(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】裏側金属が露出されたアンダーマウントされたダイを含む半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/34 20060101AFI20230714BHJP
H01L 23/50 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
H01L23/34 B
H01L23/50 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578584
(86)(22)【出願日】2021-06-07
(85)【翻訳文提出日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 US2021036200
(87)【国際公開番号】W WO2021257312
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】パトリック フランシス トンプソン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ダニエル マナック
(72)【発明者】
【氏名】マジソン パイジ コジオル
【テーマコード(参考)】
5F067
5F136
【Fターム(参考)】
5F067AB02
5F067BE10
5F067DE01
5F067DF20
5F136BA30
5F136BB18
5F136FA03
5F136FA51
(57)【要約】
半導体パッケージ(100)が、活性面(113)及び不活性面(114)を備える半導体ダイ(112)を含み、活性面は、半導体ダイの機能回路要素に電気的接続を提供する金属ピラー(116)と、不活性面上の裏側金属層(118)とを含む。裏側金属層は不活性面に取り付けられる。半導体パッケージは複数のリード(122)を更に含み、リードの各々は、内部リードフィンガー(125)と、ボンディング部分(127)を含む露出部分とを含む。金属ピラーの遠端は、内部リードフィンガー部分に接触し電気的に結合される。裏側金属層は半導体パッケージの外側表面上に露出される。ボンディング部分と裏側金属層は互いにほぼ平面である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体パッケージであって、
活性面及び不活性面を備える半導体ダイと、
前記不活性面上の裏側金属層と、
複数のリードと、
を含み、
前記活性面が、前記半導体ダイの機能回路要素に電気的接続を提供する金属ピラーを含み、
前記裏側金属層が、前記不活性面に取り付けられ、
前記複数のリードの各々が、内部リードフィンガー部分と、ボンディング部分を含む露出部分とを含み、
前記金属ピラーの遠端が、前記内部リードフィンガー部分に接触し電気的に結合され、
前記裏側金属層が、前記半導体パッケージの外側面上に露出され、
前記ボンディング部分及び前記裏側金属層が互いに対してほぼ平面である、
半導体パッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体パッケージであって、前記複数のリードが、集合的にリードフレームアップセットを形成する屈曲部を含み、前記半導体ダイが、前記リードフレームアップセットによって形成されたキャビティ内にある、半導体パッケージ。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体パッケージであって、前記リードの前記内部リードフィンガー部分を覆い前記半導体ダイを部分的に覆うモールドコンパウンドを更に含む、半導体パッケージ。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体パッケージであって、前記裏側金属層を囲む前記モールドコンパウンドが、前記裏側金属層及び前記ボンディング部分に対してほぼ平面である、半導体パッケージ。
【請求項5】
請求項3に記載の半導体パッケージであって、
前記裏側金属層が前記半導体パッケージのX-Y面上に露出され、
前記複数のリードが、前記X-Y面のY次元に延在する2列のリードを形成し、
前記Y次元における前記モールドコンパウンドの長さが約1ミリメートル(mm)~約6.5mmであり、
前記X-Y面のX次元における前記モールドコンパウンドの幅が約0.6mm~約3.5mmであり、
前記X-Y面に対して概して直交するZ次元における前記モールドコンパウンドの高さが約0.2mm~約1.8mmである、
半導体パッケージ。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体パッケージであって、
前記Y次元における前記モールドコンパウンドの前記長さが約2.8mm~約3mmであり、
前記Z次元における前記モールドコンパウンドの前記幅が約1.2mm~約1.4mmである、
半導体パッケージ。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体パッケージであって、前記Z次元における前記モールドコンパウンドの前記高さが約0.3mm~約0.4mmである、半導体パッケージ。
【請求項8】
請求項6に記載の半導体パッケージであって、
前記半導体ダイの反対側の前記内部リードフィンガー部分に実装された受動構成要素を更に含み、
前記受動構成要素が前記内部リードフィンガー部分に接触し電気的に結合され、
前記受動構成要素が前記モールドコンパウンドによって少なくとも部分的に覆われ、
前記Z次元における前記モールドコンパウンドの前記高さが約0.5mm~約1.3mmである、
半導体パッケージ。
【請求項9】
請求項3に記載の半導体パッケージであって、前記複数のリードの一部分が、前記モールドコンパウンドによって覆われ、前記ボンディング部分を含む遠位足部を形成する屈曲部を含む、半導体パッケージ。
【請求項10】
請求項1に記載の半導体パッケージであって、前記半導体ダイの反対側の前記内部リードフィンガー部分に実装された受動構成要素を更に含む、半導体パッケージ。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体パッケージであって、前記半導体ダイが前記内部リードフィンガー部分を介して前記受動構成要素に電気的に結合される、半導体パッケージ。
【請求項12】
請求項10に記載の半導体パッケージであって、
前記リードの前記内部リードフィンガー部分を覆い前記半導体ダイ及び前記受動構成要素を部分的に覆うモールドコンパウンドを更に含み、
前記受動構成要素が露出された表面を含む、
半導体パッケージ。
【請求項13】
請求項1に記載の半導体パッケージであって、
前記半導体ダイが第1の半導体ダイであり、
前記パッケージが、前記第1の半導体ダイの反対側の前記内部リードフィンガー部分に実装された第2の半導体ダイを更に含む、
半導体パッケージ。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体パッケージであって、前記第1の半導体ダイが、前記内部リードフィンガー部分を介して前記第2の半導体ダイに電気的に結合される、半導体パッケージ。
【請求項15】
請求項13に記載の半導体パッケージであって、前記リードの前記内部リードフィンガー部分を覆い前記第1の半導体ダイ及び前記第2の半導体ダイを部分的に覆うモールドコンパウンドを更に含み、
前記第2の半導体ダイが、露出された表面を含む、
半導体パッケージ。
【請求項16】
請求項1に記載の半導体パッケージであって、前記複数のリードの前記ボンディング部分及び前記裏側金属層が金属めっきを含む、半導体パッケージ。
【請求項17】
半導体パッケージを製造する方法であって、
半導体ダイの活性面から延在する金属ピラーを複数のリードの内部リードフィンガー部分に対して配置することであって、前記金属ピラーが前記半導体ダイの機能回路要素への電気的接続を提供することと、
前記金属ピラーの遠端を前記複数のリードの前記内部リードフィンガー部分に電気的に結合することと、
前記リードの前記内部リードフィンガー部分を覆い、前記半導体ダイを部分的に覆うように、モールドコンパウンドを成形することと、
前記複数のリードの各々の露出部分のボンディング部分を前記半導体ダイの不活性面の上に裏側金属層とほぼ平面になるように配置することと、
を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記複数のリードが、リードフレームアップセットを集合的に形成する屈曲部を含み、
前記半導体ダイの前記活性面から延在する金属ピラーを前記内部リードフィンガー部分に対して配置することが、前記半導体ダイを前記リードフレームアップセットによって形成されたキャビティ内に配置することを含む、
方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、前記成形することの前に、前記半導体ダイの前記不活性面を前記モールドコンパウンドから遮蔽するためにテープを適用することを更に含む、方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法であって、前記成形することの後に、前記パッケージの外部面面上で前記半導体ダイの前記不活性面を露出させるように前記モールドコンパウンドを除去することを更に含む、方法。
【請求項21】
請求項17に記載の方法であって、前記成形することの後に、前記複数のリードの前記ボンディング部分と前記裏側金属層とを金属めっきすることを更に含む、方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法であって、前記金属ピラーの前記遠端を前記複数のリードの前記内部リードフィンガー部分に電気的に結合することが、前記金属ピラーの遠端が前記複数のリードの前記内部リードフィンガー部分に電気的に結合されるように前記金属ピラーをリフローすることを含む、方法。
【請求項23】
請求項17に記載の方法であって、前記成形することの前に、受動構成要素を前記半導体ダイの反対側の前記内部リードフィンガー部分に実装することを更に含み、
前記成形することが、前記受動構成要素を少なくとも部分的に覆う、
方法。
【請求項24】
請求項17に記載の方法であって、
前記半導体ダイが第1の半導体ダイであり、
前記方法が、前記成形することの前に、第2の半導体ダイを前記第1の半導体ダイの反対側の前記内部リードフィンガー部分に実装することを更に含み、
前記成形することが、前記第2の半導体ダイを少なくとも部分的に覆う、
方法。
【請求項25】
請求項17に記載の方法であって、前記成形することの前に、前記ボンディング部分を含む足部を形成するように前記複数のリードの各々の前記露出部分を曲げることを更に含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
電子パッケージ技術は、小型化、集積化、及び高速化への傾向を継続している。内部に少なくとも一つの半導体ダイを含む半導体パッケージ、特に集積回路(IC)の場合、熱放散が重要な課題である。
【0003】
半導体パッケージは、集積回路チップ又は半導体ダイ及び関連するボンドワイヤ又は他の相互接続に対するサポートを提供し、環境からの保護を提供し、ダイのプリント回路基板(PCB)への表面実装及びプリント回路基板(PCB)との相互接続を可能にする。リードフレーム半導体パッケージは電子機器業界においてよく知られており、種々のICの収容、実装、及び相互接続のために広く用いられている。
【0004】
従来のリードフレームは、典型的にフラットストック金属のシートからダイスタンピングされ、パッケージ製造中に矩形フレームによって中央領域の周りに平面配置で一時的に一緒に保持される複数の金属リードを含む。半導体ダイのための実装パッドは、フレームに取り付けられる「タイバー」によって中央領域内に支持される。リードは、フレームと一体化された第1の端部から、ダイパッドに近接するがダイパッドから離間している反対側の第2の端部まで延在する。
【0005】
一つの従来のパッケージ構造は、ダイパッド及びワイヤボンドパッドを有するリードフレームを含む。ワイヤボンドがダイボンドパッドをリードフレームのワイヤボンドパッドに電気的に接続する。
【0006】
ワイヤボンドの代替がリードフレームパッケージ上のフリップチップである。配置工程において、入力/出力(IO)又はボンドパッド上にはんだバンプを有するダイが、ダイパッドを含むリードフレーム上、及び/又は、ボンドフィンガーと呼ばれることもある内部リードフィンガーを含む複数のリード上で、反転(フリップ)される。その後、はんだバンプリフロープロセスが行われ、ダイがダイパッドにボンディングされ、ボンドパッド上のバンプがリードフィンガーに電気的に結合される。フリップチップスモールアウトライントランジスタ(SOT)パッケージの場合、フリップチップダイはダイパッド無しにリードフィンガー上に直接実装され、はんだバンプリフローが続く。
【発明の概要】
【0007】
本明細書に開示されるパッケージは、半導体ダイからプリント回路板(PCB)等のワークピースへの直接熱経路を促進するための露出された裏側表面を備える内部リードフィンガー上にアンダーマウントされた半導体ダイを含む。開示されるパッケージは、アンダーマウントされた半導体ダイの活性面とリードフレームとの間の銅ピラー接続を更に含む。銅ピラー接続は、半導体ダイと内部リードフィンガーとの間に改善された熱伝導を提供して、パッケージの熱放散を更にサポートする。
【0008】
半導体ダイをアンダーマウントすることによって、従来のように実装されたフリップチップダイに比べてパッケージ全体の厚みが削減される。或いは、受動構成要素又は能動構成要素等の付加的な構成要素を内部リードフィンガーの頂部に実装することができ、それによって標準のSOTパッケージサイズ内で更なる集積化を促進する。
【0009】
一例において、半導体パッケージが、活性面及び不活性面を備える半導体ダイを含み、活性面は、半導体ダイの機能回路要素に電気的接続を提供する金属ピラーと、不活性面上の裏側金属層とを含む。裏側金属層は不活性面に取り付けられる。半導体パッケージは更に複数のリードを含み、リードの各々は、内部リードフィンガー部分と、ボンディング部分を含む露出部分とを含む。金属ピラーの遠端は、内部リードフィンガー部分に接し、内部リードフィンガー部分に電気的に結合される。裏側金属層は半導体パッケージの外側面上に露出される。ボンディング部分と裏側金属層とは互いにほぼ平面である。
【0010】
別の例において、パッケージを形成する方法が、半導体ダイの活性面から延在する金属ピラーを複数のリードの内部リードフィンガー部分に対して配置することであって、金属ピラーが半導体ダイの機能回路要素への電気的接続を提供することと、金属ピラーの遠端が複数のリードの内部リードフィンガー部分に電気的に結合されるように金属ピラーをリフローすることと、リードの内部リードフィンガー部分を覆い半導体ダイを部分的に覆うようにモールドコンパウンドを成形することと、複数のリードの各々の露出部分のボンディング部分を半導体ダイの不活性面上の裏側金属層とほぼ平面になるように配置することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】裏側金属が露出したアンダーマウントされた半導体ダイを備える薄型SOTパッケージを示す。
【
図1B】裏側金属が露出したアンダーマウントされた半導体ダイを備える薄型SOTパッケージを示す。
【
図1C】裏側金属が露出したアンダーマウントされた半導体ダイを備える薄型SOTパッケージを示す。
【
図1D】裏側金属が露出したアンダーマウントされた半導体ダイを備える薄型SOTパッケージを示す。
【0012】
【0013】
【
図3】
図1A~
図1Dのパッケージ等の裏側金属が露出したアンダーマウントされた半導体ダイを備える薄型SOTパッケージを製造するための方法のフローチャートである。
【0014】
【
図4A】標準SOTパッケージサイズ内に頂部側フリップチップ実装された半導体ダイとアンダーマウントされた半導体ダイとを備えるパッケージを示す。
【
図4B】標準SOTパッケージサイズ内に頂部側フリップチップ実装された半導体ダイとアンダーマウントされた半導体ダイとを備えるパッケージを示す。
【0015】
【
図5】標準SOTパッケージサイズ内に頂部側ワイヤボンディングされた半導体ダイと裏側金属が露出したアンダーマウントされた半導体ダイとを備えるパッケージを示す。
【0016】
【
図6】標準SOTパッケージサイズ内に伝導冷却を促進する裏側金属が露出した頂部側半導体ダイと、裏側金属が露出したアンダーマウントされた半導体ダイとを備えるパッケージを示す。
【0017】
【
図7】頂部側受動構成要素と、オーバーモールドではなくアンダーモールドを用いてアンダーマウントされた半導体ダイとを備え対流冷却を促進するパッケージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1A~
図1Dはパッケージ100を示す。具体的には、
図1A及び
図1Bはパッケージ100の斜視図を示し、
図1Cはモールドコンパウンド132が隠されたパッケージ100の平面図を示し、
図1Dはパッケージ100の断面図を示す。
【0019】
パッケージ100はリード122を含み、リード122は集合的にパッケージ100のリードフレームと呼ばれ得る。リード122の各々が2つの屈曲部を含みリードを3つのセグメントに分割する。即ち、従来のように実装されたフリップチップダイ及びアンダーマウントされたフリップチップダイの両方に対して又は他の回路構成要素に対して実装面を提供する内部リードフィンガー125と、外部足部126と、内部リードフィンガー125と外部足部126との間のテーパ状セグメント124との3つのセグメントに分割する。外部足部は、基板に固定するためのボンディング部分127を含む露出部分を含む。内部リードフィンガー125及び外部足部126はほぼ平行であるが、テーパ状セグメント124は、スタンピングによるリードフレームの成形を容易にするために、内部リードフィンガー125と外部足部126に対して90度未満の角度を有する。リード122の下側は、半導体ダイ又は他の回路構成要素をアンダーマウントするためのキャビティ130を形成する。
【0020】
内部リードフィンガー125は、従来のように実装されるための上部実装面とアンダーマウントされたフリップチップダイのための底部実装面の両方を含むが、パッケージ100は、アンダーマウントされた半導体ダイである半導体ダイ110のみを含む。このアンダーマウントされた構成において、半導体ダイ110の裏側金属層118が、直接表面実装のために、パッケージ100の底面に沿ってボンディング部分127と同じ平面において露出される。
【0021】
半導体ダイ110は、機能回路要素を含む活性面113と不活性面114とを有する基板112(例えば、シリコン又はシリコン/ゲルマニウム)と、基板112の不活性面114上の少なくとも一つの裏側金属層118とを含む。半導体ダイ110の機能回路要素は、半導体ダイ110の個片化の前に半導体ウェハ上に形成され、トランジスタ、ダイオード、キャパシタ、及び抵抗器等の回路要素、並びに、信号線、及び種々の回路要素を相互接続するその他の導電体を含む。非限定的な例として、そのような機能回路要素は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ、無線周波数チップ、メモリ、マイクロコントローラ、及びシステムオンチップ、又はそれらの組み合わせを含み得る。機能回路要素は、概して、デジタルIC(例えば、デジタル信号プロセッサ)、又は、BiMOS IC等のアナログIC(例えば、増幅器又は電力コンバータ)等の、パッケージの所望の機能性を実現及び実施する集積回路要素である。機能回路要素の機能は単純なデバイスから複雑なデバイスまで様々であり得る。
【0022】
銅ピラー116は、半導体ダイ110の機能回路要素から延在する。具体的には、銅ピラー116は、半導体ダイ110の誘電体層内のボンドパッド開口を介して延在し、半導体基板112内の機能回路要素(図示せず)を含むメタライゼーション層にボンディングされる。銅ピラー116は、フリップチップ構成における内部リードフィンガー部分125の底部実装面に銅ピラー116を電気的に接続するはんだ接合部117を含む。はんだ接合部117は銅ピラー116の頂部上にある。幾つかの例において、はんだ接合部117は、錫又は0~2.5重量パーセントの銀を含む錫等の錫-銀合金等の、無鉛はんだを含み得る。銅ピラー116は銅又は銅合金を含む。しかしながら、他の例において、異なる金属ピラー又は他の導電性ピラーが用いられ得る。また、銅ピラー116又は他の金属ピラーは、はんだ接合部117ではなく熱圧縮タイプのボンドを用いて内部リードフィンガー125に直接ボンディングされ得る。
【0023】
内部リードフィンガー部分125の不活性面への半導体ダイ110のフリップチップ取り付けの場合、はんだキャップ217(
図2D)を内部リードフィンガー部分125に接触させて半導体ダイ110が配置される。アセンブリは、はんだキャップ217をリフローするために加熱されてはんだ接合部117を形成し、それによって銅ピラー116が物理的及び電気的にリード122に結合される。このように、銅ピラー116は、半導体ダイ110のダイコンタクト又はボンドパッドを表す。はんだボール等の他のダイコンタクトも用いられ得る。しかしながら、はんだボールと比べると、銅ピラー116はリード122と半導体ダイ110との間に改善された熱伝導を提供し得、それによってパッケージ100に対する改善された熱放散を促進する。
【0024】
裏側金属層118は半導体ダイ110の基板112の不活性面114に直接取り付けられる。本明細書において、「直接取り付けられる」とは、介在する層を何も含まない接続を指す。
【0025】
裏側金属層118の領域が半導体ダイ110の不活性面114の領域に一致する。幾つかの例において、半導体ダイ110の不活性面114の領域に一致する裏側金属層118は、金属めっき及び基板112の不活性面114の露出された表面によって提供される。そのようなめっきは、基板112の不活性面114と同時に足部126の露出されたボンディング部分127を覆い得る。そのような例において、足部126のめっき層128は裏側金属層118と同じ金属を含む。
【0026】
他の例において、半導体ダイ110の不活性面114の領域に一致する裏側金属層118は、個片化の前に、半導体ダイ110の不活性面114上にある裏側金属層118によって提供され(例えば、半導体ダイ110がウェハの形態にある間に、裏側金属層118が、基板112の不活性面114上に堆積される)、その結果、個片化プロセスは、裏側金属層118と基板112の両方を介して、切断プロセスの間一定である領域を各々が有する複数の半導体ダイにウェハを切断する。
【0027】
種々の裏側金属層118が用いられ得る。裏側金属層118は、Siへの接着、望ましくない拡散に対する障壁、及びはんだ濡れ性外側面を提供する。一つの例において、裏側金属層118は、銅等の単一金属層を加えた接着/障壁層である。銅層の厚みは典型的に3μm~6μmであるが、この範囲より薄く又は厚くなり得る。一つの例示のプロセスは、銅層を形成する前に薄いシード層を形成することを含む。別の例において、裏側金属層は、半導体ダイ110の不活性面114上の第1の金属層と、第1の金属層上の、第1の金属層とは異なる少なくとも第2の金属層を含む多層金属スタックとを含む。例えば、第1の金属層はチタンを含み得る。チタンは、シリコン及び他の半導体との良好な接着性を提供し、そのため、効果的な「接着層」を生成することが知られている。他の例は、半導体ダイ110の不活性面114と接触する第1の層として、タンタル、パラジウム、バナジウム又はモリブデンを含み得る。チタンと同様に、これらの金属は比較的低温でシリコンと中間金属シリサイドを形成し得るため、シリコンに対して良好な接着を提供する。特定の多層裏側金属スタックの幾つかの例としては、Ti上のCu、Ti上のAg、Ti上のCu、及びTi上のNi上のAu、及びTi上のNi上のAg等の第1、第2、及び第3の金属層を含むスタックが含まれる。ニッケル層は下にある金属層を機械的引っかき傷や腐食から保護し得る。
【0028】
他の例において、第2の金属層はニッケルを含む。例えば、Ti上のNi上のAg、又はTi上のNi上のPdである。チタンは基板への金属拡散を阻止するための障壁層として機能し得、応力緩衝層を提供し、また、その高い破壊強度に起因して、金属スタック内部の破壊を防止するようにも機能する。多層金属スタックの典型的な厚みとしては、第1の金属層に対して1~2kÅ、第2の金属層に対して2~4kÅ、及び第3の金属層に対して10~20kÅが含まれ得る。第3の金属層に対するAuの場合、Auの厚みは20kÅよりも有意に厚く成り得る。しかしながら、それぞれの金属層の厚みはこれらの範囲よりも厚く又は薄く成り得る。
【0029】
リード122を含むリードフレーム等のリードフレームは、単一の薄い金属シート上にスタンピング又はエッチングによって形成される。複数の相互接続されたリードフレームが単一のリードフレームシート上に形成され得、相互接続されたリードフレームはリードフレームストリップと呼ばれる。シート上のリードフレームは行と列に配置され得る。タイバーがリードフレームのリードと他の要素を互いに接続し、リードフレームストリップ内の近隣のリードフレームの要素に接続する。リードフレームストリップの周囲でリードフレーム要素を支持するように、サイドレールがリードフレームのアレイを取り囲み、剛性を提供し得る。サイドレールは製造を支援するための整合特徴も含み得る。
【0030】
通常、ダイ実装、はんだリフロー又はワイヤボンディング等のダイからリードへの取り付け、及び、リードフレーム及びダイの少なくとも一部を覆うための成形は、リードフレームがリードフレームストリップとして一体的に接続されている間に行われる。そのようなプロセスが完了した後、リードフレーム及び場合によってはパッケージのモールドコンパウンドは、のこぎりやレーザー等の切断ツールを用いて切断(「個片化」又は「ダイシング」)される。これらの個片化により、リードフレームストリップが個別のICパッケージに切り離され、各ICパッケージは、個片化されたリードフレーム、少なくとも一つのダイ、ダイとリードフレームとの間の電気的接続(金又は銅ボンドワイヤ等)、及びこれらの構造の少なくとも一部を覆うモールドコンパウンドを含む。
【0031】
タイバー及びサイドレールはパッケージの個片化の間に除去され得る。「リードフレーム」という用語は、個片化後にパッケージ内に残るリードフレームストリップの部分を表す。パッケージ100に関し、そのリードフレームはリード122を含むが、それらの要素はパッケージ100の個片化後に相互接続されない。
【0032】
リード122はキャビティ130を提供するリードフレームアップセットを形成する。キャビティ130は、裏側金属層118がリード122のボンディング部分127に対して少なくともほぼ同一平面にあるような深さである。本明細書で用いられるように、「ほぼ」という用語は、正確な配置と機能的に同等であることを意味するために用いられる。例えば、ボンディング部分127及び裏側金属層118に関し、基板への物理的、電気的、又は熱的取り付けに悪影響を及ぼさない不整合は、ほぼ同一平面の定義内であると考えられる。
【0033】
リード122及びダイ110の構成は他の例において異なり得る。例えば、リード122は、ダイ110が足部126に対して窪んでいるように、より深い窪みを形成し得る。そのような例において、裏側金属層118がリード122のボンディング部分127に対してほぼ同一平面になるように裏側金属層118を構築するために、金属めっき層が裏側金属層118に付加され得る。
【0034】
モールドコンパウンド132は、ダイ110と、銅ピラー116と、リード122の内部リードフィンガー部分125とを含むパッケージ100の電子機器を覆う保護層を提供する。モールドコンパウンド132によって覆われたリード122の部分は、内部リードフィンガー125、テーパ状セグメント124、及び外部足部126を分離する2つの屈曲部を含む。
【0035】
図示された例において、リード122の外部足部126は、ダイ110の裏側金属層118とほぼ同一平面である。そのような構成は、成形プロセスの間、平坦な表面上にリード122及びダイ110を支持することを容易にする。同様に、裏側金属層118を囲むモールドコンパウンド132は、裏側金属層118及び足部126のボンディング部分127に対してほぼ平面である。
【0036】
モールドコンパウンド132は、非導電性プラスチック又は樹脂材料から形成され得る。幾つかの例において、モールドコンパウンド132は、トランスファー成形プロセス又は圧縮成形プロセス等の成形プロセスにおいてパッケージ100の電子機器の上に成形される。モールドコンパウンド132として用いるのに適したモールドコンパウンドとしては、例えば、エポキシノボラック樹脂、又は、アルミナ等の充填剤と組み合わされた同様の材料を含む熱硬化コンパウンド、及び、促進剤、硬化剤、フィルタ、及び離型剤等、コンパウンドを成形に適したものにするための他の材料が含まれる。
【0037】
モールドコンパウンド132はダイ110を部分的に覆うだけであり、ダイ110の裏側金属層118をパッケージ100の表面上のモールドコンパウンド132と面一にする。モールドコンパウンド132は、パッケージ100の動作中の熱放散を促進するように選択され得るが、裏側金属層118の露出された表面は、ダイ110と空気又はヒートシンクとの間の直接接触を可能にすることによって熱放散を更に促進する。
【0038】
裏側金属層118により、パッケージ100をPCB等のパッケージ基板に直接はんだ付けすることが可能になる。パッケージ100の裏側金属層118をパッケージ基板に直接はんだ付けすることにより、半導体ダイ110からパッケージ基板への良好な熱伝達が提供される。この直接はんだ付けされた配置において、熱放散経路は、半導体ダイ110の活性面113上の機能回路要素から基板112の厚みを介し、裏側金属層118を横切るわずかな寄与を含む最小数の界面を有するため、下にあるワークピースへのパッケージ100の熱放散は、概して、半導体ダイ110の場合は基板112の熱伝導率、又はシリコン基板の場合は約140W/mKによって設定される。種々の例において、半導体ダイ110は、パッケージ化された半導体デバイスからワークピースへの熱伝達を更に促進し、キャビティ130内の半導体ダイ110のアンダーマウントを容易にするために、厚み40μm~200μm等の薄型ダイである。
【0039】
また、パッケージ100によって提供される直接はんだ付け性は、サーマルグリースやヒートシンクの必要性を排除すること、及びヒートシンクに取り付ける等の付加処理を排除することなどによって、従来のアセンブリと比べてアセンブリコストを削減する。また、直接はんだ付けによって、PCBアセンブリに対する基板スペースが削減され、SOTパッケージに対して表面実装デバイス(SMD)ルールの使用が可能になることによって、PCBレイアウトが容易になる。
【0040】
パッケージ100は、本明細書に説明されるように、より薄いプロファイルにも拘わらず標準SOTパッケージに準拠する。SOTパッケージは、家電製品において一般的に用いられる標準の表面実装サイズに準拠する。元々はディスクリート表面実装トランジスタに対して用いられていたが、そのようなパッケージには、種々の集積回路を備える半導体ダイが含まれ得る。パッケージ300、400、500、600に関して本明細書に開示されるように、SOTパッケージは、アンダーマウントされた半導体ダイに加えて、受動及び能動の両方の多数の構成要素を更に組み込み得る。
【0041】
例示のSOTパッケージ及び基本的な本体寸法のチャートが以下の表1に示される。リードレスと明記されていない限り、各パッケージの表面実装リードは表1に示される本体寸法を超えて延在する。下記表は文脈として示されたもので、SOTパッケージには他の変形があり、更に開発される可能性がある。例えば、薄型スモールアウトライントランジスタ(TSOT)パッケージは、表1に示される標準SOTパッケージ寸法に比べて、最大高さが低くなっている。
【0042】
【0043】
本開示の技法は他のパッケージに適用され得るが、SOTパッケージの寸法が比較的小さいことは、半導体ダイをアンダーマウントする場合に大きな課題を提供する。半導体ダイをアンダーマウントすることは、ダイをリードフレームのリードボンディング領域と同じ側のリードフレームアップセットのキャビティ内に配置することを含む。このリードフレームアップセットは、プレス又はスタンピングで成形する前にリードフレームがフラットストック材料から切断されるため、テーパ状の側部を含む。所与のセットのパッケージ寸法の場合、リードフレームアップセットの側面がテーパ状であるということは、リードフレームアップセットの頂部上に従来のように実装された半導体ダイと比べて、アンダーマウントされた半導体ダイを配置するための領域が少ないことを意味する。従来のように実装された構成要素の電気接点は、リードフレームアップセットの上側表面上のボンディング領域に近接していることが多いが、構成要素自体は、パッケージ成形構成要素の境界内にある限り、ボンディング領域を超えて延在する。これに対し、アンダーマウントされた構成要素は、アップセットによって形成されたキャビティ内に適合しなければならない。
【0044】
リードフレームアップセットの深さを制限することは、リードフレームアップセットのテーパ状の部分によって占有される幅を低減することによってX方向のより多くのスペースを可能にする。しかしながら、リードフレームアップセットの深さが浅くなると、リードフレームアップセットのキャビティ内に適合するために、より薄い半導体ダイが必要とされる。所与の集積回路設計の場合、薄い半導体ダイは概して厚い半導体ダイよりも壊れやすく反りやすい。
【0045】
図1Dは、X-Z面において、本明細書に開示されるパッケージの例示の構成を定義する複数の寸法についての表記を含む。参照として、裏側金属層118はパッケージ100のX-Y面上に露出され、リード122はX-Y面のY次元において延在する2列のリードを形成する。
【0046】
パッケージ幅150は、対応するSOT標準によって定義される成形材料の全体の幅を表す。
【0047】
アップセット高さ151は、本明細書に説明されるようなリードフレームアップセットによって形成されるキャビティ130の高さを表す。
【0048】
アップセット幅152は、内部リードフィンガー部分125の全体の幅を表し、内部リードフィンガー部分125の底部実装面と頂部側ダイ取り付け領域との全体のボンディング可能幅を提供する(頂部側領域は、パッケージ100では使用されていない)。
【0049】
ボンディング可能領域153は、アップセット幅152内の単一の内部リードフィンガー部分125の長さである。ボンディング可能領域153は、単一のリード上に実装するために利用可能な総距離を表すが、キャビティ130内のアンダーマウントされた構成要素と内部リードフィンガー部分125のテーパ状の部分との間に、幾らかの隙間が必要となり得る。
【0050】
間隙159は、近接するリードのボンディング可能領域153をX方向において分離する。間隙159は、内部リードフィンガー部分125間の絶縁を確実にするように選択され得、例えば約50μm~500μm等であり、例えば約125μmである。
【0051】
ダイ幅154はキャビティ130内のダイの最大幅である。ダイ幅154は、アップセット幅152より小さく、リード122のテーパ状の部分と半導体ダイ110との間に隙間及び電気絶縁を提供する。
【0052】
銅ピラー116及びはんだ接合部117は、半導体ダイ110の活性面113とリードフィンガー部分125の底部実装部分との間に間隙162を提供する。銅ピラー幅163はX次元における銅ピラー116の厚みを表し、例えば約25μm~400μmであり、例えば約100μmである。そのような厚みは、ダイ110とリードフィンガー部分125との間の低い電気的抵抗を提供するとともに、ダイ110とリードフィンガー部分125との間の熱伝導率をサポートするように選択され得る。Y次元における銅ピラー116の厚みはX次元における銅ピラー幅163に類似し得、例えば約25μm~400μmであり、例えば約100μmである。X及びY次元における銅ピラー116の最大サイズは、銅ピラー116とリードフィンガー部分125の底部実装部分上の利用可能なスペースとの間の電気絶縁の必要性によって制限される。
【0053】
アップセット高さ151はZ次元におけるキャビティ130の高さである。裏側研削厚み155は、半導体ダイ110を、リード122のボンディング部分127とほぼ平行な裏側金属層118を備えるキャビティ130内に適合させるための最大ダイ高さを表す。
【0054】
パッケージ厚み156は、他の選択された寸法に対するSOTパッケージのための最小パッケージ厚みを表す。パッケージ厚み156に含まれるのは、アップセット高さ151、リードフレーム厚み157、及び内部リードフィンガー部分125の上のモールドコンパウンド132に対する最小厚み158である。
【0055】
モールドコンパウンド厚み158は、パッケージ100の材料、電流、及びその他のパラメータに応じて変化する。モールドコンパウンド厚み158の例としては、例えば約25μm~150μmが含まれ、例えば約50μmが含まれる。
【0056】
リードフレーム厚み157は、曲げる前にリード122を形成するために用いられる材料の厚みに対応する。リードフレーム厚み157の例としては、例えば、約50μm~500μmが含まれ、例えば約125μmが含まれる。
【0057】
幾つかの特定の例において、種々のSOT標準寸法に従って、Y次元におけるモールドコンパウンド132の長さは、例えば、約1ミリメートル(mm)~約6.5mmであり、例えば、約2.8mm~約3mmである。同一例又は異なる例において、X-Y面のX次元におけるモールドコンパウンド132の幅150は、例えば、約0.6mm~約3.5mmであり、例えば、約1.2mm~約1.4mmである。同一例又は異なる例において、X-Y面に対して概して直交するZ次元におけるモールドコンパウンド132の厚み156は、例えば約0.2mm~約1.8mmであり、例えば、約0.3mm~約0.4mmである。しかしながら、パッケージ300、400、500、600のように、第2の構成要素がリード122の内部リードフィンガー部分125上に頂部側実装された例において、Z次元におけるモールドコンパウンドの高さは高くなり得、例えば、約0.5mm~約1.3mmである。
【0058】
表2は、SOT23-6パッケージ内に実装するための4つのリードフレームアップセット寸法を示している。これらの例示の寸法は、幅1.3mmの任意のパッケージに等しく適用可能である。例えば、表2の例1によって表されるように、150μmのリードフレームアップセットは、0.923mmの最大ダイ幅を可能にし、従来のように実装されたダイ又は他の構成要素に対するボンディング領域の幅を表わす0.938mmのアップセット長さに比べて減少している。例2~例4では、リードフレームアップセットが大きくなればなるほど最大ダイ幅が徐々に小さくなっている。
【0059】
【0060】
図2A~
図2Hは、半導体パッケージ100を製造するための概念的なプロセス工程の断面図を図示する。
図3は、裏側金属が露出したアンダーマウントされた半導体ダイを備える薄型SOTパッケージの製造方法のフローチャートである。明確にするために、
図3の技法はパッケージ100及び
図1A~
図1Dに関して説明されているが、説明される技法は、
図4A~
図7に関して説明されるパッケージ300、400、500、600を含む代替のパッケージ構成にも容易に適合され得る。
【0061】
図2Aは、リード122の成形のために曲げる前にスタンピング又はエッチング等によって単一の薄い金属シートから切断されたリードフレーム120を図示する。リードフレーム120は、単一のパッケージに関連付けられるが、前述のようにリードフレームシート上に配置された複数のリードフレームの一つであり得る。
【0062】
図2Bによって表されるように、リードフレーム120は、リードフレームシート全体をスタンピングすること等によって曲げられ、リード122を備えるリードフレームアップセットを形成する(工程202)。曲げることに続いて、リード122の各々は、内部リードフィンガー部分125と、テーパ状の部分と、ボンディング部分127を備える外部足部126とを含む。曲げられたリード122は結合してリードフレームアップセットを形成し、半導体ダイ110をアンダーマウントするためのキャビティ130を提供する。半導体ダイ110の厚みは、リード122のボンディング部分127が裏側金属層118を含み得る不活性面114とほぼ平面になるように、キャビティ130に一致するように選択される。
【0063】
図2C及び
図2Dによって表されるように、半導体ダイ110は、キャビティ130を備えて配置される。具体的には、半導体ダイ110の活性面114から延在するはんだキャップ217を備える銅ピラー116が、リード122の内部リードフィンガー部分125に対して配置される(工程204)。半導体ダイ110の不活性面114が、ボンディング部分127とほぼ平面になるように、或いは、金属めっきを受け取るためにボンディング部分127に対して部分的に窪んでいるように配置され得る。
【0064】
図2Eに示されるように、銅ピラー116がリフローされて、銅ピラー116の遠端をリード122の内部リードフィンガー部分125に電気的に結合する(工程206)。具体的には、はんだキャップ217が、内部リードフィンガー部分125と接触している間に溶けてはんだ接合部117を形成する。他の例において、銅ピラー116又は他の金属ピラーが、はんだキャップ217をリフローしてはんだ接合部117を形成するのではなく、熱圧縮タイプのボンドを用いて内部リードフィンガー125に直接ボンディングされ得る。
【0065】
図2Fに示されるように、モールドコンパウンド132が、リード122の内部リードフィンガー部分125を覆い、半導体ダイ110を部分的に覆うように成形される(工程208)。幾つかの例において、成形の前に、半導体ダイ110の不活性面114をモールドコンパウンド132から遮蔽するためにテープ(図示せず)が付けられ得る。同一の又は異なる例において、受動構成要素又は第2の半導体ダイが、成形の前に半導体ダイ110と反対側の内部リードフィンガー部分125に実装され得る。そのような例は、
図4A~
図7に図示されるように、パッケージ300、400、500、600に関して説明される。
【0066】
図2Gによって表されるように、半導体ダイ110の不活性面114が露出される。成形の前に不活性面114にテープが付けられる例において、半導体ダイ110の不活性面114を露出させることはテープを除去することを含む。他の例において、不活性面114を覆っているモールドコンパウンド132を切除し、不活性面114をパッケージの外面上に露出させるように、レーザー270が用いられ得る(工程210)。パッケージの成形された部分から不活性面114を露出させることにより、PCB等の基板に直接取り付けることが可能になり、それによって、半導体ダイ110から基板への熱伝導が改善される。
【0067】
図2Hによって表されるように、幾つかの例において、不活性面114上の裏側金属層118及び足部126上のめっき層128を含むパッケージ100の露出された金属は、容易にはんだ付け可能な表面を提供するように事後めっきされる(工程212)。そのような一般的な事後めっき工程は、リード122のボンディング部分127が裏側金属層118とほぼ平面であることを確実にするのに役立つ。他の例において、めっき工程は省かれ得る。そのような例において、リードフレーム120は事前めっきされるべきであり、裏側金属層118はシリコンウェハから半導体ダイ110を個片化する前に適用され得る。事後めっきセットを用いる場合も、事前めっきされたリードフレームが用いられ得、事後めっきでこれらの既存の金属層が覆われるように、不活性面114は裏側金属層も含み得る。
【0068】
幾つかの例において、パッケージ100は、相互接続されたリードフレームのアレイ上で製造されたパッケージのアレイの内の一つであり得る。そのような例において、この方法は、成形されたパッケージのアレイを個片化して個々のパッケージ100を形成することを更に含む。個片化は、相互接続されたリードフレームを連結するタイバーをのこぎり又は他の切断用具を用いて切断することを含み得る。
【0069】
図4Aは、半導体パッケージ300の平面図を示し、
図4Bは、パッケージ300の断面図を示す。パッケージ100と同様に、パッケージ300は、標準SOTパッケージサイズに準拠し、キャビティ130内のリード122上にアンダーマウントされた半導体ダイ110を含む。パッケージ100の構成要素に加えて、パッケージ300は、半導体ダイ110の反対側の内部リードフィンガー部分125に実装された第2の半導体ダイ310を更に含む。
【0070】
パッケージ300は、半導体パッケージ100と実質的に類似しているが、半導体ダイ310、及びモールドコンパウンド132の代わりのモールドコンパウンド332が追加されている。パッケージ100と同じ番号が付されたパッケージ300の要素は、パッケージ100のこれらの要素と同一であるか又は実質的に類似している。簡潔にするために、そのような要素は、パッケージ300に関して詳細は説明されないか又は限定に説明される。
【0071】
半導体ダイ310は、半導体ダイ110の反対側の内部リードフィンガー部分125に実装される。具体的には、半導体ダイ310は、半導体ダイ310の活性面から延在する銅ピラー316を含む。半導体ダイ310は、銅ピラー316及びはんだ接合部317を介して内部リードフィンガー部分125に電気的に結合される。パッケージ300の変形において、抵抗器、キャパシタ、ダイオード、又は他の受動構成要素等の一つ又は複数の受動構成要素が、パッケージ300内の半導体ダイ310を置き換え得る。半導体ダイ310と同様に、そのような受動構成要素は、はんだ接続を用いて内部リードフィンガー部分125に電気的に結合され得る。
【0072】
図4Aに示されるように、半導体ダイ310は、キャビティ130内ではなく、パッケージ300のモールドコンパウンド332の長さ及び幅内に適合する必要があるだけなので、半導体ダイ310はX-Y平面において半導体ダイ110よりも大きなプロファイルを有し得る。しかしながら、半導体ダイ110及び半導体ダイ310の両方が、標準SOTパッケージの高さ内に適合するように比較的薄いプロファイルを提供し得る。
【0073】
モールドコンパウンド332は、半導体ダイ310を覆うためにモールドコンパウンド132よりも高い高さを有し得る。他の態様において、モールドコンパウンド332はモールドコンパウンド132と同じである。このように、パッケージ100は標準SOTパッケージのより薄いバージョンを提供し得るが、パッケージ300は典型的に標準SOTパッケージの最大高さに制限される。
【0074】
図5は、パッケージ400の断面図を示す。パッケージ100と同様に、パッケージ400は、標準SOTパッケージサイズに準拠し、キャビティ130内のリード122上にアンダーマウントされた半導体ダイ110を含む。パッケージ100の構成要素に加えて、パッケージ400は、半導体ダイ410をリード122に電気的に接続する頂部側ワイヤボンド416を用いて半導体ダイ110の反対側の内部リードフィンガー部分125に実装された第2の半導体ダイ410を更に含む。
【0075】
パッケージ400は、半導体パッケージ100と実質的に類似しているが、半導体ダイ410、及びモールドコンパウンド132の代わりのモールドコンパウンド432が追加されている。パッケージ100と同じ番号が付されたパッケージ400の要素は、パッケージ100のこれらの要素と同一であるか又は実質的に類似している。簡潔にするために、そのような要素は、パッケージ400に関して詳細は説明されないか又は限定的に説明される。
【0076】
ワイヤボンド416は、半導体ダイ410の活性面413上のボンドパッドをリード122に電気的に結合する。ダイアタッチ418が、ダイ410の不活性面414をダイ110に対して内部リードフィンガー部分125の反対側の表面に固定する。ダイアタッチ418は、非導電性ダイ取り付けペースト等の非導電性ダイ取り付け材料である。ダイアタッチ418は、ダイ110に対するアンダーフィルとしても機能する。ダイ110の反対側に適用されたダイアタッチ418は、リード122の周りに流れて、内部リードフィンガー部分125とダイ410との間のスペースを充填する。
【0077】
パッケージ300と同様に、半導体ダイ410は、キャビティ130内ではなく、パッケージ400のモールドコンパウンド432の長さ及び幅内に適合する必要があるだけなので、半導体ダイ410はX-Y平面において半導体ダイ110よりも大きいプロファイルを有し得る。しかしながら、半導体ダイ110及び半導体ダイ410の両方が、標準SOTパッケージの高さ内に適合するように比較的薄いプロファイルを提供し得る。
【0078】
モールドコンパウンド432は、半導体ダイ410及びワイヤボンド416を覆うために、モールドコンパウンド132よりも高い高さを有し得る。他の態様において、モールドコンパウンド432は、モールドコンパウンド132と同じである。このように、パッケージ100は標準SOTパッケージのより薄いバージョンを提供し得るが、パッケージ400は典型的に標準SOTパッケージの最大高さに制限される。
【0079】
図6は、パッケージ500の断面図を示す。パッケージ100と同様に、パッケージ500は、標準SOTパッケージサイズに準拠し、キャビティ130内のリード122上にアンダーマウントされた半導体ダイ110を含む。パッケージ100の構成要素に加えて、パッケージ500は、半導体ダイ110の反対側の内部リードフィンガー部分125に実装された第2の半導体ダイ510を更に含み、半導体ダイ510の裏側金属層518がパッケージ500の外側面上に露出されている。
【0080】
半導体ダイ510は、機能回路要素を含む活性面513及び不活性面514を有する基板(例えば、シリコン又はシリコン/ゲルマニウム)、及び基板の不活性面514上の少なくとも一つの裏側金属層518を含む。銅ピラー516が、半導体ダイ510の機能回路要素から延在する。具体的には、銅ピラー516は、半導体ダイ510の誘電体層におけるボンドパッド開口を介して延在し、半導体層における機能回路要素(図示せず)を含むメタライゼーション層にボンディングされる。
【0081】
半導体ダイ510は半導体ダイ110の反対側の内部リードフィンガー部分125に実装される。具体的には、半導体ダイ510は、半導体ダイ510の活性面513から延在する銅ピラー516を含む。半導体ダイ510は、銅ピラー516及びはんだ接合部517を介して内部リードフィンガー部分125に電気的に結合される。パッケージ500の変形において、抵抗器、キャパシタ、ダイオード、又はその他の受動構成要素等の一つ又は複数の受動構成要素が、パッケージ500内の半導体ダイ510を置き換え得る。半導体ダイ510と同様に、そのような受動構成要素は、はんだ接続を用いて内部リードフィンガー部分125に電気的に結合され得る。
【0082】
裏側金属層518は、半導体ダイ510の基板の不活性面514に直接取り付けられる。裏側金属層518は、裏側金属層118に関して説明されているように、例えば、成形の前にテーピングすることによって、又は成形の後にレーザー切断によって露出され得る。
【0083】
裏側金属層518の領域が半導体ダイ510の不活性面514の領域に一致する。幾つかの例において、裏側金属層518は、金属めっきによって
及び不活性面514の露出された表面によって提供される。他の例において、半導体ダイ510の不活性面514の領域に一致する裏側金属層518は、個片化の前に、半導体ダイ510の不活性面514上にある裏側金属層518によって提供される(例えば、半導体ダイ510がウェハ形態にある間に、裏側金属層518が基板の不活性面514上に堆積される)。いずれの例においても、裏側金属層518は、シリコン層からパッケージ500の外面への直接熱経路を提供し、パッケージ500の熱部分を改善する。
【0084】
幾つかの例において、伝導冷却を更に改善するために、クリップ又はヒートシンクが裏側金属層518に取り付けられ得る。その他の場合、裏側金属層518は、パッケージ500の対流冷却を促進するために、最終製品において空気に直接晒され得る。
【0085】
モールドコンパウンド532は、半導体ダイ510を部分的に覆うために、モールドコンパウンド132よりも高い高さを有し得る。幾つかの例において、裏側金属層518は、パッケージ500の外側面上のモールドコンパウンド532の周りの部分と同一平面にあり得る。他の態様において、モールドコンパウンド532はモールドコンパウンド132と同じである。このように、パッケージ100は標準SOTパッケージのより薄いバージョンを提供し得る一方、パッケージ500は典型的に標準SOTパッケージの最大高さに制限される。
【0086】
パッケージ300と同様に、半導体ダイ510は、キャビティ130内ではなく、パッケージ500のモールドコンパウンド532の長さ及び幅内に適合する必要があるだけなので、半導体ダイ510はX-Y平面において半導体ダイ110よりも大きいプロファイルを有し得る。しかしながら、半導体ダイ110及び半導体ダイ510の両方が、標準SOTパッケージの高さ内に適合するように比較的薄いプロファイルを提供し得る。
【0087】
図7はパッケージ600を図示する。パッケージ100と同様に、パッケージ600は、標準SOTパッケージサイズに準拠し、キャビティ130内のリード122上にアンダーマウントされた半導体ダイ110を含む。パッケージ100の構成要素に加えて、パッケージ600は、半導体ダイ110の反対側の内部リードフィンガー部分125に実装された頂部側受動構成要素610を更に含む。パッケージ600において、モールドコンパウンド633が受動構成要素610にアンダーモールドされ、パッケージ300、400、500に比べ、頂部実装された構成要素に対する露出表面を増加させることによって、改善された対流冷却を促進する。
【0088】
受動構成要素610は、はんだ接合部617を介して内部リードフィンガー部分125に電気的に結合される。パッケージ600の変形において、半導体ダイ510等の第2の半導体ダイが、パッケージ600内の受動構成要素610を置き換え得る。半導体ダイ310、510と同様に、そのような半導体ダイは、フリップチップはんだ接続を用いて、内部リードフィンガー部分125に電気的に結合され得る。
【0089】
モールドコンパウンド633は、内部リードフィンガー部分125に近接する受動構成要素610の表面を覆うために、モールドコンパウンド132より高い高さを有し得る。他の態様において、モールドコンパウンド633はモールドコンパウンド132と同じである。このように、パッケージ100は標準SOTパッケージのより薄いバージョンを提供し得る一方で、パッケージ600は典型的に標準SOTパッケージの最大高さに制限される。
【0090】
パッケージ300と同様に、受動構成要素610は、キャビティ130内ではなく、パッケージ600のモールドコンパウンド633の長さ及び幅内に適合する必要があるだけなので、受動構成要素610は半導体ダイ110よりもX-Y平面において大きいプロファイルを有し得る。しかしながら、半導体ダイ110及び受動構成要素610の両方が、標準のSOTパッケージの高さ内に適合するように比較的薄いプロファイルを提供し得る。
【0091】
パッケージ100、300、400、500、600に関して説明された技法を含む、露出した裏側を備えるリードフレーム上にアンダーマウントされた半導体ダイを備えるパッケージに対する特定の技法は、以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本開示に含まれる一般的な発明概念の単なる例示に過ぎない。
【国際調査報告】