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特表2023-530960穀物及び油糧種子を含む乳類似物製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】穀物及び油糧種子を含む乳類似物製品
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/00 20160101AFI20230712BHJP
   A23J 3/14 20060101ALI20230712BHJP
   A23C 11/10 20210101ALI20230712BHJP
   A23L 2/38 20210101ALI20230712BHJP
【FI】
A23L5/00 N
A23J3/14
A23C11/10
A23L2/38 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577222
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2021066661
(87)【国際公開番号】W WO2021259803
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】20181842.4
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】サガロヴィツ, ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ステューダー, マリアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】フリース, レナルト
(72)【発明者】
【氏名】スーサン, エロディ, オードリー
(72)【発明者】
【氏名】ロッシ, ヴォーテ, パトリシア
(72)【発明者】
【氏名】レイ, ジョイディープ
(72)【発明者】
【氏名】ディオニシ, ファビオラ
(72)【発明者】
【氏名】ソヴァージャ, ジャン‐リュック
(72)【発明者】
【氏名】カンマーホーファー, ヤナ, クリスティーナ
【テーマコード(参考)】
4B001
4B035
4B117
【Fターム(参考)】
4B001AC05
4B001AC20
4B001AC25
4B001BC01
4B001BC03
4B001BC04
4B001BC07
4B001BC08
4B001BC12
4B001BC99
4B001EC99
4B035LC16
4B035LE03
4B035LG15
4B035LG34
4B035LG41
4B035LG51
4B035LP01
4B035LP21
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4B035LP43
4B035LP44
4B117LC12
4B117LG11
4B117LG13
4B117LG24
4B117LK15
4B117LK24
4B117LP02
4B117LP03
4B117LP06
4B117LP14
4B117LP16
(57)【要約】
本発明は、乾燥ベースで、少なくとも10重量%の穀物と、乾燥ベースで、少なくとも5重量%の油糧種子と、を含むビーガン食品組成物に関し、当該組成物は、穀物及び油糧種子により供給される少なくとも2重量%の食物繊維と、当該穀物及び油糧種子のうちのいずれか1つ以上により供給される少なくとも5重量%のタンパク質と、を含み、当該組成物のD4,3粒子径は、100μm未満である。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥ベースで少なくとも10重量%の穀物と、乾燥ベースで少なくとも5重量%の油糧種子とを含む、液体ビーガン食品組成物であって、該組成物が、前記穀物及び前記油糧種子によって提供される少なくとも2重量%の食物繊維と、前記穀物及び前記油糧種子のうちのいずれか1つ以上によって提供される少なくとも5重量%のタンパク質と、を含み、レーザー回折により測定したときの前記組成物のD4,3粒子径が100μm未満である、液体ビーガン食品組成物。
【請求項2】
前記組成物が、乾燥ベースで15~50重量%の穀物と、乾燥ベースで50~85重量%の油糧種子と、を含み、前記組成物が、前記穀物及び前記油糧種子によって提供される5~20重量%の食物繊維と、前記穀物及び前記油糧種子のうちのいずれか1つ以上によって提供される5~40重量%のタンパク質と、を含む、請求項1に記載の液体ビーガン食品組成物。
【請求項3】
前記組成物が、乳類似物である、請求項1又は2に記載の液体ビーガン食品組成物。
【請求項4】
乾燥ベースで30重量%~50重量%の穀物と、乾燥ベースで50重量%~70重量%の油糧種子とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体ビーガン食品組成物。
【請求項5】
前記穀物が、オート麦又はキノアである、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体ビーガン食品組成物。
【請求項6】
前記油糧種子が、ヒマワリ、カボチャ種子、ゴマ、亜麻仁、モリンガ種子、スイカ種子、麻の実、ベニバナ種子、及びキャノーラ種子から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体ビーガン食品組成物。
【請求項7】
前記穀物及び前記油糧種子により供給される、13重量%~38重量%のタンパク質を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体ビーガン食品組成物。
【請求項8】
豆果、好ましくはヒヨコマメを更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体ビーガン食品組成物。
【請求項9】
前記組成物のD4,3粒子径が、50μm未満、好ましくは40μm未満である、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体ビーガン食品組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の液体ビーガン食品組成物を含む食品製品。
【請求項11】
ビーガン食品組成物を製造する方法であって、
a.乾燥ベースで少なくとも10重量%の穀物と、乾燥ベースで少なくとも5重量%の油糧種子とを混合して、混合物を形成する工程であって、前記穀物及び前記油糧種子のD4,3粒子径を、好ましくは粉砕によって、200μm未満に減少させている、工程と、
b.水相、好ましくは水を添加する工程と、
c.任意選択的に、ゲル化を防止するために酵素を添加し、加熱して、酵素を失活させる工程と、
d.任意選択的にコロイドミル及び/又はホモジナイズを使用して、任意選択的に、レーザー回折により測定したときの前記D4,3粒子径を100μm未満に減少させる工程と、
e.好ましくは微粉化又はホモジナイズによって、前記D4,3粒子径が50μm未満となるように粒子径を減少させる工程と、
f.任意選択的に、蒸発させる工程と、
g.滅菌又はパスチュライズする工程と、
h.任意選択的に、乾燥させる工程と、を含む方法。
【請求項12】
前記穀物が、キノア又はオート麦である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記油糧種子が、ヒマワリ又はゴマである、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記酵素が、α-アミラーゼである、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
粉砕が、コロイドミル又はハンマーミルによって行われる、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
請求項11~15のいずれか一項に記載の方法によって製造される、液体ビーガン食品組成物。
【請求項17】
前記組成物が、乳類似物である、請求項16に記載の液体ビーガン食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
消費者の中には、動物由来であることや、乳糖不耐症又は乳アレルギーなどの理由により、乳を摂取することを望まない者もいる。また一部の消費者は、潜在的な環境持続可能性の問題を考慮している場合もある。
【0002】
市場には乳代替物が存在している。しかしながら、それらは組成及びタンパク質の品質に関していくつかの欠点を有することが多い。それらの代替物は、一般にタンパク質抽出物又は分離タンパク質をタンパク質源として使用しており、原材料表示が簡潔でなく、クリーン・ラベルではなく(例えば、ジェランガム、親水コロイド、及び他の添加物を含む)、味は満足の行くものではなく、苦味、及び/又は渋味を有し得る。
【0003】
乳代用物を製造する従来の手段は、酸又は塩基による処理を用いる。濾過又は遠心分離を使用して、ざらざら感や苦味を生じさせる大きな粒子を除去することもある。その結果、プロセスの効率は低く、食物繊維のような良好な栄養素は除去されてしまう。更に、多くの場合味に問題があり、味の悪さを隠すために多くの原材料が添加される。更に、代替的な植物乳では、多くの場合、香料及びタンパク質濃縮物のような多くの原材料が使用されるが、それらは消費者にとって人工的なものでありかつ天然のものではないと連想される。
【0004】
従来技術のほとんどのビーガン組成物は、粒子径を減じるために濾過を使用するが、濾過は、組成物から食物繊維及び他の有益な成分を除去してしまうという欠点を有する。
【0005】
乳製品代替品市場は、毎年11%成長しており、良好な栄養及び味を有する代替物を見つけることは、この競合分野において主要な利点である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、驚くべきことに天然の良さを保持し、かつ任意の栄養素、特に食物繊維の廃棄なしにざらざら感を回避する、ビーガン食品組成物を提供する。更に、天然成分のみを使用している簡潔な原材料表示が得られる。
【0007】
したがって、本発明は、広義には、穀物及び豆果を含むビーガン食品組成物に関する。
【0008】
本発明は、乾燥ベースで少なくとも10重量%の穀物と、少なくとも5重量%の油糧種子と、を含むビーガン食品組成物、好ましくは液体ビーガン食品組成物を提供し、当該組成物は、当該穀物及び油糧種子によって提供される少なくとも2重量%の食物繊維と、当該穀物及び油糧種子のうちのいずれか1つ以上によって提供される少なくとも5重量%のタンパク質と、を含む。
【0009】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、乾燥ベースで少なくとも20重量%の穀物と、乾燥ベースで少なくとも10重量%の油糧種子と、を含み、当該組成物は、当該穀物及び油糧種子によって提供される少なくとも5重量%の食物繊維と、当該穀物及び油糧種子のうちのいずれか1つ以上によって提供される少なくとも10重量%のタンパク質と、を含む。
【0010】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、乾燥ベースで15~50重量%の穀物と、乾燥ベースで50~85重量%の油糧種子と、を含み、当該組成物は、当該穀物及び油糧種子によって提供される5~20重量%の食物繊維と、当該穀物及び油糧種子のうちのいずれか1つ以上によって提供される5~40重量%のタンパク質と、を含む。
【0011】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は液体であり、当該組成物のD4,3粒子径は100μm未満である。
【0012】
好ましくは、粒子径は、例えば本明細書に記載されるように、レーザー回折によって測定される。
【0013】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、豆果、好ましくはヒヨコマメを更に含む。
【0014】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、乾燥ベースで50重量%~70重量%の油糧種子、又は乾燥ベースで約60重量%の油糧種子を更に含む。
【0015】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、粉末である。
【0016】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、液体である。
【0017】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、25℃で100秒-1の剪断速度で装置により測定したときに100mPa・s未満、好ましくは、25℃で100秒-1の剪断速度で装置により測定したときに80mPa・s未満、好ましくは、25℃で100秒-1の剪断速度で装置により測定したときに50mPa・s未満の粘度を有する液体である。
【0018】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、25℃で100秒-1の剪断速度で装置により測定したときに0.001Pa・s超、好ましくは0.002Pa・s超、好ましくは0.005Pa・s超、好ましくは0.01Pa・s超の粘度を有する液体である。
【0019】
一実施形態では、液体ビーガン食品組成物は、乳類似物である。
【0020】
一実施形態では、mg単位の総リジンのg単位の総タンパク質に対する比は、30よりも高く、好ましくは40よりも高い。
【0021】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、30重量%~60重量%の穀物、又は30重量%~50重量%の穀物を含む。
【0022】
一実施形態では、穀物は、オート麦である。一実施例において、穀物は、キノアである。一実施例において、穀物は、アワ(millet)である。一実施例において、穀物は、コーンである。
【0023】
一実施例において、穀物は、生物学的栄養強化されている。
【0024】
一実施形態では、油糧種子は、ヒマワリである。一実施形態では、油糧種子は、ゴマである。一実施形態では、油糧種子は、少なくとも部分的に脱脂され、好ましくは少なくとも20%脱脂されている。一実施形態では、油糧種子は、部分的に脱脂されたヒマワリである。
【0025】
一実施形態では、液体ビーガン食品組成物は、穀物及び油糧種子により供給される、13重量%~38重量%のタンパク質を含む。
【0026】
一実施形態では、液体ビーガン食品組成物のD4,3粒子径は、125μm未満、好ましくは100μm未満、好ましくは75μm未満、好ましくは50μm未満、好ましくは40μm未満である。
【0027】
一実施形態では、液体ビーガン食品組成物のD4,3粒子径は、20~125μm、又は30~120μm、又は30~60μmである。
【0028】
一実施形態では、液体ビーガン食品組成物のD90粒子径は、300μm未満、好ましくは200μm未満、好ましくは150μm未満、好ましくは100μm未満である。
【0029】
一実施形態では、液体ビーガン食品組成物のD50粒子径は、50μm未満、好ましくは40μm未満、好ましくは30μm未満である。
【0030】
好ましくは、液体組成物の粒子径は、レーザー回折により測定された。
【0031】
本発明者らは、驚くべきことに、穀物及び油糧種子の組み合わせが、乳に近く、かつ炭水化物、脂質及びタンパク質間のバランスが適切であり、乳又は液体クリームに近い物理特性を有する、組成物を提供できることを見出した。
【0032】
本発明によるビーガン食品組成物を含む食品製品も提供される。
【0033】
本発明はまた、ビーガン食品組成物を製造する方法であって、
a.乾燥ベースで少なくとも10重量%の穀物と、乾燥ベースで少なくとも5重量%の油糧種子とを混合して混合物を形成する工程であって、当該穀物及び油糧種子のD4,3粒子径を、好ましくは粉砕によって200μm未満に減少させている工程と、
b.水相、好ましくは水を添加する工程と、
c.任意選択的に、ゲル化を防止するために酵素を添加し、加熱して、酵素を失活させる工程と、
d.任意選択的にコロイドミル及び/又はホモジナイズを使用して、任意選択的に、当該D4,3粒子径を100μm未満に減少させる工程と、
e.好ましくは微粉化又はホモジナイズによって、当該D4,3粒子径が50μm未満となるように粒子径を減少させる工程と、
f.任意選択的に、蒸発させる工程と、
g.滅菌又はパスチュライズする工程と、
i.任意選択的に、乾燥させる工程と、を含む、方法を提供する。
【0034】
一実施形態では、穀物は、キノアである。一実施形態では、穀物は、オート麦である。一実施形態では、穀物は、アワである。一実施形態では、穀物は、コーンである。
【0035】
一実施形態では、油糧種子は、ヒマワリ又はゴマから選択される。一実施形態では、油糧種子は、ヒマワリである。一実施形態では、少なくとも20重量%の脂質が、油糧種子から取り出される。一実施形態では、脂質は、機械的プレスを使用して、溶媒抽出によって、又はCO2を使用したプロセスによって取り出される。
【0036】
酵素は、
αアミラーゼ、
αアミラーゼ、βグルカナーゼ及びプロテアーゼ、
βグルカナーゼ活性を有するαアミラーゼ、又は
βグルカナーゼ活性及びグルコシダーゼを有するαアミラーゼであり得る。
【0037】
一実施形態では、酵素は、グルコシダーゼである。
【0038】
一実施形態では、酵素は、0.0001%~10%の濃度で添加される。
【0039】
一実施形態では、微粉化を行い、D4,3が、100μm未満、好ましくは75μm未満、好ましくは50μm未満、好ましくは40μm未満となるように、粒子径を減少させる。
【0040】
一実施形態では、微粉化を行い、D90が、300μm未満、好ましくは200μm未満、好ましくは150μm未満、好ましくは100μm未満、好ましくは80μm未満となるように、粒子径を減少させる。
【0041】
一実施形態では、微粉化を行い、D50が、60μm未満、好ましくは50μm未満、好ましくは25~50μmとなるように、粒子径を減少させる。
【0042】
微粉化は、ハンマーミル、コロイダルミル、媒体撹拌ミル、ビーズミル、ジェットミル、ボールミル、ピンミル、ローラー粉砕機、ロールリファイナー(Roller refiner)、インパクトミル、ストーンミル、低温ミル(Cryogenic milling)、ロッドミル、振動ミル(Vibratory mill)、又はカッティングミルによって行うことができる。
【0043】
好ましくは、微粉化は、ハンマーミル、コロイドミル、又は高圧ホモジナイズを使用して実施される。
【0044】
高圧ホモジナイズとしては、バルブホモジナイズ、マイクロフルイダイズ(microfluidization)、及び超音波ホモジナイズが挙げられる。
【0045】
一実施形態では、濾過工程は使用されない。
【0046】
一実施形態では、工程a)における穀物及び油糧種子は、粉末又はフラワーとして提供される。
【0047】
一実施形態では、工程a)における穀物及び油糧種子は、各々100μm未満のD4,3粒子径を有する。
【0048】
一実施形態では、乾燥は、噴霧乾燥、ローラー乾燥、ベルト乾燥、真空ベルト乾燥、スプレー凍結、スプレー冷却、レイ乾燥(ray drying)、オーブン乾燥、対流乾燥、マイクロ波乾燥、凍結乾燥、パルス電界支援乾燥、超音波支援乾燥、流動床乾燥、リング乾燥、ボルテックス乾燥(vortex drying)、又はIR乾燥(照射)によって行われる。
【0049】
好ましい実施形態において、乾燥は、噴霧乾燥、ローラー乾燥機、ベルト乾燥、又は真空ベルト乾燥によって行われる。
【0050】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、40℃より高い温度で真空を用いて脱臭される。
【0051】
代替的な実施形態では、微粉化を含む方法工程e)は、水相及び酵素を添加することを含む方法工程b)及びc)の前に行われる。
【0052】
一実施形態では、水相は、水である。
【0053】
また、本発明による方法によって製造されたビーガン食品組成物も提供される。
【0054】
一実施形態では、当該組成物は、乳類似物である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
定義
組成が重量%を単位として本明細書に記載される場合、これは、別途記載のない限り、乾燥基準での成分混合物を意味する。
【0056】
本明細書で使用する場合、「約」は、数値範囲内、例えば、参照数字の-30%から+30%の範囲内、又は参照数字の-20%から+20%の範囲内、又は参照数字の-10%から+10%の範囲内、又は参照数字の-5%から+5%の範囲内、又は参照数字の-1%から+1%の範囲内の数を指すものと理解されたい。本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数又は分数を含むと理解されるべきである。更に、これらの数値範囲は、この範囲内の任意の数又は数の部分集合を対象とする請求項をサポートすると解釈されたい。例えば、45~55の開示は、46~54、48~52、49~51、49.5~50.5などの範囲をサポートするものとして解釈されるべきである。
【0057】
本明細書で使用する場合、物質の「類似物」は、その主要な特性のうちの1つ以上に関して、その物質と類似しているものとみなされる。本明細書で使用する場合、「乳類似物」は、目的、使用、及び栄養の主要な特徴において、乳に類似する。乳類似物は、同程度のレベルのエネルギー、タンパク質、炭水化物、ビタミン、及びミネラルを有する。好ましくは、乳類似物は、牛乳の類似物である。
【0058】
用語「ビーガン食品組成物」は、動物製品又は動物由来の製品を全く含まない食用組成物を指す。動物製品の非限定的な例としては、肉、卵、乳、及び蜂蜜が挙げられる。
【0059】
本発明のビーガン食品組成物は、固体、例えば粉末であってもよく、又は液体、例えば乳類似物であってもよい。本発明のビーガン食品組成物は、食品製品に添加することができる。
【0060】
穀物
穀物は、胚乳、胚芽、及びブランから構成される穀粒(植物学的に穀果(caryopsis)と呼ばれる果実の一種)の可食部分のために栽培された(育てられた)あらゆる禾本である。
【0061】
以下の穀物:オート麦、キノア、トウモロコシ(コーン)、米、小麦、ソバ、スペルト小麦(spelt grains)、大麦、ソルガム、アワ、ライ麦、ライ小麦、及びフォニオは、本発明によるビーガン食品組成物に使用することができる。
【0062】
好ましくは、穀類は、オート麦、トウモロコシ(コーン)、小麦、ソバ、スペルト小麦、大麦、ソルガム、アワ、およびフォニオから選択される。
【0063】
好ましくは、穀物は、オート麦、コーン、アワ、及びキノアから選択される。
【0064】
好ましくは、穀物は、オート麦、コーン、及びキノアから選択される。
【0065】
好ましくは、穀物は、コーン、及びキノアから選択される。
【0066】
油糧種子
本発明のビーガン食品組成物には、以下の油糧種子:ヒマワリ種子、カボチャ種子、エグシ種子、ゴマ種子、ナタネ、綿実、グレープシード、チアシード、亜麻仁、タマリン種子、サチャインチ種子、モリンガ種子、マラマ種子、イナゴマメ種子、メロン種子、スイカ種子、ウリ科植物種子、オクラ種子、オクロ(Ochro)種子、サボテン(cacti)種子、サボテン(cactus)種子、パパイヤ種子、シアバターノキナッツ、麻の実、ベニバナ種子及びキャノーラ種子が使用できる。
【0067】
好ましくは、油糧種子は、ヒマワリ、カボチャ種子、ゴマ、ナタネ、チアシード、亜麻仁、サチャインチ種子、モリンガ種子、スイカ種子、ウリ科植物種子、オクラ種子、シアバターノキナッツ、麻の実、ベニバナ種子、及びキャノーラ種子から選択される。
【0068】
好ましくは、油糧種子は、ヒマワリ、カボチャの種、ゴマ、亜麻仁、モリンガ種子、スイカ種子、麻の実、ベニバナ種子、およびキャノーラ種子から選択される。
【0069】
好ましくは、油糧種子は、ヒマワリ種子及びゴマ種子から選択される。
【0070】
好ましくは、油糧種子は脱脂されている。好ましくは、油糧種子はヒマワリ種子である。好ましくは、油糧種子は脱脂ヒマワリ種子である。
【0071】
豆果
幾つかの実施形態では、本発明のビーガン食品組成物又は食品は、レンズ豆、ヒヨコマメ、豆(beans)、及びエンドウマメ、例えば、インゲンマメ、白インゲンマメ、ウズラマメ、ハリコット豆、アオイマメ、バター豆、アズキ、ムング豆、ゴールデングラム(golden gram)、緑豆(green gram)、黒緑豆(black gram)、ウラド豆、ソラマメ、ベニバナインゲン、ツルアズキ(rice beans)、ガルバンゾ豆、クランベリー豆、アオイマメ、グリーンピース、サヤエンドウ、スナップエンドウ、スプリットピー及び黒目豆、落花生及びバンバラマメなどの豆果を更に含み得る。
【0072】
好ましくは、豆果は、レンズ豆、ヒヨコマメ、ササゲ、ソラマメ、及びグリーンピースから選択される。好ましくは、豆果は、レンズ豆又はヒヨコマメである。好ましくは、豆果は、脱皮されている。好ましくは、豆果は、焙煎されている。好ましくは、豆果は、脱皮され焙煎されたヒヨコマメである。
【0073】
食物繊維
本発明によるビーガン食品組成物において穀物及び油糧種子により供給される食物繊維の好ましい範囲は、5重量%~25重量%、より好ましくは10重量%~20重量%、最も好ましくは10重量%~15重量%である。
【0074】
タンパク質
本発明によるビーガン食品組成物におけるタンパク質の好ましい範囲は、13重量%~38重量%、最も好ましくは20重量%~30重量%である。
【0075】
粒子径
本明細書に記載される全ての粒子径は、再構成された粉末に適用される。D4,3、D90、及びD50粒子径は、例えば光散乱など、水に適合した方法によって測定されなければならない。
【0076】
一実施形態では、D90粒子径(体積加重サイズ分布の場合)は、300μm未満、好ましくは200μm未満、好ましくは100μm未満である。D90(体積加重分布の場合)は、粒子の体積の90%がこのD90より小さい径を有するという粒子径である。
【0077】
一実施形態では、微粉化は、D50が、50μm未満、好ましくは40μm未満、好ましくは30μm未満となるように、粒子径を減少させるために行われる。D50(体積加重分布の場合)は、粒子の体積の50%がこのD90より小さい径を有するという粒子径である。粉末の粒子径分布(体積で重み付けされる)は、自動化顕微鏡技術によって測定することができる。これは、CamSizer(Camsizer XT Retsch)を使用して、又はローターステーターを使用して、水中に粒子を分散させ、光散乱を実行することによって得ることができる。液体については、光散乱を使用して測定することができる。以下のテキストでは、体積加重サイズ分布に関してはD90及びD50が常に使用され、粒子径を説明する。体積加重サイズ分布は、当業者には非常によく知られている。
【0078】
本発明による液体ビーガン食品組成物におけるD4,3又はD[4,3]粒子径分布は、例えばレーザー回折により測定したとき、100μm未満、好ましくは75μm未満、好ましくは50μm未満、好ましくは40μm未満である。
【0079】
一実施形態では、微粉化を行い、D[4,3]が、200μm未満、好ましくは150μm未満、好ましくは100μm未満、好ましくは80μm未満となるように、粒子径を減少させる。
【0080】
D[4,3]の測定は、出現の頻度によって重み付けされたサイズの4乗の合計を、出現の頻度によって重み付けされたサイズの3乗の合計で割ったものとして、当業者に周知である。De Brouckere平均径は、体積によって重み付けされた粒子径分布の平均である(体積加重平均径、体積モーメント平均径、又は体積加重平均サイズとも呼ばれる)。この平均径は粒子径測定で直接取得され、測定されたシグナルは、粒子の体積に比例する。代表的な例は、レーザー回折及び音響スペクトロスコピー(コールターカウンター)である。
【0081】
De Brouckere平均径は、次のようなモーメント比システムに関して定義され、
【数1】

式中、nは、サイズクラスiの、平均D径を有する粒子の出現頻度である。
【0082】
本発明による液体ビーガン食品組成物におけるD90粒子径分布は、400μm未満、好ましくは300μm未満、好ましくは200μm未満、好ましくは100μm未満、好ましくは80μm未満である。
【0083】
本発明による液体ビーガン食品組成物におけるD50粒子径分布は、50μm未満、好ましくは40μm未満、好ましくは30μm未満、好ましくは20μm未満である。
【0084】
好ましくは、液体組成物の粒子径は、レーザー回折を使用して測定される。
【0085】
好ましくは、粉末の粒子径は、画像分析を使用して測定される。
【0086】
脂質
本発明による液体ビーガン食品組成物の脂質含有量の好ましい範囲は、0~35重量%、好ましくは1~35重量%、好ましくは3~30重量%、好ましくは5~25重量%である。
【0087】
炭水化物
本発明による液体ビーガン食品組成物の炭水化物含有量の好ましい範囲は、25重量%~50重量%であり、この範囲には、組成物の食物繊維からの寄与を含んでいない。
【0088】
ビーガン食品組成物
一実施形態では、穀物はキノアであり、油糧種子はゴマである。一実施形態では、穀物はオート麦であり、油糧種子はヒマワリである。
【0089】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、乾燥ベースで、30~50重量%、好ましくは約40重量%のキノアと、50~70重量%、好ましくは60重量%のゴマ種子と、を含む、乳類似体であり、当該組成物は、5重量%~20重量%、好ましくは約13重量%の食物繊維と、15~30重量%、好ましくは約22.5重量%のタンパク質と、を含み、D4,3は、200μm未満であり、好ましくは、50~200μmである。
【0090】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、乾燥ベースで、40~60重量%、好ましくは約50重量%のオート麦と、40~60重量%、好ましくは約50重量%の脱脂ヒマワリと、を含む、粉末であり、当該組成物は、10~20重量%、好ましくは約14重量%の食物繊維と、20~30重量%、好ましくは約26重量%のタンパク質と、を含み、D4,3は、100μm未満であり、好ましくは、40~100μmである。
【0091】
食品製品
一実施形態では、本発明によるビーガン食品組成物を含む食品製品が提供される。食品製品は、例えば、ビーガン乳類似物ベースの製品、Nesquik、Milo、リンゴピューレ及び他の果物抽出物、イチゴピューレ、クリーム、料理用ソース、チョコレート、及びその他の菓子類であり得る。
【0092】
一実施形態では、食品製品は、ビーガンクリーム類似物であり得る。
【0093】
一実施形態では、食品製品は、25℃で100秒-1の剪断速度で装置により測定したときに、10Pa・s未満、好ましくは5Pa・s未満、好ましくは0.8Pa・s未満、好ましくは0.5Pa・s未満、好ましくは0.1Pa・s未満、好ましくは0.05Pa・s未満の粘度を有する。
【0094】
一実施形態では、食品製品は、25℃で100秒-1の剪断速度で装置により測定したときに、11Pa・s未満、好ましくは5.5Pa・s未満、好ましくは0.9Pa・s未満、好ましくは0.55Pa・s未満、好ましくは0.11Pa・s未満、好ましくは0.055Pa・s未満の粘度を有する。
【0095】
一実施形態では、ビーガン食品組成物は、25℃で100秒-1の剪断速度で装置により測定したときに、0.001Pa・s超、好ましくは0.002Pa・s超、好ましくは0.005Pa・s超、好ましくは0.01Pa・s超の粘度を有する液体である。
【0096】
プロセス
一実施形態では、本発明は、穀物と油糧種子とを混合することを含む、ビーガン食品組成物の製造方法に関する。穀物は、好ましくは、キノア又はオート麦である。油糧種子は、好ましくはヒマワリ種子又はゴマ種子である。
【0097】
ヒマワリ種子は、好ましくは、例えば手動プレスを使用することによって、脱脂される。
【0098】
予備挽き工程では、40重量%のキノアを、60重量%の脱脂ヒマワリと乾燥混合することができる。次いでサイズは、好ましくは粉砕によって、好ましくは1000μm未満のD90まで減じられる。
【0099】
酵素による処理工程では、好ましくは混合物を水で希釈する(10~20%TS(全固形分))。次いで、アルファ化を約90℃で約15分間行うことができる。次いで、α-アミラーゼを80℃で15分間添加し、その後例えば121℃で少なくとも3分間、失活工程を続けることができる。
【0100】
微粉化工程では、混合物をボールミリング、ホモジナイズ、例えばバルブホモジナイズ(valve homogenization)、マイクロフルイダイザー若しくは超音波ホモジナイズに供して、400μm未満、好ましくは300μm未満、好ましくは200μm未満、より好ましくは100μm未満、最も好ましくは80μm未満のD90を得ることができる。
【0101】
ホモジナイズ工程は、例えば、250バールの圧力で、次いで50バールで実施することができる。
【0102】
一実施形態では、本発明は、オート麦とヒマワリ、好ましくはヒマワリ種子と、を混合することを含む、ビーガン組成物の製造方法に関する。
【0103】
ヒマワリ種子は、好ましくは、例えば手動プレスを使用することによって脱脂される。
【0104】
予備挽き工程では、50重量%のオート麦を、50重量%の脱脂ヒマワリと乾燥混合する。次いで、D90粒子径を、好ましくはハンマーミリングによって、好ましくは1000μm未満のD90粒子径まで減じる。
【0105】
次いで、アルファ化を約90℃で約15分間行うことができる。次いで、α-アミラーゼを80℃で少なくとも15分間添加し、その後例えば135℃で少なくとも10秒間、失活工程を続けることができる。
【0106】
次いで、ボールミリングの2回の通過を、例えば、500rpmで少なくとも10分間適用し得る。
【実施例
【0107】
実施例1:キノア及びゴマを含む飲料
40%のキノアグレインを60%のゴマ種子と混合した。この混合物の30%を70%の水と混合した。混合物を最初にBamixブレンダー(blinder)に通した。この混合物を、50μmのギャップを有するコロイドミル(Ika Labor Pilot)に通して、グレイン及び種子を微粉砕した。次いで、固形物を12%有するように、この分散体を水で希釈した。混合物を、撹拌下、90℃で15分間加熱し、続いて80℃まで冷却した。主要な活性成分が酵素のα-アミラーゼである、Ban 800(Novozymes、デンマーク)を、総分散体重量を基準として0.0025重量%添加した。温度を80℃に維持し、撹拌を15分間実施した。次いで、固形物を10%有するように、この分散体を水で希釈した。次いで、この分散体を121℃で3分間加熱して、酵素を失活させた。
【0108】
ローターステーター装置IKAPT3100を使用して、15000rpmで1分間、分散体を予備的にホモジナイズした。250/50バールの圧力を用い、Niro Panda Plusホモジナイザーに液体を2回通過させた。良好なレディ・トゥ・ドリンクを得た。タンパク質組成は、6.25の変換係数でDumas法によって決定した。脂質組成は、酸加水分解により決定した。
【0109】
乾燥ベースの重量%での栄養素の組成は以下とおりであった:タンパク質:22.5%、脂質:21.12%、繊維:13%、及び炭水化物:38%。Malvern 3000装置を使用して、撹拌速度2000、材料名:タンパク質、屈折率1.54、粒子密度1.2及び吸収率0.01でMieモデルを使用して粒子径を決定した。分散剤は水とし、屈折率1.33に相当する。結果は、5回の測定値の平均である。D4,3は114μmであることが判明し、Dx(90)は250μmであることが判明し、かつDx(50)は30μmであった。飲料は、心地よい味及び滑らかなテクスチャを有する。
【0110】
実施例2:オート麦及びヒマワリを含む飲料
オート麦は、Demeter Vanadis(スイス)により供給された。バイオヒマワリ種子は、Migros(スイス)から購入した。このヒマワリ種子を、手動プレス(Rommelsbacher OP 700「Emilio」,ドイツ)により脱脂した。ヒマワリケーキ及び油性相を得た。50重量%のオート麦を、50重量%の脱脂ヒマワリと乾燥混合して、乳に近い組成物を得た。12枚刃及びグリッドサイズ1mmで、速度2でハンマーミリング(Retsch ZM1,スイス)を動作させて、粒子径を減少させた。12重量%の固体混合物を88重量%の水に添加し、反応器に導入した。混合物を、撹拌下、90℃で15分間加熱し、続いて80℃まで冷却した。主要な活性成分が酵素のα-アミラーゼである、Ban 800(Novozymes,デンマーク)を、総分散体重量を基準として0.01重量%添加した。温度を80℃に維持し、撹拌を15分間実施した。次いで、ボールミリングの2回通過を500rpmで10分間適用した。
【0111】
非常に良い風味のレディドリンク乳代替物が得られた。Malvern 3000装置を使用して、撹拌速度2000、材料名:タンパク質、屈折率1.54、粒子密度1.2及び吸収率0.01でMieモデルを使用して粒子径を決定した。分散剤は水とし、屈折率1.33に相当する。結果は、5回の測定値の平均である。D4,3は67μmであり、D90は166μmであると決定され、D50は28μmであった。
【0112】
タンパク質組成は、6.25の変換係数でDumas法によって決定した。脂質組成は、酸加水分解により決定した。含有量(乾燥ベース)は以下のように決定された:タンパク質25%、脂質21.5%、食物繊維13.5%、及び炭水化物35%。この組成物は、全脂質乳と非常に類似している。更に、多量の食物繊維が存在する。
【0113】
実施例3:ヒヨコマメ、オート麦及びヒマワリ油を含む飲料
ヒヨコマメはZwickie社(スイス)により供給された。ヒヨコマメの脱皮を、Laboratory shelling Machine(F.H.SCHULE Muhlenbau GmbH,ドイツ)を用いて、90秒間、最大速度の90%で行った。次いで、Salvid combisteam CSC炉(ドイツ)を使用して、160℃で40分間稼働させてヒヨコマメを焙煎した。65%のヒヨコマメグレインを35%のオート麦種子(Demeter)と混合した。12枚刃及びグリッドサイズ0.5mm(Retsch ZM1,スイス)で、速度2でハンマーミリングを動作させて粒子径を減少させた。この混合物30%を70%の水と混合した。粒子径を更に減少させるために、混合物を、50μmのギャップを有するコロイドミル(Ika Labor Pilot)に通した。次いで、固形物を12%有するように、この分散体を水で希釈した。混合物を、撹拌下、90℃で15分間加熱し、続いて80℃まで冷却した。主要な活性成分が酵素のα-アミラーゼである、Ban 800(Novozymes,デンマーク)を、総分散体重量を基準として0.0025重量%添加した。温度を80℃に維持し、撹拌を15分間実施した。次いで、この分散体を122℃で3分間加熱して、酵素を失活させた。液体をTs8%まで希釈し、8gの高オレインヒマワリ油を92gの水に添加した。ローター/ステーター装置を使用して混合物を予備的にホモジナイズした。次いで、250/50バールの圧力を用い、この混合物をNiro Panda Plusホモジナイザーに2回通過させた。
【0114】
乾燥ベースの重量%での栄養素の組成は以下のとおりであった:タンパク質:8%、脂質:52%、繊維:6%、及び炭水化物(繊維を除く):29%。Malvern 3000装置を使用して、撹拌速度2000、材料名:タンパク質、屈折率1.54、粒子密度1.2及び吸収率0.01でMieモデルを使用して粒子径を決定した。分散剤は水とし、屈折率は1.33に相当する。結果は、5回の測定値の平均である。D4,3は31μmであり、Dx(90)は79μmであることが判明し、一方Dx(50)は19μmであった。飲料は、心地よい味及び滑らかでクリーミーなテクスチャを有する。
【0115】
実施例4:キッチンスケールのコロイドミルによって得られた、ヒヨコマメ、ヒマワリ及びオート麦を含む飲料
ヒヨコマメは、Vivien Paille(France)から供給された。ヒヨコマメの脱皮を、Laboratory shelling Machine(F.H.SCHULE Muhlenbau GmbH,ドイツ)を用いて90秒間、最大速度の90%で行った。次いで、Salvid combisteam CSC炉(ドイツ))を使用して、160℃で40分間稼働させて、ヒヨコマメを焙煎した。45%のヒヨコマメを20%のオート麦グレインと混合した。12枚刃及び0.5mmのグリッドサイズを有するハンマーミリング(Retsch ZM1,スイス)を速度2で動作させ、ヒヨコマメ/オート麦粉末を得た。得られたヒヨコマメ/オート麦粉末の65重量%を、35重量%の(部分)脱脂ヒマワリフラワー(Heliaflor 45,Austrade,ドイツ)と乾燥混合した。得られた混合物30%を70%の水と混合した。サイズを微細化するために、得られた分散体を、50μmのギャップを有するコロイドミル(Ika Labor Pilot)に通した。次いで、固形物を12%有するように、この分散体を水で希釈した。混合物を、撹拌下、90℃で15分間加熱し、続いて80℃まで冷却した。主要な活性成分が酵素のα-アミラーゼである、Ban 800(Novozymes,デンマーク)を、総分散体重量を基準として0.0025重量%添加した。温度を80℃に維持し、撹拌を15分間実施した。次いで、この分散体を121℃で3分間加熱して、酵素を失活させた。次いで、この分散体を固形分8.5%まで希釈した。この液体を、圧力300/50バールのNyro Panda Plusホモジナイザーに通した。Malvern 3000装置を使用して、撹拌速度2000、材料名:タンパク質、屈折率1.54、粒子密度1.2及び吸収率0.01でMieモデルを使用して粒子径を決定した。分散剤は水とし、屈折率は1.33に相当する。結果は、5回の測定値の平均である。D4,3は38μmであることが判明し、D90は82μm及びD50は22μmであることが判明した。試験した製品は、非常になめらかであり、ざらつきはなく、心地よいナッツの風味を有する。乾燥ベースの重量%での栄養素の組成は以下のとおりであった:タンパク質:28%、脂質:8.5%、繊維:13%、及び炭水化物(繊維を除く):46%。
【0116】
実施例5:酵素処理前にパイロットプラントスケールのコロイドミルで得られた、ヒヨコマメ、ヒマワリ及びオート麦を含む飲料
ヒヨコマメは、Vivien Paille(France)から供給された。ヒヨコマメの脱皮を、Laboratory shelling Machine(F.H.SCHULE Muhlenbau GmbH,ドイツ)を用いて、90秒間、最大速度の90%で行った。次いで、Salvid combisteam CSC炉(ドイツ)を使用して160℃で40分間稼働させて、ヒヨコマメを焙煎した。45%のヒヨコマメを20%のオート麦グレインと混合した。12枚刃及び0.5mmのグリッドサイズで、ハンマーミリング(Retsch ZM1、スイス)を速度2で動作させ、ヒヨコマメ/オート麦粉末を得た。得られたヒヨコマメ/オート麦粉末の65重量%を、35重量%の(部分)脱脂ヒマワリフラワー(Heliaflor 45、Austrade,ドイツ)と乾燥混合した。30%の得られた混合物を70%の水と混合した。ヒヨコマメ/ヒマワリ/オート麦フラワーの30%を水に導入し、MitecRG1-51を使用して分散体を混合した。サイズを微細化するために、得られた分散体を、50μmのギャップを有するコロイドミル(コロイドミル仕様のProcess pilot 2000-4 IKA-Werke)に通した。次いで、固形物を12%有するように、この分散体を水で希釈した。次いで、分散体をTetra Almix B200-100VA Scanima反応器(ドイツ)に導入した。混合物を、撹拌下、90℃で15分間加熱し、続いて80℃まで冷却した。主要な活性成分が酵素のα-アミラーゼである、Ban 800(Novozymes,デンマーク)を、総分散体質量を基準として0.003重量%添加した。温度を80℃に維持し、撹拌を15分間実施した。次いで、混合物をAPV HTST(ドイツ)で135℃で81秒間加熱して、α-アミラーゼを失活させた。0.3mmのふるい(Retsch)を使用して濾過操作をした。350/50バールの圧力を用いホモジナイズ(APV,HTST,ドイツ)を行った。液体における全ての操作中、NaOHかHClのどちらかでpHを調整して、pH6.3~6.8に維持した。0.02g/100gのプロテインマスカーフレーバー(商品番号513540 TP1704、Firmenich)及び0.03g/100gのバニラフレーバー(商品番号NE819643,IFF)を液体に添加した。分散体を、139℃の温度で5秒間の超高温処理により処理した(APV,HTST,ドイツ)。Malvern 3000装置を使用して、撹拌速度2000、材料名:タンパク質、屈折率1.54、粒子密度1.2及び吸収率0.01でMieモデルを使用して粒子径を決定した。分散剤は水とし、屈折率1.33に相当する。結果は、5回の測定値の平均である。D4,3は35μmであることが判明し、D90は92μm及びD50は15μmであることが判明した。粒子径には香料の添加に起因した有意差は観察されなかった。口当たり及びナッツ風味を備えた美味しい飲料が得られた。
【0117】
乾燥ベースの重量%での栄養素の組成は、以下のとおりであった:タンパク質29%、脂質12%、食物繊維13%、及び炭水化物41%。粘度は、Physica MCR 501(Anton Paar)を使用して、25℃のPelletier温度にて、15点で20秒間測定した。ボブ長は40mm、ボブ径は26.65mm、カップ径は28.92mm、有効長:120.2mmであった。粘度は、100秒-1の剪断速度で測定されたとき0.035Pasであった。
【0118】
実施例6:酵素処理後にパイロットプラントスケールのコロイドミルで得られた、ヒヨコマメ、ヒマワリ及びオート麦を含む飲料
ヒヨコマメは、Vivien Paille(フランス)から供給された。ヒヨコマメの脱皮を、Laboratory shelling Machine(F.H.SCHULE Muhlenbau GmbH,ドイツ)を用いて90秒間、最大速度の90%で行った。次いで、Salvid combisteam CSC炉(ドイツ)を使用して160℃で40分間稼働させて、ヒヨコマメを焙煎した。45%のヒヨコマメを20%のオート麦グレインと混合した。12枚刃及び0.5mmのグリッドサイズで、ハンマーミリング(Retsch ZM1,スイス)を速度2で動作させ、ヒヨコマメ/オート麦粉末を得た。得られたヒヨコマメ/オート麦粉末65重量%を、35重量%の(部分)脱脂ヒマワリフラワー(Heliaflor 45,Austrade,ドイツ)と乾燥混合した。15%のヒヨコマメ/ヒマワリ/オート麦フラワーを水に導入し、Mitec RG1-51を使用して分散体を混合した。次いで、分散体をTetra Almix B200-100VA Scanima反応器(ドイツ)に導入した。混合物を、撹拌下、90℃で15分間加熱し、続いて80℃まで冷却した。主要な活性成分が酵素のα-アミラーゼである、Ban 800(Novozymes,デンマーク)を、総分散体質量を基準として0.0025重量%添加した。温度を80℃に維持し、撹拌を15分間実施した。サイズを微細化するために、得られた分散体を、50μmのギャップを有するコロイドミル(コロイドミル仕様のProcess pilot 2000-4 IKA-Werke)に通した。次いで、固形物を12%有するように、この分散体を水で希釈した。300/50バールの圧力を用いホモジナイズ(APV,HTST,ドイツ)を行った。液体における全ての操作中、NaOHかHClのどちらかでpHを調整して、pH6.3~6.8に維持した。
【0119】
次いで、9%のTSが得られるように液体を水で希釈した。液体を、139℃の温度で5秒間の超高温処理(UHT)により処理した(APV,HTST,ドイツ)。D4,3は35μmであることが判明し、D90は92μm及びD50は15μmであることが判明した。粒子径には香料の添加に起因した有意差は観察されなかった。口当たり及びナッツ風味を備えた美味しい飲料が得られた。
【0120】
乾燥ベースの重量%での栄養素の組成は、以下のとおりであった:タンパク質28.5%、脂質8.6%、食物繊維11%、及び炭水化物47%。分散体100gについて測定されたアミノ酸は、リジンL:0.117g、フェニルアラニンL:0.13g、ヒスチジンL:0.064g、イソロイシン:0.106g、ロイシンL:0.172g、スレオニンL:0.097g、チロシンL:0.073g、バリンL:0.124g、システイン:0.04g、メチオニンL:0.051g、トリプトファンL:0.034gであった。タンパク質含有量が2.62%であることを考慮すると、0.93のアミノスコアが得られ、リジンは制限アミノ酸である。
【0121】
実施例7:キッチンスケールのボールミルによって得られた、ヒヨコマメ、ヒマワリ及びオート麦を含む飲料
ヒヨコマメは、Vivien Paille(フランス)から供給された。ヒヨコマメの脱皮を、Laboratory shelling Machine(F.H.SCHULE Muhlenbau GmbH,ドイツ)を用いて90秒間、最大速度の90%で行った。次いで、Salvid combisteam CSC炉(ドイツ)を使用して160℃で40分間稼働させて、ヒヨコマメを焙煎した。45%のヒヨコマメを20%のオート麦と混合し、12枚刃及び0.5mmのグリッドサイズで、ハンマーミリング(Retsch ZM1,スイス)を速度2で動作させ、ヒヨコマメ/オート麦フラワーを得た。得られたヒヨコマメ/オート麦フラワー65重量%を、35重量%の(部分)脱脂ヒマワリフラワー(Heliaflor 45,Austrade,ドイツ)と乾燥混合した。12%のヒヨコマメ/ヒマワリ/オート麦フラワーを水に導入し、混合した。次いで、分散体をTetra Almix B200-100VA Scanima反応器(ドイツ)に導入した。混合物を、撹拌下、90℃で15分間加熱し、続いて80℃まで冷却した。主要な活性成分が酵素のα-アミラーゼである、Ban 800(Novozymes,デンマーク)を、総分散体質量を基準として0.003重量%添加した。温度を80℃に維持し、撹拌を15分間実施した。次いで、混合物をAPV HTST(ドイツ)で135℃で81秒間加熱して、α-アミラーゼを失活させた。次いで、ボールミリング(Retsch PM200,ドイツ)の2回通過を500rpmで10分間適用した。Dx(90)は93μmであることが判明し、Dx(50)は22μmであり、D(4,3)は45μmであった。
【0122】
実施例8:ササゲ、麻及びアワを含む飲料
40%のササゲを40%の麻の実及び20%のアワグレインと混合した。12枚刃及びグリッドサイズ0.75mm(Retsch ZM1,スイス)で、ハンマーミリングを速度2で動作させて粒子径を減少させた。490gの脱イオン水を、210gの粉砕した混合物に添加した。次いで懸濁液を、50μmのギャップを有するコロイドミル(Ika Labor Pilot)に2回通過させた。次いで、混合物を15%の全固形分まで希釈した。それを撹拌下、90℃で15分間加熱し、続いて80℃まで冷却した。主要な活性成分が主に酵素のα-アミラーゼである、Ban 800(Novozymes,デンマーク)を、総分散体重量を基準として0.0025重量%添加した。温度を80℃に維持し、撹拌を15分間実施した。次いで、この分散体を122℃で3分間加熱して、酵素を失活させた。分散体を全固形分10%まで希釈した。この液体を、350/50バールの圧力を用いNiro Panda Plusホモジナイザーに3回通過させた。
【0123】
乾燥ベースの重量%での栄養素の組成は、以下のとおりであった:タンパク質24%、脂質21%、食物繊維7%、及び炭水化物34%。
【0124】
Malvern 3000装置を使用して、撹拌速度2000、材料名:タンパク質、屈折率1.54、粒子密度1.2及び吸収率0.01でMieモデルを使用して粒子径を決定した。分散剤は水とし、屈折率1.33に相当する。結果は、5回の測定値の平均である。D4,3は24μmであることが判明し、Dx(90)は47μmであることが判明し、一方、Dx(50)は21μmであった。
【0125】
実施例9:ヒヨコマメ、ヒマワリ/オート麦及びオリーブ油を含む飲料
ヒヨコマメは、Vivien Paille(フランス)から供給された。ヒヨコマメの脱皮を、Laboratory shelling Machine(F.H.SCHULE Muhlenbau GmbH,ドイツ)を用いて90秒間、最大速度の90%で行った。次いで、Salvid combisteam CSC炉(ドイツ)を使用して160℃で40分間稼働させて、ヒヨコマメを焙煎した。45%のヒヨコマメを20%のオート麦グレインと混合した。12枚刃及び0.5mmのグリッドサイズでハンマーミリング(Retsch ZM1,スイス)を速度2で動作させ、ヒヨコマメ/オート麦粉末を得た。得られたヒヨコマメ/オート麦粉末65重量%を、35重量%の(部分)脱脂ヒマワリフラワー(Heliaflor 45、Austrade,ドイツ)と乾燥混合した。30%の得られた混合物を70%の水と混合した。サイズを微細化するために、得られた分散体を、50μmのギャップを有するコロイドミル(Ika Labor Pilot)に通した。次いで、固形物を12%有するように、この分散体を水で希釈した。混合物を、撹拌下、90℃で15分間加熱し、続いて80℃まで冷却した。主要な活性成分が酵素のα-アミラーゼである、Ban 800(Novozymes,デンマーク)を、総分散体重量を基準として0.0025重量%添加した。温度を80℃に維持し、撹拌を15分間実施した。次いで、この分散体を121℃で3分間加熱して、酵素を失活させた。次いで、この分散体を固形分8.5%まで希釈した。7gのオリーブオイルを分散体93gに添加し、ローターステーターを使用して予備的にホモジナイズした。この液体を、圧力300/50バールのNyro Panda Plusホモジナイザーに通した。Malvern 3000装置を使用して、撹拌速度2000、材料名:タンパク質、屈折率1.54、粒子密度1.2及び吸収率0.01でMieモデルを使用して粒子径を決定した。分散剤は水とし、屈折率1.33に相当する。結果は、5回の測定値の平均である。D4,3は35μmであることが判明し、D90は81μm及びD50は20μmであることが判明した。試験した製品は、非常になめらかでクリーミーあり、ざらつきはなく、心地よいナッツの風味を有する。乾燥ベースの重量%での栄養素の組成は、以下のとおりであった:タンパク質15%、脂質47.5%、食物繊維7%、及び炭水化物25.0%。
【0126】
実施例10:パイロットプラントスケールで得られた、アミラーゼ処理を有するヒヨコマメ/ヒマワリ/オート麦フラワーを含む飲料
ヒヨコマメは、Vivien Paille(France)から供給された。ヒヨコマメの脱皮を、shelling Machine(F.H.SCHULE Muhlenbau GmbH,ドイツ)で100秒間最大速度の90%で行った。次いで、Salvid combisteam CSC炉(ドイツ)を使用して160℃で40分間稼働させて、ヒヨコマメを焙煎した。
【0127】
45%のヒヨコマメを35重量%の(部分)脱脂ヒマワリフラワー(Heliaflor45,Austrade,ドイツ)及び20%のオート麦グレインと混合した。均質なプレミックスを作り出すために、12枚刃及び0.5mmのグリッドサイズで、ハンマーミリング(Retsch ZM1,スイス)を速度2で動作させて、プレミックスを処理した。得られた混合物12%を88%の水と混合した。次いで、分散体をTetra Almix B200-100VA Scanima反応器(ドイツ)に導入した。混合物を、撹拌下、90℃で15分間加熱し、続いて80℃まで冷却した。活性成分として酵素のα-アミラーゼを含む、Ban 800(Novozymes,デンマーク)を、総分散体質量を基準として0.003重量%添加した。温度を80℃に維持し、撹拌を15分間実施した。更に微細化するために、得られた分散体は、50μmのギャップ及び300/50バールの圧力を用いる2回のホモジナイズ工程(APV,HTST,ドイツ)で、コロイドミル(コロイドミル仕様のProcess pilot 2000-4 IKA-Werke)を通過させた。酵素を失活させるため、分散体を、143℃の温度で5秒間の超高温により処理した(APV,HTST,ドイツ)。液体を濃縮して、100mPa・s(60℃及び600 1/秒)の目標粘度に達した。粉末を得るために、Niro噴霧乾燥機(モデルSD-6.3N,GEA)を使用して分散体を乾燥させた。二流体ノズルと、乾燥チャンバに入る入口空気温度140℃とにより液体を噴霧した。
【0128】
調製物の25%TSでの粘度
粘度は、60℃の温度で、同心シリンダーシステムを用いてモジュラーコンパクトレオメーター(Anton PAAR、Graz)で測定した。
100 1/秒:1138.3±1.7mPa*s
600 1/秒:342.6±0.4mPa*s
60℃での噴霧乾燥のためのTS限界:20.4%
【0129】
粒子径:
湿式法:水中の粒子径を、レーザー回折を使用して、Mastersizer 2000(Malvern Instruments Ltd.イギリス)で測定した。試料を、室温でHydro 2000 G水分散ユニット(Malvern Instruments Ltd.,イギリス)に分散させた。特徴的な粒子径d10、d50、及びd90を、それぞれ10%、50%、及び90%の粒子の粒子径に対応する正規化曲線から計算する。
【0130】
乾式法:
粉末の粒子径を、Camsizer XT(Retsch Technology GmbH,ドイツ)により測定した。デジタル画像解析技術は、277画像/秒のフレームレートで、2台の異なるカメラで同時に撮影した多数のサンプル画像の、コンピューター処理に基づく。特徴的な粒子径d10、d50、及びd90を、それぞれ10%、50%、及び90%の粒子の粒子径に対応する正規化曲線から計算する。
【0131】
【表1】
【0132】
実施例11:パイロットプラントスケールで得られた、ヒヨコマメ/ヒマワリ/オート麦粉末とアミラーゼ、β-グルカナーゼ及びプロテアーゼとを含む飲料
ヒヨコマメフラワー(69%)及びオート麦フラワー(31%)を、7.8%の全固形分含有量で水(40℃)に混合した。次いで、分散体をTetra Almix B200-100VA Scanima反応器(ドイツ)に導入し、60℃に加熱した。デンプン分解酵素アルファ-アミラーゼ(Termamyl Classic,Novozymes,デンマーク)を、総分散体質量(ヒマワリを含む)を基準として0.006重量%の量で添加した。混合物を撹拌下で90℃に加熱し、この温度で4分間保持し、続いて56℃に冷却した。56℃で、脱脂ヒマワリフラワー(35%)及び総分散体質量を基準として0.002重量%の量のβ-グルカン分解のための酵素β-グルカナーゼ(Viscozyme L,Novozymes,デンマーク)を添加し、インキュベーション時間は20分であった。その後、タンパク質加水分解酵素のプロテアーゼ(PROTIN SD-NY10,Amano,Japan)を総分散体質量を基準として0.005重量%の濃度で添加し、インキュベーション時間は更に20分であった。酵素を失活させるため、分散体を、143℃の温度で5秒間の超高温により処理した(APV,HTST,ドイツ)。酵素失活後、脱脂ヒマワリフラワー(35%)を、ヒヨコマメ/オート麦混合物(65%)に添加し、12%の総固形分含有量となった。更に微粉化するために、得られた分散体は、50μmのギャップ及び300/50バールの圧力を使用する2回のホモジナイズ通過(APV,HTST,ドイツ)で、コロイドミル(コロイドミル仕様のProcess pilot 2000-4 IKA-Werke)を通過させた。液体を濃縮して、100mPa・s(60℃及び600 1/秒)の目標粘度に達した。Niro噴霧乾燥機(モデルSD-6.3N、GEA)を使用して濃縮物を乾燥させた。二流体ノズルと、乾燥チャンバに入る入口空気温度140℃とにより液体を噴霧した。
【0133】
UHT処理後の酵素処理及びヒマワリの添加はより効率的な噴霧乾燥プロセスを可能にするために粘度を低下させるための方策であった。
【0134】
調製物の25%TSでの粘度
方法:粘度は、60℃の温度で、同心シリンダーシステムを用いてモジュラーコンパクトレオメーター(Anton PAAR,Graz)で測定した。
【0135】
結果:
100 1/秒:436.1±13.1
600 1/秒:137.6±1.8
60℃での噴霧乾燥のためのTS限界:23.6%
【0136】
粒子径:
湿式法:水中の粒子径を、レーザー回折を使用して、Mastersizer 2000(Malvern instruments Ltd.,イギリス)で測定した。試料を、室温でHydro 2000 G水分散ユニット(Malvern instruments Ltd.,イギリス)に分散させた。特徴的な粒子径d10、d50、及びd90を、それぞれ10%、50%、及び90%の粒子の粒子径に対応する正規化曲線から計算する。
【0137】
乾式法:
粉末の粒子径を、Camsizer XT(Retsch Technology GmbH,ドイツ)により測定した。デジタル画像解析技術は、277画像/秒のフレームレートで、2台の異なるカメラで同時に撮影した多数のサンプル画像の、コンピューター処理に基づく。特徴的な粒子径d10、d50、及びd90を、それぞれ10%、50%、及び90%の粒子の粒子径に対応する正規化曲線から計算する。
【0138】
【表2】
【0139】
実施例12:パイロットプラントスケールで得られ、ヒマワリに対する熱の影響が少ない、ヒヨコマメ/ヒマワリ/オート麦粉末とアミラーゼ、β-グルカナーゼ及びプロテアーゼとを含む飲料
【0140】
ヒヨコマメフラワー(69%)及びオート麦フラワー(31%)を、7.8%の全固形分含有量で水(40℃)に混合した。次いで、分散体をTetra Almix B200-100VA Scanima反応器(ドイツ)に導入し、60℃に加熱した。デンプン分解酵素アルファ-アミラーゼ(Termamyl Classic,Novozymes,デンマーク)を、総分散体質量(ヒマワリを含む)を基準として0.006重量%の量で添加した。混合物を撹拌下で90℃に加熱し、この温度で4分間保持し、続いて56℃に冷却した。β-グルカン分解のための酵素β-グルカナーゼ(Viscozyme L、Novozymes,デンマーク)を、56℃で、総分散体質量(ヒマワリを含む)を基準として0.002重量%の量で添加し、インキュベーション時間は20分とした。その後、タンパク質加水分解酵素のプロテアーゼ(PROTIN SD-NY10,Amano,日本)を、総分散体質量(ヒマワリを含む)を基準として0.005重量%の濃度で添加し、インキュベーション時間は更に20分とした。酵素を失活させるため、分散体を、143℃の温度で5秒間の超高温により処理した(APV,HTST,ドイツ)。酵素失活後、脱脂ヒマワリフラワー(35%)を、ヒヨコマメ/オート麦混合物(65%)に添加し、12%の総固形分含有量とした。更に微粉化するために、得られた分散体は、50μmのギャップ及び300/50バールの圧力を用いる2回のホモジナイズ通過(APV,HTST,ドイツ)で、コロイドミル(コロイドミル仕様におけるProcess pilot 2000-4 IKA-Werke)を通過させた。液体を濃縮して、100mPa・s(60℃及び600 1/秒)の目標粘度に達した。Niro噴霧乾燥機(モデルSD-6.3N,GEA)を使用して濃縮物を乾燥させた。二流体ノズルと、乾燥チャンバに入る入口空気温度140℃とにより液体を噴霧した。
【0141】
UHT処理後の酵素処理及びヒマワリの添加は、より効率的な噴霧乾燥プロセスを可能にするために粘度を低下させるための方策であった。
【0142】
粘度:
粘度は、60℃の温度で、同心シリンダーシステムを用いてモジュラーコンパクトレオメーター(Anton PAAR,Graz)で測定した。
【0143】
結果:
100 1/秒:193±0mPa*s
600 1/秒:65±0mPa*s
60℃での噴霧乾燥のためのTS限界:28.8%
【0144】
粒子径:
湿式法:水に分散した粒子径を、レーザー回折を使用して、Mastersizer 2000(Malvern instruments Ltd.,イギリス)で測定した。試料を、室温でHydro 2000 G水分散ユニット(Malvern instruments Ltd.,イギリス)に分散させた。特徴的な粒子径d10、d50、及びd90を、それぞれ10%、50%、及び90%の粒子の粒子径に対応する正規化曲線から計算する。
【0145】
乾式法:
粉末の粒子径を、Camsizer XT(Retsch Technology GmbH,ドイツ)により測定した。デジタル画像解析技術は、277画像/秒のフレームレートで、2台の異なるカメラで同時に撮影した多数のサンプル画像の、コンピューター処理に基づく。特徴的な粒子径d10、d50、及びd90を、それぞれ10%、50%、及び90%の粒子の粒子径に対応する正規化曲線から計算する。
【0146】
【表3】
【0147】
実施例13:パイロットプラントスケールで得られ、アミラーゼ及びグルコシダーゼ処理を伴う、ヒヨコマメ、ヒマワリ及びオート麦粉末を含む飲料
ヒヨコマメは、Vivien Paille(フランス)から供給された。ヒヨコマメの脱皮を、shelling Machine(F.H.SCHULE Muhlenbau GmbH,ドイツ)を用いて100秒間、最大速度の90%で行った。次いで、Salvid combisteam CSC炉(ドイツ)を使用して160℃で40分間稼働させて、ヒヨコマメを焙煎した。45%のヒヨコマメを35重量%の(部分)脱脂ヒマワリフラワー(Heliaflor45,Austrade,ドイツ)及び20%のオート麦グレインと混合した。均質なプレミックスを作り出すために、12枚刃及び0.5mmのグリッドサイズで、ハンマーミリング(Retsch ZM1,スイス)を速度2で稼働させて、プレミックスを処理した。得られた混合物12%を88%の水と混合した。次いで、分散体をTetra Almix B200-100VA Scanima反応器(ドイツ)に導入した。混合物を、撹拌下、90℃で15分間加熱し、続いて80℃まで冷却した。活性成分として酵素のα-アミラーゼを含む、Ban 800(Novozymes,デンマーク)を、総質量を基準として0.003重量%添加した。温度を80℃に維持し、撹拌を15分間実施した。混合物を65℃に冷却した後、活性成分としてアミログルコシダーゼを有するAMG300(Novozymes,デンマーク)を、総質量を基準として0.04重量%添加した。酵素処理は、65℃で1時間撹拌しながら行った。更に微細化するために、得られた分散体は、50μmのギャップ及び300/50バールの圧力を用いる2回のホモジナイズ通過(APV,HTST,ドイツ)で、コロイドミル(コロイドミル仕様のProcess pilot 2000-4 IKA-Werke)を通過させた。酵素を失活させるため、分散体を、143℃の温度で5秒間の超高温により処理した(APV,HTST,ドイツ)。粉末を得るために、Niro噴霧乾燥機(モデルSD-6.3N,GEA)を使用して分散体を乾燥させた。二流体ノズルと、乾燥チャンバに入る入口空気温度140℃とにより液体を噴霧した。
【0148】
粘度:
粘度は、60℃の温度で、同心シリンダーシステムを用いてモジュラーコンパクトレオメーター(Anton PAAR,Graz)で測定した。
【0149】
結果:
100 1/秒:217.4±16.4mPa*s
600 1/秒:114.2±5.8mPa*s
60℃での噴霧乾燥のためのTS限界:24.9mPas
【0150】
【表4】

【国際調査報告】