(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】補強された電気端子
(51)【国際特許分類】
H01R 13/11 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
H01R13/11 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577122
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 IB2021055341
(87)【国際公開番号】W WO2021255675
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ライボルト,クリストファー ライアン
(72)【発明者】
【氏名】キンゼイ,フォレスト アービング ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ヘトリック,ライアン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ジョン マーク
(57)【要約】
電気コンタクト(10)は、相手側コンタクトと嵌合するための嵌合部分(12)を備える。嵌合部分(12)は、コンタクト部分(16)および保持部分(32)を有する。嵌合部分(12)は、嵌合部分底壁(18)、嵌合部分頂壁(20)および嵌合部分側壁(22、24)を有する。対応する嵌合部分側壁(22)は、頂壁(28)を越えて延びる上側部分(26)を有する。保持部分(32)は、保持部分頂壁(28)、保持部分側壁(30)および保持部分後壁(50)を有する。保持部分後壁(50)は、嵌合部分頂壁(20)、対応する嵌合部分側壁(22)の上側部分(26)、保持部分頂壁(28)および保持部分側壁(30)の間に設けられる空間に近似するように構成される。保持部分後壁(50)は、力が保持部分(32)に印加されることに伴う保持部分(32)の損傷または変形を防止する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コンタクトと嵌合するための嵌合部分(12)
を備える電気コンタクト(10)であって、
前記嵌合部分(12)は、コンタクト部分(16)および保持部分(32)を有し、
前記嵌合部分(12)は、嵌合部分底壁(18)、嵌合部分頂壁(20)および嵌合部分側壁(22、24)を有し、
対応する嵌合部分側壁(22)は、頂壁(20)を越えて延びる上側部分(26)を有し、前記上側部分(26)は、前記保持部分(32)を形成するように延び、
前記保持部分(32)は、保持部分頂壁(28)、保持部分側壁(30)および保持部分後壁(50)を有し、前記保持部分後壁(50)は、前記嵌合部分頂壁(20)、前記対応する嵌合部分側壁(22)の前記上側部分(26)、前記保持部分頂壁(28)および保持部分側壁(30)の間に設けられている空間に近似するように構成され、
前記保持部分後壁(50)は、力が前記保持部分(32)に印加されることに伴う前記保持部分(32)の損傷または変形を防止するように、前記嵌合部分頂壁(20)、前記対応する嵌合部分側壁(22)の前記上側部分(26)、前記保持部分頂壁(28)および保持部分側壁(30)のうちの1つまたは複数と協働する、
電気コンタクト(10)。
【請求項2】
前記保持部分側壁(30)は、前記保持部分頂壁(28)および前記嵌合部分頂壁(20)に対して傾斜している、
請求項1に記載の電気コンタクト(10)。
【請求項3】
傾斜した前記保持部分側壁(30)の自由端部(48)が、前記嵌合部分頂壁(20)の近傍に配置されている、
請求項2に記載の電気コンタクト(10)。
【請求項4】
前記保持部分後壁(50)は、前記傾斜した保持部分側壁(30)から略90度で、前記傾斜した保持部分側壁(30)から延びる、
請求項3に記載の電気コンタクト(10)。
【請求項5】
デテント(60)が、前記保持部分側壁(30)に設けられ、前記デテント(60)は、前記保持部分側壁(30)の自由端部(48)から延びる、
請求項1に記載の電気コンタクト(10)。
【請求項6】
前記デテント(60)は、前記保持部分側壁(30)の前記自由端部(48)の近傍に設けられている係合肩部(62)を有する、
請求項5に記載の電気コンタクト(10)。
【請求項7】
デテント受け入れ開口部(64)が、前記嵌合部分頂壁(20)に設けられ、前記デテント受け入れ開口部(64)は、前記デテント(60)と位置合わせして配置されている、
請求項6に記載の電気コンタクト(10)。
【請求項8】
前記デテント受け入れ開口部(64)は、前記嵌合部分側壁(24)の近傍に設けられている係合肩部(66)を有する、
請求項7に記載の電気コンタクト(10)。
【請求項9】
固定部分(52)が、前記保持部分後壁(50)から延び、
前記固定部分(52)は、前記嵌合部分頂壁(20)に形成されている空洞部(54)内へと延びる、
請求項1に記載の電気コンタクト(10)。
【請求項10】
前記保持部分(32)は、前記嵌合部分頂壁(20)および前記嵌合部分側壁(24)を通して延びる開口部(64)を有し、
前記開口部(64)は、前記電気コンタクト(10)が挿入されるコネクタハウジングのロック突起を受け入れるような寸法を有する、
請求項1に記載の電気コンタクト(10)。
【請求項11】
前記嵌合部分(12)は、それぞれ前記嵌合部分底壁(18)および前記嵌合部分頂壁(20)から一体に形成されている第1の弾性コンタクト突起(36)および第2の弾性コンタクト突起(38)を有する、
請求項10に記載の電気コンタクト(10)。
【請求項12】
前記弾性コンタクト突起(36、38)は、可動のコンタクト領域(44、46)を有し、
前記コンタクト領域(44、46)は、丸みを有し、横方向にオフセットされている、
請求項11に記載の電気コンタクト(10)。
【請求項13】
過応力保護部分(21)が、対応するコンタクト突起(38)の過応力を防止するために協働するように前記嵌合部分側壁(24)から延びる、
請求項12に記載の電気コンタクト(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、向上した強度を有する電気端子を対象とする。特に、本発明は、品質検査またはコネクタハウジングへの組み付けを行う際の損傷を回避するために、向上した強度を有する端子を対象とする。
【背景技術】
【0002】
小型なサイズの電気コネクタの需要が高まり続けている。コネクタをより小さくすることに伴い、コネクタに配置される電気端子もより小さくする必要がある。端子の小型化には、端子の製造者において使用される材料をより少なくすることが必要となる。それにより、端子が、使用中において、または試験、品質検査もしくはコネクタハウジングへの組み付けを行う際に、損傷または変形を被りやすくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決されるべき課題は、損傷または変形を防止するために、向上した強度を有する端子を提供することである。また、端子の全体サイズを大きくすることなく、そのような補強された端子を提供することも有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、一体品のコネクタにより解決され、それにより、設置中に脱落し得るまたは動作中に緩み得る緩んだ構成要素(loose components)がなくなる。
【0005】
一実施形態は、電気コンタクト、相手側コンタクトと嵌合するための嵌合部分を対象とする。嵌合部分は、コンタクト部分および保持部分を有する。嵌合部分は、嵌合部分底壁、嵌合部分頂壁および嵌合部分側壁を有する。対応する嵌合部分側壁は、頂壁を越えて延びる上側部分を有し、上側部分は、保持部分を形成するように延びる。保持部分は、保持部分頂壁、保持部分側壁および保持部分後壁を有する。保持部分後壁は、嵌合部分頂壁、対応する嵌合部分側壁の上側部分、保持部分頂壁および保持部分側壁の間に設けられる空間に近似するように構成される。保持部分後壁は、力が保持部分に印加されることに伴う保持部分の損傷または変形を防止するように、嵌合部分頂壁、対応する嵌合部分側壁の上側部分、保持部分頂壁および保持部分側壁のうちの1つまたは複数と協働する。
【0006】
ここで、添付の図面を参照して、本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る電気端子の例示的実施形態の前方斜視図である。
【
図7】本発明の電気端子の第1の代替的実施形態の後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1および
図2の例示的実施形態に示すように、レセプタクルコンタクト10は、嵌合部分12と、移行部分または移行領域14を含む。移行部分14は、成端部分(不図示)、例えば限定されるものではないが圧着部分まで延びる。レセプタクルコンタクト10全体は、単一体のスタンピング加工された金属薄膜の形態から形成され、これは、
図1および
図2に示す構成にスタンピング加工および形成または曲げ加工される。
【0009】
図1に示すように、嵌合部分12は、前端部または相手側コンタクト受け入れ端部13、および移行部分14の近傍の後端部15を含む。嵌合部分12は、対応する相手側コンタクトまたは相手側ピンコンタクト(不図示)を受け入れるためのボックス状コンタクト部分16を含む。ボックス状コンタクト部分16は、底壁18、頂壁20および側壁22、24を有する。
【0010】
対応する側壁22は、頂壁20を越えて延びる上側部分26を有する。側壁22の上側部分26は、頂壁28および傾斜側壁30を提供するように形成される。側壁22の上側部分26、頂壁28および傾斜側壁30は、コンタクト10の嵌合部分12の保持部分32を形成する。保持部分32は、嵌合部分12の前端部13から後端部15まで延びる。
【0011】
図1および
図2に示すように、側壁22の上側部分26、頂壁28および傾斜側壁30には、空洞部または開口部34が設けられる。開口部34は、コンタクト10が挿入されるコネクタハウジング(不図示)のロック突起(不図示)を受け入れるように構成される。ロック突起は、レセプタクルコンタクト10をハウジングにおける所定位置に維持するように空洞部または開口部34と協働するような寸法を有する。ロック突起は、ハウジングにおけるレセプタクルコンタクト10の一次的な保持を提供するようにレセプタクルコンタクト10と協働する。
【0012】
代替的実施形態において、側壁22の上側部分26、頂壁28または傾斜側壁30は、外方に突出する方向決めおよび/またはロック機構またはロック突起(不図示)を有していてもよい。ロック突起は、レセプタクルコンタクト10をハウジング(不図示)における所定位置に維持するようにハウジングの空洞部と協働するような寸法を有する。ロック突起は、ハウジングにおけるレセプタクルコンタクト10の一次的な保持を提供するようにハウジングと協働する。ロック突起は、極性付与手段(polarizing means)として機能してもよい。レセプタクルコンタクト10が挿入されるハウジングが、当該突起が配置される対応する空洞部を有する場合、レセプタクルコンタクト10がハウジングに不適当に挿入される可能性がなくなることが保証される。
【0013】
図3に示すように、一体品のレセプタクルコンタクト10は、第1の弾性コンタクト突起36および第2の弾性コンタクト突起またはスプリングアーム38を有する。これらは、それぞれ底壁18および頂壁20から一体に形成される。これら2つの弾性コンタクトアーム36、38の一部は、互いに向かって延びる。弾性コンタクト突起36、38には、それぞれの自由に動くことが可能なコンタクト領域44、46(
図4および
図6)がその近傍に設けられる。図示の実施形態において、コンタクト領域44、46は、丸みを有し、横方向にオフセットされるが、互いに比較的近接している。そのため、小型のコンタクトピンが挿入される場合であっても、安定かつ高信頼な機械的および電気的接続が保証される。
少なくともコンタクト領域44、46の領域において、弾性コンタクト突起36、38には、金またはスズのオーバーレイなどのめっき層またはメタライズ層が設けられることが好ましい。それにより、挿入されるコンタクトピンとの電気的接続の向上がもたらされる。過応力保護部分21が、コンタクト突起38の過応力を防止するために弾性コンタクトアーム38の自由端部42と協働するように(
図6に示すように)側壁24から延びる。過応力保護部分21は、頂壁20に実質的に平行に延びる。
【0014】
図1に示すように、傾斜側壁30の自由端部48が、ボックス状コンタクト部分16の頂壁20の近傍に配置される。自由端部48は、力がコンタクト10に印加されていないとき、頂壁20の近傍にまたは頂壁20と係合するように配置されてよい。力が側壁22の上側部分26、頂壁28または傾斜側壁30に印加されると、保持部分32が圧縮または回転する場合があり、その結果自由端部48が頂壁20に係合し、それにより保持部分32の変形が防止される。
【0015】
図2および
図4に示すように、保持部分32は、傾斜側壁30から延びる後壁50を有する。後壁50は、傾斜側壁30から略90度で延びる。後壁50は、傾斜側壁30、ボックス状コンタクト部分16の頂壁20、側壁22の上側部分26、および頂壁28の間に設けられる空間に近似するように構成される。後壁50の固定部分52が、後端部15の近傍においてボックス状コンタクト部分16の頂壁20に形成される空洞部54内へと延びる。空洞部54は、
図2および
図4に示すように、頂壁20を通して延び、後壁50の固定部分52を受け入れて保持するような寸法を有する切抜き部または開口部である。
【0016】
図1、
図2、
図5および
図6に示すように、保持部分32は、傾斜側壁30の長さに沿って離隔している複数のデテント(detents)60を有する。デテント60は、傾斜側壁30の自由端部48から延びる。図示の例示的実施形態においては、2つのデテント60が示されている。ただし、他の数および構成のデテントが用いられてもよい。
図5に示すように、デテント60は、傾斜側壁30の自由端部48の近傍に設けられる係合肩部62を有する。
【0017】
図5に示すように、複数のデテント受け入れ開口部64が、ボックス状コンタクト部分16の頂壁20の長さに沿って離隔している。デテント受け入れ開口部64は、デテント60と位置合わせして配置される。図示の例示的実施形態においては、2つのデテント受け入れ開口部64が示されている。デテント受け入れ開口部64は、ボックス状コンタクト部分16の側壁24の近傍に設けられる係合肩部66を有する。
【0018】
使用中において、コンタクト10は、コンタクト受け入れハウジング(不図示)のコンタクト受け入れ空洞部に挿入される。コンタクト10が完全にまたは適切に挿入されない場合、コンタクト受け入れ空洞部は、コンタクト10を完全に密閉または密封しない。それにより、コンタクト10、特に保持部分32が、頂部または側部から二次的なロック等により係合されることが可能となる。既知のコンタクトにおいては、頂壁28および傾斜側壁30が容易に移動または変形し得るため、そのような係合に伴う力によって保持部分の故障が生じ得る。これに対し、本発明の保持部分32は、端子の全体サイズを大きくすることなく損傷または変形を防止するように補強されている。
【0019】
図4~
図6を参照すると、保持部分32の頂面28に印加される力F1により、後壁50の固定部分52が(
図4~
図6において見られるように)さらに下方に空洞部54内へと移動する。これが生じることに伴い、後壁50の側壁70が一方の側壁22に係合する。代替的に、力F1が印加されることに伴い、固定突起52の側壁72が、頂壁20に形成される空洞部54の側壁74に係合する。いずれの場合においても、ボックス状コンタクト部分16に対する後壁50および保持部分32の横方向の移動が防止される。
【0020】
加えて、力F1が保持部分32の頂面28に印加されることに伴い、デテント60の係合肩部62がデテント受け入れ開口部64の係合肩部66に係合することで、ボックス状コンタクト部分16に対するデテント60および保持部分32の下方向および横方向の移動が防止される。そのようにすることで、保持部分32およびコンタクト10が、端子の全体サイズを大きくすることなく損傷または変形を防止するように補強される。
【0021】
図4~
図6を再び参照すると、側壁22に印加される力F2により、後壁50の固定部分52が、頂壁20に形成される空洞部54の側壁74に係合することで、ボックス状コンタクト部分16に対する後壁50および保持部分32の横方向の移動が防止される。加えて、デテント60の係合肩部62がデテント受け入れ開口部64の係合肩部66に係合することで、ボックス状コンタクト部分16に対するデテント60および保持部分32の下方向および横方向の移動が防止される。そのようにすることで、保持部分32およびコンタクト10が、端子の全体サイズを大きくすることなく損傷または変形を防止するように補強される。
【0022】
図4~
図6を再び参照すると、傾斜側壁30に印加される力F3により、後壁50の側壁70が側壁22に係合することで、ボックス状コンタクト部分16に対する後壁50および保持部分32の横方向の移動が防止される。そのようにすることで、保持部分32およびコンタクト10が、端子の全体サイズを大きくすることなく損傷または変形を防止するように補強される。
【0023】
コンタクト110の代替的実施形態が、
図7~
図9に示されている。コンタクト110は、単一の材料片からスタンピング加工され、
図7に示す構成に形成される。この実施形態において、コンタクト110は、嵌合部分112および移行部分または移行領域114を有する。コンタクト110、嵌合部分112および移行部分114は、コンタクト10、嵌合部分12および移行部分14のものと同様である。
【0024】
保持部分132は、傾斜側壁130から延びる後壁150を有する。後壁150は、傾斜側壁130から略90度で延びる。後壁150は、傾斜側壁130、ボックス状コンタクト部分116の頂壁120、側壁122の上側部分126、および頂壁128の間に設けられる空間に近似するように構成される。
図8に示すように、頂壁120の遠位端部に設けられる固定タブ152が、後端部115の近傍において側壁122に形成される空洞部154内へと延びる。空洞部154は、
図7および
図8に示すように、側壁122を通して延び、固定タブ152を受け入れて保持するような寸法を有する切抜き部または開口部である。
【0025】
保持部分132は、傾斜側壁130に設けられるデテント160を有する。デテント160は、傾斜側壁130の自由端部148から延びる。図示の例示的実施形態においては、1つのデテント160が示されている。ただし、他の数および構成のデテントが用いられてもよい。デテント160は、傾斜側壁130の自由端部148の近傍に設けられる係合肩部162(
図9)を有する。
【0026】
図9に示すように、デテント受け入れ開口部164が、ボックス状コンタクト部分116の頂壁120に設けられる。デテント受け入れ開口部164は、デテント160と位置合わせして配置される。図示の例示的実施形態においては、1つのデテント受け入れ開口部164が示されている。デテント受け入れ開口部164は、ボックス状コンタクト部分116の側壁124の近傍に設けられる係合肩部166を有する。
【0027】
使用中において、コンタクト110は、コンタクト受け入れハウジング(不図示)のコンタクト受け入れ空洞部に挿入される。コンタクト110が完全にまたは適切に挿入されない場合、コンタクト受け入れ空洞部は、コンタクト110を完全に密閉または密封しない。それにより、コンタクト110、特に保持部分132が、頂部または側部から二次的なロック等により係合されることが可能となる。
【0028】
図8および
図9を参照すると、保持部分132の頂面128に印加される力F4により、後壁150の底壁171が頂壁120に係合する。頂壁120の固定タブ152は空洞部154に配置されているので、固定タブ152が空洞部154の壁173に係合することで、固定タブ152および頂壁120の下方向の移動が防止される。頂壁120が下方に移動することが防止されるので、(
図8および
図9において見られるように)後壁150が下方に移動することも防止される。
【0029】
力F4が保持部分132の頂面128に印加されることに伴い、後壁150の側壁170も側壁122に係合することで、ボックス状コンタクト部分116に対する後壁150および保持部分132の横方向の移動が防止され得る。加えて、デテント160の係合肩部162がデテント受け入れ開口部164の係合肩部166に係合することで、ボックス状コンタクト部分116に対するデテント160および保持部分132の下方向および横方向の移動が防止される。そのようにすることで、保持部分132およびコンタクト110が、端子の全体サイズを大きくすることなく損傷または変形を防止するように補強される。
【0030】
図8および
図9を再び参照すると、側壁122に印加される力F5により、デテント160の係合肩部162がデテント受け入れ開口部164の係合肩部166に係合することで、ボックス状コンタクト部分116に対するデテント160および保持部分132の下方向および横方向の移動が防止される。そのようにすることで、保持部分132およびコンタクト110が、端子の全体サイズを大きくすることなく損傷または変形を防止するように補強される。
【0031】
図8および
図9を再び参照すると、傾斜側壁130に印加される力F6により、後壁150の側壁170が側壁122に係合することで、ボックス状コンタクト部分116に対する後壁150および保持部分132の横方向の移動が防止される。そのようにすることで、保持部分132およびコンタクト110が、端子の全体サイズを大きくすることなく損傷または変形を防止するように補強される。
【0032】
コンタクト10、110は、損傷または変形を防止するように向上した強度を有する。コンタクト10、110は、端子の全体サイズを大きくすることなく、増大した強度および安定性を提供し、それにより、これらのコンタクトを小型のコンタクトに用いることが可能となる。
【国際調査報告】