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特表2023-531161偏心の転がり軸受のステアリングコラム内部装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-21
(54)【発明の名称】偏心の転がり軸受のステアリングコラム内部装置
(51)【国際特許分類】
   B62K 19/32 20060101AFI20230713BHJP
   B62D 1/16 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
B62K19/32
B62D1/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575687
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2022-12-03
(86)【国際出願番号】 IB2021055284
(87)【国際公開番号】W WO2021255649
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2020/055601
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2020/056012
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522472408
【氏名又は名称】ラガリーグ,ジャック
【氏名又は名称原語表記】LAGARRIGUE,Jacques
【住所又は居所原語表記】126 Les Toits de la Pounche, 13190 Allauch (FR)
(71)【出願人】
【識別番号】522472419
【氏名又は名称】ナヴァロ,ティエリー
【氏名又は名称原語表記】NAVARRO,Thierry
【住所又は居所原語表記】Rue Etraz 1, 1196 Gland (CH)
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】ラガリーグ,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ナヴァロ,ティエリー
【テーマコード(参考)】
3D030
3D212
【Fターム(参考)】
3D030DC01
3D030DC35
3D212BJ04
(57)【要約】
要約
本発明は、車両のステアリングコラムの内部の装置に関するものである。これは車両の前
後輪のアライメントを横方向/縦方向に変更することにより、カーブの運転を容易にする
ことを目的にしている。ここでは偏心のロールベアリングを使用し、ステアリングコラム
シャフトの一部を保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングコラム内部装置 (9, 59, 69, 79, 99, 109, 1099)で、ステアリングコラム
シャフト(10、110、510、610、710、910、1910)から構成される車両であり、好ましく
は前輪の配置を変化させるもの。この時ステアリングコラムシャフトの少なくとも一部が
転がり軸受部材(1、31、41、71、91、101、120、191、320、520、720、920、1920)と対
応して偏心、または斜めに一体的に設置されるもの。さらにステアリングコラムシャフト
(10、110、510、610、710、910、1910)の回転時には、ステアリングコラムの案内軸が
横や横方向に傾くか、または移動することを特徴とする。
【請求項2】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、 ステアリングコラムの案内軸の縦・横方向の
変位が、後輪(97)に対する回転する前輪(96')のシフト(98)を発生させるもの。
【請求項3】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、偏心の球状部材(1,31)がステアリングコラ
ムの上部に固定されていることを特徴とするもの。
【請求項4】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、偏心の球状部材(320、520)がステアリング
コラムの下部に固定されているもの。
【請求項5】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、前記の偏心の転がり軸受部材(41、71、101)
がステアリングコラムの上部に固定されていることを特徴とするもの。
【請求項6】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、偏心の転がり軸受部材(1920)が前記ステア
リングコラムの下部に固定されていることを特徴とするもの。
【請求項7】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、ステアリングコラムシャフト(10、710'、910
'、910'')の一部が、同心の転がり軸受部材(91、720、920)に斜めに設けられているこ
とを特徴とするもの。
【請求項8】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、前記ステアリングコラムシャフト(10、110)
の一部が、偏心の転がり軸受部材(41、101)に斜めに設けられていることを特徴とする
もの。
【請求項9】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、偏心や、斜めの転がり軸受部材(1、31、41、
71、91、101、320、520、720、920、1920)が、内輪(3、83、113)上の偏心の開口部(4
、84、104)からなることを特徴とする転がり軸受部材の製造方法。
【請求項10】
請求項9のステアリングコラム内部装置で、開口部(4、84)が円形であるものが好ましい
もの。
【請求項11】
請求項9のステアリングコラム内部装置で、ステアリングコラムシャフト(10、510、610
、710、910)が開口部(4、84)において鍵構造(8)によって一体的に保持されることが
好ましいもの。
【請求項12】
請求項9のステアリングコラム内部装置で、ステアリングコラムシャフト(110)が開口部
(104)において平坦な嵌合面(134)によって一体的に保持されることが好ましいもの。
【請求項13】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、転がり軸受部材の外径が80mm以下であること
が望ましいもの。
【請求項14】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、転がり軸受部材の厚さは、5mm以上が望ましい
もの
【請求項15】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、上側の転がり軸受部材と下側転がり軸受部材
との間の距離が50mm以上であるものが望ましいもの。
【請求項16】
請求項8のステアリングコラム内部装置で、開口部(4、84、104)が、1 cm2より大きい断
面積を有するものが好ましいもの。
【請求項17】
請求項1のステアリングコラム内部装置で、転がり軸受部材(1、31、41、51、61、71、10
1、320、420、520、620 、720)の回転軸と開口部(4、84、104)の相対位置との間の軸
偏心(14)または距離(15、1930)が2mmより大きいことが好ましいもの。
【請求項18】
請求項2のステアリングコラム内部装置で、シフト量(98)が0~20mmであるもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前輪と後輪のアライメントを変え、カーブでの走行を容易にすることを
目的とした車両のステアリングコラムの内部装置に関するものである。
このシステムは、あらゆるステアリングのタイプに適応するように設計されており、既存
のステアリングコラムに取り付けることも、新車のステアリングコラムの生産に組み込む
ことも可能である。
詳しく言えば、本発明は従来のステアリングコラム内部の機構の転がり軸受(フランス語
で「roulements」)の交換装置であり、ステアリングコラムのシャフトを変更する必要が
ないものが理想である。
この装置は、偏心二重球の転がり軸受(※フランス語で「a rotule」)から構成され、理
想としてはこれがステアリングコラムシャフトの上部と下部に配置されるものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のステアリングコラムの内部機構は主に同心円状の転がり軸受を用いて作られてお
り、ハンドルの回転運動とホイールの回転運動がステアリングコラムの軸に沿って完全に
同軸になる。また、ステアリングコラムの傾斜角やレーキ角(すくい角)(フランス語で
"angle de chasse")も固定されている。
一方、US3866946AやEP1841640B1は、2つの偏心のフープ(フランス語で「フレッテ」)や
保持部材に2つの同心転がり軸受を設けることにより、コラムの傾斜角や、すくい角を変
更できるようにしたものが紹介されている。これは転がり軸受のフープや保持部材の偏心
量をベースにして、ステアリングコラムの縦方向の傾斜角やすくい角を調整することがで
きるものである。
US3866946Aでは、ステアリングコラム案内軸(フランス語で「axe de guidage」)の傾斜
は2つの転がり軸受部材によって実現しており、それぞれがそれぞれに対して180°の偏心
開口を構成している。ここで前輪と後輪によって形成される車両の縦軸は固定されている

EP1841640B1では、ステアリングコラム案内軸の傾斜は調整部材によって実現している。
これはステアリングコラムのすくい角を予め定められた方法で調整するものである。これ
により、傾斜をつけるためにステアリングコラム軸の締結部材および案内部材を分解する
必要がなくなる。
しかしながら、ステアリングコラムガイド軸の横方向の傾斜は、フープ、保持部材、また
はステアリングコラムシャフトの両端に定義された角度に対して固定または一定である。
こうした発明は、直線走行時やカーブ走行時には、ステアリングコラムの案内軸は車両の
前後輪の縦断面に沿っているため、カーブ走行中に横傾斜角を変化させることは不可能で
ある。
走行中の主な問題としては、カーブを走行中はステアリングコラム軸を中心に前輪が回転
することである。一般的にはこの軸は垂直ではないのである。二輪車の場合は、カーブに
合わせて斜めの軌跡を正しく描くために、車両を横向きに傾けることになる。この動きに
よって、車体の向きを変えることができるが、ステアリングコラムの角度が固定されてい
るために車体の傾きが制限され、ライダーが傾きすぎたときや、急な飛び出しなどで前輪
が路面にグリップし、ドライバーが車体を制御できなくなる危険がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の主な目的は、ハンドルバーを回転させると同時に、ステアリングコラムの、好ま
しくは前輪のガイド軸を、すべてまたは部分的に横方向に変位させることを可能にするス
テアリングコラム内部装置を提案することである。これは従来の先行技術の欠点を克服す
るものでもある。
そのため本発明についてさらに詳しく説明すると、前述のタイプのステアリングコラム内
部装置であって、転がり軸受またはベアリング(フランス語で「palier」)のような回転
案内部材に、偏心するか斜めに設けられたステアリングコラムシャフトの少なくとも一部
を含んでいることを特徴とする。
また、本発明は、ステアリングコラムのシャフトに偏心する形態で固定されることを意図
した球面転がり軸受、またはベアリングに関するものである。
本発明はまた、ステアリングコラムのシャフトに斜めに固定されることを意図した同心転
がり軸受、またはベアリングに関するものである。
これらの特徴により、本装置はステアリングコラムのシャフトを回転させることにより、
ステアリングコラムのガイド軸の横方向の傾斜角を動的に変更したり、横方向に移動させ
ることを可能にする。しかもステアリングコラムのガイド部材を交換する必要もない。さ
らに既存のステアリングコラムの転がり軸受を交換できるように設計されているため、ス
テアリングコラム自体を交換することなく、本装置の利点を享受することができる。
本システムは堅牢で交換可能であり、元に戻すことも可能になるように設計されているた
め、安全性を確保でき、またメンテナンスの手間を省くことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明のより良い理解のために実施形態の例を説明する。添付の図面を参照して説明を行
うが、これは例示の目的のみであり、決して特許の範囲を限定するものではないことに留
意をいただきたい。
図1】偏心の球面転がり軸受の上面図である。
図1a図1をA-Aの部分で切り取った断面図である。
図1b】車両の前輪と後輪の位置関係を示す上面図である。
図2】ステアリングコラム内部装置の直線状態における正面の断面図である。
図2a】ステアリングコラム内部装置を回転させた状態の正面の断面図である。
図3】本発明の第2のバリエーションにおけるステアリングコラム内部装置の回転位置における正面の断面図である。
図4】本発明の第3のバリエーションにおけるステアリングコラム内部装置の回転位置における正面の断面図である。
図5】本発明の第4のバリエーションにおけるステアリングコラム内部装置の回転位置における正面の断面図である。
図6】本発明の第5のバリエーションにおけるステアリングコラム内部装置の回転位置における正面の断面図である。
図7】本発明の第6のバリエーションにおけるステアリングコラム内部装置の回転位置における正面の断面図である。
図8】偏心の球面軸受の断面図である。
図9】本発明の第7のバリエーションにおけるステアリングコラム内部装置の回転位置における正面断面図である。
図10】本発明の第8のバリエーションにおけるステアリングコラム内部装置の回転位置における正面の断面図である。
図11】ステアリングコラム内部装置の透視側面図であり、ここでは転がり軸受が互いに同軸ではなく、ステアリングコラムから取り出されている。これは本発明の第9のバリエーションである。
図11a図11の正面図である
図11b図11aをA-Aの線で切断した時の断面図である。
図11c図11の側面図である。
図11d図11cをB-Bの線で切断した時の断面図である
【発明を実施するための形態】
【0005】
発明の実施形態
図2、1a、1b、1、1aに示すように、第1の実施形態のステアリングコラム内部装置(2)は
、偏心球状部材(9)で構成されており、理想は転がり軸受またはベアリング、同心球状
部材(10)であり、さらに理想は転がり軸受またはベアリングとして、ステアリングコラ
ムの軸(20)に設けられているものである。偏心の球状の部材(1)は、内輪(3)に、偏
心球状部材(1)の中心(17)に対して軸(14)上に偏心して開口(4)が設けられている
ものが理想である。その際ステアリングコラムシャフト(10)が一体的に保持されている
ものが良い。
ステアリングコラム内部装置(9)の部材(1、10、20)は、一般にステアリングコラムと
称され、通常は車両のフレームの一部である中空管(図示せず)に設けられる。
フォークチューブ(図示せず)は、チューブの支持体(図示せず)上に一体的に固定され
ている。その際、支持体は二輪車用のステアリングコラムの一般的な実施態様に従って、
ステアリングコラムシャフト(10)の下部および上部と一体的に固定されている。
【0006】
偏心球状部材(1)は、内輪(3)の周囲に設けられ、外輪(2)によって位置が保持され
たローラー(5)から構成されるのが理想である。このローラー(5)は、外輪(2)の軌
道(6)の間に堅固に連結され、自由に揺動する。
図1bによれば、前輪(96)は、車両(93)の長手方向の軸線に沿って後輪(97)と整って
いる。二輪車の通常の構成では、ステアリングコラムの案内軸上の回転による前輪の枢動
は、タイヤと路面との間の接触点(94)において、車両(93)の長手方向軸の周りに生じ
る。
【0007】
図1b図2図1bによれば、直進走行のポジションでは、ステアリングコラム軸(10)の
回転軸(30’)は、車両縦軸(93)に横切る横断面(95)において「同軸」である。その
際通常のステアリングコラムの案内軸に対応する形で、偏心の球状部材(1)と同心の球
状部材(20)の共通の回転軸(30)となる。

ステアリングコラムシャフト(10)は、最大角度(s)まで横方向に回動し、これは ステ
アリングコラムシャフト(10)の回転に対して、軸(30、30’)によって表される。これ
は開口部(4)の偏心の変化によって形成され、ステアリングコラムシャフト(10)の鍵(
8)によって固定されるとともに、同心の球状部材(20)内にステアリングコラムシャフト
(10)が固定されることが理想である。ハンドルを切ったときにステアリングコラムのガ
イド軸に生じる0から(s)までの横方向の角度の変化により、カーブ走行時に軸(93’)
に従って前後輪のアライメント(反り)をダイナミックに修正できようになり、車両の取
り回しが良くなる。軸(93)と(93’)の間のオフセットにより、後輪(97)と共に回転
する前輪(96')のシフト(98)を発生させる。これはフォークの長さと車輪の直径、お
よびステアリングコラム(10)の軸の回転角度に応じた0から(s)までの角度に従う。こ
れによって得られるシフト(98)は、車両の軌道変化に対応する側またはその反対側のい
ずれであってもよく、これは開口部(4)の位置が、ステアリングコラムシャフト(10)
の回転軸が通常通過する中心(17)の一方側または他方側に偏心して設けられているかど
うかによるものであり、通常はステアリングコラムのガイド軸と同軸となる本発明の設計
時の設定にもよるが、車輪を地面にオフセットさせることによって生じるシフト量(98)
は、好ましくは0~20mmの間である。そして、カーブでの運転が改善され、安全性が向上
する。
【0008】
発明のさまざまな形態
ここでは図示しないものの、別の実施形態では、ステアリングコラムシャフト(10)上の
同心の球状部材(20)の位置を、偏心の球状部材(1)と入れ替えるものもある。
図8は、内輪(83)上に偏心の開口部(84)と共に設置された球面軸受(81)の図である
。ここでの軸受は偏心球面部材(1)の代わりに使用できる。
図3は本発明の第2のバリエーションを示している。これによれば、ステアリングコラムシ
ャフト(10)は、その上部に偏心の球状部材(31)があり、その下部に180°で向き合う
偏心球状部材(320)が設けられている。ステアリングコラムシャフト(10)を回転させ
ると、対向する2つの偏心の運動が、軸(30、30')で表される角度(s)だけ、最大で横
方向にステアリングコラムシャフト(10)を揺動させ、前記のようにシフト(98)を生じ
させることができる。
図4は本発明の第3のバリエーションを示している。これによれば、ステアリングコラムシ
ャフト(10)は、その上部において偏心の転がり軸受部材(41)に斜めに固定され、その
下部には同心の球状部材(420)が設置される。ステアリングコラムシャフト(10)を回
転させると、偏心転がり軸受の部材(41)の上部の偏心運動が、軸(30,30')で表され
る角度(β)だけ、最大で横方向にステアリングコラムシャフト(10)を揺動させ、前述
のようにシフト(98)を発生させる。
【0009】
図5は本発明の第4のバリエーションを示している。これによればステアリングコラム内部
装置(59)は、斜めの部分(510’)によって形成されたステアリングコラム・シャフト
(510)から構成される。この時斜めの部分は第2の部分(510'')と共に、接続部(511)
において同軸である。ステアリングコラムシャフトの一部(510'')は、同心の転がり軸
受部材(51)に設置され、その第2部分(510')は、偏心球面部材(520)に一体的に固定
される。ステアリングコラムシャフト(510)の回転中は、その部分における偏心運動は
、軸(30、30’)によって表されるステアリングコラム軸(510)の二つの部分(510'、5
10'')の間の斜線に沿っており、これは最大で横方向の角度(s)を形成する。これによ
り、前述の通りシフト(98)を形成する。
図6は本発明の第5のバリエーションを示している。これによればステアリングコラム内部
装置(69)は、斜めの部分(610’)によって形成されたステアリングコラムシャフト(6
10)から構成される。この斜めの部分は第2の部分(610’)との接続部(611)において
補正されている。ステアリングコラムシャフトの一部(610'')は、同心の転がり軸受部
材(61)に設置され、その第2部分(610')は、同心の球面部材(620)に設置されている
。ステアリングコラムシャフト(610)の回転中は、その部分における偏心運動は、軸(3
0、30’)によって表されるステアリングコラム軸(610)の二つの部分(610', 610”)
の間の斜線に沿っており、これは最大で横方向の角度(s)を形成する。これにより、前
述の通りシフト(98)を形成する。
図7は本発明の第6のバリエーションを示している。これによればステアリングコラム内部
装置(79)は、斜めの部分(710’)によって形成されたステアリングコラム・シャフト(
710)から構成される。この時斜めの部分は第2の部分(710’’)と共に、接続部(711)
において同軸である。ステアリングコラムシャフトの一部(710’')は、同心の転がり軸
受部材(71)に設置され、その第2部分(710')は、転がり軸受部材(720)に斜めに設置
される。ステアリングコラムシャフト(710)の回転中は、その部分における偏心運動は
、軸(30、30’)によって表されるステアリングコラム軸(710)の二つの部分(710'、7
10'')の間の斜線に沿っており、これは最大で横方向の角度(s)を形成する。これによ
り、前述の通りシフト(98)を形成する。
図9は本発明の第7のバリエーションを示している。これによればステアリングコラム内部
装置(99)は、斜めの部分(910’)によって形成されたステアリングコラム・シャフト(
910)から構成される。ステアリングコラムシャフトの一部(910’')は、同心の転がり
軸受部材(91)に設置され、その第2部分(910')は、転がり軸受部材(920)に斜めに設
置される。ステアリングコラムシャフト(910)の回転中は、その部分における偏心運動
は、軸(30、30’)によって表されるステアリングコラム軸(910)の二つの部分(910'
、910'')の間の斜線に沿っており、これは最大で横方向の角度(s)を形成する。これに
より、前述の通りシフト(910)を形成する。
接続部(511、611、711、911)は、溶接、機械加工、ユニバーサルジョイント、またはそ
れ以外の適切な方法で製作が可能である。
図10は本発明の第8のバリエーションを示している。これによればステアリングコラム内
部装置(1099)は、斜めの部分(1910’)によって形成されたステアリングコラム・シャ
フト(1910)から構成される。この時斜めの部分は第2の部分(1910’’)と共に、接続部
(1911)において中心からずれている。ステアリングコラムシャフトの一部(1910’')
は、同心の転がり軸受部材(191)に設置され、その下の第2部分(1910')は、転がり軸
受部材(920)に、その部分(1910’’)と偏心した形で並行に設置される。ステアリング
コラムシャフト(1910)の回転中は、そのシャフト(1910)の部分(1910', 1910'')の間
のシフトが縦や横方向に動き、最大で当該距離(1930)まで動く。この時 ステアリングコ
ラム(1099)の案内軸は本発明の前述バリエーションと同じ方法で動く。この場合、シフト
(98)は当該距離 (1930) と等しくなる。その理由はステアリングコラムの案内軸が揺動
せず、縦や横に並進するためである。これは、特にフォークの長さやホイールの直径など
のパラメーターに依存しないシフト (98)を提供するのに有用である。これ以外には、レ
ーキ角は本発明によって影響は受けず、任意の車両の動きにより設定することが可能であ
る。
図11から図11dは、本発明の第9バリエーションである。これによれば、ステアリングコラ
ム内部装置(109)は、一端が同心球状部材(120)に設けられ、その第2端が、外部部材
が図示されていない同心転がり軸受(101)の内輪(113)に偏心して設けられた開口(10
4)内に設けられているステアリングコラムのシャフト(110)から構成されている。
2つの転がり軸受部材(101,120)がステアリングコラムに同軸に設けられている場合、
ステアリングコラムの案内軸は、ステアリングコラム軸(110)と、軸(30,30')で表さ
れる角度(s)を形成している。
ステアリングコラムシャフト(110)に設けられた球状のジョイント(124)は、開口部(
104)に設置され、少なくとも1つの平坦な嵌合面(134)(フランス語で「meplat」)を
有する。その軸(30)の周りの回転によりステアリングコラムシャフト(110)が内側リ
ング(113)と一体的に揺動することができる。
ステアリングコラムシャフト(110)の上部(144)にはスリーブ(図示せず)の設置が望
ましい。これにより、車両への取り付けを可能にし、異なるステアリングコラムのモデル
に容易に適合するようにする。
ステアリングコラムシャフト(110)が直進で走行する位置にある場合、角度(s)は車両
の前輪と後輪の横方向の位置関係に影響を及ぼさない。操舵によりステアリングコラムシ
ャフト(110)が右または左に揺動すると、角度(s)が車両の後輪に対して前輪を横方向
に修正し、それによって先に述べたようなシフト(98)が生じ、車両のハンドリングを改
善するために所望の「反り」または回転運動が促進される。
本発明のいくつかのバリエーションから、先に説明した実施形態に対して以下のような修
正や追加が考えられる。
- 固定または球面の転がり軸受部材(1、31、41、51、61、71、91、101、120、320、420
、520、620、720、920)は、玉軸受、ころ軸受、針軸受、ベアリングまたは他の同様の手
段を利用できる。
- 球状部材は、ステアリングコラムシャフト(10、110、510、610)の回転や枢動を可能
にする同心の球状転がり軸受や、他の任意の機構でも実現できる。
- 開口部(4)は、例えば、円形、正方形、長方形、楕円形、または任意の幾何学的な形
状など、任意の形状を利用することができる。
- 開口部(4)が円形の場合、偏心の球面軸受(1)の保持は鍵やその他の機械的手段によ
って実現できる。
- 転がり軸受部材の外径は80mm以下であるものが望ましい。
- 開口部(4)は、 1 cm2より大きい断面積が望ましい
- 転がり軸受部材の厚さは、5mm以上であることが好ましい。
- ステアリングコラムシャフトの上下の転がり軸受部材間の距離は、50mm以上であること
が好ましい。
- 転がり軸受部材(1、31、41、51、61、71、101、320、420、520、620、720)の回転軸
と、ステアリングコラムシャフト(10、110、510、710、1910)の全部又は一部を収容す
る開口(4、84、104)の相対位置との軸の偏心(14)、距離(15)、距離(1930)は2mm
より大きいことが好ましい。
【0010】
別のバリエーションは、ここでは図示しないが、ステアリングコラムシャフトまたはその
部品の1つを、先に説明した転がり軸受部材の少なくとも1つの内輪(3、83、113)の一部
を形成するように作ることができる。この場合、ステアリングコラムシャフトは、もはや
開口部(4、84、104)から取り外しができないが、製造コストの削減または特殊なステア
リングコラム機構の製造に有用である。
さらに別のバリエーションは、ここでは図示しないが、スステアリングコラムシャフトの
全部または一部は、円形、楕円形、正方形、長方形、任意の幾何学的な断面を利用できる

さらに別のバリエーションは、ここでは図示しないが、ステアリングコラムシャフトを、
以下のようにすることが可能である。
本発明はいくつかの実施形態に従って説明されているが、ここで示していない他のバリエ
ーションもあり、それらは先に説明したバリエーションの組み合わせまたは一部でありう
る。したがって、本発明の範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。
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【国際調査報告】