(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-21
(54)【発明の名称】通気シート組立体
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20230713BHJP
B60N 2/64 20060101ALI20230713BHJP
B60N 2/68 20060101ALI20230713BHJP
A47C 7/02 20060101ALI20230713BHJP
A47C 27/22 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/64
B60N2/68
A47C7/02 A
A47C27/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580861
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-24
(86)【国際出願番号】 IB2021055830
(87)【国際公開番号】W WO2022003574
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511122651
【氏名又は名称】プロプライアテクト・エル.ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】チンタルーリ,アディティヤ
(72)【発明者】
【氏名】カップチッティ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイアーシュトール,マーク,ディー.
【テーマコード(参考)】
3B087
3B096
【Fターム(参考)】
3B087DB02
3B087DB03
3B087DB04
3B087DB06
3B087DB10
3B087DE03
3B096AD06
3B096AD07
(57)【要約】
通気シート組立体は、第1の剛性構成要素とフォーム層と第2の剛性構成要素とを含む。第1の剛性構成要素は、形成布を含み、接合面と接合面に対向する通気面と3次元プロファイルとを有する。フォーム層は、A面とA面に対向するB面とを有し、第1の剛性構成要素が、B面の一部が3次元プロファイルを含むように、フォーム層のB面に接合される。第2の剛性構成要素は、第1の剛性構成要素の通気面の一部に固定されるポリマ材料を含む。第1および第2の剛性構成要素は、第1の剛性構成要素の3次元プロファイルによって規定される複数の空気通路を含む空洞を規定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
形成布を含み、接合面と前記接合面に対向する通気面と3次元プロファイルとを有する、第1の剛性構成要素と、
A面と前記A面に対向するB面とを有するフォーム層であって、前記第1の剛性構成要素が、前記B面の一部が前記3次元プロファイルを含むように、前記フォーム層の前記B面に接合される、フォーム層と、
前記第1の剛性構成要素の前記通気面の一部に固定されるポリマ材料を含む第2の剛性構成要素であって、前記第1および第2の剛性構成要素がそれらの間に空洞を規定し、前記空洞が前記第1の剛性構成要素の前記3次元プロファイルによって規定される複数の空気通路を含む、第2の剛性構成要素と、
を含む、通気シート組立体。
【請求項2】
前記第1の剛性構成要素は、複数の通気ポートを規定する、請求項1に記載の通気シート組立体。
【請求項3】
前記フォーム層は、前記通気ポートに流体連通する複数の通気チャネルを規定する、
請求項2に記載の通気シート組立体。
【請求項4】
前記第2の剛性構成要素は、ポートを規定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項5】
前記第1の剛性構成要素は、複数の層を含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項6】
前記第1の剛性構成要素は、2つの不織布層を含み、それらの間に配設されたポリマバインダ層を備える、
請求項5に記載の通気シート組立体。
【請求項7】
前記第1の剛性構成要素は、不織布層およびポリマバインダ層を含む、
請求項5に記載の通気シート組立体。
【請求項8】
前記ポリマバインダ層は、ポリエチレンを含む、
請求項6に記載の通気シート組立体。
【請求項9】
前記不織布層は、ポリエチレンテレフタレートを含む、
請求項6に記載の通気シート組立体。
【請求項10】
前記第2の剛性構成要素は、形成布を含む、
請求項1から9のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項11】
前記第1の剛性構成要素は、100~500g/m
2の単位面積当たりの重量を有する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項12】
前記第1の剛性構成要素の前記3次元プロファイルは、前記第2の剛性構成要素と協働して、 第1の複数列の空気通路と、前記第1の複数列の空気通路から角度的にオフセットした第2の複数列の空気通路と、を規定する、
請求項1から11のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項13】
前記3次元プロファイルは、複数のピークと複数の谷とを規定し、前記複数の空気通路を規定する、
請求項1から12のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項14】
前記複数の空気通路は、無作為である、
請求項1から13のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項15】
前記複数の空気通路は、編成されている、
請求項1から14のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項16】
前記第1の剛性構成要素の前記3次元プロファイルは、前記第2の剛性構成要素と協働して、第1の複数列の空気通路と、前記第1の複数列の空気通路から角度的にオフセットしている第2の複数列の空気通路と、を規定する、
請求項1から15のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項17】
前記3次元プロファイルは、第1の剛性構成要素の外側あたりに配設される接合部分を規定し、
前記第2の剛性構成要素は、前記接合部分を受容するように形状付けされる、
請求項1から16のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項18】
前記第1および前記第2の剛性構成要素は、相互に密封式に接合される、
請求項1から17のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項19】
前記第1の剛性構成要素は、相互モールドを介して前記フォーム層に接合される、
請求項1から18のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項20】
耐久性層を更に含み、
前記耐久性層は、前記第1の剛性構成要素の前記接合面の外側周辺と、前記フォーム層の前記B面の外側周辺と、に位置付けされる、
請求項1から19のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1項に記載の前記通気シート組立体を含むシート。
【請求項22】
前記通気シート組立体を含むシートボトムと、
前記通気シート組立体を含むシートバックと、を含む、
請求項21に記載のシート。
【請求項23】
フォーム層と、
3次元プロファイルを有する形成布を含む第1の剛性構成要素と、
前記第1の剛性構成要素に固定されるポリマ材料を含む第2の剛性構成要素と、
を含む通気シート組立体を形成する方法であって、
接合面と通気面と3次元プロファイルとを有する第1の剛性構成要素を形成するために、少なくとも1つの不織布層および少なくとも1つのポリマ層を含む複数の層を接合するステップと、
前記第1の剛性構成要素をモールドの中に挿入するステップと、
前記第1の剛性構成要素にA面およびB面を有する前記フォーム層を配設するために、前記第1の剛性構成要素が前記フォーム層の前記B面に接合され、前記B面の一部が前記3次元プロファイルを含むように、ポリウレタンシステムをモールド内で反応させるステップと、
前記第1の剛性構成要素の前記3次元プロファイルによって規定される複数の空気通路を含む空洞を形成するために、前記第2の剛性構成要素を前記第1の剛性構成要素に接合するステップと、
を含む、通気シート組立体を形成する方法。
【請求項24】
前記複数の層を加熱するステップを更に含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の層を接合するステップは、前記第1の剛性構成要素を形成するために前記複数の層をモールドすることとして更に規定される、
請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の層を接合するステップは、100から500g/m2の単位面積当たりの重量を有する前記第1の剛性構成要素を形成するために、2つの不織布層をそれらの間に配設されるポリマバインダ層と接合することとして更に規定される、
請求項23から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
複数の通気ポートを前記第1の剛性構成要素に形成するステップを更に含む、
請求項23から26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の剛性構成要素をモールドの中に、
前記複数の通気ポートを用いて、
位置付けするステップを更に含む、
請求項23から27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
耐久性層を前記モールドの中に挿入して、
前記耐久性層を前記モールド内に、
前記耐久性層と前記第1の剛性構成要素の前記接合面の外側周辺との間の接触と、前記耐久性層と前記フォーム層の前記B面の外側周辺との間の接触と、を作成するために、
位置付けするステップを更に含む、
請求項23から28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
接着剤を前記第1および/または第2の剛性構成要素の外側周辺に、
前記第1の剛性構成要素を前記第2の剛性構成要素に接合するステップより前に、
適用するステップを更に含む、
請求項23から29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
シートで使用するための通気システムであって、
A面と前記A面に対向するB面とを有するフォーム層と、
3次元プロファイルを有する形成布を含み、複数の通気ポートを規定し、前記B面の一部が前記3次元プロファイルを含むように前記B面に接合される、第1の剛性構成要素と、
前記第1の剛性構成要素に固定される形成布を含み、ポートを規定する第2の剛性構成要素であって、前記第1および第2の剛性構成要素がそれらの間に空洞を規定し、前記空洞が前記第1の剛性構成要素の前記3次元プロファイルによって規定される複数の空気通路を含む、第2の剛性構成要素と、
を含む、通気システム。
【請求項32】
前記ポートに接続されて前記空洞に流体連通しているファンを更に含む、請求項31に記載の通気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、自動車のシート用途で使用できる形成布通気組立体(formed cloth ventilation assembly)に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車やオートバイのシートなどの車両シートにおける「快適さ」の改善は、近年、注目を集めている。シートメーカやOEMからの性能改善のためのグローバルな要求は、快適さや音響効果の双方のために、気候制御式(加熱および冷却式)のシートやシート設計の多くの態様の再検討を生じさせている。ポリウレタンフォームから形成されたクッションを使用するシートは、今では、依然として最適な快適さと音響効果を提供しつつ、シート加熱およびシート冷却のインフラストラクチャ、例えば通気、をサポートするように設計されなければならない。先行技術の通気インフラストラクチャは、プラスチックダクト、シェル、およびバッグを含んでおり、剛性および重量を有し、多くの場合、乗員の不快さ、および、一様でない冷却(または加熱)、ならびに、エネルギ消費の増加をもたらす。
【0003】
この成果のために、改善されたシートクッション組立体の必要性が存在し、そのようなシートクッション組立体は、クッションの厚さおよび重量の減少を可能にしつつ最適な快適さおよび音響効果を維持する効率的な通気インフラストラクチャを提供するものである。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、第1の剛性構成要素とフォーム層と第2の剛性構成要素とを含む通気シート組立体を提供する。第1の剛性構成要素は、形成布を含み、接合面と接合面に対向する通気面と3次元プロファイルとを有する。フォーム層は、A面とA面に対向するB面とを有し、第1の剛性構成要素は、B面の一部が3次元プロファイルを含むように、フォーム層のB面に接合される。第2の剛性構成要素は、第1の剛性構成要素の通気面の一部に固定されるポリマ材料を含む。第1および第2の剛性構成要素は、第1の剛性構成要素の3次元プロファイルによって規定される複数の空気通路を含む空洞を規定する。
【0005】
通気シート組立体を形成する方法は、3次元プロファイルを有する第1の剛性構成要素を形成するために、少なくとも1つの不織布層および少なくとも1つのポリマ層を含む複数の層を接合することを含む。いったん形成されると、第1の剛性構成要素は、モールドの中に挿入され、ポリウレタンシステムは、モールド内で反応して、フォーム層を第1の剛性構成要素の接合面に配設し、従って、B面の一部は、3次元プロファイルを含む。第2の剛性構成要素は、次いで、第1の剛性構成要素に接合されて、空洞を形成し、複数の空気通路を含んでおり、それらは第1の剛性構成要素の3次元プロファイルによって規定されている。
【0006】
通気シート組立体は、自動車産業において、例えば、自動車のシートで使用するために、特に有用である。自動車のシート用途において、通気シート組立体は、耐久性があって軽量であり、改善された温度制御と乗員の快適さを提供する。更に、通気シート組立体は、効率的であり、乗員を冷却、場合によっては、加熱するために必要とされる電圧の消費を最小化する。
【0007】
本開示の利点は、添付の図面に関連して考慮される場合に、以下の詳細な説明の参照によってより良好に理解されるようになるので、容易に認識されるであろう。理解されるべきことは、図面が純粋に例示であり、必ずしもスケール通りに描かれていない、ということである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】通気シート組立体を含むシートボトムと、通気シート組立体を含むシートバックと、を含むシートの斜視図である。
【
図4】
図2の4-4に沿った通気シート組立体の断面図である。
【
図5】
図2の5-5に沿った通気シート組立体の断面図である。
【
図6】
図2の6-6に沿った通気シート組立体の断面図である。
【
図9】
図7の9-9に沿った通気シート組立体の断面図である。
【
図10】
図7の10-10に沿った通気シート組立体の断面図である。
【
図11】
図7の11-11に沿った通気シート組立体の断面図である。
【
図12】通気シート組立体を形成する方法を説明しているフローチャート図である。
【
図13】第1の剛性構成要素をモールドの中に挿入し、ポリウレタンシステムをモールド内で反応させ、B面の一部が3次元プロファイル36を含むようにフォーム層を第1の剛性構成要素の接合面に配設するステップの後の、第1の剛性構成要素とフォーム層と耐久性層とを一緒に成形した、
図12の方法に従っている組立体の斜視図である。
【
図14】第2の剛性構成要素を第1の剛性構成要素に接合して、第1の剛性構成要素の3次元プロファイルによって規定される複数の空気通路を含む空洞を形成するステップの後の、
図13の組立体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照すると、同様の数字は、幾つかの図を通して、同様のまたは対応する構成要素を指し、通気シート組立体は、20で示されている。
図1において、通気シート組立体20を含むシートボトム12と、通気シート組立体20を同じく含むシートバック14と、ヘッドレスト16と、を備える車両シート10の斜視図が例示されている。シートバック14は、シートボトム12を横切っている。シートボトム12は、乗員の脚部を支持し、その一方で、シートバック14は、乗員の背部を支持し、ヘッドレスト16は、乗員の頭部を支持する。勿論、通気シート組立体20は、異なったタイプのシート、例えば、バケットシートやベンチシートの上に位置でき、様々なシート構成要素、例えば、シートボトム12、シートバック14、およびヘッドレスト16の中にでも、位置付けできる。車両は、典型的には乗用車やトラックである。しかしながら、理解されるべきことは、車両が、輸送手段を提供するための任意の構成、例えば、ロケット、飛行機、ボート、全地形万能車、トラクタ等々であってもよい、ということである。勿論、通気シート組立体20は、車両用途での使用に限定されず、家具や寝具の用途での使用は、本明細書において同じく企図される。
【0010】
ここで
図2~6を参照すると、シートボトム12の通気シート組立体20の様々な図が例示されている。
図2は、
図1のシートボトム12単独の図である。シートボトム12は、通気シート組立体20を含む。ここで、
図3の分解図に例示された
図2の通気シート組立体20の分解図を参照すると、通気シート組立体20は、第1の剛性構成要素22、フォーム層24、および第2の剛性構成要素を含む。通気シート組立体は、例示されており、耐久性層28を同じく含む。理解されるべきことは、本開示を通して使用されるときに、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含んでいる(including)」が、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含んでいる(comprising)」と同じである、ということである。
【0011】
通気シート組立体20の、第1の剛性構成要素22、フォーム層24、第2の剛性構成要素26、および耐久性層28は、形成されて、相互に対応または「適合」するように形状付けされる。更に、下で詳細に説明されるように、第1および第2の部分は、空洞30を形成するために互いに適合するように同じく形状付けされる。
【0012】
第1の剛性構成要素22は、形成布を含み、接合面32と、接合面32に対向する通気面34と、3次元プロファイル36と、を有する。形成布は、複数の層を含む。形成布は、布と、ポリマバインダと、種々のフォーム(例えば、ポリウレタンフォーム)、種々のポリマフィルム、スクリム、および粉末(例えば、ポリプロピレン)、ならびに種々の繊維(例えば、繊維ガラス)を含む他の任意層と、を含むことができる。形成布は、モールド内でまたは真空形成を介して、種々の温度および圧力で、3次元形状に形成される。形成布は、多くの場合、多孔性であり、種々の多孔度は、形状付けされた布を作るために利用される構成要素、層、および材料量に応じて達成できる。
【0013】
形成布を含む第1の剛性構成要素22は、フォーム層24に対する優秀な接着性を提供し、先行技術の熱可塑性の通気構成要素を超える著しい改善を提供する。第1の剛性構成要素22によって提示されるこの優秀な接着性は、粘弾性ポリウレタンフォームおよび高反発ポリウレタンフォームの双方に対する優秀な接着性を含む、多くのタイプのポリウレタンフォームに対して優秀である接着性を含む。加えて、形成布を含む第1の剛性構成要素22は、軽量であり、先行技術の通気構成要素よりも著しく少ない重さを有する。
【0014】
上で説明されたように、形成布は、複数の層を含む。複数の層は、典型的には、少なくとも1つのファブリック層(例えば、少なくとも1つの不織布層または少なくとも1つの織布層)と、少なくとも1つのポリマバインダ層と、を含む。不織布層は、物理的手段によって互いに接合された繊維を含む。織布層は、インターレース繊維を有するファブリックを含む。利用される繊維は、当技術分野で知られており、天然のもの、例えば、綿、または、合成物、例えば、ポリエステル、にすることができる。一例において、不織布層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含み、25~500、50~300、または100~200、gsmの単位面積当たりの重量を有する。不織布層の1つの特定の非限定の例は、60重量%PETと40重量%変性PET(即ち、PETのコポリマ)との混合物であるニードルド不織布層である。幾つかの例において、60/40の混合は、形成布の剛性および他の特性を修正するために調整できる。そういうことで、利用される種々のPET混合物は、20から80重量%PETと、20から80重量%PETコポリマと、を含むことができる。
【0015】
ポリマバインダ層は、熱可塑性物質または熱硬化性物質を含むことができる。一例において、ポリマバインダ層は、熱可塑性物質を含む。典型的な熱可塑性プラスチックは、これらに限定されないが、アクリル、ABS、ナイロン、PLA、ポリベンゾイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、およびポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、を含む。熱可塑性物質は、65、70、75、80、85、90、または95℃より高いが、250℃より低い、融解温度を有することがある。例えば、ポリマバインダ層は、ポリエチレンを含むことができる。1つの具体例において、第1の剛性構成要素22は、不織布層およびポリマバインダ層を含む。別の具体例において、第1の剛性構成要素22は、2つの不織布層を含み、それらの間に配設されたポリマバインダ層を備える。これらの例の双方において、ポリマバインダ層は、ポリエチレンを含むことができる。
【0016】
第1の剛性構成要素22は、高められた温度でのモールド工程を介して形成される。いったん形成されると、第1の剛性構成要素22は、不透過性である。多くの例において、第1の剛性構成要素22は、100~500、100~450、または、100~400g/m2の単位面積当たりの重量を有する。更に、多くの例において、第1の剛性構成要素22は、0.2~5、0.3~2、または、0.5~1.5mmの厚さを有する。
【0017】
フォーム層24は、A面38と、A面38に対向するB面40と、を有する。
図4~6の断面図に最良に例示されているように、第1の剛性構成要素22は、フォーム層24のB面40に接合され、従って、B面40の一部は、3次元プロファイル36を含む。当技術分野で知られているように、ポリウレタンフォームは、発泡剤の存在におけるイソシアネート反応性樹脂組成物とイソシアネートとの発熱反応から形成される。イソシアネート反応性樹脂組成物、イソシアネート、および、発泡剤は、ポリウレタンシステムとして、まとめて知られている。
【0018】
フォーム層24は、典型的には、発泡剤の存在における、イソシアネートと、イソシアネート反応性成分、例えば、ポリオールなどの活性水素含有化合物と、の反応生成物を含む。より具体的には、フォーム層24は、発泡剤の存在におけるイソシアネート反応性樹脂組成物(イソシアネート反応性成分を含む)とイソシアネートとの発熱反応から形成される。イソシアネート反応性樹脂組成物、イソシアネート、および、発泡剤は、ポリウレタンシステムとして、まとめて知られている。
【0019】
フォーム層24は、ポリウレタン、尿素変性ポリウレタン、および、カルボジイミド変性ポリウレタンのグループから選択されるイソシアネート系ポリマにすることができる。用語「変性」が、ポリウレタンに関連して使用されるときに、意味することは、リンケージを形成するポリマバックボーンの50%までが置換されている、ということである。適切なポリウレタンフォームおよびシステムは、ONのWoodbridgeのWoodbridge Groupから商業的に入手可能である。
【0020】
フォーム層24は、ポリウレタンシステムから形成されるポリウレタンフォームを含むとして説明されている。しかしながら、理解されるべきことは、本開示の範囲がポリウレタンフォームを含むフォーム層24を含む通気シート組立体に制限されない、ということである。当業者に明らかになるであろうことは、本開示が、これらに限定されないが、ラテックス、ネオプレン、ポリ塩化ビニル(PVC)を含むフォームと、それを用いる方法と、を含む、他のタイプのフォーム化学を用いて適用可能である、ということである。
【0021】
第2の剛性構成要素26は、ポリマ材料を含む。第2の剛性構成要素26は、モールドプラスチックまたは形成布(第1の剛性構成要素22を参照して上で説明されているような)を含むことができる。好適な例において、第2の剛性構成要素26は、上で説明されているような形成布を含むかまたはそれである。第1の剛性構成要素22と同様に、第2の剛性構成要素26は、不透過性である。第2の剛性構成要素26は、第1の剛性構成要素22の通気面34の一部に固定される。第1および第2の剛性構成要素22、26は、接着剤を用いて接合でき、あるいは、一緒にモールドまたは溶接すらできる。典型的な例において、第1および第2の剛性構成要素22、26は、相互に密封式に接合される。例示される例において、接合部分42は、第1の剛性構成要素22の外側あたりに配設され、対応する接合部分44は、第2の剛性構成要素26のあたりに配設され、第1の剛性構成要素22の接合部分42を受容するように形状付けされる。通気シート組立体20は、耐久性層28を同じく含むことができる。幾つかの例において、耐久性層28は、第1の剛性構成要素22の接合面32の外側周辺に、また、フォーム層24のB面40の外側周辺に、位置付けされる。耐久性層28の一部は、第1の剛性構成要素22の接合面32の外側周辺の一部と、フォーム層24のB面40の外側周辺と、の間に位置付けできる。一例において、耐久性層28は、不織布層または平らな形成布を含む。一例において、耐久性層28は、シート用途に応じて、50~250、もしくは、90~190gsmの重量、および/または、0.1~2.5、もしくは、0.25~0.75mmの厚さ、を有する、PETとPETコポリマとの混合物を含む不織布層である。含まれる場合に、耐久性層28は、通気シート組立体20のフォーム層24に、追加の耐久性を提供する。
【0022】
通気シート組立体20は、フォーム層24のA面38にフォームパッドまたは複数のフォームパッドを同じく含むことができる。更に、通気シート組立体20は、典型的には、トリムカバーを用いてトリミングされる。トリムカバーは、典型的には、複数の層を含む積層体であり、様々な厚さを有することができる。トリムカバーは、閉鎖のためにトリムカバーの底部で互いにフック留めされるプラスチックリテーナと共に縫合される。ジッパは、プラスチックリテーナの代わりに同じく使用できる。
【0023】
図4~6の断面図に最良に例示されているように、第1および第2の剛性構成要素22、26は、第1の剛性構成要素22の3次元プロファイル36によって規定される複数の空気通路50を含む空洞30を規定する。複数の空気通路50は、3つ以上のまたはより多くの個々の通路を含む。第1および第2の部分は、空気流のための通路を形成するために、相互に対応または「互いに適合」するように形状付けされる。そういうことで、第1の剛性構成要素22の3次元プロファイル36は、複数の空気通路50を規定するために第2の剛性構成要素26と協働する。
【0024】
例示される例において、3次元プロファイル36は、複数の空気通路50を規定する、複数のピークと複数の谷とを規定する。この例において、第1の複数列の空気通路50aと、第2の複数列の空気通路50bとは、角度的にオフセットしている。即ち、空気通路50は、長手軸線(L)に平行な第1の複数列の空気通路50aと、長手軸線に垂直な第2の複数列の空気通路50bと、によって編成される。この成果のために、第1の剛性構成要素22は、第2の剛性構成要素26と協働し、第1の複数列の空気通路50aと、第1の複数の空気通路50aから角度的に(この例では90度だけ)オフセットした第2の複数列の空気通路50bと、を規定する。
【0025】
例において空気通路50が(例えば、90度での長手列および緯度列を形成するように)編成されているが、幾つかの例の通気シート組立体20は、無作為である複数の空気通路50を有する。換言すると、第1の剛性構成要素22の3次元プロファイル36は、空気通路50の列を含まない。例えば、3次元プロファイルのピークおよび谷は、不規則に配置でき、従って、空気通路の列は、形成されず、各通気ポートに対する膨大な数の通路が残る。種々の通路構成は、本明細書において企図されており、複数の空気通路50の有効性は、通気シート組立体20の空洞30の内部における種々の経路に沿った種々の方向への流体連通を可能にすることである。
【0026】
図3~6の通気シート組立体20の断面図において、通気チャネル56、複数の通気ポート52、空洞30、および、複数の空気通路50の様々な態様が例示されている。
図4において、4-4に沿って取られた断面図が例示するのは、複数の通気ポート52のうちの幾つか、および、対応する通気チャネル、ならびに、長手軸線に垂直な列を形成する複数の空気通路、である。
図5において、5-5に沿って取った断面図が例示するのは、複数の通気ポート52のうちの1つ、および、対応する通気チャネル、ならびに、長手軸線に垂直である列を形成する複数の空気通路50、である。
図6において、6-6に沿って取った断面図が例示するのは、複数の通気ポート52のうちの2つ、および、対応する通気チャネル、ならびに、長手軸線に平行である第1の複数列の空気通路50と長手軸線に垂直である第2の複数列の空気通路50との一部、である。
【0027】
空気通路50を第1の剛性構成要素22の通気面34に形成することに加えて、第1の剛性構成要素22の3次元プロファイル36は、通気シート組立体20の強度および剛性に欠かせない。典型的な例において、通気シート組立体20の形成中に、フォーム層24は、第1の剛性構成要素22上に相互モールドされる(共に成形される:co-molded)。そういうことで、フォーム層24のB面40は、第1の剛性構成要素22の3次元プロファイル36に少なくとも部分的に配設される(例えば、ピークおよび谷)。多くの例において、フォーム層24のB面40は、第1の剛性構成要素22の接合面32の総表面積の50、60、70、80、90、95、または、99%よりも大きく接触する。フォーム層24の3次元プロファイル36および第1の剛性構成要素22と組み合わせたこの接触および層形成は、意外にも、強度および耐久性を軽量の第1の剛性構成要素22に分与する。分与された強度は、増加した乗員の負荷や何千回にもわたる乗員の着席において、低下したパワー消費で、改善された乗員の快適さや均一な冷却を提供する。
【0028】
図面を通して例示され、しかるに、より明瞭には、
図3に例示されているように、第1の剛性構成要素22は、複数の通気ポート52を規定し、第2の剛性構成要素26は、ポート54を規定し、その他では、空洞30は、密封式にシールされる。加えて、フォーム層24は、複数の通気チャネルを規定し、それらは第1の剛性構成要素22の複数の通気ポート52と流体連通する。一例において、シートボトム12またはシートバック14は、第2の剛性構成要素26のポート54は、流体連通している(即ち、通気システムは、ポートに接続されたファンを含む)とき、冷却されている。この例において、フォーム層24のA面38に近位の空気は、空洞30を通して通気チャネル56および複数の通気ポート52の中に、そして、ポート54から出て、ファンの中に引かれ、それによって、乗員の下部または背部を冷却する。換言すると、通気チャネル56、通気ポート52、空洞30、および、ポート54は、種々の気候制御式の加熱構成および冷却構成のためにフォーム層24のA面38にまたはそこから空気が流れるようにするための経路を形成する。
【0029】
図4~6(およびその内容のために
図9~11)を更に参照すると、通気シート組立体120は、設計の観点から極めて柔軟性を有するが、その理由は、厚さをフォーム層124に付加しないからであり、また、フォーム層124のB面140に対する修正と考えることができるからである。通気システムは、厚さに最適な影響を与えるので、実質的に任意のタイプのシートまたはシート設計において、利用できる。
【0030】
上で説明されたように、本開示の通気シート組立体20は、シートボトム12またはシートバック14に組み込みできる。
図7において、
図1のシートバック14の単独の斜視図が、例示されている。
図8において、
図7のシートバック14の通気シート組立体120の分解図が示されている。正に上で説明されたように、通気シート組立体120は、第1の剛性構成要素122と、フォーム層124と、第2の剛性構成要素126と、耐久性層128と、を含む。第1の剛性構成要素122は、形成布を含み、また、接合面132と、接合面132に対向する通気面134と、3次元プロファイル136と、を有する。フォーム層124は、A面138と、A面138に対向するB面140と、を有し、第1の剛性構成要素122は、フォーム層124のB面140に接合され、従って、B面140の一部は、3次元プロファイル136を含む。第1の剛性構成要素122は、それの外側に配設される接合部分142を含み、第2の剛性構成要素126は、その外側に配設される対応する接合部分144を含み、第1の剛性構成要素22の接合部分42を受容するように形状付けされる。第1および第2の剛性構成要素122、126は、第1の剛性構成要素122の3次元プロファイル136によって規定される複数の空気通路150を含む空洞130を規定する。上で説明されているように、複数の空気通路150は、複数の異なった通路を含み、それらは、第1の剛性構成要素122に典型的に位置する複数の通気ポート152から、ファンポートとも呼ぶことのできる第2の剛性構成要素126に典型的に位置するポート154まで、延びる。
【0031】
図9~11の通気シート組立体120の断面図において、通気チャネル156、複数の通気ポート152、空洞130、および、複数の空気通路150、の種々の態様が例示されている。
図9において、9-9に沿って取られた断面図が例示するのは、複数の通気ポート152のうちの幾つか、および、対応する通気チャネル156、ならびに、長手軸線に垂直である第2の複数の空気通路150b、である。
図10において、10-10に沿って取られた断面図が例示するのは、複数の通気ポート152のうちのその他のもの、および、対応する通気チャネル156、ならびに、長手軸線に垂直である第2の複数の空気通路150b、である。
図11において、11-11に沿って取った断面図が例示するのは、複数の通気ポート152のうちの3つ、および、対応する通気チャネル156、ならびに、長手軸線に平行である第1の複数列の空気通路150aと長手軸線に垂直である第2の複数列の空気通路150bとの一部、である。
【0032】
ここで
図12を参照すると、通気シート組立体20を形成する方法100が本明細書に同じく開示されている。方法100は、3次元プロファイルを有する第1の剛性構成要素を形成するために、少なくとも1つの不織布層および少なくとも1つのポリマ層を含む複数の層を接合すること(102)を含む。いったん形成されると、第1の剛性構成要素22は、モールドの中に挿入され(104)、ポリウレタンシステムは、モールド内で反応して、B面40の一部は、3次元プロファイル36を含むように、フォーム層24を第1の剛性構成要素22の接合面32に配設する(106)。第2の剛性構成要素26は、次いで、第1の剛性構成要素22に接合されて、第1の剛性構成要素22の3次元プロファイル36によって規定されている複数の空気通路50を含む空洞30を形成する(108)。第1の剛性構成要素22は、形成布(および、形成布を任意選択で含む第2の剛性構成要素26)を含んでおり、設計の柔軟性と製造の柔軟性とを提供する。
【0033】
一例として、第1の剛性構成要素22は、先ず、複数の層を加熱すること、次いで、加熱した複数の層を形状付けのためにモールドすること、によって形成される。第1の剛性構成要素22は、3次元プロファイル36を有しており、その後に形状付けのためにカット、例えば、ダイカットされる。この例において、複数の通気ポート52は、おまけにカットされ、第1の剛性構成要素22の形成を完了する。これらの同じステップは、第2の剛性構成要素26の形成のために繰り返すことができる。
【0034】
いったん形成されると、第1の剛性構成要素22は、モールドの中に挿入され、幾つかの例において、複数の通気ポート52は、第1の剛性構成要素22をモールド内に位置させるために使用できる。耐久性層28が含められるべき場合、耐久性層28は、モールド内に同じく位置付けできる。いったんモールドが閉じられると、ポリウレタンシステムは、モールド内で反応して、フォーム層24を第1の剛性構成要素22の接合面32に配設し、従って、B面40の一部は、3次元プロファイル36を含む。
図13および14は、
図12の方法に従った通気シート組立体20の段階的な組立を例示する。
図13は、第1の剛性構成要素をモールドの中に挿入し、ポリウレタンシステムをモールド内で反応させ、B面の一部が3次元プロファイル36を含むようにフォーム層を第1の剛性構成要素の接合面に配設するステップの後の、第1の剛性構成要素とフォーム層と耐久性層とを一緒に成形した組立体の斜視図である。即ち、
図13は、直ぐ上で説明されたようなモールドの後で、第2の剛性構成要素26が第1の剛性構成要素22に接合される前の組立体の例示である。
【0035】
この例において、接着剤は、その後に、第1および/または第2の剛性構成要素22、26の外側周辺(接合部分/対応接合部分42、44)に適用され、第1の剛性構成要素22から第2の剛性構成要素26に適用される。
図14は、第2の剛性構成要素を第1の剛性構成要素に接合して、第1の剛性構成要素の3次元プロファイルによって規定される複数の空気通路を含む空洞を形成するステップの後の
図13の組立体の斜視図であり、それは、第2の剛性構成要素26を第1の剛性構成要素22に接合するステップ以降である。即ち、
図13は、第2の剛性構成要素26が第1の剛性構成要素22に接合された後の通気シート組立体20の例示である。
【0036】
幾つかの実施形態は、先の説明において議論されている。しかしながら、本明細書で議論される実施形態は、網羅的であることや、本開示を任意の特定の形態に限定することが意図されていない。使用されてきた用語は、限定というよりも寧ろ、説明の単語の性質に存在することが意図されている。上の教示に鑑みて多くの修正および変形が可能であり、本開示は、具体的に説明されたものとは別の方法で実行されてもよい。
【0037】
以下の例は、本開示を例示することを意図しており、いかなる場合も本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0038】
例1および2の通気シート組立体と、比較例1および2の比較の通気シート組立体は、それぞれシートバック組立体、シートボトム組立体である。例1および2の通気シート組立体は、本開示に従っており、その一方で、比較例1および2の通気シート組立体は、本開示に従って形成されておらず、本明細書で説明される通気シート組立体の利点を強調するために含まれている。
【0039】
ここで
図15および15Aを参照すると、概略図は、比較例1のシートボトムの構成を例示して、示されている。より具体的には、概略図は、比較例1の斜視図ならびに分解図を示して、例示されている。比較例1の組立済みの通気シート組立体は、左に例示されており、左から右に移動すると、フォーム層の単独の図が次に例示されており、左から右に移動すると、耐久性層の単独の図が例示されており、左にはプラスチック製通気シート組立体の単独の図が例示されている。
【0040】
ここで
図16および16Aを参照すると、概略図は、例1のシートボトムの構成を例示して、示されている。より具体的には、概略図は、例1の斜視図ならびに分解図を示して、例示されている。例1の組立済みの通気シート組立体は、左に例示されており、左から右に移動すると、フォーム層の単独の図が次に例示されており、左から右に移動すると、第1の剛性構成要素の単独の図が例示されており、左から右に移動すると、第2の剛性構成要素の単独の図が例示されており、耐久性層の単独の図が例示されている。
【0041】
比較例1の通気シート組立体は、プラスチック製通気シート組立体および耐久性層を含み、それに対して、例1の通気シート組立体は、第1の剛性構成要素、第2の剛性構成要素、および、耐久性層を含む。例1の通気シート組立体は、比較例1の通気シート組立体よりも軽い重さである。
【0042】
ここで
図17および17Aを参照すると、概略図は、比較例2のシートバックの構成を例示して、示されている。より具体的には、概略図は、比較例2の斜視図ならびに分解図を示して、例示されている。ここで
図17の概略図の一部を参照すると、比較例2を表しており、組立済みの通気シート組立体は、左に例示されており、左から右に移動すると、シートボトムのフォーム層の単独の図が次に例示されており、左から右に移動すると、プラスチック製通気シート組立体の第1および第2の部分の単独の図が例示されており、耐久性層の単独の図が右に例示されている。
【0043】
ここで
図18および18Aを参照すると、概略図は、例2のシートバックの構成を例示して、示されている。より具体的には、概略図は、例2の斜視図ならびに分解図を示して、例示されている。ここで
図18の概略図の一部を参照すると、例2を表しており、組立済みの通気シート組立体は、左に例示されており、左から右に移動すると、シートボトムのフォーム層の単独の図が次に例示されており、左から右に移動すると、第1の剛性構成要素の単独の図が例示されており、左から右に移動すると、第2の剛性構成要素の単独の図が例示されており、耐久性層の単独の図が右に例示されている。
【0044】
比較例2の通気シート組立体は、ツーパートのプラスチック製通気シート組立体および耐久性層を含み、それに対して、例2の通気シート組立体は、第1の剛性構成要素、第2の剛性構成要素、および、耐久性層を含む。例2の通気シート組立体は、比較例2の通気シート組立体よりも軽い重さである。
【0045】
例1および2と比較例1および2との性能比較は、下の表1に記載されており、Δ-は、不利益(disadvantage)を表し、Δは、無変化を表し、Δ+は、利益(advantage)を表している。
【0046】
【0047】
ここで上の表1を参照すると、例1および2の形成布通気は、比較例1および2の通気シート組立体に比べて、広範囲の性能特性に関して、改善された性能を実証している。
【0048】
一連の4つの追加試験は、例1および2と比較例1および2について実行された。
・ 熱電対試験(人がシートに10分間着席(コンディショニング/ウォームアップ)し、熱電対がシートの特定の場所に取り付けられ、温度上昇を記録する。次に、通気システムが10分間起動され、その間、人は着席しており、クールダウン温度が記録される。)
・ 空気流量試験(通気システムをオンにして、空気流量装置をシートの挿入エリアにしっかり押圧し、30秒後に読取りを行い、結果が平均化されてCFMに記録される。)
・ サーマルイメージング試験(この試験において、ヒートランプがシート挿入エリアに整列されて、華氏90度まで加熱することが可能にされ、画像がキャプチャされ、通気システムが5分間オンにされ、画像がキャプチャされる。)
・ 耐久性試験(80,000着席サイクル)
【0049】
試験が確証したことは、例1および2の通気シート組立体の複数の空気通路が、比較例1および2の通気シート組立体に比べて、負荷状態下で改善された空気流および冷却を提供した、ということである。更に、例1および2の空気流量および冷却性能は、安定して存続し、80,000耐久性サイクルの後に実際に僅かに改善した。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
形成布を含み、接合面と前記接合面に対向する通気面と3次元プロファイルとを有する、第1の剛性構成要素と、
A面と前記A面に対向するB面とを有するフォーム層であって、前記第1の剛性構成要素が、前記B面の一部が前記3次元プロファイルを含むように、前記フォーム層の前記B面に接合される、フォーム層と、
前記第1の剛性構成要素の前記通気面の一部に固定されるポリマ材料を含む第2の剛性構成要素であって、前記第1および第2の剛性構成要素がそれらの間に空洞を規定し、前記空洞が前記第1の剛性構成要素の前記3次元プロファイルによって規定される複数の空気通路を含む、第2の剛性構成要素と、
を含む、通気シート組立体。
【請求項2】
前記第1の剛性構成要素は、複数の通気ポートを規定する、請求項1に記載の通気シート組立体。
【請求項3】
前記フォーム層は、前記通気ポートに流体連通する複数の通気チャネルを規定する、
請求項2に記載の通気シート組立体。
【請求項4】
前記第2の剛性構成要素は、ポートを規定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項5】
前記第1の剛性構成要素は、複数の層を含む、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項6】
前記第1の剛性構成要素は、2つの不織布層を含み、それらの間に配設されたポリマバインダ層を備える、
請求項5に記載の通気シート組立体。
【請求項7】
前記第1の剛性構成要素は、不織布層およびポリマバインダ層を含む、
請求項5に記載の通気シート組立体。
【請求項8】
前記ポリマバインダ層は、ポリエチレンを含む、
請求項6に記載の通気シート組立体。
【請求項9】
前記不織布層は、ポリエチレンテレフタレートを含む、
請求項6に記載の通気シート組立体。
【請求項10】
前記第2の剛性構成要素は、形成布を含む、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項11】
前記第1の剛性構成要素は、100~500g/m
2の単位面積当たりの重量を有する、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項12】
前記第1の剛性構成要素の前記3次元プロファイルは、前記第2の剛性構成要素と協働して、 第1の複数列の空気通路と、前記第1の複数列の空気通路から角度的にオフセットした第2の複数列の空気通路と、を規定する、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項13】
前記3次元プロファイルは、複数のピークと複数の谷とを規定し、前記複数の空気通路を規定する、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項14】
前記複数の空気通路は、無作為である、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項15】
前記複数の空気通路は、編成されている、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項16】
前記第1の剛性構成要素の前記3次元プロファイルは、前記第2の剛性構成要素と協働して、第1の複数列の空気通路と、前記第1の複数列の空気通路から角度的にオフセットしている第2の複数列の空気通路と、を規定する、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項17】
前記3次元プロファイルは、第1の剛性構成要素の外側あたりに配設される接合部分を規定し、
前記第2の剛性構成要素は、前記接合部分を受容するように形状付けされる、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項18】
前記第1および前記第2の剛性構成要素は、相互に密封式に接合される、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項19】
前記第1の剛性構成要素は、相互モールドを介して前記フォーム層に接合される、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項20】
耐久性層を更に含み、
前記耐久性層は、前記第1の剛性構成要素の前記接合面の外側周辺と、前記フォーム層の前記B面の外側周辺と、に位置付けされる、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通気シート組立体。
【請求項21】
フォーム層と、
3次元プロファイルを有する形成布を含む第1の剛性構成要素と、
前記第1の剛性構成要素に固定されるポリマ材料を含む第2の剛性構成要素と、
を含む通気シート組立体を形成する方法であって、
接合面と通気面と3次元プロファイルとを有する第1の剛性構成要素を形成するために、少なくとも1つの不織布層および少なくとも1つのポリマ層を含む複数の層を接合するステップと、
前記第1の剛性構成要素をモールドの中に挿入するステップと、
前記第1の剛性構成要素にA面およびB面を有する前記フォーム層を配設するために、前記第1の剛性構成要素が前記フォーム層の前記B面に接合され、前記B面の一部が前記3次元プロファイルを含むように、ポリウレタンシステムをモールド内で反応させるステップと、
前記第1の剛性構成要素の前記3次元プロファイルによって規定される複数の空気通路を含む空洞を形成するために、前記第2の剛性構成要素を前記第1の剛性構成要素に接合するステップと、
を含む、通気シート組立体を形成する方法。
【請求項22】
前記複数の層を加熱するステップを更に含む、
請求項
21に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の層を接合するステップは、前記第1の剛性構成要素を形成するために前記複数の層をモールドすることとして更に規定される、
請求項
21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の層を接合するステップは、100から500g/m2の単位面積当たりの重量を有する前記第1の剛性構成要素を形成するために、2つの不織布層をそれらの間に配設されるポリマバインダ層と接合することとして更に規定される、
請求項
21または22に記載の方法。
【請求項25】
複数の通気ポートを前記第1の剛性構成要素に形成するステップを更に含む、
請求項
21または22に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の剛性構成要素をモールドの中に、
前記複数の通気ポートを用いて、
位置付けするステップを更に含む、
請求項
21または22に記載の方法。
【請求項27】
耐久性層を前記モールドの中に挿入して、
前記耐久性層を前記モールド内に、
前記耐久性層と前記第1の剛性構成要素の前記接合面の外側周辺との間の接触と、前記耐久性層と前記フォーム層の前記B面の外側周辺との間の接触と、を作成するために、
位置付けするステップを更に含む、
請求項
21または22に記載の方法。
【請求項28】
接着剤を前記第1および/または第2の剛性構成要素の外側周辺に、
前記第1の剛性構成要素を前記第2の剛性構成要素に接合するステップより前に、
適用するステップを更に含む、
請求項
21または22に記載の方法。
【請求項29】
シートで使用するための通気システムであって、
A面と前記A面に対向するB面とを有するフォーム層と、
3次元プロファイルを有する形成布を含み、複数の通気ポートを規定し、前記B面の一部が前記3次元プロファイルを含むように前記B面に接合される、第1の剛性構成要素と、
前記第1の剛性構成要素に固定される形成布を含み、ポートを規定する第2の剛性構成要素であって、前記第1および第2の剛性構成要素がそれらの間に空洞を規定し、前記空洞が前記第1の剛性構成要素の前記3次元プロファイルによって規定される複数の空気通路を含む、第2の剛性構成要素と、
前記ポートに接続されて前記空洞に流体連通しているファンと、
を含む、通気システム。
【国際調査報告】