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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-21
(54)【発明の名称】組織ペネトレータ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3209 20060101AFI20230713BHJP
【FI】
A61B17/3209
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580842
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 IL2021050808
(87)【国際公開番号】W WO2022003691
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】63/046,711
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520297573
【氏名又は名称】リマカ メディカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LIMACA MEDICAL LTD.
【住所又は居所原語表記】3rd Ha Rimon Street, 2nd floor, Mevo-Carmel Science and Industry Park, Ein HaEmek, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレイン アッサーフ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF19
4C160MM33
4C160MM43
4C160NN01
(57)【要約】
管腔を画定する生検チューブと、組織を貫通するように成形された遠位先端部を有する組織ペネトレータと、を備え、組織ペネトレータは、管腔内に配置され、生検チューブ管腔内で移動するように成形され、サイズ決めされた可撓性の細長い本体と、本体に結合され、拡張状態で前記管腔から外に延在し、折り畳み状態で管腔の内側幅よりも小さい幅に折り畳まれるように構成された、折り畳み可能な遠位切断部分であって、組織を通る薄いカットを実行するように構成された鋭利な遠位切断縁部を備え、拡張状態では、切断部分の最大幅が生検チューブ管腔の内側幅または内径よりも大きい、折り畳み可能な遠位切断部分と、を含む、生検アセンブリ。
【選択図】 図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔を画定する生検チューブと、
組織を貫通するように成形された遠位先端部を有する組織ペネトレータと、を備え、
前記組織ペネトレータは、前記管腔内に配置され、
前記生検チューブ管腔内で移動するように成形され、サイズ決めされた可撓性の細長い本体と、
前記本体に結合され、拡張状態で前記管腔から外に延在し、折り畳み状態で前記管腔の内側幅よりも小さい幅に折り畳まれるように構成された、折り畳み可能な遠位切断部分であって、前記組織を通る薄いカットを実行するように構成された鋭利な遠位切断縁部を備え、拡張状態では、前記切断部分の最大幅が前記生検チューブ管腔の内側幅または内径よりも大きい、折り畳み可能な遠位切断部分と、を含む、生検アセンブリ。
【請求項2】
前記遠位先端部は、前記折り畳み可能な遠位切断部分まで遠位に延在し、前記細長い本体と一体化される、請求項1に記載の生検アセンブリ。
【請求項3】
前記遠位先端部は、前記折り畳み可能な遠位切断部分と一体化される、請求項1に記載の生検アセンブリ。
【請求項4】
前記折り畳み可能な遠位切断部分は、少なくとも部分的に可撓性である、請求項1~3のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項5】
前記折り畳み可能な遠位切断部分は、薄く、前記切断部分の厚さと最大幅または直径との間の比が1:8よりも大きい、請求項1~4のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項6】
前記切断縁部の厚さは0.1mm未満である、請求項1~5のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項7】
組織に面する前記遠位切断縁部を備える前記折り畳み可能な組織ペネトレータの表面は、少なくとも部分的に角度が付けられているか、または少なくとも部分的に湾曲している、請求項1~6のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項8】
前記表面と前記組織との間の角度が20度より大きい、請求項7に記載の生検アセンブリ。
【請求項9】
前記折り畳み可能な組織ペネトレータの側面は湾曲している、請求項1~8のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項10】
組織に面する前記切断部分の円周の断面は、拡張状態において、連続した円弧である、請求項1~9のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項11】
前記円弧は少なくとも30度の角度を成す、請求項10に記載の生検アセンブリ。
【請求項12】
前記円弧の曲率半径は0.2~20mmの範囲である、請求項10または11に記載の生検アセンブリ。
【請求項13】
拡張状態における前記円弧の長さは30mmまでである、請求項10~12のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項14】
拡張状態の前記生検チューブに面する前記切断部分の表面と前記生検チューブとの間の角度は20度より大きい、請求項1~13のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項15】
前記組織ペネトレータの前記可撓性の細長い本体を前記生検チューブに可逆的に結合するように構成されたカップラを備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項16】
前記カップラは、前記生検チューブに対する前記組織ペネトレータの位置を軸方向に固定するように構成される、請求項15に記載の生検アセンブリ。
【請求項17】
前記折り畳み可能な切断部分は、前記可撓性の細長い本体の周りを、前記管腔の内側幅よりも小さい幅に曲がるように構成された材料の単一の薄い可撓性層から形成される、請求項1~16のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項18】
前記折り畳み可能な切断部分は、前記可撓性の細長い本体の周りに少なくとも部分的に、前記管腔の内側幅よりも小さい幅まで巻き付けるように構成された材料の薄い可撓性層から形成される、請求項1~17のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項19】
前記折り畳み可能な切断部分の突起は、三角形として成形される、請求項1~18のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項20】
前記折り畳み可能な遠位切断部分の外面は滑らかである、請求項1~19のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項21】
前記折り畳み可能な遠位切断部分は、軸方向に剛性であり、横方向および/または接線方向に屈曲可能である、請求項1~20のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項22】
前記管腔を取り囲む前記生検チューブの壁の最小厚さは、前記生検チューブの内径の少なくとも10%である、請求項1~21のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項23】
前記生検チューブの壁の最小厚さは0.05mmである、請求項1~22のいずれか一項に記載の生検アセンブリ。
【請求項24】
生検チューブと、サンプリングされる必要がある標的組織との間に配置された組織壁を通して、折り畳み可能な切断部分を有する組織ペネトレータを前進させることと、
前記折り畳み可能な切断部分によって、前記組織壁を通して薄いカットを形成することと、
前記折り畳み可能な切断部分を、生検チューブの管腔内に折り畳むことと、を含む、組織貫通方法。
【請求項25】
前記生検チューブを前記標的組織内に前進させることによって、前記標的組織をサンプリングすることを含む、請求項24に記載の組織貫通方法。
【請求項26】
前記サンプリングは、前記生検チューブを前記標的組織内に前進させながら回転させることによって、標的によって前記組織をサンプリングすることを含む、請求項25に記載の組織貫通方法。
【請求項27】
前記薄いカットは、厚さと長さとの比が1:10より大きいカットである、請求項24~26のいずれか一項に記載の組織貫通方法。
【請求項28】
前記形成することは、前記組織壁内の前記折り畳み可能な切断部分によって薄い真っ直ぐなカットを形成することを含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の組織貫通方法。
【請求項29】
前記組織壁は、腸組織壁または十二指腸組織壁を含む、請求項28に記載の組織貫通方法。
【請求項30】
前記形成することは、前記組織壁に薄い湾曲したカットを形成することを含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の組織貫通方法。
【請求項31】
前記組織壁は胃の壁を含む、請求項30に記載の組織貫通方法。
【請求項32】
前記薄いカットの曲率半径は0.2~20mmの範囲である、請求項28または29に記載の組織貫通方法。
【請求項33】
前記折り畳むことは、前記生検チューブ管腔を通して前記組織ペネトレータを後退させることを含む、請求項24~32のいずれか一項に記載の組織貫通方法。
【請求項34】
前記折り畳むことは、前記折り畳み可能な切断部分を少なくとも部分的に巻き付けることを含む、請求項24~33のいずれか一項に記載の組織貫通方法。
【請求項35】
前記折り畳むことは、前記折り畳み可能な切断部分を可逆的に折り畳むことを含む、請求項24~34のいずれか一項に記載の組織貫通方法。
【請求項36】
前記組織ペネトレータを、前記サンプリングの前に前記生検チューブ管腔から少なくとも部分的に除去することを含む、請求項24~35のいずれか一項に記載の組織貫通方法。
【請求項37】
前記折り畳むことは、組織サンプリングなしに、前記折り畳み可能な切断部分を前記生検チューブ管腔内に折り畳むことを含む、請求項24~36のいずれか一項に記載の組織貫通方法。
【請求項38】
前記組織壁は、気管支気道壁または気管壁を含む、請求項24~37のいずれか一項に記載の組織貫通方法。
【請求項39】
前記組織壁は、消化管の壁および食道壁を含む、請求項24~38のいずれか一項に記載の組織貫通方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2020年7月1日に出願された米国仮特許出願第63/046711号からの優先権の利益を主張し、その内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明はそのいくつかの実施形態では組織ペネトレータに関し、より詳細には限定はしないが、生検デバイスの組織ペネトレータに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明のいくつかの実施形態のいくつかの例を以下に列挙する。1つの例からの特徴は、別の例からの特徴と組み合わせることができる。
【0004】
例1.管腔を画定する生検チューブと、
組織を貫通するように成形された遠位先端部を有する組織ペネトレータと、を備え、
組織ペネトレータは、管腔内に配置され、
生検チューブ管腔内で移動するように成形され、サイズ決めされた可撓性の細長い本体と、
本体に結合され、拡張状態で管腔から外に延在し、折り畳み状態で管腔の内側幅よりも小さい幅に折り畳まれるように構成された、折り畳み可能な遠位切断部分であって、組織を通る薄いカットを実行するように構成された鋭利な遠位切断縁部を備え、拡張状態では、切断部分の最大幅が生検チューブ管腔の内側幅または内径よりも大きい、折り畳み可能な遠位切断部分と、を含む、生検アセンブリ。
【0005】
例2.遠位先端部は、折り畳み可能な遠位切断部分まで遠位に延在し、細長い本体と一体化される、例1に記載の生検アセンブリ。
【0006】
例3.遠位先端部は、折り畳み可能な遠位切断部分と一体化される、例1に記載の生検アセンブリ。
【0007】
例4.折り畳み可能な遠位切断部分は、少なくとも部分的に可撓性である、例1~3のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0008】
例5.折り畳み可能な遠位切断部分は、薄く、切断部分の厚さと最大幅または直径との間の比が1:8よりも大きい、例1~4のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0009】
例6.切断縁部の厚さは0.1mm未満である、例1~5のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0010】
例7.組織に面する遠位切断縁部を備える折り畳み可能な組織ペネトレータの表面は、少なくとも部分的に角度が付けられているか、または少なくとも部分的に湾曲している、例1~6のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0011】
例8.表面と組織との間の角度が20度より大きい、例7に記載の生検アセンブリ。
【0012】
例9.折り畳み可能な組織ペネトレータの側面は湾曲している、例1~8のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0013】
例10.組織に面する切断部分の円周の断面は、拡張状態において、連続した円弧である、例1~9のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0014】
例11.円弧は少なくとも30度の角度を成す、例10に記載の生検アセンブリ。
【0015】
例12.円弧の曲率半径は0.2~20mmの範囲である、例10または11に記載の生検アセンブリ。
【0016】
例13.拡張状態における円弧の長さは30mmまでである、例10~12のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0017】
例14.拡張状態の生検チューブに面する切断部分の表面と生検チューブとの間の角度は20度より大きい、例1~13のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0018】
例15.組織ペネトレータの可撓性の細長い本体を生検チューブに可逆的に結合するように構成されたカップラを備える、例1~14のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0019】
例16.カップラは、生検チューブに対する組織ペネトレータの位置を軸方向に固定するように構成される、例15に記載の生検アセンブリ。
【0020】
例17.折り畳み可能な切断部分は、可撓性の細長い本体の周りを、管腔の内側幅よりも小さい幅に曲がるように構成された材料の単一の薄い可撓性層から形成される、例1~16のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0021】
例18.折り畳み可能な切断部分は、可撓性の細長い本体の周りに少なくとも部分的に、管腔の内側幅よりも小さい幅まで巻き付けるように構成された材料の薄い可撓性層から形成される、例1~17のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0022】
例19.折り畳み可能な切断部分の突起は、三角形として成形される、例1~18のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0023】
例20.折り畳み可能な遠位切断部分の外面は滑らかである、例1~19のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0024】
例21.折り畳み可能な遠位切断部分は、軸方向に剛性であり、横方向および/または接線方向に屈曲可能である、例1~20のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0025】
例22.管腔を取り囲む前記生検チューブの壁の最小厚さは、生検チューブの内径の少なくとも10%である、例1~21のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0026】
例23.生検チューブの壁の最小厚さは0.05mmである、例1~22のいずれか一つに記載の生検アセンブリ。
【0027】
例24.生検チューブと、サンプリングされる必要がある標的組織との間に配置された組織壁を通して、折り畳み可能な切断部分を有する組織ペネトレータを前進させることと、
折り畳み可能な切断部分によって、組織壁を通して薄いカットを形成することと、
折り畳み可能な切断部分を、生検チューブの管腔内に折り畳むことと、を含む、組織貫通方法。
【0028】
例25.生検チューブを標的組織内に前進させることによって、標的組織をサンプリングすることを含む、例24に記載の組織貫通方法。
【0029】
例26.サンプリングは、生検チューブを標的組織内に前進させながら回転させることによって、標的によって組織をサンプリングすることを含む、例25に記載の組織貫通方法。
【0030】
例27.薄いカットは、厚さと長さとの比が1:10より大きいカットである、例24~26のいずれか一つに記載の組織貫通方法。
【0031】
例28.形成することは、組織壁内の折り畳み可能な切断部分によって薄い真っ直ぐなカットを形成することを含む、例24~27のいずれか一つに記載の組織貫通方法。
【0032】
例29.組織壁は、腸組織壁または十二指腸組織壁を含む、例28に記載の組織貫通方法。
【0033】
例30.形成することは、組織壁に薄い湾曲したカットを形成することを含む、例24~27のいずれか一つに記載の組織貫通方法。
【0034】
例31.組織壁は胃の壁を含む、例30に記載の組織貫通方法。
【0035】
例32.薄いカットの曲率半径は0.2~20mmの範囲である、例28または29に記載の組織貫通方法。
【0036】
例33.折り畳むことは、生検チューブ管腔を通して組織ペネトレータを後退させることを含む、請求項24~32のいずれか一項に記載の組織貫通方法。
【0037】
例34.折り畳むことは、折り畳み可能な切断部分を少なくとも部分的に巻き付けることを含む、例24~33のいずれか一つに記載の組織貫通方法。
【0038】
例35.折り畳むことは、折り畳み可能な切断部分を可逆的に折り畳むことを含む、例24~34のいずれか一つに記載の組織貫通方法。
【0039】
例36.組織ペネトレータを、サンプリングの前に生検チューブ管腔から少なくとも部分的に除去することを含む、例24~35のいずれか一つに記載の組織貫通方法。
【0040】
例37.折り畳むことは、組織サンプリングなしに、折り畳み可能な切断部分を生検チューブ管腔内に折り畳むことを含む、例24~36のいずれか一つに記載の組織貫通方法。
【0041】
例38.組織壁は、気管支気道壁または気管壁を含む、例24~37のいずれか一つに記載の組織貫通方法。
【0042】
例39.組織壁は、消化管の壁および食道壁を含む、例24~38のいずれか一つに記載の組織貫通方法。
【0043】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の実施形態の実施または試験において、本明細書に記載のものと同様または同等の方法および材料を使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、例示としてのみ説明される。ここで図面を詳細に参照すると、示された特定事項は例示であり、本発明の実施形態の説明を目的としたものであることが強調される。これに関連して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにするものである。
図1】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織を貫通し、組織ペネトレータを折り畳むための一般的なプロセスのフローチャートである。
図2A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、拡張状態と折り畳み状態との間の組織ペネトレータの変化を示す状態図である。
図2B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、真っ直ぐなカットの概略図である。
図2C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、真っ直ぐなカットを通るチューブ、例えば生検チューブの貫通の概略図である。
図2D】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、湾曲した、例えば円弧状のカットを通る、チューブ、例えば生検チューブの貫通を示す概略図である。
図3】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織ペネトレータを、組織を通して前進させ、例えば、組織サンプリングを可能にするために、組織ペネトレータを折り畳んで除去するための一般的なプロセスのフローチャートである。
図4A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、折り畳み可能な切断部分を有する組織ペネトレータのブロック図である。
図4B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、折り畳み可能な切断部分を有する組織ペネトレータのブロック図である。
図5A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織ペネトレータと生検チューブとの間の可逆的な結合を示す概略図である。
図5B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織ペネトレータと生検チューブとの間の可逆的な結合を示す概略図である。
図6A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織を通る貫通、組織ペネトレータの後退、および組織サンプリングを示す概略図である。
図6B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織を通る貫通、組織ペネトレータの後退、および組織サンプリングを示す概略図である。
図6C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織を通る貫通、組織ペネトレータの後退、および組織サンプリングを示す概略図である。
図6D】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織を通る貫通、組織ペネトレータの後退、および組織サンプリングを示す概略図である。
図6E】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織を通る貫通、組織ペネトレータの後退、および組織サンプリングを示す概略図である。
図7A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、異なる折り畳み可能な組織貫通部分、例えば切断部分を伴う、異なるタイプの組織ペネトレータの概略図である。
図7B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、異なる折り畳み可能な組織貫通部分、例えば切断部分を伴う、異なるタイプの組織ペネトレータの概略図である。
図7C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、異なる折り畳み可能な組織貫通部分、例えば切断部分を伴う、異なるタイプの組織ペネトレータの概略図である。
図7D】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、異なる折り畳み可能な組織貫通部分、例えば切断部分を伴う、異なるタイプの組織ペネトレータの概略図である。
図7E】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、異なる折り畳み可能な組織貫通部分、例えば切断部分を伴う、異なるタイプの組織ペネトレータの概略図である。
図7F】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、異なる折り畳み可能な組織貫通部分、例えば切断部分を伴う、異なるタイプの組織ペネトレータの概略図である。
図7G】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、異なる折り畳み可能な組織貫通部分、例えば切断部分を伴う、異なるタイプの組織ペネトレータの概略図である。
図7H】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、異なる折り畳み可能な組織貫通部分、例えば切断部分を伴う、異なるタイプの組織ペネトレータの概略図である。
図8A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、シャフトと、拡張状態でシャフトに接続された折り畳み可能な組織貫通部分、例えば、折り畳み可能な切断部分とを有する組織ペネトレータの概略図である。
図8B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、シャフトと、拡張状態でシャフトに接続された折り畳み可能な組織貫通部分、例えば、折り畳み可能な切断部分とを有する組織ペネトレータの概略図である。
図8C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、シャフトと、拡張状態でシャフトに接続された折り畳み可能な組織貫通部分、例えば、折り畳み可能な切断部分とを有する組織ペネトレータの概略図である。
図8D】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、シャフトと、拡張状態でシャフトに接続された折り畳み可能な組織貫通部分、例えば、折り畳み可能な切断部分とを有する組織ペネトレータの概略図である。
図8E】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、シャフトと、拡張状態でシャフトに接続された折り畳み可能な組織貫通部分、例えば、折り畳み可能な切断部分とを有する組織ペネトレータの概略図である。
図9A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、折り畳まれた状態にある図8A~8Eの組織ペネトレータを示す概略図である。
図9B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、折り畳まれた状態にある図8A~8Eの組織ペネトレータを示す概略図である。
図10A】本発明のいくつかの例示的実施形態による、拡張状態における、折り畳み可能な組織貫通部分の概略断面図である。
図10B】本発明のいくつかの例示的実施形態による、折り畳み可能な切断部分がサンプリングカニューレ内で円弧として曲げられる、折り畳み状態における、折り畳み可能な組織貫通部分の概略断面図である。
図10C】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、折り畳み可能な部分が巻き付けられ(furled)、例えば、巻かれた折り畳み状態にある、折り畳み可能な組織貫通部分、例えば、折り畳み可能な切断部分の概略断面図である。
図10D】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、展開状態にある、折り畳み可能な組織貫通部分、例えば、折り畳み可能な切断部分の概略断面図である。
図11A】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、一体型の折り畳み可能な組織貫通部分、例えば折り畳み可能な切断部分を有する組織ペネトレータを示す概略図である。
図11B】本発明のいくつかの例示的な実施形態による、一体型の折り畳み可能な組織貫通部分、例えば折り畳み可能な切断部分を有する組織ペネトレータを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明はそのいくつかの実施形態では組織ペネトレータに関し、より詳細には限定はしないが、生検デバイスの組織ペネトレータに関する。
【0046】
いくつかの実施形態の一態様は、生検を受ける前に、組織ペネトレータ、例えばスタイレットの少なくとも一部分を折り畳むことに関する。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの切断部分は、生検を行う前に、サンプリングチューブ、例えば、サンプリング針に折り畳まれる。本明細書で使用される場合、サンプリングチューブは生検チューブを指し、サンプリング針は生検針を指す。いくつかの実施形態では、切断部分は、例えば、身体から組織ペネトレータを除去することを可能にするために、サンプリングチューブの内側管腔内に折り畳まれる。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、切断部分は、例えば、サンプリングチューブが、サンプリングされる必要がある体内の所望の標的組織に到達すると、サンプリングチューブ内に折り畳まれる。いくつかの実施形態では、切断部分は、サンプリングチューブが例えば、2mm未満の距離、例えば、1mm未満の距離、0.5mm未満の距離、または所望の標的組織からの任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値で近接しているときに、折り畳まれる。代替的に、切断部分は、サンプリングチューブが所望の標的組織と接触しているときに折り畳まれる。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、拡張状態において、切断部分は、サンプリングチューブの開口部よりも広い。いくつかの実施形態では、折り畳まれた状態の切断部分の幅は、サンプリングチューブの最小幅、例えば最小内径よりも小さい。いくつかの実施形態では、拡張状態では切断部分の幅は、サンプリングチューブの外径または最大幅と同様であるか、またはそれよりも小さい。いくつかの実施形態では、拡張状態において、切断部分の最大幅、例えば、切断部分上の2つの点間の最大距離は、サンプリングチューブ周囲の半分とサンプリングチューブの直径との間の範囲内である。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、切断部分、例えば、折り畳み可能な切断部分は、例えば、折り畳まれることなく組織壁または膜を貫通することを可能にするために、軸方向に剛性である。さらに、切断部分は、横方向および/または接線方向に屈曲可能であり、例えば、チューブ、例えば生検チューブ内に折り畳むこと、例えば屈曲することを可能にする。いくつかの実施形態では、組織壁は、胃壁、十二指腸壁、腸壁、気管支壁、気管支気道壁、血管壁、GI管壁、食道壁、上皮層、皮膚、横隔膜、胸膜、心臓壁、および/または心臓中隔を含む。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、拡張状態において、切断部分は、例えば、より低い自己封止特性を有する組織壁、例えば、腸壁または十二指腸壁を貫通するとき、真っ直ぐであり、したがって、真っ直ぐなカットが、形成されたカットを通る漏出を最小限にするように形成される。代替的に、拡張状態において、切断部分は、例えば、高い自己封止特性を有する組織壁、例えば、胃の壁を貫通するときに湾曲し、したがって、湾曲したカットは組織壁を貫通する容易さを最大にするように形成される。任意選択的に、組織壁は、1mmより大きい、例えば2mmより大きい、3mmより大きい、または任意の中間値、より小さい、もしくはより大きい値を有する厚い組織壁である。
【0051】
最大幅、例えば、サンプリングチューブの円周長の半分とサンプリングチューブ直径との間の範囲にある、カット上の2つの点間の最大距離を有する、組織にカットを生成する潜在的な利点は、形成されたカットを通る漏出を防止しながら、壁、例えば、胃壁、腸壁、および/または十二指腸壁を通るサンプリングチューブのより容易な貫通を可能にすることであり得る。
【0052】
いくつかの実施形態の一態様は、生検チューブ管腔の狭い開口部を通して標的組織から広い組織ペネトレータを除去することに関する。いくつかの実施形態では、広い組織ペネトレータの少なくとも一部、例えば、切断部分は開口部を通って入るように再成形される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの少なくとも一部は、最小幅よりも小さい幅、例えば、生検チューブ開口部の内径に折り畳まれる。任意選択的に、組織ペネトレータの少なくとも一部は、生検チューブ管腔開口部を通って入るように可逆的に折り畳まれる。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの少なくとも一部は、組織をサンプリングすることなく、生検チューブ管腔内に折り畳まれる。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、組織ペネトレータの少なくとも一部は、開口部を通過して生検チューブ管腔内に入るように折り畳まれる。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの少なくとも一部分は、生検チューブ管腔開口部よりも狭い断面を有する形状を得るために、少なくとも部分的に巻き付けられる(furled)か、または少なくとも部分的に巻かれる。いくつかの実施形態では、切断部分が巻き付けられると、切断部分の2つ以上の端部が重なり合う。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、組織ペネトレータの切断部分は、組織ペネトレータに外力を加えることによって、例えば、組織ペネトレータを、例えば、生検チューブ管腔を通して後退させることによって、再成形される。あるいは、切断部分は、組織ペネトレータを少なくとも30度、例えば、少なくとも90度、180度、360度、または任意の中間の、より小さいもしくはより大きい回転度で回転させることによって、再成形される。いくつかの実施形態では、切断部分が生検チューブ本体によって切断部分に加えられる力によって再成形され、切断部分を再成形させる。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、組織ペネトレータは、組織、例えば悪性組織であると疑われる組織の生検サンプリングプロセスにおいて使用される。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、内視鏡は、サンプリングされる必要がある標的組織に向かってナビゲートされる。いくつかの実施形態では、組織壁、例えば、標的組織を囲む組織壁に到達するとき、組織ペネトレータは内視鏡の遠位開口部を通して拡張される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの拡張は組織ペネトレータの切断部分の拡張を含む。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、所望の標的の組織壁または任意の組織壁に所望の標的組織まで到達するとき、組織ペネトレータは、内視鏡まで遠位に、および組織壁を通って前進する。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの切断部分が例えば、組織壁を通って前進することによって、組織壁にカットを形成する。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの切断部分は、5cmまで、3cmまで、例えば1cmまで、例えば0.5cmまで、または組織壁切断からの任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい距離まで前進する。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、組織ペネトレータは、生検チューブを備える生検アセンブリの一部である。いくつかの実施形態では、内視鏡が組織壁に到達すると、生検チューブの遠位端から延在する拡張した切断部分を有する生検アセンブリが組織壁を通って前進する。いくつかの実施形態では、生検アセンブリが組織壁を貫通し、任意選択で、少なくとも部分的に標的組織に貫入するとき、組織ペネトレータは生検チューブの内腔を遮断し、生検チューブへの組織の貫入を防止する。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、組織壁にカットを形成した後、組織ペネトレータは例えば、組織サンプリングに使用される生検チューブの内側管腔をブロック解除するために、生検チューブ内側管腔内に引き込まれる。いくつかの実施形態では、次いで、生検チューブを標的組織内に前進させて、標的組織をサンプリングする。いくつかの実施形態では、生検チューブは例えば、WO2019155472A1に記載されているように、標的組織内に回転しながら前進させられる。いくつかの実施形態では、組織サンプリングは、標的組織への生検チューブの1回以上、例えば、2回、3回、4回、または任意の回数の前進を含む。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、組織ペネトレータ、生検チューブおよび/または生検アセンブリのうちの少なくとも1つの前進、例えば前進の程度は、例えばWO2019155472A1に記載されているように、生検デバイスのハンドルまたは制御ユニットによって制御される。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、組織壁は、生検チューブ、または体内に挿入された任意のタイプのチューブと、所望の標的組織との間に位置する筋肉または任意のタイプの組織を含む。組織ペネトレータの潜在的な利点は、組織壁の最小サンプリングなしで、または最小サンプリングを伴って、組織壁を貫通することを可能にすることであり得、例えば、サンプリングされた標的組織の体積と比較して、組織壁の体積の10%未満、5%未満、1%未満のサンプリングである。
【0062】
本出願において提供される実施例は、生検チューブを有する組織ペネトレータを使用することを記載するが、組織ペネトレータは、身体に挿入される任意のチューブ、例えば、ドレナージチューブ、栄養チューブ、ガイドチューブ、挿入チューブ、ドレナージ、拡張器、カテーテル、注射針、または注射に使用されない任意のタイプの針、例えば、吸引針と共に使用され得ることを理解されたい。
【0063】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その出願において、以下の説明および/または図面および/または実施例に示される構成要素および/または方法の構成および配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であるか、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【0064】
例示的な組織切断プロセス
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検サンプリングプロセスの間、生検チューブ、例えば、組織壁、例えば、隔壁を貫通するために使用される外部遠位切断部分を有する生検針は、サンプリングされる必要がある所望の標的組織に向かう。いくつかの実施形態では、サンプリングチューブの標的組織への容易な貫入を可能にするために、サンプリングされる標的組織と生検チューブとの間に位置する組織壁のカットが組織ペネトレータによって形成される。いくつかの実施形態では、カットは、生検針の外側幅と少なくとも同じ幅であり、生検チューブの外周の半分よりも小さい幅を有する。次に、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、折り畳み可能な切断部分による組織切断のためのプロセスを説明する、図1を参照する。
【0065】
いくつかの例示的な実施形態によれば、折り畳み可能な切断部分を有する組織ペネトレータは、ブロック102で組織を通って前進させられる。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータは、生検チューブ、例えば、生検針に連結される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの少なくとも一部は生検チューブの内側管腔内に配置され、一方、組織ペネトレータの折り畳み可能な切断部分は生検チューブから外に延在する。任意選択的に、折り畳み可能な切断部分は、生検チューブの遠位開口部、例えば、組織に面する開口部を通って延在する。
【0066】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータは、例えばブロック102で組織を通って前進するとき、生検チューブに固定される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータは軸方向で生検チューブに固定される。加えて、生検チューブ、例えば回転生検針は、組織ペネトレータに対して相対的に回転する。代替的に、組織ペネトレータは生検チューブと一緒に回転する。
【0067】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータは、ブロック104において、組織を貫通する薄いカットを形成する。いくつかの実施形態では、薄いカットは例えば、102での組織ペネトレータの前進中に、組織ペネトレータの折り畳み可能な切断部分によって形成される。いくつかの実施形態では、折り畳み可能な切断部分によって形成されるカットは、生検チューブの最大幅と同等またはそれよりも小さい幅を有する。いくつかの実施形態では、折り畳み可能な切断部分によって形成されるカットは、生検チューブの最大幅と同様であるか、またはそれよりも小さい長さを有する。いくつかの実施形態では、折り畳み可能な切断部分によって形成されたカットは、生検チューブの半分または円周長さと同様であるか、またはそれよりも小さい長さを有する。
【0068】
いくつかの例示的な実施形態によれば、薄いカットは、組織の壁、例えば、胃の壁、十二指腸の壁、腸の壁、および/または気管支気道の壁に形成される。いくつかの実施形態では、組織壁は弾性である。いくつかの実施形態では、組織壁に形成された薄いカットは例えば、形成された薄いカットを通る流体の漏出を防止または制限しながら、組織への最小限の力の印加で生検チューブの貫通を可能にする。任意選択的に、薄いカットは例えば、身体からの生検チューブの除去後の組織壁の改善された自己封止を可能にする。
【0069】
いくつかの例示的な実施形態によれば、折り畳み可能な切断部分は、拡張状態では直線状、例えば平面状である。いくつかの実施形態では、真っ直ぐな折り畳み可能な切断部分は例えば、組織ペネトレータが限定された自己封止特性を有する組織壁、例えば、十二指腸壁、腸壁、気管支壁、気管支気道壁、血管壁、GI管壁、食道壁または解剖学的管の任意の壁を貫通するときに、真っ直ぐなカットを形成するために使用される。代替的に、折り畳み可能な切断部分は、拡張状態において湾曲している。いくつかの実施形態では、湾曲した折り畳み可能な切断部分は例えば、より良好な自己封止特性を有する組織壁、例えば、胃壁、または組織もしくは器官、例えば、上皮層、皮膚、横隔膜、胸膜、心臓壁、および/もしくは心臓中隔を少なくとも部分的に取り囲む任意の解剖学的中隔組織、膜、もしくは組織層を貫通するときに、湾曲したカットを形成するために使用される。
【0070】
いくつかの例示的な実施形態によれば、折り畳み可能な切断部分によって形成されるカットの厚さは、生検チューブの最大幅または外径よりも小さい。
【0071】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータの折り畳み可能な切断部分は再成形され、例えば、ブロック106で折り畳まれる。いくつかの実施形態では、折り畳み可能な切断部分の少なくとも一部はブロック106で折り畳まれる。いくつかの実施形態では、折り畳み可能な切断部分は、生検チューブの内側管腔の最小幅よりも小さい幅を得るために折り畳まれる。いくつかの実施形態では、切断部分は、サンプリングされる必要がある標的組織に到達するときに折り畳まれる。代替的に、切断部分は、5mm未満、例えば、3mm未満、1mm未満、0.5mm未満、またはサンプリングされる必要がある標的組織からの任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい距離に達するときに、折り畳まれる。
【0072】
いくつかの例示的な実施形態によれば、折り畳み可能な切断部分は、組織ペネトレータに力を加えることによって、例えば、組織ペネトレータをサンプリングチューブに対して回転および/または後退させることによって、折り畳まれる。代替的に、折り畳み可能な切断部分は、サンプリングチューブに力を加えることによって、例えば、組織ペネトレータに対してサンプリングチューブを押す、後退させる、および/または回転させることによって、折り畳まれる。
【0073】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータは、ブロック108で組織から除去される。いくつかの実施形態では、折り畳み部分がブロック106で折り畳まれると、組織ペネトレータは例えば、組織ペネトレータの後退によって、サンプリングチューブの内側管腔を通して組織から除去される。いくつかの実施形態では、ブロック108において、組織ペネトレータが身体から除去される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータは例えば、生検チューブの内側管腔内への組織サンプルの挿入を可能にするために、サンプリングチューブの内側管腔から除去される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータは、生検チューブ内側管腔内で、生検チューブ内側管腔の所望の体積、例えば少なくとも1mm、例えば少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも1cmの体積、または生検チューブ内側管腔内の任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい体積、例えば、組織サンプルの除去された体積への進入を可能にする距離まで引っ込められる。
【0074】
例示的な切断部分の状態
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータの切断部分は、拡張状態と折り畳み状態との間で移動する。いくつかの実施形態では、折り畳まれた状態が不可逆的であり、例えば、切断部分の再使用を防止する。あるいは、折り畳まれた状態が可逆的であり、拡張状態に戻ることを可能にする。いくつかの実施形態では、折り畳まれた状態において、切断部分の最大幅は例えば、生検チューブの内側管腔を通る組織からの組織ペネトレータの除去を可能にするために、生検チューブの内側管腔の最小幅よりも小さい。ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織ペネトレータ切断部分の拡張状態と折り畳まれた状態との間の遷移を示す、図2Aを参照する。
【0075】
いくつかの例示的な実施形態によれば、拡張状態202において、組織ペネトレータの切断部分の少なくとも一部が拡張される。いくつかの実施形態では、切断部分は、生検チューブ内側管腔の開口部から外に延在する。いくつかの実施形態では、切断部分は、組織ペネトレータの前進経路に位置する組織に延在し、対向する。いくつかの実施形態では、拡張状態において、切断部分の最大幅は、生検チューブの最大外側幅、例えば、最大外径よりも大きいか、または同様である。
【0076】
いくつかの例示的な実施形態によれば、再成形状態、例えば、折り畳み状態204では、組織ペネトレータの少なくとも一部分、例えば、切断部分の少なくとも一部分は折り畳まれる。いくつかの実施形態では、切断部分の少なくとも一部は、生検チューブの内側管腔の最小幅よりも小さい切断部分の最大幅を取得するために折り畳まれる。いくつかの実施形態では、折り畳み状態で、組織ペネトレータは、生検チューブの内側管腔内に移動されるように成形され、サイズ決定される。
【0077】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータの切断部分は、拡張状態202と折り畳み状態との間で可逆的に移動する。あるいは、切断部分は、折り畳まれた状態に不可逆的に移動する。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの切断部分は、生検チューブおよび組織ペネトレータの一方または両方またはその一部を互いに対して軸方向に移動させることによって、拡張状態202と折り畳み状態204との間で移動する。代替的または追加的に、組織ペネトレータの切断部分は、生検チューブおよび組織ペネトレータまたはその一部の一方または両方を互いに対して回転させることによって、拡張状態202と折り畳み状態204との間で移動する。
【0078】
例示的なカット
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータ、例えば、組織ペネトレータの折り畳み可能な切断部分は、組織を通してカットを行うように構成される。いくつかの実施形態では、折り畳み可能な切断部分の切断縁部は、組織の領域を囲む組織壁を通る、例えば組織層を通るカットを行うように成形され、サイズ決定される。いくつかの実施形態では、組織層は弾性組織層である。例えば、チューブ、例えばサンプリングチューブと、サンプリングされる必要がある標的組織との間に配置される組織層である。いくつかの実施形態では、組織壁は、腹壁、胃壁、十二指腸壁、腸壁、気管支気道壁、血管壁、GI管壁、食道壁、または解剖学的チューブの任意の壁を含む。
【0079】
ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織、例えば、組織壁を通る真っ直ぐなカットの形成を示す、図2Bおよび図2Cを参照する。
【0080】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータの折り畳み可能な切断部分の鋭利な切断縁部は、組織を通る薄い真っ直ぐなカット、例えば、真っ直ぐなカット210を形成するように構成される。いくつかの実施形態では、真っ直ぐなカット210の長さ214は、2~30mmの範囲、例えば、2~8mm、5~10mm、8~15mm、13~20mm、または任意の中間の、より短い、もしくはより長いカットである。いくつかの実施形態では、真っ直ぐなカットの長さ214は、真っ直ぐなカットを貫通する必要があるチューブ212、例えば生検チューブの直径216と等しいか、またはそれよりも大きい。いくつかの実施形態では、カット214の長さは、組織の種類および/または管の直径に応じて選択され、例えば、一方はチューブに高レベルの力を加えることなく、チューブの貫通を可能にするのに十分な長さであり、適応の容易さを可能にし、組織の破裂を引き起こす可能性がある組織に対する高レベルの応力を伴わず、および/または他方は例えば、チューブが組織から除去されると、カットを通る漏出を防止するのに十分な長さである。
【0081】
いくつかの実施形態では、真っ直ぐなカット210の厚さ、例えば、真っ直ぐなカットの2つの対向する縁部間の距離は、0.5mm未満、例えば、0.4mm未満、0.2mm未満、0.1mm未満、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値である。いくつかの実施形態では、真っ直ぐなカット210の最大幅214、例えば、カット上の2つの点間の最大距離と、真っ直ぐなカットの厚さとの間の比は5:1より大きく、例えば、10:1より大きく、15:1より大きく、20:1より大きく、100:1より大きく、または任意の中間のより小さいもしくはより高い比である。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの折り畳み可能な切断部分の切断縁部は、より弾性が低く、および/または低い自己封止特性、例えば、腸組織壁または十二指腸組織壁を有する、組織壁の真っ直ぐなカットを形成する。
【0082】
ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織、例えば、組織壁を通る湾曲したカットの形成を示す、図2Dを参照する。
【0083】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータの折り畳み可能な切断部分の鋭利な切断縁部は、薄い湾曲したカット、例えば、組織を通る円弧状のカット、例えば、湾曲したカット220を形成するように構成される。いくつかの実施形態では、湾曲したカット220の長さは、0.5~30mmの範囲、例えば、1~8mm、5~10mm、8~15mm、13~20mm、または任意の中間の、より短い、もしくはより長いカットである。いくつかの実施形態では、湾曲したカットの最大幅、例えば、湾曲したカット上の2つの位置間の最大距離は、例えば図2Dに示されるように、湾曲したカットを貫通する必要があるチューブ222、例えば、生検チューブの直径228からより大きい。
【0084】
いくつかの例示的な実施形態によれば、湾曲したカットの曲率半径は、0.2~20mmの範囲、例えば、0.2~8mm、5~10mm、7~15mm、10~20mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の範囲である。いくつかの実施形態では、湾曲したカット220の曲率直径は少なくとも、チューブ、例えば、カット220を貫通する必要があるチューブ222の外径228である。いくつかの実施形態では、カット220の長さ、および/または曲率半径は、組織の種類および/または組織の弾性、および/またはチューブの直径にしたがって選択され、例えば、組織の破裂を引き起こす可能性がある組織および/またはチューブに高レベルの力を加えることなく、チューブの貫通を可能にし、および/またはチューブが組織から除去されると、切断部を通る漏出を防止する。
【0085】
いくつかの実施形態では、厚さ、例えば、湾曲したカット220の2つの対向する縁部間の距離は、0.5mm未満、例えば、0.4mm未満、0.2mm未満、0.1mm未満、0.01mm未満、または任意の中間値、より小さい値もしくはより大きい値である。いくつかの実施形態では、湾曲したカット220の長さまたは最大幅と湾曲カットの厚さとの間の比は、5:1よりも大きく、例えば、10:1、15:1よりも大きく、20:1よりも大きく、100:1よりも大きく、または任意の中間の、より小さいもしくはより高い比である。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの折り畳み可能な切断部分の切断縁部は、弾性であり、および/または高い自己封止特性を有する、組織壁、例えば胃組織壁に湾曲したカットを形成する。
【0086】
例示的な組織サンプリングプロセス
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検チューブ、例えば、生検針は、直接または組織壁を通してサンプリングされる必要がある所望の標的組織に到達するために、身体組織を通して前進される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータは、生検チューブの前進中に組織を容易に貫通することを可能にするために、生検チューブに結合され、例えば可逆的に結合される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの少なくとも一部、例えば、組織ペネトレータの切断部分は、生検チューブの前に位置付けられ、組織に面する。
【0087】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータの切断部分は、組織ペネトレータに続く生検チューブの最大幅よりも広い切断を形成しながら、組織を貫通するように成形され、サイズ設定される。追加的に、切断によって形成されるカットは、2mm未満、例えば1mm未満、0.1mm未満、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の厚さを有する。
【0088】
いくつかの例示的な実施形態によれば、カットが形成されると、組織ペネトレータは、組織から、例えば、サンプリングチューブの管腔を通して、除去される。ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織ペネトレータを使用する組織サンプリングプロセスを示す、図3を参照する。
【0089】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検チューブ、例えば生検針に結合された組織ペネトレータが、ブロック302で提供される。いくつかの実施形態では、アセンブリ、例えば、生検アセンブリ、または組織ペネトレータおよび生検チューブを含むキットがブロック302で提供される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータは生検チューブの内側管腔内に配置される。追加的に、組織ペネトレータの少なくとも一部、例えば、組織ペネトレータの切断部分は、生検チューブから外に延在し、生検チューブの遠位に配置される。いくつかの実施形態では、切断部分は、生検チューブの内側管腔の遠位開口部を通って延在し、組織に面する。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検アセンブリは、ブロック304において、身体組織を通して標的組織に向かって前進させられる。いくつかの実施形態では、生検アセンブリは、組織ペネトレータおよび生検チューブの一方または両方に軸方向の力を加えることによって前進させられる。いくつかの実施形態では、生検アセンブリは例えば、撮像システム、例えば、超音波、x線、または任意の他の撮像システムを使用して、身体の外側から可視化の下で前進させられる。
【0091】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検アセンブリは、ブロック306で所望の標的領域に到達する。いくつかの実施形態では、生検デバイスはブロック306において、標的領域から所望の距離、例えば、標的領域から最大10cm、最大5cm、最大2cm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい距離に達する。
【0092】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータは、ブロック308で後退させられる。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの後退は、組織ペネトレータを生検チューブから切り離し、同時に、任意選択で、生検チューブを同じ位置に保持する。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータは、生検チューブに対して軸方向に後退させられる。
【0093】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断部分の少なくとも一部は、ブロック310において、再成形され、例えば、折り畳まれ、巻き付けられ(furled)、および/または巻かれる。いくつかの実施形態では、再成形された切断部分は、ブロック310において生検チューブの内側管腔内に挿入される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの後退および/または回転は、組織ペネトレータの切断縁部の再成形、例えば、折り畳みを誘発する。いくつかの実施形態では、再成形中に、切断縁部は例えば、再成形された切断縁部を生検チューブの内側管腔内に挿入することを可能にする形状および/またはサイズを獲得する。いくつかの実施形態では、再成形状態では、切断部分の最大幅または最大直径は生検チューブの内側管腔の最小幅または最小直径よりも小さい。いくつかの実施形態では、切断部分の再成形と、生検チューブの内側管腔への切断部分の挿入とは同時に行われる。代替的に、切断部分の再成形および生検チューブの内側管腔への切断部分の挿入は例えば、異なる方向および/または2つの別々の時点で力を加えることによって、連続的に行われる。
【0094】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータは、ブロック312において、生検チューブ、例えば、生検針の内側管腔から除去される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータは例えば、内側管腔内への組織サンプルの進入を可能にするために、内側管腔から除去される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータは、内側管腔内の組織ペネトレータの後退によって除去される。
【0095】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータは、サンプリングチューブの内側管腔から完全に除去され、任意選択で身体の外側に除去される。代替的に、組織ペネトレータは、部分的に除去され、例えば、生検チューブの内側管腔の所定の容積を排出する。いくつかの実施形態では、所定の体積を排出することにより、例えば、所定の組織サンプル体積をサンプリングすることが可能になる。
【0096】
いくつかの例示的な実施形態によれば、身体組織は、ブロック314でサンプリングされる。いくつかの実施形態では、身体組織サンプリング中に、生検チューブは例えば、生検針が身体組織内に前進され、一方、身体組織のサンプルは生検チューブの内側管腔内に押し込まれる。いくつかの実施形態では、例えば生検チューブの回転による生検チューブの前進の間、組織サンプルは例えば、組織ペネトレータの除去によってブロック312で排出された体積など、生検チューブの内側管腔の体積内に入る。
【0097】
例示的な組織ペネトレータおよび生検アセンブリ
ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、生検チューブおよび組織ペネトレータを備える生検アセンブリを示す、図4Aおよび図4Bを参照する。
【0098】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検アセンブリ、例えばアセンブリ400は、組織ペネトレータ402および生検チューブ404を備える。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータ402は生検チューブ404に可逆的に結合される。いくつかの実施形態において、例えば図4Aおよび図4Bに示されるように、組織ペネトレータの少なくとも一部は、生検チューブ404の内側管腔406内に配置される。
【0099】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータ、例えば、組織ペネトレータ402は、細長い本体408と、細長い本体の遠位セクション、例えば、身体組織により近いセクションに位置する切断部分410と、を備える。任意選択的に、切断部分は、細長い本体の遠位端、例えば、身体組織により近い細長い本体の端部に位置する。任意選択的に、組織ペネトレータは、先端部412、例えば、円錐形の先端部を備える。いくつかの実施形態では、先端部412は少なくとも部分的に傾斜している。いくつかの実施形態では、先端部412は例えば、組織ペネトレータが身体組織を通って前進するときに、身体組織を通って容易に貫通することを可能にするような形状およびサイズである。いくつかの実施形態では、先端部412は切断部分410の一部である。あるいは、先端部412は切断部分410の遠位に位置する。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断部分410、例えば、折り畳み可能な切断部分は、切断端部411を含む。いくつかの実施形態では、切断端部411は組織に面する切断部分410の遠位表面上に位置する。任意選択的に、切断端部411は、切削部分410の前縁部である。
【0101】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断端部411は鋭利である。追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、切断部分が薄く、例えば、0.5mm未満、例えば、0.3mm未満、0.1mm未満、または任意の中間の、より小さい値、もしくはより大きい値の厚さを有する。いくつかの実施形態では、切断端部411の長さは、2~50mmの範囲、例えば、5~10mm、8~15mm、12~20mm、15~30mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の範囲である。いくつかの実施形態では、長さまたは最大幅、例えば、切断端部上の2つの点間の最大距離と、切断端部の厚さとの間の比は、少なくとも10:1、例えば、少なくとも20:1、少なくとも30:1、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい比値である。いくつかの実施形態では、切断端部411の長さと切断端部の最大幅/直径との間の比は、少なくとも2:1、例えば少なくとも5:1、少なくとも20:1、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい比である。
【0102】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断端部411は平面であり、例えば、直線である。いくつかの実施形態では、平面の切断端部は、例えば図2Bおよび2Cに記載されるように、真っ直ぐな切断を行うために使用される。
【0103】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断端部411は湾曲している。いくつかの実施形態では、湾曲した切断端部は、0.2~20mmの範囲、例えば、0.2~5mm、5~10mm、7~15mm、10~20mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の範囲の曲率半径を有する。
【0104】
いくつかの例示的な実施形態によれば、特定のタイプの切断端部を有する特定の組織ペネトレータは、切断される必要がある組織タイプにしたがって選択され、例えば、切断が低い弾性を有する組織壁、例えば、腸または十二指腸の組織壁において行われる必要がある場合、平面の切断端部を有する組織ペネトレータが選択される。代替的に、切断が弾性組織、例えば胃の壁で行われる必要がある場合、湾曲した切断端部を有する組織ペネトレータが選択される。代替的に又は追加的に、特定の切断端部を有する特定のタイプのペネトレータが、形成されたカットを貫通する必要があるチューブの外径にしたがって選択される。
【0105】
いくつかの例示的な実施形態によれば、細長い本体408は、シャフトを備える。いくつかの実施形態では、細長い本体408は、可撓性であり、屈曲可能であり、例えば、アセンブリ400、生検チューブ404、および/または組織ペネトレータ402のうちの少なくとも1つが体内の所望の標的領域に向かって操向されている間、屈曲することを可能にする。いくつかの実施形態では、細長い本体は、少なくとも40度、例えば、少なくとも45度、少なくとも60度、少なくとも70度、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい角で屈曲可能である。いくつかの実施形態では、細長い本体は、ステンレス鋼、鋼、鋼合金、例えばコバルトクロム、超弾性合金、例えばNiTi、または形状記憶合金から形成される。
【0106】
いくつかの例示的な実施形態によれば、細長い本体408の幅409は、例えば、組織ペネトレータ402が所望の標的領域へのナビゲーション中に生検チューブ404を支持することを可能にするために、内側管腔406の幅418の最大95%、例えば、最大90%、最大80%、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きいパーセンテージ値である。いくつかの実施形態では、内側管腔406を囲む壁413の厚さは、生検チューブの内側管腔406の内側幅または内径の少なくとも5%、例えば少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きいパーセンテージ値である。
【0107】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータ本体408の最大幅または最大直径は、0.30~7mmの範囲、例えば、0.3~1mm、0.8~2mm、1.5~3mm、2~4mm、3.5~5mm、4.5~7mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の範囲である。いくつかの実施形態では、内腔406の最大幅または最大直径は、組織ペネトレータ本体の最大直径から、少なくとも0.02mm、例えば、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも3mm、または任意の中間の、より小さい、またはより大きい値でより大きい。
【0108】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断部分410は、再成形可能な切断部分であり、例えば図2Aに記載されるように、拡張状態から折り畳み状態に移動するように構成される。いくつかの実施形態では、例えば図4Aに示されるように、拡張状態である。切断部分は、生検チューブ404の外側および遠位に位置する。いくつかの実施形態では、切断部分410は、生検チューブ管腔406から、例えば、遠位開口部416を通って延在する本体408の一部分に機械的に接続される。あるいは、切断部分410は本体408の一体部分である。
【0109】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図4Aに示されるように、拡張状態である。切断部分410の最大幅414は、内側管腔406の最大幅418または最大直径よりも大きい。いくつかの実施形態では、拡張状態では、切断部分410の最大幅414は内側管腔の遠位開口部416の最大幅または最大直径よりも大きい。いくつかの実施形態では、切断部分410の最大幅414は0.40~8mmの範囲内である。
【0110】
いくつかの例示的な実施形態によれば、拡張状態において、切断部分は、組織に面する単一の連続的な遠位切断縁部を含む。代替的に、切断部分は、それぞれが組織に面する遠位切断縁部を有する、2つ以上の遠位に延在するセクションを備える。代替的に、切断部分は、単一の連続的な切断縁部の2つ以上の遠位方向に延在するセクションを含む。いくつかの実施形態では、切断部分は先端部412を形成するように遠位に延在する。
【0111】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断部分は、例えば図4Bに示されるように、生検チューブの内側管腔406に入るように再成形される。いくつかの実施形態では、切断部分の再成形は、組織ペネトレータ402、例えば、組織ペネトレータ本体408を後退および/または回転させることによって誘発される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータ本体は体外から後退および/または回転される。いくつかの実施形態では、再成形された、例えば、折り畳まれた状態において、切断部分の最大幅または直径は、例えば図3のブロック312に記載されるように、例えば、生検チューブの内側管腔を通して身体から組織ペネトレータ402を除去することを可能にするために、内側管腔406の内部幅または直径よりも小さい。
【0112】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータ本体408の後退および/または回転は例えば、内側管腔406の寸法に対してより小さい寸法、例えば、幅または直径を有する所望の形状を得るために、切断部分410の少なくとも一部の巻き上げまたは回転を誘発する。代替的に又は追加的に、組織ペネトレータ本体408の後退及び/又は回転は例えば、所望の形状を得るために、切断部分の少なくとも一部を折り畳むように誘導する。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータ本体408の後退および/または回転は、重複が形成されるまで、切断部分の2つ以上の端部を屈曲させる。
【0113】
ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織ペネトレータと生検チューブとの間の結合を示す、図5Aおよび図5Bを参照する。
【0114】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータは例えば、身体内の標的領域への生検アセンブリのナビゲーション中に、生検チューブに連結される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータは例えば、組織サンプリングの前または最中に組織ペネトレータの除去を可能にするために、生検チューブに可逆的に結合される。
【0115】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータを生検チューブに結合することにより、生検チューブは、例えばナビゲーション中に切断部分に加えられる外部圧力に対して遠位方向に延在する切断を支持することができる。いくつかの実施形態では、例えば図4Aに示されるように、ナビゲーション中、切断部分410は例えば、組織によって加えられる力によって開口部416の縁部を囲む生検チューブ本体415の遠位端に押し付けられる。いくつかの実施形態では、切断部分が折り畳まれることなく本体415に押し付けられるように成形および構成される。
【0116】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検チューブ本体の壁の最小厚さは、生検チューブの内径の少なくとも5%、例えば少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きいパーセンテージ値である。いくつかの実施形態では、生検チューブ本体の壁の最小厚さは、少なくとも0.03mm、例えば、少なくとも0.05mm、少なくとも0.07mm、少なくとも0.1mm、または任意の中間の、より小さい値、もしくはより大きい値である。
【0117】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図5Aに示されるように、組織ペネトレータ402と生検チューブ404との間の結合は、生検チューブ404の近位セクション502に位置するカップラ504によって生成される。いくつかの実施形態では、カップラ504は、標的領域に向かうナビゲーション中に、生検チューブ404と組織ペネトレータ402とを機械的に結合する。いくつかの実施形態では、カップラは、生検チューブおよび/または組織ペネトレータの互いに対する回転を任意選択的に可能にしながら、生検チューブ404に対する組織ペネトレータ402の位置を軸方向に固定する。いくつかの実施形態では、カップラ504は、可逆ロック、例えば可逆インターロック機構を備える。いくつかの実施形態では、切断部分に加えられる力が組織ペネトレータをインターロック機構に押し付ける。いくつかの実施形態では、インターロック機構は、加えられた力の少なくとも一部を生検チューブに伝達する。
【0118】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図5Bに示されるように、インターロック機構の解放は、例えば、切断部分の再成形および/または生検チューブ502の管腔を通る組織ペネトレータ402の後退を可能にする。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータ402の生検チューブ404からの切り離しは不可逆的である。任意選択的に、カップラ504は、組織ペネトレータの回転および/または後退のための機構の一部であり、例えば、切断部分の再成形を可能にする。
【0119】
例示的な組織貫通
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検チューブおよび組織ペネトレータを含む生検アセンブリは、体内組織を通って所望の標的領域に向かって前進させられる。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの少なくとも一部、例えば、切断部分は、生検チューブの遠位に位置し、アセンブリが標的領域に向かって前進することにつれて、貫通し、切断を行うように成形され、サイズ決定される。いくつかの実施形態では、切断部分によって形成されるカットは、例えば、切断部分の近位に位置する生検チューブの、組織を通る容易な貫通を可能にする。ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織を貫通することを説明する、図6A~6Eを参照する。
【0120】
いくつかの例示的な実施形態によれば、生検アセンブリ602は、組織ペネトレータ604と、生検チューブ606とを備える。いくつかの実施形態では、組織を貫通する前に、組織ペネトレータ本体608は、生検の内側管腔609内に位置し、本体608に接続された組織ペネトレータ604の切断部分610は生検チューブ606から遠位に延在する。いくつかの実施形態では、切断部分は、生検チューブから外へ延在するとき、拡張状態にあり、切断部分の最大幅は、または生検チューブの外径より大きいか、同様の幅、例えば外径を有する。
【0121】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータは、切断部分の遠位に位置する、遠位先端部、例えば、鋭利な遠位先端部612を備える。いくつかの実施形態では、遠位先端部は切断部分610の一体部分である。代替的に、遠位先端部は例えば、本体が生検チューブから外へ延在し、切断部分に接続される実施形態では、本体608の一体部分である。
【0122】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図6Bに示されるように、アセンブリ602は組織614内へそこを通って進み、先端部612が組織614を貫通し、一方、拡張された切断部分610はより広い、または近位に配置された生体装着管606の幅に類似した幅を有する薄いカット616を形成する。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータが組織を通って前進することにつれて、組織は切断部分に力を加える。いくつかの実施形態では、切断部分に加えられる力が切断部分を生検チューブに押し付け、この生検チューブは、再成形、例えば、切断部分の折り畳みを誘発することなく、切断部分を構造的に支持する。代替的に、カップラ、例えば図5Aおよび図5Bに示されるカップラ504は、切断部分610に加えられる力に抗して組織ペネトレータ本体を構造的に支持する。
【0123】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図6Bに示されるように、アセンブリ602が組織内の所望の標的領域に達すると、組織ペネトレータ604が組織614から除去される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータ604が除去されるとき、生検チューブ606は同じ位置に留まる。いくつかの実施形態では、切断部分610は例えば、生検チューブ606の内側管腔609に嵌合することができる形状および/またはサイズを取得するために、再成形され、例えば、折り畳まれる。
【0124】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図6Cに示されるように、切断部分610は、本体608の後退及び/又は回転によって、再成形され、例えば折り畳まれる。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータ本体608の後退は例えば、生検チューブ管腔609への進入中および/または進入前に、切断部分を折り畳ませる。
【0125】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータは、例えば図6Dに示されるように、身体から除去される。いくつかの実施形態では、生検チューブは、例えば図6Eに示されるように、組織内に進められ、少なくとも部分的にカット616を通って進む。いくつかの実施形態では、カット616は例えば、組織壁611を通る生検チューブの容易な進入を可能にする。代替的にまたは追加的に、カットの形状および/またはサイズは例えば、生検チューブが後退させられるときに、組織壁のカットを通る漏出を防止するために、組織による自己封止を可能にする。
【0126】
例示的な切断部分の再成形
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータは、長手方向軸と、組織に接触するように成形およびサイズ決定された遠位セクションと、近位セクションとを備える。いくつかの実施形態では、狭い形状、例えば、生検チューブの内側管腔に嵌合する狭い形状を再成形および獲得するように構成された折り畳み可能な切断部分は遠位セクションに位置する。いくつかの実施形態では、切断部分が組織に面する切断部分の外面上に切断縁を備える。いくつかの実施形態では、切断部分に接続された細長い本体が近位セクションに位置する。任意選択的に、切断部分は、細長い本体と一体化される。
【0127】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断部分は、組織ペネトレータ本体が配置された生検チューブによって切断部分に加えられる力によって再成形される。いくつかの実施形態では、切断部分は例えば、切断部分の折り畳みを可能にするために、曲げ可能である。任意選択的に、切断部分は例えば、切断部分の折り畳みを可能にし、以前の拡張形状に戻るように、弾性である。ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、切断部分の再成形を示す、図7A図7Fを参照する。
【0128】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータ、例えば、組織ペネトレータ702は、近位の細長い本体704と、細長い本体に接続された遠位切断部分706と、長手方向軸716とを備える。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータ702は、生検チューブ710の内側管腔708内に少なくとも部分的に配置される。いくつかの実施形態では、例えば図7Aに示されるように、切断部分は、内側管腔708から少なくとも部分的に遠位に延在する。
【0129】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断部分、例えば、切断部分706の断面または突起は、菱形、三角形、湾曲または角度のある角を有する三角形、または菱形である。いくつかの実施形態では、切断部分は、折り畳み可能な切断部分であり、組織ペネトレータの長手方向軸716に向かって内側に折り畳まれるように構成される。いくつかの実施形態では、切断部分は、切断部分706と生検チューブ710との間の1つまたは複数の接触点、例えば接触点712および714において、切断部分706の両側に、例えば生検チューブ710によって加えられる内向きの力に応答して、内向きに潰れるように構成される。
【0130】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図7Bに示されるように、内側への折り畳みによって、切断部分706は、生検チューブ内側管腔708の最小幅よりも小さい最大幅を有するように再成形される。
【0131】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータ702および生検チューブ710が組織を通って前進する間、生検チューブ710は、切断部分706上の組織によって加えられる力に抗して、1つまたは複数の接触点で切断部分706を支持する。いくつかの実施形態では、組織によって加えられる力が再成形を誘導するのに必要な力値よりも低い。いくつかの実施形態では、切断部分の形状は例えば、生検チューブ710に対して傾くことによって再成形することなく、0.5~5ニュートン(N)、例えば、0.5~2N、1~3N、2~5Nまでの力値、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の範囲に抵抗するように構成される。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータの後退がこの力値を超え、切断部分の再成形をもたらす。
【0132】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図7Cに示されるように、切断部分718は三角形として成形された断面を有し、三角形719の基部は例えば、身体組織を通って前進する間、生検チューブ本体710に対して傾く。
【0133】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータの壁720は、組織ペネトレータ壁と組織ペネトレータ本体721との間で、20度未満、例えば、15度未満、10度未満、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい角度で配置される。いくつかの実施形態では、壁720が例えば、切断部分が組織を通って前進するときに切断部分に組織によって加えられる力に対して切断部分718を支持するために、切断部分の再成形を引き起こすことなく、生検チューブ710に対して傾斜する。
【0134】
いくつかの例示的な実施形態によれば、本体721の後退は、生検チューブ710によって切断部分718に力を加え、例えば長手方向軸716に向かって、切断部分718の内側への折り畳みをもたらす。いくつかの実施形態では、例えば図7Dに示されるように、折り畳まれた状態において、切断部分の最大幅は生検チューブの内側管腔708の最小幅よりも小さい。
【0135】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図7Eに示されるように、組織ペネトレータは、近位本体734に接続された、または本体734と一体化された遠位切断部分732を備える。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータ730は、切断部分が拡張状態にあるとき、切断部分732の近位に、例えば、切断部分732と生検チューブ本体738との間に位置するストッパ736を備える。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータ730が組織を通って前進する間、組織によって切断部分732に加えられる力はストッパ736を本体738に押し付ける。
【0136】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ストッパ736は、組織を通って前進する間に、組織ペネトレータ上の生検チューブ本体738によって加えられる圧力に抵抗するように構成され、切断部分732を再成形、例えば、折り畳まれることはない。いくつかの実施形態では、ストッパは、生検チューブ本体738と切断部分732との間の直接接触を防止するように構成される。いくつかの実施形態では、例えば、組織を通って前進する間、ストッパは生検チューブ本体738に可逆的に機械的に結合される。いくつかの実施形態では、ストッパが組織ペネトレータ本体734に結合される。
【0137】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータ730の後退は、例えば図7Fに示されるように行われる。ストッパ736が抵抗できる力よりも大きいストッパ736の力を加える。いくつかの実施形態では、生検チューブ738に対する組織ペネトレータ730の後退中にストッパ736に加えられる力がストッパ736を変形させる。いくつかの実施形態では、ストッパの変形が生検チューブ738と切断部分730、例えば、折り畳み可能な切断部分との間の直接接触をもたらし、例えば、図7Bに記載されるように、切断部分730を折り畳む。いくつかの実施形態では、ストッパは、最大0.5~5N、例えば0.5~2N、1~3N、2.5~4N、3.5~5N、または任意の中間の、より小さい値またはより大きい値の範囲の圧力に耐えるように構成される。
【0138】
ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、組織ペネトレータの切断部分と組織壁との間の貫通角度、および切断部分と生検チューブとの間の角度を示す、図7Gを参照する。
【0139】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータ、例えば、組織ペネトレータ750は、切断部分752、例えば、折り畳み可能な部分を備える。いくつかの実施形態では、切断部分752の少なくとも1つの外面は、非平面表面、例えば、湾曲した又は角度の付いた外面である。いくつかの実施形態では、組織、例えば、組織壁754に面する切断部分752の少なくとも1つの外面は、非平面、例えば、表面756である。
【0140】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織、例えば表面756に面する切断部分752の外面は、表面756と組織壁754との間の、45度より大きい角度758、例えば50度より大きい角度、60度より大きい角度、70度より大きい角度、87度より大きい角度、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい角度で配置される。いくつかの実施形態では、組織に面する切断部分の外面と組織との間の45度よりも大きい角度は例えば、組織754上の切断部分752によって低い軸方向力を加えながら、組織内に侵入することを可能にする。
【0141】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断部分752の外面、例えば、組織ペネトレータが配置される生検チューブ762に面する表面760は、生検チューブ762に対してある角度で配置される。いくつかの実施形態では、生検チューブ762と表面760との間の角度764は、45度より大きく、例えば、50度より大きく、60度より大きく、70度より大きく、87度より大きく、または表面760と生検チューブ762との間の任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい角度である。いくつかの実施形態では、生検チューブに面する切断部分の外面と組織生検チューブとの間の45度より大きい角度は例えば、生検チューブ762によってペネトレータ本体734に比較的低い軸方向力を加えることによって、例えば、ペネトレータ本体を生検チューブの内側管腔内に後退させることによって、切断部分を折り畳むことを可能にする。
【0142】
ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、湾曲した側壁を有する組織ペネトレータを示す、図7Hを参照する。
【0143】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータ、例えば、組織ペネトレータ770は、細長い本体776に接続された切断部分772、例えば、折り畳み可能な切断部分を備える。いくつかの実施形態では、切断部分772は、遠位先端部、例えば、側面774および775、例えば、側面を介して細長い本体776に接続された遠位先端部771を備える。いくつかの実施形態では、例えば、図7Hに示されるように、側面774及び775は湾曲しており、例えば、非角度である。いくつかの実施形態では、側面は、切断部分が拡張状態にあるとき、例えば、切断部分が生検チューブ本体738の内側管腔から外に延在するとき、湾曲している。任意選択的に、切断部分の遠位先端部は湾曲している。任意選択的に、切断部分の外縁部は、完全に湾曲している。あるいは、外縁部の少なくとも一部は湾曲している。
【0144】
湾曲した切断部分を有する例示的な組織ペネトレータ
ここで、いくつかの例示的な実施形態による、湾曲した切断部分を有する組織ペネトレータを示す、図8A~8Eを参照する。
【0145】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータ800は、近位セクション802および遠位セクション804を有する細長い本体806を備える。いくつかの実施形態では、細長い本体806は細長いシャフトを備える。いくつかの実施形態では、シャフトは、例えば、スリーブ、例えば内視鏡を通って前進しながら組織ペネトレータの曲げを可能にするために、可撓性である。いくつかの実施形態では、細長いシャフトは遠位先端部808を備える。いくつかの実施形態では、遠位先端部808は、例えば、シャフト内への組織の貫通を防止するために閉じられる。任意選択的に、遠位先端部808は傾斜している。任意選択的にまたは追加的に、遠位先端部808は例えば、組織を容易に貫通できるように、少なくとも部分的に尖っている。
【0146】
いくつかの例示的な実施形態によれば、カッター、例えば、切断部分810は、細長い本体806の遠位セクション804、例えば、シャフトの遠位セクションに機械的に接続される。いくつかの実施形態では、遠位先端部808は切断部分810の遠位に位置付けられる。いくつかの実施形態では、切断部分810は少なくとも部分的に湾曲している。
【0147】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断部分810は、組織ペネトレータの長手方向軸の周りに、例えば、細長い本体806の長手方向軸の周りに湾曲する湾曲した面を有する。いくつかの実施形態では、細長い本体に垂直な湾曲した面の最大長さは、細長い本体の幅よりも大きい。いくつかの実施形態では、湾曲した面の弧長は固定される。代替的に、弧の長さは本体806の長手方向軸に沿って変化する。いくつかの実施形態では、湾曲した面の最大弧長は、0.8~20mmの範囲、例えば、0.8~3mm、1~5mm、3~7mm、6~10mm、8~15mm、13~20mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の範囲である。いくつかの実施形態では、細長い本体806の幅または直径に対する切断部分の湾曲した面810の全幅の比は、それぞれ、1:1の比と15:1の比との間の範囲にある。いくつかの実施形態では、本体806の長手方向軸に沿った切断部分810の最大長さは、1~60mmの範囲、例えば、1~10mm、8~20mm、15~30mm、20~40mm、30~50mm、40~60mm、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値の範囲である。
【0148】
いくつかの例示的な実施形態によれば、細長い本体806の両側に延在する切断部分810の外縁部は例えば、組織ペネトレータが組織内に軸方向に前進するときに組織の切断を可能にするために、少なくとも部分的に尖っている。いくつかの実施形態では、例えば、図9Bに示されるように、切断部分810の最大厚み822は、0.1mmより小さく、例えば、0.8mmより小さく、0.6mmより小さく、0.5mmより小さく、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値である。いくつかの実施形態では、厚さ822は、内側管腔819の幅から本体806の幅を減少させ、結果を少なくとも2、例えば、少なくとも3、少なくとも4、または任意の中間の、より小さい、もしくはより大きい値に分割することによって計算される。
【0149】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図8Dおよび8Eに示されるように、切断部分810は、本体806に沿った1つまたは複数の接触点で、細長い本体806に結合される。いくつかの実施形態では、切断部分810は、1つまたは複数の溶接点、例えば溶接点814および815で溶接することによって細長い本体に結合される。あるいは、切断部分は、はんだ付け、接着、圧着、および金属部品の任意の他の接合オプションによって、細長い本体に結合される。
【0150】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図8B-8Eに示されるように、組織ペネトレータは、任意選択的に生検針である生検チューブ812内に少なくとも部分的に配置されるような形状およびサイズである。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータ、例えば、切断部分810および本体806は、チューブ812から遠位に、例えば、チューブ812の遠位開口部813を通って延びる。いくつかの実施形態では、例えば図8Cに示されるように、切断部分810の最大幅は例えば、切断部分が拡張されるとき、生検チューブ812の外部幅811よりも小さいか、または等しい。いくつかの実施形態では、切断部分が拡張されるとき、切断部分の最大幅は生検チューブの内側管腔の幅よりも大きい。
【0151】
ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、折り畳まれた状態、例えば、折り畳まれた状態の切断部分を示す、図9Aおよび図9Bを参照する。
【0152】
いくつかの例示的な実施形態によれば、折り畳まれた状態において、組織ペネトレータは、生検チューブ812の内側管腔819内に挿入される。いくつかの実施形態では、切断部分810は例えば、本体806の周りに少なくとも部分的に折り畳まれる。いくつかの実施形態では、切断部分810は例えば、折り畳まれた状態で折り畳むことを可能にするために可撓性である。いくつかの実施形態では、切断部分810は不可逆的に折り畳み可能であり、例えば、切断部分810は一旦内側に折り畳まれると、以前の形状に戻ることができない。任意選択的に、切断部分はまた、例えば、以前の拡張状態に戻ることを可能にするために、弾性である。
【0153】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば図9Bに示されるように、折り畳まれた状態において、切断部分は、生検チューブの内側管腔819の内面に接触する。任意選択的に、折り畳まれた状態において、切断部分の鋭利な縁部は例えば、組織ペネトレータが管腔819内で移動するときの表面への損傷を防止するために、管腔819の内面からある距離をおいて配置される。
【0154】
ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、湾曲した切断部分の折り畳みを示す、図10A図10Dを参照する。
【0155】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、図10Aに示されるように、湾曲した切断部分1004は、組織ペネトレータ本体、例えばシャフト1006に連結される。いくつかの実施形態では、図10Aに示される拡張状態において、切断部分1004の最大幅1012は、組織ペネトレータが少なくとも部分的に位置する生検チューブ1010の内側管腔1008の幅1014よりも大きい。いくつかの実施形態では、拡張状態では、切断部分は内側管腔1008から少なくとも部分的に延在する。
【0156】
いくつかの例示的な実施形態によれば、例えば、図10Bに示されるように、切断部分1004は例えば、折る(fold)ように折り畳まれて、内側管腔1008の幅よりも小さい幅1016を取得するように構成される。いくつかの実施形態では、切断部分が例えば、内側管腔1008の幅よりも小さい幅を得るために、内側に屈曲するのに十分な弾性を有する。
【0157】
代替的に、例えば、図10Cおよび図10Dに示されるように、組織ペネトレータ本体1016に結合された湾曲した切断部分1014は、管腔1008内で少なくとも部分的に巻き付けられるように、例えば、回転するように構成される。いくつかの実施形態では、切断部分1014が少なくとも部分的に巻かれるとき、2つの対向する端部、例えば、対向する端部1017および1015が重なり合い、任意選択で互いに接触する。代替的に、切断部分の2つの対向する端部は、例えば、図9Bに示されるように、重複することなく少なくとも部分的に巻かれる。
【0158】
一体化された切断部分を有する例示的な組織ペネトレータ
ここで、本発明のいくつかの例示的な実施形態による、一体化された切断部分を有する組織ペネトレータを示す、図11Aおよび図11Bを参照する。
【0159】
いくつかの例示的な実施形態によれば、組織ペネトレータ1102は、近位セクション1104および遠位セクション1106を備える。いくつかの実施形態では、組織ペネトレータは、近位セクションに細長い本体1107と、遠位セクション1106に切断部分1108とを備える。いくつかの実施形態では、切断部分1108は本体と一体化され、例えば、同じシートまたは材料の層から形成される。
【0160】
いくつかの例示的な実施形態によれば、本体1107および切断部分1108は例えば、鋼、ステンレス鋼、鋼合金、例えば、コバルトクロム、または超弾性合金、形状記憶合金、例えば、ニチノールのシートからの単一層の材料から形成される。いくつかの実施形態では、本体1107が層を曲げて、管状形状、例えば、生検チューブの内側に配置されるような形状およびサイズにされた密閉チューブを形成することによって形成される。いくつかの実施形態では、切断部分は、例えばレーザ切断を使用して管を切断することによって形成される。いくつかの実施形態では、生検チューブの内側に配置されるように成形およびサイズ決定される本体の一部は、生検チューブの幅または直径よりも小さい固定幅または直径を有する。追加的に、本体1107の外面は例えば、生検チューブの内面への損傷を防止するために、滑らかである。
【0161】
いくつかの例示的な実施形態によれば、切断部分は、材料の層を曲げて凹形状を形成することによって形成され、任意選択で遠位方向に延びる先端部1109を有する。いくつかの実施形態では、切断部分1108の最大幅は本体1107の最大幅よりも大きい。
【0162】
いくつかの例示的な実施形態によれば、本体1107は例えば、後退力を低下させることを可能にするために、窓または開口部、例えば、開口部1111を備える。
【0163】
この出願から成熟する特許の寿命の間に、多くの関連する生検チューブが開発されることが予想され、生検チューブという用語の範囲は、先験的にすべてのそのような新しい技術を含むことが意図される。
【0164】
量または数値に関して本明細書で使用される場合、「約」という語は、「±20%以内」を意味する。
【0165】
「備える」(“comprises”)、「備えている」(“comprising”)、「含む」(“includes”)、「含んでいる」(“including”)、「有する」(“has”)、「有している」(“having”)およびそれらの結合語は、含んでいるがそれに限定されないことを意味する。
【0166】
「からなる」(“consisting of”)とは、「含み、それに限定される」ことを意味する。
【0167】
「本質的に~からなる」という用語は、組成物、方法、または構造が、追加の成分、段階、および/または部品を含んでもよいが、追加の成分、段階、および/または部品が、特許請求の範囲に記載された組成物、方法、または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。
【0168】
本明細書では、単数形の“a”、“an”および“the”は、文脈上明らかに別段の記述がない限り、複数の参照を含む。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含むことができる。
【0169】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態が範囲形式で示されてもよい。範囲形式での記述は、単に利便性と簡潔さのためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の記述は、その範囲内の個々の数値だけでなく、可能なすべての部分範囲を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、1から6までのような範囲の記述は、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6までなどのような部分範囲と、その範囲内の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、6などが具体的に開示されていると考えるべきである。これは範囲の広さに関係なく適用される。
【0170】
本明細書で数値範囲(例えば、「10-15」、「10-15」、またはこれらの別のそのような範囲指示によってリンクされた任意の数のペア)が示されている場合はいつでも、文脈が明らかに異なることを述べていない限り、それは示された範囲内で引用された任意の数値(小数または整数)を含むことを意味している。本明細書では、第1の表示番号および第2の表示番号「に亘る/の間の範囲」、および第1の表示番号から第2の表示番号まで「に亘る/の範囲」という表現が互換的に使用されており、第1および第2の表示番号、ならびにその間のすべての小数および整数を含むことを意味している。
【0171】
別段の指示がない限り、本明細書で使用される数およびそれに基づく任意の数の範囲は当業者によって理解されるように、合理的な測定および丸め誤差の精度内の近似である。
【0172】
明確にするために、別々の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されることもあり、本明細書は、そのような組み合わせが本明細書に明示的に記載されているかのように読まれることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴も、別個に、または任意の適切な部分的組み合わせで、または本発明の他の説明された実施形態において適切に提供されてもよく、本明細書は、そのような組み合わせが本明細書に明示的に規定されているかのように読まれるべきである。様々な実施形態の文脈で説明された特定の特徴は、それらの要素がないと実施形態が機能しない場合を除き、それらの実施形態の必須の特徴とはみなされない。
【0173】
本開示の説明は特定の実施形態に関連して提供されるが、多くの代替、修正、および変形が当業者に明らかであることは明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内にある、そのような代替、修正、および変形のすべてを包含することが意図される。
【0174】
本明細書中で言及されているすべての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願が参照により本明細書中に組み込まれることが具体的かつ個別に記述されている場合と同じ程度に、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。また、本願明細書で引用または特定した文献は、当該文献が本発明の先行技術として利用可能であることを自認するものと解釈してはならない。節の見出しが使用されている限りにおいて、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。また、本出願の優先権書類は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
【国際調査報告】