(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】電極アセンブリ、ならびにその関連する電池、デバイス、製造方法、および製造装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/538 20210101AFI20230714BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20230714BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20230714BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20230714BHJP
H01M 10/0587 20100101ALI20230714BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20230714BHJP
H01M 10/054 20100101ALN20230714BHJP
H01M 6/16 20060101ALN20230714BHJP
【FI】
H01M50/538
H01M50/533
H01M10/04 W
H01M10/052
H01M10/0587
H01M50/531
H01M10/054
H01M6/16 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563079
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(85)【翻訳文提出日】2021-10-22
(86)【国際出願番号】 CN2020094040
(87)【国際公開番号】W WO2021243583
(87)【国際公開日】2021-12-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リャン チェンドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ジン ハイツー
(72)【発明者】
【氏名】シュー フー
(72)【発明者】
【氏名】ジェン ユチュン
【テーマコード(参考)】
5H024
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H024AA12
5H024BB09
5H024BB19
5H024CC02
5H024CC07
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5H024DD11
5H024HH15
5H028AA05
5H028BB07
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5H029AJ14
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5H029CJ07
5H029CJ30
5H029DJ05
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5H043AA19
5H043BA07
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA12
5H043EA02
5H043EA06
5H043EA38
5H043EA60
5H043LA21E
5H043LA22E
(57)【要約】
本開示は、電極アセンブリ、ならびに関連する電池、デバイス、製造方法、および製造装置を開示する。前記電極アセンブリは、複数の第1の電極板および少なくとも1つの第2の電極板を有し、前記第1の電極板の極性は、前記第2の電極板の極性と反対であり、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板は、巻回軸に巻回されて巻回構造を形成し、前記巻回構造において、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板は、前記巻回軸に垂直な方向に沿って重畳して配置されている。前記複数の第1の電極板における各第1の電極板は、第1の集電体と、前記第1の集電体の重畳面に配置された第1の活物質層とを有し、前記第1の集電体は、前記第1の活物質層が設けられた第1の本体部と、前記第1の本体部から前記巻回軸の方向に沿って突出する少なくとも1つの第1のタブとを有し、前記少なくとも1つの第1のタブにおける各第1のタブおよび前記第1の本体部は、前記巻回軸に沿って平行に配置されている。本開示の電極アセンブリの巻回巻数は低減され、巻回後の周方向における第1のタブの誤配置の量を低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の電極板および少なくとも1つの第2の電極板を有し、前記第1の電極板の極性は、前記第2の電極板の極性と反対であり、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板は、巻回軸に巻回されて巻回構造を形成し、前記巻回構造において、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板は、前記巻回軸に垂直な方向に沿って重畳して配置されており、
前記複数の第1の電極板における各第1の電極板は、第1の集電体と、前記第1の集電体の重畳面に配置された第1の活物質層とを有し、前記第1の集電体は、前記第1の活物質層が設けられた第1の本体部と、前記第1の本体部から前記巻回軸の方向に沿って突出する少なくとも1つの第1のタブとを有し、
前記少なくとも1つの第1のタブにおける各第1のタブおよび前記第1の本体部は、前記巻回軸に沿って平行に配置されている、
電極アセンブリ。
【請求項2】
各第1の電極板は、間隔を置いて配置された複数の第1のタブを有する、
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記巻回構造において、各第1の電極板は、その各円に少なくとも1つのタブが設けられている、
請求項1または2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記第1のタブすべてにおける任意の2つの第1のタブは、少なくとも部分的に重なり合っている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記巻回構造は、偏平形であり、且つ、直線部分と、前記直線部分の両側に配置された旋回部分とを有し、
前記第1のタブはすべて、前記直線部分に配置されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記直線部分は、実質的に平行であり且つ前記巻回軸に関して対称に区分された、第1の直線小部分および第2の直線小部分を有し、
前記第1のタブはすべて、前記第1の直線小部分もしくは前記第2の直線小部分に配置され、または、
前記第1のタブすべての一部は、前記第1の直線小部分に配置されるとともに、前記第1のタブの残りすべては、前記第2の直線小部分に配置されている、
請求項5に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記複数の第1の電極板における少なくとも2つの第1の電極板の巻回始端の位置は、異なっており、および/または、前記複数の第1の電極板における少なくとも2つの第1の電極板の巻回終端の位置は、異なっている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記電極アセンブリは、複数の第2の電極板を有し、前記複数の第2の電極板における少なくとも2つの第2の電極板の巻回始端の位置は、異なっており、および/または、前記複数の第2の電極板における少なくとも2つの第2の電極板の巻回終端の位置は、異なっている、
請求項1~7のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記電極アセンブリは、複数の第2の電極板を有し、前記巻回構造は、偏平形であり、且つ、直線部分と、前記直線部分の両側に配置された旋回部分とを有し、
前記複数の第1の電極板における少なくとも1つの第1の電極板の巻回終端は、前記旋回部分に配置され、および/または、前記複数の第2の電極板における少なくとも1つの第2の電極板の巻回終端は、前記旋回部分に配置されている、
請求項1~8のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記巻回構造の異なる半径方向において、前記第1の電極板と前記第2の電極板との層数の差は、予め設定された層数を超えない、
請求項1~9のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記予め設定された層数は、前記第1の電極板すべてと前記第2の電極板すべての合計数以下である、
請求項10に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
ケースと、
請求項1~11のいずれか1項に記載の電極アセンブリと、を有し、
前記電極アセンブリが、前記ケースに配置されている、
電池。
【請求項13】
請求項12に記載の電池を複数有する電池モジュール。
【請求項14】
請求項13に記載の電池モジュールを複数有する電池パック。
【請求項15】
電池を使用するデバイスであって、
請求項12に記載の電池を有し、前記電池は、電気エネルギーを供給するように構成されている、
デバイス。
【請求項16】
電極アセンブリの製造方法であって、
複数の第1の電極板および少なくとも1つの第2の電極板を提供する工程であって、前記第1の電極板の極性は、前記第2の電極板の極性と反対である、工程と、
前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板を巻回軸に巻回して巻回構造を形成する工程と、を有し、
前記巻回構造において、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板は、前記巻回軸に垂直な方向に沿って重畳して配置されており、
各第1の電極板は、第1の集電体と、前記第1の集電体の重畳面に配置された第1の活物質層とを有し、前記第1の集電体は、前記第1の活物質層が設けられた第1の本体部と、前記第1の本体部から前記巻回軸の方向に沿って突出する少なくとも1つの第1のタブとを有し、
前記少なくとも1つの第1のタブにおける各第1のタブおよび前記第1の本体部は、前記巻回軸に沿って平行に配置されている、
製造方法。
【請求項17】
電極アセンブリの製造装置であって、
複数の第1の電極板および少なくとも1つの第2の電極板を提供するように構成された電極板配置機構であって、前記第1の電極板の極性は、前記第2の電極板の極性と反対である、電極板配置機構と、
前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板を巻回軸に巻回して巻回構造を形成するように構成された巻回機構と、を有し、
前記巻回構造において、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板は、前記巻回軸に垂直な方向に沿って重畳して配置されており、
各第1の電極板は、第1の集電体と、前記第1の集電体の重畳面に配置された第1の活物質層とを有し、前記第1の集電体は、前記第1の活物質層が設けられた第1の本体部と、前記第1の本体部から前記巻回軸の方向に沿って突出する少なくとも1つの第1のタブとを有し、
前記少なくとも1つの第1のタブにおける各第1のタブおよび前記第1の本体部は、前記巻回軸に沿って平行に配置されている、
製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池の分野に関し、特に、電極アセンブリ、ならびにその関連する電池、デバイス、製造方法、および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型、高エネルギー密度、高出力密度、多重サイクル、および長い蓄電時間といった利点があるために、リチウムイオン電池は、一部の電子機器、電気輸送手段、電気玩具、および電気デバイスに広く使用されており、例えば、リチウムイオン電池は、現在、携帯電話、ノートパソコン、バッテリーカー、電気自動車、電気飛行機、電気船、電気玩具車、電気玩具船、電気玩具飛行機、および電動工具に広く使用されている。
【0003】
電極アセンブリは、リチウムイオン電池の重要なユニットであり、巻回電極アセンブリは、製造プロセスが簡単で製造効率が高いという特徴を有するため、リチウムイオン電池に広く使用されている。
【0004】
しかし、リチウムイオン電池の体積エネルギー密度を向上させるために、電極アセンブリは、通常、複数回巻回される必要があり、電極アセンブリを複数回巻回する場合には、タブが著しく誤配置されやすく、これにより、コレクタ部品との接続に影響を与える。
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、複数回の巻回に起因するタブの誤配置の問題を改善する、電極アセンブリおよびその関連する電池、デバイス、製造方法、および製造装置を提供することである。
【0006】
本開示の第1の態様は、複数の第1の電極板および少なくとも1つの第2の電極板を有し、前記第1の電極板の極性は、前記第2の電極板の極性と反対であり、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板は、巻回軸に巻回されて巻回構造を形成し、前記巻回構造において、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板は、前記巻回軸に垂直な方向に沿って重畳して配置されており、前記複数の第1の電極板における各第1の電極板は、第1の集電体と、前記第1の集電体の重畳面に配置された第1の活物質層とを有し、前記第1の集電体は、前記第1の活物質層が設けられた第1の本体部と、前記第1の本体部から前記巻回軸の方向に沿って突出する少なくとも1つの第1のタブとを有し、前記少なくとも1つの第1のタブにおける各第1のタブおよび前記第1の本体部は、前記巻回軸に沿って平行に配置されている、電極アセンブリを提供する。
【0007】
いくつかの実施形態において、各第1の電極板は、間隔を置いて配置された複数の第1のタブを有する。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記巻回構造において、各第1の電極板は、その各円に少なくとも1つのタブが設けられている。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記第1のタブすべてにおける任意の2つの第1のタブは、少なくとも部分的に重なり合っている。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記巻回構造は、偏平形であり、且つ、直線部分と、前記直線部分の両側に配置された旋回部分とを有し、前記第1のタブはすべて、前記直線部分に配置されている。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記直線部分は、実質的に平行であり且つ前記巻回軸に関して対称に区分された、第1の直線小部分および第2の直線小部分を有し、前記第1のタブはすべて、前記第1の直線小部分もしくは前記第2の直線小部分に配置され、または、前記第1のタブすべての一部は、前記第1の直線小部分に配置されるとともに、前記第1のタブの残りすべては、前記第2の直線小部分に配置されている。
【0012】
いくつかの実施態様において、前記複数の第1の電極板における少なくとも2つの第1の電極板の巻回始端の位置は、異なっており、および/または、前記複数の第1の電極板における少なくとも2つの第1の電極板の巻回終端の位置は、異なっている。
【0013】
いくつかの実施態様において、前記電極アセンブリは、複数の第2の電極板を有し、前記複数の第2の電極板における少なくとも2つの第2の電極板の巻回始端の位置は、異なっており、および/または、前記複数の第2の電極板における少なくとも2つの第2の電極板の巻回終端の位置は、異なっている。
【0014】
いくつかの実施態様において、前記電極アセンブリは、複数の第2の電極板を有し、前記巻回構造は、偏平形であり、且つ、直線部分と、前記直線部分の両側に配置された旋回部分とを有し、前記複数の第1の電極板における少なくとも1つの第1の電極板の巻回終端は、前記旋回部分に配置され、および/または、前記複数の第2の電極板における少なくとも1つの第2の電極板の巻回終端は、前記旋回部分に配置されている。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記巻回構造の異なる半径方向において、前記第1の電極板と前記第2の電極板との層数の差は、予め設定された層数を超えない。
【0016】
本開示の第2の態様は、ケースと、本開示の第1の態様のいずれかの項目において提供された電極アセンブリと、を有し、前記電極アセンブリは、前記ケース内に配置されている、電池を提供する。
【0017】
本開示の第3の態様は、本開示の第2の態様において提供された電池を複数有する電池モジュールを提供する。
【0018】
本開示の第4の態様は、本開示の第3の態様において提供された電池モジュールを複数有する電池パックを提供する。
【0019】
本開示の第5の態様は、電池を使用するデバイスであって、本開示の第2の態様において提供された電池を有し、前記電池は、電気エネルギーを供給するように構成されている、デバイスを提供する。
【0020】
本開示の第6の態様は、電極アセンブリの製造方法であって、複数の第1の電極板および少なくとも1つの第2の電極板を提供する工程であって、前記第1の電極板の極性は、前記第2の電極板の極性と反対である、工程と、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板を巻回軸に巻回して巻回構造を形成する工程と、を有し、前記巻回構造において、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板は、前記巻回軸に垂直な方向に沿って重畳して配置されており、各第1の電極板は、第1の集電体と、前記第1の集電体の重畳面に配置された第1の活物質層とを有し、前記第1の集電体は、前記第1の活物質層が設けられた第1の本体部と、前記第1の本体部から前記巻回軸の方向に沿って突出する少なくとも1つの第1のタブとを有し、前記少なくとも1つの第1のタブにおける各第1のタブおよび前記第1の本体部は、前記巻回軸に沿って平行に配置されている、製造方法を提供する。
【0021】
本開示の第7の態様は、電極アセンブリの製造装置であって、複数の第1の電極板および少なくとも1つの第2の電極板を提供するように構成された電極板配置機構であって、前記第1の電極板の極性は、前記第2の電極板の極性と反対である、電極板配置機構と、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板を巻回軸に巻回して巻回構造を形成するように構成された巻回機構と、を有し、前記巻回構造において、前記複数の第1の電極板および前記少なくとも1つの第2の電極板は、前記巻回軸に垂直な方向に沿って重畳して配置されており、各第1の電極板は、第1の集電体と、前記第1の集電体の重畳面に配置された第1の活物質層とを有し、前記第1の集電体は、前記第1の活物質層が設けられた第1の本体部と、前記第1の本体部から前記巻回軸の方向に沿って突出する少なくとも1つの第1のタブとを有し、前記少なくとも1つの第1のタブにおける各第1のタブおよび前記第1の本体部は、前記巻回軸に沿って平行に配置されている、製造装置を提供する。
【0022】
本開示において提供される技術的解決手段に基づいて、電極アセンブリは、複数の第1の電極板を有し、第1の電極板の長さは、短縮されているに等しく、さらに、電極アセンブリの巻回数は、低減されているため、巻回後の第1のタブの周方向への誤配置量を低減することができ、コレクタ部品との接続が容易になる。また、本開示の第1のタブおよび第1の本体部は、巻回軸に沿って平行に分布しており、これにより、第1の集電体上の、第1の活物質層でコーティングされた領域が拡大され、電極アセンブリのエネルギー密度がさらに向上する。
【0023】
本開示の他の特徴および利点は、以下の添付図面を参照して、本開示の例示的な実施形態の詳細な説明によって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
ここで説明する図面は、本開示へのさらなる理解を提供するのに使用され、本開示の一部を形成する。本開示の例示的な実施形態およびその説明は、本開示を説明するためのものであり、本開示を不当に限定するものではない。
【0025】
【
図1】本開示の電池を採用した車両のいくつかの実施形態の外形概略図
【
図2】本開示の電池パックのいくつかの実施形態の構造概略図
【
図3】本開示の電池モジュールのいくつかの実施形態の構造概略図
【
図5】本開示の電極アセンブリにおいて正極板と負極板が間隔を置いて配置されているいくつかの実施形態の側面図
【
図7】本開示の電極アセンブリにおける第1の電極板のいくつかの実施形態の構造概略図
【
図8】本開示の電極アセンブリにおける第2の電極板のいくつかの実施形態の構造概略図
【
図9】巻回軸に垂直な平面における本開示の偏平型電極アセンブリの第1の実施形態の断面図
【
図10】巻回軸に垂直な平面における本開示の偏平型電極アセンブリの第2の実施形態の断面図
【
図11】巻回軸に垂直な平面における本開示の偏平型電極アセンブリの第3の実施形態の断面図
【
図12】巻回軸に垂直な平面における本開示の偏平型電極アセンブリの第4の実施形態の断面図
【
図13】巻回軸に垂直な平面における本開示の偏平型電極アセンブリの第5の実施形態の断面図
【
図14】巻回軸に垂直な平面における本開示の円筒型電極アセンブリの第1の実施形態の断面図
【
図15】巻回軸に垂直な平面における本開示の円筒型電極アセンブリの第2の実施形態の断面図
【
図16】巻回軸に垂直な平面における本開示の円筒型電極アセンブリの第3の実施形態の断面図
【
図17】巻回軸に垂直な平面における本開示の円筒型電極アセンブリの第4の実施形態の断面図
【
図18】本開示の電極アセンブリの製造方法のいくつかの実施形態のフロー図
【
図19】本開示の電極アセンブリの製造装置のいくつかの実施形態の構造概略図
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の実施形態の目的、技術的解決手段、および効果をより明確にするために、本開示の実施形態の技術的解決手段の明確かつ完全な説明が、本開示の実施形態における添付の図面と組み合わせて以下に与えられる。明らかに、説明された実施形態は、本開示の実施形態の単なる一部に過ぎず、全部ではない。本開示の実施形態に基づいて、当業者によって創造的な努力なしに得られる他の全実施形態は、すべて、本開示の保護範囲内に入る。
【0027】
別段の定義がない限り、本文で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示の技術分野の当業者によって理解されるものと同じ意味を有し、本文において、出願明細書に使用された用語は、本開示を限定するためではなく、単に特定の実施形態を説明するためのものであり、本開示の明細書、特許請求の範囲、および図面の上記簡単な説明における用語「含む(including)」および「有する(having)」ならびにそのあらゆる変形は、非排他的な包含を含むことを意図している。本開示の明細書、特許請求の範囲、または上記図面における「第1の(first)」および「第2の(second)」などの用語は、特定の順序または一次的もしくは二次的な関係を説明するためではなく、異なる対象を区別するために使用される。
【0028】
本文で「実施形態(embodiment)」に言及することは、実施形態と組み合わせて説明された特定の特徴、構造、または性質が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書のさまざまな箇所における当該語句の出現は、必ずしも同じ実施形態を参照するものではなく、他の実施形態と相互に排他的である独立または代替の実施形態を参照するものでもない。当業者は、本文に記載された実施形態は他の実施形態と組み合わせることができることを明示的および暗示的に理解することができる。
【0029】
本文における「および/または(and/or)」という用語は、関連する対象の出現関係を単に記述したものであり、3つの関係の存在を表している。例えば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在すること、AとBが同時に存在すること、Bのみが存在すること、を表すことができる。さらに、本文における記号「/」は、一般に、前後の関連する対象が「または」関係であることを表す。
【0030】
本開示における「複数の(a plurality of)」という用語は、2以上をいい、同様に、「複数のグループ(a plurality of groups)」とは、2つ以上のグループをいい、「複数の板(a plurality of plates)」とは、2つ以上の板をいう。
【0031】
本開示の実施形態で説明される電極アセンブリおよびその製造方法、ならびに電池、電池モジュール、および電池パックは、すべて、電池を使用するさまざまなデバイス、例えば、携帯電話、ノートパソコン、バッテリーカー、電気自動車、船舶、空間航行体、電気玩具、および電気工具などに適用可能である。例えば、空間航行体は、航空機、ロケット、スペースシャトル、および宇宙船などを含み、電気玩具は、固定または可動の電気玩具、例えば、ゲーム機や、電気自動車の玩具、電気船の玩具、電気飛行機の玩具などを含み、電気工具は、金属切削電気工具、研削電気工具、アセンブリ電気工具、ならびに鉄道で使用される電気工具、例えば、電気ドリル、電気グラインダ、電気レンチ、電気スクリュードライバ、電気ハンマー、電気インパクトドリル、コンクリートバイブレータ、および電気プレーナを含む。
【0032】
本開示の実施形態で説明される電極アセンブリ、電池、電池モジュール、および電池パックは、上記デバイスに適用可能であるだけでなく、電池を使用するすべてのデバイスにも適用可能であるが、説明を容易にするために、以下の実施形態では電気自動車を例にとって説明する。
【0033】
例えば、
図1は、本開示の実施形態の車両100の構造概略図である。車両100は、油を燃料とする車両、ガス車両、または新エネルギー車両であり得る。新エネルギー車両は、バッテリー電気自動車、ハイブリッド電気自動車、または延長距離車両であり得る。電池パック200は、車両100の内部に配置することができる。例えば、電池パック200は、車両100の底部、前端部、または後端部に配置することができる。電池パック200は、車両100の電源に使用することができる。例えば、電池パック200は、車両100の動作電源としての機能を果たすことができ、車両100の回路システムとしての機能を果たすことができる。例えば、電池パック200は、車両100の始動、ナビゲーション、および操作中の車両100の電力需要を満たすことができる。本開示の他の実施形態では、電池パック200は、車両100の動作電源としての機能を果たすだけでなく、車両100の駆動電源としての機能をも果たし、燃料油または天然ガスの代わりに使用してまたは部分的に代わりに使用して車両100に駆動力を提供することができる。
【0034】
電気使用の異なる要求を満たすために、電池パック200は、1つの電池モジュールまたは複数の電池モジュールを含むことができ、複数の電池モジュールは、直列に、並列に、または直列および並列に接続することができる。直列および並列の接続は、直列接続および並列接続の組み合わせを指す。例えば、
図2は、本開示の他の実施形態の電池パック200の構造概略図である。電池パック200は、第1のケース201と、第2のケース202と、複数の電池モジュール300とを有する。第1のケース201および第2のケース202の形状は、複数の電池モジュール300を組み合わせた形状に従って決定される。第1のケース201および第2のケース202にはいずれも開口部が設けられている。例えば、第1のケース201および第2のケース202は、いずれも、それぞれ一方の表面のみが開口面である中空の直方体であり得る。すなわち、その表面にはケース壁がなく、ケースの内側と外側とが連通している。第1のケース201および第2のケース202は、開口部で互いにバックルで留められて、電池パック200の閉じたケースを形成する。複数の電池モジュール300を並列に接続、直列に接続、または直列および並列に接続した後、複数の電池モジュール300は、第1のケース201を第2のケース202にバックルで留めた後に形成されるケース内に配置される。
【0035】
本開示の他の実施形態では、電池パック200が電池モジュール300を有する場合、この電池モジュール300は、第1のケース201を第2のケース202にバックルで留めた後に形成されるケース内に配置される。
【0036】
1つ以上の電池モジュール300によって生成された電気は、導電機構によってケースを貫通し、導出される。
【0037】
さまざまな電力需要に応じて、電池モジュール300は、1つ以上の電池を含むこともでき、
図3に示すように、電池モジュール300は、複数の電池400を有する。この複数の電池400は、直列接続、並列接続、または直列および並列接続によって接続されて、大容量または大電力を実現することができる。例えば、電池400は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、またはマグネシウムイオン電池を有するが、これらに限定されない。電池400は、円筒形、偏平形、長方形、または他の形状であり得る。
【0038】
本開示の他の実施態様では、複数の電池400を互いに重ね合わせて、直列に、並列に、または直列および並列に接続することができる。本開示の他の実施形態では、各電池400は、正方形、円筒形、または他の形状であり得る。例えば、
図4は、本開示の他の実施形態の電池400の構造概略図であり、電池400は、1つ以上の電極アセンブリ10と、ケース20と、エンドカバーアセンブリ40とを有する。ケース20の形状は、1つ以上の電極アセンブリ10を組み合わせた形状に従って決定することができる。例えば、ケース20は、中空の直方体、立方体、または円筒であり得る。さらに、ケース20の表面のうちの1つには開口部が設けられ、1つ以上の電極アセンブリ10をケース20内に入れることができるようになっている。例えば、ケース20が中空の直方体または立方体である場合、ケース20の平面のうちの1つは開口面であり、つまり、その平面にはケース壁がなく、ケース20の内側と外側とが連通している。ケース20が中空の円筒であれば、ケース20の円形側面が開口面であり、つまり、その円形側面にはケース壁がなく、ケース20の内側と外側とが連通している。エンドカバーアセンブリ40は、ケース20の開口部においてケース20と接続されて、電池400を入れる閉じたケースを形成する。ケース20は、内部が電解質で充填される。
【0039】
エンドカバーアセンブリ40は、エンドカバー41と、エンドカバー41上に配置された第1の端子42および第2の端子43とを有する。エンドカバー41は、実質的に平坦である。第1の端子42および第2の端子43は、エンドカバー41の平坦面に配置されてエンドカバー41の平坦面を貫通している。第1の端子42および第2の端子43には、対応して、コレクタ部品30が設けられている。コレクタ部品30は、エンドカバー41と電極アセンブリ10の間に配置されている。
【0040】
例えば、
図4に示すように、各電極アセンブリ10には、第1のタブ112および第2のタブ212が設けられている。1つ以上の電極アセンブリ10の第1のタブ112は、コレクタ部品30を介して第1の端子42に接続され、1つ以上の電極アセンブリ10の第2のタブ212は、別のコレクタ部品30を介して第2の端子43に接続されている。また、電極アセンブリ10は、タブと対応するコレクタ部品30との間に配置された溶接保護板50をさらに有する。
【0041】
本開示の他の実施形態では、エンドカバー41の平坦面に防爆弁44をさらに設けることができる。防爆弁44は、エンドカバー41の平坦面の一部であることができ、エンドカバー41の平坦面と溶接することもできる。防爆弁44は、ニック部(nick)を有する。ニック部の深さは、防爆弁44を貫通しないという目的を達成するために、防爆弁44のニック部を除く他の領域の厚さよりも小さい。すなわち、通常の状態において、防爆弁44は、エンドカバー41と密閉状態で組み合わされている。エンドカバーアセンブリ40は、エンドカバー41を介してケース20の開口部でケース20と接続されて、電池400を入れるケースを形成する。ケースによって形成される空間は、密閉され、気密である。ケース内では、電池400が過剰なガスを発生させ、そのガスが膨張してケース内の空気圧が予め設定された値を超えると、防爆弁44がニック部でひび割れし、ケースの内側と外側とが連通して、防爆弁44のひび割れの発生箇所を通ってガスが外側へ放出され、さらなる爆発を回避する。
【0042】
電池400には、実際の使用要求に応じて、単一または複数の電極アセンブリ10を配置することができる。
図4に示すように、電池400の内部には、少なくとも2つの独立した電極アセンブリ10が設けられている。
【0043】
いくつかの実施態様では、
図5に示すように、電極アセンブリ10は、複数の第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2を有し、第1の電極板1の極性は、第2の電極板2の極性と反対である。例えば、第1の電極板1は、正極板であり、第2の電極板2は、負極板であり、逆もまた同様である。複数の第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2は、巻回軸Kに巻回されて巻回構造を形成する。この巻回構造において、複数の第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2は、巻回軸Kに垂直な方向に沿って重畳して配置されている。
【0044】
第1の電極板1と第2の電極板2の数は、同じであることができ、また、異なっていることもできる。いくつかの実施形態において、すべての第1の電極板1およびすべての第2の電極板2の合計数は、3以上である。例えば、電極アセンブリ10は、2つ、3つ、または4つの第1の電極板1と、1つ、2つ、3つ、または4つの第2の電極板2とを有する。
【0045】
本開示の他の実施形態では、各第1の電極板1の形状は、各第2の電極板2の形状と実質的に同じである。例えば、巻回構造を偏平化した後、第1の電極板1および第2の電極板2は、実質的に帯状である。例えば、第1の電極板1および第2の電極板2は、長さが5~20mの帯状であることができる。第1の電極板1と第2の電極板2の長さの差は、予め設定された範囲内であり、幅寸法は、実質的に同じである。複数の第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2を重畳した後において、複数の第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2を帯状方向に沿って巻回すると、巻回構造を得ることができる。この巻回構造は、巻回軸Kを有しており、複数の第1の電極板1が少なくとも1つの第2の電極板2と重畳される重畳面は、巻回軸Kと実質的に平行である。
【0046】
本開示の他の実施形態では、複数の第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2を複数の形態で重畳することができる。例えば、複数の第1の電極板1が2つ以上の第1の電極板1であり、少なくとも1つの第2の電極板2も2つ以上の第2の電極板2である場合、巻回構造を偏平化した後に、1つの第1の電極板1と1つの第2の電極板2とを交互に順番に重畳することができる。他の例では、複数の第1の電極板1が2つ以上の第1の電極板1であり、少なくとも1つの第2の電極板2が1つの第2の電極板2である場合、巻回構造を偏平化した後に、2つ以上の第1の電極板1と1つの第2の電極板2とを交互に順番に重畳することができる。
【0047】
複数の第1の電極板1と少なくとも1つの第2の電極板2とが重畳される場合、どの隣接する1つの第1の電極板1と1つの第2の電極板2の間にもセパレータ3がさらに配置される。セパレータ3は、隣接する第1の電極板1と第2の電極板2を分離するように構成されているため、隣接する第1の電極板1と第2の電極板2は、互いに短絡しない。
【0048】
本開示の他の実施形態では、異なる極性の電極板が、互いに隣接している。例えば、すなわち、第1の電極板1が第2の電極板2に隣接していることは、第1の電極板1と第2の電極板2の間にはセパレータ3の少なくとも1つの層以外に電極板が存在しないこと、例えば、第1の電極板1と第2の電極板2の間には他の第1の電極板1も第2の電極板2も存在しないことを意味する。また、それは、第1の電極板1と第2の電極板2とが互いに最も直接的に隣接していることとして理解することもできる。例えば、一方の極性を有する1つの電極板に基づいて、その極性を有するその電極板と、その極性を有するその電極板に隣接する異なる極性を有する電極板の第1の層とは、隣接電極板と呼ばれる。
【0049】
本開示の他の実施形態では、同じ極性の2つの電極板が隣接していることは、同じ極性の2つの電極板の間に他の極性の1つの電極板のみが存在することを意味する。例えば、2つの第1の電極板1が隣接していることは、2つの第1の電極板1の間に1つの第2の電極板2のみが存在することを意味し、また、2つの第2の電極板2が隣接していることは、2つの第2の電極板2の間に1つの第1の電極板1のみが存在することを意味する。本開示の他の実施形態では、同じ極性の2つの電極板の間に異なる極性の他の電極板が存在しない場合、同じ極性の2つの電極板を1つの電極板と見なすことができる。
【0050】
本開示の他の実施形態では、同じ極性の2つ以上の電極板の間に異なる極性の他の電極板およびセパレータが存在しない場合、その同じ極性の2つ以上の電極板は、1つの電極板群と見なすことができ、よって、重畳の際には、その同じ極性の電極板群と、異なる極性の他の電極板群または単一の電極板とが、交互に順番に重畳される。例えば、2つ以上の第1の電極板は、第1の電極板群を構成し、また、2つ以上の第2の電極板は、第2の電極板群を構成する。重畳は、次のようになり得る。第1の電極板群と第2の電極板群とが交互に順番に重畳されるか、第1の電極板群と単一の第2の電極板とが交互に順番に重畳されるか、または、第2の電極板群と単一の第1の電極板とが交互に順番に重畳される。
【0051】
同じ極性の電極板群は1つの電極板と見なすことができるため、説明を容易にするために、後述する1つの電極板は、1つの電極板であり得るだけでなく、同じ極性の複数の電極板から成る電極板群でもあり得る。
【0052】
しかし、重畳方法にかかわらず、隣接する異なる極性の電極板の間には、少なくとも1層のセパレータ3が配置されている。
【0053】
本開示の他の実施形態では、セパレータ3は、セパレータ基層および機能層を有する。セパレータ基層は、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、およびポリブチレンテレフタレートから選択される少なくとも1つであり得る。機能層は、セラミック酸化物とバインダーとの混合層であり得る。本開示の他の実施形態では、巻回構造を偏平化した後、セパレータ3は、別々に存在する薄膜であり、また、実質的に帯状であり、例えば、長さが5~20mの帯状である。本開示の他の実施形態では、セパレータ3は、第1の電極板1および/または第2の電極板2の表面にコーティングされている、つまり、セパレータ3と第1の電極板1および/または第2の電極板2とは、一体構造になっている。
【0054】
本開示の他の実施形態では、
図5に示すように、巻回構造において、第1の電極板1と第2の電極板2とが交互に順番に重畳されている。ここで、A-Aは、複数の第1の電極板1と少なくとも1つの第2の電極板2とが重畳される方向であり、Kは、巻回構造の巻回軸Kである。
【0055】
本開示の他の実施形態では、
図6に示すように、複数の第1の電極板1における各第1の電極板1は、第1の集電体11と、第1の集電体11の重畳面に配置された第1の活物質層12とを有し、第1の集電体11は、第1の活物質層12が設けられた第1の本体部111と、第1の本体部111から巻回軸Kに沿って突出する少なくとも1つの第1のタブ112とを有する。第1のタブ112および第1の本体部111は、巻回軸Kに沿って平行に配置されている。第2の電極板2は、第2の集電体21と、第2の集電体21の重畳面に配置された第2の活物質層22とを有し、第2の集電体21は、第2の活物質層22が設けられた第2の本体部211と、第2の本体部211から巻回軸Kに沿って突出する第2のタブ212とを有する。
【0056】
本開示の他の実施形態では、複数の第1の電極板1と少なくとも1つの第2の電極板2とを重畳する場合、つまり、巻回構造において、第1の電極板1の第1のタブ112と第2の電極板2の第2のタブ212とを、巻回構造の巻回軸Kに沿って同じ側に配置することができるだけでなく、異なる側に配置することもできる。
【0057】
本開示の他の実施形態では、すべての第1のタブ112における任意の2つの第1のタブ112は、少なくとも部分的に重なり合っている。例えば、複数の第1の電極板1における1つの電極板に第1のタブ112が設けられ、複数の第1の電極板1におけるもう1つの電極板に第1のタブ112が設けられ、これら2つの第1のタブ112は、少なくとも部分的に重なり合っている。他の例では、複数の第1の電極板1における1つの電極板に複数の第1のタブ112が設けられ、当該複数の第1のタブ112における任意の2つの第1のタブ112は、少なくとも部分的に重なり合っている。さらに他の例では、複数の第1の電極板1における1つの電極板に複数の第1のタブ112が設けられ、複数の第1の電極板1におけるもう1つの電極板に複数の第1のタブ112が設けられ、前記1つの電極板の任意の第1のタブ112と、前記もう1つの電極板の任意の第1のタブ112とは、少なくとも部分的に重なり合っている。
【0058】
以上の説明から分かるように、同じエネルギーを得るために、本実施形態の電極アセンブリは、長さが複数の第1の電極板1の長さの合計に等しい単一の第1の電極板を複数の第1の電極板1に分割し、その後、この複数の第1の電極板1を平行に巻回した場合に得られることに相当する。同じ極性の電極板が本実施形態の電極アセンブリの内部にあり、電極アセンブリの内部抵抗が小さくなっているため、使用プロセスにおける電極アセンブリの発熱量が低減され、電極アセンブリの性能が改善される。
【0059】
また、長さが複数の第1の電極板1の長さの合計に等しい単一の電極板を巻回する際に同じ極性の電極板上の複数のタブを位置合わせする場合と比較して、本実施形態の電極アセンブリでは、同じ極性の複数の第1の電極板1上のタブを重畳して平行に位置合わせした後に巻回が実行され、電極板の長さが短縮され、巻回数が低減されるため、巻回プロセスにおけるタブの誤配置を制御する能力が向上し、巻回後の複数の第1のタブ112間の誤配置量が低減され、コレクタ部品との接続が容易になり、タブの過電流容量がさらに向上し、電極アセンブリの品質が向上する。
【0060】
さらに、関連技術では、第1の本体部の、巻回軸Kに垂直な方向に沿った側の領域は、活物質層でコーティングされておらず、タブは、その領域に溶接されている。一方、本実施形態では、第1のタブ112および第1の本体部111が、巻回軸Kに沿って平行に分布し、第1の活物質層が、第1の本体部の、巻回軸Kに垂直な方向に配置されているため、第1の集電体11上の、第1の活物質層12でコーティングされた領域が拡大され、電極アセンブリのエネルギー密度がさらに向上する。
【0061】
本開示の他の実施形態では、巻回構造を偏平化した後、第1の電極板1の構造は、
図7に示す通りである。本実施形態の各第1の電極板は、複数の第1のタブ112を有し、複数の第1のタブ112を設定することにより、過電流容量を向上させることができる。
【0062】
本開示の他の実施形態では、第1のタブ112が第1の集電体11のコーティングされていない領域を切断することによって形成される。巻回後の巻回構造において、各第1の電極板1は、その円上に少なくとも1つの第1のタブ112を備える。例えば、各第1の電極板1には、その円上に第1のタブ112または2つの第1のタブ112が設けられている。
【0063】
本開示の他の実施形態では、電極アセンブリ10を巻回して形成した後、複数の第1のタブ112を相互に積層し、コレクタ部品30に溶接する。
【0064】
複数の第1のタブ112の非溶接領域が溶接後に分散状態にならないようにするために、その一方で、第1のタブ112は薄いため、電池の組立プロセスでは、第1のタブ112が変形しやすく、第1の電極板11と第2の電極板12の間で圧迫されて短絡の危険が生じる。
【0065】
本実施形態の第1の電極板1は、絶縁保護の役割を果たす絶縁層15を備えている。例えば、
図7を参照すると、絶縁層15は、第1のタブ112の根元部の表面に配置され、絶縁層15は、絶縁保護の役割を果たしている。たとえ第1の電極板1と第2の電極板2の間に第1のタブ112が挿入されたとしても、絶縁層15は、第1のタブ112を第2の電極板2から効果的に分離して、短絡の危険を低減し、安全性能を向上させることができる。
【0066】
図7を参照すると、絶縁層15は、第1の部分15aおよび第2の部分15bを有する。第1の部分15aは、第1の本体部111の重畳面に配置(例えば、コーティング)され、且つ、第1の活物質層12の、第1のタブ112に隣接する端部に接続されている。第2の部分15bは、第1の部分15aの、第1の活物質層12から離れている端部から伸長し、且つ、第1のタブ112の重畳面に配置(例えば、コーティング)されている。第2の部分15bは、第1のタブ112の、第1の本体部111に隣接する根元領域を覆うことができ、第1のタブ112の根元領域と第1の活物質層12との接触の危険を効果的に低減する。
【0067】
例えば、第1の活物質層12および第1の部分15aは、巻回軸Kの両端側に沿って第1の本体部111の重畳面に分布し、第1のタブ112および第1の部分15aは、第1の本体部111の同じ端側に配置されている。例えば、第1のタブ112は、巻回軸Kの方向に沿って第1の部分15aから第1の本体部111の外側に伸長している。
【0068】
例えば、第1の活物質層12および第1の部分15aが巻回軸Kの両端側に沿って第1の本体部111の重畳面に分布していることは、第1の活物質層12および第1の部分15aが、第1の本体部111の重畳面上の実質的に平行な領域であり、且つ、巻回軸Kに沿って第1の本体部111の重畳面に2層で分布している、つまり、第1の活物質層12および第1の部分15aが、第1の電極板1の帯方向に沿って第1の本体部111の重畳面上で実質的に平行であり、且つ、2層で分布しているものとして理解することもできる。
【0069】
絶縁層15は、無機充填剤およびバインダーを有する。無機充填剤は、ベーマイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、および硫酸バリウムのうちの1つ以上を含む。バインダーは、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリレート-アクリレート、ポリアクリロニトリル-アクリル酸、およびポリアクリロニトリル-アクリル酸エステルのうちの1つ以上を有する。
【0070】
本実施形態の第1のタブすべてにおける任意の2つの第1のタブは、少なくとも部分的に重なり合っている。本実施形態の電極アセンブリ10の巻回数が低減され、巻回後の複数の第1のタブ112間の誤配置量を低減することができる。これにより、タブの過電流容量が向上する。
【0071】
巻回前、第2の電極板2の構造は、
図8に示す通りである。本実施形態の第2の電極板12は、第3の活物質層23をさらに有する。第3の活物質層23は、第2のタブ212の表面上の、第2の活物質層22と接続した領域に配置(例えば、コーティング)されている。例えば、第3の活物質層23は、第2のタブ212の根元部の表面に配置(例えば、コーティング)されている。第3の活物質層23および第2の活物質層22は、成型されている。
【0072】
電池の組立プロセスでは、複数の第2のタブ212の、第3の活物質層23でコーティングされていない領域を集めて、コレクタ部品30に溶接する。第3の活物質層23は、弾性率が大きく、第2のタブ212を効果的に支持することができ、第1の電極板1と第2の電極板2の間に第2のタブ212が挿入される危険を低減することができる。
【0073】
具体的には、本実施形態の第1の集電体11は、アルミニウム箔であり、第1の活物質層12は、三元物質、マンガン酸リチウム、またはリン酸鉄リチウムを有する。第2の集電体21は、銅箔であり、第2の活物質層22は、グラファイトまたはシリコンを有する。
【0074】
本実施形態では、複数の第1の電極板1および複数の第2の電極板2が利用可能である。例えば、第1の電極板1および第2の電極板2の数を2~3に選択して、電極板の長さを低減することに基づいて確実に巻回を容易にし、且つ、電極板の数が多い場合に、必要とされる巻回力の劇的な増大を防止し、または、電極板の表面にコーティングされた活物質の脱落を防止することができる。
【0075】
本実施形態の電極アセンブリの巻回構造は、偏平形であり、且つ、直線部分と、この直線部分の両側に配置された旋回部分とを有する。直線部分における電極板の重畳面は、実質的に平行であり、且つ、巻回軸Kと実質的に平行である。直線部分は、巻回軸Kに垂直な平面において、第1の直線小部分および第2の直線小部分を有し、これらは、実質的に平行であり、且つ、巻回軸Kに関して対称に分布されている。2つの旋回部分は、第1の直線小部分および第2の直線小部分にそれぞれ配置されて、直線部分の両側になる。
【0076】
本実施形態における第1のタブ112はすべて、直線部分に配置されている。このように、複数の第1のタブ112を積層して配置し、接続する場合、第1のタブ112間の接触面積が増大し、過電流容量が向上する。また、さらに、本実施形態の第1のタブ112はすべて、第1の直線小部分に配置されているため、第1のタブ112の過電流容量を確保する際に第1のタブ112を重畳した後の厚さが低減され、第1のタブ112によって生じた空間がさらに低減される。
【0077】
他の図面に示していない実施形態では、すべての第1のタブを第2の直線小部分に配置することもできる。あるいは、すべての第1のタブの一部を第1の直線小部分に配置し、第1のタブの他の部分を第2の直線小部分に配置する。
【0078】
本開示の他の実施形態では、電極アセンブリ10は、複数の第1の電極板1を有する。複数の第1の電極板1における少なくとも2つの第1の電極板1の巻回始端の位置は、異なっている。また、複数の第1の電極板1における少なくとも2つの第1の電極板1の巻回終端の位置は、異なっている。例えば、すべての第1の電極板1の巻回始端の位置は異なり、また、巻回終端の位置も異なっている。
【0079】
本開示の他の実施形態では、電極アセンブリ10は、複数の第2の電極板2を有する。複数の第2の電極板2における少なくとも2つの第2の電極板2の巻回始端の位置は、異なっている。また、複数の第2の電極板2における少なくとも2つの第2の電極板2の巻回終端の位置は、異なっている。例えば、すべての第2の電極板2の巻回始端の位置は異なり、また、巻回終端の位置も異なっている。
【0080】
電極アセンブリ10は、使用プロセス中に膨張し、電極アセンブリ10の膨張後にケース20に作用力を加え、その一方で、ケース20は、電極アセンブリ10に反作用力を加える。本開示の電極アセンブリ10に関しては、第1の電極板1および第2の電極板2の層の数が増加している。このような構造により、複数の第1の電極板1または複数の第2の電極板2の巻回終端Eにおける厚い段差の形成を防止することができ、巻回構造の外層がケース20の反作用力を受けたときに、電極板の巻回末端Eにおける応力集中の問題を緩和することができ、巻回構造が異なる周方向位置で均一な応力を受けるようになる。これにより、巻回構造の大きな変形が防止され、または、大きな応力を伴う一部領域での活物質の脱落が防止され、長期使用後の電池の動作性能および信頼性が改善される。
【0081】
本開示の他の実施形態では、電極アセンブリは、複数の第1の電極板1および複数の第2の電極板2を有し、複数の第1の電極板1における少なくとも2つの第1の電極板1の巻回始端Sの位置は、異なっており、例えば、すべての第1の電極板1の巻回始端Sの位置は、異なっており、および/または、複数の第2の電極板2における少なくとも2つの第2の電極板2の巻回始端S′の位置は、異なっており、例えば、すべての第2の電極板2の巻回始端S′の位置は、異なっている。
【0082】
電極アセンブリ10は、使用プロセス中に膨張し、本開示の電極アセンブリ10に関しては、少なくとも2つの第1の電極板1のそれぞれの第1の巻回始端Sは、異なる位置に設定され、および/または、少なくとも2つの第2の電極板2のそれぞれの第2の巻回始端S′は、異なる位置に設定されている。すなわち、少なくとも2つの第1の電極板1の第1の巻回始端Sは、巻回構造の周方向に千鳥状に配置され、および/または、少なくとも2つの第2の電極板2の第2の巻回始端S′は、巻回構造の周方向に千鳥状に配置されている。その結果、第1の電極板1および/または第2の電極板2の巻回始端の位置が異なり、複数の第1の電極板1または複数の第2の電極板2の巻回始端における厚い段差の形成を防止することができ、電極板の巻回始端における応力集中の問題を緩和することができ、巻回構造が異なる周方向位置で均一な応力を受けるようになる。これにより、巻回構造の大きな変形が防止され、または、応力の大きい一部領域での活物質の脱落が防止され、長期使用後の電池の動作性能および信頼性が改善される。
【0083】
本開示の他の実施形態では、複数の第1の電極板1における少なくとも1つの第1の電極板1の巻回終端は、旋回部分に配置されている。複数の第2の電極板2における少なくとも1つの第2の電極板2の巻回終端は、旋回部分に配置されている。
【0084】
第1の電極板1および第2の電極板2の巻回終端がいずれも旋回部分に配置されている場合、第1の直線小部分と第2の直線小部分との電極板の層数の差を低減することができる。電極アセンブリ10が拡張してケース20と接触し、ケース20の内壁が電極アセンブリ10の両面に反作用力を及ぼすとき、第1の直線小部分および第2の直線小部分の電極板にかかる応力は、一致する。
【0085】
本開示の他の実施形態では、巻回構造の異なる半径方向において、電極板の層数の差は、予め設定された層の数を超えない。例えば、予め設定された層の数は、複数の第1の電極板1および複数の第2の電極板2の合計数以下である。例えば、2つの第1の電極板1および2つの第2の電極板2を巻回した後、巻回構造の半径方向のうちの1つにおいて、電極板の層数は8であり、巻回構造の他の半径方向において、電極板の層数は、最小で8、最大で12である。すなわち、予め設定された層の数は、2つの第1の電極板1および2つの第2の電極板2の数の合計(この場合、合計は4)以下である。
【0086】
電極アセンブリ10が膨張してケース20と接触すると、ケース20は、電極アセンブリ10に反作用力を加える。電極板の層数の差が巻回構造の異なる半径方向において予め設定された層の数を超えない場合、周方向の各点における電極アセンブリ10への応力がより均一になり、これにより、使用プロセスにおける電極アセンブリ10の個々の点での性能差の増大が防止される。例えば、2つの第1の電極板1が配置され、2つの第2の電極板2が配置され、予め設定された層の数が4以下であり、電極板の層数の差が小さいほど、巻回構造の周方向の各点における電極アセンブリ10への応力が均一になる。
【0087】
電極アセンブリ10は、少なくとも2つの第1の電極板1および少なくとも2つの第2の電極板2を含むことができるが、説明を容易にするために、以下の実施形態では、2つの第1の電極板1および2つの第2の電極板2を例にとって説明する。
【0088】
電極アセンブリ10の巻回構造の外形は、円筒形状、偏平形状、楕円形状、立方体形状、直方体形状、または他の任意の形状であり得る。しかし、説明を容易にするために、以下では、電極アセンブリ10の巻回構造が偏平形状および円筒形状であることをそれぞれ例にとって説明する。
【0089】
図9は、本開示の他の実施形態における偏平型電極アセンブリが巻回軸Kの断面に対して垂直であることを示す構造概略図である。電極アセンブリ120は、第1の負極板1201、第2の負極板1202、第1の正極板1203、第2の正極板1204、および複数のセパレータ1205を有する。第1の負極板1201、第1の正極板1203、第2の負極板1202、および第2の正極板1204は、交互に順番に重畳されている。第1の負極板1201は、セパレータ1205によって第1の正極板1203から分離され、第1の正極板1203は、別のセパレータ1205によって第2の負極板1202から分離され、第2の負極板1202は、別のセパレータ1205によって第2の正極板1204から分離されている。第1の負極板1201、第2の負極板1202、第1の正極板1203、第2の正極板1204、および複数のセパレータ1205はすべて、重畳された後、巻回軸Kに巻回されて、偏平な巻回構造を形成している。
【0090】
本実施形態の電極アセンブリ120において、正極板のタブおよび負極板のタブの構造および位置に関しては、
図5~
図8の上記実施形態で説明した第1の電極板の第1のタブおよび第2電極板の第2タブの関連した内容を参照されたい。当該内容は、ここでは重複して繰り返さない。
【0091】
本実施形態において、電極アセンブリ120の巻回構造の異なる半径方向についての次の特定の条件、つまり、巻回構造の周方向の異なる位置において電極板の層数の差は予め設定された層の数よりも大きくないことに関しては、
図5~
図8の上記実施形態で説明した関連する内容も参照されたい。当該内容は、ここでは重複して繰り返さない。
【0092】
巻回構造において、巻回構造における最も内側のリングは、第1の負極板1201によって囲まれたリングであり、また、巻回構造の最も外側のリングは、第2の負極板1202によって囲まれたリングである。
【0093】
本実施形態において、電極アセンブリ120の巻回構造は、直線部分10Aと、直線部分10Aの両側に配置された旋回部分10Bとを有する。直線部分10Aにおける電極板の重畳面は、実質的に平行な平面であり、巻回軸と実質的に平行であり、ここでの平面は、厳密には平面ではなく、ある程度の誤差を許容している。巻回軸Kに垂直な平面において、直線部分10Aは、第1の直線小部分10A1および第2の直線小部分10A2を有し、これらは、実質的に平行であり、巻回軸Kに関して対称に分布されている。2つの旋回部分10Bは、第1の直線小部分10A1および第2の直線小部分10A2にそれぞれ配置されて、直線部分10Aの両側になる。
【0094】
電極アセンブリの巻回構造において、第1の負極板1201の全負極タブおよび第2の負極板1202の全負極タブは、すべて、直線部分10Aに配置することができる。例えば、負極タブはすべて第1の直線小部分10A1に配置され、もしくは、負極タブはすべて第2の直線小部分10A2に配置され、または、負極タブの一部は第1の直線小部分10A1に配置され、且つ、負極タブの残りすべては第2の直線小部分10A2に配置されている。しかし、同じ領域に配置された負極タブは、巻回軸に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり合っている。例えば、それらは、実質的に重なり合っている。
【0095】
第1の正極板1203の全正極タブおよび第2の正極板1204の全正極タブは、すべて、直線部分10Aに配置することができる。例えば、正極タブはすべて第1の直線小部分10A1に配置され、もしくは、正極タブはすべて第2の直線小部分10A2に配置され、または、正極タブの一部は第1の直線小部分10A1に配置され、且つ、正極タブの残りすべては第2の直線小部分10A2に配置されている。しかし、同じ領域に配置された正極タブは、巻回軸に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり合っている。例えば、それらは、実質的に重なり合っている。
【0096】
第1の正極板1203および第2の正極板1204の第1の巻回始端Sの位置は、同じである。例えば、第1の正極板1203および第2の正極板1204の第1の巻回始端Sは、いずれも、直線部分10Aの同じ側の直線小部分(例えば、第1の直線小部分10A1)に配置され、且つ、第1の正極板1203および第2の正極板1204の第1の巻回始端Sは、同一平面上にある。
【0097】
また、第1の負極板1201および第2の負極板1202の第2の巻回始端S′の位置も、同じである。例えば、第1の負極板1201および第2の負極板1202の第2の巻回始端S′は、いずれも、直線部分10Aの同じ側の直線小部分(例えば、第1の直線小部分10A1)に配置され、且つ、第1の負極板1201および第2の負極板1202の第2の巻回始端S′は、同一平面上にある。
【0098】
巻回方向の逆方向に沿って、第1の負極板1201の第2の巻回始端S′は、第1の正極板1203の第1の巻回始端Sを超えている。第2の負極板1202の第2の巻回始端S′は、第2の正極板1204の第1の巻回始端Sを超えている。
【0099】
第1の正極板1203および第2の正極板1204の第1の巻回終端Eの位置は、同じである。例えば、第1の正極板1203および第2の正極板1204の第1の巻回終端Eは、いずれも、同じ側の旋回部分(例えば、第1の旋回部分10B1)に配置され、且つ、第1の正極板1203および第2の正極板1204の第1の巻回終端Eは、同一平面上にある。
【0100】
また、第1の負極板1201および第2の負極板1202の第2の巻回終端E′の位置も、同じである。例えば、第1の負極板1201および第2の負極板1202の第2の巻回終端E′は、いずれも、同じ側の旋回部分(例えば、第1の旋回部分10B1)に配置されるとともに、第1の正極板1203および第2の正極板1204の第1の巻回終端Eと同じ側の旋回部分(例えば、第1の旋回部分10B1)にも配置され、且つ、第1の負極板1201および第2の負極板1202の第2の巻回終端E′は、同一平面上にある。
【0101】
巻回方向に沿って、第1の負極板1201の第2の巻回終端E′は、第2の正極板1204の第1の巻回終端Eを超えている。第2の負極板1202の第2の巻回終端E′は、第1の正極板1203の第1の巻回終端Eを超えている。
【0102】
上記した電極アセンブリの巻回構造は、巻回前の複数の電極板の長さ相違をおおよそにすることを可能にすることができ、これにより、巻回が容易になる。
【0103】
図10は、本開示の他の実施形態における、偏平型電極アセンブリが巻回軸Kの断面に対して垂直であることを示す構造概略図である。電極アセンブリ130は、第1の負極板1301、第2の負極板1302、第1の正極板1303、第2の正極板1304、および複数のセパレータ1305を有する。第1の負極板1301、第1の正極板1303、第2の負極板1302、および第2の正極板1304は、交互に順番に重畳されている。第1の負極板1301は、セパレータ1305によって第1の正極板1303から分離され、第1の正極板1303は、別のセパレータ1305によって第2の負極板1302から分離され、第2の負極板1302は、別のセパレータ1305によって第2の正極板1304から分離されている。第1の負極板1301、第2の負極板1302、第1の正極板1303、第2の正極板1304、および複数のセパレータ1305はすべて、重畳された後、巻回軸Kに巻回されて、偏平な巻回構造を形成している。
【0104】
電極アセンブリの巻回構造において、第1の負極板1301の全負極タブおよび第2の負極板1302の全負極タブは、すべて、直線部分10Aに配置することができる。例えば、負極タブはすべて第1の直線小部分10A1に配置され、もしくは、負極タブはすべて第2の直線小部分10A2に配置され、または、負極タブの一部は第1の直線小部分10A1に配置され、且つ、負極タブの残りすべては第2の直線小部分10A2に配置されている。しかし、同じ領域に配置された負極タブは、巻回軸に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり合っている。例えば、それらは、実質的に重なり合っている。
【0105】
第1の正極板1303の全正極タブおよび第2の正極板1304の全正極タブは、すべて、直線部分10Aに配置することができる。例えば、正極タブはすべて第1の直線小部分10A1に配置され、もしくは、正極タブはすべて第2の直線小部分10A2に配置され、または、正極タブの一部は第1の直線小部分10A1に配置され、且つ、正極タブの残りすべては第2の直線小部分10A2に配置されている。しかし、同じ領域に配置された正極タブは、巻回軸に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり合っている。例えば、それらは、実質的に重なり合っている。本実施形態の電極アセンブリ130の構造は、
図9の実施形態で説明した電極アセンブリの構造と実質的に同様であり、以下、相違点について説明する。
【0106】
本実施形態の電極アセンブリ130の巻回構造において、巻回構造における最も内側のリングは、第1の負極板1301によって囲まれたリングであり、また、巻回構造の最も外側のリングは、第1の負極板1301および第2の負極板1302によって共同で囲まれたリングである。
【0107】
第1の正極板1303および第2の正極板1304の第1の巻回終端Eは、異なっている。例えば、第1の正極板1303および第2の正極板1304の第1の巻回終端Eは、第2の旋回部分10B2および第1の旋回部分10B1にそれぞれ配置されている。
【0108】
また、第1の負極板1301および第2の負極板1302の第2の巻回終端E′の位置も、異なっている。例えば、第1の負極板1301および第2の負極板1302の第2の巻回終端E′は、第1の旋回部分10B1および第2の旋回部分10B2にそれぞれ配置されている。
【0109】
巻回方向に沿って、第1の負極板1301の第2の巻回終端E′は、第2の正極板1304の第1の巻回終端Eを超えている。また、第2の負極板1302の第2の巻回終端E′は、第1の正極板1303の第1の巻回終端Eを超えている。
【0110】
上記した電極アッセンブリの巻回構造は、第1の巻回終端Eにおいて第1の正極板1303および第2の正極板1304によって形成される段差を低減するとともに、第2の巻回終端E′において第1の負極板1301および第2の負極板1302によって形成される段差を低減することができる。その結果、電極アッセンブリが膨張した際にケースと接触した後に巻回終端において電極板に加わる局所的な応力を低減し、電極板のひび割れまたは活物質の脱落を防止し、電極アッセンブリの長期動作の信頼性を向上させることができる。
【0111】
図11は、本開示の他の実施形態における、偏平型電極アセンブリが巻回軸Kの断面に対して垂直であることを示す構造概略図である。電極アセンブリ140は、第1の負極板1401、第2の負極板1402、第1の正極板1403、第2の正極板1404、および複数のセパレータ1405を有する。第1の正極板1401、第1の正極板1403、第2の負極板1402、および第2の正極板1404は、交互に順番に重畳されている。第1の負極板1401は、セパレータ1405によって第1の正極板1403から分離され、第1の正極板1403は、別のセパレータ1405によって第2の負極板1402から分離され、第2の負極板1402は、別のセパレータ1405によって第2の正極板1404から分離されている。第1の負極板1401、第2の負極板1402、第1の正極板1403、第2の正極板1404、および複数のセパレータ1405はすべて、重畳された後、巻回軸Kに巻回されて、偏平な巻回構造を形成している。
【0112】
電極アセンブリの巻回構造において、第1の負極板1401の全負極タブおよび第2の負極板1402の全負極タブは、すべて、直線部分10Aに配置することができる。例えば、負極タブはすべて第1の直線小部分10A1に配置され、もしくは、負極タブはすべて第2の直線小部分10A2に配置され、または、負極タブの一部は第1の直線小部分10A1に配置され、且つ、負極タブの残りすべては第2の直線小部分10A2に配置されている。しかし、同じ領域に配置された負極タブは、巻回軸に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり合っている。例えば、それらは、実質的に重なり合っている。
【0113】
第1の正極板1403の全正極タブおよび第2の正極板1404の全正極タブは、すべて、直線部分10Aに配置することができる。例えば、正極タブはすべて第1の直線小部分10A1に配置され、もしくは、正極タブはすべて第2の直線小部分10A2に配置され、または、正極タブの一部は第1の直線小部分10A1に配置され、且つ、正極タブの残りすべては第2の直線小部分10A2に配置されている。しかし、同じ領域に配置された正極タブは、巻回軸に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり合っている。例えば、それらは、実質的に重なり合っている。
【0114】
本実施形態の電極アセンブリ140の構造は、
図9の実施形態で説明した電極アセンブリ120の構造と実質的に同様であり、以下、相違点について説明する。
【0115】
本実施形態の電極アセンブリ140の巻回構造において、巻回構造における最も内側のリングは、第1の負極板1401によって囲まれたリングであり、また、巻回構造の最も外側のリングは、第2の負極板1402によって囲まれたリングである。
【0116】
本実施形態の電極アセンブリの巻回構造において、第1の負極板1401および第2の負極板1402の第2の巻回終端E′の位置は、異なっている。例えば、第1の負極板1401および第2の負極板1402の第2の巻回終端E′は、すべて、同じ旋回部分(例えば、第1の旋回部分10B1)に配置されており、且つ、第1の負極板1401および第2の負極板1402の第2の巻回終端E′は、同一平面上にない。
【0117】
上記した電極アセンブリ140の巻回構造は、第1の直線小部分10A1と第2の直線小部分10A2との電極板の層数の差を低減することができる。電極アセンブリが膨張してケースと接触し、ケースの内壁が電極アセンブリの両面に反作用力を及ぼすとき、第1の直線小部分10A1および第2の直線小部分10A2の電極板にかかる応力は、一致する。
【0118】
図12は、本開示の他の実施形態における、偏平型電極アセンブリが巻回軸Kの断面に対して垂直であることを示す構造概略図である。電極アセンブリ150は、第1の負極板1501、第2の負極板1502、第1の正極板1503、第2の正極板1504、および複数のセパレータ1505を含む。第1の負極板1501、第1の正極板1503、第2の負極板1502、および第2の正極板1504は、交互に順番に重畳されている。第1の負極板1501は、セパレータ1505によって第1の正極板1503から分離され、第1の正極板1503は、別のセパレータ1505によって第2の負極板1502から分離され、第2の負極板1502は、別のセパレータ1505によって第2の正極板1504から分離されている。第1の負極板1501、第2の負極板1502、第1の正極板1503、第2の正極板1504、および複数のセパレータ1505はすべて、重畳された後、巻回軸Kに巻回されて、偏平な巻回構造を形成している。
【0119】
電極アセンブリの巻回構造において、第1の負極板1501の全負極タブおよび第2の負極板1502の全負極タブは、すべて、直線部分10Aに配置することができる。例えば、負極タブはすべて第1の直線小部分10A1に配置され、もしくは、負極タブはすべて第2の直線小部分10A2に配置され、または、負極タブの一部は第1の直線小部分10A1に配置され、且つ、負極タブの残りすべては第2の直線小部分10A2に配置されている。しかし、同じ領域に配置された負極タブは、巻回軸に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり合っている。例えば、それらは、実質的に重なり合っている。
【0120】
第1の正極板1503の全正極タブおよび第2の正極板1504の全正極タブは、すべて、直線部分10Aに配置することができる。例えば、正極タブはすべて第1の直線小部分10A1に配置され、もしくは、正極タブはすべて第2の直線小部分10A2に配置され、または、正極タブの一部は第1の直線小部分10A1に配置され、且つ、正極タブの残りすべては第2の直線小部分10A2に配置されている。しかし、同じ領域に配置された正極タブは、巻回軸に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり合っている。例えば、それらは、実質的に重なり合っている。
【0121】
本実施形態の電極アセンブリ150の構造は、
図9の実施形態で説明した電極アセンブリ120の構造と実質的に同様であり、以下、相違点について説明する。本実施形態の電極アセンブリの巻回構造において、巻回構造における最も内側のリングは、第1の負極板1501および第2の負極板1502によって共同で囲まれたリングであり、また、巻回構造の最も外側のリングは、第2の負極板1502によって囲まれたリングである。
【0122】
本実施形態の電極アセンブリ150の巻回構造において、第1の正極板1503および第2の正極板1504の第1の巻回始端Sの位置は、異なっている。例えば、第1の正極板1503および第2の正極板1504の第1の巻回始端Sは、第1の直線小部分10A1および第2の直線小部分10A2にそれぞれ配置されており、且つ、第1の正極板1503および第2の正極板1504の第1の巻回始端Sは、同一平面上にない。
【0123】
また、第1の負極板1501および第2の負極板1502の第2の巻回始端Sの位置も、異なっている。例えば、第1の負極板1501および第2の負極板1502の第2の巻回始端Sは、第1の直線小部分10A1および第2の直線小部分10A2にそれぞれ配置されており、且つ、第1の負極板1501および第2の負極板1502の第2の巻回始端Sは、同一平面上にない。
【0124】
上記した電極アッセンブリの巻回構造は、第1の巻回始端Sにおいて第1の正極板1503および第2の正極板1504によって形成される段差を低減するとともに、第2の巻回始端S′において第1の負極板1501および第2の負極板1502によって形成される段差を低減することができる。その結果、電極アッセンブリが膨張してケース20と接触した後に巻回始端において電極板に加わる局所的な応力を低減し、電極板のひび割れまたは活物質の脱落を防止し、電極アッセンブリの長期動作の信頼性を向上させることができる。
【0125】
図13は、本開示の他の実施形態における、偏平型電極アセンブリが巻回軸Kの断面に対して垂直であることを示す構造概略図である。電極アセンブリ160は、第1の負極板1601、第2の負極板1602、第1の正極板1603、第2の正極板1604、および複数のセパレータ1605を有する。第1の負極板1601、第1の正極板1603、第2の正極板1602、および第2の正極板1604は、交互に順番に重畳されている。第1の負極板1601は、セパレータ1605によって第1の正極板1603から分離され、第1の正極板1603は、別のセパレータ1605によって第2の負極板1602から分離され、第2の負極板1602は、別のセパレータ1605によって第2の正極板1604から分離されている。第1の負極板1601、第2の負極板1602、第1の正極板1603、第2の正極板1604、および複数のセパレータ1605はすべて、重畳された後、巻回軸Kに巻回されて、偏平な巻回構造を形成している。
【0126】
電極アセンブリの巻回構造において、第1の負極板1601の全負極タブおよび第2の負極板1602の全負極タブは、すべて、直線部分10Aに配置することができる。例えば、負極タブはすべて第1の直線小部分10A1に配置され、もしくは、負極タブはすべて第2の直線小部分10A2に配置され、または、負極タブの一部は第1の直線小部分10A1に配置され、且つ、負極タブの残りすべては第2の直線小部分10A2に配置されている。しかし、同じ領域に配置された負極タブは、巻回軸に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり合っている。例えば、それらは、実質的に重なり合っている。
【0127】
第1の正極板1603の全正極タブおよび第2の正極板1604の全正極タブは、すべて、直線部分10Aに配置することができる。例えば、正極タブはすべて第1の直線小部分10A1に配置され、もしくは、正極タブはすべて第2の直線小部分10A2に配置され、または、正極タブの一部は第1の直線小部分10A1に配置され、且つ、正極タブの残りすべては第2の直線小部分10A2に配置されている。しかし、同じ領域に配置された正極タブは、巻回軸に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり合っている。例えば、それらは、実質的に重なり合っている。
【0128】
本実施形態の電極アセンブリ160の構造は、
図9の実施形態で説明した電極アセンブリ120の構造と実質的に同様であり、以下、相違点について説明する。本実施形態の電極アセンブリの巻回構造において、巻回構造における最も内側のリングは、第1の負極板1601および第2の負極板1602によって共同で囲まれたリングであり、また、巻回構造の最も外側のリングは、第1の負極板1601および第2の負極板1602によって共同で囲まれたリングである。
【0129】
本実施形態の電極アセンブリ160の巻回構造において、第1の正極板1603および第2の正極板1604の第1の巻回始端Sの位置は、異なっている。例えば、第1の正極板1603および第2の正極板1604の第1の巻回始端Sは、第1の直線小部分10A1および第2の直線小部分10A2にそれぞれ配置されており、且つ、第1の正極板1603および第2の正極板1604の第1の巻回始端Sは、同一平面上にない。
【0130】
また、第1の負極板1601および第2の負極板1602の第2の巻回始端S′の位置も、異なっている。例えば、第1の負極板1601および第2の負極板1602の第2の巻回始端S′は、第1の直線小部分10A1および第2の直線小部分10A2にそれぞれ配置されており、且つ、第1の負極板1601および第2の負極板1602の第2の巻回始端S′は、同一平面上にない。
【0131】
第1の正極板1603および第2の正極板1604の第1の巻回終端Eの位置は、異なっている。例えば、第1の正極板1603および第2の正極板1604の第1の巻回終端Eは、異なる旋回部分10Bにそれぞれ配置されており、且つ、第1の正極板1603および第2の正極板1604の第1の巻回終端Eは、同一平面上にない。
【0132】
また、第1の負極板1601および第2の負極板1602の第2の巻回終端E′の位置も、異なっている。例えば、第1の負極板1601および第2の負極板1602の第2の巻回終端E′は、2つの異なる旋回部分10Bにそれぞれ配置されており、且つ、第1の負極板1601および第2の負極板1602の第2の巻回終端E′は、同一平面上にない。
【0133】
上記した電極アセンブリの巻回構造は、第1の巻回始端Sおよび第1の巻回終端Eにおいて、第1の正極板1603および第2の正極板1604によって形成される段差を同時に低減するとともに、第2の巻回始端S′および第2の巻回終端E′において、第1の負極板1601および第2の負極板1602によって形成される段差を同時に低減することができる。その結果、電極アセンブリが膨張してケース20と接触した後に巻回始端および巻回終端において電極板に加わる局所的な応力を低減し、電極板のひび割れまたは活物質の脱落を防止し、電極アセンブリの長期動作の信頼性を向上させることができる。
【0134】
上記実施形態に基づいて、巻回構造の異なる半径方向、つまり、巻回構造の異なる周方向位置において、電極板の層数の差は、予め設定された層数を超えない。ここで、電極板の層数とは、正極板および負極板の総層数をいう。また、予め設定された層数は、複数の正極板の数量と複数の負極板の数量の合計以下である。
【0135】
電極アセンブリが膨張してケース20と接触すると、ケース20は、電極アセンブリに反作用力を加え、その結果、電極アセンブリの周方向の各点にかかる応力は、より均一になる。これにより、使用プロセスにおいて電極アセンブリに個々の点で大きな性能差が生じるのが防止される。例えば、2つの正極板が配置され、2つの負極板が配置され、予め設定された層数が4以下であり、電極板の層数の差が小さいほど、周方向の各点で電極アセンブリにかかる応力が均一になる。
【0136】
【0137】
図14は、本開示の他の実施形態における、円筒型電極アセンブリが巻回軸Kの断面に対して垂直であることを示す構造概略図である。電極アセンブリ170は、第1の負極板1701、第2の負極板1702、第1の正極板1703、第2の正極板1704、および複数のセパレータ1705を有する。第1の負極板1701、第1の正極板1703、第2の負極板1702、および第2の正極板1704は、交互に順番に重畳されている。第1の負極板1701は、セパレータ1705によって第1の正極板1703から分離され、第1の正極板1703は、別のセパレータ1705によって第2の負極板1702から分離され、第2の負極板1702は、別のセパレータ1705によって第2の正極板1704から分離されている。第1の負極板1701、第2の負極板1702、第1の正極板1703、第2の正極板1704、および複数のセパレータ1705はすべて、重畳された後、巻回軸Kに巻回されて、円筒形の巻回構造を形成している。
【0138】
本実施形態の電極アセンブリにおいて、正極板のタブおよび負極板のタブの構造および位置に関しては、
図5~
図8の上記実施形態で説明した第1の電極板の第1のタブおよび第2電極板の第2タブの関連した内容を参照されたい。当該内容は、ここでは重複して繰り返さない。
【0139】
巻回構造において、巻回構造における最も内側のリングは、第1の負極板1701によって囲まれたリングであり、また、巻回構造の最も外側のリングは、第2の負極板1702によって囲まれたリングである。
【0140】
第1の正極板1703および第2の正極板1704の第1の巻回始端Sの位置は、同じである。例えば、第1の正極板1703および第2の正極板1704の第1の巻回始端Sは、いずれも、巻回構造の同じ半径方向に配置され、且つ、第1の正極板1703および第2の正極板1704の第1の巻回始端Sは、同一平面上にある。
【0141】
また、第1の負極板1701および第2の負極板1702の第2の巻回始端S′の位置も、同じである。例えば、第1の負極板1701および第2の負極板1702の第2の巻回始端S′は、いずれも、巻回構造の同じ半径方向に配置され、且つ、第1の負極板1701および第2の負極板1702の第2の巻回始端S′は、同一平面上にある。
【0142】
巻回方向の逆方向に沿って、第1の負極板1701の第2の巻回始端S′は、第1の正極板1704の第1の巻回始端Sを超えている。第2の負極板1702の第2の巻回始端S′は、第2の正極板1703の第1の巻回始端Sを超えている。
【0143】
第1の正極板1703および第2の正極板1704の第1の巻回終端Eの位置は、同じである。例えば、第1の正極板1703および第2の正極板1704の第1の巻回終端Eは、いずれも、同じ側の旋回部分10Bに配置され、且つ、第1の正極板1703および第2の正極板1704の第1の巻回終端Eは、同一平面上にある。
【0144】
また、第1の負極板1701および第2の負極板1702の第2の巻回終端E′の位置も、同じである。例えば、第1の負極板1701および第2の負極板1702の第2の巻回終端E′は、いずれも、同じ旋回領域10Bに配置され、且つ、第1の負極板1701および第2の負極板1702の第2の巻回終端E′は、同一平面上にある。
【0145】
巻回方向に沿って、第1の負極板1701の第2の巻回終端E′は、第2の正極板1704の第1の巻回終端Eを超えている。また、第2の負極板1702の第2の巻回終端E′は、第1の正極板1703の第1の巻回終端Eを超えている。
【0146】
上記した巻回構造は、巻回前の複数の電極板の長さ相違をおおよそにすることを可能にすることができ、これにより、巻回が容易になる。
【0147】
図15は、本開示の他の実施形態における、円筒型電極アセンブリが巻回軸Kの断面に対して垂直であることを示す構造概略図である。電極アセンブリ180は、第1の負極板1801、第2の負極板1802、第1の正極板1803、第2の正極板1804、および複数のセパレータ1805を有する。第1の負極板1801、第1の正極板1803、第2の負極板1802、および第2の正極板1804は、交互に順番に重畳されている。第1の負極板1801は、セパレータ1805によって第1の正極板1803から分離され、第1の正極板1803は、別のセパレータ1805によって第2の負極板1802から分離され、第2の負極板1802は、別のセパレータ1805によって第2の正極板1804から分離されている。第1の負極板1801、第2の負極板1802、第1の正極板1803、第2の正極板1804、および複数のセパレータ1805はすべて、重畳された後、巻回軸Kに巻回されて、円筒形の巻回構造を形成している。
【0148】
本実施形態の電極アセンブリ180の構造は、
図14の実施形態で説明した電極アセンブリ170の構造と基本的に同様であり、以下、相違点について説明する。本実施形態の巻回構造において、巻回構造の最も内側のリングは、第1の負極板1801および第2の負極板1802によって共同で囲まれたリングであり、また、巻回構造の最も外側のリングは、第1の負極板1801によって囲まれたリングである。
【0149】
本実施形態の巻回構造において、第1の正極板1803および第2の正極板1804の第1の巻回始端Sの位置は、異なっている。例えば、第1の正極板1803および第2の正極板1804の第1の巻回始端Sは、巻回構造の相対的半径方向に配置されており、且つ、第1の正極板1803および第2の正極板1804の第1の巻回始端Sは、同一平面上にない。
【0150】
また、第1の負極板1801および第2の負極板1802の第2の巻回始端S′の位置も、異なっている。例えば、第1の負極板1801の第2の巻回始端S′と第2の負極板1802の第2の巻回始端S′とは、巻回構造の相対的半径方向に配置されており、且つ、第1の負極板1801および第2の負極板1802の第2の巻回始端S′は、同一平面上にない。
【0151】
上記した巻回構造は、第1の巻回始端Sにおいて第1の正極板1803および第2の正極板1804によって形成される段差を低減するとともに、第2の巻回始端S′において第1の負極板1801および第2の負極板1802によって形成される段差を低減することができる。その結果、電極アセンブリが膨張してケース20と接触した後に巻回始端において電極板に加わる局所的な応力を低減し、電極板のびび割れまたは活物質の脱落を防止し、電極アセンブリの長期動作の信頼性を向上させることができる。
【0152】
図16は、本開示の他の実施形態における、円筒型電極アセンブリが巻回軸Kの断面に対して垂直であることを示す構造概略図である。電極アセンブリ190は、第1の負極板1901、第2の負極板1902、第1の正極板1903、第2の正極板1904、および複数のセパレータ1905を有する。第1の負極板1901、第1の正極板1903、第2の負極板1902、および第2の正極板1904は、交互に順番に重畳されている。第1の負極板1901は、セパレータ1905によって第1の正極板1903から分離され、第1の正極板1903は、別のセパレータ1905によって第2の負極板1902から分離され、第2の負極板1902は、別のセパレータ1905によって第2の正極板1904から分離されている。第1の負極板1901、第2の負極板1902、第1の正極板1903、第2の正極板1904、および複数のセパレータ1905はすべて、重畳された後、巻回軸Kに巻回されて、円筒形の巻回構造を形成している。
【0153】
本実施形態の構造は、
図15の実施形態で説明した構成と実質的に同様であり、以下、相違点について説明する。本実施形態の巻回構造において、巻回構造の最も内側のリングは、第1の負極板1901および第2の負極板1902によって共同で囲まれたリングであり、また、巻回構造の最も外側のリングは、第1の負極板1901によって囲まれたリングである。
【0154】
本実施形態の巻回構造において、第1の正極板1903および第2の正極板1904の第1の巻回終端Eの位置は、異なっている。また、第1の負極板1901および第2の負極板1902の第2の巻回終端E′も、異なっている。
【0155】
巻回方向に沿って、第1の負極板1901は、最外層に配置され、第2の巻回終端E′のエンド位置は、第2の負極板1902の第2の巻回終端E′のエンド位置を超え、また、第1の正極板1903の第1の巻回終端Eのエンド位置は、第2の正極板1904の第1の巻回終端Eのエンド位置を超え、例えば、リングの半分だけ超えている。超えている部分は、内側の層の電極板と接触するまで半径方向に沿って内側に向かって押して、巻回構造の安定性を向上させる。
【0156】
上記した巻回構造は、第1の巻回始端Sおよび第1の巻回終端Eにおいて第1の正極板1903および第2の正極板1904によって形成される段差を同時に低減するとともに、第2の巻回始端S′および第2の巻回終端E′において第1の負極板1901および第2の負極板1902によって形成される段差を同時に低減することができる。その結果、電極アセンブリが膨張してケース20と接触した後に巻回始端および巻回終端において電極板に加わる局所的な応力を低減し、電極板のひび割れまたは活物質の脱落を防止し、電極アセンブリの長期動作の信頼性を向上させることができる。
【0157】
さらに、異なる半径方向における巻回構造の層数は、同じであり得るが、円筒形の巻回構造に対しては、電極アセンブリが膨張してケース20と接触すると、周方向に沿った各点にかかる応力は、一致する。
【0158】
図17は、本開示の他の実施形態における、円筒型電極アセンブリが巻回軸Kの断面に対して垂直であることを示す構造概略図である。電極アセンブリ200は、第1の負極板2001、第2の負極板2002、第1の正極板2003、第2の正極板2004、および複数のセパレータ2005を有する。第1の負極板2001、第1の正極板2003、第2の負極板2002、および第2の正極板2004は、交互に順番に重畳されている。第1の負極板2001は、セパレータ2005によって第1の正極板2003から分離され、第1の正極板2003は、別のセパレータ2005によって第2の負極板2002から分離され、第2の負極板2002は、別のセパレータ2005によって第2の正極板2004から分離されている。第1の負極板2001、第2の負極板2002、第1の正極板2003、第2の正極板2004、および複数のセパレータ2005はすべて、重畳された後、巻回軸Kに巻回されて、円筒形の巻回構造を形成している。
【0159】
本実施形態の電極アセンブリ200の構造は、
図15の実施形態で説明した電極アセンブリ180の構造と実質的に同様であり、以下、相違点について説明する。本実施形態の巻回構造において、巻回構造における最も内側のリングは、第1の負極板2001および第2の負極板2002によって共同で囲まれたリングであり、また、巻回構造の最も外側のリングは、第1の負極板2001および第2の負極板2002によって共同で囲まれたリングである。
【0160】
巻回方向に沿って、第2の負極板2002は、最外層に配置され、第2の巻回終端E′のエンド位置は、第1の負極板2001の第2の巻回終端E′のエンド位置を超え、また、第2の正極板2004の第1の巻回終端Eのエンド位置は、第1の正極板2003の第1の巻回終端Eのエンド位置を超え、例えば、リングの半分だけ超えている。
【0161】
上記した巻回構造は、第1の巻回始端Sおよび第1の巻回終端Eにおいて第1の正極板2003および第2の正極板2004によって形成される段差を同時に低減するとともに、第2の巻回始端S′および第2の巻回終端E′において第1の負極板2001および第2の負極板2002によって形成される段差を同時に低減することができる。その結果、電極アセンブリが膨張してケース20と接触した後に巻回始端および巻回終端において電極板に加わる局所的な応力を低減し、電極板のひび割れまたは活物質の脱落を防止し、電極アセンブリの長期動作の信頼性を向上させることができる。
【0162】
さらに、異なる半径方向における巻回構造の層数は、同じであり得るが、円筒形の巻回構造に対しては、電極アセンブリが膨張してケース20と接触すると、周方向に沿った各点にかかる応力は、一致する。
【0163】
また、この構造は、電極板の最外層および電極板の最後から2番目の層が他の電極板の巻回終端で曲がることを回避することができる。その結果、電極板のすべての層が確実に接触し、電極板に局所的な応力が生じにくくなる。これにより、電極板のひび割れまたは活物質の脱落を防止することができる。
【0164】
第二に、本開示は、電極アセンブリの製造方法をさらに提供する。いくつかの実施形態において、
図18に示すフロー図は、以下を含む。
【0165】
工程101、複数の第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2を提供する。ここで、第1の電極板1の極性は、第2の電極板2の極性と反対である。
【0166】
工程102、複数の第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2を巻回軸Kに巻回して巻回構造を形成する。
【0167】
ここで、当該巻回構造において、複数の第1の電極板1における第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2における第2の電極板2は、巻回軸Kに垂直な方向に沿って重畳して配置されている。各第1の電極板1は、第1の集電体11と、第1の集電体11の重畳面に配置された第1の活物質層12とを有し、第1の集電体は、第1の活物質層12が設けられた第1の本体部111と、第1の本体部111から巻回軸の方向に沿って突出する第1のタブ112とを有し、第1のタブ112および第1の本体部111は、巻回軸に沿って平行に配置されている。
【0168】
本実施形態では、複数の第1の電極板1を設定することにより、電極アセンブリ10の巻回数を低減することができるため、巻回後の第1のタブ112の周方向への誤配置量を低減することができ、コレクタ部品30との接続が容易になる。
【0169】
最後に、本開示は、電極アセンブリの製造装置500をさらに提供する。いくつかの実施形態において、
図19に示すように、製造機器500は、以下を有する。
【0170】
複数の第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2を提供するように構成された電極板配置機構。ここで、第1の電極板1の極性は、第2の電極板2の極性と反対である。
【0171】
複数の第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2を巻回軸Kに巻回して巻回構造を形成するように構成された巻回機構。ここで、当該巻回構造において、複数の第1の電極板1における第1の電極板1および少なくとも1つの第2の電極板2における第2の電極板2は、巻回軸Kに垂直な方向に沿って交互に配置されている。各第1の電極板1は、第1の集電体11と、第1の集電体11の重畳面に配置された第1の活物質層12とを有し、第1の集電体11は、第1の活物質層12が設けられた第1の本体部111と、第1の本体部111から巻回軸の方向に沿って突出する第1のタブ112とを有し、第1のタブ112および第1の本体部111は、巻回軸に沿って平行に分布されている。巻回機構502は、重畳した電極板に対して安定した巻回張力を提供することができる。
【0172】
電極アセンブリの製造装置500によって製造される電極アセンブリ10は、巻回プロセスにおける巻回エラーを低減することができる。
【0173】
最後に、上記の実施形態は、本開示を限定するためではなく、単に本開示の技術的解決手段を説明するためのものであることに留意されたい。本開示は、好ましい実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、本開示の特定の実施形態をさらに修正したり、または技術的特徴の一部を均等に置換したりすることができることを理解されたい。なお、本開示の技術的解決手段の精神から逸脱しないすべての修正または置換は、すべて、本開示において請求される技術的解決手段の範囲内に入るものとする。
【国際調査報告】