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特表2023-530980改善された沈着のためのヘアコンディショニング組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】改善された沈着のためのヘアコンディショニング組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/41 20060101AFI20230712BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230712BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20230712BHJP
   A61K 8/898 20060101ALI20230712BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20230712BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
A61K8/41
A61K8/34
A61K8/891
A61K8/898
A61Q5/12
A61K8/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022577346
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2021066154
(87)【国際公開番号】W WO2021255051
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】20181253.4
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】バーフット,リチャード・ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】クック,マイケル・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】メンドーサ・フェルナンデス,セザル・エルネスト
(72)【発明者】
【氏名】プライス,ポール・ダミアン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AC011
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC091
4C083AC092
4C083AC351
4C083AC691
4C083AC692
4C083AD021
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB06
4C083CC33
4C083DD31
4C083EE28
4C083FF05
(57)【要約】
コンディショニング組成物は、毛髪への有益剤の優れた沈着を提供し、前記組成物は、(i)0.01~10重量%の、構造1およびその混合物から選択される直鎖カチオンコンディショニング主界面活性剤と、(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪物質と、(iii)微粒子有益剤と、(iv)0.01~5重量%の、構造2およびその混合物から選択される直鎖カチオン補助界面活性剤とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)0.01~10重量%の、構造1およびその混合物から選択される直鎖カチオンコンディショニング主界面活性剤:
【化1】
(式中、
・Rは、C16~C24、好ましくはC18~C22の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・Rは、プロトンまたはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖またはベンジル基を含み;
・Xは有機または無機アニオンである)と;
(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪物質と;
(iii)コンディショニング活性物質およびその混合物から選択される微粒子有益剤と;
(iv)0.01~5重量%の、構造2およびその混合物から選択される直鎖カチオン補助界面活性剤
【化2】
(式中、
・Rは、プロトンまたはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖またはベンジル基を含み;
・Rは、CからC16まで(ただし、C16は含まない)、好ましくはC10~C14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・Xは有機または無機アニオンである)と
を含むコンディショニング組成物であって;
構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長よりも長くなるように、構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長と少なくとも3個の炭素原子異なり;
直鎖カチオン補助界面活性剤(iv)と直鎖カチオンコンディショニング主界面活性剤(i)のモル比が1:20~1:1の範囲である、コンディショニング組成物。
【請求項2】
構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長よりも長くなるように、構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長と3~12、好ましくは6~10個の炭素原子異なる、請求項1に記載のコンディショニング組成物。
【請求項3】
が、C~C14、好ましくはC~C14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含む、請求項1または請求項2に記載のコンディショニング組成物。
【請求項4】
前記直鎖カチオンコンディショニング主界面活性剤が、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、およびこれらの混合物から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項5】
前記コンディショニング活性物質がシリコーンエマルジョンおよび油から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項6】
前記コンディショニング活性物質が、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、炭化水素油、脂肪酸エステルおよびこれらの混合物のエマルジョンから選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記コンディショニング活性物質が、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ポリイソブチレン、ココアバター、パームステアリン、ヒマワリ油、大豆油、ヤシ油ならびにこれらの混合物のエマルジョンから選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記コンディショニング活性物質が、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびこれらの混合物のエマルジョンから選択される、請求項6または請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記微粒子有益剤コンディショニング活性物質が、組成物全体の0.1重量%~10重量%、より好ましくは0.1重量%~5重量%、最も好ましくは0.25重量%~3重量%の量で存在する、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項10】
前記直鎖カチオン補助界面活性剤が、0.1~2重量%、最も好ましくは0.2~0.7重量%の量で存在する、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項11】
直鎖カチオン補助界面活性剤(iv)と直鎖カチオン界面活性剤(i)のモル比が、1:10~1:1、好ましくは1:5~1:2の範囲である、請求項1から10のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項12】
ヘリパススタンド上で60秒間0.5rpmのスピンドルAまたはBを使用して、ブルックフィールドRVTで30℃にて測定した場合に、5000~750000センチポアズの粘度を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項13】
が、ハライド、メタンスルホネート基およびエタンスルホネート基から選択されるアニオンを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物。
【請求項14】
コンディショニング活性物質から選択される微粒子有益剤の毛髪への沈着を増加させる方法であって、請求項1から13のいずれか一項に記載のコンディショニング組成物を毛髪に適用するステップと、前記毛髪を水ですすぐステップとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる炭素-炭素鎖長の直鎖アルキル基を有する主界面活性剤と補助界面活性剤の組み合わせと、使用中に毛髪に沈着される有益剤とを含有する、毛髪を処理するためのコンディショニング組成物に関し、特に、増加した量の有益剤が沈着されることを可能にするコンディショニング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアトリートメント組成物などのパーソナルケア組成物では、有益剤の沈着および送達がしばしば製品性能の重要な駆動因子である。例えば、今日市場にあるヘアコンディショナー製品の多くは、洗浄およびケアプロセス中に芳香材料、シリコーンおよび損傷修復活性物質などの有益剤を毛髪に沈着させることによって毛髪に利益をもたらすように機能する。
【0003】
しかしながら、消費者は、一部の組成物の使用から得られる利益のレベルに失望していると報告している。これは、通常、表面に送達される有益剤の量が不十分であることによって引き起こされる。したがって、表面、例えば毛髪への有益材料の改善された送達を提供する組成物を開発することが望ましい。
【0004】
様々な種類のカチオン性化合物が、様々な利益についてヘアトリートメント組成物において知られている。
【0005】
国際公開第17/172117号は、定義される第1の第四級アンモニウム化合物およびイミダゾリン化合物を含むカチオン剤、加工デンプン、2つのシラン化合物、カチオン性ビニルピロリドンポリマーならびに水を含む、ケラチン基質を処理するための組成物を開示している。組成物で処理された毛髪は、改善された質量、毛体、体積を有し、容易にすすがれ、速く乾燥し、より長く清潔に保たれ、十分にコンディショニングされると言われている。米国特許出願公開第2005/175569号明細書は、第四級アンモニウム塩であり得るカチオン界面活性剤を含む、例えば毛髪をコンディショニングおよびスタイリングするための化粧品組成物を開示している。
【0006】
特開2005-060271号公報は、1以上の[(B)+(C)]/(A)の比の(A)一般式(1)によって表されるジメチルポリシロキサン、(B)一般式(2)によって表されるジメチルポリシロキサン、(C)一般式(3)によって表される環状ジメチルポリシロキサン;および(D)さらなる第四級アンモニウム成分を含むことができる水性毛髪化粧品組成物を開示している。組成物は、湿潤段階、すすぎ段階および乾燥段階において毛髪に一連のコンディショニング利益を提供すると言われている。
【0007】
本発明者ら自身の公開出願である国際公開第02/102334号および国際公開第01/43718号は、定義されるヒドロカルビル鎖を有する第四級アンモニウム系カチオン界面活性剤を含む洗浄およびコンディショニング特性を有する水性ヘアトリートメント組成物を提供する。
【0008】
カチオン性材料は家庭用およびパーソナルケア製品で知られているが、毛髪への有益剤の改善された沈着を提供することが持続的に必要とされている。
【0009】
先行技術にもかかわらず、消費者の所望の粘度特性を損なうことなく、毛髪への利益の改善された送達をもたらす必要性が依然として存在する。消費者は、粘度を有効性および品質と関連付けるので、より濃い製品を強く好む。しかし、濃すぎると、ボトルからの注入が困難になることがある。
【0010】
当技術分野の経験豊富な配合者は、通常、ポリマー増粘剤などの粘度調整剤を添加することによって、低下した粘度を埋め合わせる。しかしながら、これは、処理の複雑さ、塊状の外観(いわゆる「フィッシュアイ」の外観)、ならびに環境およびコストの影響などの他の問題をもたらす。
【0011】
ここで、我々は、驚くべきことに、それぞれ定義される長さの直鎖アルキル鎖を有し、特定の比で使用される、カチオンコンディショニング主界面活性剤とカチオン補助界面活性剤の組み合わせを含む組成物が、優れた製品レオロジー、特に粘度および降伏応力を維持しながら、有益剤の沈着を予想外に大きく増強させることを見出した。
【0012】
本明細書で引用される全てのパーセンテージは、特に明記しない限り、総重量に基づく重量によるものである。本明細書で引用される全ての量は、特に明記しない限り、材料の100%活性に基づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第17/172117号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/175569号明細書
【特許文献3】特開2005-060271号公報
【特許文献4】国際公開第02/102334号
【特許文献5】国際公開第01/43718号
【発明の概要】
【0014】
発明の定義
したがって、
(i)0.01~10重量%の、構造1およびその混合物から選択される直鎖カチオンコンディショニング主界面活性剤:
【0015】
【化1】
【0016】
(式中、
・Rは、C16~C24、好ましくはC18~C22の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・Rは、プロトンまたはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖またはベンジル基を含み;
・Xは有機または無機アニオンである)と;
(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪物質と;
(iii)コンディショニング活性物質およびその混合物から選択される微粒子有益剤と;
(iv)0.01~5重量%の、構造2およびその混合物から選択される直鎖カチオン補助界面活性剤
【0017】
【化2】
【0018】
(式中、
・Rは、プロトンまたはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖またはベンジル基を含み;
・Rは、CからC16まで(ただし、C16は含まない)、好ましくはC10~C14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・Xは有機または無機アニオンである)と
を含むコンディショニング組成物であって;
構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長よりも長くなるように、構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長と少なくとも3個の炭素原子異なり;
直鎖カチオン補助界面活性剤(iv)と直鎖カチオンコンディショニング主界面活性剤(i)のモル比が1:20~1:1の範囲である、コンディショニング組成物が提供される。
【0019】
第2の態様では、本発明は、毛髪へのコンディショニング活性物質、好ましくはシリコーンエマルジョンおよびその混合物から選択される微粒子有益剤の沈着を増加させる方法であって、第1の態様のコンディショニング組成物を毛髪に適用するステップを含む方法を提供する。
【0020】
本発明の方法は、好ましくは、毛髪から組成物をすすぐ追加のステップを含む。
【0021】
好ましくは、本方法は、毛髪へのシリコーン沈着を増加させる方法であって、シリコーンエマルジョンを含む本発明の第1の態様によって定義される組成物を毛髪に適用するステップと、毛髪を水ですすぐステップとを含む方法である。
【0022】
本発明による組成物は、好ましくは、毛髪の処理(典型的にはシャンプー後)およびその後のすすぎのためのコンディショナーとして配合される。
【0023】
本発明のコンディショニング組成物は洗浄剤組成物ではなく、よって、アニオン洗浄界面活性剤、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含まない。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好ましくは、トリートメント組成物は、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物、およびプレトリートメント組成物から選択され、より好ましくは、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物、およびプレトリートメント組成物、例えばオイルトリートメントから選択され、最も好ましくは、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスクおよびリーブオンコンディショナー組成物から選択される。トリートメント組成物は、好ましくは、リンスオフヘアコンディショナーおよびリーブオンコンディショナーから選択される。
【0025】
本発明で使用するためのリンスオフコンディショナーは、典型的には、洗い流される前に濡れた毛髪上に1~2分間放置されるコンディショナーである。
【0026】
本発明で使用するためのヘアマスクは、典型的には、洗い流される前に毛髪上に3~10分間、好ましくは3~5分間、より好ましくは4~5分間放置されるトリートメントである。
【0027】
本発明で使用するためのリーブオンコンディショナーは、典型的には毛髪に適用され、10分間を超えて、毛髪上に放置され、好ましくは洗浄後に毛髪に適用され、次の洗浄まで洗い流されない。
【0028】
直鎖カチオンコンディショニング主界面活性剤(i)
本発明の組成物は、0.01~10重量%の、構造1およびその混合物から選択される直鎖カチオンコンディショニング主界面活性剤
【0029】
【化3】
【0030】
(式中、
・Rは、C16~C24、好ましくはC18~C22の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・Rは、プロトンまたはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖またはベンジル基を含み;
・Xは有機または無機アニオンである)
を含む。
【0031】
好ましくは、構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長よりも長くなるように、構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長と3~12、より好ましくは4~12、さらにより好ましくは6~12、最も好ましくは6~10個の炭素原子異なる。
【0032】
構造1では、アミンヘッド基が最終配合物中で帯電している。しかしながら、原料には、電荷が永久的ではなく、強酸を使用した配合物中でのプロトン化によって誘導され得る種が含まれる。したがって、Rが上記一般式においてプロトンである場合、プロトンは原料中に存在し得るか、または配合中に会合し得る。
【0033】
アルキル基は、アルキル鎖内に1つまたは複数のエステル(-OCO-もしくは-COO-)、アミド(-NOC-もしくはNCO-)、および/またはエーテル(-O-)結合を含んでいてもよい。アルキル基は、1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖であっても分岐であってもよく、3個以上の炭素原子を有するアルキル基の場合、環状であってもよい。アルキル基は、飽和であってもよく、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含んでいてもよい(例えば、オレイル)。アルキル基は、1つまたは複数のエチレンオキシ基でアルキル鎖上でエトキシ化されていてもよい。
【0034】
本発明によるコンディショナー組成物に使用するのに適した第四級アミン塩は、12~24個の炭素原子、好ましくは16~22個の炭素原子を含む第四級アミン塩である。
【0035】
本発明によるコンディショナー組成物に使用するのに適した第四級アミン塩には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘニルアミドプロピルジメチルアミン、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド、ステアラルコニウムメトサルフェート、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、牛脂トリメチルアンモニウムクロリド、二水素化牛脂ジメチルアンモニウムクロリド(例えば、Akzo Nobel製のArquad 2HT/75)およびココトリメチルアンモニウムクロリドが含まれる。
【0036】
好ましい第四級アミン塩は、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、およびこれらの混合物から選択される。
【0037】
本発明によるコンディショナーに使用するための特に有用なカチオン界面活性剤は、例えば、Hoechst CelaneseからGENAMIN CTACとして市販されているセチルトリメチルアンモニウムクロリドである。本発明によるコンディショナーに使用するための別の特に好ましいカチオン界面活性剤は、例えば、ClariantからGENAMIN KDMPとして市販されているベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0038】
さらに適切なカチオン界面活性剤には、CTFA名称クオタニウム-5、クオタニウム-31およびクオタニウム-18を有する材料が含まれる。前記材料のいずれかの混合物も適切であり得る。
【0039】
単独で、または1つもしくは複数の他のカチオン界面活性剤と合わせて、本発明で使用するのに適したカチオン界面活性剤のクラスの別の例は、以下の(i)と(ii)の組み合わせである:
(i)一般式(II):
CONH(CHN(R)R3(II)
(式中、Rは10個以上の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖であり、RおよびRは1~10個の炭素原子のヒドロカルビル鎖から独立に選択され、mは1~約10の整数である)
に対応するアミドアミン;および
(ii)酸。
【0040】
本明細書で使用される場合、ヒドロカルビル鎖という用語は、アルキルまたはアルケニル鎖を意味する。
【0041】
好ましいアミドアミン化合物は、式(I)(式中、
は約11~約24個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基であり、
およびRは、それぞれ独立に、1~約4個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基、好ましくはアルキル基であり、mは1~約4の整数である)に対応する化合物である。
【0042】
好ましくは、RおよびRはメチルまたはエチル基である。
【0043】
好ましくは、mは2または3、すなわちエチレンまたはプロピレン基である。
【0044】
本明細書で有用な好ましいアミドアミンには、ステアラミド-プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピル-ジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピル-ジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、およびこれらの混合物が含まれる。
【0045】
本明細書で有用な特に好ましいアミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、およびこれらの混合物である。
【0046】
本明細書で有用な市販のアミドアミンには、
Inolex(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)からLEXAMINE S-13の商品名で入手可能なおよびNikko(日本東京都)からAMIDOAMINE MSPの商品名で入手可能なステアラミドプロピルジメチルアミン、NikkoからAMIDOAMINE Sの商品名で入手可能なステアラミドエチルジエチルアミン、Croda(英国ノースハンバーサイド)からINCROMINE BBの商品名で入手可能なベヘナミドプロピルジメチルアミン、ならびにScher(米国ニュージャージー州クリフトン)からSCHERCODINEシリーズの商品名で入手可能な様々なアミドアミンが含まれる。
【0047】
酸は、コンディショナー組成物中のアミドアミンをプロトン化することができる任意の有機酸または鉱酸であり得る。本明細書で有用な適切な酸には、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、およびそれらの混合物が含まれる。好ましくは、酸は、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸、乳酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0048】
酸の主な役割は、毛髪処理組成物中のアミドアミンをプロトン化し、よって毛髪処理組成物中でその場で第三級アミン塩(TAS)を形成することである。TASは、実際、非永続的な第四級アンモニウムまたは擬似第四級アンモニウムカチオン界面活性剤である。
【0049】
適切には、酸は、存在するアミドアミンの95モル%(293K)超をプロトン化するのに十分な量で含まれる。
【0050】
本発明の組成物において、直鎖カチオンコンディショニング主界面活性剤のレベルは、一般に、組成物の総重量で、0.01~10%、より好ましくは0.05~7.5%、最も好ましくは0.1~5%の範囲である。
【0051】
直鎖脂肪物質(ii)
本発明の組成物は、0.1~10重量%の直鎖脂肪物質を含む。
【0052】
コンディショニング組成物における脂肪物質とカチオン界面活性剤の併用は、カチオン界面活性剤が分散された構造化ラメラまたは液晶相の形成をもたらすので、特に有利であると考えられる。
【0053】
「脂肪物質」とは、脂肪アルコール、アルコキシ化脂肪アルコール、脂肪酸またはこれらの混合物を意味する。好ましくは、直鎖脂肪物質は、脂肪アルコールおよび脂肪酸から選択され、最も好ましくは脂肪アルコールである。
【0054】
好ましくは、脂肪物質のアルキル鎖は完全飽和である。代表的な脂肪物質は、8~22個の炭素原子、より好ましくは16~22個の炭素原子を含む。
【0055】
適切な脂肪アルコールは、8~22個の炭素原子、好ましくは16~22個、最も好ましくはC16~C18を含む。脂肪アルコールは、典型的には、直鎖アルキル基を含有する化合物である。好ましくは、アルキル基は飽和である。好ましい脂肪アルコールの例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。これらの材料の使用はまた、本発明で使用するための組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するという点で有利である。
【0056】
アルキル鎖中に約12~約18個の炭素原子を有するアルコキシ化(例えば、エトキシ化またはプロポキシ化)脂肪アルコールを、脂肪アルコール自体の代わりに、またはそれに加えて使用することができる。適切な例としては、エチレングリコールセチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)セチルエーテル、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
本発明のコンディショナー中の脂肪物質のレベルは、適切には、全組成物の0.01~10、好ましくは0.1~10、より好ましくは0.1~5重量パーセントである。カチオン界面活性剤と脂肪アルコールの重量比は、適切には10:1~1:10、好ましくは4:1~1:8、最適には1:1~1:7、例えば1:3である。
【0058】
微粒子有益剤(iii)
本発明の組成物は、微粒子有益剤を含む。微粒子有益剤は、コンディショニング活性物質およびその混合物から選択される。好ましくは、微粒子有益剤は、シリコーンエマルジョン、油およびこれらの混合物、最も好ましくはシリコーンエマルジョンから選択されるコンディショニング活性物質である。より好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、炭化水素油、脂肪酸エステルおよびこれらの混合物のエマルジョンから選択され、最も好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ポリイソブチレン、ココアバター、パームステアリン、ヒマワリ油、大豆油、ヤシ油ならびにこれらの混合物のエマルジョンから選択される。
【0059】
以下のシリコーンおよび油は、本発明の組成物中に乳化形態で存在する。
【0060】
適切な油は、炭化水素油、脂肪酸エステルおよびこれらの混合物から選択される。
【0061】
直鎖炭化水素油は、好ましくは約12~約30個の炭素原子を含有する。分岐鎖炭化水素油も適しており、好ましくは約12~約42個の炭素原子を含有する。C2~C6アルケニルモノマーなどのアルケニルモノマーのポリマー炭化水素も適している。
【0062】
適切な炭化水素油の具体例としては、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ならびにこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の分岐鎖異性体、ならびにより高い鎖長の炭化水素の分岐鎖異性体も使用することができる。別の適切な材料はポリイソブチレンである。
【0063】
適切な脂肪酸エステルは、少なくとも10個の炭素原子を有することを特徴とし、脂肪酸またはアルコールから誘導されるヒドロカルビル鎖を有するエステルを含み、モノカルボン酸エステルは、式R’COOR(式中、R’およびRは独立に、アルキルまたはアルケニル基を表し、R’およびRの炭素原子の和は少なくとも10、好ましくは少なくとも20である)のアルコールおよび/または酸のエステルを含む。カルボン酸のジ-およびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステルも使用することができる。
【0064】
特に好ましい脂肪酸エステルは、モノ-、ジ-およびトリグリセリドであり、より具体的には、グリセリンとC1~C22カルボン酸などの長鎖カルボン酸のモノ-、ジ-およびトリ-エステルである。好ましい材料には、ココアバター、パームステアリン、ヒマワリ油、大豆油およびヤシ油が含まれる。
【0065】
好ましいシリコーンは、ポリジメチルシロキサンおよびアミノ官能化シリコーンからなる群から選択され、より好ましくは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。アミノ官能化シリコーンとジメチコンのブレンドも好ましい。
【0066】
好ましくは、微粒子有益剤は、シリコーンエマルジョン、油およびこれらの混合物、最も好ましくはシリコーンエマルジョンから選択されるコンディショニング活性物質である。より好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、炭化水素油、脂肪酸エステルおよびこれらの混合物のエマルジョンから選択され、最も好ましくは、コンディショニング活性物質は、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコン、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ポリイソブチレン、ココアバター、パームステアリン、ヒマワリ油、大豆油、ヤシ油ならびにこれらの混合物のエマルジョンから選択される。
【0067】
以下のシリコーンおよび油は、本発明の組成物中に乳化形態で存在する。
【0068】
適切な油は、炭化水素油、脂肪酸エステルおよびこれらの混合物から選択される。
【0069】
直鎖炭化水素油は、好ましくは約12~約30個の炭素原子を含有する。分岐鎖炭化水素油も適しており、好ましくは約12~約42個の炭素原子を含有する。C2~C6アルケニルモノマーなどのアルケニルモノマーのポリマー炭化水素も適している。
【0070】
適切な炭化水素油の具体例としては、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ならびにこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の分岐鎖異性体、ならびにより高い鎖長の炭化水素の分岐鎖異性体も使用することができる。別の適切な材料はポリイソブチレンである。
【0071】
適切な脂肪酸エステルは、少なくとも10個の炭素原子を有することを特徴とし、脂肪酸またはアルコールから誘導されるヒドロカルビル鎖を有するエステルを含み、モノカルボン酸エステルは、式R’COOR(式中、R’およびRは独立に、アルキルまたはアルケニル基を表し、R’およびRの炭素原子の和は少なくとも10、好ましくは少なくとも20である)のアルコールおよび/または酸のエステルを含む。カルボン酸のジ-およびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステルも使用することができる。
【0072】
特に好ましい脂肪酸エステルは、モノ-、ジ-およびトリグリセリドであり、より具体的には、グリセリンとC1~C22カルボン酸などの長鎖カルボン酸のモノ-、ジ-およびトリ-エステルである。好ましい材料には、ココアバター、パームステアリン、ヒマワリ油、大豆油およびヤシ油が含まれる。
【0073】
好ましいシリコーンは、ポリジメチルシロキサンおよびアミノ官能化シリコーンからなる群から選択され、より好ましくは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。アミノ官能化シリコーンとジメチコンのブレンドも好ましい。
【0074】
好ましいシリコーンエマルジョンは疎水性修飾を含まず、好ましくは、シリコーンエマルジョンはミリスチルオキシル修飾シリコーンではなく、最も好ましくはミリスチルオキシル修飾シリコーンでもセチルオキシル修飾シリコーンでもない。最も好ましくは、本発明の組成物に使用するためのシリコーンエマルジョンは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびこれらの混合物のエマルジョンから選択される。
【0075】
適切なシリコーンには、CTFA名称ジメチコンを有するポリジメチルシロキサンが含まれる。CTFA名称ジメチコノールを有する、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンも、本発明の組成物での使用に適している。好ましくは、シリコーンは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。アミノ官能化シリコーンとジメチコンのブレンドも好ましい。
【0076】
乳化シリコーン自体(エマルジョンでも最終ヘアコンディショニング組成物でもない)の粘度は、典型的には、25℃で少なくとも10000cstであり、シリコーン自体の粘度は、好ましくは少なくとも60000cst、最も好ましくは少なくとも500000cst、理想的には少なくとも1000000cstである。好ましくは、配合を容易にするために、粘度は10cstを超えない。
【0077】
本発明の組成物で使用するための乳化シリコーンは、典型的には、30ミクロン未満、好ましくは20ミクロン未満、より好ましくは10ミクロン未満、理想的には0.01~1ミクロンの、組成物中でのD90シリコーン液滴サイズを有する。0.15ミクロンの平均シリコーン液滴サイズ(D50)を有するシリコーンエマルジョンは、一般にマイクロエマルジョンと呼ばれる。
【0078】
シリコーン粒径は、例えばMalvern Instruments製の2600D Particle Sizerを使用して、レーザー光散乱技術によって測定され得る。
【0079】
適切な予備形成エマルジョンの例としては、Dow Corningから入手可能なXiameter MEM 1785およびマイクロエマルジョンDC2-1865が挙げられる。これらはジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。架橋シリコーンガムはまた、配合の容易さに有利な予備乳化形態で入手可能である。
【0080】
本発明の組成物に含めるためのシリコーンのさらに好ましいクラスは、アミノ官能性シリコーンである。「アミノ官能性シリコーン」とは、少なくとも1つの第一級、第二級もしくは第三級アミン基または第四級アンモニウム基を含有するシリコーンを意味する。適切なアミノ官能性シリコーンの例としては、CTFA名称「アモジメチコン」を有するポリシロキサンが挙げられる。好ましいアモジメチコンは、DC 7134としてDow Corningから市販されている。
【0081】
本発明で使用するのに適したアミノ官能性シリコーンの具体例は、アミノシリコーン油DC2-8220、DC2-8166およびDC2-8566(全てDow Corning製)である。
【0082】
適切な第四級シリコーンポリマーは、欧州特許第0 530 974号明細書に記載されている。好ましい第四級シリコーンポリマーは、Goldschmidt製のK3474である。
【0083】
非イオンおよび/またはカチオン界面活性剤を含むアミノ官能性シリコーン油のエマルジョンも適している。
【0084】
アミノ官能性シリコーンの予備形成エマルジョンはまた、Dow CorningおよびGeneral Electricなどのシリコーン油の供給業者から入手可能である。具体例としては、DC939カチオン性エマルジョンならびに非イオン性エマルジョンDC2-7224、DC2-8467、DC2-8177およびDC2-8154(全てDow Corning製)が挙げられる。
【0085】
好ましいコンディショニング活性物質は、ポリジメチルシロキサンおよびアミノ官能化シリコーン、アミノ官能化シリコーンとジメチコンのブレンド、炭化水素油、脂肪酸エステルならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0086】
微粒子有益剤コンディショニング活性物質の総量は、好ましくは、全組成物の0.1重量%~10%重量であり、より好ましくは0.1重量%~5重量%、最も好ましくは0.25重量%~3重量%が適切なレベルである。
【0087】
直鎖カチオン補助界面活性剤(iv)
本発明の組成物は、構造2:
【0088】
【化4】
【0089】
(式中、
・Rは、プロトンまたはC~C、好ましくはC~Cの炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖またはベンジル基を含み;
・Rは、CからC16まで(ただし、C16は含まない)、好ましくはC10~C14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含み;
・Xは有機または無機アニオンである)
による直鎖カチオン補助界面活性剤を含み;
構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長よりも長くなるように、構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長と少なくとも3個の炭素原子異なり;
直鎖カチオン補助界面活性剤(iv)と直鎖カチオンコンディショニング主界面活性剤(i)のモル比が1:20~1:1、好ましくは1:10~1:1、好ましくは1:5~1:2の範囲である。
【0090】
好ましくは、構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長よりも長くなるように、構造1のRの炭素-炭素鎖長が構造2のRの炭素-炭素鎖長と3~12、より好ましくは4~12、さらにより好ましくは6~12、最も好ましくは6~10個の炭素原子異なる。
【0091】
は、CからC16まで(ただし、C16は含まない)、好ましくはC~C14、より好ましくはC~C14、さらにより好ましくはC~C14、最も好ましくはC10~C14の炭素-炭素鎖長を有する直鎖アルキル鎖を含む。
【0092】
直鎖補助界面活性剤は、全組成物の重量に基づいて、0.01~5重量%、好ましくは0.1~2、より好ましくは0.1~1.0、最も好ましくは0.2~0.7重量%の量で存在する。
【0093】
Xは有機または無機アニオンである。好ましくは、Xはハライドイオン;一般式RSO (式中、Rは、1~4個の炭素原子を有する飽和または不飽和アルキル基である)のサルフェート、および有機酸のアニオン基を含む。
【0094】
好ましいハライドイオンは、フルオリド、クロリド、ブロミドおよびヨージドから選択される。好ましい有機酸のアニオン基は、マレエート、フマレート、オキサレート、タルトレート、シトレート、ラクテートおよびアセテートから選択される。好ましいサルフェートは、メタンスルホネートおよびエタンスルホネートである。
【0095】
最も好ましくは、Xは、ハライド、メタンスルホネート基およびエタンスルホネート基から選択されるアニオンを含む。
【0096】
好ましい実施形態では、
・Rが、C10~C14の炭素-炭素鎖長を有する飽和または不飽和の直鎖アルキル鎖を含み;
・Rが、プロトンまたはC~Cの炭素-炭素鎖長を有するアルキル鎖を含み;
・Xが、ハライド、メタンスルホネートおよびエタンスルホネートから選択される。
【0097】
構造2による適切な材料の例は、ドデシル-トリメチルアンモニウムクロリドである。
【0098】
組成物レオロジー
本発明の組成物は、良好な粘度および降伏応力特性を提供する。
【0099】
組成物は、25℃および1Hzで、30~200パスカル(Pa)、最も好ましくは40~150Paのピーク値の好ましい降伏応力範囲を有する。降伏応力を測定する方法は、1Hzの一定周波数および0.1%~2000%の範囲の振幅掃引で振動を加えることができる適切なレオメーターに取り付けられた直径40mmの鋸歯状平行平板幾何学を使用する。振幅掃引範囲は、振幅当たり4サイクル以下でカバーされる歪み範囲のディケード当たり10ポイント以下で適用される。装置は、TA Instruments製のARES G2レオメーターを用いるなど、制御された歪み下で操作されるべきである。幾何学温度は、例えばペルチェ制御プレートまたは再循環浴によって25℃に設定されるべきである。降伏応力は、弾性応力を歪み振幅に対してプロットすることによって決定され、曲線のピークにおいて、最大値が降伏応力として引用される。弾性応力は、それぞれ機器から容易に得られる、(貯蔵弾性率)*(歪み振幅)の乗算として計算される。
【0100】
組成物は、好ましくは、ヘリパス(Helipath)スタンド上で60秒間0.5rpmのスピンドルAまたはBを使用して、ブルックフィールド(Brookfield)RVTで30℃にて測定した場合に、5000~750000センチポアズ、好ましくは50000~600000センチポアズ、より好ましくは50000~450000センチポアズの粘度を有する。
【0101】
好ましいコンディショナーは、コンディショニングゲル相を含む。これらのコンディショナーは、小胞含有量がほとんどまたは全くない。このようなコンディショナーおよびそれらを製造する方法は、国際公開第2014/016354号、国際公開第2014/016353号、国際公開第2012/016352号および国際公開第2014/016351号に記載されている。
【0102】
このようなコンディショニングゲル相を含む組成物は、組成物で処理された毛髪に1~250g、好ましくは2~100g、より好ましくは2~50g、さらにより好ましくは5~40g、最も好ましくは5~25gのドローマス(Draw Mass)を付与する。
【0103】
ドローマス(Draw Mass)は、櫛またはブラシを通してヘアスイッチ(hair switch、毛髪の房)を引っ張るのに必要な質量である。したがって、毛髪が絡み合うほど、櫛またはブラシを通してヘアスイッチを引っ張るのに必要な質量が大きくなり、毛髪のコンデイションのレベルが高くなるほど、ドローマス(Draw Mass)が低くなる。
【0104】
ドローマス(Draw Mass)は、最初に、5~20cmの毛髪がヘアスイッチの接着された端部にてぶら下がったままになるように、ヘアスイッチを櫛またはブラシ上に置き、次いで、ヘアスイッチが櫛またはブラシを通って落下するまで、ぶら下がっている端部に重量を加えることによって測定される、例えば、重量1~20g、長さ10~30cm、および幅0.5~5cmのヘアスイッチを櫛またはブラシを通して引っ張るのに必要な質量である。
【0105】
好ましくは、ヘアスイッチは重量1~20g、より好ましくは2~15g、最も好ましくは5~10gである。好ましくは、ヘアスイッチは、長さが10cm~40cm、より好ましくは10cm~30cm、幅が0.5cm~5cm、より好ましくは1.5cm~4cmである。
【0106】
最も好ましくは、ドローマス(Draw Mass)は、最初に、20cmの毛髪がヘアスイッチの接着された端部にぶら下がったままになるように、ヘアスイッチを櫛またはブラシ上に置き、次いで、ヘアスイッチが櫛またはブラシを通って落下するまで、ぶら下がっている端部に重量を加えることによって測定される、例えば、重量10g、長さ20cm、および幅3cmのヘアスイッチを櫛またはブラシを通して引っ張るのに必要な質量である。
【0107】
さらなる成分
本発明による組成物は、ヘアコンディショニング組成物に共通のいくつかの成分のいずれかを含み得る。
【0108】
他の成分には、保存剤、着色剤、グリセリンおよびポリプロピレングリコールなどのポリオール、EDTAなどのキレート剤、ビタミンEアセテートなどの抗酸化剤、芳香剤、抗微生物剤ならびに日焼け止めが含まれ得る。これらの成分の各々は、その目的を達成するのに有効な量で存在する。一般に、これらの任意の成分は、全組成物の最大約5重量%のレベルで個々に含まれる。
【0109】
好ましくは、さらなる成分には、芳香剤、保存剤、着色剤およびコンディショニングシリコーンが含まれる。
【0110】
上記活性成分のいずれかの混合物も使用され得る。
【0111】
一般に、このような成分は、全組成物の最大2重量%、好ましくは最大1重量%のレベルで個々に含まれる。
【0112】
本発明の組成物は、好ましくは増粘剤、例えば増粘ポリマーを含まない。増粘ポリマーの例としては、ポリクオタニウム増粘剤(ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-39など);グアー系増粘剤(グアーヒドロキシアンモニウムクロリドなど);ポリエチレングリコール(PEG)系増粘剤(PEG 90M、PEG 14M、PEG 150ジステアレートなど)等が挙げられる。
【0113】
本発明の実施形態は以下の実施例に与えられ、特に明記しない限り、全てのパーセンテージは総重量に基づく重量によって引用される。
【0114】
[実施例]
[実施例1]
本発明による組成物1~3および比較組成物A~F
以下の組成物を調製した:
それぞれC8、C12およびC14の補助界面活性剤鎖長を有する、本発明による実施例1~3。
【0115】
直鎖アルキル鎖を有する補助界面活性剤材料を含まない比較例A。
【0116】
それぞれC10、C12、C14およびC16の直鎖アルキル鎖を有する脂肪アルコールを含む比較例B~E。
【0117】
C16の鎖長を有する補助界面活性剤を有する比較例F。
【0118】
【表1】
【0119】
例A~Fおよび1~3のコンディショナーは、以下の方法を使用して調製した:
1.界面活性剤および脂肪物質を適切な容器に添加し、脂肪物質の融点を超えるまで加熱した。
【0120】
2.溶融ブレンドを、室温と脂肪物質の融点未満の間の温度で、表1の組成物に従って適切な量の水に添加した。
【0121】
3.混合物を不透明かつ濃厚になるまで混合した。
【0122】
4.次いで、加熱を止め、室温に冷却し、残りの水を残りの材料と共に添加した。
【0123】
5.最後に、配合物を、適切な均質化装置を使用して高剪断で混合した。
【0124】
[実施例2]
組成物A~F(比較)および1~3(本発明)による毛髪の処理
使用した毛髪は、重量5g、長さ6インチのスイッチの、濃褐色の欧州人の毛髪とした。
【0125】
毛髪を、最初に以下の方法を使用してクレンジングシャンプーで処理した:
毛髪繊維を流水下で30秒間保持し、シャンプーを毛髪1g当たり0.1mlのシャンプーの用量で適用し、毛髪に30秒間擦り込んだ。流水下で30秒間保持することによって過剰な泡を除去し、シャンプー段階を繰り返した。毛髪を流水下で1分間すすいだ。
【0126】
次いで、濡れた毛髪を、以下の方法を使用して組成物で処理した:
コンディショナーを、毛髪1g当たり0.2mlのコンディショナーの用量で濡れた毛髪に適用し、1分間毛髪にマッサージした。毛髪を流水下で1分間すすぎ、過剰な水を除去した。
【0127】
[実施例3]
組成物A~Fおよび1~3で処理した毛髪へのシリコーン沈着
毛髪に沈着したシリコーンの量を、X線蛍光(XRF)を使用して定量した。
【0128】
【表2】
【国際調査報告】