(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】ドア操作システム
(51)【国際特許分類】
E05F 15/681 20150101AFI20230712BHJP
E05F 15/684 20150101ALI20230712BHJP
E05F 15/686 20150101ALI20230712BHJP
E06B 9/02 20060101ALI20230712BHJP
E06B 9/15 20060101ALI20230712BHJP
E05D 15/24 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
E05F15/681
E05F15/684
E05F15/686
E06B9/02 A
E06B9/15 E
E05D15/24 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579825
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(85)【翻訳文提出日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2021067276
(87)【国際公開番号】W WO2021260085
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516216070
【氏名又は名称】アッサ・アブロイ・エントランス・システムズ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・エリアソン
(72)【発明者】
【氏名】アントン・ハンソン
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA04
2E052CA06
2E052DA03
2E052DA04
2E052DB03
2E052DB04
2E052EA09
2E052KA14
(57)【要約】
本発明は、開口部(2)を開閉するドア操作システム(1)であって、開口部(2)の第1の側部(5)に第1のフレーム部(4)を有し、開口部(2)の第2の側部(7)に第2のフレーム部(6)を有するドアフレーム(3)と、ドアフレーム(3)に移動可能に連結され、閉位置(C)と開位置(O)との間を移動するドア(8)と、ドア(8)に取り付けられ、ドア(8)を閉位置(C)から開位置(O)へ、及びその逆に移動させるように配置された少なくとも1つのモータ(11)を含む、駆動ユニット(10)と、開口部(2)の第1の側部(5)及び第2の側部(7)の少なくとも一方に沿って延在している細長い伝達部材(19)とを備え、駆動ユニット(10)は、モータ(11)と駆動連結された被駆動伝達部材(18)を更に備え、被駆動伝達部材(18)は、細長い伝達部材(19)に移動可能に接続され、細長い伝達部材(19)と相互作用して、細長い伝達部材(19)が少なくとも部分的に被駆動伝達部材(18)に巻き付くことによって、細長い伝達部材(19)に沿って被駆動伝達部材(18)を駆動するように構成されており、ドア(8)に取り付けられた少なくとも1つのガイド部材(92)は細長い伝達部材(19)を被駆動伝達部材(18)に接触させるように案内するために、細長い伝達部材(19)と相互作するように配置されており、少なくとも1つのガイド部材(92)は、細長い伝達部材(19)が摺動するように構成された摺動面(101)を備え、摺動面(101)は所定の曲率を有し、この曲率は、細長い伝達部材(19)を付勢し、曲率に倣って撓むように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(2)を開閉するドア操作システム(1)であって、
前記開口部(2)の第1の側部(5)に第1のフレーム部(4)を有し、前記開口部(2)の第2の側部(7)に第2のフレーム部(6)を有するドアフレーム(3)と、
該ドアフレーム(3)に移動可能に連結され、閉位置(C)と開位置(O)との間を移動するドア(8)と
該ドア(8)に取り付けられ、該ドア(8)を前記閉位置(C)から前記開位置(O)へ、及びその逆に移動させるように配置された少なくとも1つのモータ(11)を含む駆動ユニット(10)と、
前記開口部(2)の前記第1の側部(5)及び前記第2の側部(7)の少なくとも一方に沿って延在している細長い伝達部材(19)と、
を備え、
前記駆動ユニット(10)は、前記モータ(11)と駆動接続された被駆動伝達部材(18)を更に備え、前記被駆動伝達部材(18)は、前記細長い伝達部材(19)に移動可能に接続され、前記細長い伝達部材(19)と相互作用するように配置され、前記細長い伝達部材(19)が少なくとも部分的に前記被駆動伝達部材(18)に巻き付くことによって、前記細長い伝達部材(19)に沿って前記被駆動伝達部材(18)を駆動するように構成されており、
前記ドア(8)に取り付けられた少なくとも1つのガイド部材(92)は、前記細長い伝達部材(19)を前記被駆動伝達部材(18)に接触するように案内するために、前記細長い伝達部材(19)と相互作用するように配置されており、
前記少なくとも1つのガイド部材(92)は、前記細長い伝達部材(19)が摺動するように構成された摺動面(101)を備え、
該摺動面(101)は所定の曲率を有し、該曲率は、前記細長い伝達部材(19)を付勢し、前記曲率に倣って撓むように構成されている、システム。
【請求項2】
前記摺動面(101)は、前記細長い伝達部材(19)のためのガイドトラック(12)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記摺動面(101)の曲率は、15mm~50mmの範囲の半径(R)を有する、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記細長い伝達部材(19)は、懸架された屈曲可能な伝達部材(19)の形態とされている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ドア(8)に取り付けられ、前記ドア(8)の底部水平縁から延在している弾性パネル(91)を更に備え、該弾性パネル(91)は、前記ドア(8)が閉位置(C)にあるときに前記開口部(2)の床と接触するように配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記細長い伝達部材(19)がベルトである、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記細長い伝達部材(19)は、駆動チェーンであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記摺動面(101)は所定の表面硬度を有し、該表面硬度は、前記駆動チェーン(19)が前記摺動面(101)内に前記駆動チェーン(19)のためのガイドトラックを形成することを可能にしている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ドア(8)は、複数の水平で相互接続された部分(9a~9e)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ドア(8)に取り付けられ、前記第1のフレーム部(4)と相互作用するように構成された第1の組のガイドローラ(17)と、前記第2のフレーム部(6)と相互作用するように構成された第2の組のガイドローラ(17)とを更に備えている、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記駆動ユニット(10)は、前記ドア(8)の一部分(9a~9e)に取り付けられ、第1及び第2の上部ガイドローラ(17)が、前記一部分(9a~9e)から前記第1のフレーム部(4)及び前記第2のフレーム部(6)に向かってそれぞれ延在しており、第1及び第2の下部ガイドローラ(17)が、前記一部分(9a~9e)から前記第1のフレーム部(4)及び前記第2のフレーム部(6)に向かってそれぞれ延在している、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記駆動ユニット(10)は、前記ドア(8)の最下部(9e)に取り付けられており、前記第1及び第2の下部ガイドローラ(17)は、前記最下部(9e)の水平方向の底辺に隣接して配置されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
1つのガイドローラ(17)が、該ガイドローラ(17)の中心軸(13)が前記ガイド部材(92)の摺動面(101)の曲率の中心軸(14)と同軸となる位置で、前記少なくとも1つのガイド部材(92)に回転可能に連結されている、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項14】
第1の上部ガイドローラ(17)は、該ガイドローラ(17)の中心軸(13)が前記少なくとも1つの上部ガイド部材(92)の摺動面の曲率の中心軸(14)と同軸となる位置で、前記少なくとも1つの上部ガイド部材(92)に回転可能に連結されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ガイドローラ(17)の1つが、該ガイドローラ(17)の中心軸(13)が前記少なくとも1つのガイド部材(92)の摺動面の曲率の中心軸(14)と同軸となる位置で、前記ドア(8)の前記下部水平縁に隣接する前記ガイド部材(92)の1つに回転可能に連結されている、請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ガイドローラ(17)は、その中心軸(13)の方向に移動するように配置されている、請求項13~15のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を開閉するドア操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドア操作システムは、典型的には、ドアフレームに接続されたドアと、開口部を開閉するためにドアを閉位置と開位置との間で、及びその逆にドアフレームに沿って移動させるように配置された駆動ユニットとを含む。ドアは通常、ガレージドアまたは産業用ドアとして使用される。ドアを動かす駆動ユニットとしては、モータや、ばねや支持モータ(support motor)等の機械ユニットを用いることができる。
【0003】
従来のオーバーヘッドセクションドア(overhead sectional door)では、ドアの上に取り付けられた電気モータが、ドアに取り付けられたワイヤを使用してドアを引き上げる。このようなオーバーヘッドセクションドアは、ドアを開くのに必要な力を減少させるために、しばしばバランスばね(balancing spring)を備えている。
【0004】
別のタイプの公知のドアは、ドアの意図された移動軌道(intended movement trajectory)に沿って延在する固定ラックと連動する被駆動ピニオン(driven pinion)によって駆動されている。このようなドアは、バランスばねを必要としない。
【0005】
他のタイプの公知のドアは、互いに接続された剛性パネルのドアカーテンまたは保護バリアを有している。開位置では、ドアは水平位置まで上方に移動されているか、ドラムでロール状に巻き上げられている。開プロセス中、ドアは、ドア開口部の両側及びドアの両側のドアリンテル(door lintel)の上に位置する固定トラック(fixed track)内にスライドする。タイミングベルト、ローラチェーン、スチールロープ等の昇降装置(lifting device)は、ドライブユニットに接続されている。昇降装置は、一方のパネルに固定され、ドアを上方に押し上げるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-285825号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第0523630号明細書
【特許文献3】独国特許第10261083号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0289128号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
開位置で水平に配置されるドアの欠点は、ドアの最下部が、ドアの両側に設けられる固定トラックによって支持されなければならないことである。そうでなければ、ドアの最下部は、ドアの垂直閉位置と水平開位置との間の移行領域またはトラック湾曲部(track bend)における固定トラックの経路に従わない。
【0008】
ドアには、ドアを開閉するための駆動部が設けられ、駆動部は、ドアの最下部に配置されている。更に、ガイドローラをドアの最下部に配置しても良く、このガイドローラは、ドア開口部のいずれかの側の固定トラックまたはフレーム部と相互作用する(interplay)ように構成されている。ガイドローラは、ドアの最下部が固定トラックによって支持されることを保証する。
【0009】
開口部を開閉するためのドア操作システムを提供する必要があり、このドア操作システムは、従来技術における上述した欠点及び不利な点のうちの1つまたは複数を、単独でまたは任意の組み合わせで、軽減(mitigate)、解決(alleviate)または排除しようとするものである。
【0010】
従って、設置を容易にし、メンテナンスの必要性を低減するために、複雑さを低減して開口部を開閉するドア操作システムを開発する必要がある。
【0011】
更に、開口部を開閉するためのドア操作システムであって、コスト効率の良い部品を用いたドア操作システムを開発する必要がある。
【0012】
更に、操作力ができるだけ小さい開口部を開閉するドア操作システムを開発する必要がある。
【0013】
従って、本開示の目的はドア操作システムを提供することであり、このドア操作システムは、従来技術における上述した欠点及び不利な点のうちの1つまたは複数を、単独でまたは任意の組み合わせで軽減、決または排除しようとするものである。
【0014】
本発明の他の目的は、設置を容易にし、メンテナンスの必要性を低減するために、複雑さを低減したドア操作システムを開発することである。
【0015】
本発明の他の目的は、コスト効率の良い部品を用いたドア操作システムを開発することである。
【0016】
本発明の他の目的は、操作力ができるだけ小さいドア操作システムを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本開示では、上述した問題に対する解決策が提案される。提案したソリューションでは、開口部を開閉するドア操作システムについて説明されている。開口部を開閉するためのこのドア操作システムは、
開口部の第1の側部に第1のフレーム部を有し、開口部の第2の側部に第2のフレーム部を有するドアフレームと、
該ドアフレームに移動可能に連結され、閉位置と開位置との間を移動するように構成されたドアと、
該ドアに取り付けられ、該ドアを前記閉位置から前記開位置へ、及びその逆に移動させるように配置された少なくとも1つのモータを含む駆動ユニットと、
前記開口部の前記第1の側部及び前記第2の側部の少なくとも一方に沿って延在している細長い伝達部材と、
を備え、
前記駆動ユニットは、前記モータと駆動接続された被駆動伝達部材(driven transmission member)を更に備え、前記被駆動伝達部材は、前記細長い伝達部材に移動可能に接続され、前記細長い伝達部材と相互作用するように配置され、前記細長い伝達部材が少なくとも部分的に前記被駆動伝達部材に巻き付くことによって、前記細長い伝達部材に沿って前記被駆動伝達部材を駆動するように構成されており、
前記ドアに取り付けられた少なくとも1つのガイド部材は、前記細長い伝達部材を前記被駆動伝達部材に接触するように案内するために、前記細長い伝達部材と相互作用するように配置されており、前記少なくとも1つのガイド部材は、前記細長い伝達部材が摺動するように構成された摺動面を備え、該摺動面は所定の曲率を有し、該曲率は、前記細長い伝達部材を付勢し、前記曲率に倣って撓むように構成されている。
【0018】
このようなドア操作システムは、当該技術分野における上述の欠点及び欠点の1つまたは複数を、単独でまたは任意の組み合わせで、軽減、解決または排除している。更に、ドア操作システムの複雑さが低減され、保守の必要性が低減される。ドア操作システムの操作力は、可能な限り低くなる。更に、ドア操作システムには、コスト効率の良い部品が使用されている。
【0019】
ドア操作システムは、ドア開口部に対して水平になり得る角度で湾曲するフレーム部を備えたオーバーヘッドセクションドアに適用することができる。ドア操作システムはまた、垂直リフトオーバーヘッドドア(vertical lift overhead door)に適用されても良く、壁におけるドア開口部の上の壁は、少なくともドアと同じ高さであり、ドアは垂直に移動し、ドアが開かれたときに、ドア開口部の上のずっと上までフレーム部によって案内されている。また、このドア操作システムは、ドアを開かれたときにドア開口部の上方で螺旋状に巻き上げられるスパイラルドア(spiral door)に適用することもできる。
【0020】
ドアフレームは、ドアを閉位置及び開位置に案内し且つ保持するように構成されている。更に、ドアフレームは、ドアが閉位置と開位置との間を移動するときにドアを案内するように構成されている。
【0021】
開口部の第1の側部における第1のフレーム部は、ドアの第1の側部においてドアを案内するように構成されている。開口部の第2の側部における第2のフレーム部は、ドアの第2の側部においてドアを案内するように構成されている。ドア操作システムがオーバーヘッドドア操作システム(overhead door operator system)である場合、第1のフレーム部及び第2のフレーム部のそれぞれは、垂直方向延在部分(vertically extending part)と、水平方向延在部分(horizontally extending part)と、湾曲した相互接続部分(bent interconnecting part)とを含むことができる。ドアは、フレーム、例えば第1のフレーム部4と第2のフレーム部とによって形成される軌道に沿って案内されるようにフレームに追従することができる。
【0022】
開口部は、建物、壁、またはフェンスに配置することができる。開口部は、建物、壁またはフェンスの特定の目的に適合したサイズ及び形状を有することができる。建物が車両用車庫である場合には、開口部は、車両が通過できる大きさであることが好ましい。
【0023】
ドアは、開口部を通じてのアクセスを防止し、空気が開口部を通って流れることを防止または制限し、及び/または建物内の温度を調節するために、開口部を覆うように構成されている。ドアは、開閉中にドアの形状を変化させることができるように、曲げることができ、可撓性であり、または折り畳むことができる。ドアは、盗難を防止するように構成することができる。ドアは熱及び/または寒さに対して断熱しても良い。ドアは、開口部を開閉するために開口部に対して移動可能である。
【0024】
閉位置では、ドアは開口部または開口部の一部を覆う。
【0025】
開位置では、ドアは開口部全体または開口部の一部から離れている。
【0026】
駆動ユニットは、ドアを閉位置から開位置へ、及びその逆に移動させるように構成されている。駆動ユニットは、ドアを移動させるために協働する部品を含む。駆動ユニットはドアに取り付けられているので、駆動ユニットもドアの動きに追従している。
【0027】
少なくとも1つのモータは、電気モータ、油圧モータ及び/または空気圧モータであっても良い。少なくとも1つのモータは、ドアをドアフレームに沿って移動させるように構成されている。少なくとも1つのモータは、ドアをドアフレームに沿って閉位置から開位置へ、及びその逆に移動させるように構成されている。少なくとも1つのモータが、開口部の第1の側部に隣接するドアの1つの側に配置されても良い。少なくとも1つの他のモータが、開口部の第2の側部に隣接するドアの他の側に配置されても良い。
【0028】
細長い伝達部材は、開口部の第1の側部に沿って延在していて良い。細長い伝達部材は、開口部の第2の側部に沿って延在していて良い。細長い伝達部材は、開口部の第1の側部及び第2の側部の両方に沿って延在していて良い。
【0029】
被駆動伝達部材は、モータによって駆動されている。モータは、被駆動伝達部材にトルクを伝達することができる。モータは、被駆動伝達部材に回転運動を伝達することができる。ギアボックスが、モータと被駆動伝達部材との間に配置されても良い。被駆動伝達部材と細長い伝達部材との間の移動可能な接続は、駆動ユニット、従って細長い伝達部材に沿ったドアの可動性をもたらす。被駆動伝達部材と細長い伝達部材との可動接続は、細長い伝達部材が被駆動伝達部材の周囲を少なくとも部分的に包囲することによって得ることができる。被駆動伝達部材は、細長い伝達部材が被駆動伝達部材の周囲を少なくとも部分的に包囲するときに、細長い伝達部材と係合することができる。
【0030】
少なくとも1つのガイド部材は、ドアに取り付けられても良い。少なくとも1つのガイド部材は、駆動ユニットの一部であっても良い。少なくとも1つのガイド部材は、駆動ユニットに取り付けられても良い。従って、少なくとも1つのガイド部材は、駆動ユニットを介してドアに取り付けられても良い。このようなガイド部材は、小型であるため、ドアの箇所で小さなスペースがあれば足りる。少なくとも1つのガイド部材と細長い伝達部材との間の相互作用により、細長い伝達部材が被駆動伝達部材の周囲を少なくとも部分的に包囲することができる。少なくとも1つのガイド部材は、細長い伝達部材を、被駆動伝達部材と接触するように案内している。
【0031】
摺動面は、細長い伝達部材と接触している。摺動面は摩擦係数が低いため、細長い伝達部材は、摺動面上を容易に摺動することができる。摺動面と細長い伝達部材との間の摩擦を減少させるために、潤滑剤のような摩擦減少部材が、摺動面及び/または細長い伝達部材に供給されても良い。摺動面と細長い伝達部材との間の摩擦を減少させることにより、ドアによる開口部の開閉を容易にすることができる。摺動面と細長い伝達部材との間の摩擦を減少させることにより、ドア操作システムの低い操作力のために、閉位置と開位置との間の移動を容易にすることができる。摺動面を含む少なくとも1つのガイド部材を使用することにより、ドア操作システムの複雑さが低減される。更に、メンテナンスの必要性が低減される。
【0032】
摺動面の曲率は、細長い伝達部材の形状、タイプ及び特性に適合させることができる。細長い伝達部材は、摺動面上で摺動または静止する際、撓んで摺動面の曲率に倣う。摺動面の曲率及び被駆動伝達部材に対する摺動面の位置は、被駆動伝達部材と細長い伝達部材との間の効果的な相互作用のために選択することができ、これにより、細長い伝達部材は、被駆動伝達部材の周囲を少なくとも部分的に包囲する。
【0033】
一態様によれば、摺動面は、細長い伝達部材のためのガイドトラックを含む。前記ガイドトラックは、前記細長い伝達部材の長手方向に前記細長い伝達部材を案内することができる。更に、ガイドトラックは、細長い伝達部材が、細長い伝達部材の細長い方向と直交する方向に摺動することを防止することができる。ガイドトラックは、被駆動伝達部材と細長い伝達部材との間の相互作用を増大させることができ、従って、細長い伝達部材は、被駆動伝達部材の周囲を少なくとも部分的に包囲する。細長い伝達部材は、少なくとも1つのガイド部材内にガイドトラックを形成するように構成することができる。そのため、ガイド部材は、細長の伝達部材よりも軟質であっても良い。ガイドトラックは、ガイド部材の摺動面に作用する細長い伝達部材からの表面圧力によって成形することができる。ガイドトラックはまた、細長い伝達部材とガイド部材の摺動面との間の摩耗によって形成されても良い。細長い伝達部材は、ガイド部材の摺動面よりも硬い表面を有するように構成することができる。細長い伝達部材は、ガイド部材の摺動面よりも耐摩耗性の高い表面を有するように構成することができる。細長い伝達部材は、ガイド部材またはガイド部材の摺動面に初期に大きな表面圧力をもたらす形状を有することができる。ガイドトラックの最初の生成後、表面圧力は、細長い伝達部材の形状により減少する。低下した表面圧力は、ガイドトラックの更なる形成を減少させ得る。
【0034】
本発明によれば、前記摺動面の曲率は、15mm~50mmの範囲の半径を有している。摺動面の曲率は、細長い伝達部材の形状、タイプ及び特性に適合させることができる。15mm~50mmの範囲の半径は、細長い伝達部材が撓み、摺動面の曲率に倣うことを可能にすることができる。また、前記被駆動伝達部材の半径は、15mm~50mm以下であることが好ましい。摺動面の曲率の半径は、被駆動伝達部材の半径に対応しても良い。
【0035】
一態様によれば、細長い伝達部材は、懸架された(suspended)屈曲可能な伝達部材の形態とされている。細長い伝達部材は、ドアフレーム内に懸架されても良い。細長い伝達部材は、ドア開口部を含む建物、壁またはフェンス内に懸架されても良い。細長い伝達部材は、曲げることができる。懸架された曲げ可能な伝達部材は、被駆動伝達部材からの回転運動をドアの直線運動に変換するように構成されても良い。懸架された曲げ可能な伝達部材の曲げ可能な特性は、懸架された曲げ可能な伝達部材が、被駆動伝達部材の周囲を少なくとも部分的に包囲することを容易にできる。懸架された曲げ可能な伝達部材の曲げ可能な特性は、懸架された曲げ可能な伝達部材が摺動面の曲率に倣うことを容易にすることができる。
【0036】
一態様によれば、システムは、ドアに取り付けられ、ドアの底部水平縁から延在している弾性パネルを更に備え、該弾性パネルは、ドアが閉位置にあるときに開口部の床と接触するように配置されている。弾性パネルは、ドアに弾性的に取り付けられても良く、その結果、パネルは、ドアの残りの部分に対して、撓む、曲がる、または回動することができる。弾性パネルは、ドアに弾性的にヒンジ結合されても良い。弾性パネルは、弾性且つ可撓性(resilient and flexible)であっても良い。ドアが開口部を閉鎖する閉位置にあるとき、弾性パネルは、ドアの底部水平縁から延在し、床と接触している。
【0037】
一態様では、細長い伝達部材は、ベルトである。ベルトはタイミングベルトであっても良い。ベルトは、歯を備えることができる。被駆動伝達部材は、大トルク及び力をベルトに伝達するように構成された歯付きプーリであっても良い。従って、ベルトと歯付きプーリとは、移動可能に接続されている。歯付きプーリ及びベルトは、共に高速を伝達することができる。このような伝達には信頼性があり、保守を殆ど必要としない。このような伝達はまた、コンパクトであり、殆どスペースを必要としない。ベルトはまた、摺動面の曲率に倣うことができる。
【0038】
一態様によれば、細長い伝達部材は駆動チェーンである。被駆動伝達部材は、大トルク及び力を駆動チェーンに伝達するように構成されたスプロケットであっても良い。従って、駆動チェーンとスプロケットとは移動可能に連結されている。スプロケット及び駆動チェーンは、共に高速を伝達することができる。このような伝達は信頼性があり、保守を殆ど必要としない。このような伝達はまた、コンパクトであり、殆どスペースを必要としない。駆動チェーンはまた、摺動面の曲率に倣うことができる。
【0039】
本発明の一態様によれば、摺動面は所定の表面硬度を有し、この表面硬度は、駆動チェーンが摺動面に駆動チェーンのガイドトラックを形成することを可能にしている。
【0040】
駆動チェーンは、少なくとも1つのガイド部材の摺動面にガイドトラックを形成するように構成することができる。そのため、ガイド部材の摺動面は、駆動チェーンよりも軟質であっても良い。ガイドトラックは、ガイド部材の摺動面に作用する駆動チェーンからの表面圧力によって成形されても良い。ガイドトラックはまた、駆動チェーンとガイド部材の摺動面との間の摩耗によって形成されても良い。駆動チェーンは、ガイド部材の摺動面よりも硬い表面を有するように構成することができる。駆動チェーンは、ガイド部材の摺動面よりも耐摩耗性の高い面で構成することができる。駆動チェーンの形状によっては、駆動チェーンがガイド部材の摺動面に対して初期に大きな表面圧力を作用させることがある。ガイドトラックの初期形成後、表面圧力は、細長い伝達部材の形状により減少する。低下した表面圧力は、ガイドトラックの更なる形成を減少させ得る。
【0041】
一態様によれば、ドアは、複数の水平で相互接続された部分を含む。部分は剛体であっても良い。これらの部分は、互いに回動可能に連結されても良い。これらの部分は、ヒンジによって互いに接続されても良い。断面は水平になっている。相互接続は、機械的ヒンジまたは可撓性若しくは弾性材料を含むヒンジを含むことができる。水平連結部は、ドアフレームに垂直方向延在部分、水平方向延在部分及び湾曲した相互接続部分が設けられている場合には、ドアの移動時にこれらに追従することができる。少なくとも1つの駆動ユニットが、部分の1つに取り付けられても良い。少なくとも1つの駆動ユニットが、複数の部分に取り付けられても良い。2つの駆動ユニットは、部分の1つに取り付けられても良い。少なくとも1つの駆動ユニットは、開口部の第1の側部に隣接する部分の1つの側に配置されても良い。少なくとも1つの他の駆動ユニットは、開口部の第2の側部に隣接する部分の他の側に配置されても良い。
【0042】
ある態様によれば、システムは、ドアに取り付けられ、第1のフレーム部と相互作用するように構成された第1の組のガイドローラと、第2のフレーム部と相互作用するように構成された第2の組のガイドローラとを更に備えている。ガイドローラは、フレーム、例えば第1のフレーム部及び第2のフレーム部によって形成される軌道に沿って案内されるようにドアと共に移動するように構成されている。駆動ユニットは、ドアの最下部に取り付けることができる。第1の組のガイドローラは、最下部の水平方向の底辺(bottom horizontal end phase)に隣接して配置されても良い。これは、ドアの上方の回動位置(superior pivoting position)を提供するために特に有利である。従って、ドア操作システムが、ドアが開位置で水平位置にあるアップアンドオーバードア操作システム(up and over door operator system)である場合、ドアがその開位置Oに近づいているときに、ガイドローラは、ドアのための共通の下方の回動点を形成している。これは、例えば、固定ラックを利用する、例えば、被駆動部分を有するドアと比較して、ドア開口部の上方に必要とされる空間を著しく低減させる。
【0043】
本発明によれば、駆動ユニットは、ドアの一部分に取り付けられ、第1及び第2の上部ガイドローラが、前記一部分から第1のフレーム部及び第2のフレーム部に向かってそれぞれ延在しており、第1及び第2の下部ガイドローラが、前記一部分から第1のフレーム部及び第2のフレーム部に向かってそれぞれ延在している。
【0044】
それに応じて、第1及び第2の上部ガイドローラが、前記一部分からそれぞれ第1のフレーム部及び第2のフレーム部に向かって延在している。同様に、第1及び第2の下部ガイドローラは、前記一部分から第1のフレーム部及び第2のフレーム部に向かってそれぞれ延在している。これにより、安定性を向上させることができ、駆動ユニットを取り付けることができる部分の負荷を減少させることができる。
【0045】
本発明によれば、前記駆動ユニットは、前記ドア(8)の最下部に取り付けられ、前記第1及び第2の下部ガイドローラは、前記最下部の水平方向の底辺に隣接して配置されている。第2の下部ガイドローラが設けられた部分は最下部であっても良く、下部ガイドローラは当該最下部の底辺に隣接して配置されている。これは、ドアの上方の回動位置を提供するために特に有利である。従って、ドア操作システムが、ドアが開位置で水平位置にあるアップアンドオーバードア操作システムである場合、ドアがその開位置Oに近づいているときに、下部ガイドローラは、ドアのための共通の下方の回動点を形成している。これは、例えば、固定ラックを利用する、例えば、被駆動部分を有するドアと比較して、ドア開口部の上方に必要とされる空間を著しく低減させる。
【0046】
本発明によれば、1つのガイドローラが、該ガイドローラの中心軸がガイド部材の摺動面の曲率の中心軸と同軸となる位置で、前記少なくとも1つのガイド部材に回転可能に連結されている。
【0047】
同軸配置では、フレーム及びガイドローラがドアの移動中に負荷の一部を吸収することにより、ガイド部材への力を減少させている。従って、駆動ユニット及び/またはガイド部材のドア部分及び軸受けに生じる力が低減される。更に、同軸配置では、より多くの細長い伝達部材がガイドローラの後ろに配置されることを可能にし、これは、前記細長い伝達部材の露出を減少させている。ガイドローラは、シャフトによってドアに取り付けられても良い。ガイドローラは、シャフトによるガイド部材を介してドアに取り付けられていても良い。シャフトは、ガイド部材内に配置され、ガイドローラは、シャフトに回転可能に取り付けられる。シャフトは、ガイド部材に固定して取り付けることができる。シャフトは、ガイド部材に対して軸方向に取り外すことができる。シャフトは、ガイド部材内に回転可能に配置されても良い。ガイドローラは、シャフトに堅固に取り付けられても良い。ガイドローラの中心軸及びシャフトの中心軸は、ガイド部材の摺動面の曲率の中心軸と同軸に配置されても良い。ガイドローラの中心軸と少なくとも1つのガイド部材の摺動面の曲率の中心軸とを同軸に配置することにより、ガイドローラの中心軸と、少なくとも1つのガイド部材の摺動面の曲率の中心軸とが、共通の水平軸に沿って直線的に延びることができる。水平軸は、第1のフレーム部と第2のフレーム部との間に延在していて良い。
【0048】
本発明によれば、第1の上部ガイドローラは、その中心軸が少なくとも1つの上部ガイド部材の摺動面の曲率の中心軸と同軸となる位置で、少なくとも1つの上部ガイド部材に回転可能に連結されている。同軸配置では、フレーム及び第1のガイドローラがドアの移動中に負荷の一部を吸収することにより、上部ガイド部材にかかる力を減少させている。従って、駆動ユニット及び/または上部ガイド部材のドア部分及び軸受けに生じる力が低減される。更に、同軸配置では、より多くの細長い伝達部材が第1のガイドローラの後ろに配置されることを可能にし、これは、前記細長い伝達部材の露出を減少させている。第1のガイドローラは、シャフトによってドアに取り付けられても良い。第1のガイドローラは、シャフトによる上部ガイド部材を介してドアに取り付けられている。シャフトは、上部ガイド部材内に配置され、第1のガイドローラは、シャフトに回転可能に取り付けられる。シャフトは、上部ガイド部材に固定して取り付けることができる。シャフトは、上部ガイド部材に対して軸方向に取り外すことができる。シャフトは、ガイド部材内に回転可能に配置されても良い。第1のガイドローラは、シャフトに堅固に取り付けられても良い。第1のガイドローラの中心軸及びシャフトの中心軸は、上部ガイド部材の摺動面の曲率の中心軸と同軸に配置されても良い。第1のガイドローラの中心軸と、少なくとも1つの上部ガイド部材の摺動面の曲率の中心軸とを同軸に配置することにより、第1のガイドローラの中心軸と、少なくとも1つの上部ガイド部材の摺動面の曲率の中心軸とが、共通の水平軸に沿って直線的に延びることができる。水平軸は、第1のフレーム部と第2のフレーム部との間に延在していて良い。
【0049】
本発明によれば、ガイドローラの1つが、該ガイドローラの中心軸が少なくとも1つのガイド部材の摺動面の曲率の中心軸と同軸となる位置で、ドアの水平方向の底辺に隣接するガイド部材に回転可能に連結されている。これは、ドアの上方の回動位置を提供するために特に有利である。従って、ドア操作システムがアップアンドオーバードア操作システムである場合、ドアがその開位置に近づいているときに、ガイドローラ及びガイド部材は、ドアのための共通の下方の回動点を形成している。
【0050】
本発明によれば、ガイドローラは、その中心軸の方向に移動するように配置されている。ガイドローラは、シャフトによってドアに取り付けられても良い。ガイドローラは、シャフトによるガイド部材を介してドアに取り付けられていても良い。シャフトは、ガイド部材内に配置され、ガイドローラは、シャフトに回転可能に取り付けられる。シャフトは、ガイド部材に対して軸方向に取り外すことができる。シャフトは、ガイド部材内に回転可能に配置されても良い。ガイドローラは、シャフトに堅固に取り付けられても良い。あるいは、シャフトがガイド部材に固定され、ガイドローラがシャフト上に回転可能に配置され、ガイドローラがシャフト上で軸方向に変位可能であっても良い。
【0051】
従って、本明細書に開示された発明は、説明された装置の特定の構成部品または説明された方法のステップに限定されないことが理解されるべきである。なぜなら、そのような装置及び方法は変化し得るからである。また、本明細書中で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図しないことを理解されたい。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、文脈が明示的に別段の指示をしない限り、1つまたは複数の要素が存在することを意味することが意図されることに留意されたい。従って、例えば、「ユニット」または「ユニット」への言及は、いくつかのデバイス等を含むことができる。更に、用語「含む」、「含む」、「含む」及び類似の文言は、他の要素または工程を排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】ドアが閉位置にある、本発明によるドア操作システムの概略正面図を示す。
【
図2a】ドアが開位置にある、本発明によるドア操作システムの概略側面図を示す。
【
図2b】ドアが閉位置にある、本発明によるドア操作システムの概略側面図を示す。
【
図3】本発明によるドア操作システムの概略的な詳細図を示す。
【
図4】本発明によるドア操作システムの概略的な詳細図を示す。
【
図5a】ドアが閉じた位置にある、本発明によるドア操作システムの概略的な正面図を示す。
【
図5b】ドアが閉じた位置にある、本発明によるドア操作システムの概略的な正面図を示す。
【
図6】本発明によるドア操作システムの概略側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の上記の目的、並びに更なる目的、特徴及び利点は、添付の図面と併せて本発明の例示的な実施形態の以下の例示的且つ非限定的な詳細な説明を参照することによって、より十分に理解されるであろう。
【0054】
以下、添付図面を参照して本発明を説明するが、添付図面には本発明の好ましい実施形態及び実施形態が示されている。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に開示された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。開示された態様及び実施形態は、当業者に開示の範囲を完全に伝えるために提供されている。
【0055】
図1は、ドア8が閉位置にある、本発明によるドア操作システム1の概略的な正面図を示す。ドア操作システム1は、開口部2を開閉するドア操作システムである。ドアフレーム3は、開口部2の第1の側部5に第1のフレーム部4を有し、開口部2の第2の側部7に第2のフレーム部6を有している。ドア8は、閉位置Cと開位置Oとの間で移動するように構成されている(
図2a)。ドア8は、ドアフレーム3に移動可能に連結されている。ドア8には、2つの駆動ユニット10が取り付けられている。ドア8は、複数の水平で相互接続された部分9a~9eを含む。
図1のドア操作システム1は、第1のフレーム部4及び第2のフレーム部6のそれぞれが、垂直方向延在部分4a、6aと、水平方向延在部分4b、6bと、湾曲した相互接続部分4c、6cとを備えたオーバーヘッドドア操作システムを示している。
【0056】
図2a及び
図2bは、ドア8が開位置O及び閉位置Cにある、本発明によるドア操作システム1の概略側面図を示す。ドア8は、開口部2を開閉するために、開口部2に対して移動可能である。閉位置Cでは、ドア8は開口部2または開口部2の一部を覆う。閉位置Cでは、ドア8は床15上で静止する(rest)ことができる。開位置Oでは、ドアが開口部2または開口部2の一部から離間しており、ドア2が開口部2のほぼ上方に配置されている。
【0057】
ドア操作システムは、オーバーヘッドドア操作システムであっても良い。
【0058】
図3は、本発明によるドア操作システム1の概略的な詳細図を示す。駆動ユニット10は、ドア8を閉位置Cから開位置Oへ、及びその逆に移動させるように構成された少なくとも1つのモータ11を含む。細長い伝達部材19が、開口部2の第1の側部5及び第2の側部7の少なくとも一方に沿って延在している。また、駆動ユニット10は、モータ11に駆動連結された被駆動伝達部材18を備えている。被駆動伝達部材18は、細長い伝達部材19に移動可能に接続されており、細長い伝達部材19と相互作用するように構成されており、細長い伝達部材19が被駆動伝達部材18の周囲を少なくとも部分的に包囲することによって、被駆動伝達部材18を細長い伝達部材19に沿って駆動している。細長い伝達部材19は、懸架された屈曲可能な伝達部材の形態である。細長い伝達部材19は、ベルトまたは駆動チェーンであっても良い。
図3において、細長い伝達部材19は駆動チェーンである。
【0059】
ドア8に取り付けられた少なくとも1つのガイド部材92は、細長い伝達部材19を案内して被駆動伝達部材18と接触させるために、細長い伝達部材19と相互作用するように構成されている。少なくとも1つのガイド部材92は、細長い伝達部材19が摺動するように構成された摺動面101を含む。摺動面101は曲率を有し、この曲率は、細長い伝達部材19を付勢して屈曲させ、曲率に倣うように構成されている。摺動面101の曲率は半径Rを有し、この半径Rは15mm~50mmの範囲であっても良い。
【0060】
少なくとも1つのガイド部材92は、ドア8に対して固定されるように取り付けられても良い。摺動面101は、ドア8に対して固定されていても良い。
【0061】
言い換えると、少なくとも1つのガイド部材92は、細長い伝達部材19と摺動面101との間の相対的な並進運動を案内するために、細長い伝達部材19と摺動接触するように配置された摺動面101を含む。
【0062】
弾性パネル91は、ドア8に取り付けられ、ドア8の底部水平縁20から延在し、ドア8が閉位置Cにあるときに開口部2の床15(
図2b)に接触するように配置されている。
【0063】
図4は、本発明によるドア操作システム1の概略詳細図を示す。摺動面101は、細長い伝達部材19のためのガイドトラック12を含む。摺動面101は所定の表面硬度を有し、この表面硬度により、駆動チェーン19は、摺動面101内に駆動チェーン19のためのガイドトラック12を形成することができる。
【0064】
摺動面101は、ポリマー材料、例えば、ポリアミドまたはポリウレタンであっても良い。
【0065】
ガイド部材92には、その中心軸がガイド部材92の摺動面の曲率の中心軸と同軸となる位置にガイドローラ17が回転可能に連結されている。しかしながら、ガイドローラ17の中心軸と、少なくとも1つのガイド部材92の摺動面の曲率の中心軸とは、異なる中心軸配置を有しても良い。ガイドローラ17は、その中心軸13が少なくとも1つのガイド部材92の摺動面101の曲率の中心軸14と同軸に配置された位置で、ドア8の底部水平縁20に隣接するガイド部材92の1つに回転可能に連結されている。ガイドローラ17は、その中心軸13の方向に移動するように構成されている。被駆動伝達部材18は、モータ11によって駆動されている。モータ11は、被駆動伝達部材18にトルクを伝達することができる。モータ11は、被駆動伝達部材18に回転運動を伝達することができる。ギアボックス16は、モータ11と被駆動伝達部材18との間に配置されても良い。被駆動伝達部材18と細長い伝達部材19との間の移動可能な接続により、駆動ユニット10、従ってドア8(
図3)が細長い伝達部材19に沿って移動可能となる。被駆動伝達部材18と細長い伝達部材19との可動接続は、細長い伝達部材19が被駆動伝達部材18の周囲を少なくとも部分的に包囲することによって得られる。被駆動伝達部材18は、細長い伝達部材19が被駆動伝達部材18に少なくとも部分的に巻き付いたときに、細長い伝達部材19と係合することができる。
【0066】
図5a及び
図5bは、ドア8が閉位置Cにある本発明によるドア操作システム1の概略正面図を示す。
図5aによれば、第1のガイドローラ17の対が、第1のフレーム部4と相互作用するように構成されたドア8に取り付けられ、第2のガイドローラ17の対が、第2のフレーム部6と相互作用するように構成されている。モータ11は、ドア8の部分9c及び9eに取り付けられている。ガイド部材92は、ガイドローラ17と同軸に配置されている。
図5bによれば、ドア8の最下部9eにはモータ11が取り付けられており、第1及び第2の上部ガイドローラ17が第1のフレーム部4に向かって延在し、第1及び第2の下部ガイドローラ17が第2のフレーム部6に向かって延在している。第1及び第2の下部ガイドローラ17は、最下部9eの水平方向の底辺に隣接して配置されている。第1の上部ガイドローラ17と同軸に上ガイド部材92が配置され、第1の上部ガイドローラ17の中心軸が上ガイド部材92の摺動面の曲率の中心軸と同軸になる位置で、第1の上部ガイドローラ17の中心軸が各上ガイド部材92に回転可能に連結されている。モータ11は、駆動伝達部材18に接続されている。
【0067】
図6は、本発明によるドア操作システム1の概略側面図を示す。細長い伝達部材19は、ドアフレーム内に懸架されていても良い。細長い伝達部材19は、ドアフレーム3内に懸架されている。細長い伝達部材19は、代わりにまたは組み合わせて、ドア開口部2を含む建物の壁、フェンス22内に吊り下げられても良い。細長い伝達部材19は、曲げることができる。懸架された屈曲可能な伝達部材19は、被駆動伝達部材18からの回転運動を、第1及び第2のフレーム部4、6の形状に従うドア2の運動に変換するように構成されても良い。懸架された曲げ可能な伝達部材19の曲げ可能な特性は、懸架された曲げ可能な伝達部材19が、被駆動伝達部材18の周囲を少なくとも部分的に包囲することを容易にできる。懸架された曲げ可能な伝達部材19の曲げ可能な特性は、懸架された曲げ可能な伝達部材19がガイド部材92の摺動面101の曲率に倣うことを容易にすることができる。
【0068】
当業者は、本発明が上述の好ましい実施形態に限定されないことを理解する。当業者であれば、添付の特許請求の範囲の範囲内で変更が可能であることを更に理解する。更に、本発明の全ての態様及び実施形態は、本発明の他の態様及び実施形態と組み合わせることができる。更に、開示された実施形態に対する変更は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解され、実施され得る。
【国際調査報告】