IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 広東美的制冷設備有限公司の特許一覧 ▶ 美的集団股▲フン▼有限公司の特許一覧

特表2023-531089トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体
<>
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図1
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図2
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図3
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図4
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図5
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図6
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図7
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図8
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図9
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図10
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図11
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図12
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図13
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図14
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図15
  • 特表-トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20230712BHJP
【FI】
H02M7/12 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580272
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(85)【翻訳文提出日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 CN2021107160
(87)【国際公開番号】W WO2022017330
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】202010712462.1
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】曽賢杰
(72)【発明者】
【氏名】徐錦清
(72)【発明者】
【氏名】文先仕
(72)【発明者】
【氏名】張杰楠
(72)【発明者】
【氏名】胡斌
(72)【発明者】
【氏名】鐘雄斌
(72)【発明者】
【氏名】黄招彬
【テーマコード(参考)】
5H006
【Fターム(参考)】
5H006AA02
5H006BB05
5H006CA01
5H006CA02
5H006CB01
5H006CB08
5H006CC08
5H006DA02
5H006DB01
5H006DC05
(57)【要約】
トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体である。該トーテムポールPFC回路において、コントローラは、第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、スイッチアセンブリとスイッチング素子のオンオフを制御し、第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、スイッチアセンブリをオフに維持するように制御するように設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリッジ式回路を形成するスイッチアセンブリを含み、入力端が交流電源に接続されるブリッジ回路と、
相互に直列に接続される第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子とを含み、前記ブリッジ回路の出力端に並列に接続されるエネルギー貯蔵アセンブリと、
一端が交流電源に接続され、他端が前記第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子との共通端に接続されるスイッチング素子と、
前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子にそれぞれ接続されるコントローラと、を含み、
ここで、前記コントローラは、第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御し、
前記コントローラは、第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、前記スイッチアセンブリをオフに維持するように制御する、
トーテムポール力率改善PFC回路。
【請求項2】
前記スイッチアセンブリは、第1のMOSトランジスタと、第2のMOSトランジスタと、第3のMOSトランジスタと、第4のMOSトランジスタとを含み、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとが第1のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとが第2のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとの共通端がインダクタを介して交流電源の一端に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとの共通端が交流電源の他端に接続され、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタおよび前記第4のMOSトランジスタにはいずれもダイオードが逆並列に接続される、
請求項1に記載のトーテムポールPFC回路。
【請求項3】
直流母線電圧値を検出するための電圧検出回路をさらに含み、前記電圧検出回路は前記エネルギー貯蔵アセンブリに並列に接続され、前記コントローラに接続される、
請求項1に記載のトーテムポールPFC回路。
【請求項4】
前記スイッチング素子は、
第5のMOSトランジスタ、第6のMOSトランジスタ、第1のダイオードと第2のダイオードであって、前記第5のMOSトランジスタおよび前記第6のMOSトランジスタのソースが相互に接続され、前記第1のダイオードの負極が前記第5のMOSトランジスタのドレインに接続され、前記第5のMOSトランジスタのドレインが前記第3のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタとの共通端に接続され、前記第2のダイオードの負極が前記第6のMOSトランジスタのドレインに接続され、前記第6のMOSトランジスタのドレインが前記第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子との共通端に接続され、前記第1のダイオードおよび前記第2のダイオードの正極がいずれも前記第5のMOSトランジスタのソースに接続され、前記第5のMOSトランジスタおよび前記第6のMOSトランジスタのゲートが前記コントローラにそれぞれ接続される、第5のMOSトランジスタ、第6のMOSトランジスタ、第1のダイオードおよび第2のダイオードと、
第1のIGBTトランジスタと第2のIGBTトランジスタであって、前記第1のIGBTトランジスタのエミッタが前記第2のIGBTトランジスタのコレクタに接続され、前記第1のIGBTトランジスタのコレクタが前記第2のIGBTトランジスタのエミッタに接続され、前記第1のIGBTトランジスタのエミッタが前記第3のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタとの共通端に接続され、前記第1のIGBTトランジスタのコレクタが前記第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子との共通端に接続され、前記第1のIGBTトランジスタおよび前記第2のIGBTトランジスタのゲートが前記コントローラにそれぞれ接続される、第1のIGBTトランジスタおよび第2のIGBTトランジスタと、
第3のIGBTトランジスタ、第3のダイオード、第4のダイオード、第5のダイオードと第6のダイオードであって、前記第3のダイオードおよび前記第5のダイオードの負極がいずれも前記第3のIGBTトランジスタのコレクタに接続され、前記第4のダイオードおよび前記第6のダイオードの正極がいずれも前記第3のIGBTトランジスタのエミッタに接続され、前記第3のダイオードの正極が前記第4のダイオードの負極および前記第3のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタとの共通端にそれぞれ接続され、前記第5のダイオードの正極が前記第6のダイオードの負極および前記第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子との共通端にそれぞれ接続され、前記第3のIGBTトランジスタのゲートが前記コントローラに接続される、第3のIGBTトランジスタ、第3のダイオード、第4のダイオード、第5のダイオードおよび第6のダイオードと、のうちの1つを含む、
請求項2に記載のトーテムポールPFC回路。
【請求項5】
正極が前記第3のMOSトランジスタに接続され、負極が前記第1のエネルギー貯蔵素子に接続される第7のダイオードと、負極が前記第4のMOSトランジスタに接続され、正極が前記第2のエネルギー貯蔵素子に接続される第8のダイオードとをさらに含む、
請求項2に記載のトーテムポールPFC回路。
【請求項6】
前記スイッチング素子は、リレーである、
請求項5に記載のトーテムポールPFC回路。
【請求項7】
トーテムポールPFC回路に応用されるトーテムポールPFC回路制御方法であって、前記トーテムポールPFC回路は、
ブリッジ式回路を形成するスイッチアセンブリを含み、入力端が交流電源に接続されるブリッジ回路と、
相互に直列に接続される第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子とを含み、前記ブリッジ回路の出力端に並列に接続されるエネルギー貯蔵アセンブリと、
一端が交流電源に接続され、他端が前記第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子との共通端に接続されるスイッチング素子と、
前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子にそれぞれ接続されるコントローラとを含み、
前記トーテムポールPFC回路制御方法は、
第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御することと、
第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、前記スイッチアセンブリをオフに維持するように制御することと、を含む、
トーテムポールPFC回路制御方法。
【請求項8】
前記スイッチアセンブリは、第1のMOSトランジスタと、第2のMOSトランジスタと、第3のMOSトランジスタと、第4のMOSトランジスタとを含み、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとが第1のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとが第2のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとの共通端がインダクタを介して交流電源の一端に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとの共通端が交流電源の他端に接続され、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタおよび前記第4のMOSトランジスタにはいずれもダイオードが逆並列に接続され、
第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御することは、
直流母線電圧値を上昇させるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信すること、または、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信することを含む、
請求項7に記載のトーテムポールPFC回路制御方法。
【請求項9】
前記トーテムポールPFC回路は、前記エネルギー貯蔵アセンブリに並列に接続され、前記コントローラに接続される電圧検出回路をさらに含み、前記トーテムポールPFC回路制御方法は、
前記電圧検出回路によって直流母線電圧値を取得することと、
前記直流母線電圧値に基づいて前記第1の期間及び/又は前記第2の期間を決定することと、をさらに含む、
請求項7に記載のトーテムポールPFC回路制御方法。
【請求項10】
前記直流母線電圧値に基づいて前記第1の期間及び/又は前記第2の期間を決定することは、
前記直流母線電圧値が第1の予め設定された電圧値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御することと、
前記直流母線電圧値が第2の予め設定された電圧値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子をオフに維持するように制御することと、のうちの少なくとも1つを含み、
ここで、前記第1の予め設定された電圧値は、前記第2の予め設定された電圧値よりも小さい、
請求項9に記載のトーテムポールPFC回路制御方法。
【請求項11】
前記スイッチアセンブリは、第1のMOSトランジスタと、第2のMOSトランジスタと、第3のMOSトランジスタと、第4のMOSトランジスタとを含み、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとが第1のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとが第2のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとの共通端がインダクタを介して交流電源の一端に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとの共通端が交流電源の他端に接続され、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタおよび前記第4のMOSトランジスタにはいずれもダイオードが逆並列に接続され、
前記直流母線電圧値に基づいて前記第1の期間及び/又は前記第2の期間を決定することは、
前記トーテムポールPFC回路の負荷量を取得することと、
前記負荷量が第1の負荷量区間にある場合、前記直流母線電圧値が第1の電圧閾値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することと、前記直流母線電圧値が第2の電圧閾値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタ、前記第4のMOSトランジスタおよび前記スイッチング素子をオフに維持するように制御することと、
前記負荷量が第2の負荷量区間にある場合、前記直流母線電圧値が第3の電圧閾値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信することと、前記直流母線電圧値が第4の電圧閾値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタおよび前記第4のMOSトランジスタをオフに維持するように制御することと、
前記負荷量が第3の負荷量区間にある場合、前記直流母線電圧値が第1の電圧閾値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することと、前記直流母線電圧値が第4の電圧閾値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタおよび前記第4のMOSトランジスタをオフに維持するように制御することと、を含み、
ここで、前記第1の電圧閾値、前記第2の電圧閾値、前記第3の電圧閾値、前記第4の電圧閾値は、順次増大する、
請求項9に記載のトーテムポールPFC回路制御方法。
【請求項12】
直流母線電圧値を上昇させるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することは、
交流電圧信号の正半波で、前記第3のMOSトランジスタおよびスイッチング素子をオフに維持するように制御し、前記第4のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタを交互にオンさせるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することと、
交流電圧信号の負半波で、前記第3のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、前記第4のMOSトランジスタおよびスイッチング素子をオフに維持するように制御し、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタを交互にオンさせるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することとを含む、
請求項8に記載のトーテムポールPFC回路制御方法。
【請求項13】
交流電圧信号の正半波で、前記第1のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、前記第2のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少し、
交流電圧信号の負半波で、前記第1のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少し、前記第2のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大する、
請求項8又は12に記載のトーテムポールPFC回路制御方法。
【請求項14】
前記直流母線電圧値を上昇させるように、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信することは、
交流電圧信号の正半波で、前記第1のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、前記第2のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタをオフに維持するように制御し、前記第3のMOSトランジスタと前記スイッチング素子を交互にオンさせるように、前記第3のMOSトランジスタと前記スイッチング素子にパルス信号を送信することと、
交流電圧信号の負半波で、前記第2のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、前記第1のMOSトランジスタと前記第3のMOSトランジスタをオフに維持するように制御し、前記第4のMOSトランジスタと前記スイッチング素子を交互にオンさせるように、前記第4のMOSトランジスタと前記スイッチング素子にパルス信号を送信することとを含む、
請求項8に記載のトーテムポールPFC回路制御方法。
【請求項15】
交流電圧信号の正半波で、前記スイッチング素子によって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、前記第3のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少し、
交流電圧信号の負半波で、前記スイッチング素子によって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、前記第4のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少する、
請求項8又は14に記載のトーテムポールPFC回路制御方法。
【請求項16】
直流母線電圧値を上昇させるように、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信することは、
交流電圧信号の正半波で前記第3のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、交流電圧信号の負半波で前記第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子をオンに維持するように制御することを含む、
請求項8に記載のトーテムポールPFC回路制御方法。
【請求項17】
請求項1~6のいずれか一項に記載のトーテムポールPFC回路を含む、
配線基板。
【請求項18】
請求項17に記載のトーテムポールPFC回路を含むか、
または、
少なくとも1つのプロセッサと前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるためのメモリとを含み、前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されることにより、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項7~16のいずれか一項に記載のトーテムポールPFC回路制御方法を実行できるようにする、
空調機。
【請求項19】
コンピュータに請求項7~16のいずれか一項に記載のトーテムポールPFC回路制御方法を実行させるためのコンピュータ実行可能な命令が記憶される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年7月22日に提出された、出願番号が202010712462.1、名称が「トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体」の中国特許出願の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、本出願に参照として取り込まれる。
【0002】
本発明は、PFC制御分野に関し、特に、トーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在では、電力網に接続される機器は、その入力側にいずれも力率改善(Power Factor Correction、PFC)が必要である。既存のトーテムポールPFC回路のブリッジ回路は、一般的にスイッチトランジスタを採用して実現されているが、既存のトーテムポールPFC回路が作動する時、スイッチトランジスタは、頻繁に動作する必要があるため、スイッチトランジスタの損失が大きく、故障が発生しやすく、トーテムポールPFC回路の動作の安定性に影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下は、本明細書で詳細に記述されているテーマの概要である。本概要は、特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。
【0005】
本発明の実施例は、スイッチアセンブリとスイッチング素子の損失を低減させ、作動の安定性を向上させることができるトーテムポールPFC回路及びその制御方法、配線基板、空調機、記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本発明の実施例は、トーテムポールPFC回路を提供し、前記回路は、
ブリッジ式回路を形成するスイッチアセンブリを含み、入力端が交流電源に接続されるブリッジ回路と、
相互に直列に接続される第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子とを含み、前記ブリッジ回路の出力端に並列に接続されるエネルギー貯蔵アセンブリと、
一端が交流電源に接続され、他端が前記第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子との共通端に接続されるスイッチング素子と、
前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子にそれぞれ接続されるコントローラとを含み、
前記コントローラは、第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御し、
前記コントローラは、第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、前記スイッチアセンブリをオフに維持するように制御する。
【0007】
本発明の実施例によるトーテムポールPFC回路は、以下の有益な効果を少なくとも有する。コントローラは、第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御し、第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、前記スイッチアセンブリをオフに維持するように制御するように設けられる。これにより、スイッチアセンブリとスイッチング素子が第1の期間内にのみ動作を行い、負荷の作動に影響を与えることなく、スイッチアセンブリとスイッチング素子の損失を低減させ、作動の安定性を向上させることができる。
【0008】
本発明のいくつかの実施例において、前記スイッチアセンブリは、第1のMOSトランジスタと、第2のMOSトランジスタと、第3のMOSトランジスタと、第4のMOSトランジスタとを含み、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとが第1のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとが第2のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタの共通端がインダクタを介して交流電源の一端に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとの共通端が交流電源の他端に接続され、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタおよび前記第4のMOSトランジスタにはいずれもダイオードが逆並列に接続される。
【0009】
上記技術案において、第1のMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタ、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタを利用してブリッジ回路を構成する。第1のMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタ、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタは、動作損失を分散することができ、それにより、素子の作動の耐用年数を延長し、回路の作動の安定性を向上させることができる。
【0010】
本発明のいくつかの実施例において、前記トーテムポールPFC回路は、
直流母線電圧値を検出するための電圧検出回路をさらに含み、前記電圧検出回路は前記エネルギー貯蔵アセンブリに並列に接続され、前記コントローラに接続される。
【0011】
上記技術案において、電圧検出回路を設置することによって、直流母線電圧を検出することができ、直流母線電圧に基づいて第1の期間と第2の期間を決定しやすい。
【0012】
本発明のいくつかの実施例において、前記スイッチング素子は、
第5のMOSトランジスタ、第6のMOSトランジスタ、第1のダイオードと第2のダイオードであって、前記第5のMOSトランジスタおよび前記第6のMOSトランジスタのソースとが相互に接続され、前記第1のダイオードの負極が前記第5のMOSトランジスタのドレインに接続され、前記第5のMOSトランジスタのドレインが前記第3のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタとの共通端に接続され、前記第2のダイオードの負極が前記第6のMOSトランジスタのドレインに接続され、前記第6のMOSトランジスタのドレインが前記第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子との共通端に接続され、前記第1のダイオードおよび前記第2のダイオードの正極がいずれも前記第5のMOSトランジスタのソースに接続され、前記第5のMOSトランジスタおよび前記第6のMOSトランジスタのゲートが前記コントローラにそれぞれ接続される、第5のMOSトランジスタ、第6のMOSトランジスタ、第1のダイオードおよび第2のダイオードと、
第1のIGBTトランジスタと第2のIGBTトランジスタであって、前記第1のIGBTトランジスタのエミッタが前記第2のIGBTトランジスタのコレクタに接続され、前記第1のIGBTトランジスタのコレクタが前記第2のIGBTトランジスタのエミッタに接続され、前記第1のIGBTトランジスタのエミッタが前記第3のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタの共通端に接続され、前記第1のIGBTトランジスタのコレクタが前記第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子との共通端に接続され、前記第1のIGBTトランジスタおよび前記第2のIGBTトランジスタのゲートが前記コントローラにそれぞれ接続される、第1のIGBTトランジスタおよび第2のIGBTトランジスタと、
第3のIGBTトランジスタ、第3のダイオード、第4のダイオード、第5のダイオードと第6のダイオードであって、前記第3のダイオードおよび前記第5のダイオードの負極がいずれも前記第3のIGBTトランジスタのコレクタに接続され、前記第4のダイオードおよび前記第6のダイオードの正極がいずれも前記第3のIGBTトランジスタのエミッタに接続され、前記第3のダイオードの正極が前記第4のダイオードの負極および前記第3のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタとの共通端にそれぞれ接続され、前記第5のダイオードの正極が前記第6のダイオードの負極および前記第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子との共通端にそれぞれ接続され、前記第3のIGBTトランジスタのゲートが前記コントローラに接続される、第3のIGBTトランジスタ、第3のダイオード、第4のダイオード、第5のダイオードおよび第6のダイオードと、のうちの1つを含む。
【0013】
上記技術案において、スイッチング素子の3つの構造は、いずれも制御可能な双方向導通を実現することができ、交流電圧信号の正半波と負半波で異なる方向の回路を形成しやすい。
【0014】
本発明のいくつかの実施例において、
前記トーテムポールPFC回路は、正極が前記第3のMOSトランジスタに接続され、負極が前記第1のエネルギー貯蔵素子に接続される第7のダイオードと、負極が前記第4のMOSトランジスタに接続され、正極が前記第2のエネルギー貯蔵素子に接続される第8のダイオードとをさらに含む。
【0015】
上記技術案において、第7のダイオードと第8のダイオードを設置することによって、片方向導通の制御効果を達成し、第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子の放電時の電流逆流を避け、回路の作動の安定性を向上させることができる。
【0016】
本発明のいくつかの実施例において、前記スイッチング素子は、リレーである。
【0017】
第7のダイオードと第8のダイオードの存在によって、第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子の放電時の電流逆流を避けることができるため、スイッチング素子が制御時にオンに維持されることができ、スイッチング素子への制御の簡略化に有利である。
【0018】
第2の態様によれば、本発明の実施例は、トーテムポールPFC回路に応用されるトーテムポールPFC回路制御方法をさらに提供し、前記トーテムポールPFC回路は、
ブリッジ式回路を形成するスイッチアセンブリを含み、入力端が交流電源に接続されるブリッジ回路と、
相互に直列に接続される第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子とを含み、前記ブリッジ回路の出力端に並列に接続されるエネルギー貯蔵アセンブリと、
一端が交流電源に接続され、他端が前記第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子との共通端に接続されるスイッチング素子と、
前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子にそれぞれ接続されるコントローラとを含み、
前記トーテムポールPFC回路制御方法は、
第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御することと、
第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、前記スイッチアセンブリをオフに維持するように制御することと、を含む。
【0019】
本発明の実施例によるトーテムポールPFC回路制御方法は、以下の有益な効果を少なくとも有する。第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御し、第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、前記スイッチアセンブリをオフに維持するように制御する。これにより、スイッチアセンブリとスイッチング素子が第1の期間でのみ動作を行い、負荷の作動に影響を与えることなく、スイッチアセンブリとスイッチング素子の損失を低減させ、作動の安定性を向上させることができる。
【0020】
本発明のいくつかの実施例において、前記スイッチアセンブリは、第1のMOSトランジスタと、第2のMOSトランジスタと、第3のMOSトランジスタと、第4のMOSトランジスタとを含み、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとが第1のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとが第2のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとの共通端がインダクタを介して交流電源の一端に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとの共通端が交流電源の他端に接続され、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタおよび前記第4のMOSトランジスタにはいずれもダイオードが逆並列に接続され、第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御することは、
直流母線電圧値を上昇させるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信すること、または、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信することを含む。
【0021】
上記技術案において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、それによって昇圧効果を実現し、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第3のMOSトランジスタ、前記第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信し、それによって倍電圧効果を実現する。
【0022】
本発明のいくつかの実施例において、前記トーテムポールPFC回路は、前記エネルギー貯蔵アセンブリに並列に接続され、前記コントローラに接続される電圧検出回路をさらに含み、前記トーテムポールPFC回路制御方法は、
前記電圧検出回路によって直流母線電圧値を取得することと、
前記直流母線電圧値に基づいて前記第1の期間及び/又は前記第2の期間を決定することと、をさらに含む。
【0023】
上記技術案において、直流母線電圧値に基づいて第1の期間及び/又は第2の期間を決定することで、負荷の正常な作動を維持することを確保することができる。
【0024】
本発明のいくつかの実施例において、前記直流母線電圧値に基づいて前記第1の期間及び/又は前記第2の期間を決定することは、
前記直流母線電圧値が第1の予め設定された電圧値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御することと、
前記直流母線電圧値が第2の予め設定された電圧値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子をオフに維持するように制御することと、のうちの少なくとも1つを含み、
ここで、前記第1の予め設定された電圧値は、前記第2の予め設定された電圧値よりも小さい。
【0025】
上記技術案において、直流母線電圧を第1の予め設定された電圧値と第2の予め設定された電圧値と比較することによって、直流母線電圧をタイムリーに向上させて負荷の運行のニーズを満たしながら、直流母線電圧を第2の予め設定された電圧値までに上昇させるように制御することができ、トーテムポールPFC回路の運行の信頼性を向上させることができる。
【0026】
本発明のいくつかの実施例において、前記スイッチアセンブリは、第1のMOSトランジスタと、第2のMOSトランジスタと、第3のMOSトランジスタと、第4のMOSトランジスタとを含み、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとが第1のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとが第2のブリッジアームを形成するように直列に接続され、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとの共通端がインダクタを介して交流電源の一端に接続され、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタとの共通端が交流電源の他端に接続され、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタおよび前記第4のMOSトランジスタにはいずれもダイオードが逆並列に接続され、前記直流母線電圧値に基づいて前記第1の期間及び/又は前記第2の期間を決定することは、
前記トーテムポールPFC回路の負荷量を取得することと、
前記負荷量が第1の負荷量区間にある場合、前記直流母線電圧値が第1の電圧閾値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することと、前記直流母線電圧値が第2の電圧閾値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタ、前記第4のMOSトランジスタおよび前記スイッチング素子をオフに維持するように制御することと、
前記負荷量が第2の負荷量区間にある場合、前記直流母線電圧値が第3の電圧閾値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信することと、前記直流母線電圧値が第4の電圧閾値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタおよび前記第4のMOSトランジスタをオフに維持するように制御することと、
前記負荷量が第3の負荷量区間にある場合、前記直流母線電圧値が第1の電圧閾値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することと、前記直流母線電圧値が第4の電圧閾値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、前記第1のMOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタ、前記第3のMOSトランジスタおよび前記第4のMOSトランジスタをオフに維持するように制御することとを含み、
ここで、前記第1の電圧閾値、前記第2の電圧閾値、前記第3の電圧閾値と前記第4の電圧閾値は、順次増大する。
【0027】
上記技術案において、負荷量が第1の負荷量区間にある場合、第1の期間と第2の期間においてトーテムポールPFC回路は、いずれも昇圧モードに作動し、負荷量が第2の負荷量区間にある場合、第1の期間と第2の期間においてトーテムポールPFC回路は、いずれも倍電圧モードに作動し、負荷量が第3の負荷量区間にある場合、第1の期間においてトーテムポールPFC回路は、昇圧モードに作動し、第2の期間においてトーテムポールPFC回路は、倍電圧モードに作動する。負荷量に基づいてトーテムポールPFC回路の作動モードを制御し、第1の電圧閾値、第2の電圧閾値、第3の電圧閾値と第4の電圧閾値を導入して制御を行い、精細化した制御を実現することができ、トーテムポールPFC回路の作動の信頼性をさらに向上させることができる。
【0028】
本発明のいくつかの実施例において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することは、
交流電圧信号の正半波で、前記第3のMOSトランジスタおよびスイッチング素子をオフに維持するように制御し、前記第4のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタを交互にオンさせるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することと、
交流電圧信号の負半波で、前記第3のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、前記第4のMOSトランジスタおよびスイッチング素子をオフに維持するように制御し、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタを交互にオンさせるように、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することとを含む。
【0029】
上記技術案において、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタが頻繁に動作するように制御するだけでよく、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタと第5のMOSトランジスタが頻繁に動作する必要がなく、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタと第5のMOSトランジスタの損失の低減に有利である。
【0030】
本発明のいくつかの実施例において、交流電圧信号の正半波で、前記第1のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、前記第2のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少し、
交流電圧信号の負半波で、前記第1のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少し、前記第2のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大する。
【0031】
上記技術案において、交流電圧信号の電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値でのパルス信号のデューティサイクルを制御することによって、入力電流の波形を交流電圧信号の波形により近接させることができ、それにより、入力電流高調波と力率の改善効果を向上させることができる。
【0032】
本発明のいくつかの実施例において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信することは、
交流電圧信号の正半波で、前記第1のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、前記第2のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタをオフに維持するように制御し、前記第3のMOSトランジスタと前記スイッチング素子を交互にオンさせるように、前記第3のMOSトランジスタと前記スイッチング素子にパルス信号を送信することと、
交流電圧信号の負半波で、前記第2のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、前記第1のMOSトランジスタと前記第3のMOSトランジスタをオフに維持するように制御し、前記第4のMOSトランジスタと前記スイッチング素子を交互にオンさせるように、前記第4のMOSトランジスタと前記スイッチング素子にパルス信号を送信することとを含む。
【0033】
上記技術案において、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタとスイッチング素子が頻繁に動作するように制御するだけでよく、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタが頻繁に動作する必要がなく、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタの損失の低減に有利である。
【0034】
本発明のいくつかの実施例において、交流電圧信号の正半波で、前記スイッチング素子によって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、前記第3のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少し、
交流電圧信号の負半波で、前記スイッチング素子によって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、前記第4のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少する。
【0035】
上記技術案において、交流電圧信号の電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値でのパルス信号のデューティサイクルを制御することによって、入力電流の波形を交流電圧信号の波形により近接させることができ、それにより、入力電流高調波と力率の改善効果を向上させることができる。
【0036】
本発明のいくつかの実施例において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記第3のMOSトランジスタと前記第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信することは、
交流電圧信号の正半波で前記第3のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、交流電圧信号の負半波で前記第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子をオンに維持するように制御することを含む。
【0037】
第7のダイオードと第8のダイオードの存在によって、第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子の放電時の電流逆流を避けることができるため、スイッチング素子が制御時にオンに維持されることができ、スイッチング素子への制御の簡略化に有利である。
【0038】
第3の態様によれば、本発明の実施例は、第1の態様に記載のトーテムポールPFC回路を含む配線基板をさらに提供する。
【0039】
そのため、上記配線基板において、コントローラは、第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御し、第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、前記スイッチアセンブリをオフに維持するように制御するように設けられる。これにより、スイッチアセンブリとスイッチング素子が第1の期間内にのみ動作を行い、負荷の作動に影響を与えることなく、スイッチアセンブリとスイッチング素子の損失を低減させ、作動の安定性を向上させることができる。
【0040】
第4の態様によれば、本発明の実施例は、空調機をさらに提供し、前記空調機は、第3の態様に記載の配線基板を含むか、
または、
少なくとも1つのプロセッサと前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるためのメモリとを含み、前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されることにより、前記少なくとも1つのプロセッサが第2の態様に記載のトーテムポールPFC回路制御方法を実行できるようにする。
【0041】
そのため、上記空調機において、コントローラは、直流母線電圧値を上昇させるように、第1の期間内に前記スイッチアセンブリと前記スイッチング素子のオンオフを制御し、直流母線電圧値を低減させるように、第2の期間内に前記スイッチアセンブリをオフに維持するように制御するように設けられる。これにより、スイッチアセンブリとスイッチング素子が第1の期間内にのみ動作を行い、負荷の作動に影響を与えることなく、スイッチアセンブリとスイッチング素子の損失を低減させ、作動の安定性を向上させることができる。
【0042】
第5の態様によれば、本発明の実施例は、コンピュータに第2の態様に記載のトーテムポールPFC回路制御方法を実行させるためのコンピュータ実行可能な命令が記憶されるコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【0043】
本発明の他の特徴と利点は、後の明細書で説明され、部分的に明細書から明らかになるか、又は本発明を実施することによって理解される。本発明の目的と他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び添付図面において特に指摘されている構造によって実現されて取得されることができる。
【0044】
添付図面は、本発明の技術案を更に理解するために提供され、明細書の一部を構成し、本発明の実施例とともに本発明の技術案を説明するためのものであり、本発明の技術案に対する制限を構成するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の実施例によるトーテムポールPFC回路の回路原理図である。
図2】本発明の実施例によるスイッチング素子の構造の回路原理図である。
図3】本発明の実施例によるスイッチング素子の別の構造の回路原理図である。
図4】本発明の実施例によるスイッチング素子の別の構造の回路原理図である。
図5】本発明の実施例によるトーテムポールPFC回路の作動状態と間欠状態での入力電圧、入力電流と直流母線電圧の波形図である。
図6】本発明の実施例によるトーテムポールPFC回路が昇圧状態にある時の第1のMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタ、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタ、スイッチング素子の制御波形図である。
図7】本発明の実施例によるトーテムポールPFC回路が倍電圧状態にある時の第1のMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタ、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタ、スイッチング素子の制御波形図である。
図8】本発明の実施例による別のトーテムポールPFC回路の回路原理図である。
図9】本発明の実施例によるトーテムポールPFC回路制御方法のフローチャートである。
図10】本発明の実施例によるトーテムポールPFC回路制御方法の補充ステップのフローチャートである。
図11】本発明の実施例による直流母線電圧値に基づいて第1の期間及び/又は第2の期間を決定する具体的なステップのフローチャートである。
図12】本発明の実施例による、直流母線電圧値を上昇させるように、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信する具体的なステップのフローチャートである。
図13】本発明の実施例による、直流母線電圧値を上昇させるように、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタとスイッチング素子にパルス信号を送信する具体的なステップのフローチャートである。
図14】本発明の実施例による配線基板の構造概略図である。
図15】本発明の実施例による空調機の構造概略図である。
図16】本発明の実施例による空調機の別の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面と実施例を参照しながら、本発明についてさらに詳細に説明する。本明細書に記述される具体的な実施例は、本発明を説明するためにのみ用いられ、本発明を限定するために用いられるものではない。
【0047】
なお、本発明の実施例の説明では、複数(又は複数項)の意味は、2つ以上であり、よりも大きいこと、よりも小さいこと、超えることなどは、基準数を含まないものとして理解され、以上、以下、以内などは、基準数を含むものとして理解される。「第1の」、「第2の」等が説明されている場合、それらは、単に技術的特徴を区別することを目的としたものであり、相対的重要性を指示もしくは暗示し、又は指示された技術的特徴の数を暗示し、又は指示された技術的特徴の前後関係を暗示していると理解されるべきではない。
【0048】
図1を参照すると、本発明の実施例は、トーテムポールPFC回路を提供し、前記回路は、ブリッジ回路と、エネルギー貯蔵アセンブリと、スイッチング素子と、コントローラとを含む。ブリッジ回路は、ブリッジ式回路を形成するスイッチアセンブリを含み、入力端が交流電源に接続される。エネルギー貯蔵アセンブリは、相互に直列に接続される第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子とを含み、ブリッジ回路の出力端に並列に接続される。スイッチング素子は、一端が交流電源に接続され、他端が第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子の共通端に接続される。コントローラは、スイッチアセンブリとスイッチング素子にそれぞれ接続される。
【0049】
一実施例では、第1のエネルギー貯蔵素子は、第1のコンデンサC1を含み、第2のエネルギー貯蔵素子は、第2のコンデンサC2を含み、インダクタンス素子は、インダクタLを含み、スイッチアセンブリは、第1のMOSトランジスタQ1、第2のMOSトランジスタQ2、第3のMOSトランジスタQ3と第4のMOSトランジスタQ4を含む。第1のMOSトランジスタQ2と第2のMOSトランジスタQ2とは第1のブリッジアームを形成するように直列に接続される。第3のMOSトランジスタQ3と第4のMOSトランジスタQ4とは第2のブリッジアームを形成するように直列に接続される。第1のMOSトランジスタQ1と第2のMOSトランジスタQ2の共通端はインダクタLによって交流電源ACの一端に接続される。第3のMOSトランジスタQ3と第4のMOSトランジスタQ4の共通端は交流電源ACの他端に接続される。第1のMOSトランジスタQ1、第2のMOSトランジスタQ2、第3のMOSトランジスタQ3と第4のMOSトランジスタQ4にはいずれもダイオードが逆並列に接続される。
【0050】
例示的に、上記PFC回路の負荷は、インバータモジュールである。もちろん、上記PFC回路の負荷は、他の素子であってもよく、本実施例は、限定するものではない。
【0051】
図2図4を参照すると、一実施例では、スイッチング素子Kは、以下の3つの構造形態を有してもよい。
【0052】
第1種は、第5のMOSトランジスタQ5、第6のMOSトランジスタQ6、第1のダイオードD1と第2のダイオードD2を含む。第5のMOSトランジスタQ5と第6のMOSトランジスタQ6のソースとは相互に接続される。第1のダイオードD1の負極は第5のMOSトランジスタQ5のドレインに接続される。第5のMOSトランジスタQ5のドレインは第3のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタの共通端に接続される。第2のダイオードD2の負極は第6のMOSトランジスタQ6のドレインに接続される。第6のMOSトランジスタQ6のドレインは第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子の共通端に接続される。第1のダイオードD1と第2のダイオードD2の正極はいずれも第5のMOSトランジスタQ5のソースに接続される。第5のMOSトランジスタQ5と第6のMOSトランジスタQ6のゲートはコントローラにそれぞれ接続される。
【0053】
具体的には、スイッチング素子Kがオフすることは、すなわち第5のMOSトランジスタQ5と第6のMOSトランジスタQ6がいずれもオフすることである。スイッチング素子Kが交流電圧信号(すなわち入力電圧Us)の正半波がオンすることは、すなわち第5のMOSトランジスタQ5が交流電圧信号の正半波でオンし、第6のMOSトランジスタQ6が交流電圧信号の正半波でオフすることである。スイッチング素子Kが交流電圧信号の負半波でオンすることは、すなわち第5のMOSトランジスタQ5が交流電圧信号の負半波でオフし、第6のMOSトランジスタQ6が交流電圧信号の負半波でオンすることである。
【0054】
第2種は、第1のIGBTトランジスタQ7と第2のIGBTトランジスタQ8を含む。第1のIGBTトランジスタQ7のエミッタは第2のIGBTトランジスタQ8のコレクタに接続される。第1のIGBTトランジスタQ7のコレクタは第2のIGBTトランジスタQ8のエミッタに接続される。第1のIGBTトランジスタQ7のエミッタは第3のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタの共通端に接続される。第1のIGBTトランジスタQ7のコレクタは第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子の共通端に接続される。第1のIGBTトランジスタQ7と第2のIGBTトランジスタQ8のゲートがコントローラにそれぞれ接続される。
【0055】
具体的には、スイッチング素子Kがオフすることは、すなわち第1のIGBTトランジスタQ7と第2のIGBTトランジスタQ8がいずれもオフすることである。スイッチング素子Kが交流電圧信号の正半波でオンすることは、すなわち第1のIGBTトランジスタQ7が交流電圧信号の正半波でオンし、第2のIGBTトランジスタQ8が交流電圧信号の正半波でオフすることである。スイッチング素子Kが交流電圧信号の負半波でオンすることは、すなわち第1のIGBTトランジスタQ7が交流電圧信号の負半波でオフし、第2のIGBTトランジスタQ8が交流電圧信号の負半波でオンすることである。
【0056】
第3種は、第3のIGBTトランジスタQ9、第3のダイオードD3、第4のダイオードD4、第5のダイオードD5と第6のダイオードを含む。第3のダイオードD3と第5のダイオードD5の負極はいずれも第3のIGBTトランジスタQ9のコレクタに接続される。第4のダイオードD4と第6のダイオードの正極はいずれも第3のIGBTトランジスタQ9のエミッタに接続される。第3のダイオードD3の正極は第4のダイオードD4の負極、第3のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタの共通端にそれぞれ接続される。第5のダイオードD5の正極は第6のダイオードの負極、第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子の共通端にそれぞれ接続される。第3のIGBTトランジスタQ9のゲートはコントローラに接続される。
【0057】
具体的には、スイッチング素子Kがオフすることは、すなわち第3のIGBTトランジスタQ9がオフすることである。スイッチング素子Kがオンすることは、すなわち第3のIGBTトランジスタQ9がオンすることである。
【0058】
上記3つの構造のいずれか1つに基づき、スイッチング素子Kは、制御可能な双方向導通を実現することができ、交流電圧信号の正半波と負半波で異なる方向の回路を形成しやすい。
【0059】
ここで、図5を参照すると、コントローラは、第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるようにスイッチアセンブリとスイッチング素子のオンオフを制御する。これを作動状態と称する。第2の期間において、コントローラは、直流母線電圧値を低減させるように、スイッチアセンブリをオフに維持するように制御する。これを間欠状態と称する。
【0060】
本実施例におけるトーテムポールPFC回路に基づき、作動状態において、直流母線電圧値を上昇させるには、昇圧状態と倍電圧状態という2つの形態がある。具体的な原理は、以下のとおりである。
【0061】
具体的には、図6を参照すると、スイッチング素子Kがオフする場合、PFC回路が昇圧状態にあり、第1のMOSトランジスタQ1、第2のMOSトランジスタQ2、第3のMOSトランジスタQ3と第4のMOSトランジスタQ4の制御プロセスは、以下のとおりである。
【0062】
交流電圧信号の正半波で、第3のMOSトランジスタQ3をオフに維持するように制御し、第4のMOSトランジスタQ4をオンに維持するように制御し、第1のMOSトランジスタQ1と第2のMOSトランジスタQ2を交互にオンさせるように、第1のMOSトランジスタQ1と第2のMOSトランジスタQ2にパルス信号を送信する。第1のMOSトランジスタQ1がオフし、第2のMOSトランジスタQ2がオンする場合、交流電源AC、インダクタL、第2のMOSトランジスタQ2、第4のMOSトランジスタQ4を経る回路を形成し、インダクタLに対してエネルギー貯蔵を行い、入力電流Isが上昇する。第1のMOSトランジスタQ1がオンし、第2のMOSトランジスタQ2がオフする場合、インダクタLの電流が第1のMOSトランジスタQ1、第1のコンデンサC1、第2のコンデンサC2と第4のMOSトランジスタQ4に流れって回路を形成し、すなわちインダクタL、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2が第1の発振回路を形成し、インダクタLが同時に第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2に対して充電を行い、このとき、入力電流Isが低下する。このように、第1のMOSトランジスタQ1と第2のMOSトランジスタQ2を交互にオンさせ、インダクタLに対してエネルギー貯蔵と放出を行い、昇圧効果を達成することにより、入力電流Isの波形を制御し、入力電流Isの波形を入力電圧Usに応じて変化させ、入力電流Isの高調波及び力率を改善する。
【0063】
交流電圧信号の負半波で、第3のMOSトランジスタQ3をオンに維持するように制御し、第4のMOSトランジスタQ4をオフに維持するように制御し、第1のMOSトランジスタQ1と第2のMOSトランジスタQ2を交互にオンさせるように、第1のMOSトランジスタQ1と第2のMOSトランジスタQ2にパルス信号を送信する。第1のMOSトランジスタQ1がオンし、第2のMOSトランジスタQ2がオフする場合、交流電源AC、インダクタL、第1のMOSトランジスタQ1、第3のMOSトランジスタQ3を経る回路を形成し、インダクタLに対してエネルギー貯蔵を行い、入力電流Isが上昇する。第1のMOSトランジスタQ1がオフし、第2のMOSトランジスタQ2がオンする場合、インダクタLの電流が第3のMOSトランジスタQ3、第1のコンデンサC1、第2のコンデンサC2と第2のMOSトランジスタQ2に流れって回路を形成し、すなわちインダクタL、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2が第1の発振回路を形成し、インダクタLが同時に第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2に対して充電を行い、このとき、入力電流Isが低下する。このように、第1のMOSトランジスタQ1と第2のMOSトランジスタQ2を交互にオンさせ、インダクタLに対してエネルギー貯蔵と放出を行い、昇圧効果を達成し、すなわち第1の電圧を出力することにより、入力電流Isの波形を制御し、入力電流Isの波形を入力電圧Usに応じて変化させ、入力電流Isの高調波及び力率を改善する。
【0064】
ここで、交流電圧信号の正半波で、第1のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、第2のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少し、
交流電圧信号の負半波で、第1のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少し、第2のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大する。
【0065】
交流電圧信号の電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値でのパルス信号のデューティサイクルを制御することによって、入力電流Isの波形を交流電圧信号の波形により近接させることができ、それにより入力電流Is高調波と力率の改善効果を向上させることができる。
【0066】
図7を参照すると、スイッチング素子Kにパルス信号を送信する場合、PFC回路が倍電圧状態にあり、第1のMOSトランジスタQ1、第2のMOSトランジスタQ2、第3のMOSトランジスタQ3、第4のMOSトランジスタQ4とスイッチング素子Kの制御プロセスは、以下のとおりである。
【0067】
交流電圧信号の正半波で、第1のMOSトランジスタQ1をオンに、第2のMOSトランジスタQ2と第4のMOSトランジスタQ4をオフに維持するように制御し、第3のMOSトランジスタQ3とスイッチング素子Kを交互にオンさせるように、第3のMOSトランジスタQ3とスイッチング素子Kにパルス信号を送信する。第3のMOSトランジスタQ3がオンし、スイッチング素子Kがオフする場合、交流電源AC、インダクタL、第1のMOSトランジスタQ1、第3のMOSトランジスタQ3を経る回路を形成し、インダクタLに対してエネルギー貯蔵を行い、入力電流Isが上昇する。第3のMOSトランジスタQ3がオフし、スイッチング素子Kがオフする場合、インダクタLの電流が第1のMOSトランジスタQ1、第1のコンデンサC1とスイッチング素子Kに流れって回路を形成し、すなわちインダクタL、第1のコンデンサC1とスイッチング素子Kが交流電圧信号の正半波で第2の発振回路を形成し、インダクタLが第1のコンデンサC1に対して充電を行い、このとき、入力電流Isが低下する。このように、第3のMOSトランジスタQ3とスイッチング素子Kを交互にオンさせ、インダクタLに対してエネルギー貯蔵と放出を行い、倍電圧効果を達成することにより、入力電流Isの波形を制御し、入力電流Isの波形を入力電圧Usに応じて変化させ、入力電流Isの高調波及び力率を改善する。
【0068】
交流電圧信号の負半波で、第2のMOSトランジスタQ2をオンに、第1のMOSトランジスタQ1と第3のMOSトランジスタQ3をオフに維持するように制御し、第4のMOSトランジスタQ4とスイッチング素子Kを交互にオンさせるように、第4のMOSトランジスタQ4とスイッチング素子Kにパルス信号を送信する。第4のMOSトランジスタQ4がオンし、スイッチング素子Kがオフする場合、交流電源AC、インダクタL、第2のMOSトランジスタQ2、第4のMOSトランジスタQ4を経る回路を形成し、インダクタLに対してエネルギー貯蔵を行い、入力電流Isが上昇する。第4のMOSトランジスタQ4がオフし、スイッチング素子Kがオンする場合、インダクタLの電流がスイッチング素子K、第2のコンデンサC2と第2のMOSトランジスタQ2に流れって回路を形成し、すなわちインダクタL、第2のコンデンサC2とスイッチング素子Kが交流電圧信号の負半波で第3の発振回路を形成し、インダクタLが第2のコンデンサC2に対して充電を行い、このとき、入力電流Isが低下する。このように、第4のMOSトランジスタQ4とスイッチング素子Kを交互にオンさせ、インダクタLに対してエネルギー貯蔵と放出を行い、倍電圧効果を達成し、すなわち第2の電圧を出力することにより、入力電流Isの波形を制御し、入力電流Isの波形を入力電圧Usに応じて変化させ、入力電流Isの高調波及び力率を改善する。
【0069】
ここで、交流電圧信号の正半波で、スイッチング素子Kによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、第3のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少し、
交流電圧信号の負半波で、スイッチング素子Kによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、第4のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少する。
【0070】
交流電圧信号の電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値でのパルス信号のデューティサイクルを制御することによって、入力電流Isの波形を交流電圧信号の波形により近接させることができ、それにより入力電流Is高調波と力率の改善効果を向上させることができる。
【0071】
上記原理に基づき、第1の電圧は、交流電圧信号の電圧ピーク値よりやや高く、第2の電圧は、交流電圧信号の電圧ピーク値の約2倍である。
【0072】
これに基づき、第1の期間に、トーテムポールPFC回路の作動状態で、第1のMOSトランジスタQ1、第2のMOSトランジスタQ2、第3のMOSトランジスタQ3、第4のMOSトランジスタQ4とスイッチング素子Kを制御することによって、昇圧又は倍電圧効果を達成し、直流母線電圧を上昇させ続ける。第2の期間に、トーテムポールPFC回路の間欠状態で、第1のMOSトランジスタQ1、第2のMOSトランジスタQ2、第3のMOSトランジスタQ3、第4のMOSトランジスタQ4をオフに維持し、このとき、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2により負荷に給電し、直流母線電圧しを低減させ続ける。
【0073】
例示的に、以下の3つの制御形態がある。
【0074】
トーテムポールPFC回路の作動状態と間欠状態で、トーテムポールPFC回路がいずれも昇圧状態にある。このような形態は、負荷量が低い場合に用いることができる。具体的には、間欠状態で、第1のMOSトランジスタQ1、第2のMOSトランジスタQ2、第3のMOSトランジスタQ3、第4のMOSトランジスタQ4とスイッチング素子Kがいずれもオフを維持する。このとき、直流母線電圧が低下し、入力電流が0である。直流母線電圧が第1の電圧閾値よりも低下したとき、作動状態に切り替える。ここで、第1の電圧閾値が入力電圧の電圧ピーク値よりもやや高い。作動状態で、トーテムポールPFC回路が昇圧状態にある。このとき、直流母線電圧が上昇し、入力電流が入力電圧に追従する。直流母線電圧が第2の電圧閾値よりも上昇したとき、間欠状態に切り替える。ここで、第2の電圧閾値が第1の電圧閾値よりも大きい。
【0075】
トーテムポールPFC回路の作動状態と間欠状態で、トーテムポールPFC回路がいずれも倍電圧状態にある。このような形態は、負荷量が高い場合に用いることができる。具体的には、間欠状態で、第1のMOSトランジスタQ1、第2のMOSトランジスタQ2、第3のMOSトランジスタQ3、第4のMOSトランジスタQ4とスイッチング素子Kがいずれもオフを維持し、スイッチング素子Kがオンを維持する。このとき、直流母線電圧が低下し、入力電流が0である。直流母線電圧が第3の電圧閾値よりも低下したとき、作動状態に切り替える。ここで、第3の電圧閾値が入力電圧の電圧ピーク値の2倍よりもやや高い。作動状態で、トーテムポールPFC回路が倍電圧状態にある。このとき、直流母線電圧が上昇し、入力電流が入力電圧に追従する。直流母線電圧が第4の電圧閾値よりも上昇したとき、間欠状態に切り替える。ここで、第4の電圧閾値が第3の電圧閾値よりも大きい。
【0076】
トーテムポールPFC回路の作動状態で、トーテムポールPFC回路が倍電圧状態にあり、トーテムポールPFC回路の間欠状態で、トーテムポールPFC回路が昇圧状態にある。このような形態は、負荷量が適切な場合に用いることができる。具体的には、間欠状態で、第1のMOSトランジスタQ1、第2のMOSトランジスタQ2、第3のMOSトランジスタQ3、第4のMOSトランジスタQ4とスイッチング素子Kがいずれもオフを維持する。このとき、直流母線電圧が低下し、入力電流が0である。直流母線電圧が第1の電圧閾値よりも低下したとき、作動状態に切り替える。ここで、第1の電圧閾値が入力電圧の電圧ピーク値よりもやや高い。作動状態で、トーテムポールPFC回路が倍電圧状態にある。このとき、直流母線電圧が上昇し、入力電流が入力電圧に追従する。直流母線電圧が第4の電圧閾値よりも上昇したとき、間欠状態に切り替える。ここで、第4の電圧閾値が第3の電圧閾値よりも大きく、第3の電圧閾値が第2の電圧閾値よりも大きい。
【0077】
負荷量に基づいてトーテムポールPFC回路の作動モードを制御し、第1の電圧閾値、第2の電圧閾値、第3の電圧閾値と第4の電圧閾値を導入して制御を行い、微細化制御を実現することができ、トーテムポールPFC回路の作動の信頼性をさらに向上させることができる。
【0078】
上記負荷量が高いこと、適切であること、低いことは、例示的な記述に過ぎず、当業者は、実際の状況に応じて判断と選択を行ってもよい。
【0079】
一実施例では、トーテムポールPFC回路に直流母線電圧値を検出するための電圧検出回路がさらに設置される。電圧検出回路は、エネルギー貯蔵アセンブリに並列に接続され、コントローラに接続される。電圧検出回路を設置することによって、直流母線電圧を検出することができ、直流母線電圧に基づいて第1の期間と第2の期間を決定しやすい。
【0080】
一実施例では、図8を参照すると、PFC回路は、第7のダイオードD7と第8のダイオードD8をさらに含んでもよい。第7のダイオードD7の正極は第3のMOSトランジスタQ3に接続される。第7のダイオードD7の負極は第1のコンデンサC1に接続される。第8のダイオードD8の負極は第4のMOSトランジスタQ4に接続される。第8のダイオードD8の正極は第2のコンデンサC2に接続される。第7のダイオードD7と第8のダイオードD8を設置することによって、片方向導通の制御効果を達成し、第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子の放電時の電流逆流を避け、回路の作動の安定性を向上させることができる。
【0081】
その上で、スイッチング素子Kは、上記3つの構造のほか、さらにリレーであってもよい。第7のダイオードD7と第8のダイオードD8の存在によって、第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子の放電時の電流逆流を避けることができるため、スイッチング素子Kが制御時にオンに維持されることができ、スイッチング素子Kへの制御の簡略化に有利である。
【0082】
コントローラは、第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、スイッチアセンブリとスイッチング素子のオンオフを制御し、第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、スイッチアセンブリをオフに維持するように制御するように設けられる。これにより、スイッチアセンブリとスイッチング素子が第1の期間でのみ動作を行い、負荷の作動に影響を与えることなく、スイッチアセンブリとスイッチング素子の損失を低減させ、作動の安定性を向上させることができる。
【0083】
図9を参照すると、図1におけるPFC回路に基づき、本発明の実施例は、トーテムポールPFC回路制御方法をさらに提供し、前記方法は、以下のステップを含むが、それらに限らない。
【0084】
ステップ901:第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、スイッチアセンブリとスイッチング素子のオンオフを制御する。
【0085】
ステップ902:第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、スイッチアセンブリをオフに維持するように制御する。
【0086】
第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、スイッチアセンブリとスイッチング素子のオンオフを制御し、第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、スイッチアセンブリをオフに維持するように制御する。これにより、スイッチアセンブリとスイッチング素子が第1の期間でのみ動作を行い、負荷の作動に影響を与えることなく、スイッチアセンブリとスイッチング素子の損失を低減させ、作動の安定性を向上させることができる。
【0087】
一実施例では、上記ステップ901において、第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、スイッチアセンブリとスイッチング素子のオンオフを制御することは、具体的には、
直流母線電圧値を上昇させるように、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信すること、または、直流母線電圧値を上昇させるように、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信することを含む。
【0088】
ここで、直流母線電圧値を上昇させるように、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、それによって昇圧効果を実現する。直流母線電圧値を上昇させるように、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信し、それによって倍電圧効果を実現する。
【0089】
一実施例では、上記トーテムポールPFC回路制御方法は、以下のステップをさらに含んでもよい。
【0090】
ステップ1001:電圧検出回路によって直流母線電圧値を取得する。
【0091】
ステップ1002:直流母線電圧値に基づいて第1の期間及び/又は第2の期間を決定する。
【0092】
ここで、直流母線電圧値に基づいて第1の期間及び/又は第2の期間を決定することで、負荷を維持する正常な作動を確保することができる。
【0093】
ここで、上記ステップ1002において、直流母線電圧値に基づいて第1の期間及び/又は第2の期間を決定することは、具体的には、
直流母線電圧値が第1の予め設定された電圧値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、スイッチアセンブリとスイッチング素子のオンオフを制御することと、
直流母線電圧が第2の予め設定された電圧値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、スイッチアセンブリとスイッチング素子をオフに維持するように制御することと、であってもよい。
ここで、第1の予め設定された電圧値は、第2の予め設定された電圧値よりも小さい。
【0094】
直流母線電圧を第1の予め設定された電圧値および第2の予め設定された電圧値と比較することによって、直流母線電圧をタイムリーに向上させて負荷の運行のニーズを満たしながら、直流母線電圧を第2の予め設定された電圧値までに上昇させるように制御することができ、トーテムポールPFC回路の運行の信頼性を向上させることができる。
【0095】
また、図11を参照すると、上記ステップ1002において、直流母線電圧値に基づいて第1の期間及び/又は第2の期間を決定することは、
トーテムポールPFC回路の負荷量を取得することと、
負荷量が第1の負荷量区間にある場合、直流母線電圧値が第1の電圧閾値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することと、直流母線電圧が第2の電圧閾値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、第1のMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタ、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタとスイッチング素子をオフに維持するように制御することと、
負荷量が第2の負荷量区間にある場合、直流母線電圧値が第3の電圧閾値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、スイッチング素子に制御信号を送信することと、直流母線電圧が第4の電圧閾値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、第1のMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタ、第3のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタをオフに維持するように制御することと、
負荷量が第3の負荷量区間にある場合、直流母線電圧値が第1の電圧閾値よりも低いことに基づいて、直流母線電圧値を上昇させるように、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することと、直流母線電圧が第4の電圧閾値よりも高いことに基づいて、直流母線電圧値を低減させるように、第1のMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタ、第3のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタをオフに維持するように制御することと、であってもよい。
ここで、第1の電圧閾値、第2の電圧閾値、第3の電圧閾値、第4の電圧閾値は、順次増大する。
【0096】
負荷量が第1の負荷量区間にある場合、第1の期間と第2の期間におけるトーテムポールPFC回路は、いずれも昇圧モードに作動する。負荷量が第2の負荷量区間にある場合、第1の期間と第2の期間におけるトーテムポールPFC回路は、いずれも倍電圧モードに作動する。負荷量が第3の負荷量区間にある場合、第1の期間トーテムポールPFC回路は、昇圧モードに作動し、第2の期間内のトーテムポールPFC回路は、倍電圧モードに作動する。負荷量に基づいてトーテムポールPFC回路の作動モードを制御し、第1の電圧閾値、第2の電圧閾値、第3の電圧閾値と第4の電圧閾値を導入して制御を行い、精細化した制御を実現することができ、トーテムポールPFC回路の作動の信頼性をさらに向上させることができる。
【0097】
ここで、図1又は図8を参照すると、負荷電圧、負荷電力、負荷周波数等であってもよいが、それらに限らない負荷量は、負荷量検出回路によって取得することができる。
【0098】
上記第1の負荷量区間、第2の負荷量区間、第3の負荷量区間は、負荷需要の電圧値範囲を指し、実際の状況に応じて選択してもよい。ここで、第1の負荷量区間は、負荷量が低いことを表し、第2の負荷量区間は、負荷量が高いことを表し、第3の負荷量区間は、負荷量が中程度であることを表す。
【0099】
一実施例では、図12を参照すると、直流母線電圧値を上昇させるように、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信することは、具体的には、以下のステップを含む。
【0100】
ステップ1201:交流電圧信号の正半波で、第3のMOSトランジスタ、スイッチング素子をオフに維持するように制御し、第4のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタを交互にオンさせるように、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信する。
【0101】
ステップ1202:交流電圧信号の負半波で、第3のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、第4のMOSトランジスタ、スイッチング素子をオフに維持するように制御し、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタを交互にオンさせるように、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタにパルス信号を送信する。
【0102】
ステップ1201~ステップ1202において、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタが頻繁に動作するように制御するだけでよく、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタと第5のMOSトランジスタが頻繁に動作する必要がなく、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタと第5のMOSトランジスタの損失の低減に有利である。
【0103】
ここで、ステップ1201において、交流電圧信号の正半波で、第1のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、第2のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少する。
ステップ1202において、交流電圧信号の負半波で、第1のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少し、第2のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大する。
【0104】
交流電圧信号の電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値でのパルス信号のデューティサイクルを制御することによって、入力電流の波形を交流電圧信号の波形により近接させることができ、それにより、入力電流高調波と力率の改善効果を向上させることができる。
【0105】
一実施例では、図13を参照すると、直流母線電圧値を上昇させるように、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信することは、具体的には、以下のステップを含む。
【0106】
ステップ1301:交流電圧信号の正半波で、第1のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、第2のMOSトランジスタと第4のMOSトランジスタをオフに維持するように制御し、第3のMOSトランジスタとスイッチング素子を交互にオンさせるように、第3のMOSトランジスタとスイッチング素子にパルス信号を送信する。
【0107】
ステップ1302:交流電圧信号の負半波で、第2のMOSトランジスタをオンに維持するように制御し、第1のMOSトランジスタと第3のMOSトランジスタをオフに維持するように制御し、第4のMOSトランジスタとスイッチング素子を交互にオンさせるように、第4のMOSトランジスタとスイッチング素子にパルス信号を送信する。
【0108】
ステップ1301~ステップ1302において、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタとスイッチング素子が頻繁に動作するように制御するだけでよく、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタが頻繁に動作する必要がなく、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタの損失の低減に有利である。
【0109】
ここで、ステップ1301において、交流電圧信号の正半波で、スイッチング素子によって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、第3のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少する。
ステップ1302において、交流電圧信号の負半波で、スイッチング素子によって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に増大し、第4のMOSトランジスタによって受信されたパルス信号のデューティサイクルは、電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値との間で徐々に減少する。
【0110】
交流電圧信号の電圧ゼロクロス点と電圧ピーク値でのパルス信号のデューティサイクルを制御することによって、入力電流の波形を交流電圧信号の波形により近接させることができ、それにより、入力電流高調波と力率の改善効果を向上させることができる。
【0111】
一実施例では、図8に示される回路構造に基づき、直流母線電圧値を上昇させるように、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、前記スイッチング素子に制御信号を送信することは、交流電圧信号の正半波で前記第3のMOSトランジスタに、交流電圧信号の負半波で第4のMOSトランジスタにパルス信号を送信し、スイッチング素子をオンに維持するように制御することであってもよい。
【0112】
第7のダイオードと第8のダイオードの存在によって、第1のエネルギー貯蔵素子と第2のエネルギー貯蔵素子の放電時の電流逆流を避けることができるため、スイッチング素子が制御時にオンに維持されることができ、スイッチング素子への制御の簡略化に有利である。
【0113】
第1のMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタ、第3のMOSトランジスタ、第4のMOSトランジスタとスイッチング素子の制御原理は、上記トーテムポールPFC回路の実施例で解釈されているので、ここでこれ以上説明しない。
【0114】
なお、本発明の実施例による様々な実施形態は、異なる技術的効果を実現するように、任意に組み合わせてもよい。
【0115】
図14を参照すると、本発明の一実施例は、配線基板をさらに提供し、該配線基板は、上記実施例におけるトーテムポールPFC回路を含む。そのため、上記配線基板において、コントローラは、第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、スイッチアセンブリとスイッチング素子のオンオフを制御し、第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、スイッチアセンブリをオフに維持するように制御するように設けられる。これにより、スイッチアセンブリとスイッチング素子が第1の期間でのみ動作を行い、負荷の作動に影響を与えることなく、スイッチアセンブリとスイッチング素子の損失を低減させ、作動の安定性を向上させることができる。
【0116】
図15を参照すると、本発明の一実施例は、空調機をさらに提供し、該空調機は、上記実施例における配線基板を含む。そのため、上記空調機において、コントローラは、第1の期間において、直流母線電圧値を上昇させるように、スイッチアセンブリとスイッチング素子のオンオフを制御し、第2の期間において、直流母線電圧値を低減させるように、スイッチアセンブリをオフに維持するように制御するように設けられる。これにより、スイッチアセンブリとスイッチング素子が第1の期間でのみ動作を行い、負荷の作動に影響を与えることなく、スイッチアセンブリとスイッチング素子の損失を低減させ、作動の安定性を向上させることができる。
【0117】
図16は、本発明の実施例による空調機1600を示している。該空調機1600は、メモリ1601と、プロセッサ1602と、メモリ1601に記憶されてプロセッサ1602の上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、コンピュータプログラムが運行する時に上記トーテムポールPFC回路制御方法を実行するために用いられる。
【0118】
プロセッサ1602とメモリ1601とは、バス又は他の形態によって接続されてもよい。
【0119】
メモリ1601は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体として、本発明の実施例に記述されているトーテムポールPFC回路制御方法のような、非一時的ソフトウェアプログラム及び非一時的コンピュータ実行可能なプログラムを記憶するために用いることができる。プロセッサ1602は、メモリ1601に記憶される非一時的ソフトウェアプログラム及び命令を運行することによって、上記トーテムポールPFC回路制御方法を実現する。
【0120】
メモリ1601は、記憶プログラム領域と記憶データ領域を含んでもよい。ここで、記憶プログラム領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶してもよく、記憶データ領域は、上記トーテムポールPFC回路制御方法を記憶して実行してもよい。なお、メモリ1601は、高速ランダムアクセスメモリ1601を含んでもよく、非一時的メモリ1601、例えば少なくとも1つのディスクメモリ1601、フラッシュメモリデバイスメモリ又は他の非一時的ソリッドメモリ1601をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、メモリ1601は、プロセッサ1602に対してリモートに設置されるメモリ1601を選択可能に含み、これらのリモートメモリ1601は、ネットワークによって該空調機1600に接続されてもよい。上記ネットワークの実例は、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク及びその組み合わせを含むが、それらに限らない。
【0121】
上記トーテムポールPFC回路制御方法を実現するために必要とする非一時的ソフトウェアプログラム及び命令は、メモリ1601に記憶されており、1つ又は複数のプロセッサ1602によって実行される時、上記トーテムポールPFC回路制御方法を実行し、例えば、図9図13に記述されている方法ステップを実行する。
【0122】
本発明の実施例は、上記トーテムポールPFC回路制御方法を実行するためのコンピュータ実行可能な命令が記憶されるコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【0123】
一実施例では、該コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータ実行可能な命令が記憶される。該コンピュータ実行可能な命令は、1つ又は複数の制御プロセッサ1602によって実行され、例えば、上記空調機1600のうちの1つのプロセッサ1602によって実行され、上記1つ又は複数のプロセッサ1602に上記トーテムポールPFC回路制御方法を実行させることができ、例えば、図9図13に記述されている方法ステップを実行させる。
【0124】
以上に記述されている装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、ここで分離された部品として説明されるユニットは、物理的に分離されてもよく、又は物理的に分離されなくてもよく、すなわち、一つの場所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布されてもよい。実際の必要に応じて、そのうちの一部又は全部のモジュールを選択して、本実施例の方案の目的を実現してもよい。
【0125】
当業者であれば理解できるように、上記で開示された方法におけるステップの全部又は一部、システムは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア及びそれらの適切な組み合わせとして実施されてもよい。いくつかの物理的アセンブリの一部又はすべては、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、又はハードウェアとして、又は特定の用途向け集積回路などの集積回路として実施されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的媒体)と通信媒体(又は一時的媒体)を含んでもよいコンピュータ可読媒体上に分布してもよい。当業者に周知のように、コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(例えばコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される揮発性と不揮発性、リムーバブルとリムーバブルでない媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多機能ディスク(DVD)又は他の光ディスクメモリ、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスクメモリ又は他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために用いることができるとともに、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体を含むが、それらに限らない。なお、当業者には周知のように、通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波や他の伝送メカニズムのような変調データ信号における他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含んでもよい。
【0126】
以上は、本発明の好ましい実施を具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。当業者は、本発明の精神に反しない共有の条件で、様々な均等な変形又は置換を行うことができ、これらの均等な変形又は置換は、本発明の請求項によって限定される範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】