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特表2023-530871拡散器バイアルの充填状態を検出するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】拡散器バイアルの充填状態を検出するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/292 20060101AFI20230712BHJP
【FI】
G01F23/292 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574381
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2021066685
(87)【国際公開番号】W WO2021255274
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】2006355
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】513024281
【氏名又は名称】セヴァ サンテ アニマレ
【氏名又は名称原語表記】CEVA SANTE ANIMALE
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カヴリエ,ブリス
(72)【発明者】
【氏名】キャプドヴィエル,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ジョリー,フラヴィアン
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014FA03
(57)【要約】
本発明は、拡散器(2、200)のバイアル(22、220)の充填状態を検出するためのシステム(1、100)に関し、バイアルが、拡散されることを意図された製品を含有し、システムが、バイアルを通過した少なくとも1つの光ビームを取得するために、バイアルに対向して配置されることを意図された光学センサ(4、400b)が設けられた取得ユニット(3、300)と、バイアルの充填レベル(n)が所定の閾値よりも低いかどうかを、光ビームから検出するように設計された処理ユニット(5、450)と、上記検出に応じて、充填レベルに関する通知(N)を遠隔電子デバイス(8、800)に送信するように設計された通信ユニット(6、460)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡散器(2、200)のバイアル(22、220)の充填状態を検出するためのシステム(1、100)であって、前記バイアルが、拡散されることを意図された製品を含有し、前記システムが、前記バイアルを通過した少なくとも1つの光ビームを取得するために、前記バイアルに対向して配置されることを意図された光学センサ(4、400b)が設けられた取得ユニット(3、300)と、前記バイアルの充填レベル(n)が所定の閾値よりも低いかどうかを、前記光ビームから検出するように設計された処理ユニット(5、450)と、前記検出に応じて、前記充填レベルに関する通知(N)を遠隔電子デバイス(8、800)に送信するように設計された通信ユニット(6、460)と、を備える、システム。
【請求項2】
前記光学センサ(400b)が、赤外光センサであり、前記取得ユニット(300)が、前記赤外光センサに面して、前記バイアル(220)に対向して配置され、かつ前記バイアルを通って前記光学センサに向かって、少なくとも1つの赤外光ビームを放射するように配置されることを意図された赤外光エミッタ(400a)を備え、前記処理ユニット(450)は、前記光学センサが前記赤外光ビームを受信するときに、前記バイアルの充填レベルが前記所定の閾値を下回っていることを判定するように配置されている、先行請求項に記載の検出システム(100)。
【請求項3】
前記赤外光エミッタ(400a)及び前記赤外光センサ(400b)が、前記バイアル(220)の側壁に対向して、かつ前記バイアルの下壁(250)に隣接して配置されることを意図された、先行請求項に記載の検出システム(100)。
【請求項4】
前記取得ユニット(300)が、2つの異なる場所に、前記バイアル(220)に対向して配置されることを意図された2つの赤外光センサ(400b)と、各々が、前記赤外光センサのうちの1つに面して、前記バイアルに対向して配置され、かつ前記バイアルを通って前記光学センサに向かって、少なくとも1つの赤外光ビームを放射するように配置されることを意図された2つの赤外光エミッタ(400a)と、を備える、請求項2又は3に記載の検出システム(100)。
【請求項5】
前記取得ユニットが、前記バイアル(22、220)を、少なくとも部分的に収容することを意図された凹部(L)を画定する、ハウジング(31、310)を備え、かつ前記ハウジングを前記拡散器(2、200)に固定するための固定部材(34、320)を備え、前記光学センサ(4、400b)は、前記バイアルが前記凹部に収容されたときに、前記バイアルの側壁に対向するように前記ハウジング内に配置される、先行請求項のいずれか一項に記載の検出システム(1、100)。
【請求項6】
前記ハウジング(31、310)が、前記凹部(L)を横方向に区切る周壁(32、320)を備え、前記周壁が、側方ギャップ(38、401)を備え、前記光学センサ(4、400b)が、前記ギャップに対向して前記ハウジング内に配置されている、先行請求項に記載の検出システム(1、100)。
【請求項7】
前記処理ユニット(450)及び前記通信ユニット(460)が、前記取得ユニット(300)に統合されている、先行請求項に記載の検出システム(100)。
【請求項8】
前記取得ユニット(3、300)が、前記拡散器(2、200)の周囲に関する情報の少なくとも1つの項目を取得するように配置された少なくとも1つのセンサを備える、先行請求項のいずれか一項に記載の検出システム(1、100)。
【請求項9】
前記取得ユニット(3、300)が、前記バイアル(22、220)上に貼られたタグによって、放射された磁場を検出することができる、磁場センサを備える、先行請求項のいずれか一項に記載の検出システム(1、100)。
【請求項10】
前記取得ユニット(3、300)が、前記通信ユニット(46、460)の制御モジュール(45、450)を備え、前記制御モジュールが、前記磁場センサによる磁場の検出がない場合に、前記通信ユニットを停止状態にするように配置されている、先行請求項に記載の検出システム(1、100)。
【請求項11】
先行請求項のいずれか一項に記載の拡散器(2、200)のバイアル(22、220)の充填状態を検出するためのシステム(1、100)の取得ユニット(3、300)。
【請求項12】
製品拡散器(2、200)からなるアセンブリであって、前記拡散器が、前記製品を含有するバイアル(22、220)と、先行請求項に記載の取得ユニット(3、300)と、を備える、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性製品の拡散器の分野に関する。より正確には、本発明は、拡散器バイアルの充填状態を検出するためのシステムに関する。
【0002】
拡散器は、例えば、殺虫剤、部屋の芳香剤、アロマテラピー用の精油、又は、実際のところイヌ若しくはネコなどのペットにおける医学的ストレス若しくは行動的ストレスの問題の防止用の組成物を拡散するために、ほぼ密閉された空間内で、揮発性製品を空気中に拡散することを可能にする。
【0003】
一般に、拡散される製品は、例えば、電気拡散器の場合、オス電気プラグが設けられた拡散部材内に設置され得る、バイアルに含有される。したがって、ユーザは、拡散器をメス電気壁ソケットに差し込み、次いで、拡散部材は、バイアルに含有された製品を拡散する。製品が拡散するにつれてバイアルは空になり、その時点で、空のバイアルを新しい詰め替え品に交換する必要がある。
【0004】
拡散器のユーザは、目視でのみ確認できるバイアルの充填状態に、容易にアクセスできないことが見出されている。更に、空のバイアルの交換を可能にするために、又は、使用中のバイアルが空になる前に、新しいバイアルを実際に注文するために、充填状態を定期的に確認する必要がある。
【0005】
したがって、これらの制限は、拡散器の継続的な使用の、ユーザによる、不十分な確認につながる。例えば、ペットのストレス予防の分野では、ユーザは1年に平均して2つのバイアルしか使用しないのに対し、バイアルに含有された製品の完全拡散の持続時間はたった1ヶ月であることが見出されている。しかしながら、一般に、製品の拡散の期待される利点は、特にアロマテラピーの場合、又はペットのストレス予防の場合で、長期間の連続拡散後にのみ現れる。したがって、これらの制限によって引き起こされる不十分な確認により、これらの利点を得ることが困難になる。
【0006】
バイアルを変更するようにユーザに伝えるために、完全拡散の理論的持続時間に対応する所定の期間の終了時に、ユーザに通知を送信することが想定されている。しかしながら、この解決策は、完全拡散の持続時間が、製品の種類、技術の種類、及び/又は拡散器が使用するウィックの種類、並びに中に拡散器が設置されている部屋の大気条件によって変化する限り、満足のいくものではない。
【0007】
したがって、拡散器の継続的な使用を可能にするために、拡散器のユーザが、拡散器バイアルを空であるときに交換することができ、バイアルが空である前に詰め替え品を注文することができるようにするシステムが必要である。本発明は、この文脈に位置し、この必要性に対応することを目的とする。
【0008】
これらの目的のために、本発明の対象は、拡散器のバイアルの充填状態を検出するためのシステムであり、バイアルが、拡散されることを意図された製品を含有し、システムが、バイアルを通過した少なくとも1つの光ビームを取得するために、バイアルに対向して配置されることを意図された光学センサが設けられた取得ユニットと、バイアルの充填レベルが所定の閾値よりも低いかどうかを、光ビームから検出するように設計された処理ユニットと、上記検出に応じて、充填レベルに関する通知を遠隔電子デバイスに送信するように設計された通信ユニットと、を備える。
【0009】
光学センサは、例えば、バイアルの画像を取得することができ、上記画像は、バイアルを通過する、自然光ビーム若しくは周辺光ビームによって生成されるか、又はまさに専用の光源によって生成され、又は光学センサは、バイアルを通過する指向性光ビームを取得することができる。取得ユニットは、例えば、バイアルを通過する上記光ビームを取得するように位置決めされるために、拡散器に取り付けられることを意図され得る。変形例では、取得ユニットは、拡散器に統合され得、バイアルを通過する上記光ビームを取得するように、拡散器に配置され得る。したがって、光学センサは、バイアルの位置に対応する位置の領域内の、バイアルを通過する上記光ビームを取得するために、取得ユニットに配置されることが理解される。光学センサの使用は、バイアルの使用終了時に、他の種類のセンサによって、例えば、計量によって、残りの製品の量に関する情報を得ることが複雑である限り、特に有利である。したがって、光学センサは、例えば1日に1回、バイアルを通過する上記光ビームを周期的に取得するように配置されている。このようにして、処理ユニットは、所定の閾値に対するバイアルの充填状態を、定期的に検出することができ、通信ユニットは、ユーザのスマートフォン又はデジタルタブレット上で、上記閾値に対するバイアルの充填状態、若しくは、実際には充填レベルそのもの、したがって、言い換えれば、例えば、パーセントで表される、バイアル内に残存する製品の量をそれらに示す通知、又は、できるだけ早く、若しくは、確実に定義され得る持続時間の後に、バイアルの交換の必要性をそれらに警告する通知を、送信することができる。
【0010】
本発明によれば、拡散器は、電気拡散器であり得る。例えば、拡散器は、メス電気壁ソケットと協働することを意図されたオス電気プラグと、拡散部材と、取り外し得るように、拡散部材に取り付けられたバイアルと、を備え得、上記バイアルは、拡散されることを意図された製品を含有する。変形例では、拡散器は、平面上に置くことを意図された基部を含み得、及び/又は、充電式電池又は電池などの電気エネルギー源を備え得る。バイアルは、特に、基部壁を有する本体と、製品を、毛細管作用により、拡散器の拡散部材に向かって上昇させるために、製品に突き刺すことによってバイアルに配置されたウィックと、を備えることができる。拡散部材は、電力供給されるときに、例えば、超音波によって、又は蒸発によって、バイアルに含有された製品を拡散するように配置することができる。例えば、加熱抵抗器又は圧電プレートを備え得る。別の変形例では、拡散部材は、電力供給されるときに、噴霧(若しくは、微量拡散)によって、又は換気によって、バイアルに含有された製品を拡散するように、配置され得る。該当する場合、拡散部材は、圧縮機及びスプレーヘッド又は換気扇、並びに、上記製品に浸されることを意図されたパッドを含み得る。
【0011】
別の実施形態によれば、拡散器は、電気なしで動作するポータブル拡散器であり得る。
【0012】
非限定的な方法では、製品は、殺虫剤若しくは防虫剤、消毒剤、防腐剤、カビ防止剤、芳香剤、精油、消臭剤、空気清浄剤、(例えば、ネコ用の)フェロモンを含む組成物、若しくは同等の組成を有する製品、又は、複数の上記製品の組み合わせであってもよい。
【0013】
本発明の好適実施形態では、光学センサが、赤外光センサであり、取得ユニットが、赤外光センサに面して、バイアルに対向して配置され、かつバイアルを通って光学センサに向かって、少なくとも1つの赤外光ビームを放射するように配置されることを意図された赤外光エミッタを備える。例えば、赤外光エミッタは、赤外線発光ダイオードであってよく、光学センサは、フォトトランジスタであってよい。該当する場合、処理ユニットは、光学センサが上記赤外光ビームを受信するときに、バイアルの充填レベルが上記所定の閾値を下回っていることを判定するように配置される。検出は、例えば、光学センサが受信した光ビームの光量が所与の閾値を超えることを、処理ユニットが観察することにより、行うことができる。液位が、エミッタにより放射された光ビームの通常の光学経路の上方に延びる場合、上記ビームは、バイアルを通過するときに、液体によって屈折され、光センサはビームを受信しない、ということが知られるであろう。したがって、液位が、上記センサに関連付けられた位置よりも上方であることを検出することが可能であり、したがって、これにより、処理ユニットの上記検出閾値を判定する。逆に、液位が、光ビームの通常の光学経路を超えて低下する場合、上記光ビームは、したがって、実質的に偏向を受けず、光学センサは光ビームを受信する。したがって、液位が、上記センサに関連付けられた位置よりも下方であることを検出することが可能である。
【0014】
有利なことに、赤外光エミッタ及び赤外光センサは、バイアルの側壁に対向して、かつバイアルの下壁に隣接して配置されることを意図されている。言い換えれば、処理ユニットの検出閾値は、ほぼ空のバイアルに対応し、通信ユニットによって発せられた通知は、したがって、バイアルの空の状態又は空でない状態を示すことができ、該当する場合、バイアルの充填命令に関連付けられることができる。
【0015】
更に有利なことに、取得ユニットは、2つの異なる場所に、特に同じ高さで、バイアルに対向して配置されることを意図された2つの赤外光センサと、各々が、赤外光センサのうちの1つに面して、バイアルに対向して配置され、かつバイアルを通って光学センサに向かって、少なくとも1つの赤外光ビームを放射するように配置されることを意図された2つの赤外光エミッタと、を備える。例えば、センサ-エミッタ対は、バイアルの直径面の両側に配置されることを意図され得る。これらの特徴は、特に、バイアルの傾きに関係なく、バイアルの充填状態を検出することを可能にする。
【0016】
実施例によれば、光学センサは、各々が、所与の点でバイアルを通過することを意図された光ビーム、具体的には赤外線を放射することができる、複数のエミッタと、関連付けられているエミッタのうちの1つによって放射される光ビームを受信するようにそれぞれ配置された複数のセンサと、を備え得る。例えば、各エミッタ、及び関連付けられた各センサは、互いに向かい合って、凹部の両側に配置され得、異なるエミッタ-センサ対は、互いに対して異なるレベルで配置され得る。したがって、各センサ-エミッタ対は閾値を定め、処理ユニットは、液位が上記閾値を下回るか上回るかを、判定することができる。これは、バイアルの充填レベルを推定する方法である。
【0017】
取得ユニットは、好ましくは、エミッタによる、上記赤外光ビームの発光を、周期的に引き起こすように配置された制御モジュールを備える。
【0018】
本発明の代替的な実施形態では、光学センサは、バイアルの画像を取得するように配置され、処理ユニットは、上記画像からバイアルの充填レベルを判定するように配置されている。
【0019】
例えば、光学センサは、カメラであってよい。
【0020】
取得ユニットは、有利なことに、取得ユニットが拡散器に取り付けられたときに、バイアルを照らすことができる光源を備える。
【0021】
本発明の一実施形態では、処理ユニットは、光学センサによって取得された画像から、所定の充填レベルのセットから、バイアルの充填レベルを選択するように配置されている。例えば、所定の充填レベルは、「空」レベルと「満杯」レベルとの間の範囲であり得る。必要に応じて、処理ユニットは、光学センサによって取得された画像に対する前処理動作、具体的には、サイズ変更動作、サブサンプリング動作、及び/又は白黒への変換動作を実施するように配置されている。好ましくは、処理ユニットは、光学センサによって取得された画像から、バイアルの状態、例えば、「間違って位置決めされた」状態、又はバイアルの有無を、判定するように配置され得る。
【0022】
有利なことに、処理ユニットは、各々が、タグによって表された上記セットの充填レベルのうちの1つを含む、複数のクラスを含む知識ベースから、光学センサによって取得された画像を分類することができる、分類子を実装するように配置され、分類子は、機械学習アルゴリズムによって訓練されている。
【0023】
分類子はコンピュータプログラムを意味し、その役割は、学習された情報に応じて、入力で提供される新しいオブジェクトが属するクラスを決定することである。会員クラスは、学習データに基づいて、前もって学習した決定規則(知識ベースとも呼ばれる)を適用することにより、判定される。
【0024】
機械学習フェーズは、境界によって表現空間を分割(又は、分離)することと、このように形成された領域にクラスタグを割り当てることと、からなる。したがって、知識ベースの開発、すなわち分類子の機械学習は、上記決定境界を探すことからなる。特性ベクトルが位置する領域は、その会員クラスを判定する。例えば、機械学習アルゴリズムは、異なる充填状態を有するバイアルの画像のセットを事前に提供することと、各画像に、充填レベルのうちの1つを表すタグを割り当てるように分類子を訓練することと、次いで、分類子自体がこの画像のセットの最適決定境界を画定するように、上記画像の実際の充填レベルを示すことと、からなり得る。
【0025】
非限定的な例として、分類子は、以下の分類子のうちの1つ以上、又は組み合わせであり得る:ニューラルネットワーク、決定木、ベクトル/機械サポート、データ分割又はグループ化アルゴリズム。それでもなお、非限定的な方法では、分類子は、教師あり、教師なし、半教師付きの機械学習アルゴリズムを使用して、強化、又は転送によって訓練され得る。
【0026】
変形例では、処理ユニットは、光学センサによって取得された画像から、バイアルの充填レベルの値を判定するように、配置され得る。該当する場合、処理ユニットは、機械学習アルゴリズムによって前もって確立された充填レベルモデルに基づいて、光学センサによって取得された画像から、充填レベル値を予測することができる、画像処理アルゴリズム又は回帰器を実装するように配置され得る。
【0027】
本発明の好ましい実施形態では、取得ユニットは、バイアルを、少なくとも部分的に収容することを意図された凹部を画定する、ハウジングを備え、かつハウジングを拡散器に固定するための、固定部材を備える。例えば、固定部材は、ハウジングをバイアルに固定するための固定部材、又は、変形例では、拡散器の別の部分、具体的には、オス電気プラグ若しくは拡散部材にハウジングを固定するための固定部材であり得る。該当する場合、光学センサは、バイアルが凹部に収容されたときに、バイアルの側壁に対向するようにハウジング内に配置され得る。
【0028】
例えば、ハウジングには、中を通してバイアルを凹部に挿入することができる開口部が設けられ得、開口部の縁部は、上記縁部を変形させることによって、バイアルを凹部に挿入することができるように、弾性変形可能であり、次いで、上記縁部は、バイアルの凹部からの取り外しに抵抗する。したがって、取得ユニットは、バイアルを変更する必要なく、拡散器に取り付けられた拡散器とは独立したモジュールを形成する。好ましくは、凹部は、拡散器の拡散部材に取り付けられた上部に対向する、バイアルの下部を収容することを意図されている。必要に応じて、ハウジングは、例えば、リング状であってもよく、したがって、バイアルは、上記リングと拡散部材との間に挿入される。
【0029】
変形例では、開口部の縁部には、固定部材を形成する、1つ以上の弾性変形可能なタブが設けられている。言い換えれば、タブは、バイアルが凹部に挿入されることを可能にし、上記凹部からのバイアルの取り外しに抵抗する。
【0030】
有利なことに、ハウジングは、凹部を横方向に区切る周壁を備え、上記周壁は、側方ギャップを備え、光学センサは、上記ギャップに対向して配置されている。
【0031】
例えば、バイアルを収容することを意図されたハウジングの凹部は、縁部が開口部を画定する側壁と、凹部の開口部及び閉鎖部に対向する基部壁と、によって画定される。取得ユニットのハウジングは、基部壁に隣接して形成されているか、又は変形例では、周壁によって形成されており、かつ基板上に光学センサが取り付けられた電子回路基板が中に配置されている、コンパートメントを備え得る。
【0032】
所望される場合、ハウジングは、ギャップから延びる空洞を含み得、光学センサは、上記空洞に配置され得る。該当する場合、光学センサは、上記空洞に入るように、コネクタによって、電子回路基板、特に可撓性プリント基板上に取り付けられる。所望される場合、空洞は、光学センサから側方ギャップに向かって拡大する形状であってもよい。
【0033】
例えば、バイアルを照らすことができる光源は、バイアルが凹部に収容されたときに、バイアルの基部壁に向かって光を放射するように配置されてもよい。例えば、バイアルは、その基部壁が凹部の基部壁に対向し、凹部の基部壁がオリフィスによって貫通され、かつ光源が上記オリフィスに隣接してプリント基板に取り付けられるように、凹部に挿入されることを意図され得る。所望される場合、光源は、発光ダイオードであってもよい。
【0034】
有利なことに、検出システムは、電気エネルギー源、具体的には、充電式電池、アキュムレータ若しくは電池、又はまさに光電池を備え得る。該当する場合、上記電気エネルギー源は、取得ユニットのハウジングのコンパートメントに配置される。
【0035】
本発明の別の実施形態では、取得ユニットは、拡散器に統合され得る。例えば、拡散器は、少なくとも部分的にバイアルを収容することを意図された凹部を画定する、ハウジングを備え得、取得ユニットの光学センサは、上記ハウジング内に配置される。
【0036】
本発明の好ましい実施形態では、処理ユニット及び通信ユニットは、例えば、ハウジング内に、具体的には、ハウジングのコンパートメントに配置される電子回路基板上に配置されることによって、取得ユニットに統合されている。
【0037】
該当する場合、取得ユニットは、上記通知を遠隔電子デバイスに送信するように配置された無線送信モジュールを備え得る。実施例によれば、無線送信モジュールは、無線通信プロトコル、具体的には、Wi-Fiプロトコル、又は、好ましくはBluetooth型のプロトコル、又は実際にはBluetooth Low Energy型のプロトコルに従って、データを送信することができるモジュールである。好ましくは、取得ユニットは、無線送信モジュールの制御モジュールを含んでもよく、制御モジュールは、処理ユニットによって行われた検出中に、遠隔電子デバイスへの上記通知の送信を引き起こすように配置される。
【0038】
本発明の代替的な実施形態では、処理ユニットは、取得ユニットから離れている。例えば、処理ユニットは、データ処理サーバの一部を形成する。該当する場合、取得ユニットは、無線送信モジュールの制御モジュールを含んでもよく、制御モジュールは、光学センサによる画像の取得中に、送信モジュールによる、画像の処理ユニットへの送信を引き起こすように配置される。
【0039】
有利なことに、取得ユニットは、拡散器の周囲に関する情報の少なくとも1つの項目を取得するように配置された少なくとも1つのセンサを備え得る。例えば、周囲温度センサ、湿度センサ、空気圧センサであり得る。したがって、拡散器が設置されている部屋の空気の品質に関するデータを収集することができる。
【0040】
有利なことに、取得ユニットは、バイアル上に貼られたタグ、具体的には磁気タグによって放射された磁場を検出することができる、磁場センサを備える。該当する場合、磁場センサは、例えば、電子回路基板上に取り付けられることによって、バイアルを収容することを意図された凹部の下に配置され得る。したがって、磁場センサが、凹部内のバイアルの有無を検出することを可能にすることが理解される。非限定的な方法では、磁場センサは、ホール効果センサであってもよい。所望される場合、上記磁場センサは、無線タグ、又はRFIDタグ若しくはNFCタグの識別情報を得ることができる、NFC型又はRFID型のセンサであり得る。
【0041】
有利なことに、制御モジュールは、磁場センサによる磁場の検出がない場合に、無線送信モジュールを停止状態にするように配置され得る。無線送信モジュールは特にエネルギーを消費するため、必要な場合にのみ、光学センサによって取得された画像の送信を確保する。代替的又は追加的に、制御モジュールは、所与の種類のバイアルを識別する情報の項目の受信がない場合に、無線送信モジュールを停止状態にするように配置され得る。
【0042】
好ましくは、通信ユニットは、処理ユニットによる、上記所定の閾値を下回るバイアルの充填レベルの検出中にのみ、通知を上記遠隔電子デバイスに送信するように配置され得る。変形例では、通信ユニットは、上記遠隔電子デバイスに通知を定期的に送信するように配置されてよく、上記通知は、処理ユニットによる、上記所定の閾値を下回るバイアルの充填レベルの比較結果を含有する。
【0043】
本発明の一実施形態では、通信ユニットは、判定された充填レベルに応じて、かつ、特に判定された充填レベルを含有する充填通知を、上記遠隔電子デバイスに送信するように配置され得る。有利なことに、通信ユニットは、例えば、判定された充填レベルが所定の閾値を下回るとき、例えば、判定された充填レベルが「空」レベルに対応するときに、バイアルを交換する必要性を示す通知を上記遠隔電子デバイスに送信するように配置され得る。更に有利なことに、通信ユニットは、例えば、判定された充填レベルが、第1の閾値よりも高い第2の所定の閾値を下回るとき、例えば、判定された充填レベルが、「空」レベルと満杯レベルとの間の中間レベルに対応するときに、バイアルの差し迫った交換を予期する通知を、上記遠隔電子デバイスに送信するように配置され得る。所望される場合、処理ユニットは、例えば、前もって判定された上記バイアルの充填状態によって、拡散器に設置されたバイアルの耐用年数の終わりを予測するように配置され得、通信ユニットは、上記予測された持続時間を含有する通知を、上記遠隔電子デバイスに送信するように配置され得る。
【0044】
好ましくは、通信ユニットは、取得ユニットの電気エネルギー源の充電レベル、及び任意選択的に、取得ユニットの他のセンサから発生する情報を含有する通知を、上記遠隔電子デバイスに送信するように配置され得る。
【0045】
本発明はまた、本発明による拡散器バイアルの充填状態を検出するためのシステムの取得ユニットに関する。
【0046】
本発明はまた、製品拡散器からなるアセンブリに関し、拡散器は、上記製品を含有するバイアルと、本発明による取得ユニットと、を備える。該当する場合、取得ユニットは、拡散器、特にバイアル上に取り付けられ得る。変形例では、取得ユニットは、拡散器に統合され得る。
【0047】
本発明はまた、拡散器バイアルの検出システムに関し、バイアルは、拡散されることを意図された製品を含有し、システムは、少なくとも部分的にバイアルを収容することを意図された凹部を画定するハウジングを備える取得ユニットを備え、かつ取得ユニットが、バイアルが凹部に収容されたときに、バイアル上に貼られたタグ、具体的には磁気タグによって放射された磁場を検出することができる、磁場センサを備えることを特徴とする。該当する場合、ハウジングは、ハウジングを拡散器に固定するための固定部材を備え得る。
【0048】
有利なことに、取得ユニットには、バイアルの画像を取得するように配置された光学センサが設けられ、検出システムは、上記画像からバイアルの充填レベルを判定するように配置された処理ユニットと、判定された充填レベルに応じて、遠隔電子デバイスに充填通知を送信するように配置された通信ユニットと、を備える。
【0049】
ここで、本発明は、実施例を参照して説明され、実施例は、単に例として与えられ、本発明の範囲を制限するものではなく、添付の図面に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】本発明の第1の実施形態による、拡散器のバイアルの充填状態を検出するためのシステムの部分概略図である。
図2図1のシステムの拡散器及び取得ユニットの部分概略分解図である。
図3図2の拡散器に取り付けられた、取得ユニットの部分概略断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態による、拡散器のバイアルの充填状態を検出するためのシステムの部分概略図である。
図5図4のシステムの拡散器及び取得ユニットの部分概略分解図である。
図6図5の取得ユニットの部分概略斜視図である。
【0051】
以下の説明では、構造又は機能の点で同一である要素は、別段の指定がない限り、異なる図面において同じ参照符号が提供される。更に、「前面」、「背面」、「上部」、「底部」、「下の」、及び「上の」という用語は、取得ユニットが示されているように、検出システムが、メス電気壁ソケットに差し込まれた電気拡散器に取り付けられた場合など、検出システムの通常の使用に対応する、取得ユニットの方向と関連して解釈されるべきである。
【0052】
図1は、本発明の第1の実施形態による、拡散器2のバイアルの充填状態を検出するためのシステム1を示し、バイアルは、拡散されることを意図された製品の量を含有する。
【0053】
記載された実施例では、これに限定されるものではないが、バイアルは、少なくとも1つの担体溶媒、及び、好ましくは、脂肪酸及び/又は誘導体の混合物を含有する、フェロモンに基づく組成物からなり、例えば、Ceva Sante Animal社によって、Feliway(登録商標)という商標の下で販売されている、製品を含有する。上記組成物は、フェロモンに基づき、非ヒト哺乳動物におけるストレス又は不安に関連する症状の治療のために、周囲空気中での拡散によって、上記非ヒト哺乳動物、特にネコに投与されることができる。
【0054】
システム1は、拡散器2に取り付けられることを意図された取得ユニット3を備える。図2は、拡散器2及び取得ユニット3の分解図であり、図3は、取得ユニット3が取り付けられている、拡散器2の断面図である。
【0055】
記載された実施例では、これに限定されるものではないが、拡散器2は、メス電気壁ソケットと協働することを意図されたオス電気プラグ21と、拡散部材23と、取り外し得るように、拡散部材に取り付けられたバイアル22と、を備えた電気拡散器であり、上記バイアルは、拡散されることを意図された製品を含有する。
【0056】
バイアル22は、基部壁25を有する本体24と、製品を、毛細管作用により、拡散器2の拡散部材23に向かって上昇させるために、製品に突き刺すことによってバイアルに配置されたウィック26と、を備える。拡散部材23は、加熱抵抗器(図示せず)を備え、加熱抵抗器は、電力供給されるときに加熱するように、かつ、したがって、蒸発によって、バイアルに含有された製品を拡散するように配置されている。
【0057】
取得ユニット3は、バイアル22を収容することを意図された凹部Lを画定する、ハウジング31を備える。上記凹部Lは、上部で開口し、かつ基部壁33によって底部で閉じられたハウジング31の、実質的に円筒形の側壁32によって画定される。したがって、側壁32の上縁部は、バイアル22が凹部Lに挿入されることができる、開口部Oを画定する。バイアル22が凹部Lに通常挿入される間、バイアルの本体24は、側壁32によって囲まれ、バイアルの基部壁25は、凹部Lの基部壁33に対向する。
【0058】
側壁32の縁部は、上記側壁の周縁部にわたって分布し、拡散器2上に取得ユニット3を固定するための固定部材をともに形成する、複数の弾性変形可能なタブ34を備える。言い換えれば、タブ33は、バイアル22が凹部Lに挿入されることを可能にする。しかしながら、バイアル22が挿入されると、タブ33は、バイアル22の凹部からの取り外しを可能にするために、バイアル22に力が加えられなければならないように、この取り外しに抵抗する。
【0059】
ハウジング31は、凹部Lの基部壁33の下に配置され、かつ中に電子回路基板41、及び回路基板41に電気的に接続された電池42が配置されたコンパートメント35を備える。取り外し可能なカバー36は、コンパートメント34を閉じる。
【0060】
電子回路基板41は、光学センサ4、すなわち、説明した実施例では、カメラ4を有する。カメラ4は、ハウジングの空洞37内に配置され、コネクタ43、すなわち、説明した実施例では、可撓性プリント基板によって、電子回路基板41に接続されている。
【0061】
空洞37は、側壁32に隣接して延在し、上記側壁32に形成された側方ギャップ38に向かって拡大する。したがって、この位置では、カメラ4は、バイアル22の位置に対応する位置の領域内の、拡散器2の画像を取得することができる。
【0062】
電子回路基板41はまた、光源44、すなわち、説明した実施例では、発光ダイオード44を有する。基部壁33は、オリフィス37によって貫通され、発光ダイオード44は、上記オリフィス37の下の回路基板41に取り付けられる。このようにして、発光ダイオード44は、カメラ4による良質な画像の取得を容易にするために、バイアル22を、基部壁25を通って、下から照らすことができる。
【0063】
電子回路基板41はまた、無線送信モジュール46を統合する、制御モジュール45を有する。説明した実施例では、無線送信モジュール46は、無線通信プロトコル、具体的にはWi-Fiプロトコルに従って、データを送信することができるモジュールである。制御モジュール45は、取得ユニット3の様々な要素、特にカメラ4及び無線送信モジュールを制御する。より正確には、制御モジュール45は、例えば1日に1回、周期的にカメラ4による画像取得を引き起こすように配置される。
【0064】
電子回路基板41はまた、拡散器2の周囲に関する情報を取得することができるセンサ、並びに、具体的には、周囲温度センサ及びホール効果センサを含む、複数のセンサを有する。説明した実施例では、様々なセンサは、制御モジュール45に統合されている。
【0065】
バイアル22は、例えば、その基部壁25の外面に貼られた、磁気タグを備え得る。ホール効果センサは、制御モジュール45に統合されているため、したがって、凹部Lの下に設置され、上記タグによって放射された磁場を検出することができる。したがって、上記ホール効果センサは、凹部L内のバイアルの有無を検出することを可能にすることが理解されるであろう。ホール効果センサによる凹部L内のバイアルの検出がない場合に、制御モジュール45は、次いで、取得ユニット3のエネルギー消費を最小限に抑えるために、無線送信モジュール46を停止状態にすることができる。
【0066】
ここで、更に図1に関連して、システム1の続きについて説明する。
【0067】
システム1は、処理ユニット5及び通信ユニット6を備える。説明した実施例では、処理ユニット5及び通信ユニット6は、取得ユニット3から離れている、データ処理サーバ7に統合されている。
【0068】
取得ユニット3が取り付けられている拡散器2の、ユーザによる使用中、カメラ4が取得した各画像Iは、無線送信モジュール46によってサーバ7に送信される。
【0069】
上記画像Imは処理ユニット5に送信され、上記画像Imの処理を簡略化することができる、複数の前処理動作、具体的には、サイズ変更動作、サブサンプリング動作、及び/又は白黒への変換動作を受ける。
【0070】
処理ユニット5は、画像Iから、所定の充填レベルのセット{n、...、n}から、バイアルの充填レベルnを選択するように配置されている。説明した実施例では、アセンブリは、「空」レベルnと「満杯」レベルnとの間の範囲の、7つの充填レベルn~nを含む。注目すべきは、処理ユニット5はまた、画像Iから、拡散器2のバイアル22が間違って位置決めされているかどうか、又は実際には、拡散器22がバイアルを備えていないかどうかを判定し得るということである。
【0071】
これらの目的のために、処理ユニット5は、各々が、上記セットの充填レベルn~nのうちの1つと、「間違って位置決めされた」又は「不在」の状態と、を含み、各クラスがタグによって表された、複数のクラスを含む知識ベースから、画像Iを分類することができる分類子を実装する。
【0072】
説明した実施例では、分類子は、教師ありモードで機械学習アルゴリズムによって前もって訓練されたニューラルネットワークである。例えば、ネットワークのハイパーパラメータ、特に、ネットワークの様々なニューロンの、シナプス荷重及びバイアス値の初期値は、ランダムに確立された。次いで、予め知られている様々な充填状態を有する、バイアルの画像のセットを分類子に提供し、分類子は、充填レベルのうちの1つを表すタグを各画像に割り当てるように訓練されている。次いで、各画像について、荷値及びバイアス値を調整することができるように、この画像に対応する実際の充填レベルが分類子に提供される。このようにして、分類子自体は、上記セットの画像の最適な決定規則を定義し、これらの画像にクラスタグを割り当てることを可能にする。
【0073】
したがって、処理ユニット5によって実施された動作の終了時に、判定されたバイアルの充填レベルnが、通信ユニット6に提供される。
【0074】
注目すべきは、ユーザによる取得ユニット3の取得中に、上記ユニットは、サーバ7の領域内で、バイアル22の充填状態を監視するためのソフトウェアアプリケーションを備えた、ユーザのスマートフォン8に結合された、ということである。
【0075】
レベルnを受信すると、通信ユニット6は、次いで、上記レベルnを含有する通知Nを、スマートフォン8に送信する。次いで、ソフトウェアアプリケーションは、ユーザに、バイアル22に残っている製品の量を示すことができる。
【0076】
説明した実施例では、レベルnの値に応じて、通知Nは、ソフトウェアアプリケーションを介してユーザに送信されることを意図された警告を含有することができる。したがって、処理ユニット5によって選択されたレベルnが、所与の中間レベル、例えば、レベルn以下である場合、通知Nは、ユーザにバイアル22の交換を計画するように求め、かつユーザが詰め替え品を得ることを可能にする商業リンクをユーザに提供する、ユーザ向けの要求を含み得る。処理ユニット5によって選択されたレベルnが、レベルn、すなわち「空」レベルである場合、通知Nは、できるだけ早くバイアル22を交換するよう求める、ユーザ向けの要求を含み得る。
【0077】
図4は、本発明の第2の実施形態による、拡散器200のバイアルの充填状態を検出するためのシステム100を示し、バイアルは、拡散されることを意図された製品の量を含有する。
【0078】
システム100は、拡散器200に取り付けられることを意図された取得ユニット300を備える。図5は、拡散器200及び取得ユニット300の分解図であり、図6は、取得ユニット300の斜視図である。
【0079】
図1図3の実施例と同様に、拡散器200は、メス電気壁ソケットと協働することを意図されたオス電気プラグ210と、拡散部材230と、取り外し得るように、拡散部材に取り付けられたバイアル220と、を備えた電気拡散器であり、上記バイアルは、拡散されることを意図された製品を含有する。
【0080】
バイアル220は、基部壁250を有する本体240と、製品を、毛細管作用により、拡散器200の拡散部材230に向かって上昇させるために、製品に突き刺すことによってバイアルに配置されたウィック260と、を備える。拡散部材230は、加熱抵抗器(図示せず)を備え、加熱抵抗器は、電力供給されるときに加熱するように、かつ、したがって、蒸発によって、バイアルに含有された製品を拡散するように配置されている。
【0081】
取得ユニット300は、バイアル220を収容することを意図された凹部Lを画定する、ハウジング310を備える。上記凹部Lは、リングを形成し、かつ基部壁330に付着されている、側壁320によって画定される。したがって、側壁320の上縁部は、バイアル220の下部が凹部Lに挿入されることができる、開口部Oを画定する。バイアル220が凹部Lに通常挿入される間、バイアルの本体240は、側壁320によって囲まれ、バイアルの基部壁250は、凹部Lの基部壁330に対向する。
【0082】
側壁320の縁部は、弾性変形可能であり、したがって、取得ユニット300をバイアル220上に固定するための、固定部材を形成する。言い換えれば、上記縁部は、バイアル220が凹部Lに挿入されることを可能にするために変形する。しかしながら、バイアル220が挿入されると、縁部は、バイアル220の凹部からの取り外しを可能にするために、バイアル220に力が加えられなければならないように、この取り外しに抵抗する。
【0083】
したがって、取得ユニット300は、特にバイアル220を交換又は充填するために、バイアル220とは独立した、かつ必要に応じて取り付け及び取り外すことができる要素を形成する。
【0084】
側壁320は、中空リングを形成し、したがって、中空リングは、凹部Lの周り全てに延在し、かつ中に電子回路基板410及び回路基板410に電気的に接続された電池420が配置されたコンパートメント350を画定する。
【0085】
電子回路基板410は、2つの光学センサ400a、すなわち、説明した実施例では、赤外線に対して感受性がある2つのフォトトランジスタ400aと、説明した実施例では、2つの発光ダイオードからなる2つの赤外光エミッタ400bと、を有する。したがって、各センサ400a及び各エミッタ400bは、このために、凹部Lの側面に位置する側壁320の表面に提供されたオリフィス401に対向して、コンパートメント350内に配置される。
【0086】
より正確には、光学センサ400aの各々は、したがって、エミッタ400bのうちの1つに対向して配置される。したがって、各センサ400aは、それに面するエミッタ400bとともに、凹部Lの両側に配置されたセンサ-エミッタ対を形成し、関連するオリフィス401が対応し、したがって、バイアル220が、凹部Lに配置されたときに、センサとエミッタとの間に置かれる。言い換えれば、各エミッタ400bは、凹部Lを通って(図6の点線で示される)赤外光ビームを放射するように配置され、したがって、バイアル220は、関連する光学センサ400aに向けて配置される。
【0087】
ハウジング310の形状及び側壁320の形状のため、センサ-エミッタ対は、バイアル220の基部壁250の真上にあることを意図されるように、ハウジングの基部壁330に対して同じ高さに位置決めされるということが知られるであろう。更に、これらのセンサ-エミッタ対は、凹部Lの直径面の両側に配置される。
【0088】
電子回路基板410はまた、光源440、すなわち、説明した実施例では、コンパートメント350内に配置され、かつハウジング310の外側に向けられた、発光ダイオード440を有する。側壁320は、オリフィスによって貫通され、発光ダイオード440は、オリフィスを通って光を放射することができる。
【0089】
電子回路基板410はまた、マイクロコントローラを統合した制御モジュール450、及び無線送信モジュール460を有する。説明した実施例では、無線送信モジュール460は、Bluetooth Low Energy型の無線通信プロトコルに従って、スマートフォン又はタブレット800にデータを直接送信することができるモジュールである。
【0090】
電子回路基板410はまた、拡散器2の周囲に関する情報を取得することができるセンサ、並びに、具体的には、周囲温度センサ、ホール効果センサ、及びNFCタグリーダを含む、複数のセンサを有する。説明した実施例では、様々なセンサは、制御モジュール450に統合されている。
【0091】
制御モジュール450は、取得ユニット300の様々な要素を制御し、具体的には、エミッタ400bを制御し、センサ400aによって生成されたデータを処理し、光源440を制御し、無線送信モジュール460によるデータの活性化、非活性化、及び送信を制御することができる。
【0092】
図1図3の実施形態に相当する方法では、ホール効果センサは、上記タグによって放射された磁場を検出することを可能にする。したがって、上記ホール効果センサは、凹部L内のバイアルの有無を検出することを可能にすることが理解されるであろう。ホール効果センサによる凹部L内のバイアルの検出がない場合に、制御モジュール450は、次いで、取得ユニット3のエネルギー消費を最小限に抑えるために、無線送信モジュール460を停止状態にすることができる。
【0093】
NFCタグリーダは、バイアル220がこの種のNFCタグを含む場合、上記バイアルの識別情報を得ることと、したがって、制御モジュール450が、拡散機能を含む、システム100の1つ以上の機能へのアクセスを許可又は禁止することができるように、上記バイアル220を認証することと、を可能にする。
【0094】
ここで、図4に更に関連して、システム100の動作について説明する。
【0095】
制御モジュール450は、周期的に、例えば4時間ごとに、エミッタ400bの各々によって、赤外線ビームの放射を引き起こすように配置される。
【0096】
バイアル220が十分な液体を含む場合、液位は、センサ400aに向かって、エミッタ400bの一方及び/又は他方によって放射された光ビームの通常の光学経路の上方に延びるということが知られるであろう。その後、上記ビームの一方及び/又は他方は、バイアルを通過するときに液体によって屈折されるため、関連する光学センサ400aには到達しない。逆に、液位が、上記光ビームの一方又は他方の上記通常の光学経路超えて低下する場合、上記光ビームは、したがって、実質的に偏向を受けず、関連する光学センサ400aは光ビームを受信する。言い換えれば、各フォトトランジスタ400aのエミッタとコレクタとの間を移動する電流の流れは、上記フォトトランジスタの位置に対するバイアル内の液位に依存する。したがって、制御モジュール450は、センサ400aの電流の流れを所与の閾値と比較することによって、液位がこれらのセンサの位置を上回るか又は下回るかを判定することが可能である。より正確には、センサ400aのうちの1つの電流の流れが、所与の閾値を上回る場合、制御モジュール450は、次いで、バイアル220が実質的に空であると結論を下すことができる。センサ400aの各々の電流の流れが、所与の閾値を下回る場合、制御モジュール450は、逆に、バイアル220がまだ十分な液体を含有すると結論を下すことができる。
【0097】
したがって、プラグ210及びバイアル220の方向に関係なく、センサ-エミッタ対のうちの少なくとも1つは、バイアル220の充填状態の検出を可能にすることができるということが知られるであろう。更に、図1図3の実施形態とは逆に、検出システムの全ての動作は、リモートコンピュータサーバの領域ではなく、取得ユニット300の領域で行われる。
【0098】
制御モジュール450のマイクロコントローラによって、バイアル220内の不十分な液位が検出されると、制御モジュール450は、バイアル220が空であり、交換するか、又は補充する必要があることを示す光信号を放射する、光源440を制御する。同時に、制御モジュール450は、バイアルの空の状態を示し、バイアルの充填命令を含有する通知を、電話800に向かって発する、無線送信モジュール460を制御する。
【0099】
上記の説明は、バイアルの画像を取得するための取得ユニットを拡散器に追加し、バイアル内に残っている製品の量を判定するために、処理ユニットを用いて上記画像を処理し、ユーザに上記量の通知を提供することによって、拡散器の継続的な使用を可能にするために、拡散器の上記ユーザが、拡散器バイアルを空であるときに交換することができ、バイアルが空である前に詰め替え品を注文することができるようにするシステムを提案することによって、本発明がどのように、対処する目的を達成することが可能になるかを明確に説明している。
【0100】
いずれにせよ、本発明は、本文書に具体的に説明された実施形態に限定されず、特に、全ての等価な手段及び上記手段の任意の技術的に可能な組み合わせに及ぶ。特に、記載されているもの以外の他の種類の拡散器、具体的には、超音波拡散器、又はまさに非電気拡散器、又は、フェロモンに基づく組成物以外の他の種類の製品に関連付けられた拡散器、具体的には、殺虫剤、防虫剤、消毒剤、防腐剤、カビ防止剤、芳香剤、精油、消臭剤、又は空気清浄剤のための拡散器を装備することを検討することが可能である。また、取得ユニットが、拡散器に統合されるために提供され得る。引用されたもの以外の解決策もまた、処理ユニットが、バイアルの充填レベル、特に他の種類の分類子、又は、まさに回帰器、若しくは画像処理アルゴリズムまでも、判定することを可能にするものであり得る。また、説明されたもの以外の種類の光学センサ、具体的には、赤外線とは異なる波長で動作する、エミッタ-レシーバに基づくセンサの使用を、想定することも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】