(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-21
(54)【発明の名称】ブラインドメイトコネクタシステム及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/631 20060101AFI20230713BHJP
【FI】
H01R13/631
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021564162
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 US2021036854
(87)【国際公開番号】W WO2021262449
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507164434
【氏名又は名称】ジェイ.エス.ティー.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120628
【氏名又は名称】岩田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン エー ホラブ
(72)【発明者】
【氏名】ダレル ジョージ
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FC31
5E021HA05
(57)【要約】
嵌合位置合わせの応答性を提供するため、また2つのコネクタ半部材の軸方向圧縮力を提供するため、弾性サスペンションを使用するコネクタシステム。このコネクタシステムは、本体に設置される第一コネクタ半部材と、内側コネクタハウジングをサスペンドする弾性サスペンション要素を備える、固定的に取り付けられた外側ハウジングを有する第二接続半部材とを使用する。外側ハウジングは、2つのコネクタ半部材の嵌合工程が目視できないような方法で他の本体に取り付けることが可能である。2つのコネクタ半部材の軸方向圧縮力は、それらをしっかりと嵌合させ続ける。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端を有する第一コネクタ、及び
開口を形成する内側ハウジングと、
前記内側ハウジングに設けられるサスペンションと、
前記サスペンションに設けられる外側ハウジングと、を含み、
前記第一コネクタの前記第一端が前記内側ハウジングの前記開口に受け入れられる第二コネクタを特徴とする、コネクタシステム。
【請求項2】
前記第一コネクタは、嵌合突起及び嵌合開口を複数形成していることを特徴とする、請求項1記載のコネクタシステム。
【請求項3】
前記内側ハウジングは、嵌合突起及び嵌合開口を複数形成していることを特徴とする、請求項2記載のコネクタシステム。
【請求項4】
前記第一コネクタに設けられた前記嵌合突起のそれぞれは、前記内側ハウジングの前記嵌合開口の1つにそれぞれ受け入れられることを特徴とする、請求項3記載のコネクタシステム。
【請求項5】
前記内側ハウジングに設けられた前記嵌合突起のそれぞれ1つは、前記第一コネクタの嵌合開口の1つにそれぞれ受け入れられることを特徴とする、請求項3記載のコネクタシステム。
【請求項6】
前記サスペンションが可撓であることを特徴とする、請求項1記載のコネクタシステム。
【請求項7】
前記第一コネクタ、内側ハウジング、及び外側ハウジングは、実質的に非可撓性であることを特徴とする、請求項1記載のコネクタシステム。
【請求項8】
傾斜ランプ(ramp)が前記サスペンションの内部に形成されており、前記傾斜ランプは、上縁、本体、及び下縁を有していることを特徴とする、請求項1記載のコネクタシステム。
【請求項9】
前記内側ハウジングは切り欠きを有しており、前記傾斜ランプの前記上縁の少なくとも一部分が前記切り欠きに受け入れられることを特徴とする、請求項8記載のコネクタシステム。
【請求項10】
内側ハウジングをサスペンションの開口に挿入し、
前記内側ハウジングの下端を外側ハウジグの下部開口に挿入し、
第一コネクタの下端を前記内側ハウジングの開口に挿入すること、を特徴とする、コネクタシステムの組立方法。
【請求項11】
前記サスペンションが可撓性を有することを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記サスペンションが合成材料で形成されることを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項13】
傾斜ランプ(ramp)が前記サスペンションの内部に形成されており、前記傾斜ランプは、上縁、本体、及び下縁を有していることを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記内側ハウジングは切り欠きを有していることを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記傾斜ランプの前記上縁の少なくとも一部分は、前記切り欠きに受け入れられることを特徴とする、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記外側ハウジグを第一本体に結合し、及び
前記第一コネクタを第二本体に結合すること、をさらに特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項17】
下端及び第一開口を有する第一コネクタと、
第一開口及び第二開口を形成する内側ハウジングと、
前記内側ハウジングに設けられ、可撓性を有するサスペンションと、
前記サスペンションに設けられる外側ハウジングと、を特徴とし、
前記第一コネクタの前記第一端が前記内側ハウジングの前記第一開口に受け入れられる、コネクタシステム。
【請求項18】
第一端子位置保証部材が前記第一コネクタの前記第一開口に受け入れられることを特徴とする、請求項17記載のコネクタシステム。
【請求項19】
第二端子位置保証部材が前記内側ハウジングの前記第二開口に受け入れられることを特徴とする、請求項18記載のコネクタシステム。
【請求項20】
前記第一コネクタの第一端が前記内側ハウジングの前記第一開口に受け入れられた際に、前記サスペンションの可撓性によって、前記内側ハウジングが前記外側ハウジング内で移動できることを特徴とする、請求項17記載のコネクタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この特許出願は、2020年6月22日に出願された米国仮特許出願第63/042,317の優先権を主張するものであり、その全体を、本明細書の一部を構成するものとして援用する。
【0002】
[発明の背景]
本発明は、全体として、嵌合位置合わせの応答性を提供するため、また2つのコネクタ半部材の軸方向圧縮力を提供するための弾性サスペンションを使用するコネクタシステムに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、全体として、メスコネクタを含む第一コネクタ半部材と、オスコネクタを含む第二コネクタ半部材から構成されるコネクタシステムに関する。オスコネクタは、オス外側ハウジング、サスペンション、及びオス内側ハウジングを含む。
【0004】
コネクタシステムがその組立状態にあるとき、サスペンションはオス外側ハウジング内にある。オス内側ハウジングは、サスペンションにより懸架されている。オス外側ハウジングは第一本体に取り付けられてもよく、メスコネクタは第二本体に締結されてもよい。
【0005】
外側ハウジングは、2つのコネクタ半部材の嵌合工程が目視できないような方法で第一本体に取り付けることもでき、そのため、ブラインドメイトコネクタ(blind mate connector:自動位置合わせ構造コネクタ)という名前がついている。2つのコネクタ半部材の軸方向圧縮力は、それらをしっかりと嵌合させ続けており、それらの間の相対的な移動を排除する。
【0006】
本発明のさらなる特徴、効果、及び実施形態は、以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲を考慮することにより明らかとなる。さらに、上述の発明の要約および下記の詳細な説明のいずれも例示に過ぎず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定することなく例示することを意図するものであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】
図1Aは、本発明の原理に従った、組み立て状態のコネクタシステムの斜視図であり、メスコネクタ及びオスコネクタを示している。
【
図1J】
図1Jは、本発明の原理に従った、サスペンション、オス内側ハウジング、及びオス内側ハウジングの構成部品の左側立面図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の原理に従った、メスコネクタの斜視図であり、メスコネクタの前端及び下端を示している。
【
図2B】
図2Bは、
図2Aのメスコネクタの斜視図であり、メスコネクタの後端、及び下端を示している。
【
図2G】
図2Gは、本発明の原理に従った、
図2Aのメスコネクタとその構成部品の分解斜視図である。
【
図2H】
図2Hは、本発明の原理にしたがった、
図2Aのメスコネクタとその構成部品の斜視図である。
【
図2I】
図2Iは、本発明の原理にしたがった、
図2Aのメスコネクタとその構成部品の下端立面図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の原理に従った、オス内側ハウジングの斜視図である。
【
図3G】
図3Gは、本発明の原理に従った、
図3Aのオス内側ハウジングとその構成部品の分解斜視図である。
【
図3H】
図3Hは、本発明の原理に従った、
図3Aのオス内側ハウジングとその構成部品の斜視図である。
【
図3I】
図3Iは、本発明の原理に従った、
図3Aのオス内側ハウジングとその構成部品の下端立面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の第一実施形態の原理に従った、サスペンションの斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の原理に従った、オス外側ハウジングの斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の原理に従った、メス端子とその構成部品の斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の原理に従った、オス端子とその構成部品の斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の原理に従った、オス端子位置保証部材の斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の原理に従った、メス端子位置保証部材の斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の第二実施形態の原理に従った、コネクタシステムの一部分の断面図であり、メスコネクタ及びオスコネクタを示している。
【
図12】
図12は、本発明の第二実施形態の原理に従った、コネクタシステムの一部分の断面図であり、メスコネクタ及びオスコネクタを示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1Aは、本発明の原理に従った、組み立て状態のコネクタシステムの斜視図であり、メスコネクタ及びオスコネクタを示している。
図1Aは、メスコネクタ100と、オス内側ハウジング200、サスペンション300、及びオス外側ハウジング400を含むオスコネクタ200とを示している。
図1Aに示すサスペンション300は、第一実施形態である。
図11及び
図12に示すサスペンション300Aは第2実施形態である。
【0009】
図1Bは、
図1Aの組立状態のコネクタシステムの斜視図を示している。
図1Cは、
図1Bの1C-1Cにおける断面図である。
図1Cは、メスコネクタ100、オス内側ハウジング200、サスペンション300、及びオス外側ハウジング400を示しており、また、メスコネクタ100に挿入されたメス端子位置保証(TPA)部材110、メスコネクタ100内の導線120、メス端子ボックス125、オス内側ハウジング200に挿入されたオス端子位置保証(TPA)部材210、オス内側ハウジング200内の導線220、及びオス端子ボックス225も示している。
【0010】
図1Dは、
図1Aの組立状態のコネクタシステムの上端立面図である。
図1Eは、
図1Aの組立状態のコネクタシステムの下端立面図である。
図1Fは、
図1Aの組立状態のコネクタシステムの正面図である。
図1Gは、
図1Aの組立状態のコネクタシステムの背面図である。
図1Hは、
図1Aの組立状態のコネクタシステムの右側面立面図である。
図1Iは、
図1Aの組立状態のコネクタシステムの一部分の左側立面図である。
【0011】
図1Jは、本発明の原理に従った、サスペンション300、オス内側ハウジング200、及びオス内側ハウジング200の構成部品の左側立面図である。
図1Jは、オス外側ハウジング400及びメスコネクタ100と組み合わされる前の時点における、サスペンション300と組み合わされたオス内側ハウジング200を示している。オス内側ハウジング200の切り欠き領域215Aが、サスペンション300を超えた領域に表されている。オス外側ハウジング400がオス内側ハウジング200及びサスペンション300と組み合わされた際に、切り欠き領域215Aは、オス外側ハウジング400の張出し部440を収容する。切り欠き領域215Aは、オス内側ハウジング200の下部近くにある。張出し部440は、例えば、
図5Bに示されている。
【0012】
図2Aは、本発明の原理に従った、メスコネクタの斜視図であり、メスコネクタの前端及び下端を示している。
図2A及び は、メスコネクタ100が開口140、142、144を、その下端の各角部に有していることを示している。開口140、142、144は、フォーク受け開口と呼ぶことができる。メスコネクタ100の下端は、メスコネクタ100の第一端と呼ぶことができ、あるいは、メスコネクタ100の下部と呼ぶこともできる。メスコネクタ100の下部は、嵌合端とも見なせるが、その外周に下部傾斜縁182を有している。下部傾斜縁182は、メスコネクタ100のそれぞれの側面から狭くなるように傾斜しており、メスコネクタ100の下面102に向かって狭くなり、また終わっている。下部傾斜縁182は、メスコネクタ100のオス内側ハウジング200に対する挿入及び嵌合を助け、また、下部傾斜縁182は、オス内側ハウジング200の傾斜した導入部202と相互に作用してもよい(
図11参照)。
図2Eにおけるように、より詳細には、各開口140、142、144、146は、また、下部傾斜縁182の角部分に形成されている。
【0013】
図2Eは、フォーク受け開口146も示している。フォーク受け開口140、142、144、126は、メスコネクタ100がオス内側ハウジング200に完全に組み合わされ、また嵌合した際に、(例えば、
図3Eに示される)オス内側ハウジング200のフォーク形状突起240、242、244、246を受け入れることになる。
【0014】
図2Aに表されるように、メスコネクタ100下面102は、開口150、152、154、156も含む。
【0015】
図2Aは、メスコネクタ100の前部がフォーク形状突起130を有することを表している。フォーク形状突起130は、メスコネクタ100がオス内側ハウジング200に組み合わされた際に、(例えば、
図3Eに示される)オス内側ハウジング200のフォーク受け開口230に受け入れられることになる。
【0016】
図2Aは、メスコネクタ100の左側面がフォーク形状突起132を有していることを表している。フォーク形状突起132は、メスコネクタ100がオス内側ハウジング200に組み合わされた際に、(例えば、
図3Eに示される)オス内側ハウジング200のフォーク受け開口232に受け入れられることになる。
【0017】
図2Bは、
図2Aのメスコネクタの斜視図であり、メスコネクタの後端、及び下端を示している。メスコネクタ100の後部は、メスTPA部材を受け入れるための開口160を有しているが、この開口160は、メスコネクタ100内に延び、その側面の1つの中央に位置している。メスコネクタ100は、メスコネクタ100の4つの各側面のうち3つから狭くなるように傾斜し、メスコネクタ100の下面102に向かって狭くなる傾斜縁161も有している。傾斜縁161は、開口160よりもさらに下面102側に位置している。さらに、
図8Bに示すように、傾斜縁161は、メスコネクタ100がオス内側ハウジング200と組み合わされた際に、オス内側ハウジングの傾斜した導入部202の一部分と実質的に同一高さに収まり、受け入れられることを許容するような傾斜の角度を有している。
【0018】
図2Bは、メスコネクタ100の後部がフォーク形状突起134を有することを表している。フォーク形状突起134は、メスコネクタ100がオス内側ハウジング200に組み合わされた際に、(例えば、
図3Eに示される)オス内側ハウジング200のフォーク受け開口234に受け入れられることになる。フォーク形状突起134は、開口160を有するメスコネクタ100の各側面の傾斜縁161の一部分から延出して形成されており、
図2Bに表されるように、メスコネクタ100の下面102に向かう方向に延出している。
【0019】
図2Bは、メスコネクタ100の右側面がフォーク形状突起132、136を有していることを表している。フォーク形状突起132、136は、メスコネクタ100の2つの対向する側面の傾斜縁161の2つの対向する部分から延出して形成されており、傾斜縁161のフォーク形状突起134を有する部分はそれらの間にある。突起132、136は、メスコネクタ100の下面102に向かう方向に延出している。フォーク形状突起136は、メスコネクタ100がオス内側ハウジング200に組み合わされた際に、(例えば、
図3Eに示される)オス内側ハウジング200のフォーク受け開口236に受け入れられることになる。
【0020】
図2Bは、メスコネクタ100の下部の角部にあるフォーク受け開口144及びフォーク受け開口146を示している。位置合わせ突起164及び位置合わせ突起166がメスコネクタ100の後部に示されており、メスコネクタ100の傾斜縁161から下面102に向かって延出している。
【0021】
【0022】
図2Gは、本発明の原理に従った、
図2Aのメスコネクタとその構成部品の分解斜視図である。
図2Gは、メスコネクタ100の上部付近の開口105を示しており、またメスTPA110を示している。メスコネクタ100用の導線120、メスコネクタ100用の電気圧着端子122、メスコネクタ100用の端子ボックス125を、追加で
図2Gに示している。
【0023】
図2F及び
図2Gは、メスコネクタ100の上部付近の構成を示しており、締結クリップを含んでいる。それら1つ又はそれ以上の構成がメスコネクタ100を本体(図示せず)に締結するのに使用できる。
【0024】
図2Hは、本発明の原理にしたがった、
図2Aのメスコネクタとその構成部品の斜視図である。
図2Iは、本発明の原理にしたがった、
図2Aのメスコネクタとその構成部品の下端立面図である。
【0025】
図3Aは、本発明の原理に従った、オス内側ハウジングの斜視図である。
図3Aは、メスコネクタ100の下部を受け入れるためのオス内側ハウジング200の上部における開口205を示し、またフォーク形状突起244及びフォーク受け開口232、234も示している。
【0026】
オス内側ハウジング200は、メスコネクタ100のフォーク形状突起134を受け入れるためのフォーク受け開口234を有する後部内壁を有する。オス内側ハウジング200の後部内壁は、メスコネクタ100の下面102を全体として収容し、下面102は、完全に挿入された際には、オス内側ハウジング200の後部内壁に当接し、同一高さに収まり、完全に均一に接触する(
図8B、
図12参照)。 後部内壁は、また、メスコネクタ100の位置合わせ突起164を受け入れるための位置合わせ溝264、及びメスコネクタ100の位置合わせ突起166を受け入れるための位置合わせ溝266を有する。位置合わせ溝264、266、及び位置合わせ突起164、166は、メスコネクタ100がオス内側ハウジング200に、正しい向きと配置での適切な挿入を確実にするのに役立つ。
【0027】
図3Aは、オス内側ハウジング200の下部付近の傾斜ランプ270及び傾斜ランプ276を示している。
図3Aはまた、オス外側ハウジング400の張り出し部440を収容する切り欠き215を示している。切り欠き215は、オス内側ハウジング200の下部付近にある。張り出し部440は、例えば
図5B及び
図5Cに示されている。
【0028】
図3Bは、
図3Aのオス内側ハウジングの斜視図である。
図3Bは、傾斜ランプ270、272、276、フォーク受け開口230、323,234、236、及びフォーク形状突起244、246を示している。
図3Cは、
図3Aのオス内側ハウジングの正面立面図である。
【0029】
図3Dは、
図3Aのオス内側ハウジングの背面立面図である。
図3Dは、オス内側ハウジング200の後部が、オス端子位置保証(TPA)部材210を受け入れるための開口260を有していることを示している。
図3Dに示すように、オス内側ハウジング200の下部は、切り欠き215の直下にプラットフォーム218を有している。プラットフォーム218は、
図3Dに示すように、切り欠き215よりも幅広である。オス内側ハウジング200の下部は、オス内側ハウジング200の下端と呼ぶことができる。
【0030】
図3Eは、
図3Aのオス内側ハウジングの上端立面図である。
図3Eに示すように、オス内側ハウジング200は、フォーク形状突起240、242、244、246を含む。また、オス内側ハウジング200は、前部内壁にあるフォーク受け開口230、左側内壁にあるフォーク受け開口232、後部内壁にあるフォーク受け開口234、及び右側内壁にあるフォーク受け開口236を有している。開口250、252、254、256は、オス内側ハウジング200の下部にある。位置合わせ溝264、266は、後部内壁にある。
【0031】
図3Fは、
図3Aのオス内側ハウジングの下端立面図である。
図3Fは、オス内側ハウジング200の傾斜ランプ270、272、274、276を示している。傾斜ランプ270、272、274、276は、オス内側ハウジング200の下部付近にある。
【0032】
プラットフォーム218は、オス内側ハウジング200の下部にある。プラットフォーム218の各側は、傾斜ランプ270、272、274、276のそれぞれ1つを有している。
図3Fに示すように、傾斜ランプ270、272、274、276のそれぞれは、プラットフォーム218の側部の実質的中央に配置される。
【0033】
図3Gは、本発明の原理に従った、
図3Aのオス内側ハウジングとその構成部品の分解斜視図である。電気導線220、電気圧着端子222、端子ボックス225、及びブレード228を、
図3Gに示している。
図3Hは、本発明の原理に従った、
図3Aのオス内側ハウジングとその構成部品の斜視図である。
【0034】
オス内側ハウジング200がメスコネクタ100に結合、又は嵌合された際に、メスコネクタ100の下部が開口205を貫通し、ブレード228が端子ボックス125を貫通する。ブレード228が端子ボックス125を貫通した際に、オス内側ハウジング200とメスコネクタ100の間の電気的接続が生じる。
【0035】
図3Iは、本発明の原理に従った、
図3Aのオス内側ハウジングとその構成部品の下端立面図である。
【0036】
図4Aは、本発明の第一実施形態の原理に従った、サスペンションの斜視図である。
図4Aは、可撓性と弾性を備えたサスペンション300を示している。サスペンション300は、ゴム弾性状(elastomeric)であり、合成材料、天然材料、又は合成材料と天然材料の組み合わせにより生成することができる。ここで、サスペンション300は、シリコーンゴムで形成されるが、ここに示す実施形態は2つの領域、すなわち上部領域301及び下部領域303を有する一体型成型ピースである。
【0037】
サスペンション300は、下部303の弾性力と緩衝弾性要素336を利用して、オス内側ハウジング200を全ての角度の自由度で弾性的に付勢している。オス内側ハウジング200は、オス内側ハウジング200の中心軸がオス外側ハウジング400の中心軸と一致するように位置決めされたままになるよう付勢される。また、オス内側ハウジング200が押されるようなことがあって一時的にオス内側ハウジング200の中心軸とオス外側ハウジング400の中心軸とがずれてしまった際には、サスペンション300が、オス内側ハウジングの中心軸がオス外側ハウジング400の中心軸と再び一致するように、オス内側ハウジング200を移動させるよう付勢する。
【0038】
オス内側ハウジング200の中心軸は、例えば
図8Bを見た際の左右の長手方向に沿ってオス内側ハウジング200を貫いて延びている。オス外側ハウジング400の中心軸は、例えば
図8Bを見た際の左右の長手方向に沿ってオス外側ハウジング400を貫いて延びている。コネクタシステムの中心軸は、例えば
図8Bを見た際の左右方向に沿って、メスコネクタ100、オス内側ハウジング200、サスペンション300、及びオス外側ハウジングを貫いて延びている。
【0039】
例えばメスコネクタ100及びオス内側ハウジング200の結合を試みた間に、オス内側ハウジング200は、オス内側ハウジング200の中心軸が一時的にオス外側ハウジング400の中心軸からずれるようにして押されるかもしれない。すなわち、メスコネクタ100の下部を開口205に向けて動かしているユーザは、メスコネクタ100の下部を開口205内に、オス内側ハウジング200の側方への移動を生じさせるいかなる接触もなく直接まっすぐと挿入する代わりに、意図せずオス内側ハウジング200の一部分を側方に押してしまうかもしれない(
図1C及び
図11を参照)。換言すれば、ユーザがメスコネクタ100の下部を、オス内側ハウジング200の開口205内へ下方へ挿入しようと試み(
図1C及び
図11を参照)、しかしユーザがメスコネクタ100を完璧に狙い定めたり位置揃えしない場合、メスコネクタ100の下部は、オス内側ハウジング200の開口205と最初は正しく位置揃えされず、そのため、オス内側ハウジング200の中心軸がオス外側ハウジング400の中心軸から一時的にずれるように、オス内側ハウジング200を押すかもしれない。このような状況において、メスコネクタ100及びオス内側ハウジング200の結合を試みている間に、サスペンション300の可撓性により、オス内側ハウジング200の中心軸が一時的にオス外側ハウジング400の中心軸からずれるようにして、オス内側ハウジング200が移動することが許容されるが、傾斜形状の導入部202は、この傾斜形状の導入部202の一部分への接触が生じたときに、メス部材をオス内側ハウジングの中心軸に向かうよう追加的に向けなおす。また、サスペンション300の弾性により、オス内側ハウジング200には、以下のいずれかが生じる。(1)開口205がメスコネクタ100の下部と結合した後、オス内側ハウジング200の中心軸がオス外側ハウジング400の中心軸に再び一致するような位置に移動して戻る、あるいは(2)開口205のメスコネクタ100の下部との結合が完了した後、オス内側ハウジング200の中心軸がオス外側ハウジング400の中心軸に一致するような位置に移動して戻るように付勢される。
【0040】
サスペンション300、オス内側ハウジング200の上部の傾斜形状の導入部の形状、及び開口205の形状は、ユーザが開口205の正確な位置を視覚的に確認できないような場合であっても、ユーザがメスコネクタ100の下部を迅速かつ容易に挿入、またさらに開口205に挿入するのに役立つ。
【0041】
サスペンション300は、ユーザがメスコネクタ100の下部を開口205内に過大な力で押し込んだ時、あるいはオス内側ハウジング200がサスペンション300によって懸架された状態で、完全に組み合わされたメスコネクタ100及びオス内側ハウジング200に長手方向、垂直方向の力が衝撃を与えた場合に、衝撃吸収体として働くことができる。 すなわち、サスペンション300及びサスペンション300Aは、オス外側ハウジング400を実質的に移動しないように維持した状態で、メスコネクタ100の下部によってオス内側ハウジング200が下方へ移動することを可能にする。コネクタシステムの組立中におけるメスコネクタ100、オス内側ハウジング200、及びオス外側ハウジング400の相対的移動について
図11、12及び下記説明を参照されたい。
【0042】
図1C、
図11及び
図12を参照すると、サスペンション300及びサスペンション300Aの弾性により、オス内側ハウジング200には、下記のいずれかが生じる。(1)開口205のメスコネクタ100との結合が完了し、下面102がオス内側ハウジング200の後部内壁に当接した後、(オス外側ハウジング400は実質的に移動しないままの状態で)メスコネクタ100の上部に向かって上方に移動する、あるいは、(2)開口205のメスコネクタ100との結合が完了し、下面102がオス内側ハウジング200の後部内壁に当接した後、(オス外側ハウジング400は実質的に移動しないままの状態で)メスコネクタ100の上部に向かって上方に移動するように付勢する。この付勢は、以下で説明するように、上縁330、本体332、及び下縁334によって実現されるばねのような力によってもたらされる。
【0043】
図4Bは、
図4Aの4B-4B線における断面図である。
図4Bは、サスペンション300の上部310及び下部320を示している。サスペンション300の内部には、上縁330、本体332、下縁334を有する傾斜状部分がある。コネクタシステムが組み立てられると、上縁330の少なくとも一部は、オス内側ハウジング200の切り欠き215の上面216に当接する。切り欠き215の上面216は、運用時にサスペンション300、300Aがばね状のデバイスとして働いているときに、サスペンション300、300Aの上縁330によって作用する。
図4Cは、
図4Aのサスペンションの上端立面図である。
図4Dは、
図4Aのサスペンションの下端立面図である。
【0044】
ユーザが、メスコネクタ100の下部が開口205内に全て入るように、メスコネクタ100を押した際に、オス内側ハウジング200の切り欠き215の上面216は、サスペンション300の上縁330に(あるいは、サスペンション300Aの上縁330に(第2実施形態)係合できる。上縁330の弾性により、オス内側ハウジング200はさらに下方に移動し、オス外側ハウジング400を通過することが可能となるが、オス外側ハウジング400は比較的移動しないままの状態である。上縁330はこの動きに対して弾性力を与え、本体332及び下縁334と協同してばねのような力として作用し、またそれをもたらす。下縁334及び上縁330が形成された本体332の角度のある部分は、実質的にZ字形状構造を作り出している。
【0045】
図4B、
図4C及び
図4Dに示すように、サスペンション300は、サスペンション300の中心領域に貫通孔を形成している。
図4B、
図4C及び
図4Dに示すように、サスペンション300の中心領域にある貫通孔は、サスペンション300の上部付近のより広い開口と、サスペンション300の下部付近の傾斜路の上縁330によって画定されるより狭い開口を有する。サスペンション300の上部付近のより広い開口は、サスペンション300の上部開口と呼ぶことができる。サスペンション300の下部付近のより狭い開口は、サスペンション300の下部開口と呼ぶことができる。
【0046】
サスペンション300は、例えば
図4A及び
図4Bに示されるように、一度に1つの、統合された、単一の構成部品として作成できる。しかしながら、異なる実施形態では、単一の構成部品300の代わりに、破線Cによって切断され分離されるように、2つ以上の別個の構成部品を使用することが可能である。
【0047】
サスペンション300の下部領域303はまた、サスペンション300の上部領域301の上部構成部品の任意の組み合わせにおいて、従来のコイルスプリング等によって置き換えてもよいが、上部構成部品は、使用時にコイルスプリングが当接する表面を有している。
【0048】
例えば、サスペンション300は、以下によって置き換えることができるかもしれない。(1)上縁330の直上から上部310を通じて、
図4Bを参照する本発明の第1及び第2実施形態のように同じサイズ、形状及び材料で延出している、サスペンション300の上部領域301の上部構成部品、及び(2)上縁330を含み、上縁から下部320を通じて、
図4Bを参照する本発明の第1及び第2実施形態のように同じサイズ、形状及び材料で延出している、サスペンション300の下部領域303の下部構成部品。
【0049】
また、サスペンション300は、以下によって置き換えることもできるかもしれない。(1)上縁330の直上から上部310を通じて、
図4Bを参照する本発明の第1及び第2実施形態のように同じサイズ、形状及び材料で延出している、サスペンション300の上部領域301の上部構成部品、及び(2)上縁330を含み、上縁から下部320を通じて、異なるサイズ、形状及び材料で延出している、サスペンション300の下部領域303の下部構成部品。
【0050】
また、サスペンション300は、以下によって置き換えることもできるかもしれない。(1)上縁330の直上から上部310を通じて、異なるサイズ、形状及び材料で延出している、サスペンション300の上部領域301の上部構成部品、及び(2)上縁330を含み、上縁から下部320を通じて、
図4Bを参照する本発明の第1及び第2実施形態のように同じサイズ、形状及び材料で延出している、サスペンション300の下部領域303の下部構成部品。
【0051】
図5Aは、本発明の原理に従った、オス外側ハウジングの斜視図である。
図5Bは、
図5Aの5B-5B線における断面図である。オス外側ハウジング400は、上部410及び下部420を有する。
図5Cは、
図5Aのオス外側ハウジングの上端立面図である。
図5Dは、
図5Aのオス外側ハウジングの下端立面図である。
【0052】
図5B、
図5C及び
図5Dに示すように、オス外側ハウジング400は、このオス外側ハウジング400の中心領域に形成された貫通孔を有する。
図5B、
図5C及び
図5Dに示すように、オス外側ハウジング400の中心にある貫通孔は、オス外側ハウジング400の上部付近のより広い開口と、オス外側ハウジング400の下部付近のより狭い開口を有する。オス外側ハウジング400の上部付近のより広い開口は、オス外側ハウジング400の上部開口と呼ぶことができる。オス外側ハウジング400の下部付近のより狭い開口は、オス外側ハウジング400の下部開口と呼ぶことができる。
【0053】
図5C及び
図5Dは、オス外側ハウジング400の中心の貫通孔が、丸みを帯びた矩形状を有することを示している。
図5C及び
図5Dはまた、オス外側ハウジング400が、オス外側ハウジング400の縁部付近に2つの円形開口を有していることを示している。円形開口は、オス外側ハウジング400を本体(図示せず)に取り付けるのに使用される。
【0054】
図6は、本発明の原理に従った、メス端子とその構成部品の斜視図である。メス端子は、メスコネクタ100に配置される。メス端子は、電気導線120、電気圧着端子122及び端子ボックス125を含む。端子ボックス125は、傾斜ランプ127を有するロック突起126を含む。
【0055】
図7は、本発明の原理に従った、オス端子とその構成部品の斜視図である。オス端子は、オス内側ハウジング200に配置される。オス端子は、電気導線220、電気圧着端子222及び端子ボックス225を含む。端子ボックス225は、傾斜ランプ227を有するロック突起226、及びブレード228を含む。
【0056】
図8Aは、
図1Aの組立状態のコネクタシステムの図である。
図8Bは、
図8Aの8B-8B線における断面図である。メスコネクタ100の内部には、傾斜ランプを備えるロック突起180がある。ロック突起180は、ロック突起126に係止され、メス端子を正しい位置に保持する。
【0057】
オス内側ハウジング200の内部には、傾斜ランプを備えたロック突起280がある。ロック突起280は、ロック突起226に形成され、オス端子を正しい位置に保持する。
【0058】
図9は、本発明の原理に従った、オス端子位置保証(terminal position assurance)部材の斜視図である。オスTPA部材210は、傾斜縁211を有する。傾斜縁211は、
図8Bに示すように、オス端子の一部分を収容し、オス端子の正しい位置を確証する。
【0059】
オスTPA部材210がオス内側ハウジング200の後部にある開口260に適正に挿入された後、オスTPA部材210の上部213は、
図8Bに示すように、オス内側ハウジング200の上部に面する。また、
図8Bに表すように、オスTPA部材210の上部213は、メスコネクタ110に面する。
図8Bに表すように、オスTPA部材210の前部214は、下方を向いている。
【0060】
図10は、本発明の原理に従った、メス端子位置保証部材の斜視図である。メスTPA部材110は、傾斜縁111を有する。傾斜縁111は、
図8Bに示すように、メス端子の一部分を収容し、メス端子の正しい位置を確証する。
【0061】
メスTPA部材110がメスコネクタ100の後部にある開口160に適正に挿入された後、メスTPA部材110の下部113は、
図8Bに示すように、メスコネクタ100の下部に面する。また、
図8Bに表すように、メスTPA部材110の下部113は、サスペンション300に面する。
図8Bに表すように、メスTPA部材110の前部114は、下方を向いている。
【0062】
オスTPA部材210とメスTPA部材110を比較する際、下記の情報を考慮されたい。オスTPA部材210において、傾斜縁211が第一距離だけ延びて前部214を下部212に接続している。メスTPA部材110において、傾斜縁111が第二距離だけ延びて前部114を上部112に接続している。
図9及び
図10を比較して分かるように、第二距離は第一距離よりも大きい。
【0063】
図11は、本発明の第二実施形態の原理に従った、コネクタシステムの一部分の断面図であり、メスコネクタ及びオスコネクタを示している。
図11は、サスペンション300A(第二実施形態)、メスコネクタ100の下部、オス内側ハウジング200、及びオス外側ハウジング400を示している。
図11は、組立中におけるメスコネクタ100のオス内側ハウジングの開口205内への下方向の移動を表示しており、メスコネクタ100の下部によって貫通される際の、開口205のわずかな拡張も表示している。
【0064】
図11に示すように、サスペンション300Aは、サスペンション300Aの、上縁330より上の上部領域を水平方向に包囲する緩衝弾性要素336を有することが示されている。緩衝弾性要素336は、実質的に互いに平行であり、またオス内側ハウジング200がサスペンション300、300Aに挿入された際にオス内側ハウジング200に対しても平行である。
【0065】
サスペンション300A(第二実施形態)は、少なくとも、複数の緩衝弾性要素336の配向のために、サスペンション300(第一実施形態)とは異なっている。サスペンション300Aにおいて、緩衝弾性要素336は、水平に配向されている(
図11及び
図12参照)。サスペンション300において、緩衝弾性要素336は、上部310から上縁330の間に鉛直に伸びるように配向されている(
図4A、
図4B、
図4C、
図4D及び
図8B参照)。緩衝弾性要素336は、オス内側ハウジング200によって圧縮されていない場合、サスペンション300、300Aの開口000に向かって内側に凹んでいる。
【0066】
メスコネクタ100の下部は、オス内側ハウジング200の上部において、開口205内にしっかりと収まる。
図11は、メスコネクタ100がオス内側ハウジング200の開口205内に下方へ移動した際に、またコネクタの組立中に、(開口205付近の)オス内側ハウジング200の上部領域がまた、メスコネクタ100の下部を収容するためにわずかに外側に押されることを示している。メスコネクタ100の下部は、開口205内にしっかりと収まる。
図11を参照されたい。また、開口205に入る間に、メスコネクタ100の下面102、下部傾斜縁182、及び側面と相互作用する表面を提供し得る傾斜した導入部202も示されている。傾斜した導入部202は、実質的に漏斗形状であり、オス内側ハウジング200及び開口205の中心軸から外側へまた離れるように突出している(
図11参照)。
【0067】
図12は、本発明の第二実施形態の原理に従った、コネクタシステムの一部分の断面図であり、メスコネクタ及びオスコネクタを示している。
【0068】
図12は、結合が完了すると、サスペンション300Aが変位し、緩衝弾性要素336が圧縮され、オス内側ハウジング200が下方に押されてオス外側ハウジング400に押し込まれることを示している。
【0069】
図12は、サスペンション300A(第二実施形態)、メスコネクタ100の下部、オス内側ハウジング200、及びオス外側ハウジング400を示している。
図1は、以下の条件下でのオス内側ハウジング200のオス外側ハウジング400に対する下方への移動を示している:(1)先ず、
図12に示すように、メスコネクタ100の下部がオス内側ハウジング200の開口205に挿入されるように、メスコネクタ100が第一距離だけ下方に押されることが理解される。(2)続いてメスコネクタ100がさらに追加の距離だけ下方に押され、メスコネクタ100の下部が開口部205内にさらに深く移動し、完全な挿入を確実なものとしようとすることが理解される。そして、(3)メスコネクタ100の下部は既に開口205に完全に挿入されているため、メスコネクタ100の下部は開口205にさらに深く移動することができず、したがって、続けてメスコネクタ100が追加の距離だけ下方に押し下げられると、オス内側ハウジング200の切り欠き215の上面216がサスペンション300Aの上縁330部分を圧縮させ、オス内側ハウジング200のプラットフォーム218をオス外側ハウジング400の下部のさらに下方に移動させることを可能とする。サスペンション300Aは、バネのように、運用中にオス内側ハウジング200の下向きの力と反対の弾性力を提供し、メスコネクタ100に対しても上向きの力を提供する。同様に、好ましい場合には、前述した追加の実施形態は、サスペンション300、300Aの下部分303を置換するためにコイルスプリングなどを利用することができる。 本質的に、オス内側ハウジング200は、下部分303によって鉛直に懸架されている。下部303バネ力は、オス内側ハウジング200をメスハウジング100に向けて弾性的に付勢し、オス外側ハウジング400へのさらなる下方への移動を阻止する。これはまた、オス内側ハウジング200が運用中にサスペンション300によって懸架されている間に、完全に組み立てられたメスコネクタ100及びオス内側ハウジング200に、長さ方向、鉛直方向の力が衝撃を与える場合、衝撃吸収の一種として作用する。
【0070】
サスペンション300(第一実施形態)はサスペンション300A(第二実施形態)と同様に機能する。サスペンション300、300Aは弾性を有する。サスペンション300、300Aは可撓性を有する。サスペンション300、300Aは、内側オスハウジング200よりもより比較的可撓性がある。サスペンション300、300Aは、外側雄ハウジング400よりも比較的可撓性がある。サスペンション300、300Aは、メスコネクタ100よりも比較的可撓性がある。内側オスハウジング200、外側オスハウジング400及びメスコネクタ100は、実質的に可撓性がない。サスペンションの可撓性は、上記の比較に限定さないが、サスペンション300、300Aは、使用中及び運用中に、サスペンション300、300Aの下部の動作が可撓であり、メスコネクタ100とオス内側ハウジング200との間のしっかりとした嵌合に対して十分な弾性及びバネのような力を提供するように、可撓性がある。
【0071】
メスコネクタ100及びその構成部品は、少なくともメスTPA部材110、導線120、電気圧着端子122、端子ボックス125及びここに記載される他の特徴を含むことができる。オスコネクタ及びその構成部品は、少なくともオス内側ハウジング200、サスペンション300、オス外側ハウジング400、オスTPA部材210、導線220、電気圧着端子222、端子ボックス及びここに記載される他の特徴を含むことができる。
【0072】
オス外側ハウジング400の下部開口405が組立中にプラットフォーム218によって貫通されている際に、オス外側ハウジング400の下部開口は、傾斜ランプ270、272、274、276の一つ以上によって一時的にわずかに大きくなるように押し広げられることが可能である。オス外側ハウジング400の下部開口405が組立中にプラットフォーム218によって貫通されている際に、プラットフォーム218及び傾斜ランプ270、272、274、276は、オス外側ハウジング400の下部開口の側面によって一時的に内側に圧縮されることが可能である。プラットフォーム218の各側面は、上記のように傾斜ランプ270、272、274、276がオス外側ハウジング400の下部開口405の側面によって一時的に内側に圧縮される際に、プラットフォーム218の側面が内側に圧縮するための空間を提供するため、プラットフォーム218にそれぞれ1つずつの開口270a、272a、274a、276aを有する。それぞれの傾斜ランプ開口270a、272a、274a、276aの各々は、
図3Fに示すように、プラットフォーム218のそれぞれの側面の実質的に中央に配置される。
【0073】
オス外側ハウジング400の下部開口が下方に移動するプラットフォーム218によって貫通された後、傾斜ランプ270、272、274、276の形状およびサイズは、プラットフォーム218がオス外側ハウジング400の下部開口405を通過して上に戻ることを防止する。(
図8B参照)。
【0074】
フォーク形状突起130、132、134、136、240、242、246は、嵌合突起と呼ぶことができる。フォーク受け開口140、142、144、146、230、232、234、236は、嵌合開口と呼ぶことができる。フォーク形状突起及びフォーク受け開口は、振動を低減するのを助け、制振機能と呼ぶことができる。フォーク形状突起及びフォーク受け開口は、互いにしっかりと収まり合う。
【0075】
メスコネクタ100は第一コネクタ100と呼ぶことができる。オスコネクタは、オス内側ハウジング200、サスペンション300、及びオス外側ハウジング400を含む。オスコネクタは第二コネクタと呼ぶことができ、内側ハウジング及び外側ハウジングによって構成される。オス内側ハウジング200は内側ハウジング200と呼ぶことができる。オス外側ハウジング400は外側ハウジング400と呼ぶことができる。
【0076】
第一コネクタ100の下部は、第一コネクタ100の第一端と呼ぶことができる。オス内側ハウジング200の下部は、オス内側ハウジング200の第一端と呼ぶことができる。
【0077】
上記は、オス内側ハウジング200内の導線220、電気圧着端子222、端子ボックス225及びブレード228の説明を含み、メスコネクタ100内の導線120、電気圧着端子122及び端子ボックス125の説明もまた含む。オス内側ハウジング200がメスコネクタ100に結合、又は嵌合された際に、メスコネクタ100の下部が開口205を貫通し、ブレード228が端子ボックス125を貫通する。ブレード228が端子ボックス125を貫通した際に、オス内側ハウジング200とメスコネクタ100の間の電気的接続が生じる。しかしながら、導線220、電気圧着端子222、端子ボックス225、ブレード228、導線120、電気圧着端子122及び端子ボックス125は必ずしも必要ではない。本出願のコネクタシステムのサスペンション300及び他の特徴は、メスコネクタ100とオス内側ハウジング200との間に電気的接続がない場合であっても、依然として利益を提供する。
【0078】
ここに説明されたように、ブライドメイトコネクタシステムは、導線対導線、又はデバイス対デバイスのものであり得る。ブラインドメイトコネクタシステムは、嵌合位置合わせの応答性を提供するため、また2つのコネクタ半部材の軸方向圧縮力を提供するため、弾性サスペンションを使用する(例えば、第一コネクタ半部材がメスコネクタ100を含み、第二コネクタ半部材がオス内側ハウジング200、サスペンション300及びオス外側ハウジング400を含んでいるように)。このブラインドメイトコネクタシステムの特徴は、(例えば、変速装置ハウジングカバーのような)大きな本体に固定的に設置される第一コネクタ半部材(メス)と、内側コネクタハウジングをサスペンドする弾性サスペンション要素を備える、固定的に取り付けられた外側ハウジングを有する第二接続半部材(オス)とを使用する。外側ハウジングは、2つのコネクタ半部材の嵌合工程が目視できないような方法で(例えば、変速装置ハウジングのような)他の本体に取り付けることが可能である。2つのコネクタ半部材の軸方向圧縮力は、コンタクトを帯びた2つのハウジングをしっかりと嵌合させ続けており、それらの間の相対的な移動を排除する。コネクタシステム半部材をそれぞれの本体に取り付けて固定する手段は、本発明の図示された構成に限定されない。
【0079】
上述の説明は本発明の好適な実施形態に係るものであるが、他の改変や変更は当業者にとって明らかであり、本発明の精神を逸脱することなく実施することが可能であることにも留意されたい。さらに、本発明の一実施形態との関連において説明された特徴は、上記において明示的な記載がないとしても、他の実施形態にともなって採用することが可能である。
【符号の説明】
【0080】
100 メスコネクタ(第一コネクタ)
102 下面
105 メスコネクタの上側付近の開口
110 メス端子位置保証(TPA)部材
111 傾斜縁
112 メスTPA部材の本体の上部
113 メスTPA部材の本体の下部
114 メスTPA部材の本体の前部
120 メスコネクタの電気導線
122 電気的圧着端子
125 メス端子ボックス
126 メス端子ボックスにあるロック突起
127 ロック突起にある傾斜ランプ
130 前部にあるフォーク形状突起(嵌合突起)
132 左側面にあるフォーク形状突起(嵌合突起)
134 後部にあるフォーク形状突起(嵌合突起)
136 右側面にあるフォーク形状突起(嵌合突起)
140 フォーク受け開口(嵌合開口)
142 フォーク受け開口(嵌合開口)
144 フォーク受け開口(嵌合開口)
146 フォーク受け開口(嵌合開口)
150 下部にある開口
152 下部にある開口
154 下部にある開口
156 下部にある開口
160 メスTPA部材を収容する、メスコネクタの後部にある開口
161 メスハウジングの傾斜縁
162 導線引き回し溝
164 位置合わせ突起
166 位置合わせ突起
180 メスコネクタの内部にある(傾斜ランプ付き)ロック突起
182 下部の傾斜縁
200 オス内側ハウジング(内側ハウジング)
202 傾斜した導入部
205 オス内側ハウジングの上側付近の開口
210 オス端子位置保証(TPA)部材
211 傾斜縁
212 オスTPA部材の本体の下部
213 オスTPA部材の上部
214 オスTPA部材の本体の前部
215 オス外側ハウジング400の張り出し部440を収容する切り欠き
215A サスペンションを超えて延びる領域におけるオス内側ハウジングの切り欠き領域
216 切り欠きの上面
218 オス内側ハウジングの下部におけるプラットフォーム
220 オス内側ハウジング内の電気導線
222 電気的圧着端子
225 オス端子ボックス
226 オス端子ボックスにあるロック突起
227 ロック突起にある傾斜ランプ
228 ブレード
230 前部内壁にあるフォーク受け開口(嵌合開口)
232 左側内壁にあるフォーク受け開口(嵌合開口)
234 後部内壁にあるフォーク受け開口(嵌合開口)
236 右側内壁にあるフォーク受け開口(嵌合開口)
240 フォーク形状突起(嵌合突起)
242 フォーク形状突起(嵌合突起)
244 フォーク形状突起(嵌合突起)
246 フォーク形状突起(嵌合突起)
250 開口
252 開口
254 開口
256 開口
260 オスTPA部材を収容する、オス内側ハウジングの後部にある開口
264 位置合わせ溝
266 位置合わせ溝
270 プラットフォームの第一側面にある傾斜ランプ
272 プラットフォームの第二側面にある傾斜ランプ
274 プラットフォームの第三側面にある傾斜ランプ
276 プラットフォームの第四側面にある傾斜ランプ
270a 開口
272a 開口
274a 開口
276a 開口
280 オス内側ハウジングにある(傾斜ランプ付き)ロック突起
300 サスペンション(第一実施形態)
300A サスペンション(第二実施形態)
301 サスペンションの上部分
303 サスペンションの下部分
310 サスペンションの上部
320 サスペンションの下部
330 傾斜ランプの上縁
332 傾斜ランプの本体
334 傾斜ランプの下縁
336 緩衝弾性要素
400 オス外側ハウジング(外側ハウジング)
405 オス外側ハウジングの下部開口
410 オス外側ハウジングの上部
420 オス外側ハウジングの下部
440 張り出し部
C 分離線
【手続補正書】
【提出日】2021-10-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端を有
し、嵌合突起及び嵌合開口を複数形成している第一コネクタ、及び
開口を形成
し、嵌合突起及び嵌合開口を複数形成している内側ハウジングと、
前記内側ハウジングに設けられるサスペンションと、
前記サスペンションに設けられる外側ハウジングと、を含む第二コネクタを特徴とし、
前記第一コネクタの前記第一端が前記内側ハウジングの前記開口に受け入れられ、
前記第一コネクタに設けられた前記嵌合突起のそれぞれ1つは、前記内側ハウジングの前記嵌合開口の1つにそれぞれ受け入れられることを特徴とする、コネクタシステム。
【請求項2】
前記内側ハウジングに設けられた前記嵌合突起のそれぞれ1つは、前記第一コネクタの嵌合開口の1つにそれぞれ受け入れられることを特徴とする、請求項
1記載のコネクタシステム。
【請求項3】
前記サスペンションが可撓であることを特徴とする、請求項1記載のコネクタシステム。
【請求項4】
前記第一コネクタ、内側ハウジング、及び外側ハウジングは、実質的に非可撓性であることを特徴とする、請求項1記載のコネクタシステム。
【請求項5】
傾斜ランプ(ramp)が前記サスペンションの内部に形成されており、前記傾斜ランプは、上縁、本体、及び下縁を有していることを特徴とする、請求項1記載のコネクタシステム。
【請求項6】
前記内側ハウジングは切り欠きを有しており、前記傾斜ランプの前記上縁の少なくとも一部分が前記切り欠きに受け入れられることを特徴とする、請求項
5記載のコネクタシステム。
【請求項7】
嵌合突起及び嵌合開口を複数形成している内側ハウジングをサスペンションの開口に挿入し、
前記内側ハウジングの下端を外側ハウジグの下部開口に挿入し、
嵌合突起及び嵌合開口を複数形成している第一コネクタの下端を前記内側ハウジングの開口に挿入すること、を特徴とし、
前記第一コネクタに設けられた前記嵌合突起のそれぞれ1つは、前記内側ハウジグの前記嵌合開口の1つにそれぞれ受け入れられることを特徴とする、コネクタシステムの組立方法。
【請求項8】
前記サスペンションが可撓であることを特徴とする、請求項
7記載の方法。
【請求項9】
前記サスペンションが合成材料で形成されることを特徴とする、請求項
7記載の方法。
【請求項10】
傾斜ランプ(ramp)が前記サスペンションの内部に形成されており、前記傾斜ランプは、上縁、本体、及び下縁を有していることを特徴とする、請求項
7記載の方法。
【請求項11】
前記内側ハウジングは切り欠きを有していることを特徴とする、請求項
10記載の方法。
【請求項12】
前記傾斜ランプの前記上縁の少なくとも一部分は、前記切り欠きに受け入れられることを特徴とする、請求項
11記載の方法。
【請求項13】
前記外側ハウジグを第一本体に結合し、及び
前記第一コネクタを第二本体に結合すること、をさらに特徴とする、請求項
7記載の方法。
【請求項14】
下端及び第一開口を有
し、嵌合突起及び嵌合開口を複数形成している第一コネクタと、
第一開口及び第二開口を形成
し、嵌合突起及び嵌合開口を複数形成している内側ハウジングと、
前記内側ハウジングに設けられ、可撓であるサスペンションと、
前記サスペンションに設けられる外側ハウジングと、を特徴とし、
前記第一コネクタの前記第一端が前記内側ハウジングの前記第一開口に受け入れられ、
前記第一コネクタに設けられた前記嵌合突起のそれぞれ1つは、前記内側ハウジングの前記嵌合開口の1つにそれぞれ受け入れられることを特徴とするコネクタシステム。
【請求項15】
第一端子位置保証部材が前記第一コネクタの前記第一開口に受け入れられることを特徴とする、請求項
14記載のコネクタシステム。
【請求項16】
第二端子位置保証部材が前記内側ハウジングの前記第二開口に受け入れられることを特徴とする、請求項
15記載のコネクタシステム。
【請求項17】
前記第一コネクタの第一端が前記内側ハウジングの前記第一開口に受け入れられた際に、前記サスペンションの可撓性によって、前記内側ハウジングが前記外側ハウジング内で移動できることを特徴とする、請求項
14記載のコネクタシステム。
【請求項18】
前記内側ハウジングに設けられた前記嵌合突起のそれぞれ1つは、前記第一コネクタの前記嵌合開口の1つにそれぞれ受け入れられることを特徴とする、請求項14記載のコネクタシステム。
【国際調査報告】