(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-21
(54)【発明の名称】動的な形状スケッチングのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/03 20060101AFI20230713BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20230713BHJP
【FI】
G06F3/03 400A
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580858
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 IB2021055649
(87)【国際公開番号】W WO2022003511
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000139403
【氏名又は名称】株式会社ワコム
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】オルワセユイ ソサニャ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエラ パレデス フェンテス
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル トーマス
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555BA05
5E555BB05
5E555BC04
5E555CA17
5E555CA42
5E555CA44
5E555DA08
5E555DA09
5E555DB53
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
システムは、ユーザがオブジェクトの寸法及び形状を直感的かつ動的に指定することを可能にする位置指示器及び処理デバイスを含む。位置指示器は、位置指示器の一部に加えられた圧力を示す信号を送信する。処理デバイスは、位置指示器の一部に加えられた圧力を示す信号と、位置指示器のそれぞれの位置を示す信号とを受信する。処理デバイスは、位置指示器の一部に加えられた圧力を示す信号と、位置指示器のそれぞれの位置を示す信号とに基づいて、可視化データを生成する。可視化データは、位置指示器の一部に加えられた圧力を示す信号に基づく方向に所定の位置から延在するオブジェクトを定義する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
複数の参照タグが外面上に設けられた筐体、
前記筐体内に設けられ、かつ前記筐体の開口部を通して前記筐体から突出する先端部を有する芯体、
前記芯体の前記先端部に加えられた圧力を検出する圧力検出器、及び、
前記圧力検出器に結合され、前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す1つ以上の信号を送信するトランスミッタ、
を含む位置指示器と、
前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号、及び、1つ以上の前記参照タグそれぞれの位置を示す1つ以上の信号を受信する少なくとも1つのレシーバ、
前記少なくとも1つのレシーバに結合された少なくとも1つのプロセッサ、並びに、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令を記憶する少なくとも1つのメモリデバイス、
を含む処理デバイスと、を備え、
前記命令は、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号と、前記1つ以上の前記参照タグそれぞれの位置を示す前記1つ以上の信号とに基づいて、可視化デバイスによる表示の対象である可視化データを生成する処理を前記処理デバイスに実行させるものであり、
前記可視化データは、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号に基づく方向に向かって所定の位置から延在するオブジェクトを記述するものである、
システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶される前記命令は、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号により前記圧力が所定の閾値よりも大きいことが示される場合に、前記可視化デバイスによって表示される前記オブジェクトが前記所定の位置から第1の所定の方向に向かって延在することとなるよう、前記処理デバイスに前記可視化データを生成させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶される前記命令は、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号により前記圧力が前記所定の閾値よりも小さいことが示される場合に、前記可視化デバイスによって表示される前記オブジェクトが、前記所定の位置から前記第1の所定の方向とは反対の方向である第2の所定の方向に向かって延在することとなるよう、前記処理デバイスに前記可視化データを生成させる、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理デバイスは、入力面を有するセンサを含み、
前記センサは、前記位置指示器を検出し、検出した前記位置指示器の前記入力面上における位置を示す信号を出力し、
前記少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶される前記命令は、前記処理デバイスに、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号と、前記1つ以上の前記参照タグそれぞれの位置を示す前記1つ以上の信号と、前記センサによって検出された前記位置指示器の前記入力面上における前記位置を示す前記信号とに基づいて、前記可視化データを生成させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記位置指示器はスイッチを含み、
前記トランスミッタによって送信される前記1つ以上の信号は、前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力と、前記スイッチの状態とを示し、
前記少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶される前記命令は、前記処理デバイスに、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力及び前記スイッチの前記状態を示す前記1つ以上の信号と、前記1つ以上の前記参照タグそれぞれの位置を示す前記1つ以上の信号とに基づいて、前記可視化データを生成させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記位置指示器は、前記位置指示器の加速度を示す信号を出力する加速度計を含み、
前記トランスミッタによって送信される前記1つ以上の信号は、前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力と、前記位置指示器の前記加速度とを示し、
前記少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶される前記命令は、前記処理デバイスに、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力及び前記処理デバイスの前記加速度を示す前記1つ以上の信号と、前記1つ以上の前記参照タグそれぞれの位置を示す前記1つ以上の信号とに基づいて、前記可視化データを生成させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
システムであって、
開口部を通して外部に突出する芯体を有する筐体、
前記芯体の前記先端部に加えられた圧力を検出する圧力検出器、及び、
前記圧力検出器に結合され、前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す1つ以上の信号を送信するトランスミッタ、
を含む位置指示器と、
入力面を有し、該入力面に対する前記芯体の前記先端部の位置を示す信号を出力するセンサ、
前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号を受信する少なくとも1つのレシーバ、
前記センサ及び前記少なくとも1つのレシーバに結合された少なくとも1つのプロセッサ、及び、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令を記憶する少なくとも1つのメモリデバイス、
を含む処理デバイスと、を備え、
前記命令は、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部の前記入力面上における前記位置を示す前記信号と、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号とに基づいて、可視化デバイスによる表示の対象である可視化データを生成する処理を前記処理デバイスに実行させるものであり、
前記可視化データは、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号に基づく方向に向かって所定の位置から延在するオブジェクトを記述するものである、
システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶される前記命令は、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号により前記圧力が所定の閾値よりも大きいことが示される場合に、前記可視化デバイスによって表示される前記オブジェクトが前記所定の位置から第1の所定の方向に向かって延在することとなるよう、前記処理デバイスに前記可視化データを生成させる、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶される前記命令は、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号により前記圧力が所定の閾値よりも小さいことが示される場合に、前記可視化デバイスによって表示される前記オブジェクトが前記所定の位置から前記第1の所定の方向とは反対の方向である第2の所定の方向に向かって延在することとなるよう、前記処理デバイスに前記可視化データを生成させる、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記処理デバイスはスイッチを含み、
前記トランスミッタによって送信される前記1つ以上の信号は、前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力と、前記スイッチの状態とを示し、
前記少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶される前記命令は、前記処理デバイスに、前記センサの前記入力面に対する前記芯体の前記先端部の前記位置を示す前記信号と、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力及び前記スイッチの前記状態を示す前記1つ以上の信号とに基づいて、前記可視化データを生成させる、
請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記処理デバイスは、前記処理デバイスの加速度を示す信号を出力する加速度計を含み、
前記トランスミッタによって送信される前記1つ以上の信号は、前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力と、前記処理デバイスの前記加速度とを示し、
前記少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶される前記命令は、前記処理デバイスに、前記センサの前記入力面に対する前記芯体の前記先端部の前記位置を示す前記信号と、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記1つ以上の信号と、前記処理デバイスの前記加速度とに基づいて、前記可視化データを生成させる、
請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
方法であって、
センサの表面に関連する3次元空間における位置指示器の1つ以上の空間位置を示す1つ以上の信号を受信すること、
前記位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す信号を受信すること、
前記位置指示器の1つ以上の位置を示す前記1つ以上の信号と、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記信号とに基づいて、可視化データを生成すること、
前記可視化データをディスプレイに供給すること、を含み、
前記可視化データは、前記センサの前記表面の平面から、前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記信号に基づく方向に向かって遠ざかる方向に延在するオブジェクトを記述するものである、
方法。
【請求項13】
前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記信号により前記圧力が所定の閾値よりも大きいことが示される場合に、前記オブジェクトは、所定の位置から第1の所定の方向に延在する、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記信号により前記圧力が前記所定の閾値よりも小さいことが示される場合に、前記オブジェクトは、前記所定の位置から前記第1の所定の方向とは反対の方向である第2の所定の方向に延在する、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記位置指示器のスイッチの状態を示す信号を受信することを含み、
前記可視化データを前記生成することは、(i)前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記信号と、(ii)前記位置指示器の1つ以上の空間位置を示す前記1つ以上の信号と、(iii)前記位置指示器の前記スイッチの前記状態を示す前記信号とに基づいて、前記可視化データを生成することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記位置指示器の加速度を示す信号を受信することを含み、
前記可視化データを前記生成することは、(i)前記位置指示器の前記芯体の前記先端部に加えられた前記圧力を示す前記信号と、(ii)前記位置指示器の1つ以上の空間位置を示す前記1つ以上の信号と、(iii)前記位置指示器の前記加速度を示す前記信号とに基づいて、前記可視化データを生成することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記位置指示器の1つ以上の空間位置を示す前記1つ以上の信号は、前記位置指示器上に設けられた複数の参照タグのうちの1つ以上の位置をそれぞれ示す1つ以上の信号を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記位置指示器の1つ以上の空間位置を示す前記1つ以上の信号は、前記センサの前記表面に対する前記位置指示器の前記先端部の位置を示す信号を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記可視化データに基づいて、前記オブジェクトの画像を表示すること、
をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記オブジェクトの前記画像は、少なくとも部分的に、ヘッドマウントディスプレイによって表示される、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デジタルデータで表される多次元オブジェクトのディメンジョンを指定することに関し、より具体的には、入力デバイスとしての位置指示器を用いて実行される直感的なユーザ操作に基づいて、そのような多次元オブジェクトの形状を動的にスケッチするためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザは、デジタルデータで表される多次元オブジェクトのディメンジョンを指定するために、複数の入力デバイスで複雑な操作セットを実行しなければならない。例えば、ユーザがデジタルデータで表される多次元オブジェクトの形状を指定することを可能にする従来のシステムは、形状、向き、寸法などを指定するために、ユーザが、ユーザの片方の手でキーボードの1つ以上のキーを操作しながら、同時にユーザのもう片方の手でコンピュータマウスを移動させ、かつコンピュータマウスのボタンを操作することを必要とし得る。したがって、ユーザが、単一の入力デバイスを用いてデジタルデータで表される多次元オブジェクトの形状、向き、寸法などを直感的に指定することを可能にするシステム及び方法を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0206452号
【特許文献2】米国特許第9,939,931号
【特許文献3】米国特許第9,964,395号
【特許文献4】米国特許第9,600,096号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザが、単一の入力デバイスを用いてデジタルデータで表される多次元オブジェクトの形状、向き、寸法などを直感的かつ動的に指定することを可能にするシステム及び方法を教示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の実施形態によるシステムは、位置指示器と処理デバイスとを含むものとして概要され得る。位置指示器は、複数の参照タグが外面上に設けられた筐体と、筐体内に設けられ、かつ筐体の開口部を通して筐体から突出する先端部を有する芯体と、動作時に、芯体の先端部に加えられた圧力を検出する圧力検出器と、圧力検出器に結合され、動作時に、芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号を送信するトランスミッタとを含む。処理デバイスは、動作時に、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号と、参照タグのうちの1つ以上における1つ以上のそれぞれの位置を示す1つ以上の信号とを受信する少なくとも1つのレシーバと、少なくとも1つのレシーバに結合された少なくとも1つのプロセッサと、命令を記憶している少なくとも1つのメモリデバイスであって、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、処理デバイスに、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号と、参照タグのうちの1つ以上における1つ以上のそれぞれの位置を示す1つ以上の信号とに基づいて、可視化データを生成させ、可視化データは、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号に基づく方向に所定の位置から延在するオブジェクトを記述する、少なくとも1つのメモリデバイスとを含む。
【0006】
位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号が、圧力が所定の閾値よりも大きいことを示す場合に、少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶されている命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、処理デバイスに、オブジェクトが、可視化デバイスによって表示されるときに、所定の位置から第1の所定の方向に延在するように、可視化データを生成させてもよい。
【0007】
位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号が、圧力が所定の閾値よりも小さいことを示す場合に、少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶されている命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、処理デバイスに、オブジェクトが、可視化デバイスによって表示されるときに、所定の位置から第1の所定の方向と反対である第2の所定の方向に延在するように、可視化データを生成させてもよい。
【0008】
処理デバイスは、入力面を有するセンサを含んでもよく、センサは、動作時に、位置指示器を検出し、センサによって検知された位置指示器の入力面上の位置を示す信号を出力してもよく、少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶されている命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、処理デバイスに、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号と、参照タグのうちの1つ以上における1つ以上のそれぞれの位置を示す1つ以上の信号と、センサによって検知された位置指示器の入力面上の位置を示す信号とに基づいて、可視化データを生成させてもよい。
【0009】
位置指示器は、動作時に複数の位置のうちの1つにあるスイッチを含んでもよく、トランスミッタによって送信された1つ以上の信号は、芯体の先端部に加えられた圧力と、スイッチの位置とを示してもよく、少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶されている命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、処理デバイスに、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力とスイッチの位置とを示す1つ以上の信号と、参照タグのうちの1つ以上における1つ以上のそれぞれの位置を示す1つ以上の信号とに基づいて、可視化データを生成させてもよい。
【0010】
位置指示器は、動作時に処理デバイスの加速度を示す信号を出力する加速度計を含んでもよい。
【0011】
トランスミッタによって送信された1つ以上の信号は、芯体の先端部に加えられた圧力と、位置指示器の加速度とを示してもよく、少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶されている命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、処理デバイスに、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力と処理デバイスの加速度とを示す1つ以上の信号と、参照タグのうちの1つ以上における1つ以上のそれぞれの位置を示す1つ以上の信号とに基づいて、可視化データを生成させてもよい。
【0012】
本開示の第2の実施形態によるシステムは、位置指示器と処理デバイスとを含むものとして概要され得る。位置指示器は、内部に芯体が設けられる筐体であって、芯体の先端部は筐体の開口部を通して筐体から突出する筐体と、動作時に、芯体の先端部に加えられた圧力を検出する圧力検出器と、圧力検出器に結合され、動作時に、圧力検出器によって検出された、芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号を送信するトランスミッタとを含む。処理デバイスは、入力面を有し、動作時に、位置指示器を検出し、センサの入力面に対する芯体の先端部の位置を示す信号を出力するセンサと、動作時に、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号を受信する少なくとも1つのレシーバと、センサ及び少なくとも1つのレシーバに結合された少なくとも1つのプロセッサと、命令を記憶している少なくとも1つのメモリデバイスであって、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、処理デバイスに、位置指示器の芯体の先端部の入力面上の位置を示す信号と、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号とに基づいて、可視化データを生成させ、可視化データは、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号に基づく方向に所定の位置から延在するオブジェクトを記述し、可視化データは、可視化デバイスによって表示のために与えられる、少なくとも1つのメモリデバイスとを含む。
【0013】
位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号が、圧力が所定の閾値よりも大きいことを示す場合に、少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶されている命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、処理デバイスに、オブジェクトが、可視化デバイスによって表示されるときに、所定の位置から第1の所定の方向に延在するように、可視化データを生成させてもよい。
【0014】
位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号が、圧力が所定の閾値よりも小さいことを示す場合に、少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶されている命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、処理に、オブジェクトが、可視化デバイスによって表示されるときに、所定の位置から第1の所定の方向と反対である第2の所定の方向に延在するように、可視化データを生成させてもよい。
【0015】
処理デバイスは、動作時に複数の位置のうちの1つにあるスイッチを含んでもよく、トランスミッタによって送信された1つ以上の信号は、芯体の先端部に加えられた圧力と、スイッチの位置とを示してもよく、少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶されている命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、処理デバイスに、センサの入力面に対する芯体の先端部の位置を示す信号と、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力とスイッチの位置とを示す1つ以上の信号とに基づいて、可視化データを生成させてもよい。
【0016】
処理デバイスは、動作時に処理デバイスの加速度を示す信号を出力する加速度計を含んでもよく、トランスミッタによって送信された1つ以上の信号は、芯体の先端部に加えられた圧力と、処理デバイスの加速度とを示してもよく、少なくとも1つのメモリデバイスによって記憶されている命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、処理デバイスに、センサの入力面に対する芯体の先端部の位置を示す信号と、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す1つ以上の信号と、処理デバイスの加速度とに基づいて、可視化データを生成させてもよい。
【0017】
本開示の第3の実施形態による方法は、センサの表面を基準とする3次元空間における位置指示器の1つ以上の空間位置を示す1つ以上の信号を受信すること、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す信号を受信すること、位置指示器の1つ以上の位置を示す1つ以上の信号と、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す信号とに基づいて、可視化データを生成すること、ここで可視化データは、オブジェクトであって、表示されるときに、位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す信号に基づいて、センサの表面の平面から遠ざかる方向に延在するオブジェクトを記述する、及び、可視化データを表示のために与えること、を含むものとして概要され得る。
【0018】
位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す信号が、圧力が所定の閾値よりも大きいことを示す場合に、オブジェクトは、所定の位置から第1の所定の方向に延在してもよい。
【0019】
位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す信号が、圧力が所定の閾値よりも小さいことを示す場合に、オブジェクトは、所定の位置から第1の所定の方向と反対である第2の所定の方向に延在してもよい。
【0020】
方法は、位置指示器のスイッチの位置を示す信号を受信することをさらに含んでもよく、可視化データを生成することは、(i)位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す信号と、(ii)位置指示器の1つ以上の空間位置を示す1つ以上の信号と、(iii)位置指示器のスイッチの位置を示す信号とに基づいて、可視化データを生成することを含む。
【0021】
方法は、位置指示器の加速度を示す信号を受信することをさらに含んでもよく、可視化データを生成することは、(i)位置指示器の芯体の先端部に加えられた圧力を示す信号と、(ii)位置指示器の1つ以上の空間位置を示す1つ以上の信号と、(iii)位置指示器の加速度を示す信号とに基づいて、可視化データを生成することを含む。
【0022】
位置指示器の1つ以上の空間位置を示す1つ以上の信号は、位置指示器上に設けられた複数の参照タグのうちの1つ以上における1つ以上のそれぞれの位置を示す1つ以上の信号を含んでもよい。
【0023】
位置指示器の1つ以上の空間位置を示す1つ以上の信号は、センサの表面に対する位置指示器の先端部の位置を示す信号を含んでもよい。
【0024】
方法は、可視化データに基づいて、オブジェクトの表現を表示することをさらに含んでもよい。オブジェクトの表現は、少なくとも部分的に、ヘッドマウントディスプレイによって表示されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、可視化システムのブロック図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、入力デバイスとして使用される位置指示器のブロック図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、
図2に示す位置指示器を介して入力を受信する処理デバイスのブロック図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、
図1に示す可視化システムによって実行され得る方法のフローチャートを示す。
【
図5】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、
図1に示す可視化システムによって実行され得る方法のフローチャートを示す。
【
図6A】
図6Aは、
図1に示す可視化システムによって表示され得るオブジェクトの斜視図を示す。
【
図6B】
図6Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、
図6Aに示すオブジェクトの側面図を示す。
【
図7A】
図7Aは、
図1に示す可視化システムによって表示され得るオブジェクトの斜視図を示す。
【
図7B】
図7Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、
図7Aに示すオブジェクトの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、可視化システム100のブロック図を示す。可視化システム100は、位置指示器102、処理デバイス104、複数の追跡デバイス106a及び106b、可視化デバイス108、並びにセンサ109を含む。
【0027】
図示された実施形態では、位置指示器102は、一端に開口部112が形成された、中空の、概して円筒状の筐体110を含むが、位置指示器102の筐体は、他の異なる形態を有していてもよい。芯体114の先端部は、開口部112を通って筐体110から突出している。1つ以上の実施形態において、芯体114は、位置指示器の一部(例えば、芯体114の先端部)に加えられた圧力に対応する圧力を圧力検出器118に伝える棒状部材であり、圧力検出器118については、
図2を参照して以下に記載する。1つ以上の実施形態において、芯体114は、導電材料で形成されている。1つ以上の実施形態において、芯体114は、非導電性であり、樹脂から形成されている。
【0028】
代わりに、または組み合わせで、1つ以上の実施形態において、開口部112は、筐体110の側面に形成されており、芯体114は、開口部112を通って延在することによって、ユーザの指が、処理デバイス104に入力を与えるために、芯体に圧力を加えることを可能にする。
図2を参照して以下に説明するように、位置指示器102は、処理デバイス104に、芯体114の先端部に加えられた圧力の量を示す信号を送信する。位置指示器102は、処理デバイス104の入力デバイスとして使用できる。
【0029】
処理デバイス104は、例えばガラスなどの透明材料から形成された、入力面116を含む。1つ以上の実施形態において、処理デバイス104は、タブレットコンピュータである。
図3を参照して以下に説明するように、入力面116の下方には、位置指示器102の現在の位置を追跡するセンサ140と、ディスプレイデバイス138とが設けられていてもよい。処理デバイス104は、ユーザによる位置指示器102の操作に基づいて、可視化データを生成し、可視化データを可視化デバイス108に送信し、可視化デバイス108は、可視化データに基づく画像を表示する。加えて、または代わりに、処理デバイス104のディスプレイデバイス138が、可視化データに基づく画像を表示してもよい。
【0030】
1つ以上の実施形態において、可視化デバイス108及びディスプレイデバイス138は、各々、処理デバイス104によって生成された可視化データの部分を処理し、同時に画像を表示する。1つ以上の実施形態において、可視化デバイス108及びディスプレイデバイス138は、異なる画面リフレッシュレートで動作する。したがって、より高い画面リフレッシュレートで動作しているデバイスの処理を、より低い画面リフレッシュレートで動作しているデバイスにオフロードすることが望ましい場合がある。例えば、可視化デバイス108は、90Hzの画面リフレッシュレートで動作することができ、ディスプレイデバイス138は、60Hzの画面リフレッシュレートで動作することができ、そのような場合に、可視化デバイス108による可視化データの処理の一部またはすべてをディスプレイデバイス138にオフロードすることが望ましい場合がある。こうして、処理デバイス104は、可視化デバイス108の処理負荷がディスプレイデバイス138にオフロードされるように、可視化データを分割し得る。
【0031】
1つ以上の実施形態において、処理デバイス104は、可視化デバイス108から、可視化デバイス108の現在の処理負荷を示す信号を受信し、処理デバイス104は、現在の処理負荷に基づいて、可視化デバイス108及びディスプレイデバイス138に送信される可視化データの量を動的に調整する。1つ以上の実施形態において、処理デバイス104は、可視化デバイス108の現在の処理負荷を推定し、推定される現在の処理負荷に基づいて、可視化デバイス108及びディスプレイデバイス138に送信される可視化データの量を動的に調整する。例えば、可視化デバイス108の、示されるか、または推定される現在の処理負荷が、所定の閾値以上である場合、処理デバイス104は、可視化デバイス108に送信される可視化データの量を減少させ、ディスプレイデバイス138に送信される可視化データの量を増加させる。加えて、または代わりに、処理デバイス104は、同様の方式でディスプレイデバイス138から可視化デバイス108に処理をオフロードしてもよい。
【0032】
追跡デバイス106a及び106bは、位置指示器102、特に、いくつかの実施形態では、位置指示器102の芯体114の先端部、の位置及び/または向きを追跡する。追跡デバイス106a及び106bを、追跡デバイス106と総称する。
図1に示す実施形態は2つのデバイス106を含むが、可視化システム100は、本開示の範囲を逸脱することなく、異なる数の追跡デバイス106を含んでもよい。例えば、可視化システム100は、本開示による、3つ、4つ、またはそれよりも多い追跡デバイス106を含んでもよい。1つ以上の実施形態において、可視化システム100は、追跡デバイス106を全く含んでおらず、位置指示器102の芯体114の先端部の位置は、処理デバイス104のセンサ140のみを使用して追跡される。
【0033】
1つ以上の実施形態において、追跡デバイス106は、位置指示器102の芯体114の先端部の位置及び/または向きを追跡するために、周知の光学モーション追跡技術を採用している。1つ以上の実施形態において、位置指示器102は、筐体110の外面上に取り付けられた光学マーカの形態をなす参照タグを有し、光学マーカは、光学的に検知できる、一意の、視覚的に識別可能な色またはパターンが各々の上に形成された、受動デバイスである。追跡デバイス106の各々は、光学マーカのうちの1つ以上の画像を取得して、対応する画像データを処理デバイス104に送信する、カメラを含み得る。処理デバイス104は、光学マーカの各々と位置指示器102の芯体114の先端部との間の空間的な関係を示すデータを記憶しており、周知の手法に従って画像データを処理することによって、位置指示器102の芯体114の先端部の現在の位置及び/または向きを判定する。1つ以上の実施形態において、光学マーカは、異なる波長を有する光を放出する発光デバイス(例えば、発光ダイオード)を各々が有する能動デバイスである。1つ以上の実施形態において、追跡デバイス106は、Oculus VRから入手可能なOculus Riftシステムの一部である、Constellationセンサである。1つ以上の実施形態において、追跡デバイス106は、レーザ式追跡デバイスである。例えば、追跡デバイス106は、HTC Corporationから入手可能なHTC Viveシステムの一部である、SteamVR 2.0 Base Stationである。
【0034】
可視化デバイス108は、処理デバイス104によって生成された可視化データを処理し、対応する画像を表示する。1つ以上の実施形態において、可視化デバイス108は、ヘッドマウントディスプレイデバイスである。1つ以上の実施形態において、可視化デバイス108は、HTC Corporationから入手可能なHTC Viveシステムの一部である、HTC Vive Pro仮想現実ヘッドセットである。1つ以上の実施形態において、可視化デバイス108は、Oculus VRから入手可能なOculus Riftシステムの一部である、Oculus Rift仮想現実ヘッドセットである。1つ以上の実施形態において、可視化デバイス108は、Microsoft Corporationから入手可能なHoloLens拡張現実ヘッドセットである。
【0035】
1つ以上の実施形態において、可視化デバイス108は、センサ109を含み、センサ109を使用して、センサ109の視野内の物理オブジェクトの位置を追跡する。例えば、可視化デバイス108はヘッドマウントディスプレイであり、センサ109は一対のカメラを含み、各カメラは、可視化デバイス108のユーザの一方の目の近くに位置し、その目と実質的に同じである視野を有する。加えて、可視化デバイス108は、カメラによって撮像された画像に対応する画像データを処理デバイス104に送信するトランスミッタを含み、処理デバイス104は、画像データを処理し、カメラによって撮像されたオブジェクトの座標を、例えば従来の画像処理手法を使用して、決定する。例えば、1つ以上の実施形態において、処理デバイス104は、特許文献1に記載されたオブジェクト認識エンジン(例えば、段落87を参照)と同様の方式で構成されたオブジェクト認識ソフトウェアを含み、特許文献1は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。代わりに、可視化デバイス108は、プロセッサ、及び命令を記憶したメモリを含み、命令は、プロセッサによって実行されると、可視化デバイス108に、カメラによって撮像されたオブジェクトの座標を決定させ、かつそれらの座標を処理デバイス104へ送信させる。
【0036】
可視化システム100について概説したところで、次に、位置指示器102について、本開示の1つ以上の実施形態による、位置指示器102のブロック図を示す
図2を参照して、より詳細に記載する。位置指示器102は、動作時に、例えばユーザが処理デバイス104の入力面116に対して芯体114の先端部を押圧したときに、芯体114の先端部に加えられる圧力を検出する、圧力検出器118を含む。1つ以上の実施形態において、圧力検出器118は、特許文献2に記載された圧力検知コンポーネント(例えば、13欄、49行~22欄、13行を参照)と同様の方式で構成されており、特許文献2は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0037】
1つ以上の実施形態において、位置指示器102は、動作時に複数の位置のうちの1つにあるスイッチ120を含む。ユーザは、処理デバイス104に入力を与えるために、スイッチ120を作動させて、スイッチ120の位置を変化させることができる。例えば、スイッチ120は、ユーザがスイッチ120を押下している間、「閉」または「オン」位置にあり、ユーザがスイッチ120を押下しない間、「開」または「オフ」位置にある。1つ以上の実施形態において、スイッチ120は、特許文献2に記載されたサイドスイッチ(例えば、11欄、24~49行を参照)と同様の方式で構成されている。1つ以上の実施形態において、位置指示器102は、コンピュータマウスの左ボタン及び右ボタンを操作することによって与えられる入力と同様の入力を与えるようにユーザが操作することができる、2つのスイッチ120を含む。
【0038】
1つ以上の実施形態において、位置指示器102は、動作時に位置指示器102の加速度を示す信号を出力する加速度計122を含む。1つ以上の実施形態において、加速度計122は、微細加工された微小電気機械システム(MEMS)として構成されている。
【0039】
位置指示器102はまた、圧力検出器118に結合されたトランスミッタ124を含み、トランスミッタ124は、動作時に、圧力検出器118によって検出された、芯体114の先端部に加えられた圧力を示す信号を送信する。1つ以上の実施形態において、トランスミッタ124は、Bluetooth通信規格のうちの1つ以上に従って動作する。1つ以上の実施形態において、トランスミッタ124は、IEEE802.11ファミリーの通信規格のうちの1つ以上に従って動作する。1つ以上の実施形態において、トランスミッタ124は、芯体114の先端部及び処理デバイス104のセンサ140を介して、信号を電磁誘導する。1つ以上の実施形態において、トランスミッタ124は、スイッチ120に結合されており、トランスミッタ124は、動作時に、スイッチ120の位置を示す信号を送信する。1つ以上の実施形態において、トランスミッタ124は、加速度計122に結合されており、トランスミッタ124は、動作時に、加速度計122によって検出された処理デバイス102の加速度を示す信号を送信する。
【0040】
1つ以上の実施形態において、位置指示器102は、複数の参照タグ126a、126b、及び126cを含む。参照タグ126a、126b、及び126cを、本明細書では参照タグ126と総称する。参照タグ126は、追跡デバイス106によって追跡される。1つ以上の実施形態において、参照タグ126は、
図1に関連して上述したように、位置指示器102の筐体110の外面に固設された受動光学マーカである。代わりに、またはさらに、1つ以上の実施形態において、参照タグ126は、追跡デバイス106によって検出される光または電波を能動的に放出する。
図2に示す実施形態は3つの参照タグ126を含むが、位置指示器102は、異なる数の参照タグ126を含んでもよい。例えば、位置指示器102は、本開示による、4つ、5つ、6つ、またはそれよりも多い参照タグ126を含んでもよい。
【0041】
位置指示器102についてより詳細に記載したところで、次に、処理デバイス104について、本開示の1つ以上の実施形態による、処理デバイス104のブロック図を示す
図3を参照して、より詳細に記載する。処理デバイス104は、メモリ130及び中央処理装置(CPU)132を有するマイクロプロセッサ128、メモリ134、入力/出力(I/O)回路136、ディスプレイデバイス138、センサ140、トランスミッタ142、並びにレシーバ144を含む。
【0042】
メモリ134は、プロセッサ実行可能命令を記憶しており、プロセッサ実行可能命令は、CPU132によって実行されると、処理デバイス104に、
図4、6A、6B、及び7に関連して記載した処理デバイス104の動作を実行させる。CPU132は、命令を実行している間、メモリ130を作業メモリとして使用する。1つ以上の実施形態において、メモリ130は、1つ以上のランダムアクセスメモリ(RAM)モジュール、及び/または例えば電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)またはFlashメモリモジュールなどの、1つ以上の不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)モジュールからなる。
【0043】
1つ以上の実施形態において、I/O回路136は、処理デバイス104に対するコマンドを入力するための、ボタン、スイッチ、ダイアル、ノブ、マイクロフォン、または他のユーザインターフェース要素を含み得る。I/O回路136はまた、処理デバイス104からの情報または指示を出力するための、1つ以上のスピーカ、1つ以上の発光デバイス、または他のユーザインターフェース要素を含んでもよい。
【0044】
ディスプレイデバイス138は、操作者に対して情報をグラフィック表示する。マイクロプロセッサ128は、ディスプレイデバイス138を、処理デバイス104によって生成された可視化データに基づいて情報を表示するように制御する。1つ以上の実施形態において、ディスプレイデバイス138は、液晶ディスプレイ(LCD)デバイスである。1つ以上の実施形態において、ディスプレイデバイス138は、適当なアイウェアを装着したユーザが、例えば3次元(3D)対応テレビを介した3D画像の目視と同様の方式で、多次元画像を知覚することができるように、2つの画像を同時に表示する。
【0045】
センサ140は、位置指示器102を検出し、センサ140の入力面(例えば、表面116)に対する位置指示器102の位置を示す信号を出力する。1つ以上の実施形態において、マイクロプロセッサ128は、センサ140から受信された信号を処理し、位置指示器102によって示される位置に対応するセンサ140の入力面上の(X,Y)座標を取得する。1つ以上の実施形態において、マイクロプロセッサ128は、センサ140から受信された信号を処理し、位置指示器102が位置するセンサ140の入力面の上方の高さ(例えば、Z座標)に加えて、位置指示器102によって示される位置に対応するセンサ140の入力面上の(X,Y)座標を取得する。1つ以上の実施形態において、センサ140は、特許文献3に記載された位置検出センサ(例えば、7欄、35行~10欄、27行を参照)と同様の方式で構成された誘導タイプのセンサであり、特許文献3は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。1つ以上の実施形態において、センサ140は、特許文献4に記載された位置検出センサ(例えば、6欄、5行~8欄、17行を参照)と同様の方式で構成された容量タイプのセンサであり、特許文献4は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0046】
トランスミッタ142は、マイクロプロセッサ128に結合されており、トランスミッタ142は、動作時に、マイクロプロセッサ128によって生成された可視化データを可視化デバイス108に送信する。例えば、1つ以上の実施形態において、トランスミッタ142は、Bluetooth及び/またはIEEE802.11ファミリーの通信規格のうちの1つ以上に従って動作する。レシーバ144は、マイクロプロセッサ128に結合されており、レシーバ144は、動作時に、追跡デバイス106及び可視化デバイス108から信号を受信する。例えば、1つ以上の実施形態において、レシーバ144は、Bluetooth及び/またはIEEE802.11ファミリーの通信規格のうちの1つ以上に従って動作する。1つ以上の実施形態において、レシーバ144は、位置指示器102から信号を受信する。1つ以上の実施形態において、レシーバ144は、センサ140に含まれ、電磁誘導によって、位置指示器102の芯体114の先端部から1つ以上の信号を受信する。
【0047】
可視化システム100の構造について記載したところで、次に、可視化システム100によって実行される方法200の例について、本開示の1つ以上の実施形態による、方法200のフローチャートを示す
図4に関連して記載する。方法200は、202において、例えば処理デバイス104の電源投入時に、始まる。
【0048】
202において、位置指示器102の1つ以上の位置を示す1つ以上の信号が受信される。例えば、処理デバイス104のレシーバ144は、追跡デバイス106から1つ以上の信号を受信する。加えて、または代わりに、マイクロプロセッサ128は、処理デバイス104のセンサ140から1つ以上の信号を受信する。次いで、方法200は、204に進む。
【0049】
204において、位置指示器102のスイッチ120の位置を示す信号が受信される。例えば、処理デバイス104のレシーバ144は、位置指示器102のトランスミッタ124から、スイッチ120の位置を示す信号を受信する。次いで、方法200は、206に進む。
【0050】
任意選択で、206において、位置指示器102の加速度を示す信号が受信される。例えば、処理デバイス104のレシーバ144は、位置指示器102のトランスミッタ124から、位置指示器102の加速度を示す信号を受信する。次いで、方法200は、208に進む。
【0051】
208において、芯体114の先端部に加えられた圧力を示す信号が受信される。例えば、処理デバイス104のレシーバ144は、位置指示器102のトランスミッタ124から、芯体114の先端部に加えられた圧力を示す信号を受信する。加えて、または代わりに、処理デバイス104のセンサ140は、電磁誘導によって、位置指示器102の芯体114の先端部から、芯体114の先端部に加えられた圧力を示す信号を受信する。次いで、方法200は、210に進む。
【0052】
210において、可視化システム100のユーザの近傍に位置する1つ以上の物理オブジェクトを示す1つ以上の信号が受信される。1つ以上の実施形態において、処理デバイス104のレシーバ144は、可視化デバイス108のセンサ109から、ユーザの近傍に位置する1つ以上の物理オブジェクトを示す信号を受信する。例えば、レシーバ144は、センサ109の一対のカメラによって生成された画像データを受信し、マイクロプロセッサ128は、画像データを処理し、カメラによって撮像されたオブジェクトの外面に対応する座標を取得する。次いで、方法200は、212に進む。
【0053】
212において、202、204、206、208、及び210において受信された信号が処理される。1つ以上の実施形態において、それらの信号によって送信されたデータは、タイムスタンプを付与されて、処理デバイス104のメモリ130に記憶され、CPU132は、このデータを、データと関連付けられたタイムスタンプに基づいて、時系列順に処理する。
図5に示すフローチャートに対応する処理が、以下で説明するように、212において実行されてもよい。次いで、方法200は、214に進む。
【0054】
214において、終了処理命令が受信されたかどうかの判定が行われる。例えば、マイクロプロセッサ128は、位置指示器102を使用して、処理デバイス104のディスプレイデバイス138によって表示される所定のアイコンまたはオブジェクトを選択したかどうかを判定する。他の一例として、マイクロプロセッサ128は、214において、終了操作に対応する音声コマンドが受信されたかどうかを判定する。214において終了操作が受信されたという判定が行われた場合、方法200は、終了する。そうでない場合、方法200は、202に戻る。
【0055】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、上述した方法200の212において可視化システム100によって実行され得る方法300のフローチャートを示す。方法300は、後で記載するように、特定のビジュアル表示をもたらす「押し出し」操作を提供する。方法300は、302において、マイクロプロセッサ128が、押し出し操作を実行する命令が受信されたと判定することに応答して、始まる。例えば、マイクロプロセッサ128は、位置指示器102を使用して、処理デバイス104のディスプレイデバイス138によって表示される所定のアイコンまたはオブジェクトを選択したと判定する。他の一例として、方法300は、302において、マイクロプロセッサ128が、押し出し操作を実行する命令に対応する音声コマンドが受信されたと判定することに応答して、始まる。
【0056】
302において、芯体114の先端部に加えられた圧力が、閾圧力値と比較される。図示された実施形態では、芯体114の先端部に加えられた圧力が、閾圧力値以上であるかどうかの判定が行われる。例えば、メモリ134は、所定の閾圧力値を記憶しており、マイクロプロセッサ128は、上述した方法200の208において受信された信号によって示される芯体114の先端部に加えられた圧力が、閾圧力値以上であるかどうかを判定する。302において、芯体114の先端部に加えられた圧力が、閾圧力値以上であると判定される場合、方法300は、304に進む。そうでない場合、方法300は、306に進む。
【0057】
1つ以上の実施形態において、ユーザは、処理デバイス104に、押し出し操作が、入力面106の異なる一部上で他の一入力操作を実行するために、位置指示102を入力面116から相対的にすばやく持ち上げるのとは対照的に、芯体114の先端部を処理デバイス104の入力面116から相対的にゆっくり持ち上げることによって、実行されるものであることを示し得る。したがって、方法300の302において、位置指示器102の加速度が閾加速度値よりも小さいかどうかに関する追加の判定が行われ得る。例えば、メモリ134は、所定の閾加速度値を記憶しており、マイクロプロセッサ128は、上述した方法200の206において受信された信号によって示される位置指示器102の加速度が、ゼロよりも大きく、かつ閾加速度値以下であるかどうかを判定する。302において、位置指示器102の加速度が、ゼロよりも大きく、かつ閾加速度値以下であると判定されない(かつ芯体114の先端部に加えられた圧力が、閾圧力値以上であると判定される)場合、方法300は、304に進む。そうでない場合、方法300は、306に進む。
【0058】
304において、所定の位置から第1の方向に遠ざかって延びるオブジェクトを記述する可視化データが生成される。例えば、所定の位置は、処理デバイス104の入力面116などの、ゼロのZ座標を有する平面に対応し、第1の方向は、入力面116の平面に直交する、増加する負のZ座標値に対応する。次いで、方法300は、308に進む。
【0059】
306において、所定の位置から第2の方向に遠ざかって延びるオブジェクトを記述する可視化データが生成される。例えば、所定の位置は、処理デバイス104の入力面116などの、ゼロのZ座標を有する平面に対応し、第2の方向は、入力面116の平面に直交する、増加する正のZ座標値に対応する。次いで、方法300は、308に進む。
【0060】
308において、304または306において生成された可視化データが記憶される。例えば、処理デバイス104のマイクロプロセッサ128は、可視化データをメモリ134に記憶する。次いで、方法300は、310に進む。
【0061】
310において、304または306において生成された可視化データが送信される。1つ以上の実施形態において、処理デバイス104のマイクロプロセッサ128は、トランスミッタ142に、可視化データを可視化デバイス108に送信させる。1つ以上の実施形態において、マイクロプロセッサ128は、可視化データを処理デバイス104のディスプレイデバイス138に送信する。次いで、方法300は、312に進む。
【0062】
312において、可視化データが処理され、可視化データに基づいて、オブジェクトが表示される。1つ以上の実施形態において、可視化デバイス108は、2次元画像のレンダリングを実行して、可視化データによって記述されるオブジェクトの3次元(3D)表現を取得する。1つ以上の実施形態において、可視化デバイス108は、2次元画像のレンダリングを実行して、可視化データによって記述されるオブジェクトの2.5次元(2.5D)表現を取得し、可視化デバイス108の出力を見る観測者の3D環境が、観測者の網膜の2D平面上に投影される。1つ以上の実施形態において、マイクロプロセッサ128は、処理デバイス104のディスプレイデバイス138に、可視化データをレンダリングさせ、かつオブジェクトを表示させる。次いで、方法300は終了する。
【0063】
図6Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、方法300の312において表示され得るオブジェクト146の斜視図を示す。
図6Bは、
図6Aに示すオブジェクト146の側面図を示す。
【0064】
図示された例において、可視化システム100のユーザの手148が、位置指示器102を保持し、かつ芯体114の先端部を使用して、処理デバイス104の入力面116上に正方形状150の輪郭を描くものとする。処理デバイス104は、上述した方法200の202において、位置指示器102の対応する位置を示す1つ以上の信号を受信する。また、ユーザは、処理デバイス104に、位置指示器102を形状150の輪郭上に配置したまま、位置指示器102のスイッチ120を閉位置またはオン位置に移動させることによって、形状150に基づく押し出し操作が実行されることとなることを示すものとする。処理デバイス104は、上述した方法200の204において、スイッチ120の位置を示す信号を受信する。加えて、ユーザは、芯体114の先端部を処理デバイス104の入力面116に対して下方に押圧することによって押し出し操作が実行されることとなる方向を示すものとする。処理デバイス104は、上述した方法200の208において、芯体114の先端部に加えられた圧力を示す信号を受信する。
【0065】
さらに、上述した方法300の302において、芯体114の先端部に加えられた圧力が、閾値以上であると判定されるため、処理デバイス104は、上述した方法300の304において、オブジェクト146が、ユーザから遠ざかる方向に、処理デバイス104の入力面116に対応する平面から下方に延びていく可視化データを生成するものとする。オブジェクト146が下方に延びる程度は、芯体114の先端部に加えられた圧力の大きさ、及び/または芯体114の先端部に圧力を加える時間に基づく。すなわち、ユーザが芯体114の先端部に加える圧力が大きいほど、オブジェクト146が下方に延びる距離が大きくなる。同様に、ユーザが芯体114の先端部に圧力を加える時間が長いほど、オブジェクト146が下方に延びる距離が大きくなる。
【0066】
例えば、入力面116はゼロのZ座標に対応し、Z座標は、入力面116から上方に離れるにつれて増加し、Z座標は、入力面から下方に離れるにつれて減少するものとする。また、マイクロプロセッサ128は、オブジェクト146のX座標及びY座標がそれぞれ形状150のX座標及びY座標に対応し、かつオブジェクト146のZ座標が、ゼロから、芯体114の先端部に加えられた圧力の大きさに対応する負の値までの範囲をとるように、オブジェクト146の座標を生成するものとする。したがって、上述した方法300の304において処理デバイス104によって生成された可視化データが、上述した方法300の312において可視化デバイス108によって表示されるとき、オブジェクト146は、
図6Bに示すように、ユーザから遠ざかる方向に、処理デバイス104の入力面116に対応する表面から下方に延在して表示される。
【0067】
図7Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、上述した方法300の312において表示され得るオブジェクト152の斜視図を示す。
図7Bは、
図7Aに示すオブジェクト152の側面図を示す。
【0068】
図示された例において、可視化システム100のユーザの手148が、位置指示器102を保持し、かつ芯体114の先端部を使用して、処理デバイス104の入力面116上に正方形状154の輪郭を描くものとする。処理デバイス104は、上述した方法200の202において、位置指示器102の対応する位置を示す1つ以上の信号を受信する。さらに、ユーザは、処理デバイス104に、位置指示器102を形状154の輪郭上に配置したまま、位置指示器102のスイッチ120を開位置またはオフ位置から閉位置またはオン位置に移動させることによって、形状154に基づく押し出し操作が実行されることとなることを示すものとする。処理デバイス104は、上述した方法200の204において、スイッチ120の位置を示す信号を受信する。
【0069】
加えて、または代わりに、ユーザは、処理デバイス104に、芯体114の先端部を処理デバイス104の入力面116から遠ざけて上方に相対的にゆっくり移動させることによって押し出し操作が実行されることとなることを示すものとする。処理デバイス104は、上述した方法200の206において、位置指示102の加速度を示す信号を受信する。さらに、位置指示102の加速度が、ゼロよりも大きく、かつ閾加速度値以下であると判定され、かつ上述した方法300の302において、芯体114の先端部に加えられた圧力が、閾圧力値以上であると判定されないため、処理デバイス104は、上述した方法300の306において、オブジェクト152が、ユーザに向かう方向に、処理デバイス104の入力面116に対応する平面から上方に延びていく可視化データを生成するものとする。オブジェクト152が上方に延びる程度は、芯体114の先端部と処理デバイス104の入力面116との間の距離の大きさに基づく。すなわち、芯体114の先端部と処理デバイス104の入力面116との間の距離が大きいほど、オブジェクト152が上方に延びる距離が大きくなる。
【0070】
例えば、繰り返すが、入力面116はゼロのZ座標に対応し、Z座標は、入力面116から上方に離れるにつれて増加し、Z座標は、入力面116から下方に離れるにつれて減少するものとする。また、マイクロプロセッサ128は、オブジェクト152のX座標及びY座標のそれぞれが形状154のX座標及びY座標に対応し、かつオブジェクト152のZ座標が、ゼロから、芯体114の先端部と処理デバイス104の入力面116との間の距離に対応する正の値までの範囲をとるように、オブジェクト152の座標を生成するものとする。したがって、上述した方法300の306において処理デバイス104によって生成された可視化データが、上述した方法300の312において可視化デバイス108によって表示されるとき、オブジェクト152は、
図7Bに示すように、ユーザに向かう方向に、処理デバイス104の入力面116に対応する表面から上方に延在して表示される。
【0071】
本発明を用いると、ユーザは、デジタルデータでのオブジェクトの形状、向き、寸法などを直感的に指定し、このオブジェクトを、記載したような単一の入力デバイスを使用して、入力面の平面の上方または下方に、多次元の外観でレンダリングすることができる。
【0072】
上述した様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。本明細書を参照して様々な特許の概念を採用する必要がある場合、実施形態の態様を改変して、またさらなる実施形態を提供することができる。
【0073】
上記に詳述した説明に照らして、これら及び他の変更を実施形態に行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書及び特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定すると解釈されるものではなく、すべての可能な実施形態を、そのような特許請求の範囲に与えられるものと均等な全範囲とともに含むと解釈されるものである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
【国際調査報告】