(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】アダプタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20230712BHJP
【FI】
G02B6/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574216
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2020138409
(87)【国際公開番号】W WO2021258686
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】202010592607.9
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518030531
【氏名又は名称】武漢光迅科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ、 シャオボ
(72)【発明者】
【氏名】ル、 ツェチ
(72)【発明者】
【氏名】ツ、 シンハイ
(72)【発明者】
【氏名】グ、 ピン
(72)【発明者】
【氏名】クアン、 ベンキン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、 シュアンビン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、 ヨン
【テーマコード(参考)】
2H036
【Fターム(参考)】
2H036QA44
2H036QA47
(57)【要約】
光通信の分野に関連するアダプタアセンブリが開示される。アダプタアセンブリは、チャンバ(21)を形成するように囲まれるハウジング(2)と、ハウジング(2)と一体成形される保持スリーブ(4)であって、保持スリーブ(4)に収容キャビティ(41)が形成され、各保持スリーブ(4)の一方の端部がチャンバ(21)内に配置され、他方の端部がハウジング(2)から突出しており、保持スリーブ(4)は収容キャビティ(41)と連通する開口部(42)を有する、保持スリーブ(4)と、開口部(42)内に配置され、かつ保持スリーブ(4)に着脱可能に接続されるクランプ部材(5)と、収容キャビティ(41)内に配置されるセラミックスリーブ(3)と、保持スリーブ(4)の両端に配置され、かつセラミックスリーブ(3)を制限するように保持スリーブ(4)に接続される固定部材(6)とを備える。保持スリーブ(4)の軸は、組み立て誤差によって複数の保持スリーブ(4)が同軸にならない問題を回避し、保持スリーブ(4)内でセラミックスリーブ(3)が自由に浮動ことを保証する、その軸である。そのため、光ファイバがドッキングのために各セラミックスリーブ(3)の両端に挿入された場合に、光ファイバを互いに同軸にドッキングさせることが確実にできるため、アダプタアセンブリは良好なコリメーション性能を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバを形成するように囲まれるハウジングと、
前記ハウジングと一体に形成され、かつ収容キャビティが設けられる保持スリーブであって、前記保持スリーブの一方の端部が前記チャンバ内に設けられ、前記保持スリーブの他方の端部が前記ハウジングから突出しており、前記保持スリーブには前記収容キャビティと連通する開口部が設けられる、保持スリーブと、
前記開口部に設けられ、かつ前記保持スリーブと着脱可能に接続されるクランプ部材と、
前記収容キャビティ内に設けられるセラミックスリーブと、
前記保持スリーブの2つの端部に設けられ、かつ前記セラミックスリーブを制限するように前記保持スリーブに固定されるように接続される固定部材と
を備える、アダプタアセンブリ。
【請求項2】
前記開口部は、前記保持スリーブの円周方向に沿って間隔を空けて設けられる複数の開口部である、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項3】
前記複数の開口部は、前記保持スリーブの前記円周方向に沿って等間隔に設けられる、請求項2に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項4】
前記開口部は、前記保持スリーブの一方の端部に設けられる第1の開口部、及び前記一方の端部とは反対側の前記保持スリーブの他方の端部に設けられる第2の開口部を含み、
前記クランプ部材は、前記第1の開口部に設けられる第1のクランプ部材、及び前記第2の開口部に設けられる第2のクランプ部材を含む、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項5】
前記固定部材は、本体及び突起を含み、
前記本体は、前記収容キャビティと接続される貫通孔を有し、前記突起は、前記本体の円周方向に沿って間隔を空けて設けられ、かつ前記本体に固定されるように接続される、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項6】
前記固定部材はスナップリングをさらに含み、これは前記保持スリーブの円周に沿って間隔を空けて設けられる第1のスナップリング及び第2のスナップリングを含み、
前記突起は、前記本体の円周に沿って間隔を空けて設けられた第1の突起及び第2の突起を含み、
前記第1の突起は前記第1のスナップリング及び前記本体に接続され、前記第2の突起は前記第2のスナップリング及び前記本体に接続される、請求項5に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項7】
前記固定部材は、本体及び突起を含み、
前記本体は円弧状の構造であり、前記突起は、円弧に沿って間隔を空けて設けられ、かつ前記本体に固定されるように接続される、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項8】
第1の貫通孔の開口は、前記セラミックスリーブの外径より小さい、請求項5に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項9】
前記クランプ部材の外面は、前記保持スリーブの外面に滑らかに遷移する、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項10】
前記アダプタアセンブリは、前記ハウジングに隣接するカバープレートをさらに備え、これは前記ハウジングに近い前記クランプ部材の一方の端部に設けられ、かつ前記クランプ部材に固定されるように接続される、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光通信装置の技術分野、特にアダプタアセンブリに関する。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本開示は、2020年6月24日に出願された中国特許出願第202010592607.90号の優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりここにその全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
アダプタアセンブリは、光ファイバ間の可動接続を実現する光パッシブ装置とも呼ばれる光ファイバ可動コネクタであり、これは、光ファイバと光ファイバ、光ファイバとアクティブ装置、光ファイバとその他のパッシブ装置、及び光ファイバと機器の間の可動接続の機能を有する。
【0004】
関連するアダプタアセンブリは、ハウジング、スリーブ保持部材及びセラミックスリーブを含み、スリーブ保持部材はハウジング内に設けられ、セラミックスリーブはスリーブ保持部材内に設けられ、光ファイバを収容するための貫通孔が設けられている。光ファイバは、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバを含む。第1の光ファイバ及び第2の光ファイバがドッキングのためにセラミックスリーブの2つの端部に挿入されると、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバが同軸的にドッキングされ得るように、セラミックスリーブはその自由な浮動によって調整空間を提供し、これにより、第1の光ファイバ内の光ビームが第2の光ファイバ内の光ビームと平行になり、アダプタアセンブリが良好なアライメント性能を有することが保証される。なお、コリメーションとは、第1の光ファイバの光ビーム及び第2の光ファイバの光ビームを平行に保つことをいう。
【0005】
関連するスリーブ保持部材は、第1のスリーブ保持部材及び第2のスリーブ保持部材に分けられる。セラミックスリーブの一方の端部は第1のスリーブ保持部材の貫通孔内に配置され、セラミックスリーブの他方の端部は第2のスリーブ保持部材の貫通孔内に配置される。第1のスリーブ保持部材及び第2のスリーブ保持部材は、貫通孔の同軸ドッキングを実現するために同軸アライメント組み立てが行われる。組み立て工程に誤差が存在するため、実際のアライメント組み立て中にスリーブ保持部材が完全に同軸になっておらず、セラミックスリーブがスリーブ保持部材の貫通孔内を自由に浮動することができず、アダプタアセンブリのコリメーション性能に影響を与える。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、アダプタアセンブリのコリメーション性能をどのように改善するかという技術的課題を解決するために、アダプタアセンブリを提供する。
【0007】
本開示の実施形態は、チャンバを形成するように囲まれるハウジングと、前記ハウジングと一体に形成され、かつ収容キャビティが設けられる保持スリーブであって、前記保持スリーブの一方の端部が前記チャンバ内に設けられ、前記保持スリーブの他方の端部が前記ハウジングから突出しており、前記保持スリーブには前記収容キャビティと連通する開口部が設けられる、保持スリーブと、前記開口部に設けられ、かつ前記保持スリーブと着脱可能に接続されるクランプ部材と、前記収容キャビティ内に設けられるセラミックスリーブと、前記保持スリーブの2つの端部に設けられ、かつ前記セラミックスリーブを制限するように前記保持スリーブに固定されるように接続される固定部材とを備えるアダプタアセンブリを提供する。
【0008】
さらに、前記開口部は、前記保持スリーブの円周方向に沿って間隔を空けて設けられた複数の開口部である。
【0009】
さらに、前記複数の開口部は、前記保持スリーブの前記円周方向に沿って等間隔に設けられる。
【0010】
さらに、前記開口部は、前記保持スリーブの一方の端部に設けられる第1の開口部、及び前記一方の端部とは反対側の前記保持スリーブの他方の端部に設けられる第2の開口部を含み、前記クランプ部材は、前記第1の開口部に設けられる第1のクランプ部材、及び前記第2の開口部に設けられる第2のクランプ部材を含む。
【0011】
さらに、前記固定部材は、本体及び突起を含み、前記本体は、前記収容キャビティと連通する貫通孔を有し、前記突起は、前記本体の円周方向に沿って間隔を空けて設けられ、かつ前記本体に固定されるように接続される。
【0012】
さらに、前記固定部材はスナップリングを含み、これは前記保持スリーブの円周に沿って間隔を空けて設けられる第1のスナップリング及び第2のスナップリングを含み、前記突起は、前記本体の円周に沿って間隔を空けて設けられた第1の突起及び第2の突起を含み、前記第1の突起は、前記第1のスナップリング及び前記本体に接続され、前記第2の突起は、前記第2のスナップリング及び前記本体に接続される。
【0013】
さらに、前記固定部材は、本体及び突起を含み、前記本体は円弧状の構造であり、前記突起は、円弧に沿って間隔を空けて設けられ、かつ前記本体に固定されるように接続される。
【0014】
さらに、前記第1の貫通孔の開口は、前記セラミックスリーブの外径より小さい。
【0015】
さらに、前記クランプ部材の外面は、前記保持スリーブの外面に滑らかに遷移する。
【0016】
さらに、前記アダプタアセンブリは、前記ハウジングに隣接するカバープレートをさらに備え、これは前記ハウジングに近い前記クランプ部材の一方の端部に設けられ、かつ前記クランプ部材に固定されるように接続される。
【0017】
本開示によって提供されるアダプタアセンブリは、ハウジング、セラミックスリーブ、保持スリーブ、クランプ部材、及び固定部材を備える。前記収容キャビティは、前記セラミックスリーブを収容するように前記保持スリーブ内に形成される。前記保持スリーブは開口部を含み、前記クランプ部材は前記開口部に設けられ、前記保持スリーブと着脱可能に接続される。前記固定部材は、前記セラミックスリーブが滑り出ることを防ぐように、前記保持スリーブの両端に設けられる。本開示の保持スリーブは前記ハウジングと一体に形成されており、前記保持スリーブの端部は開口端である。前記保持スリーブは、前記保持スリーブの軸方向に沿って前記保持スリーブの前記開口端から前記収容キャビティ内に配置される。前記保持スリーブのバレルには開口部が設けられており、前記保持スリーブの開口部に前記クランプ部材が挟み込まれた後で、前記開口部が塞がれてから、前記クランプ部材が前記保持スリーブに着脱可能に接続される。前記固定部材は、前記保持スリーブの端部から前記セラミックスリーブが横滑りすることに抵抗し得る。前記保持スリーブの軸は、組み立てミスによって複数の保持部材が同軸にならない問題を防ぎ、セラミックスリーブが保持部材内を自由に浮動できることを保証する、それ自体が保持スリーブの軸である。その結果、セラミックスリーブの両端に光ファイバを挿入してドッキングすると、光ファイバ間の同軸ドッキングが保証され、アダプタアセンブリのアライメント性能が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の実施形態又は先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、本開示の実施形態又は先行技術の説明において必要とされる図面を以下に簡単に紹介する。
【0019】
【
図1】関連するアダプタアセンブリの動作原理の概略図である。
【0020】
【
図2a】本開示の一実施形態によるアダプタアセンブリの概略展開図である。
【0021】
【
図2b】別のアダプタアセンブリの保持スリーブの概略構造図である。
【0022】
【
図2c】別のアダプタアセンブリの保持スリーブの概略構造図である。
【0023】
【
図3】本開示の一実施形態によるアダプタアセンブリのハウジングの概略断面図である。
【0024】
【
図4】関連するアダプタアセンブリのスリーブ保持部材の概略構造図である。
【0025】
【
図5】本開示の一実施形態によるアダプタアセンブリの概略アセンブリ図である。
【0026】
【
図6】別のアダプタアセンブリの開口部の概略構造図である。
【0027】
【
図7a】別のアダプタアセンブリの開口部の概略構造図である。
【0028】
【
図7b】別のアダプタアセンブリの開口部の概略構造図である。
【0029】
【
図8a】本開示の一実施形態によるアダプタアセンブリの固定部材の概略構造図である。
【0030】
【
図8b】別のアダプタアセンブリの固定部材の概略構造図である。
【0031】
【
図8c】別のアダプタアセンブリの固定部材の概略構造図である。
【0032】
【
図9】本開示の一実施形態によるアダプタアセンブリの端部カバーの概略構造図である。
【符号の説明】
【0033】
1 スリーブ保持部材
11 スリーブ保持部材の第1の貫通孔
121 第1のスリーブ保持部材
1211 第1の収容キャビティ
122 第2のスリーブ保持部材
1221 第2の収容キャビティ
2 ハウジング
21 チャンバ
3 セラミックスリーブ
31 セラミックスリーブの第2の貫通孔
4 保持スリーブ
41 収容キャビティ
42 開口部
421 第1の開口部
422 第2の開口部
5 クランプ部材
51 第1のクランプ部材
52 第2のクランプ部材
6 固定部材
61 本体
611 本体の第1の貫通孔
62 突起
621 第1の突起
622 第2の突起
63 スナップリング
631 第1のスナップリング
632 第2のスナップリング
7 カバープレート
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、図面及び実施形態と組み合わせて本開示をさらに詳細に説明する。本明細書に記載される特定の実施形態は、本開示を限定するためではなく、単に本開示を説明するために使用されることを理解するべきである。
【0035】
特定の実施形態において記載される各特定の技術的特徴は、矛盾なく任意の適切なやり方で組み合わされてもよく、例えば、異なる特定の技術的特徴の組み合わせによって、異なる実施形態及び技術的解決策が形成されてもよい。不必要な繰り返しを避けるために、本開示における各特定の技術的特徴の様々な可能な組み合わせは個別に説明されない。
【0036】
以下の記載において、「第1の/第2の/…」という用語は単に異なる物体を区別するだけであり、各物体間の類似性又は接続を示すものではない。「上」及び「下」の両方の方向の記載は、通常の使用における方向であることを理解するべきである。
【0037】
「含む」、「備える」又はその他のバリエーションの用語は、一連の要素を含む工程、方法、物品、又は装置が、それらの要素だけでなく、明示的にリストされていない他の要素、又はそのような工程、方法、物品、又は装置に固有の要素も含むように、非排他的な包括をカバーすることを意図していることに留意するべきである。さらなる限定がなければ、「…を含む」という記述によって定義される要素は、その要素を含む工程、方法、物品又は装置におけるもう1つの同じ要素の存在を除外しない。
【0038】
本開示の実施形態で提供されるアダプタアセンブリは、光通信システムにおいて、設備間、設備と機器の間、設備と光ファイバ(又は光ケーブル)の間、及び光ファイバ(又は光ケーブル)と光ファイバ(又は光ケーブル)の間の可動接続を実現する光パッシブ装置に主として使用される。
【0039】
コネクタへのアダプタアセンブリへの適用を例にとるが、本開示の適用シーンの種類は本開示に限定されないことに留意されたい。
図1と組み合わせてアダプタアセンブリの動作原理を例示する。アダプタアセンブリは、スリーブ保持部材1、ハウジング2、及びセラミックスリーブ3を含んでもよい。ハウジング2は、略立方体構造であってもよく、ハウジング2の一方の端部は開口端部であり、したがって、ハウジング2はエンクロージャを介してチャンバ21を形成する。スリーブ保持部材1の長さ延長方向に沿って、スリーブ保持部材1の一方の端部がチャンバ21内に位置し、反対側の端部がハウジング2の外面から突出する。スリーブ保持部材1は略円筒構造であってもよく、スリーブ保持部材1はセラミックスリーブ3を配置するための第1の貫通孔11を有する。セラミックスリーブ3はセラミックピンを配置するための第2の貫通孔31を有する。標準コネクタがハウジング2の開口端部からチャンバ21内に挿入され、スリーブ保持部材1の開口端部に近い端部に接続される。標準コネクタのセラミックピンが第1の貫通孔11内に挿入され、セラミックピン内の光ファイバコアがセラミックフェルール内に挿入される。ミニチュアコネクタがハウジング2の開口端部の反対側の他方の端部からアクセスされ、スリーブ保持部材1の反対側の端部に接続される。ミニチュアコネクタのセラミックピンは第1の貫通孔11に挿入され、セラミックピン内の光ファイバコアはセラミックフェルールに挿入されてから、標準コネクタの光ファイバコアに接続される。アダプタは、スリーブ保持部材1及びハウジング2、セラミックスリーブ3、その他のアセンブリを介して標準コネクタとミニチュアコネクタとの間で光ファイバコアに接続され、光路のドッキング及び伝送を実現する。
【0040】
本開示の実施形態では、
図2a及び
図3に示すように、アダプタアセンブリは、ハウジング2、セラミックスリーブ3、保持スリーブ4、クランプ部材5、及び固定部材6を含み、ハウジングは、エンクロージャを介してチャンバ21を形成する。詳細には、ハウジング2は、
図3に示すように、略立方体の薄肉構造であってもよく、ハウジング2の一方の端部は、保持スリーブ4を挿入するための開口端であり、開口端と反対のもう他方の端面及びハウジング2の4つの側面は、標準コネクタのインターフェース端を収容するためにエンクロージャを介してチャンバ21を形成する。
【0041】
図2a及び
図3に示すように、アダプタアセンブリは、ハウジング2と一体に形成された保持スリーブ4をさらに備える。保持スリーブ4内には、収容キャビティ41が形成される。保持スリーブ4の一方の端部はチャンバ21内に設けられ、他方の端部はハウジング2から突出する。保持スリーブ4は、収容キャビティ41と接続される開口部42を有する。詳細には、保保持スリーブ4及びハウジング2は一体に形成された構造であるため、組み立てた構造物を溶接又は接合しなければならないという問題を防ぐことができ、また、組み立て工程中の保持スリーブ4の歪みに起因する非同軸問題を防ぐこともできる。保持スリーブ4の一方の端部はチャンバ21に位置しており、チャンバ21に挿入された標準コネクタ端子と接続されてもよい。ハウジング2から突出する保持スリーブ4の他方の端部は、ハウジング2の外側のミニチュアコネクタ端子と接続されてもよい。保持スリーブ4は、一方の側面を有する略円筒形のバレルであってもよく、側面のエンクロージャを介して形成された空間がちょうど収容キャビティ41となる。バレルの2つの端部はいずれも開口端であり、セラミックスリーブ3は開口端から収容キャビティ31内に配置されてもよい。
図2aに示すように、保持スリーブ4の長さ延長方向に沿って、保持スリーブ4の一方の端部に開口部42が設けられており、その長さは任意である。
図2aに示すように、開口部42の長さは、保持スリーブ4のハウジング2から突出する部分の長さと同じである。しかしながら、
図2bに示すように、開口部42の長さは、保持スリーブ4のハウジング2から突出する部分の長さよりも短い。開口部42は、円周方向に沿って任意に設けられる。
図2aに示すように、開口部42の方向は、ハウジング2の上面及び下面に対して垂直である。なお、上下方向とは、アダプタアセンブリの動作状態における上下方向を意味する。
図2cに示すように、開口部42の方向は、ハウジング2の左面及び右面に対して垂直である。好ましくは、本開示の実施形態では、
図2aに示す開口部42は、以下で保持スリーブ4について説明するための例として示される。保持スリーブ4は一体に形成された構造であり、セラミックスリーブ3は、開口部42が設けられた保持スリーブ4の一方の端部から挿入され、保持スリーブ4の軸方向に保持スリーブ4の収容キャビティ41内に配置されてもよい。バレルの中心軸は、ちょうど保持スリーブ4の軸になり、そのような軸は1つしかない。セラミックスリーブ3は保持スリーブ4と同軸であってもよく、セラミックスリーブ3は保持スリーブ4内に自由に浮動してもよい。
【0042】
図4に示すように、関連するスリーブ保持部材は、第1のスリーブ保持部材121及び第2のスリーブ保持部材122を含む。第1のスリーブ保持部材121は第1の収容キャビティ1211を有し、第2のスリーブ保持部材122は第2の収容キャビティ1221を有する。セラミックスリーブ3の一方の端部は第1の収容キャビティ1211に挿入され、セラミックスリーブ3の反対側の端部は第2の収容キャビティ1221に挿入される。第1の収容キャビティ1211及び第2の収容キャビティ1221は共にセラミックスリーブ3を配置するための空間を形成する。第1のスリーブ保持部材121及び第2のスリーブ保持部材122は、スリーブ保持部材を形成するように同軸アライメント組み立てによって接続される。実際の組み立て工程には一定の誤差があるため、第1のスリーブ保持部材121の軸及び第2のスリーブ保持部材122の軸が同一の直線上になく、第1の収容キャビティ1211及び第2の収容キャビティ1221によって形成されるキャビティがある程度歪められる。その結果、セラミックスリーブが収容キャビティ内を自由に浮動することができず、セラミックスリーブ3の両端の対応する貫通孔に第1の光ファイバ及び第2の光ファイバを挿入してドッキングすると、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバが同軸にドッキングできず、それにより光ファイバアダプタのコリメーション性能に影響を及ぼす。一方で、本開示の実施形態の保持スリーブ4は、セラミックスリーブを配置できる空間を提供する。他方で、保持スリーブ4は一体構造であり、ハウジング2と一体に形成されており、保持スリーブ4の軸は前述の一体構造自体の軸となっているため、組み立て誤差によって複数のスリーブ保持部材が互いに同軸にならないという問題を防ぎ、それによりセラミックスリーブの浮動性を維持すると共に、アダプタアセンブリのコリメーション性能を向上させる。
【0043】
図5に示すように、アダプタアセンブリは、開口部42に設けられ、かつ保持スリーブ4と着脱可能に接続されるクランプ部材5をさらに含む。詳細には、保持スリーブ4の軸方向において、クランプ部材5が開口部42を塞ぐように保持スリーブ4とアセンブリ接続して、セラミックスリーブの露出部分を遮蔽して保護することができる。クランプ部材5の形状及びサイズは、開口部42の形状及びサイズと一致するため、保持カバープレート5及び第3の開口部43との良好な適合が確保され得る。
【0044】
図2a及び
図3に示すように、アダプタアセンブリは、それぞれ収容キャビティ41内に設けられたセラミックスリーブ3をさらに備える。
【0045】
図5に示すように、アダプタアセンブリは、保持スリーブ4の2つの端部に設けられ、かつセラミックスリーブ3を制限するように保持スリーブ4に接続される固定部材6をさらに備える。なお、セラミックスリーブが収容キャビティ41内に制限されることは、セラミックスリーブ3と保持スリーブ4との間に隙間があるため、セラミックスリーブ3が収容キャビティ41内である程度浮動し得ることを意味する。しかしながら、セラミックスリーブ3は収容キャビティ41を越えて移動することはできない。セラミックスリーブ3が保持スリーブ4の軸方向に移動するのを制限し、かつセラミックスリーブ3が保持スリーブ4の2つの端部から滑り出るのを防ぐために、保持スリーブ4の2つの端部に固定部材6が設けられてもよい。固定部材6は柔軟に設けられてもよい。セラミックスリーブ3が保持スリーブ4の一方の端部から滑り出ないように、開口部42を設けない保持スリーブ4の端部において、固定部材6は保持スリーブ4と一体に形成されてもよい。
図2aに示すように、セラミックスリーブ3が保持スリーブ4の他方の端部から滑り出ないように、開口部42が設けられた保持スリーブ4の他方の端部において、固定部材6は、保持スリーブ4の開口部42に挟み込まれるようにクランプ部材5と一体に形成されてもよい。
【0046】
本開示の実施形態の保持スリーブ4は、ハウジング2と一体に形成され、エンクロージャを介して収容キャビティ41を形成する。保持スリーブ4の端部は開口端であり、セラミックスリーブ4は、保持スリーブ4の軸方向に沿って収容キャビティ41内に配置されてもよい。保持スリーブ4のバレルには開口部42が設けられており、保持スリーブ4の開口部にクランプ部材5が挟み込まれた後で、開口部42が塞がれ、クランプ部材5は保持スリーブ4に着脱可能に接続される。固定部材6は、セラミックスリーブ3が保持スリーブ4の端部から滑り出ることに抵抗してもよい。保持スリーブ4は、同軸アライメント組み立てを必要としないため、複数の保持部材が非同軸であることによる生じるコリメーション性能の不具合が解消される。
【0047】
いくつかの実施形態では、
図2aに示すように、開口部42は保持スリーブ4の円周方向に沿って間隔を空けて配置された複数の開口部を含む。詳細には、開口部の数は任意である。
図2aに示すように、保持スリーブ4の周方向に沿って間隔を空けて配置された2つの開口部42がある。
図6に示すように、保持スリーブ4の周方向に沿って間隔を空けて配置された3つの開口部42がある。好ましくは、
図2aに示す開口部の数及び構造は、例として以下に示される。これに対応して、クランプ部材5の数は開口部42の数と同じである。
【0048】
いくつかの実施形態では、
図2aに示すように、開口部42は保持スリーブ4の円周方向に沿って等間隔に配置される。詳細には、製造工程を簡単にするために、保持スリーブ4の円周方向に沿った開口部42の間の距離は同じである。
【0049】
いくつかの実施形態では、
図7bに示すように、開口部42は、保持スリーブ4の一方の端部に配置された第1の開口部421と、保持スリーブ4の反対側の端部に配置された第2の開口部422とを含み、クランプ部材5は、第1の開口部421に配置された第1のクランプ部材51と、第2の開口部422に配置された第2のクランプ部材52とを含む。選択的に、開口部42は、保持スリーブ4の一方の端部又は両方の端部に設けられてもよい。
図2aに示すように、開口部42は、ハウジング2から突出した保持スリーブ4の一方の端部にのみ設けられ、開口部42がない保持スリーブ4の反対側の端部に配置された固定部材6は、保持スリーブ4と一体化される。セラミックスリーブ3は、開口部42が設けられた一方の端部から、保持スリーブ4の収容キャビティ41に挿入されてもよい。スリーブ4の端部に配置された固定部材6はクランプ5と一体化され、開口部42を塞ぐために開口部42に挿入される。
図7aに示すように、開口部42は、チャンバ21に位置する保持スリーブ4の一方の端部にのみ設けられ、セラミックスリーブ3は、チャンバ21に近い保持スリーブ4の一方の端部から挿入される。
図7bに示すように、保持スリーブ4の両端にはそれぞれ第1の開口部421及び第2の開口部422に対応する開口部42が設けられる。これにより、第1のクランプ部材51及び第2のクランプ部材52が対応する端部に配置される。固定部材6及びクランプ部材5は一体に形成されており、保持スリーブ4の両端からセラミックスリーブ3に挿入されてもよく、固定部材6及びクランプ部材5は保持スリーブ4に着脱可能に挟み込まれる。好ましくは、本開示の実施形態では、
図2aに示すような開口部42及びクランプ部材5の構造が採用される。
【0050】
いくつかの実施形態では、
図8aに示すように、固定部材6は本体61及び突起62を含む。本体61は、収容キャビティ41と連通する第1の貫通孔611を有し、突起62は本体61の円周方向に沿って間隔を空けて配置され、本体61に固定されるように接続される。詳細には、本体61は、セラミックスリーブ3が保持スリーブ4の端部から滑り出ないように使用され、本体61は、セラミックピンを挿入するための第1の貫通孔611が中央にある、略環状であってもよい。突起62は、本体61の周方向に沿って間隔を空けて配置され、等間隔に配置されて本体61と一体化されてもよい。突起62の数は任意であり、生産工程及び実際のニーズに応じて、複数であってもよい。
図8aに示すように、2つの突起62が本体61の円周方向に沿って間隔を空けて配置され、保持スリーブ4の端部とキメラ接続を形成してもよい。
【0051】
選択的に、
図8bに示すように、固定部材6はスナップリング63も含み、これは保持スリーブ4の円周に沿って間隔を空けて配置された第1のスナップリング631及び第2のスナップリング632を含み、突起62は、本体61の円周に沿って間隔を空けて配置された第1の突起621及び第2の突起622を含む。第1の突起621は第1のスナップリング631及び本体61に接続され、第2の突起622は第2のスナップリング632及び本体61に接続される。詳細には、本体61、突起62、及びスナップリング63が一体に形成され、スナップリング63は保持スリーブ4にアウトソースされる。スナップリング63の数は任意であり、突起62の数に応じて決定されてもよい。例示的な実施形態では、
図8bに示すように、2つのスナップリング63及び2つの突起62の配置モードが選択されてもよい。
【0052】
選択的に、
図8Cに示すように、固定部材6は本体61及び突起62を含み、本体61は円弧状の構造であり、突起62は円弧に沿って間隔を空けて配置され、本体61に固定されるように接続される。詳細には、円弧の角度は、セラミックスリーブ3が保持スリーブ4の端から滑り出るのを防ぐように設計される。
【0053】
いくつかの実施形態では、
図8aに示すように、第1の貫通孔611の開口は、セラミックスリーブ3の外径よりも小さい。詳細には、セラミックスリーブ3が第1の貫通孔611から滑り出ることを防ぐことができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、
図5に示すように、クランプ部材5の外面と保持スリーブ4の外面との間に滑らかな遷移がある。詳細には、工程の適応性及び美観を考慮して、クランプ部材5は円弧状の部品であってもよく、これは完全な円筒構造を形成するように保持スリーブ4と接続されてもよく、比較的滑らかな保持キャビティ41が内部に形成され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、
図9に示すように、アダプタアセンブリは、ハウジング2に隣接するカバープレート7も含み、これはハウジング2に近いクランプ部材5の一方の端部に配置され、クランプ部材5に固定されるように接続される。詳細には、ハウジング2から突出する保持スリーブ4の端部において、クランプ部材5及びカバープレート7が一体に配置されてもよく、カバープレート7がハウジング2の端面とキメラ接続を形成する。
【0056】
上記は、単に本開示の好ましい実施形態であり、本開示の保護範囲を限定することを意図したものではない。
【国際調査報告】