得る。しかしながら、異種の世界的な地形にわたってより高い生産高をどのように達成するかという問題を解決することは、困難である。
【0007】
多くの場合、生産高の格差は、不十分な水、標準未満の農業実践、不十分な肥料、並びに除草剤及び殺虫剤の非可用性によって説明することができる。しかしながら、水、肥料、除草剤、及び殺虫剤の世界的な使用を大幅に増やすことは、世界の大部分にとって経済的に実行不可能であるだけでなく、マイナスの環境的結果を有するであろう。
【0008】
したがって、先進国の大部分で利用されている現在の高入力農業システムを単純にスケールアップすることによって、世界の農業生産高の期待を満たすことは、単純に実行不可能である。
【0009】
したがって、当技術分野では、作物の出来高を増加させ、有益な形質を所望の植物種に付与する改善された方法の緊急の必要性がある。
【発明の概要】
【0010】
特に、農業において用途を有する、単離された生物学的に純粋な微生物が含まれる。開示される微生物は、その単離された生物学的に純粋な状態で利用されるとともに、農業的に許容可される組成物に製剤化され得る。更に、開示される微生物のうちの少なくとも2つのメンバーを含む、農業的に有益な微生物共同体、並びに農業用途で当該共同体を利用する方法が提供される。いくつかの態様では、微生物(個体、共同体、及び/又は群集)のゲノム修飾が、微生物の形質の改善及び微生物関連植物の改善のために企図される。
【0011】
本開示は、どのように作物の出来高を改善するかというこの重要な問題に対処し、それによって、世界的な生産高の格差を埋めるとともに、他の有益な形質を植物種に付与する方法を提供する。
【0012】
本開示によって提案される、作物の出来高を増加させ、生産高を増加させることの解決策は、水消費量の増加又は合成化学物質の体系への入力の増加に依拠しないため、地球の資源にとって有害ではない。むしろ、本開示は、微生物を利用して、生産高の増加を含む有益な性質を望ましい植物に付与する。
【0013】
したがって、本開示は、合成除草剤及び殺虫剤の利用の増加に依拠しない、農業従事者が重要な作物の生産高を増加させることを可能にする、環境的に持続可能な解決策を提供する。
【0014】
実施形態では、本開示は、1つ以上の望ましい植物の性質を促進する、微生物及び微生物共同体(複数の微生物、いくつかの態様では、それが関連する農学的形質などの植物の健康又は所望の表現型を改善する複数の微生物)を利用する、効率的で広く適用可能な農業プラットフォームを提供する。
【0015】
本明細書に開示される微生物は、直接的及び間接的機構の両方によって、作物植物などの植物の出来高を改善する。いくつかの態様では、微生物は、植物と共生する。いくつかの態様では、微生物は、植物に利益を与えるか、又は植物が特性の改善のために使用することができる化合物(例えば、代謝産物)を産生する。いくつかの態様では、微生物は、栄養素などの1つ以上の組成物の溶解性を改善し、それによって、植物に利益をもたらす。いくつかの態様では、微生物は、植物に除草剤又は殺虫剤などの外因性物質に対して植物に耐性を付与する。いくつかの態様では、微生物は、昆虫などの植物害虫に有害である組成物を産生する。いくつかの態様では、微生物は、窒素を固定し、それによって、植物の栄養状態を改善する。上記に列挙された例示的な非限定的態様以外の他の態様が企図される。
【0016】
いくつかの実施形態では、単一の微生物が利用される。いくつかの態様では、単一の微生物は、単離及び精製される。いくつかの態様では、単一の微生物は、細菌の分類学的種である。いくつかの態様では、単一の微生物は、細菌の分類学的種の識別可能な株である。いくつかの態様では、単一の微生物は、細菌の分類学的種の新規の新たに発見された株である。
【0017】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在する、合成組成物が提供される。
【0018】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、少なくとも1つの追加の微生物を更に含む、合成組成物が提供される。
【0019】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、少なくとも1つの追加の微生物を更に含み、少なくとも1つの追加の微生物が、表2から選択される、合成組成物が提供される。
【0020】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、植物要素が、種子である、合成組成物が提供される。
【0021】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、植物要素が、種子であり、種子が、導入遺伝子を含む、合成組成物が提供される。
【0022】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、植物要素が、葉である、合成組成物が提供される。
【0023】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、植物要素が、根である、合成組成物が提供される。
【0024】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、植物要素が、植物全体である、合成組成物が提供される。
【0025】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、製剤成分が、微生物の安定性を改善する化合物、防腐剤、担体、界面活性剤、抗複合体剤(anticomplex agent)、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、合成組成物が提供される。
【0026】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、農業用組成物が、殺真菌剤、殺線虫剤、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、又はそれらの任意の組み合わせを含む、合成組成物が提供される。
【0027】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、当該合成組成物が、管、ボトル、瓶、アンプル、パッケージ、容器、袋、箱、ビン、封筒、カートン、コンテナ、サイロ、輸送用コンテナ、トラックの荷台、及びケースからなる群から選択される物体内に実質的に閉じ込められる、複数の合成組成物が提供される。
【0028】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、合成組成物が、摂氏0度未満の温度である、複数の合成組成物が提供される。
【0029】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、植物要素が、トウモロコシ、大豆、小麦、綿、キュウリ、トマト、ピーマン、ジャガイモ、イチゴ、オレンジ、レモン、ライム、リンゴ、スナップエンドウ、ズッキーニ、エンドウ、レタス、ブロッコリー、セロリ、カリフラワー、ソルガム、及びキャノーラからなる群から選択される植物から取得される、合成組成物が提供される。
【0030】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、農業用組成物が、成長培地を含む、合成組成物が提供される。
【0031】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、農業用組成物が、成長培地を含み、成長培地が、土壌を含む、合成組成物が提供される。
【0032】
いくつかの態様では、(a)微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスであって、微生物細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含み、微生物が、液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/mLの濃度で、又は非液体製剤中に少なくとも約10^2CFU/グラムで存在し、農業用組成物が、成長培地を含み、成長培地が、土壌を含み、複数の合成組成物が、合成組成物の各々の間に実質的に等しい間隔を伴って規則的なパターンで土壌中に置かれる、複数の合成組成物が提供される。
【0033】
いくつかの態様では、(a)複数の微生物細胞の滲出液又は培養ブロスであって、細胞が、i.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、ii.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びiii.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、から選択される少なくとも1つの微生物細胞を含む、複数の微生物細胞の滲出液又は培養ブロスと、(b)植物要素、製剤成分、農業用組成物、及び前述の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの異種組成物と、を含む、合成組成物が提供される。
【0034】
いくつかの態様では、植物要素から取得又は誘導される植物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、当該植物要素を、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを含む製剤で処理することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、方法が提供される。
【0035】
いくつかの態様では、植物要素から取得又は誘導される植物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、当該植物要素を、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを含む製剤で処理することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、から選択され、農学的に重要な形質が、耐病性、耐干ばつ性、耐熱性、耐寒性、耐塩性、金属耐性、除草剤耐性、薬剤耐性、水使用効率の改善、窒素利用の改善、窒素固定の改善、病虫害耐性、草食動物耐性、病原体耐性、生産高の増加、水が制限された条件下での生産高の増加、健康増進、活力の改善、成長の改善、光合成能力の改善、栄養増進、タンパク質含有量の改変、油含有量の改変、バイオマスの増加、新芽の長さの増加、根の長さの増加、根の構造の改善、種子重量の増加、種子炭水化物組成の改変、種子油組成の改変、根の長さの増加、さやの数、老化の遅延、緑化、種子タンパク質組成の改変、成熟植物繁殖要素の乾燥重量の増加、成熟植物繁殖要素の新鮮重量の増加、植物当たりの成熟植物繁殖要素の数の増加、クロロフィル含有量の増加、植物当たりのさやの数の増加、植物当たりのさやの長さの増加、植物当たりの種子の数の増加、植物当たりの種子重量の増加、植物当たりのしおれた葉の数の低減、植物当たりのひどくしおれた葉の数の低減、植物当たりのしおれていない葉の数の増加、又は植物の外観の改善からなる群から選択される、方法が提供される。
【0036】
いくつかの態様では、植物要素から取得又は誘導される植物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、当該植物要素を、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを含む製剤で処理することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスが、当該微生物細胞又はそこからの滲出液で処理されていない植物要素から誘導される植物と比較して、植物要素から誘導される植物に利益を提供することが可能な量で存在する、方法が提供される。
【0037】
いくつかの態様では、植物を培養する方法であって、当該植物の植物要素に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、当該微生物細胞が、植物要素に異種配置される、方法が提供される。
【0038】
いくつかの態様では、植物を培養する方法であって、当該植物の植物要素に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、当該微生物細胞が、植物要素に異種配置され、植物要素への当該導入が、畝内散布、土壌被水散布、及び側方施肥散布からなる群から選択される間接的方法によって達成される、方法が提供される。
【0039】
いくつかの態様では、植物を培養する方法であって、当該植物の植物要素に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、当該微生物細胞が、植物要素に異種配置され、植物要素への当該導入が、当該植物要素を微生物又はそこからの滲出液の液体製剤でコーティングすることによって達成される、方法が提供される。
【0040】
いくつかの態様では、植物を培養する方法であって、当該植物の植物要素に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、当該微生物細胞が、植物要素に異種配置され、植物要素への当該導入が、当該植物要素を微生物又はそこからの滲出液の実質的に非液体の製剤でコーティングすることによって達成される、方法が提供される。
【0041】
いくつかの態様では、植物を培養する方法であって、当該植物の植物要素に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、当該微生物細胞が、植物要素に異種配置され、当該植物要素が、種子である、方法が提供される。
【0042】
いくつかの態様では、植物を培養する方法であって、当該植物の植物要素に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、当該微生物細胞が、植物要素に異種配置され、当該植物要素が、葉である、方法が提供される。
【0043】
いくつかの態様では、植物を培養する方法であって、当該植物の植物要素に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、当該微生物細胞が、植物要素に異種配置され、当該植物要素が、根である、方法が提供される。
【0044】
いくつかの態様では、植物を培養する方法であって、当該植物の植物要素に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、当該微生物細胞が、植物要素に異種配置され、当該植物要素が、植物全体である、方法が提供される。
【0045】
いくつかの態様では、収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、収穫された生産物が取得された生物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、方法が提供される。
【0046】
いくつかの態様では、収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、収穫された生産物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、方法が提供される。
【0047】
いくつかの態様では、収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、収穫された生産物が取得された生物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、収穫された生産物が、果実である、方法が提供される。
【0048】
いくつかの態様では、収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、収穫された生産物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、収穫された生産物が、果実である、方法が提供される。
【0049】
いくつかの態様では、収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、収穫された生産物が取得された生物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、収穫された生産物が、野菜である、方法が提供される。
【0050】
いくつかの態様では、収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、収穫された生産物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、収穫された生産物が、野菜である、方法が提供される。
【0051】
いくつかの態様では、収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、収穫された生産物が取得された生物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、収穫された生産物が、種子である、方法が提供される。
【0052】
いくつかの態様では、収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、収穫された生産物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、収穫された生産物が、種子である、方法が提供される。
【0053】
いくつかの態様では、収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、収穫された生産物が取得された生物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、収穫された生産物が、繊維である、方法が提供される。
【0054】
いくつかの態様では、収穫された生産物において農学的に重要な形質を調節する方法であって、収穫された生産物に、微生物細胞、そこからの滲出液、又はそこからの培養ブロスを導入することを含み、微生物細胞が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択され、収穫された生産物が、繊維である、方法が提供される。
【0055】
いくつかの態様では、微生物の培養物から取得又は誘導される実質的に無細胞の調製物であって、微生物が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、調製物が提供される。
【0056】
いくつかの態様では、微生物の培養物から取得又は誘導される実質的に無細胞の調製物から調製される精製組成物であって、微生物が、a.配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列を含む、微生物細胞、b.表1又は表1Aの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、及びc.以下の分類群:Arthrobotrys oligospora、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus methylotrophicus、Bacillus pumilus、Bacillus tequilensis、Bacillus velezensis、Lysinibacillus fusiformis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Orbilia auricolor、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、Talaromyces pinophilusのうちのいずれかの微生物から取得又は誘導される微生物細胞、からなる群から選択される、精製組成物が提供される。
【0057】
いくつかの態様では、表1若しくは表1Aから選択される単離された細菌株、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する単離された細菌株が提供される。
【0058】
いくつかの態様では、配列番号1~21のうちのいずれか1つと少なくとも97%の配列同一性を共有するポリヌクレオチド配列を含む、単離された細菌株が提供される。
【0059】
いくつかの態様では、a)配列番号1~21のうちのいずれか1つと少なくとも97%の配列同一性を共有するポリヌクレオチド配列を含む、単離された細菌株と、b)農業的に許容される担体と、を含み、細菌株が、それが関連する植物において改善された表現型を産生するために有効な量で農業用組成物中に存在する、農業用組成物が提供される。
【0060】
いくつかの態様では、a)配列番号1~21のうちのいずれか1つと少なくとも97%の配列同一性を共有するポリヌクレオチド配列を含む、単離された細菌株と、b)農業的に許容される担体と、を含み、細菌株が、それが関連する植物において改善された表現型を産生するために有効な量で農業用組成物中に存在し、農業用組成物が、種子コーティング、葉面噴霧、土壌被水、浸漬処理、畝内処理、土壌改良、顆粒、広域播種処理、又は収穫後の疾患制御処理として製剤化される、農業用組成物が提供される。
【0061】
配列番号1~21から選択される配列と少なくとも97%の同一性を共有する16S又はITS配列と、植物要素とを含む、微生物細胞であって、微生物細胞が、植物要素に異種配置される、微生物細胞が提供される。
【0062】
いくつかの実施形態では、表1又は表1Aからの単一の微生物が利用される。
【0063】
いくつかの実施形態では、Bacillus属由来の微生物が利用される。いくつかの実施形態では、Bacillus属由来の1つ以上の微生物の組み合わせが利用される。いくつかの実施形態では、Paenibacillus属由来の微生物が利用される。いくつかの実施形態では、Paenibacillus属由来の1つ以上の微生物の組み合わせが利用される。いくつかの実施形態では、Arthrobotrys属由来の微生物(teleomorph Orbilia)が利用される。いくつかの実施形態では、Lysinibacillus属由来の微生物が利用される。いくつかの実施形態では、Microbacterium属由来の微生物が利用される。いくつかの実施形態では、Talaromyces属由来の微生物が利用される。
【0064】
いくつかの態様では、単一の微生物は、分類学的に識別可能な種又は株であろうとなかろうと、異なる種又は株の1つ以上の他の微生物と組み合わせられる。特定の態様では、2つ以上の微生物の組み合わせは、共同体(consortia又はconsortium)を形成する。共同体(consortia又はconsortium)という用語は、同義的に利用される。
【0065】
特定の態様では、本開示は、所望の表現型又は遺伝子型の植物の形質の開発及び発現を促進することに役立つ、高度に機能的な微生物共同体の開発を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の共同体は、個々の微生物が単独で生きているときに自然界では見出されない、機能的属性を保有する。すなわち、様々な実施形態では、特定の微生物種を共同体に組み合わせることは、単独で考慮すると、共同体のいずれか1つの個々のメンバーによって保有されていない機能的属性を保有する、微生物の組み合わせにつながる。
【0066】
いくつかの実施形態では、微生物共同体によって保有されるこの機能的属性は、1つ以上の有益な性質、例えば、成長の増加、生産高の増加、栄養素利用の増加(例えば、窒素、リン酸塩、及び同等物)、窒素利用効率の改善、ストレス耐性の増加、耐干ばつ性の増加、光合成速度の増加、水使用効率の増進、病原体耐性の増加、必ずしも植物の生産高に影響を及ぼさず、むしろ植物の機能性に対処する、植物構造に対する修飾などを植物種に付与する能力である。
【0067】
植物にこれらの有益な特性を付与する能力は、いくつかの実施形態では、自然界で生じる際に個々の微生物によって保有されていない。むしろ、いくつかの実施形態では、これらの微生物を共同体に組み合わせる人の手によって、機能的組成物が開発され、当該機能的組成物は、自然界には存在しない属性及び機能的性質を保有する。いくつかの実施形態では、共同体は、当分野の当業者に公知の技法を介して、DNA、RNA、タンパク質、及び/又はそれらの組み合わせを含む遺伝物質の修飾を通して、遺伝子編集、改変、又は修飾されている微生物を含み得る。
【0068】
しかしながら、他の実施形態では、本開示は、所望の植物種に有益な性質を付与することができる、個々の単離された生物学的に純粋な微生物を提供し、当該微生物を共同体に組み合わせる必要はない。
【0069】
いくつかの実施形態では、微生物共同体は、表1又は表1Aからの1つ以上の個々の微生物の任意の組み合わせであり得る。他の実施形態では、表1又は表1Aからの単一の微生物は、表2から選択される1つ以上の微生物と組み合わせて使用される。他の実施形態では、表1及び/又は1Aからの1つ以上の微生物は、当該表からの別の微生物と、又は表2からの1つ以上の微生物と組み合わせて利用される。特定の実施形態では、微生物共同体は、2匹の微生物、又は3匹の微生物、又は4匹の微生物、又は5匹の微生物、又は6匹の微生物、又は7匹の微生物、又は8匹の微生物、又は9匹の微生物、又は10匹の微生物、又は10匹より多くの微生物を含む。
【0070】
本開示の別の目的は、植物成長促進剤としての単離された微生物及び微生物共同体の使用に関する。他の態様では、単離された微生物及び微生物共同体は、例えば、バイオマスの増加につながる正常な老化を覆し得る、成長調整剤として機能する。
【0071】
本開示の更に別の目的は、土壌健康増進剤及び植物健康増進剤としての単離された微生物及び微生物共同体の使用に関する。他の態様では、単離された微生物及び微生物共同体は、生物刺激物質として機能する。
【0072】
本開示の追加の目的は、殺虫剤としての単離された微生物及び微生物共同体の使用に関する。他の態様では、単離された微生物及び微生物共同体は、バイオ殺菌剤として機能する。他の態様では、単離された微生物及び微生物の共同体は、バイオ殺線虫剤として機能する。
【0073】
本開示の別の目的は、共通して多次元活動を実施することができる微生物共同体を設計することである。特定の態様では、共同体を含む微生物は、相乗的に作用する。態様では、微生物共同体が特定の植物特性に及ぼす効果は、共同体のいずれか1つの個々の微生物メンバーが単独で利用された場合に観察されるであろう効果よりも大きい。すなわち、いくつかの態様では、共同体は、共同体の任意の個々のメンバーが単独で利用された場合に見出されるであろう効果と比較して、所望の植物特性に対する相加効果よりも大きな効果を示す。
【0074】
いくつかの態様では、共同体は、例えば、将来の微生物叢開発のための軌道を設定する一次コロニー形成種又は創設集団として作用することによって、他の植物-微生物相互作用の確立につながる。
【0075】
実施形態では、本開示は、微生物分離株の相乗的組み合わせ(又は混合物)を対象とする。
【0076】
いくつかの態様では、本明細書に教示される共同体は、穀物、果実、及び花の生産高の改善、植物部位の成長の改善、栄養素(例えば、窒素、リン酸塩、及び同等物)を利用する能力の改善、疾患に対する耐性の改善、真菌、昆虫、及び線虫に対する耐性の改善を含む、バイオ殺虫剤効果、極端な気候における生存可能性の改善、並びに他の所望の植物の表現型特性の改善を含む、広範囲の農業用途を提供する。有意に、植物にとってのこれらの利益は、環境に対していずれの有害な副作用も伴わずに取得され得る。
【0077】
いくつかの態様では、本開示の個々の微生物、又はそれを含む共同体は、農業的に許容される組成物に組み合わせられ得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物には、湿潤剤、相溶化剤、消泡剤、洗浄剤、封鎖剤、ドリフト低減剤、中和剤、緩衝剤、腐食阻害剤、染料、付臭剤、展着剤、浸透補助剤、粘着剤、結合剤、分散剤、増粘剤、安定剤、乳化剤、凝固点降下剤、抗微生物剤、肥料、殺虫剤、除草剤、不活性担体、ポリマー、及び同等物が含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
本開示の一実施形態では、微生物(単離された単一の種、若しくは株、共同体、又は代謝産物などのその組成物を含む)は、種子コーティング又は他の適用の形態で種子に供給される。実施形態では、種子コーティングは、裸で未処理の種子に適用され得る。他の実施形態では、種子コーティングは、前もって処理された種子に適用され得る。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、単離された細菌株又は微生物共同体を種子に適用することを含む、種子を処理する方法を教示する。特定の実施形態では、単離された細菌株又は微生物共同体は、農業的に許容される担体を含む農業用組成物として適用される。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、土壌被水、葉面噴霧、浸漬処理、畝内処理、土壌改良、顆粒、広域播種処理、収穫後の疾患制御処理、又は種子処理として製剤化され得る。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、単独で、又は他の農産物との交代噴霧プログラムで適用され得る。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、タンク混合に適合し得る。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、他の農産物とのタンク混合に適合し得る。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、地上、空中、及び灌漑用途に使用される機器に適合し得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、適用された微生物は、内生するようになり得、その結果として、処理された成長中の植物及びその後続の子孫に存在し得る。他の実施形態では、微生物は、種子処理との併用処理と同時に適用され得る。
【0081】
本開示の一実施形態では、微生物は、植物成長培地に適用される顆粒、又はプラグ、若しくは土壌被水の形態で供給される。他の実施形態では、微生物は、葉面噴霧又は液体組成物などの葉面適用の形態で供給される。葉面噴霧又は液体適用は、成長中の植物、又は成長培地、例えば、土壌に適用され得る。
【0082】
他の実施形態では、微生物(単離された単一の種、若しくは株、若しくは共同体、又は代謝産物などのその組成物を含む)は、土壌に適用され得る肥料、殺虫剤、又は他の改良剤として供給される。いくつかの実施形態では、微生物は、植え付けの前に土壌に適用される肥料、殺虫剤、又は他の改良剤として供給される。いくつかの実施形態では、微生物は、植え付けと同時に土壌に適用される肥料、殺虫剤、又は他の改良剤として供給される。いくつかの実施形態では、微生物は、植え付け後に土壌に適用される肥料、殺虫剤、又は他の改良剤として供給される。
【0083】
本開示の他の実施形態では、微生物(単離された単一の種若しくは株、又は共同体を含む)及び/又はその組成物(例えば、代謝産物)は、収穫後の疾患制御用途の形態で供給される。
【0084】
実施形態では、本開示の農業用組成物は、とりわけ、(1)溶液、(2)湿潤性粉末、(3)散布粉末、(4)可溶性粉末、(5)エマルション又は懸濁液濃縮物、(6)種子ドレッシング、(7)錠剤、(8)水分散性顆粒、(9)水溶性顆粒(徐放又は速放)、(10)マイクロカプセル化顆粒又は懸濁液、(11)灌漑成分、並びに(12)肥料、殺虫剤、及び他の適合性改良剤の成分として、製剤化され得る。特定の態様では、組成物は、従来の噴霧適用の前に水性媒体中で希釈され得る。本開示の組成物は、土壌、植物、種子、根圏、根鞘、又は微生物組成物を適用することが有益であろう他の領域に適用され得る。
【0085】
本開示の更に別の目的は、高コロニー形成単位(CFU)細菌集団又は共同体を提供するために製剤化されている農業用組成物に関する。いくつかの態様では、農業用組成物は、適切な保存可能期間を提供するアジュバントを有する。実施形態では、教示される農業用組成物のCFU濃度は、開示される方法を除いて、微生物が天然に存在するであろう濃度よりも高い。別の実施形態では、農業用組成物は、1グラムの担体当たり10^2~10^12CFU又は1グラムの担体当たり10^5~10^9CFUの濃度で微生物細胞を含有する。一態様では、微生物細胞は、10^5~10^9CFUの濃度で種子コートとして種子に直接適用される。他の態様では、微生物細胞は、10^5~10^9CFUの濃度で種子オーバーコートとして別の種子コートの上に適用される。他の態様では、微生物細胞は、10^5~10^9CFUの速度で別の種子処理とともに併用処理として適用される。
【0086】
態様では、本開示は、植物の成長を促進する農業用微生物製剤を対象とする。態様では、本開示は、バイオ接種剤として製剤化される、教示される単離された微生物、及びそれを含む共同体を提供する。教示されるバイオ接種剤は、植物、種子、若しくは土壌に適用されるか、又は肥料、殺虫剤、及び他の適合性改良剤と組み合わせられることができる。単離された微生物を含むバイオ接種剤を製剤化することの好適な実施例は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,097,830号に見出され得る。
【0087】
開示される微生物製剤は、窒素含有肥料の必要性を低くし、鉱物を可溶化し、植物のバイオ殺虫保護を提供し、病原体(例えば、真菌、昆虫、及び線虫)から植物を保護し、窒素及び/又はリン酸塩などの貴重な栄養素を植物に利用可能にし、したがって、化学殺虫剤及び化学肥料を使用する必要性を低減及び排除することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、本開示の単離された生物学的に純粋な微生物は、1つ以上の有益な性質又は形質を所望の植物種に付与する方法で利用され得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、本開示の単離された生物学的に純粋な微生物を含有する農業的に許容される組成物は、1つ以上の有益な性質又は形質を所望の植物種に付与する方法で利用され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、本開示の共同体は、1つ以上の有益な性質又は形質を所望の植物種に付与する方法で利用され得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、本開示の共同体を含有する農業的に許容される組成物は、1つ以上の有益な性質又は形質を所望の植物種に付与する方法で利用され得る。
【0092】
いくつかの態様では、本開示の単離された生物学的に純粋な微生物、及び/又は本開示の共同体は、加速微生物選択プロセス(「AMS」プロセス)から誘導される。本開示のいくつかの態様で利用されるAMSプロセスは、例えば、(1)国際公開第2012125050A1号として2012年9月20日に公開された国際特許出願第PCT/NZ2012/000041号、及び(2)国際公開第2014046553A1号として2014年3月27日に公開された国際特許出願第PCT/NZ2013/000171号に記載されており、これらのPCT出願の各々は、あらゆる目的のために参照によりそれらの全体で本明細書に組みこまれる。AMSプロセスは、本開示に、例えば、
図1~
図4に記載されている。
【0093】
しかしながら、他の実施形態では、本開示の微生物は、加速微生物選択プロセスから誘導されない。いくつかの態様では、本開示の実施形態で利用される微生物は、データベース中に存在する微生物のメンバーの中から選択される。特定の態様では、本開示の実施形態で利用される微生物は、当該微生物の特定の特性に基づいて、データベースに存在する微生物から選択される。
【0094】
本開示は、植物要素又は植物部位が、植物要素又は植物部位上で通常は見出されない量で、当該植物要素又は植物部位を単離された微生物又は微生物共同体でコーティングすることによって、効果的に増強され得ることを規定する。
【0095】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、種子の表面を、種子に対して異種であるか、又は種子上に存在することがほとんどない、少なくとも1つの単離された微生物を含む、精製微生物集団を含む製剤と接触させることを含む、農業用種子組成物又は種子コーティングを調製するための方法である。更なる実施形態は、植物の表面を、植物に対して異種である少なくとも1つの単離された微生物を含む、精製微生物群を含む製剤と接触させることを含む、農業用植物組成物を調製することを伴う。他の態様では、製剤又は微生物は、種子の内部、例えば、子葉又は胚の他の種子組織に導入される。
【0096】
いくつかの態様では、本開示の単離された微生物、微生物共同体、滲出液、代謝産物、及び/又は農業用組成物を種子又は植物に適用することは、農学的に重要な形質を調節する。農学的に重要性な形質は、例えば、耐病性、耐干ばつ性、耐熱性、耐寒性、耐塩性、金属耐性、除草剤耐性、薬剤耐性、水使用効率の改善、窒素利用の改善、窒素ストレスに対する耐性の改善、窒素固定の改善、栄養素利用の改善(例えば、リン酸塩、カリウム、及び同等物)、病虫害耐性、草食動物耐性、病原体耐性、(例えば、病原体生存を損なう代謝産物の排出を介した)病原体レベルの低減、生産高の増加、水が制限された条件下での生産高の増加、健康増進、活力の改善、成長の改善、光合成能力の改善、栄養増進、タンパク質含有量の改変、油含有量の改変、バイオマスの増加、新芽の長さの増加、根の長さの増加、根の構造の改善、種子重量の増加、より速い種子発芽、種子炭水化物組成の改変、種子油組成の改変、さやの数、老化の遅延、緑化、及び種子タンパク質組成の改変であり得る。いくつかの態様では、少なくとも2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の農学的に重要な形質が調節される。いくつかの態様では、調節は、前述の農学的形質のうちの1つに対するプラスの効果である。
【0097】
いくつかの態様では、参照植物に対して、油含有量の改変、タンパク質含有量の改変、種子炭水化物組成の改変、種子油組成の改変、種子タンパク質組成の改変、薬剤耐性、耐寒性、老化の遅延、耐病性、耐干ばつ性、穂重、成長の改善、健康増進、耐熱性、除草剤耐性、草食動物耐性、窒素固定の改善、窒素利用の改善、根の構造の改善、水使用効率の改善、バイオマスの増加、バイオマスの減少、根の長さの増加、根の長さの減少、種子重量の増加、新芽の長さの増加、新芽の長さの減少、生産高の増加、水が制限された条件下での生産高の増加、穀粒質量、穀粒含水量、金属耐性、穂の数、穂当たりの穀粒の数、さやの数、栄養増進、病原体耐性、病虫害耐性、光合成能力の改善、耐塩性、緑化、活力の改善、成熟種子の乾燥重量の増加、成熟種子の新鮮重量の増加、植物当たりの成熟種子の数の増加、クロロフィル含有量の増加、植物当たりのさやの数の増加、植物当たりのさやの長さの増加、植物当たりのしおれた葉の数の低減、植物当たりのひどくしおれた葉の数の低減、及び植物当たりのしおれていない葉の数の増加、代謝産物のレベルの検出可能な調節、転写物のレベルの検出可能な調節、並びにプロテオームの検出可能な調節などの植物特性を調節又は改変するために、本開示の単離された微生物、共同体、及び/又は農業用組成物を植物に適用することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書に教示される農業用製剤は、農業的適合性担体、粘着付与剤、微生物安定剤、殺真菌剤、抗菌剤、除草剤、殺線虫剤、殺虫剤、植物成長調節剤、殺鼠剤、及び栄養素からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む。
【0099】
本明細書に記載される方法は、種子又は植物を、微生物の少なくとも100CFU若しくは胞子、少なくとも300CFU若しくは胞子、少なくとも1,000CFU若しくは胞子、少なくとも3,000CFU若しくは胞子、少なくとも10,000CFU若しくは胞子、少なくとも30,000CFU若しくは胞子、少なくとも100,000CFU若しくは胞子、少なくとも300,000CFU若しくは胞子、少なくとも1,000,000CFU若しくは胞子、又はそれ以上と接触させることを含むことができる。
【0100】
本明細書に記載される方法は、種子又は植物を、本明細書に開示される単一の微生物又は微生物共同体によって産生される代謝産物を含む組成物と接触させることを含むことができる。いくつかの態様では、方法は、種子又は植物を、本明細書に開示される単一の微生物又は微生物共同体によって産生される少なくとも1mgの代謝産物を含む組成物と接触させることを含む。いくつかの態様では、方法は、種子又は植物を、本明細書に開示される単一の微生物又は微生物共同体によって産生される少なくとも10mgの代謝産物を含む組成物と接触させることを含む。いくつかの態様では、方法は、種子又は植物を、本明細書に開示される単一の微生物又は微生物共同体によって産生される少なくとも100mgの代謝産物を含む組成物と接触させることを含む。いくつかの態様では、方法は、種子又は植物を、本明細書に開示される単一の微生物又は微生物共同体によって産生される少なくとも1gの代謝産物を含む組成物と接触させることを含む。いくつかの態様では、方法は、種子又は植物を、本明細書に開示される単一の微生物又は微生物共同体によって産生される少なくとも10gの代謝産物を含む組成物と接触させることを含む。いくつかの態様では、方法は、種子又は植物を、本明細書に開示される単一の微生物又は微生物共同体によって産生される少なくとも100gの代謝産物を含む組成物と接触させることを含む。いくつかの態様では、方法は、種子又は植物を、本明細書に開示される単一の微生物又は微生物共同体によって産生される少なくとも1kgの代謝産物を含む組成物と接触させることを含む。いくつかの態様では、方法は、種子又は植物を、本明細書に開示される単一の微生物又は微生物共同体によって産生される1kgを超える代謝産物を含む組成物と接触させることを含む。
【0101】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、本開示の単離された微生物は、農作植物の標的組織内及び/又は上で検出可能であるために効果的な量で製剤中に存在する。例えば、微生物は、植物の標的組織内及び/又は上で、少なくとも100CFU若しくは胞子、少なくとも300CFU若しくは胞子、少なくとも1,000CFU若しくは胞子、少なくとも3,000CFU若しくは胞子、少なくとも10,000CFU若しくは胞子、少なくとも30,000CFU若しくは胞子、少なくとも100,000CFU若しくは胞子、少なくとも300,000CFU若しくは胞子、少なくとも1,000,000CFU若しくは胞子、又はそれ以上の量で検出される。代替的に、又は加えて、本開示の微生物は、本開示の製剤が適用されていない参照農作植物と比較すると、そのような製剤がそれに適用された植物のバイオマス及び/又は生産高を少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、又はそれ以上増加させるために効果的な量で、製剤中に存在し得る。代替的に、又は加えて、本開示の微生物は、本開示の製剤が適用されていない参照農作植物と比較すると、そのような製剤がそれに適用された植物の目的の農学的形質を少なくとも1%以上、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、又はそれ以上検出可能に調節するために効果的な量で、製剤中に存在し得る。
【0102】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、本開示の微生物又は共同体から単離された1つ以上の代謝産物は、農作植物の標的組織内及び/又は上で検出可能であるために効果的な量で製剤中に存在する。例えば、代謝産物は、植物の標的組織内及び/又は上で、少なくとも1mg、少なくとも10mg、少なくとも50mg、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも400mg、少なくとも600mg、少なくとも800mg、少なくとも1g、又はそれ以上の量で検出される。代替的に、又は加えて、本開示の微生物及び共同体から単離された代謝産物は、本開示の製剤が適用されていない参照農作植物と比較すると、そのような製剤がそれに適用された植物のバイオマス及び/又は生産高を少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、又はそれ以上増加させるために効果的な量で、製剤中に存在し得る。代替的に、又は加えて、本開示の微生物及び共同体から単離された代謝産物は、本開示の製剤が適用されていない参照農作植物と比較すると、そのような製剤がそれに適用された植物の目的の農学的形質を少なくとも1%以上、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、又はそれ以上検出可能に調節するために効果的な量で、製剤中に存在し得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書に教示される農業用組成物は、常温保存可能である。いくつかの態様では、本明細書に教示される微生物は、凍結乾燥される。いくつかの態様では、本明細書に教示される微生物は、噴霧乾燥される。いくつかの態様では、本明細書に教示される微生物は、液体製剤に入れられる。いくつかの態様では、本明細書に教示される微生物は、顆粒上に存在する、
【0104】
また、ボトル、瓶、アンプル、パッケージ、容器、袋、箱、ビン、封筒、カートン、コンテナ、サイロ、輸送用コンテナ、トラックの荷台、及びケースからなる群から選択される物体内に閉じ込められた複数の単離された微生物も本明細書に記載される。
【0105】
いくつかの態様では、選択された植物種を前述のうちのいずれかを含む開示された微生物操作的分類単位(OTU)、株、又は組成物と組み合わせることが、作物及びその生産物の世代からの出来高の改善につながる。したがって、一態様では、本開示は、微生物がコーティングされていない参照種子の表面上に存在するよりも高いレベルで種子の表面上に存在するように、第1の植物の種子及び第1の植物の種子の表面上にコーティングされる微生物の調製物の合成組み合わせを提供する。別の態様では、本開示は、微生物がコーティングされていない参照植物部位の表面上に存在するよりも高いレベルで第1の植物の部位上に存在するように、第1の植物の部位及び第1の植物の部位の表面上にコーティングされる微生物の調製物の合成組み合わせを提供する。前述の方法は、単独で、又は植物育種及びトランスジェニック技術と並行して使用され得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、単離された細菌株は、NRRLアクセッション番号B-67810として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815、B-67947、又はB-67947として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813又はB-67811として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora(それぞれ、同じ微生物種のteleomorph及びanamorph)、NRRLアクセッション番号B-67878として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871として寄託されたLysinibacillus fusiformisからなる群から選択され得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、生物学的共同体は、NRRLアクセッション番号B-67813及びB-67811として寄託されたPaenibacillus alginolyticusの単離された細菌株を含み得る。いくつかの実施形態では、生物学的共同体は、NRRLアクセッション番号B-67947及びB-67813として寄託されたBacillus amyloliquefaciensの単離された細菌株を含み得る。いくつかの実施形態では、生物学的共同体は、NRRLアクセッション番号B-50614として寄託されたBacillus velezensis、及びNRRLアクセッション番号B-67878として寄託されたBacillus pumilusの単離された細菌株を含み得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、単離された細菌株は、本開示の単離された細菌株と実質的に類似する形態学的及び生理学的特性を有する。いくつかの実施形態では、単離された細菌株は、本開示の単離された細菌株と実質的に類似する遺伝的特性を有する。いくつかの実施形態では、単離された細菌株は、本開示の単離された細菌株の自然発生又は人工の変異体である。いくつかの実施形態では、単離された細菌株は、遺伝子編集、改変、又は修飾された細菌株である。いくつかの実施形態では、本開示の単離された細菌株は、実質的に純粋な培養物中にある。いくつかの実施形態では、本開示の単離された細菌株は、純粋な培養物中にある。いくつかの実施形態では、本開示の単離された細菌株は、細胞画分、抽出物、又は上清中にある。
【0109】
いくつかの実施形態では、本開示の単離された細菌株の子孫及び/又は変異体が企図される。いくつかの実施形態では、本開示の単離された細菌株の子孫、変異体、及び/又は遺伝子修飾されたバージョンが企図される。いくつかの実施形態では、本開示の単離された細菌株は、配列番号1~12のうちのいずれか1つと少なくとも97%の配列同一性を共有するポリヌクレオチド配列を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、本開示の単離された細菌株の無細胞若しくは不活化調製物、又は当該単離された細菌株の変異体が企図される。いくつかの実施形態では、本開示の単離された細菌株の無細胞若しくは不活化調製物、又は当該単離された細菌株の変異体、又は遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントが企図される。いくつかの実施形態では、本開示の単離された細菌株によって産生される代謝産物、又は当該単離された細菌株の変異体が企図される。いくつかの実施形態では、本開示の単離された細菌株によって産生される代謝産物、又は当該単離された細菌株の変異体若しくは遺伝子修飾されたバリアントが企図される。
【0111】
いくつかの実施形態では、農業用組成物は、単離された細菌株と、農業的に許容される担体とを含む。単離された細菌株は、1グラム当たり1×10^2~1×10^12CFUで組成物中に存在し得る。農業用組成物は、種子コーティングとして製剤化され得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、植物種に少なくとも1つの有益な形質を付与する方法は、単離された細菌株を、植物又は当該植物が位置する成長培地に適用することを含む。いくつかの実施形態では、植物種に少なくとも1つの有益な形質を付与する方法は、本開示の農業用組成物を、植物又は植物が位置する成長培地に適用することを含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの有益な形質を有する植物を栽培する方法を教示する。いくつかの実施形態では、方法は、単離された細菌株又は微生物共同体を植物の種子に適用することと、種を播種するか、又は植え付けることと、植物を栽培することとを含む。特定の実施形態では、単離された細菌株又は微生物共同体は、農業的に許容される担体を更に含む農業用組成物として適用される。
【0114】
いくつかの実施形態では、微生物共同体は、A)Bacillus tequilensis、Bacillus methylotrophicus、Bacillus amyloliquefaciens、Paenibacillus alginolyticus、Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora(それぞれ、teleomorph及びanamorph)、Bacillus pumilus、及びLysinibacillus fusiformis、並びに
B)Arthrobacter cupressi、Arthrobacter mysorens、Arthrobacter nicotinovorans、Arthrobacter pascens、Bacillus megaterium、Bacillus subtilis、Bacillus thuringiensis、Bacillus velezensis、Brevibacterium frigoritolerans、Herbaspirillum chlorophenolicum、Kosakonia radicincitans、Lysinibacillus fusiformis、Massilia kyonggiensis、Massilia niastensis、Novosphingobium sediminicola、Paenibacillus amylolyticus、Paenibacillus glycanilyticus、Paenibacillus polymyxa、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas jinjuensis、Pseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas putida、Rahnella aquatilis、及びTumebacillus permanentifrigoris、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも2つの微生物を含み、A)からの少なくとも1つの微生物が選択される。
【0115】
いくつかの実施形態では、微生物共同体は、A)NRRLアクセッション番号B-67810として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号B-67811として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora(それぞれ、teleomorph及びanamorph)、NRRLアクセッション番号B-67878として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871として寄託されたLysinibacillus fusiformis、並びにB)NRRLアクセッション番号B-67183として寄託されたArthrobacter cupressi、NRRLアクセッション番号B-67184として寄託されたArthrobacter cupressi、NRRLアクセッション番号B-67289として寄託されたArthrobacter nicotinovorans、Arthrobacter pascens、NRRLアクセッション番号B-67370として寄託されたBacillus megaterium、Bacillus megaterium、Bacillus megaterium、Bacillus subtilis、Bacillus subtilis、Bacillus subtilis、Bacillus thuringiensis、NRRLアクセッション番号B-50614として寄託されたBacillus velezensis、NRRLアクセッション番号B-67360として寄託されたBrevibacterium frigoritolerans、NRRLアクセッション番号B-67236として寄託されたHerbaspirillum chlorophenolicum、NRRLアクセッション番号B-67197として寄託されたHerbaspirillum chlorophenolicum、NRRLアクセッション番号B-67171として寄託されたKosakonia radicincitans、NRRLアクセッション番号B-67946として寄託されたKosakonia radicincitans、Lysinibacillus fusiformis、NRRLアクセッション番号B-67198として寄託されたMassilia kyonggiensis、NRRLアクセッション番号B-67235として寄託されたMassilia niastensis、NRRLアクセッション番号B-67199として寄託されたMassilia niastensis、NRRLアクセッション番号B-67945として寄託されたNovosphingobium sediminicola、Paenibacillus amylolyticus、NRRLアクセッション番号B-67204として寄託されたPaenibacillus glycanilyticus、Paenibacillus polymyxa、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas fluorescens、NRRLアクセッション番号B-67207として寄託されたPseudomonas jinjuensis、NRRLアクセッション番号B-67225として寄託されたPseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas putida、Pseudomonas putida、Pseudomonas putida、Pseudomonas putida、Pseudomonas putida、Pseudomonas putida、Pseudomonas putida、Pseudomonas putida、Rahnella aquatilis、NRRLアクセッション番号B-67301として寄託されたTumebacillus permanentifrigoris、及びNRRLアクセッション番号B-67302として寄託されたTumebacillus permanentifrigoris、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも2つの単離された細菌株を含み、A)からの少なくとも1つの微生物が選択される。
【0116】
いくつかの実施形態では、微生物共同体は、本開示の微生物共同体と実質的に類似する形態学的及び生理学的特性を有する。いくつかの実施形態では、微生物共同体は、本開示の微生物共同体と実質的に類似する遺伝的特性を有する。いくつかの実施形態では、微生物共同体は、実質的に純粋な培養物中にある。いくつかの実施形態では、微生物共同体の任意の微生物の後続の世代が企図される。いくつかの実施形態では、微生物共同体の任意の微生物の変異体が企図される。いくつかの実施形態では、微生物共同体の任意の微生物の遺伝子編集、改変、又は修飾されたバリアントが企図される。いくつかの実施形態では、微生物共同体の無細胞若しくは不活化調製物、又は微生物共同体内の任意の微生物の変異体、又は遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントが企図される。いくつかの実施形態では、微生物共同体によって産生される代謝産物、又は微生物共同体内の任意の微生物の変異体、又は遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントが企図される。
【0117】
いくつかの実施形態では、農業用組成物は、微生物共同体と、農業的に許容される担体とを含む。農業用組成物の微生物共同体は、1グラム当たり1×10^3~1×10^12の細菌細胞で組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、種子コーティングとして製剤化される。いくつかの実施形態では、植物種に少なくとも1つの有益な形質を付与する方法は、微生物共同体を、当該植物又は当該植物が位置する成長培地に適用することを含む。いくつかの実施形態では、植物種に少なくとも1つの有益な形質を付与する方法は、農業用組成物を、植物又は当該植物が位置する成長培地に適用することを含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、微生物共同体は、NRRLアクセッション番号B-67810として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号B-67811として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora deposited(それぞれ、teleomorph及びanamorph)、NRRLアクセッション番号B-67878として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871として寄託されたLysinibacillus fusiformisからなる群から選択される微生物を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、植物種に少なくとも1つの有益な形質を付与する方法は、少なくとも1つの単離された細菌種を、植物又は植物が位置する成長培地に適用することを含み、少なくとも1つの単離された細菌種は、Bacillus tequilensis、Bacillus methylotrophicus、Bacillus amyloliquefaciens、Paenibacillus alginolyticus、Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora(それぞれ、teleomorph及びanamorph)、Bacillus pumilus、Lysinibacillus fusiformis、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0120】
さらなる実施形態では、少なくとも1つの単離された細菌種は、NRRLアクセッション番号B-67810として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号B-67811として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys(それぞれ、teleomorph及びanamorph)、NRRLアクセッション番号B-67878として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871として寄託されたLysinibacillus fusiformis、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0121】
いくつかの実施形態では、単離された細菌株は、表1又は表1Aから選択される。いくつかの実施形態では、表1又は表1Aから選択される単離された細菌株と実質的に類似する形態学的及び生理学的特性を有する、単離された細菌株が企図される。いくつかの実施形態では、表1又は表1Aからの単離された細菌株と実質的に類似する遺伝的特性を有する、単離された細菌株が企図される。いくつかの実施形態では、表1又は表1Aからの単離された細菌株の実質的に純粋な培養物が企図される。いくつかの実施形態では、表1又は表1Aからの単離された細菌株の子孫又は変異体が企図される。いくつかの実施形態では、無細胞又は不活化調製物が、表1若しくは表1Aからの単離された細菌株又はその変異体から企図される。いくつかの実施形態では、表1若しくは表1Aからの単離された細菌株、又はその変異体によって産生される代謝産物。
【0122】
いくつかの実施形態では、農業用組成物は、表1又は表1Aからの単離された細菌株と、農業的に許容される担体とを含む。いくつかの実施形態では、単離された細菌株は、1グラム当たり1×10^2~1×10^12CFUで農業用組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、種子コーティングとして製剤化される。いくつかの実施形態では、植物種に少なくとも1つの有益な形質を付与する方法は、表1又は表1Aからの単離された細菌株を、植物又は当該植物が位置する成長培地に適用することを含む。いくつかの実施形態では、植物種に少なくとも1つの有益な形質を付与する方法は、本開示の農業用組成物を、植物又は当該植物が位置する成長培地に適用することを含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、微生物共同体は、表1又は表1Aに列挙されるものから選択される少なくとも2つの微生物を含む。いくつかの実施形態では、微生物共同体は、少なくとも2つの微生物を含み、少なくとも1つの微生物は、表1又は表1Aから選択され、他の微生物は、表2から選択され得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、微生物種子コーティングで強化された植物種子は、植物種子と、当該植物種子上に適用された種子コーティングとを含み、種子コーティングは、表1、1A、及び2に列挙される少なくとも2つの微生物を含み、少なくとも1つの微生物は、表1又は表1Aから選択される。更なる実施形態では、種子コーティングは、微生物の組み合わせを含む。更なる実施形態では、種子コーティングは、種子当たり1×10^2~1×10^9CFUの濃度で表1又は表1Aに列挙される少なくとも1つの微生物を含む。いくつかの実施形態では、表1から選択される微生物が、農業で使用される。いくつかの実施形態では、植物及び微生物の合成組み合わせは、少なくとも1つの植物と、表1又は表1Aから選択される少なくとも1つの微生物とを含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、植物種の望ましい表現型形質を増加させるか、又は促進する方法は、表1又は表1Aから選択される少なくとも1つの微生物を、当該植物又は当該植物が位置する成長培地に適用することを含む。更なる実施形態では、少なくとも1つの細菌を適用する方法は、植物種子を当該細菌でコーティングすること、植物部位を当該細菌でコーティングすること、植物部位上に当該細菌を噴霧すること、植物又は種子が入れられるであろう畝の中に当該細菌を噴霧することと、植物部位上に、又は植物が入れられるであろう領域の中に当該細菌を被水すること、植物部位上に、又は植物が入れられるであろう領域の中に拡散させること、植物部位上に、又は植物が入れられるであろう領域の中に当該細菌を広く播種すること、及びそれらの組み合わせによって生じる。
【0126】
方法のいずれかにおいて、微生物は、表1又は表1Aに提供される属又は種から選択される細菌の16S rRNA核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する、16S rRNA核酸配列を含むことができる。
【0127】
本開示は、本明細書の一部を形成する、以下の詳細な説明並びに添付図面及び配列表から、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【
図1】本明細書では指向性微生物選択とも称される、加速微生物選択(AMS)の開示される方法の一般化プロセス概略図を示す。本プロセスが微生物共同体との関連で見られるとき、概略図は、微生物共同体の指向性進化のプロセスを例証する。本プロセスは、本開示の有益な微生物が取得された1つの方法である。
【
図2】は、本開示の有益な微生物が取得された実施形態の一般化プロセスフロー図を示す。
【
図3】は、本開示の有益な微生物が取得された実施形態のグラフィック表現及び関連するフローチャートを示す。
【
図4】は、本開示の有益な微生物が取得された実施形態のグラフィック表現及び関連するフローチャートを示す。
【
図5】は、B.tequilensis BEC80が根にコロニー形成すること(カリフラワーの根の上のGFPタグ付き微生物)を示す。
【
図6】0、2、3、及び7日目の温度及びpHの範囲にわたるB.tequilensis BEC80の活性プロファイルを示す。
【
図7】B.tequilensis BEC80及び参照Bacillus株についてイツリンの相対的産生を示す。
【
図8】B.tequilensis BEC80及び参照Bacillus株についてフェンギシンの相対的産生を示す。
【
図9】B.methylotrophicus BEC60に対する植物内生物刺激活性の写真を示す。
【
図10】B.methylotrophicus BEC60が根にコロニー形成すること(小麦の根の上の蛍光タグ付き微生物)を示す。
【
図11】処理なし、100ppmの市販の処理、及びB.tequilensis BEC80を用いた処理を伴う収穫後のリンゴを示す。
【
図12A】経時的なC.elegans発生集団数を示す。OP50細菌(-)対照、Bt(+)対照、Bacillus(-)対照。
【
図12B】植物内作用機序試験(トマト)を示す。接種後の異なる段階における、トマトの根の中のネコブセンチュウ感染性幼体及び成体数。
【
図13】広範囲の温度及びpH条件にわたるB.amyloliquefaciens BEC69の成長を示す。
【
図14】トマト、大豆、小麦、及びトウモロコシにおけるB.amyloliquefaciens BEC69の植物要素コロニー形成(蛍光タグ付き微生物)を示す。
【
図15】トウモロコシの根圏組織内のPaenibacillus alginolyticus BEC68の植物要素コロニー形成(蛍光タグ付き微生物)を示す。
【
図16】BEC77が地上及び地下の植物表面(カリフラワー葉圏及びカリフラワー根圏)にコロニー形成すること(蛍光タグ付き微生物)を示す。
【
図17】BEC68及びBEC78が植物の根に共コロニー形成すること(蛍光タグ付き微生物)を示す。
【
図18A】本明細書に開示される生物刺激微生物のうちのいくつかに対するリン鉱石可溶化活性の改善を示す。
【
図18B】本明細書に開示される生物刺激微生物のうちのいくつかに対するケイ酸マグネシウム可溶化活性の改善を示す。
【
図19】広範囲の温度及びpH条件にわたるMicrobacterium arabinogalactanolyticum BEC102の成長を示す。
【発明を実施するための形態】
【0129】
本明細書に添付される配列記述及び配列表は、37C.F.R.§§1.821及び1.825に記載される特許出願におけるヌクレオチド及びアミノ酸配列の開示を管理する規則に準拠する。配列記述は、参照により本明細書に組み込まれる、37C.F.R.§§1.821及び1.825に定義されるアミノ酸の3文字コードを含む。
【0130】
本出願に記載される微生物は、1815North University Street,Peoria,IL61604,USAに所在する国際寄託機関である、Agricultural Research Service Culture Collection(NRRL)に寄託された。
【0131】
寄託は、特許手続きのための微生物寄託の国際認識に関するブダペスト条約の条件下で行われた。
【0132】
寄託は、37C.F.R.§§1.801~1.809及び米国特許審査便覧§§2402~2411.05に記載される基準に従って、かつそれらを満たすために行われた。
【0133】
前述のブダペスト条約寄託に対するNRRLアクセッション番号、寄託日、及び説明は、表1及び表2に提供される。
【表1】
【表2】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0134】
以下の用語は、当業者によって十分に理解されると考えられるが、以下が、本開示の主題の説明を容易にするために記載される。
【0135】
「a」又は「an」という用語は、1つ以上のその実体を指し、すなわち、複数の指示対象を指すことができる。したがって、「a」又は「an」、「1つ以上の」、及び「少なくとも1つの」という用語は、本明細書では同義的に使用される。加えて、不定冠詞「a」又は「an」による「an element(要素)」への言及は、要素のうちの唯一のものがあることを文脈が明確に要求しない限り、要素のうちの1つより多くが存在する可能性を排除しない。
【0136】
本明細書で使用される場合、「微生物(microorganism)」又は「微生物(microbe)」という用語は、広義に解釈されるべきである。これらの用語は、同義的に使用され、2つの原核分野、すなわち、細菌及び古細菌、並びに真核菌類及び原生生物を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本開示は、表1~2の「微生物」、又は本開示に存在する様々な他の表若しくは段落の「微生物」を指す。この特性化は、表の識別された分類学的細菌属だけでなく、識別された分類学的種、並びに当該表の様々な新規かつ新たに識別された細菌株を指すことができる。
【0137】
本明細書で使用される場合、「微生物(microbe)」又は「微生物(microorganism)」という用語は、古細菌、細菌、微細藻類、真菌(カビ及び酵母種を含む)、マイコプラズマ、小胞子、ナノ細菌、卵菌、及び原虫を含むがこれらに限定されない、任意の微生物種又は分類群を指す。いくつかの実施形態では、微生物(microbe又はmicroorganism)は、個々の細胞(例えば、単細胞微生物)又は1つより多くの細胞(例えば、多細胞微生物)を包含する。したがって、「微生物の集団」は、細胞が共通の遺伝的由来を共有する、単一の微生物の複数の細胞を指し得る。
【0138】
本明細書で使用される場合、「細菌(bacterium又はbacteria)」という用語は、一般的に任意の原核生物を指し、真正細菌界(細菌)、古細菌界(古細菌)、又は両方のいずれかからの生物を参照し得る。場合によっては、細菌属又は他の分類学的分類は、様々な理由(限定されるものではないが、進化しつつある全ゲノム配列決定の分野など)により再指定されており、そのような命名法の再指定は、任意の主張された分類法の範囲内であることが理解される。例えば、Erwinia属の特定の種は、Pantoea属に属するものとして文献に記載されている(Zhang,Y.,Qiu,S.Examining phylogenetic relationships of Erwinia and Pantoea species using whole genome sequence data.Antonie van Leeuwenhoek108,1037-1046(2015).)。
【0139】
「16S」という用語は、細菌の16SリボソームRNA(rRNA)配列のDNA配列を指す。16S rRNA遺伝子配列決定は、細菌の系統発生及び分類法を研究するための確立された方法である。
【0140】
本明細書で使用される場合、「真菌(fungus又はfungi)」という用語は、一般的に真菌界からの任意の生物を指す。真菌の歴史的な分類学的分類は、形態学的提示によるものである。1800年代半ばに始まって、いくつかの真菌は多形性生活環を有し、異なる命名指定が同一の真菌の異なる形態に使用されていることが認識された。1981年に、Sydney Congress of the International Mycological Associationは、anamorph、teleomorph、又はholomorphとして、それらの状態に従って真菌を命名するための規則を制定した(Taylor,J.W.One Fungus=One Name:DNA and fungal nomenclature twenty years after PCR.IMA Fungus2,113-120(2011).)。ゲノム配列決定の開発に伴い、分子系統学に基づく分類学的分類は、形態学に基づく命名法に整合しないことが明白になった(Shenoy,B.D.,Jeewon,R.and Hyde,K.D.(2007).Impact of DNA sequence-data on the taxonomy of anamorphic fungi.Fungal Diversity26:1-54.)。結果として、2011年に、International Botanical Congressは、「1つの真菌」=「1つの名称」を指定するという結果を記述した、International Code of Nomenclature for Algae,Fungi,and Plants(Melbourne Code)(2012)を承認する決議を採択した(Hawksworth,D.L.Managing and coping with names of pleomorphic fungi in a period of transition.IMA Fungus3,15-24(2012))。
【0141】
「内部転写スペーサー」(ITS)という用語は、染色体中の小サブユニットリボソームRNA(rRNA)遺伝子と大サブユニット(LSU)rRNA遺伝子との間に位置するスペーサーDNA(非コードDNA)、又はポリシストロニックrRNA前駆体転写物中の対応する転写領域を指す。ITS遺伝子配列決定は、真菌の系統発生及び分類法を研究するための確立された方法である。場合によっては、「大サブユニット」(「LSU」)配列が、真菌を識別するために使用される。LSU遺伝子配列決定は、真菌の系統発生及び分類法を研究するための確立された方法である。本発明のいくつかの真菌微生物は、ITS配列によって記述され得、いくつかは、LSU配列によって記述され得る。両方とも、分類法を決定するために等しく記述的かつ正確であると理解される。
【0142】
「微生物共同体(microbial consortia又はmicrobial consortium)という用語は、共通の機能を実行するものとして記述され得るか、又は認識可能なパラメータ若しくは植物の表現型形質に関与する、又はそれにつながる、若しくはそれと相関するものとして記述され得る、個々の微生物種又は種の株の微生物群衆を指す。群衆は、微生物の1つ以上の種又は種の株を含み得る。いくつかの事例では、微生物は、共生的に群衆内で共存する。
【0143】
「微生物群集」という用語は、2つ以上の種又は株を含む微生物の群を意味する。微生物共同体とは異なり、微生物群衆は、共通機能を実行する必要はないか、又は認識可能なパラメータ若しくは植物の表現型形質に関与する、又はそれにつながる、若しくはそれと相関する必要はない。
【0144】
「加速微生物選択」又は「AMS」という用語は、「指向性微生物選択」又は「DMS」という用語と同義的に使用され、本開示のいくつかの実施形態では、主張された微生物種又は当該種の共同体を誘導するために利用された、反復選択方法論を指す。
【0145】
本明細書で使用される場合、「単離する」、「単離された」、「単離された微生物」、及び同様の用語は、1つ以上の微生物が、特定の環境(例えば、土壌、水、植物組織)内でそれが関連する材料のうちの少なくとも1つから分離されていることを意味することを意図している。
【0146】
したがって、「単離された微生物」は、その自然発生環境には存在しない。むしろ、本明細書に記載される様々な技法を通して、微生物がその自然環境から除去され、非自然発生存在状態に置かれている。したがって、単離された株は、例えば、生物学的に純粋な培養物として、又は農業用担体と関連する胞子(若しくは株の他の形態)として存在し得る。
【0147】
本開示の特定の態様では、単離された微生物は、単離された生物学的に純粋な培養物として存在する。特定の微生物の単離された生物学的に純粋な培養物は、当該培養物が(理にかなった科学的範囲内で)他の生命体を実質的に含まず、問題になっている個々の微生物のみを含有することを示すことが、当業者によって理解されるであろう。培養物は、様々な濃度の当該微生物を含有することができる。本開示は、単離された生物学的に純粋な微生物が、しばしば「低純度又は不純物質とは必然的に異なる」ことを記述する。例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる、In re Bergstrom,427F.2d1394,(CCPA1970)(精製プロスタグランジンについて論じている)、また、In re Bergy,596F.2d952(CCPA1979)(精製微生物について論じている)、また、Parke-Davis&Co.v.H.K.Mulford&Co.,189F.95(S.D.N.Y.1911)(Learned Handが精製アドレナリンについて論じている),aff’d in part,rev’d in part,196F.496(2d Cir.1912)を参照されたい。更に、いくつかの態様では、本開示は、単離された生物学的に純粋な微生物培養物内で見出されなければならない、濃度又は純度制限の特定の定量的尺度を提供する。これらの純度値の存在は、特定の実施形態では、本開示の微生物を自然な状態で存在するそれらの微生物と区別する、更なる属性である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Merck&Co.v.Olin Mathieson Chemical Corp.,253F.2d156(4th Cir.1958)(微生物によって産生されるビタミンB12に対する純度制限について論じている)を参照されたい。
【0148】
本明細書で使用される場合、「個々の分離株」は、1つ以上の他の微生物からの分離後に、微生物の単一の属、種、又は株の優勢を含む、組成物又は培養物を意味すると解釈されるべきである。本語句は、微生物が単離又は精製されている程度を示すと解釈されるべきではない。しかしながら、「個々の分離株」は、微生物の実質的に1つだけの属、種、又は株を含むことができる。
【0149】
本明細書で使用される場合、用語「成長培地」は、植物の成長を支援するために好適である任意の培地である。一例として、培地は、土壌、園芸用混合物、樹皮、バーミキュライト、水耕溶液単独及び固体植物支持システムに適用される水耕溶液、並びに組織培養ゲルを含むがこれらに限定されない、天然又は人工のものであり得る。培地は、単独で、又は1つ以上の他の媒体と組み合わせて使用され得ることが理解されるべきである。これはまた、外因性栄養素並びに根及び葉のための物理的支持システムの追加の有無別に使用され得る。
【0150】
一実施形態では、成長培地は、土壌、砂、泥、粘土、腐植、表土、岩石、又は水などの自然発生培地である。別の実施形態では、成長培地は、人工である。そのような人工成長培地は、自然発生培地の条件を模倣するように構築され得る。しかしながら、これは必要ではない。人工成長培地は、砂、鉱物、ガラス、岩石、水、金属、塩、栄養素、水を含む、任意の数及び組み合わせの材料のうちの1つ以上から作製されることができる。一実施形態では、成長培地は、無菌である。別の実施形態では、成長培地は、無菌ではない。
【0151】
培地は、追加の化合物又は成分、例えば、植物及び相互との具体的な微生物群の相互作用及び/又は選択を支援し得る成分で、改良又は強化され得る。例えば、抗生物質(ペニシリンなど)又は滅菌剤(例えば、四級アンモニウム塩及び酸化剤)が存在し得、及び/又は物理的条件(塩分、植物栄養素(例えば、有機及び無機鉱物(リン、窒素塩、アンモニア、カリウム、並びにコバルト及びマグネシウムなどの微量栄養素など)、pH、並びに/若しくは温度)が改良され得る。
【0152】
「植物」という用語は、概して、植物全体、植物器官、植物組織、種子、植物細胞、種子、及びその子孫を含む。植物細胞としては、限定されるものではないが、種子、懸濁培養物、胚、分裂組織領域、カルス組織、葉、根、新芽、配偶体、胞子体、花粉、及び小胞子由来の細胞が挙げられる。「植物要素」は、分化及び/又は未分化組織、例えば、限定されるものではないが、植物組織、部位、及び細胞型を含み得る、植物全体又は植物成分のいずれかを参照することを意図している。一実施形態では、植物要素は、以下:植物全体、苗、分裂組織、基本組織、維管束組織、皮膚組織、種子、葉、根、新芽、茎、花、果実、走根、球根、塊茎、球茎、ケイキ、新芽、芽、腫瘍組織、並びに様々な形態の細胞及び培養物(例えば、単一細胞、プロトプラスト、胚、カルス組織)のうちの1つである。「植物器官」という用語は、植物の形態学的及び機能的に明確に異なる部分を構成する植物組織又は組織群を指す。本明細書で使用される場合、「植物部位」は、植物の「一部」と同義であり、植物の任意の部位を指し、明確に異なる組織及び/又は器官を含むことができ、全体を通して「組織」という用語と同義的に使用され得る。
【0153】
「子孫」は、有性又は無性繁殖を介して産出される、生物の任意の後続の世代を含む。
【0154】
本明細書で使用される場合、「植物要素」という用語は、植物細胞、植物プロトプラスト、植物が再生され得る植物細胞組織培養物、植物カルス、植物集塊、並びに胚、花粉、胚珠、種子、葉、花、枝、果実、穀粒、穂、穂軸、外皮、茎、根、根端、葯、及び同等物などの植物又は植物の部位において無傷である植物細胞、並びに植物自体を指す。穀物は、種の成長又は繁殖以外の目的のために、商業的栽培者によって生産される成熟種子を意味することを意図している。再生植物の子孫、バリアント、及び変異体も、本発明の範囲内に含まれるが、但し、これらの部位が導入されたポリヌクレオチドを含むことを条件とする。
【0155】
同様に、「植物繁殖要素」は、一般的に、植物の有性又は無性繁殖のいずれかを介して他の植物を開始することができるその植物の任意の部位、例えば、限定されるものではないが、種子、苗、根、新芽、挿し木、接ぎ穂、移植片、走根、球根、塊茎、球茎、ケイキ、又は芽を参照することを意図している。植物要素は、植物中、又は植物器官、組織培養物、若しくは細胞培養物中にあり得る。
【0156】
用語「単子葉植物の」又は「単子葉植物」は、その種子が典型的には1つだけの胚葉又は子葉を含む、「単子葉類」としても知られている被子植物のサブクラスを指す。本用語は、植物全体、植物要素、植物器官(例えば、葉、茎、根など)、種子、植物細胞、及びその子孫への言及を含む。
【0157】
「双子葉植物の」又は「双子葉植物」という用語は、その種子が典型的には2つの胚葉又は子葉を含む、「双子葉類」としても知られている被子植物のサブクラスを指す。本用語は、植物全体、植物要素、植物器官(例えば、葉、茎、根など)、種子、植物細胞、及びその子孫への言及を含む。
【0158】
本明細書で使用される場合、「栽培品種」という用語は、園芸又は農学的技法によって生産されており、通常は野生の集団で見られない、植物の種類、株、又は品種を指す。
【0159】
本明細書で使用される場合、「改善」は、対照植物と比較して、又は問題となっている特性に関連する既知の平均数量と比較して、植物の特性の改善を包含すると広義に解釈されるべきである。例えば、本開示の有益な微生物又は共同体の適用に関連する植物バイオマスの「改善」は、本明細書に教示される微生物によって処理された植物のバイオマスを、処理されていない対照植物のバイオマスと比較することによって、実証され得る。代替的に、当業者に公知の科学又は農業刊行物に表されるように、本明細書に教示される微生物によって処理された植物のバイオマスを、所与の植物によって通常達成される平均バイオマスと比較し得る。本開示では、「改善」は、データが統計的に有意であること(例えば、p<0.05)を必ずしも要求するわけではない。むしろ、ある値(例えば、平均処理値)が別の値(例えば、平均対照値)とは異なることを実証する任意の定量化可能な差は、「改善」のレベルまで上昇し得る。
【0160】
本明細書で使用される場合、「阻害及び抑制すること」並びに同様の用語は、完全な阻害又は抑制を必要とすると解釈されるべきではないが、これは、いくつかの実施形態では所望され得る。
【0161】
本明細書で使用される場合、「遺伝子型」という用語は、個々の細胞、細胞培養物、組織、生物(例えば、植物)、又は生物群の遺伝子構造を指す。
【0162】
本明細書の組成物及び方法は、改善された「農学的形質」又は「農学的に重要な特性」若しくは「農学的関心の形質」を植物に提供し得、これには、限定されるものではないが、以下が含まれ得る:本明細書の方法又は組成物に由来する修正を含まない同質遺伝子系統植物と比較して、耐病性、耐干ばつ性、耐熱性、耐寒性、耐塩性、金属耐性、除草剤耐性、水使用効率の改善、窒素利用の改善、窒素固定の改善、病虫害耐性、草食動物耐性、病原体耐性、生産高の改善、健康増進、活力の改善、成長の改善、光合成能力の改善、栄養増進、タンパク質含有量の改変、油含有量の改変、バイオマスの増加、新芽の長さの増加、根の長さの増加、根の構造の改善、代謝産物の調節、プロテオームの調節、種子重量の増加、種子炭水化物組成の改変、種子油組成の改変、種子タンパク質組成の改変、種子栄養素組成の改変
【0163】
「農学的形質潜在性」は、その生活環中のある時点で、表現型、好ましくは、改善された農学的形質を示すか、又は当該表現型を同じ植物でそれが関連する別の植物要素に伝達するための植物要素の能力を意味することを意図している。
【0164】
本明細書で使用される場合、「分子マーカー」、「マーカー」、又は「遺伝子マーカー」という用語は、核酸配列の特性の差を可視化するための方法で使用される指標を指す。そのような指標の例としては、制限断片長多型(RFLP)マーカー、増幅断片長多型(AFLP)マーカー、単一ヌクレオチド多型(SNP)、挿入変異、マイクロサテライトマーカー(SSR)、配列特性化増幅領域(SCAR)、切断増幅多型配列(CAPS)マーカー、若しくはアイソザイムマーカー、又は具体的な遺伝子及び染色体位置を定義する、本明細書に記載されるマーカーの組み合わせが挙げられる。対立遺伝子の近傍の分子マーカーのマッピングは、分子生物学的手法に熟達している平均的な人によって実施され得る手順である。
【0165】
本明細書で使用される場合、「形質」という用語は、特性又は表現型を指す。例えば、本開示のいくつかの実施形態との関連で、作物の生産高は、植物(例えば、果実、繊維、穀物)によって生産される市場性のあるバイオマスの量に関する。望ましい形質はまた、水使用効率、栄養素使用効率、生産、機械的収穫可能性、果実成熟、保存可能期間、耐害虫/病性、早期植物成熟、ストレス耐性などを含むが、これらに限定されない、他の植物特性を含み得る。形質は、優性若しくは劣性様式で、又は部分的若しくは不完全な様式で遺伝し得る。形質は、単一遺伝子(すなわち、単一の遺伝子座によって決定される)又は多遺伝子(すなわち、1つを超える遺伝子座によって決定される)であり得るか、又は環境との1つ以上の遺伝子の相互作用から生じ得る。
【0166】
本明細書で使用される場合、「表現型」という用語は、個体の遺伝子構成(すなわち、遺伝子型)と環境との間の相互作用から生じる、個々の細胞、細胞培養物、生物(例えば、植物)、又は生物群の観察可能な特性を指す。
【0167】
本明細書で使用される場合、「合成ヌクレオチド配列」又は「合成ポリヌクレオチド配列」は、自然界で生じることが知られていないか、又は自然に存在しないヌクレオチド配列である。概して、そのような合成ヌクレオチド配列は、任意の他の自然発生ヌクレオチド配列と比較すると、少なくとも1つのヌクレオチド差を含むであろう。
【0168】
本明細書で使用される場合、「核酸」という用語は、リボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチドのいずれか、又はそれらの類似体である、任意の長さのヌクレオチドの多量体型を指す。この用語は、分子の一次構造を指し、したがって、二本鎖及び一本鎖DNA、並びに二本鎖及び一本鎖RNAを含む。これはまた、メチル化及び/又はキャップされた核酸、修飾塩基を含む核酸、骨格修飾、及び同等物などの修飾核酸も含む。「核酸」及び「ヌクレオチド配列」という用語は、同義的に使用される。
【0169】
本明細書で使用される場合、「遺伝子」という用語は、生物学的機能と関連するDNAの任意のセグメントを指す。したがって、遺伝子は、コード配列及び/又はそれらの発現のために必要とされる調節配列を含むが、これらに限定されない。遺伝子はまた、例えば、他のタンパク質のための認識配列を形成する、非発現DNAセグメントを含むことができる。遺伝子は、目的の供給源からのクローニング、又は既知若しくは予測配列情報からの合成を含む、様々な供給源から取得することができ、所望のパラメータを有するように設計された配列を含み得る。
【0170】
本明細書で使用される場合、「相同」若しくは「相同体」、「ホモログ」、又は「オルソログ」という用語は、当技術分野で公知であり、共通の祖先又は家族メンバーを共有し、配列同一性の程度に基づいて決定される関連配列を指す。「相同性」、「相同」、「実質的に類似する」、「実質的に対応する」という用語は、本明細書では同義的に使用される。それらは、1つ以上のヌクレオチド塩基の変化が、遺伝子発現を媒介するか、又は特定の表現型を産生する核酸断片の能力に影響を及ぼさない、核酸断片を指す。これらの用語はまた、初期未修飾断片に対して結果として生じる核酸断片の機能的性質を実質的に改変しない、1つ以上のヌクレオチドの欠失又は挿入などの本開示の核酸断片の修飾を指す。したがって、当業者が理解するように、本開示は具体的な例示的配列よりも多くを包含すると理解される。これらの用語は、1つの種、亜種、種類、栽培品種、又は株で見出される遺伝子と、別の種、亜種、種類、栽培品種、又は株内の対応する又は同等の遺伝子との間の関係を説明する。本開示の目的のために、相同配列が比較される。「相同配列」又は「相同体」若しくは「オルソログ」は、機能的に関連すると考えられているか、みられているか、又は知られている。機能的関係は、(a)配列同一性の程度、及び/又は(b)同一若しくは類似の生物学的機能を含むがこれらに限定されない、いくつかの方法のうちのいずれか1つで示され得る。好ましくは、(a)及び(b)の両方が示される。相同性は、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel et al.,eds.,1987)Supplement30,section7.718,Table7.71で論じられているものなどの当技術分野で容易に利用可能なソフトウェアプログラムを使用して、決定され得る。いくつかのアラインメントプログラムは、MacVector(Oxford Molecular Ltd,Oxford,U.K.)、ALIGN Plus(Scientific and Educational Software,Pennsylvania)、及びAlignX(Vector NTI,Invitrogen,Carlsbad,CA)である。別のアラインメントプログラムは、デフォルトのパラメータを使用するSequencher(Gene Codes、Ann Arbor、Michigan)である。
【0171】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド変化」という用語は、当該技術分野でよく理解されているように、例えば、ヌクレオチド置換、欠失、挿入、化学改変、又は戦術のうちのいずれかを指す。
【0172】
本明細書で使用される場合、「タンパク質修飾」という用語は、例えば、当該技術分野でよく理解されているように、アミノ酸置換、アミノ酸修飾、欠失、及び/又は挿入を指す。
【0173】
本明細書で使用される場合、核酸又はポリペプチドの「少なくとも一部分」又は「断片」という用語は、そのような配列の最小サイズ特性、又は全長分子までを含む全長分子の任意のより大きな断片を意味する。本開示のポリヌクレオチドの断片は、遺伝子調節因子の生物学的に活性な部分をコードし得る。遺伝子調節要素の生物学的に活性な部分は、本明細書に記載されるように、遺伝子調節要素を含む本開示のポリヌクレオチドのうちの1つの一部を単離し、活性を評価することによって調製され得る。同様に、ポリペプチドの一部は、全長ポリペプチドまでに及ぶ、4つのアミノ酸、5つのアミノ酸、6つのアミノ酸、7つのアミノ酸などであり得る。使用される部分の長さは、特定の用途に依存するであろう。ハイブリダイゼーションプローブとして有用な核酸の一部は、12個のヌクレオチドと同等の短さであり得る。いくつかの実施形態では、これは、20個のヌクレオチドである。エピトープとして有用なポリペプチドの一部は、4つのアミノ酸と同等の短さであり得る。全長ポリペプチドの機能を果たすポリペプチドの一部は、概して、4つのアミノ酸より長いであろう。
【0174】
本明細書で使用される場合の「プライマー」という用語は、増幅標的にアニールし、DNAポリメラーゼが付着することを可能にし、それによって、プライマー伸長産物の合成が誘導される条件下、すなわち、ヌクレオチド及びDNAポリメラーゼなどの重合剤のための作用物質の存在下に、かつ適切な温度及びpHに置かれると、DNA合成の開始点としての役割を果たすことが可能である、オリゴヌクレオチドを指す。(増幅)プライマーは、好ましくは、増幅における最大効率のために一本鎖である。好ましくは、プライマーは、オリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、重合のための作用物質の存在下で伸長産物の合成をプライミングするために十分長くなければならない。プライマーの正確な長さは、プライマーの温度及び組成(A/T対G/C含有量)を含む、多くの要因に依存するであろう。一対の双方向性プライマーは、PCR増幅などのDNA増幅の技術分野で一般的に使用されている1つのフォワードプライマー及び1つのリバースプライマーからなる。
【0175】
「厳密性」又は「厳密なハイブリダイゼーション条件」という用語は、ハイブリッドの安定性、例えば、温度、塩濃度、pH、ホルムアミド濃度、及び同等物に影響を及ぼすハイブリダイゼーション条件を指す。これらの条件は、特異的結合を最大限化し、プライマー又はプローブのその標的核酸配列への非特異的結合を最小限化するように経験的に最適化される。使用される用語は、プローブ又はプライマーが、他の配列よりも検出可能に大きい程度まで(例えば、バックグラウンドと比べて少なくとも2倍)、その標的配列にハイブリダイズする条件への言及を含む。厳密な条件は、配列依存性であり、異なる状況では異なるであろう。より長い配列は、より高温で特異的にハイブリダイズする。概して、厳密な条件は、定義されたイオン強度及びpHにおける具体的な配列の熱融点(Tm)よりも約5℃低くなるように選択される。Tmは、相補的標的配列の50%が完全に一致するプローブ又はプライマーにハイブリダイズする(定義されたイオン強度及びpH下での)温度である。典型的には、厳密な条件は、塩濃度が、約1.0M未満のNa+イオン、典型的には、pH7.0~8.3で約0.01~1.0MのNa+イオン濃度(又は他の塩)であり、温度が、短いプローブ又はプライマー(例えば、10~50個のヌクレオチド)については少なくとも約30℃、長いプローブ又はプライマー(例えば、50個超のヌクレオチド)については少なくとも約60℃である、条件であろう。厳密な条件はまた、ホルムアミドなどの不安定化剤の添加によっても達成され得る。例示的な低厳密性条件又は「低減した厳密性の条件」は、37℃における30%ホルムアミド、1M NaCl、1%SDSの緩衝液を用いたハイブリダイゼーション、及び40℃における2×SSC中の洗浄を含む。例示的な高厳密性条件には、37℃における50%ホルムアミド、1M NaCl、1%SDS中のハイブリダイゼーション、及び60℃における0.1×SSC中の洗浄が含まれる。ハイブリダイゼーション手順は、当該技術分野で周知であり、例えば、Ausubel et al.,1998及びSambrook et al.,2001によって記載されている。いくつかの実施形態では、厳密な条件は、45℃における1mMのNa2EDTA、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、又は20%などの0.5~20%ドデシル硫酸ナトリウムを含有する0.25MのNa2HPO4緩衝液(pH7.2)中のハイブリダイゼーション、続いて、55℃~65℃における0.1%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウムを含有する5×SSC中の洗浄である。
【0176】
いくつかの実施形態では、細胞又は生物は、少なくとも1つの異種形質を有する。本明細書で使用される場合、「異種形質」という用語は、外因性分子又は他の生物(例えば、微生物)、DNAセグメント、異種ポリヌクレオチド又は異種核酸によって細胞又は生物に付与される表現型を指す。
【0177】
植物中の脂肪酸組成を修飾すること、植物のアミノ酸含有量を改変すること、植物の病原体防御機構を改変すること、植物の経済的に重要な形質の生産高(例えば、穀物生産高、飼料生産高など)を増加させること、及び同等物を含むが、これらに限定されない、表現型の様々な変化が、本開示の関心である。これらの結果は、本開示の方法及び組成物を使用して、異種産物の発現又は植物における内因性産物の発現の増加を提供することによって達成され得る。
【0178】
「合成組み合わせ」という用語は、植物及び本開示の微生物との組み合わせを含むことができる。組み合わせは、例えば、農作植物などの植物の種子又は宿主植物組織(根、茎、葉など)の表面を本開示の微生物でコーティングすることによって達成され得る。更に、「合成組み合わせ」は、様々な株又は種の微生物の組み合わせを含むことができる。合成組み合わせは、組み合わせを自然界で生じる任意の組み合わせと区別する、少なくとも1つの変数を有する。その変数は、とりわけ、自然には生じない種子若しくは植物組織上の微生物の濃度、又は自然には生じない微生物及び植物の組み合せ、又はともに自然には生じない微生物若しくは株の組み合せであり得る。これらの事例の各々では、合成組み合わせは、人の手を実証し、組み合わせの個々の要素が単独で考慮されるときに存在しない構造的及び/又は機能的属性を保有する。
【0179】
いくつかの実施形態では、微生物は、種子又は植物に対して「内因性」であり得る。本明細書で使用される場合、微生物が、それが調達される植物標本に由来する場合、微生物は、植物又は種子に対して「内因性」とみなされる。すなわち、微生物が、当該植物と関連して自然に見出される場合である。内因性微生物が植物に適用される実施形態では、内因性微生物は、自然界で植物上で見出されるレベルとは異なる量で適用される。したがって、所与の植物に対して内因性である微生物は、微生物が自然には生じないレベルで当該植物上に存在する場合、依然として植物との合成組み合わせを形成することができる。
【0180】
いくつかの実施形態では、組成物(微生物など)は、別の組成物(種子又は植物など)に対して「異種」(「外因性」とも称される)であり得、いくつかの態様では、本明細書では「異種組成物」と称される。本明細書で使用される場合、微生物が、それが調達される植物標本から誘導されない場合、微生物は、植物又は種子に対して「異種」とみなされる。すなわち、微生物が、当該植物と関連して自然に見出されない場合である。例えば、通常、トウモロコシ植物の葉組織と関連する微生物は、当該微生物を自然に欠く別のトウモロコシ植物の葉組織に対して外因性とみなされる。別の実施例では、通常、トウモロコシ植物と関連する微生物は、当該微生物を自然に欠く小麦植物に対して外因性とみなされる。
【0181】
組成物は、処理の適用の前に自然界では見出されない様式で、例えば、その植物の種類では、植物発育のその段階では、その存在量では、又はその成長環境(例えば、干ばつ)では自然界で見出されない当該組み合わせで、処理が植物要素、苗、植物、植物成長培地、又は製剤の上又は中に存在するように、機械的に、若しくは手動で適用された、人工的に接種された、植物要素、苗、若しくは植物と関連付けられた、又はその中若しくは上に、又は植物成長培地の上若しくは中に、又は処理製剤の上若しくは中に配置されたときに、「異種配置される」。いくつかの実施形態では、そのような様式は、微生物の存在、異なる数の細胞、濃度、又は量における微生物の存在、異なる植物要素、組織、細胞型、又は植物内若しくは上の他の物理的位置における微生物の存在、異なる期間、例えば、植物又は植物要素の発育相、時刻、季節における微生物の存在、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることが企図される。いくつかの実施形態では、「異種配置される」とは、微生物が、微生物が自然に見出されるものとは異なる植物要素の組織又は細胞型に適用されることを意味する。いくつかの実施形態では、「異種配置される」とは、微生物が、当該微生物が自然には関連していないが、他の段階で関連し得る、植物要素、苗、又は植物の発育段階に適用されることを意味する。例えば、微生物が、通常、植物の開花段階で見出され、他の段階では見出されない場合、苗段階で適用された微生物は、異種配置されるとみなされ得る。いくつかの実施形態では、微生物は、異種配置され、微生物は、通常、植物要素の葉組織ではなく根組織で見出され、微生物は、葉に適用される。別の非限定的実施例では、微生物が、葉組織の葉肉層で自然に見出されるが、上皮層に適用されている場合、微生物は、異種配置されるとみなされるであろう。いくつかの実施形態では、「異種配置される」とは、天然の植物要素、苗、又は植物が、その同じ植物要素、苗、又は植物に検出可能なレベルの微生物を含まないことを意味する。いくつかの実施形態では、「異種配置される」とは、適用されている微生物が、植物要素、苗、又は植物で自然に見出される濃度、数、又は量を超える、当該植物要素、苗、又は植物の濃度、数、量であることを意味する。例えば、微生物は、当該微生物の配置前に存在していた濃度よりも少なくとも1.5倍高い、1.5~2倍高い、2倍高い、2~3倍高い、3倍高い、3~5倍高い、5倍高い、5~7倍高い、7倍高い、7~10倍高い、10倍高い濃度、又は10倍多くの数、量、若しくは濃度でさえも存在するときに異種配置される。別の非限定的実施例では、ヒノキ科の木の組織で自然に見出される微生物は、トウモロコシ、小麦、綿、大豆植物の組織に対して異種とみなされるであろう。別の実施例では、トウモロコシ、春小麦、綿、大豆植物の葉組織で自然に見出される微生物は、当該微生物を自然に欠くか、又は異なる数量で微生物を含む、別のトウモロコシ、春小麦、綿、大豆植物の葉組織に対して異種とみなされる。
【0182】
微生物はまた、所与の植物組織上に「異種配置」され得る。これは、微生物が、それが自然では見出されない植物組織上に置かれることを意味する。例えば、所与の微生物が、所与の植物の根の上で自然にのみ生じる場合、その微生物は、植物の地上組織に外因的に適用され得、それによって、当該植物組織上に「異種配置される」であろう。したがって、微生物は、自然に存在する微生物を有していないか、又は適用されている数に存在する微生物を自然に有していないときに、異種配置されるとみなされる。
【0183】
本明細書の組成物及び方法は、宿主植物に「調節された」「農学的形質」又は「農学的に重要な形質」を提供し得、これには、限定されるものではないが、以下:当該種子処理製剤を伴わない同質遺伝子系統植物と比較した、油含有量の改変、タンパク質含有量の改変、種子炭水化物組成の改変、種子油組成の改変、及び種子タンパク質組成の改変、薬剤耐性、耐寒性、老化の遅延、耐病性、耐干ばつ性、穂重、成長の改善、健康増進、耐熱性、除草剤耐性、草食動物耐性、窒素固定の改善、窒素利用の改善、根の構造の改善、水使用効率の改善、バイオマスの増加、根の長さの増加、種子重量の増加、新芽の長さの増加、生産高の増加、水が制限された条件下での生産高の増加、穀粒質量、穀粒含水量、金属耐性、穂の数、穂当たりの穀粒の数、さやの数、栄養増進、病原体耐性、病虫害耐性、光合成能力の改善、耐塩性、緑化、活力の改善、成熟種子の乾燥重量の増加、成熟種子の新鮮重量の増加、植物当たりの成熟種子の数の増加、クロロフィル含有量の増加、植物当たりのさやの数の増加、植物当たりのさやの長さの増加、植物当たりのしおれた葉の数の低減、植物当たりのひどくしおれた葉の数の低減、及び植物当たりのしおれていない葉の数の増加、代謝産物のレベルの検出可能な調節、転写物のレベルの検出可能な調節、並びにプロテオームの検出可能な調節が含まれ得る。「調節された」という用語によって、微生物、滲出液、ブロス、代謝産物などの存在によって変化する、農学的形質の変化を指すことが意図される。態様では、調節は、有益な形質の付与を提供する。
【0184】
微生物(Microbe及びMicroorganism)
本明細書で使用される場合、「微生物」という用語は、広義に解釈されるべきである。これには、原核細菌及び古細菌、並びに真核菌及び原生生物が含まれるが、これらに限定されない。
【0185】
一例として、微生物には、Proteobacteria(Pseudomonas、Enterobacter、Stenotrophomonas、Burkholderia、Rhizobium、Herbaspirillum、Pantoea、Serratia、Rahnella、Azospirillum、Azorhizobium、Azotobacter、Duganella、Delftia、Bradyrhizobiun、Sinorhizobium、Variovorax、及びHalomonasなど)、Firmicutes(Bacillus、Paenibacillus、Lactobacillus、Mycoplasma、及びAcetobacteriumなど)、Actinobacteria(Brevibacterium、Janibacter、Streptomyces、Rhodococcus、Microbacterium、Curtobacterium、Cellulomonas、及びNocardioidesなど)、並びに真菌Ascomycota(Trichoderma、Ampelomyces、Coniothyrium、Paecoelomyces、Penicillium、Cladosporium、Hypocrea、Beauveria、Metarhizium、Verticullium、Cordyceps、Pichea、及びCandidaなど)、Basidiomycota(Coprinus、Corticium、及びAgaricusなど)、及びOomycota(Pythium)、並びにMucoromycota(Mucor及びMortierellaなど)、並びにOrbilia/Arthrobotrys、Lysinibacillus、Microbacterium、Talaromyces、Arthrobacter、Kosakonia、Masillia、Novosphingobium、及びTumebacillusが含まれ得る。
【0186】
特定の実施形態では、微生物は、内生菌、又は着生菌、又は植物の根圏若しくは根鞘に生息する微生物である。すなわち、微生物は、植物の根に接着した土壌物質中、又は植物の根に直接隣接する領域中に存在して見出され得る。
【0187】
一実施形態では、微生物は、内生菌である。内生菌は、病原性生物が宿主植物にコロニー形成することを防止することによって、宿主植物に利益をもたらし得る。内生菌による植物組織の広範なコロニー形成は、局所内生菌が病原性生物を打ち負かし、病原性生物が根付くことを防止する、「障壁効果」を生じる。内生菌はまた、病原性生物を含む競合物の成長を阻害する化学物質も産生し得る。
【0188】
特定の実施形態では、微生物は、培養不可能である。これは、微生物が培養可能であることが知られていないか、又は当業者に公知の方法を使用して培養することが困難であることを意味すると解釈されるべきである。
【0189】
本開示の微生物は、任意の供給源から収集若しくは取得されるか、又は任意の供給源から収集された材料内に含有され、及び/又はそれと関連付けられ得る。
【0190】
一実施形態では、微生物は、その土壌、植物、真菌、動物(無脊椎動物を含む)、並びに湖及び川の堆積物、水、及び生物相を含む他の生物相を含む、他の生物相を含む、任意の一般的な陸上環境から、海洋環境、その生物相及び堆積物(例えば、海水、海洋泥、海洋植物、海洋無脊椎動物(例えば、海綿動物)、海洋脊椎動物(例えば、魚))から、陸上及び海洋地圏(表土及び岩石、例えば、砕かれた地下の岩石、砂及び粘土)、氷圏及びその雪解け水、大気(例えば、濾過された空中の塵、雲及び雨滴)、都市、産業、及び他の人工環境(例えば、コンクリート、道路脇の溝、屋根の表面、道路表面上の蓄積された有機物及び鉱物)から取得される。
【0191】
別の実施形態では、微生物は、適切な微生物の選択に有利である可能性が高い供給源から収集される。一例として、供給源は、他の植物が成長するために望ましいか、又はテロワールと関連すると考えられる、特定の環境であり得る。別の実施例では、供給源は、1つ以上の望ましい形質を有する植物、例えば、特定の環境内又は目的の特定の条件下で自然に成長する植物であり得る。一例として、特定の植物は、高塩分の砂質の土壌若しくは砂内で、又は極端な温度下で、又は水がほとんどない状態で、自然に成長し得るか、又は環境に存在する特定の害虫若しくは疾患に耐性があり得、商業用作物が、特に、例えば、特定の地理的な場所で利用可能な唯一の条件である場合、そのような条件下で成長することが望ましくあり得る。更なる例として、微生物は、そのような環境で栽培された商業用作物から、又はより具体的には、任意の具体的な環境で栽培された作物の中でも目的の形質を最良に示す個々の作物植物、例えば、塩分が制限された土壌で栽培された作物の中でも最も速く成長する植物、又は重篤な虫害若しくは疾患の流行に曝露された作物の中で最も損傷の少ない植物、又は所望される数量の特定の代謝産物、並びに繊維含有量、油含有量、及び同等物を含む他の化合物を有する植物、又は望ましい色、味、若しくは匂いを示す植物から収集され得る。微生物は、目的の植物、又は真菌、並びに他の動物及び植物相、土壌、水、堆積物、及び以前に参照された環境の他の要素を含む、目的の環境で生じる任意の物質から収集され得る。特定の実施形態では、微生物は、異なる環境から分離された個々の分離株である。
【0192】
一実施形態では、本開示の方法における使用の微生物又は微生物の組み合わせは、植物に対するそれらの起こり得る又は予測される利益のある程度の知識に基づいて、個々の微生物種又は株の既存の収集から選択され得る。例えば、微生物は、窒素固定を改善し、土壌有機物からリン酸塩を放出し、無機形態のリン酸塩(例えば、リン鉱石)からリン酸塩を放出し、根の微小球内に「炭素を固定し」、植物の根圏に生存し、それによって、植物が周囲の土壌から栄養素を吸収することを支援し、次いで、これらを植物により容易に提供し、植物の根の上の結節の数を増加させ、それによって、植物当たりの共生窒素固定細菌(例えば、Rhizobium種)の数及び植物によって固定される窒素の量を増加させ、植物が病原性微生物の侵入及び拡散に抵抗することに役立つISR(誘発性全身抵抗性)又はSAR(全身獲得抵抗性)などの植物防御応答を引き起こし、拮抗作用、又は栄養素若しくは空間などの資源の競合的利用によって、植物の成長又は健康に有害な微生物と競合し、植物の1つ以上の部位の色を変化させるか、又は植物の化学的プロファイル、その匂い、味、若しくは1つ以上の他の品質を変化させると予測され得る。
【0193】
一実施形態では、微生物又は微生物の組み合わせは、植物に対するそれらの起こり得る又は予測される利益の知識を提供しない、個々の微生物種又は株の既存の収集から選択され得る。例えば、植物の成長若しくは健康を改善するその能力の知識を全く持たない、植物組織から単離された識別されていない微生物の集合、又は医薬品の開発につながり得る化合物を産生する可能性を探索するために収集された微生物の集合である。
【0194】
一実施形態では、微生物は、それらが自然に存在する原材料(例えば、土壌、岩石、水、空気、塵、植物又は他の生物)から獲得される。微生物は、本開示の方法におけるその意図された使用を考慮して、任意の適切な形態で提供され得る。しかしながら、一例としてのみ、微生物は、水性懸濁液、ゲル、ホモジネート、顆粒、粉末、スラリー、生きた生物、又は乾燥材料として提供され得る。
【0195】
本開示の微生物は、実質的に純粋な培養物又は混合培養物中で単離され得る。それらは、濃縮されるか、希釈されるか、又は原料中で見出される天然濃度で提供され得る。例えば、塩分のある堆積物からの微生物は、淡水中に堆積物を懸濁させ、堆積物を底部に落下させることによって、本開示で使用するために単離され得る。微生物の大部分を含む水は、好適な沈降期間にデカンテーションによって除去され、植物成長培地に直接適用されるか、又は濾過若しくは遠心分離により濃縮されるかのいずれかであり、適切な濃度に希釈され、塩の大部分が除去された植物成長培地に適用され得る。更なる例として、鉱化又は毒性源からの微生物は、同様に処理され、植物成長材料への適用のために微生物を回収し、植物への損傷の可能性を最小限化し得る。
【0196】
別の実施形態では、微生物は、それらが自然に存在する原材料から単離されていない、加工されていない形態で使用される。例えば、微生物は、それらが存在する原材料、例えば、土壌、又は植物の根、種、若しくは葉としての原材料と組み合わせて提供される。この実施形態では、源材料は、1つ以上の微生物種を含み得る。
【0197】
いくつかの実施形態では、微生物の混合集団が、本開示の方法で使用される。
【0198】
微生物が源材料(例えば、それらが自然に存在する材料)から単離される、本開示の実施形態では、当業者に容易に知られるであろういくつかの標準的技法のうちのいずれか1つ又は組み合わせが使用され得る。しかしながら、一例として、これらは、一般的に、通常は固体微生物成長培地の表面上の物理的分離によって、又は液体微生物成長培地への体積希釈単離によって、単一の微生物の固体又は液体培養物が実質的に純粋な形態で取得され得る、プロセスを採用する。これらのプロセスには、材料が、適切な固体ゲル成長培地上に薄い層で核酸される、乾燥材料、液体懸濁液、スラリー、若しくはホモジネートからの単離、又は滅菌媒体に作製され、液体若しくは固体培養培地に接種される材料の連続希釈が含まれ得る。
【0199】
必須ではないが、一実施形態では、微生物を含む材料は、材料を微生物栄養素で強化することによって(例えば、熱曝露に耐性のある微生物(例えば、bacilli)を選択するために試料を低温殺菌することによって、又は低濃度の有機溶媒若しくは滅菌剤(例えば、家庭用漂白剤)に試料を曝露し、胞子形成若しくは耐溶媒性微生物の生存を増進させることによって)、材料中の全ての微生物又は微生物集団の選択部分のいずれかを増殖させるために、単離プロセスの前に前処理され得る。次いで、微生物は、上記のように、強化された材料又は選択的生存のために処理された材料から単離され得る。
【0200】
本開示の一実施形態では、内生又は着生微生物が、植物材料から単離される。当技術分野で公知である任意の数の標準的技法が使用され得、微生物は、例えば、根、茎及び葉、並びに植物繁殖組織を含む、植物中の任意の適切な組織から単離され得る。一例として、植物からの単離のための従来の方法は、典型的には、目的の植物材料(例えば、根又は茎の長さ、葉)の滅菌切除、適切な溶液(例えば、2%次亜塩素酸ナトリウム)を用いた表面滅菌を含み、その後、植物材料は、微生物成長のために栄養培地上に置かれる(例えば、Strobel G and Daisy B(2003)Microbiology and Molecular Biology Reviews67(4):491-502、Zinniel DK et al.(2002)Applied and Environmental Microbiology68(5):2198-2208を参照されたい)。
【0201】
本開示の一実施形態では、微生物は、根組織から単離される。植物材料から微生物を単離するための更なる方法論が、以下に詳述される。
【0202】
一実施形態では、微生物集団は、(方法の前に、又は方法の任意の段階で)選択的圧力に曝露される。例えば、植物成長培地(好ましくは無菌である)への添加前の低温殺菌への微生物の曝露は、所望の形質のために選択された植物が、不利な条件において、商業用保存において、又はコーティングとして種子に適用された場合、不利な環境において、より容易に生存し得る胞子形成微生物と関連付けられる確率を高める可能性が高い。
【0203】
特定の実施形態では、本明細書で前述されたように、微生物は、粗形態で使用され得、植物又は培地から単離される必要はない。例えば、選択された植物に利益があることが識別された微生物を含む植物材料又は成長培地が、取得され、次回の方法のための微生物の粗源として、又は方法の終了時に微生物の粗源として使用され得る。例えば、植物材料全体が、取得され、根覆い又は粉砕されるなど、任意選択的に処理され得る。代替的に、選択された植物の個々の組織又は部位(葉、茎、根、及び種など)が、植物から分離され、根覆い又は粉砕されるなど、任意選択的に処理され得る。特定の実施形態では、1つ以上の微生物の第2のセットと関連する植物の1つ以上の部位が、1つ以上の選択された植物から除去され、方法の任意の連続反復が行われる場合、植物育種方法の任意のステップで使用される1つ以上の植物に移植され得る。
【0204】
例示的な微生物
態様では、本開示は、表1又は表1Aに提示される、識別された微生物種の新規の株を含む、単離された微生物を提供する。
【0205】
他の態様では、本開示は、表1又は表1Aで識別される種及び株の単離された全微生物培養物を提供する。これらの培養物は、様々な濃度で微生物を含み得る。
【0206】
態様では、本開示は、農業で表1又は表1Aから選択される微生物を利用することを提供する。
【0207】
いくつかの実施形態では、本開示は、Bacillus、Paenibacillus、Orbilia、Arthrobotrys、Lysinibacillus、Microbacterium、及び/又はTalaromyces属に属する、単離された微生物種を提供する。
【0208】
いくつかの実施形態では、Bacillus属由来の微生物が、1つ以上の有益な性質を植物種に付与するために農業で利用される。
【0209】
いくつかの実施形態では、Paenibacillus属由来の微生物が、1つ以上の有益な性質を植物種に付与するために農業で利用される。
【0210】
いくつかの実施形態では、Orbilia属由来の微生物が、1つ以上の有益な性質を植物種に付与するために農業で利用される。
【0211】
いくつかの実施形態では、Arthrobotrys属由来の微生物が、1つ以上の有益な性質を植物種に付与するために農業で利用される。
【0212】
いくつかの実施形態では、Lysinibacillus属由来の微生物が、1つ以上の有益な性質を植物種に付与するために農業で利用される。
【0213】
いくつかの実施形態では、Microbacterium属由来の微生物が、1つ以上の有益な性質を植物種に付与するために農業で利用される。
【0214】
いくつかの実施形態では、Talaromyces属由来の微生物が、1つ以上の有益な性質を植物種に付与するために農業で利用される。
【0215】
いくつかの実施形態では、本開示は、Bacillus tequilensis、Bacillus methylotrophicus、Bacillus amyloliquefaciens、Paenibacillus alginolyticus、Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora(それぞれ、teleomorph及びanamorph)、Bacillus pumilus、Lysinibacillus fusiformis、Bacillus megaterium、Paenibacillus taichungensis、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、並びにTalaromyces pinophilusからなる群から選択される微生物種に属する、単離された微生物を提供する。
【0216】
いくつかの実施形態では、本開示は、Bacillus tequilensis、Bacillus methylotrophicus、Bacillus amyloliquefaciens、Paenibacillus alginolyticus、Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora(それぞれ、teleomorph及びanamorph)、Bacillus pumilus、Lysinibacillus fusiformis、Bacillus megaterium、Paenibacillus taichungensis、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、並びにTalaromyces pinophilusからなる群から選択される微生物種に属する、単離された微生物を提供する。これらの前述の種の特定の新規の株は、表1又は表1Aで見出され得る。
【0217】
更に、本開示は、表1又は表1Aで識別される微生物の特性と実質的に類似する特性を有する微生物に関する。
【0218】
本開示で識別される、単離された微生物種、及び当該種の新規の株は、農学的に重要な形質などの有益な性質又は形質を標的植物種に付与することができる。
【0219】
例えば、表1若しくは表1Aに記載される単離された微生物、又は当該微生物の共同体は、植物の健康及び活力を改善することができる。植物の健康及び活力の改善は、例えば、当該微生物適用が植物表現型又は遺伝子型形質に及ぼす影響を測定することによって、定量的に測定され得る。
【0220】
微生物の調達
本開示の微生物は、とりわけ、ニュージーランド及び米国の様々な場所で取得された。
【0221】
微生物の単離及び培養
表1及び表1Aの微生物は、標準的な顕微鏡技法を利用して、微生物の表現型を特性評価することによって識別され、これは、次いで、微生物を分類学的に認識された種と識別するために利用された。
【0222】
本開示の微生物の分離、識別、及び培養は、標準的な微生物学的技法を使用して達成され得る。そのような技法の例は、Gerhardt,P.(ed.)Methods for General and Molecular Microbiology.American Society for Microbiology,Washington,D.C.(1994)、及びLennette,E.H.(ed.)Manual of Clinical Microbiology,Third Edition.American Society for Microbiology,Washington,D.C.(1980)で見出され得、その各々は、参照により組み込まれる。
【0223】
単離は、標本を固体培地(例えば、栄養寒天プレート)上で筋状にして、本明細書の上記に記載される表現型形質(例えば、好気的/嫌気的に胞子を形成することが可能なグラム陽性/陰性、細胞形態、炭素源代謝、酸/塩基産生、酵素分泌、代謝分泌物など)によって特性化される、単一のコロニーを取得し、かつ汚染された培養物で作業する可能性を低減することによって、達成され得る。
【0224】
例えば、本開示の単離された細菌については、生物学的に純粋な分離株は、生物学的試料の反復二次培養を通して取得することができ、各二次培養の後に、固体培地上に筋状にして、個々のコロニーを取得する。凍結乾燥細菌を調製し、解凍し、及び成長させる方法は、一般的に知られており、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Gherna,R.L.and C.A.Reddy.2007.Culture Preservation,p1019-1033.In C.A.Reddy,T.J.Beveridge,J.A.Breznak,G.A.Marzluf,T.M.Schmidt,and L.R.Snyder,eds.American Society for Microbiology,Washington,D.C.,1033pagesを参照されたい。したがって、グリセロールを含有する溶液中で-70℃で長期保存された凍結乾燥液体製剤及び培養物が、本発明の製剤を提供する際に使用するために企図される。
【0225】
本開示の細菌は、好気条件下で液体媒体中で繁殖することができる。本開示の細菌株を成長させるための培地は、炭素源、窒素源、及び無機塩、並びにビタミン、アミノ酸、核酸、及び同等物などの特別に必要とされる物質を含む。細菌株を成長させるために使用され得る好適な炭素源の例としては、限定されるものではないが、デンプン、ペプトン、酵母抽出物、アミノ酸、グルコース、アラビノース、マンノース、グルコサミン、マルトース、及び同等物などの糖、酢酸、フマル酸、アジピン酸、プロピオン酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、ピルビン酸、マロン酸、及び同等物などの有機酸の塩、エタノール及びグリセロール、並びに同等物などのアルコール、大豆油、米ぬか油、オリーブ油、トウモロコシ油、ゴマ油などの油又は脂肪が挙げられる。添加される炭素源の量は、炭素源の種類に応じて変化し、典型的には、1リットルの培地当たり1~100グラムである。好ましくは、グルコース、デンプン、及び/又はペプトンが、0.1~5%(W/V)の濃度で、主要炭素源として培地に含有される。本発明の細菌株を成長させるために使用され得る好適な窒素源の例としては、限定されるものではないが、アミノ酸、酵母抽出物、トリプトン、牛肉抽出物、ペプトン、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アンモニア、又はそれらの組み合わせが挙げられる。窒素源の量は、窒素源のタイプに応じて変化し、典型的には、1リットルの培地当たり0.1~30グラムである。無機塩、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸鉄、硫酸第1鉄、塩化鉄、塩化第1鉄、硫酸第1マンガン、塩化第1マンガン、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸銅、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムを、単独で、又は組み合わせて使用することができる。無機酸の量は、無機塩の種類に応じて変化し、典型的には、1リットルの培地当たり0.001~10グラムである。特別に必要とされる物質の例には、ビタミン、核酸、酵母抽出物、ペプトン、肉抽出物、麦芽抽出物、乾燥酵母、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。栽培は、細菌株の成長を可能にする温度、本質的に、20℃~46℃で達成され得る。いくつかの態様では、温度範囲は、30℃~37℃である。最適な成長のために、いくつかの実施形態では、培地は、pH7.0~7.4に調整され得る。Difco,Detroit,MIから入手可能な栄養ブロス又は栄養寒天などの市販の培地も、細菌株を培養するために使用され得ることが理解されるであろう。栽培時間は、使用される培養培地のタイプ及び主要な炭素源としての糖の濃度に応じて異なり得ることが理解されるであろう。
【0226】
態様では、栽培は、24~96時間持続する。このようにして取得された細菌細胞は、当該技術分野で周知である方法を使用して単離される。例としては、膜濾過及び遠心分離が挙げられるが、これらに限定されない。pHは、水酸化ナトリウム及び同等物を使用して調整され得、培養物は、含水量が4%以下に等しくなるまで、凍結乾燥機を使用して乾燥され得る。微生物共培養物は、本明細書の上記に記載される各株を繁殖させることによって取得され得る。微生物株は、適合培養条件が採用され得るときにともに培養され得ることが理解されるであろう。
【0227】
微生物の識別
微生物は、全ての利用可能な表現型及び遺伝子型データをコンセンサス分類に組み込む、多相分類法に基づいて、種に区別され得る(Vandamme et al.1996.Polyphasic taxonomy,a consensus approach to bacterial systematics.Microbiol Rev1996,60:407-438)。種を定義するための1つの容認された遺伝子型方法は、標準的条件下で、5℃以下のΔTm(相同ハイブリッドと異種ハイブリッドとの間の融解温度の差)とともに、DNA-DNAハイブリダイゼーションを使用して、約70%以上の関連性を共有する株が、同じ種のメンバーとみなされるように、全体的なゲノム関連性に基づく。したがって、前述の70%閾値超を共有する集団は、同じ種のバリアントとみなされ得る。
【0228】
細菌微生物については、分類法を決定し、16S rRNA配列が参照配列からの特定の%未満の配列同一性を共有する場合、配列が取得された2つの生物が異なる種であると言われるという点で、種を区別するために、16S rRNA配列がしばしば使用される。
【0229】
したがって、16S若しくは16S rRNA又はrDNA配列にわたって少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性を共有する場合、微生物は同じ種のものと見なされ得る。いくつかの態様では、微生物は、少なくとも95%の同一性を共有する場合にのみ、同じ種とみなされ得る。
【0230】
更に、種の細菌株が、16S rRNA配列にわたって少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性を共有するものとして定義され得る。
【0231】
比較はまた、参照配列に対して23S rRNA配列を用いて行われ得る。いくつかの態様では、微生物は、少なくとも95%の同一性を共有する場合にのみ、同じ株とみなされ得る。いくつかの実施形態では、「実質的に類似する遺伝的特性」は、少なくとも95%の同一性を共有する微生物を意味する。
【0232】
真菌性微生物については、ITS(内部転写配列)が、分類法の識別にしばしば使用される。リボソームシストロンの領域の中でも、内部転写スペーサー(ITS)領域は、最も広範囲の真菌について成功した識別の最高確率を有し、種間変動と種内変動との間に最も明確に定義されたバーコードギャップがあり、正式な真菌識別配列として提案されている(Schoch et al.,PNAS April17,2012 109(16)6241-6246)。
【0233】
一実施形態では、本開示の微生物株は、配列番号1~21のうちのいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を共有するポリヌクレオチド配列を含むものを含む。
【0234】
一実施形態では、本開示の微生物は、配列番号1~21のうちのいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を共有するポリヌクレオチド配列を含むものを含む。
【0235】
一実施形態では、本開示の微生物共同体は、配列番号1~21のうちのいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を共有するポリヌクレオチド配列を含む、2つ以上の微生物を含む。
【0236】
一実施形態では、本開示の微生物共同体は、2つ以上の微生物株を含み、これらのうちの少なくとも1つは、配列番号1~21のうちのいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を共有するポリヌクレオチド配列を含む。
【0237】
一実施形態では、本開示の微生物共同体は、2つ以上の微生物株を含み、これらのうちの少なくとも1つは、配列番号1~21のうちのいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を共有するポリヌクレオチド配列を含み、微生物のうちの少なくとも1つは、表2から任意選択的に選択される。
【0238】
培養不可能な微生物は、しばしば、表現型決定が存在しない場合に明確な種に割り当てることができず、微生物は、その16S rRNA配列が既知の種との同一性の原則を同意するという条件で、属内の暫定的指定を与えられ得る。
【0239】
1つのアプローチは、配列空間内の密接に関連する種の多数の株の分布を観察し、かつ他のクラスターから十分に分解される株のクラスターを識別することである。このアプローチは、複数のコア(ハウスキーピング)遺伝子の連結配列を使用して、クラスタリングパターンを評価することによって開発されており、多遺伝子座配列分析(MLSA)又は多遺伝子座配列系統分析と呼ばれている。MLSAは、現在の分類学的方法によって非常に密接に関連する種に割り当てられた多数の株の間でクラスタリングパターンを探索し、属内又はより広い分類群内の少数の株間の関係に注目し、かつ具体的な分類学的質問に対処するために、成功裏に使用されてきた。より一般的には、この方法は、細菌種が存在するかどうかを尋ねるため、すなわち、類似株の大集団が十分に分解されたクラスターに必ず該当するか、又は場合によってはクラスターへの明確な分離が観察されない遺伝的連続体が存在するかどうかを観察するために、使用され得る。
【0240】
より正確に属の決定を行うために、形態学的、生化学的、及び生理学的特性などの表現型形質の決定は、参照属原型との比較のために行われる。コロニー形態には、色、形状、色素沈着、スライムの産生などが含まれ得る。細胞の特徴は、形状、サイズ、グラム反応、細胞外物質、内生胞子の存在、鞭毛の存在及び場所、運動性、並びに封入体として説明される。生化学的及び生理学的特徴は、異なる範囲の温度、pH、塩分及び大気条件における生物の成長、異なる単一炭素及び窒素源の存在下での成長を説明する。当業者は、本開示の属を定義する表現型形質に関して合理的に知らされるであろう。例えば、特定の寒天(例えば、YMA)上のコロニーの色、形態、及びテクスチャを使用して、Rhizobiumの種を識別した。
【0241】
一実施形態では、本明細書に教示される細菌微生物は、16S rRNA遺伝子配列を利用して識別された。16S rRNAは、細菌識別のために有用である種/株特異的な特徴的配列を提供し得る、超可変領域を含むことが当技術分野で知られている。本開示では、微生物の多くは、部分的な(500~1200bp)16S rRNA配列特徴を介して識別された。態様では、各株は、寒天プレートから選択された純粋なコロニー分離株を表す。選択は、寒天培地上のコロニーの任意の決定的な形態学的特性に基づいて存在する生物の多様性を表すために行われた。使用された培地は、実施形態では、R2A、PDA、無窒素半固体培地、又はMRS寒天であった。「選ばれた」分離株の各々のコロニー記述が、24時間の成長後に行われ、次いで、データベースに入力された。その後、単離株の各々について配列データを取得した。
【0242】
16S rRNA遺伝子を使用した表現型分析を使用して、共通属に属する「実質的に類似する」種を定義し、また、所与の分類学的種の「実質的に類似する」株も定義した。更に、株上の有利な挙動につながり得る、株間の軽微な差及び有意な差の両方を強調するために利用され得る分離株の生理学的及び/又は生化学的性質を記録した。
【0243】
微生物共同体
態様では、本開示は、表1及び/又は表1Aで識別される微生物の中から選択される少なくともいずれか2つの微生物の組み合わせを含む、微生物共同体を提供する。
【0244】
他の態様では、本開示は、少なくとも2つの微生物の組み合わせを含む微生物共同体を提供し、少なくとも1つの微生物は、表1又は表1Aで識別される微生物の中から選択され、追加の微生物が、任意選択的に、表2で識別される微生物の中から選択され得る。
【0245】
特定の実施形態では、本開示の共同体は、2匹の微生物、又は3匹の微生物、又は4匹の微生物、又は5匹の微生物、又は6匹の微生物、又は7匹の微生物、又は8匹の微生物、又は9匹の微生物、又は10匹の微生物、又は10匹より多くの微生物を含む。共同体の当該微生物は、異なる微生物種、又は微生物種の異なる株である。
【0246】
いくつかの実施形態では、本開示は、Bacillus、Paenibacillus、Orbilia、Arthrobotrys、Lysinibacillus、Microbacterium、又はTalaromycesの属に属する少なくとも1つの単離された微生物種を含む、共同体を提供する。
【0247】
いくつかの実施形態では、本開示は、Bacillus、Paenibacillus、Orbilia、Arthrobotrys、Lysinibacillus、Microbacterium、又はTalaromycesの属に属する少なくとも1つの単離された微生物種を含み、任意選択的に、Arthrobacter、Bacillus、Brevibacterium、Herbaspirillum、Kosakonia、Lysinibacillus、Massilia、Novosphingobium、Paenibacillus、Pseudomonas、Rahnella、又はTumebacillusの属に属する少なくとも1つの単離された微生物種を更に含み得る、共同体を提供する。
【0248】
いくつかの実施形態では、本開示は、Bacillus、Paenibacillus、Orbilia、Arthrobotrys、Lysinibacillus、Microbacterium、又はTalaromycesの属に属する少なくとも1つの単離された微生物種を含み、Arthrobacter、Bacillus、Brevibacterium、Herbaspirillum、Kosakonia、Lysinibacillus、Massilia、Novosphingobium、Paenibacillus、Pseudomonas、Rahnella、及びTumebacillusの属に属する少なくとも1つの単離された微生物種を更に含む、共同体を提供する。
【0249】
いくつかの実施形態では、本開示は、Bacillus tequilensis、Bacillus methylotrophicus、Bacillus amyloliquefaciens、Paenibacillus alginolyticus、Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora(それぞれ、teleomorph及びanamorph)、Bacillus pumilus、Lysinibacillus fusiformis、Bacillus megaterium、Paenibacillus taichungensis、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、並びにTalaromyces pinophilusからなる群から選択される少なくとも1つの単離された微生物種を含む、共同体を提供する。
【0250】
いくつかの実施形態では、本開示は、Bacillus tequilensis、Bacillus methylotrophicus、Bacillus amyloliquefaciens、Paenibacillus alginolyticus、Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora(それぞれ、teleomorph及びanamorph)、Bacillus pumilus、Lysinibacillus fusiformis、Bacillus megaterium、Paenibacillus taichungensis、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、並びにTalaromyces pinophilusからなる群から選択される種の少なくとも1つの単離された微生物株を含み、任意選択的に、Arthrobacter cupressi、Arthrobacter mysorens、Arthrobacter nicotinovorans,Arthrobacter pascens、Bacillus megaterium、Bacillus subtilis、Bacillus thuringiensis、Brevibacterium frigoritolerans、Herbaspirillum chlorophenolicum、Kosakonia radicincitans、Lysinibacillus fusiformis、Massilia kyonggiensis、Massilia niastensis、Novosphingobium sediminicola、Paenibacillus amylolyticus、Paenibacillus glycanilyticus、Paenibacillus polymyxa、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas jinjuensis、Pseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas putida,Rahnella aquatilis、及びTumebacillusからなる群から選択される種の少なくとも1つの単離された微生物株を更に含み得る、共同体を提供する。
【0251】
いくつかの実施形態では、本開示は、Bacillus tequilensis、Bacillus methylotrophicus、Bacillus amyloliquefaciens、Paenibacillus alginolyticus、Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora(それぞれ、teleomorph及びanamorph)、Bacillus pumilus、Lysinibacillus fusiformis、Bacillus megaterium、Paenibacillus taichungensis、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、並びにTalaromyces pinophilusからなる群から選択される種の少なくとも1つの単離された微生物株を含み、Arthrobacter cupressi、Arthrobacter mysorens、Arthrobacter nicotinovorans,Arthrobacter pascens、Bacillus megaterium、Bacillus subtilis、Bacillus thuringiensis、Brevibacterium frigoritolerans、Herbaspirillum chlorophenolicum、Kosakonia radicincitans、Lysinibacillus fusiformis、Massilia kyonggiensis、Massilia niastensis、Novosphingobium sediminicola、Paenibacillus amylolyticus、Paenibacillus glycanilyticus、Paenibacillus polymyxa、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas jinjuensis、Pseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas putida,Rahnella aquatilis、及びTumebacillusからなる群から選択される種の少なくとも1つの単離された微生物株を更に含む、共同体を提供する。
【0252】
いくつかの実施形態では、本開示は、Bacillus pumilusの単離された微生物株と、Bacillus velezensisの単離された微生物株とを含む、共同体を提供する。
【0253】
これらの前述の種の特定の新規の株は、表1、1A、及び2で見出され得る。
【0254】
共同体の微生物成分は、表1、1A、及び2で識別される微生物から選択され得るが、但し、共同体のうちのいずれかの中の少なくとも1つの微生物が、表1又は表1Aから選択される少なくとも1つの微生物を含むことを条件とする。
【0255】
微生物産生組成物
場合によっては、本開示の微生物は、1つ以上の化合物を産生し、及び/又は1つ以上の活性、例えば、以下:代謝産物の産生、オーキシンなどの植物ホルモンの産生、アセトインの産生、抗微生物化合物の産生、シデロフォアの産生、ポリケチドの産生、フェナジンの産生、セルラーゼの産生、ペクチナーゼの産生、キチナーゼの産生、グルカナーゼの産生、キシラナーゼの産生、窒素固定、又はリン鉱石の可溶化のうちの1つ以上を有し得る。
【0256】
例えば、本開示の微生物は、オーキシン、サイトキニン、ジベレリン、エチレン、ブラシノステロイド、及びアブシシン酸からなる群から選択される植物ホルモンを産生し得る。
【0257】
したがって、本開示の微生物「によって産生される代謝産物」は、微生物によって産生される任意の分子(小分子、ビタミン、ミネラル、タンパク質、核酸、脂質、脂肪、炭水化物など)を捕捉することを意図している。しばしば、本開示の微生物が所与の植物種に有益な形質を付与する、正確な作用機序は知られていない。いくつかの事例では、微生物は、植物に有益である代謝産物を産生していると仮定される。したがって、いくつかの態様では、微生物の無細胞又は不活化調製物は、調製物が当該微生物によって産生され、かつ植物に有益である代謝産物を含む限り、微生物が所与の植物種に有益な形質を付与するために生きている必要がないため、植物に有益である。
【0258】
一実施形態では、本開示の微生物は、オーキシン(例えば、インドール-3-酢酸(IAA))を産生し得る。オーキシンの産生をアッセイすることができる。本明細書に記載される微生物の多くは、培養で成長させたときに、植物ホルモンであるオーキシンインドール-3-酢酸(IAA)を産生することが可能であり得る。オーキシンは、根の成長の程度を含む、植物の生理機能を改変することおいて重要な役割を果たす。
【0259】
したがって、一実施形態では、本開示の微生物は、所与の植物種の表面上又は組織内に配置された集団として存在する。微生物は、本開示の微生物又は無細胞若しくは不活性調製物で処理されていない参照植物と比較すると、植物上又は植物内に見出される組成物の量の検出可能な増加を引き起こすために有効な量で、代謝産物などの組成物を産生し得る。当該微生物集団によって産生される組成物は、植物種に有益であり得る。
【0260】
そのような微生物生産組成物は、微生物が成長させられる細胞培養ブロス若しくは培地中に存在し得るか、又は微生物によって産生される滲出液を包含し得る。本明細書で使用される場合、「滲出液」は、1つ以上の微生物細胞によって排出されるか、又はそこから抽出される、1つ以上の組成物を指す。本明細書で使用される場合、「ブロス」は、微生物細胞が培地中に置かれた後の細胞培養培地の集合組成物を指す。ブロスの組成は、微生物の成長及び/又は発育の異なる段階の間に経時的に変化し得る。ブロス及び/又は滲出液は、それらが関連することになる植物の形質を改善し得る。
【0261】
植物における微生物誘発型形質
本開示は、微生物を利用して、有益な性質(又は有益な形質)を目的の農学種などの望ましい植物種に付与する。本開示では、「有益な性質」又は「有益な形質」という用語は、同義的に使用され、望ましい目的の植物の表現型又は遺伝的性質が、本明細書に記載される微生物又は微生物共同体の適用によって調節されることを示す。前述のように、いくつかの態様では、所与の微生物によって産生される代謝産物が、有益な形質を調節するか、又は所与の植物に付与することに最終的に関与することは、十分にあり得る。
【0262】
本開示の微生物の適用によって調節され得る、膨大な数の有益な形質がある。例えば、微生物は、植物種に1つ以上の有益な性質、例えば、成長の増加、生産高の増加、窒素利用効率の向上、ストレス耐性の増加、耐干ばつ性の増加、光合成速度の増加、水使用効率の増進、病原体耐性の増加、必ずしも植物の生産高に影響を及ぼさず、むしろ植物の機能性に対処し、植物に目的の代謝産物の産生を増加させる、植物構造に対する修飾などを植物種に付与する能力を有し得る。
【0263】
態様では、本明細書に教示される微生物は、穀物、果実、及び花の生産高の改善、植物部位の成長の改善、栄養素(例えば、窒素、リン酸塩、及び同等物)を利用する能力の改善、疾患に対する耐性の改善、真菌及び線虫に対する耐性の改善を含むバイオ殺虫効果、極端な気候における生存可能性の改善、並びに他の所望の植物の表現型特性の改善を含む、広範囲の農業用途を提供する。
【0264】
いくつかの態様では、参照植物に対して、油含有量の改変、タンパク質含有量の改変、種子炭水化物組成の改変、種子油組成の改変、種子タンパク質組成の改変、薬剤耐性、耐寒性、老化の遅延、耐病性、耐干ばつ性、穂重、成長の改善、健康増進、耐熱性、除草剤耐性、草食動物耐性、窒素固定の改善、窒素利用の改善、栄養素利用の改善(例えば、リン酸塩、カリウム、及び同等物)、根の構造の改善、水使用効率の改善、バイオマスの増加、根の長さの増加、種子重量の増加、新芽の長さの増加、生産高の増加、水が制限された条件下での生産高の増加、穀粒質量、穀粒含水量、金属耐性、穂の数、穂当たりの穀粒の数、さやの数、栄養増進、病原体耐性、(例えば、病原体生存を損なう代謝産物の排出を介した)病原体レベルの低減、病虫害耐性、光合成能力の改善、耐塩性、緑化、活力の改善、成熟種子の乾燥重量の増加、成熟種子の新鮮重量の増加、植物当たりの成熟種子の数の増加、クロロフィル含有量の増加、植物当たりのさやの数の増加、植物当たりのさやの長さの増加、植物当たりのしおれた葉の数の低減、植物当たりのひどくしおれた葉の数の低減、及び植物当たりのしおれていない葉の数の増加、代謝産物のレベルの検出可能な調節、転写物のレベルの検出可能な調節、並びにプロテオームの検出可能な調節などの植物特性を調節又は改変するために、本開示の単離された微生物、共同体、及び/又は農業用組成物を植物に適用することができる。
【0265】
いくつかの態様では、本開示の単離された微生物、共同体、及び/又は農業用組成物は、特定の植物特性をマイナス様式で調節するために、植物に適用され得る。例えば、いくつかの態様では、本開示の微生物は、この機能性がいくつかの用途で望ましくあり得るため、目的の表現型形質を減少させることができる。例えば、本開示の微生物は、根の成長を減少させるか、又は根の長さを減少させる能力を保有し得る。又は、植物形質のこれらの調節が特定の用途で望ましくあり得るため、微生物は、新芽の成長を減少させるか、又は植物が成長する速度を減少させる能力を保有し得る。
【0266】
いくつかの実施形態では、本開示の単離された微生物、共同体、及び/又は農業用組成物は、植物に線虫ストレスに対する耐性を付与するために、植物に適用され得る。好適には、そのような実施形態では、微生物は、Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora、Lysinibacillus fusiformis、及びBacillus velenzensisからなる群から選択され得るか、又は共同体は、Bacillus velenzensis及びBacillus pumilusを含むか、若しくはそれらからなり得る。好適には、微生物は、Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora BEC93、Lysinibacillus fusiformis BEC91、及びBacillus velenzensis BEC89Aからなる群から選択され得るか、又は共同体は、Bacillus velenzensis BEC89A及びBacillus pumilus BEC89Bを含むか、若しくはそれらからなり得る。
【0267】
いくつかの実施形態では、本開示の単離された微生物、共同体、及び/又は農業用組成物は、植物に生物刺激(生物刺激効果)を提供するために、植物に適用され得る。好適には、そのような実施形態では、微生物は、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus megaterium、Bacillus tequilensis、Microbacterium arabinogalactanolyticum、Paenibacillus alginolyticus、Paenibacillus ehimensis、Paenibacillus illinoisensis、Paenibacillus taichungensis、及びTalaromyces pinophilusからなる群から選択され得る。好適に、微生物は、Bacillus amyloliquefaciens BEC69、Paenibacillus alginolyticus BEC68A、Paenibacillus alginolyticus BEC68B、Paenibacillus alginolyticus BEC68C、Paenibacillus alginolyticus BEC68D、Bacillus amyloliquefaciens BEC77A、Bacillus amyloliquefaciens BEC77B、Bacillus amyloliquefaciens BEC69、Bacillus tequilensis BEC78、Bacillus megaterium BEC71、Paenibacillus taichungensis BEC110、Paenibacillus ehimensis BEC120、Paenibacillus illinoisensis BEC108、Microbacterium arabinogalactanolyticum BEC102、及びTalaromyces pinophilus BEC101からなる群から選択され得る。
【0268】
いくつかの実施形態では、本開示の単離された微生物、共同体、及び/又は農業用組成物は、植物に耐病性を提供するために、植物に適用され得る。好適には、そのような実施形態では、微生物は、Bacillus tequilensis及びBacillus methylotrophicusからなる群から選択され得る。好適には、微生物は、Bacillus tequilensis BEC80、並びにBacillus methylotrophicus BEC60及びBacillus methylotrophicus BEC56からなる群から選択され得る。
【0269】
農業用組成物
いくつかの実施形態では、本開示の微生物は、農業用組成物と組み合わせられる。農業用組成物は、概して、微生物及び/又は植物要素の栽培を促進する組成物を含み得る有機化合物及び無機化合物、植物要素への適用のための微生物の製剤化に関与する組成物(例えば、限定されるものではないが、湿潤剤、相溶化剤(「相溶性剤」とも称される)、消泡剤、洗浄剤、隔離剤、ドリフト低減剤、中和剤及び緩衝剤、腐食防止剤、染料、付臭剤、拡散剤(「散布剤」とも称される)、浸透補助剤(浸透剤とも称される)、粘着剤(「固着剤」又は「結合剤」とも称される)、分散剤、増粘剤(「濃厚剤」とも称される)、安定剤、乳化剤、凝固点降下剤、抗微生物剤、並びに同等物)、保護を植物要素又は植物に付与することに関与する組成物(例えば、限定されるものではないが、殺虫剤、殺線虫剤、殺真菌剤、殺菌剤、除草剤、及び同等物)、並びに特定の用途に関心が示され得る他の組成物を指す。
【0270】
いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物は、固体である。固体組成物が使用される場合、活性単離微生物又は共同体とともに1つ以上の担体材料を含むことが望ましくあり得る。いくつかの実施形態では、本開示は、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、アタクレイ(attaclay)、石灰岩、チョーク、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成材料などの鉱物土類、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、チオ尿素及び尿素などの肥料、食事用の穀草類、食事用の樹皮、食事用の木材、食事用の堅果の殻などの野菜由来の製品、セルロース粉末、アタパルジャット、モンモリロナイト、雲母、バーミキュライト、合成シリカ及び合成ケイ酸カルシウム、又はこれらの組成物を含むがこれらに限定されない、担体の使用を教示する。
【0271】
成長組成物
いくつかの実施形態では、成長及び発達を促進する組成物が、微生物及び/又は植物要素に提供される。例示的な組成物には、液体(ブロス、培地など)及び/又は固体(土壌、栄養素など)が含まれる。様々な有機化合物又は無機化合物が、単独で、又は植物要素、例えば、限定されるものではないが、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、炭水化物、単糖、脂質と組み合わせて、微生物の健康を促進するために成長組成物に添加され得る。
【0272】
製剤組成物
1つ以上の組成物が、微生物又は微生物から生産された組成物に加えて、様々な用途、安定性、活性、及び/又は保存の理由のために組み合わせられ得る。追加の組成物は、「製剤成分」と少称され得る。
【0273】
いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物は、液体である。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示される農業用組成物が、モノエタノールアミン塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、二リン酸アンモニウム水素、一リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、チオシアン酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、又はカルバミン酸アンモニウムなどの化合物又は塩を含み得ることを教示する。
【0274】
いくつかの実施形態では、本開示は、農業用組成物が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体及びポリ酢酸ビニル、又はこれらの組成物などの結合剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、タルク若しくはポリエチレングリコール、又はこれらの組成物などの潤滑剤、シリコーンエマルション、長鎖アルコール、リン酸エステル、アセチレンジオール、脂肪酸若しくは有機フルオリン化合物などの消泡剤、並びにエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩、トリニトリロ三酢酸の塩若しくはポリリン酸の塩、又はこれらの組成物などの複合体化剤を含み得ることを教示する。
【0275】
いくつかの実施形態では、農業用組成物は、表面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、表面活性剤は、液体農業用組成物に添加される。他の実施形態では、表面活性剤は、固体製剤、特に、適用前に担体で希釈されるように設計されたものに添加される。したがって、いくつかの実施形態では、農業用組成物は、界面活性剤を含む。界面活性剤は、標的上の微生物の生物学的性能を改善するために、単独で、又は噴霧タンク混合物へのアジュバントとしての鉱油若しくは植物油などの他の添加剤とともに、使用されることもある。生物増進に使用される界面活性剤の種類は、概して、微生物の性質及び作用機序に依存する。表面活性剤は、性質がアニオン性、カチオン性、又は非イオン性であり得、乳化剤、湿潤剤、懸濁剤として、又は他の目的のために採用され得る。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、アルキエトキシレート、直鎖脂肪族アルコールエトキシレート、及び脂肪族アミンエトキシレートなどの非イオン性物質である。製剤の技術分野で従来的に使用され、本製剤でも使用され得る界面活性剤は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual,MC Publishing Corp.,Ridgewood,N.J.,1998,and in Encyclopedia of Surfactants,Vol.I-III,Chemical Publishing Co.,New York,1980-81に記載されている。いくつかの実施形態では、本開示は、芳香族スルホン酸、例えば、リグノ、フェノール、ナフタレン、及びジブチルナフタレンスルホン酸、並びにアリールスルホン酸塩、アルキルエーテル、ラウリルエーテル、脂肪アルコール硫酸酸塩、及び脂肪アルコールグリコールエーテル硫酸塩の脂肪酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はアンモニウム塩、スルホン化ナフタレン及びホルムアルデヒドを含むその誘導体の凝縮物、ナフタレン又はフェノール及びホルムアルデヒドを含むナフタレンスルホン酸の凝縮物、ホルムアルデヒドを含むフェノール又はフェノールスルホン酸のとの凝縮物、ホルムアルデヒド及び亜硫酸ナトリウムを含むフェノールの凝縮物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシ化イソオクチル-、オクチル-又はノニルフェノール、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、エトキシ化ヒマシ油、エトキシ化トリアリールフェノール、リン酸化トリアリールフェノールエトキシレートの塩、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル、リグニン-亜硫酸塩廃液、若しくはメチルセルロース、又はこれらの組成物を含む、界面活性剤の使用を教示する。
【0276】
いくつかの実施形態では、本開示は、ラウリル硫酸ジエタノールアンモニウムなどのアルキル硫酸塩の塩、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩、ノニルフェノール-C18エトキシレートなどのアルキルフェノール-アルキレン酸化物付加生成物、トリデシルアルコール-C16エトキシレートなどのアルコール-アルキレン酸化物付加生成物、ステアリン酸ナトリウムなどの石鹸、ジブチル-ナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレン-スルホン酸塩、ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩のジアルキルエステル、オレイン酸ソルビトールなどのソルビトールエステル、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなどの四級アミン、ステアリン酸ポリエチレングリコールなどの脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体、モノ及びジアルキルリン酸エステルの塩、大豆油、菜種/キャノーラ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種油、ココナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、ヤシ油、落花生油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油、及び同等物などの植物油、並びに上記の植物油のエステル、特に、メチルエステルを含む、他の好適な表面活性剤を教示する。
【0277】
いくつかの実施形態では、農業用組成物は、湿潤剤を含む。湿潤剤は、液体に添加されると、液体とそれが拡散している表面との間の界面張力を低減することによって、液体の拡散又は浸透力を増加させる物質である。湿潤剤は、農薬製剤における2つの主な機能のため、すなわち、加工及び製造中に、水中の粉末の湿潤速度を増加させて、可溶性液体又は懸濁液濃縮物のための濃縮物を作製するため、噴霧タンク又は他の容器内の水との製品の混合中に、湿潤性粉末の湿潤時間を削減し、かつ水分散性顆粒への水の浸透を改善するために、使用される。いくつかの実施形態では、湿性粉末、懸濁液濃縮物、及び水分散性顆粒製剤を含む、本開示の農業用組成物で使用される湿潤剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホハク酸ジオクチルナトリウム、アルキルフェノールエトキシレート、及び脂肪族アルコールエトキシレートである。
【0278】
いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物は、分散剤を含む。分散剤は、粒子の表面上に吸着し、粒子の分散状態を保持し、粒子が再凝集することを防止するのに役立つ物質である。いくつかの実施形態では、分散剤が、本開示の農業用組成物に添加され、製造中の分散及び懸濁を促進し、かつ粒子が噴霧タンク内の水に再分散することを確実にする。いくつかの実施形態では、分散剤は、湿潤性粉末、懸濁液濃縮物、及び水分散性顆粒で使用される。分散剤として使用される界面活性剤は、粒子表面に強く吸着し、粒子の再凝集に対する荷電又は立体障壁を提供する能力を有する。いくつかの実施形態では、最も一般的に使用されている界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、又は2つのタイプの混合物である。
【0279】
いくつかの実施形態では、湿潤性粉末製剤については、最も一般的な分散剤は、リグノスルホン酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、懸濁液濃縮物は、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド凝縮物などのポリ電解質を使用して、非常に良好な吸着及び安定化を提供する。いくつかの実施形態では、トリスチリルフェノールエトキシレートリン酸エステルも使用される。いくつかの実施形態では、例えば、アルキルアリールエチレン酸化物濃縮物及びEO-POブロック共重合体などは、懸濁液濃縮物用の分散剤としてアニオン性物質と組み合わせられることもある。
【0280】
いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物は、ポリマー界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、ポリマー界面活性剤は、非常に長い疎水性「骨格」及び多数のエチレンオキシド鎖を有し、「くし形」界面活性剤の「歯」を形成する。いくつかの実施形態では、疎水性骨格が粒子表面上に多くのアンカー点を有するため、これらの高分子量ポリマーは、懸濁液濃縮物に非常に良好な長期安定性を付与することができる。いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物で使用される分散剤の例は、リグノスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド凝縮物、トリスチリルフェノールエトキシレートリン酸エステル、脂肪族アルコールエトキシレート、アルキルエトキシレート、EO-POブロック共重合体、及びグラフト共重合体を含む。
【0281】
いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物は、乳化剤を含む。乳化剤は、別の液相において1つの液相の液滴の懸濁液を安定させる物質である。乳化剤がないと、2つの液体は、2つの不混和性液相に分離するであろう。いくつかの実施形態では、最も一般的に使用されている乳化剤ブレンドは、12個以上のエチレンオキシド単位を有するアルキルフェノール又は脂肪族アルコール、及びドデシルベンゼンスルホン酸の油溶性カルシウム塩を含む。8~18の親水性・親油性バランス(HLB)値の範囲が、通常、良好な安定エマルションを提供するであろう。いくつかの実施形態では、エマルション安定性は、少量のEO-POブロック共重合体界面活性剤の添加によって改善され得ることもある。
【0282】
いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物は、可溶化剤を含む。可溶化剤は、臨界ミセル濃度を超える濃度で水中にミセルを形成するであろう、界面活性剤である。次いで、ミセルは、ミセルの疎水性部分の内側の非水溶性物質を溶解させるか、又は可溶化することができる。可溶化に通常使用される界面活性剤のタイプは、非イオン性物質:ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノオレエートエトキシレート、及びオレイン酸メチルエステルである。
【0283】
いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物は、有機溶媒を含む。有機溶媒は、主に乳化性濃縮物の製剤、ULV製剤、及びより少ない程度で顆粒製剤に使用される。溶媒の混合物が使用されることもある。いくつかの実施形態では、本開示は、灯油又は精製パラフィンなどの脂肪族パラフィン油を含む溶媒の使用を教示する。他の実施形態では、本開示は、キシレンなどの芳香族溶媒、並びにC9及びC10芳香族溶媒の高分子量画分の使用を教示する。いくつかの実施形態では、塩素化炭化水素は、製剤が水中に乳化されるときに、殺虫剤の結晶化を防止するために共溶媒として有用である。アルコールは、溶解力を増加させるために共溶媒として使用されることもある。
【0284】
いくつかの実施形態では、農業用組成物は、ゲル化剤を含む。増粘剤又はゲル化剤は、液体のレオロジー又は流動特性を修飾するために、かつ分散粒子又は液滴の分離及び沈降を防止するために、主に懸濁液濃縮物、エマルション、及びサスポエマルションの製剤に使用される。増粘剤、ゲル化剤、及び沈降防止剤は、概して、2つのカテゴリー、すなわち、非水溶性粒子及び水溶性ポリマーに分類される。粘土及びシリカを使用して懸濁液濃縮製剤を生産することが可能である。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、モンモリロナイト、例えば、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、及びアタパルジャイトを含むがこれらに限定されない、1つ以上の増粘剤を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、増粘剤としての多糖類の使用を教示する。最も一般的に使用されている多糖類のタイプは、種子及び海草の天然抽出物、又はセルロースの合成誘導体である。いくつかの実施形態は、キサンタンを利用し、いくつかの実施形態は、セルロースを利用する。いくつかの実施形態では、本開示は、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸塩、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム(SCMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含むがこれらに限定されない、増粘剤の使用を教示する。いくつかの実施形態では、本開示は、修飾デンプン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、及びポリエチレンオキシドなどの他のタイプの沈降防止剤の使用を教示する。別の良好な沈降防止剤は、キサンタンガムである。
【0285】
いくつかの実施形態では、界面張力を低下させる界面活性剤の存在は、生産における、及び噴霧タンクを通した適用における混合動作中に、水性製剤を発泡させることができる。したがって、いくつかの実施形態では、発泡する傾向を低減するために、消泡剤が、生産段階の間又はボトル/噴霧タンク内への充填の前のいずれかで、しばしば添加される。概して、2つのタイプの消泡剤、すなわち、シリコーン及び非シリコーンがある。シリコーンが通常、ジメチルポリシロキサンの水性エマルションである一方で、非シリコーン消泡剤は、オクタノール及びノナノールなどの非水溶性油、又はシリカである。両方の場合に、消泡剤の機能は、界面活性剤を空気-水界面から変位させることである。
【0286】
いくつかの実施形態では、農業用組成物は、防腐剤を含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、農業用組成物は、土壌被水、葉面噴霧、浸漬処理、畝内処理、土壌改良、顆粒、広域播種処理、収穫後の疾患制御処理、又は種子処理として製剤化され得る。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、単独で、又は他の農産物との交代噴霧プログラムで適用され得る。
【0288】
いくつかの実施形態では、農業用組成物は、タンク混合に適合し得る。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、他の農産物とのタンク混合に適合し得る。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、地上、空中、及び灌漑用途に使用される機器に適合し得る。
【0289】
いくつかの実施形態では、農業用組成物は、遺伝子修飾された種子又は植物に適用され得る。
【0290】
保護組成物
更に、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆は、殺虫剤、除草剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、殺ウイルス剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、ダニ駆除剤、植物成長調節剤、殺鼠剤、防藻剤、生物制御剤、又は有益な薬剤などの農業空間で利用可能な既知の活性物質と組み合わせられ得る。更に、開示される方法に従って開発された微生物、微生物共同体、又は微生物群衆は、既知の肥料と組み合わせられ得る。そのような組み合わせは、相乗的特性を示し得る。更に、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆は、不活性成分と組み合わせられ得る。また、いくつかの態様では、開示される微生物は、生物活性剤と組み合わせられ得る。
【0291】
いくつかの実施形態では、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆は、除草剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、殺ウイルス剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、ダニ駆除剤、殺鼠剤、及び/又は防藻剤として機能するバイオ殺虫剤と組み合わせられ得る。そのようなバイオ殺虫剤は、マクロ生物(例えば、有益な線虫及び同等物)、微生物(例えば、Serenade、Bt、及び同等物)、植物抽出物(例えば、Timorex Gold及び同等物)、生化学物質(例えば、昆虫フェロモン及び同等物)、並びに/又は鉱物及び油(例えば、キャノーラ油)であり得るが、これらに限定されない。
【0292】
殺虫剤及びバイオ殺虫剤
いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物は、教示される微生物と組み合わせて使用される、殺虫剤を含む。いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物は、教示される微生物と組み合わせて使用される、バイオ殺虫剤を含む。
【0293】
いくつかの実施形態では、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆は、除草剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、殺ウイルス剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、ダニ駆除剤、殺鼠剤、及び/又は防藻剤などの農業空間内の既知の殺虫剤と組み合わせられ得る。
【0294】
いくつかの実施形態では、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆は、除草剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、殺ウイルス剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、ダニ駆除剤、殺鼠剤、及び/又は防藻剤として機能するバイオ殺虫剤などの農業空間内の既知の殺虫剤と組み合わせられ得る。
【0295】
例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、以下の活性成分:マクロ生物(例えば、有益な線虫及び同等物)、微生物(例えば、Serenade、Bt、及び同等物)、植物抽出物(例えば、Timorex Gold及び同等物)、生化学物質(例えば、昆虫フェロモン及び同等物)、並びに/又は鉱物及び油(例えば、キャノーラ油)を含む、活性成分のうちの1つ以上を含む、農業用組成物を教示する。
【0296】
いくつかの実施形態では、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、又は微生物コミュニティは、アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、フルフェナセト、メフェナセト、メタラクロール、メタザクロール、ナプロパミド、ナプロアニリド、ペトキサミド、プレチラクロール、プロパクロール、及びテニルクロールからなる群から選択されるアセトアミド、ビラナホス、グルホシネート、及びスルホサートからなる群から選択されるアミノ酸誘導体、クロジナフォプ、シハロフォプ-ブチル、フェノキサプロプ、フルアジフォプ、ハロキシフォプ、メタミフォプ、プロパキザフォプ、キザロフォプ、及びキザロフォプ-P-テフリルからなる群から選択されるアリールオキシフェノキシプロピオン酸塩、ジクワット及びパラコート、アスラム、ブチレート、カルベタミド、デスメジファム、ジメピレート、エプタム(EPTC)、エスプロカルブ、モリネート、オルベンカルブ、フェンメジファム、プロスルホカルブ、ピリブチカルブ、チオベンカルブ、及びトリアレートからなる群から選択される(チオ)カルバメート、ブトロキシジム、クレトジム、シクロキシジム、プロホキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、及びトラルコキシジムからなる群から選択されるシクロヘキサンジオン、ベンフルラリン、エトフルラリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、及びトリフルラリンからなる群から選択されるジニトロアニリン、アシフルオルフェン、アクロニフェン、ビフェノックス、ジクロフォプ、エトキシフェン、フォメサフェン、ラクトフェン、及びオキシフルオルフェンからなる群から選択されるジフェニルエーテル、ボモキシニル、ジクロベニル、及びイオキシニルからなる群から選択されるヒドロキシベンゾニトリル、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、及びイマゼタピルからなる群から選択されるイミダゾリノン、クロメプロップ、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、2,4-DB、ジクロルプロップ、MCPA、MCPA-チオエチル、MCPB、及びメコプロップからなる群から選択されるフェノキシ酢酸、クロリダゾン、フルフェンピル-エチル、フルチアセト、ノルフルラゾン、及びピリデートからなる群から選択されるピラジン、アミノピラリド、クロピラリド、ジフルフェニカン、ジチオピル、フルリドン、フルロキシピル、ピクロラム、ピコリナフェン、及びチアゾピルからなる群から選択されるピリジン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロン-エチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、フォラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、メツルフロン-メチル、ニコスルフロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、プロスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメトロン、スルホスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベロン、トリフロキシスルフロン、トリフルスルフロン、トリトスルフロン、及び14(2-クロロ-6-プロピル-イミダゾール[1,2]-blピリダジン-3-イル)スルホニル)-3-(4,6-ジメトキシ-ピリミジン-2-イル)尿素からなる群から選択されるスルホニル尿素、アメトリエン、アトラジン、シアナジン、ジメタメトリン、エチオジン、ヘキサジノン、メタミトロン、メトリブジン、プロメトリン、シマジン、テルブチラジン、テルブトリン、及びトリアジフラムからなる群から選択されるトリアジン、クロロトルロン、ダイムロン、ジウロン、フルオメツロン、イソプロトロンツロン、リヌロン、メサベンチアズロン、及びテブチウロンからなる群から選択される尿素化合物、ビスピリバック-ナトリウム、クロランスラム-メチル、ジクロスラム、フロラスラム、フルカルバゾン、フルメトスラム、メトスラム、オルト-スルファムロン、ペノクスラム、プロポキシカルバゾン、ピリバムベンズ-プロピル、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリミノバック-メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピロキサスルホン、及びピロクスラムからなる群から選択されるアセト乳酸合成酵素阻害剤、並びにアミカルバゾン、アミノトリアゾール、アニロホス、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベンカルバゾン、ベンフレセート、ベンゾフェナップ、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ブロマシル、ブロモブチド、ブタフェナシル、ブタミフォス、カフェンストロール、カルフェントラゾン、シニドン-エチル、クロルタール、シンメチリン、クロマゾン、クミルロン、シプロスルファミド、ジカンバ、ジフェンゾコート、ジフルフェンゾピル、Drechslera monoceras、エンドタール、エトフメセート、エトベンザニド、フェントラザミド、フルオロラック-ペンチル、フルミオキサジン、フルポキサム、フルオロクロリドン、フルタモン、インダノファン、イソキサベン、イソキサフルトール、レナシル、プロパニル、プロピザミド、キンクロラック、キンメラック、メソトリオン、メチルアルソン酸、ナプタラム、オキサジアルジル、オキサジアゾン、オキサジクロメフォン、ペントキサゾン、ピノキサデン、ピラクロニル、ピラフルフェン-エチル、ピラスルホトール、ピラゾキシフェン、ピラゾリネート、キノクラミン、サフルフェナシル、スルコトリオン、スルフェントラゾン、テルバシル、テフリルトリオン、テンボトリオン、チエンカルバゾン、トプラメゾン、4-ヒドロキシ-3-[2-(2-メトキシ-エトキシメチル)-6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-カルボニル]-ビシクロル[3.2.1]オクタ-3-エン-2-オン、(3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)-フェノキシル]-ピリジン-2-イルオキシ)-酢酸エチルエステル、6-アミノ-5-クロロ-2-シクロプロピル-ピリミジン-4-カルボン酸メチルエステル、6-クロロ-3-(2-シクロプロピル-6-メチル-フェノキシ)-ピリダジン-4-オール、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-フェニル)-5-フルオロ-ピリジン-2-カルボン酸、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル、及び4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-3-ジメチルアミノ-2-フルオロ-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステルからなる群から選択される化合物、から選択される除草剤と組み合わせられ得る。
【0297】
いくつかの実施形態では、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群集は、アセフェート、アザメチホス、アジンホス-メチル、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロルフェンビンホス、ジアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル-パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシデメトン-メチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブフォス、トリアゾホス、及びトリクロルフォンからなる群から選択される有機(チオ)リン酸塩、アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、及びトリアザメートからなる群から選択されるカルバメート、アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シファロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダ-シハロトリン、ペルメトリン、プラレスリン、ピレトリンI及びII、レスメトリン、シラフルオフェン、タウフルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、並びにジメフルトリンからなる群から選択されるピレスロイド、a)キチン合成阻害剤であって、当該キチン合成阻害剤が、クロルフルアズロン、シラマジン、ジフルベンズロン、フルシクロオキサロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール、及びクロフェンタジンからなる群から選択されるベンゾイル尿素である、キチン合成阻害剤、b)ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、及びアザジラクチンからなる群から選択されるエクジソンアンタゴニスト、c)ピリプロキシフェン、メトプレン、及びフェノキシカルブからなる群から選択される幼若ホルモン様物質、又はd)スピロジクロフェン、スピロメシフェン、及びスピロテトラマトからなる群から選択される脂質生合成阻害剤、からなる群から選択される昆虫成長調節剤、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド、及び1-(2-クロロ-チアゾール-5-イルメチル)-2-ニトリミノ-3,5-ジメチル-[1,3,5]トリアジナンからなる群から選択されるニコチン性受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロル、ピラフルプロル、ピリプロール、及び5-アミノ-1-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-4-スルフィナモイル-1H-ピラゾール-3-cアルボチオ酸アミドからなる群から選択されるGABAアンタゴニスト化合物、アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド、及びスパイントラムからなる群から選択される大環状ラクトン殺虫剤、フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、及びフルフェネリムからなる群から選択されるミトコンドリア電子輸送阻害剤(METI)Iダニ駆除剤、アセキノシル、フルアシプリム、及びヒドラメチルノンからなる群から選択されるMETI II及びIII化合物、クロルフェナピル、シヘキサチン、ジアフェンチウロン、フェンブタチン酸化物、及びプロパルギットからなる群から選択される酸化的リン酸化阻害剤、クリオマジン、ピペロニルブトキシド、インドキサカルブ及びメタフルミゾンからなる群から選択されるナトリウムチャネルブロッカー、並びにベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、クロラントラニリプロール、サイアジピル(HGW86)、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメト、イミシアホス、ビストリフルロン、及びピリフルキナゾンからなる群から選択される化合物、からなる群から選択される殺虫剤と組み合わせられ得る。
【0298】
いくつかの実施形態では、本発明は、除草剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、殺ウイルス剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、ダニ駆除剤、殺鼠剤、及び/又は防藻剤などの農業空間内の既知の殺虫剤との本開示の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆の相乗的使用を教示する。
【0299】
いくつかの実施形態では、本発明は、除草剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、殺ウイルス剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、ダニ駆除剤、殺鼠剤、及び/又は防藻剤として機能するバイオ殺虫剤などの農業空間内の既知の殺虫剤との本開示の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆の相乗的使用を教示する。
【0300】
いくつかの実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体が殺虫剤と組み合わせられると、目的の植物表現型形質に対する相加効果が目撃される。他の実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体が殺虫剤と組み合わせられると、目的の植物表現型形質に対する相乗効果が目撃される。
【0301】
いくつかの実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体がバイオ殺虫剤と組み合わせられると、目的の植物表現型形質に対する相加効果が目撃される。他の実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体がバイオ殺虫剤と組み合わせられると、目的の植物表現型形質に対する相乗効果が目撃される。
【0302】
教示される方法によって得られる相乗効果は、Colbyの式(すなわち、(E)=X+Y-(X*Y/100))に従って定量化され得る。参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、Colby,R.S.,“Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations,”1967 Weeds,vol.15,pp.20-22を参照されたい。したがって、「相乗効果」によって、その存在により、相加量を超えて所望の効果を増加させる成分が意図される。
【0303】
本開示の単離された微生物及び共同体は、農学的に活性な殺虫剤化合物、また、農業用補助殺虫剤化合物の有効性を相乗的に増加させることができる。
【0304】
本開示の単離された微生物及び共同体は、農学的に活性なバイオ殺虫剤化合物、また、農業用補助バイオ殺虫剤化合物の有効性を相乗的に増加させることができる。
【0305】
植物成長調節因子及び生物刺激物質
いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物は、教示される微生物と組み合わせて使用される植物成長調節因子及び/又は生物刺激物質を含む。
【0306】
いくつかの実施形態では、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆は、オーキシン、ギベレリン、サイトカイニン、エチレン発生物質、成長阻害剤、及び成長遅延剤などの農業空間内の既知の植物成長調節因子と組み合わせられ得る。
【0307】
例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、以下の活性成分:とりわけ、アンシミドール、ブトラリン、アルコール、クロルメコートクロリド、サイトカイニン、ダミノジド、エテポホン、フルルプリミドール、ジベレリン酸、ジベレリン混合物、インドール-3-酪酸(IBA)、マレイン酸ヒドラジド、メフルジド、メピコートクロリド、メピコートペンタボレート、ナフタレン-酢酸(NAA)、1-ナフタレンアセテミド(NAD)、n-デカノール、プラクロブトラゾール、プロヘキサジオンカルシウム、トリネキサパック-エチル、ユニコナゾール、サリチル酸、アブシシン酸、エチレン、ブラシノステロイド、ジャスモネート、ポリアミン、一酸化窒素、ストリゴラクトン、又はカリキンを含む、活性成分のうちの1つ以上を含む、農業用組成物を教示する。
【0308】
いくつかの実施形態では、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆は、とりわけ、QUICKROOTS(登録商標)、VAULT(登録商標)、RHIZO-STICK(登録商標)、NODULATOR(登録商標)、DORMAL(登録商標)、SABREX(登録商標)などの農業空間内の既知の種子接種剤と組み合わせられ得る。いくつかの実施形態では、Bradyrhizobium接種剤が、本明細書に開示される任意の単一の微生物又は微生物共同体と組み合わせて利用される。特定の態様では、前述の接種剤のうちの1つ、例えば、QUICKROOTS(登録商標)又はBradyrhizobiumが、本明細書で教示される微生物又は微生物共同体と組み合わせられると、相乗効果が観察される。
【0309】
いくつかの実施形態では、本開示の農業用組成物は、銅、マンガン、及び亜鉛とともに、キネチン、ジベレリン酸、及びインドール酪酸を含有する、植物成長調節剤を含む。
【0310】
いくつかの実施形態では、本開示は、Abide(登録商標)、A-Rest(登録商標)、Butralin(登録商標)、Fair(登録商標)、Royaltac M(登録商標)、Sucker-Plucker(登録商標)、Off-Shoot(登録商標)、Contact-85(登録商標)、Citadel(登録商標)、Cycocel(登録商標)、E-Pro(登録商標)、Conklin(登録商標)、Culbac(登録商標)、Cytoplex(登録商標)、Early Harvest(登録商標)、Foli-Zyme(登録商標)、Goldengro(登録商標)、Happygro(登録商標)、Incite(登録商標)、Megagro(登録商標)、Ascend(登録商標)、Radiate(登録商標)、Stimulate(登録商標)、Suppress(登録商標)、Validate(登録商標)、X-Cyte(登録商標)、B-Nine(登録商標)、Compress(登録商標)、Dazide(登録商標)、Boll Buster(登録商標)、BollD(登録商標)、Cerone(登録商標)、Cotton Quik(登録商標)、Ethrel(登録商標)、Finish(登録商標)、Flash(登録商標)、Florel(登録商標)、Mature(登録商標)、MFX(登録商標)、Prep(登録商標)、Proxy(登録商標)、Quali-Pro(登録商標)、SA-50(登録商標)、Setup(登録商標)、Super Boll(登録商標)、Whiteout(登録商標)、Cutless(登録商標)、Legacy(登録商標)、Mastiff(登録商標)、Topflor(登録商標)、Ascend(登録商標)、Cytoplex(登録商標)、Ascend(登録商標)、Early Harvest(登録商標)、Falgro(登録商標)、Florgib(登録商標)、Foli-Zyme(登録商標)、GA3(登録商標)、GibGro(登録商標)、Green Sol(登録商標)、Incite(登録商標)、N-Large(登録商標)、PGR IV(登録商標)、Pro-Gibb(登録商標)、Release(登録商標)、Rouse(登録商標)、Ryzup(登録商標)、Stimulate(登録商標)、BVB(登録商標)、Chrysal(登録商標)、Fascination(登録商標)、Procone(登録商標)、Fair(登録商標)、Rite-Hite(登録商標)、Royal(登録商標)、Sucker Stuff(登録商標)、Embark(登録商標)、Sta-Lo(登録商標)、Pix(登録商標)、Pentia(登録商標)、DipN Grow(登録商標)、Goldengro(登録商標)、Hi-Yield(登録商標)、Rootone(登録商標)、Antac(登録商標)、FST-7(登録商標)、Royaltac(登録商標)、Bonzi(登録商標)、Cambistat(登録商標)、Cutdown(登録商標)、Downsize(登録商標)、Florazol(登録商標)、Paclo(登録商標)、Paczol(登録商標)、Piccolo(登録商標)、Profile(登録商標)、Shortstop(登録商標)、Trimmit(登録商標)、Turf Enhancer(登録商標)、Apogee(登録商標)、Armor Tech(登録商標)、Goldwing(登録商標)、Governor(登録商標)、Groom(登録商標)、Legacy(登録商標)、Primeraone(登録商標)、Primo(登録商標)、Provair(登録商標)、Solace(登録商標)、T-Nex(登録商標)、T-Pac(登録商標)、Concise(登録商標)、及びSumagic(登録商標)を含むがこれらに限定されない、1つ以上の市販の植物成長調節因子を含む、農業用組成物を教示する。
【0311】
いくつかの実施形態では、本発明は、植物成長調節因子及び/又は植物成長調節因子の産生若しくは破壊に影響を及ぼす植物ホルモン若しくは化学物質などの刺激物質との本開示の微生物又は微生物共同体の相乗的使用を教示する。
【0312】
いくつかの実施形態では、本発明は、植物ホルモンが、オーキシン(例えば、インドール酢酸IAA)、ジベレリン、サイトカイニン(例えば、キネチン)、アブシジン酸、エチレン(及びACCシンターゼによって調節され、ACCデアミナーゼによって破壊されるその産生)を含み得ることを教示している。
【0313】
いくつかの実施形態では、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆は、生物刺激物質と組み合わせられ得る。そのような生物刺激物質は、微生物、植物抽出物、植物抽出物、海藻、酸、バイオ炭、及び同等物であり得るが、これらに限定されない。
【0314】
いくつかの実施形態では、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆は、有機(例えば、堆肥、血液、魚類、及び同等物)、窒素系(例えば、硝酸塩、アンモニウム、尿素、及び同等物)、リン酸塩、及びカリウムであり得る、肥料と組み合わせられ得る。そのような肥料はまた、硫黄、鉄、亜鉛、及び同等物を含むがこれらに限定されない、微量栄養素を含有し得る。
【0315】
いくつかの実施形態では、本発明は、フミン酸、フルビン酸、アミノ酸、ポリフェノール、及びタンパク質加水分解物などの本明細書に開示される微生物及び微生物共同体との相乗効果で作用し得る追加の植物成長促進化学物質を教示する。
【0316】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、任意の作物へのAscend(登録商標)と組み合わせた教示される微生物の適用を提供する。更に、本開示は、任意の方法又は適用率を利用した、任意の作物へのAscend(登録商標)と組み合わせた教示される微生物の適用を提供する。
【0317】
いくつかの実施形態では、本開示は、生物刺激物質を含む農業用組成物を教示する。
【0318】
本明細書で使用される場合、「生物刺激物質」という用語は、土壌又は他の植物成長培地に存在し得る微生物の成長を刺激するように作用する任意の物質を指す。
【0319】
土壌又は成長培地中の微生物のレベルは、植物の健康に直接相関する。微生物は、生分解性炭素源を常食とし、したがって、植物の健康は、土壌中の有機物の量とも相関する。肥料は、植物に栄養を供給し、成長させるが、いくつかの実施形態では、生物刺激物質が、生分解性炭素、例えば、糖蜜、炭水化物、例えば、糖を提供し、例えば、微生物に栄養を供給し、成長させる。別途明確に記述されない限り、生物刺激物質は、独立して作用するか、又は組み合わせて作用するかのいずれかである、成分のうちの1つ以上に起因して、微生物活動又は植物の成長及び発達を増進することが可能である、単一の成分、又はいくつかの異なる成分の組み合わせを含み得る。
【0320】
いくつかの実施形態では、生物刺激物質は、非栄養植物成長応答を生じる化合物である。いくつかの実施形態では、生物刺激物質の多くの重要な利益は、ホルモン活性に影響を及ぼすそれらの能力に基づく。植物中のホルモン(植物ホルモン)は、通常の植物の発達並びに環境への応答を調節する化学伝達物質である。根及び新芽の成長、並びに他の成長応答は、植物ホルモンによって調節される。いくつかの実施形態では、生体刺激剤の化合物は、植物のホルモン状態を変化させ、その成長及び健康に対して大きな影響を及ぼすことができる。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、生物刺激物質の一般的な成分としてコンブ、フミン酸、フルビン酸、及びBビタミンを教示する。いくつかの実施形態では、本開示の生物刺激物質は、抗酸化活性を増進し、植物の防御系を増加させる。いくつかの実施形態では、ビタミンC、ビタミンE、及びグリシンなどのアミノ酸は、生体刺激物質に含まれる抗酸化物質である。
【0321】
他の実施形態では、生物刺激物質は、土壌又は他の植物成長培地に存在する微生物の成長を刺激するように作用し得る。以前の研究は、具体的な有機種子抽出物(例えば、大豆)を含む特定の生物刺激物質が微生物接種剤と組み合わせて使用されたときに、生物刺激物質は、微生物接種剤に含まれる微生物の成長を刺激することが可能であったことを示している。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、微生物接種剤とともに使用されると、天然微生物及び接種微生物の両方の集団を増進することが可能である、1つ以上の生物刺激物質を教示する。生物刺激物質のいくつかの好評な使用の精査については、Calvo et al.,2014,Plant Soil383:3-41を参照されたい。
【0322】
植物要素、微生物、及び農業用組成物の組み合わせ
いくつかの実施形態では、本開示は、例えば、表1又は表1Aに開示されるいずれか1つ又は複数の微生物を含む、個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群集、又は前述の任意の組み合わせが、植物表現型の改善のために、任意選択的に任意の農業用組成物と組み合わせて、植物要素に適用され得ることを教示する。
【0323】
単離された微生物又は群衆若しくは共同体(概して、同義的に「微生物(microbes又はmicrobe)」は、異種植物要素に適用され、合成組み合わせを作成し得る。微生物は、自然界では通常は植物要素と関連しないか、又は見出された場合に、自然界で見出される量とは異なる量で適用される場合、植物要素に対して異種とみなされる。いくつかの実施形態では、微生物は、植物のある部位で自然に見出されるが、別の部位では見出され得ず、植物の別の部分への微生物の導入は、異種関連性とみなされる。
【0324】
単離されたか、又は植物若しくは植物要素と組み合わせたかのいずれかである、微生物は、上記のものなどの1つ以上の農業用組成物に更に関連し得ることが更に企図される。
【0325】
微生物及び植物要素、微生物及び農業用組成物、並びに微生物及び植物要素及び農業用組成物の合成組み合わせが企図される(概して、自然界では典型的には見出されない成分を含む組成物である、「合成組成物」)。
【0326】
植物要素処理
いくつかの実施形態では、本開示はまた、本開示の微生物又は農業用組成物のうちの1つ以上の組み合わせとともに播種されるか、又は植え付けられる前に、植物要素を処理することが、所望の植物の形質、例えば、植物の成長、植物の健康、及び/又は害虫に対する植物の耐性を増進し得るという発見に関する。
【0327】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、植物要素処理としての微生物又は微生物共同体のうちの1つ以上の使用を教示する。植物要素処理は、未処理及び「裸の」植物要素に直接適用される植物要素コーティングであり得る。しかしながら、植物要素処理は、1つ以上の以前の植物要素コーティング又は植物要素処理ですでにコーティングされている植物要素に適用される、植物要素オーバーコートであり得る。以前の植物要素処理は、化学的又は生物学的のいずれかである、1つ以上の活性化合物と、1つ以上の不活性成分とを含み得る。
【0328】
「植物要素処理」という用語は、概して、土壌に植え付けられる時間の前又はその間の植物要素への物質の適用を指す。微生物及び本開示の他の農業用組成物を用いた植物要素処理は、植物要素の発芽及び植物要素の発生の直前に植物要素が植え付けられる地点に処理を送達するという利点を有する。
【0329】
他の実施形態では、本開示はまた、植物要素処理の使用が、植物の処理に成功するために必要とされる微生物又は農業用組成物の量を最小限化し、土壌上又は新たに発生した植物要素上に噴霧することなどの適用技法と比較して、微生物及び組成物との労働者の接触の量を更に制限することも教示する。
【0330】
更に、いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示される微生物が、植物生命の初期段階(例えば、植物要素の発生後の最初の30日以内)を増進するために重要であることを教示する。したがって、いくつかの実施形態では、植物要素処理としての本開示の微生物及び/又は組成物の送達は、その活性のための臨界時間において微生物を作用地点に置く。
【0331】
いくつかの実施形態では、本開示の微生物組成物は、植物要素処理として製剤化される。いくつかの実施形態では、植物要素は、正確に、安全に、かつ効率的に植物要素処理製品を植物要素に適用するように具体的に設計及び製造されている処理適用機器の使用を通して、混合、噴霧、又はそれらの組み合わせの従来の方法を使用して、本明細書に開示される微生物及び/又は農学的組成物の1つ以上の層で実質的に均一に被覆され得ることが企図される。そのような機器は、回転式コーター、ドラムコーター、流動床技法、噴流床、回転式ミスト、又はそれらの組み合わせなどの様々なタイプのコーティング技術を使用する。本開示のものなどの液体植物要素処理は、噴霧パターンを通して移動するにつれて、植物要素処理を植物要素上に均等に分配する、回転「アトマイザー」ディスク又は噴霧ノズルのいずれかを介して適用され得る。態様では、次いで、植物要素は、追加の期間にわたって混合又はタンブルされて、追加の処理分配及び乾燥を達成する。
【0332】
植物要素は、微生物組成物でコーティングする前にプライミング又はプライミング解除されて、発芽及び発生の均一性を増加させることができる。代替的な実施形態では、乾燥粉末製剤を、移動する植物要素上で計量し、完全に分配されるまで混合させることができる。
【0333】
いくつかの実施形態では、植物要素は、本開示による微生物学的組成物でコーティングされた表面積の少なくとも一部を有する。いくつかの実施形態では、微生物組成物を含む植物要素コートが、裸の植物要素に直接適用される。いくつかの実施形態では、微生物組成物を含む植物要素オーバーコートが、その上に適用された植物要素コートをすでに有している植物要素にて適用される。いくつかの態様では、植物要素は、本組成物が植物要素オーバーコートとしてその上に適用されるであろう、例えば、クロチアニジン及び/又はBacillus firmus-I-1582を含む植物要素コートを有し得る。いくつかの態様では、教示される微生物組成物は、PONCHO(商標)VOTiVO(商標)ですでに処理されている植物要素に植物要素オーバーコートとして適用される。いくつかの態様では、植物要素は、本組成物が植物要素オーバーコートとしてその上に適用されるであろう、例えば、メタラキシル、及び/又はクロチアニジン、並びに/若しくはBacillus firmus-I-1582を含む、植物要素コートを有し得る。いくつかの態様では、教示される微生物組成物は、ACCELERON(商標)ですでに処理されている植物要素に植物要素オーバーコートとして適用される。
【0334】
いくつかの実施形態では、微生物で処理された植物要素は、植物要素当たり約10^2~10^12、10^2~10^11、10^2~10^10、10^2~10^9、1^2~10^8、10^2~10^7、10^2~10^6、10^2~10^5、10^2~10^4、又は10^2~10^3の微生物胞子濃度又は微生物細胞濃度を有する。
【0335】
いくつかの実施形態では、微生物で処理された植物要素は、植物要素当たり約10^3~10^12、10^3~10^11、10^3~10^10、10^3~10^9、10^3~10^8、10^3~10^7、10^3~10^6、10^3~10^5、又は10^3~10^4の微生物胞子濃度又は微生物細胞濃度を有する。
【0336】
いくつかの実施形態では、微生物で処理された植物要素は、植物要素当たり約10^4~10^12、10^4~10^11、10^4~10^10、10^4~10^9、10^4~10^8、10^4~10^7、10^4~10^6、又は10^4~10^5の微生物胞子濃度又は微生物細胞濃度を有する。
【0337】
いくつかの実施形態では、微生物で処理された植物要素は、植物要素当たり約10^5~10^12、10^5~10^11、10^5~10^10、10^5~10^9、10^5~10^8、10^5~10^7、又は10^5~10^6の微生物胞子濃度又は微生物細胞濃度を有する。
【0338】
いくつかの実施形態では、微生物で処理された植物要素は、植物要素当たり約105~109の微生物胞子濃度又は微生物細胞濃度を有する。
【0339】
いくつかの実施形態では、微生物で処理された植物要素は、植物要素当たり少なくとも約1×10^3、又は1×10^4、又は1×10^5、又は1×10^6、又は1×10^7、又は1×10^8、又は1×10^9の微生物胞子濃度又は微生物細胞濃度を有する。
【0340】
いくつかの実施形態では、植物要素に適用される微生物及び/又は農業用組成物のうちの1つ以上の量は、最終製剤、並びに利用される植物又は植物要素のサイズ又はタイプに依存する。いくつかの実施形態では、微生物のうちの1つ以上は、製剤全体の約2%w/w~約80%w/wで存在する。いくつかの実施形態では、組成物に採用される微生物のうちの1つ以上は、製剤全体の重量で約5%w/w~約65%w/w又は10%w/w~約60%w/wである。
【0341】
いくつかの実施形態では、植物要素はまた、例えば、植物要素当たり約10^2、10^3、10^4、10^5、10^6、10^7、10^8、10^9、10^10、10^11、10^12、10^13、10^14、10^15、10^16、又は10^17の胞子又は細胞などの植物要素当たりより多くの胞子又は微生物細胞を有し得る。
【0342】
いくつかの実施形態では、本開示の植物要素コートは、最大10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、110μm、120μm、130μm、140μm、150μm、160μm、170μm、180μm、190μm、200μm、210μm、220μm、230μm、240μm、250μm、260μm、270μm、280μm、290μm、300μm、310μm、320μm、330μm、340μm、350μm、360μm、370μm、380μm、390μm、400μm、410μm、420μm、430μm、440μm、450μm、460μm、470μm、480μm、490μm、500μm、510μm、520μm、530μm、540μm、550μm、560μm、570μm、580μm、590μm、600μm、610μm、620μm、630μm、640μm、650μm、660μm、670μm、680μm、690μm、700μm、710μm、720μm、730μm、740μm、750μm、760μm、770μm、780μm、790μm、800μm、810μm、820μm、830μm、840μm、850μm、860μm、870μm、880μm、890μm、900μm、910μm、920μm、930μm、940μm、950μm、960μm、970μm、980μm、990μm、1000μm、1010μm、1020μm、1030μm、1040μm、1050μm、1060μm、1070μm、1080μm、1090μm、1100μm、1110μm、1120μm、1130μm、1140μm、1150μm、1160μm、1170μm、1180μm、1190μm、1200μm、1210μm、1220μm、1230μm、1240μm、1250μm、1260μm、1270μm、1280μm、1290μm、1300μm、1310μm、1320μm、1330μm、1340μm、1350μm、1360μm、1370μm、1380μm、1390μm、1400μm、1410μm、1420μm、1430μm、1440μm、1450μm、1460μm、1470μm、1480μm、1490μm、1500μm、1510μm、1520μm、1530μm、1540μm、1550μm、1560μm、1570μm、1580μm、1590μm、1600μm、1610μm、1620μm、1630μm、1640μm、1650μm、1660μm、1670μm、1680μm、1690μm、1700μm、1710μm、1720μm、1730μm、1740μm、1750μm、1760μm、1770μm、1780μm、1790μm、1800μm、1810μm、1820μm、1830μm、1840μm、1850μm、1860μm、1870μm、1880μm、1890μm、1900μm、1910μm、1920μm、1930μm、1940μm、1950μm、1960μm、1970μm、1980μm、1990μm、2000μm、2010μm、2020μm、2030μm、2040μm、2050μm、2060μm、2070μm、2080μm、2090μm、2100μm、2110μm、2120μm、2130μm、2140μm、2150μm、2160μm、2170μm、2180μm、2190μm、2200μm、2210μm、2220μm、2230μm、2240μm、2250μm、2260μm、2270μm、2280μm、2290μm、2300μm、2310μm、2320μm、2330μm、2340μm、2350μm、2360μm、2370μm、2380μm、2390μm、2400μm、2410μm、2420μm、2430μm、2440μm、2450μm、2460μm、2470μm、2480μm、2490μm、2500μm、2510μm、2520μm、2530μm、2540μm、2550μm、2560μm、2570μm、2580μm、2590μm、2600μm、2610μm、2620μm、2630μm、2640μm、2650μm、2660μm、2670μm、2680μm、2690μm、2700μm、2710μm、2720μm、2730μm、2740μm、2750μm、2760μm、2770μm、2780μm、2790μm、2800μm、2810μm、2820μm、2830μm、2840μm、2850μm、2860μm、2870μm、2880μm、2890μm、2900μm、2910μm、2920μm、2930μm、2940μm、2950μm、2960μm、2970μm、2980μm、2990μm、又は3000μmの厚さであり得る。
【0343】
いくつかの実施形態では、本開示の植物要素コートは、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、又は5mmの厚さであり得る。
【0344】
いくつかの実施形態では、本開示の植物要素コーティングは、コーティングされていない植物要素重量の少なくとも0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、10.5%、11%、11.5%、12%、12.5%、13%、13.5%、14%、14.5%、15%、15.5%、16%、16.5%、17%、17.5%、18%、18.5%、19%、19.5%、20%、20.5%、21%、21.5%、22%、22.5%、23%、23.5%、24%、24.5%、25%、25.5%、26%、26.5%、27%、27.5%、28%、28.5%、29%、29.5%、30%、30.5%、31%、31.5%、32%、32.5%、33%、33.5%、34%、34.5%、35%、35.5%、36%、36.5%、37%、37.5%、38%、38.5%、39%、39.5%、40%、40.5%、41%、41.5%、42%、42.5%、43%、43.5%、44%、44.5%、45%、45.5%、46%、46.5%、47%、47.5%、48%、48.5%、49%、49.5%、又は50%であり得る。
【0345】
いくつかの実施形態では、微生物胞子及び/又は細胞は、植物要素上に自由にコーティングされ得るか、又は植物要素上にコーティングされる前に液体若しくは固体組成物中で製剤化され得る。例えば、固体担体が胞子又は細胞懸濁液で含浸されるまで、固体担体を胞子の懸濁液と混合することによって、微生物を含む固体組成物を調製することができる。次いで、この混合物を乾燥させて、所望の粒子を得ることができる。
【0346】
いくつかの他の実施形態では、本開示の固体又は液体微生物組成物は、機能的作用物質、例えば、活性炭、栄養素(肥料)、並びに生産物の発芽及び品質を改善することが可能な他の作用物質、又はそれらの組み合わせを更に含有することが企図される。
【0347】
当技術分野で公知である植物要素コーティング方法及び組成物は、本開示の実施形態のうちの1つの追加によってそれらが修飾されるときに特に有用であり得る。それらの適用のためのそのようなコーティング方法及び装置は、例えば、米国特許第5,916,029号、同第5,918,413号、同第5,554,445号、同第5,389,399号、同第4,759,945号、同第4,465,017号、及び米国特許出願第13/260,310号に開示されており、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0348】
植物要素コーティング組成物は、例えば、米国特許第5,939,356号、同第5,876,739号、同第5,849,320号、同第5,791,084号、同第5,661,103号、同第5,580,544号、同第5,328,942号、同第4,735,015号、同第4,634,587号、同第4,372,080号、同第4,339,456号、及び同第4,245,432号に開示されており、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0349】
いくつかの実施形態では、様々な添加剤を、本発明の組成物を含む植物要素処理製剤に添加することができる。結合剤を添加することができ、コーティングされる植物要素に対する植物毒性効果がない、天然又は合成であり得る接着ポリマーから構成されるものを含む。結合剤は、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースを含む、セルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、修飾デンプン、デキストリン、マルトデキストリン、アルギン酸塩、及びキトサンを含む、多糖類、脂肪、油、ゼラチン及びゼインを含む、タンパク質、アラビアゴム、シェラック、塩化ビニリデン及び塩化ビニリデン共重合体、リグノスルホン酸カルシウム、アクリル共重合体、ポリビニルアクリレート、ポリエチレンオキシド、アクリルアミドポリマー及び共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、メチルアクリルアミドモノマー、並びにポリクロロプレンから選択され得る。
【0350】
ニトロソ、ニトロ、モノアゾ、ビサゾ、及びポリアゾを含む、アゾ、アクリジン、アントラキノン、アジン、ジフェニルメタン、インダミン、インドフェノール、メチン、オキサジン、フタロシアニン、チアジン、チアゾール、トリアリルメタン、キサンテンとして分類される有機発色団を含む、様々な着色剤のいずれかが採用され得る。添加され得る他の添加剤には、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン、及び亜鉛の塩などの微量栄養素が含まれる。
【0351】
ポリマー又は他の防塵剤を適用して、植物要素表面上で処理を保持することができる。
【0352】
いくつかの特定の実施形態では、微生物細胞又は胞子に加えて、コーティングは、接着剤の層を更に含むことができる。接着剤は、非毒性、生分解性、及び接着性であるべきである。そのような材料の例としては、限定されるものではないが、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、及びヒドロキシメチルプロピルセルロースなどのセルロース、デキストリン、アルギン酸塩、糖、糖蜜、ポリビニルピロリドン、多糖類、タンパク質、脂肪、油、アラビアゴム、ゼラチン、シロップ、並びにデンプンが挙げられる。更なる例が、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,213,367号で見出され得る。
【0353】
接着剤、分散剤、界面活性剤、並びに栄養及び緩衝成分などの様々な添加剤も、植物要素処理製剤に含むことができる。他の従来の植物要素処理添加剤には、限定されるものではないが、コーティング剤、湿潤剤、緩衝剤、及び多糖類が含まれる。少なくとも1つの農業的に許容される担体を、水、固体、又は乾燥粉末などの植物要素処理製剤に添加することができる。乾燥粉末は、炭酸カルシウム、石膏、バーミキュライト、タルク、腐植、活性炭、及び様々なリン化合物などの様々な材料に由来し得る。
【0354】
いくつかの実施形態では、植物要素コーティング組成物は、植物要素へのその適用を促進するために活性成分が組み合わせられる、有機又は無機、天然又は合成成分である、少なくとも1つの充填剤を含むことができる。態様では、充填剤は、粘土、天然若しくは合成ケイ酸塩、シリカ、樹脂、ワックス、固体肥料(例えば、アンモニウム塩)、カオリン、粘土、タルク、石灰、石英、アタパルジャト、モンモリロナイト、ベントナイト、若しくはケイ素土などの天然土壌鉱物、又はシリカ、アルミナ、若しくはケイ酸塩、特に、ケイ酸アルミニウム若しくはケイ酸マグネシウムなどの合成鉱物などの不活性固体である。
【0355】
いくつかの実施形態では、植物要素処理製剤は、以下の成分:地下にのみ作用する化合物を含む他の殺虫剤、カプタン、チラム、メタラキシル、フルジオキソニル、オキサジキシル、及びそれらの材料の各々の異性体などの殺真菌剤、グリホサート、カルバメート、チオカルバメート、アセトアミド、トリアジン、ジニトロアニリン、グリセロールエーテル、ピリダジノン、ウラシル、フェノキシ、尿素、及び安息香酸から選択される化合物を含む、除草剤、ベンゾキサジン、ベンズヒドリル誘導体、N,N-ジアリルジクロロアセトアミド、様々なジハロアシル、オキサゾリジニル及びチアゾリニル化合物、エタノン、ナフタル酸無水物化合物、並びにオキシム誘導体などの除草剤解毒剤、化学肥料、生物学的肥料、並びにRhizobium属、Bacillus属、Pseudomonas属、Serratia属、Trichoderma属、Glomus属、Gliocladium属、及び菌根菌由来の他の自然発生若しくは組換え細菌及び真菌などの生物防除剤のうちの1つ以上を更に含み得る。これらの成分は、植物要素上に別個の層として添加され得るか、又は代替的に、本開示の植物要素コーティング組成物の一部として添加され得る。
【0356】
いくつかの実施形態では、本開示の植物要素を処理するために使用される製剤は、懸濁液、エマルション、水性媒体(例えば、水)中の粒子のスラリー、湿潤性粉末、湿潤性顆粒(乾燥流動性)、及び乾燥顆粒の形態であり得る。懸濁液又はスラリーとして製剤化された場合、製剤中の活性成分の濃度は、約0.5重量%~約99重量%(w/w)若しくは5~40%であるか、又は別様に当業者によって別段に製剤化されるとおりであり得る。
【0357】
上述のように、他の従来の非活性又は不活性成分を製剤に組み込むことができる。そのような不活性成分としては、限定されるものではないが、従来の粘着剤、例えば、植物要素処理で使用するための複合分散剤/粘着剤としての役割を果たす、メチルセルロースなどの分散剤、ポリビニルアルコール、レシチン、ポリマー分散剤(例えば、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル)、増粘剤(例えば、粘度を改善し、粒子懸濁液の沈降を低減するための粘土増粘剤)、エマルション安定剤、界面活性剤、不凍化合物(例えば、尿素)、染料、着色剤、及び同等物が含まれる。本開示で有用な更なる不活性成分は、参照により本明細書に組み込まれる、McCutcheon’s,vol.1,“Emulsifiers and Detergents,”MC Publishing Company,Glen Rock,N.J.,U.S.A.,1996で見出され得る。
【0358】
本開示の植物要素コーティング製剤は、コンテナ(例えば、ボトル又は袋)内の混合、機械的適用、タンブリング、噴霧、及び浸漬を含むがこれらに限定されない、様々な方法によって植物要素に適用され得る。植物要素を本開示による微生物組成物と接触させるために、様々な活性又は不活性材料を使用することができる。
【0359】
いくつかの実施形態では、植物要素の処理に使用される微生物又は農業用組成物の量は、植物要素のタイプ及び活性成分のタイプに応じて変化するであろうが、処理は、植物要素を農業的有効量の本発明の組成物と接触させることを含むであろう。
【0360】
上記で論じられるように、有効量は、有益な結果又は所望の結果に影響を及ぼすために十分である本発明の組成物の量を意味する。有効量を1回以上の投与で投与することができる。
【0361】
いくつかの実施形態では、コーティング層に加えて、植物要素は、以下の成分:殺真菌剤及び除草剤を含む他の殺虫剤、除草剤解毒剤、肥料及び/又は生物防除剤のうちの1つ以上で処理され得る。これらの成分は、別個の層として添加され得るか、又は代替的にコーティング層内に添加され得る。
【0362】
いくつかの実施形態では、本開示の植物要素コーティング製剤は、流動床技法、ローラーミル法、回転式静的植物要素処理機、及びドラムコーターなどの様々な技法及び機械を使用して、植物要素に適用され得る。噴流床などの他の方法も有用であり得る。植物要素は、コーティング前に予めサイズ決定され得る。コーティング後に、植物要素は、典型的には乾燥され、次いで、サイズ決定のためにサイジング機に移される。そのような手順は、当該技術分野で公知である。
【0363】
いくつかの実施形態では、微生物で処理された植物要素はまた、コーティングを保護するためにフィルムオーバーコーティングで包まれ得る。そのようなオーバーコーティングは、当該技術分野で公知であり、流動床及びドラムフィルムコーティング技法を使用して適用され得る。
【0364】
本開示の他の実施形態では、本開示による組成物は、固体マトリクスプライミングの使用によって植物要素上に導入され得る。例えば、ある数量の発明の組成物を、固体マトリクス材料と混合することができ、次いで、組成物が植物要素に導入されることを可能にするために、植物要素を、ある期間にわたって固体マトリクス材料と接触させることができる。次いで、植物要素を、任意選択的に、固体マトリクス材料から分離して、保存若しくは使用することができるか、又は植物要素を加えた固体マトリクス材料の混合物を、保存するか、若しくは直接植え付けることができる。本開示に有用である固体マトリクス材料としては、ポリアクリルアミド、デンプン、粘土、シリカ、アルミナ、土壌、砂、ポリ尿素、ポリアクリレート、又は本発明の組成物を一時的に吸収又は吸着し、その組成物を植物要素内又は上に放出することが可能な任意の他の材料が含まれる。本発明の組成物及び固体マトリクス材料が相互に適合することを確認することが有用である。例えば、固体マトリクス材料は、例えば、数分、数時間、又は数日の期間にわたって、合理的な速度で組成物を放出することができるように選択されるべきである。
【0365】
いくつかの実施形態では、本開示は、表1若しくは表1Aに開示される任意の単一微生物若しくは微生物の組み合わせ、又は本明細書の表2からの1つ以上の微生物と組み合わせた表1若しくは表1Aからの任意の微生物若しくはそれらの組み合わせを含む、開示される方法に従って開発された個々の微生物、又は微生物共同体、若しくは微生物群衆が、任意の植物生物刺激物質と組み合わせられ得ることを教示する。
【0366】
いくつかの実施形態では、本開示は、とりわけ、Vitazyme(登録商標)、Diehard(商標)Biorush(登録商標)、Diehard(商標)Biorush(登録商標)Fe、Diehard(商標)Soluble Kelp、Diehard(商標)Humate SP、Phocon(登録商標)、Foliar Plus(商標)、Plant Plus(商標)、Accomplish LM(登録商標)、Titan(登録商標)、Soil Builder(商標)、Nutri Life、Soil Solution(商標)、Seed Coat(商標)、PercPlus(商標)、Plant Power(登録商標)、CropKarb(登録商標)、Thrust(商標)、Fast2Grow(登録商標)、Baccarat(登録商標)、及びPotente(登録商標)を含むがこれらに限定されない、1つ以上の市販の生物刺激物質を含む、農業用組成物を教示する。
【0367】
いくつかの実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体が活性化学剤と組み合わせられると、目的の植物表現型形質に対する相加効果が目撃される。他の実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体が活性化学剤と組み合わせられると、目的の植物表現型形質に対する相乗効果が目撃される。
【0368】
いくつかの実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体が肥料と組み合わせられると、目的の植物表現型形質に対する相加効果が目撃される。他の実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体が肥料と組み合わせられると、目的の植物表現型形質に対する相乗効果が目撃される。
【0369】
いくつかの実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体が植物成長調節因子と組み合わせられると、目的の植物表現型形質に対する相加効果が目撃される。いくつかの実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体が植物成長調節因子と組み合わせられると、相乗効果が目撃される。いくつかの態様では、本開示の微生物は、Ascend(登録商標)と組み合わせられ、相乗効果が1つ以上の目的の表現型形質について観察される。
【0370】
いくつかの実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体が生物刺激物質と組み合わせられると、目的の植物表現型形質に対する相加効果が目撃される。いくつかの実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体が植物刺激物質と組み合わせられると、相乗効果が目撃される。
【0371】
教示される方法によって得られる相乗効果は、Colbyの式(すなわち、(E)=X+Y-(X*Y/100))に従って定量化され得る。参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、Colby,R.S.,“Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations,”1967Weeds,vol.15,pp.20-22を参照されたい。したがって、「相乗効果」によって、その存在により、相加量を超えて所望の効果を増加させる成分が意図される。
【0372】
本開示の単離された微生物及び共同体は、農業用活性化合物、また、農業用補助化合物の有効性を相乗的に増加させることができる。
【0373】
他の実施形態では、教示される方法に従って識別された微生物又は微生物共同体が肥料と組み合わせられると、相乗効果が目撃される。
【0374】
更に、特定の実施形態では、本開示は、微生物共同体を定義するために相乗的相互作用を利用する。すなわち、特定の態様では、本開示は、相乗的に作用する特定の単離された微生物種を、植物に有益な形質を付与するか、又は有益な植物形質の増加と相関する共同体に、ともに組み合わせる。
【0375】
本開示に従って開発された農業用組成物は、既知の活性農業用化合物の活性を改善するために、特定の補助物質を用いて製剤化され得る。これは、活性化合物の有効性を維持しながら、製剤中の活性成分の量が低減され、したがって、コストを可能な限り低く保ち、任意の公的規制に従うことを可能にし得るという利点を有する。個々の場合において、添加を伴わない特定の活性成分を用いた処理が不十分に成功した植物が、開示された微生物分離株及び共同体とともに特定の補助物質を添加することによって、実際に成功裏に処理され得るため、活性化合物の作用の範囲を広げることも可能であり得る。更に、活性物質の性能は、個々の場合において、環境条件が好ましくないときに好適な製剤によって増加され得る。
【0376】
農業用組成物に使用され得るそのような補助物質は、アジュバントであり得る。多くの場合、アジュバントは、表面活性化合物又は塩様化合物の形態をとる。それらの作用機序に応じて、それらは、調整剤、活性化剤、肥料、pH緩衝剤、及び同等物として大まかに分類され得る。調整剤は、製剤の湿潤、粘着、及び拡散特性に影響を及ぼす。活性化剤は、植物のろう様表皮を分解し、短期(数分にわたる)及び長期(数時間にわたる)の両方で、表皮内への活性成分の浸透を改善する。硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、又は尿素などの肥料は、活性成分の吸収及び溶解性を改善し、活性成分の拮抗挙動を低減し得る。pH緩衝剤が、製剤を最適なpHにするために従来的に使用される。
【0377】
本開示の農業用組成物の更なる実施形態については、参照により本明細書に組み込まれる、“Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations,”edited by D.A.Knowles,copyright1998by Kluwer Academic Publishersを参照されたい。
【0378】
植物及び農学的利益
農業で栽培されるものを含む多種多様な植物は、単一微生物、共同体、及び/又はそれらから生産されるか、又は前述のうちのいずれかを含む組成物を含む、本明細書に記載されるものなどの微生物の適用から利益を受けることが可能であり得る。蘚類及び地衣類並びに藻類を含む、任意の数の様々な異なる植物が、本開示の方法で使用され得る。実施形態では、植物は、経済的、社会的、又は環境的価値を有する。例えば、植物は、食用作物、繊維作物、油料作物として、林業、パルプ及び製紙産業で、バイオ燃料生産のための原料として、並びに観賞植物として使用されるものを含み得る。
【0379】
他の実施形態では、雑草などの植物は、経済的、社会的、又は環境的に望ましくない場合がある。以下は、本開示の方法が適用され得る植物のタイプの非限定的な例のリストである。
【0380】
食用作物
穀草類、例えば、トウモロコシ、米、小麦、大麦、ソルガム、キビ、オート麦、ライ麦、ライ小麦、及びソバ
【0381】
葉野菜、例えば、キャベツ、ブロッコリー、チンゲン菜、ルッコラなどのアブラナ科の植物、ホウレンソウ、クレス、及びレタスなどのサラダ用野菜、
【0382】
結実及び開花野菜、例えば、アボガド、スイートコーン、アーティチョーク、キュウリ類、例えば、カボチャ、キュウリ、メロン、ズッキーニ、ペポカボチャ、ナス科の野菜/果実、例えば、トマト、ナス、及びトウガラシ、
【0383】
マメ科の野菜、例えば、ピーナッツ、落花生、エンドウ、大豆、豆、レンズマメ、ヒヨコマメ、オクラ、
【0384】
球根状及び茎状野菜、例えば、アスパラガス、セロリ、ネギ属作物、例えば、ニンニク、タマネギ、及びネギ、
【0385】
根菜及び塊茎野菜、例えば、ニンジン、ビート、タケノコ、キャッサバ、ヤムイモ、ショウガ、キクイモ、パースニップ、ダイコン、ジャガイモ、サツマイモ、タロイモ、カブ、及びワサビ、
【0386】
サトウダイコン(Beta vulgaris)、サトウキビ(Saccharum officinarum)を含む、糖料作物、
【0387】
非アルコール飲料及び刺激物質の生産のために栽培された作物、例えば、コーヒー、紅茶、ハーブ茶、及び緑茶、ココア、マリファナ、並びにタバコ、
【0388】
真液果類(例えば、キウイフルーツ、ブドウ、スグリ、グースベリー、グアバ、フェイジョア、ザクロ)、柑橘系果実(例えば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ)、子房上果実(例えば、バナナ、クランベリー、ブルーベリー)、複合果(ブラックベリー、ラズベリー、ボイゼンベリーなど)、多花果(例えば、パイナップル、イチジク)、核果作物(例えば、アンズ、モモ、サクランボ、プラム)、小種果実(例えば、リンゴ、ナシ)、及びイチゴ、ヒマワリの種子などのその他などの果実作物、
【0389】
料理用及び薬用ハーブ、例えば、ローズマリー、バジル、ゲッケイジュ、コリアンダー、ミント、ディル、オトギリソウ、キツネノテブクロ、アロエ、ローズヒップ、及び大麻、
【0390】
香辛料を生産する作物植物、例えば、ブラックペッパー、クミンシナモン、ナツメグ、ショウガ、クローブ、サフラン、カルダモン、メイス、パプリカ、マサラ、スターアニス、
【0391】
ナッツの生産のために栽培された作物、例えば、アーモンド及びクルミ、ブラジルナッツ、カシューナッツ、ココナッツ、クリ、マカダミアナッツ、ピスタチオナッツ、落花生、ピーカンナッツ、
【0392】
ビール、ワイン、及び他のアルコール飲料の生産のために栽培された作物、例えば、ブドウ、ホップ、
【0393】
油糧種子作物、例えば、大豆、落花生、綿、オリーブ、ヒマワリ、ゴマ、ハウチワマメ種、及びアブラナ科の作物(例えば、キャノーラ/菜種)、並びに食用菌類、例えば、ホワイトマッシュルーム、シイタケ、及びヒラタケ、
【0394】
牧畜農業で使用される植物
マメ科植物:Trifolium種、Medicago種、及びLotus種、シロツメクサ(T.repens)、アカツメクサ(T.pratense)、コーカサスクローバー(T.ambigum)、サブタレニアンクローバー(T.subterraneum)、アルファルファ/ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativum)、一年生ウマゴヤシ、タルウマゴヤシ、コメツブウマゴヤシ、イガマメ(Onobrychis viciifolia)、ミヤコグサ(Lotus corniculatus)、ネビキミヤコグサ(Lotus pedunculatus)、
【0395】
エンドウ(Pisum sativum)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、ソラマメ(Vicia faba)、リョクトウ(Vigna radiata)、ササゲ(Vigna unguiculata)、ヒヨコマメ(Cicer arietum)、ハウチワマメ(Lupinus種)を含む、種子マメ科植物/豆類、トウモロコシ/トウキビ(Zea mays)、ソルガム(Sorghum種)、キビ(Panicum miliaceum、P.sumatrense)、米(Oryza sativa indica、Oryza sativa japonica)、小麦(Triticum aestivum)、大麦(Hordeum vulgare)、ライ麦(Secale cereale)、ライ小麦(Triticum X Secale)、オート麦(Avena sativa)を含む、穀草類、
【0396】
飼料及びアメニティ用草:Lolium種などの寒地型牧草、Festuca種、Agrostis種、ペレニアルライグラス(Lolium perenne)、ハイブリッドライグラス(Lolium hybridum)、一年生ライグラス(Lolium multiflorum)、オニウシノケグサ(Festuca arundinacea)、ヒロハノウシノケグサ(Festuca pratensis)、オオウシノケグサ(Festuca rubra)、Festuca ovina、フェストロリウム(Lolium X Festuca crosses)、カモガヤ(Dactylis glomerata)、ケンタッキーブルーグラスPoa pratensis、Poa palustris、Poa nemoralis、Poa trivialis、Poa compresa、Bromus種、クサヨシ(Phleum種)、Arrhenatherum elatius、Agropyron種、Avena strigosa、Setaria italic、
【0397】
Phalaris種、Brachiaria種、Eragrostis種 Panicum種、アメリカスズメノヒエ(Paspalum notatum)、Brachypodium種、並びにスイッチグラス(Panicum virgatum)及びMiscanthus種などのバイオ燃料生産に使用される草などの暖地型牧草、
【0398】
繊維作物
綿、麻、ジュート、ココナッツ、サイザル麻、亜麻(Linum種)、ニュージーランド亜麻(Phormium種)、紙用に収穫された植林及び自然休種、並びに針葉樹及び広葉樹林種などの加工木質繊維製品、
【0399】
植林及びバイオ燃料作物に使用される樹木及び低木
マツ(Pinus種)、モミ(Pseudotsuga種)、トウヒ(Picea種)、ヒノキ(Cupressus種)、アカシア(Acacia種)、ハンノキ(Alnus種)、オーク種(Quercus種)、レッドウッド(Sequoiadendron種)、ヤナギ(Salix種)、カバノキ(Betula種)、ヒマラヤスギ(Cedurus種)、セイヨウトネリコ(Fraxinus種)、カラマツ(Larix種)、Eucalyptus種、竹(Bambuseae種)及びポプラ(Populus種)。
【0400】
抽出、生物学的、物理的、又は生化学的処理による、エネルギー、バイオ燃料、又は工業製品への転換のために栽培された植物
油ヤシ、ジャトロファ、大豆、綿、亜麻仁などの産油植物、パラゴムノキ、Hevea brasiliensis、パナマラバーツリー、Castilla elasticaなどのラテックス生産植物、糖作物(例えば、ビート、サトウキビ)、デンプン生産作物(例えば、C3及びC4穀物作物並びに塊茎作物)、森林樹木(例えば、マツ、ユーカリ)などのセルロース作物、並びに竹、スイッチグラス、ススキなどのイネ科(Graminaceous及びPoaceous)植物を含む、バイオ燃料の生産のために、すなわち、バイオ燃料、工業用溶媒又は化学製品、例えば、エタノール若しくはブタノール、プロパンジオール、又は他の燃料若しくは工業材料の生産中の化学的、物理的(例えば、熱若しくは触媒)、又は生化学的(例えば、酵素前処理)、又は生物学的(例えば、微生物発酵)形質転換後に、直接又は間接的原料として使用される植物、バイオ炭の生産の有無別に、ガス化及び/又はバイオ燃料又は溶媒若しくはプラスチックなどの他の工業原材料へのガスの微生物若しくは触媒変換を介した、エネルギー、バイオ燃料、又は工業化学生産に使用される作物(例えば、針葉樹、ユーカリ、熱帯林若しくは広葉樹林の樹木、竹、スイッチグラス、ススキ、サトウキビ、若しくは麻などのイネ科(graminaceous及びpoaceous)作物、又はポプラ、ヤナギなどの針葉樹、並びにバイオ炭の生産に使用されるバイオマス作物、
【0401】
製薬、農業、栄養補助食品、美容産業に有用な天然農産物を生産する農作物
医薬前駆体若しくは化合物、又は栄養補助及び薬用化粧品化合物及び材料、例えば、スターアニス(シキミ酸)、イタドリ(レスベラトロール)、キウイフルーツ(可溶性繊維、タンパク質分解酵素)を生産する作物、
【0402】
その美的又は環境的性質のために栽培された花卉園芸、鑑賞、及びアメニティ用植物
バラ、チューリップ、キクなどの花、
【0403】
Buxus、Hebe、Rosa、Rhododendron、Hederaなどの観賞用低木
【0404】
Platanus、Choisya、Escallonia、Euphorbia、Carexなどのアメニティ用植物
【0405】
ミズゴケなどの蘚類
【0406】
バイオレメディエーションのために栽培された植物
特定の態様では、本開示の微生物は、ハイブリッド植物に適用され、当該ハイブリッドの有益な形質を増加させる。他の態様では、本開示の微生物は、遺伝子修飾された植物に適用され、当該GM植物の有益な形質を増加させる。本明細書に教示される微生物は、ハイブリッド及びGM植物に適用され、したがって、これらの植物の精鋭遺伝及び形質技術を最大限化することができる。
【0407】
植物は、種子、苗、挿し木、珠芽、又は成長することが可能な任意の他の植物材料若しくは組織の形態で提供され得ることを理解されたい。一実施形態では、種子は、表面汚染微生物を除去するために、次亜塩素酸ナトリウム又は塩化水銀などの材料で表面滅菌され得る。一実施形態では、珠芽は、例えば、組織培養中の滅菌小植物として、植物成長培地に入れられる前に、無菌培養中で成長させられる。
【0408】
適用の方法
微生物は、当技術分野で公知である任意の適切な技法を使用して、植物、苗、挿し木、珠芽、若しくは同等物、及び/又は当該植物を含む成長培地に適用され得る。
【0409】
しかしながら、一例として、単離された微生物、共同体、若しくはそれらを含む組成物、及び/又はそれらから生産される組成物が、噴霧、コーティング、散布、又は当技術分野で公知である任意の他の方法によって、植物、苗、挿し木、珠芽、又は同等物に適用され得る。
【0410】
別の実施形態では、単離された微生物、共同体、又はそれらを含む組成物は、播種する前に植物種子に直接適用され得る。
【0411】
別の実施形態では、単離された微生物、共同体、又はそれらを含む組成物は、種子コーティングとして、植物種子に直接適用され得る。
【0412】
本開示の一実施形態では、単離された微生物、共同体、又はそれらを含む組成物は、植物成長培地に適用される顆粒、又はプラグ、若しくは土壌被水の形態で供給される。
【0413】
他の実施形態では、単離された微生物、共同体、又はそれらを含む組成物は、葉面噴霧又は液体組成物などの葉面適用の形態で供給される。葉面噴霧又は液体適用は、成長中の植物、又は成長培地、例えば、土壌に適用され得る。
【0414】
いくつかの実施形態では、単離された微生物、共同体、又はそれらを含む組成物は、土壌被水、葉面噴霧、浸漬処理、畝内処理、土壌改良、顆粒、広域播種処理、収穫後の疾患制御処理、又は種子処理としから選択される形態で供給される。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、単独で、又は交代噴霧プログラムで適用され得る。
【0415】
いくつかの実施形態では、単離された微生物、共同体、又はそれらを含む組成物は、タンク混合に適合し得る。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、他の農産物とのタンク混合に適合し得る。いくつかの実施形態では、農業用組成物は、地上、空中、及び灌漑用途に使用される機器に適合し得る。
【0416】
別の実施形態では、単離された微生物、共同体、又はそれらを含む組成物は、顆粒に製剤化され、植え付け中に種子とともに適用され得る。又は、顆粒は、植え付け後に適用され得る。又は、顆粒は、植え付け前に適用され得る。
【0417】
いくつかの実施形態では、単離された微生物、共同体、又はそれらを含む組成物は、作物の成長、生産高、及び品質を改善するために、局所適用及び/又は被水適用として植物又は成長培地に投与される。局所適用は、乾燥混合物若しくは粉末若しくは散布組成物の利用を介したものであり得るか、又は液体系製剤であり得る。
【0418】
実施形態では、単離された微生物、共同体、又はそれらを含む組成物は、とりわけ、(1)溶液、(2)湿潤性粉末、(3)散布粉末、(4)可溶性粉末、(5)エマルション又は懸濁液濃縮物、(6)種子ドレッシング又はコーティング、(7)錠剤、(8)水分散性顆粒、(9)水溶性顆粒(徐放又は速放)、(10)マイクロカプセル化顆粒又は懸濁液、(11)灌漑成分、並びに(12)肥料、殺虫剤、及び他の適合性改良剤の成分として、製剤化され得る。特定の態様では、組成物は、従来の噴霧適用の前に水性媒体中で希釈され得る。本開示の組成物は、土壌、植物、種子、根圏、根鞘、又は微生物組成物を適用することが有益であろう他の領域に適用され得る。更に、弾道方法を、内生微生物を導入するための手段として利用することができる。
【0419】
態様では、組成物は、植物の葉に適用される。組成物は、エマルション若しくは懸濁液濃縮物、液体溶液、又は葉面噴霧の形態で植物の葉に適用され得る。組成物の適用は、実験室、生育箱、温室、又は現場において生じ得る。
【0420】
別の実施形態では、微生物は、根又は茎を切断し、液体微生物懸濁液、又はゲル、若しくは粉末を噴霧、浸漬、又は別様に適用することにより、植物表面を微生物に曝露することによって、植物に接種され得る。
【0421】
別の実施形態では、微生物は、葉若しくは根組織に直接注入されるか、又は別様に、葉若しくは根の切断部の中若しくは上に直接、さもなければ切除された胚、又は幼根、若しくは子葉鞘の中に接種され得る。次いで、これらの接種された植物は、更なる微生物を含む成長培地に曝露され得る。しかしながら、これは必要ではない。
【0422】
特に、微生物が培養不可能である、他の実施形態では、微生物は、移植、外植片の挿入、吸引、エレクトロポレーション、創傷、剪根、気孔開口部の誘導、又は微生物が植物細胞若しくは細胞間空間に入るための機会を提供する任意の物理的、化学的、若しくは生物学的処理のうちのいずれか1つ又は組み合わせによって、植物に移され得る。当業者は、使用され得るいくつかの代替的技法を容易に理解し得る。
【0423】
一実施形態では、微生物は、根、茎、葉及び/若しくは繁殖植物部位などの植物の部位に浸潤し(内生し)、並びに/又は根、茎、葉及び/若しくは繁殖植物部位の表面上で成長し(着生し)、並びに/又は植物根圏内で成長する。一実施形態では、微生物は、植物と共生関係を形成する。
【0424】
態様
本開示のいくつかの態様は、以下を含むが、これらに限定されない。
【0425】
態様1:NRRLアクセッション番号B-67810(株ID:BCP-80、配列番号1)として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812(株ID:BCP-60、配列番号2)として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815(株ID:BCP-69、配列番号3)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947(株ID:BCP-77A、配列番号4)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949(株ID:BCP-77B、配列番号5)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813(株ID:BCP-68A、配列番号6)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68B、配列番号7)、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68C、配列番号8)、NRRLアクセッション番号B-67811(株ID:BCP-68D、配列番号)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879(株ID:BCP-93、配列番号10)として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys、NRRLアクセッション番号B-67878(株ID:BCP-89B、配列番号11)として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871(株ID:BCP-91、配列番号12)として寄託されたLysinibacillus fusiformisからなる群から選択される単離された細菌株、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する、単離された細菌株。
【0426】
態様2:単離された細菌株が、NRRLアクセッション番号B-67810(株ID:BCP-80、配列番号1)として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812(株ID:BCP-60、配列番号2)として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815(株ID:BCP-69、配列番号3)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947(株ID:BCP-77A、配列番号4)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949(株ID:BCP-77B、配列番号5)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813(株ID:BCP-68A、配列番号6)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68B、配列番号7)、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68C、配列番号8)、NRRLアクセッション番号B-67811(株ID:BCP-68D、配列番号)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879(株ID:BCP-93、配列番号10)として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys、NRRLアクセッション番号B-67878(株ID:BCP-89B、配列番号11)として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871(株ID:BCP-91、配列番号12)として寄託されたLysinibacillus fusiformisからなる群から選択される株、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する、単離された細菌株と実質的に類似する形態学的及び生理学的特性を有する、態様1に記載の単離された細菌株。
【0427】
態様3:単離された細菌株が、NRRLアクセッション番号B-67810(株ID:BCP-80、配列番号1)として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812(株ID:BCP-60、配列番号2)として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815(株ID:BCP-69、配列番号3)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947(株ID:BCP-77A、配列番号4)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949(株ID:BCP-77B、配列番号5)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813(株ID:BCP-68A、配列番号6)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68B、配列番号7)、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68C、配列番号8)、NRRLアクセッション番号B-67811(株ID:BCP-68D、配列番号)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879(株ID:BCP-93、配列番号10)として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys、NRRLアクセッション番号B-67878(株ID:BCP-89B、配列番号11)として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871(株ID:BCP-91、配列番号12)として寄託されたLysinibacillus fusiformisからなる群から選択される株、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する、単離された細菌株と実質的に類似する遺伝的特性を有する、態様1に記載の単離された細菌株。
【0428】
態様4:単離された細菌株が、NRRLアクセッション番号B-67810(株ID:BCP-80、配列番号1)として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812(株ID:BCP-60、配列番号2)として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815(株ID:BCP-69、配列番号3)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947(株ID:BCP-77A、配列番号4)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949(株ID:BCP-77B、配列番号5)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813(株ID:BCP-68A、配列番号6)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68B、配列番号7)、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68C、配列番号8)、NRRLアクセッション番号B-67811(株ID:BCP-68D、配列番号)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879(株ID:BCP-93、配列番号10)として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys、NRRLアクセッション番号B-67878(株ID:BCP-89B、配列番号11)として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871(株ID:BCP-91、配列番号12)として寄託されたLysinibacillus fusiformisからなる群から選択される株、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する、単離された細菌株の子孫である、態様1に記載の単離された細菌株。
【0429】
態様5:単離された細菌株が、NRRLアクセッション番号B-67810(株ID:BCP-80、配列番号1)として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812(株ID:BCP-60、配列番号2)として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815(株ID:BCP-69、配列番号3)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947(株ID:BCP-77A、配列番号4)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949(株ID:BCP-77B、配列番号5)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813(株ID:BCP-68A、配列番号6)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68B、配列番号7)、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68C、配列番号8)、NRRLアクセッション番号B-67811(株ID:BCP-68D、配列番号)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879(株ID:BCP-93、配列番号10)として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys、NRRLアクセッション番号B-67878(株ID:BCP-89B、配列番号11)として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871(株ID:BCP-91、配列番号12)として寄託されたLysinibacillus fusiformisからなる群から選択される株、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する、単離された細菌株の変異体である、態様1に記載の単離された細菌株。
【0430】
態様6:単離された細菌株が、NRRLアクセッション番号B-67810(株ID:BCP-80、配列番号1)として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812(株ID:BCP-60、配列番号2)として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815(株ID:BCP-69、配列番号3)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947(株ID:BCP-77A、配列番号4)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949(株ID:BCP-77B、配列番号5)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813(株ID:BCP-68A、配列番号6)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68B、配列番号7)、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68C、配列番号8)、NRRLアクセッション番号B-67811(株ID:BCP-68D、配列番号)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879(株ID:BCP-93、配列番号10)として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys、NRRLアクセッション番号B-67878(株ID:BCP-89B、配列番号11)として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871(株ID:BCP-91、配列番号12)として寄託されたLysinibacillus fusiformisからなる群から選択される株、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する、単離された細菌株の遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントである、態様1に記載の単離された細菌株。
【0431】
態様7:NRRLアクセッション番号B-67810(株ID:BCP-80、配列番号1)として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812(株ID:BCP-60、配列番号2)として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815(株ID:BCP-69、配列番号3)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947(株ID:BCP-77A、配列番号4)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949(株ID:BCP-77B、配列番号5)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813(株ID:BCP-68A、配列番号6)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68B、配列番号7)、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68C、配列番号8)、NRRLアクセッション番号B-67811(株ID:BCP-68D、配列番号)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879(株ID:BCP-93、配列番号10)として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys、NRRLアクセッション番号B-67878(株ID:BCP-89B、配列番号11)として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871(株ID:BCP-91、配列番号12)として寄託されたLysinibacillus fusiformis、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する、単離された細菌株。
【0432】
態様8:配列番号1~12のうちのいずれか1つと少なくとも97%の配列同一性を共有するポリヌクレオチド配列を含む、単離された細菌株。
【0433】
態様9:態様1~8のいずれか1つに記載の単離された細菌株の実質的に純粋な培養物。
【0434】
態様10:態様1~8のいずれか1つに記載の単離された細菌株の無細胞又は不活化調製物。
【0435】
態様11:態様1~8のいずれか1つに記載の単離された細菌株によって産生される代謝産物。
【0436】
態様12:態様1~8のいずれか1つに記載の単離された細菌株と、農業的に許容される担体と、を含む、農業用組成物。
【0437】
態様13:単離された株が、1グラム当たり1×10^2~1×10^12の細菌細胞の濃度で組成物中に存在する、態様12に記載の農業用組成物。
【0438】
態様14:農業用組成物が、種子コーティング、葉面噴霧、土壌被水、浸漬処理、畝内処理、土壌改良、顆粒、広域播種処理、又は収穫後の疾患制御処理として製剤化される、態様12又は13に記載の農業用組成物。
【0439】
態様15:少なくとも1つの有益な形質を植物種に付与する方法であって、態様1~8のいずれか1つに記載の単離された細菌株を、植物種、又は植物種が位置する成長培地に適用することを含む、方法。
【0440】
態様16:少なくとも1つの有益な形質を植物種に付与する方法であって、態様12~14のいずれか1つに記載の農業用組成物を、植物種、又は植物種が位置する成長培地に適用することを含む、方法。
【0441】
態様17:A)Bacillus tequilensis、Bacillus methylotrophicus、Bacillus amyloliquefaciens、Paenibacillus alginolyticus、Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora、Bacillus pumilus、及びLysinibacillus fusiformis、並びにB)Arthrobacter cupressi、Arthrobacter mysorens、Arthrobacter nicotinovorans、Arthrobacter pascens、Bacillus megaterium、Bacillus subtilis、Bacillus thuringiensis、Bacillus velezensis、Brevibacterium frigoritolerans、Herbaspirillum chlorophenolicum、Kosakonia radicincitans、Lysinibacillus fusiformis、Massilia kyonggiensis,Massilia niastensis、Novosphingobium sediminicola、Paenibacillus amylolyticus、Paenibacillus glycanilyticus、Paenibacillus polymyxa、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas jinjuensis、Pseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas putida、Rahnella aquatilis、及びTumebacillus permanentifrigorisからなる群から選択される少なくとも2つの微生物を含み、少なくとも1つの微生物が、群A)から選択される、微生物共同体。
【0442】
態様18:微生物のうちの少なくとも1つが、群A)から選択される微生物と実質的に類似する形態学的及び生理学的特性を有するものとして特徴付けられる、態様17に記載の微生物共同体。
【0443】
態様19:微生物のうちの少なくとも1つが、群A)から選択される微生物と実質的に類似する遺伝的特性を有するものとして特徴付けられる、態様17に記載の微生物共同体。
【0444】
態様20:微生物のうちの少なくとも1つが、群A)から選択される微生物の子孫として特徴付けられる、態様17に記載の微生物共同体。
【0445】
態様21:微生物のうちの少なくとも1つが、群A)から選択される微生物の変異体として特徴付けられる、態様17に記載の微生物共同体。
【0446】
態様22:微生物のうちの少なくとも1つが、群A)から選択される微生物の遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントとして特徴付けられる、態様17に記載の微生物共同体。
【0447】
態様23:態様17~22のいずれか1つに記載の微生物共同体の実質的に純粋な培養物。
【0448】
態様24:態様17~22のいずれか1つに記載の微生物共同体の不活化調製物の無細胞。
【0449】
態様25:態様17~22のいずれか1つに記載の微生物共同体によって産生される代謝産物。
【0450】
態様26:態様17~22のいずれか1つに記載の微生物共同体と、農業的に許容される担体と、を含む、農業用組成物。
【0451】
態様27:微生物共同体が、1グラム当たり1×10^2~1×10^12個の細菌細胞で組成物中に存在する、態様26に記載の農業用組成物。
【0452】
態様28:農業用組成物が、種子コーティング、葉面噴霧、土壌被水、浸漬処理、畝内処理、土壌改良、顆粒、広域播種処理、又は収穫後の疾患制御処理として製剤化される、態様26又は27に記載の農業用組成物。
【0453】
態様29:少なくとも1つの有益な形質を植物種に付与する方法であって、態様17~22のいずれか1つに記載の微生物共同体を、植物種、又は植物種が位置する成長培地に適用することを含む、方法。
【0454】
態様30:少なくとも1つの有益な形質を植物種に付与する方法であって、態様26又は27に記載の農業用組成物を、植物種、又は植物種が位置する成長培地に適用することを含む、方法。
【0455】
態様31:NRRLアクセッション番号B-67810(株ID:BCP-80、配列番号1)として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812(株ID:BCP-60、配列番号2)として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815(株ID:BCP-69、配列番号3)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947(株ID:BCP-77A、配列番号4)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949(株ID:BCP-77B、配列番号5)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813(株ID:BCP-68A、配列番号6)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68B、配列番号7)、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68C、配列番号8)、NRRLアクセッション番号B-67811(株ID:BCP-68D、配列番号)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879(株ID:BCP-93、配列番号10)として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys、NRRLアクセッション番号B-67878(株ID:BCP-89B、配列番号11)として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871(株ID:BCP-91、配列番号12)からなる群から選択される少なくとも2つの単離された細菌株、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアント、及びそれらの組み合わせを有する単離された細菌株、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する単離された細菌株と、NRRLアクセッション番号B-67183(配列番号23)として寄託されたArthrobacter cupressi、NRRLアクセッション番号B-67184(配列番号22)として寄託されたArthrobacter cupressi、Arthrobacter mysorens(配列番号24)、NRRLアクセッション番号B-67289(配列番号25)として寄託されたArthrobacter nicotinovorans、Arthrobacter pascens(配列番号26)、NRRLアクセッション番号B-67370(配列番号27)として寄託されたBacillus megaterium、Bacillus megaterium(配列番号28)、Bacillus megaterium(配列番号29)、Bacillus subtilis(配列番号30)、Bacillus subtilis(配列番号31)、Bacillus subtilis(配列番号32)、Bacillus thuringiensis(配列番号33)、NRRLアクセッション番号B-50614(配列番号34)として寄託されたBacillus velezensis、NRRLアクセッション番号B-67360(配列番号35)として寄託されたBrevibacterium frigoritolerans、NRRLアクセッション番号B-67236(配列番号36)として寄託されたHerbaspirillum chlorophenolicum、NRRLアクセッション番号B-67197(配列番号37)として寄託されたHerbaspirillum chlorophenolicum、NRRLアクセッション番号B-67171(配列番号38)として寄託されたKosakonia radicincitans、NRRLアクセッション番号B-67946(配列番号39)として寄託されたKosakonia radicincitans、Lysinibacillus fusiformis(配列番号40)、NRRLアクセッション番号B-67198(配列番号41)として寄託されたMassilia kyonggiensis、NRRLアクセッション番号B-67235(配列番号43)として寄託されたMassilia niastensis、NRRLアクセッション番号B-67199(配列番号44)として寄託されたMassilia niastensis、Massilia niastensis(配列番号42)、NRRLアクセッション番号B-67945(配列番号45)として寄託されたNovosphingobium sediminicola、Paenibacillus amylolyticus(配列番号46)、NRRLアクセッション番号B-67204(配列番号47)として寄託されたPaenibacillus glycanilyticus、Paenibacillus polymyxa(配列番号48)、Pseudomonas fluorescens(配列番号49)、Pseudomonas fluorescens(配列番号50)、Pseudomonas fluorescens(配列番号51)、Pseudomonas fluorescens(配列番号52)、Pseudomonas fluorescens(配列番号53)、NRRLアクセッション番号B-67207(配列番号54)として寄託されたPseudomonas jinjuensis、NRRLアクセッション番号B-67225(配列番号55)として寄託されたPseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas oryzihabitans(配列番号56)、Pseudomonas oryzihabitans(配列番号57)、Pseudomonas oryzihabitans(配列番号58)、Pseudomonas putida(配列番号59)、Pseudomonas putida(配列番号60)、Pseudomonas putida(配列番号61)、Pseudomonas putida(配列番号62)、Pseudomonas putida(配列番号63)、Pseudomonas putida(配列番号64)、Pseudomonas putida(配列番号65)、Pseudomonas putida(配列番号66)、Rahnella aquatilis(配列番号67)、NRRLアクセッション番号B-67301(配列番号68)として寄託されたTumebacillus permanentifrigoris、及びNRRLアクセッション番号B-67302(配列番号69)として寄託されたTumebacillus permanentifrigoris、及びそれらの組み合わせ、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する単離された細菌株と、を含み、少なくとも1つの単離された細菌株が、群A)から選択される、微生物共同体。
【0456】
態様32:微生物共同体が、NRRLアクセッション番号NRRL B-67813(株ID:BCP-68A、配列番号6)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68B、配列番号7)、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68C、配列番号8)、及びNRRLアクセッション番号No.B-67811(株ID:BCP-68D、配列番号9)として寄託されたPaenibacillus alginolyticusを含む、態様32の微生物共同体。
【0457】
態様33:微生物共同体が、NRRLアクセッション番号B-67947(株ID:BCP-77A、配列番号4)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、及びNRRLアクセッション番号B-67949(株ID:77-B、配列番号5)として寄託されたBacillus amyloliquefaciensを含む、態様32に記載の微生物共同体。
【0458】
態様34:微生物共同体が、NRRLアクセッション番号B-67878(株ID:BCP-89B、配列番号11)として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-50614(配列番号34)として寄託されたBacillus velezensisを含む、態様32に記載の微生物共同体。
【0459】
態様35:単離された細菌株のうちの少なくとも1つが、群A)から選択される単離された細菌株と実質的に類似する形態学的及び生理学的特性を有するものとして特徴付けられる、態様32に記載の微生物共同体。
【0460】
態様36:単離された細菌株のうちの少なくとも1つが、群A)から選択される単離された細菌株と実質的に類似する遺伝的特性を有するものとして特徴付けられる、態様32に記載の微生物共同体。
【0461】
態様37:単離された細菌株のうちの少なくとも1つが、群A)から選択される単離された細菌株の子孫として特徴付けられる、態様32に記載の微生物共同体。
【0462】
態様38:単離された細菌株のうちの少なくとも1つが、群A)から選択される単離された細菌株の変異体として特徴付けられる、態様32に記載の微生物共同体。
【0463】
態様39:単離された細菌株のうちの少なくとも1つが、群A)から選択される単離された細菌株の遺伝子編集、改変、又は修飾されたバリアントとして特徴付けられる、態様32に記載の微生物共同体。
【0464】
態様40:態様32~39のいずれか1つに記載の微生物共同体の実質的に純粋な培養物。
【0465】
態様41:態様32~39のいずれか1つに記載の微生物共同体の不活化調製物の無細胞。
【0466】
態様42:態様32~39のいずれか1つに記載の微生物共同体によって産生される代謝産物。
【0467】
態様43:態様32~39のいずれか1つに記載の微生物共同体と、農業的に許容される担体と、を含む、農業用組成物。
【0468】
態様44:微生物共同体が、1グラム当たり1×10^2~1×10^12個の細菌細胞で組成物中に存在する、態様43に記載の農業用組成物。
【0469】
態様45:農業用組成物が、種子コーティング、葉面噴霧、土壌被水、浸漬処理、畝内処理、土壌改良、顆粒、広域播種処理、又は収穫後の疾患制御処理として製剤化される、態様43又は44に記載の農業用組成物。
【0470】
態様46:少なくとも1つの有益な形質を植物種に付与する方法であって、態様32~39のいずれか1つに記載の微生物共同体を、植物種、又は植物種が位置する成長培地に適用することを含む、方法。
【0471】
態様47:少なくとも1つの有益な形質を植物種に付与する方法であって、態様43~45のいずれか1つに記載の農業用組成物を、植物種、又は植物種が位置する成長培地に適用することを含む、方法。
【0472】
態様48:少なくとも1つの有益な形質を植物種に付与する方法であって、少なくとも1つの単離された細菌株を、植物種、又は植物種が位置する成長培地に適用することを含み、少なくとも1つの単離された細菌種が、Bacillus tequilensis、Bacillus methylotrophicus、Bacillus amyloliquefaciens、Paenibacillus alginolyticus、Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora、Bacillus pumilus、及びLysinibacillus fusiformisからなる群から選択される、方法。
【0473】
態様49:少なくとも1つの単離された細菌種が、NRRLアクセッション番号B-67810(株ID:BCP-80、配列番号1)として寄託されたBacillus tequilensis、NRRLアクセッション番号B-67812(株ID:BCP-60、配列番号2)として寄託されたBacillus methylotrophicus、NRRLアクセッション番号B-67815(株ID:BCP-69、配列番号3)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67947(株ID:BCP-77A、配列番号4)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67949(株ID:BCP-77B、配列番号5)として寄託されたBacillus amyloliquefaciens、NRRLアクセッション番号B-67813(株ID:BCP-68A、配列番号6)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68B、配列番号7)、Paenibacillus alginolyticus(株ID:BCP-68C、配列番号8)、NRRLアクセッション番号B-67811(株ID:BCP-68D、配列番号)として寄託されたPaenibacillus alginolyticus、NRRLアクセッション番号67879(株ID:BCP-93、配列番号10)として寄託されたOrbilia auricolor/Arthrobotrys、NRRLアクセッション番号B-67878(株ID:BCP-89B、配列番号11)として寄託されたBacillus pumilus、及びNRRLアクセッション番号B-67871(株ID:BCP-91、配列番号12)として寄託されたLysinibacillus fusiformisからなる群から選択される株である、態様48に記載の方法。
【0474】
態様50:表1から選択される単離された細菌株、又は実質的に類似する形態学的及び生理学的特性、実質的に類似する遺伝的特性、子孫、変異体、又はその遺伝子編集、改変、若しくは修飾されたバリアントを有する単離された細菌株。
【0475】
態様51:単離された細菌株が、表1から選択される株と実質的に類似する形態学的及び生理学的特性を有する、態様50に記載の単離された細菌種。
【0476】
態様52:単離された細菌株が、表1から選択される株と実質的に類似する遺伝的特性を有する、態様50に記載の単離された細菌種。
【0477】
態様53:単離された細菌株が、表1から選択される株の子孫である、態様50に記載の単離された細菌株。
【0478】
態様54:単離された細菌株が、表1から選択される株の変異体である、態様50に記載の単離された細菌株。
【0479】
態様55:単離された細菌株が、表1から選択される株の遺伝子編集、改変、又は修飾されたバリアントである、態様50に記載の単離された細菌株。
【0480】
態様56:表1から選択される単離された細菌株。
【0481】
態様57:態様50~56のいずれか1つに記載の単離された細菌株の実質的に純粋な培養物。
【0482】
態様58:態様50~56のいずれか1つに記載の単離された細菌株の無細胞又は不活化調製物。
【0483】
態様59:態様50~56のいずれか1つに記載の単離された細菌株によって産生される代謝産物。
【0484】
態様60:態様50~56のいずれか1つに記載の単離された細菌株と、農業的に許容される担体と、を含む、農業用組成物。
【0485】
態様61:単離された株が、1グラム当たり1×10^2~1×10^12の細菌細胞の濃度で組成物中に存在する、態様60に記載の農業用組成物。
【0486】
態様62:農業用組成物が、種子コーティング、葉面噴霧、土壌被水、浸漬処理、畝内処理、土壌改良、顆粒、広域播種処理、又は収穫後の疾患制御処理として製剤化される、態様60又は61に記載の農業用組成物。
【0487】
態様63:少なくとも1つの有益な形質を植物種に付与する方法であって、態様50~56のいずれか1つに記載の単離された細菌株を、植物種、又は植物種が位置する成長培地に適用することを含む、方法。
【0488】
態様64:少なくとも1つの有益な形質を植物種に付与する方法であって、態様60~62のいずれか1つに記載の農業用組成物を、植物種、又は植物種が位置する成長培地に適用することを含む、方法。
【0489】
本発明は、特に、好ましい実施形態及び様々な代替的実施形態を参照して示され、説明されているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更がそれに行われ得ることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、以下の特定の実施例は、具体的な植物を使用して本明細書に記載される方法及び実施形態を例証し得るが、これらの実施例の原理は、任意の植物に適用され得る。したがって、本発明の範囲は、以下に例示される具体的な実施例によってのみではなく、本明細書に列挙される実施形態によって包含されることが理解されるであろう。
【0490】
本開示は、当業者が、複数の様々な実施形態に従って本明細書で提供される発明を作製及び使用することを可能にする。特定の改変、修正、置換、及び改善を含む、当業者に容易に想起される本開示の様々な改変、修正、及び改善も、本開示の一部である。したがって、前述の説明は、一例として本明細書で提供される発見を例証するものである。更に、前述の説明及び実施例は、本発明の例示であり、その限定ではない。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載される。
【0491】
本出願で参照される全ての引用された特許及び刊行物は、各々が参照により個々かつ具体的に組み込まれた場合と同じ程度に、あらゆる目的のために、それらの全体で参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0492】
本明細書に提示される方法及び組成物は、微生物又は共同体若しくは群衆を含む、及び/又はそれらによって産生される、開示される単離された微生物、群衆、共同体、及び/又は組成物を利用することに基づいて、植物、例えば、農作物などの植物の1つ以上の特徴を改善する。
【0493】
微生物の単離及び識別
目的の微生物は、例えば、
図1~4に示されるようなAMSプロセスから、又は当技術分野で公知である任意の方法に従って選択される。
【0494】
微生物の単離は、当技術分野で公知である任意の方法に従って実施され得る。1つの例示的な非限定的実施例が、以下に挙げられる。
【0495】
多様な植物要素切片から約4cmの切片が調製され、ジッパーエンクロージャー付きのビニール袋に入れられる。例えば、トウモロコシが植物であり、根が所望の組織である場合、(1)一次根、(2)種子根、(3)冠根、及び(4)支柱根から切片を採り、分離のための多様な組織を確保する。
【0496】
次いで、組織を以下のように滅菌する。組織を洗浄し、ボルテックスすることによって、25mLの滅菌逆浸透(RO)水を有する50mLファルコンチューブ内に土が含まれていないことを確実にする。これは、根から土を取り除くために複数の洗浄を要し、ピンセットを使用し得る。ピンセットを使用して、50mLファルコンチューブ内の70%エタノールに根組織を10秒間浸す。即時にエタノール浴から根系を取り出し、過剰な液体を振り払い、50mLファルコンチューブ内の1.5%NaOClにそれを3分間浸す。根系を滅菌50mlファルコンチューブに移し、植物材料を清浄な滅菌水に6回浸漬すことによって、滅菌RO水で6回洗浄する。
【0497】
植物組織関連微生物の抽出は、前のステップからの上清液体の培養、継代培養、及び選択によって実施され得る。代替的に、滅菌及び洗浄された組織をペトリ皿に移し、滅菌鋏を使用して細片を切断する。約500μLのこの組織を滅菌2mlチューブに移し、100μLの培地を添加して、ピンセット又はL字型スプレッダーの後端などの滅菌器具を用いて浸して柔らかくする。これらの根組織の小片は、寒天に埋め込むために、注いだばかりの(温かいが高温ではない)培地に添加され得る。植物材料の「切断」端から成長するコロニーを探す。500μLの組織当たりpH7で1mlの10mM滅菌リン酸カリウム緩衝液を添加する。溶液をよく混合する。450μLのリン酸緩衝液中の50ulのこの溶液を使用して、連続希釈によって10倍、100倍、及び1000倍希釈液を作成する。滅菌L字型スプレッダーを用いて、適切な分離プレート上で100~150μLのこの溶液を広げ、インキュベートする。
【0498】
胞子形成細菌の単離は、以下のように実施され得る。上記から未希釈溶液のアリコートを採り、滅菌エッペンドルフチューブ内にピペットで採取する。チューブを密封し、60℃の水浴中で20分間加熱して、胞子形成細菌のために強化する。450μLのリン酸緩衝液中の50ulのこの溶液を使用して、連続希釈によって10倍、100倍、及び1000倍希釈液を作成する。滅菌L字型スプレッダーを用いて、適切な分離プレート上で100~150μLのこの溶液を広げ、インキュベートする。
【0499】
微生物識別のための配列決定調製、及び長期保存は、以下の方法によって実施され得る。
【0500】
1日目:
10μL滅菌先端を使用して、コロニーをプレートから適切な液体成長培地を含むフラスコに移す。分離株を室温で振盪器上に置き、2日間インキュベートする。
【0501】
3日目:
チューブは、振盪器上に2日間存在した後に濁っている場合がある。全ての試料は、PCRによって分析されるであろう。各チューブをボルテックスし、各ボルテックスされた管から50μLの試料を収集し、96ウェルプレートに分注する。マルチチャネルピペットを使用して、50μLの試料のうちの15μLを新しい96ウェルプレートの中に分注する。35μLの各試料を含む96ウェルプレートは、表現型解析に使用され、15μLの各試料を含む96ウェルプレートは、PCR分析に使用されるであろう。27F/1492Rプライマーは、概して、PB36/38よりも良好な結果をもたらすため、16S PCR分析に使用される。適切な陰性対照が、プレートに含まれ、PCRによって分析されるべきである。プレートは、エッペンドルフサーモサイクラーを使用してPCRによって分析されるであろう。PCRが終了すると、標準的なゲル電気泳動技法を使用してゲルを泳動させる。これは、大部分の分離株が理想的には3日目に長期保存されるべきである場所で十分に成長させられるため、重要である。PCR及びゲル電気泳動分析は、単離物が他の微生物ではなく細菌を含むことを確認するために使用される。PCRに合格しないか、又は透明なブロスを有する分離株については、チューブをボルテックスし、ループを使用してペトリ皿上に筋状にする。数日後、何かが成長しているかどうか、又はチューブが汚染されていないかどうかをチェックする。PCRを通過させる分離株については、600ulの50%グリセロールを2mlのスクリューキャップチューブに分注し、ブロスが20%グリセロール中で保存されるように、1200μLの細菌培養物を添加する。グリセロールストックを-80℃で保存し、PCR試料のゲルの画像を記録する。
【0502】
4日目オン:
成長についてPCRに不合格であった筋状の分離株のペトリ皿をチェックする。(この時間の間に、2mlブロスチューブは振盪器上に留まるであろう。)皿上に成長があり、コロニーが単離に成功しているように見えると、600ulのブロス-グリセロール混合物を小さいチューブに分注し、両方のチューブをそれぞれの-80ボックスに入れる。以下の理由:プライマーが全ての細菌に作用しない場合がある、分離株が実際に真菌である、分離株が非常に接着性であり、したがってブロス中で均質化しない、分離株が過剰なEPSを産生し、したがって、PCR設定の前に希釈を必要とする、又は分離株の成長が遅いという理由のうちのいずれかにより、分離株がPCRチェックに不合格となる可能性がある。次の数日にわたって、皿をチェックし続け、単一の細菌種のみが単離されたことを確認する。汚染が観察された場合、新しい分離株を調製する。調製されたグリセロールストックの生存率が検証されるべきである。
【0503】
微生物の製剤化
前の実施例に従って識別された微生物は、限定されるものではないが、種子処理、根洗浄、苗浸漬、葉面散布、土壌接種、畝内散布、側方施肥散布、土壌前処理、創傷接種、ドリップテープ灌漑、花粉媒介者を介したベクター媒介、注入、浸透圧プライミング、水耕法、アクアポニクス、エアロポニックスなどの方法を介した適用のための追加の成分を用いて製剤化され得る。微生物を含む製剤は、液体、固体、又はガス製剤として農業用途のために調製される。植物への適用は、例えば、植物の葉上への表面堆積のための粉末として、植物全体若しくは選択された植物要素への噴霧として、土壌若しくは根への液滴の一部として、又は植え付け前の植物要素上へのコーティングとして、達成される。そのような実施例は、例証的であり、本発明の範囲に限定的ではないように意図されている。
【0504】
例示的な微生物調製物のための培地成分が、表3において以下に示される。必要とされる水の最終体積の50%とともに全ての内容物を添加し、溶解するまで高温で溶液を攪拌する。全ての内容物が溶解した後、滅菌RO水を使用して、溶液を最終的な所望の体積にする。実地試験調製は、典型的には、4回の製剤化を使用して実施される。
【表4】
【0505】
TIX製剤を混合する手順は、以下のとおりである。全ての乾燥成分を50mLチューブの中に測定する。成分をよくボルテックスして、キサンタンガムが他の炭素源を通して「分離されている」ことを確実にする。総滅菌RO水の約半分を混合物に添加し、ボルテックスする。L字型スプレッダーの長い端部を使用して、可能な限り塊を分解する。マイクロ波において若干の滅菌RO水を温水浴温度(45~50℃)まで加熱する。残りの滅菌RO水を混合物に添加し、ボルテックスする。塊のない透明な溶液が得られるまで、必要に応じてステップ4を繰り返し、ボルテックスする。「高速スピン」で遠心分離器を5~10秒間使用することによって、混合のプロセスで生成された気泡を沈降させる。製剤(TIX)チューブに対抗するバランスを忘れずに取る。製剤を室温まで冷却させる。1.微生物共同体内で混合する。ボルテックスして均質性を確保する。10^9CFU/mlの濃度における微生物を製剤に添加することが理想的である。
【0506】
実地試験における試験のために、製剤を植物又は植物要素に適用する。
植物要素への微生物の適用及びその栽培
【0507】
微生物組成物(単一株、共同体、群衆、組み合わせ、又は前述の任意の組み合わせの1つ以上の単離された微生物を含む)は、前の実施例に従って調製される。微生物組成物は、本明細書に開示される1つ以上の追加の微生物と任意選択的に組み合わせて、表1又は表1Aからの1つ以上の微生物を含む。
【0508】
適用のための微生物組成物
いくつかの方法では、微生物組成物は、乾燥させられ、植物要素に直接適用される。
【0509】
いくつかの方法では、微生物組成物は、植物要素への適用のために液体製剤中に懸濁される。
【0510】
いくつかの方法では、微生物組成物は、限定されるものではないが、担体、湿潤剤、安定剤、塩などの他の組成物と組み合わせられる。いくつかの方法では、他の組成物は、微生物組成物が適用される植物に追加の農業的に有益な結果を導入する分子を含む。他の組成物は、例えば、除草剤、殺真菌剤、殺菌剤、殺虫剤、殺虫剤、殺線虫剤、生物刺激物質を含むが、これらに限定されない。
【0511】
適用タイプ
微生物組成物は、所望の結果にとって適切な発育中の時間に、例えば、植え付け前の土壌被水/畝内散布の製剤において、種子又は他の繁殖要素処理として、植え付け後の繁殖要素適用として、植え付け後の畝内、液滴、又は被水散布として、植物要素(例えば、根、葉、茎)への直接適用として、収穫された植物要素(例えば、果実又は穀物)への適用として、植物要素に適用される。適用タイプの組み合わせも試験される。
【0512】
適用方法
微生物組成物は、植物又は植物要素若しくは植物生産物に(植え付け前、植え付け後、収穫前、又は収穫後に)適用(接種)される。これは、例えば、農業用組成物を、微生物組成物を含み、それを広く播種するように構成される、ホッパー又はスプレッダー又はタンクに適用することによって、達成され得る。
【0513】
微生物組成物の種子コーティングが、作物植物の1つ以上の種子に適用される。単離された微生物を種子コーティングとして適用すると、種子は、その作物について確立された慣行に従って植え付けられ、栽培される。
【0514】
代替的に、微生物組成物は、その土壌に存在する植物の利益のために土壌に適用される。土壌適用の方法には、畝内処理、被水、及び液滴適用が含まれる。
【0515】
代替的に、微生物組成物は、発芽後の植物又は植物部位の表面に適用される。
【0516】
代替的に、微生物組成物は、収穫後に植物から取得された材料に適用される。
【0517】
単離された微生物が適用されなかった植物の制御プロットも植え付けられる。微生物組成物に関連する植物は、目的の特性の改善を示す。
【0518】
適用方法は、当技術分野で公知である任意のプロトコルに従って実施され得る。
【0519】
植物要素、植物、又は成長培地(例えば、土壌)は、試験の目的に従って、疾患又は害虫を更に接種され得る。
【0520】
トマト植物を被水するための例示的な非限定的プロトコルが、以下に挙げられる。
1.植え付けてから10日後に、各処理のために植物を6つの横畝に慎重に分離する。植物は繊細であり、葉は容易に裂け得る。植物のサイズ及び全体的な外観が可能な限り均一であることを確実にする(間引きの目的は、均質な植物集団を継続することである)。横畝当たり十分な植物がない場合、移植する。移植のガイドラインについては、ステップ3を参照されたい。
2.ポット当たり1つの植物まで、ポットを間引きし始める。より小さい植物、不健康であるもの、又は何らかの方法で変形したものを除去する。ポット当たり2つ以上の健康な植物が存在場合、余剰分を別のポットに移植することができる。最初の植え付けから、又は種子が発芽しなかったポットから準備された残りの土壌を使用する。
3.移植するために:いくつかのポットが発芽しなかった場合、それらを別のコンテナからの植物で充填することができる。これを行うために、薬匙を用いて余分な植物を単純にすくい出し(他の植物を妨害することなく、可能な限り多くの根塊をすくい出そうとする)、空のポットに作製された穴に入れる。わずかな指圧で、植物の周囲の土を固める。
4.ポットを6つのポットライン(処理当たり1つのポットライン)に並べ、4つのRL98トレイを取る。終了すると、全ての処理を見て、数回のポット入れ替えを行うことを考慮し、いくつかの処理に全ての大きな植物がなく、他の処理に全ての大きな植物があることを確実にする。
5.必要であれば手袋を交換する。事前準備したAveryラベルで各ポットをラベル付けする。処理は、6つの複製、すなわち、1-1、1-2、1-3~1-6などの列にラベル付けされるべきである。各処理のための全ての複製を見つけることをより容易にする。
6.植え付けから2週間後(間引き及びラベル付けからおよそ4日後)に、微生物学チームから処理を取得する。準備された植物のトレイをテーブルに並べる。コンビチップ、リピーター、及びRO水を集める。(注:植物は処理日に軽く給水されるべきである)
7.チューブ/コンテナ(微生物処理)を2~3回反転させることによって微生物溶液を混合するか、又は軽く振る。コンビチップを設定して、2mlを分注する。処理流体をコンビチップの中に収集し、最初のステップをチューブの中に戻して分注する。有している処理が処理される植物の列に対応することを確実にする。確認されると、2mlの処理を各ポットの表土上に茎の近くで穏やかに分注するが、茎及び葉との直接接触を回避する。
8.コンビチップを廃棄し、全ての処理についてステップ6を繰り返す。接種された対照(IC又はInoCon)及び未処理対照(UTC)については、RO水を処理の代わりに適用する。
全ての処理が適用されると、(任意選択的な接種)、成長、評価のために植物を生育箱の中に戻して入れる。
【0521】
植物要素に関連する微生物の可視化
個々の微生物を、当技術分野で公知の方法に従って蛍光タンパク質でタグ付けすることができる。顕微鏡画像分析は、例えば、
図5、
図10、
図14、
図15、
図16、及び
図17で実証されるように、本明細書に開示される微生物が様々な植物組織と関連して見出されることを実証した。
【0522】
正常条件及びストレス条件中の作物生産高の改善
植物/作物生産高の増加は、化学肥料の追加を必要とすることなく、いくつかの態様では、本明細書に開示される1つ以上の微生物との植物の関連付けにより実現される。いくつかの態様では、微生物は、「生物刺激物質」、すなわち、植物の健康、成長、活力、及び/又は生産(「生産高」)を促進する作用物質として作用する。
【0523】
いくつかの態様では、例えば、限定されるものではないが、1つ以上の作物生産物のバイオマス、種子サイズ、種子重量、葉組成、繊維生産によって、「生産高」を決定することができる。
【0524】
いくつかの態様では、生産高の増加は、統計的に有意である。他の態様では、バイオマスの増加は、統計的に有意ではないが、依然として定量化可能であり、作物の改善に関連性がある。生産高に関する他のパラメータ、例えば、限定されるものではないが、植物の活力、NDVIスコア、光合成能力、栄養素利用、ストレス耐性が、本明細書に開示される微生物の添加によって改善され得る。場合によっては、微生物は、植物の健康を刺激し、作物生産高を更に改善し得る。微生物及び対照条件下での生産高パリティは、他のパラメータが改善されたときの1つの望ましい結果である。
【0525】
植物の健康又は生産高の改善は、比較的ストレスのない条件下にあり得る。他の場合において、改善は、干ばつストレス、塩ストレス、熱ストレス、低温ストレス、低栄養素ストレス、線虫ストレス、昆虫草食性ストレス、真菌病原体ストレス、複合病原体ストレス、又はウイルス病原体ストレスを含む、任意の数の非生物又は生物ストレス下で栽培された植物にあり得る。
【0526】
農業用組成物で処理された種子から栽培された植物は、対照植物よりも、定量的に高い生産高及び/若しくは健康が改善された植物並びに/又はストレス耐性が改善された植物を示すであろうことが期待される。
【0527】
処理された植物からの生産高は、約1~10%高い、10~20%高い、20~30%高い、30~40%高い、40~50%高い、50~60%高い、60~70%高い、70~80%高い、80~90%高い、又はそれ以上である。処理された植物からのバイオマスは、対照と比べて1エーカー当たり約1ブッシェルの増加、又は1エーカー当たり2ブッシェルの増加、又は1エーカー当たり3ブッシェルの増加、又は1エーカー当たり4ブッシェルの増加、若しくは1エーカー当たり5ブッシェルの増加、又はそれ以上に等しい。場合によっては、生産高は、生物若しくは非生物ストレス因子がない通常又は典型的条件下で改善する。場合によっては、生産高は、生物及び/又は非生物ストレスの条件下で正常である。場合によっては、生産高は、生物及び/又は非生物ストレスの条件下で増加する。
【0528】
本明細書に記載される微生物は、以下に記載されるものを含む、様々な作物植物の健康及び/又は生産高を改善する。特定の収穫された材料の生産高及び/又は植物の健康は、通常の条件下で、並びに非生物ストレス(例えば、干ばつ、除草剤の適用、殺虫剤の適用、窒素、リン、カリウムなどの適用された栄養素の低減又は排除)又は生物ストレス(例えば、昆虫、幼虫、線虫、真菌性疾患、細菌性疾患、ウイルス性疾患の存在)の条件下で改善される。
【0529】
図18A及び18Bは、本明細書に開示される生物刺激微生物のうちのいくつかについて(それぞれ)リン鉱石及びケイ酸マグネシウム可溶化活性の改善を示す。
【0530】
生産高、バイオマス、及び/又は生物刺激活性の改善を作物に付与する微生物としては、配列番号3~9及び14~21によって表されるものが含まれる。
【0531】
Bacillus amyloliquefaciens BEC69
作物植物に添加されると、B.amyloliquefaciensは、いくつかの異なる植物の種にわたって作物生産高を改善した。全ゲノム配列の染色体分析が、市場で販売されている市販製品を含む他のB.amyloliquefaciens微生物とは明確に異なるものとしてBEC69を明らかにする。BEC69は、表4aに示されるように、栄養素の可用性(フィターゼ、鉄スカベンジング、セルラーゼ、キチナーゼ、硝酸同化及びアンモニア放出、キチナーゼ)を改善し、懸濁液濃縮物として2~4クオート/エーカーの速度で適用されると、バイオフィルム能力を有する根圏能を改善する。類似方法を使用して、他の株の微生物遺伝子型分析を実施することができる。
【表5】
【0532】
B.amyloliquefaciens BEC69は、広範囲の温度及びpH条件にわたって確実に成長する(
図13)。植物要素のコロニー形成が、蛍光タグ付きタンパク質の顕微鏡検出により、トマト、大豆、小麦、及びトウモロコシにおいて確認された(
図14)。
【0533】
温室試験では、BEC69は、大豆及びソルガム新芽バイオマスの増加を促進した。様々な作物についてNDVI(正規化植生指標、農作物の健康及び活力を測定するための農業規格)を分析すると、BEC69は、全ての条播作物評価の46%についてプラスの影響を提供した。BEC69は、全ての条播作物窒素使用効率評価のための時間の63%でNUE評定を改善した。BEC69は、試験の100%で小麦のNDVI評定を改善した。
【0534】
温室評価はまた、BEC69を用いた種子処理が、窒素制限下で栽培された小麦についての評価の100%で植物の健康に関連する2つの指標であるNDVI及び緑度を増加させることを示した。葉面積の10%の増加が、多様なアッセイにわたってトウモロコシ及びソルガムについての評価の75%で見られた。
【0535】
トマトの実地試験を、標準的な農学的慣行を使用して複数の場所で行った。BEC69を、トマトの実地試験の過程の間に最大3回まで被水として適用した。最終生産高を、典型的な採取時期における終わりに収集した。これらの試験のうちのいずれにも、疾患の圧力はほとんど又は全くなかった。BEC69は、複数の試験場所及び年数にわたって対照と比べて16%の収穫生産高の増加を提供した。
【0536】
果実及び野菜の実地試験を、標準的な農学的慣行を使用して行った。BEC69を、果実及び野菜の実地試験(ブロッコリー、キュウリ、スナップエンドウ、ピーマン、ジャガイモ)中に最大3回まで被水として適用した。最終生産高を、典型的な採取時期における終わりに収集した。BEC69は、果実及び野菜の生物刺激物質の実地試験では市販の生物刺激物質よりも優れて、又はそれと同様に機能した。
【0537】
いくつかの野菜作物におけるBEC69の結果の概要が、表4bに挙げられる。
【表6】
【0538】
標準的な農学的慣行を使用した、米国中西部にわたる多収性の場所での大豆の実地試験。BEC69を、大豆用の既存の種子化学上の種子処理として適用した。最終生産高を、典型的な採取時期における終わりに収集した。BEC69は、複数の試験場所及び年数にわたって対照と比べて2.64bu/acの生産高の増加を提供した。
【0539】
春小麦マイクロプロット実地試験を、標準的な農学的慣行を使用して2つの場所に植え付けた。BEC69を、小麦用の既存の種子化学上の種子処理として適用した。最終生産高を、典型的な採取時期における終わりに収集した。BEC69は、複数のマイクロプロット試験にわたって対照と比べて平均3.1%bu/acの生産高の増加を提供した。冬小麦の試験は、類似する生物刺激効果を示した。
【0540】
BEC69の温室及び実地試験結果のうちのいくつかの概要が、表5a(果実及び野菜)並びに5b(条播作物)に挙げられる。
【表7】
【表8】
【0541】
Bacillus tequilensis BEC78
作物植物に添加されると、B.tequilensisは、いくつかの異なる植物の種にわたって作物生産高を改善した。
【0542】
いくつかの野菜作物におけるBEC78の結果の概要が、表6に挙げられる。
【表9】
【0543】
Bacillus amyloliquefaciens BEC69+Bacillus tequilensis BEC78
微生物を積み重ねることは、構成要素のうちのいずれか1つ以上が個々に寄与するものとは別として、相乗効果又は他のプラスの効果を生じることができる。作物植物に添加されると、microbes Bacillus amyloliquefaciens BEC69+Bacillus tequilensis BEC78の組み合わせは、いくつかの異なる植物の種にわたって作物生産高を改善した。
【0544】
蛍光タグ付き微生物は、BEC68及びBEC78が植物の根に共コロニー形成することを示す(
図17)。
【0545】
BEC69+BEC78の組み合せの種子処理は、1つの市販の種子処理に加えて、12回の異なる大豆の実地試験について表7に示されるように、単独で個々の株の各々を用いた種子処理と比較して、等しい又は改善した性能を提供した。
【表10】
【0546】
異なる市販の種子処理を有する別の大豆の種類では、個々の微生物は、最終生産高を統計的に上昇させなかった(場合によっては、わずかな障害を有している場合があった)。しかしながら、BEC69+BEC78の積層は、未処理と対比して平均的なプラスの生産高変化を伴って、単一微生物処理のいずれかよりも機能が優れていた。生産高の増加を提供するこの傾向は、生産高が平均的に低い場所でも見られた。
【0547】
いくつかの野菜作物における積み重ねた組み合わせの結果の概要が、表8に挙げられる。
【表11】
【0548】
Bacillus amyloliquefaciens BEC77
作物植物に添加されると、B.amyloliquefaciensは、いくつかの異なる植物の種にわたって作物生産高を改善した。配列番号4及び5によって表されるB.amyloliquefaciensの2つの異なる株は、BEC77を含む。全ゲノム配列の染色体分析が、市場で販売されている市販製品を含む他のB.amyloliquefaciens微生物とは明確に異なる株を含むものとしてBEC77を明らかにする。
【0549】
生産高の増加が、複数年にわたる6回のトマトの実地試験のうちの5回で観察され、生産高の増加が、懸濁液濃縮物の種子処理として2~4クオート/エーカーの速度で適用されると、多数の果実及び野菜並びに条播作物の実地試験で観察された。
【0550】
微生物表現型解析が、リン酸塩及び亜鉛の可溶化を明らかにした。
【0551】
図16に示されるように、蛍光タグ付きBEC77は、地上及び地下の植物表面(カリフラワーの葉圏及びカリフラワーの根圏)の両方でコロニー形成を示した。
【0552】
トマトの実地試験を、標準的な農学的慣行を使用して複数の場所で行った。BEC77を、実地試験の過程の間に最大3回まで被水として適用した。最終生産高を、典型的な採取時期における終わりに決定した。これらの試験のうちのいずれにも、疾患の圧力はほとんど又は全くなかった。BEC77は、複数の試験場所及び年数にわたって対照と比べて12.5%の収穫生産高の増加を提供した。
【0553】
水対照の生産高の増加が、キュウリ、ジャガイモ、及びトマトの実地試験で見られた。
【0554】
約1ブッシェル/エーカーの生産高の増加が、小麦マイクロプロット試験で見られた。
【0555】
BEC77の温室及び実地試験結果のうちのいくつかの概要が、表9a(果実及び野菜)並びに9b(条播作物)に挙げられる。
【表12】
【表13】
【0556】
いくつかの野菜作物におけるBEC77の結果の概要が、表10に挙げられる。
【表14】
【0557】
Paenibacillus alginolyticus BEC68
作物植物に添加されると、P.alginolyticusは、いくつかの異なる植物の種にわたって作物生産高を改善した。配列番号6~9によって表される、P.alginolyticusのトマト植物から単離された4つの異なる内生胞子形成株は、BEC68を含む。強力なPGPが、トウモロコシ、ソルガム、小麦についての温室評価で示され、生産高増進が、トウモロコシの実地試験で観察された。微生物表現型解析が、インドール-3-酢酸(IAA)及びACCデアミナーゼの産生を明らかにした。
【0558】
図15に示されるように、蛍光タグ付きBEC68微生物が、トウモロコシの根圏にコロニー形成した。
【0559】
表11は、BEC68のゲノムプロファイル及びインビトロ特性を示す。
【表15】
【0560】
温室評価では、BEC68を用いた種子処理は、3つの作物及びアッセイタイプにわたる評価の70%で、新芽バイオマスの11%増加及び葉面積の12%増加、並びにクロロフィル含有量の増加の証拠をもたらした。
【0561】
多収性の場所を、標準的な農学的慣行を使用して、非酸性土壌タイプにおけるトウモロコシの実地試験のために選択した。BEC68を、既存の種子化学上の種子処理として適用した。最終生産高を、典型的な採取時期における終わりに収集した。BEC68は、pHが6.1を超える土壌中の複数の試験場所にわたって対照と比べて10.6ブッシェル/エーカーの増加(85%の一貫性)を提供した。
【0562】
多収性の場所を、標準的な農学的慣行を使用して、トウモロコシの実地試験(全ての土壌タイプ)のために選択した。BEC68を、既存の種子化学上の種子処理として適用した。最終生産高を、典型的な採取時期における終わりに収集した。BEC68は、全ての土壌タイプにわたって対照と比べて3.6ブッシェル/エーカーの増加(70%の一貫性)を提供した。
【0563】
追加のトウモロコシの実地試験を、2018年に米国の中西部地域で行った。表12a及び12bは、全ての場所がブッシェル/エーカーで測定された生産高の平均的改善を示したことを示す。
【表16】
【表17】
【0564】
2年間で10か所で20試験にわたる小麦の実地試験は、BEC68で処理された小麦植物について、1.3~3.0ブッシェル/エーカー超の平均生産高増加を実証した。
【0565】
Talaromyces pinophilus BEC101
作物植物に添加されると、T.pinophilusは、小麦の作物生産高及び窒素使用効率を改善した。BEC101は、成長中に多量の胞子を産生する頑強な真菌株である。BEC101は、窒素の使用及び変換(ACC、尿素、硝酸塩、アンモニウム)、リン酸可溶化、及びPGPにおける広範な能力を有する、複数の小麦、綿花、及びソルガム植物上の積極的な根コロニー形成種(他の植物組織に加えて)である。BEC101のリン酸可溶化は、Penicillium種、Trichoderma種、及び市販の生物刺激物質についての100未満と比較して、BEC101についてはほぼ400mg/Lであった。
【0566】
BEC101の窒素利用及び変換プロファイルが、表13に示される。
【表18】
【0567】
20回の異なる春小麦の実地試験にわたって、BEC101は、最適な還元窒素施肥条件下で1.6bu/acreの平均生産高増加を提供した。
【0568】
Microbacterium arabinogalactanolyticum BEC102
作物植物に添加されると、M.arabinogalactanolyticumは、小麦の作物生産高及び窒素使用効率を改善した。BEC102は、窒素使用/転換及びPGPにおいて広範な活性を示す、小麦種子処理で使用するための単一のグラム陽性細菌株である。標準的な種子処理化学を使用して、実地試験を実行した。
【0569】
BEC102の窒素利用及び変換プロファイルが、表14に示される。
【表19】
【0570】
表15に示されるように、BEC102は、植物成長促進性質を改善した。
【表20】
【0571】
BEC102はまた、広範囲のpH及び温度にわたって頑強な成長プロファイルを有していた(
図19)。
【0572】
20回の異なる春小麦の実地試験にわたって、BEC102は、最適な還元窒素施肥条件下で2.2bu/acreの平均生産高増加を提供した。
【0573】
Bacillus megaterium BEC71
作物植物に添加されると、B.megateriumは、トウモロコシの作物生産高を改善した。BEC71は、ACC、有機リン、及びシデロフォアに対してプラスの影響を有する根コロニー形成種である。
【0574】
BEC71で処理された種子を用いたトウモロコシの実地試験は、+3.1ブッシェル/エーカーの平均穀物生産高の増加を実証した。
【0575】
いくつかの野菜作物におけるBEC71の結果の概要が、表16に挙げられる。
【表21】
【0576】
Paenibacillus taichungensis BEC110
作物植物に添加されると、P.taichungensisは、いくつかの異なる植物の種にわたって作物生産高を改善した。
【0577】
いくつかの野菜作物におけるBEC110の結果の概要が、表17に挙げられる。
【表22】
【0578】
Paenibacillus ehimensis BEC120
作物植物に添加されると、P.ehimensisは、いくつかの異なる植物の種にわたって作物生産高を改善した。
【0579】
いくつかの野菜作物におけるBEC120の結果の概要が、表18に挙げられる。
【表23】
【0580】
Paenibacillus illinoisensis BEC108
作物植物に添加されると、P.illinoisensisは、いくつかの異なる植物の種にわたって作物生産高を改善した。
【0581】
いくつかの野菜作物におけるBEC108の結果の概要が、表19に挙げられる。
【表24】
【0582】
作物の病虫害耐性の改善
本明細書に記載される微生物は、限定されるものではないが、種子処理、被水、並びに他の適用方法などの適用方法を介して、作物植物に利益を与えた。それらの植物を、微生物と関連しない対照植物と比較した。多種多様な作物(トマト、ニンジン、綿、キュウリ、イチゴ、トウモロコシ、大豆、小麦、落花生、ジャガイモ)を、標準的な農学的慣行に従って植え付け、栽培した。例示的な条件及び微生物の適用率は、上記に記載されている。生産高及び害虫低減率の測定値を、生育箱、温室、及び実地試験における条件下で記録した。改善が、以下に記載される微生物を用いると、温室試験において比較対照の市販のバイオ殺線虫剤と同等のレベルで、又はそれよりも良好なレベルで見られた。
【0583】
害虫には、ネコブセンチュウ(Root Knot Nematode、RKN)、ダイズシストセンチュウ(Soybean Cyst Nematode、SCN)、ネグサレセンチュウ(Root Lesion Nematode、RLN)、ユミハリセンチュウ(Stubby Root Nematode、SRN)、サシセンチュウ(Sting Nematode、SN)、穀物シストセンチュウ(Cereal Cyst Nematode、CCN)が含まれる。
【0584】
植え付け前に微生物で処理された種子を使用して、6回のトウモロコシの実地試験を行った。4回の試験は、最も豊富な線虫としてSRNを含み、2回の試験は、最も豊富な線虫としてRKNを含んだ。5回の試験は、高い害虫圧力(200~800の計数)を有し、1回の試験は、低い害虫圧力(計数<200)を有していた。
【0585】
植え付け前に微生物で処理された種子を使用して、10回の大豆の実地試験を行った。9回の試験は、最も豊富な線虫としてSCNを含み、1回の試験は、最も豊富な線虫としてRKNを含んだ。5回の試験は、高い害虫圧力(200~800600~16000の計数)を有し、1回の試験は、低い害虫圧力(計数<80)を有していた。最終線虫数がゼロである3回の試験を分析から除去した。
【0586】
1エーカー当たり4~8クオートの適用率で、移植時、移植から1週間後、及び2週間後の処理とともに、植物上への微生物の土壌被水を使用して、いくつかのトマトの実施試験を行った。1エーカー当たり4~8クオートの適用率で、移植時、移植から1週間後、及び2週間後に微生物の土壌被水を使用して、他のトマトの実施試験を行った。
【0587】
1エーカー当たり4クオートの適用率で、移植時、移植から1週間後、及び2週間後に微生物の土壌被水を使用して、ニンジンの実施試験を行った。
【0588】
6~8クオート/エーカーの適用率で、植え付け時及び植え付け後14日目に、畝内微生物処理も使用して、綿の実地試験を行った。線虫圧力は、主にSRNの自然侵入及び低レベルのRKNを含んだ。
微生物製剤が及び線虫の発達に影響を及ぼすかどうかを判定するために、植物感染性内作用機序研究を行った。トマト植物を栽培し、微生物及びJ2(感染性幼体)で処理した。トマトの根を、実験の全体を通して異なる時点で評価し、線虫の数及び発達段階を、各時点で根において計数した。
図12B:植物内作用機序試験(トマト)。接種後の異なる段階におけるネコブセンチュウ感染性幼体及び成体数。
【0589】
他の研究では、同期されたC.elegansを、試験微生物を接種された人工培地上に置いた。虫の発達及び数を、それらの生活環を通して監視した。C.elegansの作用機序研究を、アッセイの各ウェルに接種された1~3L1を用いて、8回の反復で行った。無効なBacillus種の対照微生物、及びB.thuringiensisの線虫参照株の陽性対照を、各処理とともに試験した。結果を同期後の3日目に評価した。
図12A:経時的なC.elegans発達集団数OP50細菌(-)対照、Bt(+)対照、Bacillus(-)対照。
【0590】
植物に線虫ストレス耐性を付与する微生物としては、配列番号10~12によって表されるものが含まれる。
【0591】
Orbilia auricolor/Arthrobotrys oligospora BEC93
【表25】
【表26】
【表27】
【0592】
BEC93は、線虫圧力下での8回の試験のうちの7回で対照処理と対比して生産高を改善した。線虫低減は、(仮定された作用機序に起因して)常に見られたわけではなかったが、植物の健康及び生産高が改善された。
【0593】
Lysinibacillus fusiformis BEC91
【表28】
【表29】
【表30】
【0594】
同期後の3日目に、陽性対照Bt及びBEC91について成体が検出されなかったが、成体及び卵が陰性対照処理にすでに存在しており、BEC91が線虫の発達及び繁殖に影響を及ぼすことを実証した。同期後の4日目及び6日目に、BEC91は、殺虫活性を示し続け、C.elegansがほとんど検出されなかった。トマト植物の根では、BEC91は、感染後期において全成体ネグサレセンチュウの量を低減することに有効であり、発達への影響も示した。
【0595】
植物内作用機序研究は、感染後40日目(DPI)により少ない全成体を実証したが、20若しくは40DPIのいずれかにおける幼体の改善又は20DPIにおける成体の改善を実証しなかった。
【0596】
Bacillus velenzensis BEC89A(BEC89single)
【表31】
【0597】
同期後の3日目に、陽性対照Bt及びBEC89について成体が検出されなかったが、成体及び卵が陰性対照処理にすでに存在しており、BEC89が線虫制御に効果的であることを実証した。同期後の4日目及び6日目に、BEC89は、殺虫活性を示し続け、C.elegansが4日目にほとんど検出されず、同期後の6日目に陰性対照から有意な低減があった。BEC89を用いたトマトの根の処理は、接種後の20日目及び40日目に幼体及び成体ネコブセンチュウの量を低減することに有効であった。
【0598】
Bacillus pumilus BEC89Bと組み合わせたBacillus velenzensis BEC89A(BEC89ダブル)
【表32】
【0599】
植物内作用機序研究は、感染後20日目(DPI)により少ない全幼体、並びに20及び40DPIにより少ない全線虫を実証した。
【0600】
作物耐病性の改善
多種多様な作物からの本明細書に記載される微生物で処理された種子、並びに微生物で処理されていない対照種子を、標準的な農学的慣行に従って植え付け、栽培した。例示的な条件及び微生物の適用率が、下記に挙げられる。生産高及び疾患低減率の測定値を、生育箱、温室、及び実地試験における条件下で記録した。改善が、以下に記載される微生物を用いると、比較対照の市販の殺真菌剤と同等のレベルで、又はそれよりも良好なレベルで見られた。
【0601】
疾患には、植物病原体及び土壌疾患の両方:Verticillium dahliae、Fusarium oxysporum、Macrophomina phaseolina、Botrytis cinerea、Xanthomonas Pseudomonas、Erwinia、Clavibacter、Agrobacterium、Fusarium、Pythium、Verticillium、Rhizoctoniaが含まれた。
【0602】
結果は、最良の有効性を維持しながら、残留物及び抵抗管理の機会を実証する。
【0603】
植物に真菌ストレス耐性を付与する微生物としては、配列番号1、2、及び13によって表されるものが含まれる。
【0604】
Bacillus tequilensis BEC80
B.tequilensisは、土壌及び葉の疾患制御についての強力な実地性能、果実及び野菜作物の成長及び生産高増進、並びにPythium、特に、メタラキシル耐性Pythiumに対する優れた活性を実証し、他のBacillus殺真菌剤とは異なる代謝産物プロファイルを有していた。制御された例示的な疾患としては、うどんこ病、灰色かび病、リンゴ黒星病、ナシ黒星病、Fusarium、Verticillium、Rhizoctonia、Sclerotinia、Pythiumが挙げられる。
【0605】
B.tequilensisの懸濁液濃縮物を、標的作物植物の土壌接種及び/又は葉面処理のための2~4クオート/エーカーの適用率について調製した。
【0606】
GFPタグ付きB.tequilensisは、強力な根コロニー形成を示し(
図5)、広範囲のpH及び温度の広範にわたって頑強な成長プロファイルを有していた(
図6)。
【0607】
生物活性代謝産物のゲノム分析は、表28に示されるように、抗菌性、抗真菌性、シデロフォア、及びリン酸制限生存活性を実証した。
【表33】
【0608】
B.tequilensisは、市販のBacillus株のものとは異なる独自のリポペプチドを産生し、これは、優れたPythium対照の作用機序であり得る。結果が、
図7~8に示される。
【0609】
B.tequilensisは、インビトロバイオアッセイにおいて植物病原体に対する広域スペクトル活性を付与し、Verticillium dahliae、Fusarium oxysporum、Macrophomina phaseolina、Botrytis cinerea、Xanthomonas Pseudomonas、Erwinia、Clavibacter、及びAgrobacteriumに対して対照微生物よりも良好な結果を伴った。
【0610】
B.tequilensisは、広域スペクトル活性を付与し、トマトについてはFusarium、Pythium、及びRhizoctonia、並びにレタスについてはVerticilliumなどの土壌病原体に対して対照微生物よりも良好な結果を伴った。
【0611】
B.tequilensisは、Pythium及びFusariumと対比して優れたインビトロ活性を示した。
【表34】
【表35】
【0612】
メタリキシル耐性Pythiumを用いたキビのバイオアッセイは、B.tequilensisが市販の生物制御剤よりも優れた植物発生頻度を示すことを示した。
【0613】
B.tequilensisの実地有効性が、複数年間の実地試験にわたって土壌疾患について実証され、疾患抑制及び作物生産高は、レタス用(Verticillium、S.minor、S.sclerotoiorum)、トマト用(Fusarium、Rhizoctonia)、キュウリ用(P.capisici)の市販の生物制御剤と同等の疾患抑制及び作物生産高の性能を伴った。
【0614】
葉面リンゴ黒星病試験(12週間にわたって1週間当たり1回の適用の適用頻度において4クオート/エーカーの適用率)は、B.tequilensisが、試験の全体を通してリンゴ黒星病の重病度を低減し、ほぼ40%の未処理対照と比較して約14%の最終重病度(面積%)指数を伴った。
【0615】
重病度(侵入%)の低減が、6週間にわたってカボチャ植物の4クオート/エーカーの毎週の適用を用いると、1つの場所で葉面カボチャうどんこ病について見られた。B.tequilensisは、90%超の対照処理(水のみ)と比較して約55%の最終侵入率%を示した。市販の生物防除剤との組み合わせたB.tequilensisは、約20%まで侵入を更に低減した。6週間にわたる毎週の適用のための2又は4クオート/エーカーにおける微生物の葉面適用の第2の場所での試験は、うどんこ病の重病度(スコア0~100)が、6週間基準において、未処理対照についてはほぼ80であり、B.tequilensisについては(それぞれ、2q/A及び4q/Aで)約20及び8であることを示した。
【0616】
重病度の低減が、4クオート/エーカーの葉面適用率において、B.tequilensis単独及び市販の疾患化学製品と組み合わせた12週間にわたる毎週の適用率を用いると、柑橘潰瘍病試験について見られた。重病度指数(0~100)は、未処理対照の約23と比較してB.tequilensisについては20まで低減した。約8までの低減が、市販の化学物質と組み合わせたB.tequilensisについては12週間目に見られ、化学物質単独よりも良好に機能した。
【0617】
重病度の低減が、4クオート/エーカーの葉面適用率におけるB.tequilensis単独及び市販の疾患化学製品と組み合わせた12回の毎週の適用を用いた葉面適用で、すす点病について柑橘作物にB.tequilensisを用いると見られた。重病度指数(0~100)は、未処理対照の約23と比較してB.tequilensisについては約20まで低減した。約14までの低減が、市販の化学物質と組み合わせたB.tequilensisについては12週間目に見られ、(4クオート/エーカーで提供された)化学物質単独よりも良好に機能した。
【0618】
重病度の低減が、2~4クオート/エーカーの葉面適用率におけるB.tequilensisの6回の毎週の適用を用いた葉面適用で、うどんこ病についてイチゴ作物にB.tequilensisを用いると見られた。重病度指数(0~100)は、未処理対照の約12及び市販の化学物質の9と比較して、4q/AにおけるB.tequilensis、未処理対照の約12及び市販の化学物質の9と比較して、2q/AにおけるB.tequilensisについては、約8まで低減した。
【0619】
BEC80はまた、果実で合成化学物質と同等である収穫後病原体の優れた制御を実証した(
図11)。
【0620】
Bacillus methylotrophicus BEC60
B.methylotrophicusは、土壌及び葉の疾患制御についての強力な実地性能、成長及び生産高増進を実証し、多くの作物で多産の生物活性代謝産物産生種及び頑強な根コロニー形成種である。
【0621】
制御された例示的な疾患としては、うどんこ病、灰色かび病、リンゴ黒星病、ナシ黒星病、Fusarium、Verticillium、Rhizoctonia、Sclerotiniaが挙げられる。
【0622】
B.methylotrophicusの懸濁液濃縮物を、標的作物植物の土壌接種及び/又は葉面処理のための2~4クオート/エーカーの適用率について調製した。
【0623】
GFPタグ付きB.methylotrophicusは、強力な根コロニー形成を示した(
図10)。
【0624】
生物活性代謝産物のゲノム分析は、抗菌性、抗真菌性、シデロフォア、及びリン酸制限生存活性を実証した。
【表36】
【0625】
B.methylotrophicusは、インビトロバイオアッセイにおいて植物病原体に対する広域スペクトル活性を付与し、Verticillium dahliae、Fusarium oxysporum、Macrophomina phaseolina、Botrytis cinerea、Xanthomonas Pseudomonasに対して対照微生物よりも良好な結果を伴った。
【0626】
B.methylotrophicusは、広域スペクトル活性を付与し、トマトについてはFusarium及びPythiumなどの土壌病原体に対して対照微生物よりも良好であり、トマトについてはRhizoctonia及びレタスについてはVerticilliumの未処理対照よりも良好な結果を伴った。例示的な植物データが、
図9の写真に示される。
【0627】
重病度の低減が、4クオート/エーカーの葉面適用率におけるB.methylotrophicus単独及び市販の疾患化学製品と組み合わせた5回の毎週の適用を用いた葉面適用で、フザリウム萎ちょう病(高い疾患圧力を受ける)についてトマト作物にB.methylotrophicusを用いると見られた。重病度指数(0~10)は、B.methylotrophicusについてはほぼゼロまで低減し、これは、未処理対照並びに2つの異なる市販の化学物質の両方よりも良好であった。
【0628】
重病度の低減が、B.methylotrophicus単独及び市販の疾患化学製品と組み合わせた4回の毎週の適用を用いた葉面適用で、細菌性すすかび病(高い疾患圧力を受ける)についてトマト作物にB.methylotrophicusを用いると見られた。重病度指数(0~100)は、B.methylotrophicusについてはほぼ10未満まで低減し、これは、未処理対照並びに異なる市販の対照製品の両方よりも良好であった。生産高の改善もまた、トマト作物がB.methylotrophicus単独で処理されたとき、及び市販の対照製品と組み合わせたときにも両方で見られた。
【0629】
重病度の低減が、B.methylotrophicusの4回の毎週の適用を用いた葉面適用で、ナシ黒星病(高い疾患圧力を受ける)についてナシ作物にB.methylotrophicusを用いると見られた。重病度指数(0~10)は、B.methylotrophicusについては約3まで低減し、これは、未処理対照(約6)よりも良好であり、市販の合成化学製品よりもわずか1ポイント高かった。
【0630】
他のタイプの葉面疾患の低減が、イチゴ作物のBotrytis感染、イチゴのウドンコカビ感染、カボチャのウドンコカビ感染、及びキュウリのウドンコカビ感染について見られ、全て、未処理の植物のレベルを少なくとも20%下回るレベル、及び市販の処理よりも良好であるか、又はそれと同等のレベルであった。
【0631】
葉面リンゴ黒星病試験(3週間にわたって1週間当たり1回の適用の適用頻度において4クオート/エーカーの適用率)は、B.methylotrophicusが、試験の全体を通してリンゴ黒星病の重病度を低減し、約13%の未処理対照と比較して約4%の最終重病度(侵入%)を伴った。処理された植物は、市販の対照製品に対して同等の応答を示した。
【0632】
重病度の低減が、B.methylotrophicus単独及び市販の疾患制御製品と組み合わせた6回の毎週の適用を用いた葉面適用で、うどんこ病についてキュウリ作物にB.methylotrophicusを用いると見られた。重病度指数(0~100%侵入)は、B.methylotrophicusについては約7%まで減少し、これは、接種された未処理対照(約26%)よりも良好であり、異なる市販の製品とほぼ同等であった。
【0633】
重病度の低減が、4クオート/エーカーの葉面適用率におけるB.methylotrophicus単独及び市販の疾患制御製品と組み合わせた6回の毎週の適用を用いた葉面適用で、灰色カビ病についてイチゴ作物にB.methylotrophicusを用いると見られた。重病度指数(0~100%腐敗)は、B.methylotrophicusについては約35%まで減少し、これは、接種された未処理対照(約65%)並びに異なる市販の製品(約40%)の両方よりも良好であった。市販の化学物質の3回の適用とのB.methylotrophicusの組み合わせは、化学物質単独の6回の適用と同等のBotrytis制御を提供した。B.methylotrophicus はまた、処理されたイチゴ作物の総生産高も改善した。
【0634】
重病度(侵入%)の低減が、6週間にわたってカボチャ植物の4クオート/エーカーの毎週の適用を用いると、1つの場所で葉面カボチャうどんこ病について見られた。B.methylotrophicusは、90%超の対照処理(水のみ)と比較して約40%の最終侵入率%を示した。B.methylotrophicusはまた、単独及び組み合わせの両方で、2つの異なる市販の対照製品よりも約20%良好に機能した。6週間にわたる毎週の適用のための2又は4クオート/エーカーにおける微生物の葉面適用の第2の場所での試験は、うどんこ病の重病度(スコア0~100)が、6週間基準において、未処理対照についてはほぼ80であり、B.methylotrophicusについては(2q/A及び4q/Aの両方で)約25であることを示した。
【0635】
重病度の低減が、4クオート/エーカーの葉面適用率において、B.methylotrophicus単独及び市販の疾患化学製品と組み合わせた12週間にわたる毎週の適用率を用いると、カンキツかいよう病試験について見られた。重病度指数(0~100)は、未処理対照の約23と比較してB.methylotrophicusについては20まで低減した。約8までの低減が、市販の化学物質と組み合わせたB.methylotrophicusについては12週間目に見られ、化学物質単独よりも良好に機能した。
【0636】
重病度の低減が、4クオート/エーカーの葉面適用率におけるB.methylotrophicus単独及び市販の疾患化学製品と組み合わせた12回の毎週の適用を用いた葉面適用で、すす点病について柑橘作物にB.methylotrophicusを用いると見られた。重病度指数(0~100)は、未処理対照の約23と比較してB.methylotrophicus処理植物については20まで低減した。約12までの低減が、市販の化学物質と組み合わせたB.methylotrophicusについては12週間目に見られ、(4クオート/エーカーで提供された)化学物質単独よりも良好に機能した。
【0637】
重病度の低減が、2~4クオート/エーカーの葉面適用率におけるB.methylotrophicusの6回の毎週の適用を用いた葉面適用で、うどんこ病についてイチゴ作物にB.methylotrophicusを用いると見られた。重病度指数(0~100)は、未処理対照の約12、及び市販の化学物質の9、並びに別の市販の化学物質の3と比較して、4q/AにおいてB.methylotrophicusについては約6まで低減した。
【表37】
【0638】
Bacillus methylotrophicus BEC56
B.methylotrophicus BEC59は、2qt/Ac及び4qt/Acの速度で適用されると、2qt/Ac適用について(水対照と比較して)最大2.25kg/Acのイチゴ収穫まで、Botrytis感染を伴うイチゴ試験で総生産高を増加させた。BEC59は、2つの異なる市販製品よりも機能が優れていた。
【0639】
BEC59はまた、リンゴ黒星病の重病度の強力な低減を示し、市販の製品よりもわずかに良好に機能し、侵入%を約13%(水対照)から約2%まで低減した。
【0640】
BEC56は、キュウリのうどんこ病の重病度の低減を示し、疾患を25%超から約17%に低減した。
【配列表】
【国際調査報告】