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特表2023-530824自転車のディスクブレーキキャリパおよびABSシステムを支持するための支持デバイス
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  • 特表-自転車のディスクブレーキキャリパおよびABSシステムを支持するための支持デバイス 図1
  • 特表-自転車のディスクブレーキキャリパおよびABSシステムを支持するための支持デバイス 図2
  • 特表-自転車のディスクブレーキキャリパおよびABSシステムを支持するための支持デバイス 図3
  • 特表-自転車のディスクブレーキキャリパおよびABSシステムを支持するための支持デバイス 図4
  • 特表-自転車のディスクブレーキキャリパおよびABSシステムを支持するための支持デバイス 図5
  • 特表-自転車のディスクブレーキキャリパおよびABSシステムを支持するための支持デバイス 図6
  • 特表-自転車のディスクブレーキキャリパおよびABSシステムを支持するための支持デバイス 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】自転車のディスクブレーキキャリパおよびABSシステムを支持するための支持デバイス
(51)【国際特許分類】
   B62K 19/38 20060101AFI20230712BHJP
   B60T 8/34 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
B62K19/38
B60T8/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569129
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 IB2021055351
(87)【国際公開番号】W WO2021255680
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】102020000014680
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522441817
【氏名又は名称】ブルブレイク エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピッキリッロ、ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】タバイ、マッティア
(72)【発明者】
【氏名】トデスキニ、ファビオ
【テーマコード(参考)】
3D212
3D246
【Fターム(参考)】
3D212BM06
3D212BM09
3D212BM11
3D246AA11
3D246BA02
3D246DA01
3D246GB01
(57)【要約】
ディスクブレーキキャリパ(7)およびABSシステム(A)の本体は、フォークアーム(5L)に取り外し可能に接続され、かつディスクブレーキのキャリパ本体(7)およびABSシステム(A)の両方を取り外し可能に支持するように構成され得る単一アダプタ支持(S)を用いて自転車(1)のフォークアーム(5L)上に装着される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の車輪ロックおよび/または初期転倒の傾向がブレーキ中に検出される場合にブレーキキャリパの作動シリンダに供給された流体圧を制御および低減すべく、自転車のフォークアーム上で、自転車のホイールと関連付けられるディスクブレーキのキャリパ、およびブレーキを作動するための自転車のレバーと関連付けられるマスタ油圧シリンダと、ブレーキキャリパのアクチュエータシリンダとの間に動作可能に挿入されるように意図された、油圧制御デバイスの形態のABSシステムの両方を支持するように構成された支持デバイスであって、
-自転車用フォークアームに接続するための少なくとも1つの第1の接続部と、
-ディスクブレーキキャリパの本体に接続するための少なくとも1つの第2の接続部と、
-前記ABSシステムに接続するための少なくとも1つの第3の接続部と
を備え、
前記少なくとも1つの第1の接続部、前記少なくとも1つの第2の接続部、および前記少なくとも1つの第3の接続部がすべて、前記フォークアームに取り外し可能に接続され、かつ前記ディスクブレーキのキャリパ本体および前記ABSシステムの両方を取り外し可能に支持するように構成され得る単一アダプタ支持の一部である、支持デバイス。
【請求項2】
前記単一アダプタ支持が、前記単一アダプタ支持を前記自転車の前記フォークアームに取り付けるためのスクリュー(V1)の係合用の少なくとも1つの穴(H1)を有する前記少なくとも1つの第1の接続部を有し、
-前記単一アダプタ支持が、前記ディスクブレーキキャリパの前記本体を前記単一アダプタ支持に取り付けるためのスクリュー(V2)の係合用の少なくとも1つの穴(H2)を有する前記少なくとも1つの第2の接続部を有し、
-前記単一アダプタ支持が、前記ABSシステムの本体を前記単一アダプタ支持に取り付けるためのスクリュー(V3)の係合用の少なくとも1つの穴(H3)を有する前記少なくとも1つの第3の接続部を有する、
請求項1に記載の支持デバイス。
【請求項3】
前記単一アダプタ支持は、フォークアーム上に装着された状態を参照して、上端部ヘッドと、下端部ヘッドとを有する細長い棒の形で存在し、
前記上端部ヘッドおよび前記下端部ヘッドのそれぞれが、前記単一アダプタ支持を前記自転車の前記フォークアームに取り付けるためのスクリュー(V1)の係合用の第1の穴と、前記ディスクブレーキキャリパの前記本体を前記単一アダプタ支持に取り付けるためのスクリュー(V2)の係合用の第2の穴と、前記ABSシステムの前記本体を前記単一アダプタ支持に取り付けるためのスクリュー(V3)の係合用の第3の穴とを有する、
請求項1に記載の支持デバイス。
【請求項4】
前記第3の穴の軸は、前記第1の穴の軸に実質的に直交する、請求項3に記載の支持デバイス。
【請求項5】
前記単一アダプタ支持と、前記ABSシステムの前記本体との間の接続要素として作用するように、前記ABSシステムの前記本体上に装着されるように、かつ前記単一アダプタ支持に接続されるように構成された補助アダプタも備える、請求項1に記載の支持デバイス。
【請求項6】
前記補助アダプタは、前記ABSシステムの前記本体を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたシェルの形態で存在し、前記ABSシステムの前記本体への接続用に構成された第1の接続部、および前記単一アダプタ支持への接続用に構成された第2接続部が設けられる、請求項5に記載の支持デバイス。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の支持デバイスを備えた自転車。
【請求項8】
自転車のフォークアーム上に、ディスクブレーキキャリパおよび油圧制御デバイスの形態のABSシステムを装着する方法であって、前記ABSシステムの本体および前記ディスクブレーキキャリパの本体は、請求項1から6のいずれか1項に記載の支持デバイスを用いて前記フォークアーム上に装着される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に自転車に、特に、自転車のブレーキレバーと関連付けられるマスタシリンダと、自転車のホイール、例えば前輪と関連付けられるディスクブレーキのキャリパを作動させる油圧シリンダとの間に動作可能に挿入された油圧式のABSシステムを有する油圧ブレーキシステムを備えた自転車に関する。ABSシステムは、ブレーキ中に車両の車輪ロックおよび/または初期転倒の傾向が検出される場合にブレーキキャリパの作動シリンダに供給された流体の圧力を低減するように構成されている。
【背景技術】
【0002】
自転車のフロントフォークのアーム上に、自転車の前輪と関連付けられるABSシステムを装着することは、これまでにすでに提唱されている(例えば、国際公開第2019/159029A1号を参照)。この既知の解決方法では、ABSシステムの本体は、フロントフォークのアーム上に直接クランプされており、これは、装着システムが、各特定のフォーク形状に従って構成されていることを意味する。他方で、いかなる適合も必要とせずに、フォークおよび自転車のいかなるタイプにも適用させることができる解決方法を提唱することが望ましい。また、上記既知の解決方法は、簡素かつ迅速にABSシステムの組み立て動作を実行することができない。また、ABSシステムと、ブレーキキャリパの作動シリンダとの間の連通ダクトの配置を簡素化すべく、ABSシステムは、自転車の前輪と関連付けられるディスクブレーキキャリパにより近い位置に位置付けられ得ることが望ましい。最後に、ABSシステムの組み立て動作は、迅速かつ容易に実行することができることが望ましい。
【0003】
日本特許H05105054A号は、その上に自転車のホイールと関連付けられるディスクブレーキキャリパおよび油圧式のABSシステムの本体の両方が装着されている自転車用フォークアームを示している。しかしながら、この文書で示される支持システムは、ディスクブレーキキャリパおよびABSシステムを装着するための区別できる別々の支持を設ける。
【0004】
米国特許第6 659 234B1号は、その本質からディスクブレーキキャリパの機械的制御に必然的に一体化される機械式ABSシステムを示す。この解決方法は明らかに、油圧ABSシステムの場合に適用不可能である。
【0005】
解決方法はまた、中国特許210 07 75U号およびドイツ特許10 2019 10012A1号からも既知である。
【0006】
[発明の目的]
したがって、本発明の目的は、ディスクブレーキキャリパに近い位置でABSシステムを装着することと、フロントフォークの形状から独立している装着システムを設けることとによって、油圧式のABSシステムを、自転車のフロントフォークと関連付けることである。
【0007】
本発明の別の目的は、自転車上でのABSシステムの極めて簡素でかつ迅速な組み立てを可能にすることである。
【0008】
本発明の別の目的は、極めて簡素でかつ低コスト構成要素を必要とする自転車上でのABSシステムの組み立てを提供することである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、ABSシステムと、自転車の前輪と関連付けられるディスクブレーキキャリパの作動シリンダとの間で接続動作も極めて簡素かつ容易にする自転車上でのABSシステムの装着を提供することである。
【発明の概要】
【0010】
上記目的のうちの1または複数を達成すべく、本発明は、自転車の車輪ロックおよび/または初期転倒の傾向がブレーキ中に検出される場合にシリンダブレーキキャリパアクチュエータに供給された流体圧を制御および低減すべく、自転車のフォークアーム上で、自転車のホイールと関連付けられるディスクブレーキのキャリパ、およびブレーキを作動するための自転車のレバーと関連付けられるマスタ油圧シリンダと、前記ブレーキキャリパの作動シリンダとの間に動作可能に挿入されるように意図された、油圧制御デバイスの形態のABSシステムの両方を支持するように構成された支持デバイスであって、
-自転車用フォークアームに接続するための少なくとも1つの第1の接続部と、
-ディスクブレーキキャリパの本体に接続するための少なくとも1つの第2の接続部と、
-前記ABSシステムへの接続のために構成された少なくとも1つの第3の接続部と
を備え、
前記少なくとも1つの第1の接続部、前記少なくとも1つの第2の接続部、および前記少なくとも1つの第3の接続部がすべて、前記フォークアームに取り外し可能に接続され、かつ前記ディスクブレーキの前記キャリパ本体および前記ABSシステムの両方を取り外し可能に支持するように構成され得る単一アダプタ支持の一部であることを特徴とする支持デバイスに関する。
【0011】
好ましい一実施形態において、上記単一アダプタ支持は、アダプタ支持を自転車のフォークアームに取り付けるためのスクリューの係合用の少なくとも1つの穴を有する上記少なくとも1つの第1の接続部を有する。アダプタ支持の上記少なくとも1つの第2の接続部は、ディスクブレーキキャリパの本体をアダプタ支持に取り付けるためのスクリューの係合用の少なくとも1つの穴を有する。アダプタ支持の上記少なくとも1つの第3の接続部は、上記ABSシステムの本体を上記アダプタ支持に取り付けるためのスクリューの係合用の少なくとも1つの穴を有する。
【0012】
好ましくは、上記好ましい実施形態において、アダプタ支持の本体は、上端部ヘッドと、下端部ヘッドとを有する細長い棒の形で存在する(フォークアーム上に装着された状態を参照して)。2つの端部ヘッドのそれぞれが、アダプタ支持を自転車のフォークアームに取り付けるためのスクリューの係合用の第1の穴と、ディスクブレーキキャリパの本体をアダプタ支持に取り付けるためのスクリューの係合用の第2の穴と、上記ABSシステムの本体を上記支持に取り付けるためのスクリューの係合用の第3の穴とを有する。1つの例において、上記第3の穴の軸は、上記第1の穴の軸に実質的に直交する。
【0013】
別の好ましい特性によれば、本発明による支持デバイスはまた、アダプタ支持と、ABSシステムの本体との間の接続要素として作用するように、ABSシステムの本体上に装着されるように、かつ上記アダプタ支持に接続されるように構成された補助アダプタを備える。
【0014】
本発明は、多くの利点を有する。まず第1に、本発明の解決方法は、自転車の形状にかかわらず、特に自転車のフロントフォークの形状にかかわらず、任意の自転車に適用され得る。
【0015】
特に、ブレーキキャリパ支持の接続用に自転車用フォーク上に設けられた接続フランジは、実際に、ディスクブレーキキャリパが備えられた自転車のフィールドにおいて標準機能であることに留意されたい。本発明のアダプタ支持は、ブレーキキャリパの取り付け用にフォーク上に設けられている標準的な接続フランジに接続されるように構成され得る。したがって、本発明は、フォークアームのいかなる改変も伴わないABSシステムの簡素で効率的な組み立ての課題を解決する。
【0016】
本発明による解決方法の別の利点は、上記単一アダプタ支持がディスクブレーキキャリパに厳密に隣接する位置で装着され得ることにあり、それはまた、ABSシステムと、ブレーキキャリパのシリンダアクチュエータとの間の接続パイプ、およびまたABSシステムと、ブレーキレバーと関連付けられる作業デバイスとの間の接続を設けることを極めて簡素にさせている。
【0017】
本発明のさらなる特性および利点は、純粋に非限定的な例として提供される添付図面を参照して、以下の説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明によるデバイスが適用される自転車の概略側面図である。
図2】実施形態例における本発明によるABSシステムの支持デバイスの拡大スケールでの斜視図である。
図3】実施形態例における本発明によるABSシステムの支持デバイスの拡大スケールでの斜視図である。
図4図2図3のデバイスの分解斜視図である。
図5】ディスクブレーキキャリパが取り外されている別の分解斜視図である。
図6】ABSシステムおよびアダプタ支持のみを示す別の分解斜視図である。
図7】上記アダプタ支持に接続されることを可能にする補助アダプタが備えられたABSシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1では、参照番号1は、本発明によるデバイスが適用される自転車を示す。本発明のデバイスは、その形状にかかわらず、特にフロントフォークの形状にかかわらず、図1に示される自転車の形状は、任意の自転車に適用可能であるため、単に例として提供される。
【0020】
従来技術によると、例えば電動アシストペダル自転車であり得る自転車1は、ステアリングチューブ3を含むフレーム2を備えており、その中でステアリングシャフト4は回転自在に装着されている。ステアリングシャフト4は、アーム5L、アーム5Rの対を有するフロントフォーク5と回転して接続されている(図2も参照)。さらに従来技術によると、2つのアーム5L、アーム5Rの下端部は、回転して自転車の前輪を支持する。
【0021】
ブレーキディスク6は前輪Rのハブと関連付けられて、ディスクブレーキキャリパ7と協働している。
【0022】
ブレーキディスク6と正しく協働することが可能であるように適切な前輪車軸からの距離でブレーキキャリパ本体7を配置すべく、ディスクブレーキキャリパ本体7は、スペーサとして作用するアダプタ支持Sを用いてフロントフォークアーム5の1つ上に装着される(特に図4を参照)。
【0023】
特に図5を参照すると、図示された例では、アダプタ支持Sは、上端部ヘッド9および下端部ヘッド10(組み立てされた条件での支持Sの向きを参照して)を伴う、細長い棒として構成された主部8(例では、四角形の横断面を有する)を有する。2つの端部ヘッド9、10のそれぞれが、支持Sをフォークアーム5Lに固定するスクリューV1の係合用の第1のスルーホールH1を有する。この目的で、フォークアーム5Lは、図示された例では、スクリューV1を受け入れるねじ込み式ブラインドホール12を伴う2つの突出部分11を有する。
【0024】
本発明は、アダプタ支持を用いてフォークアーム上に装着されたブレーキキャリパを備えた任意の自転車に適用可能であることに留意されたい。したがって、本発明は、ブレーキキャリパを装着するためにすでに設けられた形状が使用されているため、自転車の、特にフロントフォークアームのいかなる改変も必要としない。
【0025】
再び図4を参照すると、アダプタ支持Sそれぞれの端部ヘッド9、端部ヘッド10は、ブレーキキャリパの本体をアダプタ支持Sに固定する各々のスクリューV2の係合用の穴H2、例ではねじ込み式ブラインドホールを有する。
【0026】
図面では、参照符号Aは、全体として、ディスクブレーキキャリパ7と関連付けられるABSシステムを示す。
【0027】
本明細書において、また以下の特許請求の範囲において、用語「ABSシステム」は、前輪がロックする傾向がブレーキ中に検出される場合にキャリパ7の作動シリンダに供給された流体圧を制御および低減すべく、ブレーキを作動するための自転車のレバーと関連付けられるマスタ油圧シリンダと、ブレーキキャリパ7の作動シリンダとの間に動作可能に挿入される油圧制御デバイスを意味する。
【0028】
本発明の背景にあるアイデアは、ブレーキキャリパ7の本体を支持するために、またアクチュエータAの本体を支持するために自転車にすでに設けられたアダプタ支持Sを使用することである。
【0029】
図6を参照すると、ここで図示される例示的な実施形態では、アダプタ支持Sの端部ヘッド9、端部ヘッド10のそれぞれが、ABSシステムAの本体をアダプタ支持Sに固定する役割を果たす各々のスクリューV3の係合用の第3の穴H3(例では、スルーホール)を有する。再び図6を参照すると、図示される例では、支持Sの端部ヘッド9、端部ヘッド10のそれぞれにおいて、第3の穴H3は、第2の穴H2の軸に対して、実質的に直交し、第1の穴H1の軸から間隔を空けている軸30を有する。
【0030】
また、図7の具体的な説明例を参照すると、アクチュエータAの本体は、細長い円筒形状を有する。したがって、スクリューV3を用いて接続を可能にすべく、補助アダプタS1は、例ではアクチュエータAの本体を部分的に取り囲む円筒ハーフシェル形状を有するアクチュエータAの本体と関連付けられて、スクリュー14を用いてアクチュエータ本体Aの2つの側面に、およびアクチュエータAの底面にそれぞれが固定されている2つの上部側イアー16および下部イアー13が設けられている。
【0031】
図6を参照すると、補助アダプタS1は、少なくとも片側で、各々のスクリューV3を受け入れるねじ込み式ブラインドホールを用いて準備された2つの突出部分17を有し、アクチュエータAの、アダプタ支持Sへの強固な接続を作製する。
【0032】
上記の説明から明らかであるように、本発明は、ABSシステムAを装着するために、自転車上にすでに存在する構成要素、すなわちディスクブレーキキャリパを支持するよう設計されたアダプタ支持Sを使用する。このため、この目的では、自転車、特に自転車のフロントフォークアームを修正するいかなる必要もなく、また意図される自転車のタイプによるデバイスの新規設計を必要とせずに、アダプタ支持Sを、アクチュエータAを装着するためにそれを設けるべく再設定することのみが必要である。
【0033】
図2図3からわかるように、ABSアクチュエータAは、ディスクブレーキキャリパに厳密に隣接している位置で支持され、それは、アクチュエータAの出口(図2ではZ1で示される)と、キャリパのアクチュエータシリンダと連通するブレーキキャリパ7の入口(図2ではZ2と示される)との間に油圧接続パイプを準備することを極めて簡素にさせる。再び図5を参照すると、具体的な説明例では、自転車のホイールの回転速度を検出すべく、アダプタ支持Sの下端部ヘッド10は、ディスクブレーキのディスク6と協働するように意図されたセンサを組み立てるのに役割を果たすさらなるスルーホール15が設けられている。応用例では、前輪がブレーキ中にロックする傾向または後輪が持ち上がる傾向が検出される場合にABS機能をアクティブにするために、センサ信号の信号は、ABSアクチュエータの電子コントローラを用いて使用される。
【0034】
当然、本発明の原理を損なうことなく、構成の詳細および実施形態は、純粋に例として記載および図示されたものに関して広範囲にわたって変わってよい。
【0035】
特に、ここで図示されているアダプタ支持Sの具体的な形状が純粋に例として提供されていることは明らかである。アダプタ支持Sの形状は、特定の用途の特性に特にフォークおよびブレーキディスクの特性に応じて広範囲にわたって変わってよい。
【0036】
さらに、ここで図示される実施形態は、ABSシステムAの本体を、アダプタ支持Sに接続するためにスクリューを活用するが、任意の他の既知の接続技術を使用することができることが明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】