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特表2023-531356クリップ、アプライヤ、及びカートリッジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】クリップ、アプライヤ、及びカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/122 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
A61B17/122 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022564585
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(85)【翻訳文提出日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 IB2021053384
(87)【国際公開番号】W WO2021214729
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】16/858,546
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522414017
【氏名又は名称】ニューロメディア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NEURAMEDICA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】レイチェル ドライリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ネイル ラウンディ
(72)【発明者】
【氏名】マリアー ナイト
(72)【発明者】
【氏名】サンドラ ベイカー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC18
4C160KL03
4C160NN01
4C160NN11
(57)【要約】
本明細書では、器具製造方法、クリップ100を操作するためのアプライヤ300、320、340、及びクリップ100を保持するためのカートリッジ400、405、410、418、420、440、450、460、470、480を開示する。器具形成方法は、ギャップ124aを閉じるために、フォーム200、220、240、400、405、410、418、420、440、450、460、470、480内で部分的にしか硬化していないゴム状器具を硬化させることを含む。器具100は、医療器具であってもよい。
I
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具製造方法であって、
(a)中に画定されたギャップを有する部分的にしか硬化していないゴム状器具を受け取るステップと、
(b)前記ギャップが閉じられるように、前記部分的にしか硬化していないゴム状器具をフォーム内に配置するステップと、
(c)前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を硬化させて、柔軟でありながら剛性のある器具にするステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を受け取るステップは、部分熱射出成形プロセスを使用して、前記中に画定されたギャップを有する部分的にしか硬化していないゴム状器具を作成するステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
部分熱射出成形プロセスを使用して、前記中に画定されたギャップを有する前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を作成する前記ステップは、
(i)流体材料を金型に注入するステップと、
(ii)前記金型内の前記材料を処理にかけるステップと、及び
(iii)クリップ材料が結晶化する前に、前記材料を前記金型から取り出すステップと、を含む、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記部分的に硬化したゴム状器具を硬化させる前記ステップは、前記部分的に硬化したゴム状器具を結晶化又はアニールさせるステップをさらに含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記部分的に硬化したゴム状器具を硬化させるステップは、前記部分的に硬化したゴム状器具を加熱するステップをさらに含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記柔軟でありながら剛性のある器具の前記ギャップは開閉され得る、
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記器具は、医療器具であって、好ましくは手術器具である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記器具はクリップである、
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上のクリップを含有するカートリッジを生産する方法であって、前記方法は、
中に画定されたギャップを有する1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを受け取るステップと、
前記ギャップが閉じられるように、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップの各々をカートリッジ内に配置するステップと、
前記カートリッジ内の前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させて、柔軟でありながら剛性のあるクリップにするステップと、を含み、
ここで、前記1つ以上のクリップの各々は、対向側面が延びる上部を有し、側面の各々は歯で終端し、前記クリップは、前記対向側面の前記歯が接触しない開位置と前記対向側面の前記歯が接触する閉位置とを有し、
前記カートリッジは、
(a)カートリッジ本体と、
(b)前記カートリッジ本体内に画定された少なくとも1つの形成ウェルと、
(c)前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に前記1つ以上のクリップの少なくとも1つを保持するためのサイズ及び形状を有する、前記少なくとも1つの形成ウェルの各々と、
を備える、
方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの形成ウェルは、前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に複数の前記クリップを保持するサイズ及び形状を有する単一の細長いチャネル形成ウェルである、及び
前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させることは、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを前記単一の細長いチャネル形成ウェル内で硬化させることを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの形成ウェルは、複数の個別の形成ウェルであって、前記個別の形成ウェルは、前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に前記1つ以上のクリップの1つを保持するサイズ及び形状を有し、
前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを前記カートリッジ内に配置することは、前記カートリッジの前記個別の形成ウェルの1つに前記1つ以上のゴム状クリップの各々を配置することを含み、
前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させることは、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを前記個別の形成ウェル内で硬化させることを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを受け取って配置することは、複数の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを受け取って配置することを含み、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化することは、前記複数の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを同時に硬化することを含む、
請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの形成ウェルの各々に形成構造をさらに含み、前記形成構造は、前記ギャップが閉じられるように前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを保持する、
請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記形成構造は、少なくとも1つの形成ピン又は少なくとも1つの形成フィンガーである、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
使用時に、アプライヤが前記1つ以上のクリップを前記少なくとも1つの形成ウェルから除去することを補助するガイド構造をさらに含む、
請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ガイド構造は、
(i)傾斜面と、
(ii)サイドチャネルと、及び
(iii)壁ガイドと、からなる群より選択される、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させた後、前記1つ以上のクリップを含有する前記カートリッジを滅菌することをさらに含む、
請求項9から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
クリップを操作するためのアプライヤであって、前記アプライヤは、
(a)少なくとも実質的に第1シャフト先端部にある第1挟持先端部と、少なくとも実質的に第1シャフトハンドル端部にある第1ハンドルと、及び前記第1シャフト先端部と前記第1シャフトハンドル端部との間にある第1シャフト中間点とを有する、第1シャフトと、
(b)少なくとも実質的に第2シャフト先端部にある第2挟持先端部と、少なくとも実質的に第2シャフトハンドル端部にある第2ハンドルと、及び前記第2シャフト先端部と第2シャフト前記ハンドル端部との間にある第2シャフト中間点とを有する、第2シャフトと、
(c)前記第1シャフトと前記第2シャフトとを、前記第1シャフト中間点及び前記第2シャフト中間点で枢動可能に接続する固定ピボットと、
(d)係脱可能なロックであって、前記ロックが係合したときに前記ハンドルが広がることを実質的に防止する、前記ロックと、を備え、
(e)前記アプライヤは、
(i)前記第1挟持先端部が前記第2挟持先端部から相対的に離れており、前記第1ハンドルが前記第2ハンドルから相対的に離れており、かつ前記ロックが係合されていない非挟持段階と、
(ii)前記第1挟持先端部が前記第2挟持先端部に相対的に近く、前記第1ハンドルが前記第2ハンドルに相対的に近く、かつ前記ロックが係合されていない挟持段階と、及び
(iii)前記第1挟持先端部が前記第2挟持先端部から中間の距離にあり、前記第1ハンドルが前記第2ハンドルから中間の距離にあり、かつ前記ロックが係合されている部分挟持段階と、
を含む少なくとも3つの段階を有する、
アプライヤ。
【請求項19】
前記挟持先端部の各々は、内側に傾斜した挟持先端部である、
請求項18に記載のアプライヤ。
【請求項20】
前記第1シャフトの前記ハンドルと前記第2シャフトの前記ハンドルとの間の距離の増大を促すためのエキスパンダをさらに備える、
請求項18又は請求項19に記載のアプライヤ。
【請求項21】
前記ロックは係合すると前記アプライヤを前記部分挟持段階に維持し、それによって、前記エキスパンダが前記第1シャフトの前記ハンドルと前記第2シャフトの前記ハンドルとの間の前記距離を増加させることを防止する、
請求項20に記載のアプライヤ。
【請求項22】
前記係脱可能なロックは、前記第1シャフトに関連する第1ロック部と前記第2シャフトに関連する第2ロック部とを有する二部構成のロックである、
請求項18から21のいずれか一項に記載のアプライヤ。
【請求項23】
前記第1挟持先端部と前記第2挟持先端部との間の前記距離を制限するためのリミッタをさらに備える、
請求項18から22のいずれか一項に記載のアプライヤ。
【請求項24】
1つ以上のクリップを保持するためのカートリッジであって、前記1つ以上のクリップの各々は、対向側面が延びる上部を有し、側面の各々は歯で終了し、前記1つ以上のクリップは前記対向側面の歯が接触しない開位置を有し、前記クリップは前記対向側面の歯が接触する閉位置を有する、前記カートリッジは、
(a)カートリッジ本体と、
(b)前記本体内に画定された少なくとも1つの形成ウェルと、
(c)前記1つ以上のクリップの少なくとも1つを前記対向側面の歯が接触する前記閉位置に保持するサイズ及び形状を有する前記少なくとも1つの形成ウェルの各々と、を備える、
カートリッジ。
【請求項25】
前記少なくとも1つの形成ウェルは、前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に複数の前記クリップを保持するサイズ及び形状を有する単一の細長いチャネル形成ウェルである、
請求項24に記載のカートリッジ。
【請求項26】
前記少なくとも1つの形成ウェルは、複数の個別の形成ウェルであって、前記個別の形成ウェルの各々は、前記1つ以上のクリップの1つを前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に保持するサイズ及び形状を有する、
請求項24に記載のカートリッジ。
【請求項27】
前記少なくとも1つの形成ウェル内に形成構造をさらに含む、
請求項24から26のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項28】
前記少なくとも1つの形成ウェル内に形成構造をさらに含み、前記形成構造は、少なくとも1つの形成ピン又は少なくとも1つの形成フィンガーである、
請求項27に記載のカートリッジ。
【請求項29】
アプライヤが前記クリップを前記形成ウェルから除去することを補助するガイド構造をさらに含む、
請求項24から28のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項30】
前記ガイド構造は、
(i)傾斜面と、
(ii)サイドチャネルと、
(iii)壁ガイドと、からなる群より選択される、
請求項29に記載のカートリッジ。
【請求項31】
クリップを操作するためのアプライヤであって、
(a)少なくとも実質的に第1シャフト先端部にある第1挟持先端部と、少なくとも実質的に第1シャフトハンドル端部にある第1ハンドルと、前記第1シャフト先端部及び前記第1シャフトハンドル端部の間にある第1シャフト中間点とを有する、第1シャフトと、
(b)少なくとも実質的に第2シャフト先端部にある第2挟持先端部と、少なくとも実質的に第2シャフトハンドル端部にある第2ハンドルと、前記第2シャフト先端部及び第2シャフト前記ハンドル端部の間にある第2シャフト中間点とを有する、第2シャフトと、
(c)前記第1シャフト及び前記第2シャフトを、前記第1シャフト中間点及び前記第2シャフト中間点で枢動可能に接続する固定ピボットと、
(d)前記第1挟持先端部及び前記第2挟持先端部の間の距離を制限するためのリミッタと、を備える、
アプライヤ。
【請求項32】
第1屈曲中央シャフト部分を有する前記第1シャフトと、
第2屈曲中央シャフト部分を有する前記第2シャフトと、をさらに備え、
前記第1シャフトと前記第2シャフトとが重なるとき、前記第1屈曲中央シャフト部分と前記第2屈曲中央シャフト部分とがそれらの間に中央開口部を画定する、
請求項23又は請求項31に記載のアプライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
著作権表示
【0002】
本特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象となる資料を含む。著作権所有者は、特許商標庁の特許ファイル又は記録に表示される特許開示のファクシミリ複製に異議を唱えないが、それ以外の場合はすべての著作権を留保する。
【0003】
連邦政府が後援する研究又は開発に関する声明
【0004】
本発明は、国立科学財団によって授与された中小企業革新研究プログラムのフェーズI助成金(連邦賞識別番号: 1648203)の下で政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0005】
本発明は、国立衛生研究所によって授与された中小企業革新研究プログラムのフェーズII助成金(連邦賞識別番号: R44NS107104)の下で政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0006】
本開示は、概して手術用クリップ、アプライヤ、及びカートリッジの技術分野に関連し、具体的には外科的組織閉鎖の技術分野に関連する、装置、方法及び/又はシステムについて説明する。
【0007】
組織(例えば、人間の組織)は、意図的に又は不注意で開かれることがある。例えば、脊椎手術中に、硬膜(脳及び脊髄を覆う頑丈な外膜)が意図的に開かれる場合(例えば、硬膜切開又はデュロトミー)又は不注意で開かれる場合(例えば、偶発的デュロトミー又は硬膜切開)がある。組織の開口部は、最終的には、例えば縫合、ステープリング、又はクリッピングなどによって閉じる必要がある。最も初期の閉鎖手順のいくつかは、縫い合わせ(又は縫合)を使用していた。ステープルの使用は1900年代初頭にはすでに開拓されていたが、実用化されたのは少なくとも1950年代に入ってからである。1990年代に入ると、用途によってはステープルに代わってクリップが使われるようになった。Roundyらに対する特許文献1、特許文献2、及び特許文献3号は、いずれも組織閉鎖のための様々なタイプのクリップ及びアプライヤを開示している。最も広い意味では、手術用クリップは、医療処置中に組織を接合するために使用される。手術用クリップは、例えば、硬膜の開口部を閉じるために使用することができる。
【0008】
低侵襲手術(MIS)は、従来の手術に比べて組織の破壊が少ないため、外科手術の際によく使われるようになってきている。低侵襲手術は、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、滑膜嚢胞、脊椎すべり症、変形、及び硬膜内腫瘍を含むがこれらに限定されない様々な医学的適応症を治療するために使用することができる。このような手術では、より小さな切開(及び小さなポート)を使用して、例えば、術中出血の減少、組織破壊の減少、術後疼痛の軽減、及び入院期間の短縮を図っている。
【0009】
低侵襲手術では、より小さなポートを使用するため、作業領域がより限定される。限られた作業領域の物理的な制限のため、小さな切開及び/又はポートを通して組織を閉じることは、技術的に困難であり、及び/又は時間がかかる場合がある。例えば、脊椎の低侵襲手術中に硬膜切開が発生した場合、従来の縫合・結紮技術を使用して硬膜切開を閉じる能力が損なわれる場合がある(例えば、縫合糸を十分に操作して、しっかりとした閉鎖を行うことができない)。ステープルの使用にも問題があり、かなりの数のステープルが必要になる場合がある(例えば、ステープルは、組織を閉じるために硬膜の開口部に沿って十分に近接して配置されなければならないが、そのようなステープルは、組織の破断に沿ってかなりの長さをカバーし保持するには狭すぎる場合があるからである)。さらに、ステープルは組織を貫通するという点で貫通性であり、硬膜内の漏液につながる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第9,883,866号
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/0080914号
【特許文献3】米国特許出願公開第2018/0116669号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、概してクリップ、アプライヤ(アプリケータとも呼ばれる)、及びカートリッジの技術分野に関連し、具体的には外科的組織閉鎖の技術分野で使用されるクリップに関連する、装置、方法及び/又はシステムについて説明する。
【0012】
本明細書は、器具形成方法を開示し、この方法は、(a)中に画定されたギャップを有する部分的にしか硬化していないゴム状器具を受け取るステップと、(b)前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を、前記ギャップが閉じられるようにフォーム内に配置するステップと、及び(c)前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を硬化させて、柔軟でありながら剛性のある器具にするステップと、を含む。
【0013】
器具は、好ましくはクリップであり、より好ましくは外科的組織閉鎖に使用する医療用クリップであるが、本方法を使用して異なるタイプのクリップ又は医療用器具を作成してもよいことが理解されるであろう。
【0014】
いくつかの好ましい器具形成方法は、部分的にしか硬化していないゴム状器具を受け取るステップを含んでもよく、部分熱射出成形プロセスを使用して、中に画定されたギャップを有する部分的にしか硬化していないゴム状器具を作成するステップを含んでもよい。他の好ましい器具形成方法では、前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を受け取るステップは、部分熱射出成形プロセスを使用して、中に画定されたギャップを有する部分的にしか硬化していないゴム状器具を作成するステップを含んでもよく、これは(a)クリップ材などの流体材料を金型に注入するステップと、(b)金型内の前記材料に処理を施すステップと、及び(c)前記材料が結晶化する前に型から前記材料を取り出すステップと、を含む。さらに他の好ましい器具形成方法では、部分的に硬化したゴム状器具を硬化させるステップは、前記部分的に硬化したゴム状器具を結晶化又はアニールさせるステップを含んでもよい。また、他の好ましい器具形成方法では、前記部分的に硬化したゴム状器具を硬化させるステップは、前記部分的に硬化したゴム状器具を加熱するステップを含んでもよい。最後に、他の好ましい器具形成方法では、前記柔軟でありながら剛性のある器具の前記ギャップは開閉可能である。いくつかの好ましい医療器具形成方法は、これらの追加的特徴を2つ以上含んでもよい。
【0015】
本明細書は、1つ以上のクリップを含有するカートリッジの生産方法を開示し、本方法は、中に画定されたギャップを有する1つ以上の部分的に硬化していないゴム状クリップを受け取るステップと、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップの各々を、前記ギャップが閉じられるようにカートリッジに入れるステップと、及び前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを前記カートリッジ内で硬化させて、柔軟でありながら剛性のあるクリップにするステップと、を含み、ここで、前記1つ以上のクリップの各々は、対向側面が延びる上部を有し、前記側面の各々は歯で終了し、前記クリップは、前記対向側面の前記歯が接触しない開位置と前記対向側面の前記歯が接触する閉位置とを有し、前記カートリッジは、(a)カートリッジ本体と、(b)前記本体内に画定された少なくとも1つの形成ウェルと、及び(c)前記少なくとも1つの形成ウェルの各々は、前記1つ以上のクリップの少なくとも1つを、前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に保持するサイズ及び形状を有する。
【0016】
前記少なくとも1つの形成ウェルは、複数の前記クリップを前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に保持するサイズ及び形状を有する単一の細長いチャネル形成ウェルから構成されてもよく、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させることは、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを前記単一の細長いチャネル形成ウェル内で硬化させることを含む。あるいは、前記少なくとも1つの形成ウェルは、複数の個別の形成ウェルから構成されてもよく、前記個別の形成ウェルの各々は、前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置において前記1つ以上のクリップの1つを保持するサイズ及び形状を有し、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを前記カートリッジに配置することは、前記1つ以上のゴム状クリップの各々を前記カートリッジの前記個別の形成ウェルの1つに配置することを含んでもよく、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させることは、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを前記個別の形成ウェル内で硬化させることを含んでもよい。
【0017】
いくつかの好ましい方法では、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを受け取って配置することは、複数の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを受け取って配置することを含み、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させることは、前記複数の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを同時に硬化させることを含む。前記カートリッジは、前記少なくとも1つの形成ウェルの各々に形成構造を備えることができ、前記形成構造は、前記ギャップが閉じられるように、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを保持する。前記形成構造は、少なくとも1つの形成ピン又は少なくとも1つの形成フィンガーであってもよい。前記カートリッジは、使用時に、前記アプライヤが前記少なくとも1つの形成ウェルから前記1つ以上のクリップを除去することを補助するためのガイド構造を備えてもよい。前記ガイド構造は、傾斜面、サイドチャネル及び壁ガイドから選択してもよい。いくつかの好ましい方法は、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させた後に、前記1つ以上のクリップを含む前記カートリッジを滅菌することを含んでもよい。
【0018】
本明細書は、第1シャフトと、第2シャフトと、固定ピボットと、及び係脱可能なロックとを含み、クリップを操作するためのアプライヤを開示する。前記第1シャフトは、少なくとも実質的に第1シャフト先端にある第1挟持部先端と、少なくとも実質的に第1シャフトハンドル端部にある第1ハンドルと、及び前記第1シャフト先端と前記第1シャフトハンドル端部との間にある第1シャフト中間点とを有する。前記第2シャフトは、少なくとも実質的に第2シャフト先端にある第2挟持先端部と、少なくとも実質的に第2シャフトハンドル端部にある第2ハンドルと、及び前記第2シャフト先端と前記第2シャフトハンドル端部との間にある第2シャフト中間点とを有する。前記固定ピボットは、前記第1シャフト及び前記第2シャフトを、前記第1シャフト中間点及び前記第2シャフト中間点で枢動可能に接続する。前記係脱可能なロックは、ロックが係合されたときにハンドルが広がることを実質的に防止する。前記アプライヤは、(i)前記第1挟持先端部が前記第2挟持先端部から相対的に離れており、前記第1ハンドルが前記第2ハンドルから相対的に離れており、かつ前記ロックが解除されている非挟持段階と、(ii)前記第1挟持先端部が前記第2挟持先端部と相対的に近接し、前記第1ハンドルが前記第2ハンドルと相対的に近接し、かつ前記ロックが解除されている挟持段階と、及び(iii)前記第1挟持先端部が前記第2挟持先端部から中間の距離にあり、前記第1ハンドルが前記第2ハンドルから中間の距離にあり、かつ前記ロックが係合している部分的挟持段階と、を含む少なくとも3つの段階を有する。
【0019】
いくつかの好ましいアプライヤでは、前記挟持先端部は内側に傾斜した挟持先端部である。他の好ましいアプライヤは、前記第1シャフトのハンドルと前記第2シャフトのハンドルとの間の距離を増加させることを促進するエキスパンダを含んでもよい。いくつかの好ましいアプライヤでは、前記ロックは前記アプライヤを部分挟持段階に維持し、それによって前記エキスパンダが前記第1シャフトのハンドルと前記第2シャフトのハンドルとの間の距離を広げることを防止する。さらに別の好ましいアプライヤでは、前記係脱可能なロックは、前記第1シャフトに関連付けられた第1ロック部と前記第2シャフトに関連付けられた第2ロック部とを有する二部構成のロックであってもよい。さらに好ましいアプライヤは、前記第1挟持先端部と前記第2挟持先端部との間の距離を制限するためのリミッタを備える。前記アプライヤはさらに、第1屈曲中央シャフト部分を有する前記第1シャフトと、第2屈曲中央シャフト部分を有する前記第2シャフトと、前記第1シャフトと前記第2シャフトが重なり合うとき、前記第1屈曲中央シャフト部分と前記第2屈曲中央シャフト部分とがそれらの間に中央開口部を画定する、とを備えてもよい。これらの好ましいアプライヤでは、前記第1屈曲中央シャフト部分及び前記第2屈曲中央シャフト部分が前記リミッタを形成してもよい。いくつかの好ましいアプライヤは、複数のこれらの追加機能を含んでも良い。
【0020】
本明細書は、1つ以上のクリップを保持するためのカートリッジを開示する。前記カートリッジは、(a)カートリッジ本体と、(b)前記本体内で画定された少なくとも1つの形成ウェルと、(c)前記少なくとも1つの形成ウェルの各々は、前記1つ以上のクリップの少なくとも1つを、前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に保持するサイズ及び形状を有する、を備える。
【0021】
いくつかの好ましいカートリッジでは、前記少なくとも1つの形成ウェルは、前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に複数のクリップを保持するサイズ及び形状を有する単一の細長いチャネル形成ウェルであってもよい。他の好ましいカートリッジでは、前記少なくとも1つの形成ウェルは、複数の個別の形成ウェルであってもよく、前記個別の形成ウェルの各々は、前記1つ以上のクリップのうちの1つを、前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に保持するサイズ及び形状を有する。さらに他の好ましいカートリッジは、前記少なくとも1つの形成ウェル内に形成構造を有してもよく、前記形成構造は、例えば、少なくとも1つの形成ピン又は少なくとも1つの形成フィンガーである。さらに他の好ましいカートリッジは、前記アプライヤが前記形成ウェルから前記クリップを除去することを補助するガイド構造を含んでもよく、前記ガイド構造は、例えば、傾斜面、サイドチャネル、及び/又は壁ガイドである。いくつか好ましいカートリッジは、複数のこれらの追加機能を含んでもよい。
【0022】
本明細書は、クリップを操作するためのアプライヤを開示する、前記アプライヤは、第1シャフト、第2シャフト、固定ピボット、及びリミッタを含む。前記第1シャフトは、好ましくは、少なくとも実質的に第1シャフト先端にある第1挟持先端部と、少なくとも実質的に第1シャフトハンドル端部にある第1ハンドルと、及び前記第1シャフト先端と前記第1シャフトハンドル端部との間にある第1シャフト中間点とを有する。前記第2シャフトは、好ましくは、少なくとも実質的に第2シャフト先端にある第2挟持先端部と、少なくとも実質的に第2シャフトのハンドル端部にある第2ハンドルと、及び前記第2シャフト先端と前記第2シャフトハンドル端部との間にある第2シャフト中間点とを有する。前記固定ピボットは、好ましくは、前記第1シャフト及び前記第2シャフトを前記第1シャフト中間点及び前記第2シャフト中間点で枢動可能に接続する。前記リミッタは、好ましくは、前記第1挟持先端部と前記第2挟持先端部との間の距離を制限するためのものである。いくつかの好ましいアプライヤでは、前記第1シャフトは好ましくは第1屈曲中央シャフト部分を有し、前記第2シャフトは好ましくは第2屈曲中央シャフト部分を有し、前記第1シャフトと前記第2シャフトが重なるとき、前記第1屈曲中心シャフト部分及び前記第2屈曲中心シャフト部分は、それらの間に中央開口部を画定する。いくつかの好ましいアプライヤでは、前記第1屈曲中心シャフト部分と前記第2屈曲中心シャフト部分とが前記リミッタを形成する。
【0023】
本明細書に記載及び暗示される目的、特徴、組み合わせ、及び利点は、添付の図面と併せて本発明の以下の詳細な説明を考慮して、より容易に理解されるであろう。本明細書に記載された主題はまた、本明細書の結論部分において特に指摘され、明確に請求される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】閉位置にある例示的なクリップの前面斜視図である。
図1B】閉位置にある図1Aの例示的なクリップの底面斜視図である。
図2A】開位置にある例示的なクリップの前面斜視図である。
図2B】開位置にある図3Aの例示的なクリップの底面斜視図である。
図3】本明細書に記載のクリップを作成するための第1の例示的なフォームの上面図である。
図4図3の第1の例示的なフォームの上面斜視図である。
図5】本明細書に記載のクリップを作成するための第2の例示的なフォームの上面図である。
図6図5の第2の例示的なフォームの上面斜視図である。
図7】本明細書に記載のクリップを作成するための第3の例示的なフォームの上面図である。
図8図7の第3の例示的なフォームの上面斜視図である。
図9】フォームを使用してクリップを作成するための例示的なプロセスの手順を示すフローチャートである。
図10】ロックが係合されていない(ロック解除)非挟持段階における、第1の好ましいアプライヤの斜視図である。
図11】ロックが係合された(ロック)部分的挟持段階における、第1の好ましいアプライヤの斜視図である。
図12】ロックが係合されていない(ロック解除)非挟持段階における、第2の好ましいアプライヤの斜視図である。
図13】ロックが係合された(ロック)部分的挟持段階における、第2の好ましいアプライヤの斜視図である。
図14】ロックが係合されていない(ロック解除)非挟持段階における、第3の好ましいアプライヤの斜視図である。
図15】ロックが係合された(ロック)部分的挟持段階における、第3の好ましいアプライヤの斜視図である。
図16】第1の代替アプライヤの斜視図である。
図17】第2の代替アプライヤの斜視図である。
図18】第3の代替アプライヤの斜視図である。
図19】プッシャースリーブアプライヤである第4の代替アプライヤを示す斜視図である。
図20】プッシャースリーブアプライヤである第5の代替アプライヤを示す斜視図である。
図21】プッシャースリーブアプライヤである第6の代替アプライヤを示す斜視図である。
図22】プッシャースリーブアプライヤである第7の代替アプライヤを示す斜視図である。
図23】単一の細長いチャネル形成ウェルと、傾斜上面と、及びサイドチャネルとを有する例示的なカートリッジの斜視図である。
図24図23の例示的なカートリッジの端面図である。
図25図23の例示的なカートリッジに類似するが、単一の細長いチャネル形成ウェルの一端にブロック構造と、平坦な上面とを有する、例示的なカートリッジの斜視図である。
図26A】傾斜したウェル表面と張出し部とを有するカートリッジ形成用ウェルを有するカートリッジの断面図である。
図26B】丸みを帯びたウェル表面と張出し部とを有するカートリッジ形成用ウェルを有するカートリッジの断面図である。
図27】複数の形成ウェルを有する例示的なカートリッジの斜視図である。
図28】クリップが形成ウェル内にあり、1つのクリップが垂直に除去されている、複数の形成ウェルを有する部分的な例示的カートリッジの断面図である。
図29】複数の形成ウェルの上にクリップ固定具を有する例示的なカートリッジの斜視図である。
図30】形成ピンを含む複数の形成ウェルを有する例示的なカートリッジの斜視図であり、前記カートリッジは、カートリッジ本体と一列に並ぶ把持構造を有する。
図31】形成ウェルにクリップを有する図30の例示的なカートリッジの詳細の側面図であり、アプライヤが1つのクリップを除去し始めたところである。
図32】形成フィンガーを含む複数の形成ウェルを有する例示的なカートリッジの斜視図であり、前記カートリッジは、形成ウェルに対して垂直な把持構造を有し、前記把持構造はスタビライザとして機能する。
図33】形成ウェル内にクリップを有する図32の例示的なカートリッジの詳細の斜視図であり、アプライヤが1つのクリップを除去し始めるところである。
図34】両端に把持構造を有する例示的なカートリッジの側面図であり、前記カートリッジは複数の形成ウェルを有し、前記形成ウェルの各々は内側にクリップを有して表示され、アプライヤが1つのクリップを除去し始めたところである。
図35】両端に把持構造を有し、カートリッジの本体の両側に弧状スタビライザを有する例示的なカートリッジの上面図である。
図36】非挟持段階のアプライヤの斜視図である。
図37】カートリッジからクリップを持ち上げ始めた、部分的挟持段階のアプライヤの斜視図である。
図38】1つのクリップを除去し始めた図37のアプライヤ挟持先端部の斜視詳細図である。
図39】カートリッジからクリップを持ち上げた部分的挟持段階のアプライヤの斜視詳細図である。
図40】アプライヤを部分的挟持段階にするためにハンドルに加えられる「中」量の内向圧力を示すアプライヤの斜視図である。
図41】クリップ溝に係合するために「中」量の内向圧力を加えた後のアプライヤの挟持先端部の斜視詳細図である。
図42】例示的なロックの第2ロック部と係合する前記例示的なロックの第1ロック部の斜視詳細図である。
図43】アプライヤを挟持段階にするためにハンドルに加えられる「最大」量の内向圧力を示すアプライヤの斜視図である。
図44】クリップを開位置に広げる「最大」量の内向圧力を加えた後のアプライヤの挟持先端部の斜視詳細図である。
図45】組織を閉じるためにクリップを適用する挟持段階にあるアプライヤの斜視図である。
図46】組織を閉じるためにクリップを適用する挟持段階にある挟持先端部の斜視詳細図である。
図47】カニューレを介して組織を閉じるためにクリップを適用する挟持段階にあるアプライヤの斜視図である。
図48】アプライヤが非挟持段階に戻って挟持先端部がクリップを解放するように、ハンドルに圧力が加えられなくなった後のアプライヤの斜視図である。
図49】非挟持段階に戻ってクリップを解放する挟持先端部の斜視詳細図であり、前記クリップは閉じたままで組織を共に保持する。
図50】閉位置にあって組織を共に保持するクリップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
添付の図面は、外科的組織閉鎖に使用される手術用クリップ、アプライヤ、及びカートリッジに関連する様々な例示的な装置及び/又はシステムを示し、及び/又は、様々な例示的手術用クリップ、アプライヤ、及びカートリッジ並びにそれに関する方法をより容易に理解するための教示を提供するものである。
【0026】
図面の図は、必ずしも縮尺通りではない。本明細書における特定の特徴又は構成要素は、多少模式的形式で示されている場合があり、従来の要素のいくつかの詳細は、明確性及び簡潔性の観点から、図示されない又は説明されない場合がある。図面の図は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。
【0027】
本開示は、手術用クリップ(クリップ)、外科用アプライヤ(アプライヤ)、及びクリップがアプライヤによって除去されるまでクリップを保管するための外科用カートリッジ(カートリッジ)に概して関連する装置、方法、及び/又はシステムについて説明する。例示的なクリップ100を図1A~1B(閉位置)及び図2A~2B(開位置)に示す。図3~9は、手術用クリップを作成する例示的な装置及びプロセスを示すために使用される。例示的な好ましいアプライヤを図10~15に示す。代替の例示的な好ましいアプライヤを、図16~22に示す。例示的な好ましいカートリッジを図23~24に示す。代替の例示的な好ましいカートリッジを、図25~35に示す。図36~50は、クリップ、アプライヤ、カートリッジ、及び/又は組織の間の相互作用の様々な組み合わせを示す。
【0028】
例示的なクリップ、アプライヤ、カートリッジ、及びそれらに関連する方法及びシステムは、図面を参照することでよりよく理解できるが、これらは限定的な性質を意図するものではない。同一又は同様の部品を言及するために、本明細書の図面及び説明全体にわたって同一の参照番号が使用される。示された形状及び相対的な寸法は好ましいものであるが、具体的に請求されない限り限定することを意図せず、具体的に請求される場合には、それらはその特定の請求の範囲を限定する可能性がある。
【0029】
クリップ
【0030】
図1A~1B及び図2A~2Bに示すように、例示的な手術用クリップ100は、外面101a及び内面101bを有する。クリップ100は、上面112を有する上部110を有する。共に把持「口」を形成する「歯」120a及び122aで終端する、対向側面120及び122(内向きに曲がった側面として図示)は、上部110から下方に延びる。図1A~1Bは、歯120a及び122aが本質的に接触する閉位置におけるクリップ100を示す(ただし、歯120a及び122aは融合されていないため、技術的には、それらの間に閉鎖又は接触ギャップ124aが依然として存在する)。図面準備の制限のため、閉位置にあるとして説明されたいくつかのクリップ100は、歯120aと122aとの間にわずかな隙間を有していくつかの図(例えば、図26A、26B、32~34、41)に示されているが、実際にはそれらの間に接触ギャップ124aのみを有するであろう。いくつかの図(例えば図47~50)では、ギャップの大きさは歯120aと122aの間の組織の厚さによって決定するが、組織が歯120aと122aの間にない場合は接触ギャップ124aが存在するだけのため、クリップ100は閉位置にあると説明されている。図2A~2Bは、歯120a及び122aが互いから遠位にある(開口又はスプレッドギャップ124bとして図示)開位置にあるクリップ100を示す。クリップは、アプライヤの使用によって離間して保持されるため、開位置にある可能性がある。開位置にあるクリップ100を、例えば、図44に示す。
【0031】
上部110及び側面120、122は、対向面130、132を有する。上部110はまた、2つの対向する翼部140及び142を有する。クリップ100が(図1A及び図2Aに示すように)上部110を上にして配向されるとき、第1側面120及び第2側面122は、それぞれ第1翼部140及び第2翼部142の下方に位置する。第1溝150が第1側面120の上部と第1翼部140の張出し部の下部との間にあり、第2溝152が第2側面122の上部と第2翼部142の張出し部の下部との間にあるように、クリップ100の外面101aに溝150及び152が形成されている。言い換えれば、図示の溝150及び152は、「張出し部」150a及び152a、「壁」150b及び152b、並びに「底」(又はショルダー)150c及び152cを有する。溝150及び152の様々な部分の間に示された角度は、特定のアプライヤと共に使用するために調整されてもよい。
【0032】
図3~8は、クリップ100(フォームの左下のクリップ形成ウェル内に単一のクリップ100を示す)を作成するために使用することができるクリップ形成ツール(フォーム200、220、240)を示す。(後述するカートリッジ400、405、410、418、420、440、450、460、470、480も、クリップ100を作成するために使用することができる。)これらのフォームは、後述するように、(例えば熱射出成形を使用して)「ゴム状」クリップが作成された後、独自の成形ステップで使用される。図9は、フォーム200、220、240を使用してクリップ100を作成するための例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【0033】
ポリマー及び/又はコポリマーから医療用具を製造するために、従来から多くのプロセスが使用されている。医療器具を製造するために使用される従来のプロセスの1つは、熱射出成形である。従来の熱射出成形プロセスは、流体(例えば、溶融)材料を金型に注入し、金型内の材料を処理にかけて、前記プロセスが「完了」したときに金型から器具を取り出す(例えば、排出する)。(例示的な熱射出成形プロセスは、Kaplanらに対する米国特許第4,744,365号、Kellyに対する米国特許第9,173,979号、及びAndjelicらに対する米国特許第9,259,514号で論じられている。)しかし、熱射出成形では、成形後に器具が適切に結晶化又はアニールされないと、成形品の特性が劣ることがある(これは「結晶化の問題」とも呼ばれる)。不適切に結晶化した器具(例えば、熱射出成形プロセスの最終加熱ステップを経ていない、又は部分的にしか経ていない器具)は、「ゴム状」になる傾向があり、クリップとしての使用には適さない。Kellyらに対する米国特許第9,173,979号は、結晶化に関連する問題を特定した。医療器具の製造に使用される従来のプロセスに関する別の問題は、「不要なギャップ」問題として説明することができる。全プロセスが金型内で行われるため、クリップ等の医療器具は、成形歯の間に(金型の壁又は障壁によって作られる)わずかな隙間を有する必要があるであろう。クリップが金型内で硬化した場合、クリップは結果的に歯120aと122aの間にわずかなギャップを有し、クリップが閉じた位置にあるときでさえそのギャップが存在することになるであろう。言い換えれば、歯と歯の間に空間(わずかなギャップ)が形成されることになる。この空間(わずかなギャップ)は、完成したクリップが完全に閉じることがないため、望ましくないだろう。金型に壁又は障壁が存在しない場合、歯120a及び122aは接触して融合されるだろう。言い換えれば、対向側面120及び122を形成することになる流体材料は、完全なループを形成することになる。これもまた好ましくない。
【0034】
本明細書に記載される医療器具(例えばクリップ)形成プロセスは、ポリマー及び/又はコポリマーなどのクリップ材料から医療器具を製造するために使用されてもよい。例示的なクリップ材料には、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(p-ジオキサノン)(PDO)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、及びラクチド、グリコリド、p-ジオキサノン、トリメチレンカーボネート、εカプロラクトンのコポリマーの種々の組み合わせがあるが、これらに限定されない。使用されるクリップ材料は、好ましくは生体吸収性であるが、代替のクリップ材料は生体吸収性でない場合もある。
【0035】
医療器具を製造するために使用される本明細書に記載のプロセスは、好ましくは、少なくとも部分的な熱射出成形プロセス(これは、本明細書が、射出成形(プラスチック射出成形を含む)、溶剤鋳造、押出、及びそれらの組み合わせなどの熱成形プロセスを含み得る目的のため)である。流体クリップ材料(金型に容易に流入できる粘度に加熱されたクリップ材料であってもよい)は、金型に注入される。金型内のクリップ材料は、熱射出成形プロセスの最終加熱プロセスを経ていないか、又は部分的にしか経ないため、クリップ材料は「不適切に結晶化」して「ゴム状」になっている。「ゴム状」という用語は、完全に形成されてはいるものの、「ゴム状」相のクリップが、だらりとした、柔軟な、やわらかい、及び/又はグニャグニャであると表現できるようなゼラチン又はグミワームに類似した質感を表すことを意味している。)「ゴム状」という用語を説明する別の方法は、それが(「結晶性」又は「結晶化」固体とは対照的に)「非晶質」固体であることである。非結晶性固体では、分子がランダムに並んでいる。結晶化した固体では、分子は規則的なパターンで並んでいる。本明細書に記載されたシステムは、ゴム状相に作成された結晶化問題を有利に使用する。
【0036】
熱射出成形プロセスが完了せず(結晶化又はアニーリングが部分的にしか行われず、部分的にしか硬化していないと表現できる)、「ゴム状」相にしかならない場合、本明細書に記載するクリップ成形プロセスは、クリップ100を歯120a及び122aが接しているフォーム200、220又は240(又は後述するようにカートリッジ)に保持する追加的「成形ステップ」を含んでもよい。重要なことは、クリップ100は部分的にしか硬化していないため、歯120a及び122aが接していても、歯120a及び122aは融合しないということである。フォーム200、220、又は240内でクリップを加熱する(又は他の方法で処理又は硬化する)と、クリップの最終的な硬化及び結晶化を促進する。これは、正しい形状(閉位置)に保持されたクリップを結晶化させる(又は、ポリマー分子が整列してクリップに異なる材料特性を与える)ような形態の「アニーリング」と考えることができる。
【0037】
今や硬化したクリップ100は、フォーム200、220、又は240から除去すると、より硬いが依然として柔軟であり、クリップを開位置(開放)に保持できるが、閉位置(閉鎖)に戻って維持することができる。開いたクリップが閉位置(又は「成形された通りの」又は「元通り」)に戻ることができるという特性は、「戻り」又は「形状記憶」として説明することができる。(戻り又は形状記憶性は無限ではない。クリップを開きすぎた場合(過度な開放)、クリップが永久に変形して閉位置に戻ることができなくなる「塑性変形」を起こすことがある。)クリップ100が開かれると(図2A及び2Bを参照)、上部110(これは、屈曲するがいくらかの抵抗を与えるばねヒンジとして機能する)は、側面120及び122並びに歯120a及び122aが互いから離れるように曲がる。閉位置(図1A及び1Bを参照)では、歯120a及び122aは、好ましくは接触している(又は、使用時には、それらの間の組織によって離間して保持される)。その結果、開閉可能であって閉位置にあるときに歯120a及び122aの間で組織を確実に把持することができるクリップ100が得られる。
【0038】
図3及び図4は、クリップ(クリップ100を含む)の製造又は作成に使用するための第1の例示的なフォーム200を示す。図示する第1の例示的なフォーム200は、複数のクリップ形成ウェル204を有するフィールド202を含む。各クリップ形成ウェル204は、クリップ100の外面101aの少なくとも大部分(例えば、上部110及び対向側面120、122であるが、面130及び132ではない)と好ましくは実質的に同一の広がりを持つ内壁206を有する。各クリップ形成ウェル204はまた、クリップ形成ウェル204内に配置されたクリップ100の面130及び132のうちの少なくとも一方の大部分と好ましくは実質的に同一の広がりを持つ裏面208(フィールド202と連続していてもよい)を有する。第1の例示的なフォーム200の各クリップ形成ウェル204は、裏面208から突出する中央突出部210と、クリップ100の内面101bの少なくとも大部分と好ましくは実質的に同一の広がりを持つ外壁212(クリップ100の内面101bは、互いに向き合う対向側面120及び122の面を含む)とを有するものとして図示されている。裏面208は、クリップ形成ウェル204からのクリップ100の除去を補助するために使用され得る開口部214を有してもよい。
【0039】
図5及び図6は、クリップ(クリップ100を含む)の製造又は作成に使用するための第2の例示的なフォーム220を示す。図示する第2の例示的なフォーム220は、複数のクリップ形成ウェル224を有するフィールド222を含む。各クリップ形成ウェル224は、クリップ100の外面101aの少なくとも大部分(例えば、上部110及び対向側面120、122であるが、面130、132ではない)と好ましくは実質的に同一の広がりを持つ内壁226を有する。各クリップ形成ウェル224はまた、クリップ形成ウェル204内に配置されたクリップ100の面130及び132のうちの少なくとも一方の大部分に好ましくは実質的に同一の広がりを持つ裏面228(フィールド222と連続していてもよい)を有する。裏面228は、クリップ形成ウェル224からクリップ100を除去することを補助するために使用され得る開口部234を有してもよい。第2の例示的なフォーム220には、突出部は存在しない。
【0040】
図7及び図8は、クリップ(クリップ100を含む)の製造又は作成に使用するための第3の例示的なフォーム240を示す。図示する第3の例示的なフォーム240は、複数のクリップ形成ウェル244を有するフィールド242を含む。各クリップ形成ウェル244は、クリップ100の外面101aの少なくとも大部分(例えば、上部110及び対向側面120、122であるが、面130及び132ではない)と好ましくは実質的に同一の広がりを持つ内壁246を有する。第3の例示的なフォーム240には、裏面又は突出部は存在しない。
【0041】
図9は、フォーム200、220、240を使用してクリップ100を作成するための例示的なプロセスを示す。図9に示すように、本明細書に記載の例示的な器具形成プロセスは、好ましくは、(1)中に画定されたギャップを有する部分的にしか硬化していないゴム状器具を受け取るステップ260と、(2)前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を、ギャップ(接触ギャップ)が閉じられるようにフォームに置くステップ270と、及び(3)前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を硬化させて、柔軟でありながら剛性のある器具にするステップ280と、を含む。部分的に硬化したゴム状器具を受け取るステップ260は、部分熱射出成形プロセス262を使用して、中に画定されたギャップを有する部分的にしか硬化していないゴム状器具を作成するステップを含んでもよい。部分熱射出成形プロセス262は、(a)流体クリップ材料を金型に注入するステップ264と、(b)金型内のクリップ材料を処理にかけるステップ266と、及び(c)クリップ材料が結晶化する前にクリップ材料を金型から取り出す(排出する)ステップ268と、を含んでもよい。部分的に硬化したゴム状器具を硬化させるステップ280は、部分的に硬化したゴム状器具を結晶化又はアニールさせるステップ282を含んでもよい。(除去/排出するステップ268は、代替的に、例えば、金型の壁又は障壁を除去して金型のサイズを小さくするか又はその側面を傾斜させて壁又は障壁によって生じたわずかな隙間を取り除くことによって金型を調整することでもよいことに留意すべきである。)部分的に硬化したゴム状器具を硬化させるステップ280は、例えば、部分的に硬化したゴム状器具を加熱するステップ284を含んでもよい。器具形成プロセスは、結果的に、ギャップを有して開く(広げる)及び閉じる(歯が触れるまで狭める)ことができる柔軟でありながら剛性のある器具(クリップ)を形成するステップ290となる。器具は、本明細書に記載されるように、形状記憶を有することが好ましい。開いたギャップは「スプレッドギャップ」であり、閉じた隙間は「接触ギャップ」である。
【0042】
アプライヤ
【0043】
3つの例示的な好ましいアプライヤ300、320、340を、図10~15に示す。より具体的には、図10~11は、第1の好ましいアプライヤ300を示し、図12~13は、第2の好ましいアプライヤ320を示し、図14~15は、第3の好ましいアプライヤ340を示す。追加のアプライヤを、図16図22に示す。
【0044】
概して、図示の例示的な好ましいアプライヤ300、320、340の各々は、一対のシャフト302a~b、322a~b、342a~b(第1シャフト及び第2シャフトとも呼ばれる)を含む。各シャフトの一端(第1シャフト先端部及び第2シャフト先端部)は、挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bであり、各シャフトの他端(第1シャフトハンドル先端部及び第2シャフトハンドル先端部)は、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bである。一対のシャフト302a~b、322a~b、342a~bは、固定ピボット308、328、348(例えば、肩つきネジ、リベット、ボルトとナットの組み合わせ、ダウエルピン、保持リング(Eクリップ)付きピン、又はヒンジピン)によって中間点で枢動可能に接続されている。(シャフト中間点は、固定ピボット308、328、348によって覆われているため、同じ参照番号はシャフト中間点を指す。シャフト中間点は、シャフトの両端の間の点であり、必ずしも正確な正中ではない。)図示する例示的な好ましいアプライヤ300、320、340の各々は、係脱可能な任意の例示的なロック312a~b、332a~b、352a~bを含む。
【0045】
アプライヤ300、320、340は、非挟持段階、部分挟持段階、及び挟持段階の3つの基本段階を有する。
【0046】
非挟持段階(中立又は解放段階と考えることができる)では、アプライヤ挟持先端部304a~b、324a~b、344a~b及びハンドル306a~b、326a~b、346a~bは両方とも相対的に離れている(先端間の距離は広がっているか又は大きくなっている)。アプライヤ挟持先端部304a~b、324a~b、344a~b間の距離500(図36)は、クリップ翼部140、142を跨ぐために十分な幅を有している。ロック312a~b、332a~b、352a~bは、非係合(ロック解除)状態である。例示的な好ましいアプライヤ300、320、340の各組の図の第1図(図10図12図14)は、非挟持段階のアプライヤを示す。時系列の一連の図(図36~50)において、アプライヤは、例えば、図36、48、及び49において、非挟持段階にあることが示されている。
【0047】
部分挟持段階(除去又は運搬段階と考えることができる)では、アプライヤ挟持先端部304a~b,324a~b,344a~bとハンドル306a~b、326a~b、346a~bの両方は、「中」量の内向圧力(図40では単一の矢印として示す)がハンドル306a~b、326a~b、346a~bに加えられる結果、部分的に拡開される。アプライヤ挟持先端部304a~b,324a~b,344a~b間の距離510(図41)は、クリップ溝150及び152に係合するために十分なものである。ロック312a~b、332a~b、352a~bは、係合(ロック)している。例示的な好ましいアプライヤ300、320、340についての各組の図の第2図(図11図13図15)は、部分挟持段階のアプライヤを示しており、ロック312a~b、332a~b、352a~bは係合されている(ロックされている)。時系列の一連の図において、アプライヤは、例えば、図37図42において、部分挟持段階にあることが示されている。
【0048】
挟持段階(クリップ開放段階と考えることができる)では、アプライヤ挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bとハンドル306a~b、326a~b、346a~bは共に、ハンドルに「最大」量の内向圧力(図43に二重矢印で示す)が加わった結果として相対的に接近する(先端部間の距離520(図44)は縮小又は減少している)。挟持段階では、挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bがクリップ溝150、152に圧力を加え、これによって、クリップ100の側面120、122を開位置まで広げる。ロック312a~b、332a~b、352a~bは係合されていない(ロック解除)。時系列の一連の図において、アプライヤは、例えば、図43図47において、挟持段階にあることが示されている。
【0049】
段階間の移行は、本明細書では、異なる量の圧力(例えば、「中」量の内向圧力と「最大」量の内向圧力)によって引き起こされるものとして説明される。移行の原因は、別の用語で説明されてもよく、及び/又は、実際には別の原因であってもよい。例えば、移行は、ハンドルを「部分的な」距離に動かしてアプライヤ300、320、340を第1段階(例えば、非挟持段階)から第2段階(例えば、部分挟持段階)に移行させる、及びハンドルを「完全な」距離に動かしてアプライヤ300、320、340を第2段階(例えば、部分挟持段階)から第3段階(例えば、挟持段階)に移行させるという点で、「移動した距離」によって「引き起こされる」ものであってもよい。ロックに関連して別の例を説明することもできる(ジョーにクリップを付けてハンドルを押す/握ると、ロックがかみ合い、クリップが「閉鎖」位置(部分挟持段階)でしっかりと保持される、その後もう一度ハンドルを最後まで押す/握ると、クリップがその安全最大距離まで開く(挟持段階))。
【0050】
アプライヤ300、320、340は、図示しない中間段階で段階間を移行できることに留意されたい。さらに、段階を「スキップ」することが可能である。例えば、ユーザは、アプライヤ300、320、340を非挟持段階で開始し、ロックを正式に係合させることなくクリップ100を拾い上げ(したがって、アプライヤ300、320、340は技術的には部分挟持段階ではない)、アプライヤ300、320、340を挟持段階に移行させてクリップ100を開放してもよい。挟持段階のアプライヤ300、320、340から全ての圧力を解放すると、アプライヤ300、320、340は非挟持段階に移行する。
【0051】
上記のように、例示的な好ましいアプライヤ300、320、340の各々は、一対のシャフト302a~b、322a~b、342a~b(第1シャフト302a、322a、342a及び第2シャフト302b、322b、342bを含む)を含む。各シャフトの一端は、内側に傾斜した挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bであり、各シャフトの他端は、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bである。挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bは、クリップ及び/又はカートリッジと適切に相互作用するようにノッチ付き又は他の形状にしてもよい。一対のシャフト302a~b、322a~b、342a~bは、固定ピボット308、328、348によって中間点(挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bとハンドル306a~b,326a~b,346a~bの間)で枢動可能に接続されている。図示のように、シャフト中間点は、必ずしもシャフトの絶対的な正中にある必要はなく、挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bとハンドル306a~b、326a~b、346a~bの間の多くの異なる位置にあってよい。
【0052】
ハンドル端部306a~b、326a~b、346a~bは、エキスパンダ310、330、350(例えば、広がりを促す板ばね又はコイルばね等のばねエキスパンダ)によって取り付けられ、押し広げられる(あるいは、他の方法で互いからの距離を広げるように促される)ように図示されている。図示のように、エキスパンダ310,330,350の各端部は、ハンドル端部306a~b,326a~b,346a~bのうちの1つに取り付けられている。各エキスパンダ310、330、350の端部は、構成要素が一体型シャフト-エキスパンダ-シャフトユニットであるように、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bのそれぞれの端部と一体であってもよい。(図16は、エキスパンダ362がハンドル364a~bと一体である代替アプライヤ360を示す)。エキスパンダ310、330、350の各々は、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bの端に図示されているが、別の場所にあってもよい。(図17は、エキスパンダ372がハンドル374a~bの端部と固定ピボット376の間のほぼ中間に位置している代替アプライヤ370を示す。)
【0053】
図示する例示的な好ましいアプライヤ300、320、340の各々は、係脱可能な任意のロック312a~b、332a~b、352a~bを含む。ロックが係合すると、アプライヤ300、320、340は部分挟持段階にあり、シャフト302a~b、322a~b、342a~bは本質的に共に保持される(ハンドル306a~b、326a~b、346a~b間の距離が広がることを防ぐ)ことによって、挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bがクリップ100の溝150、152に係合し(部分挟持段階)、クリップ100が保持されてアプライヤ300、320、340によって搬送できるようになる。ロック312a~b、332a~b、352a~bが係合すると、ユーザはハンドル306a~b、326a~b、346a~bに力を加え(挟持)続ける必要がない。ロック312a~b、332a~b、352a~bを解除すると、アプライヤ300、320、340は、非挟持段階又は挟持段階のいずれかに入ることができる。ロック312a~b、332a~b、352a~bが解除された後、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bに圧力が加えられない場合、エキスパンダ310、330、350が、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bのそれぞれの端部を外側に押す(離す)ため、アプライヤ300、320、340は、非挟持段階に復帰する、これによって固定ピボット308、328、348が枢動(回転)して、内側に傾斜した挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bも広がり、クリップ100を解放する。ロック312a~b,332a~b,352a~bが解除された後、追加の圧力(図43では2つの矢印で示す)がハンドル306a~b,326a~b,346a~bに加えられると、ユーザによって加えられた圧力がハンドル306a~b、326a~b、346a~bのそれぞれの端部を内側に(共に)押し、アプライヤ300、320、340が挟持段階に入る、これによって固定ピボット308が枢動(回転)して、内側に傾斜した挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bも互いに向かって移動し、クリップ100の溝150、152を挟み、クリップ100の側面120、122を開位置まで広げる。
【0054】
好ましいロック312a~b、332a~b、352a~bの各々は、第1シャフト302a、322a、342aに関連する第1ロック部312a、332a、352aと、第2シャフト302b、322b、342bに関連する第2ロック部312b、332b、352bと、を備える。(図14~15のロック352a~bは、図10~11及び図12~13のロック312a~b、332a~bとは異なることに留意されたい。他のデザインも可能である。)図示するロック312a~b、332a~b、352a~bはそれぞれ、第1ハンドル306a、326a、346aに関連する第1ロック部312a、332a、352aと、第2ハンドル306b、326b、346bに関連する第2ロック部312b、332b、352bという2つの部分を有する。第1ロック部312a、332a、352aの各々は、その関連する第2ロック部312b、332b、352bと相互作用して係合(ロック)及び解除(ロック解除)する。ロック312a~b、332a~b、352a~bが係合すると、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bは実質的に共に保持される(ハンドル306a~b、326a~b、346a~bの間の距離が広がることを概ね防止するが、特にロック312a~b、332a~b、352a~bを解除するためにハンドル306a~b、326a~b、346a~bを動かす必要があれば多少の動きも可能である)。ロック312a~b、332a~b、352a~bの部分が解除されると、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bは互いに向かって又は互いから離れるように移動することができる。図示された第1ロック部312a、332a、352aは、第1ハンドル306a、326a、346aから概ね第2ハンドル306b、326b、346bの方向に延びる「フック」を有する。図示された第2ロック部312b、332b、352bは、第2ハンドル306b、326b、346bから概ね第1ハンドル306a、326a、346aの方向に延びる「フック」を有する。(同様のフックは、Castroviejoに対する米国特許第2,652,832号に見出すことができる。「フック」は、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bが互いに向かって(そしておそらく、わずかに平面から外れた動きで)動かされるとき、フックが係合できるように配置されている。ハンドル306a~b、326a~b、346a~bは、互いに向かって(そして、おそらく、わずかに平面から外れた動きで)動かされて、フックを解除することが可能である。
【0055】
ロック312a~b、332a~b、352a~bのそれぞれの部品は、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bの内面に示されているが、代替の場所にあってもよい。例えば、ロック312a~b、332a~b、352a~bの部品は、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bに近接するエキスパンダ310、330、350の端部に位置してもよい(調整可能に位置することを含む)。他の例として、ロック312a~b、332a~b、352a~bの部品は、エキスパンダ310、330、350の端部をハンドル306a~b、326a~b、346a~bの端部に結合するものと同じ位置固定具(例えば、ボルト及びナット)によって位置固定されてもよい。
【0056】
フックとして図示されているが、磁石、又は既知の若しくはまだ発見されていない他のロック機構を含むがこれらに限定されない他のロックを使用することも可能である。図示されたロック312a~b、332a~b、352a~bは、2つの比較的類似した相互作用部分(例えば、2つのフック)を有するが、代替のロックは、同等でない部分を有することが可能である。例えば、ロックの一部分は、1つのシャフト上のフックであり、ロックの他の部分は、他のシャフトに関連するループである可能性がある。さらに別の代替的なロックでは、ロックの一部分は一つのシャフト上のフックであり、ロックの他方の部分は反対側のシャフト自体の一部である可能性がある。
【0057】
図示する例示的な好ましいアプライヤ300、320、340の各々はまた、少なくとも1つの任意のリミッタ314、315、334、354を含む。任意のリミッタ314、315、334、354の目的は、挟持段階で強く挟み込むことによって、挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bがクリップ100を破損する(開きすぎ、あるいは別の方法でプラスチック変形が生じる)ことを防止することである。図示する例示的な任意のリミッタは、調整可能なリミッタ314、315(図10~11に位置固定具315(例えばボルト及びナット)を有するスロット314として示す)又は内蔵リミッタ334、354(例えば、図12~13のバンプ又は突起334(突起リミッタ)及び図14~15のショルダー354(ショルダーリミッタ)として示す)であってもよい。リミッタ314、315、334、354は、第1ハンドル306a、326a、346a及び/又は第2ハンドル306b、326b、346bに関連付けられてもよい。あるいは、リミッタは、挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bの近くに配置され得る。ハンドル306a~b、326a~b、346a~bが挟持段階中に共に握られるとき、任意のリミッタ314、315、334、354は、ハンドル306a~b、326a~b、346a~b(及びそれによって挟持先端部304a~b、324a~b、344a~b)が所定の離間距離よりも近づいてクリップを開きすぎることを防ぐ。
【0058】
例示的な好ましいアプライヤ300、320、340は、図及び上記の議論から示されるように、互いに類似しているが、いくつかの相違点がある。例えば、第1アプライヤ300及び第2アプライヤ320はいずれも傾斜している(ロック312a~b、332a~b及びリミッタ314、334との間で約30度の角度で曲げを有するシャフト302a~b、322a~bとして図示)ことに対し、第3アプライヤ340は「まっすぐ」又は「曲がっていない」(シャフト342a~bはまっすぐ)である。傾斜した/屈曲したアプライヤの屈曲は、ユーザの視線からユーザの手をずらすことによって、使用中の視認性を高めることに役立つ場合がある。代替の屈曲した改作は、異なる位置(例えば、より先端寄り)で屈曲を有する、又は複数の屈曲(例えば、「バヨネットハンドル」)を有することができる。その他の違いは、比率である。例えば、第1及び第2アプライヤ300、320のハンドル306a~b、326a~bは、第3アプライヤ340のハンドル346a~bより長い。他の例として、第1及び第2アプライヤ300、320の挟持先端部304a~b、324a~bは切り欠きを有さず、第3アプライヤ340の挟持先端部344a~bは切り欠きを有する。さらに別の例として、第1アプライヤ300は調整可能なリミッタ314、315を備えて示されているのに対し、第2及び第3アプライヤ320、340は内蔵リミッタ334、354を備えて示されていることである。さらに他の例は、図12~13に示す内蔵リミッタはバンプ又は突起334(突起リミッタ)であるのに対し、図14~15に示す内蔵リミッタはショルダーリミッタ354(より具体的には、ランプ部分が徐々に厚くなって最終的にハンドルが互いにどれだけ接近できるかを制限することを防ぐ、ランプショルダーリミッタ)であるということである。さらに他の相違点(例えば、構成要素の有無及び/又は構成要素の位置)を、図16図22に示すアプライヤに関連して示して議論する。
【0059】
図16は、エキスパンダ362がハンドル364a~bと一体になった代替アプライヤ360を示す。図示のように、構成要素は一体型のシャフト-エキスパンダ-シャフトユニットである。このアプライヤ360は、先端367a、367bに相対的に近接するピボット366を有する。また、このアプライヤ360は、少なくとも1つのショルダーリミッタ369を有する(両面にショルダーリミッタを有していてもよい)。このショルダーリミッタ369は、図14図15のランプショルダーリミッタ354よりも急勾配であることが示されている。図16のアプライヤ360は、ロックを有しないアプライヤの一例である。
【0060】
図17は、エキスパンダ372がハンドル374a~bの端部とピボット376との間のほぼ中間に位置する代替アプライヤ370を示す。先端377a、377bに相対的に近接するピボット376。図示のエキスパンダ372は、圧縮バネであり、ハンドル374a~bの内側の突起に取り付けられているように示されている。このアプライヤ370はまた、ショルダーリミッタ379を備える。このショルダーリミッタ379は、図14図15のランプショルダーリミッタ354よりも急勾配であることが示されている。図17のアプライヤ370は、ロックを有しないアプライヤの他の例である。
【0061】
図18は、本明細書に記載される他のものとは異なる原理で動作する代替アプライヤ380を示す。アプライヤ380は、一端にハンドル382a~bを有し、他端に挟持先端部384a~bをそれぞれ有する2つの「シャフト」281a~bを含む。シャフト281a~bは、それらが重なるときに、ハンドル382a~bが一端にあり、挟持先端部384a~bが他端にあり、両端の間に(中央シャフト部分383a~bの間に画定される)中央開口部383があるように、図18に示すように湾曲又は屈曲している(屈曲中央シャフト部分383a~bを含む)。図示のように、屈曲中央シャフト部分383a~bの各々の各面には、スプリング386(各面に1つずつあってもよいが、図には1つのスプリング386のみが明示されている)が、中央開口部383にまたがるように取り付けられた突起385a、385bがある。中央開口部383は、2つの重なり部分387a、387bの間に位置する。重なり部分387a、387bの少なくとも一方は、固定用ピボット388を有する。このアプライヤ380はまた、アプライヤ380の各面に1つずつ、2つのショルダーリミッタ389を有している。これらのショルダーリミッタ379は、図14図15のランプショルダーリミッタ354よりも急勾配であることが示されている。このアプライヤ380のハンドル382a~bを共に握ると、挟持先端部384a~bが離れる(それらの間の距離が広がる)。言い換えれば、ハンドルを押し下げると、ジョー(挟持先端部384a~b)が開く。挟持先端部384a~bがクリップ100の上に配置されると、ハンドル382a~bの圧力が解放されて、ばね(複数可)386の力によって挟持先端部384a~bが閉じられる。スプリング386は、アプライヤ380がクリップ100を所定の距離(開位置)まで開くように選択される。このデザインによって、外科医がハンドル382a~bを握って(挟持先端部384a~bの間の距離を広げて)クリップ100を解放するまで、クリップ100を開位置に保持することができる。言い換えれば、ハンドル382a~bを再び押し下げると、ジョー(挟持先端部384a~b)が開いてクリップ100が開放される。外科医は、クリップ100が組織600のめくれた端部を固定するように位置決めされたときに、クリップ100を解放することになる。クリップ100は、解放されると、組織600のめくれた端部を共に保持するために、閉位置に戻るであろう。
【0062】
図19~22は、本明細書に記載されるものとは異なる他の原理でも動作する、代替のプッシャースリーブアプライヤ390a~dを示す。これらのアプライヤ390a~dはそれぞれ、プッシャーシャフト392a~dを有するプッシャー391a~dを備える。プッシャーシャフト392a~dの一端には、プッシャーフィンガー/サムレスト393a~dがあり、プッシャーシャフト392a~dの他端には、挟持先端部394a~d(これは、内向きの先端が拘束されていないときに離れて広がる傾向があるように外側に偏った二つの内向きの先端を含む)がある。プッシャー391a~dは、スリーブ395a~dによって実質的に囲まれている(カバー395a′、395b′、395d′は、内部構成要素を示すためにスリーブ395a、395b、395dの本体から展開して示されている。図21のスリーブ395cは、カバーのないデザインとなっている。本明細書においてスリーブ395a~dと称する場合、カバーは、特に除外されない限り、含まれることを意味する)。少なくとも1つのスリーブフィンガー/サムレスト396a~dは、各スリーブ395a~dに関連している。上向き押圧機構397a~d(例えば、ばね)は、プッシャー391a~dとスリーブ395a~dとの間に設置される。図示の上向き押圧機構397a~dは、プッシャーフィンガー/サムレスト393a~dの近くでプッシャーシャフト392a~dを包囲する。上向き押圧機構397a~dは、プッシャー391a~dが上向きに押され、挟持先端部394a~dがスリーブ395a~dに引き込まれるように、上向きバイアスを提供する。使用中、プッシャー391a~dを押し下げると、挟持先端部394a~dがスリーブ395a~dから突出する。外側に付勢されるため、挟持先端部394a~dは離れて広がり、挟持先端部394a~dがクリップ100の翼部140及び142を跨ぐことを可能にする。プッシャー391a~dの押圧が解除されると、上向き押圧機構397a~dは、挟持先端部394a~dをスリーブ395a~d内に引き込むような上向き押圧を与え、これによって挟持先端部394a~dを共に移動させてクリップ100の溝150、152を挟持する。溝150、152を挟むことによって、クリップ100の側面120、122が開位置まで広がる。プッシャー391a~dが押し下げられない限り、挟持先端部394a~dは、クリップ100を開位置に保持し続ける。プッシャー391a~dを再び押し下げると、挟持先端部394a~dがスリーブ395a~dから伸びて離れて広がり、閉位置に戻るクリップ100の解放を可能にする。
【0063】
様々なアプライヤ構成要素(例えば、ハンドル306a~b、326a~b、346a~b、エキスパンダ310、330、350、ロック312a~b、332a~b、352a~b、及び/又はリミッタ314、315、334、354)は固定位置に示されているが、構成要素の位置は互いに対して調節可能でありうる。スロット及び位置固定具(例えば、ボルト及びナット)などの機械的調整機構を使用して、アプライヤ構成要素間の調整を可能にすることができる。例えば、ハンドル306a~b、326a~b、346a~bにスロットを追加して、エキスパンダ310、330、350(又はロック312a~b、332a~b、352a~b又はリミッタ314、315、334、354)の調整を可能にし、これらはその後、位置修正器によって所定の位置に固定される。
【0064】
アプライヤ300、320、340、360、370、380、390は、単回使用又は再使用可能であってもよい。それらは、金属(例えば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム)、プラスチック(例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン)及び/又は医療用途での使用に適した他の材料を含む医療グレードのアプライヤ材料から作られることが望ましい。使用する特定のアプライヤ材料(複数可)を決定する際に考慮され得る1つの要因は、アプライヤが複数回使用(再使用可能)又は単回使用(使い捨て)のみのためにデザインされているかどうかである。再使用可能型アプライヤの場合、アプライヤ材料は再滅菌可能で、複数回の使用に耐える強度が必要である。
【0065】
カートリッジ
【0066】
図3~8に関連して本明細書で説明したようなフォーム200、220、240は、好ましくは、硬化(結晶化及びアニール)のためにクリップ100を閉位置に保持及び形成できるため、カートリッジ400、405、410、418、420、440、450、460、470、480の基礎となるものである。さらに、カートリッジ400、405、410、418、420、440、450、460、470、480は、クリップ100を保持及び保護し、及び他の方法でパッケージとして機能することができる。(カートリッジ400、405、410、418、420、440、450、460、470、480は、任意の数のクリップ100を保持するようにデザインされてもよいが、最も可能性が高いのは、2個(2)~10個(10)個のクリップを保持することである。好ましい図示のカートリッジは、5個のクリップを保持する。)さらに、カートリッジ400、405、410、418、420、440、450、460、470、480は、滅菌処理(例えば電子ビーム滅菌)中にクリップ100を保持するために使用することが可能である。最後に、カートリッジ400、405、410、418、420、440、450、460、470、480は、手術中にクリップ100を取り外すためにアプライヤを使用し、カートリッジを使用してクリップ100を分配することができる。(いくつかの図ではアプライヤ300(図31)又はアプライヤ320(図33~34)として示されているが、本明細書に記載される代替アプライヤも使用可能である)。
【0067】
全てのカートリッジ400、405、410、418、420、440、450、460、470、480は、少なくとも1つの形成ウェル401、407、411、421、441、451、461、471、481が中に画定された本体400′、405′、410′、418′、420′、440′、450′、460′、470′、480を含む一方で、図23~35に示すカートリッジ400,405,410,418,420,450,460,470,480の各々は、独自の特徴のアレイを含む。図示するカートリッジは例示的な好ましい変形例であるが、1つの例示的なカートリッジに関して示された特徴のいくつかは、それらが関連付けられたもの以外の例示的なカートリッジで使用することができる。例示的な特徴は、以下の特徴を含むが、これらに限定されない。
- (クリップをチャネル形成ウェルの長さに沿ってスライドさせることによって)複数のクリップが水平方向にスライド可能に装填及び除去される、単一の細長いチャネル形成ウェルと、
- 複数のクリップの各々が独自の形成ウェル(ポケット)を有するように、仕切りによって分離された複数の個別の形成ウェル(ポケット又はカップ)と、
- 形成ピン又は形成フィンガーなどの形成構造と、
- アプライヤがクリップを形成ウェルから除去することを補助するためのガイド及び/又はより良いアクセス(一般に「ガイド」と呼ばれる)を提供する、ガイド構造及び/又はアクセス構造(一般に「ガイド構造」と呼ばれる)と、
- 形成ウェルの少なくとも1つの側面をブロックするブロック構造と、
- ハンドル、くぼみのあるグリップ、及び/又はフィンガーホルダなどのグリップ構造と、
- 使用のためにカートリッジを直立に保持するために役立つ安定化構造(例えば、スタビライザ又は脚部)と、及び
- クリップを形成ウェル内に保持及び固定するための追加機構を提供するクリップ固定構造(固定具)。
【0068】
上記のように、全てのカートリッジは、少なくとも1つの形成ウェルを含む。好ましい形成ウェルは、単一の細長いチャネル形成ウェル又は複数の形成ウェル(ポケット)のいずれかであってよい。形成ウェル(追加の形成構造を含んでもよい)は、歯120a及び122aが好ましくは接触する閉位置に、少なくとも1つのクリップ100を保持するようにデザインされる。
【0069】
本明細書に記載された形成ウェルは、公知のカートリッジにおけるクリップ収納チャンバとは明確に異なるものである。例えば、Cannadyに対する米国特許出願公開第2009/0152147号は、クリップがカートリッジ内に収納されている間にクリップの開放端が接触することを防止する障壁(台座又は壁)を跨ぐ既知の止血クリップカートリッジの代表的なものである。同様に、Samuelsに対する米国特許第4,146,130号は、クリップの端部の間に配置される中央結合柱を示し、前記中央結合柱は、クリップがカートリッジに収納されている間にクリップの開放端が接触することを防止する。Cerwinに対する米国特許第4,519,501号は、クリップが開位置に保持される代表的なクリップカートリッジを示す。
【0070】
前述の通り、本明細書に記載された形成ウェルは、「部分的に硬化したゴム状器具」が硬化を終了できるように、歯120a及び122aが好ましくは接触している閉位置にクリップ100を保持するように特別にデザインされている。クリップ100を閉位置に保持することは、形成ウェル(又は形成ウェル内の追加の形成構造)を、歯120a及び122aが接触するようにクリップ100の側面120及び122が十分に近接するよう優しく保持するサイズ及び/又は形状にすることによって達成される。言い換えれば、形成ウェル(形成ウェルの壁及び/又は底を含む)の表面は、「部分的に硬化したゴム状器具」の側面が、歯120a及び122aが接触するように互いに向かって屈曲しなければならない(そしてその位置に保持される)ように(例えば、サイズ及び/又は形状が)デザインされている。形成ウェルはまた、好ましくは、クリップが形成ウェルに着座したときのクリップの動きを最小にする。
【0071】
図23図24のカートリッジ400は、任意の張出し部401´を有する例示的な単一の細長いチャネル形成ウェル401を有する例示的なカートリッジである。単一の細長いチャネル形成ウェル401は、断面において概ね丸みを帯びたウェル表面402を有するものとして示されている。(代替の例示的な細長いチャネル形成ウェル411の断面は、図26Aに示すように、より角張ったウェル表面412を有してもよい。)図示するように、形成ウェル401のウェル表面402(及び任意の張出し部401´)は、クリップ100の側面120及び122を、歯120a及び122aが接触する閉位置に保持する。クリップは、単一の細長いチャネル形成ウェルから水平に(チャネル形成ウェルの長さに沿ってクリップ(複数可)100をスライドさせて端部に出すことによって)装填及び/又は除去することができる。クリップ及び/又はカートリッジの剛性に応じて、クリップはまた、又は代替的に、単一の細長いチャネル形成ウェルから垂直に(チャネル形成ウェルからクリップを上向きに引っ張ることで)装填及び/又は除去され得る。
【0072】
図27~35は、仕切り423、443、453、463、473、483によって分離された複数の形成ウェル421、441、451、461、471、481を有するカートリッジ420、440、450、460、470、480を示す。形成ウェルの断面及び/又は表面(例えば、ウェル表面422)は、図23~25(丸みを帯びた)及び図26A(角張った)に示されたものと同様であってもよいが、形成ウェルはまた、又は代替的に、クリップを形成すること、及び/又はクリップを硬化させるための閉位置に保持することを補助するための追加の形成構造(例えば、形成ピン452(図30~31)又は形成フィンガー462(図32~33)、482(図35))を含んでもよい。形成ウェル及び/又は形成構造のウェル表面は、歯120a及び122aが好ましくは接触している閉位置にクリップ100の側面120及び122を保持する。
【0073】
カートリッジ及び形成ウェルによっては、クリップ100は、水平方向及び/又は垂直方向に複数の形成ウェルから装填及び/又は除去することができる。例えば、図27~28のカートリッジ420の囲まれた個別の形成ウェル421の構成は、形成ウェル421の両側の仕切り423がクリップ100の水平方向の除去を妨げるため、垂直方向の除去(チャネル形成ウェルからクリップ100を上向きに引っ張る)及び装填を必要とするであろう。一方、図30~31及び図32~33のカートリッジ450、460の個別の形成ウェル451、461は、任意に、垂直除去(形成ピン452又はフィンガー462が邪魔にならないように曲がるか折れるかして、個別の形成ウェルからクリップ100を上向きに引っ張る)、及び/又は水平方向の除去(個別の形成ウェルの開放端を通してクリップ100をスライドさせて出す)、及び装填(個別の形成ウェルの開放端を通してクリップ100をスライドさせて入れる)できる可能性がある。
【0074】
図示のカートリッジ400、405、410、418、420、440、450、460、470、480は、アプライヤが形成ウェル401、407、411、421、441、451、461、471、481からクリップを取り出すことを補助するためにガイド及び/又はより良いアクセスを提供する少なくとも何らかの形式のガイド及び/又はアクセス構造を含むことが好ましい。このガイド及び/又はアクセス構造は、傾斜面404a,414a,424a,444a,454a,464a、サイドチャネル404b、壁ガイド(盛り上がった境界又は仕切り)424b、444b、454b、464b、及び/又は他の構造(特に機械構造)などの形式を取ってもよい。(これら及び他のガイド及び/又はアクセス構造は、ガイド及び/又はアクセス構造として特にラベル付けされていないが、他の図に示されている。)ガイド及び/又はアクセス構造は、個別に又は組み合わせて使用してもよい。
【0075】
カートリッジは、形成ウェルの少なくとも片側をブロックする1つ以上のブロック構造を含んでもよい。これらのブロック構造は、それぞれの形成ウェルをブロックして、クリップが形成ウェルのブロックされた端部から滑り出ることを防止する。さらに、これらのブロック構造は、形成ウェルからのクリップの装填及び取り出しの両方に役立ち得る。図25は、例えば、単一の細長いチャネル形成ウェル407の一端に例示的なブロック構造406を有するカートリッジ405を示す。図示するように、サイドチャネル408もまた、一端でブロックされてもよい。他の例は、図30~34の形成ウェル451、461、481の一端におけるブロック構造455、465、485を含む。技術的には、仕切り423(図27~28)及び443(図29)も、クリップがそれぞれのカートリッジの形成ウェルのいずれかの側から滑り出ることをブロックするという点で、ブロック構造として機能する。
【0076】
各カートリッジの本体400´、405´、410´、418´、420´、440´、450´、460´、470´、480´の縁部は把持構造として機能してもよいが、追加の把持構造が提供されてもよい。例えば、図30及び図32は、ハンドル456、466を示す。図30に示すハンドル456は、カートリッジ450の本体450´と一直線に並んでいる。図32のハンドル466は、カートリッジ450の本体450´と垂直であり、従って、安定化構造として機能する。図34は、カートリッジ470の本体470´の端部にあるフィンガーホルダ476のグリップ構造を示す。フィンガーホルダ476は、親指と人差し指との間で掴むために適しているであろう。図35もまた、フィンガーホルダを示す。また、カートリッジの本体(図示せず)に設けられたくぼみであってもよい凹んだグリップ(図30に示すハンドル456の凹状の基部として図示)があってもよい。一部のカートリッジのみがグリップ構造と共に図示されているが、他のカートリッジもグリップ構造を含むことができる。
【0077】
図32及び図35は共に、クリップが除去されている間、カートリッジ460、480を直立に保持するのに役立つ安定化構造(例えば、スタビライザ又は足)を含むカートリッジ460、480を示す。図32に示すハンドル466は、カートリッジ460の本体460´と垂直であり、したがって、安定化構造として機能する。図35に示す弧状ベース構造486(「スタビライザ」とも呼ばれる)は、カートリッジ480の本体480´と関連している。弧状ベース構造486は、ベースの表面積を増加させるため、安定化構造として機能する。少数のカートリッジのみがスタビライザと共に図示されているが、他のカートリッジもスタビライザを含むことができる。
【0078】
別の任意の特徴は、(例えば硬化、包装、保管、及び/又は出荷のために)形成ウェル(複数可)内にクリップを保持し固定する追加の機構を提供するクリップ固定構造(固定具)である。図29は、1つのタイプの固定具446を示す。この固定具446(2ピース構造の上部ピース)は、カートリッジ440の本体440´(2ピース構造の下部ピース)内の形成ウェル441を覆う。固定具446は、カートリッジ440とスナップ嵌合してもよい。固定具/カートリッジは、単一ピース(例えば、折り畳み式)構造であってもよく、又は複数のピース(例えば、各形成ウェルに対する別々の固定具)を含んでもよいことに留意されたい。接続は、スナップフィット又は他の既知のタイプの接続(例えば、圧入又は機械的コネクタを有する)であってよいことに留意されたい。1つのカートリッジのみが固定具と共に図示されているが、他のカートリッジも固定具を含むことができる。
【0079】
前述のように、図示されたカートリッジ400、405、410、418、420、440、450、460、470、480の各々は、それ自身のそれぞれの特徴のアレイを含む。網羅的ではないが、以下の段落は、図示された各カートリッジの特徴のいくつかを強調する。
【0080】
図23図24は、単一の細長いチャネル形成ウェル401を有する例示的なカートリッジ400を示す。サイドチャネル404bは、細長いチャネル形成ウェル401の両側面に沿って平行に延びる。サイドチャネル404bは、カートリッジ400からクリップ100を除去するために、アプライヤ(図示せず)がクリップ翼部140及び142を把持することを可能にする。カートリッジ400の上面は、ピンチ先端部(図示せず)をクリップ100に向けてガイドするために、単一の細長いチャネル形成ウェル401に向かって傾斜している(傾斜面404a)。クリップ100は、単一の細長いチャネル形成ウェル401の片側にサイドローディング(水平方向に装填)することができる。図25に示すブロック構造406のような任意のブロック構造がある場合、クリップ100は、装填側とは反対側の側面から滑り出ることが防止されるであろう。
【0081】
図25は、図23のカートリッジ400と同様のカートリッジ405を示すが、ブロック構造406(細長いチャネル形成ウェル407及びサイドチャネル408の一端をブロックするよう図示)を有する。カートリッジ405は、細長いチャネル形成ウェル407及び側部チャネル408が形成された本体405´を有する。細長いチャネル形成ウェル407及びサイドチャネル408は、本体405´の長手方向中心に沿って少なくともほぼ中央に配置され、その両側に平坦な上面409を有するものとして示されている。例示的なブロック構造406は、細長いチャネル形成ウェル407の一端にある。図示のように、側部チャネル408もまた、一端でブロックされてもよい。
【0082】
図26Aは、傾斜したウェル表面412及び張出し部416を有するカートリッジ形成ウェル411を有するカートリッジ410を示す。図示のように、形成ウェル411のウェル表面412は、歯120a及び122aが接触する閉位置でクリップ100の側面120及び122を保持する。この張出し部は、アニール中にクリップ100を閉位置で固定するためのものであった。カートリッジ410の上面は、クリップ100に向かって挟持先端部をガイドするために、形成ウェル411に向かって傾斜している(角面414a)。図26Bは、ウェル表面419が丸みを帯びていることを除いてカートリッジ410と同様であるカートリッジ418を示す。
【0083】
図27及び図28は、複数の形成ウェル421(5つの「ポケット」として図示)を有する例示的なカートリッジ420を示す。形成ウェル421の間には、クリップ100を保持することを補助するために、クリップ100の対向面130及び132(図1A~1B及び図2A~2B)を「掴む」ようにデザインされた仕切り423がある。クリップ100は、形成ウェル421に「圧入」され得るが、これは形成ウェル421が、クリップ100の幅と同じ幅であるか、又はクリップ100の幅よりもわずかに小さい幅を有するためである。これによって、クリップ100は、わずかに圧縮することができ、仕切り423(又はカートリッジ420の端部)によって所定位置に保持される。また、クリップのバネ性質もクリップを所定位置で固定するために役立つ。言い換えれば、クリップが完全な閉位置(隙間を完全に閉じる)に圧入されたとき、クリップをそれぞれの形成ウェル内に保持するわずかな外向圧力がある。
【0084】
図29は、複数の形成ウェル441の上にクリップ固定具446を有する例示的なカートリッジ440を示す。これは、固定具446が上部ピースであり、カートリッジ440が下部ピースである2ピース構造として示されている。固定具446は、カートリッジ440とスナップ嵌合してもよい。固定具446は、手術のためにクリップが必要なときに、手術室で除去することができる。
【0085】
図30及び図31は、複数の形成ウェル451を有する例示的なカートリッジ450を示す。各形成ウェル451は、形成構造452(形成ピン452)を含むものとして示す。形成ピン452は、クリップ100の内側及び外側の両方に存在するものとして図示する。形成ピン452は、垂直方向のクリップの除去を可能にするために、屈曲する又は壊れてもよい。カートリッジ450は、カートリッジ本体450´と一直線に並ぶハンドル456を有するものとして図示されている。クリップは、それぞれの形成ウェル451の一方の側にサイドローディングすることができるが、図示されたブロック構造455により、反対側の側から滑り出ることが防止される。
【0086】
図32及び図33は、複数の形成ウェル461を有する例示的なカートリッジ460を示す。各形成ウェル461は、形成構造462(形成フィンガー462)を含むものとして図示する。形成フィンガー462は、クリップを保持し、及び/又はクリップ100を硬化のために閉位置に保持し、さらに包装、保管、及び/又は出荷のためにクリップを保持することを補助するためにクリップ100の両側部にあるものとして示す。形成フィンガー462は、垂直方向のクリップの除去を可能にするために、屈曲する又は壊れる。カートリッジ460は、カートリッジ本体460´と垂直なハンドル466を有するものとして図示する。垂直なハンドル466はまた、スタビライザとして機能する。クリップは、それぞれの形成ウェル461の一方の側にサイドローディングすることができるが、図示されたブロック構造465により、反対側の側から滑り出ることが防止される。
【0087】
図34は、両端にフィンガーホルダ476を有する例示的なカートリッジ470を示す。
【0088】
図35は、両端にハンドルを有し、カートリッジ480の本体480´の両側に弧状ベース構造486を有する例示的なカートリッジ480を示す。
【0089】
カートリッジは、単回使用でも再利用可能でもよい。それらは、金属(例えば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム)、プラスチック(例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロン、PEEK、ポリスルホン)、及び/又は医療用途での使用に適した他のカートリッジ材料を含む医療グレードのカートリッジ材料から作られることが好ましい。好ましいカートリッジ材料は、ポリプロピレン又は他の幾分柔らかい/柔軟な材料であろう。他の好ましいカートリッジ材料は、クリップが「スナップイン」され、そこからクリップが「スナップアウト」され得る、幾分硬い材料であろう。カートリッジが再使用可能なカートリッジである場合、カートリッジ材料は好ましくは再滅菌可能である。形成ウェルの仕上げは、好ましくは粗い又はマットな質感の仕上げであり、これは形成ウェル内でクリップを保持することに役立つ余分な摩擦を与えるためである。
【0090】
多くのカートリッジを一緒に処理し、最終的に個別包装をするために(おそらくミシン目を通して)分離するような包装ができる場合がある。
【0091】
システム及び方法
【0092】
図36図50は、例示的なクリップ、アプライヤ、及び/又はカートリッジが使用され得るような、例示的な相互作用の例示的な時系列を提供する。図示するクリップ、アプライヤ、及び/又はカートリッジは、他の図示された及び/又は説明されたクリップ、アプライヤ、及び/又はカートリッジで代用されてもよい。
【0093】
特に図示しないが、構成要素のいずれかが個別包装されている場合(例えば、クリップが中に装填されている予め包装されたカートリッジ)、それらは、外科医又は手術技術者によって手術室(OR)においてその包装から除去され得る。カートリッジに関連する固定具がある場合、その固定具は、クリップが手術のために必要とされるとき、手術室で除去され得る。
【0094】
図36は、非挟持段階(これは、中立又は解放段階と考えることができる)における例示的なアプライヤ300を示す。この非挟持段階において、アプライヤ挟持先端部304a~b及びハンドル306a~bの両方は、相対的に離れている(先端部間の距離500は、広げられている又は増大されている)。アプライヤ挟持先端部304a~b間の距離500は、クリップ翼部140及び142(図1A~1B及び図2A~2B)を跨ぐために十分な幅である。ロック312a~bは、係合解除(ロック解除)されている。
【0095】
図37図42は、部分挟持段階(これは、除去又は運搬段階と考えることができる)(又はそれに向かって移動する)におけるアプライヤ300を示す。ハンドル306a~bに「中」量の内向圧力(図40において単一の矢印として示す)を加えると、アプライヤ300は、非挟持段階から部分挟持段階に移行される。この移行において、アプライヤ挟持先端部304a~b及びハンドル306a~bは、部分的にのみ広がるように(非挟持段階と比較して)共に近づく(又は移動している)(図41)。図37図38に示すように、例示的なカートリッジ420のガイド及び/又はアクセス構造(傾斜面424a及び壁ガイド424bとして示す)にガイドされて、アプライヤ挟持先端部304a~b間の距離510は、アプライヤ挟持先端部304a~bがクリップ溝150及び152(図1A~1B及び図2A~2B)に係合するように狭くなる。明確には、距離510は、距離500(図36)よりも小さい。さらに、部分挟持段階では、ロック312a~bは係止されている(図42)。挟持先端部304a~bがクリップ溝150及び152に係合した状態で(図37及び図38に示すように)、部分的に挟持されたアプライヤ300は、カートリッジ420から単一のクリップ100を持ち上げるために使用することができる(図39及び図41)。ロック312a~bが係合されているため(図42)、クリップ100は保持され、ユーザがハンドル306a~bに力を与え続ける必要なしで、アプライヤ300によって運ばれることができる。言い換えれば、アプライヤ300は、外科技術者によって保持され得るが、外科医が必要とするまでテーブル上に置かれることも可能である。
【0096】
図43図47は、挟持段階(クリップ開放段階と考えることができる)(又はそれに向かって移動する)におけるアプライヤ300を示す。ハンドル306a~bに「最大」量の内向圧力(図43では二重矢印で示す)を加えることによって、アプライヤ300は部分挟持段階から挟持段階へと移行される。この移行において、アプライヤ挟持先端部304a~b及びハンドル306a~bは、クリップ溝150及び152(図1A~1B及び図2A~2B)に圧力を加えるように(部分挟持段階と比較して)共に近づく(又は移動している)。アプライヤ300が挟持段階に移行する際に、ロック312a~bは係合解除(ロック解除)されてもよい。図44に示す挟持先端部304a~b間の距離520は、図41に示す挟持先端部304a~b間の距離510よりも小さい。アプライヤ挟持先端部304a~b間の距離は、挟持先端部304a~bがクリップ100を強く挟んで損傷する(開きすぎ、又はその他の塑性変形を起こす)ことを防ぐために、任意のリミッタ314によって制限されてもよい。上述したように、挟持段階において、挟持先端部304a~bは、クリップ100の溝150及び152(図1A~1B及び図2A~2B)に圧力を加え、これによって、クリップ100の側面120及び122が、歯120a及び122a間の距離が増加する開位置(図44)に広がる(図2A及び2Bに示すスプレッドギャップ124b)。3.0mm×4.0mm×5.0mm程度のクリップでは、スプレッドギャップ124bは、例えば、約2.0mm~3.0mm(理想的には約2.5mm)であってよい。開位置では、クリップ100は、組織600のめくれた端部に当てられる準備ができている。
【0097】
開腹手術の間、鉗子(図示せず)を使用して、めくれた組織端600を接近させることができる。外科医がハンドル306a~bを握り続けると、クリップ100は開位置に保持される。次に、挟持段階のアプライヤ300を使用して、開いたクリップ100を組織600のめくれた端部に当てて組織を「閉じる」。図45~46は、クリップ100の適用を示す図である。図47は、アプライヤ300が挟持段階で、低侵襲手術(MIS)で使用される例示的なカニューレ620(アプライヤ及びクリップを示すために、図面では管の底部が除去されている細い管)を通して組織600を閉じるためにクリップ100を適用することを示す。外科医は、部分挟持段階のアプライヤ300をチューブ内に下ろし、次に、ハンドル306a~bを共に握って(アプライヤ300を挟持段階に移行させて)、クリップ100を組織600のめくれた端部に当てる。
【0098】
クリップ100が位置決めされた後、外科医はハンドル306a~bを解放して(外向き矢印で示す「握力」を解放して)、組織600のめくれた端部に残っているクリップ100を解放し、それらを共に固定する。図48及び図49は、アプライヤ300が非挟持段階に戻って挟持先端部304a~bがクリップ100を解放するように、ハンドル306a~bに圧力がもはや加えられていない後のアプライヤ300を示す。クリップ100は、解放されると、デザイン/材料の組合せの固有のばね力を用いて自動的に閉じる。挟持先端部304a~b間の距離500は、クリップ翼部140及び142を跨ぐために十分広いため(図1A~1B及び図2A~2B)、アプライヤ300をクリップ100から除去することができ、図50に示すように、クリップ100は組織600の端部を固定する(組織閉鎖を作成)ために残される。必要に応じて、追加のクリップ100を適用することができる。
【0099】
クリップ、アプライヤ、カートリッジ、並びにそれに関連する方法及びシステムの説明では、明確にすべき用語が使用されている。用語及び語句は、本明細書を通じて追加の定義及び/又は例を有する場合があることに留意されたい。特に定義されていない場合、用語、語句、及び頭字語には、当該技術分野における通常の意味が与えられている。以下の段落は、本明細書で使用される用語及び語句を解釈するための基本的なパラメータを提供するものである。
【0100】
「関連する」という用語は、一体型又は原型、後付け、取り付け、接続(機能的接続を含む)、近くに位置する、及び/又はアクセス可能であることを意味するように定義される。例えば、ロック部品がシャフトと「関連」している場合、それは(例えば)シャフトと一体であるか、シャフトに直接取り付けられているか、又はシャフトに間接的に取り付けられていてよい。
【0101】
相対的な用語は、技術の理解を助けるためのものであり、本発明の範囲を限定するものではないことに留意されたい。同様に、特に断らない限り、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、単に指定するためのものであって、順序又は制限のためのものではない。例えば、「第1シャフト」は「第2シャフト」と順序関係を有さない。
【0102】
本明細書で使用されるいくつかの用語は、相対的なものであることに留意すべきである。例えば、「上」という用語は「下」という用語に対して相対的であることを意味する。同様に、「前」という用語は「後」という用語に対して相対的であることを意味し、「側」という用語は、「前」と「後」をつなぐ「面」又は「表示」を表すことを意味する。名称を変更するシステム又は構成要素のローテーションは、用語を変更する可能性があるが、概念は変更しない。
【0103】
「してもよい」、「かもしれない」、「できる」、「できるだろう」などの用語は、代替案及び任意の特徴を示すために用いられ、請求項に具体的に含まれている場合にのみ、限定として解釈されるべきである。その様々な構成要素、特徴、ステップ、又は実施形態は、すべて「好ましいもの」であることに留意されたく、これはそのように具体的に示されているか否かにかかわらない。特定の限定を含まない特許請求の範囲は、その限定を含むと解釈すべきではない。
【0104】
特に指定しない限り、「例示的」という用語は、一種の例、表現、及び/又は説明を示すことを意図している。「例示的」という用語は、必ずしもそのタイプの最良又は最も望ましいものを意味するわけではない。
【0105】
特に指定しない限り、「又は」という用語はその非排他的な形で使用されることに留意すべきである(例えば、「A又はB」は、A、B、A及びB、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない)。特に指定がない限り、「及び/又は」も同様に使用されることに留意すべきである(例えば、「A及び/又はB」は、A、B、A及びB、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない)。特に指定がない限り、「含む」、「有する」、及び「含有する」という用語(及びこれらの用語の変形)は、「構成する」ことを意味することに留意すべきである(例えば、AとBを「含む」、「有する」、又は「含有する」器具は、AとBを含むが、任意にC又はA及びB以外の追加の構成要素を含んでもよい)。
【0106】
特に指定しない限り、単数形の「a」、「an」、「the」は、そうでないことを文脈が明確に規定しない限り、1つ以上のものを指すことに留意されたい。同様に、特に限定されない限り、単数形の言語(例えば、「構成要素」、「モジュール」、又は「ステップ」)の使用は、そうでないことを文脈が明確に規定しない限り、複数形(例えば、「構成要素」、「モジュール」、又は「ステップ」)を含んでもよい。
【0107】
本明細書に記載された発明、実施例、及び実施形態は、特に例示された材料、方法、及び/又は構造に限定されないことが理解されるであろう。本明細書に記載された発明、例、及び実施形態は、好ましい発明、例、及び実施形態とみなされ、これはそのように具体的に特定されるか否かにかかわらないことを理解されたい。示された発明、例、及び実施形態は好ましいものであるが、具体的に請求されない限り、限定することを意味せず、具体的に請求される場合は、その特定の請求項の範囲を限定してもよい。
【0108】
記載された作用及び結果を達成するための1つ以上のステップ、作用、及び/又は機能を含む本明細書に開示された方法又は手順について、方法のステップ、作用、及び/又は機能は、本発明の範囲から逸脱することなく相互に入れ替わってよいことが理解されよう。言い換えれば、ステップ、作用、及び/又は機能の特定の順序が、方法又は手順の適切な又は動作可能な操作のために必要とされない限り、特定のステップ、作用、及び/又は機能の順序及び/又は使用は、本発明の範囲から逸脱することなく修正されてもよい。
【0109】
本書で引用したすべての文献(刊行物、特許及び特許出願を含むが、これらに限定されない)は、上掲又は下掲にかかわらず、その全体が参照により本書に組み込まれるものとする。
【0110】
前述の明細書で採用された用語及び表現は、説明用語として使用され、限定するものではなく、図示及び説明された特徴の同等物を除外することを意図するものではない。上記は、本発明の選択された実施形態の完全な説明であるが、様々な代替案、修正、適応、変形、及び/又は組み合わせ、及びそれらの同等物を用いて本発明を実施することが可能である。当業者であれば、同じ目的を達成するために計算された任意の構成を、図示の特定の実施形態の代わりに使用できることを理解するであろう。また、以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載された本発明の一般的特徴及び特定の特徴のすべて、並びに言葉の問題としてその間に該当すると言えるかもしれない本発明の範囲のすべての記載を網羅することを意図していることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
【手続補正書】
【提出日】2022-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具製造方法であって、
(a)中に画定されたギャップを有する部分的にしか硬化していないゴム状器具を受け取るステップと、
(b)前記ギャップが閉じられるように、前記部分的にしか硬化していないゴム状器具をフォーム内に配置するステップと、
(c)前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を硬化させて、柔軟でありながら剛性のある器具にするステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を受け取るステップは、部分熱射出成形プロセスを使用して、前記中に画定されたギャップを有する部分的にしか硬化していないゴム状器具を作成するステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
部分熱射出成形プロセスを使用して、前記中に画定されたギャップを有する前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を作成する前記ステップは、
(i)流体材料を金型に注入するステップと、
(ii)前記金型内の前記材料を処理にかけるステップと、及び
(iii)クリップ材料が結晶化する前に、前記材料を前記金型から取り出すステップと、を含む、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を硬化させる前記ステップは、前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を結晶化又はアニールさせるステップをさらに含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を硬化させるステップは、前記部分的にしか硬化していないゴム状器具を加熱するステップをさらに含む、
請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記柔軟でありながら剛性のある器具の前記ギャップは開閉され得る、
請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記器具は、医療器具であって、好ましくは手術器具である、
請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記器具はクリップである、
請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上のクリップを含有するカートリッジを生産する方法であって、前記方法は、
中に画定されたギャップを有する1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを受け取るステップと、
前記ギャップが閉じられるように、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップの各々をカートリッジ内に配置するステップと、
前記カートリッジ内の前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させて、柔軟でありながら剛性のあるクリップにするステップと、を含み、
ここで、前記1つ以上のクリップの各々は、対向側面が延びる上部を有し、側面の各々は歯で終端し、前記クリップは、前記対向側面の前記歯が接触しない開位置と前記対向側面の前記歯が接触する閉位置とを有し、
前記カートリッジは、
(a)カートリッジ本体と、
(b)前記カートリッジ本体内に画定された少なくとも1つの形成ウェルと、
(c)前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に前記1つ以上のクリップの少なくとも1つを保持するためのサイズ及び形状を有する、前記少なくとも1つの形成ウェルの各々と、
を備える、
方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの形成ウェルは、前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に複数の前記クリップを保持するサイズ及び形状を有する単一の細長いチャネル形成ウェルである、及び
前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させることは、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを前記単一の細長いチャネル形成ウェル内で硬化させることを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの形成ウェルは、複数の個別の形成ウェルであって、前記個別の形成ウェルは、前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に前記1つ以上のクリップの1つを保持するサイズ及び形状を有し、
前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを前記カートリッジ内に配置することは、前記カートリッジの前記個別の形成ウェルの1つに前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップの各々を配置することを含み、
前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させることは、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを前記個別の形成ウェル内で硬化させることを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを受け取って配置することは、複数の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを受け取って配置することを含み、前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化することは、前記複数の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを同時に硬化することを含む、
請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの形成ウェルの各々に形成構造をさらに含み、前記形成構造は、前記ギャップが閉じられるように前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを保持する、
請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの形成ウェルの各々の中に形成構造をさらに含み、前記形成構造は、前記ギャップが閉じられるように前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを保持し、前記形成構造は、少なくとも1つの形成ピン又は少なくとも1つの形成フィンガーである、
請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
使用時に、アプライヤが前記1つ以上のクリップを前記少なくとも1つの形成ウェルから除去することを補助するガイド構造をさらに含む、
請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
使用時に、アプライヤが前記1つ以上のクリップを前記少なくとも1つの形成ウェルから取り外すことを補助するガイド構造をさらに含み、前記ガイド構造は、
(i)傾斜面と、
(ii)サイドチャネルと、及び
(iii)壁ガイドと、からなる群より選択される、
請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上の部分的にしか硬化していないゴム状クリップを硬化させた後、前記1つ以上のクリップを含有する前記カートリッジを滅菌することをさらに含む、
請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
クリップを操作するためのアプライヤであって、前記アプライヤは、
(a)少なくとも実質的に第1シャフト先端部にある第1挟持先端部と、少なくとも実質的に第1シャフトハンドル端部にある第1ハンドルと、及び前記第1シャフト先端部と前記第1シャフトハンドル端部との間にある第1シャフト中間点とを有する、第1シャフトと、
(b)少なくとも実質的に第2シャフト先端部にある第2挟持先端部と、少なくとも実質的に第2シャフトハンドル端部にある第2ハンドルと、及び前記第2シャフト先端部と第2シャフト前記ハンドル端との間にある第2シャフト中間点とを有する、第2シャフトと、
(c)前記第1シャフトと前記第2シャフトとを、前記第1シャフト中間点及び前記第2シャフト中間点で枢動可能に接続する固定ピボットと、
(d)係脱可能なロックであって、前記ロックが係合したときに前記ハンドルが広がることを実質的に防止する、前記ロックと、を備え、
(e)前記アプライヤは、
(i)前記第1挟持先端部が前記第2挟持先端部から相対的に離れており、前記第1ハンドルが前記第2ハンドルから相対的に離れており、かつ前記ロックが係合されていない非挟持段階と、
(ii)前記第1挟持先端部が前記第2挟持先端部に相対的に近く、前記第1ハンドルが前記第2ハンドルに相対的に近く、かつ前記ロックが係合されていない挟持段階と、及び
(iii)前記第1挟持先端部が前記第2挟持先端部から中間の距離にあり、前記第1ハンドルが前記第2ハンドルから中間の距離にあり、かつ前記ロックが係合されている部分挟持段階と、
を含む少なくとも3つの段階を有する、
アプライヤ。
【請求項19】
前記挟持先端部の各々は、内側に傾斜した挟持先端部である、
請求項18に記載のアプライヤ。
【請求項20】
前記第1シャフトの前記ハンドルと前記第2シャフトの前記ハンドルとの間の距離の増大を促すためのエキスパンダをさらに備え、前記エキスパンダは、前記第1シャフトの前記第1ハンドルの端部と前記第2シャフトの前記第2ハンドルの端部とに取り付けられる、
請求項18に記載のアプライヤ。
【請求項21】
前記ロックは係合すると前記アプライヤを前記部分挟持段階に維持し、それによって、前記エキスパンダが前記第1シャフトの前記ハンドルと前記第2シャフトの前記ハンドルとの間の前記距離を増加させることを防止する、
請求項20に記載のアプライヤ。
【請求項22】
前記係脱可能なロックは、前記第1シャフトに関連する第1ロック部と前記第2シャフトに関連する第2ロック部とを有する二部構成のロックである、
請求項18から21のいずれか一項に記載のアプライヤ。
【請求項23】
前記第1挟持先端部と前記第2挟持先端部との間の前記距離を制限するためのリミッタをさらに備える、
請求項18から21のいずれか一項に記載のアプライヤ。
【請求項24】
1つ以上のクリップを保持するためのカートリッジであって、前記1つ以上のクリップの各々は、対向側面が延びる上部を有し、側面の各々は歯で終了し、前記1つ以上のクリップは前記対向側面の歯が接触しない開位置を有し、前記クリップは前記対向側面の前記歯が接触する閉位置を有する、前記カートリッジは、
(a)カートリッジ本体と、
(b)前記本体内に十分に画定された少なくとも1つの形成ウェルと、
(c)前記1つ以上のクリップの少なくとも1つを前記対向側面の歯が接触する前記閉位置に保持するサイズ及び形状を有する前記少なくとも1つの形成ウェルの各々であって、前記1つ以上のクリップの各々の上部の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの形成ウェルから突出している、前記形成ウェルの各々と、を備える、
カートリッジ。
【請求項25】
前記少なくとも1つの形成ウェルは、前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に複数の前記クリップを保持するサイズ及び形状を有する単一の細長いチャネル形成ウェルである、
請求項24に記載のカートリッジ。
【請求項26】
前記少なくとも1つの形成ウェルは、複数の個別の形成ウェルであって、前記個別の形成ウェルの各々は、前記1つ以上のクリップの1つを前記対向側面の前記歯が接触する前記閉位置に保持するサイズ及び形状を有する、
請求項24に記載のカートリッジ。
【請求項27】
前記少なくとも1つの形成ウェル内に形成構造をさらに含む、
請求項24に記載のカートリッジ。
【請求項28】
前記少なくとも1つの形成ウェル内に形成構造をさらに含み、前記形成構造は、少なくとも1つの形成ピン又は少なくとも1つの形成フィンガーである、
請求項24に記載のカートリッジ。
【請求項29】
アプライヤが前記クリップを前記形成ウェルから除去することを補助するガイド構造をさらに含む、
請求項24から28のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項30】
アプライヤが前記クリップを前記形成ウェルから取り外すことを補助するガイド構造をさらに含み、前記ガイド構造は、
(i)傾斜面と、
(ii)サイドチャネルと、
(iii)壁ガイドと、からなる群より選択される、
請求項24から28のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項31】
クリップを操作するためのアプライヤであって、
(a)少なくとも実質的に第1シャフト先端部にある第1挟持先端部と、少なくとも実質的に第1シャフトハンドル端部にある第1ハンドルと、前記第1シャフト先端部及び前記第1シャフトハンドル端部の間にある第1シャフト中間点とを有する、第1シャフトと、
(b)少なくとも実質的に第2シャフト先端部にある第2挟持先端部と、少なくとも実質的に第2シャフトハンドル端部にある第2ハンドルと、前記第2シャフト先端部及び前記第2シャフト前記ハンドル端部の間にある第2シャフト中間点とを有する、第2シャフトと、
(c)前記第1シャフト及び前記第2シャフトを、前記第1シャフト中間点及び前記第2シャフト中間点で枢動可能に接続する固定ピボットと、
(d)前記第1挟持先端部及び前記第2挟持先端部との間の距離を制限するためのリミッタと、を備える、
アプライヤ。
【請求項32】
第1屈曲中央シャフト部分を有する前記第1シャフトと、
第2屈曲中央シャフト部分を有する前記第2シャフトと、をさらに備え、
前記第1シャフトと前記第2シャフトとが重なるとき、前記第1屈曲中央シャフト部分と前記第2屈曲中央シャフト部分とがそれらの間に中央開口部を画定する、
請求項31に記載のアプライヤ。
【請求項33】
前記第1シャフトの前記ハンドルと前記第2シャフトの前記ハンドルとの間の距離の増大を促すためのエキスパンダをさらに備え、前記リミッタは、前記第1シャフトと前記第2シャフトの少なくとも一方に沿って配置され、前記リミッタは前記固定ピボットと前記エキスパンダとの間に配置される、
請求項31に記載のアプライヤ。
【請求項34】
(a)前記第1シャフトの前記ハンドルと前記第2シャフトの前記ハンドルとの間の距離の増大を促すためのエキスパンダと、
(b)前記第1挟持先端部と前記第2挟持先端部との間の距離を制限するためのリミッタであって、前記第1シャフトと前記第2シャフトの少なくとも一方に沿って配置される、前記リミッタと、をさらに備え、
(c)前記リミッタは前記固定ピボットと前記エキスパンダとの間に配置される、
請求項18に記載のアプライヤ。
【請求項35】
第1屈曲中央シャフト部分を有する前記第1シャフトと、
第2屈曲中央シャフト部分を有する前記第2シャフトと、をさらに備え、
前記第1シャフトと前記第2シャフトとが重なるとき、前記第1屈曲中央シャフト部分と前記第2屈曲中央シャフト部分とが、その間に中央開口部を画定する、
請求項23に記載のアプライヤ。
【請求項36】
前記第1挟持先端部と前記第2挟持先端部との間の距離を制限するための調整可能なリミッタをさらに備える、
請求項18から21のいずれか一項に記載のアプライヤ。
【請求項37】
前記第1挟持先端部と前記第2挟持先端部との間の距離を制限するための突起リミッタをさらに備える、
請求項18から21のいずれか一項に記載のアプライヤ。
【請求項38】
前記第1挟持先端部と前記第2挟持先端部との間の距離を制限するためのショルダーリミッタをさらに備える、
請求項18から21のいずれか一項に記載のアプライヤ。
【請求項39】
アプライヤの挟持先端部は、クリップの上部の前記少なくとも一部と係合して、前記クリップをそれぞれの形成ウェルから除去するために使用することができる、
請求項24から28のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
図示する例示的な好ましいアプライヤ300、320、340の各々はまた、少なくとも1つの任意のリミッタ314、315、334、354を含む。任意のリミッタ314、315、334、354の目的は、挟持段階で強く挟み込むことによって、挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bがクリップ100を破損する(開きすぎ、あるいは別の方法でプラスチック変形が生じる)ことを防止することである。図示する例示的な任意のリミッタは、調整可能なリミッタ314、315(図10~11に位置固定具315(例えばボルト及びナット)を有するスロット314として示す)又は内蔵リミッタ334、354(例えば、図12~13バンプ又は突起334(突起リミッタ)として示し図14~15ショルダー354(ショルダーリミッタ)として示す)であってもよい。リミッタ314、315、334、354は、第1ハンドル306a、326a、346a及び/又は第2ハンドル306b、326b、346bに関連付けられてもよい。あるいは、リミッタは、挟持先端部304a~b、324a~b、344a~bの近くに配置され得る。ハンドル306a~b、326a~b、346a~bが挟持段階中に共に握られるとき、任意のリミッタ314、315、334、354は、ハンドル306a~b、326a~b、346a~b(及びそれによって挟持先端部304a~b、324a~b、344a~b)が所定の離間距離よりも近づいてクリップ100を開きすぎることを防ぐ。
【国際調査報告】