(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-21
(54)【発明の名称】コンテナ船上のコンテナの位置を決定するための装置、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B63B 25/00 20060101AFI20230713BHJP
B65D 90/00 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
B63B25/00 101M
B63B25/00 101C
B65D90/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022569069
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2021063475
(87)【国際公開番号】W WO2021234091
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】102020113681.1
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505063304
【氏名又は名称】セク シップエクイップメント センター ブレーメン ゲーエムベーハー アンド ツェーオー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】SEC Ship’s Equipment Centre Bremen GmbH
【住所又は居所原語表記】Speicherhof 5, 28217 Bremen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】ティーレォ,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】シェヲンク,ヘニング
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA22
3E170DA01
3E170WF01
(57)【要約】
本発明は、少なくとも互いに関する水平変位を防止するために、第1のコンテナ(25)の第1の隅金具(22)を第2のコンテナ(23、44)の第2の隅金具(26)へ固定するための連結部材(20)に関する。車両上、特にコンテナ船上のコンテナの輸送の間の安全性を向上させるために、本発明による連結部材(20)は、連結部材(20)の状態を検出するように設計されたセンサ(29、32)と、識別信号と連結部材(20)の検出された状態を表す状態信号(38)とを送信するように設計された送信ユニット(28)とを特徴とする。本発明はさらに、コンテナ(23、43)およびこの種の連結部材(20)の配列、ならびにコンテナ(23、43)がこの種の連結部材(20)によって固定されるコンテナ船(46)、ならびに連結部材(20)および/またはコンテナ(43)の状態データを監視するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコンテナ(23、44)の第1の隅金具(22)を第2のコンテナ(25)の第2の隅金具(26)へ、少なくとも互いに対する水平変位に対して、固定するための連結部材(20)であって、
前記連結部材(20)の各状態を検出するように構成されたセンサ(29、32)と、
識別信号と前記連結部材(20)の前記検出された状態を表すステータス信号(38)とを送信するように構成された送信ユニット(28)と、を特徴とする連結部材。
【請求項2】
前記センサ(29、32)は、前記第1の隅金具(22)および/もしくは前記第2の隅金具(26)までの距離ならびに/または温度ならびに/または前記連結部材(20)の開もしくは閉状態ならびに/または加速度ならびに/または所定のガスの存在を、前記連結部材(20)の各状態として検出するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の連結部材(20)。
【請求項3】
前記送信ユニット(28)は、信号を受信もするための送受信ユニットとして構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の連結部材(20)。
【請求項4】
起動および不起動するように構成された起動手段(33)、特に、前記連結部材(20)の隅金具(22)への挿入を検出するように構成されたセンサを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の連結部材(20)。
【請求項5】
コンテナ(23、44、25)と、請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも1つの連結部材(20)と、を備える配列。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の前記連結部材(20)の1つが前記コンテナ(23)の前記第1の隅金具(22)のそれぞれに結合することを特徴とする、請求項5に記載の配列。
【請求項7】
状態、例えば、温度および/もしくは所定のガスの存在および/もしくは前記コンテナ(43)の骨材の誤動作のデータ、ならびに/または前記コンテナ(43)内の積荷に関するデータを送信するように構成された、前記コンテナ(43)上の追加の送信ユニット(44)を特徴とする、請求項5または6に記載の配列。
【請求項8】
それぞれが互いの頂部に積み重ねられたコンテナ(23、44、25)の1つのスタック用である複数のスロットを有し、前記コンテナのうち、最下部コンテナ(25)は、その積み重ねられた状態では、底部連結部材(35)によってコンテナ基礎へ固定され、頂部に積み重ねられた上部コンテナ(23、44)は、少なくとも互いに対する水平変位に対して、それらの隅金具(22、26)で連結部材(20)によって互いへ固定される、コンテナ船(46)であって、
前記底部連結部材(35)の少なくとも1つは重量変化を検出するために構成され、
請求項1から4のいずれか一項に記載の連結部材(20)は、各上部コンテナ(23、44)の前記隅金具(22)の少なくとも1つへ挿入され、そして
少なくとも1つのベースユニット(37)が前記連結部材(20)の前記信号(38)を受信かつ転送するために設けられていることを特徴とする、コンテナ船。
【請求項9】
少なくとも3つの互いから離れた位置決めユニットが、前記コンテナ船(46)上の前記コンテナ(25)の1つの吊り上げの間に、請求項1から4のいずれか一項に記載の連結部材(20)のそれぞれを配置することが可能であるように前記コンテナ船(46)上に分布していることを特徴とする、請求項8に記載のコンテナ船(46)。
【請求項10】
少なくとも1つのベースユニット(37)が信号を前記連結部材(20)へ送信するためにさらに構成されていることを特徴とする、請求項8または9に記載のコンテナ船(46)。
【請求項11】
ベースユニット(37)の所定のグループに対して、各中継ユニット(50)が、このベースユニット(37)のグループとの間で送られたすべての信号を受信し、そして該当する場合、送信し、これらの信号を処理ユニット(42)へ、特にオンボードコンピュータへ転送するために設けられていることを特徴とする、請求項8から10のいずれか一項に記載のコンテナ船(46)。
【請求項12】
請求項5から7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの配列をさらに特徴とする、請求項8から11のいずれか一項に記載のコンテナ船(46)。
【請求項13】
連結部材(20)の各状態を監視するための方法は、以下の:
請求項1から4のいずれか一項に記載の連結部材(20)を、積載されるコンテナ(23、44)の底部隅金具(22)の少なくとも1つへ挿入して、前記積載されるコンテナ(23、44)を既に積載されたコンテナ(25)上へ吊り上げ、
識別信号を、この連結部材(20)からベースユニット(37)へ送信し、
前記既に積載されたコンテナ(23、44、25)上への前記積載されるコンテナ(23、44)の据え置きを検出し、対応するステータス信号(38)をベースユニット(37)へ送信し、
コンテナスタックの最下部コンテナ(25)をコンテナ基礎へ接続する底部連結部材(35)での重量変化を検出し、重量変化信号(36)を前記ベースユニット(37)へ送信し、
前記信号を処理ユニット(42)へ、特にオンボードコンピュータへ転送し、
特に前記ステータス信号(38)と前記重量変化信号(36)との間の時間的差によって、前記連結部材(20)が前記底部連結部材(35)と同じコンテナスタックに結合されているかどうかを決定するステップを備える方法。
【請求項14】
請求項1から4のいずれか一項に記載の各連結部材(20)が前記上部コンテナ(23)のそれぞれの前記隅金具(22)のそれぞれへ挿入されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記連結部材(20)の前記各状態および/または前記追加の送信ユニット(44)へ連結されたセンサからのデータは、周期的におよび/または前記処理ユニット(42)に促されて、特に前記コンテナ(23、43、25)の輸送の間にも検出され、前記結合された連結部材(20)の状態の、および/または警報信号の、ならびに位置の、表示が出ることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
特定のコンテナ(25)と結合された前記連結部材(20)は、少なくとも3つの位置決めユニットによる三辺測量を介する前記船上のコンテナ(25)の吊り上げの間に、前記連結部材(20)によって送信された信号を配置することによって1つのグループ内へ検出されることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【請求項17】
前記コンテナ(25)に結合された連結部材(20)は、前記吊り上げの間に、それらの移動パターンに起因してグループとして検出されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも互いに関して水平変位を防止するために、第1のコンテナの第1の隅金具を第2のコンテナの第2の隅金具へ固定するための連結部材に関する。本発明はさらに、コンテナおよびそのような連結部材の配列、ならびに、それぞれが上下に積み重ねられたコンテナの1つのスタック用である複数のスロットを有するコンテナ船に関し、上記コンテナのうち、その積み重ねられた状態では、最下部コンテナは、底部連結部材によってコンテナ基礎へ固定され、上部コンテナは、上記最下部コンテナの上に積み重ねられるが、少なくとも水平変位に対して、互いへ、それらの隅金具で連結部材によって固定される。最後に、本発明は、それぞれの状態を監視するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような連結部材は、例えば、EP1534612B1またはWO2014/032659A1から公知である。具体的には、これらの文献は、いわゆる全自動ツイストロック(FAT)を示す。
【0003】
遠隔操作された連結部材およびその使用方法は、WO2006/025790A1から公知である。
【0004】
本発明による連結部材は、一般に、車両上のコンテナの輸送に関して好適である。しかしながら、本発明は、特に、コンテナ船上のコンテナの海上輸送に関する。これらのコンテナ船上で、コンテナは、船の船体(甲板の下方)または甲板上(ハッチカバー上)にコンテナスタックとして輸送される。甲板の下方に積み重ねられたコンテナはセルガイドで導かれ、何ら特別な固定を必要としない。20フィートのコンテナが40フィートのコンテナ用の積み込み空間に積載されている場合にのみ、ツイストスタッカーによって水平変位に対してそれらを固定する必要がある。本開示の目的のために、「水平」は船舶甲板の平面に平行な方向を常に意味する一方で、「鉛直」はそれに対して垂直な方向である。
【0005】
甲板上に積載されたコンテナは、好適な連結部材によって相互接続される。具体的には、コンテナスタックでは、上下に積み重ねられた2つのコンテナが、互いに対する水平変位と、それぞれの上部コンテナがそれぞれの下部コンテナから持ち上げられること(持ち上げ力に対して固定/接続すること)との両方に対して固定されるように、連結部材によって、それらの隅金具で互いへ接続される。実際、最下層のコンテナ、場合によっては高層のコンテナも、ラッシングブリッジの助けによってラッシングロッドでさらに固定される。しかしながら、連結部材は、多くの場合、海上輸送の間の損失に対して、特に、より高層のコンテナの唯一の固定装置である。実際には、全自動連結部材(全自動ツイストロック-FAT)と半自動連結部材(半自動ツイストロック-SAT)とが使用される。半自動連結部材は、また20フィートコンテナが40フィートコンテナ用のスロットに積み重ねられている場合、ミッドロックと組み合わせて使用される。既に述べたように、全自動連結部材の例は、EP1534612B1またはWO2014/032659A1から公知である。本発明は、甲板の下方で使用されるツイストスタッカーと、甲板上で使用されるツイストロックおよびミッドロックならびにボトムロックとの両方に関して有利に使用することができる。本発明による固定手段は、したがって、ツイストスタッカー、底部スタッカー、全もしくは半自動または手動ツイストロック、ミッドロックまたはボトムロックであることができる。
【0006】
コンテナの積み込み(積載)の間に、荷役作業者は、最初に、積載されるコンテナの4つの下部隅金具へそれぞれ上部連結突起を備えた1つの連結部材を挿入し、そこで予め突起を係止する。これにより、連結部材は、この積載されるコンテナのそれぞれの下部隅金具と確実に連結されることが既に保証される。ここでコンテナはクレーン(コンテナガントリ)で船の甲板上に持ち上げられ、既に積み込まれたコンテナ上に据え置かれる。このプロセスの間に、下部連結突起は、既に積み込まれたコンテナの4つの上部隅金具内へ引っ掛かる。今、積み重ねられた状態では、下部連結突起は、既に積み込まれた今は下部コンテナの頂部隅金具に係合し、このようにして、新しく積み込まれた今は上部コンテナを海上輸送の間の損失に対して固定する。本開示の文脈において、この状態は、連結または相互係止状態と呼ばれる。
【0007】
同様に、最下(底)層のコンテナもコンテナ基礎上に固定することができる。しかしながら、実際には、このプロセスでは適切な連結部材(甲板の下方の底部スタッカーおよび甲板上のボトムロック)が使用され、これらの連結部材は本質的にコンテナ間で使用されるツイストスタッカー、ツイストロック、またはミッドロックに対応するが、最初は基礎へ「逆さまに」挿入される。次に、底層の各コンテナが積み込まれる。コンテナ基礎自体は、船の甲板またはハッチカバー上へ溶接される。底部スタッカーまたはボトムロックは一般に、基礎に恒久的に残る。最下部コンテナを積載すると、ボトムロックの上部連結突起が下部コンテナのコンテナ底部隅金具に係合し、相互係止する。次に、最下部コンテナは、水平変位と持ち上げ力との両方に対して固定される。WO2016/126163A2は、ボトムロックの状態として、上に乗っている重量を検出するために使用される重量センサを有するボトムロックを開示している。最下部コンテナに結合された4つのボトムロックすべての重量測定値の合計は、各スタック重量(コンテナスタックにおけるすべてのコンテナの重量の合計)をもたらす。積載されたコンテナの重量は、新しく積載されたコンテナが積載される前後のスタック重量の差から生じる。このようにして、特定のコンテナスタックの特定の位置にある特定のコンテナはどれくらいの重量であるかが正確に決定される。船舶管理者は、この情報を各船に存在する積み込み計画または船荷証券と比較することができる。
【0008】
残念ながら、実際には、甲板に積載された個々のコンテナまたはコンテナスタック全体が海上輸送の間に失われる。この原因は、例えば、特定のスロットの許容コンテナ重量の不遵守、そしてその結果として、隅金具および連結部材内への力の許容されない伝達である可能性がある。これを防ぐことが、上述のWO2016/126163A2の目的である。
【0009】
コンテナ船舶の貨物の取り扱いのための停泊時間は、コンテナ船のオペレータにとって非常に経済的に重要である。一方では、デマレージは、多くの場合、停泊時間に従って直接計算され、他方では、コンテナ船のオペレータは、停泊することによってではなく、商品を輸送することによってお金を稼ぐ。したがって、停泊時間を短縮することは、多くの点で望ましい。この目的のために、上述のWO2006/025790A1は、適切な時に遠隔で係止解除することができる連結部材または連結部材の組み合わせを教示している。これを実施するためには、港湾作業者によるコンテナ上への設置後、連結部材は、このコンテナへ手動で割り当てられ、一意の識別子が設けられる。さらに、安全装置がコンテナに取り付けられ、識別子を介して割り当てられることができる。こうして、一方では、係止解除のための信号が指定のコンテナの連結部材へ送信されることができ、他方では、安全装置からのメッセージもベースへ送信することができる。
【0010】
コンテナ船上のコンテナにより商品を輸送するとき、甲板上に積載されたコンテナが連結部材によって確実に連結されることは、安全性および信頼性のためにさらに不可欠である。実際、コンテナが積載されているときに、4つの連結部材のうちの1つ以上が、その下方に配列されたコンテナの結合された隅金具で実際には正しく連結しないことも起こる。荷役作業者または船舶乗組員は、特に、より高いコンテナスタックの場合、純粋な目視検査によって、これを確実に認識することができない。したがって、Conver-OSR半自動ツイストロックCV-12は、止め板に赤いプランジャーが設けられ、ツイストロックの下部積み込みコーンを連結位置内へ完全に回転すると、止め板内へ完全に引き込まれるので、コンテナスタックに沿って下方から見上げると見えなくなった。しかしながら、不完全に回転した下部連結突起の場合、プランジャーは突き出て見ることができた。しかしながら、このプランジャーは、下部積み込みコーンが連結位置内へ完全に回転されたということだけを示した。このように、ツイストロックも下部コンテナの頂部隅金具と確実に連結されていることはまだ定かではない。さらに、このシステムは、可動の下部連結突起を有していないため、ミッドロックまたは全自動連結部材と使用することができない。また、2つの20フィートコンテナが40フィートコンテナのスロットに次々に積載されたとき、それらの間には3インチのギャップしかない。したがって、類似している機器の場合であっても、ミッドロックまたは全自動連結要素から、そのようなプランジャーは全く見えないので、視覚的な制御はとにかく可能ではないであろう。しかしながら、コンテナスタックのアクセス可能な端面でも、目視検査は非常に時間がかかり、エラーが発生しやすくなるであろう。
【0011】
さらに、実際には、例えば、冷却ユニットへの損傷または積荷の自然発火などに起因して、単一のコンテナが発火したことが既に発生した。例えば、2015年11月30日にエルベ河口においてコンテナ船MSC KATRINA、および2016年2月21日に紅海においてLUDWIGSHAFEN EXPRESSで木炭貨物の自然発火が、連邦海難事故調査局(BSU)の調査報告書455/15および58/16にあった。さらに、2019年1月3日、船YANTIAN EXPRESSが大西洋の真中にある間に甲板に積載されたコンテナにおいて火災が生じた。このような火災は、船舶乗組員が気付かない隣接するコンテナに広がる可能性があり、これは正確にはYANTIAN EXPRESSで起こったことであり、特に、より大型のコンテナ船舶で起こる可能性がある。このような火災を現時点で検出することが実際に困難であるのは、コンテナの囲まれた性質のために煙が外側へ浸透することはほとんどなく、通常の風は、わずかな煙があっても急速に希釈するためである。加えて、コンテナにおける火災は非常に長時間にわたって発展する可能性があるため、影響が及んだコンテナから火災が出たときにのみ気付かれる。特に、コンテナが橋から遠く離れた前方領域で発火した場合、火災は即座に検出されない場合がある。これは貨物自体のかなりの部分を破壊するだけでなく、火災の熱に起因して船の構造へ相当な損傷を与える可能性がある。これは特に甲板の下方に積載されたコンテナに当てはまる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
このように、本発明の目的は、車両、特にコンテナ船上でコンテナの輸送の間の安全性が向上するように、上述の型の連結部材、配列、コンテナ船および方法をさらに発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的は、請求項1に記載の連結部材、請求項5に記載の配列、請求項8に記載のコンテナ船および請求項13に記載の方法で達成される。本発明の有利なさらなる発展は、従属請求項の主題である。
【0018】
発明によれば、連結部材は、上記連結部材の各状態を検出するために構成されたセンサと、センサを識別するための識別信号と連結部材の検出された状態を表す状態信号とを送信するために構成された送信ユニットとを特徴とする。確かに、識別信号およびステータス信号は理論的には別々に送信することができる。しかしながら、実際には、共通の送信ユニットが、各信号で、識別用の一意の識別子を同時に送信するように据え付けられている。言い換えると、識別信号は、連結部材が識別される一意の識別子であり、通常は、ステータス信号と共に送信される。このように、実際には、ステータス信号と識別信号との本当の分離はない。むしろ、それらは統一信号として送信される。
【0019】
この発明によれば、どの固定要素が識別信号に基づいてステータス信号を供給するかがわかる。ステータス信号が船の乗組員、クレーンオペレータ、または荷役作業者の介入を必要とする条件を示す場合は、原因を具体的に排除するか、または対策を講じることができる。そうする際、乗組員または荷役作業者は対応する連結部材へ具体的に誘導されることができ、このように、欠陥は安全かつ迅速に修正することができる。この発明によれば、センサおよび送信ユニットは連結部材に一体化される。これは、連結部材がコンテナの隅金具へ挿入されるたびに、各センサおよび結合された送信ユニットも同時に挿入されることを意味する。別々の設置のための労力が追加されない。加えて、従来のコンテナは、変換することなく使用することができる。コンテナ船は、連結部材を交換して結合された電子機器を単に組み込むことによって改造することができる。
【0020】
センサは、下部コンテナの頂部隅金具までの距離および/または温度および/または連結部材の開もしくは閉状態および/または加速度および/または所定のガスを、連結部材の各状態として検出するために設計されることができる。例えば、距離測定の最初の場合では、連結部材は、距離センサによって測定された距離が正確に定義された範囲にある場合、正しく相互係止していることが想定され、この範囲内では、経験または技術仕様、特に下部連結突起と下部コンテナの頂部隅金具との間の、使用される指定の連結部材に対して構造的に定義されている鉛直クリアランスに基づいて、正しい相互係止を想定することができる。このように、距離センサを使用して、各コンテナが正しく連結または相互係止されて錨止めまたは固定されているのかどうかを確実に判定することができる。コンテナが正しく相互係止されていないと判定された場合、結合されたコンテナ隅金具までの各距離を送信するだけでなく識別されるのでコンテナスタックにおいて割り当てられた空間位置は推測されることができる距離センサによって送信される信号は、どこで、具体的に、特定の連結部材が正しく相互係止されていないかに関する確実な情報を提供する。したがって、欠陥のある相互係止が、コンテナ船の積載の間に既に検出されて修正されることができる。距離センサは、既存の実際の距離を正確に測定するように設計されることができる。あるいは、距離センサは、例えば、所定の距離が設計によって指定された鉛直クリアランスを下回っているかどうかをデジタルで検出するように設計されることもできる。後者の場合、距離センサは、例えば、リミットスイッチとして設計されることができる。
【0021】
臨界温度上昇および/または温度勾配は、ステータス信号を送信する連結部材の近傍でのコンテナ火災を示す。このように、相当な安全上の利点は、コンテナ船上のコンテナの輸送における本発明によるシステムで達成することができる。本発明の他の考えられる用途には、下部コンテナまたはコンテナ基礎の上に上部コンテナが据え置かれたことが検出され、または海上輸送の間に連結部材に作用する許容できない加速度値、したがって許容できない力が検出されるような加速度の測定、またはコンテナからの所定のガスの逃げの検出が含まれる。例えば、所定のガスとしての熟成ガスの存在は、積載された果実があまりにも早く成熟しており、腐る危険があるか、または既に腐っていることを示す。当然、所定のガスは、火災を示す煙ガスである可能性もある。
【0022】
前述のまたは他のセンサのうちの1つ以上が、本発明による連結部材に割り当てられることができる。例えば、連結部材には、距離センサおよび温度センサが装備されていてもよい。これらのセンサのうちの1つに追加的または代替的に、ガスセンサおよび/または連結部材の開もしくは閉状態のセンサが設けられてもよい。このようにして、コンテナまたはその固定装置の1つ以上の危険な状態を早期に検出して必要に応じて修復することができる。第1のコンテナに結合された各連結部材は、同じセンサ、例えば、距離センサ、または異なるセンサもしくはセンサの組み合わせを装備することができる。例えば、各隅金具の連結部材に距離センサを装備してもよいが、これらの連結部材の1つだけに温度センサを追加装備するか、または2つの径方向に対向する連結部材にそれぞれ温度センサを追加装備してもよい。このように、相互係止の欠陥は各連結部材で監視されるが、これらの連結部材の1つまたは2つだけに温度センサを追加装備することが早期の火災検出に十分な場合がある。しかしながら、有利には、すべての連結部材は同じ設計であるため、荷役作業者は、どの連結部材をどの隅金具へ挿入するかに注意しなくてもよい。さらに、1つ以上の追加のセンサも、コンテナに直接取り付けられてもよく、または取り付けられている。
【0023】
有利には、送信ユニットは、送受信ユニットとして設計されてもよい。このように、信号、例えば、起動信号、または識別信号および/もしくは状態信号もしくは状態および識別の両方を含む信号を送信する指令を受信することもできる。
【0024】
1つ以上のセンサならびに送信ユニットの電力を節約するためには、これらはオフにするか、不要なときにスリープモードにするべきである。この目的のために、本発明のさらなる発展によれば、連結部材は、起動および不起動のために設計された起動手段を有する。これは特に、連結部材の隅金具への挿入を検出するように構成されたセンサであることができる。この目的のために、近接センサは、例えば、連結部材が積載されるコンテナの隅金具に挿入されたことを検出して好適である。あるいは、起動手段は、連結部材が箱、いわゆるビンから取り外されたことを検出するセンサであってもよい。荷役作業者による起動手段の手動作動も可能であるが、エラーに対する感受性および付随する追加の労力に起因して好ましくない。
【0025】
本発明による配列は、コンテナと、その底部隅金具の1つに挿入された本発明による少なくとも1つの連結部材とによって形成される。この配列はまた、上述の利点を達成する。好ましくは、本発明による1つの連結部材が各底部隅金具へ挿入される。確かに、ある用途に対して、実際には常に存在する4つの隅金具のうちの1つのみに本発明による連結部材を挿入し、または、例えば、2つの径方向に対向する隅金具のそれぞれへ本発明による1つの連結部材を挿入し、そして残りの3つまたは2つの隅金具に最新技術による連結部材を挿入することが十分であり得る。この例としては、火災検出のための温度測定、または火災検出(煙ガス)もしくは熟成ガス検出のためでもあるガス測定がある。しかしながら、これには2つの異なる型の連結部材を船上に備える必要があり、エラーになりやすい。これらの欠点は、本発明による連結部材が各隅金具へ挿入される場合に克服される。連結部材の正しい相互係止の検出などある用途に対して、これが必要になる場合もある。いかなる場合でも、結果として、より近く、このようにより確実な監視となる。
【0026】
配列のさらなる発展によれば、コンテナは追加の送信ユニットを有する。送信ユニットは、温度のような状態および/または所定のガスの存在および/またはコンテナの骨材の誤動作および/またはコンテナ内の貨物に関するデータを送信するために設計されている。その結果、例えば熟成ガスの温度、存在のような好適な状態、または冷凍ユニットの正しいまたは欠陥のある機能が、コンテナに直接取り付けられたセンサ、またはコンテナ内、例えば貨物またはパレットなどに直接配列されたセンサによっても検出することができる。これらのセンサは、収集されたデータを送信する追加の送信ユニットに連結される。これにより、火災のような何らかの危険または船舶の管理に対する誤動作をさらに迅速に報告することができる。追加の送信ユニットは、本発明による連結部材における送信ユニットと同様に、信号を受信するように設計されてもよいことが理解される。さらに、貨物の状態データは、船舶のネットワークを介して外側に、例えば、移動体および/または衛星通信を介して、例えば、貨物またはコンテナの所有者へ送信されることが可能である。
【0027】
本発明によるコンテナ船は、底部連結部材の少なくとも1つが重量の変化を検出するために構成されること、本発明による連結部材が各上部コンテナの隅金具の少なくとも1つへ挿入されること、および少なくとも1つのベースユニットが連結部材の信号を受信かつ転送するために設けられていることを特徴とする。本発明による少なくとも1つの連結部材が下部コンテナの頂部隅金具と相互係止すると、対応するセンサが信号を送信する。ほぼ同時に、少なくとも1つの底部連結部材(底部スタッカーまたはボトムロック)は、重量の変化を検出する。これで、どのコンテナスタックの上に新しく積載されたコンテナが置かれたかがわかる。重量変化を単に計数することによって、コンテナの位置、したがってコンテナ船上のその指定の位置(湾、列および配置)もわかる。このように、指定の連結部材から生じる欠陥のある、あるいは危険でさえある状態の報告は、具体的なコンテナの位置に関連付けられることができる。船舶の乗組員、または積載/荷降ろしプロセスの間に報告が生じた場合は、積み込み人員がこのコンテナに誘導され報告を調査することができる。
【0028】
底部連結部材は、一般に、コンテナがスタック上に新たに据え置かれた/積載された事象を検出する。これの確かな兆候は、コンテナスタックの重量の変化、すなわち、重量の変化の単なる事実であり、重量の変化は必ずしも定量化しなくてもよい。これは、例えば、底部連結部材における圧電素子によって検出することができる。新しいコンテナを据え置いた/積載したことに関連するスタック重量の変化の結果として、圧電素子は電流インパルスを送り、新しいコンテナが積載されたという事象を信号で知らせる。しかしながら、スタックの重量の変化も定量化する場合は、例えば、WO2016/126163A2による底部連結部材を使用することができるので、コンテナがスタック上に新たに据え置かれた/積載されたという単なる事実に加えて、スタック上に新たに積載されたコンテナの比重が、新たに積載されるコンテナを積載する前後のスタック重量を差し引くことによって決定することができ、必要に応じて、各積み込み場所で許可された船荷証券および/またはコンテナ重量と比較することができる。
【0029】
コンテナの2つ以上の隅金具に本発明による連結部材が設けられ、センサが状態を検出するセンサ、連結要素の正しい相互係止を検出する距離センサである場合は、次にこれらの連結要素は、このコンテナが下部コンテナ上に据え置かれ、連結部材が相互係止するとすぐに、特定のコンテナに結合されているものとして自動的に検出される。上で既に説明したように、ボトムロックは次いで、それらが相互係止しているという本発明による連結要素からの信号との直接的な時間的関係における重量の変化を検出する。これらの連結部材の1つの距離センサがここで故障した場合、連結部材が相互係止しているという信号は送信されない。その後、荷役作業者または船舶の乗組員がこれを調査しなければならない。また、この連結部材がコンテナに結合されているものとして認識されないというさらなる欠点もある。連結部材が温度センサなどの他のセンサを有する場合、追加の温度信号が送信される。しかしながら、これらは指定のコンテナへ割り当てられることができない。これは、容認できない温度は、したがって、的を絞った方法では追跡することができないことを意味する。したがって、コンテナへ割り当てられた連結部材は、上部の新しく積載されたコンテナを下部コンテナ上に単に据え置くことによって可能ではない場合でも、グループとして認識されることが望ましい。
【0030】
この目的のために、本発明によるコンテナ船のさらなる発展によれば、少なくとも3つの空間的に離れた配置ユニットが、船上のコンテナのうちの1つの吊り上げの間に、本発明による各連結部材が配置されることができるようにコンテナ船上に分布していることができる。少なくとも3つの空間的に離れた配置ユニットで、本発明による連結部材の位置を、例えば、三辺測量によって検出することができ、例えば、それらの経路は、船舶上でのコンテナの吊り上げの間に追跡することができる。同じ移動パターンを有する本発明による連結部材は、同じコンテナの隅金具に挿入され、このようにグループとして検出することができる。それらのうちの1つの距離センサが故障した場合でも、特定のコンテナに結合されていると依然として認識される。これは、2つまたは3つの距離センサが故障した場合でも、距離センサが少なくとも連結部材の1つに対して正しく機能しかつすべての連結部材が、それらの識別証を送信する限り、機能する。
【0031】
ベースユニットは配置ユニットとして使用することができ、これらのベースユニットは連結部材信号を受信および転送するためにも設けられる。別々の配置ユニットは、そのうえ、必要とされない。
【0032】
少なくとも1つのベースユニットが連結要素へ信号を送信するように設計されている場合にも有利である。これにより、センサによって測定されたデータを問い合わせるために使用される問い合わせ信号などの本発明による少なくとも1つの連結部材へのコマンドを送ることが可能である。また、電力を節約するためには、航海の間に連結部材をスリープモードにし、データを問い合わせるために、ある時間間隔でのみ動作させることが有用であり得る。ベースユニットは、対応する起動/不起動信号を、可能であれば問い合わせ信号と組み合わせて、連結部材へ送信することができる。
【0033】
本発明によるコンテナ船のさらなる実施形態によれば、中継ユニットが、ベースユニットの所定のグループのそれぞれに対して、このベースユニットのグループから、および/またはこのグループへ送信されたすべての信号を受信および可能であれば送信し、それらを処理ユニットへ転送するために据え付けられる。これにより、ベースユニットの範囲に起因して、他の方法で可能な距離よりも長い距離をカバーすることが可能になる。また、船全体に分布している、あるベースユニットが中継ユニットとしても作動することが可能であるため、別々の中継ユニットは必要とされない。処理ユニットは、好ましくはオンボードコンピュータであることができる。
【0034】
連結部材のそれぞれの状態を監視するための本発明による方法は、以下の:請求項1から4のいずれか一項に記載の連結部材を、積載されるコンテナの底部隅金具の少なくとも1つへ挿入して積載されるコンテナを既に積載されたコンテナ上へ吊り上げ、識別信号をこの連結部材からベースユニットへ送信し、既に積載されたコンテナ上に積載されるコンテナの据え置きを検出してステータス信号をベースユニットへ送信し、コンテナスタックの最下部コンテナをコンテナ基礎へ接続する底部連結部材の重量変化を検出して重量変化信号をベースユニットへ送信し、信号を処理ユニット、特にオンボードコンピュータへ転送し、特にステータス信号と重量変化信号との間の時間的差に基づいて、連結部材が底部連結部材と同じコンテナスタックに結合するかどうかを決定するステップを備える。既に上述したように、実際には、すべての送信された信号は、連結部材または底部連結部材がそれ自体を識別する識別子を常に含む。
【0035】
本発明による方法は、本発明による連結部材および本発明によるコンテナ船について既に記載したのと同じ利点を有する。各連結部材は、積載される新しいコンテナが既に積載されたコンテナ上に据え置かれる前に、その識別信号を既に送信しているので、正しい相互係止は、例えば、積載プロセスの間に、即座に確認することができる。これにより、荷役作業者、クレーンオペレータおよび/または船舶の乗組員は、成功したまたは正しい連結/相互係止が報告されない場合に即座に対応し、適切な介入によって正しい連結/相互係止をもたらすことができる。
【0036】
本発明による方法の有利なさらなる発展によれば、連結部材の各状態または追加の送信ユニットと連結されたセンサからのデータは、周期的におよび/または処理ユニットによる要求に応じて、特にコンテナの輸送の間にも検出または収集することができ、状態および/または警報信号ならびに結合された連結部材の位置の表示が、疑わしい場合に正しい連結/相互係止または別の状態を再確認するために、または連続的な監視によって安全性を向上させるために開始されることができる。例えば、温度を連続的または定期的に測定して、例えば火災を早期に検出することもできる。他の状態データも、状態の危険な変化を早期に検出するために、連続的または定期的に測定することができる。
【0037】
船上へのコンテナの吊り上げの間に、そのコンテナに結合された連結部材、および該当する場合はコンテナ上の他のセンサを、吊り上げの間の、それらの移動パターンに基づいてグループとして検出することができる。このようにして、事象に結びつけられた状態の変化が、グループの4つの連結部材すべてに常に当てはまり、該当する場合は、コンテナ上に追加的に配列されたセンサに当てはまることを確実にすることができる。
【0038】
本発明を、図に示された実施形態の一例を参照して以下に、より詳細に説明する。図において:
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の特徴を有する連結部材の正面図を示す。
【
図2】
図1に係る連結部材を、積載されるコンテナの底部隅金具へ挿入することを示す。
【
図4】既に積載されたコンテナ上に、積載されるコンテナを据え置くことを示す。
【
図5】コンテナの積載の間のコンテナスタックの重量変化および
図1に係る連結部材からの信号の重量-時間グラフを示す。
【
図6】船舶航海の間に上下に積み重ねられた2つのコンテナからなるコンテナスタックを示す。
【
図8】コンテナの荷降ろしの間のコンテナスタックの重量変化の重量-時間グラフを示す。
【
図9】荷降ろしされたコンテナの底部隅金具からの
図1に係る連結部材の取り外しを示す。
【
図10】
図1に係るコンテナおよび連結部材からなる配列を示す。
【
図11】
図8に係る配列のコンテナ船上への積載を断面に示す。
【
図13】
図8に係る配列の、既に積載されたコンテナ上への据え置きを示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本発明による連結部材20、いわゆる全自動ツイストロック(FAT)の一例を示す。具体的には、本実施形態による連結部材20は、WO2014/032659A1による全自動ツイストロックに基づく。従来の連結部材と一致して、連結部材20は上部連結突起21を有し、これを荷役作業者は積載されるコンテナ23の底部隅金具22へ挿入し、そこに予め突起を係止する(
図2)。連結部材20は、さらに、下部連結突起24を有し、これは、積載されるコンテナ23が、既に積載されたコンテナ25上に積載され据え置かれると、上記コンテナ25の頂部隅金具26と係合する(
図4)。本開示の文脈において、新たに積載される、または新たに積載されたばかりのコンテナ23は、上部コンテナ23と称され、既に積載されたコンテナ25は、下部コンテナ25と称される。この場合、止め板27が連結突起21と24との間に設けられ、この止め板は、連結状態で、下部コンテナ25の頂部隅金具26の上に載り、その上に次に上部コンテナ23の底部隅金具22が載る。
【0041】
連結部材20は、連結部材20を識別することができる識別子を有する送信ユニット28を有する。図示の実施形態では、送信ユニット28は、上部連結突起21に配置されている。しかしながら、連結部材20における任意の他の好適な配置で収容されてもよい。連結部材20は、連結部材20の各状態を検出する1つ以上のセンサをさらに有する。本実施形態では、連結部材20は距離センサ29を有する。距離センサ29は、下部コンテナ25までの距離を測定することができる。この場合、距離センサ29は、止め板27において、すなわちその底面30上に配列される。距離センサ29は、止め板27の底面30から下部コンテナ25の頂部隅金具26の頂面31までの距離を測定する(
図4および6参照)。距離センサ29は、代替的に、下部連結突起24に配列されてもよく、次いで、例えば、隅金具26の底部までの距離を測定する。距離センサ29のための他の好適な位置が考えられ、本開示に基づいて当業者には明らかである。
【0042】
下部コンテナ25の頂部隅金具26までの距離を含む距離センサ29によって送信された信号は、指定の現在の距離(例えば、mm単位)であってもよく、距離が連結部材20と下部コンテナ25の頂部隅金具26との正しい連結を示す範囲内にあるかどうかに関する単なるイエス/ノー信号であってもよい。距離センサ29自体は、超音波センサ、レーザセンサ、または距離を測定するために好適な他のセンサであってもよい。イエス/ノー信号を検出するためには、距離センサ29として単なるリミットスイッチまたは圧電素子が十分であり、連結が正しい場合、すなわち、例えば、距離センサ29が頂部隅金具26上に載っているとき(または、距離センサが下部連結突起24に配列されている場合、隅金具26の底部上)距離センサは始動される。
【0043】
距離センサ29に加えて、連結部材20は、上に示したように、1つ以上の他のセンサを含んでもよい。この場合、連結部材は、温度センサ32およびさらなる距離センサ29も有する。この場合、温度センサ32も止め板27の底面30に配列されて下部コンテナ25の頂部隅金具26の温度を測定するため、例えば火災警報の目的のために使用されることができる。さらなる距離センサ29は、上部連結突起21のシャンク34に配列されて上部コンテナ23の底部隅金具22における長穴の縁までの距離を測定する。これは、連結部材20が隅金具22へ挿入されたことを検出するために使用することができ、この信号を使用して、送信ユニット28および他のセンサ29、32を起動することができる。上記センサ29、32に対して代替的または追加的に、所望の用途に応じて、ガスセンサまたは加速度計などの他の/さらなるセンサが設けられてもよい。ガスセンサは、例えば、火災を示す煙ガスを検出するために、または積載された食品の腐敗を示す熟成ガス、または環境もしくは健康に有害な他のガスを検出するために構成されてもよい。加速度計は、海上輸送の間の船舶運動(ローリング、ピッチング、ヨーイング)によって誘発される加速度、したがって連結部材20および隅金具22、26、さらにはコンテナで輸送される貨物にさえ作用する力を検出するために使用されてもよい。そのような力のさらなるまたは代替的な指示は、この目的のために構成されたボトムロック35によって測定された荷重変化によっても提供される。このようなボトムロック35の例は、冒頭で既に述べたWO2016/126163A2から公知である。さらに、追加の/さらなるセンサを使用して、例えば、パレット監視または冷蔵コンテナの監視のために、コンテナ内からデータを収集かつ送信することもできる。
【0044】
コンテナ船上では、これまでに説明した連結部材20が以下のように使用される。
【0045】
積載される新しいコンテナ23の岸壁への配送後、上記コンテナは、荷役作業者が積載される(上部)コンテナ23の実際には常に4つである底部隅金具22のそれぞれへそれぞれ1つの連結部材を挿入できるようにコンテナクレーンによって吊り上げられる(
図2)。これらの連結部材の少なくとも1つは、本発明による連結部材20である。しかしながら、実際には、本発明による連結部材20は、2つの異なる型の連結部材に起因するエラーを回避するため、および/または測定密度を増加させるためだけとしても、4つの底部隅金具22すべてに常に挿入される。連結部材20と、積載の間に上部コンテナ23が置かれる既に積載されたコンテナ25の頂部隅金具26との正しい相互係止の測定は、安全上の理由から、本発明による連結部材20によって、上下部隅金具22、25の4対すべてで既に行われるべきである。
【0046】
実際には、連結部材20はコンテナ船の一部であり、航海の間にコンテナを固定するために必要でない限り、実際にはビンと呼ばれる特別に設けられた箱に入れて船によって運ばれる。荷役作業者は、これらのビンの1つから連結部材20を取り外し、それらを底部隅金具22へ挿入する(
図2)。電力を節約するために、連結部材20は、ビン内にある間は冬眠モードにされ、底部隅金具22へ挿入されない。それらは起動信号によって起こされる。この信号は、例えば、連結部材20の止め板27が下部コンテナ25の頂部隅金具26上に接近または静止するようになるとすぐに距離センサ29による第1の距離計測とすることができる。後者の場合、距離センサは単なる圧電素子であってもよく、静止することになると電流サージを起動信号として送信し、このように同時に正しい相互係止も信号で知らせる。
【0047】
しかしながら、
図1に係る連結部材20の場合には、さらなる距離センサ29が連結部材20を起動させる役割を果たす。したがって、さらなる距離センサ29は、本開示の文脈では起動センサ33とも称される。この起動センサ33により、連結部材20は、その上部連結突起21が底部隅金具22へ挿入されたことを検出され、連結部材20は、この信号によって起動される。起動センサ33は、次に圧電素子であってもよく、シャンク34が隅金具22のスロット穴の縁にぶつかると、起動信号として電流サージを送る。
【0048】
この開示に基づいて、起動センサのためのさらなる好適な位置が当業者には明らかである。さらに、起動センサ33は、ビンからの連結部材20の取り外しを既に検出して起動信号を送信するように設計してもよい。言及されたすべての場合では、連結部材は、起動センサ33によって既に起動されているため、信号が、コンテナ船上でのコンテナ23の吊り上げの間に、既に送信されることができる。この変形例は、本発明のさらなる発展に関して特に重要であり、これは、
図10から13を参照して以下により詳細に説明する。
【0049】
積載される新しい(上部)コンテナ23および連結部材20によって形成される配列は、コンテナ船上で吊り上げられ(
図3)、そこで既に積載された(下部)コンテナ25の1つの上に据え置かれる(
図4)。
図4は、具体的には、最下層の下部コンテナ25上への上部コンテナ23の据え置きを示す。このコンテナは、既に述べたように、通常の方法で、ボトムロック35でコンテナ基礎へ接続され、この場合、重量測定用に構成され、例えば、WO2016/126163A2によるボトムロック35で接続される。上部コンテナ23が下部コンテナ25上に据え置かれることに起因して、コンテナスタックの重量(スタック重量)が変化する。スタック重量のこの変化は、ボトムロック35によって検出され、対応する重量信号36は、重量信号36が発信される各ボトムロックの識別子と共に、ベースユニット37へ送信され、それらのうち、好ましくは、いくつかは船上の適切な配置に分布している。船上のボトムロック35の位置は既知である。実際には、それらはコンテナ基礎に常に残る。連結部材20の距離センサ29は、下部コンテナ25の各頂部隅金具26までの距離を即座の一時的な接続で検出し、対応する距離信号38を送信ユニット28によってベースユニット37へも送信する。このようにして、連結部材20が隅金具26と適切に相互係止しているかどうかを検出することができる。距離信号と共に、送信ユニット28は、距離信号が指定のIDへ、そしてこのように指定の連結部材20へ割り当てることができるように識別信号(ID)を送信し、どこにこの連結部材が配置されているかは既に知られているわけではない。実際には、距離信号は、連結部材20によって送信される他のすべてのステータス信号のように、識別信号を既に含む。どのコンテナスタックに新たに積載された(上部)コンテナ20が結合されているか、そしてどの位置にコンテナが配置されているかは、ボトムロック35による重量測定に基づいて決定される。これは、
図5に係るダイアグラムに示されている。
【0050】
図5に係るダイアグラムの横軸は時間軸を示す一方で、縦軸は底部スタッカー35によって示される特定のコンテナスタックのスタック重量(個々の底部スタッカー35上にかかっている荷重の合計)を示す。経時的な段状の重量進行39を
図5に示す。上部コンテナ23が下部コンテナ25上に据え置かれるとすぐに、スタック重量は上部コンテナ23の重量だけ急激に変化する。即座の時間的関係において(必ずしも正確に同時にではないが)、新たに積載されたコンテナの連結部材20の送信ユニット28は、
図5に4つのドット40のグループによって示されているように、それらの距離信号を送信する。各ドットは、連結部材20のうちの1つの距離信号の時間を表す。比較のために、第2のグループのドット41が示され、これは、より早い時間に送信された連結部材20からの距離信号を表す。線39の後の重量増加までの時間距離のため、これらは異なるコンテナスタックに属していなければならない。このように、新たに積載されたコンテナ23がコンテナ船上のコンテナスタックのどれに結合されているかがわかる。スタック内の新たに積載されたコンテナ23の配置は、底部スタッカー35によって測定された重量変化を単に計数することによってもわかる。スタック重量は最初「ゼロ」である。スタックの最下部コンテナが積載されると(底層のコンテナ)、スタック重量は、最初、その重量だけ急激に変化する。ところで、第2の層のコンテナは、その重量による2番目の急激な重量変化で続くなどである。このプロセスの間に、新たに積載された(上部)コンテナ23の底部隅金具22へ挿入された連結部材20は、対応する距離信号38によって示される最上部の既に積載された(次に下部)コンテナ25の頂部隅金具26と相互係止する。
【0051】
ベースユニット37へ送信された信号は、ベースユニットにより、コンテナ船のオンボードコンピュータなどのCPU42へ中継され、上記CPUによって評価される。測定値または結果として生じる警報信号は、船舶の管理者および/または他の乗組員および/または別の荷役作業者および/またはクレーンオペレータへ表示されるので、それに応じて対応することができる。船上に分布しているベースユニット37は、CPUへ配線されてもよく、それらの信号を無線で送信してもよい。ベースユニット37が許す範囲よりも長い距離を架橋するために、ベースユニット37の1つから信号を受信かつ転送する中継ユニットが設けられてもよい。
図4に示す実施形態では、ベースユニット37は、それら自体のうちの中継ユニットも兼ねている。ベースユニット37の1つの範囲がCPU42に直接到達するのに十分ではない場合、その信号を別の到達可能なベースユニット37へ送信し、必要に応じて、さらなるベースユニット37を介してCPU42へ信号を転送する。
【0052】
据え置き後、すなわち、特に船舶航海の間に、センサは、所望の用途に応じて、各状態変数を検出し、次いで、送信ユニット28によってベースユニット37へ送る。そこから、信号は、上述したように、必要に応じてさらなるベースユニット37を介してCPU42に到達する。距離センサ29および温度センサ32を備えた連結部材20の
図1に係る実施形態では、距離および温度は、連続的または定期的に測定されて1つ以上のベースユニット37を介して送信ユニット28によってCPUへ送信されて船舶の管理者に対して表示するためにCPUによって処理される。
【0053】
ベースユニット37は、例えば、バッテリによって、それら自体の電源を有してもよく、またはコンテナ船の電力源へ接続されてもよい。上記から既に明らかなように、ベースユニット37は、無線信号の範囲に従ってコンテナ船上に戦略的に分布している。
【0054】
CPU42によって検出されて船舶の管理者に対して表示された信号に基づいて、誤動作は、誤動作の型だけでなく積載コンテナのうちのどれから、この誤動作が生じたのかも表示することができるため、即座に的を絞った方法で調査することができる。このようにして、例えば欠陥のある相互係止の原因が何であるかを積み込みの間に既に調査することができる。理想的には、正しい連結/相互係止は、このように、上部コンテナ23を単に再び持ち上げ、それを下部コンテナ25上に再び据え置くことによって達成することができる。これが失敗した場合は、影響が及ぼされたコンテナの荷降ろしを再び行って問題を是正することができる。上述したように、距離センサ29は、海上輸送の間の意図しない係止解除を警告するために、海上輸送の間の様々な他の時間に起動されてもよい。同様に、温度センサ32などの他のセンサは、船舶の危険管理者に警告するために送信ユニット28によって送信される連続的または定期的なデータを提供する。
【0055】
送信ユニット28は、1つ以上のベースユニット37を介してCPU42から信号を受信する送受信ユニットとして構成してもよい。このようにして、測定を要求に応じて行いCPU42へ送信することもできる。電力節約のために、特に、連結要素20を冬眠信号によって冬眠またはスリープモードにし、適切な場合には、CPU42からの起動信号によってそれらを定期的に再起動し、測定データを取り出すことが可能である。
【0056】
図7は、貨物すなわちコンテナ23の専門用語ではディスチャージとして知られる上部コンテナ23の荷降ろしを示す。上記コンテナは、コンテナクレーンによって下部コンテナ25から持ち上げられ、全自動連結部材20が自動的に係止解除する。半自動ツイストロック(SAT)または手動ツイストロックは、荷役作業者によって最初に係止解除をされなければならない。この時点以降、信号の送信は必要とされない。しかしながら、ボトムロック35は重量の変化を依然として検出する。経時的な対応する重量進行39は、
図8に係るダイアグラムに示されている。このように、コンテナスタックが1層小さくなったことがわかる。ここで、ちょうど荷降ろしされた(ディスチャージされた)コンテナ23に代えて新しいコンテナ23が積載される場合、次に、
図3から5を参照して上述した手順に基づいて、このコンテナスタックとのその結合だけでなく、その位置が再び知られる。
【0057】
上部コンテナ23に荷降ろし(ディスチャージ)を行った後、連結部材20は隅金具22から再び取り外され(
図9)、これにより、これらを起動センサ33によって再び冬眠またはスリープモードにして、ビンに積まれることができる。
【0058】
この点に関して記載される本発明のさらなる発展は、
図10から13に示され、同一部品は
図1から9と同じ参照番号が付けられている。
図10は、コンテナ43とその底部隅金具22へ挿入された連結部材20とからなる配列を示す。しかしながら、コンテナ43は、それ自体の少なくとも1つの追加の送信ユニット44も有する。送信ユニットは、追加のセンサ、またはコンテナ43内に配列されたセンサにも連結することができ、コンテナ上または内のステータスデータを記録する。これもまた、温度センサおよび/またはガスセンサおよび/または加速度計であってもよい。さらに、冷凍ユニットなどのコンテナ上の骨材の機能、またはコンテナ内のデータを監視するセンサを使用してもよい。コンテナ内のそのようなデータは、例えば、貨物を監視するために使用されるデータ、ならびに/または貨物を追跡および/もしくは監視するために、例えば、船舶所有者によって使用されるデータであってもよい。また、少なくとも1つの送信ユニット44からの信号は、送信ユニット44に対する識別信号(ID)と共にベースユニット37の1つを介してCPU42へ送信される。実際には、送信ユニット44からの信号には、識別信号が含まれる。少なくとも1つの追加の送信ユニット44は、コンテナ43へ恒久的に取り付けられてもよく、またはコンテナ43がコンテナ船上に積載される前に荷役作業者によって手動で取り付けられてもよい。前者の場合、送信ユニット44およびそれに連結されたセンサは別々に起動されなければならず、後者の場合、それらはコンテナ43への取り付けの間に自動的に起動させることができる。
【0059】
コンテナ43は、ここで、コンテナガントリ45とも称されるコンテナクレーンによってコンテナ船46上に吊り上げられる。このプロセスを
図11および12に示す。領域では、コンテナガントリ45の領域に立っているコンテナ47が、例示の目的のために、積載されるコンテナ43へ加えて示されている。
【0060】
本実施形態によれば、コンテナ船46は、岸壁に面するその長辺に4つの配置ユニットが設けられている。コンテナ船46はまた、コンテナ船が岸壁に着岸する場合に、他方の長辺にも配置ユニットを有し、時には一方の長辺および時には他方の長辺に配置ユニットを有することが理解され、これは実際には定期的に当てはまる。本実施形態によれば、既に船上に存在するベースユニット37のいくつかは、配置ユニットとして再び有利に使用される。
【0061】
配置ユニットとして機能するベースユニット37は、各送信ユニット28、44とベースユニット37との間で信号を授受することによって、4つの連結部材20とコンテナ43へ取り付けられた送信ユニット44との間の距離を連続的に測定する。このように、例えば、三辺測量によって、あるいは三角測量によっても、連結部材20および送信ユニット44の位置を決定することができる。この目的のために、配置ユニットとして機能する少なくとも3つのベースユニット37が必要とされる。しかしながら、図示されるように、好ましくは4つのベースユニット37がこの目的のために使用される。
【0062】
この連続的な位置決めに基づいて、移動パターンが、4つの連結部材20のそれぞれについて、また送信ユニット44についても決定されることができる。
図11では、吊り上げの間のコンテナ43の4つの異なる位置43
I、43
II、43
IIIおよび43
IVが例として示されている。4つの連結部材20および送信ユニット44は、それら自体の間で同一の移動パターンを有し、このように、同一のコンテナ43に結合されているものとして認識されることによって、グループとして認識されることができる。このように、どのコンテナスタック内のどのコンテナ43と、コンテナスタック内のどの位置に送信ユニット44が結合されているかも知られている。この送信ユニット44からの信号に基づいて検出された欠陥は、次に、的を絞った方法で調査し、修正することができる。
【0063】
追加の送信ユニット44なしで積載される新たなコンテナ23の場合でも、上述したように、グループ分けが有利に使用されることができる。距離センサ29が連結部材20の1つまたは2つもしくは3つで故障した場合、距離信号38は、上部コンテナ23が下部コンテナ25上に据え置かれたときには、距離センサから出されない。それから、関連する連結部材20がどのコンテナ23に結合され、その結果、船上のどこに配置されるかは不明である。しかしながら、連結部材20が上述のように一緒にグループ分けされる場合、連結部材20の1つの距離信号38は、それがどのコンテナ23に結合されているかを決定するのに十分である。距離信号38の欠如は、結果として、不具合のある距離センサ29に起因するエラーメッセージを生じるが、これは追跡調査されなければならない。しかしながら、関連する連結部材20上の温度センサ32などの他のセンサの機能およびCPU42との対応するデータ交換は必ずしも妨げられるわけではなく、連結部材は火災検出などの他の目的のために引き続き使用されることができる。
【0064】
極端な場合には、グループ分けに起因して、移動パターンのみに基づいて、全く距離センサ29なしで、特定のコンテナ23、43が配置される位置を決定することさえ可能であろう。コンテナガントリ45の寸法に起因して、特定の湾に一度に1つのコンテナ23、43しか積載することができない。コンテナ23、43をすぐ隣接する湾へ同時に積載することでさえ、実際にはほとんど不可能である。ここで移動パターンは、少なくともコンテナが岸壁の上を依然として移動されている限り検出することができる。これは、どの湾にコンテナが積載されているかがわかっていることを意味する。この湾内のコンテナスタックのためのある積み込み場所に属するボッテムロック35が、ある時間窓内に重量信号36を送信する場合、次に、これは、このコンテナ23、43がこのコンテナスタックに結合されていることを示す。
【0065】
コンテナ43または23の荷降ろしをするとき、手順は再び、
図6から8を参照して説明した通りである。連結部材20、および該当する場合はセンサ44の移動パターンを追跡する必要はない。
【0066】
上述の技術は、甲板上に積載されたコンテナのツイストロックまたはミッドロックに限定されない。それは、例えば、甲板の下方に積載されるコンテナ用のツイストスタッカーのための、あらゆる型の連結部材に有利に使用されることができる。
【0067】
本発明においては、一方ではプロセスステップに関連して記載される特徴と、他方では対応する装置に関連して記載される特徴との間に関係があることが理解される。このように、記載されたプロセスの特徴はまた、これが明示的に言及されていなくても、本発明に固有の装置特徴とみなされるべきであり、逆もまた同様である。
【0068】
個々の実施形態または変形例を参照して記載される本発明の特徴、例えば、一方では本発明によるシステムの個々の構成要素の型および設計、例えば、距離センサ、ベースユニット37および処理ユニット、ならびに他方では、それらの空間的配列、または個々のプロセスステップのそれぞれの実施および順序は、本明細書または添付の特許請求の範囲に別段の指示がない限り、または技術的理由で自明でない限り、他の実施形態にも存在することができる。また、個々の実施形態のこのような特徴のうち、組み合わせて説明すると、必ずしもすべての特徴が各実施形態において常に実現されなければならないわけではない。
【符号の説明】
【0069】
20 連結部材
21 (上部)連結突起
22 (底部)隅金具
23 (上部)コンテナ
24 (下部)連結突起
25 (下部)コンテナ
26 (頂部)隅金具
27 止め板
28 送信ユニット
29 距離センサ
30 底面
31 頂面
32 温度センサ
33 起動センサ
34 シャンク
35 ボトムロック
36 重量信号
37 ベースユニット
38 距離信号
39 重量進行
40 ポイントのグループ
41 ポイントのグループ
42 CPU
43 コンテナ
44 送信ユニット
45 コンテナガントリ
46 コンテナ船
47 コンテナ
【手続補正書】
【提出日】2022-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコンテナ(23、
43)の第1の隅金具(22)を第2のコンテナ(25)の第2の隅金具(26)と、少なくとも互いに対する水平変位に対して、固定するための連結部材(20)であって、
前記第1の隅金具(22)および/または前記第2の隅金具(26)までの距離を検出するように構成された距離センサ(29)と、
識別信号と
前記第1の隅金具(22)および/または第2の隅金具(26)までの前記検出された距離を表す距離信号(38)とを送信するように構成された送信ユニット(28)とを特徴とする連結部材(20)。
【請求項2】
前記連結部材(20)のさらなる状態、例えば、温度および/または前記連結部材(20)の開もしくは閉状態および/または加速度および/または所定のガスの存在を、前記連結部材(20)の各状態として検出するために構成される、
さらなるセンサ(32)を特徴とする、請求項1に記載の連結部材(20)。
【請求項3】
前記送信ユニット(28)は、信号を受信もするための送受信ユニットとして構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の連結部材(20)。
【請求項4】
起動および不起動するように構成された起動手段(33)、特に、前記連結部材(20)の隅金具(22)への挿入を検出するように構成されたセンサを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の連結部材(20)。
【請求項5】
コンテナ
(23、43)と、前記コンテナ(23、43)の前記第1の隅金具(22)の少なくとも1つに結合された、請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも1つの連結部材(20)と、を備える配列。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の前記連結部材(20)の1つが前記コンテナ(23
、43)の前記第1の隅金具(22)のそれぞれに結合することを特徴とする、請求項5に記載の配列。
【請求項7】
状態、例えば、温度および/もしくは所定のガスの存在および/もしくは前記コンテナ(43)の骨材の誤動作のデータ、ならびに/または前記コンテナ(43)内の積荷に関するデータを送信するように構成された、前記コンテナ(43)上の追加の送信ユニット
(43)を特徴とする、請求項5または6に記載の配列。
【請求項8】
それぞれが互いの頂部に積み重ねられたコンテナ
(23、43、25)の1つのスタック用である複数のスロットに
積み重ねられたコンテナ(
23、43、25)と、底
部連結部材(35)と、連結部材(20)とを備えるコンテナ船において、最下部コンテナ(25)は、その積み重ねられた状態では、前記底部連結部材(35)によってコンテナ基礎へ固定され、頂部に積み重ねられた上部コンテナ
(23、43)は、少なくとも互いに対する水平変位に対して、それらの隅金具(22、26)で前記連結部材(20)によって互いへ固定される、コンテナ船であって、
前記底部連結部材(35)の少なくとも1つは重量変化を検出するために構成され、
請求項1から4のいずれか一項に記載の前記連結部材(20)は、各上部コンテナ(23、43)の前記隅金具(22)の少なくとも1つへ挿入され、そして
少なくとも1つのベースユニット(37)が、前記連結部材(20)の前記信号(38)を受信かつ転送するために設けられていることを特徴とする、コンテナ船(46)。
【請求項9】
少なくとも3つの互いから離れた位置決めユニットが、前記コンテナ船(46)上の前記コンテナ(25)の1つの吊り上げの間に、請求項1から4のいずれか一項に記載の連結部材(20)のそれぞれを配置することが可能であるように前記コンテナ船(46)上に分布していることを特徴とする、請求項8に記載のコンテナ船(46)。
【請求項10】
少なくとも1つのベースユニット(37)が信号を前記連結部材(20)へ送信するためにさらに構成されていることを特徴とする、請求項8または9に記載のコンテナ船(46)。
【請求項11】
複数のベースユニットにおいて、ベースユニット(37)の所定のグループに対して、各中継ユニット(50)が、このベースユニット(37)のグループとの間で送られたすべての信号を受信し、そして該当する場合、送信し、これらの信号を処理ユニット(42)へ、特にオンボードコンピュータへ転送するために設けられていることを特徴とする、請求項8から10のいずれか一項に記載のコンテナ船(46)。
【請求項12】
請求項5から7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの配列をさらに特徴とする、請求項8から11のいずれか一項に記載のコンテナ船(46)。
【請求項13】
請求項8から12のいずれか一項に記載のコンテナ船(46)上のコンテナ(23、43)の位置を決定するための方法は、以下の:
請求項1から4のいずれか一項に記載の連結部材(20)を、積載されるコンテナ(23、43)の底部隅金具(22)の少なくとも1つへ挿入して、前記積載されるコンテナ
(23、43)を既に積載されたコンテナ(25)上へ吊り上げ、
前記積載されるコンテナ
(23、43)の前記既に積載されたコンテナ(23、43、25)上への据え置きを検出し、対応する距離信号(38)をベースユニット(37)へ送信し、
この連結部材(20)からの識別信号を前記距離信号(38)と共にベースユニット(37)へ送信し、
コンテナスタックの最下部コンテナ(25)をコンテナ基礎と接続する底部連結部材(35)での重量変化を検出し、重量変化信号(36)を前記ベースユニット(37)へ送信し、
前記信号を処理ユニット(42)へ、特にオンボードコンピュータへ転送し、
前記距離信号(38)と前記重量変化信号(36)との間の時間的差に基づいて、前記連結部材(20)が前記底部連結部材(35)と同じコンテナスタックに結合されているかどうかを決定し、
前記底部連結部材(35)によって測定された前記重量変化を計数することによって前記コンテナスタックにおける前記積載されるコンテナ(23、43)の前記位置を決定するステップを備える方法。
【請求項14】
請求項1から4のいずれか一項に記載の各連結部材(20)が前記上部コンテナ(23)のそれぞれの前記隅金具(22)のそれぞれへ挿入されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
距離信号(38)が適用可能な場合には、さらなるセンサ(32)の信号とを用いることおよび/または前記追加の送信ユニット
(43)へ連結されたセンサからのデータは、周期的におよび/または前記処理ユニット(42)に促されて、特に前記コンテナ(23、43、25)の輸送の間にも検出され、前記結合された連結部材(20)の状態の、および/または警報信号の、ならびに位置の、表示が出ることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
特定のコンテナ(25)と結合された前記連結部材(20)は、少なくとも3つの位置決めユニットによる三辺測量
または三角測量を介する前記船上のコンテナ(25)の吊り上げの間に、前記連結部材(20)によって送信された信号を配置することによって1つのグループ内へ検出されることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【請求項17】
前記コンテナ(25)に結合された連結部材(20)は、前記吊り上げの間に、それらの移動パターンに起因してグループとして検出されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、少なくとも互いに関して水平変位を防止するために、第1のコンテナの第1の隅金具を第2のコンテナの第2の隅金具へ固定するための連結部材に関する。本発明は、さらに、コンテナおよびこのような連結部材の配列、ならびに、それぞれが上下に積み重ねられたコンテナの1つのスタック用である複数のスロットに、積み重ねられたコンテナと、底部連結部材(35)と連結部材(20)とを備えるコンテナ船に関し、ここで、積み重ねられた状態では、最下部コンテナは、床連結部材によってコンテナ基礎へ固定され、上部コンテナは、上記最下部コンテナの上に積み重ねられるが、少なくとも水平変位に対して、互いへ、それらの隅金具で連結部材によって固定される。最後に、本発明は、コンテナ船上のコンテナの位置を決定するための方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
遠隔操作された連結部材およびその使用方法は、WO2006/025790A1、WO 2008/153494 A1および、 WO 2018/172518 A1から公知である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
コンテナ船舶の貨物の取り扱いのための停泊時間は、コンテナ船のオペレータにとって非常に経済的に重要である。一方では、デマレージは、多くの場合、停泊時間に従って直接計算され、他方では、コンテナ船のオペレータは、停泊することによってではなく、商品を輸送することによってお金を稼ぐ。したがって、停泊時間を短縮することは、多くの点で望ましい。この目的のために、上述のWO2006/025790A1、WO 2008/153494 A1および、WO 2018/172518 A1は、適切な時に遠隔で係止解除することができる連結部材または連結部材の組み合わせを教示している。これを実施するためには、港湾作業者によるコンテナ上への設置後、連結部材は、このコンテナへ手動で割り当てられ、一意の識別子が設けられる。さらに、安全装置がコンテナに取り付けられ、識別子を介して割り当てられることができる。こうして、一方では、係止解除や一部解除のための信号が指定のコンテナの連結部材へ送信されることができ、他方では、安全装置からのメッセージもベースへ送信することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
コンテナ船上のコンテナにより商品を輸送するとき、甲板上に積載されたコンテナが連結部材によって確実に連結されることは、安全性および信頼性のためにさらに不可欠である。実際、コンテナが積載されているときに、4つの連結部材のうちの1つ以上が、その下方に配列されたコンテナの結合された隅金具で実際には正しく連結しないことも起こる。荷役作業者または船舶乗組員は、特に、より高いコンテナスタックの場合、純粋な目視検査によって、これを確実に認識することができない。したがって、Conver-OSR半自動ツイストロックCV-12は、止め板に赤いプランジャーが設けられ、ツイストロックの下部積み込みコーンを連結位置内へ完全に回転すると、止め板内へ完全に引き込まれるので、コンテナスタックに沿って下方から見上げると見えなくなった。しかしながら、不完全に回転した下部連結突起の場合、プランジャーは突き出て見ることができた。しかしながら、このプランジャーは、下部積み込みコーンが連結位置内へ完全に回転されたということだけを示した。このように、ツイストロックも下部コンテナの頂部隅金具と確実に連結されていることはまだ定かではない。さらに、このシステムは、可動の下部連結突起を有していないため、ミッドロックまたは全自動連結部材と使用することができない。また、2つの20フィートコンテナが40フィートコンテナのスロットに次々に積載されたとき、それらの間には約76mm(3インチ)のギャップしかない。したがって、類似している機器の場合であっても、ミッドロックまたは全自動連結要素から、そのようなプランジャーは全く見えないので、視覚的な制御はとにかく可能ではないであろう。しかしながら、コンテナスタックのアクセス可能な端面でも、目視検査は非常に時間がかかり、エラーが発生しやすくなるであろう。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明によると、連結部材は、第1の隅金具および/または第2の隅金具までの距離を検出するために構成された距離センサと、センサを識別するための識別信号と第1の隅金具および/または第2の隅金具までの検出された距離を表す距離信号とを送信するために構成された送信ユニットとを特徴とする。確かに、識別信号および距離信号は理論的には別々に送信することができる。しかしながら、実際には、共通の送信ユニットが、各信号で、識別用の一意の識別子を同時に送信するように据え付けられている。言い換えると、識別信号は、連結部材が識別される一意の識別子であり、通常は、距離と共に送信される。このように、実際には、距離信号と識別信号との本当の分離はない。むしろ、それらは統一信号として送信される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
この発明によれば、どの固定要素が識別信号に基づいてステータス信号を供給するかがわかる。ステータス信号が船の乗組員、クレーンオペレータ、または荷役作業者の介入を必要とする条件を示す場合は、原因を具体的に排除するか、または対策を講じることができる。そうする際、乗組員または荷役作業者は対応する連結部材へ具体的に誘導されることができ、このように、欠陥は安全かつ迅速に修正することができる。この発明によれば、センサおよび送信ユニットは連結部材に一体化される。これは、連結部材がコンテナの隅金具へ挿入されるたびに、各センサおよび結合された送信ユニットも同時に挿入されることを意味する。別々の設置のための労力が追加されない。加えて、従来のコンテナは、変換することなく使用することができる。コンテナ船は、連結部材を交換して結合された電子機器を単に組み込むことによって改造することができる。連結部材は、距離センサによって測定された距離が正確に定義された範囲にある場合、正しく相互係止していることが想定され、この範囲内では、経験または技術仕様、特に下部連結突起と下部コンテナの頂部隅金具との間の、使用される指定の連結部材に対して構造的に定義されている鉛直クリアランスに基づいて、正しい相互係止を想定することができる。このように、距離センサを使用して、各コンテナが正しく連結または相互係止されて錨止めまたは固定されているのかどうかを確実に判定することができる。コンテナが正しく相互係止されていないと判定された場合、結合されたコンテナ隅金具までの各距離を送信するだけでなく識別されるのでコンテナスタックにおいて割り当てられた空間位置は推測されることができる距離センサによって送信される信号は、どこで、具体的に、特定の連結部材が正しく相互係止されていないかに関する確実な情報を提供する。したがって、欠陥のある相互係止が、コンテナ船の積載の間に既に検出されて修正されることができる。距離センサは、既存の実際の距離を正確に測定するように設計されることができる。あるいは、距離センサは、例えば、所定の距離が設計によって指定された鉛直クリアランスを下回っているかどうかをデジタルで検出するように設計されることもできる。後者の場合、距離センサは、例えば、リミットスイッチとして設計されることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
さらなる発展によると、さらなる状態、例えば、温度および/または連結部材の開もしくは閉状態および/または加速度および/または所定のガスを、連結部材の各状態として検出するように構成されることができるように、さらなるセンサを設けてもよい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
本発明によるコンテナ船は、底部連結部材の少なくとも1つが重量の変化を検出するために構成されること、本発明による連結部材が各上部コンテナの隅金具の少なくとも1つへ挿入されること、および少なくとも1つのベースユニットが連結部材の信号を受信かつ転送するためコンテナ船上に設けられていることを特徴とする。本発明による少なくとも1つの連結部材が下部コンテナの頂部隅金具と相互係止すると、対応するセンサが信号を送信する。ほぼ同時に、少なくとも1つの底部連結部材(底部スタッカーまたはボトムロック)は、重量の変化を検出する。これで、どのコンテナスタックの上に新しく積載されたコンテナが置かれたかがわかる。重量変化を単に計数することによって、コンテナの位置、したがってコンテナ船上のその指定の位置(湾、列および配置)もわかる。このように、指定の連結部材から生じる欠陥のある、あるいは危険でさえある状態の報告は、具体的なコンテナの位置に関連付けられることができる。船舶の乗組員、または積載/荷降ろしプロセスの間に報告が生じた場合は、積み込み人員がこのコンテナに誘導され報告を調査することができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
コンテナの2つ以上の連結部材に本発明による連結部材が設けられ、センサが状態を検出するセンサ、連結要素の正しい相互係止を検出する距離センサである場合は、次にこれらの連結要素は、このコンテナが下部コンテナ上に据え置かれ、連結部材が相互係止するとすぐに、特定のコンテナに結合されているものとして自動的に検出される。上で既に説明したように、ボトムロックは次いで、それらが相互係止しているという本発明による連結要素からの信号との直接的な時間的関係における重量の変化を検出する。これらの連結部材の1つの距離センサがここで故障した場合、連結部材が相互係止しているという信号は送信されない。その後、荷役作業者または船舶の乗組員がこれを調査しなければならない。また、この連結部材がコンテナに結合されているものとして認識されないというさらなる欠点もある。連結部材が温度センサなどの他のセンサを有する場合、追加の温度信号が送信される。しかしながら、これらのは指定のコンテナへ割り当てられることができない。これは、容認できない温度は、したがって、的を絞った方法では追跡することができないことを意味する。したがって、コンテナへ割り当てられた連結部材は、上部の新しく積載されたコンテナを下部コンテナ上に単に据え置くことによって可能ではない場合でも、グループとして認識されることが望ましい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
この目的のために、本発明によるコンテナ船のさらなる発展によれば、少なくとも3つの空間的に離れた配置ユニットが、船上のコンテナのうちの1つの吊り上げの間に、本発明による各連結部材が配置されることができるようにコンテナ船上に分布していることができる。少なくとも3つの空間的に離れた配置ユニットで、本発明による連結部材の位置を、例えば、三辺測量によって検出することができ、例えば、それらの経路は、船舶上でのコンテナの吊り上げの間に追跡することができる。同じ移動パターンを有する本発明による連結部材は、同じコンテナの隅金具に挿入され、このようにグループとして検出することができる。それらの連結部材のうちの1つの距離センサが故障した場合でも、特定のコンテナに結合されていると依然として認識される。これは、2つまたは3つの距離センサが故障した場合でも、距離センサが少なくとも連結部材の1つに対して正しく機能しかつすべての連結部材が、それらの識別証を送信する限り、機能する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
船上でコンテナ位置を決定するための本発明による方法は、以下のステップからなる:請求項1から4のいずれか一項に記載の連結部材を、積載されるコンテナの底部隅金具の少なくとも1つへ挿入して積載されるコンテナを既に積載されたコンテナ上へ吊り上げるステップと、既に積載されたコンテナ上に積載されるコンテナの据え置きを検出して距離信号をベースユニットへ送信するステップと、距離信号と共にこの連結部材から識別信号をベースユニットに送信するステップと、コンテナスタックの最下部コンテナをコンテナ基礎へ接続する底部連結部材の重量変化を検出して重量変化信号をベースユニットへ送信し、信号を処理ユニット、特にオンボードコンピュータへ転送し、距離信号と重量変化信号との間の時間的差に基づいて、連結部材が底部連結部材と同じコンテナスタックに結合するかどうかを判断し、底部連結部材によって測定された重量変化をカウントするとこにより積み重なったコンテナの中で積載するコンテナの位置を決定するステップを備える。既に上述したように、実際には、すべての送信された信号は、連結部材または底部連結部材がそれ自体を識別する識別子を常に含む。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
本発明による方法の有利なさらなる発展によれば、距離信号および場合によってはさらなるセンサの信号または追加の送信ユニットと連結されたセンサからのデータは、周期的におよび/または処理ユニットによる要求に応じて、特にコンテナの輸送の間にも検出または収集することができ、状態および/または警報信号ならびに結合された連結部材の位置の表示が、疑わしい場合に正しい連結/相互係止または別の状態を再確認するために、または連続的な監視によって安全性を向上させるために開始されることができる。例えば、温度を連続的または定期的に測定して、例えば火災を早期に検出することもできる。他の状態データも、状態の危険な変化を早期に検出するために、連続的または定期的に測定することができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
距離センサ29に加えて、連結部材20は、上に示したように、1つ以上の他のセンサを含んでもよい。この場合、連結部材は、温度センサ32およびさらなる距離センサ33も有する。この場合、温度センサ32も止め板27の底面30に配列されて下部コンテナ25の頂部隅金具26の温度を測定するため、例えば火災警報の目的のために使用されることができる。さらなる距離センサ29は、上部連結突起21のシャンク34に配列されて上部コンテナ23の底部隅金具22における長穴の縁までの距離を測定する。これは、連結部材20が隅金具22へ挿入されたことを検出するために使用することができ、この信号を使用して、送信ユニット28および他のセンサ29、32を起動することができる。上記センサ29、32に対して代替的または追加的に、所望の用途に応じて、ガスセンサまたは加速度計などの他の/さらなるセンサが設けられてもよい。ガスセンサは、例えば、火災を示す煙ガスを検出するために、または積載された食品の腐敗を示す熟成ガス、または環境もしくは健康に有害な他のガスを検出するために構成されてもよい。加速度計は、海上輸送の間の船舶運動(ローリング、ピッチング、ヨーイング)によって誘発される加速度、したがって連結部材20および隅金具22、26、さらにはコンテナで輸送される貨物にさえ作用する力を検出するために使用されてもよい。そのような力のさらなるまたは代替的な指示は、この目的のために構成されたボトムロック35によって測定された荷重変化によっても提供される。このようなボトムロック35の例は、冒頭で既に述べたWO2016/126163A2から公知である。さらに、追加の/さらなるセンサを使用して、例えば、パレット監視または冷蔵コンテナの監視のために、コンテナ内からデータを収集かつ送信することもできる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
しかしながら、
図1に係る連結部材20の場合には、さらなる距離センサ
33が連結部材20を起動させる役割を果たす。したがって、さらなる距離センサ
33は、本開示の文脈では起動センサ33とも称される。この起動センサ33により、連結部材20は、その上部連結突起21が底部隅金具22へ挿入されたことを検出され、連結部材20は、この信号によって起動される。起動センサ33は、次に圧電素子であってもよく、シャンク34が隅金具22のスロット穴の縁にぶつかると、起動信号として電流サージを送る。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
この開示に基づいて、起動センサ
33のためのさらなる好適な位置が当業者には明らかである。さらに、起動センサ33は、ビンからの連結部材20の取り外しを既に検出して起動信号を送信するように設計してもよい。言及されたすべての場合では、連結部材は、起動センサ33によって既に起動されているため、信号が、コンテナ船上でのコンテナ23の吊り上げの間に、既に送信されることができる。この変形例は、本発明のさらなる発展に関して特に重要であり、これは、
図10から13を参照して以下により詳細に説明する。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
図5に係るダイアグラムの横軸は時間軸を示す一方で、縦軸は底部スタッカー35によって示される特定のコンテナスタックのスタック重量(個々の底部スタッカー35上にかかっている荷重の合計)を示す。経時的な段状の
ステップ状の重量進行39を
図5に示す。上部コンテナ23が下部コンテナ25上に据え置かれるとすぐに、スタック重量は上部コンテナ23の重量だけ急激に変化する。即座の時間的関係において(必ずしも正確に同時にではないが)、新たに積載されたコンテナの連結部材20の送信ユニット28は、
図5に4つのドット40のグループによって示されているように、それらの距離信号を送信する。各ドットは、連結部材20のうちの1つの距離信号の時間を表す。比較のために、第2のグループのドット41が示され、これは、より早い時間に送信された連結部材20からの距離信号を表す。線39の後の重量増加までの時間距離のため、これらは異なるコンテナスタックに属していなければならない。このように、新たに積載されたコンテナ23がコンテナ船上のコンテナスタックのどれに結合されているかがわかる。スタック内の新たに積載されたコンテナ23の配置は、底部スタッカー35によって測定された重量変化を単に計数することによってもわかる。スタック重量は最初「ゼロ」である。スタックの最下部コンテナが積載されると(底層のコンテナ)、スタック重量は、最初、その重量だけ急激に変化する。ところで、第2の層のコンテナは、その重量による2番目の急激な重量変化で続くなどである。このプロセスの間に、新たに積載された(上部)コンテナ23の底部隅金具22へ挿入された連結部材20は、対応する距離信号38によって示される最上部の既に積載された(次に下部)コンテナ25の頂部隅金具26と相互係止する。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
ベースユニット37へ送信された信号は、ベースユニットにより、コンテナ船のオンボードコンピュータなどのCPU42へ中継され、上記CPUによって評価される。測定値または結果として生じる警報信号は、船舶の管理者および/また
は乗組員および/または別の荷役作業者および/またはクレーンオペレータへ表示されるので、それに応じて対応することができる。船上に分布しているベースユニット37は、CPUへ配線されてもよく、それらの信号を無線で送信してもよい。ベースユニット37が許す範囲よりも長い距離を架橋するために、ベースユニット37の1つから信号を受信かつ転送する中継ユニットが設けられてもよい。
図4に示す実施形態では、ベースユニット37は、それら自体のうちの中継ユニットも兼ねている。ベースユニット37の1つの範囲がCPU42に直接到達するのに十分ではない場合、その信号を別の到達可能なベースユニット37へ送信し、必要に応じて、さらなるベースユニット37を介してCPU42へ信号を転送する。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
コンテナ43は、ここで、コンテナガントリ45とも称されるコンテナクレーンによってコンテナ船46上に吊り上げられる。このプロセスを
図11および12に示す
。コンテナガントリ45の領域に立っているコンテナ47
が積載されるコンテナ43へ加えて示されている。
【国際調査報告】