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特表2023-530758自動保管および回収システムを動作させるシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】自動保管および回収システムを動作させるシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579003
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2021065319
(87)【国際公開番号】W WO2021259632
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】20200743
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】コージュ-ハラジュヴェット, ゲイル
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3F022NN48
3F022PP06
(57)【要約】
本発明は、保管コンテナを取り扱うために動作可能である、レールシステム上の複数のコンテナ取扱車両を備える自動保管および回収システムに関し、各コンテナ取扱車両は、測位ノードを備える。システムは、コンテナ取扱車両の各々の位置を決定するための、レールシステム上の、および/またはそれに近接している固定位置において離されている基準測位ノードを有する測位システムを備える。制御システムは、各コンテナ取扱車両および測位システムに通信し、標的位置まで移動するように第1のコンテナ取扱車両に命令し、第1のコンテナ取扱車両の位置の位置データを測位システムから繰り返し受信し、第2のコンテナ取扱車両の位置の位置データを測位システムから繰り返し受信し、第1のコンテナ取扱車両からの所定の間隔において第1のコンテナ取扱車両とともに移動するように第2のコンテナ取扱車両に命令する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動保管および回収システム(1)であって、
第1の方向(X)に延在する平行レールの第1のセット(110)と、第2の方向(Y)に延在する平行レールの第2のセット(111)とを伴うレールシステム(108、308)であって、前記第2の方向(Y)は、前記第1の方向(X)に対して直角である、レールシステム(108、308)と、
保管コンテナ(106)を取り扱うために動作可能である、前記レールシステム(108、308)上の複数のコンテナ取扱車両(201、301、401、601)であって、各コンテナ取扱車両(201、301、401、601)は、
測位ノード(502)と、
前記コンテナ取扱車両(201、301、401、601)の移動を制御するように適合されているローカルコントローラと
を備える、複数のコンテナ取扱車両(201、301、401、601)と、
前記レールシステム(108、308)上の、および/またはそれに近接している固定位置において離されている少なくとも3つの基準測位ノード(701、702、703)を備える測位システムであって、前記測位システムは、各コンテナ取扱車両(201、301、401、601)の前記測位ノード(502)と前記少なくとも3つの基準測位ノード(701、702、703)との間の信号測定値に基づいて、前記コンテナ取扱車両(201、301、401、601)の各々に関する前記レールシステム上の位置を決定するように適合されている、測位システムと、
各コンテナ取扱車両(201、301、401、601)内の各ローカルコントローラおよび前記測位システムと通信するように適合されている制御システム(500)であって、前記制御システム(500)は、
- 標的位置まで移動するように第1のコンテナ取扱車両に命令することと、
- 前記第1のコンテナ取扱車両の位置の位置データを前記測位システムから繰り返し受信し、第2のコンテナ取扱車両の位置の位置データを前記測位システムから繰り返し受信することと、
- 前記第1および第2のコンテナ取扱車両の前記位置の前記受信された位置データに基づいて、前記第1のコンテナ取扱車両からの所定の間隔(S)内で前記第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令することと
を行うように適合されている、制御システム(500)と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令することは、前記第1および第2のコンテナ取扱車両の前記位置の前記受信された位置データに基づいて、前記第2のコンテナ取扱車両が前記第1のコンテナ取扱車両からの前記所定の間隔(S)に至るまで加速または減速するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令することは、前記第1および第2のコンテナ取扱車両の前記位置の前記受信された位置データに基づいて、設定速度において移動するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令することを含む、前記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令することは、前記第1のコンテナ取扱車両の前記位置からの前記所定の間隔(S)にある位置まで移動するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令することを含む、前記請求項のいずれか請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2のコンテナ取扱車両が移動するように命令される、前記第1のコンテナ取扱車両の前記位置からの前記所定の間隔(S)にある前記位置は、前記第1のコンテナ取扱車両の現在の速度および進行方向に基づいて決定される、前記第1のコンテナ取扱車両の将来の位置からの所定の間隔(S)にある位置である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記信号測定値は、飛行時間(TOF)測定値である、前記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記TOF測定値は、到達時間差(TDOA)測定値である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
各コンテナ取扱車両の前記測位ノードおよび前記少なくとも3つの基準測位ノードは、超広域帯(UWB)ノードである、前記請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
請求項1~8に記載のシステムにおける複数のコンテナ取扱車両(201、301、601)の移動を制御するための方法であって、前記方法は、
- 前記標的位置まで移動するように前記第1のコンテナ取扱車両に命令することと、
- 前記第1のコンテナ取扱車両の位置の位置データを前記測位システムから繰り返し受信し、前記第2のコンテナ取扱車両の位置の位置データを前記測位システムから繰り返し受信することと、
- 前記第1および第2のコンテナ取扱車両の前記位置の前記受信された位置データに基づいて、前記第1のコンテナ取扱車両からの所定の間隔(S)内で前記第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令するステップは、前記第1および第2のコンテナ取扱車両の前記位置の前記受信された位置データに基づいて、前記第2のコンテナ取扱車両が前記第1のコンテナ取扱車両からの前記所定の間隔(S)に至るまで加速または減速するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令するステップは、前記第1および第2のコンテナ取扱車両の前記位置の前記受信された位置データに基づいて、設定速度において移動するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令することを含む、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令するステップは、前記第1のコンテナ取扱車両の前記位置からの前記所定の間隔(S)にある位置まで移動するように前記第2のコンテナ取扱車両に命令することを含む、請求項9~11のいずれか請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のコンテナ取扱車両が移動するように命令される、前記第1のコンテナ取扱車両の前記位置からの前記所定の間隔(S)にある前記位置は、前記第1のコンテナ取扱車両の現在の速度および進行方向に基づいて決定される、前記第1のコンテナ取扱車両の将来の位置からの所定の間隔(S)にある位置である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
飛行時間(TOF)測定値を使用して前記第1のコンテナ取扱車両の前記位置および前記第2のコンテナ取扱車両の前記位置を決定することをさらに含む、請求項9~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記TOF測定値は、到達時間差(TDOA)測定値である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1~8に記載のシステムにおける制御システム(500)のためのコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、前記制御システム(500)上で実行されると請求項9~15のいずれかに記載の方法を実施する命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、コンテナの保管および回収のための自動保管および回収システムに関し、具体的には、位置測定値に基づいてコンテナ取扱車両を第2のコンテナ取扱車両とともに移動させることに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景および従来技術)
図1は、骨格構造100を伴う典型的な従来技術の自動保管および回収システム1を開示しており、図2および図3は、そのようなシステム1上で動作することに対して好適な2つの異なる従来技術コンテナ取扱車両201、301を開示している。
【0003】
骨格構造100は、直立部材102と、水平部材103と、直立部材102および水平部材103の間に並べて配列されている保管カラム105を備える保管体積とを備える。これらの保管カラム105において、容器としても公知である保管コンテナ106が、相互の上にスタックされ、スタック107を形成する。部材102、103は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウムプロファイルから作製されてもよい。
【0004】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、骨格構造100の上部を横切って配列されているレールシステム108を備え、複数のコンテナ取扱車両201、301が、レールシステム108上で保管コンテナ106を保管カラム105から持ち上げ、保管コンテナ106をその中に降下させるように動作させられ、保管コンテナ106を保管カラム105の上方に輸送するようにも動作させられる。レールシステム108は、フレーム構造物100の上部を横切る第1の方向Xにおいてコンテナ取扱車両201、301の移動を誘導するように配列されている平行レールの第1のセット110と、第1の方向Xに対して直角である第2の方向Yにおいてコンテナ取扱車両201、301の移動を誘導するための、レールの第1のセット110に対して直角に配列されている平行レールの第2のセット111とを備える。カラム105内に保管されたコンテナ106は、レールシステム108内のアクセス開口部112を通して、コンテナ取扱車両によってアクセスされる。コンテナ取扱車両201、301は、保管カラム105の上方で側方に移動することができ、すなわち、水平なX-Y平面に対して平行である平面内を移動することができる。
【0005】
骨格構造100の直立部材102は、カラム105から外へのコンテナの持ち上げおよびその中へのコンテナの降下中に保管コンテナを誘導するために使用されてもよい。コンテナ106のスタック107は、典型的には、自立型である。
【0006】
各々の従来技術のコンテナ取扱車両201、301は、車体201a、301aと、X方向およびY方向におけるコンテナ取扱車両201、301の側方移動をそれぞれ可能にする車輪の第1および第2のセット201b、301b、201c、301cとを備える。図2および図3において、各セット内の2つの車輪は、完全に見えている。車輪の第1のセット201b、301bは、レールの第1のセット110の2つの隣接するレールと係合するように配列され、車輪の第2のセット201c、301cは、レールの第2のセット111の2つの隣接するレールと係合するように配列されている。車輪の第1のセット201b、301bおよび/または車輪の第2のセット201c、301cがどの時点においてもレールのそれぞれのセット110、111と係合され得るように、車輪のセット201b、301b、201c、301cのうちの少なくとも1つは、上昇および降下させられることができる。
【0007】
各々の従来技術のコンテナ取扱車両201、301は、保管コンテナ106の鉛直輸送のための(例えば、保管コンテナ106を保管カラム105から持ち上げ、保管カラム105の中に降下させるための)昇降デバイス(図示せず)も備える。昇降デバイスは、保管コンテナ106に係合するように適合されている1つまたはそれより多くの把持/係合デバイスを備え、把持/係合デバイスは、車両201、301に対する把持/係合デバイスの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Zにおいて調節され得るように、車両201、301から降下させられ得る。コンテナ取扱車両301の把持デバイスの一部が、図3に示され、参照番号304で示されている。コンテナ取扱デバイス201の把持デバイスは、図2の車体301a内に位置している。
【0008】
従前のように、および、本願の目的に関して、Z=1は、保管コンテナの最上層、すなわち、レールシステム108の直下にある層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別し、他も同様である。図1に開示されている例示的従来技術では、Z=8は、保管コンテナの最下底部層を識別している。同様に、X=1...nおよびY=1...nは、水平面における各保管カラム105の位置を識別している。その結果、実施例として、および、図1に示されているデカルト座標系X、Y、Zを使用すると、図1において106’として識別されている保管コンテナは、保管位置X=10、Y=2、Z=3を占有していると言われることができ、コンテナ取扱車両201、301は、層Z=0において進行すると言われることができ、各保管カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。
【0009】
骨格構造100の保管体積は、多くの場合、グリッド104と称され、このグリッド内の可能性として考えられる保管位置は、保管セルと称される。各保管カラムはXおよびY方向における位置によって識別され得る一方、各保管セルは、X、Y、およびZ方向におけるコンテナ番号によって識別され得る。
【0010】
各々の従来技術のコンテナ取扱車両201、301は、レールシステム108を横切って保管コンテナ106を輸送するときに保管コンテナ106を受け取り、収容するための保管コンパートメントまたは空間を備える。保管空間は、図2に示されているように、および、例えば、第WO2015/193278A1号(特許文献1)(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、車体201a内の中心に配列されている空洞を備えてもよい。
【0011】
図3は、カンチレバー構造物を伴うコンテナ取扱車両301の代替構成を示している。そのような車両は、例えば、第NO317366号(その内容も、参照によって本明細書に援用される)に詳細に説明されている。
【0012】
図2に示されている中心空洞コンテナ取扱車両201は、例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、概して保管カラム105の側方範囲に等しいXおよびY方向における寸法を伴うエリアを被覆するフットプリントを有してもよい。本明細書で使用される用語「側方」は、「水平」を意味し得る。
【0013】
代替として、中心空洞コンテナ取扱車両101は、例えば、第WO2014/090684A1号(特許文献2)に開示されているように、保管カラム105によって画定された側方面積より大きいフットプリントを有してもよい。
【0014】
レールシステム108は、典型的には、車両の車輪が走行する溝を伴うレールを備える。代替として、レールは、上向きに突出している要素を備えてもよく、その場合、車両の車輪は、脱線を防止するためのフランジを備える。これらの溝および上向きに突出している要素は、集合的にトラックとして公知である。各レールは、1つのトラックを備えてもよく、または、各レールは、2つの平行なトラックを備えてもよい。
【0015】
第WO2018146304号(特許文献3)(その内容は、参照によって本明細書に援用される)は、X方向およびY方向の両方におけるレールおよび平行トラックを備えるレールシステム108の典型的構成を例示している。
【0016】
骨格構造100では、カラム105の大部分は、保管カラム105であり、すなわち、保管コンテナ106がスタック107で保管されるカラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。図1では、カラム119および120は、保管コンテナ106がアクセスステーション(図示せず)に輸送され得るようにそれらを積み降ろし、および/または積み込むためにコンテナ取扱車両201、301によって使用されるそのような特殊目的カラムであり、アクセスステーションでは、保管コンテナ106は、骨格構造100の外側からアクセスされ得、または骨格構造100の内外へと移送され得る。当技術分野において、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、ポートが位置しているカラムは、「ポートカラム」119、120と称され得る。アクセスステーションへの輸送は、水平、斜め、および/または鉛直のいずれの方向であってもよい。例えば、保管コンテナ106は、骨格構造100内のランダムまたは専用カラム105内に設置され、次いで、任意のコンテナ取扱車両によって積み込まれ、アクセスステーションへのさらなる輸送のためにポートカラム119、120に輸送されてもよい。用語「斜め」は、水平と鉛直との間のどこかに一般的な輸送の向きを有する保管コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0017】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ取扱車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションに輸送されるべき保管コンテナ106を積み降ろし得る専用の積降ポートカラムであってもよく、第2のポートカラム120は、コンテナ取扱車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションから輸送されている保管コンテナ106を積み込み得る専用の積込ポートカラムであってもよい。
【0018】
アクセスステーションは、典型的には、製品アイテムが保管コンテナ106から除去されるか、またはその中に配置されるピッキングまたはストックステーションであってもよい。ピッキングまたはストックステーションでは、保管コンテナ106は、通常、自動保管および回収システム1から除去されないが、アクセスされると再び骨格構造100の中へと戻される。保管コンテナを別の保管設備(例えば、別の骨格構造、もしくは別の自動保管および回収システム)に移送すること、輸送車両(例えば、列車もしくは大型貨物自動車)に移送すること、または生産設備へと移送することを行うために、ポートも、使用されることができる。
【0019】
ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で保管コンテナを輸送するために、通常、コンベヤを備えるコンベヤシステムが、採用される。
【0020】
ポートカラム119、120およびアクセスステーションが異なる階層に位置している場合、コンベヤシステムは、保管コンテナ106をポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で鉛直に輸送するための鉛直コンポーネントを伴う昇降デバイスを備えてもよい。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、第WO2014/075937A1号(特許文献4)(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、異なる骨格構造間で保管コンテナ106を移送するように配列されてもよい。
【0022】
図1に開示されているカラム105のうちの1つの中に保管されている保管コンテナ106がアクセスされるべきであるとき、コンテナ取扱車両201、301のうちの1つは、標的保管コンテナ106をその位置から回収し、それを積降ポートカラム119に輸送するように命令される。この動作は、その中に標的保管コンテナ106が配置されている保管カラム105の上方の場所にコンテナ取扱車両201、301を移動させ、コンテナ取扱車両201、301の昇降デバイス(図示せず)を使用して保管コンテナ106を保管カラム105から回収し、保管コンテナ106を積降ポートカラム119に輸送することを伴う。標的保管コンテナ106がスタック107内の深くに位置しており、1つまたは複数の他の保管コンテナ106が標的保管コンテナ106の上方に配置されている場合、動作は、標的保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させることに先立って、上方に配置されている保管コンテナを一時的に移動させることも伴う。時として当技術分野において「掘出」と称されるこのステップは、続いて、標的保管コンテナを積降ポートカラム119に輸送するために使用される同一のコンテナ取扱車両を用いて実施されてもよく、または、1つもしくは複数の他の協働するコンテナ取扱車両を用いて実施されてもよい。代替として、または加えて、自動保管および回収システム1は、保管コンテナを保管カラム105から一時的に除去するタスクに特に専用のコンテナ取扱車両を有してもよい。標的保管コンテナ106が保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管コンテナは、元の保管カラム105の中に再び配置されることができる。しかしながら、除去された保管コンテナは、代替として、他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0023】
保管コンテナ106がカラム105のうちの1つの中に保管されるべきであるとき、コンテナ取扱車両201、301のうちの1つは、保管コンテナ106を積込ポートカラム120から積み込み、それが保管されるべき保管カラム105の上方の場所にそれを輸送するように命令される。保管カラムスタック107内の標的位置またはその上方に配置されている任意の保管コンテナが除去された後、コンテナ取扱車両201、301は、保管コンテナ106を所望の位置に配置する。除去された保管コンテナは、次いで、保管カラム105の中へと戻るように降下させられてもよく、または他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0024】
自動保管および回収システム1を監視および制御するために(例えば、コンテナ取扱車両201、301が相互に衝突することなく所望の保管コンテナ106が所望の時間に所望の場所に送達され得るように、骨格構造100内のそれぞれの保管コンテナ106の場所、各保管コンテナ106の内容物、およびコンテナ取扱車両201、301の移動を監視および制御するために)、自動保管および回収システム1は、典型的には、制御システム500を備え、これは、コンピュータ化されており、典型的には、保管コンテナ106を追跡するためのデータベースを備える。
【0025】
第WO2017121512号(特許文献5)(その内容は、参照によって本明細書に援用される)は、保管システムを説明し、その保管システムでは、車両の場所を検出し得るセンサと、近傍の車両の場所を検出するための近接センサとを伴うコンテナ取扱車両が、配列され、その情報を制御システム500に通信する。制御システムは、複数のコンテナ取扱車両と通信し、車両の「車列」(すなわち、直列に近接して配列され、縦に並んで相互とともに移動するように配列されている複数のコンテナ取扱車両)を形成するようにコンテナ取扱車両に指令する。車列のアセンブリは、コンテナ取扱車両内のセンサの援助を伴って、コンテナ取扱車両の相対位置についての制御システムの知識によって、または両方の組み合わせによって成し遂げられる。しかしながら、レールシステム上のコンテナ取扱車両の位置は、それがトラック交差部を通過するまで確実に把握されることはなく、コンテナ取扱車両の位置は、通過後に、この情報を処理する制御システムに伝達され得る。制御システムを通して中継され、制御システムにおいて処理される指令に起因して、これは、遅延と、コンテナ取扱車両のための効果的な車列駆動のためには不十分な測位情報とをもたらす。各コンテナ取扱車両上に近接センサを追加すること、または、掛け金、磁気カップリング等の物理的カップリングを追加すること等、この問題を軽減するための種々の方法論が、説明される。
【0026】
上記に照らして、コンテナ取扱車両の制御を向上させる自動保管および回収システム、ならびにそのようなシステムを動作させるための方法を提供することが、望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】国際公開第2015/193278号
【特許文献2】国際公開第2014/090684号
【特許文献3】国際公開第2018/146304号
【特許文献4】国際公開第2014/075937号
【特許文献5】国際公開第2017/121512号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0028】
(発明の概要)
本発明は独立請求項において述べられ特徴付けられる一方、従属請求項は、本発明の他の特性を説明する。
【0029】
一局面では、本発明は、自動保管および回収システムに関し、システムは、
第1の方向に延在する平行レールの第1のセットと、第2の方向に延在する平行レールの第2のセットとを伴うレールシステムであって、第2の方向は、第1の方向に対して直角である、レールシステムと、
保管コンテナを取り扱うために動作可能である、レールシステム上の複数のコンテナ取扱車両であって、各コンテナ取扱車両は、測位ノードと、コンテナ取扱車両の移動を制御するように適合されているローカルコントローラとを備える、複数のコンテナ取扱車両と、
レールシステム上の、および/またはそれに近接している固定位置において離されている少なくとも3つの基準測位ノードを備える測位システムであって、測位システムは、各コンテナ取扱車両の測位ノードと少なくとも3つの基準測位ノードとの間の信号測定値に基づいて、コンテナ取扱車両の各々に関するレールシステム上の位置を決定するように適合されている、測位システムと、
各コンテナ取扱車両内の各ローカルコントローラおよび測位システムと通信するように適合されている制御システムであって、制御システムは、
標的位置まで移動するように第1のコンテナ取扱車両に命令することと、
第1のコンテナ取扱車両の位置の位置データを測位システムから繰り返し受信し、第2のコンテナ取扱車両の位置の位置データを測位システムから繰り返し受信することと、
第1および第2のコンテナ取扱車両の位置の受信された位置データに基づいて、所定の間隔内で第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令することと
を行うように適合されている、制御システムと
を備える。
【0030】
このシステムの利点は、それが複数のコンテナ取扱車両が車両の「車列」(すなわち、所定の間隔によって順々に離された状態で、直列に近接して配列され、縦に並んで相互とともに移動するように配列されている複数のコンテナ取扱車両)を形成することを可能にすることである。
【0031】
標的位置は、レールシステム上の任意の位置であり得る。標的位置は、ポート位置等、レールシステム上の最終位置であってもよく、または、標的位置は、最終位置へ向かう途中の任意の中間位置であってもよい。車両は、例えば、段階的命令において、第2の位置まで移動する命令を得る前に、別の車両が通過するまで車両が待機するレールシステム上の第1の位置まで移動するように命令されてもよい。
【0032】
第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令することは、第1および第2のコンテナ取扱車両の位置の受信された位置データに基づいて、第2のコンテナ取扱車両が第1のコンテナ取扱車両からの所定の間隔に至るまで加速または減速するように第2のコンテナ取扱車両に命令することを含んでもよい。
【0033】
第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令することは、第1および第2のコンテナ取扱車両の位置の受信された位置データに基づいて、設定速度において移動するように第2のコンテナ取扱車両に命令することを含んでもよい。
【0034】
第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令することは、第1および第2のコンテナ取扱車両の位置の受信された位置データに基づいて、加速または減速において速度を変更し、所定の間隔内に留まるように第2のコンテナ取扱車両に命令することを含んでもよい。
【0035】
第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令することは、第1および第2のコンテナ取扱車両の位置の受信された位置データに基づいて、第1のコンテナ取扱車両の位置からの所定の間隔にある位置まで移動するように第2のコンテナ取扱車両に命令することを含んでもよい。
【0036】
第2のコンテナ取扱車両が移動するように命令される、第1のコンテナ取扱車両の位置からの所定の間隔にある位置は、第1のコンテナ取扱車両の現在の速度および進行方向に基づいて決定される、第1のコンテナ取扱車両の将来の位置からの所定の間隔にある位置であってもよい。
【0037】
信号測定値は、飛行時間(TOF)測定値であってもよい。より特定すると、TOF測定値は、到達時間差(TDOA)測定値であってもよい。TDOAは、下記に検討されるように、双方向測距(TWR)より少ないメッセージングを要求し、有利には、測位されるべきコンテナ取扱車両の数が増加するときに使用され得る。
【0038】
各コンテナ取扱車両の測位ノードおよび少なくとも3つの基準測位ノードは、超広域帯(UWB)ノードであってもよい。UWBは、IEEE 802.15.4-2011版規格において規定されるUWB PHY層によって規定され、センチメートル範囲における位置分解能を提供する。
【0039】
第2の局面では、本発明は、上記に説明されたシステムにおける複数のコンテナ取扱車両の移動を制御する方法に関し、方法は、
- 標的位置まで移動するように第1のコンテナ取扱車両に命令することと、
- 第1のコンテナ取扱車両の位置の位置データを測位システムから繰り返し受信し、第2のコンテナ取扱車両の位置の位置データを測位システムから繰り返し受信することと、
- 第1および第2のコンテナ取扱車両の位置の受信された位置データに基づいて、第1のコンテナ取扱車両からの所定の間隔内で第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令することと
を含む。
【0040】
第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令するステップは、第1および第2のコンテナ取扱車両の位置の受信された位置データに基づいて、第2のコンテナ取扱車両が第1のコンテナ取扱車両からの所定の間隔に至るまで加速または減速するように第2のコンテナ取扱車両に命令することを含んでもよい。
【0041】
第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令するステップは、第1および第2のコンテナ取扱車両の位置の受信された位置データに基づいて、設定速度において移動するように第2のコンテナ取扱車両に命令することを含んでもよい。
【0042】
第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令するステップは、第1のコンテナ取扱車両の位置からの所定の間隔にある位置まで移動するように第2のコンテナ取扱車両に命令することを含んでもよい。一実施形態では、第2のコンテナ取扱車両が移動するように命令される、第1のコンテナ取扱車両の位置からの所定の間隔にある位置は、第1のコンテナ取扱車両の現在の速度および進行方向に基づいて決定される、第1のコンテナ取扱車両の将来の位置からの所定の間隔にある位置であってもよい。
【0043】
第1のコンテナ取扱車両の位置および第2のコンテナ取扱車両の位置は、飛行時間(TOF)測定値を使用して決定されてもよい。特に、TOF測定値は、到達時間差(TDOA)であってもよい。
【0044】
第3の局面では、本発明は、上記に説明されたシステムにおける制御システムのためのコンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラム製品は、制御システム上で実行されると上記に説明された方法を実施する命令を含む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
以下の図面は、本発明の理解を促進するために付属している。図面は、ここで実施例のみとして説明される本発明の実施形態を示している。
【0046】
図1図1は、従来技術の自動保管および回収システムの骨格構造の斜視図である。
図2図2は、保管コンテナをその中に保有するための中心に配列された空洞を有する従来技術コンテナ取扱車両の斜視図である。
図3図3は、保管コンテナを真下に保有するためのカンチレバーを有する従来技術コンテナ取扱車両の斜視図である。
図4図4は、車両の車列を形成している2つのコンテナ取扱車両の側面図である。
図5図5は、コンテナ取扱車両の概略図である。
図6a図6aは、コンテナ送達のためのコンテナ取扱車両の斜視図である。
図6b図6bは、グリッドのレールシステム上で動作するカンチレバーコンテナ取扱車両と、下側レールシステム上で動作するコンテナ送達のためのコンテナ取扱車両とを備える保管システムの斜視図である。
図7図7は、測位システムを図示しているレールシステムの上面図である。
図8図8は、自動保管および回収システムを動作させる方法のステップを図示しているフローチャートである。
図9図9は、コンテナ取扱車両が同一の方向に移動する方法のステップを図示しているレールシステムの概略上面図である。
図10図10は、図9に類似しているが、第2のコンテナ取扱車両が第1のコンテナ取扱車両の将来の位置に送られる方法のステップを図示しているレールシステムの概略上面図である。
図11図11は、第3のコンテナ取扱車両を追加する、図9に類似している方法のステップを図示しているレールシステムの概略上面図である。
図12図12は、コンテナ取扱車両の車列を分離し、組み換える方法のステップを図示しているレールシステムの概略上面図である。
図13図13は、コンテナ取扱車両の車列を分離し、組み換える方法のステップを図示しているレールシステムの概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
(発明の詳細な説明)
以下では、本発明の実施形態が、付属の図面の参照を伴ってより詳細に検討される。しかしながら、図面は、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図されていないことを理解されたい。
【0048】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、図1~3に関連して上記に説明された従来技術の骨格構造100、すなわち、いくつかの直立部材102、および直立部材102によって支持されているいくつかの水平部材103と、さらに、骨格構造100がX方向およびY方向における第1の上側レールシステム108を備えることとに従って構築される。
【0049】
骨格構造100は、部材102、103の間に提供された保管カラム105の形態にある保管コンパートメントをさらに備え、保管コンテナ106は、保管カラム105内のスタック107内にスタック可能である。
【0050】
骨格構造100は、任意のサイズであることができる。具体的には、骨格構造は、図1に開示されているものより大幅に広く、および/または長く、および/または深くあり得ることを理解されたい。例えば、骨格構造100は、700×700個超のカラムの水平範囲と、12個超のコンテナの保管深度とを有してもよい。
【0051】
ここで、本発明による自動保管および回収システムの一実施形態が、図4~13の参照を伴ってより詳細に検討される。
【0052】
図4は、2つのコンテナ取扱車両401が所定の間隔Sにおいて相互とともに移動する車両の「車列」を形成している2つのコンテナ取扱車両401を図示している。各コンテナ取扱車両401は、測位ノード402を備える。測位ノード402は、コンテナ取扱車両401の外部または内部の任意の好適な位置に位置付けられ得る。制御システム500は、コンテナ取扱車両の外寸に対するコンテナ取扱車両401上の測位ノード402の位置を把握し得る。したがって、2つの測位ノード402間の間隔を把握することは、2つのコンテナ取扱車両401間の間隔Sを決定するために十分であり得る。所定の間隔Sは、制御システム500において固定されてもよく、またはコンテナ取扱車両の速度等に応じて変動してもよい。所定の間隔は、可能な限り狭くあるべきであり、好ましくは、10cmより狭くあるべきである。狭い所定の間隔は、より短い車列、および利用可能なレールシステム空間のより効果的な使用を提供する。
【0053】
図5は、測位ノード501と、コンテナ取扱車両の移動を制御するように適合されているローカルコントローラ502とを備えるコンテナ取扱車両401を概略的に図示している。ローカルコントローラ502は、無線通信リンクを経由して制御システムと通信する。測位ノード501は、直接、またはローカルコントローラ502を介して制御システムと通信してもよい。他の実施形態では、測位ノード501は、レールシステム108、608上の、および/またはそれに近接している固定位置において離されている基準測位ノード(図7に示されている基準測位ノード701、702、703)のみと通信してもよい。
【0054】
図6は、本発明のある実施形態による別のコンテナ取扱車両を図示している。図6aは、コンテナ送達のためのコンテナ取扱車両601を示しており、図6bは、自動保管および回収システム1との関連におけるコンテナ取扱車両601を示している。
【0055】
図6aが図示しているように、コンテナ送達車両601の形態にあるコンテナ取扱車両601は、保管コンテナ106を上下様式において受け取るために配列されており、したがって、上方からの保管コンテナ106を受け取るための、車体601aの上方に配列されているコンテナキャリア602を備える。コンテナ送達車両601は、他の前述のコンテナ取扱車両201、301、401のものに類似している第1の方向Xにおける駆動手段601bと、第2の方向Yにおける駆動手段601cとを備える。
【0056】
図6bは、上側および下側レールシステム108、608上で動作するコンテナ取扱車両301、601のペアを図示している。
【0057】
示されているように、コンテナ送達車両601は、保管グリッド104のレールシステム108の下方のレールシステム608上で動作する。送達レールシステム608は、図1に関連して説明されたコンテナ取扱車両201、301、401のためのレールシステム108と同一の方法または類似の方法において構築されてもよい。
【0058】
図3の実施形態による、保管グリッド104のレールシステム108上で動作するコンテナ取扱車両301が、示されている。しかしながら、当業者に明白であるように、任意の種類のコンテナ取扱車両201、301、401が、グリッドのレールシステム108上で動作させられてもよい。上側レールシステム108上で動作するコンテナ取扱車両301は、このように、下側レールシステム608上で動作させられるコンテナ送達車両601まで下方に保管コンテナを降下させてもよい。コンテナ送達車両601は、典型的には、保管コンテナ106が積み込まれ得るレールシステム108の外縁におけるアクセスポイント(図示せず)への保管コンテナ106の送達のために配列される。本明細書に図示されていないが、下側レールシステム608は、典型的には、多数のコンテナ送達車両601を備え、それらがポートカラムの下方のセルと下側レールシステム608の外縁上のアクセスポイントとの間を移動するとき、混雑および待ち行列の問題が、生じ得る。したがって、本発明は、有利には、グリッド104のレールシステム108のコンテナ取扱車両201、301、401のための様式に類似した様式におけるコンテナ送達車両601を伴うレールシステム608に適用される。
【0059】
図7は、システム1のレールシステム108の上面図である。システム1は、レールシステム108上の、およびそれに近接する固定位置において離されている少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703を備える測位システムを備える。測位システムは、各コンテナ取扱車両401の測位ノード402と少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703との間の信号測定値に基づいてレールシステム108上のコンテナ取扱車両401の位置を決定するように適合されている。基準測位ノード701、702、703およびコンテナ取扱車両401上の測位ノード402は、市販製品であり、種々の方法の信号測定が、グリッド上の測位ノード402の位置を決定するために使用され得る。
【0060】
Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi等の従来的な無線技術のために使用される1つのそのような方法は、測位ノード402が少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703の各々に対する信号強度を測定し、これを伝搬モデルと組み合わせ、各点までの距離を決定する受信信号強度インジケータ(RSSI)である。測位システムは、図7の3つの交差する球S701、S702、S703によって図示されているように、測定された距離およびグリッド108上の基準測位ノード701、702、703の位置の知識に基づいて、マルチラテレーション技法を使用してグリッド上の測位ノード402の位置を決定する。
【0061】
従来的な無線技術のために使用される別の方法は、飛行時間(TOF)測定である。これらのシステムのために、測位ノード402と少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703の各々との間にメッセージを送信し、メッセージを送信することから肯定応答メッセージACKを受信することまでの時間を測定することによって、TOFが、測定される。ここでも、グリッド上の測位ノード402の位置を決定するために、マルチラテレーション技法が、使用され得る。
【0062】
情報を伝達するために変調された正弦波に依拠する従来的な無線技術の問題は、位置特定誤差を引き起こす多経路信号伝搬を扱うことである。Wi-Fi測位システムは、2~4メートルの分解能を有する。
【0063】
コンテナ取扱車両の効率的な車列駆動のために、メートルではなくデシメートルの位置分解能を有することが、有利である。本発明の1つの有利な実施形態では、各コンテナ取扱車両の測位ノード402および少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703は、超広域帯(UWB)ノードである。UWBは、IEEE 802.15.4-2011版規格において規定されるUWB PHY層によって規定される。
【0064】
UWBは、情報を伝達するために、変調された正弦波ではなくインパルス列を利用する。この特性は、精密な測距用途に関してそれを完璧にする。パルスはそのような広い周波数帯域を占有するため、その立ち上がりエッジは、非常に急であり、これは、受信機が信号の到達時間を非常に正確に測定することを可能にする。パルス自体は、非常に狭小であり、典型的には、2ナノ秒以下である。信号の性質に起因して、UWBパルスは、ノイズが多い環境においてさえ区別されることができ、信号は、多経路効果に対して耐性を有する。これらの特質の全てが、測距能力の場合において従来的な狭帯域信号に優る良好な利点をUWBに与える。また、厳密なスペクトルマスクに起因して、伝送電力は、ノイズフロアにおいて存在し、これは、UWBがノイズフロア全体を増加させるだけであるため、これが同一の周波数帯域において動作する他の無線通信システムに干渉しないことを意味する。システム1の骨格構造100は、多経路効果を受けやすく、UWB測位は、それらの問題を克服することに対して好適である。UWB測位システムは、デシメートル範囲における分解能を有し、そのため、公知のWiFi測位システムに関する分解能よりはるかに微細な分解能をもたらす。
【0065】
UWB測位システムは、測位のために、飛行時間測定のための2つの異なる方法のうちの1つを使用する。1つの方法は、双方向測距(TWR)である。TWRに関して、3つのメッセージが、送信される必要があり、測位ノード402は、少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703のうちの1つにポーリングメッセージを送信し、ポーリングメッセージは、ポーリング送信の時間TSPを含む。少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703のうちの1つは、ポーリング受信の時間TRPを記録し、その時点の応答メッセージTSPとともに返信する。測位ノード402は、応答メッセージ時間TRRを記録する。測位ノード402は、TSPと、TRRと、最終メッセージ送信の時間TSFとを含む最終メッセージを少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703のうちの1つに送信し、少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703のうちの1つは、最終メッセージ受信の時間TRFを記録する。次いで、TOFおよび距離を計算することが、可能である。少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703までの距離が決定されると、グリッド108上の測位ノード402の位置を決定するために、マルチラテレーション技法が、使用され得る。
【数1】
【0066】
少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703のうちの1つは、それ自体によってTOFおよび距離を決定してもよく、または、それは、リアルタイム場所サーバ(RTLS)に情報を自動転送してもよく、RTLSは、RTLSが決定を実施するために、少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703と通信する。決定された距離は、メッセージ内で測位ノード402に返送されてもよい。測位システムのRTLSは、測位ノード402の各々の位置の位置データを制御システム500に繰り返し報告する。
【0067】
UWB測位システムのための飛行時間測定のための第2の方法は、少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703の信号到達間の時間差の精密な測定に基づく到達時間差TDoAである。この方法では、少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703は、正確に同期される必要があり、そのため、それらは、同一のクロックを走らせる必要がある。測位ノード402は、規則的な間隔(リフレッシュレート)において短いBlinkメッセージを伝送する。Blinkメッセージは、測位ノード402の通信範囲内にある基準測位ノード701、702、703の全てによって受信される。基準測位ノード701、702、703の各々は、Blinkメッセージ受信の時間、例えば、タイムスタンプTR701、TR702、TR703を記録し、タイムスタンプをRTLSサーバに伝送する。RTLSサーバは、到達時間差TR701、TR702、TR703に基づいて、マルチラテレーション技法を使用して測位ノード402の位置を決定する。
【0068】
TWRに優るTDoAの利点は、測位ノード402が基準測位ノード701、702、703と通信しないことである。TWRが測位ノード402を位置特定するために9つのメッセージを要求する一方、TDoAは、1つのみを要求する。さらに、測位ノード402は、Blinkメッセージを送信するために短い時間のみを使用し、したがって、多数の測位ノード402が、規則的な間隔(リフレッシュレート)内にBlinkメッセージを伝送し得る。したがって、TDoAは、有利には、測位されるべきコンテナ取扱車両201、301、401、601の数が増加したときに利用され得る。
【0069】
上記に検討されたように、自動保管および回収システム1は、保管コンテナ106を追跡するためのデータベースを備えるコンピュータ化された制御システム500を備える。制御システム500は、各コンテナ取扱車両201、301、401、601内のローカルコントローラ502と通信し、例えば、グリッド108上のどこに移動すべきか、または、どこに保管コンテナ106を積み込むべきか、もしくは積み降ろすべきかに関する命令をコンテナ取扱車両に送信するように適合されている。制御システム500は、測位システム(例えば、RTLSサーバ)と通信し、コンテナ取扱車両201、301、401、601の各々に関するリアルタイムの位置データを受信するようにも適合されている。測位システムは、制御システム500が車両の「車列」(すなわち、直列に近接して配列され、縦に並んで相互とともに移動するように配列されている複数のコンテナ取扱車両)を形成するようにコンテナ取扱車両に命令し得るように、コンテナ取扱車両の相対位置についての知識を制御システム500に提供する。制御システム500は、標的位置まで移動するように第1のコンテナ取扱車両に命令することと、第1のコンテナ取扱車両の位置の位置データを測位システムから繰り返し受信し、第2のコンテナ取扱車両の位置の位置データを測位システムから繰り返し受信することと、第1および第2のコンテナ車両の位置の受信された位置データに基づいて、第1のコンテナ取扱車両からの所定の間隔S内で第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令することとを行うように適合されている。第1のコンテナ取扱車両と第2のコンテナ取扱車両との間の所定の間隔は、制御システム500内で固定されてもよく、またはコンテナ取扱車両の速度等に応じて変動してもよい。所定の間隔は、第1のコンテナ取扱車両と第2のコンテナ取扱車両との間の標的間隔と見なされてもよい。車両は相互から独立して移動するので、瞬間的間隔は、所定の間隔の所与の公差内で変動し得る。第2のコンテナ取扱車両は、遅れている場合、速度を上げるように命令されてもよく、または、近くなりすぎている場合、速度を下げるように命令されてもよい。所与の公差は、±25%、±10%、±5%、±1%であってもよく、自動保管および回収システムの構成に応じて変動してもよい。コンテナ取扱車両のタイプ、コンテナ取扱車両の総数等の種々の要因が、所与の公差に影響を及ぼし得る。
【0070】
図8は、自動保管および回収システム1を動作させるための方法のステップを概略的に表したフロー図である。
【0071】
方法は、典型的には、ステップ800によって開始され、制御システム500は、標的位置TAまで移動するように第1のコンテナ取扱車両401Aに命令する。標的位置は、典型的には、レールシステム108、608上の保管カラムであってもよい。第1のコンテナ取扱車両401のローカルコントローラは、命令を受信し、標的位置TAに向かう第1のコンテナ取扱車両401Aの移動を開始させる。制御システム500は、それが標的位置TAに向かってともに移動するコンテナ取扱車両の車列を生成しようとしていることを把握する。車列は、少なくとも第2のコンテナ取扱車両401Bを備える。ステップ810および820において、制御システム500は、第1のコンテナ取扱車両401Aの位置の位置データを測位システムから受信し、第2のコンテナ取扱車両401Bの位置の位置データを測位システムから受信する。第2のコンテナ取扱車両401Aの位置情報を受信することに先立って第1のコンテナ取扱車両401Aの位置情報を受信することの順序は、例証の単純化のために恣意的に選ばれている。ステップ820は、代わりに、ステップ810に先行してもよく、または、ステップ810および820が、実質的に同時に生じてもよい。
【0072】
測位システムは、各コンテナ取扱車両401A、401Bの測位ノード402と少なくとも3つの基準測位ノード701、702、703との間で信号測定を実施することによって、第1のコンテナ取扱車両401Aおよび第2のコンテナ取扱車両401Bの位置を決定する。ステップ830において、制御システム500は、第1のコンテナ取扱車両401Aからの所定の間隔Sにおいて第1のコンテナ取扱車両401Bとともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両401Bに命令する。第2のコンテナ取扱車両401Bのローカルコントローラは、命令を受信し、第2のコンテナ取扱車両401Bが所定の間隔Sに至り、所定の間隔Sにおいて第1のコンテナ取扱車両とともに移動し続けるまで、第1のコンテナ取扱車両401Aに向かう第2のコンテナ取扱車両401Bの移動を開始させる。その際、第2のコンテナ取扱車両401Bは、第1のコンテナ取扱車両401Aに追従する。制御システム500は、ステップ810へと戻る方法によって図示されているように、第1のコンテナ取扱車両401Aの位置の位置データを測位システムから繰り返し受信し、第2のコンテナ取扱車両401Bの位置の位置データを測位システムから繰り返し受信する。更新された位置情報を受信した後、制御システムは、第2のコンテナ取扱車両401Bに命令を送信し、所定の間隔Sにおいて第1のコンテナ取扱車両401Aとともに移動するように第2のコンテナ取扱車両401Bに再び命令してもよい。
【0073】
以下では、図9~13の参照を伴って、本発明による自動保管および回収システムを動作させる方法の種々のステップが、例示される。
【0074】
図9は、ある方法のステップを図示しているレールシステム108の概略上面図であり、制御システム500によって制御された2つのコンテナ取扱車両401A、401Bが、車両の車列を形成している。図9Aに示されているように、2つのコンテナ取扱車両401A、401Bは、初めは、レールシステム108上の隣接するセルにある。図9Aにおいて、制御システムは、標的位置TAに向かって移動するように第1のコンテナ取扱車両401Aに命令する。標的位置は、レールシステム上の任意の位置であり得る。標的位置は、ポート位置等、レールシステム上の最終位置であってもよく、または、標的位置は、最終位置へ向かう途中の任意の中間位置であってもよい。車両は、例えば、段階的命令において、第2の位置まで移動する命令を得る前に、別の車両が通過するまで車両が待機するレールシステム上の第1の位置まで移動するように命令されてもよい。制御システム500は、第1のコンテナ取扱車両401Aの位置の位置データを測位システムから受信し、第2のコンテナ取扱車両401Bの位置の位置データを測位システムから受信する。図9Bに示されているように、第1のコンテナ取扱車両と第2のコンテナ取扱車両との間の間隔が所定の間隔S内になると、第2のコンテナ取扱車両401Aは、所定の間隔S内で第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように命令される。
【0075】
図9Cに図示されているように、第1のコンテナ取扱車両401Aは、ロコモーティブとして作用し、第2のコンテナ取扱車両401Bの位置は、位置システムから受信された位置データが、間隔が所定の間隔Sと異なることを示したとき、制御システムによって第1のコンテナ取扱車両401Aに対して調節される。図9Dに図示されているように、第1のコンテナ取扱車両401Aが標的位置TAに到着し、停止すると、第2のコンテナ取扱車両401Bは、所定の間隔Sにある位置で停止するように命令される。上記に述べたように、TAの標的位置は、第1のコンテナ取扱車両401Aの最終位置ではなくてもよく、そのため、第2のコンテナ取扱車両401Bは、第1のコンテナ取扱車両401Aが新しい標的位置(図示せず)に向かって再び移動し始める場合、所定の間隔に保たれる。標的位置TAが第1のコンテナ取扱車両401Aに関する最終位置である場合、制御システム500は、第1のコンテナ取扱車両401Aに隣接する位置まで移動するように第2のコンテナ取扱車両401Bに命令してもよい。
【0076】
他方、第1のコンテナ取扱車両401Aが標的位置TAに到着することに先立って、第2のコンテナ取扱車両401Bがそれ自体の標的位置TB(図示せず)に到達した場合、第2のコンテナ取扱車両401Bは、標的位置TBにおいて停止する。すなわち、第2のコンテナ取扱車両は、TBに到着すると、第1のコンテナ取扱車両401Aとともに移動することをやめる。
【0077】
第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令することは、第1のコンテナ取扱車両401Aの位置からの所定の間隔Sにある位置まで移動するように第2のコンテナ取扱車両401Bに繰り返し命令することを含んでもよい。すなわち、制御システム500が第1のコンテナ取扱車両401Aの位置の位置データを測位システムから受信する度に、制御システム500は、第2のコンテナ取扱車両401Bが第1のコンテナ取扱車両401Aの位置からの所定の間隔S内にあるために存在すべきである新しい位置を決定する。
【0078】
代替として、第2のコンテナ取扱車両401Bが第1のコンテナ取扱車両とともに移動するために移動すべきである度にメッセージを送信する代わりに、制御システム500は、設定速度において第1のコンテナ取扱車両401Aとともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両401Bに命令してもよい。位置システムから受信された位置データが、第1のコンテナ取扱車両401Aと第2のコンテナ取扱車両401Bとの間の間隔が所定の間隔Sと異なることを示したとき、制御システムは、第2のコンテナ取扱車両401Bが第1のコンテナ取扱車両401Aからの所定の間隔Sに再び至るまで加速または減速するように第2のコンテナ取扱車両401Bに命令してもよい。所定の間隔Sになると、第2のコンテナ取扱車両401Bは、第1のコンテナ取扱車両401Aとともに移動し、追従するように設定速度において移動するように命令されてもよい。
【0079】
第1のコンテナ取扱車両とともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両に命令することは、第1のコンテナ取扱車両401Aとともに移動し、追従するように第2のコンテナ取扱車両401Bに命令することに先立って、第1のコンテナ取扱車両401Aの位置からの所定の間隔Sにある位置まで移動するように第2のコンテナ取扱車両401Bに命令することを含んでもよい。第2のコンテナ取扱車両401Bが移動するように命令される、第1のコンテナ取扱車両401Aの位置からの所定の間隔Sにある位置は、第1のコンテナ取扱車両401Aの将来の位置からの所定の間隔Sにある位置である。第1のコンテナ取扱車両401Aの将来の位置は、第1のコンテナ取扱車両401Aの現在の速度および進行方向に基づいて決定されてもよい。代替として、図10の参照を伴って下記に検討されるように、制御システム500は、それが第1のコンテナ取扱車両401Aをどこに送るかを把握し、第2のコンテナ取扱車両401Bを第1のコンテナ取扱車両401Aのその将来の位置の所定の間隔Sにある位置まで送ることを決定してもよい。いくつかの状況では、これは、車両の車列を形成するために必要とされる時間を節約し得る。
【0080】
図10は、ある方法のステップを図示しているレールシステム108の概略上面図であり、制御システム500によって制御された2つのコンテナ取扱車両401A、401Bが、車両の「車列」を形成している。図10Aに示されているように、2つのコンテナ取扱車両401A、401Bは、初めは、レールシステム108上の異なる行および列にある。図10Aにおいて、制御システムは、第2の標的位置TAまで移動するように第1のコンテナ取扱車両401Aに命令する。制御システム500は、第1のコンテナ取扱車両401Aの位置の位置データを測位システムから受信し、第2のコンテナ取扱車両401Bの位置の位置データを測位システムから受信する。制御システム500は、最初に、Y-方向に第1の標的位置TAへと2行移動するように第1のコンテナ取扱車両401Aに命令し、そこから、それがX+方向に第2の標的位置TAへと2列移動するように第1のコンテナ取扱車両401Aに命令することを把握する。図10Bに図示されているように、第1のコンテナ取扱デバイス401Aが将来どこに存在するかを把握すると、制御システムは、第1のコンテナ取扱車両401Aの将来の位置TAからの所定の間隔Sにある位置まで移動するように第2のコンテナ取扱車両401Bに命令することも行う。第1のコンテナ取扱車両401Aの将来の位置は、第1のコンテナ取扱車両401Aの現在の速度および進行方向に基づいて決定されてもよい。第2のコンテナ取扱車両401Bへの命令は、第2のコンテナ取扱車両401Bが第1のコンテナ取扱車両が到着することにちょうど間に合うようにその位置に到着するようにタイミングを計られてもよい。代替として、第2のコンテナ取扱車両401Bへの命令は、第2のコンテナ取扱車両401bが第1のコンテナ取扱車両401Aが第1の標的位置TAに到着することに先立って到着するようにタイミングを計られてもよい。
【0081】
図10Bに示されているように、第1のコンテナ取扱車両401Aおよび第2のコンテナ取扱車両401Bが所定の間隔Sだけ離されると、制御システム500は、図9Cおよび図9Dの参照を伴って上記に説明されたように、図10Cおよび図10Dに示されているように移動するように第1のコンテナ取扱車両401Aおよび第2のコンテナ取扱車両401Bに命令する。
【0082】
図11は、ある方法のステップを図示しているレールシステム108の概略上面図であり、制御システム500によって制御された3つのコンテナ取扱車両401A、401B、401Cが、車両の「車列」を形成している。コンテナ取扱車両401B、401Cは、コンテナ取扱車両の各ペア間に所定の間隔Sを伴って第1のコンテナ取扱車両401Aとともに移動し、追従する。所定の間隔Sは、コンテナ取扱車両の各ペアに関して同一であってもよく、またはペアの各々に関して変動してもよい。任意の数のコンテナ取扱車両が、第1のコンテナ取扱車両401Aと連動してもよい。
【0083】
図12は、単一の車列を形成している制御システム500によって制御された複数のコンテナ取扱車両が、異なる標的位置の方に進む2つの別個の車列に分割される方法のステップを図示しているレールシステム108の概略上面図である。最上行は、1つの例示的実装において、多くのコンテナ取扱車両を移動させる大きい車列のための高速路として機能し得る。大きい車列は、側道上を移動するコンテナ取扱車両のより小さい車列に分割されてもよく、車列は、より緩徐に移動してもよく、および/または、他の移動するコンテナ取扱車両のために道を譲ってもよい。図12Aに示されているように、3つのコンテナ取扱車両401A、401B、401Cは、初めは、レールシステム108の同一の行にあり、第1のコンテナ取扱車両401Aに関する(図示されているレール区分の外側にある)標的位置TAに向かってX+方向に移動する。第4のコンテナ取扱車両401Dは、別の行にある。図10の参照を伴って検討されたように、2つのコンテナ取扱車両401B、401Cは、初めは第1のコンテナ取扱車両401Aとともに移動する。
【0084】
制御システム500は、第2のコンテナ取扱デバイス401Bおよび第4のコンテナ取扱デバイス401Dが第1のコンテナ取扱車両401Aに対して(図示されているレール区分の外側にある)異なる標的位置TBに向かって進んでいることを把握する。制御システム500は、標的位置TBに向かう車列として第2のコンテナ取扱車両401Bおよび第4のコンテナ取扱車両401Dをともに移動させることが有利であることを把握または決定してもよい。制御システム500は、標的位置TBまで移動するように、すなわち、Y-方向に1行移動するように第2のコンテナ取扱車両に命令する。図12Bに図示されているように、第2のコンテナ取扱車両401Bが将来、位置TBにあることを把握すると、制御システム500は、将来の位置TBからの所定の間隔Sにある位置まで移動するように第4のコンテナ取扱車両401Dに命令する。第4のコンテナ取扱車両401Dは、第2のコンテナ取扱車両401BがTBに到着することにちょうど間に合うように到着してもよく、またはそれに先立って到着してもよい。本実施例では、第4のコンテナ取扱車両401Dは、TBからの所定の間隔Sに間に合うように到着するためには加速する必要があり得る。
【0085】
制御システム500は、第1のコンテナ取扱車両401Aの位置の位置データを測位システムから受信し、第3のコンテナ取扱車両401Cの位置の位置データを測位システムから受信し、所定の間隔Sにおいて第1のコンテナ取扱車両401Aとともに移動するように第3のコンテナ取扱車両401Cに命令することも行う。この場合、図12Cに図示されているように、それは、最初に、第1のコンテナ取扱車両401Aに追いつくように第3のコンテナ取扱車両401Cを加速させることを含む。さらに、第4のコンテナ取扱車両401Dは、標的位置TBに向かって、所定の間隔Sにおいて第2のコンテナ取扱車両401Bとともに移動するように命令される。より小さい車列または単一のコンテナ取扱デバイスを別の車列に含めるために、同一の方法論が、使用され得る。
【0086】
明白なこととして、車列は、相互に対して平行に移動する必要があるだけでなく、相互に対して直角にも移動し得る。図13は、単一の車列を形成している制御システム500によって制御された複数のコンテナ取扱車両が、異なる標的位置の方に進む2つの別個の車列に分割される方法のステップを図示しているレールシステム108の概略上面図である。図13Aに示されているように、3つのコンテナ取扱車両401A、401B、401Cは、初めは、レールシステム108の同一の行にあり、第1のコンテナ取扱車両401Aに関する(図示されているレール区分の外側にある)標的位置TAに向かってX+方向に移動する。第4のコンテナ取扱車両401Dは、別の行にある。図10の参照を伴って検討されたように、2つのコンテナ取扱車両401B、401Cは、初めは第1のコンテナ取扱車両401Aとともに移動する。
【0087】
制御システム500は、第2のコンテナ取扱デバイス401Bおよび第4のコンテナ取扱デバイス401Dが第1のコンテナ取扱車両401Aに対して(図示されているレール区分の外側にある)異なる標的位置TBに向かって進んでいることを把握する。制御システム500は、標的位置TBに向かう車列として第2のコンテナ取扱車両401Bおよび第4のコンテナ取扱車両401Dをともに移動させることが有利であることを把握または決定してもよい。制御システム500は、標的位置TBまで移動するように、すなわち、Y-方向に2行移動するように第2のコンテナ取扱車両に命令する。図13Bに図示されているように、第2のコンテナ取扱車両401Bが将来、位置TBにあることを把握すると、制御システム500は、将来の位置TBからの所定の間隔Sにある位置まで移動するように第4のコンテナ取扱車両401Dに命令する。制御システム500は、第4のコンテナ取扱車両401Bがその位置に到達する前に第2のコンテナ取扱車両401Bがこの位置を通過する必要があることを把握し、第2のコンテナ取扱車両401Dが標的位置TBに到達した後に第4のコンテナ取扱車両401Bがその位置に到着するようにタイミングを計る。本実施例では、第4のコンテナ取扱車両401Dは、第2のコンテナ取扱車両401Bの後にTBからの所定の間隔Sに到着するためには減速する必要があり得る。図13Bに図示されているように、第4のコンテナ取扱車両401Dが第2のコンテナ取扱車両401Bに対して直角に移動するこの場合、第4のコンテナ取扱車両401Dは、図13Cに図示されているように、第2のコンテナ取扱車両401Bおよび第4のコンテナ取扱車両401Dが同一の方向Y-に連動するように命令される前に、所定の間隔Sより近接する位置に到着してもよい。
【0088】
前述の説明では、本発明によるコンテナ取扱車両および自動保管および回収システムの種々の局面が、例証的実施形態の参照を伴って説明されてきた。解説の目的のために、特定の数値、システム、および構成が、システムおよびその作用の徹底的な理解を提供するために記載された。しかしながら、本説明は、限定的意味で解釈されることを意図されていない。開示される主題が関連する当業者に明白である例証的実施形態の種々の修正および変形例、ならびにシステムの他の実施形態は、本発明の範囲内に存在すると見なされる。
【0089】
参照番号のリスト
【表1】
【表2】
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】