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特表2023-531445血管アクセス器具および関連機器および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】血管アクセス器具および関連機器および方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20230714BHJP
   A61B 5/153 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61B5/153 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578652
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 US2021034283
(87)【国際公開番号】W WO2021257257
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】63/041,517
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/330,218
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
【テーマコード(参考)】
4C038
4C267
【Fターム(参考)】
4C038TA06
4C038UJ01
4C267AA24
4C267AA31
4C267AA52
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB31
4C267BB33
4C267BB40
4C267BB53
4C267CC08
4C267EE01
4C267HH08
(57)【要約】
血管アクセスシステム(10)は、カテーテルアセンブリ(12)を含み得、カテーテルアダプタ(14)およびカテーテルアダプタから遠位に延びるカテーテル(16)を含み得る。血管アクセスシステム(10)は、カテーテルアセンブリ(12)に結合された器具前進デバイス(28)を含み得る。器具前進デバイス(28)は、血管アクセス器具(32)を含み得る。血管アクセス器具(32)は、複数のループ(46)に軸の周りに巻かれた平坦なワイヤによって形成されたコイル(42)を含み得る。器具前進デバイス(28)は、血管アクセス器具(32)を格納位置からカテーテル(16)の遠位端を越えて前進位置に前進させるように構成され得る。カテーテルの遠位端(36)は、遠位開口部(53)を含み得る。コイル(42)は、血管アクセス器具(32)が前進位置にあることに応答して、カテーテル(16)の遠位開口部(53)を通って延在し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管アクセスデバイスを介して挿入するように構成された血管アクセス器具であって、前記血管アクセス器具は、
軸の周りに巻かれた平坦なワイヤによって複数のループに形成されたコイルであって、前記コイルの前記複数のループの各々が、前記複数のループの次の隣接するループから離間されている、コイル、を含む血管アクセス器具。
【請求項2】
前記コイルの少なくとも一部を通って延びるコアワイヤをさらに備える、請求項1に記載の血管アクセス器具。
【請求項3】
前記コアワイヤが円筒形である、請求項2に記載の血管アクセス器具。
【請求項4】
前記コアワイヤが平坦である、請求項2に記載の血管アクセス器具。
【請求項5】
前記コアワイヤが前記軸と整列されている、請求項2に記載の血管アクセス器具。
【請求項6】
前記コアワイヤが、前記軸からオフセットされる、請求項2に記載の血管アクセス器具。
【請求項7】
前記平坦なワイヤは、第1の側および前記第1の側の反対側の第2の側を含み、前記第1の側は、前記コイルの外面を形成し、前記第2の側は、前記コイルの内面を形成し、前記コアワイヤは、前記コイルの前記内面に結合される、請求項6に記載の血管アクセス器具。
【請求項8】
前記コイルを通って延びる細長いストリップをさらに備え、前記複数のループのそれぞれが遠位端および近位端を含み、前記遠位端および前記近位端が前記細長いストリップに接触する、請求項1に記載の血管アクセス器具。
【請求項9】
前記コイルの間に延びる複数の支持ビームをさらに備え、前記複数の支持ビームの第1のセットが前記軸に平行な第1のラインに沿って配置され、前記複数の支持ビームの第2のセットが前記軸に平行な第2のラインに沿って配置され、前記第1のラインが前記第2のラインから離間されている、請求項1に記載の血管アクセス器具。
【請求項10】
前記第1のラインは、前記第2のラインから180度離れている、請求項9に記載の血管アクセス器具。
【請求項11】
前記複数の支持ビームの第3のセットが、前記軸に平行な第3のラインに沿って配置され、前記第1のライン、前記第2のライン、および前記第3のラインが、前記コイルの円周の周りに均等に間隔を置かれている、請求項9に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項12】
前記コイルの完全なひねりが、前記第1のセットの次の隣接する支持ビーム、前記第2のセットの次の隣接する支持ビーム、および前記第3のセットの次の隣接する支持ビームの間に配置される、請求項11に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項13】
前記コイルが別の複数のループを含み、前記別の複数のループが前記複数のループに近接し、前記コイルの前記別の複数のループのそれぞれが、前記別の複数のループの前記次の隣接ループの円周に沿って前記別の複数のループの次の隣接ループに接触する、請求項1に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項14】
血管アクセスシステムであって、
カテーテルアダプタ、および、前記カテーテルアダプタから遠位方向に延びるカテーテルを備えるカテーテルアセンブリと、
前記カテーテルアセンブリに結合された器具前進デバイスであって、前記器具前進デバイスは、血管アクセス器具を含み、前記器具前進デバイスは、前記血管アクセス器具を、前記カテーテルの遠位端を越えて格納位置から前進位置に前進させるように構成され、前記血管アクセス器具は、軸の周りに複数のループに巻かれた平坦なワイヤによって形成されたコイルを含み、前記コイルの前記複数のループの各々は、前記複数のループの次の隣接ループから離間され、前記カテーテルの前記遠位端は、遠位開口部を含み、前記コイルは、前記血管アクセス器具が前記前進位置にあることに応答して、前記カテーテルの前記遠位開口部を通って延在する、前記器具前進デバイスと、を含む血管アクセスシステム。
【請求項15】
前記カテーテルの前記遠位端が、複数のディフューザー孔を備える、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項16】
複数のコイルを通って延びるコアワイヤをさらに備え、前記カテーテルの前記遠位開口部での前記コアワイヤ内のギャップをさらに備える、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項17】
前記コイルの間に延びる複数の支持ビームをさらに備え、前記複数の支持ビームの第1のセットが前記軸に平行な第1のラインに沿って配置され、前記複数の支持ビームの第2のセットが前記軸に平行な第2のラインに沿って配置され、前記第1のラインが前記第2のラインから離間されている、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項18】
前記コイルの完全なひねりが、前記第1のセットの次の隣接支持ビームと前記第2のセットの次の隣接支持ビームとの間に配置される、請求項14に記載の血管アクセスシステム。
【請求項19】
血管アクセスデバイスを介して挿入するように構成された血管アクセス器具であって、前記血管アクセス器具は、
管状要素を備える遠位端であって、前記管状要素が複数の穴を備える、遠位端と、
ワイヤと、
前記管状要素と前記ワイヤとの間に配置されたコネクタであって、前記コネクタが別の複数の孔を備える、前記コネクタと、
を備える血管アクセス器具。
【請求項20】
前記管状要素の遠位端が閉じられている、請求項19に記載の血管アクセス器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管アクセス器具および血管アクセスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、患者の血管系に流体を注入するために一般的に使用される。例えば、カテーテルは、生理食塩水、種々の薬剤、または全非経口栄養を注入するために使用され得る。カテーテルはまた、患者から血液を引き出すために使用されてもよい。
【0003】
カテーテルは、オーバーザニードル末梢静脈内(「IV」)カテーテルを含み得る。この場合、カテーテルは、鋭い遠位先端を有する導入針の上に取り付けられ得る。カテーテルおよび導入針は、導入針の遠位先端が、カテーテルの遠位先端を越えて延び、針の斜角(bevel)を患者の皮膚から離れる方向に向くように組み立てられ得る。カテーテルと導入針は、通常、皮膚から浅い角度で患者の血管系に挿入される。
【0004】
血管内の導入針および/またはカテーテルの適切な配置を検証すべく、臨床医は、一般的に、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバー内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が一度確認されると、臨床医は、血管系内の流れを一時的に塞いで、針を除去し、後の採血または輸液のためにカテーテルを定位置に残し得る。
【0005】
カテーテルを使用した採血は、特に、血管系内のカテーテルの滞留時間が1日を超える場合に、いくつかの理由により困難であり得る。カテーテルを患者に長い期間の間挿入したままにした場合に、カテーテルや静脈は、狭窄する、壊れる、ねじれる、デブリによる閉塞(例えば、フィブリンまたは血小板血餅)、および血管系へのカテーテルの先端の癒着などの影響をより受け易くなる場合がある。このため、カテーテルは、カテーテルを留置した時に血液サンプルを取得するために使用されることが多いが、カテーテル留置期間中に血液サンプルを取得するために使用される頻度は低い。したがって、血液サンプルが必要な場合に、採血のための静脈へのアクセスをもたらす追加の針刺しが多く、これは、患者にとって苦痛となる場合があり、材料費が結果的により高くなる。
【0006】
いくつかの例では、追加の針刺しを回避するために、血管アクセス器具を使用して、カテーテルを介して患者の血管系にアクセスすることがある。血管アクセス器具は、カテーテルを通って血管系に挿入されて、カテーテルの寿命を延ばし、追加の針刺しなしでカテーテルを通って採血することを可能にし得る。
【0007】
本明細書で請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で説明されるいくつかの実施例を実行し得る技術領域の一例を示すために提供されるにすぎない。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、一般に、血管アクセスデバイスに関する。より具体的には、本開示は、カテーテルアセンブリを介して器具前進デバイスを介して患者の血管系に送達され得る血管アクセス器具に関する。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、患者の血管系内でのカテーテルアセンブリのカテーテルの滞留期間の増加を促進し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルが血栓、弁、および/または血液採取を防ぐことができるカテーテル内またはカテーテルの周りのフィブリンシースなどの障害物を克服するために妥協されるとき、器具前進デバイスを使用して、血管アクセス器具をカテーテル内に、および/またはカテーテルの遠位先端を超えて前進させ得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、血管系内に存在する既存のカテーテルを利用することによって、血液収集、流体送達、患者またはデバイスのモニタリング、または他の臨床的ニーズのために、患者の血管系への血管アクセス器具の無針送達を提供し得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、例えば、カテーテルアセンブリなどの血管アクセスデバイスを介して挿入するように構成され得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、軸の周りに複数のループに巻かれた平坦なワイヤによって形成されたコイルを含み得る。本開示で言及されるように、「フラットワイヤ」という用語は、第1の側および第1の側の反対側の第2の側を含むワイヤに対応し得、第1の側および/または第2の側は、ワイヤが製造中に軸の周りにループに巻かれる前に平面である。いくつかの実施形態では、第1の側は、コイルの外面を形成し得る。いくつかの実施形態では、第2の側は、コイルの内面を形成し得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤは、コイルの内面に結合され得る。いくつかの実施形態では、コイルのループの各々は、ループの次の隣接するループから離間されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、コイルの少なくとも一部を通って延びるコアワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤは、円筒形であり得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤは平坦であり得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤは、軸と整列され得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤは、軸からオフセットされ得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、コイルを通って延びる細長いストリップを含み得る。いくつかの実施形態では、ループの各々は、遠位端および近位端を含み得る。いくつかの実施形態では、ループの各々の遠位端およびループの各々の近位端は、細長いストリップに接触する。いくつかの実施形態では、細長いストリップは、直線的であってもよく、および/または軸と整列してもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、コイル間に延びる複数の支持ビーム(支持梁)を含み得る。いくつかの実施形態では、支持ビームの第1のセットは、軸に平行な第1のラインに沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、支持ビームの第2のセットは、軸に平行な第2のラインに沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、第1のラインは、第2のラインから離間されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のラインは、第2のラインから180度離れていてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、支持ビームの第3のセットは、軸に平行な第3のラインに沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、第1のライン、第2のライン、および第3のラインは、コイルの円周の周りに均等に離間され得る。いくつかの実施形態では、コイルの完全なひねり(turn)は、第1のセットの次の隣接支持ビーム、第2のセットの次の隣接支持ビーム、および第3のセットの次の隣接支持ビームのうちの1つまたは複数の間に配置される。
【0014】
いくつかの実施形態では、コイルは、複数の他のループを含み得る。いくつかの実施形態では、他のループは、ループに近接していてもよい。いくつかの実施形態では、コイルの他のループのそれぞれは、他のループの次の隣接ループの円周の周りに他のループの次の隣接ループに接触し得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、血管アクセスシステムは、カテーテルアセンブリを含み得、カテーテルアダプタおよびカテーテルアダプタから遠位に延びるカテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、カテーテルアセンブリに結合され得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、血管アクセス器具を含み得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、血管アクセス器具を格納位置(retracted position)からカテーテルの遠位端を越えた前進位置に前進させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端は、遠位開口部を含み得る。いくつかの実施形態では、コイルは、血管アクセス器具が前進位置にあることに応答して、カテーテルの遠位開口部を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端は、1つ以上のディフューザー孔を含み得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤのギャップ(隙間)は、カテーテルの遠位開口部に配置され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスを通って挿入するように構成された別の血管アクセス器具は、管状要素を含み得る遠位端を含み得る。いくつかの実施形態では、管状要素は、1つ以上の孔を含み得る。いくつかの実施形態では、別の血管アクセス器具は、ワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、別の血管アクセス器具は、管状要素とワイヤとの間に配置されたコネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタは、1つ以上の他の孔を含み得る。いくつかの実施形態では、管状要素の遠位端は閉じてもよい。
【0017】
上述の概略の説明、および、以下の詳細な説明の両方は、例示であり、また、説明のためのものであり、特許請求された本開示を限定するものではないことが理解されるべきである。様々な実施形態は、図面に示された配置および血管アクセス器具に限定されないことが理解されるべきである。また、図面は必ずしもスケールに合わせているわけではない。また、実施形態を組み合わせることができることを理解されたい。例えば、特定の血管アクセス器具の1つまたは複数の特徴は、別の特定の血管アクセス器具の1つまたは複数の特徴と組み合わされ得る。また、他の実施形態が用いられてよいこと、および、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的な格納位置にある例示的な血管アクセス器具を示す、例示的な血管アクセスシステムの上面斜視図である。
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、例示的な進行位置にある血管アクセス器具を示す、血管アクセスシステムの上面斜視図である。
図1C図1Cは、いくつかの実施形態による、前進位置にある血管アクセス器具を示す、血管アクセスシステムの一部の拡大上面斜視図である。
図1D図1Dは、いくつかの実施形態による、前進位置にある血管アクセス器具を示す、血管アクセスシステムの別の部分の拡大断面図である。
図1E図1Eは、いくつかの実施形態による、例示的な血管系内の前進位置にある血管アクセスシステムを示す、血管アクセスシステムの断面図である。
図1F図1Fは、いくつかの実施形態による、血管アクセス器具の例示的なコイルの一部の拡大断面図である。
図1G図1Gは、いくつかの実施形態による、前進位置にある血管器具を示す、血管アクセスシステム内に配置された血管アクセス器具の拡大断面図である。
図1H図1Hは、いくつかの実施形態による、前進位置にある血管器具を示す、血管アクセスシステム内に配置された血管アクセス器具の拡大断面図である。
図2図2は、いくつかの実施形態による、最大せん断比の例示的な合計および採血率比の例示的な合計を示す棒グラフである。
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による、血管アクセス器具の例示的な遠位端の上面斜視図である。
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による、図3Aの血管アクセス器具の遠位端の断面図である。
図3C図3Cは、いくつかの実施形態による、例示的なカテーテル内に配置された図3Aの血管アクセス器具の一部の横断面図である。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による、血管アクセス器具の別の例示的な遠位端の上面斜視図である。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、図4Aの血管アクセス器具の部分の断面図である。
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、例示的な細長いストリップを示す、血管アクセス器具の上面斜視図である。
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、図5Aの血管アクセス器具の上面図である。
図6A図6Aは、いくつかの実施形態による、前進位置にある血管器具を示す、血管アクセスシステム内に配置された血管アクセス器具の別の例示的な遠位端の上面斜視図である。
図6B図6Bは、いくつかの実施形態による、前進位置にある血管器具を示す、血管アクセスシステム内に配置された図6Aの血管アクセス器具の遠位端の断面図である。
図6C図6Cは、いくつかの実施形態による、図6Aの血管アクセス器具の部分の断面図である。
図6D図6Dは、いくつかの実施形態による、図6Aの血管アクセス器具の部分の上面斜視図である。
図6E図6Eは、いくつかの実施形態による、図6Aの血管アクセス器具の断面図である。
図7A図7Aは、いくつかの実施形態による、血管アクセス器具の上面斜視図である。
図7B図7Bは、いくつかの実施形態による、前進位置にある血管器具を示す、血管アクセスシステム内に配置された図7Aの血管アクセス器具の遠位端の断面図である。
図7C図7Cは、いくつかの実施形態による、前進位置にある血管器具を示す、血管アクセスシステム内に配置された図7Aの血管アクセス器具の遠位端の拡大上面斜視図である。
図7D図7Dは、いくつかの実施形態による、前進位置にある血管器具を示す、血管アクセスシステム内に配置された図7Aの血管アクセス器具の遠位端の拡大断面図である。
図8図8は、いくつかの実施形態による、最大せん断比の例示的な平均値および採血率比の例示的な平均値を示す棒グラフである。
図9A図9Aは、いくつかの実施形態による、血管アクセス器具の上面斜視図である。
図9B図9Bは、いくつかの実施形態による、カテーテルから延びる図9Aの血管アクセス器具の断面図である。
図9C図9Cは、いくつかの実施形態による、図9Aの血管アクセス器具の部分の拡大断面図である。
図9D図9Dは、いくつかの実施形態による、前進位置にある血管器具を示す、血管アクセスシステム内に配置された図9Aの血管アクセス器具の拡大断面図である。
図10A図10Aは、いくつかの実施形態による、血管アクセス器具の上面斜視図である。
図10B図10Bは、いくつかの実施形態による、血管アクセス器具の上面斜視図である。
図10C図10Cは、いくつかの実施形態による、血管アクセス器具の上面斜視図である。
図10D図10Dは、いくつかの実施形態による、血管アクセス器具の上面斜視図である。
図10E図10Eは、いくつかの実施形態による、前進位置にあるカテーテルから延びる図10Dの血管アクセス器具の上面斜視図である。
図10F図10Fは、いくつかの実施形態による、前進位置にあるカテーテルから延びる図10Dの血管アクセス器具の拡大上面斜視図である。
図11図11は、いくつかの実施形態による、カテーテル内の前進位置に配置された別の例示的な血管アクセス器具の断面図である。
図12A図12Aは、いくつかの実施形態による、例示的な器具前進デバイスの上面斜視図の上面斜視図である。
図12B図12Bは、いくつかの実施形態による、器具前進デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、図1A図1Bを参照すると、いくつかの実施形態による、血管アクセスシステム10が示されている。いくつかの実施形態では、血管アクセスシステム10は、カテーテルアセンブリ12を含んでもよく、このカテーテルアセンブリ12は、カテーテルアダプタ14およびカテーテル16を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル16は、末梢静脈カテーテル、末梢挿入型中心カテーテル、または、正中線カテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ14は、遠位端18、近位端20、および遠位端18と近位端20を通って延びる管腔(lumen)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル16は、カテーテルアダプタ14の遠位端18から遠位に延びてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ14は、カテーテルアダプタ14のサイドポート24から延在し得る延長チューブ22と統合され得る。いくつかの実施形態では、例えば、YアダプタまたはTアダプタなどのアダプタ26は、延長チューブ22の近位端に結合され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス28は、様々な方法でカテーテルアセンブリ12に結合され得る。一例として、器具前進デバイス28は、アダプタ26のポートに結合され得る。別の例として、器具前進デバイス28は、アダプタ26のポートと器具前進デバイス28との間に配置された無針コネクタ29に結合され得る。別の例として、器具前進デバイス28は、カテーテルアダプタ14の近位端20に結合され得る。いくつかの実施形態では、別の延長チューブおよび/または採血デバイスアダプタは、アダプタ26の別のポートに結合され得る。いくつかの実施形態では、採血デバイスアダプタは、例えば、注射器または採血チューブなどの採血デバイスを受信し得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス28は、カテーテルアセンブリ12に結合するように構成されたハウジング30を含み得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス28は、血管アクセス器具32を含み得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス28は、任意の適切な送達デバイスを含み得る。血管アクセス器具32と共に使用され得る器具前進デバイスのいくつかの例は、「プローブまたは静脈内カテーテルを収容する延長」と題する、2018年7月17日に出願された米国特許出願第16/037,246号、「回転要素を有する器具送達デバイス」と題する、2019年4月18日に出願された米国特許出願第16/38650号、「MULTI-ダイアメーターカテーテルおよび関連するデバイスおよび方法」と題する、2018年7月17日に出願された米国特許出願第16/037,319号、「血管アクセス器具のための送達デバイス」と題された2019年7月3日出願の米国特許出願第16/502,541号、「血管アクセス器具のためのSYRINGE-BASED送達デバイス」と題される、2019年11月21日に出願された米国特許出願第16/691,217号、「カテーテル送達デバイスおよび関連するシステム並びに方法」と題する、2019年1月14日に出願された米国特許出願第16/742,013号、および、「流体透過性構造を有する血管アクセス器具、並びに関連するデバイスおよび方法」と題される2020年4月2日に出願された米国特許出願第16/838,831号にさらに記載されていてもよく、これらはそれぞれその全体が参照により組み込まれる。
【0023】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス28は、血管アクセス器具32をカテーテルアセンブリ12に導入するように構成され得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32がカテーテルアセンブリ12に導入されることに応答して、血管アクセス器具32は、カテーテルアセンブリ12の流体経路にアクセスしてもよく、および/または血管アクセス器具32は、カテーテルアセンブリ12を通って延在して患者の血管系にアクセスしてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、器具前進デバイス28は、例えば、図1Aに示される格納位置と、例えば、図1Bに示される前進位置との間で血管アクセス器具32を前進させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32の遠位先端34は、血管アクセス器具32が前進位置にあることに応答して、カテーテル16の遠位端36の遠位に配置され得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32が格納位置にあることに応答して、血管アクセス器具32の遠位先端34は、ハウジング30内に配置され得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32の近位端は、前進タブ38に結合されてもよく、前進タブ38は、格納位置と前進位置との間で血管アクセス器具32を移動させるために、ユーザによってスロット40に沿って把持および移動されてもよい。前進タブ38は、スロット40を通って延在し得、血管アクセス器具32の近位端に結合された前進タブ38の一部は、ハウジング30内にあり得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、カテーテル16は、フッ素化エチレンプロピレン、TEFLON(商標)、シリコン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、フッ素化ポリマー、親水性材料、疎水性材料、汚染防止材料、または別の適切な材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、カテーテル16は、抗血栓性コーティングを含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32の全てまたは一部は、金属または別の適切な材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、コイル42は、金属または別の適切な材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル16の遠位端36は、対称または非対称であり得る。
【0026】
ここで図1C~1Fを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32は、軸44の周りに巻かれた平坦なワイヤによって複数のループ46に形成されたコイル42を含み得る。いくつかの実施形態では、コイル42は、血管アクセス器具32の遠位端に、および/または遠位先端34に隣接して配置され得る。いくつかの実施形態では、コイル42のループ46の各々は、ループ46の次の隣接ループから離間されてもよく、これは、血管アクセス器具32の遠位端の流体透過性を促進してもよい。いくつかの実施形態では、コイル42は、血管アクセス器具32の長さに沿った複数の流体経路を提供し得、これは、カテーテル16からより遠い血管系の一部からカテーテルアセンブリ12への血液の侵入を容易にし得る。いくつかの実施形態では、コイル42および血管アクセス器具32の長さに沿った流体経路は、血管アクセス器具32およびカテーテル16を通る流体の流量(flow rates)の増加を促進し得る。いくつかの実施形態では、コイル42および血管アクセス器具32の長さに沿った流体経路は、採血時間の短縮を容易にし得る。いくつかの実施形態では、コイル42は、カテーテル16内および/またはカテーテル16を通る血液の溶血のせん断応力および関連するリスクを低減し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、コイル42は、血管系への血管アクセス器具32の挿入に応答して、血管系の壁との柔らかく穏やかな接触を容易にし得る。いくつかの実施形態では、コイル42は、血管アクセス器具32を通って移動する流体に対するせん断応力を低減し得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32は、コイル42の少なくとも一部を通って延びるコアワイヤ48を含み得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤ48は、図1C~1Fに示されるように、円筒形であり得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤ48は、軸44と整列され得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤ48は、血管アクセス器具32に構造的支持を提供し得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、平坦なワイヤは、平坦なワイヤが製造中に軸44の周りでループ46に巻き込まれる前に、第1の側50および第1の側50の反対側で平行な第2の側52を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の側50は、コイルの外面を形成し得る。いくつかの実施形態では、第2の側52は、コイル42の内面を形成し得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤ48は、コイル42の内面に結合され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、平坦なワイヤは、コイル42の内径49を増加させて、血管アクセス器具32を通る流体流量の増加を促進し得る。いくつかの実施形態では、平坦なワイヤは、コイル42の内径49を増加させてもよく、コイル42の外径51が、標準的な血管アクセス器具の外径と同じ長さであることを可能にしてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、カテーテル16の遠位端36は、遠位開口部53を含み得る。いくつかの実施形態では、コイル42は、血管アクセス器具32が前進位置にあることに応答して、カテーテル16の遠位開口部53を通って延在し得る。いくつかの実施形態では、コイル42の外径51は、遠位開口部53の直径よりも小さくてもよく、これは、流体が流れることができるギャップを作り出してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル16の遠位端36は、カテーテルアセンブリ12への血流および/または血管系への流体注入を容易にするために、コイル42を含む血管アクセス器具32の一部と整列され得る1つまたは複数の拡散器(diffuser)孔54を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、コイル42の寸法は、カテーテル16のゲージサイズ、血管アクセス器具32の剛性、コイル42のループ46のそれぞれとの間の間隔、血管アクセス器具32の長さに沿った流体経路の数またはサイズ、または別の要因に基づいて変化し得る。
【0033】
ここで図1Gを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32は、コイル42および/またはカテーテル16を通る流れを増加させ得るコアワイヤ48を含まなくてもよい。
【0034】
ここで図1Hを参照すると、いくつかの実施形態では、コアワイヤ48は平坦であり得、これはコイル42および/またはカテーテル16を通る流れを増加させ得る。いくつかの実施形態では、フラットワイヤは、第1の側64および第1の側64の反対側の第2の側66を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の側64は、第2の側66に平行であり得る。
【0035】
ここで図2を参照すると、棒グラフは、いくつかの実施形態によれば、ループ46を形成するために軸44の周りに巻かれた平坦なワイヤを含むコイル42を有する特定の血管アクセスシステム、ループ46を形成するために軸44の周りに巻かれた円筒形ワイヤを含むコイル42を有する別の特定の血管アクセスシステム、およびコアワイヤ48のない別の特定の血管アクセスシステムにおける、21G UTに対する採血率比の合計(「BDVACUTAINER(商標) ULTRATOUCH(商標)」)および21G UTに対する最大せん断比の合計(「BDVACUTANER(商標) ULTRATOUCH(商標)」)を示している。
【0036】
ここで図3A~3Cを参照すると、いくつかの実施形態では、コアワイヤ48は、軸44からオフセットされ得、これは、軸44およびコイル42の中央部分および/またはカテーテル16の中央部分に沿って、カテーテルアセンブリ12への血流および/または血管系への流体注入を容易にし得る。いくつかの実施形態では、軸44からオフセットされたコアワイヤ48は、1つまたは複数の点でコイル42に結合され得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤ48は、1つまたは複数の点でコイル42の内面に結合され得る。例えば、コアワイヤ48は、コイル42またはコイル42の内面に接着(bonded)され得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤ48は、ポリマー材料の薄層でコーティングされ、コイル42と接触している間に加熱され、コアワイヤ48をコイル42またはコイル42の内面に冷却して接着させることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、遠位先端34は、丸くても鈍くてもよく、これは、血管系への損傷を防ぐことができる。いくつかの実施形態では、遠位先端34は、コアワイヤ48の遠位端に配置されてもよく、および/またはコアワイヤ48の遠位端を単一のユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、遠位先端34は、コイル42の遠位端に結合(coupled)され得る。
【0038】
ここで図4A~4Cを参照すると、いくつかの実施形態では、コアワイヤ48は、軸44および/または平坦からオフセットされ得、これは、軸44およびコイル42の中央部分および/またはカテーテル16の中央部分に沿って、カテーテルアセンブリ12への血流および/または血管系への流体注入を容易にし得る。いくつかの実施形態では、軸44からオフセットされたコアワイヤ48は、1つまたは複数の点でコイル42に結合され得る。
【0039】
ここで図5A~5Bを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32は、コイル42を通って延びる細長いストリップ55を含み得る。いくつかの実施形態では、ループ46の各々は、遠位端56および近位端58を含み得る。いくつかの実施形態では、ループ46の各々の遠位端56およびループ46の各々の近位端58は、細長いストリップ55に接触する。いくつかの実施形態では、細長いストリップ55は、直線的であってもよく、および/または軸44と整列してもよい。いくつかの実施形態では、細長いストリップ55は、血管アクセス器具32に構造的支持を提供し得る。いくつかの実施形態では、細長いストリップ55は、コイル42の全部または一部に沿って延在し得る。いくつかの実施形態では、細長いストリップ55は、血管アクセス器具32の上部、底部、または側部のいずれかに配置され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、遠位先端34は、丸くても鈍くてもよい。いくつかの実施形態では、遠位先端34は、細長いストリップ55の遠位端に配置されてもよく、および/または単一のユニットとして細長いストリップ55の遠位端と一体的に形成されてもよい。追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、遠位先端34は、コイル42の遠位端に結合され得る。
【0041】
ここで図6A~6Eを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32は、コイル42の間に延びる複数の支持ビーム60を含み得る。いくつかの実施形態では、支持ビーム60aの第1のセットは、軸44に平行な第1のラインに沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、支持ビーム60bの第2のセットは、軸44に平行な第2のラインに沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、第1のラインは、第2のラインから離間されてもよい。いくつかの実施形態では、図6A~6Eに示されるように、第1のラインは、第2のラインから180度離れていてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、支持ビーム60cの第3のセットは、軸44に平行な第3のラインに沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、第1のライン、第2のライン、および第3のラインは、コイル42の円周の周りに均等に離間され得る。いくつかの実施形態では、コイル42の完全なひねり(turn)は、第1のセットの支持ビーム60aの次の隣接する支持ビームの間に配置される。いくつかの実施形態では、コイル42の完全なひねりは、支持ビーム60bの第2のセットの次の隣接する支持ビームの間に配置される。いくつかの実施形態では、コイル42の完全なひねりは、第3のセットの支持ビーム60cの次の隣接する支持ビームの間に配置される。
【0043】
いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32の少なくとも一部は、血管アクセス器具32を通ってカテーテル16への血流を促進し得るコアワイヤ48を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、支持ビーム60は、コイル42に溶接され得る。
【0044】
ここで図7A~7Dを参照すると、いくつかの実施形態では、コアワイヤ48は、コイル42の長さに沿った1つまたは複数のギャップ(隙間)68を含み得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤ48の特定のギャップ68は、カテーテル16の遠位開口部53に配置され得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤ48の1つまたは複数の端部は、コイル42に向かって曲がることができ、および/またはコイル42に結合され得る。いくつかの実施形態では、ギャップ68は、赤血球に対する高いせん断応力および溶血に対する感受性が予想される場所に対応し得る。
【0045】
ここで図8を参照すると、棒グラフは、いくつかの実施形態によれば、ループ46を形成するために軸44の周りに巻かれた平坦なワイヤを含むコイル42を有する特定の血管アクセスシステム、ループ46を形成するために軸44の周りに巻かれた円筒形ワイヤを含むコイル42を有する別の特定の血管アクセスシステム、およびコアワイヤ48のない別の特定の血管アクセスシステムにおける、21G UTに対する採血率比の平均(「BDVACUTAINER(商標) ULTRATOUCH(商標)」)および21G UTに対する血球上の最大せん断比の平均(「BDVACUTANER(商標) ULTRATOUCH(商標)」)を示している。
【0046】
ここで図9A~9Dを参照すると、いくつかの実施形態では、コイル42は、複数の他のループ62を含み得る。いくつかの実施形態では、他のループ62は、ループ46に近接してもよい。いくつかの実施形態では、コイル42の他のループ62のそれぞれは、他のループ62の次の隣接ループの円周の周りに他のループ62の次の隣接ループに接触し得る。いくつかの実施形態では、コイル42のピッチは、開放ピッチを有するループ46から閉鎖ピッチを有する他のループ62に変化し得る。いくつかの実施形態では、ループ46および他のループ62は、単一のユニットとしてモノリシックに形成され得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤ48内のギャップ68は、他のループ62内に配置され得る。いくつかの実施形態では、コアワイヤ48は、他のループ62の近位端に隣接するか、または近接するコイル42に再び開始および/または結合され得る。
【0047】
ここで図10A~10Fを参照すると、いくつかの実施形態では、コイル42のピッチは、コイル42の長さに沿って変化し得る。いくつかの実施形態では、例えば、図10Aに示されるように、ピッチは、コイル42の端部でより小さくてもよい。いくつかの実施形態では、ピッチは、端部の間のコイル42の端部および/または1つまたは複数の他の部分でより少ない場合がある。いくつかの実施形態では、コイル42の他の部分は、例えば、図10Cに示されるように、均等に離間され得る。いくつかの実施形態では、例えば、図10Bに示されるように、コイル42のピッチは、コイルの長さに沿って一定であり得る。いくつかの実施形態では、ピッチはより大きくてもよく、またはコイル42のループ46は、高いせん断応力の領域においてより離間してもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、コアワイヤ48の遠位端は、血管アクセス器具32の遠位先端34から離間されてもよく、これは、血管アクセス器具32の遠位端を通る流体の流れを促進してもよい。いくつかの実施形態では、遠位先端34は、コイル42によって形成され得る。
【0049】
ここで図11を参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ12などの血管アクセスデバイスを通って挿入するように構成された別の血管アクセス器具70は、管状要素74を含み得る遠位端72を含み得る。いくつかの実施形態では、管状要素74は、1つ以上の孔76を含み得る。いくつかの実施形態では、他の血管アクセス器具は、ワイヤ78を含み得る。いくつかの実施形態では、他の血管アクセス器具は、管状要素74とワイヤ78との間に配置されたコネクタ80を含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタ80は、1つ以上の他の孔82を含み得る。いくつかの実施形態では、管状要素の遠位端は閉じてもよい。
【0050】
ここで図12A~12Bを参照すると、器具前進デバイス28は、カテーテルアセンブリ12に結合するように構成されたハウジング30を含み得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス28は、血管アクセス器具32を含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具32の近位端は、前進タブ38に結合されてもよく、前進タブ38は、格納位置と前進位置との間で血管アクセス器具32を移動させるために、ユーザによってスロット40に沿って把持および移動されてもよい。
【0051】
本明細書で記載される全ての例および条件付き文言は、本発明、および技術を促進するために発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11
図12A
図12B
【国際調査報告】