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  • 特表-発酵プロセス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】発酵プロセス
(51)【国際特許分類】
   C12P 1/04 20060101AFI20230712BHJP
   C12P 19/42 20060101ALI20230712BHJP
   A23L 33/15 20160101ALI20230712BHJP
【FI】
C12P1/04
C12P19/42
A23L33/15
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575777
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2021067231
(87)【国際公開番号】W WO2021260057
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】20181523.0
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon 1, NL-6411 TE Heerlen,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】パイロン, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ハンス, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ グラーフ, マールテン, ヨブ
【テーマコード(参考)】
4B018
4B064
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018LE02
4B018MD23
4B018ME02
4B018MF01
4B018MF14
4B064AE01
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA10
(57)【要約】
本発明は、効率が良く且つ環境への影響が少ない持続可能な発酵プロセスに関する。特に、本発明は、1つの発酵プロセスにおいて、2つ以上の発酵産物、すなわち「一次」発酵産物及び「二次」発酵産物を生成し単離することができる方法、特に1つは水溶性有機化合物であり、1つは脂溶性有機化合物、特に脂溶性ビタミン、好ましくはビタミンK2である方法に関する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次発酵産物及び二次発酵産物を共産生することができる宿主細胞における少なくとも2つの発酵産物を共産生するための方法であって、1つの発酵産物は水溶性化合物であり、1つの発酵産物は脂溶性化合物であり、脂溶性発酵産物は、好ましくは脂溶性ビタミンであり、より好ましくはビタミンKであり、最も好ましくはビタミンK2である方法。
【請求項2】
前記一次発酵産物は水溶性であり、前記二次発酵産物は脂溶性である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一次発酵産物及び前記二次発酵産物は、ビタミンから選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記一次発酵産物は、ビタミンB2、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB3、ビタミンB1、ビタミンB7、好ましくはビタミンB2、B5、B6、B12、より好ましくはビタミンB2からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記二次発酵産物は、前記一次発酵産物の発酵産生中に生成されるバイオマスから抽出される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記二次発酵産物は、ビタミンK2、好ましくは少なくとも約80%(wt/wt)の割合のMK-7を含むビタミンK2である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記二次発酵産物は、発酵産物1g当たり、好ましくはビタミンK2 1g当たり、約10ng以下の割合のDNAを含むビタミンK2である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記二次発酵産物は、発酵産物1g当たり、好ましくはビタミンK2 1g当たり、1コロニー形成単位(CFU)未満の割合の産生株を含むビタミンK2である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ラクトコッカス属(Lactococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、バチルス属(Bacillus)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、エリザベトインギア属(Elizabethingia)及びエシェリキア属(Escherichia)からなる群から選択される、好ましくは、B.アミロリクエファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.サブティリス(B.subtilis)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.サブティリス・ナットー(B.subtilis natto)、B.ポリミクサ(B.polymyxa)、B.フィルミス(B.firmus)、B.メガテリウム(B.megaterium)、B.セレウス(B.cereus)、B.チューリンギエンシス(B.thuringiensis)、フラボバクテリウム種(Flavobacterium sp.)、より好ましくは、フラボバクテリウム・メニンゴセプティカム(Flavobacterium meningosepticum)、エイザベトインギア・メニンゴセプティカ(Elizabethingia meningoseptica)、E.コリ(E.coli)、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis ssp.Lactis)、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモニス(Lactococcus lactis ssp.Cremonis)、フラボバクテリウム・メニンゴセプティカム(Flavobacterium meningosepticum)、又はC.グルタミカム(C.glutamicum)、最も好ましくは、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)から選択される宿主細胞における、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(a)前記一次発酵産物、好ましくは水溶性ビタミンの産生に好適である、好適な条件下及び好適な培養培地中で前記宿主細胞を培養する工程、
(b)工程(a)からの前記一次発酵産物を産生流から単離する工程、
(c)工程(a)中に生成されたバイオマスから、前記二次発酵産物、好ましくはビタミンK2を回収する工程、並びに、任意選択による
(d)前記一次及び/又は二次発酵産物を精製する工程
を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
遺伝子操作されたバイオマスから回収/抽出を行う工程を含み、前記回収されたビタミンK2は、少なくとも約80%(wt/wt)の範囲のMK-7の含有量を有し、且つ、PCRによる測定で、ビタミンK2 1g当たり約10ngのDNA、好ましくは組換えDNAの最大含有量を有する、バイオベースのビタミンK2を製造するための方法である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ヘキサンを含まない溶媒、好ましくは、少なくともエタノールを約80%(wt/wt)含む水溶液中で、二次発酵産物としてビタミンK2を抽出することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
バイオベースの発酵産物を、カプセル化剤、有機溶媒、油、超臨界流体、抗酸化剤、糖、共結晶化剤、コアセルベート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の成分と混合することを含み、栄養製品を製造することをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法によって得られるビタミンK2 1g当たり約1CFU未満の含有量の産生株を含むバイオベースのビタミンK2。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、効率が良く且つ環境への影響が少ない持続可能な発酵プロセスに関する。特に、本発明は、1つの発酵プロセスにおいて、2つ以上の発酵産物、すなわち「一次」発酵産物及び「二次」発酵産物を生成し単離することができる方法、特に1つは水溶性有機化合物であり、1つは脂溶性有機化合物、特に脂溶性ビタミン、好ましくはビタミンK2である方法に関する。
【0002】
ビタミン、酵素、抗生物質、アミノ酸、燃料を含む多くの製品は、今日では化学合成によって製造されるよりはむしろ、大規模発酵によって生成されている。バイオテクノロジーの多くの利点のうちのいくつかは、毒性の低い成分の使用であり、健康に良く天然又はバイオベースの製品につながる。このような発酵プロセスにおいては、通常、宿主細胞(発酵産物の産生を可能にする異種遺伝子を発現する遺伝子改変宿主細胞を含む)を好適な条件下で培養し、発酵産物をバイオマスから抽出/単離する。バイオマスは、依然として存在し、環境に有害である組換えDNAを排除する特別の処理を前記バイオマスに対し行った後、そのほとんどが最終的に「処分」又は廃棄されている。
【0003】
バイオテクノロジープロセスは多くのバイオ製品をもたらし得るが、それでも培養培地からの発酵産物の抽出が、経済的及び生態学的側面で、いくらかマイナスの影響を有する可能性がある。例えば、多くの発酵産物、例えばビタミンK2の単離は、効率的な抽出の前に、例えば、当該技術分野で知られる超臨界COによるなど、したがって、一般に非常に高価な手順である、バイオマスの乾燥を必要とする。この分野で一般的に使用されているヘキサン又はヘプタンを含む溶媒の使用もまた、環境及び健康にいくらかの悪影響を及ぼす可能性があり(食品用途ではノーゴーである)、したがって避けるべきである。
【0004】
これに加えて、特に国連の持続可能な開発目標に到達するためには、廃棄物及び温室効果ガスの排出を削減すること、すなわち、既知のプロセスと比較して、毒性のない又は毒性の低い手順を用いて、持続可能な方法でバイオマスをリサイクルし、且つ/又は前記バイオマスから有益な化合物を抽出することを含む、より環境に優しく持続可能な生産プロセスを探すことが強く求められている。
【0005】
驚くべきことに、本発明者らは、有機化合物の発酵生産を最適化する方法を見出した。1つの(共通の)宿主細胞を使用する1つの発酵プロセスを用いて、少なくとも2つの有益な発酵産物、すなわち、「一次」発酵産物及び「二次」発酵産物を得ることができ、特に、発酵産物の1つは水溶性であり、1つの発酵産物は脂溶性である方法である。
【0006】
特に、本発明は、好適な宿主細胞における共発酵プロセスであって、前記宿主細胞は少なくとも2つの発酵産物を共産生することができ、1つの発酵産物は水溶性であり、1つの発酵産物は脂溶性であり、特に脂溶性ビタミン、好ましくはビタミンK、より好ましくはビタミンK2であるプロセスを対象としている。好ましくは、一次発酵産物は水溶性であり、二次発酵産物は脂溶性である。
【0007】
本明細書で使用される場合、用語「1つの発酵プロセス」は、適切な培養条件下、一次発酵産物が形成され、前記一次発酵産物が産生流から単離され、すなわちバイオマスから分離され、さらに、第2の発酵産物が前記バイオマスから抽出される方法で行われる、好適な宿主細胞の培養を意味する。「1つの発酵プロセス」及び「共発酵プロセス」という用語は、本明細書では互換的に使用される。これにはまた、両発酵産物が同時に抽出又は単離され、その後分離される、1つの宿主細胞を使用する少なくとも2つの発酵産物の共産生が含まれ得る。
【0008】
本明細書で使用される場合、「有益な発酵産物」は、ビタミン、酵素、オリゴ糖又はアミノ酸から選択される水溶性及び/又は脂溶性有機化合物の両方から選択され得、特に、1つのそのような発酵産物は水溶性化合物であり、1つのそのような発酵産物は脂溶性化合物である。本発明の範囲内の好適な酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、グルコシダーゼ、セルラーゼなどから選択され得る。本発明の範囲内の適切好適なアミノ酸は、リシン、トリプトファン又はグルタミン酸一ナトリウムから選択され得る。本発明の範囲内の好適なビタミンは、水溶性又は脂溶性ビタミン、例えばビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB3、ビタミンB1、ビタミンD、ビタミンK又はビタミンB7、特にビタミンB2、B5、B6、B12、ビタミンK、特にビタミンK2、より特にはビタミンB2及びビタミンK2から選択され得る。
【0009】
一実施形態では、本発明は、少なくとも1種又は2種のビタミンが共産生される、特に、発酵産物の少なくとも1種が水溶性ビタミンであり、発酵産物の1種が脂溶性ビタミン、特にビタミンK、好ましくはビタミンK2である、共発酵プロセスを対象としている。特に、一次発酵産物は、水溶性ビタミン、例えば、ビタミンB2、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB3、ビタミンB1又はビタミンB7、特にはビタミンB2、B5、B6、B12、より特にはビタミンB2からなる群から選択されるビタミンから選択される。好ましい実施形態では、一次発酵産物は、バチルス属(Bacillus)、例えば、B.サブティルス(B.subtilis)などにおいて産生されるビタミンB2である(ビタミンB2の生合成については、例えばEP405370号明細書、EP1186664号明細書中の図2又はUllman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、7thEdition,2007,Chapter Vitaminsを参照されたい)。
【0010】
したがって、好ましい実施形態では、一次発酵産物が水溶性ビタミン、より好ましくはビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B7、B12から選択されるビタミン、最も好ましくはビタミンB2である。
【0011】
さらなる実施形態では、本発明は、少なくとも1つ又は2つのビタミンが共生産される共発酵プロセス、特に、発酵産物の少なくとも1つが脂溶性ビタミンであり、特に、脂溶性ビタミンが二次発酵産物として産生され、前記二次発酵産物が一次発酵産物のバイオマス又は「産生流」から抽出される、すなわち、一次発酵産物の発酵産生中に生成される二次発酵産物がバイオマスから抽出され、特に、一次発酵産物が上記で定義された水溶性ビタミンから選択される共発酵プロセスを対象としている。そのような脂溶性ビタミンの例はビタミンKであり、天然型の1つとしてメナキノンとしても知られるビタミンK2が好ましく、より好ましくは、アイソフォームとしてMK-7、MK-4、MK-6、MK-3を含み、MK-7の割合が他のアイソフォームと比較して少なくとも約80%(wt/wt)であるビタミンK2である。
【0012】
本明細書で使用される場合、発酵プロセスの文脈における「産生流」という用語は、所望の発酵産物(複数可)、すなわち、少なくとも本明細書で定義される一次及び二次発酵産物を含むマス流を意味する。
【0013】
したがって、本発明は、少なくとも2つの発酵産物の共産生であって、発酵産物のうちの1つは、例えば、本明細書に定義される一次発酵プロセスの産生流からの抽出又は単離により、二次発酵産物として生産されるビタミンK2であり、前記ビタミンK2は、少なくとも約80%(wt/wt)の割合のMK-7、例えば、少なくとも約85、90、92、95、96、98、99又は100%(wt/wt)の範囲のMK-7を含む、共産生を対象としている。
【0014】
さらなる態様においては、本発明は、少なくとも2つの発酵産物の共産生であって、発酵産物のうちの1つは、例えば、本明細書で定義される一次発酵プロセスの産生流からの抽出又は単離により、二次発酵産物として生産されるビタミンK2であり、前記ビタミンK2は、ビタミンK2などの発酵産物1g当たり10ng以下の割合のDNA、特に組換えDNAを含み、好ましくは、前記ビタミンK2は、少なくとも約80%(wt/wt)の割合のMK-7、例えば、少なくとも約85、90、92、95、96、98、99又は100%(wt/wt)の範囲のMK-7を含む、共産生を対象としている。
【0015】
したがって、本発明は、既知のPCR法による測定で、例えば、本明細書に定義される二次発酵産物としてのバイオベースのビタミンK2などの発酵産物、約1g当たり約10ngの範囲の最終濃度まで組換えDNAを除去する、遺伝子改変又は組換え微生物を使用する発酵プロセスにおいて特に有用である。
【0016】
一実施形態では、少なくとも2つの発酵産物の共産生であって、発酵産物のうちの1つは、例えば、本明細書で定義される一次発酵プロセスの産生流からの抽出又は単離により、二次発酵産物として生産されるビタミンK2であり、前記ビタミンK2は、発酵産物1g当たり1コロニー形成単位(CFU)の割合の産生株、特に組換え産生株を含み、好ましくは、前記ビタミンK2は、発酵産物1g当たり10ng以下の割合のDNA、特に組換えDNAを含み、且つ/又は少なくとも約80%(wt/wt)の割合のMK-7、例えば、少なくとも約85、90、92、95、96、98、99又は100%(wt/wt)の範囲のMK-7を含む、共産生を対象としている。
【0017】
CFUは、通常、当該技術分野で知られるように測定され、例えば、寒天プレート上に産物をプレートアウトし、産生株を増殖させる代表的な条件下で寒天プレートをインキュベートし、続いて、プレート上のコロニーが産生株であることを確認する(DNAシークエンシングによる)と共に、プレート上のコロニーの量を計数することによって視覚的に計数される。
【0018】
好適な宿主細胞は、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、バチルス属(Bacillus)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、エリザベトインギア属(Elizabethingia)又はエシェリキア属(Escherichia)の株から選択され、好ましくは、バチルス属(Bacillus)から選択され、より好ましくは、B.アミロリクエファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.サブティリス(B.subtilis)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.サブティリス・ナットー(B.subtilis natto)、B.ポリミクサ(B.polymyxa)、B.フィルミス(B.firmus)、B.メガテリウム(B.megaterium)、B.セレウス(B.cereus)、B.チューリンギエンシス(B.thuringiensis)から、又はフラボバクテリウム種(Flavobacterium so.)、フラボバクテリウム・メニンゴセプティカム(Flavobacterium meningosepticum)、エイザベトインギア・メニンゴセプティカ(Elizabethingia meningoseptica)、E.コリ(E.coli)、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis ssp.Lactis)、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモニス(Lactococcus lactis ssp.Cremonis)、フラボバクテリウム・メニンゴセプティカム(Flavobacterium meningosepticum)、フラボバクテリウム種(Flavobacterium sp.)、若しくはC.グルタミカム(C.glutamicum)から選択される株から選択される。宿主細胞は、最も好ましくは、バチルス属(Bacillus)、特にB.サブティリス(B.subtilis)から選択される。
【0019】
したがって、本発明は、上述の共発酵であって、少なくとも一次及び二次発酵産物が、特に、例えばビタミンB2などの水溶性ビタミンが、例えば本明細書で定義されるビタミンK2などの脂溶性ビタミンと一緒に生成される共発酵を対象としており、前記共発酵は、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、バチルス属(Bacillus)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、エリザベトインギア属(Elizabethingia)及びエシェリキア属(Escherichia)からなる群から選択される、好ましくは、B.アミロリクエファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.サブティリス(B.subtilis)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.サブティリス・ナットー(B.subtilis natto)、B.ポリミクサ(B.polymyxa)、B.フィルミス(B.firmus)、B.メガテリウム(B.megaterium)、B.セレウス(B.cereus)、B.チューリンギエンシス(B.thuringiensis)、フラボバクテリウム種(Flavobacterium sp.)、例えばフラボバクテリウム・メニンゴセプティカム(Flavobacterium meningosepticum)、エイザベトインギア・メニンゴセプティカ(Elizabethingia meningoseptica)、E.コリ(E.coli)、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis ssp.Lactis)、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモニス(Lactococcus lactis ssp.Cremonis)、フラボバクテリウム・メニンゴセプティカム(Flavobacterium meningosepticum)、又はフラボバクテリウム種(Flavobacterium sp.)、又はC.グルタミカム(C.glutamicum)から選択される好適な宿主細胞において行われる。宿主細胞は、最も好ましくは、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)である。
【0020】
好ましい実施形態では、本発明は、例えば、複数の(n)、rib遺伝子の転写を増強する強力なプロモーターPspo15で改変されたribオペロンをコードするpRF69のコピー(例えば、約5~約20コピー)を含有するB.サブティリス(B.subtilis)RB50::[pRF69]などのB.サブティリス(B.subtilis)における一次発酵産物としてのビタミンB2の発酵生産を含む(ビタミンB2を産生する株の構築及び培養条件について、例えば、EP405370号明細書、又はPerkins et al.,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.,22:8-18,1999を参照)。ビタミンB2の産生を増加させるために、株に対し、例えば1つ以上のリボフラビン生合成遺伝子、特にribAの過剰発現、例えばB.サブティリス(B.subtilis)株RB50(例えば、EP405370号明細書を参照)において実施されるような宿主細胞におけるribオペロンの複数のコピーの導入、強力なプロモーターへのribオペロンの融合、ピリドキサールホスファターゼ[EC 3.1.3.74]の異種発現、例えばビオチンについてEP1186664号明細書に記載されているような栄養要求性の導入によるなどのリボフラビンの産生からの増殖の分離などの改変を行い、且つ/又は、例えば国際公開第2007/051552号パンフレットに記載されているような改変トランスケトラーゼ遺伝子の導入をさらに組み合わせ、且つ/又は、例えば国際公開第2010/052319な改変ribリーダー配列の使用をさらに組み合わせることができる。当業者は、それぞれの発酵産物、特に一次発酵産物であるビタミンB2の産生を増加させるために産生株を操作する方法、及び本明細書に記載の共発酵、特に二次発酵産物としてビタミンK2を用いる共発酵においてこれを使用する方法を知っている。
【0021】
用語「廃棄バイオマス」又は「価値のない廃棄物流」は、本明細書で使用される場合、少なくとも一次及び二次発酵産物を回収した後の残りのバイオマスを定義し、これは、処分するか、又は肥料として、若しくはさらなる価値のある有機化合物の抽出のためにさらに使用し得る。
【0022】
1つの特定の実施形態では、本発明は、本明細書で定義される一次及び二次発酵産物の共発酵であって、両方の発酵産物又は一方の発酵産物のみが、細胞内若しくは細胞膜内で産生されるか、又は発酵産物の少なくとも1つ、特に一次発酵産物が、結晶の形態で宿主細胞外に分泌される共発酵を対象としている。特に、例えばビタミンB2などの一次発酵産物が細胞外に分泌され、一方、二次発酵産物は細胞膜で産生され、したがって、例えばビタミンK2などの二次発酵産物としてバイオマスから(すなわち、本明細書で定義される発酵プロセスの産生流から)回収される。
【0023】
特定の一実施形態では、本発明による方法は、以下を含むがこれらに限定されないいくつかの工程を含む:
(a)一次発酵産物に応じて好適な条件下及び好適な培養培地中で宿主細胞を培養する工程、特に、一次発酵産物がビタミン、アミノ酸、酵素又はオリゴ糖から、好ましくは水溶性ビタミンから、より好ましくはビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B7又はB12から、最も好ましくはビタミンB2から選択される工程、
(b)産生流から前記一次発酵産物の単離する工程、すなわちバイオマスから一次発酵産物を分離する工程、
(c)二次発酵産物、特に、ビタミンK、特に本明細書で定義されるビタミンK2などの脂溶性ビタミンを、発酵プロセスの産生流から回収する工程、すなわち第1の発酵産物の発酵/産生中に生成されたバイオマスから回収する工程、及び、任意選択により
(d)発酵産物を精製する工程。
【0024】
工程(d)からの廃棄バイオマスは、任意選択により、処分されるか、又はさらなる有益な有機化合物の抽出に使用され得る。
【0025】
一実施形態では、本発明による方法は、両方が固体形態の、例えば結晶形態の発酵産物(すなわち、一次及び二次発酵産物)を提供する。1つの例においては、本発明は、ビタミンB2(一次固体発酵産物として)及びビタミンK2(二次固体発酵産物として)の共生産、すなわち、両方の生産物が固体であり、1つの発酵産物が宿主細胞外に排出され、1つの発酵産物が細胞内に蓄積される共生産を対象としている。
【0026】
さらなる実施形態では、本発明による方法は、発酵産物(すなわち、一次及び二次発酵産物)を提供し、産物の一方は固体形態であり、他方の産物は液体形態であり、液体画分はバイオマス/産生流から分離され得る。
【0027】
上記で定義される共発酵プロセスは、バッチ、フェドバッチ又は連続モードで、例えば、ビタミンB2の産生を含むがこれに限定されない一次発酵産物に応じて、より好ましくはEP405370号明細書又は国際公開第2007/051552号パンフレットに記載の宿主細胞としてバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)を使用するプロセスで実施され得る。
【0028】
上記で定義される好適な宿主細胞の培養は、例えば、使用する宿主、一次発酵産物、pH、温度、及び栄養培地に応じて変動し得る。宿主細胞としてB.サブティリス(Bacillus subtilis)を用いてリボフラビンを生産する場合、本プロセスは、微生物に応じて、約10時間~約10日間、好ましくは約4~約7日間、より好ましくは約2~約6日間実施することができる。当業者は、本発明に関して使用すべき好適な微生物/宿主細胞の最適培養条件がわかるであろう。
【0029】
特定の実施形態では、本発明による共発酵プロセスは、例えば、約7.0、好ましくは約6~約8、より好ましくは約6.5~7.5の範囲のpHで実施することができる。培養を行うための好適な温度範囲は、例えば、約13℃~約70℃、好ましくは約30℃~約39℃、より好ましくは約35℃~約39℃、最も好ましくは約36℃~約39℃とすることができる。増殖用の培養培地は、通常、同化性炭素源、例えば、D-グルコース、グリセロール、シックジュース、デキストロース、デンプン、スクロース又はリボースなどの3,5又は6個の炭素原子からなる化合物;及び可消化窒素源、例えば、有機物、例えば、ペプトン、酵母エキス及びアミノ酸のような栄養素を含有することができる。培地は、尿素及び/又はコーンスティープリカー及び/又はパン酵母を含んでもよく、含まなくてもよい。様々な無機物、例えば、ナイトレート及びアンモニウム塩もまた、窒素源として使用することができる。さらに、増殖培地は、通常、無機塩、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、リン酸カリウム、及び炭酸カルシウムを含有することができる。次いで、上記の手順を用いて得られた細胞を、上記のような基質の存在下で、これらの基質を、ビタミン、オリゴ糖、アミノ酸又は酵素、例えば、水溶性ビタミン、好ましくはビタミンB2を含む所望の(一次)発酵産物に変換するような方法で、上記のような実質的に同じモード、温度及びpH条件でさらにインキュベートすることができる。インキュベートは、例えば、有機窒素源、例えば、ペプトン、酵母エキス、パン酵母、尿素、アミノ酸、及びコーンスティープリカー、又は無機窒素源、例えば、ナイトレート及びアンモニウム塩を含有する、窒素に富んだ培地中で行うことができ、この場合、細胞は、所望の一次発酵産物を産生しながらさらに増殖することが可能である。或いは、インキュベートは、窒素に乏しい培地中で行うことができ、この場合、細胞は実質的に増殖せず、休止細胞モード、又は生体内変化モードにある。全ての場合において、培養培地はまた、無機塩、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、リン酸カリウム、及び塩化カルシウムを含有することができる。当業者であれば、宿主細胞及び産生された発酵産物に応じて、どの条件を適用すべきかを知っているであろう。リボフラビンの発酵産生に好適な培地の例は、国際公開第2004/113510号パンフレットに記載されており(VF-培地)、これはバチルス属(Bacillus)に関して特に有用であり、本発明の目的のために使用することができる。
【0030】
上記で定義されるようなバイオマスからの一次発酵産物の分離(すなわち、生産流からの産物の抽出)は、発酵産物に応じて、種々の方法で実施することができ、ビタミンB2を含むがこれに限定されない一次発酵産物が、例えば結晶の形態で、細胞外に排出される場合、分離は、例えば、70℃で4時間加熱することによるなどの低温殺菌工程、続いて、遠心分離による回収を含む、デカンテーションを含むがこれに限定されない1つ以上の固液分離工程(複数可)を含み得る(例えば、国際公開第2005/014594号パンフレットを参照)。低温殺菌されたブロスの処理は、例えば、一次発酵産物がビタミンB2の場合に好ましいように、デカンテーションによって行うことができる。リボフラビン結晶などの結晶は、任意選択により、知られた方法でさらに精製することができる。任意のさらなる精製工程の後、物質は、食品/飼料/製薬又は化粧品産業における成分として使用され得る。1つの非常に具体的な実施形態では、発酵ブロス1l当たり少なくとも約280mgの量のリボフラビンを得ることができる。
【0031】
二次発酵産物の回収は、一次発酵産物の発酵から得られるバイオマス又は産生流からの抽出/回収によって行うことができ、前記抽出/回収は、持続可能な方法で、特に抽出プロセスは例えばヘキサンなどの環境問題のある溶媒を含まない方法で行われる。
【0032】
したがって、本発明は、二次発酵産物が、ヘキサンを含まない溶媒、好ましくは、特に少なくともエタノールを約80%(wt/wt)、例えばエタノールを少なくとも約85、90、92、94、95、96、97、98、又は100%(wt/wt)の割合で含む水溶液(エタノール水溶液)から選択される溶媒を用いて、一次発酵産物の産生中に得られたバイオマスから抽出されるなど、産生流から単離される、共発酵プロセスを対象としている。前記工程に使用されるさらなる好適な溶媒は、イソプロパノール又はアセトンを含む水溶液から選択することができる。
【0033】
1つの特定の実施形態では、回収された一次/二次発酵産物は、例えば、精密濾過、限外濾過及び/又はナノ濾過を含む、例えば1つ又はいくつかの濾過工程を実施することによってさらに精製することができる。好ましい実施形態では、濾過は、カットオフが例えば10kDA未満の範囲にある、低カットオフの膜を使用して実施される。任意選択により、溶媒をさらに蒸発させ、冷却工程の後に/一次第2発酵産物の結晶を単離する。非常に好ましい一実施形態では、本明細書で定義される二次発酵産物としてのバイオベースのビタミンK2の結晶を、MK-7の割合が少なくとも約80%(wt/wt)で単離する。
【0034】
一次発酵産物、例えばビタミンB2、及び二次発酵産物、例えばビタミンK2、すなわち両バイオベースの産物は、そのような本発明により生成されるビタミンB2結晶及び/又はビタミンK2結晶を含む栄養製品、例えば食品、飼料、化粧品として使用される組成物としてさらに使用され得る。
【0035】
本発明は、組換えDNAの量が、例えば、当該技術分野で知られるPCR法により測定され得る、発酵産物1g当たりDNA約10ng以下の範囲にまで低減される、発酵産物、特にビタミンK2に関する。
【0036】
本発明はさらに、産生株に由来するDNAの量が、例えば、生産物の希釈、インキュベーション及びプレーティングにより測定することができ、且つ当該技術分野で知られる、産物1g当たり約1CFU未満の範囲にまで低減される、発酵産物、特にビタミンK2に関する。
【0037】
別の態様では、本発明は、発酵産物、特に、MK-7を少なくとも約80%(wt/wt)の範囲、好ましくは少なくとも約85、90、92、95、96、98、99又は100%(wt/wt)の範囲の割合で含み、特に、DNA、好ましくは組換えDNAの最大含有量が、PCRによる測定で、例えば、ビタミンK2の1g当たりDNA約10ngの範囲にある、ビタミンK2に関する。ビタミンK2などの二次発酵産物は、例えば、MK-4、MK-5、MK-6などの微量に存在するさらなるアイソフォームを、約20、15、10、5、4、3、2又は1%(wt/wt)未満の量で含み得る。ビタミンK2及びそのアイソフォームの分析は、当該技術分野において知られるように、又は実施例においてさらに記載されるように、HPLCによって行うことができる。
【0038】
一態様では、本発明は、例えば、少なくとも約80%(wt/wt)のMK-7を有し、約20、15、10、5、4、3、2又は1%(wt/wt)以下の本明細書で定義されるMK-4、MK-5、及びMK-6を有する結晶などのバイオベースのビタミンK2を含む栄養製品の製造、特に、本発明により生産されるバイオベースのビタミンK2を含む固体又は液体製剤、例えば固体粒子を含む食品、飼料又は化粧品として/において使用される組成物の調製に関する。
【0039】
食品、飼料又は化粧品製剤に使用される本発明により製造されるバイオベースのビタミンK2は、食品、飼料又は化粧品産業における最終用途に応じて、且つ当該技術分野で知られているように、カプセル化剤、有機溶媒、油、超臨界流体、抗酸化剤、糖、共結晶化剤、コアセルベート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の成分と混合することができる。
【0040】
本明細書で定義されるバイオベースのビタミンK2を含む製剤で使用される好適なカプセル化剤としては、改質(食品用)デンプン、パルミチン酸アスコルビル、ペクチン、アルギン酸塩、カラゲナン、ファーセレラン、デキストリン誘導体、セルロース及びセルロース誘導体(例えば、酢酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、リグノスルホン酸塩、多糖類ガム(例えば、アカシアゴム/アラビアゴム、変性アカシアゴム、TICゴム、亜麻仁ゴム、ギャッティ(ghatti)ゴム、タマリンドゴム及びアラビノガラクタン)、ゼラチン(ウシ、魚、ブタ、家禽)、植物タンパク質(例えば、エンドウ、ダイズ、ヒマシ、ワタ、ジャガイモ、サツマイモ、マニオック、ナタネ、ヒマワリ、ゴマ、亜麻仁、ベニバナ、レンズマメ、ナッツ、コムギ、イネ、トウモロコシ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、ルーピン、及びソルガムなど)、乳又はホエータンパク質を含む動物タンパク質、レシチン、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、ソルビタンエステル、及び糖エステル(並びに、これらの誘導体)、特に、マルトデキストリン、食品用改質デンプン、又はゴム類、例えばアカシアゴムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
本明細書で定義されるビタミンK2を含む製剤に使用される好適な有機溶媒としては、ハロゲン化脂肪族炭化水素、脂肪族エーテル、脂肪族及び環状カーボネート、脂肪族及び環状エステル(ラクトン)、脂肪族及び環状ケトン、脂肪族アルコール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン化脂肪族炭化水素の有用な例としては、モノハロゲン化又はポリハロゲン化直鎖、分岐又は環状C1~C15-アルカン、特にモノ-又はポリ塩化又はポリ臭素化直鎖、分岐又は環状C1~C15-アルカン、好ましくはモノ-又はポリ塩化直鎖、分岐又は環状C1~C15-アルカン、最も好ましくは塩化メチレン又はクロロホルムが挙げられる。脂肪族又は環状エステルの有用な例としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、又はγ-ブチロラクトンが挙げられる。有用な脂肪族又は環状ケトンの例としては、アセトン、ジエチルケトン若しくはイソブチルメチルケトン、又はシクロペンタノン若しくはイソホロンを挙げることができる。環状カーボネートの例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、又はこれらの混合物が挙げられる。脂肪族エーテルの例としては、アルキル部分が1~4個の炭素原子を有するジアルキルエーテルを挙げることができる。1つの好ましい例は、ジメチルエーテルである。好適な脂肪族アルコールの例は、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、又はブタノールである。
【0042】
本明細書において定義されるバイオベースのビタミンK2を含む製剤において使用される好適な油(すなわち、トリグリセリド)としては、オレンジ油、リモネンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で定義されるビタミンK2を含む製剤において使用される好適な抗酸化剤としては、例えば、トコフェロール、アスコルビン酸、及び/又は当該技術分野で知られるそれらの誘導体から選択される、水溶性又は脂溶性抗酸化剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書において定義されるビタミンK2を含む製剤において使用される好適な共結晶化剤としては、当該技術分野において知られるアミノ酸、可用性エンハンサー、及び小分子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
本明細書において定義されるビタミンK2を含む製剤において使用される好適なコアセルベートとしては、例えば、酵素結合触媒作用により達成される、酵素による架橋工程が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
本明細書で定義されるバイオベースのビタミンK2を含む固体組成物、例えば固体粒子又はマイクロカプセルの調製方法は知られており、例えば、CN101422446号明細書、国際公開第2007/045488号パンフレット、又は国際公開第2015/169816号パンフレットに開示されている。本明細書で定義されるような固体ビタミンK2組成物の調製に特に有用な成分は、キサンタン、アラビアゴム、グアーガム、ゼラチン、スクロース、ゼラチン/スクロース及び/又はデキストリンの混合物、デンプン、食品用改質デンプン、グルコースシロップ、パーム油、ナタネ油からなる群から選択される。
【0047】
本発明に関して、生物、例えば微生物、真菌、藻類又は植物などはまた、国際原核生物命名規約(International Code of Nomenclature of Prokaryotes)又は国際藻類・菌類・植物命名規約(International Code of Nomenclature for algae,fungi,and plants)(メルボルン規約)により定義されている、同じ生理学的性質を有するそのような種のシノニム又はバソニムも含むと理解される。
【0048】
本明細書で使用される場合、「リボフラビン」という用語には、リボフラビン前駆体、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、及びこれらの誘導体も含まれる。リボフラビン前駆体、及びリボフラビン、FMN又はFADの誘導体としては、2,5-ジアミノ-6-リボシルアミノ-4(3H)-ピリミジノン-5’-ホスフェート(DRAPP);5-アミノ-6-リボシルアミノ-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン-5’-ホスフェート;2,5-ジアミノ-6-リビチルアミノ-4(3H)-ピリミジノン-5’-ホスフェート;5-アミノ-6-リビチルアミノ-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン-5’-ホスフェート;5-アミノ-6-リビチルアミノ-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン;6,7-ジメチル-8-リビチルルマジン(DMRL);及びフラボタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。リボフラビンの誘導体としては、リボフラビン-5-リン酸及びその塩、例えばリボフラビン-5-リン酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
「リボフラビン」及び「ビタミンB2」という用語は、本明細書において互換的に使用される。リボフラビンの生合成に必要とされる遺伝子、及びリボフラビンの発酵産生、特にバチルス属(Bacillus)の菌株を使用する発酵産生の方法は知られている(例えば、EP405370号明細書、又はUllman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,7th Edition,2007,Chapter Vitaminsを参照)。これらの方法は、本明細書に記載されるような改変宿主細胞、特にバチルス属(Bacillus)などを使用するリボフラビンの産生にも適用することができる。
【0050】
本明細書で使用される場合、「ビタミンK2」及び「メナキノン」(MK-n;ここで、「n」は鎖の長さである)という用語は、本明細書において互換的に使用される。それには、MK-4、MK-5、MK-6、MK-7、MK-9、MK-10、MK-11、MK-12、MK-13及びMK-14が含まれ、MK-7が最も重要で好ましいアイソフォームである。
【0051】
「発酵」又は「産生」又は「発酵プロセス」は、本明細書で使用される場合、当業者に知られた培地、条件及び手順を使用する増殖細胞の使用、又は、当業者に知られる培地、条件及び手順を使用することにより培養された後の非増殖のいわゆる休止細胞の使用を、好適な基質のリボフラビンへの変換に適切な条件下で行うことであり得る。
【0052】
本発明に関連した「バイオベースの」という用語は、産物、すなわちビタミン、酵素、オリゴ糖及び/又はアミノ酸を含む本明細書で定義される発酵産物が、化学合成によらず、生物工学的手段によって生成されることを示す。
【0053】
「産生」又は「産生力」という用語は当該技術分野において認識されており、所与の時間内及び所与の発酵体積内に形成されるリボフラビンの濃度(例えば、1時間当たり、1リットル当たりの産物kg)が含まれる。「産生の効率」という用語には、得られるべき特定の産生レベルに必要な時間(例えば、細胞が発酵産物の特定の産出率を達成するのにかかる時間)が含まれる。「収率」という用語は当該技術分野において認識されており、炭素源を産物(すなわち、リボフラビン)に変換する効率が含まれる。これは一般に、例えば、炭素源1kg当たりの産物のkgとして記述される。化合物の「収率及び/又は産生/産生力の増加」とは、所与の培養量で、所与の時間にわたって、その化合物の、回収された分子の、又は回収された有用な分子の量を増加させることを意味する。
【0054】
リボフラビン又はビタミンK2の収率/産生力を決定するための分析方法は当該技術分野において知られている。そのような方法としては、HPLC又は指示菌株の使用を挙げ得るが、これに限定されない(例えば、Bretzel et al.,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.22,19-26,1999を参照)。
【0055】
本発明の特定の実施形態は以下の通りである。
(1)酵素、アミノ酸、オリゴ糖又はビタミンの発酵産物における廃棄物流からの資源回収のための方法であって、発酵廃棄物流からのビタミンK2の回収を含む方法。
(2)回収されたビタミンK2は、少なくとも約80%(wt/wt)の割合のアイソフォームMK-7を含む、実施形態(1)の方法。
(3)ビタミン、アミノ酸、オリゴ糖又は酵素から選択される発酵産物中のDNA、特に組換えDNAの割合は、発酵産物1g当たりDNAが約10ng以下の範囲にあり、その発酵産物はビタミンK2を含む、実施形態(1)又は(2)の方法。
(4)発酵産物1g当たりの産生株、特に組換え産生株のコロニー形成単位(CFU)は。発酵産物1g当たり約1CFU以下の範囲にあり、その発酵産物はビタミンK2を含む、実施形態(1)、(2)又は(3)の方法。
(5)プロテアーゼ、アミラーゼ、グルコシダーゼ、セルラーゼ、リシン、トリプトファン、グルタミン酸一ナトリウム、リボフラビン(ビタミンB2)、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB3、ビタミンB1、ビタミンD、及びビタミンB7からなる群から選択される1つ以上の発酵産物の発酵産生、好ましくはビタミンB2の発酵産生を含む、実施形態(1)、(2)、(3)又は(4)の方法。
(6)ラクトコッカス属(Lactococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、バチルス属(Bacillus)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、エリザベトインギア属(Elizabethingia)及びエシェリキア属(Escherichia)からなる群から選択される、好ましくは、B.アミロリクエファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.サブティリス(B.subtilis)若しくはB.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.サブティリス・ナットー(B.subtilis natto)、B.ポリミクサ(B.polymyxa)、B.フィルミス(B.firmus)、B.メガテリウム(B.megaterium)、B.セレウス(B.cereus)、B.チューリンギエンシス(B.thuringiensis)、フラボバクテリウム種(Flavobacterium so.)、フラボバクテリウム・メニンゴセプティカム(Flavobacterium meningosepticum)、エイザベトインギア・メニンゴセプティカ(Elizabethingia meningoseptica)、E.コリ(E.coli)、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis ssp.Lactis)、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモニス(Lactococcus lactis ssp.Cremonis)、フラボバクテリウム・メニンゴセプティカム(Flavobacterium meningosepticum)、又はフラボバクテリウム種(Flavobacterium sp.)、又はC.グルタミカム(C.glutamicum)から選択される宿主細胞における実施形態(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の方法。
(7)ビタミン、酵素、オリゴ糖又はアミノ酸から選択される1種以上の一次発酵産物と共産生されるビタミンK2の発酵産物を含む2種以上の発酵産物の同時産生のための方法であって、好ましくは、一次発酵産物は、プロテアーゼ、アミラーゼ、グルコシダーゼ、セルラーゼ、リシン、トリプトファン、グルタミン酸一ナトリウム、リボフラビン(ビタミンB2)、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB3、ビタミンB1、ビタミンD、及びビタミンB7からなる群から選択され、より好ましくはビタミンB2から選択される方法。
(8)
(a)ビタミン、オリゴ糖、アミノ酸又は酵素から選択される発酵産物の産生に好適である、好適な条件下及び好適な培養培地中で宿主細胞を培養する工程、
(b)工程(a)からの発酵産物をバイオマスから分離する工程、
(c)バイオマスからビタミンK2を回収する工程、並びに、任意選択による
(d)廃棄バイオマスを処理する工程
を含む、実施形態(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)又は(7)の方法。
(9)遺伝子操作されたバイオマスから回収/抽出を行う工程を含むバイオベースのビタミンK2の製造であって、回収されたビタミンK2は、少なくとも約80%(wt/wt)の範囲のMK-7の含有量を有し、且つ、PCRによる測定で、ビタミンK2 1g当たり約10ngのDNA、好ましくは組換えDNAの最大含有量を有する、製造。
(10)最大含有量がビタミンK2 1g当たり最大約1CFUで実施形態(9)の方法により得られたバイオベースのビタミンK2産物。
(11)発酵産物は結晶形態で産生され、好ましくは、発酵産物はビタミンB2である、実施形態(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)又は(7)の方法であって、
(a)結晶形態の発酵産物を蓄積させる好適な培養条件下で、好適な宿主細胞、好ましくは組換え宿主細胞による発酵を行う工程、
(b)ビタミンK2を含有する液体画分から結晶画分を分離する工程、
(c)バイオマスからビタミンK2を抽出する工程、及び、任意選択による
(d)バイオマスを廃棄、又は肥料としてさらに使用する工程
を含む方法。
(12)発酵産物は宿主細胞の外で産生され、好ましくは、発酵産物は酵素、アミノ酸、オリゴ糖である方法である、実施形態(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)又は(7)の方法であって、
(a)宿主細胞の外に発酵産物を蓄積させる好適な培養条件下で、好適な宿主細胞、好ましくは組換え宿主細胞による発酵を行う工程、
(b)ビタミンK2を含有するバイオマスから結晶画分を分離する工程、
(c)バイオマスからビタミンK2を抽出する工程、及び、任意選択による
(d)バイオマスを廃棄、又は肥料としてさらに使用する工程
を含む方法。
(13)工程(c)は、少なくとも約80%(wt/wt)の割合のEtOHを有するEtOH水溶液の存在下で行われる、実施形態(11)又は(12)の方法。
(14)実施形態(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(11)又は(13)の方法によって得られるバイオベースのビタミンK2を、カプセル化剤、有機溶媒、油、超臨界流体、抗酸化剤、糖、共結晶化剤、コアセルベート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の成分と混合する工程を含む、栄養製品の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】B.サブティリス(B.subtilis)におけるビタミンK2とリボフラビンの共抽出。点線のボックスはビタミンK2の回収を示し、実線のボックスはビタミンB2の回収を示す。
【0057】
以下の実施例は単に説明のためのものであり、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本出願を通して引用される全ての参考文献、特許出願、特許、及び公開された特許出願、特にEP405370号明細書、EP1186664号明細書、国際公開第2010/052319号パンフレット、国際公開第2004/113510号パンフレット、国際公開第2005/014594号パンフレット、国際公開第201/7036903号パンフレット、国際公開第2007/051552号パンフレット、国際公開第2005/0145949号パンフレット、国際公開第2013/124351号パンフレット、EP1814987号明細書、CN101422446号明細書、国際公開第2007/045488号パンフレット、国際公開第2015/169816号パンフレットの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
[実施例]
[実施例1:一般的方法]
別段の記載がない限り、全ての培地及び一般的方法は、Sambrook et al.(eds.),Molecular Cloning:A Laboratory Manual.Cold Spring Harbor Laboratory Press: New York(1989)又は国際公開第2017/036903号パンフレットに開示されている。
【0059】
ディープウェルマイクロタイタープレート(MTP)中でのリボフラビン産生のアッセイを、次のように実行した:必要に応じて選択抗生物質を含有する3mlのVY中に、単一コロニーから終夜培養物を作製した。事前培養物を、39℃、550rpm、湿度80%でインキュベートした。翌日、3mlのRSMに、事前培養物を、出発OD600nm約0.05で播種した。MTP中の培養物を三重反復で作製し、ウェルをブレスシールでカバーした。MTPを、39℃、550rpm、湿度80%で48時間インキュベートした。250μlの48時間培養物を20μlの4M NaOH溶液で処理して、リボフラビンの結晶を可溶化した(300rpmで1分間振盪)。230μlの1Mリン酸カリウムバッファー、pH6.8を加えた(300rpmで1分間振盪)。クォータナリポンプ、オートサンプラー、UV検出器及び蛍光検出器を備えたAgilent 1100シリーズHPLCシステムを使用して、HPLCによりリボフラビンをアッセイした。Supelcosil LC-8 DB(150mm×4.6mm×5μm)を使用して分離した。最適カラム温度は20℃とした。移動相は、0.1M酢酸が100%から、分析1回につき全33分間の15分時点で0.1M酢酸/メタノールが50/50への勾配とした。流量は1.0ml/分とし、注入量を5μlに設定した。UVシグナルをモニターし、検出のために使用した。0.1μg/ml~500μg/mlの較正範囲。加えて、培養ブロス中のグルコースの蓄積の可能性を、Waters HPLCシステムにより、バイナリポンプ、オートサンプラー、UV検出器及び屈折率検出器を使用して分析した。CAPCELL PAK NH2 UG80カラム(4.6mm×250mm、5μm;株式会社資生堂)で分離した。最適カラム温度は40℃とした。移動相は、アセトニトリルと脱イオン水との65:35の比での混合物とした。流量は1.0ml/分とし、注入量を5μl又は10μlに設定した。屈折率シグナルをモニターし、検出のために使用した。各化合物の較正範囲を0.3mg/ml~3mg/mlとした。
【0060】
K2ビタマーの分析は、乾燥バイオマスから分析物を抽出した後、HPLCによって行った。バイオマスを凍結乾燥し、Precellysホモジナイザーを用いて抽出を行った。2つの破壊サイクルを適用した。分析は、Agilent 1200シリーズHPLCシステム(又は同様のもの)で、クォータナリポンプ、オートサンプラー及びUV検出器を用いて行った。分離はC18カラム、150×4.6mm、3μmで行った。最適カラム温度は15℃とした。移動相はメタノールとエタノールの混合物(60:40の比)とした。15分間でMeOH:EtOHが60:40から40:60の範囲の勾配溶出を適用した。流量は1.0ml/分とした。270nmのUVシグナルをモニターし、定量に使用した。
【0061】
[実施例2:バチルス属(Bacillus)又はコリネバクテリウム属(Corynebacterium)の菌株における一次発酵産物の発酵産生及びビタミンK2の回収]
一次発酵産物であるリボフラビンを製造するために、国際公開第2007/051552号パンフレットによるプロトコルを実施した。発酵の終わりに、ブロスを低温殺菌し、デカントしたビタミンB2結晶(Sedicanter(登録商標):Flottweg、ドイツ)をさらに処理した(例えば、国際公開第2005/0145949号パンフレットを参照)。
【0062】
医薬品グレードのリボフラビンを製造するために、結晶を濃HCLに溶解し、続いて濾過し、水を逆溶媒として再結晶化した。
【0063】
バチルス属(Bacillus)における一次発酵産物として酵素を発酵生産する場合、国際公開第2013/124351号パンフレットによるプロトコルを使用することができる。
【0064】
コリネバクテリウム属(Corynebacterium)における一次発酵産物としてアミノ酸を発酵生産する場合、EP1814987号明細書によるプロトコルを使用することができる。
【0065】
発酵プロセスの終わりに、ビタミンK2を含む、上記のSedicanter(登録商標)を用いた第1のデカンテーション工程からの上清(バイオマススラリー)を、単一抽出溶媒としてのエタノールで処理し、続いて、精密濾過膜を通過させて、EtOH及び廃棄バイオマスの大部分を除去した。溶液中になお存在する残存rDNA、タンパク質又は脂質の一部を除去するために、限外濾過及び/又はナノ濾過を含むさらなる精製工程を適用し、廃棄バイオマス及びEtOHをさらに除去した。さらなる蒸発及び冷却結晶化を行った後、さらなる濾過及び乾燥工程を実施し、上記の処理の開始時の1%未満のMK-7(wt/wt)と比較して、少なくとも80%(wt/wt)のMK-7を有する精製ビタミンK2結晶を得た。メナキノン画分(特に、MK-4、MK-5及びMK-6を含有)の純度もまた、処理開始時の87~88%から97~98に上昇した。ビタミンK2結晶のrDNA含量を分析したところ、PCRにより10ng/g製品未満と測定された。
【0066】
上記のような手順で得られたリボフラビン:ビタミンK2(MK-7)の比は、1000:1の範囲であった。
【0067】
[実施例3:固体ビタミンK2製剤]
少なくとも80%(wt/wt)のMK-7を有するビタミンK2結晶を、62℃で中鎖脂肪酸トリグリセリド油に溶解する。アカシアゴム及び糖を水に溶解し、ビタミンK2を含む油相を62℃で添加する。
【0068】
均質化(例えば、ローター/ステーター又は高圧均質化)後、得られた分散液を、薄いデンプンコーティングを含めて噴霧乾燥することができる。理想的には、液滴の最終サイズは100~800nmである。
【0069】
このようにして生成されたビタミンK2マイクロカプセルは、国際公開第2015/169816号パンフレット(実施例1~7)に例示されているように、固形錠剤を製造するために、食物ミネラル(例えば、MgO、CaCO)微結晶セルロース粉末、ステアリン酸Mgなどとさらに混合することができる。
図1
【国際調査報告】