(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】弾性積層体を有する吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/49 20060101AFI20230712BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
A61F13/49 313A
A61F13/15 340
A61F13/15 355B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578686
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 US2021039016
(87)【国際公開番号】W WO2021263066
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】タナー、ローリー、ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】ウルミッシュ、ポパトラル、ダラル
(72)【発明者】
【氏名】トッド、ダグラス、レンザー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー、ロジアク
(72)【発明者】
【氏名】ミゲル、エンジェル、カバレロ
(72)【発明者】
【氏名】ウーベ、シュナイダー
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA12
3B200BB03
3B200BB11
3B200CA07
3B200DD07
3B200EA08
3B200EA09
3B200EA12
3B200EA24
3B200EA27
(57)【要約】
弾性積層体を組み立てるための方法であって、スプレッダ機構において弾性フィルムを横断方向に第1の伸びへと延伸するステップと、弾性フィルムをスプレッダ機構からアンビルに前進させるステップであって、アンビルは、横断方向における最大幅Wvを有する作動真空ゾーンを備える、前進させるステップと、を含む方法が開示される。最大幅は、第1の部分と第2の部分とに分割され、第1の部分は、係合部分と重なり合う関係をなして、横断方向において係合部分の内側に配設され、第1の部分は、横断方向における幅VZiを有し、第2の部分は横断方向における幅VZoを有し、VZiとVZoとの比は1よりも大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品(100)であって、
トップシート(124)、バックシート(126)、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性コア(128)を備えるシャーシ(120)と、
前記シャーシに接合された耳部(130)であって、
第1の不織布(12)及び第2の不織布(16)と、前記第1の不織布と前記第2の不織布との間に挟持されたエラストマー材料(14)と、を含む積層体(10)であって、前記積層体は、複数の超音波結合部(31)を更に含む、積層体(10)を備え、ここで、
前記エラストマー材料は、延伸方向における最大寸法Yを備え、
前記エラストマー材料は、弾性領域(32)及び1つ以上の非延伸ゾーン(34)を含む一次領域(18)を画定し、
前記弾性領域は、前記延伸方向における最大寸法Xを備え、前記1つ以上の非延伸ゾーンは、Wdの集計横方向幅を備え、
WdとYとの比は0.3以下である、
耳部(130)と、を含む吸収性物品。
【請求項2】
前記延伸方向は、前記吸収性物品の横方向を含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
Wdが6.5mm以下である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
WdとXとの前記比は0.55以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記1つ以上の非延伸ゾーンは、
前記弾性領域の横方向内側に配設され、幅Wd1を備える第1の非延伸ゾーン(34a)と、
前記弾性領域の横方向外側に配設され、横方向幅Wd2を備え、前記Wd1はWd2と異なる、第2の非延伸ゾーン(34b)と、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
Wd2はWd1よりも大きい、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
Wd2とWd1との比が少なくとも2である、請求項5又は6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記積層体は、前記エラストマー材料と前記第1の不織布又は前記第2の不織布との間に配設された補強特徴部(50)を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記弾性材料はフィルム(15)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の吸収性物品の積層体を組み立てるための方法であって、
第1の基材(202)及び第2の基材(210)を提供するステップであって、前記第1の基材及び前記第2の基材は各々、第1の表面(204、212)と、対向する第2の表面(206、214)と、を備え、横断方向における幅を規定する、提供するステップと、
前記第1の基材の前記第1の表面をアンビル(402)の外周表面(404)上へと巻掛けするステップと、
弾性材料(208)をスプレッダ機構(412)に前進させるステップであって、前記スプレッダ機構は、係合部分(419)を備える、前進させるステップと、
前記スプレッダ機構において前記弾性材料を前記横断方向に第1の伸び(Ei)へと延伸するステップと、
前記弾性材料を前記スプレッダ機構から前記アンビルに前進させるステップであって、前記アンビルは、前記横断方向における最大幅Wvを有する作動真空ゾーン(415)を備え、前記最大幅は、第1の部分(452)と第2の部分(454)とに分割され、前記第1の部分は、前記係合部分と重なり合う関係をなして、前記横断方向において前記係合部分の内側に配設され、前記第1の部分は、前記横断方向における幅VZiを有し、前記第2の部分は前記横断方向における幅VZoを有し、VZiはVZoよりも大きい、前進させるステップと、
前記アンビル上の前記第1の基材の前記第2の表面と接触させて前記弾性材料を位置決めするステップと、
前記第2の基材の前記第1の表面を前記弾性材料と接触させて位置付けし、前記第1の基材の前記第2の表面を前記アンビル上に位置付けるように、前記第2の基材を前進させるステップと、
前記弾性材料が前記第1の基材と前記第2の基材との間に位置付けられた状態で、前記第1の基材を前記第2の基材と超音波接合するステップと、を含む方法。
【請求項11】
前記係合部分は、1つ以上の半径方向に突出するナブ(428)を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アンビルは、前記作動真空ゾーン内の真空源と流体接続された複数のアパーチャ(414)を備える、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
VZiとVZoとの比が5より大きい、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記アンビルは、半径方向に延在するコネクタ(466)を介して前記アンビルの外側表面と流体連通する構成可能な管(460)を備え、前記方法は、前記作動真空ゾーンを提供するために、前記構成可能な管を使用するステップを更に含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記アンビルは、前記横断方向における最大幅Waを備え、前記作動真空ゾーンの前記最大幅Wvは、前記アンビルの最大幅Waの20%以下である、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸性耳部又はウエストバンドなどの延伸性積層体を有する吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吸収性物品(例えば、おむつ、成人用失禁物品、婦人衛生パッド)などの吸収性物品が、尿及び/又はその他の身体排泄物(例えば、糞便、月経、糞便と尿との混合物、月経と尿との混合物など)を受容し、封入するという利点を提供することは、かなり以前から知られている。身体排出物を有効に封じ込めるためには、物品は着用者の腰部及び脚部周囲にぴったりとフィットする必要がある。
【0003】
製造業者は、心地の良いフィット感を実現するのを助けるために、物品内で延伸性サイドパネル(即ち、耳部)などの伸長性領域をよく使用する。着用時には、延伸性がある耳部によって着用者の臀部及び腰部の周囲に物品が延在し、着用者の快適な移動を可能としながら使用中の製品をしっかりと固定することができる。着用者の周囲に製品を更に固定するために、締結システムが、典型的には耳部に接合される。延伸性のある耳部は、典型的には、被覆材料(例えば、不織布)とエラストマー材料との積層体である。同様に、ウエストバンドは、不織布とエラストマー材料の延伸性積層体を含み得、また吸収性物品が着用者のウエストの周りにぴったりと嵌合するのに役立ち得る。
【0004】
積層体の作製又は活性化中にエラストマー材料の1つ以上の縁部を保持することが一般的である。すなわち、材料は、機械方向に移動され得るが、各層を所望の方向に移動するのを助けるために、かつ/又は各層がそれらの所望の位置から移動するのを防止するために、縁部は、しばらくの間、アンビル又は他の表面に接近又は対抗して「保持され」得る。例えば、ギャザー付き積層体を形成する際に、エラストマー材料は、積層中にカバーストック層よりも高度に延伸され得る。機器は、延伸中にエラストマー材料の1つ以上の縁部をアンビルに対して保持してもよく、その結果、当該縁部は延伸されない。エラストマー材料を必要に応じて保持するために、製造業者は、かなり広い部分を保持しなければならない。しかしながら、保持されるエラストマー材料の部分は、最終積層体に伸長性を提供しない場合がある。言い換えれば、保持されたエリア内の非延伸エラストマー材料は、延伸部分と同じ程度に、積層体の伸長性に寄与しない。したがって、製造業者は、積層体の最も高価な構成要素、すなわちエラストマー材料を効率的に利用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、延伸積層体における非延伸エラストマー材料のエリアを低減する必要がある。また、完全性、通気性、及び/又は快適性を依然として維持する、より小さい非延伸エラストマー材料ゾーンを有する積層体が必要とされている。更に、より小さい非延伸ゾーンを有する延伸積層体を提供する効率的かつ費用効果的な手段が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、本明細書における独立請求項の特徴を含む。
【0007】
吸収性物品が、トップシート、バックシート、該トップシートと該バックシートとの間に配置された吸収性コアを含むシャーシと、該シャーシに接合された耳部と、を含む。耳部は、第1の不織布及び第2の不織布と、当該第1の不織布と第2の不織布との間に挟持されたエラストマー材料と、を含む積層体であって、積層体は複数の超音波結合を更に備える。該エラストマー材料は、延伸方向における最大寸法Yを備え、エラストマー材料は、弾性領域及び1つ以上の非延伸ゾーンを含む一次領域を画定する。弾性領域は、延伸方向における最大寸法Xを備える。1つ以上の非延伸ゾーンは、延伸方向における集計最大寸法Wdを備える。WdとYとの比は0.3以下である。
【0008】
吸収性物品は、トップシート、バックシート、該トップシートと該バックシートとの間に配置された吸収性コアを含むシャーシと、該シャーシに接合された耳部と、を含む。耳部は、第1の不織布及び第2の不織布、並びに当該第1の不織布と第2の不織布との間に挟まれたエラストマー材料を含む積層体を備える。エラストマー材料は、延伸方向における最大寸法Yを含み、またエラストマー材料は弾性領域を画定し、第1の非延伸ゾーンは、延伸方向における最大寸法Wd1を備え、第2の非延伸ゾーンは、延伸方向における最大寸法Wd2を備える。Wd2とWd1との比は、少なくとも2である。
【0009】
弾性積層体を組み立てるための方法は、
第1の基材及び第2の基材を提供するステップであって、第1の基材及び第2の基材は各々、第1の表面と、対向する第2の表面と、を備え、横断方向における幅を規定する、提供するステップと、
第1の基材の第1の表面をアンビルの外周表面上へと巻掛けするステップと、
弾性フィルムをスプレッダ機構に前進させるステップであって、スプレッダ機構は、係合部分と、弾性材料と、を備える、前進させるステップと、
スプレッダ機構において弾性材料を横断方向に第1の伸びへと延伸するステップと、
弾性材料をスプレッダ機構からアンビルに前進させるステップであって、アンビルは、横断方向における最大幅Wvを有する作動真空ゾーンを備え、最大幅は、第1の部分と第2の部分とに分割され、第1の部分は、係合部分と重なり合う関係をなして、横断方向において係合部分の内側に配設され、第1の部分は、横断方向における幅VZiを有し、第2の部分は横断方向における幅VZoを有し、VZiはVZoよりも大きい、前進させるステップと、
アンビル上の第1の基材の第2の表面と接触させて弾性材料を位置決めするステップと、
第2の基材の第1の表面を弾性材料と接触させて位置付けし、第1の基材の第2の表面をアンビル上に位置付けるように、第2の基材を前進させるステップと、
弾性材料が第1の基材と第2の基材との間に位置付けられた状態で、第1の基材を第2の基材と超音波接合するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の非限定的な一実施形態による、例示的な積層体の分解斜視図である。
【
図2】本発明の非限定的な一実施形態による、例示的な積層体の平面図である。
【
図3】本発明の別の非限定的な実施形態による、例示的な耳部の分解斜視図である。
【
図4A】本発明の非限定的な一実施形態による、弾性積層体を組み立てるための装置の概略側面図である。
【
図4C】
図4Bの線4C-4Cに沿った装置の左側面図である。
【
図4D】線4D-4Dに沿った取られた
図4Cのスプレッダ機構の詳細図である。
【
図4E】ディスクの外側リム上の半径方向に突出するナブの詳細図である。
【
図4F】
図4Bの線4F-4Fに沿ったアンビルの詳細図である。
【
図5A】本発明の非限定的な一実施形態による、弾性積層体を組み立てるように動作する装置の概略側面図である。
【
図6A】本発明の非限定的な一実施形態による、エラストマー材料を延伸させるように動作する装置の概略正面図である。
【
図6B】本発明の非限定的な一実施形態による、エラストマー材料を延伸させるために使用される装置の概略正面図である。
【
図7A】本発明の非限定的な一実施形態によるアンビルの概略斜視図である。
【
図7B】本発明の非限定的な一実施形態による、構成可能なチューブを示すために内部の各部分が露出された、
図7Aのアンビルの概略斜視図である。
【
図8A】弾性積層体を組み立てるように動作する装置の概略側面図である。
【
図8B】線8B-8Bに沿った、
図8Aの折畳み装置を通して前進する第1の基材の上面図である。
【
図9】本発明の非限定的な一実施形態による、例示的な吸収性物品の概略平面図である。吸収性物品は、平坦な非収縮状態で示されている。
【
図10】本発明の非限定的な一実施形態による、例示的な耳部の概略平面図である。耳部は弛緩状態で示されている。
【
図11】本明細書の耳部伸長試験方法で使用するのに好適なグリップの概略斜視図である。
【
図12A】本明細書の角度最大ピーク力引張試験方法で使用するのに好適なグリップの概略斜視図である。
【
図12B】本明細書の角度最大ピーク力引張試験方法で構成されたグリップ及び耳部の概略側面図である。
【
図12C】本発明の非限定的な一実施形態による、例示的な耳部の概略平面図である。耳部は弛緩状態で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
「吸収性物品」とは、身体排泄物を吸収及び封じ込める器具を意味し、より詳細には、着用者の身体に接して、又は着用者の身体の近位に置かれて、身体から排出される種々の排泄物を吸収し、封じ込める器具を意味する。吸収性物品の例としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ型おむつ(すなわち、米国特許第6,120,487号に例示されているような予め形成された腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再締結可能なおむつ若しくはパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、パンティライナーなどの婦人用衛生衣類、吸収性挿入物等が挙げられる。
【0012】
「非延伸ゾーン」は、エラストマー材料を含むギャザー付き積層体のうちの、積層中に実質的に弛緩状態にあった部分を意味する。以下で論じられるように、ギャザー付き積層体は、エラストマー材料を別の層よりも高度に伸長させ、エラストマー層が伸長されている間にエラストマー材料を他の層に接合することによって形成される。そのようなプロセスの間、典型的にはエラストマー層を装置上の定位置に保持するために、エラストマー材料の一部分は伸長されない。最終積層体では、これらの非伸長部分は、他の積層体層の重なり合う部分と共に、非延伸ゾーンを形成する。
【0013】
「弾性」、「エラストマー性」及び「弾性的伸長性」は、本明細書に記載されたヒステリシス試験による方向のうちの1つにて、所与の負荷において、破裂又は破損がない状態で少なくとも50%延伸し、負荷が取り除かれた際に、弾性材料又は構成部品が少なくとも70%の回復を示す(即ち、30%未満の硬化を有する)材料又は材料の一部分の能力を意味する。歪み、歪みパーセント、工学歪み、延伸比、又は伸長と称されることもある延伸性は、回復及び硬化と同様に、以下でより詳細に記載されるヒステリシス試験によってそれぞれ測定されてもよい。弾性ではない材料は、非弾性として称される。本明細書で使用される場合、積層体の面積の少なくとも20%が本明細書における弾性の定義を満たす場合、該積層体は弾性である。この状況では、積層体の面積のパーセントは、積層体が完全に延伸した状態にあるときに決定される。
【0014】
「伸長性」とは、本明細書のヒステリシス試験での工程4(b)に従って少なくとも50%、断裂又は破損なく延伸又は延長する能力を意味する。本明細書で使用される場合、積層体の面積の少なくとも20%が本明細書における伸長性の定義を満たす場合、該積層体又は基材は伸長性である。この状況では、積層体の面積のパーセントは、積層体が完全に延伸した状態にあるときに決定される。積層体が上記の弾性の定義は満たさないが、この段落に提示される伸長性の定義は満たす場合、該積層体は伸長性の積層体である。
【0015】
吸収性物品に関連する「使い捨て」とは、その吸収性物品について、洗濯するか、又は別の方法で吸収性物品として復元されるか若しくは再利用されることが、一般的に意図されていないこと(すなわち、それらの吸収性物品について、1回の使用後に廃棄される、好ましくは、リサイクル、コンポスト化、又はその他の環境に適合する方法で廃棄されることが意図されていること)を意味する。
【0016】
「配置された」とは、要素が、ある特定の場所又は位置に置かれていることを指す。
【0017】
「接合された」とは、要素をその他の要素に直接付着させることにより、その要素がその他の要素に直接貼り付けられている構成、及び要素を中間部材に付着させ、その中間部材が更にその他の要素に貼り付けられていることにより、その要素がその他の要素に間接的に貼り付けられている構成を指す。
【0018】
「フィルム」とはシート状材料であって、材料の長さ及び幅が材料の厚さを大幅に超える(例えば、10倍、50倍又は更には1000倍)ものを意味する。フィルムは、典型的には液体不透過性であるが、通気性であるように構成されてもよい。
【0019】
波形積層体に関連して「完全に延伸される」とは、積層体の非弾性基材が塑性変形していないことを確認しながら、積層体を伸長させることによって、波形が実質的に平坦化されるときのことを意味する。
【0020】
「積層体」とは、当該技術分野において公知の任意の好適な方法(例えば、接着剤結合、熱結合、又は加熱されていない若しくは加熱されたパターン付きロールを用いる高圧結合)によって互いに結合された2つ以上の材料を意味する。
【0021】
物品の第1の特徴及び物品上の第2の特徴又は場所に対するその位置に関して「内側」とは、第1の特徴が、水平表面上で、含められた任意の事前緊張済みエラストマー材料によって誘発される任意の収縮に対して、平坦に展開され、その構成要素のウェブ材料の長手方向及び横方向の完全な寸法へと伸長されたときに、概ね物品によって占められる水平x-y平面に沿って、第2の特徴又は場所と比べて、物品のそれぞれの軸により接近して位置することを意味する。横方向内側とは、第1の特徴が長手方向軸により近いことを意味し、長手方向内側とは、第1の特徴が横軸により近いことを意味する。逆に、物品の第1の特徴及び物品上の第2の特徴又は場所に対するその位置に関する「外側」とは、第1の特徴が第2の特徴又は場所と比べて、物品のそれぞれの軸からより遠くにあることを意味する。
【0022】
本明細書で使用される「長手方向」とは、物品のx-y平面における吸収性物品の最大直線寸法を意味する。本明細書に記載された吸収性物品では、長手方向は、吸収性物品が平らに延ばされた非収縮状態の場合に腰部縁部から対向する腰部縁部まで、又は2つ折りにされた物品の腰部縁部から股部底部まで、実質的に垂直に延びる。吸収性物品の任意の構成要素(例えば、耳部、ウエストバンド)の長手方向は、構成要素が物品に接合されるときに決定される。
【0023】
「横方向」とは、一般に、長手方向に対して垂直な方向を意味する。本明細書に記載された吸収性物品では、横方向は、側縁部から対向する側縁部まで、実質的に平行に延びる。
【0024】
「不織布」とは、連続的な(長い)フィラメント(繊維)及び/又は不連続な(短い)フィラメント(繊維)から、例えば、スパンボンド、メルトブローン、エアレイイング、カーディング、共形成、水流交絡などのプロセスなどから作製される多孔質な繊維状材料を意味する。不織布は、織られた又は編まれたフィラメントパターンを有さない。不織布は、液体透過性又は不透過性であってもよい。
【0025】
積層体に対する「弛緩した」とは、重力以外に、積層体に作用する外力が実質的にない状態で静止していることを意味する。
【0026】
本明細書で使用される「延伸方向」とは、最終製品における意図された弾性方向を意味する。例えば、吸収性物品の後耳部は、着用者の腰部の周りに適合するように横方向に弾性であることが意図され得る。積層体の延伸方向は、横方向及び/又は長手方向であり得る。製品は、複数の方向において弾性であり得ることを理解されたい。そのような場合、延伸方向は、使用に必要な力の予想される適用に応答した、主要な意図された弾性方向である。
【0027】
本明細書で「機械方向」(MD)という用語は、プロセスを通過する材料の流れの方向を指すために用いられる。加えて、材料の相対的配置及び動きは、あるプロセスを通過してそのプロセスの上流からそのプロセスの下流に向かう機械方向に流れているものとして述べることができる。
【0028】
本明細書で「横断方向」(CD)という用語は、機械方向に対してほぼ垂直な方向を指すために用いられる。
【0029】
積層体
図1に示されるように、積層体10は、第1の不織物12及びエラストマー層14を備える。積層体は、第2の不織布16を備え、エラストマー層14は、第1の不織布と第2の不織布との間に挟持され得る。追加の層が含まれていてもよい(例えば、追加の不織布、非弾性材料、弾性又は延伸性材料等)。積層体は、伸長性であり得る。種々の実施形態では、積層体はエラストマー性である。2つ以上の積層体層は、
図2に示されるように、複数の結合部30によって接合され得る。結合部は、エラストマー層を介して不織布層を接合し得る超音波結合部31を含む。超音波接合積層体は、限定するものではないが、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願第62/374,010号、同第62/419,515号に開示されているものを含めて、任意の好適なプロセスによって形成され得る。結合部は、熱結合部、圧力結合部、又はそれらの組み合わせを含み得る。結合部は、任意の好適な形状又はサイズであり得る。いくつかの実施形態では、結合部は非円形状である。それに加えて、あるいはそれに代わって、結合部は、それらの横方向寸法よりも大きい長手方向寸法を有してもよく、あるいはその逆であってもよい。吸収性物品の耳部130及び/又はウエストバンド180は、本発明の積層体を含み得る。
【0030】
任意の好適な不織布が、積層体10において使用されてもよい。好適な不織布は、少なくとも約8gsm、又は約30gsm以下、又は約22gsm以下、又は約17gsm以下、又は約10gsm~約22gsmの坪量を含み得、当該範囲についてこの範囲内の1増分毎に列挙する。好適な不織布としては、スパンボンド、スパンレイド、メルトブローン、スパンメルト、スパンレースド、溶剤紡糸、電界紡糸、カーディング、フィルムフィブリル化、メルトフィルムフィブリル化、空気積層、乾式積層、湿式積層を施したステープルファイバー、ハイドロエンタングルド、及び当該技術分野で周知の、部分的にあるいは全体的にポリマー繊維から形成されたその他の不織布ウェブ材料が挙げられるが、これらに限定されない。非限定的な実施例では、不織布は、メルトブローン層を備える。追加的に、又は代替的に、不織布は、スパンボンド層を備えてもよい。非限定的な実施例では、不織布は、2層以上のスパンボンド層を備える。更なる非限定的な実施例では、1つ以上の不織布は、SMS構成を備えてもよい。それに代わって、不織布のうちの1つ以上は、メルトブローン層を有していなくてもよい。いくつかの実施形態では、不織布は、スパンボンド層から本質的になる。いくつかの非制限的な実施例では、第1の不織物及び第2の不織布はいずれも、少なくとも2層のスパンボンド層、又は3層以上のスパンボンド層を備える。
【0031】
この不織布ウェブは、主にポリマー繊維で形成されてもよい。いくつかの実施例では、好適な不織布繊維材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン、又は具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及び/又はこれらのブレンドなどのポリマー材料が挙げられてもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、繊維は、米国特許第5,266,392号に記載されているものなどのPP/PEブレンドから形成されていてもよい。不織繊維は、脂肪族ポリエステル、熱可塑性ポリサッカライド、又はその他のバイオポリマーなどの成分から形成されてもよい、又はそれらの成分を、添加剤又は改質剤として含んでもよい。更なる有用な不織布、繊維組成物、繊維及び不織布の形成、並びに関連する方法は、米国特許第6,645,569号、同第6,863,933号、及び同第7,112,621号、並びに米国特許出願第10/338,603号、同第10/338,610号及び同第13/005,237号に記載されている。不織布層の個々の繊維は、単一成分又は多成分(二成分を含む)であってもよい。多成分繊維は、例えば、コア及びシース配列又は並列配置での種々のポリマー成分を含む、二成分とすることができる。個々の成分は、ポリプロピレン若しくはポリエチレン、又はそれらのコポリマーなどのポリオレフィン、あるいはポリエステル、熱可塑性ポリサッカライド、又はその他のバイオポリマーを含むことができる。更に、この不織布は、例えば、上記のポリマー繊維の種類から選択される、種々の繊維のブレンドを含んでもよい。いくつかの実施例では、それらの繊維の少なくとも一部は、螺旋形状を有するスパイラル捲縮を示しても良い。一例によれば、それらの繊維は、個別の繊維である、二成分の繊維を含むことができ、それぞれが、異なる材料、通常、第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料を含む。並列型二成分繊維を使用することは、それらの繊維にスパイラル捲縮を付与するために有益であると考えられている。潜在的に好適な捲縮又は「牽縮」二成分繊維及びこれらから形成される不織布の例は、米国特許第5,382,400号、同第5,418,045号、同第5,707,468号、同第6,454,989号、同第6,632,386号、同第5,622,772号及び同第7,291,239号に記載されている。本明細書の目的のために、例えば、直前に引用されている特許及び/又は特許出願に記載されているものなどの、二成分又は多成分のひだ付き繊維から形成される不織布の使用は、1つ又は両方の不織物層として望ましい場合があるが、その理由は、これらが、特に手触りが柔らかく感じることができ(着用者にとって内側が快適であり、外側は審美的に感じのよい印象になる)、一般にかなり柔軟性に富むからである。その他の非限定的な実施例では、不織布は捲縮繊維を有していなくてもよい。
【0032】
積層体10が1つ超の不織布を含む場合、不織布は、同じ坪量又は異なる坪量を有していてもよい。同様に、不織布は、同じ層構成(例えば、SSS)又は異なる層構成(例えば、SMS)を備えてもよい。
【0033】
エラストマー層14は、層14の少なくとも一部に弾性をもたらす1つ以上のエラストマー性材料を含む。エラストマー性材料の非限定的な実施例としては、フィルム(例えば、ゴム及び/又はその他の高分子材料由来のフィルム、ポリウレタンフィルム)、別の基材に塗布されたエラストマーコーティング(例えば、ホットメルトエラストマー、エラストマー性接着剤、印刷エラストマー、又は別の基材に共押出されたエラストマー)、エラストマー性不織布、スクリム等が挙げられる。エラストマー性材料は、スチレン誘導体(SIS、SBS、SEBS、SEEPS、SEPS、SIBSなど)、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルアミド、ポリオレフィン(ホモ、ランダム、ブロック、コポリマーなど)、これらの組み合わせを含むエラストマー性ポリマー、又は共押出されたVISTAMAXX(登録商標)が挙げられるがこれに限定されない任意の好適な公知のエラストマーから形成され得る。例示的なエラストマー及び/又はエラストマー性材料は、米国特許第8,618,350号、同第6,410,129号、同第7,819,853号、同第8,795,809号、同第7,806,883号、同第6,677,258号、及び米国特許公開第2009/0258210号に開示されている。市販されているエラストマー性材料としては、KRATON(スチレン系ブロックコポリマー;Kraton Chemical Company(Houston、TX)から入手可能)、SEPTON(スチレン系ブロックコポリマー;Kuraray America,Inc.(New York、NY)から入手可能)、VECTOR(スチレン系ブロックコポリマー;TSRC Dexco Chemical Company(Houston、TX)から入手可能)、ESTANE(ポリウレタン;Lubrizol,Inc.(Ohio)から入手可能)、PEBAX(ポリエーテル系ブロックアミド;Arkema Chemicals(Philadelphia,PA)から入手可能)、HYTREL(ポリエステル;DuPont(Wilmington,DE)から入手可能)、VISTAMAXX(ホモポリオレフィン及びランダムコポリマー、並びにランダムコポリマーのブレンド、EXXON Mobile(Spring,TX)から入手可能)、VERSIFY(ホモポリオレフィン及びランダムコポリマー、並びにランダムコポリマーのブレンド、Dow Chemical Company(Midland,Michigan)から入手可能)、及びINFUSE(Dow Chemical Companyから入手可能なブロックコポリマー)が挙げられる。
【0034】
非限定的な実施例では、エラストマー層14はフィルム15を備える。フィルムは、単一層又は複数層を含み得る。フィルムは伸長性であってもよい、又は横方向及び/若しくは長手方向に弾性であってもよい。フィルムは、例えば米国特許第9,533,067号に開示されているように予め活性化されていてもよい。非限定的な例では、エラストマー層は、本明細書のエラストマー層ヒステリシス試験方法に従って、各範囲についてこの範囲内の0.1N/インチの増分毎に記録して、約3N/インチ~約5N/インチ、又は約3.7N/インチ~約4.3N/インチの平均F200PS、及び/又は約1N/インチ~約2.75N/インチの平均F200FCを含む。
【0035】
エラストマー層は、積層体の1つ以上の寸法において、積層体自体よりも短くてもよい。例えば、エラストマー層は、延伸方向における最大寸法Yを含み得、積層体は、延伸方向における最大寸法Wを含み得る。様々な実施形態において、延伸方向は横方向である。最大寸法は、積層体が弛緩状態にあるときに測定される。非現実的な例において、Yは、Wよりも少なくとも10mm、小さくてもよい。特定の実施形態では、Yは、各範囲についてこの範囲内の5%の増分毎に列挙して、Wの少なくとも約20%、又は約25%~約100%、又は約35%~約85%、又は約80%以下である。様々な実施形態において、延伸方向は横方向である。追加的に、又は代替的に、エラストマー層は、積層体の1つ以上の寸法に等しい寸法を有してもよい。例えば、エラストマー層は、積層体の横方向幅全体にわたって、積層体の実質的に同じ長手方向長さを備えてもよい。いくつかの実施形態では、エラストマー層は、約5~約150gsm、又は約10~約100gsm、又は約150gsm未満の坪量を有してもよく、各範囲についてこの範囲内の5gsm増分毎に列挙する。
【0036】
図2を参照すると、積層体10は、エラストマー材料14の周囲によって画定される一次領域18と、1つ以上の非弾性領域20、22と、を備え得る。一次領域18は、弾性領域32と、1つ以上の非延伸ゾーン34と、を含む。弾性領域では、積層体は、弾性的に伸長性である。非延伸ゾーンでは、積層体は、エラストマー層の存在にもかかわらず弾性ではない場合がある。いくつかの実施形態では、一次領域の面積は、積層体の総面積の少なくとも約20%、又は約30%~約100%、又は約80%以下を含み、当該範囲についてこの範囲内の5%の増分毎に列挙される。弛緩状態では、弾性領域32は、延伸方向における最大寸法Xを備え得る。非限定的な実施例では、XとYとの比は、少なくとも約0.7、若しくは約0.75、又は約0.5~約0.95であり、当該範囲についてこの範囲内の0.05の増分毎に列挙される。
【0037】
1つ以上の非延伸ゾーン34は、延伸方向における集計最大寸法Wdを含み得る。集計最大寸法は、延伸方向に重なり合うことのない、積層体が弛緩状態にあるときに取られた個々の非延伸ゾーンの延伸方向における最大寸法の合計である。いくつかの実施形態では、1つ以上の非延伸ゾーンは、第1の非延伸ゾーン34aと、第2の非延伸ゾーン34bと、を含む。第1の非延伸ゾーンは、延伸方向における第1の最大寸法Wd1を備え得、第2の非延伸ゾーンは、延伸方向における第2の最大寸法Wd2を備え得る。
図2に示される実施形態では、集計最大寸法Wdは、Wd1とWd2との和である。非限定的な例において、弾性領域は、第1の非延伸ゾーンと第2の非延伸ゾーンとの間に配設される。例えば、
図2に示されるように、第1の非延伸ゾーン34aは、積層体が物品に取り付けられているとき、弾性領域の横方向内側にあり、第2の非延伸ゾーン34bは、弾性領域の横方向外側にある。個々の非延伸ゾーンの最大寸法は、延伸方向に垂直な線に沿って実質的に同じ位置に配され得る(例えば、延伸方向が横方向である場合、Wd1とWd2は同じ長手方向位置に配され得る)。
【0038】
第1の最大寸法Wd1は、第2の最大寸法Wd2と同じであり得る。それに代わって、第1の最大寸法Wd1は、第2の最大寸法Wd2とは異なり得る。非限定的な例において、Wd2は、Wd1よりも大きい。例えば、吸収性物品の耳部が積層体を含む場合、第2の非延伸ゾーンは横方向においてより広くなり得、締結システムを耳部により確実に接合し、エラストマー材料と重ね合わせることが可能となる。一次領域18において、特に非延伸ゾーン34bにおいて、締結システムを耳部に接合することは、使用及び/又は張付けの間の耳部/締結システムの組み合わせの全体的な強度を改善することになる。理論に束縛されるものではないが、無傷の不織布はエラストマー性層の延伸に対して抵抗性を有するので、超音波結合された積層体から形成される耳部の破損は外側縁部11の近くの非弾性領域内で最初に生じ、したがって、非延伸ゾーンにおける締結システムの接合は、耳部の非弾性部分に対する応力を低減すると考えられる。非限定的な例では、Wd2とWd1との比は、少なくとも約3、若しくは少なくとも約2、若しくは約1.5、又は約1.25~約3であり、当該範囲について0.5の増分毎に列挙される。一次領域に締結システムを取り付けることにより、好適な強度を提供する上で、後耳部の形状への必然的な依存は小さくなる。
【0039】
様々な実施形態において、Wdは、約13mm以下、又は約12mm以下、又は約10mm以下、又は約6mm以下、又は約2mm~約13mm、又は約3mm~約12mm、又は約5mm~約10mmであり得、各範囲についてこの範囲内の1mmの増分毎に列挙される。それに加えて、あるいはそれに代わって、Wd1又はWd2は、約6.5mm以下、又は約6mm以下、又は約3mm以下、又は約2mm以下、約1mm~約6.75mm、又は約1.5mm~約6.5mm、であり得、各範囲についてこの範囲内の0.1の増分毎に列挙される。
【0040】
非限定的な例において、WdとYとの比は、0.45以下、又は0.375以下、又は0.27以下、又は0.25以下、又は0.2以下、又は約0.05~約0.45、又は約0.1~約0.4であり、各範囲についてこの範囲内の0.05の増分毎に列挙される。それに加えて、あるいはそれに代わって、Wd1とXとの比は、0.9以下、又は0.4以下、又は0.25以下、又は約0.05~約0.9、又は0.2~約0.4であり、各範囲についてこの範囲内の0.05の増分毎に列挙される。
【0041】
積層体は、少なくとも約12N、又は少なくとも約20N、少なくとも約25N、又は少なくとも約30N、又は少なくとも約40N、又は少なくとも約45N、又は約12N~約75N、又は約20N~約70N、又は約30N~約65N、又は約35N~約45Nの角度最大ピーク力を備え得、本明細書における角度最大ピーク力試験方法に従って、各範囲についてこの範囲内の1Nの増分毎に列挙される。それに加えて、あるいはそれに代わって、積層体は、1000gmの力における少なくとも約30mm、又は少なくとも約40mm、又は約20mm~約60mm、又は約30mm~約50mmの伸長を含み得、本明細書の耳部伸長試験方法に従って、各範囲についてこの範囲内の1mmの増分毎に列挙される。
【0042】
重要なことに、角度最大ピーク力及び/又は伸長は、本明細書に記載のより小さな寸法の非延伸ゾーンを伴っても達成され得る。更に、非延伸ゾーンを、エラストマー材料の一方の縁部上でわずか2~3mmだけ減少させることにより、弾性領域を内側(例えば、吸収性物品の耳部上で横方向内側に)移動させること、及び/又は延伸方向における弾性領域の全体的な寸法を増加させることが可能となり得る。積層体が吸収性物品耳部を形成する実施形態では、耳部に接合された締結システムは、意図された使用のために延伸されたときに延伸方向に引張力を及ぼす。非延伸ゾーンを低減することにより、そのような引張力をエラストマー材料上により均一に分布させることができ、剪断応力及び/又は捩れたりロープ状となったりする(すなわち、延伸方向に垂直な方向に高さが減少する)傾向が低減され得るが、次いでそれによって、フィット性が向上し、皮膚のあざ/斑点が低減される。加えて、引張力分布を改善することによって、より低い坪量のエラストマー材料が使用され得る。更に、弾性領域を内側又は外側に位置決めすることにより、伸長対引張力曲線をシフトさせることができる。このシフトのゆえに、既知の構成と比べて、より低い力又はより高い力で所与の伸長が達成され得るが、それによって設計におけるより多くの自由度がもたらされる。
【0043】
表1は、既知の耳部積層体と本発明の実施例との比較を提供する。
【0044】
【0045】
図2に示されるように、積層体は、1つ以上の非弾性領域を更に備えてもよい。特定の実施形態では、積層体10は第1の非弾性領域20を備え、該第1の非弾性領域20は、積層体の第1の積層体縁部9から横方向外向きに延在し、また第1のエラストマー材料縁部17において一次領域18に隣接する。積層体は、第2の非弾性領域22を更に含んでいてよく、該第2の非弾性領域22は、第2の積層体縁部11から横方向内向きに延在し得、また第2のエラストマー性材料縁部19において一次領域18に隣接し得る。第1の非弾性領域及び第2の非弾性領域は、同じ材料(複数可)で作製されてもよく、又は異なる材料で作製されてもよい。
【0046】
図3を参照すると、積層体10は、エラストマー材料と不織布層の少なくとも1つとの間に配設された補強特徴部50を更に備え得る。補強特徴部は、積層体に強度を提供するのに役立つ。補強特徴部の非限定的な例としては、接着剤、熱又は圧力結合部などの追加の結合部52、別個の材料層及び/又は折り畳まれた材料を含む追加の基材層54、並びにそれらの組み合わせを含む。追加の基材層54は、不織布、エラストマー材料、又はそれらの組み合わせを含み得る。追加の基材層54は、第1の不織布、第2の不織布及び/又はエラストマー層と同じ材料を含み得、あるいは、追加の基材層54は、前述の層のいずれとも異なる材料を含み得る。
【0047】
積層体10は、積層中に層のうちの一層(理想的には弾性層)が残りの層よりも大きく歪むギャザー付き積層体24を含む。このように、低伸長性層(すなわち、不織布12、16)は、積層体24が弛緩状態にあるとき、ギャザーを形成する。いくつかの実施形態では、エラストマー層の少なくとも一部は、積層中に不織布(複数可)が弛緩状態にある間に歪む。エラストマー層は、1つ以上の方向に延伸されてもよい。次いで、その後に形成された積層体24が弛緩した状態にあるときに、不織布層内にひだが形成される。ギャザー付き積層体を作製する場合、エラストマー層は、延伸方向(すなわち、最終製品における延伸の意図された方向)に延伸される。延伸方向は、横方向であってもよい。非限定的な実施例では、エラストマー層は、物品の横方向に対応する方向に延伸される。換言すれば、積層後に積層体がシャーシに接合されたとき、積層体は、積層体が物品の横方向に延伸可能となる(すなわち、積層体が横方向に伸長性となる)ように配向される。
【0048】
特定の実施形態では、積層体は、本明細書における空気透過性試験方法に従って少なくとも約1m3/m2/分、又は約1m3/m2/分~約125m3/m2/分、又は約2m3/m2/分~約50m3/m2/分の通気性値を有し得、各範囲についてこの範囲内の1m3/m2増分毎に列挙する。
【0049】
いくつかの実施形態では、積層体は、接着剤を有していなくてよい。
【0050】
積層体は、特に延伸状態における、積層体を通る透明性を低減するための不透明化材料を含み得る。TiO2などの乳白剤が、当該層の形成前、形成中、又は形成後に、積層体層のうちの1つ以上に添加されてもよい。それに加えて、あるいはそれに代わって、前駆体材料の不透明度は、配合、坪量、層の数、層の構成(例えば、SMS対SS)又はそれらの任意の組み合わせを介して増強され得る。非限定的な例では、不織布層は、エラストマー材料が存在しないエリアにおいて変更され、それによって、当該領域における透明度が低減され得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、積層体層は、色及び/又は不透明度において調和するように構成されてもよく、その結果、全ての積層体層が存在しないエリアにおいても、積層体全体にわたって均一な外観をもたらされ得る。
【0051】
積層体を作製する方法
本方法の構成の後続の考察に、更なる状況を提供するのを助けるために、以下では、本明細書に開示される方法に従って動作するように構成され得る装置の説明が提示される。
図4A~
図4Cは、本発明の積層体を組み立てるように構成された装置400の概略側面図を示す。
図4A~
図4Cに示されるように、本装置はアンビル402を含み、該アンビル402は、円筒形状の外周表面404を有し、第1の回転軸406を中心として第1の方向Dir1に回転するように適合されている。第1の方向Dir1は
図4Aにおいて時計回りとして示されているが、アンビル400は、第1の方向Dir1が反時計回りになるように回転するように構成され得ることを理解されたい。以下でより詳細に論じられるように、基材(例えば、不織布)とエラストマー材料は、回転アンビル402上で組み合わされて弾性積層体を形成し得る。アンビルロール402は、第1の側部408と第2の側部410との間において横方向の最大幅Waを有する。アンビル402は、1つの積層体のみがアンビル402上にある時点で生成される単一のレーン453であってもよく、あるいはエラストマー材料の2つ以上のストリップ(又は他の積層体層(複数可)のストリップ)がそれらのレーンにおいてそれぞれに処理され得る複数のレーン453を含んでよく、それら複数のレーンでは、例えば、Lenserらの米国特許第10,568,775号に記載されているものと同様に、複数の積層体が形成され得る。
【0052】
図4Bに示されるように、アンビル402は、より具体的には、外周表面404はまた、真空圧力源405と流体接続され得る。したがって、真空空気圧を使用して、作動中に基材及び弾性材料をアンビル402の外周表面404上に保持するのを助けることができる。例えば、
図4B~
図4C及び
図6Aを参照すると、アンビルロール402の外周表面404は、真空圧力源405と流体接続された複数のアパーチャ414を含み得る。次に、アパーチャ414は、最大幅Wvにわたって横断方向CDに延在し得る作動真空ゾーン415を画定している。明確にするため、破線415x、415yが
図4Cに示され、作動真空ゾーン415の例示的な境界が表されている。作動真空ゾーンの最大幅Wvは、アンビルの最大CD幅Waよりも小さくてもよい。アンビル上のレーンは、アンビルに沿って延在するか、あるいは処理中の延伸した材料ストリップの最大CD幅にわたって延在する、機械方向障壁又はナブの間に延在する最大CD幅WLのいずれか大きい方を備え得る。作動真空ゾーンの最大幅Wvは、レーンの最大CD幅WL未満であり得る。作動真空ゾーンの最大幅Wvは、レーンの最大幅WLの約20%、又は約15%、又は約10%以下であり得る。様々な実施形態では、作動真空ゾーンは、アンビルの横断方向中心線450と重なり合うことがなく、かつ/又は1つ以上のレーン453の横断方向中心線451と重なることがない。このようにして、作動真空ゾーンは、基材及び/又は弾性材料の縁部を押さえつけるが、このことは、エラストマー材料及び/又は基材の残りの部分(例えば、中央部分)がアンビルに対して押さえつけられることを確実にするのに十分であり得る。明確にするために、
図4A~
図4Cにおいては一致するものとして示されているが、レーンの中心線451は、アンビルが1つのレーンのみを含む場合でも、アンビル450の中心線と一致しないことがあることを理解されたい。
【0053】
例えば、
図4Cに示されるように、アンビル402はまた、第2の作動真空ゾーン415aを含み得る。第2の作動真空ゾーンは、作動真空ゾーン415に関して開示された特徴及び寸法のいずれかを含み得る。第2の作動真空ゾーンは、当該範囲についてこの範囲内の5%の増分毎に列挙して、レーンの最大幅WLの少なくとも約10%、又は少なくとも約25%、又は少なくとも約50%、又は約10%~約70%であり得る横方向の距離DSだけ、作動真空ゾーン415から分離され得る。非限定的な例では、DSは、約10mm~約60mm、又は約25mm~約40mmであり、各範囲についてこの範囲内の5mmの増分毎に列挙される。
【0054】
図6A及び
図6Bに見られるように、アンビルは、複数の非作動アパーチャ413を更に備え得る。非作動アパーチャは、本発明による組み立ての間、真空圧力源に流体接続されず、かつ/又は表面404において閉鎖されない。アンビルは、異なるプロセスのための異なるアパーチャの使用を可能にするように構成され得る。したがって、アンビルは、作動アパーチャ414と非作動アパーチャ413との両方を含み得、作動アパーチャ414は作動真空ゾーンを形成する。それに加えて、あるいはそれに代わって、アンビルは、
図7A~
図7Cを参照して以下でより詳細に論じられるように、構成可能なチューブ460の使用によって作動及び非作動真空領域を画定するように構成された機械加工アンビル402aを備え得る。
【0055】
図4A~
図4Cに戻ると、(エラストマー材料14であり得る)エラストマー材料200は、スプレッダ機構412を介して(あるいはリングローリングなどの他の既知の作動化プロセスを介して)作動化され得る。エラストマー材料は、ベース弾性層と、スキンとしても知られる表面層と、を含み得る。作動化の間、エラストマー材料は、スキンを塑性変形させるように伸長又は延伸され得るが、その結果、顕微鏡下で見られたとき、微細波形へと圧密化されている。そのような微細波形は、エラストマー材料の伸長力への皮膚の寄与を低減するのに役立ち得る。
図4A~
図4Cを引き続き参照すると、装置400はまた、スプレッダ機構412を含み得る。
図5Bを参照して以下でより詳細に論じられるように、スプレッダ機構412は、弾性積層体アセンブリプロセス中に、初期CD幅Wiから第1の伸びW1まで弾性材料を横断方向に延伸することによって弾性材料を作動化するように動作し得る。任意選択的に、延伸弾性材料は、第2の伸びW2に圧密化され得、第2の伸びは、第1の伸びよりも小さくてもよい。
図4Aに戻ると、弾性材料は、スプレッダ機構412から回転アンビル402上の基材の上へと前進される。装置400は、例えば、米国特許出願第62/374,010号、同第62/406,025号及び同第62/419,515号に開示されているような様々な方式で構成された複数のスプレッダ機構を含み得ることを了解されたい。非限定的な例では、エラストマー材料は、Lenserらの米国特許第10,568,776号に記載されているようなリングローリングプロセスを使用して作動化され得る。エラストマー材料の2つ以上のストリップが、各レーンのスプレッダ機構412によって個々のレーン453内で延伸され得ることを理解されたい。スプレッダ機構は、異なるMD位置に配設され得る。
【0056】
図4A~4Eに示されるように、スプレッダ機構412は、傾斜ディスクを伴って構成され得る。例えば、スプレッダ機構412は、第1のディスク416及び第2のディスク418を含み得、第1のディスク416は、回転軸406に沿って第2のディスク418から変位される。第1のディスク416は、回転軸416aを中心に回転するように適合され、第2のディスク418は、回転軸418aを中心に回転するように適合され、第1及び第2のディスク416、418は、第1の方向Dir1の反対側の第2の方向Dir2に回転する。第2の方向Dir2は
図4Aにおいて反時計回りとして示されているが、ディスク416、418は、第2の方向Dir2が時計回りになるように回転するように構成され得ることを理解されたい。加えて、第1のディスク416は、内部縁416cと外縁部416dとの間で軸方向に延在する外側リム416bを含み、第2のディスク418は、内部縁418cと外縁部418dとの間で軸方向に延在する外側リム418bを含む。
【0057】
図4A~
図4Dに示されるように、第1のディスク416及び第2のディスク418は、外側リム416b、418bが、第1の場所420における最小距離Dminから第2の場所422における最大距離Dmaxまで増加する距離Dだけ互いに分離されるように、互いに対して傾斜している。以下で論じられるように、弾性フィルムなどの弾性材料は、動作中に外側リム416b、418b上へと機械方向に前進され得る。第1及び第2のディスク416、418が傾斜しているため、ディスク416、418の回転によって、リム416b、418bは弾性材料の縁部領域を引っ張り、弾性材料を横断方向CDに延伸することによって弾性材料を作動化することになる。ディスク416、418は、動作中に弾性材料の対向する縁部領域を把持するのを助けるように構成された係合部分419を備え得る。例えば、
図4D及び
図4Eを特に参照すると、第1のディスク416及び第2のディスク418は各々、リム416b、418bから半径方向内向きに延在するチャネル424を含み得る。次に、チャネル424は、真空圧力源405と流体接続され得る。したがって、動作中に弾性材料をリム416b、418b上に保持するのを助けるために、真空空気圧が用いられ得る。ディスク416、418はまた、弾性材料が真空空気圧によってチャネル424内に引き込まれるのを防ぐのを助けるために、チャネル424を横切って延在する支持部材426を含み得る。
図4D及び
図4Eに示されるように、ディスク416、418はまた、リム416b、418bから半径方向外向きに突出するナブ428を含み得る。したがって、ナブ428はまた、弾性材料を延伸しながら、弾性材料の縁部領域がリム416b、418bに沿って摺動するのを防止するのを助けるように作用し得る。追加のナブ428は、チャネル424の内側又は外側に位置付けられ得ることを理解されたい。更に、ナブ428はまた支持部材426上に位置付けられ得る。
【0058】
上述のように、延伸弾性材料と基材は、アンビル402上で組み合わされる。次いで、組み合わされた基材と弾性材料はアンビル402上で一緒に接合されて、弾性積層体を形成し得る。
図4A及び
図4Bに示すように、装置400は、アンビル402に隣接する1つ以上の超音波機構430を含み得る。超音波機構430は、1つ以上のホーン432を含み得、アンビル402上の組み合わされた基材と弾性材料に超音波エネルギーを与えるように構成され得ることを理解されたい。
図4Fに示されるように、アンビルロール402は、アンビル402の外周表面404から半径方向外向きに延在する複数のパターン要素434を含み得る。したがって、超音波機構は、回転するアンビル402上でホーン432を超えて前進されている基材及び弾性材料に対して概ね垂直な方向にホーン432が急速に振動するような周波数及び振幅でホーンの共振を発生させるように、ホーン432にエネルギーを印加し得る。ホーン432の振動は、アンビル402上のパターン要素434によって支持される領域内で基材及び弾性材料を共に融着及び接合するための熱を発生させる。超音波機構の各態様は、例えば、米国特許第3,113,225号、同第3,562,041号、同第3,733,238号、同第6,036,796号、同第6,508,641号、及び同第6,645,330号に開示されているものなど、様々な方式で構成され得ることを理解されたい。複数のレーンは、非限定的な実施例において、それぞれ独自の超音波機構を有し得る。いくつかの構成では、超音波機構は、例えば、Herrmann Ultrasonic,Inc.から入手可能な、線形振動型ソノトロードとして構成されてもよい。いくつかの構成では、ソノトロードは、横断方向CDに一緒に入れ子にされた複数のソノトロードを含んでもよい。
【0059】
装置は、積層体を組み立てるための様々な方式で動作し得る。好適なスプレッダ構成は、Lenserらの米国特許第10,568,776号に開示されている。
【0060】
図5Aに示される様々な実施形態において、第1の基材202(第1の不織布12であり得る)は、回転するアンビル402上へと機械方向MDに前進する。より具体的には、第1の基材202は、第1の表面204と、対向する第2の表面206と、を含み、第1の基材202は、第1の表面204を回転アンビル402の外周表面404上に巻き付けるように前進する。組み立てプロセス中、スプレッダ機構412は、弾性材料208を横断方向CDにおいて第1の伸びへと延伸することによって、エラストマー材料208(例えば、エラストマー層14、フィルム15)を作動化する。弾性材料208は、第1の基材202の第2の表面206と接触するように位置付けられる。次に、弾性積層体200(すなわち、積層体10)は、アンビル402上の第2の基材210(例えば、第2の不織布16)と共に第1の基材202と弾性フィルム208とを超音波接合することによって形成され得る。より具体的には、第2の基材210は、第1の表面212及び対向する第2の表面214を含み、第2の基材210は、第1の表面212を弾性材料208及び第1の基材202の第2の表面206と接触させるように前進する。
【0061】
図5Aを引き続き参照すると、アンビル402が回転すると、第1の基材202、弾性材料208、及び第2の基材210は、アンビル402の外周表面404と超音波ホーン432との間で前進される。次に、超音波ホーン432は、第1の基材204と、延伸された弾性フィルム208と、第2の基材210と、を一緒に接合して、弾性積層体200を形成する。次いで、弾性積層体200は、アンビル402から追加の吸収性物品アセンブリプロセスに前進し得る。弛緩状態では、弾性材料208の中央領域は、横断方向CDに収縮(すなわち、波形化)される。超音波接合プロセスの間、超音波ホーン432から弾性積層体200に付与される接合は、アンビル402の外周表面404から半径方向外向きに延在する複数のパターン要素434によって画定されるパターン及び/又は形状に対応し得ることを理解されたい。弾性積層体200は、様々な方法で一緒に接合され、異なる又は同一の接合パターンを有する構成要素の様々な部分を含み得ることを理解されたい。例えば、弾性材料208は、第1及び/又は第2の基材202、210と一緒に接合され得、第1の基材202は、弾性積層体200のエリアで第2の基材210に直接接合され得る。装置400は、例えば、米国特許第6,572,595号に開示されているものなど、様々なタイプの接合構成を生成するように適合され得ることを理解されたい。
【0062】
図5Bに示されるように、スプレッダ機構412は、初期の伸びEiを有する初期幅Wiから、第1の伸びE1を有する第1の幅W1へと横断方向CDにおいて弾性材料208を延伸することによって、弾性材料208を作動化する。
図5A及び
図5Cを特に参照すると、弾性材料208は、第1の縁部216aと、横断方向CDに第1の縁部216aから分離された第2の縁部216bと、を含む。加えて、弾性材料208は、第1の縁部216aに隣接する第1の縁部領域208aと、第2の縁部216bに隣接する第2の縁部領域208bと、を含む。第1の縁部領域208Aは、中央領域208Cによって横断方向CDに第2の縁部領域208Bから分離されている。
図5A及び
図5Bに示されるように、弾性材料208は、スプレッダ機構412の上流の第1の縁部216aと第2の縁部216bとの間において横断方向CDに初期幅Wiを規定し得る。弾性材料208は、第1の位置420又はその下流において機械方向MDにスプレッダ機構412上へと前進する。弾性材料208は、スプレッダ機構412上へと前進する間、横断方向CDにおいて初期幅Wiにあり得ることを理解されたい。弾性材料208は、スプレッダ機構412の上流において弛緩状態にあり得ることも理解されたい。
【0063】
図5B~
図5Cに示されるように、弾性材料208の第1の縁部領域208aは、スプレッダ機構412の第1のディスク416の外側リム416b上へと前進し、第2の縁部領域208bは、第2のディスク418の外側リム418b上へと前進する。スプレッダ機構412の第1及び第2のディスク416、418の外側リム416b、418bは、半径方向に突出するナブ428を含むなど、係合部分419を含み得る。したがって、
図5Cに示されるように、弾性材料208の第1の縁部領域208aは、係合部分によって外側リム416b上の定位置に保持され得る。同様に、弾性材料208の第2の縁部領域208bは、係合部分によって外側リム418b上の定位置に保持され得る。
【0064】
図6A及び
図6Bを参照すると、それぞれにレーン453が示されており、アンビル402の外周表面404は、真空源405と流体接続され得、したがって、真空空気圧は、アンビル402上の第1の基材202に適用され得る。加えて、第1の基材202が不織布などの多孔質基材として構成されている場合、真空空気圧もまたアンビル402上の弾性材料208に適用され得、したがって、アンビル402上にある間の弾性材料208の延伸状態を維持するのに役立ち得る。更に、上述のように、アンビルは、1つ以上の作動真空ゾーン415、415aを含む。
【0065】
作動真空ゾーンは、横断方向における最大幅Wvを含む。様々な実施形態において、作動真空は、名目上、第1及び第2の部分452、454へのものである。第1の部分452は、係合部分419と作動真空との間の重なり合いのエリアから、レーンの中心線451に向かって内側に延在する。第1の部分は、横断方向におけるVZiの幅を含む。第2の部分454は、作動真空ゾーンの残りの幅である。すなわち、第2の部分は、係合部分419の外側に(レーンの中心線451から離れて)延在する最大幅の部分である。第2の部分は、横断方向におけるVZoの幅を含む。第1の部分VZiの幅は、第2の部分VZoの幅よりも大きい。VZiとVZoとの比は、1より大きい。非限定的な例において、VZiとVZoとの比は、2超、又は3超、又は5超である。いくつかの実施形態において、真空アパーチャの1つ以下のMD列は、スプレッダディスクの係合部分の外側に位置付けられる。非限定的な例において、VZoは、約0.5mm~約3mmであり、当該範囲についてこの範囲内の0.1mmの増分毎に列挙される。更なる非限定的な例では、VZoはゼロであり、係合部分の外側に作用真空はない。これらの構成では、非延伸ゾーンWd1、Wd2の幅は、作用真空VZoの第2の部分の幅よりも小さい。記載されているようにVZoは比較的小さい場合があるが、エラストマー材料の縁部とアンビルとの間の漏れ空気流のより低い静圧に起因して、エラストマー材料は依然としてアンビルに対して圧縮され得、ここで、当該空気流は高速であり得る。エラストマー材料の縁部はまた、供給源の真空静圧によってアンビルに対して封止することができる。高速の漏れ空気流は、高い静圧を介して封止を開始し得る。
【0066】
加えて、第1の部分452は、レーンの中心線451及び/又はアンビルの中心線450まで延在していなくてもよい。非限定的な例において、第1の部分452は、それぞれのスプレッダディスクの内縁部418c、416cの最外方において、スプレッダディスクの内縁部418c、416cの外側にある(すなわち、アンビルの中心線から離れている)。
【0067】
図6Aを参照すると、使用中、作動真空ゾーン415は、エラストマー材料の縁部領域208b、208aのうちの1つと重なり合う関係をなして位置付けられる。第2の作動真空ゾーン415aは、縁部領域の他方と重なり合う関係に位置付けられ得る。作動真空幅の大部分は、それぞれのエラストマー縁部216a、216bの内側に配設される。
【0068】
理論に束縛されるものではないが、第1の部分は、弾性材料208の滑りを防止するためにアンビル402に対して弾性材料を保持するのに十分な動作的な垂直力を提供し、第2の部分は主に、第1の基材に対して弾性材料が平坦に載置されることを確実にし、それによって、しわ、縁部の誤整列、折り畳み、及びギャザーが低減され得る。第2の部分はまた、アンビルからのエラストマー材料の移動を助ける。
【0069】
上記に加えて、弾性材料208は、真空による弾性材料の継続的な制御を確実にするために、処理中に追跡されなければならない。弾性材料の動作可能な制御の崩壊は、積層前に所望されるよりも狭い幅に、細長い弾性材料を収縮させることになり得るが、その結果、最終製品が使用不可となり得る。既知の方法及び装置では、特に歯アシスト傾斜ディスクスプレッダ機構の場合、作動真空領域のCD幅がスプレッダの真空ゾーンと比べて相当により広くなり、かつ/又はより高い差圧を必要とし得ることは考慮されていない。幅VZoを低減することは、ウェブ又は材料縁部の通常の誤追跡又は誤整列に対して装置を感受性の低いものにすることによって、プロセスの堅牢性を改善することになり得る。複数のMD配向真空孔の狭い領域によって支援される、スプレッダディスク上の複数の歯の周りの全巻き角は、スプレッダと弾性材料との動作係合を実質的により効果的にし、弾性材料の位置をアンビルに対して制御するのを助け得る。更に、作動真空を内側に移動させることによって、非延伸ゾーンの幅が低減され得、またエラストマー材料の使用がより少なくされ得、結果として、エラストマー材料のより効率的な使用がもたらされる。
【0070】
装置400は、吸収性物品組立プロセスの一部としてオンラインで動作するように構成され得るが、本明細書の装置400の態様は、様々な方式で構成され得、様々なタイプの材料及び/又は構成要素から弾性積層体200を組み立てるように動作し得ることを理解されたい。例えば、いくつかの構成では、弾性積層体アセンブリ動作は、例えば、弾性積層体をオフラインで組み立てるなど、最終的な組み立てプロセスとは別に実施されてもよく、ここで弾性積層体は、生産に必要となるまで保管され得ることを理解されたい。例えば、弾性積層体組み立て動作は、使い捨て吸収性物品を製造するための専用の加工ラインとは別に、別個の組み立てライン上で達成されてもよい。個別のライン上での組み立ての後、弾性積層体は、連続的な弾性積層体のロールの形態などとして、吸収性物品加工ラインに送達され得る。連続的な弾性積層体のそのようなロールは、遊星式で巻回されても、横方向に巻回されてもよいことを理解されたい。また、弾性積層体組み立てプロセスは、物品組み立てプロセス中にオンラインで行われ得ることも理解されたい。
【0071】
図7A~
図7Cを参照すると、上記のように、アンビルは、機械加工アンビル402aを備え得、作動及び非作動真空領域を画定するための構成可能な管460を備え得る。既知の構成可能なアンビルは、複数の整流ディスクから形成される。整流ディスクのうちの1つ以上は、低減された静圧のプレナムを基材又は弾性材料の表面と動作可能に接続するために使用され得る。個々の製品サイズ/設計のための特有のアンビルを回避するために、そのようなアンビルは一般に、複数の整流ディスクに真空を供給し、どの整流ディスクが動作的に作動的であるかを決定するために遮断要素を使用する。このスキームの欠点として、整流器ディスクが当該アンビルの円周上に空隙エリアを形成する可能性があり、該空隙エリアは、作動真空ポートが存在しない場所にある。弾性材料の縁部が空隙エリアと重なり合う場合、アンビルと弾性材料との間に緊密な封止が形成されない場合があり、追加の気流が当該縁部の周りに引き込まれ得る。そのような追加の気流は、弾性材料の表面(例えば、204、206)の間の静圧差を低減するように作用し得、したがって、当該弾性材料の所望の伸長のスナップバック及び損失を引き起こす可能性がある。更に、真空源から真空ポートへの移動によって漏れが生じ得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、アンビル外部表面404と一体又は別個のブロックオフデバイスを使用して、整流ディスク内の空隙領域を充填することができ、これは、真空がより効率的に利用され、弾性材料の所望の位置に向けられ得るため、非延伸ゾーンの更なる低減を可能にし得る。
【0073】
あるいは、アンビルは、金属塊から製作された機械加工アンビル402aを含んでもよい。かかる製作の実質的な利点は、フィルムの縁部の周りの空気漏れの低減であり、したがって、結果として生じる非延伸ゾーンのより良好な真空封止及び/又は計画エリアの低減が可能となることである。機械加工されたアンビルにより、整流ディスクではなく、構成可能なチューブ460が使用され得る。管460は、アンビル内に取り外し可能に配設され、真空源に流体接続されたポート462を備える。ポート462はまた、半径方向コネクタ466を通してアンビルの外周に流体接続されている。真空圧力を作動アパーチャ414に向け、それによって、作動及び/又は非作動真空ゾーンを形成するために、複数の遮断機構464(例えば、弁)が用いられ得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、管460は、アンビルの周囲において代替的な動作可能な真空アパーチャを作動化及び非作動化するために、真空ポートの代替的な構成を有する第2の管と交換されてもよい。この形態の実施形態の利点は、アンビルの周囲における空隙エリアの排除であり得る。当該空隙エリアを排除することは、弾性材料の縁部の周りの漏れ空気流を低減することになり得、弾性材料の表面204、206間のより高い差圧が可能になる。更に、ロール内に真空を供給することによって、漏れが少なくなること、及びそれによって真空がより効率的に使用されることが予想され得る。この機構は、非延伸ゾーン幅が最小又はゼロであっても、アンビル上の伸長した弾性材料の法線力を向上させ、したがって、伸長した弾性材料の改善された動作制御を可能にすると考えられている。更に、上記のように、1つ以上の構成可能な管の使用により、1つのアンビルを異なる生産設計に利用することが可能となる。例えば、構成可能な管上の真空ポートは、異なる構成で作動化されてもよく、あるいは異なる管が同じアンビルと共に使用されてもよい。このようにして、積層体は、1つのレーンに形成され得、他の積層体は、同じアンビル上の複数のレーンに伴って形成され得る。同様に、同じアンビル上に形成された積層体は、寸法、伸長性、非延伸ゾーンの構成などにおいて異なり得る。
【0074】
1つ以上の実施形態では、1つ以上の補強材料50が積層体に追加され得る。補強材料層を形成し組み込むための好適な方法は、Lenserらの米国特許第10,561,537号に開示されている。
図8Aに示されるように、第1の補強層312(例えば、補強基材層54)は、第1の基材202の第2の表面206上へと前進され得る。第1の補強層312は、様々な方式で形成され得ることを理解されたい。例えば、第1の補強層312は、第1の基材202上へと前進する材料の個別のストリップとして示されている。材料の個別のストリップは、締結テープであり得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、追加の補強層314、316はまた、第1の基材202と共にアンビルロール402上へと前進し得る。同様に、第1の基材202及び/又は補強層312、314、316もまた、
図8Aに示されるように、ガイドローラ144の周りに前進し得ることも理解されたい。
図8Bに示される非限定的な例では、基材202は、基材202の各部分を折り畳んで1つ以上の補強層314、316を形成するように動作する折り畳み装置442を通って前進し得る。折り畳み装置は、基材の第1の長手方向縁部320及び/又は第2の長手方向縁部322を横断方向に横方向内向きに折り畳むように動作し得、結果として、
図8Bに示されるように、機械方向及び折り畳み部分324、326が機械方向及び長手方向に延在する折り畳み線330及び折り畳み部分324、326が得られる。折り畳み部分は、補強層314、316として機能する。第2の基材210は、1つ以上の補強層を形成するために同じ様式で折り畳まれ得る。1つ以上の補強層が、第1の基材の第2の表面206とエラストマー材料208b、208aの縁部領域との間に位置付けられ得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、1つ以上の補強層が、第2の基材210の第1の表面212とエラストマー材料の縁部領域208b、208aとの間に位置付けられてもよい。
【0075】
積層体を含む物品
図9を参照すると、本発明の積層体10は、使い捨て吸収性物品などの吸収性物品100に組み込まれてもよい。積層体は、シャーシ取り付け結合部102によってシャーシ120の1つ以上の層に取り付けられてもよい。シャーシ取り付け結合部は、超音波結合部、接着結合部、機械的結合部、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0076】
図9は、平坦な非収縮状態にある、本発明の吸収性物品100の例示的で非限定的な実施形態の平面図である。吸収性物品100の身体に面する表面115が、こちらを向いている。吸収性物品100は、長手方向中心線105及び横方向中心線110を含む。
【0077】
吸収性物品100は、シャーシ120を備える。吸収性物品100及びシャーシ120は、第1の腰部領域114、第1の腰部領域114の反対側にある第2の腰部領域118、及び第1の腰部領域114と第2の腰部領域118との間に位置する股部領域116を有するものとして示されている。腰部領域114及び腰部領域118は、一般に、着用時に着用者の腰部を取り囲む、吸収性物品のそれらの一部を備える。腰部領域114及び腰部領域118は、フィット感及び封じ込め性が向上するように、着用者の腰部周囲でギャザーをなすような弾性部材155を含んでいてもよい。股部領域116は、吸収性物品が着用された場合に、着用者の両脚の間に一般に位置付けられる吸収性物品の部分である。
【0078】
シャーシ120の外側周辺部は、長手方向縁部112及び腰部縁部(第1の腰部領域114における第1の腰部縁部113及び第2の腰部領域118における第2の腰部縁部119)によって画定される。シャーシ120は、長手方向中心線105に対して一般に平行に配向された、対向する長手方向縁部112を有してもよい。しかしながら、より良いフィット感のために、長手方向縁部112は、例えば、
図14に示されるように平面図で見た場合に「砂時計」形の物品が作製されるように、湾曲しているか又は角度が付けられていてもよい。シャーシ120は、横方向中心線110に対して一般に平行に配向された、対向する横方向縁部113、119(すなわち、第1の腰部縁部113及び第2の腰部縁部119)を有してもよい。
【0079】
シャーシ120は、液体透過性のトップシート124、バックシート126、及びトップシート124とバックシート126との間の吸収性コア128を備えてもよい。トップシート124は、コア128及び/又はバックシート126に接合されていてもよい。バックシート126は、コア128及び/又はトップシート124に接合されていてもよい。コア128とトップシート124との間、及び/又はコア128とバックシート126との間に、その他の構造体、要素、又は基材が位置付けられていてもよいことを認識すべきである。いくつかの実施形態では、トップシート126と吸収性コア128との間に、捕捉分配システム127が配置される。
【0080】
特定の実施形態では、シャーシ120は、複合吸収性物品構造を形成するために付加される他の機構と共に、吸収性物品100の主要構造を備える。トップシート124、バックシート126、及び吸収性コア128は、種々の周知の構成で組み立てられてもよいが、吸収性物品の構成は、一般に、米国特許第3,860,003号、同第5,151,092号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号に記載されている。1つ以上のマスキング層又は材料が、吸収性物品内に提供されてもよい。マスキング層は、吸収性物品が衣類に面する表面又は着用者に面する表面から触れた場合にクッション性を提供する層であってもよい。マスキング層は、超吸収性ポリマーなどの吸収性材料によって引き起こされる可能性があるざらざらした感触を「隠す(mask)」ことができる。マスキング層は、吸収性物品の着用者対向表面又は衣類対向表面を見たときに、身体排泄物が視認可能となるのを「隠す」ことができる。マスキング層は、約15gsm~約50gsm又は約15gsm~約40gsmの範囲の坪量を有してもよい。マスキング層は、1つ以上の不織布材料(例えば水流交絡不織布材料)、発泡体、パルプ層、及び/又はその他の好適な材料を含んでもよい。マスキング層は、バックシートの外側カバー材料であってもよい。マスキング層は、コアの衣類対向側又は着用者対向側を形成する層であってもよい。マスキング層は、コアの衣類に面する表面と液体不透過性バックシートとの中間に位置付けられた別個の材料であってもよい。
【0081】
使い捨て吸収性物品の構成要素は、米国特許公開第2007/0219521(A1)号、同第2011/0139658(A1)号、同第2011/0139657(A1)号、同第2011/0152812(A1)号、及び同第2011/0139659(A1)号に記載されているように、バイオソース含有量で少なくとも部分的に構成され得る。これらの構成要素としては、トップシート、バックシートフィルム、バックシート不織布、耳部/耳部積層体、脚部ガスケットシステム、超吸収体、捕捉層、コアラップ材料、接着剤、締結システム、及びランディングゾーンが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態では、使い捨て吸収性物品構成要素は、ASTM D6866-10の方法Bを使用すると、約10%~約100%、又は約25%~約75%、又は約50%~約60%のバイオベース含有量値を含む。ASTM D6866-10の方法論を適用して、任意の構成要素のバイオベース含有量を決定するために、構成要素の代表的な試料を試験のために得なければならない。少なくとも1つの実施形態では、使い捨て吸収性物品の構成要素を、周知の粉砕法(例えば、WILEY(登録商標)ミル)を使用して、約20メッシュ未満の微粒子へと粉砕し、ランダムに混合された粒子から好適な質量の代表的試料を取り出し得る。
【0082】
本発明の積層体10は、限定するものではないが、前耳部、後耳部及び/又は腰部機構を含めて、物品の1つ以上の構成要素の一部分を形成するか、あるいはその一部分であってよい。
【0083】
トップシート
トップシート124は、一般に、着用者に少なくとも部分的に接触する、又はより近位に配置されてもよい、吸収性物品100の一部である。トップシート124は、一般に、着用者の肌に対してしなやかで柔らかい感触であり、非刺激性である。更に、トップシートの少なくとも一部分又はその全体を液体透過性とすることができ、これにより液状の身体の滲出物がその厚みを通して容易に浸透する。好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網目状発泡体、孔形成されたプラスチックフィルム、織布材料、不織布材料、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維又はフィラメント(例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは二成分PE/PP繊維、又はこれらの混合物)、あるいは天然繊維と合成繊維との組み合わせの、織布材料又は不織布材料などの、幅広い範囲の材料から製造されてもよい。トップシートは1つ以上の層を有してもよい。トップシートは、孔形成されてもよく、任意の好適な三次元特徴部を有してもよく、かつ/又は、複数のエンボス部(例えば、ボンドパターン)を有してもよい。トップシートは、材料を強接合し、次いで、米国特許第5,628,097号(Bensonら、1997年5月13日発行)及び米国特許出願公開第2016/0136014号(Aroraら)に開示されているように、リングロールを介して強接合部を破裂させることによって、孔形成されてもよい。トップシートの任意の部分は、スキンケア組成物、抗菌剤、界面活性剤、及び/又はその他の有益な薬剤でコーティングされてもよい。トップシートは、親水性又は疎水性であってもよく、あるいは、親水性部分若しくは親水性層及び/又は疎水性部分若しくは疎水性層を有していてもよい。トップシートが疎水性である場合、身体の滲出物がトップシートを通過し得るように、典型的には孔が存在することになる。
【0084】
吸収性コア
吸収性コア128は、使い捨ておむつ及びその他の吸収性物品において一般に使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。好適な吸収性材料の例としては、一般的に、エアフェルトクレープ紙綿と称される粉砕された木材パルプ、コフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に堅固化、改質、若しくは架橋されたセルロース繊維、薄紙の包装紙及び薄紙積層体を含む薄紙、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、又は任意のその他の周知の吸収性材料若しくは材料の組み合わせが挙げられる。一実施形態では、吸収性コアの少なくとも一部は、実質的にセルロースを含まず、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維、微量のセルロース繊維を含有する、又はセルロース繊維を含有しない。微量のセルロース系材料は、実質的にセルロースを含まない吸収性コアの部分の薄さ、可撓性、及び吸収性のうちの少なくとも1つに実質的に影響を及ぼさないことを理解すべきである。その他の利点の中でも、吸収性コアの少なくとも一部が実質的にセルロースを含まない場合、吸収性コアのこの部分は、10重量%超のセルロース繊維を含む、同様の吸収性コアよりも著しく薄く、より高い可撓性があると考えられる。吸収性コア中に存在する吸収性材料、例えば、吸収性粒子状ポリマー材料の量は、様々であってもよいが、特定の実施形態では、吸収性コアの約80重量%超、又は吸収性コアの約85重量%超、又は吸収性コアの約90重量%超、又はコアの約95重量%超の量で吸収性コア中に存在する。いくつかの実施形態では、吸収性コアは、1つ以上のチャネル129を備えてもよく、当該チャネルは、吸収性粒子状ポリマー材料を実質的に含まない。チャネル129は、長手方向又は横方向に延在してもよい。吸収性コアは、2つ以上のチャネルを更に備えてもよい。チャネルは、直線状であっても、曲線状であっても、角度をなしていても、これらの任意の機能可能な組み合わせであってもよい。非限定的な実施例では、長手方向軸線の周囲に、2つのチャネルが対称に配置される。
【0085】
吸収性コア28として使用するための例示的な吸収性構造は、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,834,735号、同第4,888,231号、同第5,137,537号、同第5,147,345号、同第5,342,338号、同第5,260,345号、同第5,387,207号、同第5,397,316号、及び米国特許出願第13/491,642号及び同第15/232,901号に記載されている。
【0086】
バックシート
バックシート126は、一般に、吸収性物品100の表面に面する衣類の少なくとも一部となり得るように位置付けられる。バックシート126は、吸収性物品100によって吸収され、その中に収容された排泄物が、ベッドシーツ及び下着などの、吸収性物品100と接触し得る物品を汚すのを防止するように設計されてもよい。特定の実施形態では、バックシート126は、実質的に不透水性である。バックシートは、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムであってもよく、あるいはこれを含んでもよい。他の適切なバックシート材料126は、排泄物がバックシート126を通過することを阻みながら、吸収性物品100から蒸気を逃がすことを可能にする通気性材料を含み得る。
【0087】
バックシート126はまた、2層以上の層から構成されてもよい。バックシート126は、外側カバー及び内部層を備えてもよい。外側カバーは、柔らかい不織布材料から作製されてもよい。内側層は、高分子フィルムなどの実質的に液体不透過性のフィルムから作製されてもよい。外側カバー及び内側層は、接着剤又は任意の他の好適な材料又は方法によって1つに接合されていてもよい。外側カバー材料は、結合パターン、孔、及び/又は三次元特徴部を含んでもよい。外側カバーは、水流交絡された不織布材料であってもよい。
【0088】
耳部/締結具
吸収性物品100は、例えば、第1の腰部領域に配置された前方耳部132及び/又は第2の腰部領域に配置された後方耳部134を含む、1つ以上の耳部130を含んでもよい。耳部130は、シャーシと一体であってもよく、耳部の1層以上をシャーシに接合し得るシャーシ取り付け結合部102においてシャーシ120に接合された別個の要素であってもよい。耳部130は、伸長性又は弾性であってもよい。耳部130は、1つ以上の不織布ウェブ、織布ウェブ、編布地、ポリマーフィルム及びエラストマー性フィルム、有孔フィルム、スポンジ、発泡体、スクリム、又は前述のいずれかの組み合わせ及び/若しくは積層体から形成されてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、耳部130は、エラストマーを含んでもよく、これにより、耳部は延伸性になる。特定の実施形態では、耳部130は、不織布/エラストマー性材料積層体又は不織布/エラストマー性材料/不織布積層体などの延伸性積層体で形成されてもよく、このこともまた、耳部が延伸性となることをもたらす。耳部120は、物品の横方向に伸長可能であってもよい。いくつかの実施形態では、耳部は、横方向に弾性である。更なる実施形態では、耳部130は、長手方向よりも横方向に長く延在してもよい。代替的に、耳部は、横方向よりも長手方向に延在してもよい。ある特定の非限定的な実施例では、耳部は、別々の弾性領域に沿って1つ以上の非弾性領域を含んでもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、耳部は、本発明の積層体に関して本明細書に記載された特徴又は積層体層のいずれかを有する積層体10などの、1つ以上の不織布、及び1つ以上の弾性材料の積層体を備える。
【0091】
任意の好適な不織布が、耳部130において使用されてもよい。好適な不織布は、少なくとも約8gsm、又は少なくとも約30gsm、又は約17gsm以下、又は約10gsm~約17gsmの坪量を含んでもよく、当該範囲についてこの範囲内の1増分毎に列挙する。典型的には、より低い坪量の不織布は、耳部の全体的な強度を低下させる。しかしながら、本発明者らは、本明細書の原理に従って設計された耳部が、より低い坪量の不織布にもかかわらず高い強度を獲得し得ることを発見した。耳部130が2つ以上の不織布を含む場合、不織布は、同じ坪量又は異なる坪量を含んでもよい。同様に、不織布は、同じ層構造又は異なる層構造を含んでもよい。更に、耳部における不織布は、バックシート、トップシート、脚部ガスケットシステム、及び/又は腰部機構において同じ又は異なる機構の不織布を含んでもよい。
【0092】
様々な実施形態において、耳部は、超音波接合された耳部を含む。超音波接合された耳部は、例えば、米国特許出願第15/674559号に開示されている。耳部は、ギャザー付き積層体24であってもよい。それに代わって、耳部は、例えば、米国特許公開第2013/0082418号に開示されたプロセスによって作動化されてもよい。様々な実施形態において、耳部は、本発明の積層体10を含み、本明細書に開示される方法によって形成され得る。
【0093】
耳部は、シャーシ取り付け結合部102でシャーシに接合されてもよい。いくつかの非限定的な実施例では、シャーシ取り付け結合部は、耳部の非弾性領域に位置する。
【0094】
吸収性物品100はまた、締結システム148を含んでもよい。締結システム148は、締結された場合、第1の腰部領域116と後方腰部領域118とを相互接続し、吸収性物品100の着用中に着用者を取り囲むことができる腰部外周を生じる。締結システム148は、例えば、テープタブ、フック・ループ締結構成部品、タブ及びスロットなどの相互係合締結具、バックル、ボタン、スナップ、並びに/又は雌雄同体の締結構成部品などの締結要素150を備えていてよいが、任意の他の公知の締結手段も概ね許容可能である。吸収性物品は、締結要素が係合可能なランディングゾーン及び/又は使用前に締結要素を損傷(insult)から保護するリリーステープを更に備えても良い。いくつかの例示的な表面締結システムは、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に開示されている。例示的な相互係合締結システムは、米国特許第6,432,098号に開示されている。いくつかの実施形態では、締結システム148及び/又は要素150は、折り畳み可能である。
【0095】
締結システム148は、任意の好適な手段によって物品100の任意の好適な部分に接合されてもよい。締結システムは、層間で耳部に接合されてもよい。
【0096】
脚部ガスケットシステム
吸収性物品100は、シャーシ120に取り付けられた脚部ガスケットシステム170を備えてもよく、脚部ガスケットシステムは、1つ以上のカフを備えてもよい。脚部ガスケットシステムは、一対のバリア脚部カフ172を備えてもよい。各バリア脚部カフは、吸収性物品に結合される一片の材料によって形成され得るため、吸収性物品の着用者に面する表面から上方向に延在することができ、また、着用者の胴体と脚部との接合部付近で流体及びその他の排泄物の改良された封じ込めをもたらすことができる。バリア脚部カフは、トップシート124及び/又はバックシート126に直接又は間接的に接合された近位縁部と、着用者の皮膚に接触し、封止部を形成することを意図する自由端縁部175とによって、境界が定められる。いくつかの実施形態では、自由端縁部175は折り曲げられた縁部を備える。バリア脚部カフ172は、長手方向中心線105の両側において吸収性物品の前方腰部縁部113と後方腰部縁部119との間に少なくとも部分的に延在し、かつ股部領域内に少なくとも存在する。バリア脚部カフは、接着、溶融接合、又はその他の好適な接合処理の組合せによって行うことができる接合によって、近位縁部で物品のシャーシと接合されてもよい。
【0097】
バリア脚部カフは、トップシート124又はバックシート126と一体であってもよく、又は物品のシャーシに接合された別々の材料であってもよい。各バリア脚部カフ172は、より良好な封止を提供するために、自由端縁部175に近接して1つ、2つ又はそれ以上の弾性要素155を備えてもよい。
【0098】
バリア脚部カフ172に加えて、物品は、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート124及び/又はバックシート126に接合され、かつバリア脚部カフ172に対して外側に配置されたガスケットカフ176を備えてもよい。ガスケットカフ176は、着用者の大腿の周囲により良好な封止を提供し得る。ガスケットカフは、近位縁部及び自由端縁部177を備えてもよい。自由端縁部177は、折り曲げられた縁部を備えてもよい。各ガスケットカフは、脚部開口部の領域におけるトップシート124とバックシート126との間の吸収性物品のシャーシに、1つ以上の弾性要素155を備えてもよい。バリア脚部カフ及び/又はガスケットカフの全部又は一部を、ローション又は別のスキンケア組成物で処理してもよい。
【0099】
更なる実施形態では、脚部ガスケットシステムは、ガスケットカフと一体化されたバリア脚部カフを備える。吸収性物品の一部であり得る好適な脚部ガスケットシステムは、米国特許出願第62/134,622号、同第14/077,708号、米国特許第8,939,957号、同第3,860,003号、同第7,435,243号、同第8,062,279号に開示されている。
【0100】
弾性腰部機構
図9に示されるように、吸収性物品100は、改善されたフィット感及び封じ込めを提供するのに役立つ、少なくとも1つの弾性腰部機構180を備えてもよい。弾性腰部機構180は、一般的に、収縮して着用者の腰に動的にフィットすることが意図される。伸縮性腰部機構は、ウエストバンド、シャーシ120から取り外される腰部機構180の一部から形成されるポケットを有する腰部カフ、及び着用者の腹部の周囲にしっかりとフィットするように設計された腰部パネルを含む。伸縮性腰部機構の非限定的な実施例は、米国特許出願第13/490,543号、同第14/533,472号及び同第62/134,622号に開示されている。腰部機構180は、第1の腰部領域114及び/又は第2の腰部領域118でシャーシ120に接合されてもよい。腰部機構は、着用者に物品を適切にフィットさせるための望ましい延伸及び可撓性を提供するために、耳部130と併用され得る。腰部機構は、横方向及び/又は長手方向に伸長性又は弾性であってもよい。腰部機構180は、本発明の積層体10を含み、本明細書に開示される方法によって形成され得る。
【0101】
試験方法
耳部伸長試験方法
耳部の伸長は、適切なロードセルを取り付けられたTest Works 4ソフトウェア(MTS Systems Corp.,USA)下のMTS Allianceなどのコンピュータインターフェースを有する一定速度の伸長引張試験機を使用して測定される。ロードセルは、定められた最大負荷の10%と90%の中で動作するように選択されるべきである。全ての試験は、約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度に維持された空調室内で行われる。本明細書では、試験片の幅及び長さは横方向幅及び長手方向長さである。試験前に2時間にわたって、試験片を約23℃±2℃、約50%±2%の相対湿度に事前調整する。
【0102】
平坦なグリップ又は線状のグリップを使用するべきである。
図11は、好適な頂部グリップ700及び底部グリップ710の概略図を提示する。グリップ面は、試料を保持するために鋸歯状/ダイヤモンド状であり得るか、又は試料を定位置に保持するために2つのグリップ面のうちの少なくとも1つにゴムライナ(1/32インチ厚の60~70Aデュロメータのネプロンゴムの)を有し得る。
【0103】
耳部は一般に、熱若しくは接着剤又は同様の接合を介してシャーシに接合される。試料を収集するために、製品を切断マット上に平らに置く。試料は、
図10に示されるように、耳部の底縁部の約20~30mm下で製品を切断することによって収集される。切断された試料を中央で切断することによって、左耳部を右耳部から分離する。
【0104】
折り畳まれた締結システム(例えば、締結要素を覆う剥離テープ)は、展開されるべきである。
【0105】
図10~
図11を参照:
1.クランプが引張試験機固定具の中心に位置するように、締結具を含む耳部の外側縁部を試験機内の移動クランプ(上部クランプ)に挿入し、クランプを係合させて試験片を把持する。選択されたクランプ幅は、少なくとも25.4mmであり、好ましくは、締結具の内側縁部の長さよりも、1インチを超えて広くはない。クランプの面(試験片を把持すると)を締結具の内側縁部と1mm以内に位置合わせし、LFPの長手方向中間点をクランプの中心と位置合わせし、後耳部のクランプされていない部分を、クランプから自由に垂れ下げる。
2.耳部の内側縁部を引張試験機の固定クランプ(下部クランプ)に挿入する。後耳部の一部分がクランプの幅を超えて延在しないように、固定クランプ幅を選択する。クランプの面(試験片を把持した後)を接合線720と1mm以内で整列させ、また、横方向線がLFPの中点から引かれている場合、該横方向線が垂直に延在し、下部クランプを保持する固定具の中心と整列するように、試験片を配向する。
3.試験片がシャーシ取り付け接合部102の外側縁部において把持されるように、下部グリップ位置を調整する。シャーシ取り付け接合部が曲線状である場合、試験片は、最外方の接合部の外側縁部において把持させる。
4.クロスヘッド位置をゼロにし、ロードし、下部クランプを係合させて試験片を把持させる。
5.試験片を254mm/分の速度で伸長させるように引張試験機を設定し、少なくとも100hzの周波数でデータを収集する。
6.引張試験機のクランプが定義された速度で試験片を伸長させるように試験を開始し、データをデータファイルに収集する。
7.データから1000gmの力負荷における伸長を決定する。
【0106】
各製品実施例について、少なくとも5つの複製試験片を試験する。1000gmの力負荷における平均伸長及び少なくとも4つの試験片の標準偏差を記録する。記録した標準偏差が20%よりも高い場合、新しい5つの試験片のセットを試験する。
【0107】
角度最大ピーク力引張試験方法
角度最大ピーク力引張試験を使用して、製品用途を表す比較的高い歪み速度で試験片の強度を測定する。この方法は、1m/秒を超える速度を可能にするアクチュエータを備えた好適な引張試験機を使用するものである。Allied Automation(Indianapolis)から入手可能な機器モデル#AA-TS-ECH14-600を引張試験機として使用することができる。引張試験機に、50lbの力トランスデューサ(1500ASK-50など)を取り付ける。引張試験中に試験片を固定するために、
図12Aに示されているグリップを使用するべきである。グリップ面は、サンプルを保持するために鋸歯状であり得るか、又は試料を定位置に保持するために2つのグリップ面のうちの少なくとも1つにゴムライナ(1/32インチ厚の60~70Aデュロメータのネプロンゴムの)を有し得る。上部グリップ800は固定され、製品の締結端部を保持するために幅38mmである。底部グリップ810は、移動することができ、試料の全幅を保持するのに十分に広い。下部グリップ固定具を15度回転させて、斜め引張強度を測定することもできる。
【0108】
(a)吸収性物品からの試験片の引張試験
耳部は一般に、熱若しくは接着剤又は同様の接合を介してシャーシに接合される。試料を収集するために、製品を切断マット上に平らに置く。試料は、画像に示されるように、耳部の底縁部の約20~30mm下で製品を切断することによって収集される。本明細書の耳部伸長試験方法に記載されるように中央で切断することによって、左後耳部を右耳部から分離する。折り畳まれた締結システム(例えば、締結要素を覆う剥離テープ)は、展開されるべきである。
【0109】
図12B~
図12Cを参照すると、試験片は、締結具突出係合領域150の内側縁部152である第1のグリップ位置G1において上部グリップにクランプされている。把持線G1は、製品の長手方向中心軸線と平行に保たれる。締結具係合領域が角度付けされている場合、試験片は、領域の中心で把持され、把持線は、中心において製品の長手方向中心線に平行に保たれる。試験片を装着し、上部グリップから吊り下げる。弛緩状態において、試験片の対向する縁部を底部グリップに装着する。試験片がシャーシ接合部の外側縁部において把持されるように、底部グリップ位置G2を調整する。シャーシ接合部が曲線状である場合、試験片は、最外方の接合部の外側縁部において把持される。底部グリップは、第2の把持位置G2における耳部の長さよりも広い。上部グリップと底部グリップは、互いに平行である。試料を装着すると、底部グリップを上部グリップに向かって移動させて、材料をたるませる。この時点で、グリップに保持された試料を有する底部グリップを15度回転させて、角度付き測定を行う。
【0110】
試験片を以下のように試験する:第1のグリップ位置G1から第2のグリップ位置までの(グリップ線に垂直の)垂直距離G2を、定規を使用して0.1mm単位で測定し、試験のゲージ長として使用する。試験片について選択されたゲージ長に対して4~10秒-1のひずみ速度を提供する試験速度で試験片を試験する。mm/秒単位の試験速度は、4~10秒-1をmm単位のゲージ長で乗算することによって計算される。例えば、4秒-1のひずみ速度で試験された125mmのゲージ長の試料は、500mm/秒の試験速度を必要とする。一方、10秒-1のひずみ速度で試験した50mmのゲージ長の試料も、500mm/秒の試験速度を必要とする。
【0111】
各試験片を引っ張って破壊する。試験中、グリップのうちの1つ(テープ付きのグリップ)を静止状態に保ち、対向するグリップを移動させる。試験中に生成された力及びアクチュエータ変位データは、最小1kHzのデータ取得周波数で記録される。結果として生じる負荷データは、ニュートン単位で破断時の負荷として表され得る。例えば、合計5つの複製試験片を試験する。少なくとも4つの試験片の最大ピーク力及び標準偏差を、角度付き最大ピーク力として記録する。記録した標準偏差が10%よりも高い場合、新しい5つの試験片のセットを試験する。
【0112】
坪量試験法
各試料は、デジタル天秤を使用して±0.1ミリグラム以内に計量される。試験片の長さ及び幅は、デジタルバーニアキャリパー、又は±0.1mm以内の相当物を使用して測定される。全ての試験は22±2℃及び相対湿度50±10%で行われる。坪量は以下の式を使用して計算される。
【0113】
【0114】
基材の坪量を計算するために、少なくとも10mm×25mmの合計8つの直線状試験片を使用する。
【0115】
平均坪量及び標準偏差を記録する。
【0116】
ヒステリシス試験法
この設定は、一般ヒステリシス試験とエラストマー層ヒステリシス試験の両方に適用される。TestWorks4(登録商標)ソフトウェア又は同等のものを備えたMTSモデルAlliance RT/1などの、コンピュータと接続された適切な引張試験機が使用される。引張試験機は、22℃±2℃及び相対湿度50±10%の温度調節室内に置かれる。製造業者の指示書に従って計器を較正する。データ取得速度は少なくとも50ヘルツに設定される。試験に使用される把持部は試料よりも幅が広い。2インチ(50.8mm)の幅を有する把持部を使用してもよい。把持部は、全把持力を試験応力の方向に対して垂直な単一の線に沿って集中させるように設計された、1つの平坦面及び対向面を有する空気圧式の把持部であり、対向面からは、試料の滑りを最小限に抑えるための半円形(半径=6mm、例えばMTS Systems Corp.からの部品番号:56-163-827)が突出している、又は同等な把持部である。ロードセルは、測定される力が、ロードセルの能力又は使用される負荷範囲の10%~90%に収まるように選択される。装備品及びグリップの質量を補正するために、計器上の負荷読取り値をゼロにする。
【0117】
たるみがなく、測定される負荷が0.00N~0.02Nとなるような様式で、試験片をグリップに装着する。試験片の坪量を、上記の坪量方法に従って測定する。試験片の延伸方向が適用される引張応力と平行となるように、試験片をグリップの中心に装着する。
【0118】
一般ヒステリシス試験:
1.試験片を、試料の意図する延伸方向に10mm×試料の意図する延伸方向に対して垂直な方向に25.4mmの寸法に切断する。非弾性領域又は弾性領域のいずれかから、試料を収集する。
2.グリップ間の距離(ゲージ長)を7mmに設定する。
3.上記のように、MTSひずみ方向と整列した意図された延伸方向で試験片を最小のたるみで固定する。
4.
a.予荷重ステップ:5グラム重量の力でたるみ前負荷をセットする。これは、(13mm/分の一定のクロスヘッド速度で)たるみが5重量グラムの力で取り除かれた場合に、データ収集が開始されることを意味する。歪みは、調整されたゲージ長(lini)に基づいて計算されるが、調整されたゲージ長は5重量グラムの力の引張試験機のグリップの間の試験片の長さである。この調整されたゲージ長を最初の試料長さとするが、それは歪み0%に対応している。試験の任意の点における歪み率は、調整されたゲージ長で割って100を掛けた、調整されたゲージ長に対する長さの変化として定義される。
b.第1周期負荷:70mm/分の一定のクロスヘッド速度で50%歪みまで試験片を引っ張る。グリップ間の延伸した試験片長さをlmaxとして報告する。
c.第1周期負荷解除:試験片を50%歪みで30秒間保持し、次いで、70mm/分の一定のクロスヘッド速度で、クロスヘッドをその開始位置(0%歪み又は初期試料長さ、lini)に戻す。試験片を1分間緩んだ状態で保持する。
d.第2周期負荷:70mm/分の一定のクロスヘッド速度で50%歪みまで試験片を引っ張る。7重量グラムにおけるグリップ間の延伸した試験片長さをlextとして報告する。
e.第2周期負荷解除:次に、50%のひずみで試験片を30秒間保持し、次いで、70mm/分の一定のクロスヘッド速度でクロスヘッドをその開始位置(すなわち、0%のひずみ)に戻す。
【0119】
コンピュータデータシステムは、試験中に試料に加えられた力を、適用された歪みの関数として記録する。長さを0.001mm単位で報告する。生成された得られたデータから、%硬化を以下の式を使用して計算する。
0.01%単位の、(lext-lini)/(lmax-lini)×100%と定義される%硬化。
少なくとも3つの別個の試料について試験を繰り返し、平均値及び標準偏差を報告する。
【0120】
エラストマー層ヒステリシス試験:
1.試験片を、試料の意図する延伸方向に少なくとも32mm×試料の意図する延伸方向に対して垂直な方向に25.4mm(1インチ)の寸法に切断する。
2.グリップ間の距離(ゲージ長)を25.4mm(1インチ)に設定する。
3.上記のように、MTSひずみ方向と整列した意図された延伸方向で試験片を最小のたるみで固定する。
4.
a.予荷重ステップ:5グラム重量の力でたるみ前負荷をセットする。これは、(13mm/分の一定のクロスヘッド速度で)たるみが5重量グラムの力で取り除かれた場合に、データ収集が開始されることを意味する。歪みは、調整されたゲージ長(lini)に基づいて計算されるが、調整されたゲージ長は5重量グラムの力の引張試験機のグリップの間の試験片の長さである。この調整されたゲージ長を最初の試料長さとするが、それは歪み0%に対応している。予歪み試験中の歪み率は、調整されたゲージ長に対する長さを、調整されたゲージ長で除算し、100を乗算したものとして定義される。
b.予歪み荷重:508mm/分(10インチ/分)の一定のクロスヘッド速度で500%の歪みまで試験片を引っ張る。200%における荷重をF200PSインチ(N/in)として報告する
c.予歪み負荷解除:508mm/分の一定のクロスヘッド速度で、クロスヘッドを25.4mmの元のゲージ長に戻す。
d.底部グリップを開き、試験片を非歪み状態で1分間保持する。
e.最小のたわみ及び最小の荷重で上記のように試料を再度、把持する。
f.予荷重ステップを繰り返し、新しい調整ゲージ長(lini)を定義し、それを使用して、第1及び第2周期の歪み%を計算する。
g.第1周期負荷:508mm/分の一定のクロスヘッド速度で200%歪みまで試験片を引っ張る。200%における荷重をF200FCインチ(N/in)として報告する
h.第1周期負荷解除:次に、200%のひずみで試験片を30秒間保持し、次いで、508mm/分の一定のクロスヘッド速度でクロスヘッドをその開始位置(すなわち、0%のひずみ)に戻す。
i.第2周期:試料を0%歪みで30秒間保持し、上記のステップ「e」及び「f」に記載されたように第1周期を再試験する。
【0121】
コンピュータデータシステムは、試験中に試料に加えられた負荷(力)を、適用された歪みの関数として記録する。生成された得られたデータから、F200PS及びF200FCを報告する。
【0122】
試験を少なくとも3つの別個の試料について繰り返し、標準偏差と共に、それぞれ平均を平均F200PS及び平均F200FCとして報告する。
【0123】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0124】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0125】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】