(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】情報伝送方法及び装置、関連機器並びに記憶機器
(51)【国際特許分類】
H04W 72/20 20230101AFI20230712BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20230712BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20230712BHJP
【FI】
H04W72/20
H04W72/231
H04W72/232
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577264
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2021100275
(87)【国際公開番号】W WO2021254365
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】202010550868.4
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518389015
【氏名又は名称】中国移動通信有限公司研究院
【氏名又は名称原語表記】China Mobile Communication Co., Ltd Research Institute
【住所又は居所原語表記】32 Xuanwumen West Street, Xicheng District, Beijing 100053, China
(71)【出願人】
【識別番号】507142144
【氏名又は名称】中国移動通信集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHINA MOBILE COMMUNICATIONS GROUP CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】王 飛
(72)【発明者】
【氏名】王 大鵬
(72)【発明者】
【氏名】李 岩
(72)【発明者】
【氏名】李 男
(72)【発明者】
【氏名】劉 光毅
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本願は、情報伝送方法及び装置、関連機器並びに記憶媒体を開示する。情報伝送方法は、ネットワーク機器が端末に第1情報を送信するステップを含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク機器に適用される情報伝送方法であって、
端末に第1情報を送信するステップを含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる、情報伝送方法。
【請求項2】
無線リソース制御(RRC)シグナリング、メディアアクセス制御の制御要素(MAC CE)、ダウンリンク制御情報(DCI)のうちの1つによって、前記端末に第1情報を送信する、
請求項1に記載の情報伝送方法。
【請求項3】
前記第1基準信号は、第1トラッキング基準信号(TRS)を含み、前記第2基準信号は、第2TRSを含む、
請求項1に記載の情報伝送方法。
【請求項4】
前記情報伝送方法はさらに、
前記端末から送信されたアップリンク信号を受信するステップを含み、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられ、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられない、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報伝送方法。
【請求項5】
端末に適用される情報伝送方法であって、
ネットワーク側から送信された第1情報を受信するステップを含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる、情報伝送方法。
【請求項6】
無線リソース制御(RRC)シグナリング、メディアアクセス制御の制御要素(MAC CE)、ダウンリンク制御情報(DCI)のうちの1つによって、前記ネットワーク側から送信された第1情報を受信する、
請求項5に記載の情報伝送方法。
【請求項7】
前記第2基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられることが可能であり、
前記第1情報を利用して、前記第2基準信号が平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられることを決定する、
請求項5に記載の情報伝送方法。
【請求項8】
前記第1基準信号は、第1トラッキング基準信号(TRS)を含み、前記第2基準信号は、第2TRSを含む、
請求項5に記載の情報伝送方法。
【請求項9】
前記情報伝送方法はさらに、
アップリンク信号の変調搬送周波数を決定するステップであって、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられ、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、アップリンク信号の変調搬送周波数が第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられないことを決定するステップと、
決定された変調搬送周波数で、アップリンク信号を送信するステップと、を含む、
請求項5~8のいずれか1項に記載の情報伝送方法。
【請求項10】
情報伝送装置であって、
端末に第1情報を送信するように構成される第1送信ユニットを含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる、情報伝送装置。
【請求項11】
情報伝送装置であって、
ネットワーク側から送信された第1情報を受信するように構成される第1受信ユニットを含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる、情報伝送装置。
【請求項12】
第1通信インターフェース及び第1プロセッサを含むネットワーク機器であって、
前記第1通信インターフェースは、端末に第1情報を送信するために使用され、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる、ネットワーク機器。
【請求項13】
第2通信インターフェース及び第2プロセッサを含む端末であって、
前記第2通信インターフェースは、ネットワーク側から送信された第1情報を受信するために使用され、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる、端末。
【請求項14】
ネットワーク機器であって、第1プロセッサと、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムを記憶する第1メモリと、を含み、
前記第1プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報伝送方法を実現する、ネットワーク機器。
【請求項15】
端末であって、第2プロセッサと、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムを記憶する第2メモリと、を含み、
前記第2プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、請求項5~9のいずれか1項に記載の情報伝送方法を実現する、端末。
【請求項16】
コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに請求項1~4のいずれか1項に記載の情報伝送方法、又は、請求項5~9のいずれか1項に記載の情報伝送方法を実現させる、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、無線通信の分野に関し、特に、情報伝送方法及び装置、関連機器並びに記憶媒体に関する。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本願は、2020年06月16日に中国特許局に提出された、出願番号が202010550868.4であり、発明の名称が「情報伝送方法及び装置、関連機器並びに記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが引用により本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
通信技術の発展に伴い、通信システムにおいて、許容可能なサービス品質(QoS:Quality of Service)で時速500kmまでの高移動性を実現することが期待されており、これは、特に高速列車(HST:High Speed Trains)に対して行う構想である。HST場面は、重要な第5世代モバイル通信技術(5G)新無線(NR:New Radio)配置場面の1つでもある。HST場面の肝心な特徴は、高移動性で一貫した乗客ユーザ体験と極めて重要な列車通信信頼性を有することである。
【0004】
最も重要なHST場面の1つは、単一周波数ネットワーク(SFN:Single Frequency Network)配置場面であり、即ち、HST-SFN配置場面である。HST-SFN配置場面において、
図1に示すように、切り替える回数を減らし、できるだけユーザ体験を向上させるために、複数の遠隔無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)は、光ファイバによって1つのベースバンド処理ユニット(BBU:Base Band Unit)に接続され、同じセル識別子(ID)を共有する。RRH毎には、通常、軌道に沿って反対方向を向く2つの送信と受信ポイント(TRP:Transmission and Reception Point)がある。少なくとも5G商用ネットワークにおいて、HST-SFN配置は依然としてNR高速列車にとって最も重要なソリューションである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
HST-SFN配置場面において、端末が複数のTRPから送信された信号を受信した場合、いかに正確にチャンネル推定を行うかは、現在早急に解決すべき問題である。
【0006】
関連技術問題を解決するために、本願の実施例は、情報伝送方法及び装置、関連機器並びに記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の実施例の技術的解決策は、下記のように実現される。
【0008】
本願の少なくとも1つの実施例において、ネットワーク機器に適用される情報伝送方法を提供し、前記情報伝送方法は、
端末に第1情報を送信するステップを含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0009】
さらに、本願の少なくとも1つの実施例によれば、無線リソース制御(RRC)シグナリング、メディアアクセス制御の制御要素(MAC CE)、ダウンリンク制御情報(DCI)のうちの1つによって、前記端末に第1情報を送信する。
【0010】
さらに、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記第1基準信号は、第1トラッキング基準信号(TRS)を含み、前記第2基準信号は、第2TRSを含む。
【0011】
さらに、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記情報伝送方法はさらに、
前記端末から送信されたアップリンク信号を受信するステップを含み、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられ、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられない。
【0012】
本願の少なくとも1つの実施例において、端末に適用される情報伝送方法を提供し、前記情報伝送方法は、
ネットワーク側から送信された第1情報を受信するステップを含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0013】
さらに、本願の少なくとも1つの実施例によれば、RRCシグナリング、MAC CE、DCIのうちの1つによって、前記ネットワーク側から送信された第1情報を受信する。
【0014】
さらに、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記第2基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられることができ、
前記第1情報を利用して、前記第2基準信号が平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられることを決定する。
【0015】
さらに、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記第1基準信号は、第1TRSを含み、前記第2基準信号は、第2TRSを含む。
【0016】
さらに、本願の少なくとも1つの実施例によれば、前記情報伝送方法はさらに、
アップリンク信号の変調搬送周波数を決定するステップであって、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられ、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、アップリンク信号の変調搬送周波数が第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられないことを決定するステップと、
決定された変調搬送周波数で、アップリンク信号を送信するステップと、を含む。
【0017】
本願の少なくとも1つの実施例において、情報伝送装置を提供し、前記情報伝送装置は、
端末に第1情報を送信するように構成される第1送信ユニットを含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0018】
本願の少なくとも1つの実施例において、情報伝送装置を提供し、前記情報伝送装置は、
ネットワーク側から送信された第1情報を受信するように構成される第1受信ユニットを含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0019】
本願の少なくとも1つの実施例において、ネットワーク機器を提供し、前記ネットワーク機器は、第1通信インターフェースと、第1プロセッサと、を含み、
前記第1通信インターフェースは、端末に第1情報を送信するために使用され、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0020】
本願の少なくとも1つの実施例において、端末を提供し、前記端末は、第2通信インターフェースと、第2プロセッサと、を含み、
前記第2通信インターフェースは、ネットワーク側から送信された第1情報を受信するために使用され、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0021】
本願の少なくとも1つの実施例において、ネットワーク機器を提供し、前記ネットワーク機器は、第1プロセッサと、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムを記憶する第1メモリと、を含み、
前記第1プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、上記のネットワーク機器側のいずれか1項の情報伝送方法のステップを実現する。
【0022】
本願の少なくとも1つの実施例において、端末を提供し、前記端末は、第2プロセッサと、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムを記憶する第2メモリと、を含み、
前記第2プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、上記の端末側のいずれか1項の情報伝送方法のステップを実現する。
【0023】
本願の少なくとも1つの実施例において、記憶媒体を提供し、前記記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、プロセッサに上記のネットワーク機器側のいずれか1項の情報伝送方法、又は、上記の端末側のいずれか1項の情報伝送方法を実現させる。
【発明の効果】
【0024】
本願の実施例によって提供される情報伝送方法及び装置、関連機器並びに記憶媒体によれば、ネットワーク機器は、端末に第1情報を送信し、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。したがって、HST-SFN場面において、端末が複数のダウンリンク信号を受信した場合、遅延に関連するパラメータを正確に推定することができ、ユーザ体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】関連技術におけるHST-SFN配置場面の概略図である。
【
図2】本願の実施例による情報伝送方法の一例のフローチャートである。
【
図3】本願の実施例による高速鉄道の場面の一例の概略図である。
【
図4】本願の実施例によるドップラ周波数シフトの事前補償を行う一例のフローチャートである。
【
図5】本願の実施例による高速鉄道の場面の一例の概略図である。
【
図6】本願の実施例によるドップラ周波数シフトの事前補償を行う別の一例のフローチャートである。
【
図7】本願の実施例によるネットワーク機器に設置される情報伝送装置の一例の構造概略図である。
【
図8】本願の実施例による端末に設置される情報伝送装置の一例の構造概略図である。
【
図9】本願の実施例によるネットワーク機器の構造概略図である。
【
図10】本願の実施例による端末の構造概略図である。
【
図11】本願の実施例による情報伝送システムの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、図面と実施例を合わせて、さらに本願を詳細に説明する。
【0027】
HST-SFN配置(deployment)場面において、表1に示すように、配置するときに考えるべき重要なパラメータがある。
【0028】
【0029】
ここで、パラメータに対応する値は、商用ネットワーク配置において使用される典型的な値である。
【0030】
HST-SFN配置場面において、最大の挑戦は、高速(例えば、500km/h)、高周波数(例えば、2.6GHz、3.5GHz)及びSFN配置特性による高いドップラ周波数シフトである。例えば、ドップラ周波数シフトは、2.6GHzで1.2kHz、3.5GHzで1.6kHzに達することができる。また、列車が2つのRRHの中間に位置している場合、3.5GHzの周波数であれば、列車内のユーザは、1.6kHzと-1.6kHzのドップラシフトを同時に体験することにある。ユーザ機器(UE)が同時に体験する2種類のドップラ周波数シフトの大きい差は、巨大な性能劣化を起こす。同様に、UEが同時に体験する2種類の遅延の大きい差も、巨大な性能劣化を起こす。
【0031】
これに基づいて、本願の各実施例において、HST-SFN配置場面において、端末に遅延推定のために用いられる基準信号を指示する。
【0032】
本願の実施例において、ネットワーク機器に適用される情報伝送方法を提供し、前記情報伝送方法は、
端末に第1情報を送信するステップを含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延(英語でaverage delayと表現されることができる)、遅延拡張(英語でdelay spreadと表現されることができる)、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0033】
ここで、前記第2基準信号に対して、前記第1情報は実際に、平均遅延と遅延拡張のうちの少なくとも1つを決定するために用いられる第2基準信号を指示する。
【0034】
ここで、実際の応用において、前記ネットワーク機器は具体的に、基地局であり得る。
【0035】
説明すべきこととして、本願の実施例の解決策は、HST-SFN配置場面に応用される。即ち、複数のTRPがいずれもダウンリンク信号(前記第1基準信号と、第2基準信号と、を含む)を送信し、このときに、端末は、複数のダウンリンク信号を受信することができ、複数のTRPが基準信号を送信するときに、前記端末は、複数のダウンリンク基準信号を受信することができる。
【0036】
本願の実施例において、前記ネットワーク機器自身は、どの基準信号が前記端末に適用されるかを決定することができ、即ち、前記ネットワーク機器は、需要に応じて第1基準信号を決定し、本願の実施例は、これについて限定しない。
【0037】
実際の応用において、RRCシグナリング、MAC CE、DCIのうちの1つによって、前記端末に第1情報を送信することができる。
【0038】
ここで、RRCシグナリングとMAC CEは、高層シグナリングと呼ばれることができる。DCIは、物理層シグナリングである。
【0039】
実際の応用において、RRCシグナリングは、RRC再構成シグナリングであり得る。
【0040】
関連技術において、いくつかのタイプのQCL(Quasi Co-Location)タイプ(type)が既に定義され、各QCL typeに対応する基準信号の作用も定義される。具体的に、
QCL-TypeA:{Doppler shift、Doppler spread、average delay、delay spread}、即ち、QCL-TypeAに対応する基準信号は、ドップラ周波数シフト(英語でDoppler shiftと表現されることができる)、ドップラ拡張(英語でDoppler spreadと表現されることができる)、平均遅延、平均拡張を推定するために用いられることができる。即ち、QCL-TypeAに対応する基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられることができる。
【0041】
QCL-TypeB:{Doppler shift、Doppler spread}、即ち、QCL-TypeBに対応する基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張を推定するために用いられることができる。即ち、QCL-TypeBに対応する基準信号は、ドップラ周波数シフト及びドップラ拡張と関連付けられることができる。
【0042】
QCL-TypeC:{Doppler shift、average delay}、即ち、QCL-TypeCに対応する基準信号は、ドップラ周波数シフト、平均遅延を推定するために用いられることができる。即ち、QCL-TypeCに対応する基準信号は、ドップラ周波数シフト及び平均遅延と関連付けられることができる。
【0043】
QCL-TypeD:{Spatial Rx parameter}、即ち、QCL-TypeDに対応する基準信号は、空間受信パラメータを推定するために用いられることができる。即ち、QCL-TypeDに対応する基準信号は、空間受信パラメータと関連付けられることができる。
【0044】
一般的な場面において、上記の基準信号によってチャンネル推定を行うことができる。しかしながら、HST-SFN配置場面において、上記のパラメータによって正確にチャンネルに対して推定を行うことができない。したがって、1つの準コーロケーション(QCL)タイプ(type)を定義することができる。新たに定義されるQCL typeは、1つのダウンリンク基準信号(DL RS)に対応し、即ち、第2基準信号であり、遅延に関連する推定のために用いられる。
【0045】
これに基づいて、1つの実施例において、新たに定義されるQCL typeは、前記第2基準信号に対応する。
【0046】
例示的に、’QCL-TypeE’:{ average delay、 delay spread}を定義し、又は、’QCL-TypeE’:{average delay}を定義し、又は、’QCL-TypeE’:{ delay spread}を定義することができる。
【0047】
ここで、’QCL-TypeE’:{average delay、delay spread}は、前記第2基準信号が平均遅延、遅延拡張を推定するために用いられることができることを表し、即ち、前記第2基準信号が平均遅延及び遅延拡張と関連付けられることを表す。’QCL-TypeE’:{average delay}は、対応する基準信号が平均遅延を推定するために用いられることができることを表し、即ち、前記第2基準信号が平均遅延と関連付けられることを表す。’QCL-TypeE’:{delay spread}は、対応する基準信号が遅延拡張を推定するために用いられることができることを表し、即ち、前記第2基準信号が遅延拡張と関連付けられることを表す。
【0048】
実際の応用において、伝送構成指示状態(TCI-State)は、端末に構成される少なくとも1つのQCL typeに対応する基準信号を指示するために用いられ、したがって、TCI-Stateによって新たに定義されるQCL typeを指示することができる。
【0049】
例示的に、新たに定義されるQCL typeは、TCI-Stateにおけるqcl-Type3として、ネットワーク機器によって端末に指示されることができる。TCI-Stateのコンテンツは下記のように示される。
【0050】
【0051】
ここで、qcl-Type1とqcl-Type2に対応するQCL typeは、関連技術に準じて理解されることができ、ここで繰り返すことはない。
【0052】
実際の応用において、第2基準信号に対して、既存のQCL-TypeAに基づくこともでき、即ち、前記第2基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられることができる。前記端末は、第1情報に基づいて、前記第2基準信号が平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられると決定することができる。
【0053】
実際の応用において、ネットワーク側に構成されるQCL-TypeAに対応する基準信号は、少なくとも1つがあり得る。このときに、前記端末は、前記第1情報に基づいて、ネットワーク側に構成されるQCL-TypeAに対応する少なくとも1つの基準信号のうちの少なくとも1つが前記第2基準信号であることを決定することができ、即ち、QCL-TypeAに対応する少なくとも1つの基準信号のうちの少なくとも1つは、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0054】
実際の応用において、前記ネットワーク機器は、チャンネルの推定のために端末に少なくとも1つの基準信号を構成する必要があり、複数のTRPによって送信される。
【0055】
本願の実施例において、前記第1基準信号は、第1トラッキング基準信号(TRS)を含み、前記第2基準信号は、第2TRSを含む。
【0056】
前記第2基準信号は、1つ又は複数の基準信号を含むことができる。
【0057】
実際の応用において、前記ネットワーク機器がドップラ周波数シフト推定を行うことができるために、前記端末は、前記ネットワーク機器の指示に基づいて、アップリンク信号(例えば、基準信号)の送信を行う。
【0058】
これに基づいて、1つの実施例において、該方法はさらに、
前記端末から送信されたアップリンク信号を受信するステップを含み、前記アップリンク信号の変調搬送周波数(アップリンク信号の搬送周波数(英語でcarrier frequencyと表現されることができる)として理解されることもでき、変調搬送周波数の英語は、modulated carrier frequencyと表現されることができる)は、第1基準信号を利用して決定される。即ち、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられ、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられない。
【0059】
ここで、前記ネットワーク機器は、受信したアップリンク信号を利用して周波数シフト推定を行い、少なくとも1つのTRPのドップラ周波数シフト補償値を決定することができる。
【0060】
具体的に、前記ネットワーク機器は、複数のTRPに対して周波数シフト推定を行い、複数のTRPが前記第1基準信号の搬送周波数に対する周波数シフトを得、
得た複数のTRPが前記第1基準信号の搬送周波数に対する周波数シフトを利用して、少なくとも1つのTRPのドップラ周波数シフト補償値を決定し、前記少なくとも1つのTRPは、第1基準信号を送信するTRPを含まない。
【0061】
ここで、前記第2基準信号がただ平均遅延及び/又は遅延拡張を決定するために用いられ、ドップラ周波数の関連推定を行うために用いられないので、前記端末は、ドップラ周波数の関連推定を推定するために用いられる第1基準信号で、アップリンク信号の搬送周波数を決定することができる。
【0062】
本願の実施例において、受信したアップリンク信号を利用して複数のTRPに対して周波数シフト推定を行う具体的な処理過程について限定しない。同時に、得た複数のTRPが前記第1基準信号の搬送周波数に対する周波数シフトを利用して、少なくとも1つのTRPのドップラ周波数シフト補償値を決定する具体的な処理過程についても限定しない。
【0063】
端末にドップラ推定のために用いられる基準信号を指示したので、端末が複数のダウンリンク信号を受信した場合、正確にドップラ関連パラメータを推定することができ、HST-SFN場面におけるダウンリンクドップラ事前補償を実現することができ、これによって、複数のドップラ周波数シフトの差が大きいダウンリンク信号を受信した場合のユーザ体験を向上させる。
【0064】
ここで、本願の実施例において、前記ネットワーク機器自身は、どの基準信号が前記端末に適用されるかを決定することができ、即ち、前記ネットワーク機器は、需要に応じて第1基準信号と第2基準信号を決定し、本願の実施例は、これについて限定しない。
【0065】
実際の応用において、前記端末のアップリンク変調搬送周波数と関連付けられる基準信号は、1つ又は複数があり得、即ち、前記第1基準信号は、少なくとも1つの基準信号を含むことができる。対応的に、前記端末のアップリンク変調搬送周波数と関連付けられない基準信号は、1つ又は複数があり得、即ち、前記第2基準信号は、少なくとも1つの基準信号を含むことができる。
【0066】
対応的に、本願の実施例は、端末に適用される情報伝送方法を提供し、
ネットワーク側から送信された第1情報を受信するステップを含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0067】
1つの実施例において、RRCシグナリング、MAC CE、DCIのうちの1つによって、前記ネットワーク側から送信された第1情報を受信する。
【0068】
具体的に、ネットワーク側がRRCシグナリングによって前記第1情報を送信した場合、前記端末は、RRCシグナリングによって前記第1情報を受信する。ネットワーク側がMAC CEによって前記第1情報を送信した場合、前記端末は、MAC CEによって前記第1情報を受信する。ネットワーク側がDCIによって前記第1情報を送信した場合、前記端末は、DCIによって前記第1情報を受信する。
【0069】
実際の応用において、第2基準信号に対して、既存のQCL-TypeAに基づくことができ、即ち、前記第2基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられることができる。前記端末は、第1情報を受信した後、第1情報に基づいて、前記第2基準信号が平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられると決定することができる。
【0070】
例示的に、例えば、前記端末が第1情報を受信した場合、前記第2基準信号が平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられると決定できることを予め定義する。
【0071】
さらに、例えば、前記第1情報は、1つの特定の識別子を含み、前記第2基準信号を指示するときに、前記特定の識別子を見る限り、前記第2基準信号が平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられると決定することができる。
【0072】
1つの実施例において、該方法はさらに、
アップリンク信号の変調搬送周波数(アップリンク変調搬送周波数又はアップリンク搬送周波数として理解されることもできる)を決定するステップと、
決定された変調搬送周波数で、アップリンク信号を送信するステップであって、送信されたアップリンク信号は、ネットワーク側が少なくとも1つのTRPのドップラ周波数シフト補償値を決定するために用いられることができ、前記少なくとも1つのTRPは、第1基準信号を送信するTRPを含まない、ステップと、を含む。
【0073】
ここで、本願の実施例において、第1基準信号を利用してアップリンク基準信号の変調搬送周波数を決定する具体的な処理過程について限定しない。
【0074】
実際の応用において、前記端末は、少なくとも前記第1基準信号に基づいて(さらに、少なくとも1つの前記第1基準信号の機能に類似する他の基準信号を利用することができる)、アップリンク信号の変調搬送周波数を決定することができる。したがって、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられ、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、アップリンク信号の変調搬送周波数が第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられないことを決定する。
【0075】
ここで、予め定義の方式を採用することができる。前記端末は、前記第1情報を受信した後、前記アップリンク信号の変調搬送周波数が前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられることを決定することができ、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、アップリンク信号の変調搬送周波数が第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられないことを決定する。さらに、前記ネットワーク機器によって、前記アップリンク信号の変調搬送周波数が前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられることを指示することもでき、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、アップリンク信号の変調搬送周波数が第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられないことを決定する。
【0076】
ここで、前記ネットワーク機器が前記端末のアップリンク信号の変調搬送周波数が第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられることを指示した場合、前記指示は、前記第1基準信号と関連付けられる。前記ネットワーク機器が前記端末のアップリンク変調搬送周波数が第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられることを指示することは、前記ネットワーク機器が、前記端末に対して、少なくとも前記第1基準信号を受信する搬送周波数に基づいて、アップリンク信号の搬送周波数を決定することを指示し、即ち、前記端末に対して、少なくとも前記第1基準信号の受信に基づいて、アップリンク信号の変調搬送周波数を決定することを指示することとして理解されることもできる。
【0077】
前記ネットワーク機器が前記端末のアップリンク変調搬送周波数が第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられないことを指示した場合、前記指示は、前記第2基準信号と関連付けられる。前記ネットワーク機器が前記端末のアップリンク変調搬送周波数が第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられないことを指示することは、前記ネットワーク機器が、前記端末に対して、前記第2基準信号を受信する搬送周波数に基づかなくて、アップリンク信号の搬送周波数を決定することを指示し、即ち、前記ネットワーク機器が、前記端末に対して、前記第2基準信号の受信に基づかなくて、アップリンク信号の変調搬送周波数決定することを指示することとして理解されることもできる。
【0078】
本願の実施例において、アップリンク基準信号の変調搬送周波数を決定する具体的な処理過程について限定しない。
【0079】
本願の実施例は、さらに情報伝送方法を提供し、
図2に示すように、該方法は下記のステップを含む。
【0080】
ステップ201において、ネットワーク機器は、端末に第1情報を送信し、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0081】
ステップ202において、前記端末は、前記第1情報を受信する。
【0082】
説明すべきこととして、ネットワーク機器と端末の具体的な処理過程は、上記で詳細に説明された、ここで繰り返すことはない。
【0083】
本願の実施例によって提供される情報伝送方法で、ネットワーク機器は、端末に第1情報を送信し、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。端末に遅延推定のために用いられる基準信号を指示するので、HST-SFN場面において、端末が複数のダウンリンク信号を受信した場合、遅延に関連するパラメータを正確に推定することができる。こうすると、HST-SFN場面におけるダウンリンク遅延の正確推定を実現することができ、これによって、複数の遅延の差が大きいダウンリンク信号を受信した場合のユーザ体験を向上させる。
【0084】
以下では、応用の実施例を合わせて、さらに本願を詳細に説明する。
【0085】
応用の実施例一
本応用の実施例において、
図3に示すように、高速鉄道の場面と仮定し、即ち、HST-SFN場面において、TRP0、TRP1、TRP2、TRP3は、同じセルに接続する四つのTRPであり、高速鉄道ユーザが
図3に示すような位置に位置すると仮定し、このときに、TRP0とTRP3のアンテナ向きによって、UEが受信したTRP0とTRP3から送信された信号が弱いため、TRP0とTRP3から送信された信号の影響を無視することができる。
【0086】
同時に、基地局は、前記UEに高層シグナリング(例えば、RRC構成(configuration)シグナリング又はMAC CE)又は物理層シグナリング(例えば、DCI)を送信する。前記シグナリングは、TRS0(即ち、第3基準信号)と関連付けられ、前記シグナリングは、前記UEの変調搬送周波数(英語でmodulated carrier frequencyと表現されることができる)がTRS0を受信する搬送周波数と関連付けられることを指示し、又は、前記シグナリングは、前記UEが前記TRS0を受信する搬送周波数に基づいて、アップリンク信号の搬送周波数を決定することを指示する。又は、前記シグナリングは、TRSSFN,i(即ち、第4基準信号で、同じセルに接続するすべてのTRPが送信できるTRSである)と関連付けられ、前記シグナリングは、前記UEの変調搬送周波数が前記TRSSFN,iを受信する搬送周波数と関連付けられないことを指示し、又は、前記シグナリングは、前記UEが前記TRSSFN,iを受信する搬送周波数に基づかなくて、アップリンク信号の搬送周波数を決定することを指示する。
【0087】
本応用の実施例において、基地局は、UEに周期的なTRS0とTRSSFN,iを構成し、同じセルの複数のTRP(例えば、TRP1とTRP2)に接続し、ここで、TRS0は、ただ一部のTRPによって送信され(TRS0がTRP1によって送信され、TRP2がTRS0を送信しないと仮定し)、TRSSFN,iは、物理ダウンリンク共有チャンネル(PDSCH)と復調基準信号(DMRS)を送信する複数のTRPと同じTRPによって送信される(TRSSFN,i、PDSCHとDMRSがすべてTRP1とTRP2によってパブリック送信されると仮定する)。
【0088】
以下では、
図4を合わせて、基地局がドップラ周波数シフト事前補償を行うプロセスを説明する。該プロセスは、下記のステップを含む。
【0089】
ステップ1において、TRP1は、搬送周波数fCでTRS0を送信する。
【0090】
ステップ2において、UEは、TRS0を受信(reception)し、TRS0に基づいてアップリンク変調搬送周波数を決定する。
【0091】
ここで、ドップラ周波数シフトがΔf1であると仮定すると、TRS0の受信に基づいて決定されたアップリンク変調搬送周波数は、fUE=fC+Δf1である。
【0092】
ステップ3において、UEは、搬送周波数fUEでアップリンク基準信号、例えば、チャンネル探測基準信号(SRS)を送信する。
【0093】
ステップ4において、前記アップリンク基準信号に基づいて、周波数シフト(frequency shift)推定を行う。
【0094】
ここで、TRP1がfCに対する周波数シフトが2Δf1(TRP1に対応する搬送周波数はfTRP1=fUE+Δf1=fC+Δf1+Δf1=fC+2Δf1である)であると推定し、TRP2がfCに対する周波数シフトがΔf1+Δf2(TRP2に対応する搬送周波数はfTRP2=fUE+Δf2=fC+Δf1+Δf2である)であると推定すると仮定し、Δf2は、TRP2に対応するドップラ周波数シフトである。
【0095】
ステップ5において、基地局は、ユーザのTRP2のために用いられるドップラ周波数シフト事前補償値を計算する。
【0096】
具体的に、Δfpre2=Δf1-Δf2である。
【0097】
ステップ6において、TRP1は、搬送周波数fCでTRSSFN,i、DMRS、PDSCHを送信し、TRP2は、搬送周波数fC+Δfpre2=fC+Δf1-Δf2でTRSSFN,i、DMRS、PDSCHを送信し、且つ、TRP1は、搬送周波数fCでTRS0を送信する。
【0098】
ステップ7において、UEは、搬送周波数fC+Δf1でTRS0、TRSSFN,i、DMRS、PDSCHを受信し、TRS0の受信に基づいて、アップリンク搬送周波数がfUE=fC+Δf1であることを決定する。
【0099】
ここで、UEは、搬送周波数fCを利用してアップリンク変調搬送周波数を決定し、即ち、アップリンク変調搬送周波数は、fUE=fC+Δf1である。
【0100】
ステップ8において、UEは、搬送周波数fUEでアップリンク基準信号、例えば、SRSを送信する。
【0101】
ステップ9において、前記アップリンク基準信号に基づいて、周波数シフト推定を行い、TRP1がfCに対する周波数シフトが2Δf1であると推定し、TRP2がfCに対する周波数シフトがΔf1+Δf2であると推定すると仮定する。
【0102】
ステップ10において、基地局は、ユーザのTRP2のために用いられるドップラ周波数シフト事前補償値を計算し、具体的に、Δfpre2=Δf1-Δf2であり、次のステップに進む。
【0103】
説明すべきこととして、周期的なTRSが周期的に送信されるため、上記の過程は、周期的に行われる。且つ、上記の一部のステップの順序は、ただ例示であり、厳密な順序ではない。
【0104】
応用の実施例二
本応用の実施例において、1つの新たなタイプのQCL typeを定義し、1つのダウンリンク基準信号に対応し、例えば、’QCL-TypeE’:{average delay、delay spread}、又は、’QCL-TypeE’:{average delay}を定義し、又は、’QCL-TypeE’: { delay spread }を定義する。新たなQCL typeは、TCI-Stateにおけるqcl-Type3として、ネットワーク側によってUEに指示されることができる。
【0105】
基地局は、高層シグナリング(例えば、RRC configuration又はMAC CE)又は物理層シグナリング(例えば、DCI)によって、前記UEに指示シグナリングを送信し、前記指示シグナリングは、第1TCI-Stateと関連付けられ、前記第1TCI-Stateは、UEに’QCL-TypeA’に対応する基準信号及び’QCL-TypeE’に対応する基準信号を指示する。前記’QCL-TypeA’に対応する基準信号が第1TRS(即ち、第1基準信号)と仮定し、前記’QCL-TypeE’に対応する基準信号が第2TRS(即ち、第2基準信号)と仮定する。
【0106】
ここで、PDSCHのDMRSに対して、UEは、TCI-Stateが下記のQCL typeのうちの1つを指示することを期待するべきである。
【0107】
’QCL-TypeA’は、高層パラメータtrs-Infoを構成される1つのNZP-CSI-RS-ResourceSetにおける1つのチャンネル状態情報(CSI-RS)リソースに対応し、’QCL-TypeD’(適用されるなら)は、同じCSI-RSリソースに対応する(’QCL-TypeA’ with a CSI-RS resource in a NZP-CSI-RS-ResourceSet configured with higher layer parameter trs-Info and, when applicable, ’QCL-TypeD’ with the same CSI-RS resource)。
【0108】
’QCL-TypeA’は、高層パラメータtrs-Infoを構成される1つのNZP-CSI-RS-ResourceSetにおける1つのCSI-RSリソースに対応し、’QCL-TypeD’(適用されるなら)は、高層パラメータrepetitionを構成される1つのNZP-CSI-RS-ResourceSetにおける1つのCSI-RSリソースに対応する(’QCL-TypeA’ with a CSI-RS resource in a NZP-CSI-RS-ResourceSet configured with higher layer parameter trs-Info and, when applicable, ’QCL-TypeD’ with a CSI-RS resource in an NZP-CSI-RS-ResourceSet configured with higher layer parameter repetition)。
【0109】
’QCL-TypeA’は、高層パラメータtrs-Infoを構成されなく、高層パラメータrepetitionも構成されない1つのNZP-CSI-RS-ResourceSetにおける1つのCSI-RSリソースに対応し、’QCL-TypeD’(適用されるなら)は、同じCSI-RSリソースに対応する(QCL-TypeA’ with a CSI-RS resource in a NZP-CSI-RS-ResourceSet configured without higher layer parameter trs-Info and without higher layer parameter repetition and, when applicable, ’QCL-TypeD’ with the same CSI-RS resource)。
【0110】
’QCL-TypeA’は、高層パラメータtrs-Infoを構成される1つのNZP-CSI-RS-ResourceSetにおける1つのCSI-RSリソースに対応し、’QCL-TypeD’(適用されるなら)は、高層パラメータtrs-Infoを構成される1つのNZP-CSI-RS-ResourceSetにおける別の1つのCSI-RSリソースに対応する(’QCL-TypeA’ with a CSI-RS resource in a NZP-CSI-RS-ResourceSet configured with higher layer parameter trs-Info and, when applicable, ’QCL-TypeE’ with another CSI-RS resource in a NZP-CSI-RS-ResourceSet configured with higher layer parameter trs-Info)。
【0111】
具体的に、本応用の実施例において、
図5に示すように、高速鉄道の場面と仮定し、即ち、HST-SFN場面において、TRP0、TRP1、TRP2、TRP3は、同じセルに接続する四つのTRPであり、高速鉄道のユーザが
図5に示すような位置に位置すると仮定し、このときに、TRP0とTRP3のアンテナ向きによって、UEが受信したTRP0とTRP3から送信された信号が弱いため、TRP0とTRP3から送信された信号の影響を無視することができる。
【0112】
第1TRSがTRS0であり、第2TRSがTRS1であると仮定し、基地局は、高層シグナリング又は物理層シグナリングによって、前記UEに第1指示シグナリング(即ち、第1情報)を送信し、前記第1指示シグナリングは、UEに1つのTCI-Stateを指示し、前記TCI-Stateは、UEに’QCL-TypeA’に対応する基準信号TRS0と’QCL-TypeE’に対応する基準信号TRS1を指示する。該指示に基づいて、UEは、TRS0を使用してドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延、平均拡張の推定を行い、そして、UEは、ただTRS1を使用して平均遅延及び/又は遅延拡張の推定を行い、即ち、UEは、TRS0を使用してドップラ周波数シフト、ドップラ拡張の推定を行い、そして、UEは、TRS0とTRS1を一緒に使用して平均遅延及び/又は遅延拡張の推定を行う。
【0113】
本応用の実施例において、さらに、端末に搬送周波数がどのダウンリンク基準信号の搬送周波数と関連付けられ、及び/又は、どのダウンリンク基準信号の搬送周波数と関連付けられないかを指示する処理プロセスを採用することができる。この場合、基地局は、高層シグナリング(例えば、RRC configuration又はMAC CE)又は物理層シグナリング(例えば、DCI)によって、前記UEに第2指示シグナリングを送信することもでき、前記第2シグナリングは、前記UEの変調搬送周波数がTRS0を受信する搬送周波数と関連付けられることを指示し、又は、前記第2シグナリングは、前記UEが前記TRS0を受信する搬送周波数に基づいて、アップリンク信号の搬送周波数を決定することを指示することもできる。
【0114】
本応用の実施例において、基地局は、UEに周期的なTRS0とTRS1を構成し、同じセルの複数のTRP(例えば、TRP1とTRP2)に接続し、ここで、TRS0とTRS1のそれぞれは、ただ一部のTRPによって送信され(例えば、TRS0はTRP1によって送信され、TRP2はTRS0を送信しない、TRS1はTRP2によって送信され、TRP1はTRS1を送信しない)、そして、PDSCHとDMRSは、TRS1とTRS2の複数のTRPによって一緒に送信される(例えば、PDSCHとDMRSはすべて、TRP1とTRP2によってパブリック送信される)。
【0115】
以下では、
図6を合わせて、基地局がドップラ周波数シフト事前補償を行うプロセスを説明する。該プロセスは、下記のステップを含む。
【0116】
ステップ1において、TRP1は、搬送周波数fCでTRS0を送信し、TRP2は、搬送周波数fCでTRS1を送信し、基地局は、高層シグナリング又は物理層シグナリングによって、前記UEに第2指示シグナリングを送信し、前記第2指示シグナリングは、前記UEが前記TRS0の搬送周波数に基づいて、アップリンク信号の搬送周波数を決定することを指示する。
【0117】
ステップ2において、UEは、TRS0を受信し、TRS0に基づいてアップリンク変調搬送周波数を決定する。
【0118】
ここで、TRP1に対応するドップラ周波数シフトがΔf1であると仮定すると、TRS0の受信に基づいて決定されたアップリンク変調搬送周波数は、fUE=fC+Δf1である。
【0119】
ステップ3において、UEは、搬送周波数fUEでアップリンク基準信号、例えば、SRSを送信する。
【0120】
ステップ4において、前記アップリンク基準信号に基づいて、周波数シフト推定を行う。
【0121】
ここで、TRP1がfCに対する周波数シフトが2Δf1(TRP1に対応する搬送周波数はfTRP1=fUE+Δf1=fC+Δf1+Δf1=fC+2Δf1である)であると推定し、TRP2がfCに対する周波数シフトがΔf1+Δf2(TRP2に対応する搬送周波数はfTRP2=fUE+Δf2=fC+Δf1+Δf2である)であると推定すると仮定し、Δf2は、TRP2に対応するドップラ周波数シフトである。
【0122】
ステップ5において、基地局は、ユーザのTRP2のために用いられるドップラ周波数シフト事前補償値を計算する。
【0123】
具体的に、Δfpre2=Δf1-Δf2である。
【0124】
ステップ6において、基地局は、UEにDLスケジューリング(scheduling)DCIを送信し、前記DCIは、1つのTCI-Stateを指示し、前記TCI-Stateは、UEに’QCL-TypeA’に対応する基準信号TRS0と’QCL-TypeE’に対応する基準信号TRS1を指示する。TRP1とTRP2のそれぞれは、搬送周波数fCとfC+Δfpre2=fC+Δf1-Δf2でDCIスケジューリングのDMRSとPDSCHを送信し、且つ、TRP1は、搬送周波数fCでTRS0を送信し、TRP2は、搬送周波数fCでTRS1を送信する。
【0125】
ステップ7において、UEは、搬送周波数fC+Δf1でTRS0、DMRS、PDSCHを受信し、UEは、TRS0の受信に基づいて、アップリンク搬送周波数がfUE=fC+Δf1であることを決定し、TRS1をDMRSチャンネル推定における遅延に関連する推定のために用いる。
【0126】
ここで、UEは、搬送周波数fCを利用してアップリンク変調搬送周波数を決定し、即ち、アップリンク変調搬送周波数は、fUE=fC+Δf1である。
【0127】
ステップ8において、UEは、搬送周波数fUEでアップリンク基準信号、例えば、SRSを送信する。
【0128】
ステップ9において、前記アップリンク基準信号に基づいて、周波数シフト推定を行い、TRP1がfCに対する周波数シフトが2Δf1であると推定し、TRP2がfCに対する周波数シフトがΔf1+Δf2であると推定すると仮定する。
【0129】
ステップ10において、基地局は、TRP2のために用いられるドップラ周波数シフト事前補償値を計算する。
【0130】
具体的に、Δfpre2=Δf1-Δf2であり、次のステップに進む。
【0131】
説明すべきこととして、周期的なTRSが周期的に送信されるため、上記の過程は、周期的に行われる。且つ、上記の一部のステップの順序は、ただ例示であり、厳密な順序ではない。
【0132】
応用の実施例三
本応用の実施例と応用の実施例二との区別は下記である。基地局は、高層シグナリング又は物理層シグナリングによって、前記UEに第1指示シグナリングを送信し、前記第1指示シグナリングは、UEに1つのTCI-Stateを指示し、前記TCI-Stateは、UEに2つの’QCL-TypeA’に対応する基準信号TRS0とTRS1を指示する。且つ、預構成又はシグナリング指示の方式によって、ある基準信号(例えば、本実施例においては、TRS1である)がただ平均遅延及び/又は遅延拡張の推定のために用いられることをUEに指示する。該指示に基づいて、UEは、TRS0を使用してドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延、平均拡張の推定を行い、そして、UEは、ただTRS1を使用して平均遅延及び/又は遅延拡張の推定を行い、即ち、UEは、TRS0を使用してドップラ周波数シフト、ドップラ拡張の推定を行い、そして、UEは、TRS0とTRS1を一緒に使用して平均遅延及び/又は遅延拡張の推定を行う。
【0133】
応用の実施例四
本応用の実施例と応用の実施例三との区別は下記である。基地局は、高層シグナリング又は物理層シグナリングによって、前記UEに第1指示シグナリングを送信し、前記第1指示シグナリングは、UEに2つのTCI-Stateを指示し、各TCI-Stateは、UEに1つの’QCL-TypeA’に対応する基準信号TRS0又はTRS1を指示する。且つ、預構成又はシグナリング指示の方式によって、あるTCI-Stateに対応する’QCL-TypeA’の基準信号(例えば、本実施例においては、TRS1である)がただ平均遅延及び/又は遅延拡張の推定のために用いられることをUEに指示する。該指示に基づいて、UEは、TRS0を使用してドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延、平均拡張の推定を行い、そして、UEは、ただTRS1を使用して平均遅延及び/又は遅延拡張の推定を行い、即ち、UEは、TRS0を使用してドップラ周波数シフト、ドップラ拡張の推定を行い、そして、UEは、TRS0とTRS1を一緒に使用して平均遅延及び/又は遅延拡張の推定を行う。
【0134】
本願の実施例の方法を実現するため、本願の実施例は、ネットワーク機器で設置される情報伝送装置を提供し、
図7に示すように、該装置は、
端末に第1情報を送信するように構成される第1送信ユニット701を含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0135】
1つの実施例において、前記第1送信ユニット701は、RRCシグナリング、MAC CE、DCIのうちの1つによって、前記端末に第1情報を送信するように構成される。
【0136】
1つの実施例において、
図7に示すように、該装置はさらに、
前記端末から送信されたアップリンク信号を受信するように構成される第2受信ユニット702を含み、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられ、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられない。
【0137】
ここで、1つの実施例において、
図7に示すように、該装置はさらに、
受信したアップリンク信号を利用して周波数シフト推定を行い、少なくとも1つのTRPのドップラ周波数シフト補償値を決定するように構成される第1決定ユニット703を含み、前記少なくとも1つのTRPは、第2基準信号を送信するTRPを含まない。
【0138】
実際の応用において、前記第1送信ユニット701、第2受信ユニット702は、情報伝送装置における通信インターフェースによって実現されることができ、前記第1決定ユニット703は、情報伝送装置におけるプロセッサによって実現されることができる。
【0139】
本願の実施例の端末側の方法を実現するため、本願の実施例は、端末で設置される情報伝送装置を提供し、
図8に示すように、該装置は、
ネットワーク側から送信された第1情報を受信するように構成される第1受信ユニット801を含み、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0140】
ここで、1つの実施例において、第1受信ユニット801は、RRCシグナリング、MAC CE、DCIのうちの1つによって、前記ネットワーク側から送信された第1情報を受信するように構成される。
【0141】
1つの実施例において、前記第2基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられることができ、
図8に示すように、該装置はさらに、
前記第1情報を基づいて、前記第2基準信号が平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられることを決定するように構成される第2決定ユニット802を含む。
【0142】
1つの実施例において、
図8に示すように、該装置はさらに、第2送信ユニット803を含み、
前記第2決定ユニット802はさらに、アップリンク信号の変調搬送周波数を決定するように構成され、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられ、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、アップリンク信号の変調搬送周波数が第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられないことを決定する。
【0143】
第2送信ユニット803は、決定された変調搬送周波数で、アップリンク信号を送信するように構成され、送信されたアップリンク信号は、ネットワーク側が少なくとも1つのTRPのドップラ周波数シフト補償値を決定するために用いられることができ、前記少なくとも1つのTRPは、第2基準信号を送信するTRPを含まない。
【0144】
実際の応用において、前記第1受信ユニット801、第2送信ユニット803は、情報伝送装置における通信インターフェースによって実現されることができ、前記第2決定ユニット802は、情報伝送装置におけるプロセッサによって実現されることができる。
【0145】
説明すべきこととして、上記の実施例によって提供される情報伝送装置は、情報伝送を行うときに、上記の各プログラムモジュールの分割で例示して説明するに過ぎず、実際の応用において、需要に応じて上記の処理を異なるプログラムモジュールに分配して完成することができ、即ち、上記のように説明した全部又は一部の処理を完成するため、装置の内部構造を異なるプログラムモジュールに分割する。また、上記の実施例によって提供される情報伝送装置と情報伝送方法の実施例は、同じ発想に属し、その具体的な実現過程は、詳細に方法の実施例を参照し、ここで繰り返すことはない。
【0146】
上記のプログラムモジュールのハードウェア実現に基づいて、且つ、本願の実施例のネットワーク機器側の方法を実現するため、本願の実施例はさらに、ネットワーク機器を提供し、
図9に示すように、該ネットワーク機器900は、
端末と情報をやり取りすることができる、第1通信インターフェース901と、
端末と情報をやり取りすることを実現するため、前記第1通信インターフェース901と接続し、コンピュータプログラムを実行するときに、上記のネットワーク機器側の1つ又は複数の技術的解決策によって提供される方法を実現するように構成される第1プロセッサ902と、を含み、前記コンピュータプログラムは、第1メモリ903に記憶される。
【0147】
具体的に、前記第1通信インターフェース901は、端末に第1情報を送信するように構成され、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0148】
ここで、1つの実施例において、前記第1通信インターフェース901は、RRCシグナリング、MAC CE、DCIのうちの1つによって、前記端末に第1情報を送信するように構成される。
【0149】
1つの実施例において、前記第1通信インターフェース901は、前記端末から送信されたアップリンク信号を受信するように構成され、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられ、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられない。
【0150】
1つの実施例において、第1プロセッサ902は、
受信したアップリンク信号を利用して周波数シフト推定を行い、少なくとも1つのTRPのドップラ周波数シフト補償値を決定するように構成され、前記少なくとも1つのTRPは、第1基準信号を送信するTRPを含まない。
【0151】
説明すべきこととして、前記第1通信インターフェース901及び第1プロセッサ902の具体的な処理過程は、上記の方法を参照して理解されることができる。
【0152】
無論、実際の応用において、ネットワーク機器900における各コンポーネントは、バスシステム904によってカップリングする。理解可能なこととして、バスシステム904は、各コンポーネント間の接続通信を実現するように構成される。バスシステム904は、データバス以外、電源バス、制御バス、ステータス信号バスも含む。しかしながら、明らかに説明するために、
図9において、各種類のバスをバスシステム904として標記する。
【0153】
本願の実施例における第1メモリ903は、ネットワーク機器900の操作をサポートするように、各タイプのデータを記憶するように構成される。該データの例示は、ネットワーク機器900で操作するために用いられる任意のコンピュータプログラムを含む。
【0154】
上記の本願の実施例に開示される方法は、前記第1プロセッサ902に適用され、又は前記第1プロセッサ902で実現されることができる。前記第1プロセッサ902は、集積回路チップであり得、信号処理機能を持つ。実現過程において、上記方法の各ステップは、前記第1プロセッサ902におけるハードウェアの集積ロジック回路又はソフトウェア形態の命令によって完成させることができる。上記の前記第1プロセッサ902は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)又は他のプログラマブル・ロジック・デバイス、ディスクリート・ゲート又はトランジスタ・ロジック・デバイス、ディスクリート・ハードウェア・コンポーネントなどであり得る。前記第1プロセッサ902は、本願の実施例に開示される各方法、ステップ及びロジックブロック図を実現する又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロ・プロセッサ又は任意の従来のプロセッサであり得る。本願の実施例に開示される方法を結合するステップは、ハードウェア復号化プロセッサによって実行されるように直接に体現され、又は復号化プロセッサにおけるハードウェアとソフトウェアのモジュールの組み合わせで実行されることができる。ソフトウェアモジュールは、記憶媒体に位置することができ、該記憶媒体は、第1メモリ903に位置し、前記第1プロセッサ902は、第1メモリ903における情報を読み出し、そのハードウェアを結合して上記の方法のステップを完成する。
【0155】
例示的な実施例において、ネットワーク機器900は、1つ又は複数のアプリケーション専用集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、DSP、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)、複雑プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロ制御ユニット(MCU:Microcontroller Unit)、マイクロ・プロセッサ(Micro processor)、又は他の電子部品によって実現されることができ、上記の識別方法を実行するように構成される。
【0156】
上記のプログラムモジュールのハードウェア実現に基づいて、且つ、本願の実施例の端末側の方法を実現するため、本願の実施例はさらに、端末を提供し、
図10に示すように、該端末1000は、
第1通信ノードと情報をやり取りすることができる、第2通信インターフェース1001と、
ネットワーク機器と情報をやり取りすることを実現するため、前記第2通信インターフェース1001と接続し、コンピュータプログラムを実行するときに、上記の端末側の1つ又は複数の技術的解決策によって提供される方法を実現するように構成される第2プロセッサ1002と、を含み、前記コンピュータプログラムは、第2メモリ1003に記憶される。
【0157】
具体的に、前記第2通信インターフェース1001は、ネットワーク側から送信された第1情報を受信するように構成され、前記第1情報は、第1基準信号と第2基準信号を指示し、前記第1基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられ、前記第2基準信号は、平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられる。
【0158】
ここで、1つの実施例において、前記第2通信インターフェース1001は、RRCシグナリング、MAC CE、DCIのうちの1つによって、前記ネットワーク側から送信された第1情報を受信するように構成される。
【0159】
1つの実施例において、前記第2基準信号は、ドップラ周波数シフト、ドップラ拡張、平均遅延及び遅延拡張と関連付けられることができ、前記第2プロセッサ1002は、前記第1情報を基づいて、前記第2基準信号が平均遅延、遅延拡張、平均遅延及び遅延拡張のうちの1つと関連付けられることを決定するように構成される。
【0160】
1つの実施例において、前記第2プロセッサ1002はさらに、アップリンク信号の変調搬送周波数を決定するように構成され、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、前記第1基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられ、又は、前記アップリンク信号の変調搬送周波数は、第2基準信号を受信する搬送周波数と関連付けられない。
【0161】
前記第2通信インターフェース1001は、決定された変調搬送周波数で、アップリンク信号を送信するように構成され、送信されたアップリンク信号は、ネットワーク側が少なくとも1つのTRPのドップラ周波数シフト補償値を決定するために用いられることができ、前記少なくとも1つのTRPは、第1基準信号を送信するTRPを含まない。
【0162】
説明すべきこととして、第2プロセッサ1002及び第2通信インターフェース1001の具体的な処理過程は、上記の方法を参照して理解されることができる。
【0163】
無論、実際の応用において、端末1000における各コンポーネントは、バスシステム1004によってカップリングする。理解可能なこととして、バスシステム1004は、各コンポーネント間の接続通信を実現するように構成される。バスシステム1004は、データバス以外、電源バス、制御バス、ステータス信号バスも含む。しかしながら、明らかに説明するために、
図10において、各種類のバスをバスシステム1004として標記する。
【0164】
本願の実施例における第2メモリ1003は、端末1000の操作をサポートするように、各タイプのデータを記憶するように構成される。該データの例示は、端末1000で操作するために用いられる任意のコンピュータプログラムを含む。
【0165】
上記の本願の実施例に開示される方法は、前記第2プロセッサ1002に適用され、又は前記第2プロセッサ1002で実現されることができる。前記第2プロセッサ1002は、集積回路チップであり得、信号処理機能を持つ。実現過程において、上記方法の各ステップは、前記第2プロセッサ1002におけるハードウェアの集積ロジック回路又はソフトウェア形態の命令によって完成させることができる。上記の前記第2プロセッサ1002は、汎用プロセッサ、DSP又は他のプログラマブル・ロジック・デバイス、ディスクリート・ゲート又はトランジスタ・ロジック・デバイス、ディスクリート・ハードウェア・コンポーネントなどであり得る。前記第2プロセッサ1002は、本願の実施例に開示される各方法、ステップ及びロジックブロック図を実現する又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロ・プロセッサ又は任意の従来のプロセッサであり得る。本願の実施例に開示される方法を結合するステップは、ハードウェア復号化プロセッサによって実行されるように直接に体現され、又は復号化プロセッサにおけるハードウェアとソフトウェアのモジュールの組み合わせで実行されることができる。ソフトウェアモジュールは、記憶媒体に位置することができ、該記憶媒体は、第2メモリ1003に位置し、前記第2プロセッサ1002は、第2メモリ1003における情報を読み出し、そのハードウェアを結合して上記の方法のステップを完成する。
【0166】
例示的な実施例において、端末1000は、1つ又は複数のASIC、DSP、PLD、CPLD、FPGA、汎用プロセッサ、コントローラ、MCU、Micro processor、又は他の電子部品によって実現されることができ、上記の識別方法を実行するように構成される。
【0167】
理解可能なこととして、本願の実施例におけるメモリ(第1メモリ903、第2メモリ1003)は、揮発性メモリであり、又は不揮発性メモリであり、又は揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含むことができる。ここで、不揮発性メモリは、リード・オンリー・メモリ(ROM:Read Only Memory)、プログラマブル・リード・オンリー・メモリ(PROM:Programmable Read-Only Memory)、消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EPROM:Erasable Programmable Read-Only Memory)、電気的に消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、磁気ランダム・アクセス・メモリ(FRAM(登録商標):Ferromagnetic Random Access Memory)、フラッシュ・メモリ(Flash Memory)、磁気面メモリ、CD、又はリード・オンリーCD(CD-ROM:Compact Disc Read-Only Memory)であり得る。磁気面メモリは、ディスク・メモリ又は磁気テープ・メモリであり得る。揮発性メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:Random Access Memory)であり得、外部高速キャッシュとして用いられる。例示的が限定されない説明によって、多くの形態のRAMが利用されることができ、例えば、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM:Static Random Access Memory)、同期スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SSRAM:Synchronous Static Random Access Memory)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)、同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM:Synchronous Dynamic Random Access Memory)、ダブル・データ・レート同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DDRSDRAM:Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)、エンハンス同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(ESDRAM:Enhanced Synchronous Dynamic Random Access Memory)、同期接続ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SLDRAM:Synchronous Link Dynamic Random Access Memory)、ダイレクト・ラムバス・ランダム・アクセス・メモリ(DRRAM:Direct Rambus Random Access Memory)である。本願の実施例で説明されるメモリは、上記及び他の任意の適切なタイプのメモリを含むが、これらには限定されないと意図する。
【0168】
本願の実施例の方法を実現するため、本願の実施例は、情報伝送システムを提供し、
図11に示すように、該システムは、ネットワーク機器1101と、端末1102と、を含む。
【0169】
説明すべきこととして、ネットワーク機器1101及び端末1102の具体的な処理過程は、上記で詳細に説明された、ここで繰り返すことはない。
【0170】
例示的な実施例において、本願の実施例は、記憶媒体を提供し、即ち、コンピュータ記憶媒体であり、具体的に、コンピュータ可読記憶媒体である。例えば、コンピュータプログラムを記憶する第1メモリ903を含み、上記の第1通信ノード側の方法で説明されるステップを完成するため、上記のコンピュータプログラムは、ネットワーク機器900の第1プロセッサ902によって実行される。さらに、例えば、コンピュータプログラムを記憶する第2メモリ1003を含み、上記の第2通信ノード側の方法で説明されるステップを完成するため、上記のコンピュータプログラムは、端末1000の第2プロセッサ1002によって実行される。コンピュータ可読記憶媒体は、FRAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、Flash Memory、磁気面メモリ、CD、又はCD-ROMなどのメモリであり得る。
【0171】
説明すべきこととして、「第1」、「第2」などは、類似した対象を区別するために用いられ、特定な配列又は順序を説明するために用いられる必要がない。
【0172】
なお、本願の実施例で記載される技術的解決策の間は、競合することなく任意に組み合わせることができる。
【0173】
以上は、本願の最適的な実施例に過ぎなく、本願の保護範囲を限定するためのものではない。
【国際調査報告】