(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】光ファイバアダプタ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20230712BHJP
【FI】
G02B6/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574218
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2020138422
(87)【国際公開番号】W WO2021258688
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】202010591832.0
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518030531
【氏名又は名称】武漢光迅科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ、 シャオボ
(72)【発明者】
【氏名】ル、 ツェチ
(72)【発明者】
【氏名】グ、 ピン
(72)【発明者】
【氏名】クアン、 ベンキン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、 シュアンビン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、 ヨン
【テーマコード(参考)】
2H036
【Fターム(参考)】
2H036QA44
2H036QA47
(57)【要約】
光ファイバアダプタは、光通信の分野に関連し、互いに連通しておりかつハウジング(2)の2つの反対側の端部とそれぞれ連通している第1のチャンバ(221)及び第2のチャンバ(222)を含むチャンバ(21)を備えたハウジング(2)と、ハウジング(2)と一体に形成され、かつ第1のチャンバ(221)内に設けられた保持部材(4)であって、一方の端部に位置する第1の開口部(421)、他方の端部に位置する第2の開口部(422)、及び保持部材(4)の長さ方向に沿って延びる第3の開口部(43)を有する収容キャビティ(41)を形成するように囲まれている保持部材(4)と、第3の開口部(43)を密閉するように保持部材(4)に着脱可能に接続するために使用される保持カバープレート(5)と、収容キャビティ(41)内に設けられ、かつ保持カバープレート(5)に隣接するセラミックスリーブ(3)であって、セラミックスリーブ(3)は、第1の開口部(421)及び第2の開口部(422)と連通する第3のチャンバ(33)を有し、セラミックスリーブ(3)は収容キャビティ(41)内に制限されるセラミックスリーブとを備える。保持部材(4)は一体構造であり、光ファイバアダプタのコリメーション性能を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバが設けられたハウジングであって、前記チャンバは、互いに連通しかつ前記ハウジングの2つの反対側の端部とそれぞれ連通している第1のチャンバ及び第2のチャンバを含む、ハウジングと、
前記ハウジングと一体に形成されかつ前記第1のチャンバ内に設けられる保持部材であって、前記保持部材は、収容キャビティを形成するように囲まれており、前記収容キャビティは、前記保持部材の一方の端部に位置する第1の開口部、前記保持部材の他方の端部に位置する第2の開口部、及び前記保持部材の長さ方向に沿って延びる第3の開口部を有する、保持部材と、
前記第3の開口部を密閉するために前記保持部材に着脱可能に接続するために使用される保持カバープレートと、
前記収容キャビティ内に設けられ、かつ前記保持カバープレートに隣接するセラミックスリーブであって、前記第1の開口部及び前記第2の開口部と連通する第3のチャンバを有し、かつ前記収容キャビティ内に制限されるセラミックスリーブと
を備える、光ファイバアダプタ。
【請求項2】
前記第3の開口部は、長辺及び短辺を含み、
前記長辺は、第1の長辺及び第2の長辺を含み、これらはいずれも前記保持部材の長さ延長方向に平行であり、
前記短辺は、前記長辺に対して垂直であり、前記第1の長辺の一方の端部及び前記第2の長辺の一方の端部に接続される第1の短辺と、前記第1の長辺の他方の端部及び前記第2の長辺の他方の端部に接続される第2の短辺とを含む、請求項1に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項3】
前記第1の長辺及び前記第2の長辺の長さは、いずれも前記セラミックスリーブの長さよりも大きい、請求項2に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項4】
前記第1の長辺と前記第2の長辺との間の距離は、前記セラミックスリーブの外径よりも大きい、請求項2に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項5】
前記光ファイバアダプタは、前記ハウジングと一体に形成されかつ前記保持部材の前記一方の端部に位置する第1のブロック部材、及び前記保持部材の前記他方の端部に位置する第2のブロック部材をさらに備え、
前記第1のブロック部材は前記第1の開口部に連通する第1の貫通孔を有し、前記第2のブロック部材は前記第2の開口部に連通する第2の貫通孔を有する、請求項1に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項6】
前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔の開口は、いずれも前記セラミックスリーブの外径よりも小さい、請求項5に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項7】
前記保持カバープレートの長さは、前記長辺の長さと同じである、請求項2に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項8】
前記保持カバープレートは、互いに対向する外面及び内面を有し、
前記保持カバープレートの前記内面は前記第3の開口部を密閉するために使用され、前記保持カバープレートの前記外面は前記保持部材の前記外面と滑らかに遷移している、請求項1に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項9】
前記光ファイバアダプタは、前記保持カバープレートの前記外面に設けられかつ前記保持カバープレートに固定されるように接続されるハンドルをさらに含む、請求項8に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項10】
前記ハンドル及び前記保持カバープレートは、いずれも前記ハウジングの前記チャンバ内において前記ハウジングに隣接して設けられる、請求項9に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項11】
前記保持部材は、前記ハウジングと一体に形成されており、前記保持部材は、第1のチャンバを貫通し、
前記保持部材は、収容キャビティを形成するように囲まれており、前記保持部材は、前記一方の端部に位置する第1の開口部、前記他方の端部に位置する第2の開口部、及び前記保持部材の前記長さ方向に沿って延びる第3の開口部を有し、前記第1の開口部、前記第2の開口部、及び前記第3の開口部は全て前記収容キャビティと連通している、請求項1に記載の光ファイバアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光通信装置の技術分野、特に光ファイバアダプタに関するものである。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本開示は、2020年6月24日に出願された中国特許出願第2の02010591832.0号の優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりここにその全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
光ファイバアダプタは、光ファイバ間の可動接続を実現する光パッシブ装置とも呼ばれる光ファイバ可動コネクタであり、これは、光ファイバと光ファイバ、光ファイバとアクティブ装置、光ファイバとその他のパッシブ装置、及び光ファイバと機器の間の可動接続の機能を有する。
【0004】
関連する光ファイバアダプタは、ハウジング、スリーブ保持部材及びセラミックスリーブを含み、スリーブ保持部材はハウジング内に設けられ、セラミックスリーブはスリーブ保持部材内に設けられ、光ファイバを収容するための貫通孔が設けられている。光ファイバは、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバを含む。第1の光ファイバ及び第2の光ファイバは、ドッキングのためにセラミックスリーブの両端の対応する貫通孔に挿入され、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバが同軸的にドッキングされ得るように、セラミックスリーブはその自由な浮動によって調整空間を提供し、これにより、第1の光ファイバ内の光ビームが第2の光ファイバ内の光ビームと平行になり、光ファイバアダプタが良好なアライメント性能を有することが保証される。なお、コリメーションとは、第1の光ファイバの光ビーム及び第2の光ファイバの光ビームを平行に保つことをいう。
【0005】
関連するスリーブ保持部材は、第1のスリーブ保持部材及び第2のスリーブ保持部材に分けられる。セラミックスリーブの一方の端部は第1のスリーブ保持部材の貫通孔内に配置され、セラミックスリーブの他方の端部は第2のスリーブ保持部材の貫通孔内に配置される。第1のスリーブ保持部材及び第2のスリーブ保持部材は、貫通孔の同軸ドッキングを実現するために同軸アライメント組み立てが行われる。組み立て工程に誤差が存在するため、実際のアライメント組み立て中にスリーブ保持部材が完全に同軸になっておらず、セラミックスリーブがスリーブ保持部材の貫通孔内を自由に浮動することができず、光ファイバアダプタのコリメーション性能に影響を与える。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、光ファイバアダプタのコリメーション性能をどのように改善するかという技術的課題を解決するために光ファイバアダプタを提供する。
【0007】
上記の目的を達成するために、本開示の技術的解決策は以下のように実現される。
【0008】
本開示の実施形態は、チャンバを備えたハウジングであって、前記チャンバは、互いに連通しかつ前記ハウジングの2つの反対側の端部とそれぞれ連通している第1のチャンバ及び第2のチャンバを含むハウジングと、前記ハウジングと一体に形成されかつ前記第1のチャンバ内に設けられる保持部材であって、前記保持部材は、収容キャビティを形成するように囲まれており、前記収容キャビティは、前記保持部材の一方の端部に位置する第1の開口部、前記保持部材の他方の端部に位置する第2の開口部、及び前記保持部材の長さ方向に沿って延びる第3の開口部を有する、保持部材と、前記第3の開口部を密閉するために前記保持部材に着脱可能に接続されるように使用される保持カバープレートと、
前記収容キャビティ内に設けられ、かつ前記保持カバープレートに隣接するセラミックスリーブであって、前記第1の開口部及び前記第2の開口部と連通する第3のチャンバを有し、かつ前記収容キャビティ内に制限されるセラミックスリーブとを備える光ファイバアダプタを提供する。
【0009】
さらに、前記第3の開口部は、共に前記保持部材の長さ延長方向に平行である第1の長辺及び第2の長辺を含む長辺と、前記長辺に対して垂直であり、前記第1の長辺の一方の端部及び前記第2の長辺の一方の端部に接続される第1の短辺と、前記第1の長辺の他方の端部及び前記第2の長辺の他方の端部に接続される第2の短辺とを含む短辺とを含む。
【0010】
さらに、前記第1の長辺及び前記第2の長辺の長さは、いずれも前記セラミックスリーブの長さよりも大きい。
【0011】
さらに、前記第1の長辺と前記第2の長辺との間の距離が前記セラミックスリーブの外径よりも大きい。
【0012】
さらに、前記光ファイバアダプタは、前記ハウジングと一体に形成され、かつ前記保持部材の前記一方の端部に位置する第1のブロック部材、及び前記保持部材の前記他方の端部に位置する第2のブロック部材をさらに備え、前記第1のブロック部材は前記第1の開口部に連通する第1の貫通孔を有し、前記第2のブロック部材は前記第2の開口部に連通する第2の貫通孔を有する。
【0013】
さらに、前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔の開口は、いずれも前記セラミックスリーブの外径よりも小さい。
【0014】
さらに、前記保持カバープレートの長さは、前記長辺の長さと同じである。
【0015】
さらに、前記保持カバープレートは、互いに対向する外面及び内面を有し、前記保持カバープレートの前記内面は前記第3の開口部を密閉するために使用され、前記保持カバープレートの前記外面は前記保持部材の前記外面と滑らかに遷移している。
【0016】
さらに、前記光ファイバアダプタは、前記保持カバープレートの前記外面に設けられ、かつ前記保持カバープレートに固定されるように接続されるハンドルをさらに含む。
【0017】
さらに、前記ハンドル及び前記保持カバープレートは、いずれも前記ハウジングの前記チャンバ内において前記ハウジングに隣接して設けられる。
【0018】
さらに、前記保持部材は、前記ハウジングと一体に形成されており、前記保持部材は、第1のチャンバを貫通し、前記保持部材は、収容キャビティを形成するように囲まれており、前記収容キャビティは、前記保持部材の一方の端部に位置する第1の開口部、前記保持部材の他方の端部に位置する第2の開口部、及び前記保持部材の長さ延長方向に沿って延びる第3の開口部を有し、前記第1の開口部、前記第2の開口部、及び前記第3の開口部は全て前記収容キャビティと連通している。
【0019】
本開示により提供される光ファイバアダプタは、ハウジング、保持部材、保持カバープレート、及びセラミックスリーブを備えており、前記保持部材は、前記セラミックスリーブを配置するために使用される収容キャビティを形成するように囲まれ、前記キャビティは、第1の開口部、第2の開口部、及び第3の開口部を有し、前記保持カバープレートは、前記第3の開口部を密閉するために前記保持部材に着脱可能に接続される。保持部材の長さ延長方向に第3の開口部を設けることにより、セラミックスリーブは、第3の開口部を介して囲まれた保持部材により形成された収容キャビティ内に配置されてもよく、保持カバープレートは、第3の開口部を密閉し、保持部材に着脱可能に接続されてもよい。保持部材は一体構造であり、保持部材はハウジングと一体に形成される。保持部材の軸は、それ自体が一体構造の軸であるため、組み立てミスによって複数の保持部材が同軸にならない問題を防ぎ、セラミックスリーブが保持部材内を自由に浮動できることを保証する。その結果、セラミックスリーブの両端に光ファイバを挿入してドッキングすると、光ファイバ間の同軸ドッキングが保証され、光ファイバアダプタのアライメント性能が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の実施形態又は先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、本開示の実施形態又は先行技術の説明において必要とされる図面を以下に簡単に紹介する。
【0021】
【
図1】関連する光ファイバアダプタの動作原理の概略図である。
【0022】
【
図2】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタの概略展開図である。
【0023】
【
図3】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタの筐体の概略断面図である。
【0024】
【
図4】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタの概略背面図である。
【0025】
【
図5a】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタのハウジングの概略構造図である。
【0026】
【
図5b】本開示の一実施形態による別の光ファイバアダプタのハウジングの概略構造図である。
【0027】
【
図5c】本開示の一実施形態による別の光ファイバアダプタのハウジングの概略構造図である。
【0028】
【
図6】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタのハウジング及び保持部材の概略断面図である。
【0029】
【
図7】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタの保持部材の概略構造図である。
【0030】
【
図8】関連する光ファイバアダプタのスリーブ保持部材の概略構造図である。
【0031】
【
図9】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタのスリーブ保持部材及び保持カバープレートの概略構造図である。
【0032】
【
図10】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタの概略断面図である。
【0033】
【
図11】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタの保持部材の概略構造図である。
【0034】
【
図12】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタの保持部材の概略上面図である。
【0035】
【
図13】
図12に示す光ファイバアダプタのA-A方向に沿った概略断面図である。
【0036】
【
図14a】光ファイバアダプタのブロック部材の概略構造図である。
【0037】
【
図14b】他の光ファイバアダプタのブロック部材の概略構造図である。
【0038】
【
図15】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタのスリーブ保持部材及び保持カバープレートの概略断面図である。
【0039】
【0040】
【
図17】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタの概略断面図である。
【0041】
【
図18】本開示の一実施形態による光ファイバアダプタの三次元概略構造図である。
【符号の説明】
【0042】
1 スリーブ保持部材
11 第1のキャビティ
121 第1の入口
122 第2の入口
131 第1のスリーブ保持部材
1311 第1の収容キャビティ
132 第2のスリーブ保持部材
1321 第2の収容キャビティ
2 ハウジング
21 チャンバ
22 チャンバ
221 第1のチャンバ
222 第2のチャンバ
3 セラミックスリーブ
31 第2のキャビティ
321 第3の入口
322 第4の入口
33 第3のチャンバ
4 保持部材
41 収容キャビティ
421 第1の開口部
422 第2の開口部
43 第3の開口部
431 長辺
4311 第1の長辺
4312 第2の長辺
432 第3の短辺
4321 第1の短辺
4322 第2の短辺
5 保持カバープレート
6 ブロック部材
61 第1のブロック部材
611 第1の貫通孔
62 第2のブロック部材
621 第2の貫通孔
7 ハンドル
【発明を実施するための形態】
【0043】
本開示の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、図面及び実施形態と組み合わせて本開示をさらに詳細に説明する。本明細書に記載される特定の実施形態は、本開示を限定するためではなく、単に本開示を説明するために使用されることを理解するべきである。
【0044】
特定の実施形態において記載される各特定の技術的特徴は、矛盾なく任意の適切なやり方で組み合わされてもよく、例えば、異なる特定の技術的特徴の組み合わせによって、異なる実施形態及び技術的解決策が形成されてもよい。不必要な繰り返しを避けるために、本開示における各特定の技術的特徴の様々な可能な組み合わせは個別に説明されない。
【0045】
以下の記載において、「第1の/第2の/…」という用語は単に異なる物体を区別するだけであり、各物体間の類似性又は接続を示すものではない。「上」及び「下」の両方の方向の記載は、通常の使用における方向であることを理解するべきである。
【0046】
「含む」、「備える」又はその他のバリエーションの用語は、一連の要素を含む工程、方法、物品、又は装置が、それらの要素だけでなく、明示的にリストされていない他の要素、又はそのような工程、方法、物品、又は装置に固有の要素も含むように、非排他的な包括をカバーすることを意図していることに留意するべきである。さらなる限定がなければ、「…を含む」という記述によって定義される要素は、その要素を含む工程、方法、物品又は装置におけるもう1つの同じ要素の存在を除外しない。
【0047】
本開示の実施形態で提供される光ファイバアダプタは、光通信システムにおいて、設備間、設備と機器の間、設備と光ファイバ(又は光ケーブル)の間、及び光ファイバ(又は光ケーブル)と光ファイバ(又は光ケーブル)の間の可動接続を実現する光パッシブ装置に主として使用される。
【0048】
光ファイバアダプタのコネクタへの適用例が用いられるが、本開示の適用シーンの種類は本開示に限定されないことに留意されたい。光ファイバアダプタの動作原理を
図1と組み合わせて例示する。光ファイバアダプタは、スリーブ保持部材1、ハウジング2、及びセラミックスリーブ3を含んでもよい。ハウジング2は、略立方体構造であってもよく、ここで、ハウジング2の一方の端部は開口端部であり、したがって、ハウジング2はエンクロージャを介してチャンバ21を形成する。開口端部と反対側の他方の端部の端面には貫通孔が設けられており、貫通孔の面積は端面の面積よりもはるかに小さい。スリーブ保持部材1は貫通孔を介してハウジング2のチャンバ内に挿入され、スリーブ保持部材1の長さ延長方向に沿って、スリーブ保持部材1の一方の端部がチャンバ内に位置し、スリーブ保持部材1の反対側の他方の端部がハウジング2の外面から突出している。スリーブ保持部材1は略円筒構造であってもよく、スリーブ保持部材1は貫通する第1のキャビティ11を有する。スリーブ保持部材1の一方の端部には第1の入口121が設けられ、反対側の他方の端部には第2の入口122が設けられている。第1の入口121及び第2の入口122は共に第1のキャビティ11に連通している。第1のキャビティ11はセラミックスリーブ3を配置するために使用される。セラミックスリーブ3は第2のキャビティ31を有する。セラミックスリーブ3の一方の端部には第3の入口321が設けられ、反対側の他方の端部には第4の入口322が設けられている。第3の入口321及び第4の入口322は共に第2のキャビティ31と連通しており、第1のキャビティ31はセラミックフェルールを配置するために使用される。標準コネクタがハウジング2の開口端部からチャンバ21内に挿入され、第1の入口121に近いスリーブ保持部材1の端部に接続される。標準コネクタのセラミックピンは、第1の入口121内に挿入され、セラミックピン内の光ファイバコアは、セラミックフェルール内に挿入される。ミニチュアコネクタは、ハウジング2の開口端部の反対側の端からアクセスされ、第2の入口122に近いスリーブ保持部材1の一方の端部に接続される。ミニチュアコネクタのセラミックピンは第2の入口121に挿入され、セラミックピン内の光ファイバコアはセラミックフェルールに挿入された後、標準コネクタの光ファイバコアに接続される。光ファイバアダプタは、スリーブ保持部材1、ハウジング2、セラミックスリーブ3、その他のアセンブリを介して標準コネクタとミニチュアコネクタとの間の光ファイバコアに接続され、光路のドッキング及び伝送を実現する。
【0049】
本開示の実施形態では、
図2及び
図3に示すように、光ファイバアダプタは、ハウジング2、セラミックスリーブ3、保持部材4、及び保持カバープレート5を含み、ここで、
ハウジング2はチャンバ22を有し、チャンバ22は第1のチャンバ221及び第2のキャビティ222を含み、これらは互いに連通し、それぞれハウジング2の反対側の2つの端部に連通している。詳細には、
図4に示すように、ハウジング2は、略立方体の薄肉構造であってもよく、ハウジング2の一方の端部が、保持部材4を挿入するための開口端部であり、開口端部の反対側の他方の端面及びハウジング2の4つの側面が、標準コネクタのインターフェース端部を収容するためのエンクロージャを介して第2のチャンバ222を形成する。
図3に示すように、第1のチャンバ221は、第2のチャンバ222と連通しており、第1のチャンバ221は、保持部材4を配置するために使用される。選択的に、
図5aに示すように、第1のチャンバ221は、ハウジング2の端面及びハウジング2の下側面の接続領域に設けられてもよい。
図5bに示すように、第1のチャンバ221は、ハウジング2の端面及びハウジング2の左(右)側面の接続領域に設けられてもよい。
図5cに示すように、第1のチャンバ221は、ハウジング2の端面及びハウジング2の上側面の接続領域に設けられてもよい。好ましくは、本開示の一実施形態において、第1のチャンバ221は、後続の記載に関して、
図5aに示す構造を使用する。第1のチャンバ221から第2のチャンバ222までは、チャンバの容積が増加して一緒にチャンバ22を形成する。
【0050】
図6及び
図7に示すように、光ファイバアダプタは、ハウジング2と一体に形成され、かつ第1のチャンバ221内に設けられた保持部材4をさらに備え、ここで、保持部材4は、収容キャビティ41を形成するように囲まれており、収容キャビティ41は、一方の端部に位置する第1の開口部421、他方の端部に位置する第2の開口部422、及び保持部材4の長さ延長方向に沿って延びる第3の開口部43を有する。詳細には、保持部材4及びハウジング2は一体に形成された構造であるため、組み立てた構造物を溶接又は接合しなければならないという問題を防ぐことができ、また、組み立て工程中の保持部材4の歪みに起因する非同軸問題を防ぐこともできる。保持部材4は、第1のチャンバ221に沿って第2のチャンバ222に挿入されてもよく、保持部材4の一方の端部が第2のチャンバ222に挿入された標準コネクタ端子に接続されてもよく、保持部材4の他方の端部がハウジング2の外側のミニチュアコネクタ端子に接続される。保持部材4の設定形態は柔軟であると共に多様である。例えば、保持部材4は完全にチャンバ22内に配置されてもよく、又は保持部材4は第2のチャンバ222内に部分的に設けられ、他の部分がハウジング2から突出してもよい。なお、保持部材4とハウジング2との間の相対的な位置関係は、本開示を制限するものではないことに留意されたい。例示的な実施形態では、
図6に示すような設定モードが使用されてもよい。すなわち、保持部材4の一部がハウジング2の内部に位置し、他の部分がハウジング2の外部に位置する。
図7に示すように、保持部材4は1つの側面及び2つの対向する端面を有する略円筒形のバレルであってもよく、バレルの側面及び2つの端面のエンクロージャを介して形成された空間がちょうど収容キャビティ41となる。バレルの長さ延長方向に沿って、バレルの側面にセラミックスリーブ3を配置するための入口として第3の開口部43が設けられ、第3の開口部43は、バレルの円周方向に沿って、バレルの側面の任意の位置に設けられ得る。それに応じてバレルの両端面にはそれぞれ第1の開口部421及び第2の開口部422が設けられ、保持部材4の両端に位置するコネクタのセラミックピンが収容キャビティ41内に延びるようになっている。保持部材4は一体に形成された構造であり、セラミックスリーブ3は保持部材4の半径方向に第3の開口部43を通して保持部材4の収容キャビティ41内に挿入され、その中に配置される。バレルの中心軸がちょうど保持部材4の軸であり、そのような軸は1つのみ存在する。セラミックスリーブ3は保持部材4と同軸であってもよく、セラミックスリーブ3は保持部材4内を自由に浮動してもよい。
図8に示すように、関連するスリーブ保持部材は、第1のスリーブ保持部材131及び第2のスリーブ保持部材132を含む。第1のスリーブ保持部材131は第1の収容キャビティ1311を有し、第2のスリーブ保持部材132は第2の収容キャビティ1321を有する。セラミックスリーブ3の一方の端部は第1の収容キャビティ1311に挿入され、セラミックスリーブ3の反対側の他方の端部は第2の収容キャビティ1321に挿入される。第1の収容キャビティ1311及び第2の収容キャビティ1321は共にセラミックスリーブ3を配置するための空間を形成する。第1のスリーブ保持部材131及び第2のスリーブ保持部材132は、スリーブ保持部材を形成するように同軸アライメント組み立てによって接続される。実際の組み立て工程には一定の誤差があるため、第1のスリーブ保持部材131の軸及び第2のスリーブ保持部材132の軸が同一の直線上になく、第1の収容キャビティ1311及び第2の収容キャビティ1321によって形成されるキャビティがある程度歪められる。その結果、セラミックスリーブが収容キャビティ内を自由に浮動することができず、セラミックスリーブ3の両端の対応する貫通孔に第1の光ファイバ及び第2の光ファイバを挿入してドッキングすると、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバが同軸にドッキングできず、それにより光ファイバアダプタのコリメーション性能に影響を及ぼす。一方で、本開示の実施形態の保持部材4は、セラミックスリーブを配置できる空間を提供する。他方で、保持部材4は一体構造であり、ハウジング2と一体に形成されており、保持部材4の軸は前述の一体構造自体の軸となっているため、組み立て誤差によって複数のスリーブ保持部材が互いに同軸にならないという問題を防ぎ、それによりセラミックスリーブの浮動性を維持すると共に、光ファイバアダプタのコリメーション性能を向上させる。
【0051】
図9に示すように、光ファイバアダプタは、第3の開口部43を密閉する保持部材4に着脱可能に接続されるように使用される保持カバープレート5をさらに含む。詳細には、セラミックスリーブが第3の開口部43から保持部材4の収容キャビティ内に配置され、セラミックスリーブの第3の開口部43に近い一方の側が露出され、保持カバープレート5が保持部材4の第3の開口部43を略覆い、セラミックスリーブの露出部分を遮蔽及び保護する。保持カバープレート5は、保持部材4の第3の開口部43からセラミックスリーブが脱落するのを防ぐように、保持部材4に接続される。保持カバープレート5の構造サイズは、第3の開口部43のサイズに適応されているため、保持カバープレート5と第3の開口部43との間の良好な嵌合が確保されると共に、保持カバープレート5と保持部材4とが互いに固定されるように接続されていないため、セラミックスリーブの容易な出し入れが可能になる。
【0052】
図10に示すように、光ファイバアダプタは、収容キャビティ41内に設けられ、かつ保持カバープレート5に隣接するセラミックスリーブ3をさらに備え、セラミックスリーブ3は、第1の開口部421及び第2の開口部422と連通する第3のチャンバ33を有する。それに加えて、セラミックスリーブ3は、収容キャビティ41内に制限される。なお、セラミックスリーブが収容キャビティ41内に制限されることは、セラミックスリーブ3と保持部材4との間に隙間があるため、セラミックスリーブ3が収容キャビティ41内である程度浮動し得ることを意味する。しかしながら、セラミックスリーブ3は収容キャビティ41を越えて移動することはできない。保持部材4の両端に接続されたコネクタのセラミックピンはそれに対応するように第1の開口部421及び第2の開口部422に挿入され、セラミックピン内の光ファイバコアが第3のチャンバ33のセラミックフェルールに挿入される。
【0053】
本開示の実施形態の保持部材4は、ハウジング2と一体に形成されており、保持部材4の長さ方向に第3の開口部43が設けられている。第3の開口部43を介して、セラミックスリーブ3が保持部材4のエンクロージャによって形成された収容キャビティ41内に配置されてもよく、保持カバープレート5が第3の開口部43を密閉して保持部材4に着脱可能に接続されてもよい。保持部材4は、同軸アライメント組み立てを必要としない一体構造であるため、複数の保持部材が非同軸であることによる生じるコリメーション性能の不具合が解消される。
【0054】
いくつかの実施形態では、
図11に示すように、第3の開口部43は、長辺431及び短辺432を含み、ここで、長辺431は、第1の長辺4311及び第2の長辺4312を含み、これらは共に保持部材4の長さ延長方向に平行であり、短辺432は長辺431に対して垂直であり、第1の長辺4311の一方の端部及び第2の長辺4312の一方の端部に接続された第1の短辺4321と、第1の長辺4311の他方の端部及び第2の長辺4312の他方の端部に接続された第2の短辺4322とを含む。詳細には、セラミックスリーブ3は略円筒構造であってもよく、セラミックスリーブ3の長さ延長方向に沿って、一方の端部から反対側の他方の端部までのセラミックスリーブ3の直径は略同じである。第3の開口部43の第1の長辺4311及び第2の長辺4312は共に保持部材4の軸に平行であり、すなわち第1の長辺4311と第2の長辺4312との距離が一定であるため、セラミックスリーブ3は第3の開口部43を介して保持部材4の収容キャビティに都合よく配置される。
【0055】
いくつかの実施形態では、
図12に示すように、第1の長辺4311及び第2の長辺4312の長さL1は、いずれもセラミックスリーブ3の長さL2よりも大きい。詳細には、第1の長辺4311及び第2の長辺4312の長さは共にL1であり、L1はセラミックスリーブ3の長さL2よりも大きいので、セラミックスリーブ3は保持部材4の第3の開口部43の長さ方向で収容キャビティに配置され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、
図12に示すように、第1の長辺4311と第2の長辺4312との間の距離L3は、セラミックスリーブ3の外径L4よりも大きい。詳細には、L3はL4よりも大きいので、セラミックスリーブ3は、保持部材4の第3の開口部43の幅方向で収容キャビティ内に配置され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、
図13に示すように、光ファイバアダプタは、ハウジング2と一体に形成され、かつ保持部材4の一方の端部に位置する第1のブロック部材61と、保持部材4の他方の端部に位置する第2のブロック部材62とを含むブロック部材6をさらに備え、ここで、第1のブロック部材61は第1の開口部421に連通する第1の貫通孔611を有し、第2のブロック部材62は第2の開口部422に連通する第2の貫通孔621を有する。詳細には、前述のように、セラミックスリーブ3は収容キャビティ41を越えて移動することができず、また、ブロック部材6は、セラミックスリーブ3の移動を制限し、セラミックスリーブ3が保持部材4の両端から滑り出るのを阻止するために、保持部材4の長さ延長方向で保持部材4の両端に設けられてもよい。ブロック部材6及び保持部材4は一体構造であり、ブロック部材6の形状は任意である。例えば、ブロック部材6の形状は、
図14aに示したような円筒形の円形構造であるか、又は
図14bに示したような丸み形の円形構造でもよい。ブロック部材6の略中央領域には、コネクタのセラミックピンを挿入するための第1の貫通孔611及び第2の貫通孔621を含む貫通孔が設けられる。
【0058】
いくつかの実施形態では、
図13に示すように、第1の貫通孔611及び第2の貫通孔621の開口は、いずれもセラミックスリーブ3の外径よりも小さい。詳細には、第1の貫通孔611及び第2の貫通孔621の開口は同じであっても異なっていてもよく、第1の貫通孔611及び第2の貫通孔621において、最小サイズの開口は、セラミックスリーブ3の外径よりも小さくなければならず、これによりセラミックスリーブ3が保持部材4の軸方向に沿って滑り出ることを防ぎ得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、
図15に示すように、保持カバープレート5の長さは長辺431の長さと同じである。詳細には、保持カバープレート5は、保持部材4の第3の開口部43を略覆っており、保持カバープレート5は、セラミックスリーブ3の遮蔽及び保護を提供しながら、保持部材4とのより良い嵌合を維持することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、
図16に示すように、保持カバープレート5は、互いに対向する外面及び内面を有し、保持カバープレート5の内面は、第3の開口部43を密閉するために使用され、保持カバープレート5の外面は、保持部材の外面と滑らかに遷移している。詳細には、工程の適応性及び外観を考慮して、保持カバープレート5は円弧状のカバープレートであってもよく、保持部材4と接続された後で、保持部材4との完全な円筒構造を形成してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、
図15に示すように、光ファイバアダプタはハンドル7をさらに含み、ハンドル7は保持カバープレート5の外面に設けられ、保持カバープレート5と固定されるように接続されている。詳細には、ハンドル7は、保持部材4との組み立て又は分解に保持カバープレート5がより便利になるように設けられている。
【0062】
いくつかの実施形態では、
図17及び
図18に示すように、ハンドル7及び保持カバープレート5は、両方ともチャンバ22内にハウジング2に隣接して設けられる。詳細には、ハンドル7及び保持カバープレート5は、保持部材4と共に第1のチャンバ221内に設けられてもよく、ハウジング2は、ハンドル7に対して一定のクランプ効果を与えてもよく、それによりハンドル7がハウジング2にクランプされて固定される。
【0063】
上記は、単に本開示の好ましい実施形態であり、本開示の保護範囲を限定することを意図したものではない。
【国際調査報告】