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特表2023-530879注釈付き点群生成のためのデュアルLIDARセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】注釈付き点群生成のためのデュアルLIDARセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20230712BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20230712BHJP
   G01S 17/34 20200101ALI20230712BHJP
   G01S 17/10 20200101ALI20230712BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
G01S17/931
G01S17/34
G01S17/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574650
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 US2021036761
(87)【国際公開番号】W WO2021257367
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】63/040,095
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/218,219
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520011234
【氏名又は名称】ニューロ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】NURO INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー・ハオ
(72)【発明者】
【氏名】スミス・ラッセル
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA07
5J084AA10
5J084AB01
5J084AB02
5J084AB03
5J084AB04
5J084AB07
5J084AC02
5J084AD01
5J084AD04
5J084BA03
5J084BA49
5J084CA08
5J084CA10
5J084CA31
5J084CA70
5J084DA01
5J084DA07
5J084EA40
5J084FA01
(57)【要約】
【解決手段】一態様によると、自律車両のセンサシステムは、少なくとも2つのLIDARユニットまたはセンサを備える。第1LIDARユニットは、三次元飛行時間(ToF)LIDARセンサであってよく、検知された物体に関する三次元点データを取得するよう構成され、第2LIDARユニットは、二次元コヒーレント/周波数変調連続波(FMCW)LIDARセンサであってよく、検知された物体に関する速度データを取得するよう構成されている。第1および第2LIDARユニットからのデータは、点データおよび注釈速度を含む点群が生成されうるように、効果的に相関されうる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実行される方法であって、
視野内で検出された1または複数の物体の三次元位置を表す第1点データを第1LIDARセンサから取得し、
前記視野内の前記1または複数の物体の二次元位置および速度を表す第2点データを第2LIDARセンサから取得し、
前記第1点データおよび前記第2点データの時間特性、位置特性、および、強度特性の相関に基づいて、前記第1点データと前記第2点データとの間の点関連付けを実行し、
前記第1点データと前記第2点データとの間の前記点関連付けに基づいて、前記視野内の前記1または複数の物体と、前記1または複数の物体の関連速度とを表す点を含む点群を生成すること、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに、前記第1点データおよび前記第2点データが所与の瞬間にキャプチャされたことを決定するために、前記所与の瞬間に対して、前記第1点データおよび前記第2点データにタイミングおよびスキャニングの同期を実行することを備える、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記点関連付けを実行することは、
前記第1点データにおける前記1または複数の物体を表す点に対して、時間、位置、および、強度の類似性に基づいて、前記第2点データにおける前記1または複数の物体を表す点を整合させ、
前記整合に基づいて、前記第2点データにおける点の速度情報を前記第1点データにおける対応する点に割り当てること、
を備える、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記第1点データは、前記第2点データよりも高い解像度によって物体の位置を表す、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記第1LIDARセンサは、飛行時間(ToF)LIDARセンサである、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記第2LIDARセンサは、コヒーレントLIDARセンサまたは周波数変調連続波(FMCW)LIDARセンサである、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記第2LIDARセンサは、車両の移動方向に対して実質的に方位角方向にのみスキャンされる単一発散ビームを生成するよう構成されている、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記第1点データを前記第1LIDARセンサから取得すること、および前記第2点データを前記第2LIDARセンサから取得することは、車両上で実行され、前記第1LIDARセンサおよび前記第2LIDARセンサの前記視野は、前記車両の移動方向に配置され、前記第2LIDARセンサは、前記車両の前記移動方向に対して実質的に方位角方向にのみスキャンするよう構成されている、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記第1点データから前記第1LIDARセンサから取得すること、および前記第2点データを前記第2LIDARセンサから取得することは、自律車両上で実行される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、さらに、
前記視野内の前記1または複数の物体の位置および速度に少なくとも部分的に基づいて、前記自律車両の動きを制御することを備える、方法。
【請求項11】
センサシステムであって、
視野内で検出された1または複数の物体の三次元位置を表す第1点データを生成するよう構成されている第1LIDARセンサと、
前記視野内の前記1または複数の物体の二次元位置および速度を表す第2点データを生成するよう構成されている第2LIDARセンサと、
前記第1LIDARセンサおよび前記第2LIDARセンサに接続された1または複数のプロセッサと、
を備え、
前記1または複数のプロセッサは、
前記第1点データおよび前記第2点データの時間特性、位置特性、および、強度特性の相関に基づいて、前記第1点データと前記第2点データとの間の点関連付けを実行し、
前記第1点データと前記第2点データとの間の前記点関連付けに基づいて、前記視野内の前記1または複数の物体と、前記1または複数の物体の関連速度とを表す点を含む点群を生成するよう構成されている、センサシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のセンサシステムであって、前記1または複数のプロセッサは、
前記第1点データおよび前記第2点データが所与の瞬間にキャプチャされたことを決定するために、前記所与の瞬間に対して、前記第1点データおよび前記第2点データにタイミングおよびスキャニングの同期を実行するよう構成されている、センサシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のセンサシステムであって、前記1または複数のプロセッサは、
前記第1点データにおける前記1または複数の物体を表す点に対して、時間、位置、および、強度の類似性に基づいて、前記第2点データにおける前記1または複数の物体を表す点を整合させ、
前記整合に基づいて、前記第2点データにおける点の速度情報を前記第1点データにおける対応する点に割り当てることによって、前記点関連付けを実行するよう構成されている、センサシステム。
【請求項14】
請求項11に記載のセンサシステムであって、前記第1LIDARセンサは、飛行時間(ToF)LIDARセンサであり、前記第2LIDARセンサは、コヒーレントLIDARセンサまたは周波数変調連続波(FMCW)LIDARセンサである、センサシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のセンサシステムであって、前記第2LIDARセンサは、車両の移動方向に対して実質的に方位角方向にのみスキャンされる単一発散ビームを生成するよう構成されている、センサシステム。
【請求項16】
請求項11に記載のセンサシステムであって、前記第1LIDARセンサおよび前記第2LIDARセンサは、車両に取り付けられるよう構成され、前記第1LIDARセンサおよび前記第2LIDARセンサの前記視野は、前記車両の移動方向に配置され、前記第2LIDARセンサは、前記車両の前記移動方向に対して実質的に方位角方向にのみスキャンするよう構成されている、センサシステム。
【請求項17】
1または複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、命令を備え、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
視野内で検出された1または複数の物体の三次元位置を表す第1点データを第1LIDARセンサから取得し、
前記視野内の前記1または複数の物体の二次元位置および速度を表す第2点データを第2LIDARセンサから取得し、
前記第1点データおよび前記第2点データの時間特性、位置特性、および、強度特性の相関に基づいて、前記第1点データと前記第2点データとの間の点関連付けを実行し、
前記第1点データと前記第2点データとの間の前記点関連付けに基づいて、前記視野内の前記1または複数の物体と、前記1または複数の物体の関連速度とを表す点を含む点群を生成するよう動作可能である、記憶媒体。
【請求項18】
請求項17に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、さらに、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記第1点データおよび前記第2点データが所与の瞬間にキャプチャされたことを決定するために、前記所与の瞬間に対して、前記第1点データおよび前記第2点データにタイミングおよびスキャニングの同期を実行させる命令を備える、記憶媒体。
【請求項19】
請求項17に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、さらに、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記第1点データにおける前記1または複数の物体を表す点に対して、時間、位置、および、強度の類似性に基づいて、前記第2点データにおける前記1または複数の物体を表す点を整合させ、
前記整合に基づいて、前記第2点データにおける点の速度情報を前記第1点データにおける対応する点に割り当てることによって、点関連付けを実行させる命令を備える、記憶媒体。
【請求項20】
請求項17に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記第1点データは、前記第2点データよりも高い解像度によって物体の位置を表す、記憶媒体。
【請求項21】
請求項17に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記第1LIDARセンサは、飛行時間(ToF)LIDARセンサであり、前記第2LIDARセンサは、コヒーレントLIDARセンサまたは周波数変調連続波(FMCW)LIDARセンサである、記憶媒体。
【請求項22】
請求項17に記載の1または複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記第1LIDARセンサおよび前記第2LIDARセンサは、自律車両に取り付けられ、 さらに、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記第1LIDARセンサおよび前記第2LIDARセンサの前記視野内の前記1または複数の物体の位置および速度に少なくとも部分的に基づいて、前記自律車両の動きを制御させる命令を備える、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2020年6月17日出願の「Methods and Apparatus for Utilizing a Single Beam Digitally Modulated Lidar in an Autonomous Vehicle」と題する米国仮特許出願第63/040,095号に基づく優先権を主張し、その出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、自律車両のためのセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
光検出および測距(LIDAR)は、目標物までの距離を測定するために自律車両でしばしば用いられる技術である。典型的に、LIDARシステムまたはセンサは、光源および目標物を含む。光源は、光を散乱させる目標物に向かって光を放射する。検出器は、散乱光の一部を受信し、LIDARシステムは、受信した散乱光すなわち戻り光に関連する特性に基づいて目標物までの距離を決定する。
【0004】
LIDARシステムは、典型的に、非静止障害物(例えば、移動している車両および/または移動している歩行者)を含みうる周囲環境の三次元点群を生成するために用いられる。点群は、障害物の位置を特定するために用いられるが、点群を用いて非静止障害物の速度を決定することは、しばしば非効率的かつ困難である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】一実施形態例に従って、注釈付き点群を生成するためのデュアルLIDARセンサシステムが実装されうる自律車両フリートを示す図。
【0006】
図2】一実施形態例に従って、デュアルLIDARセンサシステムが実装されうる自律車両を示す側面図。
【0007】
図3】一実施形態例に従って、自律車両のシステム構成要素を示すブロック図。
【0008】
図4A】一実施形態に従って、デュアルLIDARセンサシステムを示すブロック図。
【0009】
図4B】一実施形態に従って、構成要素の間の接続を示すデュアルLIDARセンサシステムの機能図。
【0010】
図5】一実施形態に従って、注釈速度情報を備えた点群を提供するために2つの異なるLIDARセンサが用いられるシステムを示す図。
【0011】
図6】一実施形態に従って、デュアルLIDARセンサシステムで利用されうる二次元コヒーレント/周波数変調連続波(FMCW)LIDARセンサを示すブロック図。
【0012】
図7A】一実施形態例に従って、デュアルLIDARセンサシステムで利用されうる第1LIDARセンサの視野を示す図。
【0013】
図7B】一実施形態例に従って、デュアルLIDARセンサシステムで利用されうる第2LIDARセンサの視野を示す図。
【0014】
図7C】一実施形態例に従って、図6に示した二次元コヒーレント/周波数変調連続波(FMCW)LIDARセンサを用いて生成されうる単一発散ビームを示す図。
【0015】
図8】一実施形態に従って、デュアルLIDARセンサシステムの動作を示す処理フローチャート。
【0016】
図9】一実施形態例に従って、デュアルLIDARセンサシステムにおいて、二次元LIDARセンサによって生成された点を、三次元LIDARセンサによって生成された点と関連付けるための動作を示す図。
【0017】
図10】一実施形態例に従って、二次元LIDARセンサによって生成された点の速度情報の、三次元LIDARセンサによって生成された対応する点への割り当てを示す図。
【0018】
図11】一実施形態例に従って、デュアルLIDARセンサシステムによって実行される動作を示す概略フローチャート。
【0019】
図12】一実施形態例に従って、本明細書に記載の技術に関連する機能を実行するよう構成されているコンピュータデバイスを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
概要
一実施形態において、自律車両のセンサシステムが、少なくとも2つのLIDARユニットまたはセンサを備える。第1LIDARユニットは、三次元飛行時間(ToF)LIDARセンサであってよく、検知された物体に関する三次元点データを取得するよう構成され、第2LIDARユニットは、二次元コヒーレント/周波数変調連続波(FMCW)LIDARセンサであってよく、検知された物体に関する速度データを取得するよう構成されている。第1および第2LIDARユニットからのデータは、点データおよび注釈速度情報を含む点群が生成されうるように、効果的に相関されうる。
【0021】
実施形態例
道路上の自律車両の数が増加しているのに伴って、自律車両が安全に動作する能力が、より重要になっている。例えば、障害物を正確に識別し、非静止障害物が移動している速度を決定するために、自律車両で用いられるセンサの能力が、極めて重要である。さらに、センサが故障した場合でも、自律車両が安全に停止しうるまで自律車両が動作し続ける能力により、自律車両は安全に動作できるようになる。
【0022】
一実施形態において、自律車両のセンサシステムは、注釈速度情報を備えた点群(例えば、物体の次元点情報および速度情報の両方を提供する点群)を提供するために協働するよう構成されている2以上のLIDARセンサを備えてよい。単一の三次元周波数変調連続波(FMCW)LIDARセンサで、物体に関する次元情報および速度情報の両方を提供できるが、三次元FMCW LIDARセンサは、比較的高価である。三次元飛行時間(ToF)LIDARセンサは、次元情報(例えば、三次元点データ)を提供するが、速度情報を効率的に提供しない。すなわち、ToF LIDARセンサは、物体を検出または他の方法で「見る」ことができるが、実質的にリアルタイムで物体の速度を決定することはできない。次元情報を提供するためにToF LIDARセンサを利用し、実質的にリアルタイムで速度情報を提供するために二次元FMCW LIDARセンサを利用することにより、次元情報および速度情報が効率的に提供されうる(例えば、注釈速度を備えた点群が生成されうる)。より一般的には、複数のLIDARセンサを備えたシステムにおいて、或るLIDARセンサが、点群を生成するために利用されうる実質的に標準的な情報を取得するために用いられてよく、別のLIDARが、主に速度情報を取得するために用いられてよい。2以上のLIDARセンサの利用は、注釈速度を備えた点群を生成できるようなデータの収集を容易にすることに加えて、或るLIDARが故障した場合に、別のLIDARがまだ動作可能でありうるように、冗長性も提供する。
【0023】
まず図1を参照して、自律車両フリートについて一実施形態に従って説明する。自律車両フリート100は、複数の自律車両101すなわちロボット車両を含む。自律車両101は、一般に、貨物、物品、および/または、商品を輸送および/または配達するよう構成されている。自律車両101は、完全自律車両および/または半自律車両であってよい。一般に、各自律車両101は、介入なしに(例えば、人的介入なしに)或る期間にわたって制御された方法で移動できる車両であってよい。後に詳述するように、各自律車両101は、動力システムと、推進または輸送システムと、ナビゲーションモジュールと、制御システムまたはコントローラと、通信システムと、プロセッサと、センサシステムと、を備えてよい。各自律車両101は、陸上、水上、空中、または、別の表面上のいずれかで、人、貨物、または、その他の物品を輸送するよう構成されている有人または無人の移動機械であり、例えば、乗用車、ワゴン、バン、三輪車、トラック、バス、トレーラー、列車、路面電車、船、ボート、フェリー、ドローブ、ホバークラフト、航空機、宇宙船、などである。
【0024】
各自律車両101は、人的介入なしに或る期間にわたって制御された方法で移動できるように、完全または部分的に自律的であってよい。例えば、車両が、人間オペレータ(車両内に居ても、車両から離れていても)から全く支援を受けることなしに運転されるよう構成されている場合、「完全自律型」でありうるが、一方、車両が、人間オペレータによるリモート制御または人間オペレータからのリモート支援、もしくは、人間オペレータによる車両内でのローカルな制御/支援のいずれであっても、車両の動作の制御に或る程度の人間との相互作用を利用する場合、「半自律型」でありうる。車両が、車両内に居る人間オペレータによって運転される場合、「非自律型」でありうる。「完全自律車両」には、人間の乗員が全く居なくてもよく、もしくは、車両の動作に関与しない1または複数の人間の乗員が居てもよく、それらの乗員は、単に車両の乗客であってよい。
【0025】
一実施形態例において、各自律車両101は、完全自律モードから半自律モードへ、および、その逆へ、切り替えるよう構成されていてよい。また、各自律車両101は、非自律モードと、完全自律モードおよび半自律モードの一方または両方との間で切り替えるよう構成されてもよい。
【0026】
フリート100は、一般に、共通または集合的な目的を達成するよう構成されていてよい。例えば、自律車両101は、一般に、人、貨物、および/または、その他の物品を輸送および/または配達するよう構成されていてよい。フリート管理システム(図示せず)が、特に、商品および/またはサービスを輸送、配達、および/または、回収するために、自律車両101の派遣を調整できる。フリート100は、非構造化開放環境または閉鎖環境内で動作できる。
【0027】
図2は、一実施形態例に従って、自律車両101の側面を示す図である。自律車両101は、車輪210および/または1以上のその他の輸送メカニズムによって運搬されるよう構成されている車体205を備える。例えば、自律車両101は、前進方向207と、前進方向207と逆向きの後退方向とに、進むことができる。一実施形態例において、自律車両101は、相対的に狭く(例えば、約2~約5フィート(約0.61~約1.52メートル)の幅)、比較的軽量で、安定のために低重心であってよい。
【0028】
自律車両101は、市街および住宅地の運転速度に対応するために、約1マイル~約45マイル毎時(mph)(約1.6~約72.4km/h)の間(例えば、約25マイル毎時(約40.2km/h))の中程度の作業スピードまたは速度の範囲を有するよう構成されていてよい。さらに、自律車両101は、約30~約90mph(約48.3~約144.8km/h)の間の範囲の実質的に最大のスピードまたは速度を有してよく、これにより、例えば、高速での州内または州間の運転に対応できる。当業者によって認識されるように、本明細書に提示されている車両のサイズ、構成、および、スピード/速度の範囲は例示であり、決して限定と解釈されるべきではない。
【0029】
自律車両101は、複数のコンパートメント(例えば、コンパートメント215aおよび215b)を備えており、これらは、1または複数の顧客、小売業者、および/または、販売業者など、1または複数の実体に割り当て可能であってよい。コンパートメントは、一般に、貨物および/またはその他の物品を収容するよう構成されている。一実施形態例において、コンパートメントの内の1または複数は、セキュリティ保護されたコンパートメントであってよい。コンパートメント215aおよび215bは、必要に応じて、冷蔵、断熱など、様々な機能を有してよい。コンパートメントの数、サイズ、および、構成は様々であってよいことを理解されたい。例えば、2つのコンパートメント(215a、215b)が示されているが、自律車両101は、3以上または2未満(例えば、0または1)のコンパートメントを備えてもよい。
【0030】
自律車両101は、さらに、自律車両101の状況またはその周囲の状況を見るおよび/または監視するよう構成されている1または複数のセンサを支持するセンサポッド230を備える。例えば、センサポッド230は、1または複数のカメラ250、光検出および測距(「LiDAR」)センサ、レーダ、超音波センサ、マイク、高度計、もしくは、自律車両101の環境内の画像(例えば、静止画および/または動画)、音、および/または、その他の信号または情報をキャプチャするよう構成されているその他のメカニズムを含みうる。
【0031】
典型的には、自律車両101は、車体またはシャシならびに輸送機構(例えば、車輪)など、物理的な車両構成要素を備える。一実施形態において、自律車両101は、相対的に狭くてよく(例えば、約2~約5フィート(約0.61~約1.52メートル)の幅)、比較的軽量で、安定のために比較的低重心であってよい。自律車両101は、約1マイル~約45マイル毎時(mph)(約1.6~約72.4km/h)の間(例えば、約25マイル毎時(約40.2km/h))の作業スピードまたは速度の範囲を有するよう構成されていてよい。いくつかの実施形態において、自律車両101は、約30~約90mph(約48.3~約144.8km/h)の間の範囲の実質的に最大のスピードまたは速度を有してよい。
【0032】
図3は、一実施形態に従って、自律車両(例えば、図1の自律車両101)のシステム構成要素300を示すブロック図である。自律車両101のシステム構成要素300は、プロセッサ310と、推進システム320と、ナビゲーションシステム330と、センサシステム340と、動力システム350と、制御システム360と、通信システム370と、を備える。プロセッサ310、推進システム320、ナビゲーションシステム330、センサシステム340、動力システム350、および、通信システム370はすべて、自律車両101のシャシまたは車体に結合されていることを理解されたい。
【0033】
プロセッサ310は、推進システム320、ナビゲーションシステム330、センサシステム340、動力システム350、および、制御システム360など、様々な構成要素へ命令を送信し、様々な構成要素から命令を受信し、もしくは、様々な構成要素のための命令を送受信するよう構成されている。推進システム320すなわち輸送システムは、自律車両101を移動(例えば、駆動)させるよう構成されている。例えば、自律車両101が、多輪自動車構成、ならびに、ステアリングシステム、ブレーキシステム、および、エンジンを備えるよう構成されている場合、推進システム320は、エンジン、車輪、ステアリングシステム、および、ブレーキシステムを協働的に駆動させるよう構成されていてよい。一般に、推進システム320は、推進エンジン、車輪、無限軌道、翼、ロータ、ブロワ、ロケット、プロペラ、ブレーキなどを備えた駆動システムとして構成されうる。推進エンジンは、ガスエンジン、タービンエンジン、電気モータ、および/または、ハイブリッドガス/電気エンジンであってよい。
【0034】
ナビゲーションシステム330は、経路を通してならびに/もしくは非構造化開放環境または閉鎖環境内で自律車両101をナビゲートするために、推進システム320を制御してよい。ナビゲーションシステム330は、デジタルマップ、ストリートビュー写真、および、グローバルポジショニングシステム(GPS)ポイント、の内の少なくとも1つを含んでよい。ナビゲーションシステム330が自律車両101に環境内を進ませることを可能にするために、例えば、マップが、センサシステム340に含まれるセンサと連携して用いられてよい。
【0035】
センサシステム340は、例えば、LiDAR、レーダ、超音波センサ、マイク、高度計、および/または、カメラなど、任意のセンサを備える。センサシステム340は、一般に、自律車両101が安全に進み、自律車両101の近くに物体があるのを特定することを可能にするオンボードセンサを備える。一実施形態において、センサシステム340は、駆動機構の性能、駆動系の性能、および/または、動力システムのレベルを監視する推進システムセンサを備えてよい。
【0036】
センサシステム340は、複数のLIDARまたはLIDARセンサを備えてよい。センサシステム340において複数のLIDARを利用することは、或るLIDARユニットが実質的に動作停止した場合に、動作可能でありまたは別の方法で機能しうる少なくとも1つの他のLIDARユニットが存在するように、冗長性を提供する。センサシステム340に備えられている複数のLIDARは、三次元ToF LIDARシステムと、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサと、を含んでよい。一形態において、FMCW LIDARセンサの二次元コヒーレントは、仰角成分を有するが実質的に方位角方向にのみスキャンされる単一の略発散ビームを利用してよい。
【0037】
動力システム350は、自律車両101に動力を供給するよう構成されている。動力は、電力、ガス動力、または、任意のその他の適切な動力(例えば、太陽光発電またはバッテリ電力)として供給されてよい。一実施形態において、動力システム350は、主電源と、主要電源が十分な電力を供給できない時に、自律車両101の様々な構成要素に給電しおよび/または一般的に自律車両101に電力を供給するよう機能しうる補助電源と、を備えてよい。
【0038】
通信システム370は、自律車両101が、自律車両101を遠隔で制御することを可能にするフリート管理システム(図示せず)と、例えば、無線で、通信することを可能にする。通信システム370は、一般に、データを取得または受信し、データを格納し、データをフリート管理システムへおよび/またはフリート100の中の自律車両101へ送信または提供する。データは、スケジュールされた要求または注文に関する情報、オンデマンドの要求または注文に関する情報、ならびに/もしくは、例えば、予測される需要に応じて、自律車両101が自身を再配置する必要性に関する情報、を含みうるが、これらに限定されない。
【0039】
いくつかの実施形態において、制御システム360は、プロセッサ310と協働して、センサシステム340からのデータ(例えば、結果)に基づいて、自律車両101が安全に進むことのできる場所を判定し、自律車両101の近くにある物体の存在を判定してよい。換言すると、制御システム360は、プロセッサ310と協働して、自律車両101がそのすぐ周辺の範囲内で何をしてよいのかを効果的に判定してよい。制御システム360は、プロセッサ310と協働して、基本的に、自律車両101を駆動または輸送する一環として、動力システム350およびナビゲーションシステム330を制御してよい。さらに、制御システム360は、プロセッサ310および通信システム370と協働して、通信システム370を介して、他の自律車両101、管理サーバ、グローバルポジショニングサーバ(GPS)、パーソナルコンピュータ、遠隔操作システム、スマートフォン、または、任意のコンピュータデバイスと、データをやり取りしてよい。一般に、制御システム360は、少なくとも、プロセッサ310、推進システム320、ナビゲーションシステム330、センサシステム340、および、動力システム350と協働して、車両101が自律的に動作することを可能にしてよい。すなわち、自律車両101は、推進システム320、ナビゲーションシステム330、センサシステム340、動力システム350、および、制御システム360によって提供される機能の少なくとも一部を効果的に含む自律システムの利用を通して自律的に動作できる。
【0040】
上述のように、自律車両101は、自律的に動作する時、一般に、自律システムの制御下で、動作(例えば、運転)しうる。すなわち、自律車両101は、自律モードにある時、一般に、運転手またはリモートオペレータが自律車両を制御することなしに動作できる。一実施形態において、自律車両101は、半自律モードまたは完全自律モードで動作してよい。自律車両101は、半自律モードで動作している時、時々自律的に動作してよく、それ以外の時には運転手またはリモートオペレータの制御下で動作してよい。自律車両101は、完全自律モードで動作している時、典型的には、実質的に自律システムの制御下でのみ動作する。自律システムが情報を収集して環境から関連知識を抽出する能力は、自律車両101に知覚機能を提供する。例えば、センサシステム340から取得されたデータまたは情報は、自律車両101の周囲の環境が効果的に知覚されうるように処理されてよい。
【0041】
前述したように、三次元点(位置)データに加えて、速度情報を含む点群を効果的に生成する能力は、2以上のLIDARセンサ/LIDARユニットを用いて提供されうる。或るLIDARセンサ/ユニットは、ToF LIDARセンサであってよく、別のLIDARセンサ/ユニットは、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサであってよい。生成されると、速度情報を含む点群は、自律システム全体によって、例えば、自律システムに備えられまたは関連付けられている知覚システムによって、自律車両の駆動または推進を容易にするために用いられてよい。
【0042】
図4Aおよび図4Bを参照して、デュアルLIDARセンサ(二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ、ならびに、ToF LIDARセンサ)を備えたセンサシステム全体について、一実施形態に従って説明する。図4Aは、一実施形態に従って、センサシステム(例えば、図3のセンサシステム340)を示すブロック図である。センサシステム340は、ToF LIDARセンサ410と、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420と、を備える。ToF LIDARセンサ410は、一般に、三次元LIDARセンサである。説明されている実施形態において、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、検出された物体に関する少なくとも速度情報を取得するよう構成されている二次元LIDARセンサであってよい。ただし、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、一般に、検出された物体に関する速度情報を効率的に取得できる任意のコヒーレント/FMCW LIDARセンサであってよいことを理解されたい。
【0043】
センサシステム340は、さらに、同期モジュール430と、点関連付け/相関モジュール440と、点群モジュール450と、を備える。同期モジュール430は、ToF LIDARセンサ410と、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420とによって、取得(例えば、検知)されるデータまたは情報を同期させるよう構成されている。データの同期は、一般に、時刻t1に収集されるデータが実質的に整合されうるように、データが取得される時間を同期させることを含む。すなわち、データの同期は、一般に、ToF LIDARセンサ410を用いて取得されるデータを、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420を用いて取得されるデータと整合させることを含む。一実施形態において、同期モジュール430は、モータ位相固定によって、ToF LIDARセンサ410とFMCW LIDARセンサ420のコヒーレントとの間でピクセルレベルの同期を達成する。モータ位相固定は、ToF LIDARセンサ410と、FMCW LIDARセンサ420のコヒーレントとが、常に同じ時刻に同じ方向を向き、したがって、同じFOVを有することを確実にするために利用されうる技術である。これは、2つのLIDARセンサの間でのデータの関連付けをはるかに容易かつ正確にする。モータ位相固定に対する代替例は、常に同期される(基本的に、同じ時刻に同じFOVをスキャンする)ように、ToF LIDARセンサ410と、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420とを、単一のモータプラットフォームに取り付けることである。
【0044】
点関連付け/相関モジュール440は、時間的相関、空間的相関、および、強度相関に基づいて(ただし、それらに限定されない)、ToF LIDARセンサ410によって取得された点データと、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420によって取得された点データとの間の関連を割り当てるよう構成されている。一実施形態において、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、略垂直方法に(例えば、一直線に)二次元スキャンを提供してよい。ToF LIDARセンサ410によって取得されたデータ(同じ方向に沿った測定値など)が、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420による二次元スキャンから取得されたデータと関連付けられてよい。一般に、点関連付け/相関モジュール440は、ToF LIDARセンサ410と、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420とによって取得されたデータを、両方のLIDARセンサによって検知された1または複数の物体と関連付ける。
【0045】
点群モジュール450は、ToF LIDARセンサ410と、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420とによって取得されたデータから三次元点群を作成する。三次元点群は、注釈速度情報を含む。一実施形態において、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420を用いて取得された速度情報が、距離(空間的距離/位置)および反射強度の対応関係に基づいて、ToF LIDARセンサ410によって収集された情報を用いて作成された点群に割り当てられてよい。一般に、互いに比較的近くにあり、同様の距離および実質的に同じ反射強度を有する物体は、点群に関して単一の物体として扱われてよい。
【0046】
また、センサシステム340は、自律車両(例えば、図2および図3の自律車両101)の動作を円滑にする様々な他のセンサを備える。かかる他のセンサは、カメラ装置460、レーダ装置470、および、慣性測定ユニット(IMU)装置480を含んでよいが、それらに限定されない。カメラ装置460は、一般に、1または複数のカメラ(高解像度(HD)カメラなど)を含んでよい。レーダ装置470は、任意の数のレーダユニットを含んでよく、ミリメートル波(mm波)レーダユニットを含んでよく、IMU装置480は、一般に、力、向き、および、速度を測定または他の方法で決定するよう構成されている。一実施形態において、IMU装置480は、1または複数の加速度計および/またはジャイロ装置を含んでよい。
【0047】
センサシステム340の一部であるセンサフュージョンモジュール490は、環境全体の画像が実質的に作成されるように、ToF LIDARセンサ410、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420、カメラ装置460、レーダ装置470、ならびに、IMU装置480から取得された情報を融合するよう構成されている。すなわち、センサフュージョンモジュール490は、ToF LIDARセンサ410、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420、カメラ装置460、レーダ装置470、ならびに、IMU装置480によって取得されたデータまたは測定値を用いて、車両(例えば、自律車両101)の周囲の環境全体のモデルを作成する。センサフュージョンモジュール490によって作成された画像またはモデルは、自律システムによって、例えば、自律システムに備えられまたは他の方法で関連付けられている知覚システムによって、利用される。その結果、自律車両101の動きが、2つのLIDARセンサの視野内で検出された1または複数の物体の位置および速度に少なくとも部分的に基づいて制御されうる。
【0048】
図4Bは、一実施形態に従って、構成要素の間の機能的接続を示すセンサシステム340の機能図である。センサシステム340内で、同期モジュール430は、ToF LIDARセンサ410と、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420とによって収集されたデータまたは情報を同期させる。次いで、同期されたデータは、点関連付け/相関モジュール440に提供され、その後、そのモジュールが、同期されたデータを1または複数の物体と関連付ける。
【0049】
点関連付け/相関モジュール440の出力は、注釈速度を備えた点群を作成する点群モジュール450に提供される。次いで、点群モジュール450は、センサフュージョンモジュール490へデータを供給し、センサフュージョンモジュール490は、カメラ装置460、レーダ装置470、および、IMU装置480からもデータを取得する。次いで、センサフュージョンモジュール490は、取得したデータに基づいて環境の全体画像を効果的に作成する。
【0050】
図5は、一実施形態に従って、注釈速度を備えた点群を提供するために2つの異なるLIDARセンサが用いられるシステムを示す図である。ToF LIDARセンサ410が、点群を生成するために用いられうる検知物体に関する次元データまたは点を収集してよい。この次元データは、本明細書では第1点データと呼ばれる。コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420(例えば、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ)が、検知物体に関する二次元の位置情報および速度情報を収集してよい。
【0051】
ToF LIDARセンサ410は、(例えば、x、y、z座標での)検知物体に関する点を点群500に提供する。コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、検知物体に関する二次元の位置情報および速度情報を点群500に提供する。結果として、点群500は、注釈速度を備えた点(各々が、検出物体を表す)を含む。
【0052】
上述のように、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサは、典型的には、実質的に方位角方向にのみスキャンして仰角方向にはスキャンしないよう構成されている。図6は、一実施形態に従って、ビームが実質的に方位角方向にのみスキャンされることを可能にする二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420を示すブロック図である。二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、光源すなわち発光素子600と、ビームステアリングメカニズム610と、検出器620と、ハウジング630と、を備える。当業者によって理解されるように、二次元コヒーレントLIDARセンサ420は、多くのその他の構成要素(例えば、受光レンズなどのレンズ)を備えてもよい。かかる様々なその他の構成要素は、図解の簡単のために示されていない。
【0053】
光源600は、一般に、任意の適切な波長(例えば、約1550ナノメートルの波長)の光を放射してよい。約1550ナノメートルの波長は、目に安全な出力限界を含むがそれに限定されない理由で、好ましい場合があることを理解されたい。一般に、適切な波長は、幅広く異なりうるものであり、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420を備えた自律車両の要件、ならびに/もしくは、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420にとって利用可能な電力量、を含むがそれらに限定されない要因に基づいて選択されてよい。
【0054】
光源600は、発散ビーム発生器640を備えてよい。一実施形態において、発散ビーム発生器640は、単一発散ビームを生成してよく、光源600は、ハウジング630を通して、表面(例えば、自律車両の表面)へ実質的に強固に取り付けられていてよい。換言すると、光源600は、回転しないように構成されていてよい。
【0055】
ビームステアリングメカニズム610は、発散ビーム発生器640によって生成されたビームを操作するよう構成されている。一実施形態において、ビームステアリングメカニズム610は、実質的に方位角方向(例えば、方位角方向の約360°)にのみビームを操作する回転鏡を備えてよい。ビームステアリングメカニズムは、時計回りおよび/または反時計回りに回転するよう構成されていてよい。ビームステアリングメカニズム610の回転速度は、大きく異なってよい。回転速度は、検出率および/または視野を含むがこれらに限定されない様々なパラメータによって決定されてよい。
【0056】
検出器620は、光源600によって放出された光が反射されて二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420へ戻った後に、光を受信するよう構成されている。ハウジング630は、一般に、光源600、ビームステアリングメカニズム610、および、検出器620を収容するよう構成されている。
【0057】
コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420によって用いられてよい特徴および機能のさらなる詳細が、2020年8月20日出願の同一出願人による同時係属の米国特許出願第16/998,294号「Single Beam Digitally Modulated Lidar for Autonomous Vehicle Sensing」に開示されており、その出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
ここで、図7Aおよび図7Bを参照する。図7Aは、一般に、ToF LIDARセンサ410の動作視野(FOV)を示し、図7Bは、一般に、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420の動作FOVを示す。簡単のために、ToF LIDARセンサ410およびコヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、図7Aおよび図7Bにおいて自律車両101の上部に示されているセンサポッド230内で同一場所に配置され、自律車両101は、道路700に沿って方向710に移動していることが理解される。ToF LIDARセンサ410およびコヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、同じ視野(FOV)720を有する。
【0059】
図7Aは、ToF LIDARセンサ410の動作を示しており、この図は、方向710に移動している自律車両10の側面図である。ToF LIDARセンサ410は、レーザビーム(例えば、1または複数の物体で反射しうるレーザパルス)を放射または送信する。ToF LIDARセンサ410は、反射ビームを収集し、ビームの送信時刻と反射ビームの到達時刻との間の差に基づいて、センサと物体との間の距離を決定する。図7Aは、ToF LIDARセンサ410によって検知されるFOV720を示しており、それは、自律車両101の移動方向710から離れた三次元空間ボリュームに広がっていてよい。一般に、ToF LIDARセンサは、物体の存在および物体の位置を特定するために用いられうるが、一般に、物体の移動速度を効率的に決定するためには利用できない。
【0060】
ここで、図7Bを参照すると、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420の一般的な動作が示されている。この図は、方向710に移動している自律車両10を示す上面図である。二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、単一発散(または扇状)レーザビームを、仰角方向(図7Aおよび図7Bのz方向)にはスキャンせずに、実質的に方位角方向(図7Aおよび図7Bのy方向)にのみスキャンしてよい。したがって、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420によって検知されるFOV720は、図2Bに示すように、x-y平面内の二次元のものであってよい。コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、所定の連続的な周波数の変化を伴った連続ビームを送信してよく、反射ビームを収集してよい。連続ビームおよび反射ビームに関する情報を用いて、ビームが反射した物体の距離測定値および速度測定値が取得されうる。一実施形態において、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサは、物体の位置に関する十分または高精度の情報を提供できないので、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、主に、物体に関する速度情報を取得するために用いられてよい。かかる速度情報は、方向性のある速度情報を含んでよく、例えば、物体が移動している一般方向を示す情報を含んでよい。
【0061】
ToF LIDARセンサ410と、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、実質的に同じFOVの物体に関するデータを生成するよう構成されている。例えば、ToF LIDARセンサ410は、物体位置の三次元点位置を生成でき、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、ToF LIDARセンサ410ならびに二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420が実質的に同じ瞬間に同じ物体を「見ている」ように、基本的にToF LIDARセンサ410によって見られる三次元空間の一部である二次元空間における情報を生成できる。
【0062】
当業者によって理解されるように、ToF LIDARセンサから収集されたデータは、所定の期間にわたって複数のフレームを処理することによって物体の速度を推定するために用いられてよい。しかしながら、かかる速度推定は、時間がかかり、しばしば、複数のフレームを処理する必要性のために、待ち時間の増大につながる。
【0063】
図7Cは、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420が生成しうる単一発散ビーム730を示す図である。単一発散ビーム730は、一実施形態によると、仰角方向の成分を有し、実質的に方位角方向(角度θ)にのみスキャンされる。コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、z軸の周りでスキャンされる単一発散ビーム730を生成するよう構成されている。ビーム730は、略扇状であり、仰角成分を有してよい。一実施形態において、ビーム730の仰角成分は、約-10°~約10°の範囲の角φである。ビーム730は、任意の適切な動作波長(例えば、約1550ナノメートルの動作波長)を有してよい。
【0064】
次に、図8を参照すると、一実施形態に従って、2つの異なるLIDARセンサを備えたセンサシステム全体を利用する方法800を示す処理フローチャートが図示されている。ToF LIDARセンサと、コヒーレント/FMCW LIDARセンサを備えたセンサシステム全体を利用する方法800は、データ(点データ)がToF LIDARセンサとコヒーレント/FMCW LIDARセンサとの両方を用いて時刻T1に取得される工程810で始まる。すなわち、点データは、自律車両のセンサシステムの一部であるToF LIDARセンサおよびコヒーレント/FMCW LIDARセンサの両方によって収集される。ToF LIDARセンサは、一般に、物体に関する三次元点データを取得し、一方、コヒーレント/FMCW LIDARセンサは、物体に関する二次元点データおよび速度情報を取得する。ToF LIDARセンサおよびコヒーレント/FMCW LIDARセンサは、同時に同じ物体を検出するように、実質的に同じスキャンパターン/視野を有してよい。これは、LIDARセンサおよびカメラを用いてもしくはLIDARセンサおよびレーダセンサを用いて他の方法で達成できるよりも簡単かつ正確に達成できる方法で、キャプチャされたデータをアライメントすることを可能にする。
【0065】
工程820において、タイミングおよびスキャニングの同期が、ToF LIDARセンサによっておよびコヒーレント/FMCW LIDARセンサによって時刻T1に取得されたデータに対して実行される。これは、同じ瞬間にキャプチャされた2つのLIDARセンサからのデータをアライメントする工程を含む。タイミングおよび同期は、ToF LIDARセンサによって取得された三次元点データと、コヒーレント/FMCW LIDARセンサによって取得された二次元位置データおよび速度データとに、実行されてよい。タイミングおよびスキャニングの同期は、モータ位相固定を含んでよく、一般に、ToF LIDARセンサと、コヒーレント/FMCW LIDARセンサとの間のピクセルレベルの同期を達成する。タイミングおよびスキャニングの同期を実行することにより、各LIDARセンサに関連するフレームが、タイミングに基づいて実質的に一致されうる。
【0066】
タイミングおよびスキャニングの同期が実行された後、処理フローは、点関連付けが、時間的相関、空間的相関、および、反射強度相関に基づいて実行される工程830に進む。点関連付けは、距離および反射強度の対応関係に基づいて、速度情報を三次元点データに割り当てる工程を含んでよいが、これに限定されない。このタイミングおよびスキャニングの同期工程は、コヒーレント/FMCW LIDARセンサによって取得された速度情報の、ToF LIDARセンサによって検出された点への割り当ての信頼性を支援する。同じ物体は、同じ距離において、一般に同じ反射率/強度で、2つのLIDARセンサによって検出され、同時に検出されるはずである。この点関連付け工程の一例について、図9に関連して後述する。
【0067】
点関連付けがなされると、工程840において、三次元の点および関連速度(例えば、注釈速度)を含む点群が、時間T1に対して作成される。注釈速度情報を備えた点群を作成すると、ToF LIDARセンサおよびコヒーレント/FMCW LIDARセンサを備えたセンサシステム全体を利用する方法は完了する。コヒーレント/FMCW LIDARセンサによって生成された点からの速度を、ToF LIDARセンサからの点に関連付ける時、速度は、静止した検出物体に関連する点に対してはゼロでありうるが、一方で、移動物体であり、速度について或る程度の大きさおよび方向(速度ベクトル)を有するために、或る程度の速度を有する点が存在しうる。図10に関連して、一例を後述する。
【0068】
ここで、図9を参照する。図9は、ToF LIDARセンサ410およびコヒーレント/FMCW LIDARセンサ420を含む/収容するセンサポッド230と、ToF LIDARセンサ410およびコヒーレント/FMCW LIDARセンサ420によって検知されるFOV720を上から見た様子とを示す図である。このように、センサポッド230からの距離は、x方向にあり、自律車両からの距離に対応し、y方向の物体の位置は、センサポッド230の方位角ビューに対応する。
【0069】
点900-1、900-2、900-3、900-4、および、900-5は、ToF LIDARセンサ410によって検出された物体の三次元位置の例を表している。点900-1、900-2、900-3、900-4、および、900-5は、単に、ToF LIDARセンサによって検出された点の簡単な例であり、典型的には、自律車両の環境によっては、実際の配備時にToF LIDARセンサによって検出される多くのさらなる点が存在することに注意されたい。ToF LIDARセンサ410は、点900-1、900-2、900-3、900-4、および、900-5に関連する三次元位置データを提供するが、これらの点の速度情報を提供しない。図10に関連して後述するように、各検出物体についてToF LIDARセンサ410によって出力されるデータは、強度値を伴った三次元位置である。強度値は、ToF LIDARセンサ410によって検出された物体からの反射光の強度を表す。
【0070】
コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420は、検出物体の(より低い解像度の)二次元位置情報および検出物体の速度情報を生成する。例えば、点910は、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420によって検出された物体の二次元位置を示す。点910のデータは、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420によって検出された物体の二次元位置および速度ベクトル(大きさおよび方向)を含んでよい。点910を表す円のサイズが大きいことは、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420による物体の位置の検出が正確である可能性が、ToF LIDARセンサ410によって検出される物体よりも低いことを意味する。にもかかわらず、方位角方向での(コヒーレント/FMCW LIDARセンサを用いた)点910に対応する物体の位置の検出が正確である可能性は、符号920で示されているレーダセンサのもの(はるかに広い領域)よりも実質的に良好である。結果として、図8に関連して上述した工程830において、点関連付け動作が、ToF LIDARセンサ410によって生成されたデータとコヒーレント/FMCW LIDARセンサによって生成されたデータとの間で実行される時、点900-5と点910との間の正確な関連付けを行うことが非常に容易になる。対照的に、レーダセンサが、コヒーレント/FMCW LIDARセンサの代わりに用いられる場合、点関連付けは、点910と点900-1との間で不正確になされうる可能性がある。したがって、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420とToF LIDARセンサ410とを併用する場合、コヒーレント/FMCW LIDARセンサ420によって提供された速度情報は、ToF LIDARセンサ410によって生成された点群の中の対応する点と容易かつ正確に関連付けられうる。
【0071】
ここで、図10を参照する。図10は、上述のデュアルLIDARセンサ構成によって検出された物体のデータを表す点を示す。特に、プロット1000は、ToF LIDARセンサによって検出された点群(簡略化されている)を表すデータを示しており、ここで、各点は、検出物体に関連し、座標(x,y,z)および反射強度(I)を含む。この簡略化された例において、ToF LIDARセンサは、3つの物体を検出しており、点1010-1、1010-2、および、1010-3が、それらの3つの物体を表している。点1010-1によって表されている物体1は、(X1,Y1,Z1,I1)によって記述されており、ここで、I1は、物体1の反射強度である。点1010-2によって表されている物体2は、(X2,Y2,Z2,I2)によって記述されており、ここで、I2は、物体2の反射強度であり、同様に、点1010-3によって表されている物体3は、(X3,Y3,Z3,I3)によって記述されており、ここで、I3は、物体3の反射強度である。ToF LIDARセンサは、検出物体の速度情報を提供しない。
【0072】
コヒーレント/FMCW LIDARセンサは、より低い解像度の距離情報を生成するが、速度情報を提供する。プロット1020は、プロット1000に示されているデータと同じ瞬間にコヒーレント/FMCW LIDARセンサによって検出された物体のプロットを表すデータを示している。点1030-1によって表されている物体1は、二次元位置情報、強度情報、および、速度情報(例えば、(X1,Y1,I1,V1)によって記述されており、ここで、V1は、物体1の速度(例えば、x-y平面におけるコヒーレント/FMCW LIDARセンサに対する半径方向速度)のベクトルである。したがって、速度V1は、方向成分および大きさ成分を有する。点1030-2によって表されている物体2は、(X2,Y2,I2,V2)によって記述されており、ここで、V2は、物体2の速度(例えば、x-y平面における半径方向速度)のベクトルであり、同様に、点1010-3によって表されている物体3は、(X3,Y3,I3,V3)によって記述されており、ここで、V3は、物体3の速度(例えば、x-y平面における半径方向速度)のベクトルである。再び、コヒーレント/FMCW LIDARセンサは、二次元位置情報(ToFセンサよりも低い解像度の位置情報)、強度情報、および、速度情報を提供する。
【0073】
注釈付き点群が、図10のプロット1040に示されている。このプロット1040は、図10のプロット1000および1020に示されているデータ例に対する図8の方法800の工程840の結果を表している。注釈付き点群は、コヒーレント/FMCW LIDARセンサによって検出された点に対して取得された速度情報を、ToF LIDARセンサによって作成された3D点群内の適切に関連付けられた点に付加することによって作成される。この例において、コヒーレント/FMCW LIDARセンサによって検出された(速度情報を備えた)点1030-1、1030-2および1030-3は、ToF LIDARセンサによって検出された点1010-1、1010-2、および、1010-3にそれぞれ関連付けられている。したがって、プロット1040は、点1050-1、1050-2、および1050-3を示しており、これらの点は、それぞれ、位置および強度で、点1010-1、1010-2、および、1010-3に対応し、現在では、速度情報V1、V2、および、V3をそれぞれ含んでいる。
【0074】
ここで、一例実施形態に従って、方法1100を示すフローチャートを図示した図11を参照する。工程1110において、方法1100は、視野内で検出された1または複数の物体の各々の三次元位置を表す第1点データを第1LIDARセンサから取得する工程を備える。工程1120において、方法1100は、視野内の1または複数の物体の各々の二次元位置および速度を表す第2点データを第2LIDARセンサから取得する工程を備える。工程1110および1120は、第1LIDARセンサおよび第2LIDARセンサが同じ視野を有しており、その他の点で独立して動作している限りは、実質的に同時に実行されてよい。工程1130において、方法1100は、第1点データおよび第2点データの時間特性、位置(空間)特性、および、強度特性の相関に基づいて、第1点データと第2点データとの間の点関連付けを実行する工程を備える。工程1140において、工程1130での第1点データと第2点データとの間の点関連付けに基づいて、方法1100は、視野内の1または複数の物体と、1または複数の物体の関連速度とを表す点を含む点群を生成する工程を備える。
【0075】
一形態において、方法1100は、さらに、第1点データおよび第2点データが所与の瞬間にキャプチャされたことを決定するために、所与の瞬間に対して、第1点データおよび第2点データにタイミングおよびスキャニングの同期を実行する工程を備える。
【0076】
点関連付けを実行する工程1130は、さらに、第1点データにおける1または複数の物体を表す点に対して、時間、位置、および、強度の類似性に基づいて、第2点データにおける1または複数の物体を表す点を整合させる工程と、その整合に基づいて、第2点データにおける点の速度情報を第1点データにおける対応する点に割り当てる工程と、を含んでよい。
【0077】
上述のように、第1点データは、第2点データよりも高い解像度によって物体の位置を表す。
【0078】
さらに、第1LIDARセンサは、飛行時間(ToF)LIDARセンサであってよく、第2LIDARセンサは、コヒーレントLIDARセンサまたは周波数変調連続波(FMCW)LIDARセンサであってよい。さらに、第2LIDARセンサは、車両の移動方向に対して実質的に方位角方向にのみスキャンされる単一発散ビームを生成するよう構成されていてよい。
【0079】
第1点データを第1LIDARセンサから取得する工程1110および第2点データを第2LIDARセンサから取得する工程1120は、車両上で実行され、第1LIDARセンサおよび第2LIDARセンサの視野は、車両の移動方向に配置され、第2LIDARセンサは、車両の移動方向に対して実質的に方位角方向にのみスキャンするよう構成されている。
【0080】
同様に、第1LIDARセンサから第1点データを取得する工程1110および第2LIDARセンサから第2点データを取得する工程1120は、自律車両上で実行される。方法1100は、さらに、視野内の1または複数の物体の位置および速度に少なくとも部分的に基づいて、自律車両の動きを制御する工程を備えてもよい。
【0081】
要約すると、第1LIDARセンサが物体の三次元(高解像度)位置を提供し、第2LIDARセンサが検出物体の二次元位置情報(低解像度)および速度情報を提供するためのシステムおよび技術が、本明細書で提供されている。第1LIDARセンサによって生成された点群は、第2LIDARセンサによって取得された速度情報を注釈付けされる。換言すると、2つのLIDARセンサからの出力は、第1LIDARセンサからの高解像度データに検出物体の速度情報を注釈付けするために、組み合わせられる。第1LIDARセンサは、ToF LIDARセンサであってよく、第2LIDARセンサは、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサであってよい。
【0082】
三次元位置情報(速度情報なし)を提供するToF LIDARセンサと、二次元位置情報および速度情報を生成する二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサとの組みあわせは、速度情報を提供する単一の三次元LIDARセンサよりも低コストで複雑ではないLIDARセンサソリューションを提供する。
【0083】
いくつかの実施形態のみが本開示に記載されているが、本開示は、本開示の精神または範囲から逸脱することなしに多くのその他の具体的な形態で実施されうることを理解されたい。例として、注釈速度を備えた点群を効果的に生成しうるセンサシステムは、任意の適切なLIDARシステムを含みうる。換言すると、ToF LIDARセンサおよび二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ以外のLIDARセンサが、注釈速度を備えた点群を生成するために用いられてもよい。一般に、或るLIDARセンサが、物体に関する比較的正確な点を取得するために用いられてよく、別のLIDARセンサが、物体に関する速度を取得するために用いられてよい。
【0084】
二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサは、LIDARセンサから約80メートル(m)~約300m離れた移動障害物を検出できる。いくつかの例において、LIDARセンサは、センサから約120m~約200m離れた移動障害物を検出するよう構成されてもよい。LIDARセンサは、前述したように、実質的に方位角方向にのみスキャンされて仰角方向にはスキャンされない単一発散(または扇状)ビームを用いてよい。自律車両が、物体から約120m~約200m離れた距離にある時、自律車両は、一般に、移動物体に関心を持ち、実質的に静止した物体にはそれほど関心を持たない。したがって、特に、自律車両が物体に近づいた時に異なる仰角にある物体を区別するために、ToF LIDARセンサおよび/またはその他のセンサが用いられてよいので、実質的に方位角方向にのみスキャンされる単一発散ビームを用いて異なる仰角の物体を区別することが潜在的にできないことは、重要ではない。そのため、二次元コヒーレント/FMCW LIDARセンサ、特に、実質的に方位角方向にのみスキャンする任意の二次元LIDARセンサは、約100メートルより遠い物体に関心がある場合など、仰角(垂直)方向にスキャンする必要のない自律車両応用例で良好に機能しうる。
【0085】
自律車両は、一般に、陸上車両、すなわち、陸上で推進または輸送されるよう構成された車両、として記載されている。いくつかの実施形態において、自律車両は、本開示の精神または範囲から逸脱することなしに、水上走行、ホバー走行、および/または、空中飛行用に構成されてもよいことを理解されたい。一般に、自律車両は、無人、運転手のいない、自動運転、自律的、および/または、コンピュータ制御された方法で動作しうる任意の適切な輸送装置であってよい。
【0086】
実施形態は、実行された時に上述の様々な方法および処理を実行するよう動作可能である有形すなわち持続性の媒体の中に具現化されたハードウェア、ファームウェア、および/または、ソフトウェアロジックとして実施されてよい。すなわち、ロジックは、物理的な装置、モジュール、または、構成要素として具現化されてよい。例えば、図3に関して上述した自律車両のシステムは、有形の媒体上に具現化されたハードウェア、ファームウェア、および/または、ソフトウェアを含んでよい。有形の媒体は、実施形態に関連する方法および機能を実行するために、例えばプロセッサまたはコンピュータシステム全体によって、実行されてよいロジックまたはコンピュータプログラムコードを格納できる実質的に任意のコンピュータ読み取り可能媒体であってよい。かかるコンピュータ読み取り可能媒体は、物理的なストレージおよび/またはメモリデバイスを含みうるが、これらに限定されない。実行可能なロジックは、コードデバイス、コンピュータプログラムコード、および/または、実行可能なコンピュータコマンドまたは命令を含みうるが、これらに限定されない。
【0087】
コンピュータ読み取り可能媒体またはマシン読み取り可能媒体は、一時的な実施形態および/または非一時的な施形態(例えば、信号、または、搬送波内に具現化された信号)を含みうることを理解されたい。すなわち、コンピュータ読み取り可能媒体は、非一時的な有形の媒体および一時的な伝搬信号に関連していてよい。
【0088】
ここで図12を参照すると、図12は、図1図11に示した技術に関連して本明細書で論じられている動作に関連する機能を実行しうるコンピュータデバイス1200を示すハードウェアブロック図である。様々な実施形態例において、コンピュータデバイス(コンピュータデバイス1200または複数のコンピュータデバイス1200の任意の組みあわせなど)は、本明細書で論じられている様々な技術の動作を実行するために、図1図11に関連して示した技術について論じた任意の1または複数のエンティティとして構成されてよい。
【0089】
少なくとも1つの実施形態において、コンピュータデバイス1200は、1または複数のプロセッサ1205と、1または複数のメモリ素子1210と、ストレージ1215と、バス1220と、1または複数のネットワーク入力/出力(I/O)インターフェース1230と相互接続されている1または複数のネットワークプロセッサユニット1225と、1または複数のI/Oインターフェース1235と、制御ロジック1240と、を備えてよい。様々な実施形態において、コンピュータデバイス1200のためのロジックに関連する命令は、任意の方法で重複してもよく、本明細書に記載の命令および/または動作の具体的な割り当てに限定されない。
【0090】
少なくとも1つの実施形態において、プロセッサ1205は、コンピュータデバイス用に構成されたソフトウェアおよび/または命令に従って、本明細書に記載のコンピュータデバイス1200のための様々なタスク、動作、および/または、機能を実行するよう構成されている少なくとも1つのハードウェアプロセッサである。プロセッサ1205(例えば、ハードウェアプロセッサ)は、本明細書で詳述されている動作を達成するために、データに関連する任意のタイプの命令を実行できる。一例において、プロセッサ1205は、或る状態またはものから別の状態またはものへ要素または項目(例えば、データ、情報)を変換できる。本明細書で記載されている潜在的な処理要素、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンド信号プロセッサ、モデム、PHY、コントローラ、システム、マネージャ、ロジック、および/または、マシンは、広い用語「プロセッサ」内に含まれるものとして解釈されうる。
【0091】
少なくとも1つの実施形態において、メモリ素子1210および/またはストレージ1215は、データ、コンピュータデバイス1200に関連する情報、ソフトウェア、および/または、命令、ならびに/もしくは、メモリ素子1210および/またはストレージ1215用に構成されているロジックを格納するよう構成されている。例えば、本明細書に記載の任意のロジック(例えば、制御ロジック1240)は、様々な実施形態において、メモリ素子1210および/またはストレージ1215の任意の組みあわせを用いて、コンピュータデバイス1200に格納されうる。いくつかの実施形態において、ストレージ1215は、メモリ素子1210で強化されてもよく(またはその逆)、もしくは、任意のその他の適切な方法で重複/存在できる。
【0092】
少なくとも1つの実施形態において、バス1220は、情報および/またはデータをやり取りするために、コンピュータデバイス1200の1または複数の要素が通信することを可能にするインターフェースとして構成されてよい。バス1220は、コンピュータデバイス1200用に構成されうるプロセッサ、メモリ素子/ストレージ、周辺デバイス、ならびに/もしくは、任意のその他のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素の間で、制御、データ、および/または、情報を渡すために設計された任意のアーキテクチャで実装されてよい。少なくとも1つの実施形態において、バス1220は、プロセス(例えば、ロジック)間で共有されたメモリを潜在的に用いる高速のカーネルホスト相互接続として実装されてよく、プロセスの間の効率的な通信経路を可能にしうる。
【0093】
様々な実施形態において、ネットワークプロセッサユニット1225は、本明細書に記載の様々な実施形態について論じられている動作を容易にするために、ネットワークI/Oインターフェース1230を介して、コンピュータデバイス1200と、その他のシステム、エンティティなどとの間の通信を可能にしてよい。様々な実施形態において、ネットワークプロセッサユニット1225は、本明細書に記載の様々な実施形態のための動作を容易にするように、コンピュータデバイス1200と、その他のシステム、エンティティなどとの間の通信を可能にするために、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(1以上のイーサネットドライバおよび/またはコントローラまたはインターフェースカード、ファイバチャネル(例えば、光学)ドライバおよび/またはコントローラ、ならびに/もしくは、現在周知であるかまたは今後開発されるその他の同様のネットワークインターフェースドライバおよび/またはコントローラ、など)の組み合わせとして構成されてよい。様々な実施形態において、ネットワークI/Oインターフェース1230は、1または複数のイーサネットポート、ファイバチャネルポート、および/または、現在周知であるかまたは今後開発される任意のその他のI/Oポートとして構成されてよい。したがって、ネットワークプロセッサユニット1225および/またはネットワークI/Oインターフェース1230は、ネットワーク環境内でデータおよび/または情報を受信、送信、および/または、他の方法で通信するのに適したインターフェースを備えてよい。
【0094】
I/Oインターフェース1235は、コンピュータデバイス1200に接続されてよいその他のエンティティとのデータおよび/または情報の入力および出力を可能にする。例えば、I/Oインターフェース1235は、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、および/または、現在周知であるかまたは今後開発される任意のその他の適切な入力デバイスなど、外部デバイスへの接続を提供してよいいくつかの例において、外部デバイスは、データベースシステム、サムドライブ、ポータブルな光ディスクまたは磁気ディスク、ならびに、メモリカードなど、ポータブルなコンピュータ読み取り可能(非一時的)記憶媒体も含みうる。さらにいくつかの例において、外部デバイスは、例えば、コンピュータモニタ、ディスプレイスクリーンなど、ユーザに対してデータを表示するためのメカニズムであってもよい。
【0095】
様々な実施形態において、制御ロジック1240は、実行されるとプロセッサ1205に動作を実行させる命令を含んでよく、動作は、コンピュータデバイスの制御動作全体を提供する動作、本明細書に記載のその他のエンティティ、システムなどとの相互作用する動作、格納されたデータ、情報、パラメータなどを維持しおよび/またはそれらと相互作用する動作(例えば、メモリ素子、ストレージ、データ構造、データベース、テーブル、など)、それらの組みあわせ、ならびに/もしくは、本明細書に記載の実施形態のための様々な動作を容易にするための同様の動作、を含みうるが、それらに限定されない。
【0096】
本明細書に記載のプログラム(例えば、制御ロジック1240)は、具体的な実施形態においてそれらが実装される応用例に基づいて識別されてよい。ただし、本明細書のどの特定のプログラムの名称も、単に便宜上用いられているだけなので、本明細書の実施形態は、かかる名称によって識別および/または暗示される任意の具体的な応用例に記載される利用のみに限定されるべきではないことを理解されたい。
【0097】
様々な実施形態において、本明細書に記載されているエンティティは、任意の適切な揮発性および/または不揮発性のメモリアイテム(例えば、磁気ハードディスクドライブ、ソリッドステートハードドライブ、半導体ストレージデバイス、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)、特定用途向け集積回路(ASIC)など)、ソフトウェア、ロジック(固定ロジック、ハードウェアロジック、プログラム可能ロジック、アナログロジック、デジタルロジック)、ハードウェア内に、ならびに/もしくは、適切でありうる任意のその他の適した構成要素、デバイス、要素、および/または、オブジェクトに、データ/情報を格納してよい。本明細書で論じられているメモリアイテムはいずれも、幅広い用語「メモリ素子」内に包含されるものと解釈されるべきである。本明細書で論じられているように追跡されおよび/または1または複数のエンティティに送信されるデータ/情報は、任意のデータベース、テーブル、レジスタ、リスト、キャッシュ、ストレージ、および/または、ストレージ構造に提供されてよく、それらはすべて、任意の適切な時間枠に参照可能である。任意のかかるストレージオプションも、本明細書で用いられている幅広い用語「メモリ素子」内に含まれうる。
【0098】
特定の実施例において、本明細書に説明されている動作は、命令および/またはデジタル情報を格納でき、1または複数のプロセッサおよび/またはその他の同様のマシンなどによって実行するための非一時的な有形媒体および/または非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体(例えば、ASIC、デジタル信号処理(DSP)命令、ソフトウェア(オブジェクトコードおよびソースコードを潜在的に含む)など)で提供される埋め込みロジック)を含みうる1または複数の有形媒体内に符号化されたロジックによって実施されてよいことに注意されたい。一般に、メモリ素子1210および/またはストレージ1215は、本明細書に記載の動作に用いられるデータ、ソフトウェア、コード、命令(例えば、プロセッサ命令)、ロジック、パラメータ、それらの組み合わせ、および/または、同様のものを格納できる。これは、本開示の教示に従って動作を行うよために実行されるデータ、ソフトウェア、コード、命令(例えば、プロセッサ命令)、ロジック、パラメータ、それらの組み合わせ、または、同等物を格納できるメモリ素子1210および/またはストレージ1215を含む。
【0099】
いくつかの例において、本実施形態のソフトウェアは、据え置き型または携帯型のプログラム製品装置の非一時的なコンピュータ利用可能媒体(例えば、磁気または光学媒体、磁気光学媒体、CD-ROM、DVD、メモリデバイス、など)、ダウンロード可能なファイル、ファイルラッパ、オブジェクト、パッケージ、コンテナ、および/または、同等物などを通じて利用可能であってよい。いくつかの例において、非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、リムーバブルであってもよい。例えば、リムーバブルハードドライブが、いくつかの実施例において、メモリ/ストレージに用いられてよい。その他の例は、別のコンピュータ読み取り可能記憶媒体に転送するためにコンピュータデバイスに挿入および/またはその他の方法で接続することができる光ディスク、磁気ディスク、サムドライブ、および、スマートカードを含みうる。
【0100】
変形例および実施例
本明細書に記載の実施形態は、1または複数のネットワークを備えてよく、ネットワークは、1または複数のネットワークを通して伝わるメッセージ(例えば、情報のパケット)を受信および/または送信するために相互接続された通信経路の一連のポイントおよび/またはネットワーク要素を表しうる。これらのネットワーク要素は、ネットワーク要素の間の通信を容易にする通信インターフェースを提供する。ネットワークは、通信媒体を通して互いに接続されている(および通信する)任意の数のハードウェア要素および/またはソフトウェア要素を含みうる。かかるネットワークは、任意のローカルエリアネットワーク(LAN)、仮想LAN(VLAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)、ソフトウェア定義WAN(SD-WAN)、無線ローカルエリア(WLA)アクセスネットワーク、無線ワイドエリア(WWA)アクセスネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベートネットワーク(VPN)、低電力ネットワーク(LPN)、低電力ワイドエリアネットワーク(LPWAN)、マシンツーマシン(M2M)ネットワーク、インターネット・オブ・シングス(IoT)ネットワーク、イーサネットネットワーク/スイッチングシステム、ネットワーク環境での通信を容易にする任意のその他の適切なアーキテクチャおよび/またはシステム、ならびに/もしくは、それらの任意の適切な組合せ、を含みうるが、これらに限定されない。
【0101】
通信が伝わるネットワークは、無線通信(例えば、4G/5G/nG、IEEE802.11(例えば、Wi-Fi(登録商標)/Wi-Fi6(登録商標))、IEEE802.16(例えば、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX))、無線自動識別(RFID)、近距離無線通信(NFC)、Bluetooth(商標)、ミリ波、ウルトラワイドバンド(UWB)、など)、および/または、有線通信(例えば、T1回線、T3回線、デジタル加入者回線(DSL)、イーサネット、ファイバチャネル、など)を含め、通信用の任意の適切な技術を利用できる。一般に、本明細書の実施形態に従った1または複数のネットワークを通した通信を容易にするために、電気、音、光、赤外線、および/または、無線通信など、任意の適切な通信手段が利用されてよい。本明細書に記載されている様々な実施形態について論じた通信、相互作用、動作などは、データおよび/または情報のやり取りを可能にする任意のアルゴリズム、通信プロトコル、インターフェースなど(独自および/または非独自)を利用して直接的または間接的に接続されうるエンティティの間で実行されてよい。
【0102】
本明細書で提示されている実施形態がデータの格納に関連する限りにおいて、実施形態は、情報を格納するために、任意の数の任意の従来またはその他のデータベース、データストア、または、ストレージ構造(例えば、ファイル、データベース、データ構造、データ、または、その他のレポジトリ、など)を利用してよい。
【0103】
本明細書では、「一実施形態」、「実施形態例」、「実施形態」、「別の実施形態」、「特定の実施形態」、「いくつかの実施形態」、「様々な実施形態」、「他の実施形態」、「代替実施形態」などに含まれる様々な特徴(例えば、要素、構造、ノード、モジュール、構成要素、エンジン、ロジック、工程、動作、機能、特性、など)への言及は、任意のかかる特徴が本開示の1または複数の実施形態に含まれるが、同じ実施形態の中に組み合わせられてもよいし、必ずしも同じ実施形態に組み合わせられなくてもよいことを意味するよう意図されている。また、本明細書で用いられているモジュール、エンジン、クライアント、コントローラ、機能、ロジックなどは、サーバ、コンピュータ、プロセッサ、マシン、演算ノード、それらの組み合わせなどにおいて理解および処理が可能な命令を含む実行可能ファイルを含むことができ、さらに、実行中にロードされるライブラリモジュール、オブジェクトファイル、システムファイル、ハードウェアロジック、ソフトウェアロジック、または、任意のその他の実行可能モジュールを含みうることに注意されたい。
【0104】
また、前述の図面を参照して記載されている動作および工程は、本明細書で論じられている1または複数のエンティティによって実行されてよい可能なシナリオの一部のみを説明するものであることに注意されたい。これらの動作のいくつかは、適切であれば削除または除去されてもよく、もしくは、これらの工程は、提示されている概念の範囲から逸脱することなしに大幅に変形または変更されてもよい。さらに、これらの動作のタイミングおよび順序が、大幅に変更されても、本開示で教示されている結果を達成しうる。前述の動作フローは、例示および議論のために提供されている。任意の適切な配列、時系列、構成、および、タイミングメカニズムが、論じられている概念の教示から逸脱することなしに提供されうる点で、実質的な柔軟性が、実施形態によって提供されている。
【0105】
本明細書で利用されているように、明示的に特段の記載がない限り、「~の少なくとも1つ」、「~の1または複数」、「および/または」、それらの変化形、などの表現の利用は、関連する列挙された項目のありとあらゆる可能な組み合わせに対する操作において接続的および離接的なオープンエンドな表現である。例えば、「X、Y、および、Zの少なくとも1つ」、「X、Y、または、Zの少なくとも1つ」、「X、Y、および、Zの1または複数」、「X、Y、または、Zの1または複数」、ならびに、「X、Y、および/または、Z」という表現の各々は、以下のいずれかをも意味しうる:1)Xであるが、Yではなく、かつ、Zではない、2)Yであるが、Xではなく、かつ、Zではない、3)Zであるが、Xではなく、かつ、Yではない、4)XかつYであるが、Zではない、5)XかつZであるが、Yではない、6)YかつZであるが、Xではない、もしくは、7)X、Y、かつ、Zである。
【0106】
さらに、明示的に特段の記載がない限り、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、それらが修飾する特定の名詞(例えば、要素、条件、ノード、モジュール、動き、動作、など)を区別することを意図されている。明示的に特段の記載がない限り、これらの用語の利用は、修飾されている名詞の任意の種類の順序、順位、重要性、時間的順序、または、階層を示すことを意図されていない。例えば、「第1X」と「第2X」は、2つの要素の任意の順序、順位、重要性、時間的順序、または、階層によって必ずしも限定されない2つの「X」要素を示すことを意図されている。さらに、本明細書で言及されているように、「~の少なくとも1つ」および「~の1または複数」は、「(s)」という用語(例えば、1または複数の要素(one or more element(s)))を用いて表すことができる。
【0107】
要約すると、一形態において、コンピュータ実施方法が提供されており、その方法は、視野内で検出された1または複数の物体の三次元位置を表す第1点データを第1LIDARセンサから取得する工程と、視野内の1または複数の物体の1または複数の物体の二次元位置および速度を表す第2点データを第2LIDARセンサから取得する工程と、第1点データおよび第2点データの時間特性、位置特性、および、強度特性の相関に基づいて、第1点データと第2点データとの間の点関連付けを実行する工程と、第1点データと第2点データとの間の点関連付けに基づいて、視野内の1または複数の物体と、1または複数の物体の関連速度とを表す点を含む点群を生成する工程と、を備える。
【0108】
別の形態において、センサシステムが提供されており、そのセンサシステムは、視野内で検出された1または複数の物体の三次元位置を表す第1点データを生成するよう構成されている第1LIDARセンサと、視野内の1または複数の物体の二次元位置および速度を表す第2点データを生成するよう構成されている第2LIDARセンサと、第1LIDARセンサおよび第2LIDARセンサに接続された1または複数のプロセッサと、を備え、1または複数のプロセッサは、第1点データおよび第2点データの時間特性、位置特性、および、強度特性の相関に基づいて、第1点データと第2点データとの間の点関連付けを実行し、第1点データと第2点データとの間の点関連付けに基づいて、視野内の1または複数の物体と、1または複数の物体の関連速度とを表す点を含む点群を生成するよう構成されている。
【0109】
さらに別の形態において、1または複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体が提供されており、記憶媒体は、命令を備え、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、視野内で検出された1または複数の物体の三次元位置を表す第1点データを第1LIDARセンサから取得し、視野内の1または複数の物体の1または複数の物体の二次元位置および速度を表す第2点データを第2LIDARセンサから取得し、第1点データおよび第2点データの時間特性、位置特性、および、強度特性の相関に基づいて、第1点データと第2点データとの間の点関連付けを実行し、第1点データと第2点データとの間の点関連付けに基づいて、視野内の1または複数の物体と、1または複数の物体の関連速度とを表す点を含む点群を生成するよう動作可能である。
【0110】
本明細書に記載されている1または複数の利点は、本明細書に記載されている実施形態のいずれか1つが、記載されている利点すべてを必ず提供することも、本開示の実施形態すべてが、記載されている利点のいずれか1つを必ず提供することも示唆するものではない。多くのその他の変更、置換、変形、修正、および/または、改変が、当業者に把握されえ、本開示は、添付の特許請求の範囲に属するものとして、すべてのかかる変更、置換、変形、修正、および/または、改変を包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】