(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(54)【発明の名称】フォトレジストの乾式裏面及びベベルエッジ洗浄
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20230712BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230712BHJP
H01L 21/302 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
H01L21/304 645A
H01L21/302 104H
H01L21/302 201A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522940
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 US2021037924
(87)【国際公開番号】W WO2021262529
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピーター、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジェンイ
(72)【発明者】
【氏名】タン、サマンサ シャンファ
(72)【発明者】
【氏名】シュエ、メン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ダー
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン、キース エドワード
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、クリント エドワード
(72)【発明者】
【氏名】パチョ、ジョン ダニー バテリナ
【テーマコード(参考)】
5F004
5F157
【Fターム(参考)】
5F004AA14
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5F157CF40
(57)【要約】
乾式裏面及びベベルエッジ洗浄は、基板から望ましくないフォトレジスト材料を除去するためにプラズマに曝露することなく実行される。基板は、基板支持体上に支持されており、エッチガスが基板の裏面にアクセスできるように最小接触面積(MCA)支持体によって上昇されている。ガス分配器は、おもて面上のフォトレジスト材料を保護するために、カーテンガスを基板のおもて面に送達する。エッチガス送達源が、第1のエッチガス流を裏面に送達し、1又は複数の周縁ガス入口が、おもて面の周縁に及びベベルエッジの周囲に第2のエッチガス流を送達する。放射熱源が、基板を加熱するために基板の下方に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板のベベルエッジ及び裏面洗浄を実施するための装置であって、前記装置は、
処理チャンバ;
前記処理チャンバ内で前記基板を支持するための基板支持体;
前記基板の裏面に接触するように前記基板支持体から延びるように構成されている複数の最小接触面積(MCA)支持体;
前記基板支持体の上方のガス分配器、前記ガス分配器は、カーテンガス流を前記基板のおもて面の中央に向けるための1又は複数の中央ガス入口を有する;
第1のエッチガス流を前記基板の前記裏面に向けるための前記基板支持体の下方のエッチガス送達源;及び
前記基板支持体の下方の放射熱源
を備える装置。
【請求項2】
前記ガス分配器は、第2のエッチガス流を前記基板のおもて面の周縁に向けるための1又は複数の周縁ガス入口をさらに有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1又は複数の周縁ガス入口を前記基板の前記おもて面から分離する第1の間隙は、前記1又は複数の中央ガス入口を前記基板の前記おもて面から分離する第2の間隙よりも大きい、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記基板支持体は、前記基板を支持するための環状体を含むキャリアリングを有し、前記キャリアリングは、前記基板の前記裏面上の異なる接触点において前記基板を支持するための前記複数のMCA支持体の位置をシフト又は回転させるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のMCA支持体は、MCA支持体の第1のセット及びMCA支持体の第2のセットを含み、前記MCA支持体の第1のセット及び前記MCA支持体の第2のセットのそれぞれは、前記基板を支持するために伸長可能/後退可能である、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記エッチガス送達源は、前記放射熱源を通る穴又は前記放射熱源の外側に配置された穴を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ガス分配器に連結された、前記基板の上方の1又は複数のヒータをさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記処理チャンバ内の1又は複数のセンサをさらに備え、前記1又は複数のセンサは、前記基板のベベルエッジ及び裏面上の膜堆積物の存在を検出するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記基板のベベルエッジ及び裏面洗浄を実行するための命令とともに構成されたコントローラ
をさらに備え、前記命令は、
前記処理チャンバ内に前記基板を設け、ここで、前記基板は、前記基板の前記おもて面、ベベルエッジ、及び裏面上に堆積されたフォトレジスト材料を含む;
前記基板を前記基板支持体の上方に持ち上げるように前記MCA支持体を伸長させ;
前記放射熱源を使用して前記基板を上昇した温度まで加熱し、ここで、前記上昇した温度は、約20℃~約170℃の間である;
前記基板の前記裏面に前記第1のエッチガス流を導入し;
前記基板の前記おもて面の前記中央に前記カーテンガス流を導入し;及び
前記基板の前記おもて面の周縁に第2のエッチガス流を導入し、ここで、前記第1のエッチガス流及び前記第2のエッチガス流が、前記基板の前記ベベルエッジ及び裏面から少なくとも前記フォトレジスト材料を除去する
ためのコードを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のエッチガス流及び前記第2のエッチガス流のエッチガスは、ハロゲン化水素、水素ガス及びハロゲン化物ガス、又は三塩化ホウ素を含み、前記フォトレジスト材料は、EUVレジスト材料を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のエッチガス流及び前記第2のエッチガス流のエッチガスは、酸化ガスを含み、前記フォトレジスト材料は、炭素系材料を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のエッチガス流及び前記第2のエッチガス流のエッチガスは、フッ素含有ガス又は塩素含有ガスを含み、前記フォトレジスト材料は、シリコン系材料を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記コントローラは、さらに、
前記基板の前記ベベルエッジ及び裏面から前記フォトレジスト材料を除去するために、前記基板を同じ処理チャンバ内で所望の温度まで加熱することによって、前記フォトレジスト材料上にポストアプリケーションベークを実行する
ためのコードを含む命令とともに構成されている、請求項9から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記コントローラは、さらに、
前記基板の前記おもて面、ベベルエッジ、及び裏面上に前記フォトレジスト材料を乾式堆積させ、ここで、前記堆積は、前記基板の前記ベベルエッジ及び裏面から前記フォトレジスト材料を除去するのと同じ処理チャンバで発生する
ためのコードを含む命令とともに構成されている、請求項9から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
基板のベベルエッジ及び裏面洗浄を実施する方法であって、前記方法は、
処理チャンバ内の基板支持体上に基板を設ける段階、ここで、前記基板は、前記基板のおもて面、ベベルエッジ、及び裏面上にフォトレジスト材料を有し、ここで、前記基板は、前記基板の前記裏面を横切るガス流を許容するように前記基板支持体の上方に持ち上げられる;
前記基板を上昇した温度まで加熱する段階、ここで、前記上昇した温度は、約20℃~約170℃の間である;
前記基板の前記おもて面の中央にカーテンガスを流す段階;及び
前記基板の前記裏面にエッチガスを流す段階、ここで、前記エッチガスは、前記基板の前記ベベルエッジ及び裏面上の少なくとも前記フォトレジスト材料を除去する
を備える方法。
【請求項16】
前記基板の前記裏面にエッチガスを流す段階は、
前記基板の前記裏面に第1のエッチガス流を導入する段階;及び
前記基板の前記おもて面の周縁に第2のエッチガス流を導入する段階
を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のエッチガス流は、前記基板の前記裏面を横切って流され、前記第2のエッチガス流は、前記基板の前記おもて面の周縁及び前記基板の前記ベベルエッジに沿って流され、前記カーテンガスは、前記エッチガスが前記基板の前記おもて面の中央まで流れることを制限する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記基板は、前記基板支持体の下方の放射熱源を使用して前記上昇した温度まで加熱される、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記基板支持体及び前記基板の裏面の間に間隙を作るように、複数のMCA支持体を使用して前記基板を前記基板支持体の上方に持ち上げる段階
をさらに備える、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記エッチガスは、ハロゲン化水素、水素ガス及びハロゲン化物ガス、又は三塩化ホウ素を含み、前記フォトレジスト材料は、EUVレジスト材料を含み、前記カーテンガスは、窒素(N
2)、酸素(O
2)、水(H
2O)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、キセノン(Xe)、又はネオン(Ne)を含む、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[参照による援用]
PCTリクエストフォームは、本出願の一部として本明細書と同時に提出される。同時に提出されたPCTリクエストフォームにおいて特定されているように本願が利益又は優先権を主張する各出願は、参照により、その全体が全ての目的のために本明細書に援用される。
【0002】
集積回路等の半導体デバイスの作製は、フォトリソグラフィを含むマルチステッププロセスである。一般に、このプロセスは、ウェハ上への材料の堆積、及び半導体デバイスの構造フィーチャ(例えば、トランジスタ及び回路)を形成するためのリソグラフィ技法を介した材料のパターニングを含む。当技術分野において知られている典型的なフォトリソグラフィプロセスのステップは、基板を準備すること;スピンコーティング等によってフォトレジストを塗布すること;フォトレジストを所望のパターンで光に曝露すること;フォトレジストの曝露エリアを、現像液中に多少可溶性にさせること;現像液を塗布することによって現像して、フォトレジストの曝露又は非曝露エリアのいずれかを除去すること;及び、エッチング又は材料堆積等によって、フォトレジストが除去された基板のエリアにフィーチャを生成するように続けて処理することを含む。
【0003】
半導体設計の進化は、半導体基板材料上に一層小さなフィーチャを生成する必要を生じさせ、その能力によって促されてきた。この技術の進歩は、高密度集積回路におけるトランジスタの密度が2年毎に2倍になるものとして「ムーアの法則」において特徴付けられてきた。実際、チップ設計及び製造は、現代のマイクロプロセッサが単一のチップ上に数十億のトランジスタ及び他の回路フィーチャを含み得るように進歩してきた。そのようなチップ上の個別のフィーチャは、22ナノメートル(nm)又はそれよりも小さく、いくつかの場合において10nm未満のオーダーであり得る。
【0004】
そのような小さなフィーチャを有するデバイスの製造における1つの課題は、十分な解像度を有するフォトリソグラフィマスクを確実に及び再現可能に生成する能力である。現在のフォトリソグラフィプロセスは、典型的に、フォトレジストを曝露するのに193nmの紫外(UV)光を使用する。この光が、半導体基板上に生成されることになるフィーチャの所望のサイズよりも著しく大きい波長を有することで、固有の問題が生じる。この光の波長よりも小さいフィーチャサイズの実現には、マルチパターニング等の、複雑な解像度向上技法の使用が要求される。したがって、10nm~15nm、例えば、13.5nmの波長を有する、極紫外放射線(EUV)等の、より短い波長の光を使用するフォトリソグラフィ技法を開発することに、かなりの関心が集まっており研究努力がなされている。
【0005】
しかしながら、EUVフォトリソグラフィプロセスは、パターニング中の低パワー出力及び光の損失を含む課題を提示し得る。193nmUVリソグラフィにおいて使用されるものと同様である従来の有機化学増幅レジスト(CAR)は、EUVリソグラフィにおいて使用される際に、特に、それらがEUV領域において低吸収係数を有し、光活性化化学種の拡散によってぼけ又はラインエッジラフネスがもたらされる可能性があることで、潜在的な欠点を有する。さらに、基礎となるデバイス層をパターニングするために要求されるエッチ耐性を提供すべく、従来のCAR材料においてパターニングされた小さなフィーチャが、パターン崩壊のリスクのある高アスペクト比をもたらし得る。したがって、減少した厚さ、より大きな吸光度、及びより大きなエッチ耐性のような特性を有する、改善したEUVフォトレジスト材料が依然として必要とされている。
【0006】
本明細書において提供される背景技術の説明は、本技術の文脈を一般的に提示する目的のものである。この背景技術のセクションにおいて説明された範囲での本発明者の仕事、及び、提出の時点で従来技術として別様に適格でない場合がある本明細書の態様は、明示的にも黙示的にも本技術に対する従来技術とは認められない。
【発明の概要】
【0007】
本明細書において、基板のベベルエッジ及び裏面洗浄を実施するための装置が提供される。
前記装置は、処理チャンバ、前記処理チャンバ内で前記基板を支持するための基板支持体、前記基板の裏面に接触するように前記基板支持体から延びるように構成されている複数の最小接触面積(MCA)支持体、前記基板支持体の上方のガス分配器、前記ガス分配器は、カーテンガス流を前記基板のおもて面(frontside)の中央に向けるための1又は複数の中央ガス入口を有する、第1のエッチガス流を前記基板の前記裏面に向けるための前記基板支持体の下方のエッチガス送達源、及び前記基板支持体の下方の放射熱源を備える。
【0008】
いくつかの実装において、前記ガス分配器は、第2のエッチガス流を前記基板のおもて面の周縁に向けるための1又は複数の周縁ガス入口をさらに有する。いくつかの実装において、前記1又は複数の周縁ガス入口を前記基板の前記おもて面から分離する第1の間隙は、前記1又は複数の中央ガス入口を前記基板の前記おもて面から分離する第2の間隙よりも大きい。いくつかの実装において、ガス分配器は、1又は複数の周縁ガス入口のためのモジュラーリングを有し、モジュラーリングは、基板のおもて面からの1又は複数の周縁ガス入口の間隔を調節するように構成されている。いくつかの実装において、基板支持体は、基板を支持するための環状体を含むキャリアリングを有する。いくつかの実装において、キャリアリングは、基板の裏面上の異なる接触点で基板を支持するための複数のMCA支持体の位置をシフト又は回転させるように構成されている。いくつかの実装において、複数のMCA支持体は、フォトレジスト堆積物がほとんど無い、又は全く無い基板の裏面のエリアに接触するように構成されている。いくつかの実装において、複数のMCA支持体は、基板の裏面を横切る第1のエッチガス流を許容するように、基板を基板支持体の上方に配置するように構成されている。いくつかの実装において、前記複数のMCA支持体は、MCA支持体の第1のセット及びMCA支持体の第2のセットを含み、前記MCA支持体の第1のセット及び前記MCA支持体の第2のセットのそれぞれは、前記基板を支持するために伸長可能/後退可能である。いくつかの実装において、前記エッチガス送達源は、前記放射熱源を通る穴又は前記放射熱源の外側に配置された穴を有する。いくつかの実装において、前記装置は、前記ガス分配器に連結された、前記基板の上方の1又は複数のヒータをさらに備える。いくつかの実装において、前記装置は、前記処理チャンバ内の1又は複数のセンサをさらに備え、前記1又は複数のセンサは、前記基板のベベルエッジ及び裏面上の膜堆積物の存在を検出するように構成されている。いくつかの実装において、前記装置は、前記基板のベベルエッジ及び裏面洗浄を実行するための命令とともに構成されたコントローラをさらに備え、前記命令は、前記処理チャンバ内に前記基板を設け、ここで、前記基板は、前記基板の前記おもて面、ベベルエッジ、及び裏面上に堆積されたフォトレジスト材料を含む;前記基板を前記基板支持体の上方に持ち上げるように前記MCA支持体を伸長させ;前記放射熱源を使用して前記基板を上昇した温度まで加熱し、ここで、前記上昇した温度は、約20℃~約170℃の間である;前記基板の前記裏面に前記第1のエッチガス流を導入し;前記基板の前記おもて面の前記中央に前記カーテンガス流を導入し;及び前記基板の前記おもて面の周縁に第2のエッチガス流を導入し、ここで、前記第1のエッチガス流及び前記第2のエッチガス流が、前記基板の前記ベベルエッジ及び裏面から少なくとも前記フォトレジスト材料を除去する、ためのコードを有する。いくつかの実装において、前記第1のエッチガス流及び前記第2のエッチガス流のエッチガスは、ハロゲン化水素、水素ガス、及びハロゲン化物ガス、又は三塩化ホウ素を含み、前記フォトレジスト材料は、EUVレジスト材料を含む。いくつかの実装において、前記第1のエッチガス流及び前記第2のエッチガス流のエッチガスは、酸化ガスを含み、前記フォトレジスト材料は、炭素系材料を含む。いくつかの実装において、前記第1のエッチガス流及び前記第2のエッチガス流のエッチガスは、フッ素含有ガス又は塩素含有ガスを含み、前記フォトレジスト材料は、シリコン系材料を含む。いくつかの実装において、カーテンガス流のカーテンガスは、窒素(N2)、酸素(O2)、水(H2O)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、キセノン(Xe)、又はネオン(Ne)を含む。いくつかの実装において、前記コントローラは、さらに、前記基板の前記ベベルエッジ及び裏面から前記EUVフォトレジスト材料を除去するために、基板を同じ処理チャンバ内で所望の温度まで加熱することによって、前記フォトレジスト材料上にポストアプリケーションベークを実行するためのコードを含む命令とともに構成されている。いくつかの実装において、コントローラは、さらに、基板のベベルエッジ及び裏面からフォトレジスト材料を除去した後にパージガスで処理チャンバをパージするためのコードを含む命令とともに構成されている。いくつかの実装において、前記コントローラは、さらに、前記基板の前記おもて面、ベベルエッジ、及び裏面上に前記フォトレジスト材料を乾式堆積させ、ここで、前記堆積は、前記基板の前記ベベルエッジ及び裏面から前記フォトレジスト材料を除去するのと同じ処理チャンバで発生する、ためのコードを含む命令とともに構成されている。
【0009】
また、本明細書において、基板のベベルエッジ及び裏面洗浄を実施する方法が提供される。前記方法は、処理チャンバ内の基板支持体上に基板を設ける段階、ここで、前記基板は、前記基板のおもて面、ベベルエッジ、及び裏面上にフォトレジスト材料を有し、ここで、前記基板は、前記基板の前記裏面を横切るガス流を許容するように前記基板支持体の上方に持ち上げられる、前記基板を上昇した温度まで加熱する段階、ここで、前記上昇した温度は、約20℃~約170℃の間である、前記基板の前記おもて面の中央にカーテンガスを流す段階、及び前記基板の前記裏面にエッチガスを流す段階、ここで、前記エッチガスは、前記基板の前記ベベルエッジ及び裏面上の少なくとも前記フォトレジスト材料を除去する、を備える。
【0010】
いくつかの実装において、前記基板の前記裏面にエッチガスを流す段階は、前記基板の前記裏面に第1のエッチガス流を導入する段階;及び前記基板の前記おもて面の周縁に第2のエッチガス流を導入する段階を有する。いくつかの実装において、前記第1のエッチガス流は、前記基板の前記裏面を横切って流され、前記第2のエッチガス流は、前記基板の前記おもて面及び前記基板の前記ベベルエッジの周縁に沿って流され、前記カーテンガスは、前記エッチガスが前記基板の前記おもて面の中央まで流れることを制限する。いくつかの実装において、第1のエッチガス流は、基板支持体の下方の1又は複数の底部ガス入口から導入され、第2のエッチガス流は、基板支持体の上方にあるガス分配器の1又は複数の周縁ガス入口から導入される。いくつかの実装において、カーテンガスは、ガス分配器の1又は複数の中央ガス入口から流され、基板のおもて面から1又は複数の周縁ガス入口を分離する第1の間隙は、基板のおもて面から1又は複数の中央ガス入口を分離する第2の間隙よりも大きい。いくつかの実装において、前記基板は、前記基板支持体の下方の放射熱源を使用して、前記上昇した温度まで加熱される。いくつかの実装において、前記方法は、前記基板支持体及び前記基板の裏面の間に間隙を作るように、複数のMCA支持体を使用して前記基板を前記基板支持体の上方に持ち上げる段階をさらに備える。いくつかの実装において、エッチガスは、ハロゲン化水素、水素ガス、及びハロゲン化物ガス、又は三塩化ホウ素を含み、フォトレジスト材料は、EUVレジスト材料を含む。いくつかの実装において、エッチガスは、酸化ガスを含み、フォトレジスト材料は、炭素系材料を含む。いくつかの実装において、エッチガスは、フッ素系ガス又は塩素系ガスを含み、フォトレジスト材料は、シリコン系材料を含む。いくつかの実装において、カーテンガスは、窒素(N2)、酸素(O2)、水(H2O)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、キセノン(Xe)、又はネオン(Ne)を含む。いくつかの実装において、フォトレジスト材料は、有機金属酸化物材料を含む。いくつかの実装において、前記方法は、前記基板の前記おもて面、ベベルエッジ、及び裏面上に前記フォトレジスト材料を乾式堆積させる段階、ここで、前記堆積は、前記基板の前記ベベルエッジ及び裏面から前記フォトレジスト材料を除去するのと同じ処理チャンバで発生する、をさらに備える。いくつかの実装において、前記方法は、前記基板の前記ベベルエッジ及び裏面から前記フォトレジスト材料を除去するために、基板を同じ処理チャンバ内で所望の温度まで加熱することによって、前記フォトレジスト材料上にポストアプリケーションベークを実行する段階をさらに備える。いくつかの実装において、上記方法は、基板のベベルエッジ及び裏面からフォトレジスト材料を除去した後にパージガスで処理チャンバをパージする段階をさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】いくつかの実施形態によるフォトレジストを堆積及び現像するための例示的な方法のフロー図を提示している。
【0012】
【
図2A】従来の裏面及びベベルエッジ洗浄の様々な処理段階の断面概略図を示している。
【
図2B】従来の裏面及びベベルエッジ洗浄の様々な処理段階の断面概略図を示している。
【
図2C】従来の裏面及びベベルエッジ洗浄の様々な処理段階の断面概略図を示している。
【
図2D】従来の裏面及びベベルエッジ洗浄の様々な処理段階の断面概略図を示している。
【0013】
【
図3A】いくつかの実施形態による、フォトレジストの乾式裏面及びベベルエッジ洗浄の様々な処理段階の断面概略図を示している。
【
図3B】いくつかの実施形態による、フォトレジストの乾式裏面及びベベルエッジ洗浄の様々な処理段階の断面概略図を示している。
【
図3C】いくつかの実施形態による、フォトレジストの乾式裏面及びベベルエッジ洗浄の様々な処理段階の断面概略図を示している。
【0014】
【
図4】いくつかの実施形態による、乾式裏面及びベベルエッジ洗浄を実行するための処理チャンバの概略図を示している。
【0015】
【
図5A】いくつかの実施形態による、処理チャンバ内で基板を支持するためのキャリアリングの斜視図を示している。
【0016】
【
図5B】いくつかの実施形態による、基板の裏面を支持及びそれと接触するキャリアリングの断面概略図を示している。
【0017】
【
図6】いくつかの実施形態による、裏面及びベベルエッジ洗浄操作を実行するのに好適な低圧環境を維持するための例示的なプロセスステーションの概略図を示している。
【0018】
【
図7】本明細書に記載されている様々な現像、洗浄、リワーク、デスカム、及び平滑化操作の実施に好適な例示的なマルチステーション処理ツールの概略図を示している。
【0019】
【
図8】本明細書に記載されている特定の実施形態及び操作を実施するための例示的な誘導結合プラズマ装置の断面概略図を示している。
【0020】
【
図9】本明細書に記載されているプロセスの実施に好適な真空移送モジュールとインタフェースで接続している真空統合堆積及びパターニングモジュールを伴う半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、概して、半導体処理の分野に関する。特定の態様において、本開示は、例えば、フォトレジストパターニングの文脈において基板の裏面及びベベルエッジ上に堆積した意図しないフォトレジストを除去するように、フォトレジスト(例えば、EUV感受性金属及び/又は金属酸化物含有フォトレジスト)を洗浄するためのプロセス及び装置に向けられている。
【0022】
本明細書では、本開示の特定の実施形態が詳細に参照される。特定の実施形態の例が、添付図面に示されている。本開示は、これらの特定の実施形態とともに説明されるが、本開示をそのような特定の実施形態に限定することは意図していないことが理解される。むしろ、本開示の趣旨及び範囲内に含まれ得るように、代替形態、変更形態、及び均等物を包含することが意図されている。以下の説明においては、本開示の十分な理解を提供すべく、多数の具体的な詳細が説明される。本開示は、これらの具体的な詳細のうちの一部又は全部を用いることなく実施されてもよい。他の例では、本開示を不必要に不明瞭にしないために、公知のプロセス操作は詳細に説明されていない。
[導入]
【0023】
半導体処理における薄膜のパターニングは、多くの場合、半導体の作製における重要なステップである。パターニングは、リソグラフィを伴う。193nmフォトリソグラフィ等の従来のフォトリソグラフィでは、マスク上に光子源からの光子を放射するとともに感光性フォトレジスト上にパターンをプリントすることによってパターンがプリントされ、それにより、現像後にパターンを形成するようにフォトレジストの特定の部分を除去するフォトレジスト中の化学反応を引き起こす。
【0024】
高度テクノロジーノード(国際半導体技術ロードマップによって定義されている)は、ノード22nm、16nm、及びそれを超えるものを含む。16nmノードにおいて、例えば、ダマシン構造における典型的なビア又はラインの幅は、典型的には約30nmよりも大きくない。高度半導体集積回路(IC)及び他のデバイス上のフィーチャのスケーリングが、リソグラフィに解像度の改善を促す。
【0025】
極端紫外線(EUV)リソグラフィは、従来のフォトリソグラフィ方法を用いて達成可能であるよりも小さなイメージングソース波長に移行することによってリソグラフィ技法を拡張することができる。約10~20nm、又は11~14nm波長、例えば13.5nm波長でのEUV光源を、スキャナとも称される先端リソグラフィツールのために使用できる。EUV放射線は、石英及び水蒸気を含む広範な固体及び流体材料に強く吸収され、したがって真空中で作用する。
【0026】
EUVリソグラフィは、基礎となる層をエッチングすることにおいて使用されるマスクを形成するためにパターニングされたEUVレジストを使用する。EUVレジストは、液体ベースのスピンオン技法によって生成されるポリマー系化学増幅レジスト(CAR)であってよい。CARの代替物は、オレゴン州コーバリスのInpriaから入手可能な、例えば、少なくともそれらのフォトパターニング可能な金属酸化物含有膜の開示が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開US2017/0102612、US2016/021660、及びUS2016/0116839に記載されているもの等の、直接フォトパターニング可能な金属酸化物含有膜である。そのような膜は、スピンオン技法又は乾式蒸着によって生成され得る。金属酸化物含有膜は、例えば、少なくともEUVレジストマスクを形成するために直接フォトパターニング可能な金属酸化物膜の組成、堆積、及びパターニングに関するその開示が参照によって本明細書に組み込まれる、2018年6月12日に発行された、EUV PHOTOPATTERNING OF VAPOR-DEPOSITED METAL OXIDE-CONTAINING HARDMASKSと題する米国特許第9,996,004号、及び/又は、2019年5月9日に提出された、METHODS FOR MAKING EUV PATTERNABLE HARD MASKSと題する国際特許出願第PCT/US2019/31618号に記載されているように、サブ30nmパターニング解像度を提供する真空雰囲気におけるEUV曝露によって直接(すなわち、別個のフォトレジストの使用無しに)パターニングできる。概して、パターニングは、レジストにフォトパターンを形成するためにEUVレジストをEUV放射線に曝露し、その後、マスクを形成するようにフォトパターンに従ってレジストの一部を除去するように現像することを伴う。
【0027】
本開示は、EUVリソグラフィによって例示されるリソグラフィパターニング技法及び材料に関するが、他の次世代リソグラフィ技法にも適用可能であることも理解すべきである。目下使用及び開発中の標準的な13.5nmEUV波長を含むEUVに加えて、このようなリソグラフィに最も重要な放射線源は、DUV(ディープUV(deep-UV))であり、これは、248nm又は193nmエキシマレーザ源、X線範囲のより低いエネルギー範囲におけるEUVを形式上含むX線、及び広いエネルギー範囲をカバーできる電子ビームの使用を一般に指す。この特定の方法は、半導体基板及び究極の半導体デバイスにおいて使用される特定の材料及び用途に依存し得る。したがって、本願において説明される方法は、本技術において使用され得る方法及び材料の例示に過ぎない。
【0028】
直接フォトパターニング可能なEUVレジストは、有機成分内に混合された金属及び/又は金属酸化物で構成されるか又はそれらを含み得る。金属/金属酸化物は、EUV光子吸収を高め、二次電子を生成し、及び/又は基礎となる膜スタック及びデバイス層に対する増加したエッチ選択性を示すことができる点で、非常に有望である。
【0029】
基板へのフォトレジスト膜(例えば、EUVフォトレジスト膜)の塗布中、従来の湿式、例えば、スピンオン、処理又は乾式堆積のいずれかによって、ウェハ裏面及び/又はベベルエッジ上にレジスト材料のいくらかの意図しない堆積が生じ得る。この裏面及びベベルエッジ堆積は、パターニング(スキャナ)及び現像ツールの汚染を含む下流処理問題を引き起こす可能性がある。ウェハの裏面及び/又はベベルエッジ領域上への意図しない金属含有EUVレジスト材料からの高濃度の金属は、下流処理(例えば、EUVスキャン、現像)中に放出される金属の増加したリスクを引き起こす可能性がある。そのような汚染は、パターニング及び現像ツールの性能並びにウェハのおもて面上に堆積した膜に有害である可能性がある。従来、この裏面及びベベルエッジ堆積の除去は、湿式洗浄技法によって行われている。
【0030】
スピンコートされた金属有機フォトレジストを洗浄する現在の技術水準は、湿式洗浄処理によるものである。エッジビード除去(EBR)は、ウェハの表及び裏面の両方における湿式トラック上で実行される。ウェハのおもて面及び裏面の両方においてウェハのエッジにわたってノズルが配置され、ウェハが回転している間に溶媒が分注される。有機溶媒(例えば:PGME、PGMEA、2-ヘプタノン)は、エッジ上のフォトレジストを溶解し、ベベルエッジ領域を洗浄する。裏面が汚染されている場合、ウェハは、ウェハの裏面クリーニングのための別の湿式洗浄ステーションまで行く必要がある。スピンコーティングのために、チャックに接触するウェハ領域は、典型的には清浄に維持され、別個の裏面洗浄は常に使用されるとは限らない。希釈フッ化水素酸(dHF)、希釈塩酸(dHCl)、希釈硫酸又はスタンダード洗浄1(SC-1)等の追加の洗浄が、金属汚染を低減するために必要であり得る。EUVスキャナに入る前に、一般に裏面スクラブが実行される。
【0031】
湿式洗浄処理に使用される溶媒は、本質的に、取得及び廃棄の両方のための高コストの問題を有する。そのような溶媒は、環境及び現在の健康上の懸念に対して有害になり得る。湿式洗浄処理は、ベベルエッジ領域上のEUVレジスト材料の除去の均一性によって制限され得る。表面張力及び蒸気の懸念に起因して、この除去は、波状になることが多く、ベベルエッジ領域におけるEUVレジスト材料のすっきりとした除去をもたらさない。さらに、有機溶媒を使用したバックスプラッシュが、ウェハのおもて面上に欠陥を生成する可能性がある。この湿式洗浄処理は、典型的には、スタンドアロンツール/チャンバ内で実行され、したがって、堆積後にウェハは、ツール/チャンバ間に移送される必要がある。これは、裏面及び/又はベベルエッジ洗浄において使用されるツール/チャンバの汚染をもたらす可能性がある。
[裏面及びベベルエッジ洗浄]
【0032】
本開示は、基板からの望ましくない材料の乾式裏面及びベベルエッジ洗浄を提供する。乾式裏面及びベベルエッジ洗浄は、基板のおもて面における膜劣化を伴うことなく、裏面及びベベルエッジ領域からの材料の除去を確実にするために、特定の領域に限定される。いくつかの実施形態において、望ましくない材料は、基板の裏面及びベベルエッジ領域上に堆積したEUVレジスト材料を含む。いくつかの実施形態において、望ましくない材料は、シリコン系膜又は炭素系膜を含む。乾式裏面及びベベルエッジ洗浄は、エッチガスを使用して実行される。エッチガスは、水素ガス、ハロゲン化水素、水素ガス及びハロゲン化物ガス、又は三塩化ホウ素であってよい。処理チャンバが、エッチガスが基板の裏面にアクセスできるように基板を上昇させる複数の最小接触面積(MCA)支持体を有する基板支持体を備えてよい。基板支持体は、キャリアリングであってよい。エッチガスは、第1のエッチガス流において基板支持体の下方から送達されてよい。ガス分配器が、エッチガスがおもて面の中央に到達するのを制限するように基板のおもて面の中央にカーテンガスを送達してよい。ガス分配器は、第2のエッチガス流において基板のおもて面の周縁にもエッチガスを送達してよい。放射熱源等の熱源が、乾式裏面及びベベルエッジ洗浄中に基板上に適用されてよい。放射熱源は、基板支持体の下方に配置されてよい。裏面洗浄及びベベルエッジ洗浄は、両方とも同じ処理チャンバにおいて実行される。いくつかの実施形態において、堆積操作及び乾式裏面及びベベルエッジ洗浄は、同じ処理チャンバにおいて実行される。いくつかの実施形態において、ポストアプリケーションベーク(PAB)及び乾式裏面及びベベルエッジ洗浄は、同じ処理チャンバにおいて実行される。単一のチャンバにおけるツール/チャンバの統合は、スループットを高め、コストを低減し、さもなければ移送間において生じる汚染の可能性を低減する。
【0033】
図1は、いくつかの実施形態によるフォトレジストを堆積及び現像するための例示的な方法のフロー図を提示している。プロセス100の操作は、異なる順序で、及び/又は、異なる、より少数の、又は追加の操作を伴って行われてよい。プロセス100の1又は複数の操作は、
図6~
図9のいずれか1つにおいて説明されている装置を使用して実行されてよい。いくつかの実施形態において、プロセス100の操作は、少なくとも部分的に、1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアに従って実装されてよい。
【0034】
プロセス100のブロック102にて、フォトレジストの層が堆積される。これは、蒸着プロセス等の乾式堆積プロセス又はスピンオン堆積プロセス等の湿式プロセスのいずれかであってよい。
【0035】
フォトレジストは、金属含有EUVレジストであってよい。EUV感受性金属又は金属酸化物含有膜は、湿式(例えば、スピンオン)又は乾式(例えば、CVD)堆積技法を含む任意の好適な技法によって半導体基板上に堆積されてよい。例えば、説明されたプロセスは、有機スズ酸化物に基づくEUVフォトレジスト組成に関して、商業的にスピンコーティング可能な配合物(例えば、オレゴン州コーバリスのInpria Corpから入手可能であるもの等)及び以下でさらに説明する乾式真空堆積技法を使用して塗布される配合物の両方に適用可能であることが実証されている。本開示において説明したフォトレジストは、金属含有EUVレジスト材料として説明することが多いが、本開示のプロセス操作は、シリコン系膜又は炭素系膜等の任意の他の膜に適用され得ることが理解される。
【0036】
半導体基板は、フォトリソグラフィ処理のために、特に、集積回路及び他の半導体デバイスの生産のために好適な任意の材料構成を有してよい。いくつかの実施形態において、半導体基板は、シリコンウェハである。半導体基板は、不規則な表面トポグラフィを有するフィーチャ(「基礎となるフィーチャ」)がその上に生成されたシリコンウェハであってよい。本明細書において言及されるとき、「表面(surface)」は、処理中に本開示の膜が堆積されることになる又はEUVに曝露されることになる表面である。基礎となるフィーチャは、本開示の方法を実施する前の処理中に、(例えば、エッチングによって)材料が除去された領域、又は、(例えば、堆積によって)材料が追加された領域を含み得る。このような前処理は、基板上にフィーチャの2又はそれ以上の層が形成される反復プロセスにおいて、本開示の方法又は他の処理方法を含んでよい。
【0037】
EUV感受性薄膜は、半導体基板上に堆積され得、そのような膜は、後続のEUVリソグラフィ及び処理のためのレジストとして作用可能である。そのようなEUV感受性薄膜は、EUVに曝露されると、低密度M-OHリッチ材料中の金属原子に結合した嵩高いペンダント置換基の損失等の変化を経て、より密なM-O-M結合金属酸化物材料へのそれらの架橋を可能にする材料を含む。EUVパターニングを介して、非曝露エリアに対して物理的又は化学的性質が変更された膜のエリアが生成される。これらの特性は、非曝露又は曝露エリアのいずれかを溶解させるために、又は曝露又は非曝露エリアのいずれかの上に材料を選択的に堆積させるために等、後続の処理において利用され得る。いくつかの実施形態において、非曝露膜は、そのような後続の処理が実行される条件下で、曝露膜よりも疎水性の表面を有する。例えば、材料の除去は、膜の化学組成、密度、及び架橋の差を利用することによって実行されてよい。除去は、以下でさらに説明するように、湿式処理又は乾式処理によるものであってよい。
【0038】
薄膜は、様々な実施形態において、有機金属材料、例えば、酸化スズを含む有機スズ材料、又は他の金属酸化物材料/部分である。有機金属化合物は、カウンター反応物との有機金属前駆体の蒸気相反応で作成され得る。様々な実施形態において、有機金属化合物は、半導体基板上に堆積する低密度EUV感受性材料を生成するように、嵩高いアルキル基又はフルオロアルキル基を有する有機金属前駆体とカウンター反応物との特定の組み合わせを混合すること、及び、この混合物を蒸気相中で重合することを介して形成される。
【0039】
様々な実施形態において、有機金属前駆体は、蒸気相反応を経ても存続できる各金属原子上の少なくとも1つのアルキル基を含むが、金属原子に配位された他のリガンド又はイオンをカウンター反応物によって置換できる。有機金属前駆体は、下記式のものを含む。
MaRbLc
(式1)
Mは、高パターニング放射線吸収断面を有する元素であり、Rは、CnH2n+1等のアルキルであり、好ましくは、n=1~6であり、Lはリガンド、イオン、又は、カウンター反応物と反応性である他の部分であり、a≧1;b≧1;及びc≧1である。
【0040】
様々な実施形態において、Mは、1x107cm2/molに等しいか又はそれよりも大きい原子吸収断面を有する。Mは、例えば、スズ、ハフニウム、テルル、ビスマス、インジウム、ヨウ素、アンチモン、ゲルマニウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。いくつかの実施形態において、Mはスズである。Rは、例えば、式CnFxH(2n+1)を有し、フッ素化されてよい。様々な実施形態において、Rは、少なくとも1のベータ水素又はベータフッ素を有する。例えば、Rは、メチル、エチル、i-プロピル、n-プロピル、t-ブチル、i-ブチル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、及びそれらの混合物からなる群から選択されてよい。Lは、アミン(ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノ等)、アルコキシ、カルボン酸塩、ハロゲン、及びそれらの混合物からなる群から選択される部分等の、M-OH部分を生成するためにカウンター反応物によって容易に置き換えられる任意の部分であってよい。
【0041】
有機金属前駆体は、多種多様な候補金属有機前駆体のいずれかであってよい。例えば、Mは、スズであり、そのような前駆体は、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、sec-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-プロピル(トリス)ジメチルアミノスズ、n-プロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、エチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、及びt-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ等の類似のアルキル(トリス)t-ブトキシを含む。いくつかの実施形態において、有機金属前駆体は、部分的にフッ素化されている。
【0042】
カウンター反応物は、化学結合を介して少なくとも2つの金属原子を結合させるために反応性部分、リガンド又はイオン(例えば、上記式1中のL)を置換する能力を有する。カウンター反応物は、水、過酸化物(例えば、過酸化水素)、ジ-又はポリヒドロキシアルコール、フッ素化ジ-又はポリヒドロキシアルコール、フッ素化グリコール、及びヒドロキシル部分の他のソースを含むことができる。様々な実施形態において、カウンター反応物は、隣接する金属原子間に酸素橋を形成することによって有機金属前駆体と反応する。他の潜在的なカウンター反応物は、硫化水素及び二硫化水素を含み、これは硫黄架橋を介して金属原子を架橋することができる。
【0043】
薄膜は、この膜のEUVへの感受性を変更する又はエッチ耐性を高めるために等、この膜の化学又は物理的特性を変更するために、有機金属前駆体及びカウンター反応物に加えて任意選択の材料を含んでよい。そのような任意選択の材料は、半導体基板上への堆積の前に、薄膜の堆積の後で、又はその両方で、蒸気相形成中にドープすること等によって導入されてよい。いくつかの実施形態において、穏やかな遠隔H2プラズマは、Sn-HとのいくつかのSn-L結合を置換するために導入されてよく、これによりEUV下でのレジストの反応性を高めることができる。
【0044】
様々な実施形態において、EUVパターニング可能な膜が作成され、当技術分野において知られているものの中の蒸着設備及びプロセスを使用して半導体基板上に堆積される。このようなプロセスにおいて、重合有機金属材料が蒸気相中で又は半導体基板の表面上でインサイチュで形成される。好適なプロセスは、例えば、化学気相成長(CVD)、原子層堆積(ALD)、及び金属前駆体及びカウンター反応物が時間的又は空間的のいずれかで分離されている不連続ALD様プロセス等のCVD構成要素でのALDを含む。
【0045】
一般に、方法は、重合有機金属材料を形成するために有機金属前駆体の蒸気ストリームをカウンター反応物の蒸気ストリームと混合すること、及び半導体基板の表面上にその有機金属材料を堆積することを含む。いくつかの実施形態において、1よりも多い有機金属前駆体が蒸気ストリームに含まれている。いくつかの実施形態において、1よりも多いカウンター反応物が蒸気ストリームに含まれている。当業者に理解されるように、プロセスの混合及び堆積の態様は、実質的に連続するプロセスにおいて同時に発生し得る。
【0046】
例示的な連続CVDプロセスにおいて、有機金属前駆体及びカウンター反応物のソースの、別個の入口経路における、2又はそれ以上のガスストリームが、CVD装置の堆積チャンバに導入され、ここで、これらは混合して気相中で反応し、(例えば、金属-酸素-金属結合形成を介して)凝集ポリマー材料を形成する。このストリームは、例えば、別個の注入口又はデュアルプレナムシャワーヘッドを使用して導入されてよい。この装置は、有機金属前駆体及びカウンター反応物のストリームがチャンバ内で混合されて、有機金属前駆体及びカウンター反応物が反応して重合有機金属材料を形成するように構成されている。本技術の機序、機能、又は有用性を限定しないが、そのような蒸気相反応の生成物は、金属原子がカウンター反応物によって架橋されるので分子量がより重くなり、その後、半導体基板上で凝結するか又はさもなければ堆積すると考えられる。様々な実施形態において、嵩高いアルキル基の立体障害は、密集ネットワークの形成を妨げ、平滑なアモルファス低密度膜を生成する。
【0047】
CVDプロセスは、10mTorr(1.33Pa)~10Torr(133.32Pa)等の低減した圧力で一般に実施される。いくつかの実施形態において、このプロセスは、0.5~2Torr(66.66~266.64Pa)で実施される。いくつかの実施形態において、半導体基板の温度は、反応物ストリームの温度であるか又はそれを下回る。例えば、基板温度は、0℃~250℃、又は周囲温度(例えば、23℃)~150℃であってよい。様々なプロセスにおいて、基板上への重合有機金属材料の堆積は、表面温度に反比例したレートで生じる。
【0048】
いくつかの実施形態において、当技術分野において知られているものの中の湿式堆積設備及びプロセスを使用して、半導体基板上にEUVパターニング可能な膜が作成及び堆積される。例えば、有機金属材料は、半導体基板の表面上にスピンコーティングによって形成される。
【0049】
半導体基板の表面上に形成されるEUVパターニング可能な膜の厚さは、表面特性、使用された材料、及び処理条件に応じて変動し得る。様々な実施形態において、膜厚は、0.5nm~100nmの範囲であってよく、EUVパターニングの条件下でEUV光のほとんどを吸収するように十分な厚さであってよい。EUVパターニング可能な膜は、30%に等しいか又はそれよりも大きい吸収に対応可能であり、それによってEUVパターニング可能な膜の底部に向かって利用可能なEUV光子がはるかに少なくなり得る。より高いEUV吸収は、EUV曝露膜の底部に比較して、EUV曝露膜の上部付近でより多い架橋及び高密度化をもたらす。湿式現像では、不十分な架橋により、レジストがリフトオフ又は崩壊をより起こしやすくなり得るが、このようなリスクは、乾式現像では存在しない。全乾式リソグラフィアプローチは、より不透明なレジスト膜によってEUV光子のより効率的な利用を促進し得る。EUV光子の効率的な利用は、より高い総吸収を有するEUVパターニング可能な膜で生じ得るが、いくつかの場合において、EUVパターニング可能な膜は約30%未満であり得ることが理解される。比較として、ほとんどの他のレジスト膜の最大総吸収は、レジスト膜の底部におけるレジスト材料が十分に曝露されるように、30%未満(例えば、10%又はそれ未満、又は5%又はそれ未満)である。いくつかの実施形態において、膜厚は、10nm~40nm又は10nm~20nmである。本開示の機序、機能、又は有用性を限定しないが、当該分野の湿式スピンコーティングプロセスとは異なり、本開示のプロセスは、基板の表面付着特性に対する制限がより少なく、したがって多種多様な基板に適用できると考えられる。また、上記で議論したように、堆積膜は、表面フィーチャに緊密に適合し、そのようなフィーチャを「充填」又は別様に平坦化することなく、基礎となるフィーチャを有する基板等の基板を覆うマスクを形成することにおいて、利点を提供し得る。
【0050】
ブロック104にて、半導体基板の裏面及びベベルエッジを洗浄するために洗浄プロセスが実行される。この裏面及びベベルエッジ洗浄は、基板裏面及びベベルエッジ上に様々なレベルの酸化又は架橋を有する膜を均等に除去するように非選択的にEUVレジスト膜をエッチングし得る。EUVパターニング可能な膜の適用中、湿式堆積処理又は乾式堆積処理のいずれかによって、基板ベベルエッジ及び/又は裏面上にレジスト材料のいくらかの意図しない堆積物が生じ得る。この意図しない堆積物は、後で半導体基板の上面に移動して粒子欠陥になる不所望な粒子をもたらし得る。また、このベベルエッジ及び裏面堆積物は、パターニング(スキャナ)及び現像ツール及びメトロロジツールの汚染を含む下流処理問題を引き起こす可能性がある。従来、このベベルエッジ及び裏面堆積物の除去は、湿式洗浄技法によって行われる。しかしながら、本開示は、乾式洗浄技法によるこのベベルエッジ及び裏面堆積物の除去を提供する。
【0051】
裏面及びベベルエッジ洗浄は、乾式洗浄プロセスであってよい。いくつかの実施形態において、乾式洗浄プロセスは、次のガス:HBr、HCl、HI、BCl3、SOCl2、Cl2、BBr3、H2、O2、PCl3、CH4、メタノール、アンモニア、ギ酸、NF3、HFのうちの1又は複数を有する蒸気及び/又はプラズマを伴う。いくつかの実施形態において、乾式洗浄プロセスは、本明細書に記載されている乾式現像プロセスと同じ化学物質を使用してよい。例えば、裏面及びベベルエッジ洗浄は、水素ハロゲン化物現像化学物質を使用してよい。代替的に、裏面及びベベルエッジ洗浄は、トリフルオロ酢酸等の有機酸、又は他の有機蒸気を使用してよい。裏面及びベベルエッジ洗浄プロセスに関して、蒸気及び/又はプラズマは、基板のおもて面でのいかなる膜劣化も無く、裏面及びベベルエッジ堆積物のみが除去されることを確実にするために、基板の特定の領域に限定される必要がある。
【0052】
プロセス条件は、裏面及びベベルエッジ洗浄のために最適化されてよい。いくつかの実施形態において、より高温、より高圧、及び/又はより高い反応物流量は、増加したエッチレートをもたらし得る。乾式ベベルエッジ及び裏面洗浄のための好適なプロセス条件は、フォトレジスト膜及び組成及び特性に応じて、100~10000sccm(6~600mL/s)(例えば、500sccm(30mL/s)のHCl、HBr、HI又はH2及びCl2、Br2、又はI2、BCl3、又はH2、又は他のハロゲン含有化合物)の反応物流量、20℃~140℃(例えば、80℃)の温度、20mTorr(2.66Pa)~1000mTorr(133.32Pa)(例えば、100mTorr(13.33Pa))の圧力又は50Torr(6666.1Pa)~765Torr(101991.32Pa)(例えば、760Torr(101324.71Pa))の圧力、高周波数(例えば、13.56MHz)での0W~500Wのプラズマパワー、及び約10~20秒の時間であってよい。ベベル及び/又は裏面洗浄は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationから入手可能なCoronus(登録商標)ツールを使用して達成され得るが、処理リアクタの能力によってより広範なプロセス条件が使用され得る。
【0053】
ブロック104における裏面及びベベルエッジ洗浄は、ブロック106におけるPAB処理の前に示されているが、裏面及びベベルエッジ洗浄は、プロセス100中、フォトレジストの堆積後の任意の段階で実行されてもよいことが理解される。したがって、裏面及びベベルエッジ洗浄は、フォトレジスト堆積後、PAB処理後、EUV曝露後、PEB処理後、又は現像後に実行されてよい。
【0054】
ベベル及び/又は裏面洗浄は、元のフォトレジストが損傷したか又はさもなければ欠陥がある場合等には、代替的に、塗布されたEUVフォトレジストが除去されて、半導体基板がフォトレジスト再塗布のために準備される、完全なフォトレジスト除去又はフォトレジスト「リワーク」に拡張されてよい。フォトレジストリワークは、下層半導体基板を損傷することなく達成すべきなので、酸素ベースのエッチを回避すべきである。代わりに、本明細書に記載されるようなハロゲン化物含有化学物質又は有機蒸気化学物質の変種を使用してもよい。フォトレジストリワーク操作は、プロセス100中の任意の段階で適用されてよいことが理解される。したがって、フォトレジストリワーク操作は、レジスト堆積後、ベベルエッジ及び/又は裏面洗浄後、PAB処理後、EUV曝露後、PEB処理後、現像後、又はハードベーク後に適用されてよい。いくつかの実施形態において、フォトレジストリワークは、下層に対しては選択的であるがフォトレジストの曝露及び非曝露領域の非選択的除去のために実行されてよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、フォトレジストリワークプロセスは、次のガス:HBr、HCl、HI、BCl3、Cl2、BBr3、H2、PCl3、CH4、メタノール、アンモニア、ギ酸、NF3、HFのうちの1又は複数を有する蒸気及び/又はプラズマを伴う。いくつかの実施形態において、フォトレジストリワークは、本明細書に記載されている乾式現像プロセスと同じ化学物質を使用してよい。例えば、フォトレジストリワークは、水素ハロゲン化物現像化学物質又はトリフルオロ酢酸等の有機酸又は他の有機蒸気を使用してよい。
【0056】
プロセス条件は、フォトレジストリワークのために最適化されてよい。いくつかの実施形態において、より高温、より高圧、及び/又はより高い反応物流量は、増加したエッチレートをもたらし得る。フォトレジストリワークのための好適なプロセス条件は、フォトレジスト膜及び組成及び特性に依拠して、EUVフォトレジストを完全に除去するのに十分な、100~500sccm(6~30mL/s)(例えば、500sccm(30mL/s)のHCl、HBr、HI、BCl3又はH2及びCl2又はBr2)の反応物流量、20℃~140℃(例えば、80℃)の温度、20~1000mTorr(2.66~133.32Pa)(例えば、300mTorr(40Pa))の圧力又は50~765Torr(6666.1~101991.32Pa)(例えば、760Torr(101324.71Pa))の圧力、高周波数(例えば、13.56MHz)での0W~800W(例えば、500W)のプラズマパワー、0~200Vbのウェハバイアス(より高いバイアスがより硬い基礎となる基板材料とともに使用され得る)、及び約20秒~3分の時間であってよい。いくつかの実施形態において、フォトレジストリワークは、プラズマの適用無しに実行できる。フォトレジストリワークは、上昇した温度(例えば、80℃~120℃の間)でハロゲン化水素(例えば、HBr)等のハロゲン化物含有ガスとともに熱的に実行できる。これらの条件は、いくつかの処理リアクタ、例えば、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationから入手可能なKiyoエッチツールに好適であるが、処理リアクタの能力に応じてより広範なプロセス条件が使用され得ることを理解すべきである。
【0057】
プロセス100のブロック106にて、任意選択のポストアプリケーションベーク(PAB)が、EUVパターニング可能な膜の堆積後及びEUV曝露の前に及び/又は裏面及びベベルエッジ洗浄の実行後に実行される。PAB処理は、EUVパターニング可能な膜のEUV感受性を高めるための、熱処理、化学曝露、及び水分の組み合わせを伴ってよく、EUVパターニング可能な膜にパターンを現像するためのEUVドーズを低減する。PAB処理温度は、EUVパターニング可能な膜の感受性を高めるように調整及び最適化されてよい。例えば、処理温度は、約90℃~約200℃の間又は約150℃~約190℃の間であってよい。いくつかの実施形態において、PAB処理は、100~10000sccm(6~600mL/s)の範囲で流れるガス雰囲気、最大100%までの数パーセントの量の水分含有量(例えば、20%~50%)、大気~真空の間の圧力、及び約1から15分、例えば約2分の処理継続時間で実施されてよい。いくつかの実施形態において、PAB処理は、約1分~2分の間、約100℃~230℃の温度で実施される。
【0058】
プロセス100のブロック108にて、金属含有EUVレジスト膜は、パターンを現像するためにEUV放射線に曝露される。一般に、EUV曝露は、金属含有EUVレジスト膜の化学組成及び架橋の変化を引き起こし、後続の現像のために利用できるエッチ選択性のコントラストを生む。
【0059】
金属含有EUVレジスト膜は、その後、典型的には比較的高真空下で、膜の領域をEUV光に曝露することによってパターニングされ得る。ここで有用であるものの中のEUVデバイス及びイメージング方法は、当技術分野において知られている方法を含む。特に、上記で議論したように、膜の曝露エリアは、非曝露エリアに対して物理的又は化学的性質が変更されたEUVパターニングを介して生成される。例えば、曝露エリアにおいて、ベータ水素化合物脱離を通して金属-炭素結合開裂が生じ得、後続のポストエクスポージャベーク(PEB)ステップ中に金属-酸素架橋を介して水酸化物及び架橋金属酸化物部分に変換され得る反応性及びアクセス可能な金属水素化物官能基を残す。このプロセスは、ネガティブトーンレジストとしての現像のための化学コントラストを生成するために使用できる。一般に、アルキル基中のベータHの数がより多いと、より感受性の膜がもたらされる。これは、より多い分枝を有するより弱いSn-C結合としても説明できる。曝露に続いて、金属含有EUVレジスト膜は、金属酸化物膜の更なる架橋を引き起こすためにベークされてよい。曝露及び非曝露エリアの間の特性の差は、非曝露エリアを溶解させるために又は曝露エリア上に材料を堆積させるために等、後続の処理において利用され得る。例えば、パターンは、金属酸化物含有マスクを形成するように乾式方法を使用して現像できる。このようなプロセスにおいて有用なものの中の方法及び装置は、参照により本明細書にその方法及び装置の開示が組み込まれる、2018年12月20日に提出された米国特許出願第62/782,578号に記載されている。
【0060】
特に、様々な実施形態において、表面上に存在するヒドロカルビル終端スズ酸化物は、特にEUVを使用して真空で曝露が実行される場合、イメージング層の曝露領域において水素終端スズ酸化物に変換される。しかしながら、曝露されたイメージング層の真空から空気中への除去、又は酸素、オゾン、H2O2、又は水の制御された導入が、表面Sn-HのSn-OHへの酸化をもたらし得る。曝露及び非曝露領域間の特性の差は、イメージング層に材料を選択的に追加又はそこから材料を除去するために、照射領域、非照射領域、又は両方を1又は複数の試薬と反応させること等によって、後続の処理において利用されてよい。
【0061】
本技術の機序、機能、又は有用性を限定しないが、例えば、10mJ/cm2~100mJ/cm2のドーズでのEUV曝露は、Sn-C結合の開裂をもたらし、結果として、アルキル置換基の損失、立体障害の緩和、及び低密度膜の崩壊をもたらす。さらに、ベータ水素化合物脱離反応で生成された反応性金属-H結合は、膜中のヒドロキシル等の隣接する活性基と反応し、更なる架橋及び高密度化をもたらし、曝露及び非曝露領域間の化学コントラストを生成し得る。
【0062】
EUV光への金属含有EUVレジスト膜の曝露に続いて、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストが提供される。フォトパターニングされた金属含有EUVレジストは、EUV曝露及び非曝露領域を含む。
【0063】
プロセス100のブロック110にて、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストのエッチ選択性におけるコントラストをさらに高めるために、任意選択のポストエクスポージャベーク(PEB)が実行される。フォトパターニングされた金属含有EUVレジストは、EUV曝露領域の架橋を促進するように様々な化学種の存在下で熱処理するか、又は、例えば1~5分の間100℃~250℃の間の周囲空気中(例えば、2分の間190℃)でホットプレート上で単にベークすることができる。
【0064】
様々な実施形態において、ベークストラテジは、ベーク雰囲気の注意深い制御、反応性ガスの導入、及び/又はベーク温度のランピングレートの注意深い制御を伴う。有用な反応性ガスの例は、例えば、空気、H2O、H2O2蒸気、CO2、CO、O2、O3、CH4、CH3OH、N2、H2、NH3、N2O、NO、アルコール、アセチルアセトン、ギ酸、Ar、He、又はそれらの混合物を含む。PEB処理は、(1)EUV曝露中に生成された有機フラグメントの完全な蒸発を促し、(2)EUV曝露によって生成された任意のSn-H、Sn-Sn、又はSnラジカル種を酸化して金属水酸化物にし、(3)より密に架橋されたSnO2様ネットワークを形成するように隣接するSn-OH基間の架橋を促進するように設計されている。ベーク温度は、最適なEUVリソグラフィ性能を実現するように注意深く選択される。低すぎるPEB温度は、不十分な架橋をもたらし、その結果として、所与のドーズでの現像のための化学コントラストが小さくなる。また、高すぎるPEB温度は、非曝露領域(この例では、マスクを形成するためにパターニングされた膜の現像によって除去される領域)における重度の酸化及び膜収縮、並びに、フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト及び下層間の接合部における不所望な相互拡散を含む有害な影響を有し、これらの両方は、化学コントラストの損失及び不溶性スカムに起因する欠陥密度の増加に寄与する可能性がある。PEB処理温度は、約100℃~約300℃の間、約170℃~約290℃の間、又は約200℃~約240℃の間であってよい。いくつかの実施形態において、PEB処理は、100~10000sccm(6~600mL/s)の範囲で流れるガス雰囲気、最大100%までの数パーセントの量の水分含有量(例えば、20%~50%)、大気~真空の間の圧力、及び約1から15分、例えば約2分の処理継続時間で実施されてよい。いくつかの実施形態において、PEB熱処理は、エッチ選択性をさらに高めるために繰り返されてよい。
【0065】
プロセス100のブロック112にて、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストは、レジストマスクを形成するために現像される。様々な実施形態において、曝露領域が除去され(ポジティブトーン)又は非曝露領域が除去される(ネガティブトーン)。いくつかの実施形態において、現像は、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストの曝露又は非曝露領域のいずれか上への選択的堆積、それに続くエッチング操作を含んでよい。様々な実施形態において、これらのプロセスは、乾式プロセス又は湿式プロセスであってよい。現像のためのプロセスの例は、有機スズ酸化物含有EUV感受性フォトレジスト薄膜(例えば、20nm等の10~30nm厚)がEUV曝露ドーズ及びポストエクスポージャベークに供され、次に現像されることを伴う。フォトレジスト膜は、例えば、イソプロピル(トリス)(ジメチルアミノ)スズ及び水蒸気等の有機スズ前駆体の気相反応に基づいて堆積されてもよいし、又は、有機マトリックス中にスズクラスタを含むスピンオン膜であってよい。フォトパターニングされた金属含有EUVレジストは、現像化学物質に曝露することによって現像される。いくつかの実施形態において、現像化学物質は、ハロゲン化物含有化学物質又はトリフルオロ酢酸等の有機蒸気を含む。
【0066】
図2A~
図2Dは、従来の裏面及びベベルエッジ洗浄の様々な処理段階の断面概略図を示している。従来の裏面及びベベルエッジ洗浄は、湿式処理技法を使用する。EUVレジスト材料の堆積は、湿式又は乾式堆積技法を使用して実行されてよい。
【0067】
図2Aに示されているように、EUVレジスト材料210は、基板200のおもて面、裏面、及びベベルエッジ上に堆積されてよい。裏面及びベベルエッジ上に堆積されたEUVレジスト材料210は、基板200のおもて面上の汚染及び下流ツールの汚染の可能性を高める。そのようなEUVレジスト材料210は、望ましくない。基板200の裏面及びベベルエッジからEUVレジスト材料210を除去することが所望される。いくつかの場合において、基板200のおもて面の周縁に堆積したEUVレジスト材料210を含む、基板200のおもて面上に堆積したいくらかのEUVレジスト材料210を除去することが所望される。
【0068】
図2Bに示されているように、基板200のベベルエッジ上に堆積したEUVレジスト材料210は、湿式ベベルエッジ洗浄によって除去される。これは、基板200のおもて面上にEUVレジスト材料210aを、基板200の裏面上にEUVレジスト材料210bを残す。標準的なエッジビード除去プロセスにおいて、PGME、PGMEA、又は2-ヘプタノン等の有機溶媒が、第1のプロセスチャンバ(チャンバ1)内でベベルエッジ上に堆積したEUVレジスト材料210を除去するために分注される。第1のプロセスチャンバは、スピン洗浄ツールであってよい。有機溶媒は、約20℃等の低い/温和な温度で分注されてよい。可燃性の溶媒のいかなる加熱も、大きな火災/爆発の危険をもたらす。基板200は、第2のプロセスチャンバ(チャンバ2)に進む前にすすぎ/乾燥操作を経る。
【0069】
図2Cに示されているように、基板200の裏面上に堆積したEUVレジスト材料210bは、湿式裏面洗浄によって除去される。これは、基板200のおもて面上にEUVレジスト材料210aを残す。湿式裏面洗浄は、第2のプロセスチャンバ内で実行されてよい。第2のプロセスチャンバは、基板200の裏面を洗浄できる別のスピン洗浄ツールであってよい。例えば、湿式裏面洗浄は、dHF、dHCl、希釈硫酸、又はSC-1等の洗浄剤を用いることができる。洗浄剤は、約20℃等の低い/温和な温度で分注されてよい。湿式裏面洗浄は、ベベルエッジ領域上の材料も除去し得るが、典型的には、ベベルエッジ領域上の材料の均一又は完全な除去に有効でない。したがって、裏面洗浄及びベベルエッジ洗浄は、一般に、第1のプロセスチャンバ及び第2のプロセスチャンバの間で分離されている。基板200は、第3のプロセスチャンバ(チャンバ3)に進む前にすすぎ/乾燥操作を経る。
【0070】
図2Dに示されているように、基板200は、PAB熱処理を受けるために第3のプロセスチャンバに移送される。いくつかの実施形態において、第3のプロセスチャンバは、基板200が上昇した温度に曝露されるオーブンであるか又はホットプレートを含む。PAB熱処理は、基板温度を、約90℃~200℃の間等の上昇した温度に高める。これにより、EUV曝露のために、基板200のおもて面上におけるEUVレジスト材料210aのリソグラフィ特性を安定させる。PAB熱処理は、乾式処理である。
【0071】
湿式裏面及びベベルエッジ洗浄技法とは対照的に、乾式裏面及びベベルエッジ洗浄技法は、コストがより低く、より環境に安全であり得る。乾式裏面及びベベルエッジ洗浄技法は、乾式処理ステップがより少ないツール/チャンバ内で実行され得るように、チャンバを統合してよい。乾式裏面及びベベルエッジ洗浄技法は、湿式裏面及びベベルエッジ洗浄技法に関する不均一性問題に対処し得る。
【0072】
既存の乾式裏面及びベベルエッジ洗浄技法は、通例、基板の裏面及びベベルエッジから材料を除去するためにプラズマを用いる。既存のハードウェアは、材料を除去するために基板の裏面及びベベルエッジにプラズマを閉じ込め得る。しかしながら、プラズマは光を生成し、これが基板のおもて面を迷光に曝露させ、感光性膜を損傷させる可能性がある。さらに、既存のハードウェアは、残余エッチガスが基板のおもて面に到達するのを制限することに有効でない。
【0073】
本開示は、プラズマを当てることを伴わない乾式裏面及びベベルエッジ洗浄を提供する。乾式裏面及びベベルエッジ洗浄は、基板の裏面及びベベルエッジから材料(例えば、EUVレジスト材料)を除去するために、基板の特定の領域に閉じ込められたエッチガスを利用する。乾式裏面及びベベルエッジ洗浄は、裏面及びベベルエッジにおける材料の非選択的除去を促進するように、基板を上昇した温度に曝露する。
【0074】
図3A~
図3Cは、いくつかの実施形態による、フォトレジスト材料の乾式裏面及びベベルエッジ洗浄の様々な処理段階の断面概略図を示している。フォトレジスト材料(例えば、EUVレジスト材料)の堆積は、湿式又は乾式堆積技法を使用して実行されてよい。湿式堆積技法は、スピンコーティングを含む。乾式堆積技法は、化学気相成長(CVD)又は原子層堆積(ALD)を含む。
【0075】
図3Aに示されているように、EUVレジスト材料310は、基板300のおもて面、裏面、及びベベルエッジ上に堆積されてよい。裏面及びベベルエッジ上に堆積されたEUVレジスト材料310は、基板300のおもて面上の汚染及び下流ツールの汚染の可能性を高める。そのようなEUVレジスト材料310は、望ましくない。基板300の裏面及びベベルエッジからEUVレジスト材料310を除去することが所望される。いくつかの場合において、基板300のおもて面の周縁に堆積したEUVレジスト材料310を含む、基板300のおもて面上に堆積したいくらかのEUVレジスト材料310を除去することが所望される。例えば、おもて面においてエッジから約数ミリメートル(例えば、約1.5mm)だけEUVレジスト材料310を除去することが所望され得る。いくつかの実施形態において、EUVレジスト材料310は、有機金属含有レジスト材料又は有機金属酸化物である。EUVレジスト材料310は、スズ、ハフニウム、テルル、ビスマス、インジウム、アンチモン、ヨウ素、及びゲルマニウムからなる群から選択される元素を含んでよい。上記元素は、高パターニング放射線吸収断面を有してよい。いくつかの実施形態において、上記元素は、高EUV吸収断面を有してよい。いくつかの実施形態において、EUVレジスト材料310は、一般に、Sn、O、及びCで構成されてよい。例えば、EUVレジスト材料310は、有機スズ酸化物を含む。
【0076】
図3Bに示されているように、基板300の裏面及びベベルエッジ上に堆積したEUVレジスト材料310は、乾式洗浄によって除去される。これは、基板300のおもて面ではEUVレジスト材料310aを残す。乾式洗浄は、基板300の裏面及びベベルエッジをエッチガスに曝露してよい。いくつかの実施形態において、エッチガスは、ハロゲン化水素、水素ガス、水素ガス及びハロゲン化物ガス、又は三塩化ホウ素(BCl
3)である。1つの例において、エッチガスは、HCl、HBr、又はHI等のハロゲン化水素である。別の例において、エッチガスは、水素ガス(H
2)である。また別の例において、エッチガスは、H
2と、Cl
2、Br
2、又はI
2との混合物である。なおまた別の例において、エッチガスは、BCl
3である。なおまた別の例において、エッチガスは、トリフルオロ酢酸等の有機酸である。本開示は、操作のいかなる特定の理論又は機序にも限定されないが、このアプローチは、蒸気を使用して揮発性生成物を形成するために、EUVフォトレジスト材料と洗浄化学物質(例えば、HCl、HBr、HI、H
2及びCl
2、Br
2、又はI
2、BCl
3)との化学反応性を利用することが理解される。EUVフォトレジスト材料は、様々な温度で蒸気を使用して除去されてよいが、より高い温度、圧力、及び/又は反応物流量によって反応性をさらに加速又は高めることができる。いくつかの実施形態において、EUVレジスト材料は、最大1nm/sのエッチレートで除去できる。いくつかの実施形態において、エッチガスは、遠隔プラズマ源によって活性化される。これにより、反応性がさらに加速されるか又は高められ得る。いくつかの実施形態において、エッチガスは、アルゴン、ヘリウム、窒素、又は他の好適なキャリアガス等のキャリアガスとともに送達される。
【0077】
いくつかの実施形態において、フォトレジスト材料は、EUVレジスト材料ではなく、しかしシリコン系材料又は炭素系材料である。そのような材料の除去のためのエッチガスは、EUVレジスト材料の除去のためのものとは異なってよい。いくつかの実施形態において、エッチガスは、炭素系材料の除去のためのO2、CO2、N2O、及び同様のもの等の酸化ガスを含む。いくつかの実施形態において、エッチガスは、シリコン系材料の除去のためのCxFy又はCxFyHz又は塩素系ガス等のフッ素系ガスを含む。
【0078】
不活性カーテンガスが、基板300のおもて面に送達されて、エッチガスを基板300の裏面及びベベルエッジまでに制限してよい。カーテンガスは、窒素(N2)、酸素(O2)、水(H2O)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、キセノン(Xe)、ネオン(Ne)、又はそれらの混合物等のガスを含んでよい。カーテンガスは、基板300のおもて面の少なくとも中央領域をエッチガスから保護するように基板300のおもて面上に流される。カーテンガスがおもて面に流されると、カーテンガスは、おもて面上に堆積したEUVレジスト材料310aを保護するようにおもて面を横切って拡散する。
【0079】
カーテンガスは、エッチガスと同時に流されてよい。第1のエッチガス流は、基板300の裏面に導入されてよい。第1のエッチガス流は、基板300の裏面を横切って拡散されてよく、基板300の裏面は、基板300がキャリアリング上のMCA支持体によって支持されている場合にアクセス可能であってよい。いくつかの実施形態において、第2のエッチガス流が、基板300のおもて面の周縁に導入されてよい。第2のエッチガス流は、おもて面の周縁に沿って流れ、基板300のベベルエッジの周囲を包んでよい。第1のエッチガス流は、基板支持体の下方に配置された1又は複数の底部ガス入口から導入されてよく、第2のエッチガス流は、基板支持体の上方に配置されたガス分配器の1又は複数の周縁ガス入口から導入されてよい。ガス分配器は、1又は複数の周縁ガス入口を有するモジュラーリングを含んでよい。モジュラーリングは、1又は複数の周縁ガス入口及び基板300のおもて面の間の間隔を調節してよい。いくつかの実施形態において、カーテンガスは、ガス分配器の1又は複数の中央ガス入口から流され、1又は複数の周縁ガス入口をおもて面から分離する第1の間隙は、1又は複数の中央ガス入口をおもて面から分離する第2の間隙よりも大きい。
【0080】
基板300は、乾式洗浄中に上昇した温度まで加熱されてよく、上昇した温度は、約20℃~約170℃の間、約20℃~約140℃の間、約40℃~約140℃の間、又は約100℃である。いくつかの実施形態において、乾式洗浄は、上昇した圧力下で実行されてよい。処理チャンバ内の圧力は、約0.02Torr(2.67Pa)~大気圧の間、0.1Torr(13.33Pa)~大気圧の間、又は約1Torr(133.32Pa)~大気圧の間であってよい。いくつかの実施形態において、乾式洗浄は、高流量のエッチガスとともに実行されてよい。エッチガス流量は、約50sccm(3mL/s)~約10000sccm(600mL/s)の間、約100sccm(6mL/s)~約10000sccm(600mL/s)の間、又は約200sccm(12mL/s)~約5000sccm(300mL/s)の間であってよい。湿式洗浄技法とは異なり、本開示の非プラズマ熱洗浄技法は、エッチレートを制御するように、温度、圧力、及びガス流量等のプロセスパラメータを調整できる。より高い温度及び/又は圧力及び流量で非曝露EUVレジスト材料を除去するように、高いエッチレートが実現され得る。
【0081】
裏面洗浄及びベベルエッジ洗浄の両方が、別個の処理チャンバ内ではなく、第1のプロセスチャンバ(チャンバ1)内で実行される。これにより、さもなければ洗浄操作間で生じ得るツールの汚染の可能性が低減する。単一のツール内での本質的に複数のプロセスステップのために、単一パスが実行されてよい。これにより、コストが低減し、スループットが向上もする。湿式洗浄又はすすぎ/乾燥操作は、本開示の乾式裏面及びベベルエッジ洗浄では実行されない。
【0082】
いくつかの実施形態において、乾式裏面及びベベルエッジ洗浄は、エッチガスへの曝露、その後のパージを含む。パージは、第1のプロセスチャンバから残余エッチガスを圧送/パージするためにパージガスを導入する。パージは、基板移送中における基板300のおもて面の不所望なエッチングを回避するために、処理チャンバから残余エッチガスを除去又は副生成物をエッチングするのに有用であり得ることが理解される。パージでは、不活性ガス及び/又は反応性ガスを流してよい。反応性ガスは、除去の容易さを促進するように残余エッチガスと反応してよい。反応性ガスは、例えば、有機スズ前駆体等のスズ系前駆体であってよい。不活性ガスは、Ar、He、Ne、Xe、又はN2であってよい。チャンバ圧は、約0.1Torr(13.33Pa)及び約6Torr(799.93Pa)の間であってよい。パージガス流は、約10sccm(0.6mL/s)~約10000sccm(600mL/s)の間又は約50sccm(3mL/s)~約5000sccm(300mL/s)の間であってよい。いくつかの実施形態において、圧送/パージは、約20℃~約140℃の間又は約80℃~約120℃の間等の高温で進行してよい。高温は、第1のプロセスチャンバからの残余エッチガスの除去を促進し得る。いくつかの実施形態において、チャンバ壁及び他の構成要素は、残余エッチガスを放出するように加熱されてよい。残余エッチガス(例えば、ハロゲン化物ガス又はハロゲン化物含有ガス)は、圧送/パージ中に排気ラインを通して排気されてよい。いくつかの実施形態において、圧送/パージ操作は、脱ハロゲン化とも称され得る。ハロゲン化物は、チャンバ壁、チャンバ構成要素、又はウェハに容易に付着し得る。ハロゲン化物がウェハに付着した場合、ハロゲン化物(例えば、臭素)が、EUVスキャン中にウェハから放出され、それによってスキャナを腐食又は損傷させるリスクが増加する。
【0083】
いくつかの実施形態において、裏面及びベベルエッジ洗浄の継続時間は、約10秒~約150秒の間である。いくつかの実施形態において、裏面及びベベルエッジ洗浄のエンドポイントは、1又は複数のセンサによって検出される。1又は複数のセンサは、基板300の裏面及びベベルエッジ上のEUVレジスト堆積物の存在又は不存在を検出してよい。1又は複数のセンサは、IRセンサ及び/又は光センサを含んでよい。
【0084】
図3Cに示されているように、基板300は、PAB熱処理に曝露される。いくつかの実施形態において、PAB熱処理は、乾式裏面及びベベルエッジ洗浄と同じ処理チャンバ(すなわち第1のプロセスチャンバ)内で実行される。そうして、乾式裏面及びベベルエッジ洗浄は、PAB熱処理と統合される。これにより、さらに汚染の可能性が低減し、コストが低減し、スループットが増加し得る。このことは、リソグラフィ性能に最小限の影響又はポジティブな影響を与え得る。いくつかの実施形態において、PAB熱処理は、乾式裏面及びベベルエッジ洗浄とは異なる第2のプロセスチャンバ(チャンバ2)内で実行される。PAB処理は、乾式処理である。
【0085】
PAB熱処理は、約100℃~約170℃の間又は約120℃~約150℃の間等の上昇した温度まで基板温度を高める。いくつかの実施形態において、基板温度は、IRランプ又は1又は複数のLED等の放射熱源を使用して制御されてよい。放射熱源は、基板300の下方に配置されてよい。代替的に、放射熱源は、基板300の上方に配置されてよい。基板温度は、放射熱源とともに確立されたフィードバック制御ループでパイロメータによって能動的に制御されてよい。PAB熱処理中の雰囲気は、N2、Ar、He、Xe、又はNe等の不活性ガスを流すことによって制御されてよく、不活性ガスは、O2及び/又はH2Oと混合されてよい。不活性ガスの流量は、約10sccm(0.6mL/s)~約10000sccm(600mL/s)の間又は約50sccm(3mL/s)~約5000sccm(300mL/s)の間であってよい。PAB熱処理中の圧力は、約0.02Torr(2.67Pa)~大気圧の間、約0.1Torr(13.33Pa)~大気圧の間、又は約1Torr(133.32Pa)~大気圧の間であるように制御されてよい。
[装置]
【0086】
本開示は、基板のおもて面の中央部を保護しながら乾式裏面及びベベルエッジ洗浄を可能にするための処理チャンバ内のハードウェア構成要素を提供する。これらのハードウェア構成要素は、乾式裏面及びベベルエッジ洗浄及びPAB処理において実装されてよい。
【0087】
図4は、いくつかの実施形態による、乾式裏面及びベベルエッジ洗浄を実行するための処理チャンバの概略図を示している。乾式裏面及びベベルエッジ洗浄を実行するための装置又はツール400は、処理チャンバ410を備えてよい。処理チャンバ410は、裏面洗浄及びベベルエッジ洗浄の両方だけでなく、PAB処理及び/又は堆積も実行するように統合されてよい。装置400は、基板430を支持するための処理チャンバ410内の基板支持体420を備えてよい。いくつかの実施形態において、基板支持体420は、基板430のおもて面、裏面、及びベベルエッジ上への材料(例えば、EUVレジスト材料432)の堆積後に基板430を受けてよい。エッチガスが基板430の裏面にアクセスできるように基板430を上昇させるために、基板支持体420の主面から伸長するように、複数の最小接触面積支持体(図示せず)が構成されてよい。装置400は、基板支持体420の上方に、基板430のおもて面にカーテンガス442を送達するために処理チャンバ410に連結されたガス分配器440をさらに備える。装置400は、基板支持体420の下方に、基板430の裏面にエッチガス444を送達するために処理チャンバ410に連結されたエッチガス送達源450をさらに備える。装置400は、基板支持体420の下方の放射熱源等の熱源460をさらに備えてよい。
【0088】
基板支持体420は、キャリアリング422を有してよい。キャリアリング422は、基板430を支持するための環状体を含んでよい。
図5Aは、いくつかの実施形態による、処理チャンバ内で基板530を支持するためのキャリアリング500の斜視図を示している。半導体産業における基板530は、典型的に、200mm、300mm、又は450mmの直径を有する。キャリアリング500の外径は、基板530の直径よりも大きく、環状体の内径は、基板530の直径よりも小さい。内径は、約280mmに等しいか又はそれ未満、約240mmに等しいか又はそれ未満、又は約200mmに等しいか又はそれ未満であってよい。換言すれば、基板530は、約140mmに等しいか又はそれ未満の半径を有するリングによって把持されてよい。キャリアリング500の主面から、基板530の裏面に接触するように、複数のMCA支持体540が延びてよい。いくつかの実施形態において、複数のMCA支持体540は、キャリアリング500の中央の周りに対称に配置されてよい。例えば、複数のMCA支持体540は、3つのMCA支持体、4つのMCA支持体、5つのMCA支持体、6つのMCA支持体、又はそれよりも多くを含んでよい。MCA支持体540は、ピンであってよい。複数のMCA支持体540は、任意の好適な絶縁材料を含んでよい。絶縁材料は、基板530の擦過を回避するために、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)等の軟質材料であってよい。
図5Bは、いくつかの実施形態による、基板530の裏面を支持及びそれと接触するキャリアリング500の断面概略図を示している。
【0089】
MCA支持体540の位置は、裏面堆積物を有する箇所で基板530に接触することを回避するように、先行する堆積プロセスに対して最適化されてよい。換言すると、複数のMCA支持体540は、裏面堆積物(例えば、フォトレジスト堆積物)がほとんど無い、又は全く無い箇所で基板530の裏面のエリアに接触するように構成されてよい。この配置は、裏面堆積がほとんど無い、又は全く無いない箇所を示す1又は複数の以前の堆積操作から確認された知識又はデータに基づいて決定されてよい。例えば、MCA支持体540は、基板530のエッジよりも基板530の中央に近いエリアにおいて基板530の裏面に接触してよい。同時に、MCA支持体540の位置は、エッチガスが裏面堆積物を有するエリアにアクセスすることを妨げない。
【0090】
複数のMCA支持体540は、基板530の裏面との最小限の接触を提供する。複数のMCA支持体540は、基板530の裏面を横切るガス流を許容するように、基板530をキャリアリング500の主面の上方へ或る高さまで上昇させてよい。いくつかの実施形態において、上記高さは、約0.025mm~約0.5mmの間又は約0.05mm~約0.25mmの間である。いくつかの実施形態において、MCA支持体540は、基板支持体の主面から伸長可能/後退可能である。いくつかの実施形態において、上記高さは、間隙サイズが制御されるように調整可能である。いくつかの実施形態において、基板530の裏面は、MCA支持体540及び基板530が直接触れるエリアを洗浄可能とすべく、シフト機構又は回転機構を有するMCA支持体540によって支持される。エッチガスは、MCA支持体540と直接接触するエリアにアクセスすることによってブロックされ得る。このエリアが基板530に対して非常に小さくても、それは許容できない重度の金属汚染をなお有し得る。したがって、このエリアも洗浄する必要がある。換言すると、MCA支持体540は、基板530の裏面の異なる点に接触するように位置をシフト又は回転させてよい。シフト機構は、基板移送中に使用されるリフトピンに組み込まれてよい。MCA支持体540が触れるエリアを除いて基板全体530を洗浄する洗浄の第1の部分の後に、キャリアリング500は、基板530をリフトピン上に降下させてよい。リフトピンは、複数のMCAエリアによって、例えば、基板を約数十ミクロン移動させる。その後、キャリアリング500がプロセス位置に戻され、MCA支持体540が最初に触れたエリアを洗浄するために第2の洗浄が実行される。いくつかの実施形態において、基板530の裏面は、MCA支持体540の一セクションによって支持され、キャリアリング500は、Xの数のMCA支持体540毎の2又はそれ以上のセクションに分割され、Xは、任意の整数値である。この場合、洗浄プロセスは、複数の時間段階に分割されてよい。各時間段階中、分割リングの部分のうちの1又は複数は、基板表面から離れるように移動され、そのセクションにおける洗浄を可能にする。全てのセクションが、洗浄中に少なくとも一度持ち上げられ/洗浄される必要がある。最小数のセクションが、基板530がプロセス位置にしっかりと維持されるように適所に留まる必要がある。例えば、キャリアリング500は、3つのピン毎の2つのセクションに分割されてよい。キャリアリング500及び複数のMCA支持体540は、基板530の裏面におけるエッチガス流を調節するように構成されてよい。具体的には、MCA支持体540の高さ、キャリアリング500の内径、MCA支持体540の位置決め、及びキャリアリング500の他の態様は、裏面及びベベルエッジの両方がエッチングされるが基板530のおもて面の特定の領域はエッチングされないことを確実にするために、上部からのカーテンガス及び底部からのエッチガスの間でガス流を調節するように設計されてよい。
【0091】
図4に戻ると、エッチガス送達源450及び放射熱源460が、基板支持体420(例えば、キャリアリング)の下方に配置されてよい。エッチガス送達源450は、基板430の裏面にエッチガス444を送達するために1又は複数の底部ガス入口又はノズルを含んでよい。放射熱源460は、基板430の裏面から離れるように離間されてよく、しかし放射加熱によって基板430を上昇した温度に加熱してよい。放射熱源460は、制御されたランプ能力(ramp capability)、パルシング、及び温度の急速な変化を提供してよい。いくつかの実施形態において、放射熱源460は、1又は複数のIRランプ又は1又は複数のLEDを含む。温度の急速な変化を可能にするために、熱源は、1~10kWの範囲にあってよい。いくつかの実施形態において、基板支持体420は、回転するように構成されてよい。基板温度の制御可能性のために、1又は複数のIRランプ又は1又は複数のLEDは、基板430の様々な領域の制御された加熱のための複数のゾーンに分離されてよい。さらに、1又は複数のランプ又は1又は複数のLEDは、それぞれ独立して制御可能であってよい。LEDをパルシングすることによって、基板430の温度ランプアップを制御できる。放射熱源460は、迷光が基板430のおもて面に到達するのをブロックするようにも機能してよい。いくつかの実施形態において、エッチガス送達源450は、放射熱源460を通る1又は複数の穴を含む。いくつかの実施形態において、エッチガス送達源450は、放射熱源460の外側に配置された1又は複数の穴を含む。基板430の裏面上の材料の除去に関して基板430の裏面上でのエッチガス流の均一性は重要ではないので、1又は複数の穴の位置決めは重要ではない場合がある。したがって、エッチガス送達源450は、エッチガス444が基板430の裏面に到達又は別様にアクセス可能であるように、任意の方式で配置されてよい。
【0092】
基板430のおもて面にカーテンガス442を送達するために、基板支持体420の上方に、ガス分配器440が配置されている。ガス分配器440は、カーテンガス流を基板430のおもて面の中央に向けるための1又は複数の中央ガス入口を含んでよい。いくつかの実施形態において、ガス分配器440は、エッチガス流446を基板430のおもて面の周縁に向けるための1又は複数の周縁ガス入口を含んでよい。基板430のおもて面の周縁は、基板430のおもて面の15%又はそれ未満、10%又はそれ未満、又は5%又はそれ未満のエリアを占めてよいことが理解される。いくつかの実施形態において、ガス分配器440は、上部プレートの中央領域に配置された複数の穴及び上部プレートの周辺領域に配置された複数の穴を有する上部プレートを含む。いくつかの実施形態において、ガス分配器440は、異なる直径のモジュラーリングを含む。いくつかの場合において、モジュラーリングは、異なる形状を有してよい。エッチガス446は、モジュラーリングのうちの1つを通して送達されてよく、カーテンガス442は、モジュラーリングのうちの別の1つを通して送達されてよい。したがって、ガス分配器440は、1又は複数の周縁ガス入口のための少なくとも1つのモジュラーリングを含み、少なくとも1つのモジュラーリングは、基板430のおもて面からの1又は複数の周縁ガス入口の間隔を調節するように構成されている。ベベルエッジにおける除去は、モジュラーリングにおける1又は複数の周縁ガス入口の間隔を調節することによって調節できる。さらに又は代替的に、ガス分配器440は、エッチガス流446を基板430のベベルエッジに向けるための1又は複数のノズルを含む。
【0093】
ガス分配器440は、1又は複数の周縁ガス入口を基板430のおもて面から分離する第1の間隙が、1又は複数の中央ガス入口を基板430のおもて面から分離する第2の間隙よりも大きいように、構成されてよい。いくつかの実施形態において、第1の間隙は、第2の間隙の少なくとも2倍大きい。第2の間隙は、基板430のおもて面上のEUVレジスト膜432に触れることなく、可能な限り小さくてよい。
図4に示されているように、ガス分配器440は、段付き設計を有してよい。そうして、カーテンガス流442は、より高圧で提供され、基板430の中央におけるより小さな間隙を横切って送達され得、エッチガス流446は、より低圧で提供され、基板430の周縁でより長い間隙を横切って送達され得る。基板支持体420の上方から送達されるエッチガス流446は、「第2のエッチガス流」と称され得、一方で、基板支持体420の下方から送達されるエッチガス流444は、「第1のエッチガス流」と称され得る。基板430の周縁に送達される第2のエッチガス流は、基板430のおもて面及びベベルエッジ領域の部分の周囲を包んでよい。例えば、第2のエッチガス流は、基板430のおもて面の5mm又はそれ未満の周囲、3mm又はそれ未満、又は1.5mm又はそれ未満の周囲を包んでよい。カーテンガス流442は、エッチガスが基板430のおもて面の残りに到達することを妨げる。
【0094】
放射熱源460に加えて又はその代替として、装置400は、1又は複数のヒータをさらに備えてよい。1又は複数のヒータは、基板温度制御を提供し得る。いくつかの実施形態において、1又は複数のヒータは、ガス分配器440に連結され、基板430の上方にある。1又は複数のヒータは、放射熱源であってよい。いくつかの実施形態において、1又は複数のヒータは、処理チャンバ410内での雰囲気加熱を提供するように構成されている。いくつかの実施形態において、1又は複数のヒータは、20℃~170℃又は20℃~140℃の範囲での基板温度制御を提供する。
【0095】
装置400は、基板430の裏面及び/又はベベルエッジ上の膜堆積物の存在を検出するための1又は複数のセンサをさらに備えてよい。いくつかの実施形態において、1又は複数のセンサは、エンドポイント検出として機能するIRセンサ等の光学デバイスを含む。
【0096】
図6は、説明した乾式裏面及びベベルエッジ洗浄の実施形態の実施に好適な低圧環境を維持するための処理チャンバ本体602を有するプロセスステーション600の一実施形態の概略図を示している。複数のプロセスステーション600は、共通の低圧プロセスツール環境に含まれてよい。例えば、
図7は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationから入手可能なVECTOR(登録商標)処理ツール等の、マルチステーション処理ツール700の一実施形態を示している。いくつかの実施形態において、下記で詳細に議論されるものを含むプロセスステーション600の1又は複数のハードウェアパラメータを、1又は複数のコンピュータコントローラ650によってプログラムで調整してよい。
【0097】
プロセスステーションは、クラスタツール内のモジュールとして構成されてよい。
図9は、本明細書に記載した実施形態の実施に好適な真空統合堆積及びパターニングモジュールを有する半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを示している。そのようなクラスタプロセスツールアーキテクチャは、
図8及び
図9を参照しながら上記で及びさらに下記で説明されるような、レジスト堆積、レジスト露光(EUVスキャナ)、レジスト現像及びエッチモジュールを備えることができる。
【0098】
いくつかの実施形態において、処理機能の特定のもの、例えば、乾式現像及びエッチングを、同じモジュールにおいて連続的に実行できる。また、本開示の実施形態は、本明細書に記載されているように、エッチングされる層又は積層体上に配されたフォトパターニングされたEUVレジスト薄膜層を含むウェハを、EUVスキャナにおけるフォトパターニングに続いて乾式現像/エッチチャンバに受け;フォトパターニングされたEUVレジスト薄膜層を乾式現像し;及び、次に、マスクとしてのパターニングされたEUVレジストを使用して基礎となる層のエッチングするための方法及び装置に向けられている。
【0099】
図6に戻ると、プロセスステーション600は、分配シャワーヘッド606にプロセスガスを送達するための反応物送達システム601aと流体連通している。反応物送達システム601aは、シャワーヘッド606に送達するための、プロセスガスをブレンド及び/又はコンディショニングするための混合ベッセル604を任意選択で含んでよい。1又は複数の混合ベッセル入口バルブ620は、混合ベッセル604へのプロセスガスの導入を制御してよい。プラズマ曝露が使用される場合、プラズマは、シャワーヘッド606に送達されてもよく、又は、プロセスステーション600において生成されてよい。上記で述べたように、少なくともいくつかの実施形態において、非プラズマ熱曝露が好ましい。
【0100】
図6は、混合ベッセル604に供給されることになる液体反応物を蒸気化させる任意選択の蒸気化ポイント603を含む。いくつかの実施形態において、蒸気化ポイント603の上流側にある液体流量コントローラ(LFC)が、蒸気化のための液体の質量流量及びプロセスステーション600までの送達を制御するために設けられてよい。例えば、LFCは、LFCの下流に位置する熱質量流量計(MFM)を含んでよい。このとき、LFCのプランジャバルブは、MFMと電気通信する比例積分微分(PID)コントローラによって提供されるフィードバック制御信号に応答して調整されてよい。
【0101】
シャワーヘッド606は、基板612に向けてプロセスガスを分配する。
図6に示す実施形態において、基板612は、シャワーヘッド606の下に位置し、台座608上に載置されているのが示されている。シャワーヘッド606は、任意の好適な形状を有してよく、基板612にプロセスガスを分配するためのポートを任意の好適な数及び配置で有してよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、台座608は、基板612を上昇又は降下させて、基板612及びシャワーヘッド606の間の容積に曝露させてよい。いくつかの実施形態において、台座高さは、好適なコンピュータコントローラ650によってプログラムで調整されてよいことが理解される。いくつかの実施形態において、シャワーヘッド606は、複数の温度コントロールを有する複数のプレナム容積を有してよい。いくつかの実施形態において、台座608は、基板612を支持するためのキャリアリングによって置換されてよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、台座608は、ヒータ610を介して温度制御されてよい。代替的に、キャリアリングによって支持される基板612は、基板612の下方に配置された放射熱源によって加熱されてよい。いくつかの実施形態において、基板612は、開示された実施形態に記載したように、HBr又はHCl等の乾式裏面及びベベルエッジ洗浄化学物質へのレジストの非プラズマ熱曝露中に、0℃よりも高く最大300℃又はそれ以上の温度、例えば50から120℃、約65から80℃等まで加熱されてよい。いくつかの実施形態において、台座608のヒータ610は、複数の、独立して制御可能な温度制御ゾーンを含んでよい。
【0104】
さらに、いくつかの実施形態において、プロセスステーション600のための圧力制御が、バタフライバルブ618によって提供されてよい。
図6の実施形態に示されているように、バタフライバルブ618は、下流真空ポンプ(図示せず)によって提供される真空を絞る。しかしながら、いくつかの実施形態において、プロセスステーション600の圧力制御は、プロセスステーション600に導入される1又は複数のガスの流量を変動させることによっても調整されてよい。
【0105】
いくつかの実施形態において、シャワーヘッド606の位置は、基板612及びシャワーヘッド606間の容積を変動させるように台座608に対して調整されてよい。さらに、台座608及び/又はシャワーヘッド606の鉛直位置は、本開示の範囲内の任意の好適な機序によって変化し得ることが理解される。いくつかの実施形態において、台座608は、基板612の向きを回転させるための回転軸を含んでよい。いくつかの実施形態において、これらの例示の調整のうちの1又は複数は、1又は複数の好適なコンピュータコントローラ650によってプログラムで実行されてよいことが理解される。
【0106】
プラズマが使用され得る場合、例えば、同じチャンバにおいて実施される穏やかなプラズマベース乾式洗浄実施形態及び/又はエッチ操作において、シャワーヘッド606及び台座608は、プラズマにパワー供給するための無線周波数(RF)電源614及び整合ネットワーク616と電気通信する。いくつかの実施形態において、プラズマエネルギーは、プロセスステーション圧力、ガス濃度、RFソースパワー、RFソース周波数、及びプラズマパワーパルスタイミングのうちの1又は複数を制御することによって制御されてよい。例えば、RF電源614及び整合ネットワーク616は、ラジカル種の所望の組成を有するプラズマを形成するように任意の好適な電力で動作してよい。好適な電力の例は、最大約500Wである。
【0107】
いくつかの実施形態において、コントローラ650のための命令は、入/出力制御(IOC)シーケンシング命令を介して提供されてよい。1つの例において、プロセスフェーズのための条件を設定するための命令は、プロセスレシピの対応するレシピフェーズに含まれてよい。いくつかの場合において、複数のプロセスレシピフェーズは、或るプロセスフェーズのための全ての命令がそのプロセスフェーズと同時に実行されるように、順に構成されてよい。いくつかの実施形態において、1又は複数のリアクタパラメータを設定するための命令が、レシピフェーズに含まれてよい。例えば、レシピフェーズは、HBr又はHCl等の乾式洗浄化学反応ガスの流量を設定するための命令及びレシピフェーズのための時間遅延命令を含んでよい。いくつかの実施形態において、コントローラ650は、
図7のシステムコントローラ750に関して下記で記載される特徴の任意のものを含んでよい。
【0108】
上記で説明したように、1又は複数のプロセスステーションが、マルチステーション処理ツールに含まれてよい。
図7は、いずれか又は両方が遠隔プラズマ源を含むインバウンドロードロック702及びアウトバウンドロードロック704を有してよい、マルチステーション処理ツール700の一実施形態の概略図を示している。大気圧のロボット706は、ポッド708を通して装填されたカセットから、大気ポート710を介してインバウンドロードロック702内にウェハを移動させるように構成されている。ウェハは、インバウンドロードロック702内の台座712上のロボット706によって配置され、大気ポート710が閉じられ、ロードロックがポンプダウンされる。インバウンドロードロック702が遠隔プラズマ源を含む場合、ウェハは、処理チャンバ714に導入される前に、ロードロック内で窒化ケイ素表面を処理するように遠隔プラズマ処理に曝露されてよい。さらに、ウェハはまた、例えば、水分及び吸収されたガスを除去するために、インバウンドロードロック702において加熱もされてよい。次に、処理チャンバ714へのチャンバ移動ポート716が開かれ、別のロボット(図示せず)が、処理のためのリアクタ内に示す第1のステーションの台座上のリアクタ内にウェハを配置する。
図7に示す実施形態は、ロードロックを含むが、いくつかの実施形態において、プロセスステーション内へのウェハの直接の進入が提供されてよいことが理解される。
【0109】
示されている処理チャンバ714は、
図7に示す実施形態において1~4で符号が付されている4つのプロセスステーションを含む。各ステーションは、加熱された台座(ステーション1に関して718で示す)及びガスライン入口を有する。いくつかの実施形態において、各プロセスステーションは、異なる又は複数の目的を有してよいことが理解される。例えば、いくつかの実施形態において、プロセスステーションは、乾式洗浄及び堆積プロセスモード間で切替可能であってよい。さらに又は代替的に、いくつかの実施形態において、処理チャンバ714は、乾式洗浄及び堆積プロセスステーションの1又は複数の整合ペアを含んでよい。示されている処理チャンバ714は4つのステーションを含むが、本開示による処理チャンバは、任意の好適な数のステーションを有してよいことが理解される。例えば、いくつかの実施形態において、処理チャンバは、5つ又はそれよりも多いステーションを有してよく、他の複数の実施形態において、処理チャンバは、3つ又はそれより少ないステーションを有してよい。
【0110】
図7は、処理チャンバ714内でウェハを移送するためのウェハハンドリングシステム790の一実施形態を示している。いくつかの実施形態において、ウェハハンドリングシステム790は、様々なプロセスステーション間及び/又はプロセスステーション及びロードロック間でウェハを移送してよい。任意の好適なウェハハンドリングシステムが用いられてよいことが理解される。非限定的な例は、ウェハカルーセル及びウェハハンドリングロボットを含む。
図7は、処理ツール700のプロセス条件及びハードウェア状態を制御するために用いられるシステムコントローラ750の一実施形態も示している。システムコントローラ750は、1又は複数のメモリデバイス756、1又は複数の大容量ストレージデバイス754、及び1又は複数のプロセッサ752を含んでよい。プロセッサ752は、CPU又はコンピュータ、アナログ及び/又はデジタル入力/出力接続、ステッパモータコントローラボード等を含んでよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ750は、処理ツール700の活動を制御する。システムコントローラ750は、大容量ストレージデバイス754に格納され、メモリデバイス756にロードされ、及びプロセッサ752上で実行されるシステム制御ソフトウェア758を実行する。代替的に、制御ロジックは、コントローラ750においてハードコーディングされてよい。特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はFPGA)及び同様のものが、これらの目的で使用されてよい。以下の説明において、「ソフトウェア」又はコードが使用されている場合はいつでも、機能的に匹敵するハードコーディングされたロジックがその代わりに使用されてよい。システム制御ソフトウェア758は、タイミング、ガスの混合、ガス流量、チャンバ及び/又はステーション圧力、チャンバ及び/又はステーション温度、ウェハ温度、ターゲットパワーレベル、RFパワーレベル、基板台座、チャック及び/又はサセプタ位置、及び処理ツール700によって実行される特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令を含んでよい。システム制御ソフトウェア758は、任意の好適な方式で構成されてよい。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチン又は制御オブジェクトが、様々なプロセスツールプロセスを実行するために使用されるプロセスツール構成要素の動作を制御するように書き込まれてよい。システム制御ソフトウェア758は、任意の好適なコンピュータ可読プログラミング言語でコーディングされてよい。
【0112】
いくつかの実施形態において、システム制御ソフトウェア758は、上記で説明した様々なパラメータを制御するための入/出力制御(IOC)シーケンシング命令を含んでよい。いくつかの実施形態において、システムコントローラ750に関連付けられている大容量ストレージデバイス754及び/又はメモリデバイス756に格納された他のコンピュータソフトウェア及び/又はプログラムが用いられてよい。この目的のプログラム又はプログラムのセクションの例は、基板位置決めプログラム、圧力制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、及びプラズマ制御プログラムを含む。
【0113】
基板位置決めプログラムは、基板を台座718に装填するために、及び、基板及び処理ツール700の他の部分の間の間隔を制御するために使用されるプロセスツール構成要素のためのプログラムコードを含んでよい。
【0114】
圧力制御プログラムは、プロセスステーション内の圧力を安定にすべく、ハロゲン化物含有ガス組成物(例えば、本明細書に記載されるようなHBr又はHClガス)及び流量を制御するための及び任意選択で堆積前に1又は複数のプロセスステーションにガスを流し込むためのコードを含んでよい。圧力制御プログラムは、例えば、プロセスステーションの排気システムにおけるスロットルバルブ、プロセスステーションへのガス流等を調節することによってプロセスステーション内の圧力を制御するためのコードを含んでよい。
【0115】
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するのに使用される加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含んでよい。代替的に、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝達ガス(ヘリウム等)の送達を制御してよい。
【0116】
プラズマ制御プログラムは、本明細書の実施形態による1又は複数のプロセスステーションにおけるプロセス電極に印加されるRFパワーレベルを設定するためのコードを含んでよい。
【0117】
圧力制御プログラムは、本明細書の実施形態による反応チャンバ内の圧力を維持するためのコードを含んでよい。
【0118】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ750に関連付けられているユーザインタフェースが存在してよい。ユーザインタフェースは、ディスプレイスクリーン、装置及び/又はプロセス条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ、及びポインティングディバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン等のようなユーザ入力デバイスを含んでよい。
【0119】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ750によって調整されるパラメータは、プロセス条件に関するものであってよい。非限定的な例は、プロセスガス組成及び流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアスパワーレベル等)等を含む。これらのパラメータは、ユーザインタフェースを利用して入力され得るレシピの形態でユーザに提供されてよい。
【0120】
プロセスをモニタするための信号は、様々なプロセスツールセンサからのシステムコントローラ750のアナログ及び/又はデジタル入力接続によって提供されてよい。プロセスを制御するための信号は、処理ツール700のアナログ及びデジタル出力接続上に出力されてよい。モニタされ得るプロセスツールセンサの非限定的な例は、質量流量コントローラ、圧力センサ(マノメータ等)熱電対等を含む。好適にプログラムされたフィードバック及び制御アルゴリズムが、プロセス条件を維持するためにこれらのセンサからのデータとともに使用されてよい。
【0121】
システムコントローラ750は、上述の堆積プロセスを実施するためのプログラム命令を提供してよい。プログラム命令は、DCパワーレベル、RFバイアスパワーレベル、圧力、温度等のような様々なプロセスパラメータを制御してよい。上記命令は、本明細書に記載した様々な実施形態による現像及び/又はエッチプロセスを操作するためにパラメータを制御してよい。
【0122】
システムコントローラ750は、典型的には、上記装置が開示した実施形態による方法を実行するために上記命令を実行するように構成されている1又は複数のメモリデバイス及び1又は複数のプロセッサを含む。開示した実施形態によるプロセス操作を制御するための命令を含む機械可読媒体が、システムコントローラ750に連結されてよい。
【0123】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ750は、システムの一部であり、これは上記の例の一部であり得る。そのようなシステムは、1又は複数の処理ツール、1又は複数のチャンバ、処理のための1又は複数のプラットフォーム、及び/又は特定の処理構成要素(ウェハ台座、ガス流システム等)を含む、半導体処理機器を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウェハ又は基板の処理前、その間、及びその後にそれらの動作を制御するためのエレクトロニクスと統合されてよい。エレクトロニクスは、1又は複数の上記システムの様々な構成要素又はサブ部分を制御し得る「コントローラ」と称され得る。処理条件及び/又はシステムのタイプに依存するシステムコントローラ750は、処理ガスの送達、温度設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力設定、真空設定、パワー設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送達設定、位置及びオペレーション設定、特定のシステムと接続又はインタフェースで接続されたツール及び他の移送ツール及び/又はロードロックへの及びそこからのウェハ移送を含む、本明細書において開示されているプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてよい。
【0124】
概して、システムコントローラ750は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄操作を可能にし、エンドポイント測定、及び同様のものを可能にする等する、様々な集積回路、ロジック、メモリ、及び/又はソフトウェアを有するエレクトロニクスとして定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、及び/又は1又は複数のマイクロプロセッサ、又はプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、半導体ウェハ上での又はそのための又はシステムに対する特定のプロセスを実行するための動作パラメータを定義する、様々な個別の設定(又はプログラムファイル)の形態でシステムコントローラ1450に通信される命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、1又は複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化ケイ素、表面、回路、及び/又はウェハのダイの作製中の1又は複数のプロセスステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定義されたレシピの一部であってよい。
【0125】
システムコントローラ750は、いくつかの実施形態において、システムと統合されているか、連結されているか、別様にシステムに対してネットワーク化されているか、又はそれらの組み合わせであるコンピュータの一部であるか又はそれに連結されてよい。例えば、システムコントローラ750は、fabホストコンピュータシステムの「クラウド」又は全て又は部分内にあってよく、これによりウェハ処理のリモートアクセスを可能にすることができる。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変化させるために、現在の処理に従うようにプロセスステップを設定するために、又は新しいプロセスを開始するために、作製オペレーションの現在の進行状況をモニタし、過去の作製オペレーションの履歴を調査し、複数の作製オペレーションからトレンド又はパフォーマンス指標を調査するために、システムへのリモートアクセスを可能にしてよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ローカルネットワーク又はインターネットを含み得るネットワークを介してシステムにプロセスレシピを提供することができる。リモートコンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよく、これらはその後、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例において、システムコントローラ750は、データの形態の命令を受信し、これは、1又は複数の操作中に実行されることになるプロセスステップのそれぞれのパラメータを指定する。これらのパラメータは、実行されることになるプロセスのタイプ及びシステムコントローラ750がインタフェース又は制御するように構成されているツールのタイプに特有であってよいことを理解すべきである。したがって、上記で説明したように、システムコントローラ750は、本明細書に記載したプロセス及び制御等の共通の目的に向けて一緒にネットワーク化されて機能する1又は複数のディスクリートコントローラを含むこと等によって、分散されてよい。そのような目的の分散コントローラの一例は、チャンバ上でのプロセスを制御するように組み合わされた遠隔に(リモートコンピュータのプラットフォームレベルで又はその一部として等)位置付けられた1又は複数の集積回路と通信するチャンバ上の1又は複数の集積回路である。
【0126】
限定しないが、例示的なシステムは、プラズマエッチチャンバ又はモジュール、堆積チャンバ又はモジュール、スピン-すすぎチャンバ又はモジュール、金属めっきチャンバ又はモジュール、洗浄チャンバ又はモジュール、ベベルエッジエッチチャンバ又はモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバ又はモジュール、化学気相成長(CVD)チャンバ又はモジュール、ALDチャンバ又はモジュール、原子層エッチ(ALE)チャンバ又はモジュール、イオン注入チャンバ又はモジュール、トラックチャンバ又はモジュール、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)又はモジュール、現像チャンバ又はモジュール、及び半導体ウェハの作製及び/又は製造において関連付けられ又は使用され得る任意の他の半導体処理システムを含んでよい。
【0127】
上記で述べたように、ツールによって実行されることになる1つ又は複数の上記プロセスステップに応じて、システムコントローラ750は、他のツール回路又はモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置付けられているツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場におけるツールロケーション及び/又はロードポートに及びそこからウェハのコンテナを運ぶ材料輸送に使用されるツールのうちの1又は複数と通信し得る。
【0128】
特定の実施形態において、いくつかの実施形態の実施に好適なエッチ操作に好適であり得る誘導結合プラズマ(ICP)リアクタをここで説明する。ICPリアクタが本明細書に記載されているが、いくつかの実施形態において、容量結合プラズマリアクタも使用され得ることを理解すべきである。
【0129】
図8は、乾式裏面及びベベルエッジ洗浄等の特定の実施形態又は実施形態の態様を実施するのに適切な誘導結合プラズマ装置800の断面図を概略的に示しており、その一例は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corp.によって生産されたKiyo(登録商標)リアクタである。他の実施形態において、本明細書に記載された乾式裏面及びベベルエッジ洗浄を実施する機能性を有する他のツール又はツールタイプが、実施のために使用されてよい。
【0130】
誘導結合プラズマ装置800は、チャンバ壁801及びウィンドウ811によって構造的に画定されている総プロセスチャンバ824を含む。チャンバ壁801は、ステンレス鋼、アルミニウム、又はプラスチックから作製されてよい。ウィンドウ811は、石英又は他の誘電材料から作製されてよい。任意選択の内部プラズマグリッド850は、総プロセスチャンバを上側サブチャンバ802及び下側サブチャンバ803に分割する。ほとんどの実施形態において、プラズマグリッド850は除去されてよく、それによって、サブチャンバ802及び803から作成されるチャンバ空間を利用する。チャック817が、底部内面付近の下側サブチャンバ803内に配置される。チャック817は、エッチング及び堆積プロセスが実行される半導体ウェハ819を受けて維持するように構成されている。チャック817は、存在する場合にウェハ819を支持するための静電チャックとすることができる。いくつかの実施形態において、エッジリング(図示せず)が、チャック817を囲み、チャック817の上方に存在する場合にウェハ819の上面と略平坦な上面を有する。チャック817は、ウェハ819をチャック及びチャック解除する静電電極も含む。フィルタ及びDCクランプ電源(図示せず)が、この目的で設けられてよい。ウェハ819をチャック817から持ち上げるための他の制御システムも設けることができる。チャック817は、RF電源823を使用して帯電させることができる。RF電源823は、接続827を介して整合回路821に接続されている。整合回路821は、接続825を介してチャック817に接続されている。このようにして、RF電源823は、チャック817に接続されている。様々な実施形態において、静電チャックのバイアスパワーは、約50Vに設定されてよく、又は、開示された実施形態に従って実行されるプロセスに応じて異なるバイアスパワーに設定されてよい。例えば、バイアスパワーは、約20Vb及び約100Vの間、又は約30V及び約150Vの間であってよい。
【0131】
プラズマ発生のための要素は、ウィンドウ811の上方に配置されたコイル833を含む。いくつかの実施形態において、コイルは、開示された実施形態において使用されない。コイル833は、導電性材料から作製され、少なくとも1つの完全な巻きを含む。
図8に示すコイル833の例は、3つの巻きを含む。コイル833の断面は記号で示されており、「X」を有するコイルは、ページの内側に回転的に向かって延び、「●」を有するコイルは、ページの外側に向かって回転的に延びる。プラズマ発生のための要素は、コイル833にRFパワーを供給するように構成されているRF電源541も含む。一般に、RF電源841は、接続845を介して整合回路839に接続されている。整合回路839は、接続843を介してコイル833に接続されている。このようにして、RF電源841は、コイル833に接続されている。任意選択的なファラデーシールド849aが、コイル833及びウィンドウ811の間に配置されている。ファラデーシールド849aは、コイル833に対して離間した関係に維持されてよい。いくつかの実施形態において、ファラデーシールド849aは、ウィンドウ811のすぐ上方に配されている。いくつかの実施形態において、ファラデーシールド849bは、ウィンドウ811及びチャック817の間にある。いくつかの実施形態において、ファラデーシールド849bは、コイル833に対して離間した関係に維持されない。例えば、ファラデーシールド849bは、間隙を伴わずにウィンドウ811のすぐ下にあってよい。コイル833、ファラデーシールド849a、及びウィンドウ811は、互いに実質的に平行であるようにそれぞれ構成されてよい。ファラデーシールド849aは、金属又は他の種が処理チャンバ824のウィンドウ811上に堆積するのを防いでよい。
【0132】
プロセスガスは、上側サブチャンバ802内に配置された1又は複数のメインガス流入口860を通して及び/又は1又は複数のサイドガス流入口870を通して処理チャンバに流し込まれてよい。同様に、明示的に示されていないが、容量結合プラズマ処理チャンバにプロセスガスを供給するために、同様のガス流入口が使用されてよい。処理チャンバ824からプロセスガスを引き込むために及び処理チャンバ824内の圧力を維持するために、真空ポンプ、例えば、1又は2段機械式ドライポンプ及び/又はターボ分子ポンプ840が使用されてよい。例えば、真空ポンプは、ALDのパージ操作中に下側サブチャンバ803を排気するために使用されてよい。真空ポンプによって提供される真空環境の適用を選択的に制御するために真空ポンプを処理チャンバ824流体的に接続するのに、バルブ制御導管が使用されてよい。これは、操作プラズマ処理中に、スロットルバルブ(図示せず)又はペンデュラムポンプ(図示せず)等の閉ループ制御流量制限デバイスを用いて行われてよい。同様に、容量結合プラズマ処理チャンバに対する真空ポンプ及びバルブ制御流体接続も用いられてよい。
【0133】
装置800の動作中、1又は複数のプロセスガスが、ガス流入口860及び/又は870を通して供給されてよい。特定の実施形態において、プロセスガスは、専らメインガス流入口860を通して又は専ら再度ガス流入口870を通して供給されてよい。いくつかの場合において、図に示すガス流入口は、例えば、より複雑なガス流入口、1又は複数のシャワーヘッドによって置換されてよい。ファラデーシールド849a及び/又は任意選択のグリッド850は、処理チャンバ824へのプロセスガスの送達を可能にする内部チャネル及び穴を含んでよい。ファラデーシールド849a及び任意選択のグリッド850のいずれか又は両方が、プロセスガスの送達のためのシャワーヘッドとして機能してよい。いくつかの実施形態において、液体蒸気化及び送達システムは、処理チャンバ824の上流側に位置付けられてよく、それにより、液体反応物又は前駆体が一旦蒸気化されると、蒸気化された反応物又は前駆体が、ガス流入口860及び/又は870を介して処理チャンバ824に導入される。
【0134】
無線周波数電力は、RF電源841からコイル833に供給されて、RF電流をコイル833に通して流す。コイル533を通って流れるRF電流は、コイル833の周りに電磁場を生成する。電磁場は、上側サブチャンバ802内に誘導電流を生成する。ウェハ819との様々な生成イオン及びラジカル物理的及び化学的相互作用により、ウェハ819のフィーチャがエッチされ、その上に選択的に層が堆積される。
【0135】
上側サブチャンバ802及び下側サブチャンバ803の両方が存在するようにプラズマグリッド850が使用される場合、誘導電流が上側サブチャンバ802内に存在するガスに作用し、上側サブチャンバ802内に電子-イオンプラズマを生成する。任意選択の内部プラズマグリッド850は、その量のホットエレクトロンを下側サブチャンバ803内に制限する。いくつかの実施形態において、装置800は、下側サブチャンバ803内に存在するプラズマがイオン-イオンプラズマであるように設計及び操作される。
【0136】
上側電子-イオンプラズマ及び下側イオン-イオンプラズマの両方が、正及び負イオンを含んでよいが、イオン-イオンプラズマは、正イオンに対してより大きな比の負イオンを有する。揮発性エッチング及び/又は堆積副生成物は、ポート822を通して下側サブチャンバ803から除去されてよい。本明細書において開示したチャック817は、約10℃及び約250℃の間の範囲の上昇した温度で動作してよい。温度は、プロセス操作及び特定のレシピに依存する。
【0137】
装置800は、洗浄ルーム又は作製施設に設置されている場合に設備(図示せず)に連結されてよい。設備は、処理ガス、真空、温度制御、及び環境粒子制御を提供する配管を含む。これらの設備は、ターゲット作製施設に設置されている場合に装置800に連結される。さらに、装置800は、典型的なオートメーションを使用して、ロボティクスが装置800内に及びそこから半導体ウェハを移送するのを可能にする移送チャンバに連結されてよい。
【0138】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ830(1又は複数の物理又は論理コントローラを含んでよい)は、処理チャンバ824のオペレーションの一部又は全部を制御する。システムコントローラ830は、1又は複数のメモリデバイス及び1又は複数のプロセッサを有してよい。いくつかの実施形態において、装置800は、開示された実施形態が実行される場合に流量及び継続時間を制御するためのスイッチングシステムを備える。いくつかの実施形態において、装置800は、最大約500ms又は最大約750msのスイッチング時間を有してよい。スイッチング時間は、フローケミストリー、選択されたレシピ、リアクタアーキテクチャ、及び他の要因に依存し得る。
【0139】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ830は、システムの一部であり、これは上記の例の一部であり得る。そのようなシステムは、1又は複数の処理ツール、1又は複数のチャンバ、処理のための1又は複数のプラットフォーム、及び/又は特定の処理構成要素(ウェハ台座、ガス流システム等)を含む、半導体処理機器を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウェハ又は基板の処理前、その間、及びその後にそれらの動作を制御するためのエレクトロニクスと統合されてよい。エレクトロニクスは、システムコントローラ830に統合されてよく、これが1又は複数の上記システムの様々な構成要素又はサブ部分を制御してよい。処理パラメータ及び/又はシステムのタイプに依存するシステムコントローラは、処理ガスの送達、温度設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力設定、真空設定、パワー設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送達設定、位置及びオペレーション設定、特定のシステムと接続又はインタフェースで接続されたツール及び他の移送ツール及び/又はロードロックへの及びそこからのウェハ移送を含む、本明細書において開示されているプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてよい。
【0140】
概して、システムコントローラ830は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄操作を可能にし、エンドポイント測定、及び同様のものを可能にする等する、様々な集積回路、ロジック、メモリ、及び/又はソフトウェアを有するエレクトロニクスとして定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、及び/又は1又は複数のマイクロプロセッサ、又はプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、半導体ウェハ上での又はそのための又はシステムに対する特定のプロセスを実行するための動作パラメータを定義する、様々な個別の設定(又はプログラムファイル)の形態でコントローラに通信される命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、1又は複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化ケイ素、表面、回路、及び/又はウェハのダイの作製又は除去中の1又は複数のプロセスステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定義されたレシピの一部であってよい。
【0141】
システムコントローラ830は、いくつかの実施形態において、システムと統合されているか、連結されているか、別様にシステムに対してネットワーク化されているか、又はそれらの組み合わせであるコンピュータの一部であるか又はそれに連結されてよい。例えば、コントローラは、fabホストコンピュータシステムの「クラウド」又は全て又は部分内にあってよく、これによりウェハ処理のリモートアクセスを可能にすることができる。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変化させるために、現在の処理に従うようにプロセスステップを設定するために、又は新しいプロセスを開始するために、作製オペレーションの現在の進行状況をモニタし、過去の作製オペレーションの履歴を調査し、複数の作製オペレーションからトレンド又はパフォーマンス指標を調査するために、システムへのリモートアクセスを可能にしてよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ローカルネットワーク又はインターネットを含み得るネットワークを介してシステムにプロセスレシピを提供することができる。リモートコンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよく、これらはその後、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例において、システムコントローラ830は、データの形態の命令を受信し、これは、1又は複数の操作中に実行されることになるプロセスステップのそれぞれのパラメータを指定する。これらのパラメータは、実行されることになるプロセスのタイプ及びコントローラがインタフェース又は制御するように構成されているツールのタイプに特有であってよいことを理解すべきである。したがって、上記で説明したように、システムコントローラ830は、本明細書に記載したプロセス及び制御等の共通の目的に向けて一緒にネットワーク化されて機能する1又は複数のディスクリートコントローラを含むこと等によって、分散されてよい。そのような目的の分散コントローラの一例は、チャンバ上でのプロセスを制御するように組み合わされた遠隔に(リモートコンピュータのプラットフォームレベルで又はその一部として等)位置付けられた1又は複数の集積回路と通信するチャンバ上の1又は複数の集積回路である。
【0142】
限定しないが、例示的なシステムは、プラズマエッチチャンバ又はモジュール、堆積チャンバ又はモジュール、スピン-すすぎチャンバ又はモジュール、金属めっきチャンバ又はモジュール、洗浄チャンバ又はモジュール、ベベルエッジエッチチャンバ又はモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバ又はモジュール、化学気相成長(CVD)チャンバ又はモジュール、ALDチャンバ又はモジュール、ALEチャンバ又はモジュール、イオン注入チャンバ又はモジュール、トラックチャンバ又はモジュール、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)又はモジュール、乾式現像チャンバ又はモジュール、及び半導体ウェハの作製及び/又は製造において関連付けられ又は使用され得る任意の他の半導体処理システムを含んでよい。
【0143】
上記で述べたように、ツールによって実行されることになる1つ又は複数の上記プロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路又はモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置付けられているツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場におけるツールロケーション及び/又はロードポートに及びそこからウェハのコンテナを運ぶ材料輸送に使用されるツールのうちの1又は複数と通信し得る。
【0144】
EUVLパターニングは、多くの場合にスキャナと称される任意の好適ツール、例えば、オランダのフェルトホーフェンのASMLによって供給されるTWINSCAN NXE:3300B(登録商標)プラットフォームを使用して実施されてよい。EUVLパターニングツールは、基板を本明細書に記載されているような堆積及びエッチングのためにそこから出し入れして移動させるスタンドアロンデバイスであってよい。又は、下で説明するように、EUVLパターニングツールは、より大きなマルチコンポーネントツール上のモジュールであってよい。
図9は、本明細書に記載されているプロセスの実施に好適な真空移送モジュールとインタフェースで接続している真空統合堆積、裏面及びベベルエッジ洗浄、EUVパターニング、及び乾式現像/エッチモジュールを伴う半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを示している。このプロセスは、そのような真空統合装置を伴わずに実施されてよいが、そのような装置は、いくつかの実施形態において、有利であり得る。
【0145】
図9は、本明細書に記載されているプロセスの実施に好適な真空移送モジュールとインタフェースで接続している真空統合堆積及びパターニングモジュールを伴う半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを示している。複数の保管設備及び処理モジュール間でウェハを「移送」するための移送モジュールのこの構成は、「クラスタツールアーキテクチャ」システムと称され得る。堆積及びパターニングモジュールは、特定のプロセスの要件に従って、真空統合される。エッチのため等の他のモジュールも、クラスタ上に含まれてよい。
【0146】
真空移動モジュール(VTM)938は、4つの処理モジュール920a~920dとインタフェースで接続し、これらは、様々な作製プロセスを実行するために個々に最適化されてよい。例として、処理モジュール920a~920dは、堆積、蒸発、ELD、乾式現像、エッチ、ストリップ、及び/又は他の半導体プロセスを実行するように実装されてよい。例えば、モジュール920aは、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationから入手可能なVector tool等の、本明細書に記載したような非プラズマ熱原子層堆積を実行するように操作され得るALDリアクタであってよい。モジュール920bは、Lam Vector(登録商標)等のPECVDツールであってよい。この図は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解すべきである。
【0147】
ロードロック又は移送モジュールとしても知られるエアロック942及び946が、VTM938及びパターニングモジュール940とインタフェースで接続している。例えば、上記で述べたように、好適なパターニングモジュールは、オランダのフェルトホーフェンのASMLによって供給されるTWINSCAN NXE:3300B(登録商標)プラットフォームであってよい。このツールアーキテクチャは、半導体基板又はウェハ等のワークピースが、曝露前に反応しないように真空下で移送されることを可能にする。リソグラフィツールとの堆積モジュールの統合は、H2O、O2等のような雰囲気ガスによる入射光子の強力な吸光を所与としてEUVLが大幅に減少した圧力も要求することによって促進される。
【0148】
上記で述べたように、この統合構造は、説明されたプロセスの実施のためのツールのただ1つの可能な実施形態である。また、このプロセスは、スタンドアロンか、又は、統合されたパターニングモジュールを伴わないが、例えば
図9を参照して説明したようなモジュールとして、エッチ、ストリップ(例えば、Lam Kiyo又はGammaツール)等のような他のツールとクラスタアーキテクチャ内で統合されているかのいずれかの、Lam Vector tool等の、より従来的なスタンドアロンEUVLスキャナ及び堆積リアクタで実装されてよい。
【0149】
エアロック942は、パターニングモジュール940に堆積モジュール920aを提供するVTM938から外への基板の移送を指す「退出」ロードロックであってよく、エアロック946は、VTM938内に戻すパターニングモジュール940からの基板の移送を指す、「進入」ロードロックであってよい。進入ロードロック946は、基板のアクセス及び退出のためのツールの外部へのインタフェースも提供してよい。各プロセスモジュールは、モジュールをVTM938にインタフェースで接続しているファセットを有する。例えば、堆積プロセスモジュール920aは、ファセット936を有する。各ファセットの内側では、それぞれのステーション間で移動される場合にウェハ926の通過を検出するために、センサ、例えば、図示のようなセンサ1~18が使用される。パターニングモジュール940及びエアロック942及び946は、図示しないが、追加のファセット及びセンサを同様に備えてよい。
【0150】
メインVTMロボット922は、ウェハ926を、エアロック942及び946を含むモジュール間で移送する。1つの実施形態において、ロボット922は1つのアームを有し、別の実施形態において、ロボット922は2つのアームを有し、各アームは、搬送のためにウェハ926等のウェハをピックするためにエンドエフェクタ924を有する。フロントエンドロボット944が、ウェハ926を退出エアロック942からパターニングモジュール940に、パターニングモジュール940から進入エアロック946に移送するために使用される。フロントエンドロボット944は、基板のアクセス及び退出のために進入ロードロック及びツールの外部間でウェハ926を搬送してもよい。進入エアロックモジュール946は、大気及び真空間で環境を整合させる能力を有し、ウェハ926は損傷されることなく2つの圧力環境間を移動可能である。
【0151】
EUVLツールは、典型的には、堆積ツールよりも高真空で動作することに留意されたい。この場合、パターニングツールへの進入前に基板を脱ガスすることを可能にするように、EUVLツールへの堆積間での移送時の基板の真空環境を向上させることが望ましい。退出エアロック942は、移送されるウェハを、或る期間の間、パターニングモジュール940内の圧力以下のより低圧に維持し、いかなるオフガスも排気し、それにより、パターニングツール940の光学素子が基板からのオフガスによって汚染されないようにすることによって、この機能を提供してよい。退出オフガスエアロックのための好適な圧力は、1E-8Torr(1.33×10-6Pa)以下である。
【0152】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ950(1又は複数の物理又は論理コントローラを含んでよい)が、クラスタツール及び/又はその別個のモジュールのオペレーションの一部又は全てを制御する。このコントローラは、クラスタアーキテクチャに対してローカルであることができ、又は、製造現場において又はリモートロケーションにおいてクラスタアーキテクチャの外部に位置付けられて、ネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続され得ることに留意されたい。システムコントローラ950は、1又は複数のメモリデバイス及び1又は複数のプロセッサを有してよい。プロセッサは、中央演算処理装置(CPU)又はコンピュータ、アナログ及び/又はデジタル入力/出力接続、ステッパモータコントローラボード、及び他の同様の構成要素を含んでよい。適切な制御操作を実施するための命令が、プロセッサ上で実行される。これらの命令は、コントローラに関連付けられているメモリデバイス上に格納されてもよいし、又は、それらは、ネットワークを通じて提供されてよい。特定の実施形態において、システムコントローラは、システム制御ソフトウェアを実行する。
【0153】
システム制御ソフトウェアは、ツール又はモジュール操作の任意の態様の適用のタイミング及び/又は大きさを制御するための命令を含んでよい。システム制御ソフトウェアは、任意の好適な方式で構成されてよい。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチン又は制御オブジェクトは、様々なプロセスツールプロセスを実行するために必要なプロセスツール構成要素の動作を制御するように書き込まれてよい。システム制御ソフトウェアは、任意の好適なコンピュータ可読プログラミング言語でコーディングされてよい。いくつかの実施形態において、システム制御ソフトウェアは、上記で説明した様々なパラメータを制御するための入/出力制御(IOC)シーケンシング命令を含む。例えば、半導体作製プロセスの各フェーズは、システムコントローラによって実行される1又は複数の命令を含んでよい。例えば、凝結、堆積、蒸発、パターニング及び/又はエッチングフェーズのためのプロセス条件を設定する命令は、対応するレシピフェーズに含まれてよい。
【0154】
様々な実施形態において、ネガティブパターンマスクを形成するための装置が設けられる。この装置は、パターニング、堆積、及びエッチのための処理チャンバ、及びネガティブパターンマスクを形成するための命令を含むコントローラを備えてよい。この命令は、処理チャンバにおいて、基板の表面を曝露するようにEUV曝露によって半導体基板上の化学増幅(CAR)レジストにフィーチャをパターニングして、フォトパターニングされたレジストを現像し、マスクとしてのパターニングされたレジストを使用して基礎となる層又は積層体をエッチングするためのコードを含んでよい。ハロゲン化物含有化学物質を使用して現像が実行されてよい。
【0155】
ウェハの移動を制御するコンピュータは、クラスタアーキテクチャに対してローカルであることができ、又は、製造現場において又はリモートロケーションにおいてクラスタアーキテクチャの外部に位置付けられて、ネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続され得ることに留意されたい。
図6、
図7又は
図8のいずれかに関して上記で説明したコントローラが
図9におけるツールとともに実装されてよい。
[結論]
【0156】
例えば、EUVパターニングの文脈でパターニングマスクを形成するために、金属及び/又は金属酸化物フォトレジストを乾式現像するためのプロセス及び装置が開示されている。
【0157】
本明細書に記載された例及び実施形態は専ら例示の目的のものであり、それに照らして様々な修正又は変更が当業者に示唆されることが理解される。明確さのために様々な詳細を省略したが、様々な設計代替形態が実装され得る。したがって、本例は、限定ではなく例示とみなされ、本開示は、本明細書において与えられた詳細に限定されるものではなく、しかし本開示の範囲内で修正され得る。
【国際調査報告】