(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-21
(54)【発明の名称】燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム
(51)【国際特許分類】
B60L 58/40 20190101AFI20230713BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20230713BHJP
H01M 8/04746 20160101ALI20230713BHJP
H01M 8/249 20160101ALI20230713BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20230713BHJP
H01M 10/44 20060101ALN20230713BHJP
H02J 7/34 20060101ALN20230713BHJP
【FI】
B60L58/40
H01M8/04858
H01M8/04746
H01M8/249
H01M8/00 A
H01M10/44 P
H02J7/34 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574550
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 SE2021050423
(87)【国際公開番号】W WO2021246928
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522470404
【氏名又は名称】フューエル セル テクノロジー スウェーデン アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーバー、セバスティアン
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5H125
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5G503AA05
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA04
5G503FA06
5G503GB03
5H030AA01
5H030AS08
5H030BB03
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC12
5H125BB07
5H125BD01
5H125EE23
5H125EE27
5H125EE33
5H125EE37
5H125FF08
5H126AA21
5H126BB06
5H127AA06
5H127AB04
5H127AB13
5H127AB29
5H127AC01
5H127DB53
5H127DB99
5H127DC02
5H127DC22
5H127DC44
5H127DC45
5H127DC96
5H127FF04
(57)【要約】
ここで説明するのは、直列接続された燃料電池(FC1-n)の1つまたは複数の組(2)を備える燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム(1)である。1つ以上の組(2)の直列接続された燃料電池(FC1-n)は、さらに、それぞれの燃料電池直列エンハンサ(3)を介して直列接続される。直列接続された組(2)は、更に、燃料電池充電コントローラ(5)を介してバッテリ(4)と並列に接続される。直列接続された燃料電池(FC1-n)のそれぞれの組(2)は、更に、直列接続された燃料電池(FC1-n)の他の組(2)から電気的に独立して動作するように燃料電池直列エンハンサ(3)によって制御され、直列接続された燃料電池(FC1-n)の他の組(2)の動作点に関係なく、自身の独特の最大電力点又は独自に選択された他の動作点で動作するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された燃料電池(FC1-n)の1つ以上の組(2)を含み、前記直列接続された燃料電池(FC1-n)の1つ以上の前記組(2)は、さらに、それぞれ燃料電池直列エンハンサ(3)を介して直列接続され、直列接続された前記組(2)はさらに、燃料電池充電コントローラ(5)を介してバッテリ(4)と並列接続され、
前記直列接続された燃料電池(FC1-n)のそれぞれの前記組(2)は、直列接続された前記燃料電池(FC1-n)の他の前記組(2)の動作点に関係なく、独自の最大電力点又は一意に選択された他の動作点で、前記直列接続された燃料電池(FC1-n)の他の前記組(2)から電気的に独立して動作するように、前記燃料電池直列エンハンサ(3)により制御されるように構成される、燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム。
【請求項2】
前記燃料電池充電コントローラ(5)は、前記直列接続された燃料電池(FC1-n)の前記組(2)の動作点を最大電力点に調整し、前記バッテリ(4)の定電流充電位相について、前記バッテリ(4)の充電又は負荷の状態に基づいて、前記バッテリ(4)の電圧をフォローし、前記バッテリ(4)へ最大電流を供給するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム(1)。
【請求項3】
前記直列接続された燃料電池(FC1-n)のそれぞれの前記組(2)が、最適な発電及び熱状態に関連して、前記燃料電池(FC1-n)への水素及び空気の流れを調整するように構成された電力コントローラを更に備える、請求項1又は2に記載の燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム(1)。
【請求項4】
それぞれの前記燃料電池直列エンハンサ(3)が、パルス幅変調ループを使用して前記直列接続された燃料電池(FC1-n)のそれぞれの前記組(2)の出力を制御するように構成された、少なくとも1つのDC-DCコンバータを備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム(1)。
【請求項5】
前記パルス幅変調ループが、前記最大電力点又は一意に選択された前記他の動作点を探索するために、所定のステップ幅で前記動作点の電圧を変化させ、前記直列接続された燃料電池(FC1-n)のそれぞれの前記組(2)の出力を制御して前記最大電力点又は一意に選択された前記他の動作点を維持するように構成される、請求項4に記載の燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム(1)。
【請求項6】
前記直列接続された燃料電池(FC1-n)のそれぞれの前記組(2)のそれぞれの前記燃料電池(FC1-n)が、前記組(2)の他の前記燃料電池の動作点で動作することができない場合に、それぞれの前記燃料電池の電流バイパスを提供するように配置されたバイパス機能(6)をさらに備えた、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム(1)。
【請求項7】
前記バイパス機能(6)が、設定可能な閾値で前記燃料電池のバイパスを提供し、所定の設定可能な時間の間に到達した別の設定可能な閾値に続くバイパスを停止するように構成される、請求項6に記載の燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム(1)。
【請求項8】
前記直列接続された燃料電池(FC1-n)の前記組(2)の前記燃料電池(FC1-n)が、開放式の単一陽子交換膜燃料電池である、請求項1~7のいずれか1項に記載の燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、燃料電池とバッテリのハイブリッドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、近年、道路車両のエネルギ使用の成果をCO2排出から無害なH2O排出、すなわち排水へと移行させることを目的としたゼロエミッション自動車ソリューションのための用途のような、多数の用途に使用するのに適したものとして関心が高まっている。
【0003】
燃料電池は、定常状態で信頼性のある電力を供給するのに優れたエネルギ源であるが、しかしながら、電気的負荷過渡現象に迅速に応答することはできない。これは、遅い内部電気化学的および熱力学的特性に起因する。さらに、燃料電池は、利用可能な水素と酸素、その湿度、温度などに基づいて変化する特定の電気的条件の下で、最大の電力しか供給できないため、車両推進システムへのこの技術の組み込みは遅くなってきた。
【0004】
しかしながら、道路用車両のための電気動力発生のために燃料電池を使用する利点は、そのような道路用車両が、現在の純粋なバッテリ電気自動車の通常ではむしろ長い充電時間と比較して、水素補給ステーションから迅速かつ容易に再供給され得る車載水素貯蔵ユニットを使用し得ることである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、改良された燃料電池とバッテリのハイブリッドシステムを提供することである。
【0006】
第1の態様によれば、
直列接続された燃料電池(FC1-n)の1つ以上の組(2)を含み、直列接続された燃料電池(FC1-n)の1つ以上の組(2)は、さらに、それぞれ燃料電池直列エンハンサ(3)を介して直列接続され、直列接続された組(2)はさらに、燃料電池充電コントローラ(5)を介してバッテリ(4)と並列接続され、直列接続された燃料電池(FC1-n)のそれぞれの組(2)は、直列接続された燃料電池(FC1-n)の他の組(2)の動作点に関係なく、独自の最大電力点又は一意に選択された他の動作点で、直列接続された燃料電池(FC1-n)の他の組(2)から電気的に独立して動作するように、燃料電池直列エンハンサ(3)により制御されるように構成される、燃料電池とバッテリのハイブリッドシステムを提供する。
【0007】
上記の燃料電池とバッテリのハイブリッドシステムは、電気的負荷過渡現象に対する迅速な応答を可能にする。
【0008】
一実施形態では、燃料電池電力充電コントローラは、直列接続された燃料電池の組の動作点をその最大電力点に調整し、バッテリの定電流充電フェーズのために、バッテリの電圧をフォローし、バッテリの充電状態または負荷に基づいて最大電流をバッテリに供給するように構成される。
【0009】
他の実施形態では、直列接続された燃料電池のそれぞれの組は、更に、最適な発電及び熱条件に関連して、燃料電池への水素及び空気の流れを調整するように配置された電力コントローラを含む。
【0010】
さらなる実施形態では、それぞれの燃料電池直列エンハンサは、パルス幅変調ループを使用して、直列接続された燃料電池のそれぞれの組の出力を制御するように構成された少なくとも1つのDC-DCコンバータを備える。
【0011】
これらの更なる実施形態のいくつかにおいて、パルス幅変調ループは、所定のステップ幅で動作点電圧を変化させて、最大電力点又は一意に選択された他の動作点を探索し、直列接続された燃料電池のそれぞれの組の出力を制御して、最大電力点又は一意に選択された他の動作点を維持するように構成される。
【0012】
更なる実施態様において、直列接続された燃料電池のそれぞれの組におけるそれぞれの燃料電池は、更に、当該組における他の燃料電池の動作点で機能することができない場合に、当該それぞれの燃料電池の電流バイパスを提供するように構成されたバイパス機能を備えている。
【0013】
それらの追加の実施形態のいくつかでは、バイパス機能は、設定可能な閾値で燃料電池のバイパスを提供し、ある設定可能な時間の間に到達した別の設定可能な閾値に続いてバイパスを停止するように構成される。
【0014】
さらに別の実施態様において、直列接続された燃料電池における燃料電池は、開放式の単一陽子交換膜燃料電池である。
【0015】
上記実施形態の幾つかは、燃料電池とバッテリのハイブリッドシステムが電気的負荷過渡現象に迅速に応答することを可能にするという有益な効果を有する。
【0016】
電気的負荷過渡現象に対する迅速な応答を可能にすることに加えて、上記実施例の少なくとも幾つかは、直列接続された燃料電池が、それらの集合的な最大電力を広範囲の負荷条件に送出することを可能にする。
【0017】
さらに、上記の実施形態の少なくともいくつかは、直列接続された燃料電池における不整合をなくし、したがって、それから生じる潜在的な電力損失をなくすことを可能にする。
【0018】
以下では、添付の図面を参照して、単に例として本明細書中の実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本明細書中の実施形態による燃料電池とバッテリのハイブリッドシステムを概略的に示す。
【
図2】
図2は、燃料電池制御システム及びバッテリ管理システムを備えた燃料電池とバッテリのハイブリッドシステムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、改良された燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1の幾つかの実施形態例を説明する。燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1は、電気負荷過渡状態に迅速に応答することができ、したがって、例えば、道路車両のための電気動力を発生するのに適している。
【0021】
図1に示されるように、燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1は、
図1において破線で枠付けされるように、本明細書では燃料電池直列の組とも呼ばれる直列接続された燃料電池FC1-nの1つ又は2つ以上の組を備える。それぞれ組2のFC1-nは直列接続されており、より高いポテンシャルを実現しているので、組2の制御が容易である。
【0022】
1組以上の直列接続された燃料電池FC1-nの組2は、それぞれの燃料電池直列エンハンサ3を介してさらに直列接続される。燃料電池を直列接続すると、電池の動作不整合に対する感度が生じ、その結果、現実世界の条件下では、最適な電力およびエネルギ生成が得られない。燃料電池直列エンハンサ3を使用することにより、直列接続された燃料電池FC1-nが、それらの集合的な最高電力を広範囲の負荷状態に送ることができる。この増強された電気的フレキシビリティは、直列接続された燃料電池におけるミスマッチからの電力損失を排除し、最終的にエネルギ生産およびシステム1の設計のフレキシビリティを改善する。
【0023】
燃料電池直列エンハンサ3は、静的に選択された燃料電池の動作点又は通常のバイパスダイオードを使用する場合と比較して、燃料電池システムの動作寿命期間にわたる性能低下を低減し、高い電力損失を排除するという更なる利点を有し、直列接続された燃料電池の動作電圧及び電流を制限するための動作点を確立することを容易にする。
【0024】
直列接続された燃料電池FC1-nの組2は、更に、燃料電池充電コントローラ5を介して、リチウムイオン電池のようなバッテリ4と並列に接続される。最大電力点を探索する(MPPT)燃料電池充電コントローラ5を使用して、それぞれの燃料電池直列エンハンサ3を介して接続された、直列接続された燃料電池FC1-nの組2から最大利用可能な電力を抽出する。直列接続された燃料電池FC1-nの組2の動作点は、その最大電力点に調整され、バッテリ4の定電流充電フェーズに対して、バッテリ4の電圧をフォローし、最大電流をバッテリ4に供給する。
【0025】
直列接続された燃料電池FC1-nのそれぞれの組2は、直列接続された燃料電池FC1-nの他の組2から電気的に独立して動作するように、及び直列接続された燃料電池FC1-nの他の組2の動作点にかかわらず、自身の独自の最大電力点又は独自に選択された他の動作点で動作するように、燃料電池直列エンハンサ3によってさらに制御される。
【0026】
燃料電池システムの動作は、バッテリの充電状態または電力の追加の外部供給源の必要性に基づいて要求される。
【0027】
したがって、上記の燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1は、電気的負荷の過渡現象に対する迅速な応答を可能にする。これは、燃料電池自体が定常状態で信頼性のある電力を供給する良好なエネルギ源であるため重要である。しかしながら、それらの比較的遅い内部電気化学的および熱力学的特性のために、それらはそれ自体では電気的負荷過渡に迅速に応答することができない。ここで説明するように、燃料電池とのハイブリッド構成のバッテリ4のようなアキュムレータは、それを管理するのに完璧なマッチである。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1の燃料電池充電コントローラ5は、直列接続された燃料電池の組2の動作点を調整するように構成される最大電力点までFC1-nし、バッテリ4の定電流充電フェーズについては、バッテリ4の充電状態または負荷に基づいて、バッテリ4の電圧をフォローし、バッテリ4に最大電流を供給する。
【0029】
本願明細書に記載される燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1の燃料電池システムのアーキテクチャは、適切なサイズのバッテリ4と共生関係にある水素及び空気の流れの調節、熱管理、及び電気的接続を適切に包含する。
【0030】
したがって、実施形態では、直列接続された燃料電池のそれぞれの組2は、更に、最適な発電及び熱条件に関連して、その燃料電池への水素及び空気の流れを調整するように配置された電力コントローラ7を含む。そのような制御を行うために、電力コントローラ7は、
図1に例示されているように、直列接続された燃料電池のそれぞれの組2に対して、電圧計10、電流検出増幅器8、および温度センサ9を用いることができる。燃料電池への水素及び空気の流れは、それぞれの燃料電池の左側に接続する矢印によって概略的に示され、一方、排水は、それぞれの燃料電池をその右側から残す点線の矢印によって示される。
【0031】
燃料電池の電気制御の肝は、燃料電池から適切な電力を取り出すことである。これは、DC-DCコンバータを介して行われる。どのようなDC-DCコンバータの設計においても、制御目標に到達しながら、依然として高い効率を保持することが重要である。DC-DCコンバータは、一般に、高電流および低電圧において、まさに単一の燃料電池が作り出す損失が大きい。単一の燃料電池は、理論的な動作範囲がわずかに1ボルトを超えてゼロボルトまで低下し、物理的な膜面積と供給水素ガス量に比例する電流が、Amps単位で容易に計数される。単一の燃料電池の低電圧は、トランジスタ端子電圧と同等であるため、高効率を実現することはできない。このため、DC-DCコンバータへの投入電圧を上げるために、また、その能率を上げるために、燃料電池FC1-nの直列接続が用いられている。
【0032】
したがって、いくつかのさらなる実施形態では、それぞれの燃料電池直列エンハンサ3は、パルス幅変調ループを使用して直列接続された燃料電池FC1-nのそれぞれの組2の出力を制御するように配置された少なくとも1つのDC-DCコンバータを備える。
【0033】
これらの更なる実施態様のいくつかにおいて、パルス幅変調ループは、最大電力点又は一意に選択された他の動作点を探索するために、所定のステップ幅で動作点電圧を変化させるように構成され、最大電力点又は一意に選択された他の動作点を維持するために、直列接続された燃料電池FC1-nのそれぞれの組2の出力を制御する。
【0034】
直列接続された燃料電池FC1-nにおいて、それぞれの燃料電池は、電池が他の燃料電池の動作点で直列に動作することができない場合に電流をバイパスするバイパス機能6を備えている。これにより、直列接続された他の燃料電池への電力損失影響が除去され、バイパスされた電池の寿命が長く維持される。好ましいバイパス機能6は、最小の順方向バイアス電力影響を有し、したがって、直列の他の燃料電池によって引き出される電流による最小の電力散逸影響を有する能動タイプである。
【0035】
したがって、いくつかの追加の実施態様では、直列接続された燃料電池のそれぞれの組2のそれぞれの燃料電池FC1-nは、さらに、その組2の他の燃料電池の動作点で動作することができない場合に、そのそれぞれの燃料電池の電流バイパスを提供するように構成されたバイパス機能6を備えている。
【0036】
これらのさらなる実施形態のいくつかでは、バイパス機能6は、設定可能なしきい値での燃料電池のバイパスを提供し、ある設定可能な時間の間に到達した別の設定可能なしきい値に続いてバイパスを停止するように構成される。
【0037】
本願明細書に記載される燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1の実施態様については、直列接続された燃料電池FC1-nの組2の燃料電池が、開放式の単一陽子交換膜燃料電池である場合に有利である。
【0038】
いくつかの先行技術の燃料電池システムが非常にかさばる場合、例えば開放設計を有する単一の陽子交換膜(PEM)燃料電池のような小型で平坦かつ成形可能な燃料電池の使用、例えば本出願人は、myFC LAMINA(登録商標)燃料電池が、改良された幾何学的設計の自由度を与え、本明細書に記載された燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1のための分散配置を与え、自動車に適した用途などの用途に柔軟性を与える。
【0039】
上記のmyFC LAMINA(登録商標)燃料電池は、水素ガスを使用してクリーンな電力に変換する。すべて、開放設計の1つのPEM(Proton Exchange Membrane)燃料電池で始まる。また、myFC LAMINA(登録商標)燃料電池の設計は、受動的な空気の供給を使用することができ、従来のバイポーラ・プレートを含まないので、従来のバイポーラ・プレートを含む燃料電池と比較して、コスト上の利点をもたらし、より複雑でない製造プロセスで済む。したがって、本願明細書に記載される燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1のための開放式の水素システムを備えた、薄くて、成形可能で、高出力密度で、低コストの量産可能なmyFC LAMINA(登録商標)燃料電池を使用することにより、燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1を多数の異なる用途に構成し、調整する際に、スケーラブルなフレキシビリティを可能にする。
【0040】
ここに記載された燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1を制御するために、好ましくは、
図2に概略的に示すように、燃料電池制御システム(FCC)とバッテリ管理システム(BMS)を追加すべきである。燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1では、FCCがバッテリ管理システム(BMS)と通信するように配置され、燃料電池およびバッテリ4の技術の強みを組み合わせている。
図2の直列接続された燃料電池FC1-nの組2は、21~2zとして示す。
【0041】
したがって、燃料電池をバッテリ4と組み合わせることによって、上述のようなハイブリッドソリューションにおいて、それぞれの技術の利点を活かし、それらの欠点をバランスさせることが可能となり、可能な限り最良の電気性能を提供する。
【0042】
上述したように、燃料電池とバッテリのハイブリッドシステム1は、燃料電池のいくつかの制限ならびにバッテリ4、特にリチウムイオンバッテリの制限のいくつかに対処する。
【0043】
上記説明及び関連付けられる図面に提示される教示から恩恵を受ける本発明に関連する分野の当業者ならば、本明細書に示される本発明の多くの変更形態及び他の実施形態を想到するであろう。したがって、本発明は開示される特定の実施形態に限定されるべきではなく、変更形態及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲に包含されることを意図されることを理解されたい。さらに、前述の説明および関連する図面は、要素および/または機能の特定の例示的な組み合わせの文脈において例示的な実施形態を説明するが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、要素および/または機能の異なる組み合わせが、別の実施例によって提供されてもよいことを理解されたい。この点に関し、例えば、上記で明示的に説明したものとは異なる要素及び/又は機能の組み合わせもまた、添付の特許請求の範囲のいくつかに記載されているように考えられる。優位点、利点または問題に対する解決策が本明細書に記載される場合、そのような優位点、利点および/または解決策は、一部の例示的な実施形態に適用可能であるが、必ずしもすべての例示的な実施形態であるとは限らないことが理解されるべきである。したがって、本明細書に記載されたいかなる利点、利益又は解決法も、全ての実施形態に対して、又は本明細書に主張されるものに対して、重要であり、必要であり、又は不可欠であると考えるべきではない。本明細書で特定の用語を用いているが、包括的かつ説明のためにのみ用いており、限定するためではない。
【国際調査報告】