(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】任意光パルスパターン生成装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/01 20060101AFI20230712BHJP
H04B 10/516 20130101ALI20230712BHJP
H04J 14/02 20060101ALI20230712BHJP
H04J 14/06 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
G02F1/01 C
H04B10/516
H04J14/02
H04J14/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575969
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-01-19
(86)【国際出願番号】 FI2021050454
(87)【国際公開番号】W WO2021255342
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512068592
【氏名又は名称】テクノロギアン トゥトキムスケスクス ヴェーテーテー オイ
【氏名又は名称原語表記】TEKNOLOGIAN TUTKIMUSKESKUS VTT OY
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】ニッシラ ヤーニ
(72)【発明者】
【氏名】メリマー ミッコ
(72)【発明者】
【氏名】オヤサロ カリ
(72)【発明者】
【氏名】フォーデル トーマス
【テーマコード(参考)】
2K102
5K102
【Fターム(参考)】
2K102AA21
2K102BA02
2K102BA40
2K102BB01
2K102BB04
2K102BC04
2K102CA11
2K102DA04
2K102DB04
2K102DC08
2K102DD03
2K102EA18
2K102EA23
2K102EB06
2K102EB08
2K102EB11
2K102EB16
2K102EB20
2K102EB22
2K102EB24
5K102AD01
5K102AD15
5K102AH02
5K102MD01
5K102MD02
5K102MH02
5K102MH13
5K102MH22
5K102PB01
5K102PH02
5K102PH11
5K102PH13
5K102PH15
5K102PH22
5K102PH31
5K102PH47
5K102PH48
5K102PH49
5K102PH50
5K102RB01
5K102RD28
(57)【要約】
光パルスパターンを生成する生成装置は、1次レーザパルス(LB00
k)を出力する光源と、1次レーザパルスの光を複数の分岐(A
1、A
2)に分波して複数の1次光パルス(LB0
k,1、LB0
k,2)を出力する分波器と、各分岐からの変調光信号(LB1
k,1、LB1
k,2)を合波して出力信号(LB2
k)を形成する合波器と、1次パターンに従って、分岐の光変調器(MOD
1、MOD
2)を制御するための制御信号を出力する制御部と、を備え、第1の分岐(A
1)は、第1の分岐の1次光パルス(LB0
k,1)から第1の変調光信号(LB1
k,1)を形成する第1の光変調器(MOD
1)を有し、第2の分岐(A
2)は、第2の分岐の1次光パルス(LB0
k,2)から第2の変調光信号(LB1
k,2)を形成する第2の光変調器(MOD
2)を有し、第2の分岐の伝搬遅延は第1の分岐の伝搬遅延と異なる。
【選択図】
図1(a)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光パターン生成装置(OPG1)であって、
・1次レーザパルス(LB00
k)を出力する光源(LS1)と、
・前記1次レーザパルス(LB00
k)の光を複数の分岐(A1、A2、A3)に分波して複数の1次光パルス(LB0
k,1、LB0
k,2、LB0
k,3)を出力する分波器(SPL1)と、
・各前記分岐(A1、A2、A3)からの変調光信号(LB1
k,1、LB1
k,2、LB1
k,3)を合波して出力信号(LB2
k)を形成する合波器(CMB1)と、
・1次パターン(PAT0)に従って、前記分岐(A1、A2、A3)の光変調器(MOD1、MOD2、MOD3)を制御するための制御信号(S1、S2、S3)を出力する制御部(PG0)と、を備え、
第1の分岐(A1)は、前記第1の分岐(A1)の1次光パルス(LB0
k,1)から第1の変調光信号(LB1
k,1)を形成する第1の光変調器(MOD1)を有し、
第2の分岐(A2)は、前記第2の分岐(A2)の1次光パルス(LB0
k,2)から第2の変調光信号(LB1
k,2)を形成する第2の光変調器(MOD2)を有し、
第3の分岐(A3)は、前記第3の分岐(A3)の1次光パルス(LB0
k,3)から第3の変調光信号(LB1
k,3)を形成する第3の光変調器(MOD3)を有し、
前記第2の分岐(A2)の伝搬遅延(d
2)は、前記第1の分岐(A1)の伝搬遅延(d
1)と異なり、
前記第3の分岐(A3)の伝搬遅延(d
3)は、前記第1の分岐(A1)の伝搬遅延(d
1)と異なり、且つ、前記第2の分岐(A2)の伝搬遅延(d
2)と異なる、装置。
【請求項2】
各光変調器(MOD1、MOD2、MOD3)は、光パルスが前記合波器(CMB1)へ伝搬することを許容する通過状態と、光パルスが前記合波器(CMB1)へ伝搬することを防止する遮断状態とを有することを特徴とする、請求項1に記載の装置(OPG1)。
【請求項3】
多レベルの光パルスを出力することを特徴とする、請求項1に記載の装置(OPG1)。
【請求項4】
前記光変調器(MOD1、MOD2、MOD3)はマッハツェンダ変調器であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項5】
前記装置(OPG1)は、パルスの無中断ストリーム(UNIPAT1)を形成し、前記パルスの無中断ストリーム(UNIPAT1)は、異なる波長(λ
1、λ
2)のパルス及び/又は異なる偏波状態(POL1、POL2)のパルスを含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項6】
前記無中断ストリーム(UNIPAT1)を光増幅する光増幅器(AMP3)を更に備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項7】
前記光変調器(MOD1、MOD2、MOD3、MOD4)の制御信号(S1、S2、S3、S4)を出力する複数の電圧源(SUP11、SUP12、SUP13)と複数のスイッチ(SW11、SW12、SW13)とを更に備え、前記スイッチ(SW11、SW12、SW13)は、前記電圧源(SUP11、SUP12、SUP13)を前記第1の分岐(A1)の第1の変調器(MOD1)の制御入力に1つずつ直流的に接続することを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項8】
前記光変調器(MOD1、MOD2、MOD3、MOD4)の制御信号(S1、S2、S3、S4)を出力する複数の電圧源(SUP11、SUP12、SUP13)と複数のスイッチ(SW11、SW12、SW13)とを更に備え、前記装置(OPG1)は複数のダミー負荷(DUM1)を更に備え、前記スイッチ(SW11、SW12、SW13)は、前記電圧源(SUP11、SUP12、SUP13)をそれぞれ前記ダミー負荷(DUM1)または前記光変調器(MOD1、MOD2、MOD3)に接続して、前記電圧源(SUP11、SUP12、SUP13)の動作を安定させることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項9】
前記制御信号(S1)の制御パルスの最小時間幅(w
S)が、前記出力信号(LB2
k)の連続するパルスの立ち上がりエッジ間の最小時間(1/(M・f
0))よりも大きいことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項10】
前記第1の分岐(A1)の変調器(MOD1)の状態変化の開始と前記第1の分岐(A
1)の変調器(MOD
1)における1次光パルス(LB0
k,1)の到達との進行時間間隔(T
C)が、連続する1次レーザパルス(LB00
k、LB00
k+1)の時間間隔(T
00)の50%~90%の範囲内であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項11】
前記光源(LS1)は、第1の波長(λ
1)で前記1次レーザパルス(LB00
k)を出力し、前記装置(OPG1)は、異なる第2の波長(λ
2)で第2のレーザパルス(LB00
k)を出力する第2の光源(LS2)を更に備えることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項12】
パルスの偏波状態(POL1、POL2)を変化させる1つ以上の偏波回転部(ROT1)を更に備えることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項13】
異なる波長のパルス(λ
1、λ
2)及び/又は異なる偏波状態のパルス(POL1、POL2)を合波して、異なる波長(λ
1、λ
2)のパルス及び/又は偏波状態の異なるパルス(POL1、POL2)を含む出力信号(LB2、LB3)を形成することを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項14】
前記装置(OPG1)は、異なる波長(λ
1、λ
2)のパルス及び/又は偏波状態の異なるパルス(POL1、POL2)を含む出力信号(LB2、LB3)を形成し、前記出力信号(LB2、LB3)は、一部が互いに重畳する連続するパルスから構成されていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項15】
前記出力信号(LB2、LB3)からパルスパターン(PAT1)を選択的に分波する、波長選択部及び/又は偏波選択部である分波部(DIC1)を更に備える、請求項1~14のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項16】
前記装置(OPG1)の分岐(A1)を伝搬する光パルスのエネルギーをモニタし、前記光パルスのエネルギーを示す1つ以上のフィードバック信号を出力する1つ以上の検出器(MON1)を更に備える、請求項1~15のいずれか1項に記載の装置(OPG1)。
【請求項17】
・波長の異なるパルスを含む第1の無中断増幅光パルス系列を形成し、
・前記第1の無中断増幅光パルス系列から分光して第1の光出力信号を形成する、
請求項1~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
・波長の異なるパルスを含む第1の無中断光パルス系列を形成し、
・波長の異なるパルスを含む第2の無中断光パルス系列を形成し、
・前記第1の無中断光パルス系列と前記第2の無中断光パルス系列とを合波して合波無中断光パルス系列を形成し、
・前記合波無中断光パルス系列から分光して第1の光出力信号を形成する、
請求項1~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
・波長の異なるパルスを含む第1の無中断光パルス系列を形成し、
・波長の異なるパルスを含む第2の無中断光パルス系列を形成し、
・前記第2の無中断光パルス系列の偏波状態を前記第1の無中断光パルス系列に対して直交状態に変化させ、
・前記第1の無中断光パルス系列と偏波回転した前記第2の無中断光パルス系列とを合波して合波無中断光パルス系列を形成し、
・前記合波無中断光パルス系列から分光して第1の光出力信号を形成する、
請求項1~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記第1のおよび第2の無中断光パルス系列は光増幅されており、及び/又は前記合波無中断光パルス系列が光増幅されていることを特徴とする、請求項18または19に記載の装置。
【請求項21】
前記合波無中断光パルス系列から分光して第2の光出力信号を形成する工程を更に備え、前記第2の光出力信号は、前記第1の光出力信号に対して補完的であることを特徴とする、請求項18~20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の光出力信号を第1の電気信号に変換し、及び/又は前記第2の光出力信号を補完的な第2の電気信号に変換することを特徴とする、請求項17~21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
・第1の無中断光パルス系列を形成し、
・前記第1の無中断光パルス系列から分光して第1の光出力信号を形成し、
・第2の無中断光パルス系列を形成し、
・前記第1の無中断光パルス系列から分光して第2の光出力信号を形成し、
・前記第1の光出力信号と前記第2の光出力信号とを合波して合波光出力信号を形成する、
請求項1~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の及び第2の無中断光パルス系列は光増幅されていることを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記合波光出力信号を電気信号に変換することを特徴とする、請求項23または24に記載の装置。
【請求項26】
・第1の無中断増幅光パルス系列を形成し、
・前記第1の無中断増幅光パルス系列から分光して第1の光出力信号を形成し、
・前記第1の光出力信号を第1の電気信号に変換し、
・第2の無中断増幅光パルス系列を形成し、
・前記第2の無中断増幅光パルス系列から分光して第2の光出力信号を形成し、
・前記第2の光出力信号を第2の電気信号に変換し、
・前記第1の電気信号と前記第2の電気信号とを合波して合波電気信号を形成する、
請求項1~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記変調器はマッハツェンダ変調器であることを特徴とする、請求項17~26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記光源は広帯域光源であり、好ましくはスーパーコンティニューム光源であることを特徴とする、請求項1~27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
クライオスタットを更に備え、前記クライオスタットにおいて光出力信号を電気信号に変換することを特徴とする、請求項1~28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
・1次レーザパルス(LB00
k)を出力することと、
・前記1次レーザパルス(LB00
k)の光を複数の分岐(A1、A2、A3)に分波して複数の1次光パルス(LB0
k,1、LB0
k,2、LB0
k,3)を出力することと、
・各前記分岐(A1、A2、A3)からの変調光信号(LB1
k,1、LB1
k,2、LB1
k,3)を合波して出力信号(LB2
k)を形成することと、
・1次パターン(PAT0)に従って、前記分岐(A1、A2、A3)の光変調器(MOD1、MOD2、MOD3)を制御するための制御信号(S1、S2、S3)を出力することと、を備える方法であって、
第1の分岐(A1)は、前記第1の分岐(A1)の1次光パルス(LB0
k,1)から第1の変調光信号(LB1
k,1)を形成する第1の光変調器(MOD1)を有し、
第2の分岐(A2)は、前記第2の分岐(A2)の1次光パルス(LB0
k,2)から第2の変調光信号(LB1
k,2)を形成する第2の光変調器(MOD2)を有し、
第3の分岐(A3)は、前記第3の分岐(A3)の1次光パルス(LB0
k,3)から第3の変調光信号(LB1
k,3)を形成する第3の光変調器(MOD3)を有し、
前記第2の分岐(A2)の伝搬遅延(d
2)は、前記第1の分岐(A1)の伝搬遅延(d
1)と異なり、
前記第3の分岐(A3)の伝搬遅延(d
3)は、前記第1の分岐(A1)の伝搬遅延(d
1)と異なり、且つ、前記第2の分岐(A2)の伝搬遅延(d
2)と異なる、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
いくつかの実施形態は、光パルスパターンの生成に関する。
【背景技術】
【0002】
任意電気パターン生成装置(APG;Arbitrary Pattern Generator)を用いて電気波形を形成して任意の光パルスパターンを生成することが知られている。その後、電気波形を用いて光強度変調器を制御して連続波光やパルスレーザ光を変調することにより、光パルスパターンを形成してもよい。10GHzよりも高い周波数で任意の光パルスパターンを形成するには、少なくとも同一周波数の電気波形を形成する必要がある。しかし、非常に高い周波数で電気任意波形(electric arbitrary waveform)を正確に生成することは困難であるか又は不可能である。生成された電気任意波形は、高い帯域幅によりノイズが多い可能性がある。光変調器が高周波で形成する光パルスの形状は、電気波形のノイズ及び/又はジッタに強く影響され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、光パターン生成装置(APPG)を提供することを目的とする。本発明は、光パルスパターンの生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の光パターン生成装置(OPG1)は、
・1次レーザパルス(LB00k)を出力する光源(LS1)と、
・前記1次レーザパルス(primary laser pulse)(LB00k)の光を複数の分岐(branch)(A1、A2、A3)に分波して複数の1次光パルス(LB0k,1、LB0k,2、LB0k,3)を出力する分波器(SPL1)と、
・各前記分岐(A1、A2、A3)からの変調光信号(LB1k,1、LB1k,2、LB1k,3)を合波して出力信号(LB2k)を形成する合波器(CMB1)と、
・1次パターン(primary pattern)(PAT0)に従って、前記分岐(A1、A2、A3)の光変調器(MOD1、MOD2、MOD3)を制御するための制御信号(S1、S2、S3)を出力する制御部(PG0)と、を備え、
第1の分岐(A1)は、前記第1の分岐(A1)の1次光パルス(LB0k,1)から第1の変調光信号(LB1k,1)を形成する第1の光変調器(MOD1)を有し、
第2の分岐(A2)は、前記第2の分岐(A2)の1次光パルス(LB0k,2)から第2の変調光信号(LB1k,2)を形成する第2の光変調器(MOD2)を有し、
第3の分岐(A3)は、前記第3の分岐(A3)の1次光パルス(LB0k,3)から第3の変調光信号(LB1k,3)を形成する第3の光変調器(MOD3)を有し、
前記第2の分岐(A2)の伝搬遅延(d2)は、前記第1の分岐(A1)の伝搬遅延(d1)と異なり、
前記第3の分岐(A3)の伝搬遅延(d3)は、前記第1の分岐(A1)の伝搬遅延(d1)と異なり、前記第2の分岐(A2)の伝搬遅延(d2)と異なる。
【0005】
更なる態様は、請求項で定義される。
【0006】
本発明の様々な実施形態について求められる保護の範囲は、独立請求項により述べられる。独立請求項の範囲に該当しない、本明細書に記載されている実施形態(もしあれば)は、本発明の様々な実施形態を理解するのに有用な実施例として解釈されるべきである。
【0007】
装置は、任意光パルスパターン生成装置(APPG)であってもよい。生成されたパルス系列(pulse sequence)の包絡線関数(envelope function)は、選択可能であってもよい。生成されたパルス系列の包絡線関数は、ユーザにより選択可能であってもよい。パルス系列は、パルスパターンと呼ばれることもある。
【0008】
生成装置は、1次レーザパルスの光を複数の分岐に分割してもよい。各レーザパルスは、生成装置の各分岐において同期して伝搬する複数の1次光パルスに分割されてもよい。
【0009】
各分岐は、1次光パルスを導波するし、及び/又は適切な(異なる)伝搬遅延を与えるための光導波路を備えてもよい。分岐の数(M)は、例えば4~1024の範囲であってもよい。より多くの分岐を用いることで、より高い出力パルス繰り返し率を得ることができ、及び/又はより時間分解能の高いパルスパターンを出力することができる。
【0010】
各分岐は、それぞれ独立に制御可能な変調器で構成されて、1次光パルスから変調信号を形成してもよい。各分岐は、変調信号を再合波する際に変調信号のパルスをインターリーブ(interleave)して所望の出力信号を形成するように、異なる伝搬遅延を設けるようにしてもよい。光出力信号は、所望の1次パターンに対応するパルスパターンを含んでもよい。出力信号の最大パルスレートは、例えばレーザパルスのパルスレートのM倍としてもよい。
【0011】
生成装置は、繰り返し率増倍(repetition rate multiplication)及びパルスパターン形成システムとして動作してもよい。生成装置は、パルスの品質を実質的に変化させずにパルスの分割、変調、合波を行うことができる。
【0012】
装置は、レーザパルスから1次光パルスを形成する分波器を備えてもよい。レーザパルスは、例えばモードロックレーザによって構成されてもよい。分割と合波は受動的な光学系を用いて実装することができる。分割、変調及び/又は合波は、実質的に光パルスの形状を変形せずに行ってもよい。
【0013】
各分岐の変調器は、1次光パルスから変調信号を形成してもよい。変調器は、1次光パルスが変調器を介して合波器に通過することを許容してもよいし、1次光パルスが合波器に伝搬することを防止してもよい。変調器の状態は、例えば、通過状態(pass state)または遮断状態(block state)であり得る。変調器は、例えばマッハツェンダ変調器(Mach Zehnder modulator)であってもよい。変調器の状態は、例えば、変調器に制御電圧信号を印加することによって制御されてもよい。制御電圧信号は、制御信号パルスを含んでもよい。
【0014】
変調器に電気的な制御信号を生成する制御部を設けてもよい。制御部は、1次パターンを記憶するメモリを備えてもよい。1次パターンは、例えば所望の光パルスパターンの包絡線関数を定義する2値の値の系列(sequence of binary values)から構成されてもよい。制御部は、例えば、1次パターンの値に従って、2値の制御信号を駆動部に出力するための、例えば、プログラマブルロジック(FPGA)を含んでもよい。(FPGAはField-Programmable Gate Arrayのことである。)駆動部は、2値の制御信号に基づいて変調器の制御信号を形成してもよい。
【0015】
生成装置の光出力は、実質的にRZ(Return-to-zero)光パルスの系列で構成されてもよい。当該系列は、例えば、任意の2値パターンを表すことができる。その出力は、1次パターンに従って形成された、実質的に2値の光信号であってもよい。(量子化時間での)系列の各出力値は、実質的にフル(全)振幅値であってもよいし、実質的にゼロであってもよい。パルスの周波数(M・f0)は、例えば10Gbit/sよりも高い。出力の連続するパルスの立ち上がりエッジ間の最短時間は、例えば、1ns未満であってもよい。
【0016】
1次レーザパルスの基本繰り返し率(f0)は、例えば1GHz~10GHzの範囲内であってもよい。特に、1次レーザパルスの基本繰り返し率(f0)は、例えば2GHz~3GHzの範囲内であってもよい。制御電子機器は、例えば、1次レーザパルスの基本繰り返し率(base repetition rate)と等しい周波数で動作してもよい。分岐の変調器に印可される制御信号の最大パルス繰り返し率は、生成装置の光出力信号の最大パルス繰り返し率よりも実質的に小さくてもよい。パターン生成装置の変調器の状態は、1次レーザパルスの繰り返し率以下の緩やかな速度で変化させてもよい。変調器の状態の変化は、光出力信号の(振幅)雑音を低減するために、進行間隔(advance interval)を用いて計時してもよい。
【0017】
変調器の状態の変化は、1次光パルスと同期してもよい。1次光パルスは、変調器が目標状態に落ち着くまでの時間が最も長くなるように、制御信号パルスの立ち下がりエッジ付近の最後の時点で変調器に到達してもよい。
【0018】
一例として、1次光パルスの基本パルスレート(基本周波数f0)は、例えば2GHzであり、1つの分岐の隣接する1次光パルス間の時間間隔(T0)は、それぞれ500psであってもよい。1次光パルスの時間幅(w0)は、例えば10psとすることができる。変調器(MOD1)に印加される制御パルス(S1)のタイミングは、1次光パルス(LB0k)が変調器に到達したときの状態変化に起因して残留する残留リンギング(ringing)がないか、または少ないように選択されてもよい。生成装置は、例えば、1次光パルス(LB0k)が、変調器(MOD1)に印加される制御信号(S1)の前回の状態変化が開始されてから約450ps程度に変調器(MOD1)に到達するように動作してもよい。変調器の状態を安定化させるための進行時間間隔(TC)は、例えば450psとすることができる。
【0019】
光出力信号のパルスの振幅は、先行する信号値と実質的に独立してもよい。光出力信号は、実質的にメモリ効果を有していなくてもよい。
【0020】
制御部は、ノイズの少ない電気的な制御信号を生成してもよい。制御部は、例えば、変調器の電気的な制御入力を第1の電圧(V1)と異なる第2の電圧(V2)とに結合する駆動部を備えてもよい。第1の電圧(V1)及び/又は第2の電圧(V2)は、低ノイズ(直流)電圧源によって出力されてもよい。制御部の駆動部は、2つの低ノイズ直流電圧(V1、V2)を切り替える駆動回路を備えてもよい。
【0021】
光パルス系列生成装置は、例えば、パルス振幅と時間ノイズ(ジッタ(jitter))に対して高品質な光出力信号を生成することができる。
【0022】
光パターン生成装置の出力は、例えば任意の電気波形を得るために、必要に応じて電気信号に変換されてもよい。変換された電気信号は、正確なタイミング及び/又は正確な波形を有することができる。光パターン生成装置の出力は、例えばフォトダイオードを用いて電気信号に変換されてもよい。
【0023】
一実施形態では、光パルス系列生成装置の1つ以上機能部が基板上に実装されてもよい。例えば、分岐は、光導波路、変調器及び/又は光遅延線を基板上に実装することにより形成してもよい。例えば、レーザ、分波器(distributor)、各分岐、及び/又は合波器(combiner)は基板上に実装されてもよい。基板としては、例えば、シリコン基板やGaAs基板を用いることができる。GaAsはヒ化ガリウムを意味する。基板上の各部を実装することで、小型化、高周波における動作、出力信号のパルス品質の向上、安定性の向上、信頼性の向上、及び/又は製造コストの低減を図ることができる。
【0024】
一実施形態では、生成装置の光出力は、高温から極低温まで光導波路を介して接続することができる。極低温とは、例えば4.2K以下であり得る。Kはケルビンを意味する。クライオスタット(cryostat)に光信号を導入すると、クライオスタットに電気信号を出力する場合と比較して、クロストーク及び/又は熱効果を回避することができる。必要に応じて、クライオスタット内に光信号を電気信号に変換してもよい。光信号のパルスは、必要に応じて1つ以上のフォトダイオードを用いて電気信号に変換することができる。
【0025】
一実施形態では、生成装置の光出力は、例えばジョセフソン接合電圧規格を駆動するために用いられてもよい。
【0026】
以下の例では、添付の図面を参照しながら、いくつかの変形例をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1(a)】光パターン生成装置を例示する図である。
【
図1(b)】光パターン生成装置を例示する図である。
【
図1(c)】光パターン生成装置を例示する図である。
【
図2(a)】1次レーザパルスから1次光パルスを形成することを例示する図である。
【
図2(b)】1次光パルスから変調信号を形成することを例示する図である。
【
図2(c)】変調信号を合波して出力信号を形成することを例示する図である。
【
図3】光出力信号を電気出力信号に変換することを例示する図である。
【
図4】光出力信号を電気出力信号に変換することを例示する図である。
【
図5(a)】波長の異なる幾つかのパルスパターンを出力する光パターン生成装置を例示する図である。
【
図5(b)】第1の偏波状態を有する第1のパルスパターンと、第2の直交偏波状態(orthogonal polarization)を有する第2のパルスパターンとを出力する光パターン生成装置を例示する図である。
【
図6(a)】異なる波長のパルスの無中断ストリームを増幅する光パターン生成装置を例示する図である。
【
図6(b)】偏波状態が直交して異なるパルスの無中断ストリームを増幅する光パターン生成装置を例示する図である。
【
図6(c)】第1の中断ストリームと第2の中断ストリームから構成されているパルスの無中断ストリームを例示する図である。
【
図7(a)】マッハツェンダ干渉計を用いてパルスから変調信号を形成することを例示する図である。
【
図7(b)】マッハツェンダ干渉計を用いて2つの異なる波長のパルスから変調信号を形成することを例示する図である。
【
図7(c)】マッハツェンダ干渉計を用いて第1の変調信号及び補完的な第2の信号を形成することを例示する図である。
【
図8(a)】2つの異なる偏波状態のパルスからなるパルスパターンを出力する光パターン生成装置を例示する図である。
【
図8(b)】2つの異なる偏波状態のパルスからなるパルスパターンを出力する光パターン生成装置を例示する図である。
【
図9】多レベルのパルスからなる生成パルスパターンを例示する図である。
【
図10】光パターン生成装置の駆動部を例示する図である。
【
図11】複数の異なる波長の光パルスパターンを形成する光パターン生成装置を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1(a)に示すように、光パターン生成装置OPG1は、1次光パルスLB00を出力する光源LS1と、2以上の分岐(A1、A2、…)と、1次光パルスLB00の光を各分岐(A1、A2)に分波する分波器SPL1と、各分岐(A1、A2)の変調信号を合波する合波器CMB1と、光パルス(LB0)から変調信号を形成する制御信号(S1、S2、・・・)を出力する制御部PG0とを備えている。
【0029】
光源LS1は、所定の時間幅(w00)を有する1次光パルスLB00を出力する。光源LS1は、一定の繰り返し率f0で1次光パルスLB00を照射してもよい。光源LS1は、例えば、モードロックレーザである。光源LS1は、モードロックレーザを含んでもよい。光源LS1は、例えば、一様な振幅及び/又は低い(時間(temporal))ジッタを有するレーザパルスを出力してもよい。
【0030】
1次光パルスLB00は、例えば、1次レーザパルスLB00と呼ばれることもある。
【0031】
分波器SPL1は、1次レーザパルスLB00の光を分岐(A1、A2、・・・)に分波して1次光パルス(LB0)を形成してもよい。分波器SPL1は、1次光パルスLB00を入力するための光入力IN1を備えてもよい。合波器CMB1は、異なる分岐A1、A2から変調信号LB1を受信してもよい。合波器CMB1は、異なる分岐A1、A2の変調信号LB1を合波して合波光出力信号LB2を形成してもよい。合波器CMB1は、出力信号LB2を出力する光出力OUT2を備えてもよい。
【0032】
装置OPG1は、複数の光分岐A1、A2、A3、A4、…を備えてもよい。分岐の数(m)は、例えば、10~1000の範囲とすることができる。分岐の数(m)は、例えば4以上であってもよい。分岐の数(m)は、例えば、4~1024の範囲内であってもよい。
【0033】
分波器SPL1は、パルス繰り返し周波数f0で1次レーザパルスLB00を受信してもよい。出力信号LB2は、最大パルス繰り返し周波数M・f0を有してもよい。整数Mは、装置OPG1の分岐数を示す。
【0034】
各分岐(A1、A2、…)は、1次光パルス(LB0)から変調信号(LB1)を形成するための光変調器MODを備えてもよい。変調器は、例えば、制御可能な干渉計を含んでもよい。変調器MODは、例えばマッハツェンダ変調器(Mach Zehnder modulator)であってもよい。変調器MODは、例えば、電気的に制御可能なマッハツェンダ変調器であってもよい。変調器MODは、1次光パルスが変調器MODを介して伝搬することを許容する第1の動作状態と、1次光パルスが変調器MODを介して伝搬することを防止する第2の動作状態とを有してもよい。変調器MODの状態は、変調器MODに制御信号Sを印加して設定することができる。変調器は、変調器MODに制御信号パルスを印加することにより、第1の状態に設定されてもよい。変調器MODは、1次光パルスLB0を変調することにより、変調光信号LB1を形成してもよい。
【0035】
装置OPG1は、1次光パルスLB0及び/又は変調光信号LB1を導波する導波路WG1、WG2を備えている。
【0036】
各分岐A1、A2は、伝搬遅延d1、d2を生じることができる。各分岐A1、A2は、伝搬遅延d1、d2を生成させるための遅延線D1、D2を備えてもよい。装置OPG1は、第1の分岐A1の伝搬遅延d1と第2の分岐A2の伝搬遅延d2とが異なるように動作してもよい。第3の分岐A3の伝搬遅延d3は、第1の分岐A1の伝搬遅延d1と異なり、第2の分岐A2の伝搬遅延d2と異なるようにしてもよい。特に、各分岐の変調信号を合波して形成される出力信号のパルス繰り返し率が最大となるように、各分岐は異なる伝搬遅延を有してもよい。各遅延線は、第1の分岐と他の分岐の伝搬遅延(d1、d2)の最小差が1/(M・f0)と実質的に等しくなるように動作してもよい。合波器での重畳パルスの合波を回避するために、各分岐は異なる伝搬遅延を有してもよい。
【0037】
分波器SPL1は、1次レーザパルスLB00kの光を分岐A1、A2、A3、A4に同時に分波することにより、1次光パルスLB0k,1、LB0k,2、LB0k,3、LB0k,4を形成してもよい。光パルスLB0k,1、LB0k,2、LB0k,3、LB0k,4の形状は、レーザパルスLB00kの形状と略同様であってもよい。各光パルスLB0k,1、LB0k,2、LB0k,3、LB0k,4の(最大)光パワーは、1次レーザパルスLB00kの(最大)光パワーの1/M倍であってもよい。Mは、分岐の数である。
【0038】
装置OPG1の第1の光分岐A1は、第1の変調器MOD1と、遅延線D1とを有してもよい。遅延線D1は、例えば、導波路(WG1)によって実装されてもよい。遅延線D1は、例えば変調器の前又は後に位置してもよい。第1の分岐A1の変調器MOD1は、制御信号S1に従って光パルスLB0k,1を変調することにより、第1の変調光信号LB1k,1を出力してもよい。
【0039】
また、装置OPG1の第2の光分岐A2は、第2の変調器MOD2と、遅延線D2とを有してもよい。第2の分岐A2の変調器MOD1は、制御信号S2に従って光パルスLB0k,2を変調することにより、第2の変調光信号LB1k,2を出力してもよい。
【0040】
装置OPG1は、各分岐A1、A2の変調器MOD1、MOD2を制御するための制御信号S1、S2を形成する制御部PG0を備えてもよい。制御部PG0は、変調器MOD1、MOD2ごとに別々の制御信号S1、S2を出力する複数(並列)の出力を備えてもよい。各制御信号S1、S2のタイミングは、同期信号STRG1及び/又はクロックCLK1から得られるタイミング信号に基づくものであってもよい。制御部PG0は、例えば、クロックCLK1と、パターンメモリMEM1と、データ処理部PROC1と、駆動部DRV1とを備えてもよい。
【0041】
パターンメモリMEM1は、1次パターンPAT0を記憶してもよい。1次パターンPAT0は、例えば、装置OPG1の出力信号LB2の包絡線関数を規定するための値b
1、b
2、b
3、b
4、…からなる。1次パターンPAT0の値(b
k,1、b
k,2、・・・)の一例を
図2(c)にも示す。値b
1、b
2、b
3、b
4は、例えば2値の値であってもよい。各2値の値は、0または1であり得る。データ処理部PROC1は、パターンメモリMEM1から値b
1、b
2、b
3、b
4を読み出し、1次パターンPAT0の値b
1、b
2、b
3、b
4に基づいて駆動部DRV1の動作を制御して、制御信号S1、S2、S3、S4を形成してもよい。各制御信号S1は、例えば、第1の電圧値(V
1)又は第2の電圧値(V
2)を有する電気信号であってもよい。変調器MOD1に第1の電圧値を印加することにより、変調器MOD1の状態を光パルスが変調器に伝搬することを許容する第1の通過状態とすることができる。変調器MOD1に第2の電圧値を印加することにより、変調器MOD1の状態を光パルスが変調器に伝搬することを防止する第2の遮断状態とすることができる。
【0042】
データ処理部PROC1は、駆動部DRV1に1次制御信号(例えば、値b1、b2、b3、b4)を順次出力することにより、変調器の状態の変更を開始することができる。
【0043】
制御信号S1、S2、S3、S4の形成は、レーザパルスLB00と同期してもよい。装置OPG1は、制御部PG0のタイミング動作の同期信号STRG1を光源LS1の動作に同期して出力してもよい。装置OPG1は、必要に応じて、光同期信号STRG1を電気同期信号STRG1に変換するためのコンバータCON1を有してもよい。
【0044】
導波路WG1、WG2、WG3、WG4は、例えば光ファイバであってもよい。分波器SPL1、変調器MOD1、MOD2および合波器CMB1は、例えば、別々の光学部品であってもよい。
【0045】
装置OPG1の各機能部(SPL1、WG1、MOD、D1、CMB1)は、例えば、共通の基板に実装されてもよい。基板としては、例えば、シリコンまたはヒ化ガリウム基板を用いることができる。
【0046】
光源LS1は、必要に応じて、1次光パルスLB00のパワーを増大させるための光増幅器を備えてもよい。例えば、光増幅器は、シードパルスレーザから得られるレーザパルスを増幅して1次光パルスLB00を出力してもよい。
【0047】
光パターン生成装置OPG1は、例えば、下記の方法により光パルスパターンOPAT1を生成することができる。
【0048】
・1次レーザパルス(LB00)を複数の1次光パルス(LB0)に分割し、
・1次光パルス(LB0)を、装置OPG1の異なる光分岐(A1、A2、A3、A4)に沿って伝搬させ、
・異なる光分岐(A1、A2、A3、A4)を伝搬する光パルス(LB0)を変調することにより、変調光信号(LB1)を形成し、
・異なる遅延時間(ΔtD1、ΔtD2、ΔtD3、ΔtD4)だけ変調光信号(LB1)または光パルス(LB0)を遅延させ、
・異なる光分岐(A1、A2、A3、A4)からの遅延変調信号(LB1)を合波して光信号(LB2)を形成する。
【0049】
1次パルス(LB00)は、例えば、レーザ光源から得られるレーザパルスである。光パターン生成装置OPG1は、例えば、レーザパルスを生成するレーザ光源を備える。
【0050】
光パターン生成装置OPG1は、1次レーザパルス(LB00)を複数の1次光パルス(LB0)に分割する1つ以上のスプリッタSPL1を備えてもよい。
【0051】
光パターン生成装置OPG1は、光パルス(LB0)または遅延光パルス(LB0’)から変調光信号(LB1)を形成する、変調器MOD1、MOD2、MOD3、MOD4の1つ以上のアレイMAR1を備えてもよい。変調器は、例えば、マッハツェンダ変調器であってもよい。
【0052】
光パターン生成装置OPG1は、生成装置OPG1の異なる分岐(A1、A2、A3、A4)に対して異なる遅延時間(ΔtD1、ΔtD2、ΔtD3、ΔtD4)を生じさせる、遅延線D1、D2、D3、D4の1つ以上のアレイDAR1を備えてもよい。各遅延線は、例えば、異なる長さの導波路によって実装されてもよい。
【0053】
光パターン生成装置OPG1は、異なる光分岐(A1、A2、A3、A4)からの遅延変調信号(LB1)を合波する1つ以上の合波器CMB1を備えてもよい。
【0054】
各分岐(A1、A2、A3、A4)は、独立して制御可能な変調器(MOD1、MOD2、MOD3、MOD4)と、遅延線D1、D2、D3、D4とを備えてもよい。
【0055】
合波器CMB1の出力OUT1は、所望の任意の光パルスパターンPAT1を含む光信号LB2を出力する。合波器出力OUT1における光パルスパターンPAT1の最大パルス繰り返し率はM・f0に等しい。f0は、1次パルス(LB00)の繰り返し率を示し、Mは、合波器CMB1に対する信号を出力する分岐(A1、A2、A3、A4)の数を示す。分岐の数Mは、例えば4~1024の範囲であってもよい。
【0056】
図1(b)および
図1(c)を参照して、光パターン生成装置OPG1は、必要に応じて、光パルスの光パワーを増幅する1つ以上の光増幅器(AMP3)を備えてもよい。例えば、光増幅器AMP3は、合波器CMB1の出力OUT1から得られるパルスLB2を光増幅して増幅出力信号LB3を出力してもよい。なお、図面における「time」は、時間又は時刻の意味である。
【0057】
図1(b)を参照して、変調器(MOD1、MOD2、MOD3、MOD4)は、1次光パルス(LB0)を変調することにより、変調1次信号(LB0’)を形成してもよい。遅延線(D1、D2、D3、D4)は、変調1次信号(LB0’)から遅延変調信号(LB1)を形成してもよい。
【0058】
図1(c)を参照して、遅延線(D1、D2、D3、D4)は、スプリッタSPL1と変調器(MOD1、MOD2、MOD3、MOD4)との間に位置してもよい。この場合、各変調器は、遅延光パルス(LB0)を変調することにより、変調遅延信号(LB1)を形成してもよい。
【0059】
一実施形態では、1次パルス(LB00)のタイミングを、例えば同期信号SSYNCを用いて、クロックCLK1に同期させてもよい。一実施形態では、1次パルス(LB00)のタイミングは、原子クロック(CLK1)の周波数に基づいたものであってもよい。
【0060】
各変調器の状態は、通過状態または遮断状態に設定されてもよい。遮断状態では、変調器は、光パルスの伝搬を防止することができる。通過状態では、変調器は、光パルスの伝搬を許容することができる。これにより、変調器は、通過状態において、存在する光パルスを出力することができる。変調器は、遮断状態で欠落した光パルスを出力することができる。
【0061】
光パターン生成装置OPG1は、変調器の状態を制御する制御部PG0を備えてもよい。光パターン生成装置OPG1は、1次パターンPAT0を記憶するメモリMEM1を備えてもよい。制御部PG0は、1次パターンPAT0に従って、かつタイミング信号SSYNCに応じて変調器の状態を変化させる制御信号b1、b2、b3、b4を出力する1つ以上のデータ処理部PROC1を備えてもよい。光パターン生成装置OPG1は、必要に応じて、制御信号b1、b2、b3、b4を増幅する駆動部DRV1を有してもよい。例えば、駆動部DRV1は、必要に応じて、制御信号b1、b2、b3、b4に基づいて変調器の高電圧駆動信号S1、S2、S3、S4を出力してもよい。
【0062】
各変調器は、1次光パルスLB00の繰り返し率以下の周波数で変調されてもよい。
【0063】
各変調器(MOD1、MOD2、MOD3、MOD4)の最大変調周波数は、1次パルス(LB00)の繰り返し率f0と等しくてもよい。1次パルス(LB00)の繰り返し率f0は、例えば、10GHz未満、ひいては1GHz未満であってもよい。任意の波形を生成する場合であっても、個別の変調器の状態をf0よりも高い繰り返し率に変化させる必要がない。したがって、光パルスパターンPAT1の最大パルス繰り返し率は、各個別の変調器の最大変調率よりも高くすることができる。
【0064】
図2(a)は、1次レーザパルスLB00
kの光から1次光パルスLB0
k,1、LB0
k,2、LB0
k,3、LB0
k,4を形成することを例示する図である。分波器SPL1は、1次レーザパルスLB00
kの光を分波して1次光パルスLB0
k,1、LB0
k,2、LB0
k,3、LB0
k,4を形成してもよい。符号d
00は、伝搬遅延を示す。伝搬遅延d
00は、例えば、分波器SPL1の入力IN1から変調器MOD1までの光伝搬遅延であってもよい。P
MAXは、各光パルスLB0
k,1、LB0
k,2、LB0
k,3、LB0
k,4の最大電力を表すことができる。第1の分岐A1の光パルスLB0
k,1は、時刻t
kに第1の分岐A1の変調器MOD1に到達する。
【0065】
符号T00は、連続するレーザパルスLB00k、LB00k+1の間の時間間隔である。時間間隔T00は、例えば、レーザパルスLB00k、LB00k+1の立ち上がりエッジによって規定することができる。符号T0は、連続する光パルスLB0k,1、LB0(k+1),1の間の時間間隔である。時間間隔T0は、例えば、光パルスLB0k,1、LB0(k+1),1の立ち上がりエッジによって規定することができる。時間間隔T0は、時間間隔T00と等しくてもよい。光源LS1のパルス繰り返し周波数f0は、1/T00であってもよい。光源LS1のパルス繰り返し周波数f0は、例えば、1GHz~10GHzの範囲とすることができる。光源LS1のパルス繰り返し周波数f0は、例えば、2GHz~5GHzの範囲とすることができる。
【0066】
符号w00は、レーザパルスLB00k、LB00k+1の時間幅を表す。符号w0は、光パルスLB0k,1、LB0(k+1),1の時間幅を表す。幅w0は、幅w00と略等しくてもよい。レーザパルスLB00k、LB00k+1の時間幅w0は、例えば、1ps~100psの範囲とすることができる。
【0067】
図2(b)は、1次パターンPAT0に従って1次光パルスLB0から変調信号LB1を形成することを例示する図である。1次パターンPAT0は、例えば、値の系列で定義することができる。1次パターンPAT0は、例えば、値の系列b
k,1、b
k,2、b
k,3、b
k,4、b
(k+1),1、b
(k+1),2、b
(k+1),3、b
(k+1),4、b
(k+2),1、b
(k+2),2、b
(k+2),3、b
(k+2),4の順に構成することができる。1次パターンPAT0は、例えば、2値の値の系列を含んでもよい。1次パターンPAT0の値(b)は、例えば、装置OPG1のメモリMEM1に格納されてもよい。
【0068】
制御部PG0は、装置OPG1の各分岐A1、A2、A3、A4の変調器を制御する1次パターンPAT0に従って制御信号S1、S2、S3、S4を出力することができる。
【0069】
1次光パルスLB0k,1は、時刻tkにおいて、第1の分岐A1の変調器MOD1の入力に到達してもよい。制御部PG0は、1次光パルスLB0k,1が変調器MOD1に到達する前に、変調器MOD1の状態の変化を予め開始してもよい。符号dCは、状態変化を開始してから到達するまでの時間間隔である。時間間隔dCは、例えば、進行間隔と呼ばれることもある。進行間隔dCは、例えば、第1の分岐A1の連続する1次光パルスLB0k,1、LB0(k+1),1の間隔T0の50%~90%の範囲であってもよい。進行間隔dCは、変調信号LB1の安定性を向上させ、及び/又は制御信号S1の最大周波数を基準周波数f0以下とすることができる。
【0070】
変調器MOD1に印加される制御信号S1は、制御信号パルスを含んでもよい。例えば、制御信号パルスS1kを形成することにより、1次光パルスLB0k,1を変調してもよい。符号wSは、制御信号パルスS1kの時間幅を表す。制御信号パルスS1kの時間幅wSは、例えば、第1の分岐A1の連続する1次光パルスLB0k,1、LB0(k+1),1の間隔T0の50%~90%の範囲であってもよい。
【0071】
1次光パルスLB0k,1が変調器MOD1を通過する際に、変調器MOD1を通過状態に保つように、進行間隔dC及び/又は時間幅wSを選択することができる。
【0072】
第1の分岐A1の変調器MOD1は、1次光パルスLB0k,1、LB0(k+1),1、LB0(k+2),1、…を変調することにより、第1の変調信号LB1を形成してもよい。第1の分岐A1の変調器MOD1は、1次パターンPAT0の第1のサブセットに基づいて制御されてもよい。第1のサブセットは、例えば、値bk,1、b(k+1),1、b(k+2),1を含んでもよい。制御部PG0は、第1のサブセットに従って制御信号S1を生成してもよい。制御信号S1は変調器MOD1に印加されて、第1の分岐A1の光パルスLB0k,1、LB0(k+1),1、LB0(k+2),1…の伝搬を許容及び/又は防止することができる。例えば、制御値bk,1に応じた制御信号S1(t)は、時刻tk,1において、変調器MOD1を通過状態にして、パルスLB0k,1の伝搬を許容することができる。続いて、パルスLB0k,1は、合波器CMB1に伝搬してもよい。例えば、制御値b(k+1),1に応じた制御信号S1(t)は、時刻t(k+1),1において、変調器MOD1を遮断状態にして、パルスLB0(k+1),1の伝搬を防止することができる。これにより、変調器MOD1は、パルスLB0(k+1),1が分岐A1を介して合波器CMB1へ伝搬することを防止することができる。
【0073】
第2の分岐A2の変調器MOD2は、1次光パルスLB0k,2、LB0(k+1),2、LB0(k+2),2、…を変調することにより、第2の変調信号LB1を形成してもよい。第2の分岐A2の変調器MOD2は、1次パターンPAT0の第2のサブセットに基づいて制御されてもよい。第2のサブセットは、例えば、値bk,2、b(k+1),2、b(k+2),2を含んでもよい。制御部PG0は、第2のサブセットに従って制御信号S2を生成してもよい。制御信号S2は変調器MOD2に印加されて、第2の分岐A2の光パルスLB0k,2、LB0(k+1),2、LB0(k+2),2、…の伝搬を許容及び/又は防止することができる。
【0074】
同様に、1次パターンPAT0の第3のサブセットは、例えば、値bk,3、b(k+1),3、b(k+2),3を含んでもよい。第3の分岐A3の光パルスLB0k,3、LB0(k+1),3、LB0(k+2),3、…は、1次パターンPAT0の第3のサブセットに従って変調されてもよい。
【0075】
同様に、1次パターンPAT0の第4のサブセットは、例えば、値bk,4、b(k+1),4、b(k+2),4を含んでもよい。第4の分岐A4の光パルスLB0k.4、LB0(k+1),4、LB0(k+2),4、…は、1次パターンPAT0の第4のサブセットに従って変調されてもよい。
【0076】
図2(c)を参照して、通過したパルスは合波器に伝播し、遮断されたパルスは合波器に伝播しない。合波器は、通過したパルスを合波して光出力を形成してもよい。
【0077】
光パルスLB0k,1は、時刻tk,1において変調器MOD1に到達してもよい。光パルスLB0k,1を変調した信号LB1k,1は、時刻t’k,1においてやや遅れて合波器CMB1に到達してもよい。変調光信号LB1k,1は、時間t’’k,1においてやや遅れて合波出力信号LB2に寄与(contribute)し得る。時刻t’’k,1は、合波器CMB1の出力OUT2における信号部LB2k,1の出発時刻を示す。時刻t’’k,2は、合波器CMB1の出力OUT2における信号部LB2k,2の出発時刻を示す。信号部LB2k,1、LB2k,2、LB2k,3、LB2k,4は、同一の1次レーザパルスLB00kから導出してもよい。信号部LB2k,1、LB2k,2、LB2k,3、LB2k,4は、同一の1次レーザパルスLB00kから間接的に形成されてもよい。
【0078】
第1の分岐A1の変調光信号LB1は、信号部LB1
k,1、LB1
(k+1),1、LB1
(k+2),1を含んでもよい。信号部LB1
k,1は、時刻t’
k,1において合波器に到達してもよい。信号部LB1
(k+1),1は、時刻t’
(k+1),1において合波器に到達してもよい。信号部LB1
(k+2),1は、時刻t’
(k+2),1において合波器に到達してもよい。
図2(c)に示す斜線の領域は、変調器MOD1がパルスを遮断した信号部分(LB1
(k+1),1、LB1
(k+2),1)を示し、この遮断は1次パターンPAT0の第1のサブセットの値b
(k+1),1、b
(k+2),1に従って行われる。信号部LB1
k,1は、1次パターンPAT0の第1のサブセットの値b
k,1に従って変調器MOD1を通過したパルスを含んでもよい。
【0079】
符号dCは、第1の分岐A1の変調器を制御するための進行間隔である。符号dPは、合波器の入力から合波器の出力までの伝搬遅延を表す。
【0080】
第2の分岐A2の伝搬遅延(d2)は、第1の分岐A1の伝搬遅延(d1)と異なってもよい。これにより、第1の分岐A1の変調器MOD1を通過した第1のパルスLB1k,1と第2の分岐A2の変調器MOD2を通過した第2のパルスLB1k,2とが同一の1次レーザパルスLB00kから形成された状況において、第2のパルスLB1k,2は第1のパルスLB1k,1よりもやや遅れて合波器CMB1に到達する。
【0081】
出力パルス(LB2k,1、LB2k,2、LB2k,3、LB2k,4)が同一の1次レーザパルスLB00kから形成された状況において、装置OPG1の異なる分岐(A1、A2、A3、A4)の伝搬遅延(d1、d2、d3、d4)は、例えば、出力パルス(LB2k,1、LB2k,2、LB2k,3、LB2k,4)の出発時刻(t’’k,1、t’’k,2、t’’k,3、t’’k,4)が、合波器CMB1の出力OUT2に時間的に略均等に分布されるように選択されてもよい。
【0082】
符号T2は、合波器における第1のパルスLB1k,1の立ち上がりエッジと、合波器における第2のパルスLB1k,2の立ち上がりエッジとの最小時間間隔を表す。出力信号(LB2k)の連続パルス(LB2k,1、LB2k,2)の立ち上がりエッジ間の最小時間間隔(t2)は、例えば1ns未満であってもよい。
【0083】
図2(c)は、異なる分岐A1、A2、A3、A4の変調光信号LB1を合波した光出力信号LB2を例示する図である。信号系列LB2
kは、第1の1次レーザパルスLB00
kに由来する変調・遅延光パルスから構成することができる。信号系列LB2
k+1は、第2の1次レーザパルスLB00
k+1に由来する変調・遅延光パルスから構成することができる。光出力信号LB2は、1次パターンPAT0に従って形成される光パルスパターンPAT1を含んでもよい。
【0084】
装置OPG1は、出力信号LB2の連続するパルスが重畳しないように動作して、合波器での干渉を防止することができる。例えば、第1のパルスの立ち下がりエッジと次のパルスの立ち上がりエッジとの最小時間間隔g3は、例えば1ps以上であってもよい。
【0085】
符号w2は、出力信号LB2のパルスの時間幅を表す。出力パルスの幅w2は、例えば、1次レーザパルスLB00の幅w00と略等しい。
【0086】
図3において、装置OPG1は、必要に応じて、光出力LB2を電気出力V
OUTに変換するためのコンバータCON1を備えてもよい。コンバータCON1は、例えば、1つ以上のフォトダイオードD1Aを備えてもよい。フォトダイオードD1Aは、例えば、抵抗R1と直列に接続されている。
【0087】
符号VCCは、基準ノードN0に対するバイアス電圧を表すことができる。符号N1は、フォトダイオードD1Aと抵抗R1との共通のノードを表すことができる。ノードN1は、例えば、基準ノードN0及び/又はバイアス電圧VCCに対して、電気出力信号VOUTを出力することができる。
【0088】
図4を参照して、装置OPG1は、任意に、第1の組の分岐A
1A、A
2A、A
3A、A
4Aと、第2の組の分岐A
1B、A
2B、A
3B、A
4Bとを備えてもよい。第1の組の変調信号は、第1の合波器CMB1Aで合波されてもよい。第1の合波器CMB1Aは、第1の出力OUT2Aから第1の出力信号LB2Aを出力してもよい。第2の組の変調信号は、第2の合波器CMB1Bにおいて合波されてもよい。第2の合波器CMB1Bは、第2の出力OUT2Aから第2の出力信号LB2Bを出力してもよい。1次レーザパルスLB00
kは第1の組及び第2の組に分波されてもよい。これにより、第2の出力信号LB2Bを第1の出力信号LB2Aに正確に同期させることができる。第1の光出力信号LB2A及び第2の光出力信号LB2Bは、例えば、2つのフォトダイオードD1A、D1Bを駆動するために用いられる。
【0089】
フォトダイオードD1A、D1Bは、例えば逆並列に接続されて、高周波(M・f0)の交流電圧信号VOUTを出力する。
【0090】
図5(a)を参照して、光パターン生成装置OPG1は、第1の波長λ
1の第1のレーザパルスを出力する第1の光源LS1と、異なる第2の波長λ
2の第2のレーザパルスを出力する第2の光源LS2とを備えてもよい。装置OPG1は、第1の波長λ
1の第1のレーザパルスから複数の第1の変調遅延信号LB1を形成する、1つ以上のスプリッタSPL1と、第1の変調器アレイMAR1と、第1の遅延アレイDAR1とを備えてもよい。装置OPG1は、第2の波長λ
2の複数の第2の変調遅延信号LB1を形成する、1つ以上のスプリッタSPL2と、第2の変調器アレイMAR2と、第2の遅延アレイDAR2とを備えてもよい。装置OPG1は、変調遅延信号(LB1)を合波して合波出力信号(LB2)を形成する1つ以上の合波器CMB1、CMB2、CMB3を備えてもよい。光増幅装置OPG1は、合波信号(LB2)を光増幅して増幅光信号LB3を出力する光増幅器AMP3を備えてもよい。
【0091】
出力信号(LB2)は、第1の波長λ1のパルスからなる第1のパルスパターンPAT1と、第2の波長λ2のパルスからなる第2のパルスパターンPAT2を備えてもよい。
【0092】
装置OPG1は、光増幅器AMP3の入力において、第1のパルスパターンPAT1のパルスの到達時間と第2のパルスパターンPAT2のパルスの到達時間とがインターレースするように、第1のパルスパターンPAT1と第2のパルスパターンPAT2とを出力してもよい。装置OPG1の異なる分岐の伝搬遅延は、第1のパルスパターンPAT1のパルスと第2のパルスパターンPAT2のパルスとがインターレースするように選択してもよい。装置OPG1は、必要に応じて、パルスの到達時間がインターレースするように第1のパルスパターンPAT1に対して第2のパルスパターンPAT2を遅延させるための光遅延素子DC2を備えてもよい。
【0093】
装置OPG1は、光増幅器AMP3の入力に光パルスの無中断ストリーム(uninterrupted stream)を与えて、例えば光増幅器の動作を安定化させることができる。
【0094】
第1の増幅パルスパターンPAT1は、増幅された出力信号からスペクトル分離部品(spectrally separating component)(
図6(a))によって任意に分波されてもよい。
【0095】
図5(b)を参照して、装置OPG1は、光パルスの偏波状態(polarization states)を変化させる偏波回転部品ROT1を備えてもよい。
【0096】
装置OPG1は、レーザパルスから複数の第1の変調遅延信号LB1を形成する、1つ以上のスプリッタSPL1と、第1の変調器アレイMAR1と、第1の遅延アレイDAR1とを備えてもよい。第1の変調遅延信号LB1は、第1の偏波状態POL1を有してもよい。装置OPG1は、第2の波長λ2の複数の第2の変調遅延信号LB1を形成する、1つ以上のスプリッタSPL2と、第2の変調器アレイMAR2と、第2の遅延アレイDAR2とを備えてもよい。第2の変調遅延信号LB1を合波することにより、第2のパルスパターンPAT2を形成することができる。偏波回転部品ROT1は、第2のパターンPAT2のパルスが第1の偏波状態(POL1)に対して直交する第2の偏波状態(POL2)を有するように、パルスの偏波状態を変化させてもよい。
【0097】
第1のパルスパターンPAT1と第2のパルスパターンPAT2とを合波して、第1の偏波状態(POL1)を有するパルスと第2の偏波状態(POL2)を有するパルスとからなる合波信号LB3を設けてもよい。第1のパルスパターンPAT1のパルスと第2のパルスパターンPAT2のパルスとがインターレースしてもよい。
【0098】
装置OPG1は、例えば光増幅器の動作を安定化させるために、光増幅器AMP3の入力に光パルスの無中断ストリームを提供してもよい。
【0099】
装置(OPG1)は、光増幅器(AMP3)によりパルスの無中断ストリームを増幅し、パルスの無中断ストリームは、異なる波長(λ1、λ2)のパルス及び/又は異なる偏波状態(POL1、POL2)のパルスを含んでもよい。
【0100】
装置(OPG1)は、異なる波長のパルス(λ1、λ2)及び/又は異なる偏波状態のパルス(POL1、POL2)を合波して、異なる波長(λ1、λ2)のパルス及び/又は偏波状態の異なるパルス(POL1、POL2)を含む出力信号(LB2、LB3)を形成してもよい。
【0101】
第1の増幅パルスパターンPAT1は、増幅された出力信号から偏波選択部品(polarization selective component)(
図6(b))によって任意に分波されてもよい。
【0102】
装置OPG1は、出力信号(LB2、LB3)からパルスパターン(PAT1)を選択的に分波する、波長選択部及び/又は偏波選択部である分波部(DIC1)を備えてもよい。
【0103】
図6(a)を参照して、第1の増幅パルスパターンPAT1は、増幅された出力信号からスペクトル分離部品DIC1によって任意に分波されてもよい。部品DIC1は、第1の波長λ
1における第1のパターンPAT1の第1の出力OUT4Aを有してもよい。部品DIC1は、第2の波長λ
2における第2のパターンPAT2の第2の出力OUT4Bを有してもよい。
【0104】
図6(b)を参照して、第1の増幅パルスパターンPAT1は、増幅された出力信号から偏波選択部品DIC1によって任意に分波されてもよい。部品DIC1は、第1の偏波状態POL1を有する第1のパターンPAT1の第1の出力OUT4Aを有してもよい。部品DIC1は、第2の偏波状態POL2を有する第2のパターンPAT2の第2の出力OUT4Bを有してもよい。
【0105】
図6(c)を参照して、装置OPG1は、例えば光増幅器の動作を安定化させるために、光増幅器の入力に光パルスの無中断ストリームUNIPAT3を提供してもよい。パルスのストリームは、例えば、パルスの系列やパターンと呼ばれることもある。無中断ストリームUNIPAT3の光パルスは、実質的に等しいエネルギーを有してもよい。無中断ストリームUNIPAT3は、第1の波長λ
1の第1の光パルスパターンOPAT1と、第2の波長λ
2の第2の光パルスパターンOPAT2とを含むことができる。無中断ストリームUNIPAT3は、第1の偏波状態(POL1)を有するパルスからなる第1の光パルスパターンOPAT1と、第2の直交偏波状態(POL2)を有するパルスからなる第2の光パルスパターンOPAT2とを含んでもよい。
【0106】
無中断ストリームUNIPAT3は、光パルスの第1の中断ストリーム(OPAT1)と、光パルスの第2の中断ストリーム(OPAT1)とを含んでもよい。中断ストリームは、パルスが欠落している、すなわち、一部の連続するパルス間の時間が連続するパルス間の平均時間よりも大幅に長くなっている場合がある。無中断ストリームは、欠落パルスを有していない。無中断ストリームの連続するパルス間の時間は、実質的に一定である。
【0107】
無中断ストリームUNIPAT3は、少なくとも2つの光パルスパターンが中断された波長の異なる3つ以上の光パルスパターン(λ1、λ2、λ3)を含んでもよい。
【0108】
隣接する波長λ1、λ2間のスペクトル間隔(spectral separation)は、例えば、0.1nmより大きくてもよい。
【0109】
一実施形態では、第1の波長λ1を有する第1の無中断光パルス系列(UNIPAT1)と、異なる第2の波長λ2を有する第2の無中断光パルス系列(UNIPAT1)とが、装置OPG1の1つの分岐(例えばA1)に沿って変調器(MOD1)に同時に伝搬してもよい。変調器(MOD1)は、変調器の状態に応じて、変調器(MOD1)を介して第1の波長λ1のパルスまたは第2の波長λ2のパルスの通過を許容するマッハツェンダ(型)変調器であってもよい。これにより、変調器(MOD1)は、第1の波長λ1のパルスと第2の波長λ2のパルスとから、第3の無中断光パルス系列(UNIPAT1)を形成することができる。第3の無中断光パルス系列の光パルスは、必要に応じて光増幅器に導光されて増幅されてもよい。
【0110】
第1の波長λ1を有する第1の無中断光パルス系列(UNIPAT1)と、異なる第2の波長λ2を有する第2の無中断光パルス系列(UNIPAT1)とを、装置OPG1の各分岐(A1、A2、A3、A4)に沿って同時に変調器(MOD1)に伝搬させることにより、装置OPG1の各分岐(A1、A2、A3、A4)から無中断の変調光パルス系列(UNIPAT1)を得るようにしてもよい。
【0111】
図7(a)に示すように、マッハツェンダ変調器MZI(例えば、MOD1)は、第1の波長λ
1の光パルスを入力する第1の入力IN1
Mと、第1の波長λ
1のパルスを含む変調信号を出力する第1の出力OUT1
Mとを有する。
【0112】
マッハツェンダ変調器MZIは、第1のアームARM1および第2のアームARM2を備える。アームARM1、ARM2の少なくとも1つは、変調素子E1を備えてもよい。変調素子E1に制御信号S1を印加することにより、第1の波長λ1のパルスに対して、マッハツェンダ変調器MZIの状態を通過状態から遮断状態に、及び/又は遮断状態から通過状態に設定することができる。
【0113】
図7(b)を参照して、第1の入力IN1
Mは、第1の波長λ
1を有する第1のパルスと、第2の波長λ
1を有する第2のパルスとを受信することができる。マッハツェンダ変調器MZIは、第1のパルスまたは第2のパルスのいずれか一方が第1の出力OUT1
Mに通過することを許容してもよい。マッハツェンダ変調器MZIは、第1のパルスと第2のパルスとからパルスの無中断ストリームを出力してもよい。
【0114】
図7(c)に示すように、マッハツェンダ変調器MZIは、第1の波長λ
1の第1のパルスを入力し、第2の波長λ
2の第2のパルスを入力する第1の入力IN1を備えている。マッハツェンダ変調器MZIは、マッハツェンダ変調器MZIの状態に応じて、第1のパルスまたは第2のパルスのいずれか一方が第1の出力OUT1
Mに通過することを許容してもよい。マッハツェンダ変調器MZIは、第1のパルスと第2のパルスとからパルスの無中断ストリームを出力してもよい。
【0115】
マッハツェンダ変調器MZIは、第1のパルスと第2のパルスからなる補完的な(相補的な。complementary)パルスパターンを出力する第2の出力OUT2Mを備えてもよい。第2の出力OUT2Mは、第1の出力OUT1Mが出力する第1の出力信号に対して補完的な第2の出力信号を出力してもよい。
【0116】
符号COU1は、マッハツェンダ変調器MZIへの光カプラを表すことができる。符号IN2Mは、マッハツェンダ変調器MZIの第2の入力を表すことができる。
【0117】
図8(a)に示すように、各変調器は、第1の波長λ
1及び第2の波長λ
2のパルスを受信してもよい。これにより、装置OPG1の各アームは、波長λ
1、λ
2のパルスの無中断ストリームを出力することができる。
【0118】
装置OPG1は、第2の変調器アレイMAR2で変調された信号の偏波状態を変化させる偏波回転部品ROT1を備えてもよい。
【0119】
装置OPG1は、互いに異なる波長λ1、λ2及び/又は互いに直交する異なる偏波状態(POL1、POL2)を有するインターレースパルスの無中断ストリームを出力してもよい。
【0120】
各パルスは、必要に応じて、光増幅器AMP3により増幅されてもよい。
【0121】
装置OPG1は、合波光信号から第1のパルスパターンPAT1を分波する分波部DIC1を備えてもよい。分波部DIC1は、波長選択部または偏波選択部であってもよい。
【0122】
図8(d)を参照して、装置OPG1は、必要に応じて、第1の偏波状態(POL1)を有するパルスを増幅する第1の光増幅器(AMP31)と、第2の偏波状態(POL2)を有するパルスを増幅する第2の光増幅器(AMP32)とを有してもよい。
【0123】
図9を参照して、装置OPG1は、多レベルの光パルスを出力することができる。変調器(MOD1、MOD2、MOD3、MOD4)は、存在するパルス(論理レベル1)および欠落したパルス(論理レベル0)以外のレベルを出力してもよい。例えば、各変調器は、ゼロレベル(0)及びフルレベル(1)に加えて、1つ以上の中間信号レベルを出力する3つ以上の状態を有してもよい。例えば、各変調器は、欠落した(遮断された)パルス及びフルレベルパルス(100%)に加えて、1/2レベルの光パルス(50%)を出力してもよい。
【0124】
光パターン生成装置OPG1は、異なる波長λ1、λ2の2つ以上の光パルスパターンPAT1、PAT2を含む光信号LB2、LB3を出力することができる。光パルスパターンPAT1、PAT2は、生成された光波形に対して略連続した包絡線を出力するように、インターレースしてもよい。
【0125】
2つ以上の異なる波長l1、l2のパルスから光信号LB2、LB3を形成することにより、連続するパルスの一部が重畳する場合に、干渉効果を妨げないようにすることができる。装置OPG1は、出力信号の連続するパルスの波長λ1、λ2が異なるように動作してもよい。
【0126】
異なる偏波状態(POL1、POL2)のパルスから光信号LB2、LB3を形成することにより、連続するパルスの一部が重畳する場合に、干渉効果を妨げないようにすることができる。装置OPG1は、出力信号の連続するパルスが互いに異なる偏波状態(POL1、POL2)を有するように動作してもよい。出力信号LB2、LB3は、第1のパルスと第2のパルスとを含み、第1のパルスの一部が第2のパルスと重畳し、第1のパルスが第1の偏波状態POL1を有し、第2のパルスが第1の偏波状態と直交する第2の偏波状態POL2を有してもよい。
【0127】
装置(OPG1)は、異なる波長(λ1、λ2)のパルス及び/又は偏波状態の異なるパルス(POL1、POL2)を含む出力信号(LB2、LB3)を形成し、出力信号(LB2、LB3)は、一部が互いに重畳する連続するパルスから構成されてもよい。
【0128】
図10を参照して、生成装置OPG1の駆動部DRV1は、例えば、変調器MOD1、MOD2、MOD3、MOD4の制御電圧を出力する複数の電圧源SUP11、SUP12、…SUP46を備えてもよい。電圧源SUP11、SUP12、…、SUP46は、例えば、低ノイズ電圧源であってもよい。
【0129】
駆動部DRV1が出力する制御電圧のレベルは、2以上であってもよい。
【0130】
駆動部DRV1は、変調器毎に2つの異なる制御電圧レベルを出力して変調器を通過状態または遮断状態にする2つ以上の電圧源SUP11、SUP12を備えてもよい。
【0131】
駆動部DRV1は、各変調器に3つ以上の制御電圧レベルを出力して多レベルの光パルスを形成する3つ以上の電圧源SUP11、SUP12を備えてもよい。
【0132】
異なる電圧レベルの数は、例えば3以上であってもよい。
図10は、4つの変調器に6つの電圧レベルを出力するための駆動部DRV1を示す図である。
【0133】
駆動部DRV1は、駆動部DRV1の第1の出力を電圧源SUP11、SUP12、SUP13、SUP14、SUP15、SUP16のいずれかに接続するスイッチSW11、SW12、…、SW16の第1のアレイを有してもよい。スイッチSW11、SW12、SW13、SW14、SW15、SW16は、第1の導電体WIR1を介して第1の出力に接続されて、第1の変調器MOD1の第1の制御電圧S1を出力してもよい。第1の制御電圧S1は、導電体WIR1を介して第1の変調器MOD1の制御入力に印加されてもよい。
【0134】
スイッチSW11、SW12、SW13、SW14、SW15、SW16は、1つの電圧源SUP11、SUP12、SUP13、SUP14、SUP15、SUP16を第1の変調器(MOD1)に直流的に(galvanically)接続することができる。
【0135】
駆動部DRV1は、駆動部DRV1の第2の出力を電圧源SUP21、SUP22、…SUP26のいずれかに接続するスイッチSW21、SW22、…、SW26の第2のアレイを備えてもよい。各スイッチは、第2の導電体WIR2を介して第2の出力に接続されて、第2の変調器MOD2の第2の制御電圧S2をしてもよい。第2の制御電圧S1は、導電体WIR2を介して第2の変調器MOD2の制御入力に印加されてもよい。
【0136】
駆動部DRV1は、駆動部DRV1の第3の出力を電圧源SUP31、SUP32、…SUP36のいずれかに接続するスイッチSW31、SW32、…、SW36の第3のアレイを備えてもよい。各スイッチは、第3の導電体WIR3を介して第3の出力に接続されて、第3の変調器MOD3の第3の制御電圧S4を出力してもよい。第3の制御電圧S4は、導電体WIR3を介して第3の変調器MOD3の制御入力に印加されてもよい。
【0137】
駆動部DRV1は、駆動部DRV1の第4の出力を電圧源SUP41、SUP42、…SUP46のいずれかに接続するスイッチSW41、SW42、…、SW46の第4のアレイを備えてもよい。各スイッチは、第4の導電体WIR4を介して第4の出力に接続されて、第4の変調器MOD4の第4の制御電圧S4を出力してもよい。第4の制御電圧S4は、導電体WIR4を介して第4の変調器MOD4の制御入力に印加されてもよい。
【0138】
各スイッチは、例えば、トランジスタにより実装することができる。駆動部DRV1は、1次パターンPAT0の値を示す信号b1、b2、b3、b4に従って、スイッチSW11、SW12、SW46の動作を制御するスイッチ制御部を備えてもよい。駆動部DRV1は、信号b1、b2、b3、b4に従って変調器MOD1、MOD2、MOD3、MOD4の制御信号S1、S2、S3、S4を形成し、生成した光パルスパターンOPAT1が1次パターンPAT0に対応してもよい。
【0139】
スイッチにより出力される制御電圧を電圧源に接続することで、安定した変調器の制御電圧を出力することができる。
【0140】
一実施形態では、駆動部DRV1は、必要に応じて、各電圧源SUP11…SUP46に対して略一定の負荷を出力する複数のダミー負荷DUM1を備えてもよい。スイッチSW11、SW12、SW46は、電圧源SUP11…SUP46をそれぞれダミー負荷46または変調器MOD1、MOD2、MOD3、MOD4のいずれかに接続して、電圧源SUP11…SUP46の動作を安定化させることができる。
【0141】
一実施形態では、電圧源SUP11…SUP46は、調整可能及び/又は制御可能であってもよい。生成装置OPG1は、必要に応じて、変調パルスのパルスエネルギーを示すフィードバック信号に基づいて電圧源SUP11…SUP46の電圧レベルを制御して、変調器の動作を安定化させる制御部V_CNT1を備えてもよい。駆動部DRV1は、電圧源SUP11…SUP46の電圧レベルを制御する制御部V_CNT1を備えてもよい。
【0142】
図11を参照して、生成装置OPG1は、光パルスを光増幅する1つ以上の光増幅器AMP1、AMP2、AMP31、AMP32を備えてもよい。光増幅器AMP1、AMP2、AMP31、AMP32は、例えば、半導体光増幅器及び/又はファイバ増幅器である。ファイバ増幅器としては、例えば、エルビウム添加ファイバ増幅器(erbium doped fiber amplifier)またはイッテルビウムが添加されたファイバ増幅器(ytterbium doped fiber amplifier)が挙げられる。1つ以上の光増幅器AMP1は、例えば、分波器SPL1と変調器(MAR1、MAR2)との間、変調器(MAR1、MAR2)と遅延線(DAR1、DAR2)との間、遅延線(DAR1、DAR2)と合波器CMB1との間、及び/又は合波器CMB1の後段に配置されてもよい。1つ以上の光増幅器の増幅は調整可能であってもよい。
【0143】
生成装置OPG1は、光パルスのパルスエネルギーをモニタするための1つ以上の検出器MON1を備えてもよい。例えば、検出器MON1は、生成装置OPG1の各分岐を伝搬する光パルスのパルスエネルギーをモニタすることができる。検出器MON1は、検出されたパルスエネルギーを示すフィードバック信号を出力することができる。生成装置OPG1は、駆動部の動作を制御したり、変調器の動作を制御したり、及び/又は検出器MON1から得られたフィードバック信号に基づいて増幅器の動作を制御したりして、生成装置OPG1の動作を安定化させることができる。
【0144】
一実施形態では、生成装置OPG1の各分岐は、光パルスエネルギーセンサ(MON1)と、強度変調器と、光増幅器とを備えてもよい。パルスエネルギーセンサ(MON1)と強度変調器とを、センサからのフィードバック信号に対して十分な時間遅延を与えるような距離だけ離して、光増幅器と同じ分岐における変調器の透過率を制御することで、パルスエネルギーの変動を効果的に低減または解消することができる。パルスエネルギーの変動は、例えば、パルスの時間間隔を変化させることによって生じ得る。
【0145】
一態様では、光パルスパターンに対する増幅器の既知の応答に基づいて、光増幅器と同じ分岐における強度変調器の透過率を調整するようにしてもよい。強度変調器の透過率は、光パルスパターンの既知の形状と、光パルスパターンに対する増幅器の既知の応答とに基づいて、予め(予測的に)制御されてもよい。
【0146】
生成装置OPG1は、異なる波長λ1、λ2、・・・、λ8の複数の光パルスパターンを生成する、1つ以上の回折型分波器SPL1と1つ以上の回折型合波器とを備えてもよい。生成装置OPG1は、必要に応じて、生成装置OPG1の光信号から1つ以上のパルスパターンを分離するスペクトル選択分波部DIC1を備えてもよい。
【0147】
重畳する光パルス同士の干渉を抑制または回避するために、隣接する異なる波長λ1、λ2、・・・、λ8間のスペクトル間隔は、例えば、0.1nmより大きくてもよい。
【0148】
生成装置OPG1は、必要に応じて、生成装置の1つ以上の機能部を一定の動作温度に維持する温度制御システムを備えてもよい。
【0149】
実施形態において、生成装置の光出力は、ジョセフソン(Josephson)接合電圧規格の駆動に用いられてもよい。ジョセフソン接合電圧規格は、クライオスタット内に位置してもよい。光出力は、例えば、光ファイバを用いてクライオスタットに接続されてもよい。光出力は、例えば1つ以上のフォトダイオードを用いて、クライオスタット内部の高周波の電気波形に変換されてもよい。ジョセフソン接合電圧規格の動作温度は、例えば4.2K以下であってもよい。クライオスタットに光出力を導光することは、ジョセフソン接合電圧規格の動作温度への影響が小さい。電圧校正装置は、生成装置とジョセフソン接合電圧規格とを備えてもよい。
【0150】
一実施形態では、装置は、第1の分岐と他の分岐の伝搬遅延(例えば、d2-d1)の最小差が実質的に1/(M・f0)よりも小さくなるように動作してもよい。この微小な差は、例えば、光出力のパルス繰り返し周波数に(小さな)変化を生じさせることができる。この微小な差は、出力の光パルスの時間的な位置をマイクロステップ化する(micro stepping)ことができる。
【0151】
一実施形態では、上記1次レーザパルスは、広いスペクトル線幅を有してもよい。分波器はスペクトルスプリッタであってもよく、及び/又は合波器はスペクトル合波器であってもよい。異なる分岐を伝搬する光パルスは、波長が異なってもよい。
【0152】
一実施形態では、上記合波器からの光出力は、光増幅器を用いて増幅されてもよい。装置OPG1は、光増幅器を備えてもよい。光出力は、光増幅器に接続されてもよい。
【0153】
一実施形態では、合波器から出射された光は、スーパーコンティニューム(supercontinuum)光に変換されてもよい。装置OPG1は、合波器から出力された光をスーパーコンティニューム光に変換する変換部を備えてもよい。
【0154】
一実施形態では、1次レーザパルスLB00は、スーパーコンティニュームレーザパルスであってもよい。光源LS1は、例えばスーパーコンティニューム光源であってもよい。
【0155】
一実施形態では、生成装置OPG1は、
・波長の異なるパルスを含む第1の無中断光パルス系列を形成し、
・波長の異なるパルスを含む第2の無中断光パルス系列を形成し、
・第2の無中断光パルス系列を偏波回転し(rotate polarization)、
・第1の無中断光パルス系列と偏波回転した第2の無中断光パルス系列とを合波して合波無中断光パルス系列を形成し、
・合波無中断光パルス系列から分光して第1の光出力信号を形成してもよい。
【0156】
無中断系列は、例えばマッハツェンダ変調器を用いて形成することができる。
【0157】
無中断系列の光パルスは、1箇所以上で任意に増幅してもよい。第1の無中断光パルス系列は、合波前に光増幅されてもよい。第2の無中断増幅光パルス系列は、合波前に光増幅されてもよい。合波無中断光パルス系列は、合波後に光増幅されてもよい。
【0158】
生成装置OPG1は、第1の光出力信号を第1の電気信号に変換してもよい。
【0159】
一実施形態では、生成装置OPG1は、
・波長の異なるパルスを含む第1の無中断増幅光パルス系列を形成し、
・第1の無中断増幅光パルス系列から分光して第1の光出力信号を形成してもよい。
無中断系列は、例えばマッハツェンダ変調器を用いて形成することができる。
【0160】
生成装置OPG1は、第1の光出力信号を第1の電気信号に変換してもよい。
【0161】
一実施形態では、生成装置OPG1は、
・波長の異なるパルスを含む第1の無中断光パルス系列を形成し、
・波長の異なるパルスを含む第2の無中断光パルス系列を形成し、
・第1の無中断光パルス系列と第2の無中断光パルス系列とを合波して合波無中断光パルス系列を形成し、
・合波無中断光パルス系列から分光して第1の光出力信号を形成してもよい。
第1のおよび第2の無中断系列は、例えば、マッハツェンダ変調器を用いて形成することができる。
【0162】
第2の無中断光パルス系列の波長は、第1の無中断光パルス系列の波長と異なってもよい。重畳する光パルス間の干渉を抑制または回避するために、第2の無中断光パルス系列の波長は、第1の無中断光パルス系列の波長と異なってもよい。例えば、合波無中断光パルス系列は、4つ以上の異なる波長のパルスを含んでもよい。
【0163】
光パルスは、1箇所以上で任意に増幅することができる。第1の無中断光パルス系列は、合波前に光増幅されてもよい。第2の無中断光パルス系列は、合波前に光増幅されてもよい。合波無中断光パルス系列は、合波後に光増幅されてもよい。
【0164】
生成装置OPG1は、第1の光出力信号を第1の電気信号に変換してもよい。
【0165】
一実施形態では、生成装置OPG1は、
・波長の異なるパルスを含む第1の無中断光パルス系列を形成し、
・第1の無中断光パルス系列から分光して第1の光出力信号を形成し、
・第1の光出力信号を第1の電気信号に変換し、
・波長の異なるパルスを含む第2の無中断光パルス系列を形成し、
・第2の無中断光パルス系列から分光して第2の光出力信号を形成し、
・第2の光出力信号を第2の電気信号に変換し、
・第1の電気信号と第2の電気信号とを合波して合波電気信号(combined electrical signal)を形成してもよい。
【0166】
第1のおよび第2の無中断系列は、例えば、マッハツェンダ変調器を用いて形成することができる。
【0167】
本発明に係るシステム、製品、装置及び方法の修正例及び変形例が使用可能であることは、当業者にとって明らかである。図は概略図である。添付の図面を参照すると、上述した特定の実施形態は、説明するためのものに過ぎず、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を限定するものではない。
【国際調査報告】