(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】インピーダンスベースの腸管オルガノイド評価システム
(51)【国際特許分類】
C12M 1/34 20060101AFI20230712BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20230712BHJP
G01N 27/02 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
C12M1/34 A
C12Q1/02
G01N27/02 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574454
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 KR2021007470
(87)【国際公開番号】W WO2022025421
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0095263
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】301040648
【氏名又は名称】コーリア リサーチ インスティテュート オブ ケミカル テクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】505448855
【氏名又は名称】コリア リサーチ インスティテュート オブ バイオサイエンス アンド バイオテクノロジー
【氏名又は名称原語表記】KOREA RESEARCH INSTITUTE OF BIOSCIENCE AND BIOTECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オ ジョンファ
(72)【発明者】
【氏名】アン ジェファン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ソクジュ
(72)【発明者】
【氏名】ハン ヒョンユン
(72)【発明者】
【氏名】ソン ミヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョン グァンボ
(72)【発明者】
【氏名】チョン チョロク
(72)【発明者】
【氏名】キム チャンファン
【テーマコード(参考)】
2G060
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G060AA15
2G060AA19
2G060AD06
2G060AF03
2G060AF06
2G060FA06
2G060HA02
2G060KA09
4B029AA07
4B029BB11
4B029BB20
4B029CC04
4B029FA15
4B029GB10
4B063QA01
4B063QQ08
4B063QS39
4B063QX04
(57)【要約】
本発明は、インピーダンスベースのオルガノイド評価システムであって、第1の管と、第1の管よりも直径が小さく、第1の管の一端に接続または挿入される複数の第2の管とを含むオルガノイド変形発生部と、オルガノイド変形発生部に接続され、オルガノイドのインピーダンスを測定するインピーダンスアナライザを含むインピーダンス測定部と、を備え、インピーダンス測定部によって測定されたインピーダンスからオルガノイドを評価する、インピーダンスベースのオルガノイド評価システムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インピーダンスベースのオルガノイド評価システムであって、
第1の管と、前記第1の管よりも直径が小さく、前記第1の管の一端に接続または挿入される複数の第2の管とを含むオルガノイド変形発生部と、
前記オルガノイド変形発生部に接続され、オルガノイドのインピーダンスを測定するインピーダンスアナライザを含むインピーダンス測定部と、を備え、
前記インピーダンスベースのオルガノイド評価システムは、前記インピーダンス測定部によって測定された前記インピーダンスから前記オルガノイドを評価するように構成されている、インピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項2】
前記第2の管の前記直径が、前記第1の管の前記直径の5%~30%である、請求項1に記載のインピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項3】
前記オルガノイド変形発生部が少なくとも3本の第2の管を含む、請求項1に記載のインピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項4】
前記オルガノイド変形発生部は、
前記第1の管の他端に接続された第3の管と、
前記第1の管の一端または前記少なくとも3つの第2の管の一端に接続された第4の管と、を含む、請求項1に記載のインピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項5】
前記オルガノイド評価システムが、前記第3の管を介してリザーバに接続され、前記リザーバ内の材料を前記第1の管に導入する、請求項4に記載のインピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項6】
前記リザーバは、生理食塩水、培養液、膜機能障害惹起液、および膜機能有効性惹起材のいずれかを収容している、請求項5に記載のインピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項7】
前記第3の管は、内部に電極材料を含み、前記電極材料はコイル状のワイヤの形態である、請求項4に記載のインピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項8】
前記第4の管がシリンジポンプに接続されている、請求項4に記載のインピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項9】
前記シリンジポンプに接続された圧力センサをさらに備える、請求項8に記載のインピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項10】
前記第4の管は、内部に電極材料を含み、前記電極材料はコイル状のワイヤの形態である、請求項8に記載のインピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項11】
オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法であって、以下の、
請求項1に記載の前記インピーダンスベースのオルガノイド評価システムの前記第1の管の内部に生理食塩水または培養液を充填し、前記オルガノイドを前記第1の管に導入するステップと、
前記オルガノイドを前記第2の管の一端に接触するように位置決めし、インピーダンスアナライザを用いて第1のインピーダンスを測定するステップと、
前記オルガノイド変形発生部に負圧を形成し、第2のインピーダンスを測定するステップと、
前記第1のインピーダンスおよび前記第2のインピーダンスから前記オルガノイドの前記バリア完全性を評価するステップと、を含む、オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法。
【請求項12】
前記オルガノイドの前記バリア完全性を評価する前記ステップは、前記第1のインピーダンスから得られる抵抗値と前記第2のインピーダンスから得られる抵抗値との差を用いて評価することである、請求項11に記載のオルガノイドのバリア完全性を評価するための方法。
【請求項13】
オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法であって、以下の、
請求項1に記載の前記インピーダンスベースのオルガノイド評価システムの前記第1の管の内部に、膜機能の損傷および有効性を惹起する物質を充填し、オルガノイドを前記第1の管に注入するステップと、
前記オルガノイドを前記第2の管の一端に接触するように位置決めし、インピーダンスアナライザを用いて第1のインピーダンスを測定するステップと、
前記オルガノイド変形発生部に負圧を形成し、第2のインピーダンスを測定するステップと、
前記負圧が安定した状態で第3のインピーダンスを一定の時間間隔で測定するステップと、
前記第1のインピーダンス、前記第2のインピーダンスおよび前記第3のインピーダンスから膜機能損傷および有効性を惹起する前記物質によって影響を受ける前記バリア完全性を評価するステップと、を含む、オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法。
【請求項14】
前記バリア完全性を評価する前記ステップは、前記第1のインピーダンスから得られる前記抵抗値(R
0)と、前記第2のインピーダンスから得られる前記抵抗値(R
hio)と、時間tが経過したときの前記第3のインピーダンスから得られる前記抵抗値(R
t)とを用いて、式1の前記値が50%であるときの時間tの値を用いて、前記バリア完全性を評価することである、請求項13に記載のオルガノイドのバリア完全性を評価するための方法。
【数1】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトのオルガノイドモデル(ヒト腸管オルガノイド、HIO)のうち、三次元的な内在性オルガノイドの成熟度およびバリア完全性を評価することができるインピーダンス測定システム、ならびに腸管オルガノイドの成熟度およびバリア完全性がインピーダンスの変化によって損傷されるかどうかを測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
腸管では、消化吸収の際に、腸管粘膜が、微生物、抗原および毒素の血流への流入を阻止する免疫機能を行う。一次バリアとして作用する腸管粘膜細胞は、単一の細胞層によって細胞間に一定の間隙を維持しており、何らかの刺激や損傷が加えられると透過性が上昇し、種々の高分子物質が細胞間の間隙を通過できるようになる。これを介して血液中に侵入した抗原は、深刻な免疫応答を引き起こし、様々な慢性免疫疾患を引き起こす。
【0003】
このような腸管構造を模擬した腸管オルガノイドの研究が盛んに行われており、腸管オルガノイドの膜機能やバリア完全性を評価する技術が検討されている。
【0004】
代表的な例として、経上皮/経内皮電気抵抗(TEER)の場合、細胞を多孔質構造でインキュベートし、それらを底から少し離して配置して、電極付き培地に浸漬することで、細胞間を流れる電流の抵抗変化を測定する方法がある。しかし、腸管オルガノイドの場合、これは三次元構造であり、分化と成熟を経て形成される。この成熟過程を経た腸管オルガノイドは、外観において不均一な折り畳みを伴うより複雑な三次元構造を形成するため、従来のTEER測定技術で腸管オルガノイドの膜損傷の程度やバリア完全性を評価することは困難である。
【0005】
これを補うために、細胞組織よりも小さい単一のマイクロチャネルを形成し、その内部に細胞組織を入れ、培地を満たし、交流電流を流すことで細胞外抵抗を測定する方法がある。しかしながら、この方法は、均一で完全な内部を有する球状の三次元構造のみを測定することができる。腸管オルガノイドは、成熟するにつれて外観が不均一になり、小さなマイクロチャネル内に配置することが困難になる中空のバルーン状の構造であり、不均一な外観が触れる領域の外側に電流が流れる。また、腸管オルガノイドは軟らかい構造であるため、狭い開口部を通過する際に裂けることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一態様では、本発明の目的は、データの逸脱なしに空の不均一な構造のバリア完全性を評価することができるインピーダンスベースの測定システムを提供することである。幹細胞由来の腸管オルガノイドは、成熟関連遺伝子発現の増加、出芽構造のサイズおよび数の増加など、生体組織と同様の構造的複雑性を示すため、それらを逸脱することなく評価することが非常に重要である。特に、腸管オルガノイドは、オルガノイドのバリア完全性のリアルタイムモニタリングを単純かつ非侵襲的に可能にするという点で非常に有用である。腸管オルガノイドは、クローン病などの腸管疾患の治療剤開発のためのテストシステムとして用いることができ、腸管微生物叢の有効性を評価するためのモデルとして用いることもできる。したがって、腸管オルガノイドのバリア完全性を評価することができるインピーダンス技術は、腸のバリア完全性に影響を及ぼし得る薬物、化学物質、毒素および微生物のスクリーニングおよび有効性研究にも使用することができる。さらに、それは、腸管オルガノイドならびに肝臓および肺オルガノイドなどの様々な生体組織を模倣する複雑な三次元オルガノイド構造の膜損傷の程度およびバリア完全性を評価するために使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様では、本発明は、インピーダンスベースの腸管オルガノイド評価システムであって、
第1の管と、第1の管よりも直径が小さく、第1の管の一端に接続または挿入される少なくとも3つの第2の管とを含む腸管オルガノイド変形発生部と、
腸管オルガノイド変形発生部に接続され、腸管オルガノイドのインピーダンスを測定するインピーダンスアナライザを含むインピーダンス測定部と、を備え、
インピーダンスベースの腸管オルガノイド評価システムは、腸管インピーダンス測定部によって測定されたインピーダンスからオルガノイドを評価するように構成されている、インピーダンスベースの腸管オルガノイド評価システムを提供する。
【0008】
本発明の別の態様では、本発明は、オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法であって、以下の、
インピーダンスベースのオルガノイド評価システムの第1の管の内部に生理食塩水または培地を充填し、オルガノイドを第1の管に導入するステップと、
オルガノイドを第2の管の一端に接触するように位置決めし、インピーダンスアナライザを用いて第1のインピーダンスを測定するステップと、
オルガノイド変形発生部に負圧を形成し、第2のインピーダンスを測定するステップと、
第1のインピーダンスおよび第2インピーダンスからオルガノイドのバリア完全性を評価するステップと、を含む、オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法を提供する。
【0009】
本発明の別の態様では、本発明は、オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法であって、以下の、
インピーダンスベースのオルガノイド評価システムの第1の管の内部に、膜機能の損傷および有効性を惹起する物質を充填し、オルガノイドを第1の管に注入するステップと、
オルガノイドを第2の管の一端に接触するように位置決めし、インピーダンスアナライザを用いて第1のインピーダンスを測定するステップと、
オルガノイド変形発生部に負圧を形成し、第2のインピーダンスを測定するステップと、
負圧が安定した状態で第3のインピーダンスを一定の時間間隔で測定するステップと、
第1のインピーダンス、第2のインピーダンスおよび第3のインピーダンスから膜機能損傷および有効性を惹起する物質によって影響を受けるバリア完全性を評価するステップと、を含む、オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様で提供されるインピーダンスベースのオルガノイド評価システムは、中空で不均一な構造の膜特性に関するデータを逸脱することなく、膜損傷の程度などのバリア完全性を評価することができる。
【0011】
加えて、本発明の一態様で提供されるオルガノイドのバリア完全性を評価するための方法は、非常に簡単かつ非侵襲的な方法でリアルタイムで膜損傷の程度を監視することが可能であるという点で非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】インピーダンスベースのオルガノイド評価システムの例を示す概略図である。
【
図2】インピーダンスベースのオルガノイド評価システムの例を示す概略図である。
【
図3】三次元腸管オルガノイド評価インピーダンス装置を示す概略図である。
【
図4】腸管オルガノイドの成熟によるバリア完全性の増加を示す画像およびグラフのセットである。
【
図5】未成熟対照群と成熟腸管オルガノイドとの間のインピーダンス抵抗値の変化を示すグラフのセットである。
【
図6】腸管オルガノイドを変形生成部(200mV、50Hz、AC、赤色;トリプシンあり、黒:トリプシンなし、黒の点線は抵抗値の変化が50%になった時間(t
50%))に吸着させた後の1Xトリプシン(バリア完全性障害惹起物質)の有無による抵抗値の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明の一態様では、本発明は、インピーダンスベースの腸管オルガノイド評価システムであって、
第1の管と、第1の管よりも直径が小さく、第1の管の一端に接続または挿入される少なくとも3つの第2の管とを含む腸管オルガノイド変形発生部と、
腸管オルガノイド変形発生部に接続され、腸管オルガノイドのインピーダンスを測定するインピーダンスアナライザを含むインピーダンス測定部と、を備え、
インピーダンスベースの腸管オルガノイド評価システムは、腸管インピーダンス測定部によって測定されたインピーダンスからオルガノイドを評価するように構成されている、インピーダンスベースの腸管オルガノイド評価システムを提供する。
【0015】
このインピーダンスベースのオルガノイド評価システムの利点は、単一チャネルと比較して腸管オルガノイドの物理的特性の変動が少ないことである。単一チャネルの場合、不均一な細胞組織を吸着すると、同じ負圧でも領域によってチャネル内への吸引の程度が異なる。チャネル内への吸引の程度は抵抗値に直接関係するため、その程度を一定に保つことが重要である。本発明では、オルガノイドにかかる分圧を単一チャネルではなくマルチチャネルを介して分散させることにより、吸引の程度を一定に維持する。この効果は、マルチチャネルの数を増やすことによって高めることができる。
【0016】
図1~
図3は、本発明の一態様で提供されるインピーダンスベースのオルガノイド評価システムの例を示す概略図である。
【0017】
本発明の一態様で提供されるインピーダンスベースのオルガノイド評価システムは、第1の管と、第1の管の直径よりも小さい直径を有し、第1の管の一端に接続されるかまたはその中に挿入される複数の第2の管とを含むオルガノイド変形発生部を含む。
【0018】
第1の管は、中空の円筒形状であってもよいし、円筒形状であってもよい。第2の管はまた、中空円筒形状または円筒形状を有してもよい。
【0019】
第1の管は単一チャネルとして一次チャネルを構成することができ、第2の管はマルチチャネルとして二次マルチチャネルを構成することができる。
【0020】
複数の第2の管は、
図1に示すように第1の管の一端に接続することができ、
図2に示すようにその中に挿入および設置することができる。第2の管が第1の管の一端に接続される場合、第2の管は、第1の管の単一のチャネルに接続されてマルチチャネルを形成することができ、この場合、第1の管および第2の管が接続される端部は、第2の管のチャネル部分を除いて封止することができる。また、第2の管を第1の管の内部に挿入して設置する際に、第1の管を第2の管よりも長くし、複数の第2の管をモジュール化して第1の管の内部に装着することができる。
【0021】
第2の管の直径は、第1の管の直径の5%~30%の直径を有することが好ましく、第1の管の直径の10%~28%、15%~25%、および20%~24%の直径を有することができる。また、第2の管は、少なくとも3本以上であることが好ましく、これによりマルチチャネルを構成することができる。このようなマルチチャネルを構成することにより、オルガノイドの物性の変化が著しく小さく、一定の負圧でもチャネルへの吸引の程度が一定で維持されるため、オルガノイドの成熟度やバリア完全性を正確に評価することができる。
【0022】
さらに、オルガノイド変形発生部は、第1の管の他端に接続された第3の管と、第1の管の一端または複数の第2の管の一端に接続された第4の管と、を備える。
【0023】
第3の管はY字形を有することができ、Y字形の第3の管は、第1の管の一端に接続された管iと、リザーバ内の材料を第1の管に入れるためにリザーバに接続された管iiと、電極材料を含む管iiiとを含み得る。
【0024】
リザーバは、生理食塩水、培養液、膜機能障害惹起液および膜機能有効性惹起材のいずれかを収容することができる。
【0025】
管iiiの内部に配置される電極材料は、コイル状のワイヤの形態とすることができ、管i内に延びるように形成することができる。
【0026】
第4の管は、Y字形状を有し、Y字形状を有する第4の管は、第1の管の一端または複数の第2の管の一端に接続された管I、およびシリンジポンプに接続された管II、および電極材料を含む管IIIを含む。
【0027】
シリンジポンプは、圧力センサに接続することができる。
【0028】
管III内に配置される電極材料は、コイル状のワイヤの形態とすることができ、管I内に延びるように形成することができる。
【0029】
例えば、管iiiの内部に配置されたコイル状の金(Au)ワイヤを管iの内部に延在させ、管IIIの内部に配置されたコイル状の白金(Pt)ワイヤを管Iの内部に延在させることができる。このように金ワイヤおよび白金ワイヤを延在させるとき、第1、第2、第3および第4の管内に充填された材料を金ワイヤおよび白金ワイヤでより容易に共有することができ、そのため、インピーダンス値の変化を正確かつ確実に測定することができる。
【0030】
本発明の一態様で提供されるインピーダンスベースのオルガノイド評価システムは、オルガノイド変形発生部に接続され、オルガノイドのインピーダンスを測定するためのインピーダンスアナライザを含むインピーダンス測定部を備える。インピーダンスアナライザは、作用電極と対極とを備えることができ、オルガノイド変形発生部に接続することができる。具体的な例として、インピーダンスアナライザの作用電極は、オルガノイド変形発生部の電極材料を含む管iiiの電極材料に接続することができ、好ましくは、電極材料はコイル状の金線からなり、外部に突出した金線に接続することができる。さらに、インピーダンスアナライザの対極は、オルガノイド変形発生部の電極材料を含む管IIIの電極材料に接続することができ、好ましくは、電極材料はコイル状の白金線からなり、外部に突出した白金線に接続することができる。
【0031】
具体例として、インピーダンスベースのオルガノイド評価システムは、概ね腸管オルガノイドの直径(約900μm)の一次チャネルを形成する第1の管と、少なくとも3つ以上の直径を有し、約200μmの直径を有するマルチチャネルを構成する第2の管とで構成することができる。第1および第2の管は垂直に構築され、内部は培地または生理食塩水で満たされ、チャネルの両端(第1の管の一端および第2の管の一端)はそれぞれY字型管(第3の管および前方管)に接続することができる。腸管オルガノイドは上部入口から第1の管の上部に進入し、再び入口を封止する。第2の管の下部は、シリンジポンプおよび気圧計に接続されて気圧を設定し、上部チャネル入口は、空気がチャネルに入るのを防ぐためにバレル内にロックされる。白金線はまた、両方のチャネルの端部に配置され、ワニ口クリップを介してオルタネータおよび抵抗計に接続される。一次チャネルを形成する第1の管とマルチチャネルを形成する第2の管とが重力で交わる点に腸管オルガノイドが位置するとき、マルチチャネル入口で腸管オルガノイドを吸収するように一定の負圧(約-10hpa)を設定する。設定された負圧に達した時点で、交流周波数(約50Hz)を流して抵抗値を測定することができる。
【0032】
本発明はまた、腸管オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法であって、以下の、
請求項1に記載のインピーダンスベースの腸管オルガノイド評価システムの第1の管の内部に生理食塩水または培養液を充填し、腸管オルガノイドを第1の管に導入するステップと、
腸管オルガノイドを第2の管の一端に接触するように位置決めし、インピーダンスアナライザを用いて第1のインピーダンスを測定するステップと、
腸管オルガノイド変形発生部に負圧を形成し、第2のインピーダンスを測定するステップと、
第1のインピーダンスおよび第2インピーダンスから腸管オルガノイドのバリア完全性を評価するステップと、を含む、腸管オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法を提供する。
【0033】
オルガノイドのバリア完全性を評価するステップは、第1のインピーダンスから得られた抵抗値と第2のインピーダンスから得られた抵抗値との差を評価することであり得る。オルガノイドのTJ機能は、負圧を設定する前の抵抗値と、負圧が安定したときの抵抗値との差によって評価することができる。
【0034】
さらに、本発明は、腸管オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法であって、以下の、
請求項1に記載のインピーダンスベースの腸管オルガノイド評価システムの第1の管の内部に、膜機能の損傷および有効性を惹起する物質を充填し、腸管オルガノイドを第1の管に注入するステップと、
腸管オルガノイドを第2の管の一端に接触するように位置決めし、インピーダンスアナライザを用いて第1のインピーダンスを測定するステップと、
腸管オルガノイド変形発生部に負圧を形成し、第2のインピーダンスを測定するステップと、
負圧が安定した状態で第3のインピーダンスを一定の時間間隔で測定するステップと、
第1のインピーダンス、第2のインピーダンスおよび第3のインピーダンスから膜機能損傷および有効性を惹起する物質によって影響を受けるバリア完全性を評価するステップと、を含む、腸管オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法を提供する。
【0035】
バリア完全性を評価するステップは、第1のインピーダンスから得られた抵抗値(R
0)と、第2のインピーダンスから得られた抵抗値(R
HIO)と、時間tが経過したときの第3のインピーダンスから得られた抵抗値(R
t)とを用いて式1の値が50%であるときの時間tの値を用いて、バリア完全性を評価することであり得る。オルガノイド吸着時の抵抗値をR
HIOとし、オルガノイド除去時の抵抗値をR
0とし、時間tを経過したときの抵抗値をR
tとすると、100%を基準としたR
HIO-R
0抵抗値を比較することにより式1の値が50%となる時間t値において、実験薬剤によるバリア完全性の損傷率を測定することができる。
【数1】
【実施例】
【0036】
1.腸管オルガノイド形成
35mm組織培養ディッシュに、DMEM-F12培地で希釈した5%マトリゲルのコーティング溶液1mlを塗布した後、37℃のインキュベータ内で1時間コーティングした。
【0037】
培養したヒト多能性幹細胞コロニーを250×250(μm)の大きさに切断した後、IV型コラゲナーゼを処理して培養容器から分離する。
【0038】
コーティングされた35mm組織培養ディッシュ内のコーティング溶液を除去し、分離したヒト多能性幹細胞およびmTeSR1培地を当該培養ディッシュに添加して、その後培養した。3日間の培養の間に、培養した多能性幹細胞の細胞密度が全表面の70%以上になったところで、胚体内胚葉(DE)分化誘導を行った。
【0039】
培養したヒト多能性幹細胞を胚体内胚葉に分化誘導するために、それらを0%、0.2%および2%ウシ胎児血清(FBS)および100ng/mlのActivin Aを含むRPMI1640培地で3日間培養した。
【0040】
細胞を三次元後腸(HG)スフェロイドに分化させるために、2% FBSを含むDMEM-F12培地に500ng/mlのFGF4および3μMのCHIR99021を添加し、その後4日間培養した。
【0041】
その後、自然発生した三次元後腸スフェロイドをマトリゲルドームに挿入し、1X B27サプリメント、100ng/mlのEGF、100ng/mlのNoggin、および500ng/mlのR-spondin1を含む進化型DMEM-F12培地で三次元培養することでヒト腸管オルガノイドに分化させた。
【0042】
形成されたヒト腸管オルガノイド(未成熟対照、対照HIO)を、2日に1回培地交換しながら14日に1回継代培養することで維持した。また、成熟腸管オルガノイド(成熟HIO)を1ng/mlのIL-2で処理して少なくとも2回継代培養した。
【0043】
2.腸管オルガノイドの成熟
図4に示すように、ヒト多能性幹細胞を、上述の腸管オルガノイド形成プロトコルにより胚体内胚葉および後腸スフェロイドの段階を経て腸管オルガノイドに分化させたところ、段階特異的な形態学的解析により腸管オルガノイドが効率的に分化していることが確認された。
【0044】
また、各分化段階の細胞に特異的に発現するマーカー遺伝子として、腸管転写因子(CDX2、SOX9、ISX)、間葉系組織(VIM)、飲細胞(VIL1)、腸内分泌細胞(CHGA)、杯細胞(MUC2)および癌細胞(LYZ)のマーカー遺伝子の発現をqRT-PCRで解析したところ、未分化多能性幹細胞と比較して、腸管オルガノイドの分化中に有意に発現上昇することが確認された(
図4a)。qRT-PCR分析のために、ヒト多能性幹細胞、胚体内胚葉細胞、後腸細胞、対照腸管オルガノイドおよび成熟腸管オルガノイドを回収し、RNeasyキットを用いて全RNAを抽出し、Superscript IV First-Strand Synthesis Systemを用いてcDNAを合成した。その後、腸管細胞特異的マーカー遺伝子を標的とするプライマーと7500 Fast Real-Time PCR Systemを用いて解析を行った。ヒト小腸全RNA(HSI)を購入し、陽性対照として使用した。腸管オルガノイド成熟(
図4b上部パネル)による形態変化を調べた。その結果、IL-2で処理した成熟腸管オルガノイド(Mature HIO)では、対照腸管オルガノイド(Control HIO)と比較して、腸管オルガノイドの大きさ(
図4b左下パネル)および腸管オルガノイドの出芽構造の数(
図4b右下パネル)が増加していることが確認された。成熟腸管マーカー遺伝子の発現量をqRT-PCRにより確認し、対照と比較した。その結果、ヒト小腸(HSI)と同様に成熟腸管オルガノイドの発現が増加していることが確認された(
図4c)。免疫染色分析の結果、対照の腸管オルガノイドと比較して、成熟腸管オルガノイドではコンジュゲートタンパク質(ZO-1)が高発現していることが確認された(
図4d)。免疫蛍光染色分析のために、腸管オルガノイドを収集し、4%パラホルムアルデヒド(PFA)で固定し、次いで、10%、20%および30%スクロース溶液で凍結保護し、次いで、O.C.T化合物を使用して凍結した。凍結した腸管オルガノイド試料をミクロトームを用いて10μm厚にスライスし、0.1%Triton X-100を含むPBS溶液を透過させた。4%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むPBSで1時間ブロッキングした後、それを抗CDX2抗体および抗ZO-1抗体と4℃で一晩反応させた。二次抗体と室温で1時間反応させた後、核を室温で15分間DAPIで染色し、共焦点顕微鏡で観察した。膜機能に関与するコンジュゲートタンパク質(ZO-1、OCLN、CLDN1、CLDN3、およびCLDN5)の遺伝子発現を分析した。その結果、成熟腸管オルガノイドでは、対照腸管オルガノイドと比較して、ヒト小腸(HSI)に相当するレベルで、コンジュゲートしたタンパク質遺伝子が高発現していることが確認された(
図4e)。(*:t検定による実験群に対する対照群、p<0.05、**:t検定による実験群に対する対照群、p<0.01、***:t検定による実験群に対する対照群、p<0.001)
【0045】
3.腸管オルガノイドのバリア完全性の評価
インピーダンスベースのオルガノイド評価システムを
図3に示すように構成して、腸管オルガノイドのバリア完全性を評価した。
【0046】
1)オルガノイド評価システムの内部の、直径900μm、長さ4.5mmの第1の管と、直径200μm、長さ6mmのマルチチャネルを形成するための複数の第2の管とが垂直に配置された構造の流路。
【0047】
2)Y字管(第3および前方管)を2本準備した後、直径0.5mm、長さ5cmの純度99%以上の白金線をコイル状にY字管の片側に配置し、線の端部をY字管の外側に露出させて封止し、空気や水が漏れないようにした。Y字型管の上端をPBS(生理食塩水)の入ったリザーバに管を介して接続し、Y字型管の下端をシリンジポンプおよび気圧計にそれぞれ管を介して接続した。
【0048】
3)内部をPBSで満たした。
【0049】
4)培養した腸管オルガノイドを上部Y字型管の端部に注入し、第1および第2の管が接続してマルチチャネルが始まる側に置いた。
【0050】
5)Y字管から突出した白金線に、インピーダンスアナライザ(ポテンショスタットまたはインピーダンスアナライザ)の作用電極/検知電極および参照電極/対極を接続した。
【0051】
6)抵抗値は、200mVおよび50Hzの交流電流を印加することで、10秒間隔で測定した。
【0052】
7)負圧(約-10hpa)に設定した。
【0053】
8)負圧が安定した時点で実験を終了した。
【0054】
9)負圧設定前の抵抗値と、負圧が安定したときの抵抗値との差により、腸管オルガノイドのバリア完全性を評価した。結果を
図5に示す。
【0055】
4.腸管オルガノイドの膜損傷耐性の評価
1)オルガノイド評価システムの内部の、直径900μm、長さ4.5mmの第1の管と、直径200μm、長さ6mmのマルチチャネルを形成するための複数の第2の管とが垂直に配置された構造の流路。
【0056】
2)Y字管(第3および前方管)を2本準備した後、直径0.5mm、長さ5cmの純度99%以上の白金線をコイル状にY字管の片側に配置し、線の端部をY字管の外側に露出させて封止し、空気や水が漏れないようにした。Y字型管の上端を膜損傷惹起薬の入ったリザーバに管を介して接続し、Y字型管の下端をシリンジポンプおよび気圧計にそれぞれ管を介して接続した。
【0057】
3)内部には膜損傷惹起薬を充填した。
【0058】
4)培養した腸管オルガノイドを上部Y字型管の端部に注入し、第1および第2の管が接続してマルチチャネルが始まる側に置いた。
【0059】
5)Y字管から突出した白金線に、インピーダンスアナライザ(ポテンショスタットまたはインピーダンスアナライザ)の作用電極/検知電極および参照電極/対極を接続した。
【0060】
6)抵抗値は、200mVおよび50Hzの交流電流を印加することで、10秒間隔で測定した。
【0061】
7)負圧(約-10hpa)に設定した。
【0062】
8)負圧が安定した状態で、10秒ごとに1時間抵抗を測定した。
【0063】
9)オルガノイド吸着時の抵抗値をR
hioとし、オルガノイド除去時の抵抗値をR
0とし、時間tを経過したときの抵抗値をR
tとすると、100%を基準としたR
hio-R
0抵抗値を比較することにより、R
t-R
0/R
hio-R
0の値が50%となる時間t値において、実験薬剤によるバリア完全性の損傷率を測定することができる。結果を
図6に示す。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インピーダンスベースの
腸管オルガノイド評価システムであって、
第1の管と、前記第1の管よりも直径が小さく、前記第1の管の一端に接続または挿入される
少なくとも3本の第2の管とを含む
腸管オルガノイド変形発生部と、
前記
腸管オルガノイド変形発生部に接続され、
腸管オルガノイドのインピーダンスを測定するインピーダンスアナライザを含むインピーダンス測定部と、を備え、
前記インピーダンスベースの
腸管オルガノイド評価システムは、前記インピーダンス測定部によって測定された前記インピーダンスから前記
腸管オルガノイドを評価するように構成されている、インピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項2】
前記第2の管の前記直径が、前記第1の管の前記直径の5%~30%である、請求項1に記載のインピーダンスベースのオルガノイド評価システム。
【請求項3】
前記
腸管オルガノイド変形発生部は、
前記第1の管の他端に接続された第3の管と、
前記第1の管の一端または前記少なくとも3つの第2の管の一端に接続された第4の管と、を含む、請求項1に記載のインピーダンスベースの
腸管オルガノイド評価システム。
【請求項4】
前記
腸管オルガノイド評価システムが、前記第3の管を介してリザーバに接続され、前記リザーバ内の材料を前記第1の管に導入する、請求項
3に記載のインピーダンスベースの
腸管オルガノイド評価システム。
【請求項5】
前記リザーバは、生理食塩水、培養液、膜機能障害惹起液、および膜機能有効性惹起材のいずれかを収容している、請求項
4に記載のインピーダンスベースの
腸管オルガノイド評価システム。
【請求項6】
前記第3の管は、内部に電極材料を含み、前記電極材料はコイル状のワイヤの形態である、請求項
3に記載のインピーダンスベースの
腸管オルガノイド評価システム。
【請求項7】
前記第4の管がシリンジポンプに接続されている、請求項
3に記載のインピーダンスベースの
腸管オルガノイド評価システム。
【請求項8】
前記シリンジポンプに接続された圧力センサをさらに備える、請求項
7に記載のインピーダンスベースの
腸管オルガノイド評価システム。
【請求項9】
前記第4の管は、内部に電極材料を含み、前記電極材料はコイル状のワイヤの形態である、請求項
7に記載のインピーダンスベースの
腸管オルガノイド評価システム。
【請求項10】
腸管オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法であって、以下の、
請求項1に記載の前記インピーダンスベースの
腸管オルガノイド評価システムの前記第1の管の内部に生理食塩水または培養液を充填し、前記
腸管オルガノイドを前記第1の管に導入するステップと、
前記
腸管オルガノイドを前記第2の管の一端に接触するように位置決めし、インピーダンスアナライザを用いて第1のインピーダンスを測定するステップと、
前記
腸管オルガノイド変形発生部に負圧を形成し、第2のインピーダンスを測定するステップと、
前記第1のインピーダンスおよび前記第2のインピーダンスから前記
腸管オルガノイドの前記バリア完全性を評価するステップと、を含む、
腸管オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法。
【請求項11】
前記
腸管オルガノイドの前記バリア完全性を評価する前記ステップは、前記第1のインピーダンスから得られる抵抗値と前記第2のインピーダンスから得られる抵抗値との差を用いて評価することである、請求項
10に記載の
腸管オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法。
【請求項12】
腸管オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法であって、以下の、
請求項1に記載の前記インピーダンスベースの
腸管オルガノイド評価システムの前記第1の管の内部に、膜機能の損傷および有効性を惹起する物質を充填し、
腸管オルガノイドを前記第1の管に注入するステップと、
前記
腸管オルガノイドを前記第2の管の一端に接触するように位置決めし、インピーダンスアナライザを用いて第1のインピーダンスを測定するステップと、
前記
腸管オルガノイド変形発生部に負圧を形成し、第2のインピーダンスを測定するステップと、
前記負圧が安定した状態で第3のインピーダンスを一定の時間間隔で測定するステップと、
前記第1のインピーダンス、前記第2のインピーダンスおよび前記第3のインピーダンスから膜機能損傷および有効性を惹起する前記物質によって影響を受ける前記バリア完全性を評価するステップと、を含む、
腸管オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法。
【請求項13】
前記バリア完全性を評価する前記ステップは、前記第1のインピーダンスから得られる前記抵抗値(R
0)と、前記第2のインピーダンスから得られる前記抵抗値(R
HIO
)と、時間tが経過したときの前記第3のインピーダンスから得られる前記抵抗値(R
t)とを用いて、式1の前記値が50%であるときの時間tの値を用いて、前記バリア完全性を評価することである、請求項
12に記載の
腸管オルガノイドのバリア完全性を評価するための方法。
【数1】
【国際調査報告】