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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】レンズ挟持デバイス
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/00 20060101AFI20230712BHJP
   B25J 17/02 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
B25J15/00 C
B25J17/02 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574442
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 CN2020138410
(87)【国際公開番号】W WO2021258687
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】202010581002.X
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522074040
【氏名又は名称】アクセリンク テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】522469475
【氏名又は名称】チャイナ インフォメーション コミュニケーション テクノロジーズ グループ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イン,ファリン
(72)【発明者】
【氏名】チュ,シージェ
(72)【発明者】
【氏名】タン,シュウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヂォゥ,ユェン
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BT19
3C707DS01
3C707ES03
3C707ET08
3C707FS01
3C707NS22
(57)【要約】
本出願はレンズ挟持デバイスを提供する。レンズ挟持デバイスはベース;ベースとスライド可能に接続され、かつベースに対して第一方向に沿って移動し得るスライド機構;スライド機構に接続され、かつ第二方向に沿って相対的に離れ及び接近し得る第一挟持部材及び第二挟持部材を含む伝動機構であって、第二方向は第一方向に垂直である、伝動機構;及び、第一方向に沿うスライド機構の一端に固定接続され、かつレンズを吸引するために用いられる吸引ノズルを含み、吸引ノズルは第一挟持部材と第二挟持部材との間に位置し、第一挟持部材及び第二挟持部材は相対的に接近してレンズの第二方向上の変位を制限し得る。本出願におけるレンズ挟持デバイスは2つの方向の位置制限により、レンズ挟持デバイスがレンズをピックアップする際の信頼性を向上させることができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズをピックアップするために用いられるレンズ挟持デバイスであって、
ベース;
前記ベースとスライド可能に接続され、かつ前記ベースに対して第一方向に沿って移動し得るスライド機構;
前記スライド機構に接続され、かつ第二方向に沿って相対的に離れ及び接近し得る第一挟持部材及び第二挟持部材を含む伝動機構であって、前記第二方向は前記第一方向に垂直である、伝動機構;及び
前記第一方向に沿う前記スライド機構の一端に固定接続され、かつ前記レンズを吸引するために用いられる吸引ノズルを含み、
前記吸引ノズルは前記第一挟持部材と前記第二挟持部材との間に位置し、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材は相対的に接近することで前記レンズの前記第二方向における変位を制限し得るように構成される、レンズ挟持デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズ挟持デバイスであって、
前記伝動機構は、さらに、
前記スライド機構に接続され、前記第二方向に沿って前記スライド機構の一方側に位置し、かつ前記スライド機構に対して移動し得る第一移動部材であって、前記第一移動部材は前記第一挟持部材の一端に隣接する、第一移動部材;
前記スライド機構に接続され、前記第二方向に沿って前記スライド機構の前記一方側に相対する他方側に位置し、かつ前記スライド機構に対して移動し得る第二移動部材であって、前記第二移動部材は前記第二挟持部材の一端に隣接する、第二移動部材;
前記第一挟持部材の他端と、前記スライド機構との間に設置される第一復元部材;
前記第二方向に沿って前記第一復元部材と間隔を空けて設置され、かつ前記第二挟持部材の他端と、前記スライド機構との間に位置する第二復元部材を含み、
前記第一移動部材及び前記第二移動部材は同じ速度で反対方向に移動して、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が相対的に接近するように押し得るように構成され、
前記第一復元部材及び前記第二復元部材は前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が相対的に接近するにつれて、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が相対的に離れるようにさせる復元力を生成し得る、レンズ挟持デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載のレンズ挟持デバイスであって、
前記第一移動部材は前記スライド機構と回転可能に接続される第一接続ロッドであり、前記第二移動部材は前記スライド機構と回転可能に接続される第二接続ロッドである、レンズ挟持デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のレンズ挟持デバイスであって、
前記ベースと、前記スライド機構の前記一端に相対する他端との間に設置される弾性要素をさらに含み、
前記弾性要素は前記ベース及び前記スライド機構の両方に接続される、レンズ挟持デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載のレンズ挟持デバイスであって、
前記ベースに接続され、かつ前記スライド機構の前記他端に位置するロッキングロッドをさらに含み、
前記ロッキングロッドは前記第一方向に沿って前記吸引ノズルに接近する方向に移動して、前記スライド機構が前記ベースに対して移動することを制限し得るように構成される、レンズ挟持デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のレンズ挟持デバイスであって、
前記ベースには前記第一方向に沿って延伸するスライド溝が設置され、
前記スライド機構は第一スライドブロックと、前記第一スライドブロックに固定接続される第二スライドブロックとを含み、
前記第一スライドブロックは前記スライド溝に沿って前記第一方向にスライドし得るように構成され、
前記ロッキングロッドは前記吸引ノズルを離れる前記スライド溝の一端に接続され、
前記ロッキングロッドは、前記第一方向に沿って前記吸引ノズルに接近する方向に移動して前記第二スライドブロックの一端に接触し、前記第二スライドブロックが前記第一方向に沿って前記吸引ノズルに接近する方向に移動するように押すことで、前記ロッキングロッドを離れる前記第一スライドブロックの一端が前記吸引ノズルに接近する前記スライド溝の一端に当接するようにさせる、レンズ挟持デバイス。
【請求項7】
請求項2に記載のレンズ挟持デバイスであって、
前記第一復元部材及び前記第二復元部材は何れも圧縮ばねであり、
前記第一挟持部材に接近する前記スライド機構の前記他端には第一突起が設置され、
前記第二挟持部材に接近する前記スライド機構の前記他端には第二突起が設置され、
前記第一復元部材は前記第一突起に套設され、前記第二復元部材は前記第二突起に套設され、
前記第一復元部材及び前記第二復元部材は常に圧縮状態にある、レンズ挟持デバイス。
【請求項8】
請求項6に記載のレンズ挟持デバイスであって、
前記スライド機構は第一位置制限部材及び第二位置制限部材をさらに含み、
前記第一位置制限部材及び前記第二位置制限部材は何れも前記第二スライドブロックに固定接続され、かつそれぞれ、前記第二スライドブロックを離れる前記第一移動部材及び前記第二移動部材の一方側に位置し、前記第一移動部材及び前記第二移動部材の移動を制限し得るように構成される、レンズ挟持デバイス。
【請求項9】
請求項3に記載のレンズ挟持デバイスであって、
駆動装置をさらに含み、
前記駆動装置は前記第一接続ロッドに隣接して設置される第一駆動装置を含み、前記第一駆動装置は前記第一接続ロッドが回転するように駆動するために用いられ、
前記駆動装置は前記第二接続ロッドに隣接して設置される第二駆動装置をさらに含み、前記第二駆動装置は前記第二接続ロッドが回転するように駆動するために用いられる、レンズ挟持デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載のレンズ挟持デバイスであって、
前記第一駆動装置は前記第一接続ロッドの一端に隣接する第一駆動ロッドを含み、前記第一駆動ロッドは前記第一方向に沿って前記第一接続ロッドに接近する方向に移動して、前記第一接続ロッドが回転するように押し、及び、前記第一方向に沿って前記第一接続ロッドを離れる方向に移動して、第一接続ロッドとの接触を解除し得るように構成され、
前記第二駆動装置は前記第二接続ロッドの一端に隣接する第二駆動ロッドを含み、前記第二駆動ロッドは前記第一方向に沿って前記第二接続ロッドに接近する方向に移動して、前記第二接続ロッドが回転するように押し、及び、前記第一方向に沿って前記第二接続ロッドを離れる方向に移動して、第二接続ロッドとの接触を解除し得るように構成され、
前記第一駆動ロッド及び前記第二駆動ロッドの両方に接続される駆動源がさらにあり、前記駆動源は前記第一駆動ロッド及び前記第二駆動ロッドが前記第一方向に沿って往復移動するように駆動するために用いられる、レンズ挟持デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載のレンズ挟持デバイスであって、
前記吸引ノズルは前記第一挟持部材と前記第二挟持部材との間に位置し、
前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材は相対的に接近して前記レンズを挟持し、及び、相対的に離れて前記レンズをリリースし得るように構成される、レンズ挟持デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月23日に中国専利局に出願した、出願番号が202010581002.Xである中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
【0002】
本出願は、光通信デバイスの技術分野に関し、特に、レンズ挟持デバイス(lens clamping device)に関する。
【背景技術】
【0003】
レンズ挟持デバイスはレンズをピックアップすることを実現し得る光学デバイスである。関連するレンズ挟持デバイスはブラケット及びブラケットに接続されるピックアップ構造を含み、ブラケットはピックアップ領域内で移動することで、ピックアップ構造がレンズに近づいてレンズをピックアップするようにさせることができる。
【0004】
関連するピックアップ構造は吸着式及び挟持式を含む。関連する吸着式ピックアップ構造は真空吸引ノズルを含み、吸引ノズルの吸引力によってレンズに対しての吸引を実現し得る。しかし、吸引されたレンズは連続的な高速動作(移動)中に偏移(ズレ)が生じ得るので、ピックアップの信頼性が不十分になる場合がある。また、関連する挟持式ピックアップ構造は2つの対向設置のクランピングジョーを含み、一方では、クランピングの信頼性を確保するために、構造設計が複雑になり、かつレンズが小さいほど、クランピングジョーの加工精度への要求が高くなり、他方では、レンズに対してクランピング又はリリースを行う過程において、1つのクランピングジョーが固定されて位置決めの役割を果たし、かつもう1つのクランピングジョーがクランピング又はリリースの制御を行うようにさせ、2つのクランピングジョーのクランピング及びリリースの動作によって、レンズが受ける作用力が不均一になって偏移が生じ得るので、接着剤によるレンズの硬化効果(curing effect)に影響を与え、レンズの歩留まりを低下させる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の実施例は、レンズ挟持デバイスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の実施例によれば、レンズ挟持デバイスが提供され、それは、
ベース;
前記ベースとスライド可能に接続され、かつ前記ベースに対して第一方向に沿って移動し得るスライド機構;
前記スライド機構に接続され、かつ第二方向に沿って相対的に離れ及び接近し得る第一挟持部材及び第二挟持部材を含む伝動機構(transmission mechanism)であって、前記第二方向は前記第一方向に垂直である、伝動機構;
前記第一方向に沿う前記スライド機構の一端に固定接続され、かつ前記レンズを吸引するために用いられる吸引ノズルを含み、
そのうち、前記吸引ノズルは前記第一挟持部材と前記第二挟持部材との間に位置し、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材は相対的に接近することで前記レンズの前記第二方向上の変位を制限し得る。
【0007】
また、前記伝動機構はさらに、
前記スライド機構に接続され、前記第二方向に沿って前記スライド機構の一方側に位置し、かつ前記スライド機構に対して移動し得る第一移動部材であって、前記第一移動部材は前記第一挟持部材の一端に隣接する、第一移動部材;
前記スライド機構に接続され、前記第二方向に沿って前記スライド機構の前記一方側に相対する他方側に位置し、かつ前記スライド機構に対して移動し得る第二移動部材であって、前記第二移動部材は前記第二挟持部材の一端に隣接する、第二移動部材;
前記第一挟持部材の他端と、前記スライド機構との間に設置される第一復元部材;
前記第二方向に沿って前記第一復元部材と間隔を空けて設置され、かつ前記第二挟持部材の他端と、前記スライド機構との間に位置する第二復元部材を含み、
前記第一移動部材及び前記第二移動部材は、同じ速度で反対方向に沿って移動することで、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が相対的に接近するよう押し、前記第一復元部材及び前記第二復元部材は、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が相対的に接近するにつれて、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が相対的に離れるようにさせる復元力を生成し得る。
【0008】
また、前記第一移動部材は前記スライド機構と回転可能に接続される第一接続ロッドであり、前記第二移動部材は前記スライド機構と回転可能に接続される第二接続ロッドである。
【0009】
また、前記レンズ挟持デバイスはさらに、前記ベースと、前記スライド機構の前記一端に相対する他端との間に設置される弾性要素を含み、前記弾性要素は前記ベース及び前記スライド機構の両方に接続される。
【0010】
また、前記レンズ挟持デバイスはさらに、前記ベースに接続され、かつ前記スライド機構の前記他端に位置するロッキングロッドを含み、前記ロッキングロッドは前記第一方向に沿って前記吸引ノズルに接近する方向に移動することで、前記スライド機構が前記ベースに対して移動することを制限し得る。
【0011】
また、前記ベースには前記第一方向に沿って延伸するスライド溝が設置され、前記スライド機構は第一スライドブロック及び前記第一スライドブロックに固定接続される第二スライドブロックを含み、前記第一スライドブロックは前記スライド溝に沿って前記第一方向にスライド可能であり、前記ロッキングロッドは、前記吸引ノズルを離れる前記スライド溝の一端に接続され、そのうち、前記ロッキングロッドは、前記第一方向に沿って前記吸引ノズルに接近する方向に移動し、前記第二スライドブロックの一端に接触し、かつ前記第二スライドブロックが前記第一方向に沿って前記吸引ノズルに接近する方向に移動するように押すことで、前記ロッキングロッドを離れる前記第一スライドブロックの一端が前記吸引ノズルに近い前記スライド溝の一端に当接するようにさせ得る。
【0012】
また、前記第一復元部材及び前記第二復元部材は何れも圧縮ばねであり、第一挟持部材に接近する前記スライド機構の前記他端には第一突起が設置され、第二挟持部材に接近する前記スライド機構の前記他端には第二突起が設置され、前記第一復元部材は前記第一突起に套設され、前記第二復元部材は前記第二突起に套設され、そのうち、前記第一復元部材及び前記第二復元部材は常に圧縮状態にある。
【0013】
また、前記スライド機構はさらに、第一位置制限部材及び第二位置制限部材を含み、前記第一位置制限部材及び前記第二位置制限部材は何れも前記第二スライドブロックに固定接続され、かつそれぞれ、前記第二スライドブロックを離れる前記第一移動部材及び前記第二移動部材の一方側に位置することで、前記第一移動部材及び前記第二移動部材の移動を制限し得る。
【0014】
また、前記レンズ挟持デバイスはさらに駆動装置を含み、前記駆動装置は前記第一接続ロッドに隣接して設置される第一駆動装置を含むことで、前記第一接続ロッドが回転するように駆動し、また、前記第二接続ロッドに隣接して設置される第二駆動装置をさらに含むことで、前記第二接続ロッドが回転するように駆動し得る。
【0015】
また、前記第一駆動装置は前記第一接続ロッドの一端に隣接する第一駆動ロッドを含み、前記第一駆動ロッドは、前記第一方向に沿って前記第一接続ロッドに接近する方向に移動することで、前記第一接続ロッドが回転するように押し、かつ、前記第一方向に沿って前記第一接続ロッドを離れる方向に移動することで、第一接続ロッドとの接触を解除することができ、前記第二駆動装置は前記第二接続ロッドの一端に隣接する第二駆動ロッドを含み、前記第二駆動ロッドは前記第一方向に沿って前記第二接続ロッドに接近する方向に移動することで、前記第二接続ロッドが回転するように押し、かつ、前記第一方向に沿って前記第二接続ロッドを離れる方向に移動することで、第二接続ロッドとの接触を解除することができる。また、駆動源がさらに含まれ、前記駆動源は前記第一駆動ロッド及び前記第二駆動ロッドに接続されることで、前記第一駆動ロッド及び前記第二駆動ロッドが前記第一方向に沿って往復移動するように駆動し得る。
【0016】
また、前記吸引ノズルは前記第一挟持部材と前記第二挟持部材との間に位置し、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材は相対的に接近することで前記レンズを挟持し、かつ、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材は相対的に離れることで前記レンズをリリースすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本出願によれば、ベース、スライド機構、伝動機構及び吸引ノズルを含むレンズ挟持デバイスが提供される。そのうち、伝動機構は第二方向に沿って相対的に離れ及び接近し得る第一挟持部材及び第二挟持部材を含み、吸引ノズルは第一挟持部材と第二挟持部材との間に位置し、第一挟持部材及び第二挟持部材は相対的に接近することでレンズの前記第二方向上の変位を制限できる。本出願によるレンズ挟持デバイスは、吸引ノズルがレンズを吸引する方式で、吸引ノズルに対してのレンズの第一方向上の移動を制限し、また、第一挟持部材及び第二挟持部材がレンズをクランピングする方式で、第一挟持部材及び第二挟持部材に対してのレンズの第二方向上の移動を制限できる。この2つの方向の位置制限によって、レンズ挟持デバイスがレンズをピックアップする際の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本出願の実施例又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に使用される必要のある図面について簡単に説明する。
図1】相関するレンズ挟持デバイスのワーキング原理を示す図である。
図2a】本出願の実施例におけるレンズ挟持デバイスの1つの視点下での立体構造を示す図である。
図2b】本出願の実施例におけるレンズ挟持デバイスのもう1つの視点下の立体構造を示す図である。
図3】本出願の実施例におけるレンズ挟持デバイスの部分構造を示す図である。
図4a】本出願の実施例におけるレンズ挟持デバイスの構造の正面図である。
図4b】本出願の実施例におけるレンズ挟持デバイスの構造の背面図である。
図5a】もう1つのレンズ挟持デバイスの伝動機構の局所構造を示す図である。
図5b】もう1つのレンズ挟持デバイスの伝動機構の局所構造を示す図である。
図6a】本出願の実施例におけるレンズ挟持デバイスのベースの立体構造を示す図である。
図6b】本出願の実施例におけるレンズ挟持デバイスのスライド機構の立体構造を示す図である。
図6c】本出願の実施例におけるレンズ挟持デバイスのベース及びスライド機構のアセンブリの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本出願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例に基づいて本出願についてさらに詳しく説明する。なお、ここで説明される具体的な実施例は、本出願を解釈するためにのみ用いられ、本出願を限定するものではない。
【0020】
具体的な実施例で説明される各具体的な技術的特徴は、矛盾がない限りに、任意の適切な方式で組み合わせることができ、例えば、異なる具体的な技術的特徴の組み合わせにより、異なる実施例及び技術案を形成できる。また、不必要な重複を避けるために、本出願における各具体的な技術的特徴の組み合わせ可能な方式についての網羅的な説明を省略する。
【0021】
以下の説明では、“第一/第二”という用語は異なる対象(オブジェクト)を区別するためにのみ使用され、両者間に類似性や関連性があることを意味しない。“接続”という用語は、特段の説明がない限り、直接接続及び間接接続の両方を含む。また、“第一方向”という用語は、スライド機構の長さの延伸方向を表す。
【0022】
なお、“包括する”、“含む”又はその任意の他のバリエーションは、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、これによって、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、これらの要素だけでなく、明示的に列挙されてない他の要素、又は、このようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をも含む。また、更なる制限がない場合、“……を含む”という語句によって限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に他の同じ要素がさらに存在することを排除しない。
【0023】
本出願の実施例によれば、レンズ挟持デバイスが提供され、それはレンズのピックアップのために用いることができる。なお、レンズの類型(type)が限られない。該挟持装置は工場の生産ワークショップにおけるツーリングクランプに適用てきる。なお、本出願の適用シーンのタイプは本出願のレンズ挟持デバイスを限定しない。
【0024】
以下、図1を参照しながら、相関するレンズ挟持デバイス1のワーキング原理を例示的に説明する。挟持装置は真空吸引ノズル11及び該真空吸引ノズル11の一端に固定接続されるブラケット12を含み、ブラケット12はガイド構造の制御によってピックアップ領域内で水平方向又は垂直方向の移動を行い、それに応じて真空吸引ノズル11が移動するようにさせることができる。これにより、真空吸引ノズル11はレンズWに接近し、ブラケット12を離れる真空吸引ノズル11の一端がレンズWの表面に接触すると、真空吸引ノズル11は真空吸着の方式で、レンズWが落下しないようにレンズWをピックアップすることで、レンズ挟持デバイスがレンズWをピックアップするプロセスを実現し得る。
【0025】
本出願の実施例において、図2a及び図2bに示すように、レンズ挟持デバイスはベース2、スライド機構3、伝動機構4及び吸引ノズル5を含む。ベース2は固定され不動であり、スライド機構3はベース2とスライド可能に接続され、スライド機構3はベース2に対して第一方向に沿って移動し得る。具体的には、第一方向とは、スライド機構3の長さの延伸方向(図2a及び図2bに示すような垂直方向)を指し、スライド機構3は第一方向に沿って所定の範囲内でベース2に対してスライドできる。
【0026】
図3及び図4aに示すように、伝動機構4はスライド機構3に接続される。具体的には、伝動機構4はスライド機構3の移動に伴ってベース2に対して第一方向に移動できる。伝動機構4は第二方向に沿って相対的に離れ及び接近し得る第一挟持部材41及び第二挟持部材42を含み、そのうち、第二方向は第一方向に垂直である。具体的には、第二方向は図4aに示す水平方向であり、第一挟持部材41及び第二挟持部材42の構造は本体及びクランピングジョーを含み、本体及びクランピングジョーは一体成形されても良く、本体は略矩形体であっても良い、ベース2を離れる本体の一端から伸ばしている部分はクランピングジョーである。第一挟持部材41及び第二挟持部材42は対向設置されても良く、即ち、第一挟持部材41はスライド機構3の一方側(図3に示すような右側)とスライド可能に接続され、第二挟持部材42はスライド機構3の相対する他方側(図3に示すような左側)とスライド可能に接続され、第一挟持部材41及び第二挟持部材42は何れも第二方向に沿って所定の範囲内でスライドでき、かつ両者のスライド方向は相反し、即ち、前述の相対的に離れ及び接近し得ることである。第一挟持部材41及び第二挟持部材42は相対的に接近することで、2つのクランピングジョーがレンズWに接触してレンズWをクランピングし得るようにさせ、レンズWはクランピングジョーとの間の摩擦力によって落下することがない。第一挟持部材41及び第二挟持部材42は相対的に離れることで、レンズWをリリースできる。第一挟持部材41及び第二挟持部材42のクランピングジョーの末端の高さが略同じであり、これによって、第一挟持部材41及び第二挟持部材42の位置の偏移が原因でレンズWをクランピングするときに生じる挟持力の偏斜(偏り)を効果的に減少させることで、レンズWが落下するリスクを低減できる。
【0027】
図4aに示すように、吸引ノズル5は第一方向に沿うスライド機構3の一端に固定接続され、レンズWを吸引するために用いられる。具体的には、吸引ノズル5は真空吸引ノズルであっても良く、吸引ノズル5はスライド機構3の駆動によって第一方向に沿ってベース2に対して往復移動でき、吸引ノズル5は第一方向に沿ってレンズWに接近する方向に移動し、吸引ノズル5の末端に至ってレンズWに接触し、そして、真空吸引力によりレンズWを吸着することで、レンズWが落下しないようにさせることができる。言い換えれば、吸引力は吸引ノズル5に対するレンズWの第一方向上の移動を制限できる。
【0028】
図4aに示すように、吸引ノズル5は第一挟持部材41と第二挟持部材42との間に位置する。具体的には、第一挟持部材41及び第二挟持部材42は吸引ノズル5に関して対称設置され、第一挟持部材41のクランピングジョーは第二方向に沿って吸引ノズル5の一方側に設置され、第二挟持部材42のクランピングジョーは第二方向に沿って吸引ノズル5の相対する他方側に設置される。第一挟持部材41及び第二挟持部材42は相対的に接近することで、レンズWの第二方向上の変位を制限できる。具体的には、吸引ノズル5はレンズWを吸引し、第一挟持部材41及び第二挟持部材42は、第一挟持部材41及び第二挟持部材42のクランピングジョーがレンズWに接触するまで、吸引ノズル5の両側から徐々にレンズWに対して接近する。第一挟持部材41及び第二挟持部材42のクランピングジョーの末端からピックアップ平台の表面までの高さが、吸引ノズル5の末端からピックアップ平台の表面までの高さ以下であり、このようにして、吸引ノズル5がレンズWを吸引した後に、第一挟持部材41及び第二挟持部材42が第二方向に沿って相対的に接近する過程で第一挟持部材41及び第二挟持部材42のクランピングジョーはレンズWに接触してレンズWをクランピングできる。逆に、第一挟持部材41及び第二挟持部材42は吸引ノズル5の両側から次第にレンズWから離れることで、クランピングされているレンズWをリリースできる。
【0029】
吸引ノズル5の吸着作用は、レンズWが第一方向に沿って吸引ノズル5に対して移動することを制限し、第一挟持部材41及び第二挟持部材42の挟持作用は、レンズWが第二方向に沿って第一挟持部材41及び第二挟持部材42に対して移動することを制限し得る。レンズWが第一方向に沿って吸引力の作用を受け、第二方向に沿って対向する挟持力の作用を受け、3つの方向の外力により保持されることで、レンズWはレンズ挟持デバイス全体に対して固定され不動である。これによって、レンズWが挟持される際の信頼性及び安定性を向上させることができる。また、レンズWの第一方向上の移動が先ず制限されるので、第一挟持部材41及び第二挟持部材42がレンズWに対して第二方向の位置制限を行うときに、第一挟持部材41及び第二挟持部材42の構造及び加工の精度への要求を低減し、吸引ノズル5により吸引されるレンズWに対して補助的クランピングを行うことができる。
【0030】
本出願の実施例では、レンズ挟持デバイスに第一挟持部材及び第二挟持部材を設け、かつ第一挟持部材と第二挟持部材との間に吸引ノズルを設置することで、吸引ノズルはレンズを吸引する方式を採用してレンズの第一方向での吸引ノズルに対する移動を制限し、また、第一挟持部材及び第二挟持部材はレンズをクランピングする方式を採用してレンズの第二方向での第一挟持部材及び第二挟持部材に対する移動を制限できる。2つの方向の位置制限により、レンズ挟持デバイスがレンズをピックアップする際の信頼性を効果的に向上させることができるため、レンズ挟持デバイスの連続的な高速移動中におけるレンズの偏移を低減できる。
【0031】
幾つかの実施例において、図4a及び図4bに示すように、伝動機構4は第一移動部材43及び第二移動部材44をさらに含む。具体的には、第一移動部材43及び第二移動部材44は外形及び構造が略同じであり、また、スライド機構3の対称中心線O′に関して対称設置され、かつ第二方向に沿ってスライド機構3の両側にそれぞれ配置される。図4aに示すのはレンズ挟持デバイスの正面図であり、第一移動部材43はスライド機構3に接続され、第二方向に沿ってスライド機構3の一方側に位置し、かつスライド機構3に対して移動でき、第一移動部材43は第一挟持部材41の一端に隣接する。具体的には、第一移動部材43がスライド機構3に対して移動する過程で、第一移動部材43は隣接する第一挟持部材41に接触することで、第一挟持部材41が第二方向に沿って吸引ノズル5に接近する方向に移動するようにさせることができる。図4bに示すのはレンズ挟持デバイスの背面図であり、第二移動部材44はスライド機構3に接続され、第二方向に沿ってスライド機構3の一方側に相対する他方側に位置し、かつスライド機構3に対して移動でき、第二移動部材44は第二挟持部材42の一端に隣接する。具体的には、第二移動部材44がスライド機構3に対して移動する過程で、第二移動部材44は隣接する第二挟持部材42に接触することで、第二挟持部材42が第二方向に沿って吸引ノズル5に接近する方向に移動するようにさせることができる。
【0032】
図4a及び図4bに示すように、第一移動部材43及び第二移動部材44は同じ速度で相反する方向に沿って移動することで、第一挟持部材41及び第二挟持部材42が相対的に接近するように押す。具体的には、移動速度が同じであり、かつ移動方向が相反する第一移動部材43及び第二移動部材44は、第一移動部材43及び第二移動部材44に接触する第一挟持部材41及び第二挟持部材42も同じ移動速度で相反する移動方向に移動するようにさせることができ、即ち、第一挟持部材41及び第二挟持部材42の同期移動を実現できる。第一挟持部材41及び第二挟持部材42はレンズWをクランピングする過程でレンズWに同時に接触し得る。これにより、第一挟持部材41及び第二挟持部材42がレンズWに接触する瞬間にレンズWの両側に与える力が不均一であることが原因で接着剤によって固定されているレンズWの偏移が生じることを効果的に低減し、レンズの歩留まりを向上させることができる。
【0033】
図4a及び図4bに示すように、伝動機構4は第一復元部材45及び第二復元部材46をさらに含む。具体的には、第一復元部材45及び第二復元部材46は何れも弾性要素であり、弾性の許容範囲内で外力の作用を受けて変形でき、また、外力の作用と反対の反力が発生することで、初期状態に復元できる。図4aに示すように、第一復元部材45は第一挟持部材41の他端とスライド機構3との間に設けられる。具体的には、第一復元部材45の一端がスライド機構3に接触し、第一復元部材45の相対する他端が第一挟持部材41に接触し、第一挟持部材41は吸引ノズル5に近づく方向に沿って移動する過程で、第一復元部材45を駆動して移動させ、第一復元部材45を徐々に圧縮させ得る。図4bに示すように、第二復元部材46は第二方向に沿って第一復元部材45と間隔を空けて設置され、かつ第二挟持部材42の他端とスライド機構3との間に位置する。具体的には、第二復元部材46の一端がスライド機構3に接触し、第二復元部材46の相対する他端が第二挟持部材42に接触し、第二挟持部材42は吸引ノズル5に近づく方向に沿って移動する過程で、第二復元部材46を駆動して移動させ、第二復元部材46を次第に圧縮させる。
【0034】
図4a及び図4bに示すように、第一復元部材45及び第二復元部材46は、第一挟持部材41及び第二挟持部材42が相対的に接近するにつれて、第一挟持部材41及び第二挟持部材42が相対的に離れるようにさせる復元力が発生し得る。具体的には、第一復元部材45及び第二復元部材46は圧縮されて変形が生じ、弾性力、即ち、前記の復元力が生じ得る。第一挟持部材41及び第二挟持部材42の移動方向が相反するため、第一復元部材45及び第二復元部材46が生じる復元力の方向は相反し、また、復元力は方向が第二方向であり、対応して第一挟持部材41及び第二挟持部材42に作用し、第一挟持部材41及び第二挟持部材42が相対的に離れ得るようにさせることで、レンズWに対してのリリースを実現できる。第一復元部材45及び第二復元部材46の弾性係数及び構造が略同じであるため、第一挟持部材41及び第二挟持部材42が第一復元部材45及び第二復元部材46からの同じ大きさの復元力を受けることで、第一挟持部材41及び第二挟持部材42の同期移動を実現できる。第一挟持部材41及び第二挟持部材42はレンズWをリリースする過程でレンズWから同時に離れることができる。これにより、第一挟持部材41及び第二挟持部材42がレンズWから離れる瞬間にレンズWの両側が受ける力が不均一になることが原因で接着剤によって固定されているレンズWの偏移が発生することを効果的に低減し、レンズの歩留まりを向上させることができる。
【0035】
例示的な実施例において、図4a及び図4bに示すように、第一復元部材45及び第二復元部材46は何れも圧縮ばねであり、スライド機構3が第一挟持部材41に接近する他端には第一突起33が設けられ、スライド機構3が第二挟持部材42に接近する他端には第二突起34が設けれ、第一復元部材45は第一突起33に套設され、第二復元部材46は第二突起34に套設される。具体的には、第一突起33及び第二突起34は略円柱体であっても良く、両者の構造のサイズは略同じであり、かつ長さの延伸方向は第二方向である。第一突起33及び第二突起34の長さが第一復元部材45及び第二復元部材46の極限圧縮状態における長さよりも小さいため、極限圧縮状態下で第一挟持部材41及び第二挟持部材42が第一突起33及び第二突起34に接触して部材に損傷を与えることを防止できる。第一突起33及び第二突起34の外径が第一復元部材45及び第二復元部材46の内径よりも少し小さいため、第一復元部材45及び第二復元部材46が第一突起33及び第二突起34に套設され、かつ第一復元部材45及び第二復元部材46が径方向に沿って移動することが制限されるようにさせることができる。
【0036】
図4a及び図4bに示すように、第一復元部材45及び第二復元部材46は常に圧縮状態にある。具体的には、レンズWをリリースしており、又は、非挟持状態にある第一挟持部材41及び第二挟持部材42は、外力の作用がない場合、行ったり来たり(back and forth)するようにスライドし、吸引ノズル5に触れ、吸引ノズル5を破損させる恐れがある。常に圧縮状態にある第一復元部材45及び第二復元部材46は、その復元力によって、第一挟持部材41及び第二挟持部材42の移動を制限できる。
【0037】
移動速度が同じであり、かつ移動方向が相反する第一移動部材及び第二移動部材を設置することで、駆動力の段階的な伝達を効果的に実現し、第一挟持部材及び第二挟持部材がレンズに同時に接近してレンズに対してのクランピングを完了するようにさせることができ、また、第一復元部材及び第二復元部材を設置することで、復元部材の伝動方式が便利になり、第一挟持部材及び第二挟持部材がレンズから同時に離れてレンズに対してのリリースを完了するようにさせることができる。該伝動機構は、レンズをピックアップする際の信頼性を効果的に高めることができるだけでなく、レンズの歩留まりを向上させることもできる。
【0038】
他の幾つかの実施例において、伝動機構4は他の配置方式をさらに有し得る。例えば、図5aに示すように、第一移動部材43は第二方向に沿ってスライド機構3に対して移動することで、第一挟持部材41を駆動して第二方向に沿って移動させ、かつ第一復元部材45に、第一挟持部材41の移動と反対の復元力を生じさせることができる。なお、第二移動部材44の移動原理は第一移動部材43と同じであるため、ここではその詳しい説明を省略する。また、図5bに示すように、第一移動部材43はスライド機構3に対して回転することで、第一挟持部材41を押して第二方向に沿って移動させ、かつ第一復元部材45に、第一挟持部材41の移動と反対の復元力を生じさせることができる。
【0039】
幾つかの実施例において、図4a及び図4bに示すように、第一移動部材43はスライド機構3と回転可能に接続される第一接続ロッド431であり、第二移動部材44はスライド機構3と回転可能に接続される第二接続ロッド441である。具体的には、第一接続ロッド431及び第二接続ロッド441は略L字型の接続ロッドであっても良く、接続ロッドのコーナーは何れもスライド機構3と回転可能に接続され、第一接続ロッド431及び第二接続ロッド441は接続点の周りで相反する方向に回転し、第一接続ロッド431及び第二接続ロッド441の末端は第一挟持部材41及び第二挟持部材42が第二方向に沿って相対的に接近するように押す。第一移動部材及び第二移動部材を接続ロッドと設置することで、効果的な伝動が実現され得るとともに、構造が小型軽量であり、取り付け及び取り外しが容易である。
【0040】
幾つかの実施例において、図3に示すように、レンズ挟持デバイスはさらに、ベース2と、スライド機構3の一端と相対する他端との間に設置される弾性要素6を含み、弾性要素6はベース2及びスライド機構3の両方に接続される。具体的には、弾性要素6は引張ばね又は圧縮ばねであっても良く、例示的な実施例において弾性要素6は引張ばねであり、弾性要素6は第一方向に沿って配置され、その一端がベース2に接続され、相対する他端がスライド機構3に接続される。弾性要素6は、スライド機構3及びベース2が弾性接続を形成するようにさせ、スライド機構3自身の重力と、引張ばねが生み出す引っ張り力とは釣り合いを保っている。弾性要素6を設置することで、レンズ挟持デバイスがレンズWに接触する瞬間に弾性緩衝の方式でレンズWへの衝撃及び破壊を減少させることができる。
【0041】
幾つかの実施例において、図3に示すように、レンズ挟持デバイスはさらに、ベース2に接続され、かつスライド機構3の他端に位置するロッキングロッド7をさらに含み、ロッキングロッド7は第一方向に沿って吸引ノズル5に近づく方向に移動することで、スライド機構3がベースに対して移動することを制限できる。具体的には、ロッキングロッド7は略円柱体を有するロッド状のものであり、ベース2とスライド可能に接続されても良く、ロッキングロッド7は第一方向に沿ってベース2に対して往復移動できる。スライド機構3及びベース2が弾性接続状態にあるときに、ロッキングロッド7は第一方向に沿って吸引ノズル5に接近する方向に移動し、ロッキングロッド7の末端は、スライド機構3がベース2に対して相対的に静止するようになるまで、スライド機構3に近づいてスライド機構3を持続的に押して第一方向に沿って所定の範囲内で移動させることができ、このときに、スライド機構3とベース2との間は弾性接続から剛性接続に切り替わる。このようにして、連続的な高速移動の過程で、スライド機構3は、吸引ノズル5がレンズWを吸引するようにさせるときに、第一方向に沿って前後(back and forth)に往復移動することがないので、レンズWをより正確かつ迅速に吸引させることができる。
【0042】
幾つかの実施例において、図6a及び図6bに示すように、ベース2には前記第一方向に沿って延伸するスライド溝21が設けられる。図6aに示すように、スライド溝21は第一方向に沿って対向設置される2つの溝イーヴ(eave)211、即ち、第一溝イーヴ2111及び第二溝イーヴ2112を有し、また、2つの溝イーヴ211を接続する接続部212をさらに有し、接続部212には第一方向に沿ってガイド溝2121が設置される。図6bに示すように、スライド機構3は第一スライドブロック31及び第一スライドブロックに固定接続される第二スライドブロック32を有し、第一スライドブロック31はスライド溝21に沿って第一方向にスライドできる。具体的には、第一スライドブロック31とガイド溝2121の幅が合致しており、ここで、幅とは、部材の端面間の第二方向に沿う距離を指す。第一スライドブロック31がガイド溝2121においてスライドし得るようにさせることで、それに固定接続される第二スライドブロック32が第一方向に沿ってベース2に対して移動するようにさせることができる。
【0043】
図6cに示すように、ロッキングロッド7は吸引ノズル5を離れるスライド溝21の一端に接続され、ロッキングロッド7は第一方向に沿って吸引ノズル5に近づく方向に移動し、第二スライドブロック32の一端に接触することで、第二スライドブロック32が第一方向に沿って吸引ノズル5に接近する方向に移動するようにさせ、ロッキングロッド7を離れる第一スライドブロック31の一端が吸引ノズル5に接近するスライド溝21の一端に当接するようにさせることができる。具体的には、ロッキングロッド7はスライド溝21の第一溝イーヴ2111に設置され、かつ第一溝イーヴ2111とスライド可能に接続され、ロッキングロッド7は、ロッキングロッド7に接近する第二スライドブロック32の端面に接触するまで、第一方向に沿って吸引ノズル5に接近する方向に移動し、そして、ロッキングロッド7は引き続き元の方向に沿って移動することで、第二スライドブロック32が移動するように押し、第二スライドブロック32は、それに固定接続される第一スライドブロック31をガイド溝2121に沿って移動させることで、吸引ノズル5に接近する第一スライドブロック31の一端の端面が第二溝イーヴ2112の端壁面(end wall surface)と当接を形成するようにさせる。なお、当接とは密接な接触を指し、これによって、当接する2つの物体の或る方向での相対的移動を制限する。このような当接の方式でスライド機構3とベース2の移動を制限することにより、スライド機構3とベース2の剛性接続を実現できる。
【0044】
ベースにスライド溝を設置し、かつスライド機構を2つのスライドブロックに分けて設置することで、スライド機構がベースに対してスライドすることを実現できるだけでなく、スライド機構とベースとの接続状態が弾性接続から剛性接続に切り替わることも達成できる。よって、構造の設計が巧妙であり、かつ構造の配置方式が簡単であるため、優れた適応性を備える。
【0045】
幾つかの実施例において、図4a及び図4bに示すように、スライド機構3は第一位置制限部材35及び第二位置制限部材36をさらに含み、第一位置制限部材35及び第二位置制限部材36は何れも第二スライドブロック32に固定接続され、かつそれぞれ、第二スライドブロック32を離れる第一移動部材43及び第二移動部材44の一方側に位置することで、第一移動部材43及び第二移動部材44の移動を制限する。具体的には、第一位置制限部材35及び第二位置制限部材36は対称中心線O′に関して対称設置され、図4aに示すように、第一移動部材43が時計回り方向に回転するときに、第一位置制限部材35は第一移動部材43の連続回転(continuous rotation)を制限することで、第一移動部材43がレンズ挟持デバイスの他の部材に触れることを防止できる。なお、第二位置制限部材36は第一位置制限部材35と同様である。第一位置制限部材35及び第二位置制限部材36は所定のダンピング(certain damping)を有する弾性材料であっても良く、これによって、第一移動部材43及び第二移動部材44が第一位置制限部材35及び第二位置制限部材36に接触するときに緩衝作用を果たし、第一移動部材43及び第二移動部材44を破壊から保護できる。また、図4aに示すように、第一挟持部材41を例にすると、第一挟持部材41が第二方向に沿ってスライドして左側のストロークを超えようとするときに、第一挟持部材41の左端が第一移動部材43に触れることで、第一移動部材43が時計回り方向に回転するようにさせ得るが、第一位置制限部材35が第一移動部材43をブロッキングすることで、第一移動部材43が大範囲で回転することを不可能にし、言い換えれば、第一挟持部材41のスライドストロークが範囲を超えないように制限できる。同様に、第二位置制限部材36も、第二挟持部材42のスライドストロークが範囲を超えないように制限できる。
【0046】
スライド機構に位置制限部材を設けることにより、移動部材が非伝動状態にあるときに移動することを制限できるととも、移動部材に緩衝作用を提供することで衝撃や破壊を回避でき、また、挟持部材のスライドが範囲を超えないように制限することもできる。
【0047】
幾つかの実施例において、図4aに示すように、レンズ挟持デバイスは駆動装置8をさらに含み、駆動装置8は第一接続ロッド431に隣接して設置される第一駆動装置81を含むことで、第一接続ロッド431が回転するように駆動し、また、第二接続ロッド441に隣接して設置される第二駆動装置82をさらに含むことで、第二接続ロッド441が回転するように駆動する。具体的には、第一駆動装置81及び第二駆動装置82は第一接続ロッド431及び第二接続ロッド441に駆動力を提供することで、第一接続ロッド431及び第二接続ロッド441がスライド機構3に対して回転するようにさせることができ、伝動機構4の多段伝動を実現する動力源である。レンズ挟持デバイスに駆動装置を設置することで、動力が段階的に伝達され、これによって、挟持部材がスライド機構に対してスライドしてレンズをクランピングし得るようにさせることができる。
【0048】
幾つかの実施例において、図4aに示すように、第一駆動装置81は第一接続ロッド431の一端に隣接する第一駆動ロッド811を含み、第一駆動ロッド811は第一方向に沿って第一接続ロッド431に接近する方向に移動することで、第一接続ロッド431が回転するように押し、及び、第一方向に沿って第一接続ロッド431を離れる方向に移動することで、第一接続ロッド431との接触を解除できる。第二駆動装置82は第二接続ロッド441の一端に隣接する第二駆動ロッド821を含み、第二駆動ロッド821は第一方向に沿って第二接続ロッド441に接近する方向に移動することで、第二接続ロッド441が回転するように押し、及び、第一方向に沿って第二接続ロッド441を離れる方向に移動することで、第二接続ロッド441との接触を解除できる。駆動源は第一駆動ロッド811及び第二駆動ロッド821に接続されることで、第一駆動ロッド811及び第二駆動ロッド821が第一方向に沿って往復移動するように駆動できる。具体的には、駆動源は駆動ロッドに駆動力を提供することで、駆動ロッドが直線往復移動を行うようにさせる。駆動源は、1つあり、第一駆動ロッド811及び第二駆動ロッド821を共同で制御しても良く、又は、第一駆動源812及び第二駆動源822の2つあり、それぞれ、第一駆動ロッド811及び第二駆動ロッド821の移動を独立して制御しても良い。駆動源はシリンダーであっても良く、シリンダーは空気入口に接続されて空気動力を提供し、気動方式の駆動力は強力である。オプションとして、駆動源はさらにクランクシャフトと接続ロッド(crankshaft and connecting rod)のタイプであっても良く、クランクシャフトはモーターのローターに接続され、モーターはクランクシャフトが回転するようにさせ、接続ロッドは駆動ロッドが直線往復移動を行うようにさせる。
【0049】
駆動装置を駆動ロッド及びシリンダーとすることで、構造が簡単であり、占有スペースが小さく、かつ安定性及び信頼性が優れる。
【0050】
以上、本出願の好ましい実施例を説明したが、本出願はこのような実施例に限定されず、本出願の趣旨を離脱しない限り、本出願に対するあらゆる変更は本出願の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0051】
1-関連するレンズ挟持デバイス、11-真空吸引ノズル、12-ブラケット、2-ベース、21-スライド溝、211-溝イーヴ、2111-第一溝イーヴ、2112-第二溝イーヴ、212-接続部、2121-ガイド溝、3-スライド機構、31-第一スライドブロック、32-第二スライドブロック、33-第一突起、34-第二突起、35-第一位置制限部材、36-第二位置制限部材、4-伝動機構、41-第一挟持部材、42-第二挟持部材、43-第一移動部材、431-第一接続ロッド、44-第二移動部材、441-第二接続ロッド、45-第一復元部材、46-第二復元部材、5-吸引ノズル、6-弾性要素、7-ロッキングロッド、8-駆動装置、81-第一駆動装置、811-第一駆動ロッド、812-第一駆動源、82-第二駆動装置、821-第二駆動ロッド、822-第二駆動源、W-レンズ、O′-スライド機構の対称中心線。
図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
【国際調査報告】