(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】喫煙可能材料を加熱するためのエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230712BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20230712BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230712BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/10
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576052
(86)(22)【出願日】2021-06-28
(85)【翻訳文提出日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 IB2021055759
(87)【国際公開番号】W WO2022003532
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ホルト,ローラ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC12
4B162AC16
(57)【要約】
エアロゾル発生装置は、ハウジングを備え、ハウジングは、使用時に装置内に収容されるように及び装置から取り外されるように喫煙可能物品が通過できる第1の入口を第1の端部に有し、ハウジングは、第1の入口から離れた第2の入口を有し、ハウジングは、第1の入口と第2の入口との間にチャンバを有し、チャンバ内に取り外し可能に収容された喫煙可能物品を使用時に加熱するために少なくとも1つのヒータがハウジング内に配置されている。装置は、チャンバ内で第2の入口の方に位置する停止デバイスを更に備え、停止デバイスは、使用時に第1の入口を通して送られた喫煙可能物品を所定の加熱位置に停止させるように構成され、停止デバイスは、停止デバイスにおけるチャンバの第1の開口部表面領域が、停止デバイスの上流にあるチャンバの第2の開口部表面領域よりも小さく、停止デバイスにおけるチャンバの第1の開口部表面領域が、停止デバイスの下流にあるチャンバの第3の開口部表面領域よりも小さくなるように更に構成され、又は、停止デバイスは、チャンバの長手方向中心軸に沿って配置されたロッドの端面を備え、ロッドとチャンバとの間に流路が存在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、前記装置は、
ハウジングを備え、
前記ハウジングは、使用時に前記装置内に収容されるように及び前記装置から取り外されるように喫煙可能物品が通過できる第1の入口を第1の端部に有し、
前記ハウジングは、前記第1の入口から離れた第2の入口を有し、
前記ハウジングは、前記第1の入口と前記第2の入口との間にチャンバを有し、
前記チャンバ内に取り外し可能に収容された前記喫煙可能物品を使用時に加熱するために、少なくとも1つのヒータが前記ハウジング内に配置されており、
前記装置は、
前記チャンバ内で前記第2の入口の方に若しくは前記第2の入口の隣に位置する停止デバイスを更に備え、前記停止デバイスは、使用時に前記第1の入口を通して送られた前記喫煙可能物品を所定の加熱位置に停止させるように構成され、
a)前記停止デバイスは、前記停止デバイスにおける前記チャンバの第1の開口部表面領域が、前記停止デバイスの上流にある前記チャンバの第2の開口部表面領域よりも小さく、前記停止デバイスにおける前記チャンバの前記第1の開口部表面領域が、前記停止デバイスの下流にある前記チャンバの第3の開口部表面領域よりも小さくなるように更に構成され、又は、
b)前記停止デバイスは、前記チャンバの長手方向中心軸に沿って配置されたロッドの端面を備え、前記ロッドと前記チャンバとの間に流路が存在する、
エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記チャンバの内側壁に少なくとも1つの突出部を更に備え、前記停止デバイスは、前記突出部の表面を備え、前記突出部の前記表面は、前記停止をもたらすように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロッドは円筒形である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ロッドは、前記チャンバの長手方向中心軸に沿って取り外し可能に配置されている、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記チャンバの長手方向中心軸に実質的に垂直に前記チャンバ内に配置された有孔の壁を更に備え、前記停止デバイスは、前記有孔の壁の表面を備え、メッシュ状の前記壁の前記表面は、前記停止をもたらすように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記有孔の壁は、円盤形状である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記有孔の壁は、前記チャンバ内に取り外し可能に配置されている、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記有孔の壁は、
金属、及び
耐熱性ポリマーワイヤ、
のうちのいずれか1つを含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記突出部は、前記ハウジングの前記内側壁から突出する円周リングとして構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記突出部は、一連の複数の弧形状で不連続な突出部として構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記内側壁は金属で作られており、前記突出部は金属の前記内側壁のエンボス加工である、請求項2、9及び10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記停止デバイスは、軸方向に1~4mmよりも長く延在することはない、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記ヒータは、前記チャンバを加熱するように更に構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記ヒータは、前記停止デバイスと前記第1の入口との間に配置されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
使用時に喫煙物品と係合するように内向きに突出し、前記チャンバと前記喫煙物品との間にエアギャップを提供する、細長い係合要素を備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙可能材料を加熱して喫煙可能材料の少なくとも1つの気化可能材料を揮発させるように構成されたエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(気化器としても知られる)リスク低減デバイス又はリスク修正デバイスの人気及び使用は、紙巻きタバコ、葉巻、シガリロ、及び巻きタバコなどの従来のタバコ製品の喫煙を辞めようと望む常習的喫煙者を支援するための補助として、ここ数年で急速に成長している。従来のタバコ製品においてタバコを燃焼させるのとは対照的に、エアロゾル化可能物質を加熱又は加温する様々なデバイス及びシステムが利用可能である。
【0003】
一般に利用可能なリスク低減デバイス又はリスク修正デバイスは、基質加熱式エアロゾル発生デバイス又は加熱非燃焼式(heat-not-burn)デバイスである。このタイプのデバイスは、湿った葉タバコ又は他の好適なエアロゾル化可能材料を典型的に含むエアロゾル基質を、典型的には150℃~350℃の範囲の温度に加熱することによってエアロゾル又は蒸気を発生させる。エアロゾル基質を燃焼させる又は燃やすのではなく加熱することにより、ユーザが求める成分は含むが、燃焼及び燃やすことによる毒性及び発癌性のある副生成物は含まないエアロゾルが放出される。更に、タバコ又は他のエアロゾル化可能材料を加熱することにより発生されるエアロゾルは、ユーザにとって不快となり得る、燃焼及び燃やすことに起因する焦げた味又は苦味を典型的には含まない。したがって、基質は、煙及び/又は蒸気をユーザにとってより口当たりの良いものにするためにそのような材料に典型的に添加される糖及び他の添加物を必要としない。
【0004】
かかるデバイスは、普通、エアロゾル基質を加熱するための加熱チャンバと、加熱チャンバに電力を供給するための電源とを備える。電源は、通常、デバイスの寿命が電源の単一のエネルギー貯蔵容量によって制限されないように、使い捨て可能又は再充電可能である。加熱チャンバは、典型的には、比較的短時間で素早く加熱することが要求され、これは、加熱チャンバに高電力を供給できることが望ましいこと、及び電力を効率的に供給することが望ましいことを意味する。
【0005】
国際公開第2016/207407号パンフレットは、例えばタバコなどの蒸気形成物質のロッドを加熱するためのデバイスを開示している。デバイスは、使用時にデバイス内に収容されるように及びデバイスから取り外されるように喫煙可能材料が通過できる第1の開口部を第1の端部に有するハウジングを有する。ハウジングは、第1の端部とは反対側の第2の端部に第2の開口部を有する。ハウジングは、第1の開口部と第2の開口部との間にチャンバを更に有する。チャンバ内に取り外し可能に収容された蒸気形成物質を使用時に加熱するために、ハウジング内に少なくとも1つのヒータが配置されている。チャンバは、内径が減少した領域を遠位端部の方に有し、これは、第1の開口部を通過する蒸気形成材料のロッドに対して末端停止部を提供して、喫煙可能材料が第2の開口部を通って直に外に出ることを防止する。
【0006】
本発明は、製造を簡略化することが可能であり、更に、デバイスのヒータによる喫煙ロッドの蒸気形成物質部分の加熱を最適化することを可能にする、既知のデバイスに対する代替物を提供することを目指している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、エアロゾル生成装置を提供する。装置は、ハウジングを備え、ハウジングは、使用時に装置内に収容されるように及び装置から取り外されるように喫煙可能物品が通過できる第1の入口を第1の端部に有し、ハウジングは、第1の入口から離れた第2の入口を有し、ハウジングは、第1の入口と第2の入口との間にチャンバを有し、チャンバ内に取り外し可能に収容された喫煙可能物品を使用時に加熱するために、少なくとも1つのヒータがハウジング内に配置されている。装置は、チャンバ内で第2の入口の方に位置する停止デバイスを更に備え、停止デバイスは、使用時に第1の入口を通して送られた喫煙可能材料を所定の加熱位置に停止させるように構成され、
a)停止デバイスは、停止デバイスにおけるチャンバの第1の開口部表面領域が、停止デバイスの上流にあるチャンバの第2の開口部表面領域よりも小さく、停止デバイスにおけるチャンバの第1の開口部表面領域が、停止デバイスの下流にあるチャンバの第3の開口部表面領域よりも小さくなるように更に構成され、又は、
b)停止デバイスは、チャンバの長手方向中心軸に沿って配置されたロッドの端面を備え、ロッドとチャンバとの間に流路が存在する。
【0008】
好ましい実施形態では、装置は、チャンバの内側壁に少なくとも1つの突出部を更に備え、停止デバイスは突出部の表面を備え、突出部の表面は停止をもたらすように構成されている。更に好ましい実施形態では、ロッドは円筒形である。ロッドの周りの流路は、好ましくは環状である。
【0009】
更に好ましい実施形態では、ロッドはチャンバの長手方向中心軸に沿って取り外し可能に配置されている。例えば、ロッドは、圧入又はねじ込みなどの取り外し可能な接続手段によりハウジングに取り付けられてもよい。
【0010】
更に好ましい実施形態では、装置は、チャンバの長手方向中心軸に実質的に垂直にチャンバ内に配置された有孔の壁を更に備え、停止デバイスは有孔の壁の表面を備え、この壁の表面は停止をもたらすように構成されている。
【0011】
更に好ましい実施形態では、有孔の壁は円盤形状である。
【0012】
更に好ましい実施形態では、有孔の壁は複数の貫通孔を備える。有孔の壁は、例えばメッシュ又はふるいであり得る。
【0013】
更に好ましい実施形態では、有孔の壁はチャンバ内で取り外し可能に配置されている。更に好ましい実施形態では、アパーチャ壁の材料は、金属、耐熱性ポリマーのうちのいずれか1つを含む。
【0014】
更に好ましい実施形態では、突出部は、ハウジングの内側壁から突出する円周リングとして構成されている。
【0015】
更に好ましい実施形態では、突出部は、一連の複数の弧形状で不連続な突出部として構成されている。
【0016】
更に好ましい実施形態では、内側壁は金属で作られており、突出部は金属の内側壁のエンボス加工である。
【0017】
更に好ましい実施形態では、停止デバイスは、軸方向に1~4mmよりも長く延在することがない。
【0018】
更に好ましい実施形態では、ヒータは、チャンバを加熱するように更に構成されている。
【0019】
更に好ましい実施形態では、ヒータは、停止デバイスと第1の入口との間に配置されている。本発明は、デバイスのチャンバに挿入された喫煙ロッドをチャンバの周りに位置するヒータと整列させたままに保つように構成された手段を提供する。
【0020】
更に好ましい実施形態では、チャンバは、使用時に喫煙物品と係合するように内向きに突出し、チャンバと喫煙物品との間にエアギャップを提供する、細長い係合要素を備える。
【0021】
本発明は、例示的な実施形態の説明を通して、及び図面を参照して、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】本発明による、喫煙可能材料を加熱するように構成された例示的な装置の概略図である。
【
図2】本発明による例示的な停止デバイスの概略図である。
【
図3】本発明による、ロッド形状の例示的な停止デバイスの概略図である。
【
図4】本発明によるロッドの例示的な一実施形態の概略断面図である。
【
図5】本発明による、メッシュ状の壁の形の例示的な停止デバイスの概略図である。
【
図6】本発明による、メッシュ状の壁の例示的な一実施形態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面全体を通して、同じ又は類似の特徴を指定するために同じ参照符号が使用される。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「喫煙可能材料」は、加熱されると、典型的にはエアロゾルの形で気化する構成要素を提供する材料を含む。「喫煙可能材料」は、任意のタバコ含有材料を含み、例えば、タバコ、タバコ誘導体、膨化タバコ、再構成タバコ、又はタバコ代用品のうちの1つ以上を含んでもよい。「喫煙可能材料」はまた、他の非タバコ製品を含んでもよい。
【0025】
「喫煙可能材料」は、例えば、固体、液体、ゲル又はワックス等の形であってもよい。「喫煙可能材料」はまた、例えば材料の組み合わせ又はブレンドであってもよい。
【0026】
「喫煙可能物品」は、使用時に加熱されて揮発する喫煙可能材料を使用時に含むか又は含有する物品又は構成要素である。
【0027】
喫煙可能材料を燃焼させる又は燃やすことなく、喫煙可能材料を加熱して、喫煙可能材料の少なくとも1つの成分を気化させて、典型的には吸入できるエアロゾルを形成するエアロゾル発生装置が知られている。そのような装置は時には、「加熱非燃焼式」装置、又は「タバコ加熱製品」、又は「タバコ加熱デバイス」等と説明される。同様に、いわゆるeタバコデバイスもあり、これは典型的には、液体の形の喫煙可能材料を気化させる。喫煙可能材料は、装置内に挿入できるロッド、カートリッジ、又はカセット等の形であってもよい又はこれらの一部として提供されてもよい。喫煙可能材料を加熱する及び気化させるためのヒータが、装置の「恒久的」部分として設けられてもよい。
【0028】
ここで
図1Aを参照すると、これは、喫煙可能物品101を加熱して喫煙可能材料101の1つの気化可能材料を揮発させるように構成された例示的な装置100の概略断面図を含む。装置100はハウジング102を備え、ハウジング102は、使用時に装置100内に収容されるように及び装置から取り外されるように喫煙可能物品101が通過できる第1の入口103を第1の端部に有する。
図1Aの実施例では、喫煙可能物品101は、装置100内に挿入できるロッドの一部として設けられている。挿入は、例えば、ロッドを自分の指で保持しロッドを第1の入口103の中に導入する装置100のユーザによって操作される。
【0029】
ハウジング102は、第1の端部から離れた第2の入口104を更に有する。
図1Aでは、第2の入口104は、第1の入口103が位置する側とは反対側の装置100の側に位置する。第2の入口104は、空気が装置に供給されることができるように構成されていてもよい。
【0030】
ハウジング102は、第1の入口103と第2の入口104との間にチャンバ105を更に有する。チャンバ105は、ハウジング102内部に取り付けられたそれ自体の空洞構造体と考えることができる。
図1Aの実施例に示すように、チャンバ105は、ハウジング102の第1の入口103と第2の入口104との間に長手方向に整列されていてもよい。第1の入口103は、閉塞部(図示せず)に関連付けられてもよく、これは、チャンバ内に喫煙可能物品を挿入する前に開けることができる。第2の入口104の閉塞部が、調整可能なサイズの開口部を提供するように設計されていてもよく、及び/又は開口部を完全に塞いで閉鎖位置にしてもよい。
【0031】
装置100は、チャンバ105内に取り外し可能に収容された喫煙可能物品101を使用時に加熱するためにハウジング102内に配置された少なくとも1つのヒータ106を更に備える。
図1Aに示す実施例では、ヒータ106はチャンバ105を取り囲むように構成されてもよい。すなわち、チャンバ105が長手方向に延びる円筒として形づくられる場合、ヒータ106は、チャンバ106の円筒の外壁の一部分の周りに配置された形状又はリングを有してもよい。ヒータは、薄膜ヒータ又はセラミックヒータを備えてもよい。予想されるモードでは、ヒータは、チャンバの壁の一部(単数又は複数)を形成してもよい。
【0032】
喫煙可能物品101、及び/又は喫煙可能物品101を含むロッドは、装置100の一部であると見なされず、ユーザによる消費のために装置100内に導入でき、その後、装置100から取り外すことができる物体のままであり、導入及び取り外しは
図1Aに示す二重矢印の方向に行われることを理解されたい。
【0033】
装置100は、チャンバ105内で第2の入口104の方に又は第2の入口104の隣に位置する停止デバイス107を更に備える。停止デバイス107から第2の入口104までの距離は、第1の入口103からの距離よりも小さい。停止デバイス107は、使用時に第1の入口103を通して送られた喫煙可能物品101を所定の加熱位置に停止させるように構成されている。実際、喫煙可能物品101のロッドが、二重矢印Aの方向に第1の入口103内に導入される時点で、ロッドは最初にハウジング102内に侵入し、その後、チャンバ105を貫通した後で停止デバイス107と衝突する。この理由から、停止デバイス107は、停止デバイス107におけるチャンバ105の第1の開口部表面領域108が、停止デバイス107の上流にある第2の開口部表面領域109及び停止デバイス107の下流にあるチャンバ105の第3の開口部表面領域110よりも小さくなるように更に構成されている(停止デバイスの「上流」及び「下流」は、第2の入口104から第1の入口103への方向で想定されている)。第1の表面領域108、第2の表面領域109、及び第3の表面領域110は、
図1Aにおける対応する二重矢印により表象的に表されており、これは、前述したように装置100の断面の表現である。実際に、
図1Aで表されるように、これら開口部表面領域108、109、110は、好ましくは、チャンバの平面内の複数の方向に延びている。停止デバイス107は、第2の開口部表面領域109及び第3の開口部表面領域110のサイズに影響を及ぼすことがなく、例えばハウジングの第2の入口104のサイズにも影響を及ぼすことがなく、したがって、喫煙可能物品101から材料を気化させた結果として流れるガスのスループット能力に何らかの影響も及ぼさないことが明らかである。好ましくは、第1の開口部表面領域108は、喫煙可能物品101を第1の入口103内に導入する時点で、第1の開口部表面領域に向かって提示される喫煙可能物品101の表面よりも小さい。
【0034】
所定の加熱位置は、喫煙可能物品101、すなわち
図1Aにおいて概略的に示されるロッドの所定のゾーンを正確に加熱することを可能にする。所定のゾーンは、点線で表されるボックス112内に位置する。これにより、喫煙可能物品101の位置が、チャンバ105内の停止デバイス107と接触する喫煙可能物品101の挿入位置にあるヒータ106の位置に常に正確に整合するような製品を、喫煙可能物品101の製造業者が設計することが可能になる。実際、基質が先端まで存在するため、加熱は通常、喫煙物品101の先端まで延びる。熱は伝導/放射により所定のゾーンを超えて伝達され、その理由の1つが、チャンバ105が金属で作られている場合があることである。
【0035】
図1Aに示す断面B-Bに沿ったチャンバ105の断面図を示す
図1Bを参照すると、チャンバ105はまた、チャンバ105の内部壁115から突出して使用時に喫煙物品101と係合する係合要素113を伴って構成されてもよい。係合要素113は、好ましくは、リブなどの細長い突出要素であり、円周方向に分布して喫煙物品101とチャンバ105の内部壁115との間にエアギャップ114をもたらす。
図1Bに示される実施例では、円周方向に分布する3つの係合要素113がある。また、この実施例では、ヒータ106はチャンバ105を取り囲む。
【0036】
ヒータ106は、その長さの一部だけに沿って、又はその長さ全体に沿って、チャンバ105を加熱するように構成されてもよい。
【0037】
ヒータ106は、停止デバイス107と第1の入口103との間に配置される。ヒータ106は、チャンバ105を取り囲んでもよく又はチャンバ105の壁を形成してもよい。
【0038】
ハウジング102は、ボックス111内に概略的に示すように、ヒータ106に接続された、少なくとも制御回路及び電源(
図1Aでは個別に示されず)を備える更なる構成要素を更に備える。制御回路は、喫煙可能材料の加熱を制御するように構成されたコントローラ、例えばマイクロプロセッサ構成を含んでもよい。電源は、例えば電池であってもよく、電池は再充電可能電池又は非再充電可能電池であってもよい。好適な電池の実施例は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル電池(例えばニッケルカドミウム電池)、アルカリ電池等を含む。電池は、ヒータ106に電気的に結合されて、必要な時に電力を供給し、制御回路の制御下で喫煙可能物品101を加熱することにより喫煙可能材料を気化させる。
【0039】
ここで、停止デバイス107用の様々な例示的な構成が提示される。
【0040】
図2は、本発明による例示的な停止デバイス107の概略図を提示する。停止デバイス107は、チャンバ105の内側壁200に少なくとも1つの突出部201の面を備え、その面は、第1の入口103に、したがって喫煙物品101の挿入時に喫煙物品101に面する。その表面は、喫煙物品101の端面領域よりも小さい開口部表面領域108を提供するように延びている。好ましい実施形態では、複数の突出部201が、停止デバイス107の複数の面を支える内側壁200上のリングに沿って分布していてもよい。
図2では、チャンバ105の直径の両側にある2つの突出部が断面図で示される。突出部201の総数は、例えば3個又は4個又はそれを超えてもよく、円周方向に分布して連続的なリングを提供してもよい。長手方向断面平面では、図示するように、突出部は矩形、正方形、三角又は丸みを帯びていてもよい。突出部201は、チャンバ105の壁の厚さが実質的に不変となるようにチャンバ内に形成されてもよい。突出部201は、特に、チャンバ105が、例えばチューブをエンボス加工又は油圧成形することにより薄い金属で作られる場合、チャンバ105に製造することは比較的容易且つ安価である。
【0041】
更に好ましい実施形態では、突出部201は、チャンバ105の内側壁200から突出する円周連続リングとして構成されていてもよい。突出部は、別個のリング形状の部品を管状チャンバ201内部の定められた位置に追加し固定することにより形成されてもよい。
【0042】
図3は、本発明による例示的な停止デバイス107の更なる概略図を含む。停止デバイス107は、チャンバ105の長手方向中心軸301に沿って配置されたロッド300の一端において端面を備える。停止デバイス107の端面は、挿入された喫煙物品101に対して停止をもたらすように構成されている。ロッド300は、(
図3では示されない)ハウジング内でその壁に直接取り付けられてもよい。好ましくは、停止デバイス107の外側横断面は、喫煙物品101の横断面よりも小さい。チャンバ105とロッド300との間に横方向又は半径方向ギャップも維持されている。その結果、空気が、第1の入口103から及び/又は第2の入口104から喫煙物品101の末端部まで流れることができる。
【0043】
図4の好ましい実施形態では、ロッド300は円筒形状であり、それゆえ停止デバイス107は円盤形状である。この好ましい実施形態は、
図3の軸A-Aによる、ロッド300の例示的な実施形態の断面の概略図として示され、ここでは、付随的にチャンバ105も円筒形状の壁を有する。喫煙物品101の直径は、点線の円として表されている。
【0044】
更に好ましい実施形態では、ロッド300はチャンバ105の長手方向中心軸301に沿って取り外し可能に配置されている。
【0045】
図5は、本発明による、有孔の壁500の形の例示的な停止デバイス107の概略図である。有孔の壁500は、チャンバ105の長手方向中心軸301に対して実質的に垂直である。停止デバイス107は、挿入された喫煙物品101に対して停止をもたらすように構成された有孔の壁500の面を備える。
【0046】
好ましい実施形態では、有孔の壁500は、メッシュ又はふるいである。
【0047】
好ましい実施形態では、有孔の壁500は円盤形状であり、それゆえ停止デバイス107は円盤形状である。有孔の壁500の直径は、喫煙物品101の直径よりも大きくすることができる。この好ましい実施形態は、
図5の軸B-Bによる、有孔の壁500の例示的な実施形態の断面の概略図として
図6に示され、ここでは、付随的にチャンバ105も円筒形状の壁を有する。有孔の壁500は、一定の又は可変の寸法を有する複数の貫通孔を備えてもよい。貫通孔は、規則的な又は不規則な形状であってもよい。有孔の壁500は、好ましくは、挿入時に喫煙物品を変形させず、喫煙物品の一定位置を確保するために、金属などの剛性材料又はPEEKなどの耐熱性ポリマーで作られている。有孔の壁500は、材料ワイヤの格子若しくはメッシュ、又は単一の成形されたポリマー部品であってもよい。
【0048】
更に好ましい実施形態では、有孔の壁500はチャンバ105の長手方向中心軸301に沿って取り外し可能に配置されている。
【0049】
更に好ましい実施形態では、有孔の壁500は、
金属ワイヤ又はグリッド、
耐熱性ポリマーワイヤ又はグリッド、
のうちのいずれかを含む。
【0050】
好ましくは、チャンバ105の内側壁は、ステンレス鋼、銅、アルミニウム又はチタンなどの金属で作られている。
【0051】
なお更に好ましい実施形態では、停止デバイス107は、軸方向に1~4mmよりも長く延在することがない。
【国際調査報告】