(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】プロセスマップを可視化する方法および装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230714BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20230714BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569978
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 US2020052219
(87)【国際公開番号】W WO2022005502
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520262319
【氏名又は名称】ユーアイパス,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】UiPath,Inc.
【住所又は居所原語表記】1 Vanderbilt Avenue, 60th Floor, New York, NY 10017, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100182903
【氏名又は名称】福田 武慶
(72)【発明者】
【氏名】レミニー,オレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ザソバ,ナターリャ
(72)【発明者】
【氏名】スカルスキー,ヴォロジーミル
(72)【発明者】
【氏名】バーグ,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】パーク,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】コンドラティウク,ドミトリイ レオニドヴィチ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
5L049AA20
(57)【要約】
プロセスマップを視覚化する方法は、プロセスマップサーバーによって遂行される。方法は、プロセスに関連するフローチャートおよびステップバイステップの記録を受信することを含む。フローチャートおよびステップバイステップの記録を組み合わせてプロセスマップを作成し、プロセスマップを表示する。プロセスマップは、プロセスに関連するタスク、ステップ、およびアクションを表示し得る。詳細ウィンドウは、ユーザーの入力に応じて、プロセスに関連する情報およびプロセスの一部を表示する。アクションは、ステップバイステップの記録からの情報に基づく。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスをプロセスマップとして視覚化する方法であって、前記方法は、
前記プロセスのフローチャートを受信することと、
前記プロセスのステップバイステップの記録を受信することと、
前記フローチャートと前記ステップバイステップの記録を組み合わせてプロセスマップを作成することと、
前記プロセスマップを表示することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記プロセスマップを表示することは、
前記プロセスに関連するタスクを表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセスマップを表示することは、
前記タスクの選択に応じて、前記タスクに関連するステップを表示することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記プロセスマップを表示することは、
前記ステップの選択に応じて、前記ステップに関連するアクションを表示することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記プロセスのペトリネットモデルを受信することをさらに含み、
前記プロセスマップを作成することは、前記ペトリネットモデルを前記フローチャートおよび前記ステップバイステップの記録と組み合わせることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プロセスのBPM/-Nモデルを受信することをさらに含み、
前記プロセスマップを作成することは、前記BPM/-Nモデルを前記フローチャートおよび前記ステップバイステップの記録と組み合わせることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
表示された前記プロセスマップの折り畳みを要求する入力を受信することと、
前記プロセスマップを折り畳んでタスクのみを表示することと、をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサと、
コンピュータプログラム命令を格納するメモリと、を含み、前記コンピュータプログラム命令は、前記プロセッサ上で遂行されると、前記プロセッサが以下の操作を実行する、装置。
プロセスに関連するフローチャートを受信すること、
前記プロセスに関連するステップバイステップの記録を受信すること、
前記フローチャートと前記ステップバイステップの記録を組み合わせてプロセスマップを作成すること、および
前記プロセスマップを表示すること。
【請求項9】
前記プロセスマップを表示することは、
前記プロセスに関連するタスクを表示することを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセスマップを表示することは、
前記タスクの選択に応じて、前記タスクに関連するステップを表示することを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセスマップを表示することは、
前記ステップの選択に応じて、前記ステップに関連するアクションを表示することを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記操作は、
前記プロセスのペトリネットモデルを受信することをさらに含み、
前記プロセスマップを作成することは、前記ペトリネットモデルを前記フローチャートおよび前記ステップバイステップの記録と組み合わせることをさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記操作は、
前記プロセスのBPM/-Nモデルを受信することをさらに含み、
前記プロセスマップを作成することは、前記BPM/-Nモデルを前記フローチャートおよび前記ステップバイステップの記録と組み合わせることをさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記操作は、
表示された前記プロセスマップの折り畳みを要求する入力を受信することと、
前記プロセスマップを折り畳んでタスクのみを表示することと、をさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
コンピュータプログラム命令を格納したコンピュータ読み取り可能な媒体であって、これは、プロセッサ上で遂行されると、前記プロセッサは以下の操作を実行する、コンピュータ読み取り可能な媒体。
プロセスに関連するフローチャートを受信すること、
前記プロセスに関連するステップバイステップの記録を受信すること、
前記フローチャートと前記ステップバイステップの記録を組み合わせてプロセスマップを作成すること、および
前記プロセスマップを表示すること。
【請求項16】
前記プロセスマップを表示することは、
前記プロセスに関連するタスクを表示することを含む、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項17】
前記プロセスマップを表示することは、
前記タスクの選択に応じて、前記タスクに関連するステップを表示することを含む、請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項18】
前記プロセスマップを表示することは、
前記ステップの選択に応じて、前記ステップに関連するアクションを表示することを含む、請求項17に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項19】
前記操作は、
前記プロセスのペトリネットモデルを受信することをさらに含み、
前記プロセスマップを作成することは、前記ペトリネットモデルを前記フローチャートおよび前記ステップバイステップの記録と組み合わせることをさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項20】
前記操作は、
前記プロセスのBPM/-Nモデルを受信することをさらに含み、
前記プロセスマップを作成することは、前記BPM/-Nモデルを前記フローチャートおよび前記ステップバイステップの記録と組み合わせることをさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2020年6月30日に出願された米国特許出願第16/917,861号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は概して、タスクマイニングに関し、より詳細には、プロセスに関連するステップバイステップの記録およびフローチャートを使用してプロセスのプロセスマップを視覚化することに関する。
【背景技術】
【0003】
プロセスは、人または機械によって実行され得る一連のアクションである。プロセスは、任意の数のアクションからなり得、単純または複雑であり得る。例えば、ある会社の給料計算業務に関連する人は、その会社の従業員の給料を週単位で作成するプロセスを実行し得る。このプロセスは、特に多数の従業員および処理すべき多数の給料がある場合、年間を通じてかなりの人の時間を必要とする。さらに、特定のプロセスを実行する人が1人しかいない場合、その人が不在のときに他の人がプロセスを実行することが困難または不可能な場合がある。
【0004】
自動化によりプロセスの効率が向上するため、通常はプロセスに割り当てられている人が、自動化できないタスクなど、他のタスクに時間を費やすことができる。プロセスオートメーションは、プロセスに関する詳細情報とその情報の分析が必要である。
【発明の概要】
【0005】
プロセスのプロセスマップを視覚化する方法は、プロセスマップサーバーによって遂行される。方法は、プロセスに関連するフローチャートおよびステップバイステップの記録を受信することを含む。フローチャートおよびステップバイステップの記録を組み合わせてプロセスマップを作成し、次いでプロセスマップを表示する。一実施形態では、プロセスマップは、プロセスに関連する1または複数のタスク、ステップ、およびアクションを表示する。詳細ウィンドウは、ユーザーの入力に応じて、プロセスに関連する情報およびプロセスの一部を表示する。一実施形態では、アクションは、ステップバイステップの記録からの情報に基づく。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【0007】
【
図2】実施形態による
図1のプロセスに基づいて作成されたプロセスマップを示す。
【0008】
【
図3】実施形態によるプロセスのプロセスマップを視覚化する方法のフローチャートを示す。
【0009】
【
図4】実施形態によるユーザーインターフェースを示す。
【0010】
【
図5】実施形態による分析ポップアップウィンドウを示す。
【0011】
【
図6】実施形態によるグラフポップアップウィンドウを示す。
【0012】
【
図7】実施形態によるプロセス詳細ポップアップウィンドウを示す。
【0013】
【
図8】実施形態によるステップポップアップウィンドウを示す。
【0014】
【
図9】実施形態によるアクションポップアップウィンドウを示す。
【0015】
【
図10】実施形態によるプロセスマップサーバーを実装するためのコンピュータの高いレベルブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(詳細な説明)
図1は、従業員の給料を作成するための例示的なプロセス10を示す。プロセス10は、この例では、コンピュータを使用する人によって実行されるいくつかのアクションを含む。個人選択(SELECT INDIVIDUAL)アクション302は、コンピュータ上で人が実行する最初のアクションである。アクション302を完了する人は、その人が給料を作成する個人を選択する。個人は、一実施形態では、従業員のリストから選択され得る。時間枠の選択(SELECT TIME FRAME)アクション304において、人は、アクション302で選択された個人が支払われるべき時間枠を識別する。例えば、人は、従業員が支払われるための時間枠として前週を選択し得る。時間にレートを掛けて、税金を引く(MULTIPLY HOURS TIMES RATE THEN SUBTRACT TAXES)アクション306では、人はコンピュータを使用して、選択された個人の総支給額を決定し、次いで決定された総支給額から税金を差し引くことによって、選択された個人の純支給額を決定する。例えば、人はまず、選択された個人が選択された時間枠で働いた時間数に選択された個人のレートを掛けることによって、選択された個人の総支給額を決定する。次に、選択された個人が選択された時間枠で支払わなければならない税金を総支給額から差し引き、選択された個人の純支給額を決定する。名前および純支給額を印刷システムに送信する(TRANSMIT NAME AND NET PAY AMOUNT TO PRINT SYSTEM)アクション308では、人はコンピュータを使用して、選択された個人の名前および純支給額を印刷システムに送信し、送信された純支給額に基づいて選択された個人のための小切手を印刷する。
【0017】
プロセス10は、毎回異なる個人を選択して複数回繰り返され得る。例えば、人が、会社の各従業員の給料を請求するために、複数の小切手請求を作成し得る。プロセス10は、給料期間ごとに繰り返され得る。例えば、人が毎週プロセス10を実行し得る。
【0018】
図1の給料プロセス10の自動化は、プロセスの効率が向上するだけでなく、簡単には自動化できないかもしれない、より重要なタスクを実行するために従業員を解放する。プロセスマップは、プロセスの理解およびプロセスの自動化を支援するために、オートメーションプロセスで使用され得るツールである。プロセスのプロセスマップは、ユーザーがコンピュータを使ってプロセスを実行している様子をステップバイステップに記録したものおよびプロセスのフローチャートなどの情報を用いて作成され得る。プロセスマップは、プロセスを表現したものである。
【0019】
図2は、プロセス10をグラフィック表現であるプロセスマップ100を示す。プロセスマップ100は、給料を作成するプロセスを完了するために完了する必要のあるタスク、ステップ、およびアクションを示すタスクは角の尖った矩形で示され、ステップは角の丸い矩形で示され、アクションは楕円形で示される。
【0020】
プロセスマップ100は、
図2に示すように、3つのタスク、具体的には、タイムシートの編集(COMPILE TIME SHEETS)タスク102、支払いの計算(CALCULATE PAY)タスク104、および小切手請求を作成する(GENERATE CHECK REQUEST)タスク106を含む。タスク102、104、および106のそれぞれは、従業員への支払いを容易にするために完了する必要があり、各タスクは1または複数のステップを含む。一実施形態では、タスクは、そのタスクに関連する1または複数のステップ(例えば、タスクに最も関連するステップまたはステップ(複数))に基づいて命名される。
【0021】
タイムシートの編集(COMPILE TIME SHEETS)タスク102は、個人タイムシートのインポート(IMPORT INDIVIDUAL TIMESHEET)ステップ200を含む。タスク102を完了するためには、ステップ200が完了する必要がある。一実施形態では、ステップは、そのステップに関連する1または複数のアクション(例えば、ステップに最も関連するアクションまたはアクション(複数))に基づいて命名される。個人タイムシートのインポート(IMPORT INDIVIDUAL TIMESHEET)ステップ200は、個人選択(SELECT INDIVIDUAL)302アクションおよび時間枠の選択(SELECT TIME FRAME)アクション304を含む。アクション302および304のそれぞれは、ステップ200を完了するために完了することが要求され、順に、これは、タスク102を完了するために完了することが要求される。一実施形態では、ステップは、そのステップに関連する1または複数のアクション(例えば、ステップに最も関連するアクションまたはアクション(複数))に基づいて命名される。一実施形態では、ステップの自然言語記述は、自然言語作成(NLG)、ワードエンベディング、サリエンス(場所およびフォントサイズ/カラー)、および/または重要な単語だけでなくストップワードを含むカスタム辞書のうちの1または複数を使用して作成される。
【0022】
図2は、税金より少ない総支給額(GROSS PAY LESS TAXES)ステップ202を含む支払いの計算(CALCULATE PAY)タスク104を示し、これは、順に、時間にレートを掛けて、税金を引く(MULTIPLY HOURS TIMES RATE THEN SUBTRACT TAXES)アクション306を含む。
図2はまた、名前および純支給額を使用して小切手を作成する(GENERATE CHECK USING NAME AND NET PAY AMOUNT)ステップ204を含む小切手請求を作成する(GENERATE CHECK REQUEST)タスク106を示し、これは、順に、名前および純支給額を印刷システムに送信する(TRANSMIT NAME AND NET PAY AMOUNT TO PRINT SYSTEM)アクション308を含む。
【0023】
一実施形態では、プロセスマップ100は、コンピュータを使用する人が実行するプロセス(例えば、
図1に示すプロセス10)をステップバイステップの記録を使用して、プロセスに関連するフローチャートと組み合わせて、プロセスマップサーバによって作成される。
【0024】
図3は、実施形態によるプロセスマップを可視化するプロセスマップサーバーの方法のフローチャート400を示す。ステップ402では、特定のプロセスに係るフローチャートがプロセスマップサーバによって受信される。一実施形態では、フローチャートの代わりに、またはフローチャートに加えて、トレースと組み合わせられ得るプロセスのペトリネットまたはビジネスプロセスモデル/注釈(BPM/-N)モデルがステップ402で受信される。ステップ404で、特定のプロセスに関するステップバイステップの記録はプロセスマップサーバによって受信される。ステップ406で、フローチャートとステップバイステップの記録を組み合わせてプロセスマップが作成される。一実施形態では、プロセスマップのレイアウトは、フローチャートのレイアウトに基づく。ステップ408では、プロセスマップをユーザーに表示する。プロセスマップは、有線または無線ネットワークを介してプロセスマップサーバに接続されたディスプレイを介してなど、プロセスマップサーバーに接続されたディスプレイ上でローカルにユーザーに表示され得る、またはプロセスマップサーバーからリモートで表示され得る。
【0025】
一実施形態では、プロセスマップは、プロセスおよび/またはプロセスに関連するタスクの実際の遂行のステップバイステップの記録から導き出され、推論される。プロセスマップは、粒度および抽象度の異なるレベルで作成される。長いタスクは、より多くのレベルで作成され、最も抽象化された(高い)レベルで読みやすい概要を確保し、その後、最も詳細なレベルまで掘り下げられ得る。記録されたデータの量および遂行の変動に応じて、最も詳細なレベルは1または複数の例(トレース)に対応し得る。1つのトレースの場合は、記録されたすべての(ステップバイステップの)データがすぐに表示され得る。複数のトレースがある場合は、トレースを要約統計で集約したり、リストとして視覚化することで、より詳細な情報のために分析者が1またはより小さなサブセットを選択し得る。ハイレベルなプロセスマップおよび詳細なステップの間の1対多のマッピングは、一実施形態では、ステップのメタデータ(メタデータは、光学的文字認識(OCR)、コンピュータビジョン、ドキュメントオブジェクトモデル(DOM)ツリー、ハードウェアイベント、因果関係スコア、ワードベクトルなどを介して作成される)および/またはシーケンスモデルに属するステップのクラスタ化によって実現される。そして、クラスターはタイリングされ、レベルの変化を表す。そして、プロセスは反復的に、または階層的クラスタ化を用いて実行され得る。
【0026】
ステップバイステップ記録は、一実施形態では、ユーザーがフローチャートに関連するプロセスを実行している間に、ユーザーがコンピュータに入力した内容、およびコンピュータが表示した内容を記録することを含む。一実施形態のフローチャートは、ステップバイステップの記録に関連する複数のタスクを含む。複数のタスクのそれぞれは、複数のステップを含み、複数のステップのそれぞれは、1または複数のアクションを含む。一実施形態では、1または複数のアクションのそれぞれは、ステップバイステップの記録からの情報に基づく。例えば、ユーザーがプロセスを実行している間にユーザーが行ったアクション(すなわち、ユーザーに表示されるアイコンおよび/または画像の選択、キーボード入力、マウスクリックなど)は、ステップバイステップ記録に含まれる。
【0027】
一実施形態では、ステップバイステップの記録は、タスクマイニング技術を用いて作成される。タスクマイニングは、一実施形態では、コンピュータへのユーザー入力およびコンピュータによって表示されるものの1または複数のステップバイステップの記録を分析することによって、ユーザーがコンピュータで実行するタスクに関する情報を得ることである。ステップバイステップの記録は、単一のプロセスまたは複数のプロセスに関連し得る。ステップバイステップの記録は、1または複数のユーザーによるタスクの単一のパフォーマンスまたはタスクの複数のパフォーマンスに関連付けられ得る。ステップバイステップの記録は、OCR、制御のコンピュータビジョン、DOMツリー、ハードウェアイベント、因果関係スコア、ワードベクトルなどを作成するためのハードウェアイベントインターセプトおよび/またはビデオインターセプトなど、ユーザー入力およびスクリーンショットをキャプチャするためのさまざまな技術を使用する。
【0028】
一実施形態では、
図3に示す方法を用いて作成されたプロセスマップ100は、ユーザーインターフェース(「UI」)を介してユーザーに表示される。プロセスマップ100は、ユーザーがプロセスマップ100の異なる部分に焦点を当てることができるように、ユーザーの入力に応じて折り畳まれたりまたは展開されたりされ得る。
図4は、折り畳まれたプロセスマップ502として示されるプロセス10の視覚化を含むUI500を示す。UI500は、UI500に示されるプロセスを識別するプロセス識別情報504を含む。この例では、プロセス識別情報504は、プロセス100の名称である「給料作成(paycheck generation)」を示す。ユーザーは、表示された折り畳まれたプロセスマップ502の要素および表示されたアイコンなど、UI500の様々な部分を選択するために、マウスおよびまたはキーボードなどの入力を介してUI500とインタラクションし得る。折り畳まれたプロセスマップ502は、プロセスマップ100の一部を含む。具体的には、折り畳まれたプロセスマップ502は、タスクレベル、すなわちタスク102、104、および106のみを表示するように折り畳まれている。タスク102、104、および204は、各タスクに関連するステップを示すために展開され得る。これは、ユーザーが入力デバイス(例えば、マウスクリック)を介して特定のタスクを選択することによって達成され得る。同様に、表示されたステップは、ユーザーが特定のステップを選択することにより、各ステップに関連付けられたアクションを示すために展開され得る。
【0029】
UI500は、一実施形態では、ユーザーによる選択に利用可能なアイコン分析506、グラフ508、エクスポート510、および詳細512を含む。それらのアイコンは、まとめて、ダッシュボードまたはプロセスと呼ばれる。分析506を選択するユーザーは、
図5に示すように、分析ポップアップウィンドウ600を提示される。分析ポップアップウィンドウ600は、一実施形態では、そこから選択する5つの重みメトリックを含む。重みメトリックは、中央値602、平均値604、最小値606、最大値608、および署名610を含む。一実施形態では、選択された重みメトリック(weight metric)に基づいて、グラフがユーザーに表示される。一実施形態では、重みメトリックは、時間計算に基づいている。ユーザーが重みメトリックの中央値602を選択すると、遂行にかかる時間が中央値に近いトレースのグラフが表示される。ユーザーが重みメトリックの平均値604を選択すると、遂行にかかる時間が平均値に近いトレースのグラフが表示される。ユーザーが重みメトリック606を選択すると、最も時間がかからなかった遂行例が表示される。ユーザーが重みメトリックの最大値608を選択すると、最も時間がかかった遂行例が表示される。ユーザーが重みメトリックシグネチャ610を選択すると、アルゴリズムがクラスタ化の観点から重要であると決定したステップのみが含まれるプロセスの要約。一実施形態では、ポアソンカスケード(Poisson Cascades)を含むシーケンシャルモデルを使用して、因果関係をスコアリングし得る。一般的に、高い確率で別のステップを引き起こすステップのみが、重みメトリックシグネチャに含まれる。フローチャートのアークプロセスとの関連性が薄いステップは除外され得る(ノイズフィルタの操作に似ている)。
【0030】
ダッシュボードのグラフ508は、選択されると、プロセスマップを表示するための2つの選択肢を有する
図6に示すポップアップウィンドウ700をユーザーに提供する。選択肢のグラフ702は、ユーザーによって選択されると、ツリー表現を使用してプロセスマップを示す(プロセスマップが複数の分岐を有するか否かに基づいて適切な場合)。オプションリニア(Option linear)704は、ユーザーによって選択されると、プロセスマップをシーケンスの形で示す。
【0031】
ダッシュボードのエクスポート510は、選択されると、プロセスマップをエクスポートするための2つの選択肢を有する
図6に示すポップアップウィンドウ700をユーザーに提供する。選択肢のグラフ702は、ユーザーによって選択されると、ツリー表現を使用してプロセスマップをエクスポートする(プロセスマップが複数の分岐を有するか否かに基づいて適切な場合)。オプションリニア(Option linear)704は、ユーザーによって選択されると、プロセスマップをシーケンスの形でエクスポートする。
【0032】
ダッシュボードの詳細512は、選択されると、ユーザーによって現在選択されている折り畳まれたプロセスマップ502の部分に応じて、折りたたまれたプロセスマップ502に関する様々な情報を表示する。
図7は、折り畳まれたプロセスマップ502によって識別されるプロセスなどのプロセスが選択されたときに、詳細512(
図4に示す)が選択されたことに応じて、ユーザーに表示されるポップアップウィンドウ800を示す。ポップアップウィンドウ800は、折り畳まれたプロセスマップ502に関連する情報を表示する。表示される情報は、遂行に要した時間802および相対的なロボティックプロセスオートメーション(RPA)スコア804の両方のプロセスキープロセス指標(KPI)に関するデータを含む。表示される情報はまた、プロセス806を遂行したユーザーの数、プロセス808のステップの数、およびユーザーの遂行810間の変動を示す。KPIは、一実施形態では、スループット時間、人の入力、およびプロセスに関連するメタデータを含む。一実施形態では、RPAスコアは、人の労力、反復性、変動、および異なるユーザーの数を考慮して、RPAの適合性を加重したランクである。因果関係と認知の複雑さの尺度は、RPAのより微妙な優先順位付けに使用され得る。一実施形態では、遂行は、追加の複合およびスタンドアロンデータポイントとしてカスタム結果KPIに接続される。
【0033】
図8は、プロセスマップのステップが選択されている間に、詳細512(
図4に示す)が選択された場合に表示されるポップアップウィンドウ900を示す。一実施形態では、ポップアップウィンドウ900は、関連するプロセス、ステップ、および/または関連するプロセスの一部分に関連するデータおよび/またはメタデータを表示する。
【0034】
図9は、プロセスマップのアクションが選択されている間に、詳細512(
図4に示す)が選択された場合に表示されるポップアップウィンドウ1000を示す。一実施形態では、ポップアップウィンドウ1000は、関連するプロセス、アクション、および/または関連するプロセスの一部分に関連するデータおよび/またはメタデータを表示する。
【0035】
図10は、本発明の実施形態による、
図3を含む本明細書に記載された方法、ワークフロー、およびプロセスを遂行するように構成されたコンピューティングシステム1100を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム1100は、本明細書に描かれたおよび/または記載された1または複数のコンピューティングシステムであってもよい。コンピューティングシステム1100は、情報を通信するためのバス1102または他の通信機構と、情報を処理するためのバス1102に結合されたプロセッサ(複数可)1104とを含む。プロセッサ(複数可)1104は、中央処理ユニット(CPU)、特定用途集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、それらの複数のインスタンス、および/またはそれらのいずれかの組み合わせを含む、いずれかのタイプの一般的または特定用途向けプロセッサであり得る。プロセッサ(複数可)1104はまた、複数の処理コアを有してもよく、コアの少なくとも一部は、特定の機能を実行するように構成され得る。いくつかの実施形態では、複数並列処理が使用されてもよい。
【0036】
コンピューティングシステム1100は、プロセッサ(複数可)1104によって遂行される情報および命令を格納するためのメモリ1106をさらに含む。メモリ1106は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、キャッシュ、磁気ディスクもしくは光ディスクなどの静的記憶装置、または他のタイプの非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体、あるいはそれらのいずれかの組み合わせで構成され得る。非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体は、プロセッサ(複数可)1104によりアクセス可能ないずれかの利用可能な媒体であってもよく、揮発性媒体、不揮発性媒体または両方などを含み得る。また、媒体は、取り外し可能なもの、取り外し不可能なもの、または両方であってもよい。
【0037】
さらに、コンピューティングシステム1100は、現在存在するまたは将来実装される通信規格および/またはプロトコルによる、無線および/または有線接続を介して通信ネットワークへのアクセスを提供するために、トランシーバなどの通信装置1108を含む。
【0038】
プロセッサ(複数可)1104は、バス1102を介して、ユーザーに情報を表示するのに適したディスプレイ1110にさらに結合されている。ディスプレイ1110はまた、タッチディスプレイおよび/または任意の適切な触覚I/Oデバイスとして構成されてもよい。
【0039】
コンピュータマウス、タッチパッドなどのようなキーボード1112およびカーソル制御装置1114は、ユーザーがコンピューティングシステムとインターフェースすることを可能にするために、バス1102にさらに結合されている。しかしながら、特定の実施形態では、物理的なキーボードおよびマウスが存在しない場合があり、ユーザーは、ディスプレイ1110および/またはタッチパッド(図示せず)のみを介してデバイスと対話することができる。任意の入力デバイスの種類および組み合わせは、設計の選択の問題として使用され得る。特定の実施形態では、物理的な入力装置および/またはディスプレイは存在しない。例えば、ユーザーは、コンピューティングシステム1100と通信している別のコンピューティングシステムを介してリモートでコンピューティングシステム1100と対話してもよいし、コンピューティングシステム1100は自律的に動作してもよい。
【0040】
メモリ1106は、プロセッサ(複数可)1104により遂行されたときに機能を提供するソフトウェアモジュールを格納する。モジュールは、コンピューティングシステム1100のためのオペレーティングシステム1116と、本明細書に記載されるプロセスの全部もしくは一部、またはその派生物を実行するように構成された1もしくは複数の追加機能モジュール1118とを含む。
【0041】
当業者であれば、「システム」は、本発明の範囲から逸脱することなく、サーバー、組み込みコンピューティングシステム、パーソナルコンピュータ、コンソール、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、タブレットコンピューティングデバイス、量子コンピューティングシステム、または他のいずれかの適切なコンピューティングデバイス、またはデバイスの組み合わせとして具現化され得ることを理解するであろう。上述した機能を「システム」により実行されるものとして提示することは、何ら本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の多くの実施形態の一例を提供することを意図するものである。実際、本明細書に開示された方法、システム、および装置は、クラウドコンピューティングシステムを含むコンピューティング技術と整合性のあるローカライズされた形態および分配された形態で実装されてもよい。
【0042】
本明細書で説明するシステム特色のいくつかは、実装の独立性をより強調するために、モジュールとして提示されていることに留意すべきである。例えば、モジュールは、カスタムの非常に大規模な集積(VLSI)回路またはゲートアレイ、ロジックチップ、トランジスタ、または他の個別部品のような既製の半導体を含むハードウェア回路として実装され得る。また、モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジック装置、グラフィックス処理ユニットなどのプログラマブルハードウェア装置に実装され得る。モジュールはまた、様々なタイプのプロセッサにより遂行されるためのソフトウェアに少なくとも部分的に実装され得る。例えば、遂行可能コードの識別された単位は、例えば、オブジェクト、プロシージャ、または関数として編成されていてもよいコンピュータ命令の1または複数の物理的または論理的なブロックを含み得る。それにもかかわらず、遂行可能な識別されたモジュールは、物理的に一緒に配置されている必要はなく、論理的に結合されたときにモジュールを含み、モジュールのために述べられた目的を達成するために、異なる場所に格納された別々の命令を含んでいてもよい。さらに、モジュールは、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュ装置、RAM、テープのようなコンピュータ読み取り可能な媒体、および/または本発明の範囲から逸脱することなくデータを格納するために使用される他のいずれかの非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されていてもよい。実際、遂行可能コードのモジュールは、単一の命令であってもよいし、多数の命令であってもよいし、さらには、複数の異なるコードセグメント、異なるプログラム間、および複数のメモリ装置間に分散されていてもよい。同様に、操作データは、モジュール内で識別され、ここで示されてもよく、いずれかの適切なタイプのデータ構造体内でいずれかの適切な形態で具現化され、組織化され得る。操作データは、単一のデータセットとして収集されてもよいし、または異なる記憶装置にわたり異なる場所に分散されていてもよく、少なくとも部分的には、単にシステムまたはネットワーク上の電子信号として存在していてもよい。
【0043】
前述は、単に開示の原則を例示しているに過ぎない。したがって、本明細書に明示的に記載または示されていないが、本開示の原理を具現化し、その精神および範囲内に含まれる様々なアレンジを、当業者が考案することができることが理解されるであろう。さらに、本明細書に引用された全ての実施例および条件文言は、主として、本開示の原理および本発明者が技術の発展に貢献した概念を理解するための読者を助けるための教育的な目的のみを意図しており、そのような具体的に引用された実施例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。さらに、本開示の原理、態様、および実施形態、ならびにそれらの具体的な実施例を引用する本明細書の全ての記述は、それらの構造的および機能的等価物を包含することを意図する。さらに、このような等価物には、現在知られている等価物だけでなく、将来開発される等価物も含まれることが意図される。
【国際調査報告】