(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】カテーテルを再配置するためのプローブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
A61M25/06 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578654
(86)(22)【出願日】2021-06-07
(85)【翻訳文提出日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 US2021036193
(87)【国際公開番号】W WO2021257310
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ラッキー
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA11
4C267AA21
4C267AA31
4C267BB02
4C267BB11
4C267BB24
4C267BB40
4C267CC08
4C267EE01
4C267HH08
(57)【要約】
プローブは、カテーテルの遠位端を持ち上げ、前進させ、後退させ、又は、旋回させ、それによって患者の血管系内でカテーテルを再配置できる形状部分を有するように構成することができる。この再配置により、カテーテルは、血管の壁又は他の解剖学的構造、及び、形成され得る血栓のような任意の障害物に対して相対的に移動することができる。カテーテルの再配置することにより、カテーテルの開通性を延長し、長期留置カテーテルからの血液採取を容易にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内カテーテル装置であって、
カテーテルアダプタと、
前記カテーテルアダプタから遠位に延びるカテーテルと、
前記カテーテルアダプタに結合するプローブアセンブリであって、前記カテーテル内に選択的に延びるプローブを含み、前記プローブが、前記カテーテル内に選択的に延びる際に、前記カテーテルの遠位端を再配置させるための形状部分を有する、プローブアセンブリと、を備える、静脈内カテーテル装置。
【請求項2】
前記プローブアセンブリは、前記プローブが前記カテーテル内に選択的に延びるプローブアクチュエータを含む、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項3】
前記プローブアクチュエータは、軸方向に前進、回転、又は、軸方向の前進と回転の両方を行い、それによって、前記プローブを、前記カテーテル内で、軸方向に前進、回転、又は軸方向の前進と回転の両方を行うように構成される、請求項2に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項4】
前記プローブアセンブリは、前記カテーテルアダプタに一体化されるか、又は、選択的に結合される、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項5】
前記プローブが、近位部分及び遠位部分を有し、前記形状部分が前記近位部分と前記遠位部分との間に配置される、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項6】
前記形状部分が、前記プローブの前記遠位部分を包含する、請求項5に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項7】
前記遠位部分が、コイル又は拡大した断面を形成する、請求項5に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項8】
前記形状部分は、V字形状又はW字形状を有する、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項9】
前記形状部分は、前記プローブの遠位端が、前記カテーテルの前記遠位端の近位、又は、遠位に位置するとき、前記カテーテルの前記遠位端を再配置させるように構成される、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項10】
前記形状部分は、螺旋から構成される、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項11】
前記プローブが近位部分を含み、前記形状部分が前記近位部分に対して遠位にあり、前記形状部分が、前記近位部分の長手方向軸から第1の角度だけ逸脱する第1の長さと、前記近位部分の長手方向軸から前記第1の角度とは異なる第2の角度だけ逸脱する第2の長さを含む、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項12】
前記プローブは、ワイヤ又はチューブのいずれかである、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項13】
前記プローブアセンブリは、前記プローブが収容されるプローブハウジングと、前記プローブハウジングの少なくとも部分的に外側に位置するプローブアクチュエータとを含み、前記プローブアクチュエータは、前記プローブを前記プローブハウジングから前記カテーテル内に選択的に前進させるために、前記プローブと整合する、請求項1に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項14】
前記プローブアクチュエータは、前記プローブを前記カテーテル内で回転させるために、前記プローブと整合する、請求項13に記載の静脈内カテーテル装置。
【請求項15】
静脈内カテーテル装置のカテーテルと共に使用するためのプローブアセンブリであって、
プローブハウジングと、
前記プローブハウジングに結合されたプローブアクチュエータと、
前記プローブハウジング内に収容されるプローブであって、前記プローブアクチュエータは、前記プローブを前記プローブハウジングから選択的に前記静脈内カテーテル装置の前記カテーテル内に前進させるように構成される、プローブと、
を備え、
前記プローブは、近位部分と、遠位端と、前記近位部分と前記遠位端との間に配置された形状部分であって、前記プローブが前記カテーテル内で選択的に前進する際に、前記カテーテルの遠位端を再配置するように構成された形状部分と、を備える、プローブアセンブリ。
【請求項16】
前記形状部分が、前記近位部分の長手方向軸から第1の角度だけ逸脱する第1の長さと、前記近位部分の長手方向軸から前記第1の角度と異なる第2の角度だけ逸脱する第2の長さとを含む、請求項15に記載のプローブアセンブリ。
【請求項17】
前記プローブアクチュエータが、前記カテーテル内で、前記プローブを選択的に回転させるように構成される、請求項15に記載のプローブアセンブリ。
【請求項18】
前記プローブの前記形状部分は、前記プローブの前記遠位端を包含する、請求項15に記載のプローブアセンブリ。
【請求項19】
カテーテルの遠位端を患者の血管系内に再配置する方法であって、
カテーテルアダプタと、前記カテーテルアダプタから遠位に延びるカテーテルと、前記カテーテルアダプタに結合するプローブアセンブリと、を有する静脈内カテーテル装置を提供するステップであって、前記プローブアセンブリは、前記カテーテル内に選択的に延びるプローブを含み、前記プローブは形状部分を有する、静脈内カテーテル装置を提供するステップと、
患者の血管系に前記カテーテルを挿入するステップと、
前記プローブを前記カテーテル内で前進させるステップであって、前記カテーテルが患者の血管系に挿入されている間に、前記プローブの前記形状部分を、前記カテーテルの遠位端に近接して位置させ、前記形状部分によって前記カテーテルの前記遠位端を再配置させる、前記プローブを前記カテーテル内で前進させるステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記プローブの遠位端が、前記カテーテルの前記遠位端を越えて、遠位に延びるように前記プローブを前進させるステップであって、前記プローブの前記遠位端は、前記カテーテルの前記遠位端から閉塞物又は障害物を除去させるように構成される、前記プローブを前進させるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
静脈内(IV)カテーテル装置は、様々な輸液療法に一般的に使用される。例えば、静脈内カテーテル装置は、生理食塩水、さまざまな薬剤、および総合的な非経口栄養のような流体を患者へと注入するために使用し得る。また、患者から血液を採取するために、静脈内カテーテル装置が使用されることもある。
【0002】
一般的なタイプの静脈内カテーテル装置には、「オーバー・ザ・ニードル」と呼ばれるカテーテルがある。オーバー・ザ・ニードルとは、その名の通り、遠位端が鋭利なニードルの上に装着されるカテーテルのことである。カテーテルとニードルは、ニードルの斜角(bevel)が患者の皮膚から離れる方向に向くように、ニードルの遠位先端がカテーテルの遠位先端を越えて延びるように組み立てられてもよい。一般にカテーテルとニードルは、皮膚から浅い角度で患者の血管系に挿入される。
【0003】
静脈内カテーテル装置が、患者の血管系内に維持に維持されると、それらは閉塞する可能性が高い。静脈内カテーテル装置が閉塞すると、静脈内カテーテル装置による輸液や採血ができなくなることがある。このような場合、静脈内カテーテル装置を交換することができる。しかし、静脈内カテーテル装置を交換することは、患者にとって負担であり、コストを増加させる。このような問題に対して、静脈内カテーテル装置の留置カテーテルを介し、挿入して閉塞を除去することができる装置がいくつか開発されている。例えば、カテーテルを介して、カテーテルの遠位開口部を越えて遠位に挿入できる硬質チューブを採用した装置もある。このように硬質チューブを挿入することで、カテーテルが閉塞しても硬質チューブを介して、血液サンプルを採取することができる。つまり、硬質チューブは、カテーテルの遠位開口部内又はその周辺に形成された閉塞を物理的に通過し、血液サンプルを収集するためにカテーテルとは別の流体経路を形成するために採用される。
【0004】
本明細書で請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で説明されるいくつかの実施例を実行し得る技術領域の一例を示すために提供されるにすぎない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、一般に、カテーテルが患者の血管系に挿入されたままの間に、カテーテルの遠位端を再配置するように構成されたプローブアセンブリ、ならびに関連する方法および静脈内カテーテル装置に関するものである。いくつかの実施形態では、静脈内カテーテル装置は、カテーテルアダプタと、カテーテルアダプタから遠位に延びるカテーテルと、カテーテルアダプタに結合するプローブアセンブリとを含むことができる。プローブアセンブリは、カテーテル内に選択的に延びるプローブを含んでもよい。プローブは、プローブがカテーテル内に選択的に延びる際に、カテーテルの遠位端を再配置させるための形状部分を有していてもよい。プローブアセンブリは、カテーテルアダプタに一体化されてもよいし、選択的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、プローブは、ワイヤ又はチューブであってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プローブは、カテーテルの遠位端を持ち上げ、前進させ、後退させ、又は、旋回させ、それによって患者の血管系内でカテーテルを再配置することができる形状部分を有するように構成することができる。この再配置により、カテーテルは、血管の壁又は他の解剖学的構造、及び、形成され得る血栓のような任意の障害物に対して相対的に移動することができる。カテーテルを再配置することにより、プローブは、長期留置カテーテルを介した血液サンプルの収集を容易にすることを含む、カテーテルの開通性を延長する。
【0007】
いくつかの実施形態では、プローブアセンブリは、プローブがカテーテル内に選択的に延びるプローブアクチュエータを含んでもよい。いくつかの実施形態では、プローブアクチュエータは、軸方向に前進するように、及び/又は回転するように構成され、それによってプローブをカテーテル内でそれぞれ軸方向に前進、及び/又は回転させるようにしてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、プローブアセンブリは、プローブが収容されるプローブハウジングと、プローブハウジングの少なくとも部分的に外側に配置されるプローブアクチュエータとを含んでもよい。プローブアクチュエータは、プローブをプローブハウジングからカテーテル内に選択的に前進させるために、プローブと整合することができる。また、プローブアクチュエータは、プローブをカテーテル内で回転させるために、プローブと整合することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、プローブは、近位部分及び遠位部分を有してもよく、形状部分は、近位部分と遠位部分との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、形状部分は、遠位部分を包含してよい。いくつかの実施形態では、遠位部分は、コイルを形成してもよい。いくつかの実施形態では、形状部分は、V字形状又はW字形状を有していてもよく、又は、螺旋状又は他の形状を形成していてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、プローブは近位部分を含んでもよく、形状部分は近位部分に対して遠位であってもよい。形状部分は、近位部分の長手方向軸から第1の角度だけ逸脱する第1の長さと、近位部分の長手方向軸から第1の角度と異なる第2の角度だけ逸脱する第2の長さとを含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、静脈内カテーテル装置のカテーテルと共に使用するためのプローブアセンブリは、プローブハウジングと、プローブハウジングに結合されたプローブアクチュエータと、プローブハウジング内に収容されるプローブと、を含むことができる。プローブアクチュエータは、プローブをプローブハウジングから静脈内カテーテル装置のカテーテル内に選択的に前進させるように構成されてもよい。プローブは、近位部分と、遠位端と、近位部分と遠位端の間に位置する形状部分とを含んでもよい。この形状部分は、プローブがカテーテル内で選択的に前進する際に、カテーテルの遠位端を再配置するように構成されてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、形状部分は、近位部分の長手方向軸から第1の角度だけ逸脱する第1の長さと、近位部分の長手方向軸から第1の角度と異なる第2の角度だけ逸脱する第2の長さとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、プローブアクチュエータは、カテーテル内でプローブを選択的に回転させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、プローブの形状部分は、閉塞器の遠位端を包含してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、静脈内カテーテル装置は、カテーテルアダプタと、カテーテルアダプタから遠位に延びるカテーテルと、カテーテルアダプタに結合するプローブアセンブリとを含むことができる。プローブアセンブリは、プローブアクチュエータと、プローブアクチュエータに結合された近位端と遠位端を有するプローブと、を含むことができる。プローブは、遠位端に向かって配置された形状部分を有していてもよい。形状部分は、プローブがカテーテルの遠位端に延びている間、カテーテルの遠位端を再配置させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、プローブアクチュエータは、カテーテル内で形状部分をスライドさせ、回転させるように構成されてもよい。
【0014】
上述の概略の説明、及び、以下の詳細な説明の両方は、例示であり、また、説明のためのものであり、特許請求された発明を限定するものではないことが理解されるべきである。様々な実施形態は、図面に示された構成(arrangements)及び手段(instrumentality)に限定されないことが理解される。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、又は、他の実施形態が用いられてよいこと、及び、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に記載及び説明される。
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態による、カテーテルを再配置するためのプローブを含む静脈内カテーテル装置の例を示す。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態では、静脈内カテーテル装置と共に使用され得るプローブアセンブリの一例を示す。
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態では、静脈内カテーテル装置と共に使用され得るプローブアセンブリの一例を示す。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、カテーテルが患者の血管系に残っている間にカテーテルの遠位端を再配置するように構成されたプローブのいくつかの例を示す。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、カテーテルが患者の血管系に残っている間にカテーテルの遠位端を再配置するように構成されたプローブのいくつかの例を示す。
【
図3C】
図3Cは、いくつかの実施形態による、カテーテルが患者の血管系に残っている間にカテーテルの遠位端を再配置するように構成されたプローブのいくつかの例を示す。
【
図3D】
図3Dは、いくつかの実施形態による、カテーテルが患者の血管系に残っている間にカテーテルの遠位端を再配置するように構成されたプローブのいくつかの例を示す。
【
図3E】
図3Eは、いくつかの実施形態による、カテーテルが患者の血管系に残っている間にカテーテルの遠位端を再配置するように構成されたプローブのいくつかの例を示す。
【
図3F】
図3Fは、いくつかの実施形態による、カテーテルが患者の血管系に残っている間にカテーテルの遠位端を再配置するように構成されたプローブのいくつかの例を示す。
【
図3G】
図3Gは、いくつかの実施形態による、カテーテルが患者の血管系に残っている間にカテーテルの遠位端を再配置するように構成されたプローブのいくつかの例を示す。
【
図3H】
図3Hは、いくつかの実施形態による、カテーテルが患者の血管系に残っている間にカテーテルの遠位端を再配置するように構成されたプローブのいくつかの例を示す。
【
図3I】
図3Iは、いくつかの実施形態による、カテーテルが患者の血管系に残っている間にカテーテルの遠位端を再配置するように構成されたプローブのいくつかの例を示す。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態に従って構成されるプローブを用いて、カテーテルが患者の血管系に留まったまま、カテーテルの遠位端をどのように再配置できるかの例を示す。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態に従って構成されるプローブを用いて、カテーテルが患者の血管系に留まったまま、カテーテルの遠位端をどのように再配置できるかの例を示す。
【
図4C】
図4Cは、いくつかの実施形態に従って構成されるプローブを用いて、カテーテルが患者の血管系に留まったまま、カテーテルの遠位端をどのように再配置できるかの例を示す。
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による、患者の血管系内でカテーテルを再配置させるために回転するように構成されたプローブの例を示す。
【
図6A】
図6Aは、1つ以上の実施形態に従って構成されるプローブを用いて、カテーテルが患者の血管系内に留まっている間に、カテーテルの遠位端をどのように再配置することができるかの別の例を示す。
【
図6B】
図6Bは、1つ以上の実施形態に従って構成されるプローブを用いて、カテーテルが患者の血管系内に留まっている間に、カテーテルの遠位端をどのように再配置することができるかの別の例を示す。
【
図6C】
図6Cは、1つ以上の実施形態に従って構成されるプローブを用いて、カテーテルが患者の血管系内に留まっている間に、カテーテルの遠位端をどのように再配置することができるかの別の例を示す。
【
図6D】
図6Dは、1つ以上の実施形態に従って構成されるプローブを用いて、カテーテルが患者の血管系内に留まっている間に、カテーテルの遠位端をどのように再配置することができるかの別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
いくつかの実施形態で採用され得る静脈内カテーテル装置は、カテーテルが遠位に延びるカテーテルアダプタと、他の装置をカテーテルアダプタに取り付けるための1つ以上のポート又はコネクタとを含んでもよい。このような装置は、患者の血管系へのカテーテルの挿入前、挿入中、又は、挿入後にカテーテルアダプタに取り付けることができ、ニードルアセンブリ、血液収集セット、注入アセンブリ、本明細書に記載されるプローブアセンブリの任意の実施形態などを含むことができる。したがって、本開示の実施形態は、静脈内カテーテル装置の特定の構成、又は、本明細書で使用される静脈内カテーテル装置の特定の例に限定されるべきではない。
【0017】
図1は、本開示のいくつかの実施形態に従って構成される静脈内カテーテル装置100の一例を提供する。静脈内カテーテル装置100は、カテーテル111が遠位方向に延びるカテーテルアダプタ110を含む。図示しないが、ニードルアセンブリは、しばしば、カテーテルアダプタ110に固定され、カテーテル111を患者の血管系に挿入し、その後、カテーテルアダプタ110から切り離すために採用されてもよい。また、静脈内カテーテル装置110は、延長チューブ113を介してカテーテルアダプタ110のサイドポート112に接続されるアダプタ114を含む。アダプタ114は、プローブアセンブリ130(又は本明細書に包含される任意の他のプローブアセンブリ)が、静脈内カテーテル装置100に結合され、それを通じてプローブアセンブリ130のプローブ140(
図2A及び2B参照)がカテーテル111へのアクセスを獲得できるコネクタ116(統合又は分離に関わらず)を提供し得る。いくつかの実施形態では、プローブアセンブリ130は、アダプタ114に選択的に結合されるのとは対照的に、アダプタ114に一体化され得る。
【0018】
また、アダプタ114には、延長チューブ113を介して、コネクタ115が接続されてもよい。延長チューブ113には、ピンチクランプ117を設けてもよい。採血セット120は、コネクタ115に結合されているように示されているが、静脈内カテーテル装置100に接続され得る装置の一例に過ぎない。他の例では、プローブアセンブリ130又は別のプローブアセンブリは、コネクタ116とは対照的に、コネクタ115に結合されるか、又は、コネクタ115に統合され得る。しかしながら、静脈内カテーテル装置100は、本開示の実施形態に従って構成されたプローブが使用され得る静脈内カテーテル装置の単なる一例であることが再確認される。
【0019】
プローブアセンブリ130は、少なくともプローブ140がカテーテル111を通って延在されていないときに、プローブ140を収容することができるプローブハウジング131と、プローブアセンブリ130が、静脈内カテーテル装置100(又は別の静脈内カテーテル装置)に接続することができるコネクタ132と、臨床医がプローブアクチュエータ133を、プローブハウジング131の長さに沿ってスライドさせて、カテーテル111に対してプローブ140を移動できるプローブアクチュエータ133と、を含んで示される。
図1では見えないが、プローブアクチュエータ133が描かれた位置にある状態で、プローブ140の遠位端は、カテーテル111の遠位端まで前進され得る。以下により詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、プローブアセンブリは、プローブがカテーテル111内で前進及び引き戻す、又、回転することを可能にするように構成されてもよい。例えば、プローブ140の遠位端がカテーテル111の遠位端の近くまで、又は、それを越えて前進した後、プローブアクチュエータ133は、プローブハウジング131に対して時計回り及び/又は反時計回りに回転するように構成されて、それによって、プローブ140の遠位端を回転させるように構成され得る。
【0020】
図2A及び
図2Bは、プローブアセンブリ130を分離して示す。
図2Aでは、プローブアクチュエータ133は、プローブ140の遠位端がコネクタ132に配置された最も近位の位置にある。いくつかの実施形態では、
図2Aは、静脈内カテーテル装置100などの静脈内カテーテル装置に接続される前のプローブアセンブリ130の構成を表すことができる。一方、
図2Bでは、プローブアクチュエータ133は、プローブ140をコネクタ132から遠位に前進させた最も遠位の位置にある。プローブ140の長さ、及び/又は、プローブアクチュエータ133の構成は、プローブ140の遠位端を、カテーテル111(又はプローブアセンブリ130が適合する他の任意の静脈内カテーテル装置のカテーテルの遠位開口部)の近傍(例えば、近位、又は、遠位)に配置することができる。プローブアセンブリ130の描かれた構成は、例示であることのみを意図する。本開示の実施形態に従ったプローブアセンブリは、任意の適切なコネクタ、任意の適切なプローブハウジング、及び、任意の適切なプローブアクチュエータを有し得る。
【0021】
本開示の実施形態によれば、プローブ140は、プローブ140がカテーテル111内に前進、及び/又は、カテーテル111内で回転されると、カテーテル111の遠位端を再配置するように構成され得る。
図3A~3Iは、この再配置を引き起こすためにプローブ140がどのように構成され得るかの様々な例を示す。
図3Aは、異なる構成のコネクタ132を採用するプローブハウジング131の一部から延びるプローブ140の一部を示す。したがって、
図3Aは、プローブ140が、プローブアセンブリ130の多くの異なる変形例と共に採用され得ることを表すことができる。
図3B~3Hは、それぞれ、プローブ140の遠位長さのみを示す。
【0022】
図3A~3Iのそれぞれにおいて、プローブ140は、遠位端140a、遠位部分141、形状部分142、及び、近位部分143を有するものとして示される。形状部分142は、近位部分143の長手方向軸から逸脱する形状を有し、遠位端140aがカテーテル111の遠位開口部に近接して配置されるとき、または、カテーテル111の遠位開口部から遠位に延びるときに、一般にこの形状を維持する、遠位端140aに配置された、又は、遠位端140aに向かって配置されたプローブ140の長さと解釈すべきである。カテーテル111の近位長さが皮膚内に閉じ込められているために、形状部分142は、カテーテル111を通って前進すると、その形状を、屈曲、平坦化、又は、他の方法で適応させることができることに留意されたい。しかしながら、カテーテル111の遠位端又はその近くに配置されたとき、形状部分142は、概してその形状を保持し、それによって、カテーテル111の遠位端に作用して、それを再配置させることができる。いくつかの実施形態では、形状部分142は、遠位部分141から分離されていてもよく、一方、他の実施形態では、形状部分142は、遠位部分141、及び、場合によっては遠位端140aを包含してもよい。上記のように、プローブ140の形状は、プローブ140が前進するにつれて、カテーテル111の領域に適応する必要がある(例えば、患者の皮膚を通って血管系に移行する際のカテーテル111のS字形状)。しかし、そのような適応があっても、形状部分142は、以下で明らかになるように、遠位部分141及び近位部分143に対してその形状を実質的に保持するように構成される。
【0023】
図3A~3Iは、形状部分142がどのように構成され得るかの様々な例を示す。本開示の実施形態は、これらの実施例に限定されるべきではない。特に、形状部分142は、近位部分143の長手方向軸から逸脱するようにする多くの異なる方法で構成され得る。例えば、形状部分142は、それぞれが互いに異なる角度である複数の長さ、及び/又は、異なる平面にある複数の長さを含む長手方向軸から逸脱するプローブ140の1つ以上の長さから構成されてもよい。同様に、形状部分142は、長手方向軸に対して湾曲しているプローブ140の1つ以上の長さから構成されてもよい。
【0024】
図3Aにおいて、形状部分142は、近位部分143と遠位部分141との間に延びるプローブ140のV字型の長さの形態である。この例では、遠位部分141は、形状部分142のみが長手方向軸から逸脱するように、近位部分143と同じ長手方向軸に沿って延在してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、遠位部分141は、異なる非平行軸に沿って延びることができ(例えば、近位部分143に対して上向き又は下向きに配向されることによって)、及び/又は、長手方向軸として異なるが平行な軸に沿って延びることができる(例えば、近位部分143に対して上向きに又は下向きにオフセットされる)。
図3Aに描かれたプローブ140の構成は、遠位部分141が、カテーテル111の遠位開口部にあるか、又は、それを越えているときに、形状部分142が、カテーテル111内に少なくとも部分的に残っているときに、カテーテル111の遠位端に持ち上げ力を加えることを意図している。いくつかの実施形態では、この持ち上げ力の方向は、
図3Aに示される位置に対してプローブ140を回転させることによって、(例えば、カテーテル111の遠位端を下方又は横方向に移動させるために)変更することができる。
【0025】
図3Bは、遠位部分141及び遠位端140aがコイルの形態であることを除いて、
図3Aと同様の例を提供する。このコイルは、カテーテル111の遠位開口部から離れた閉塞物又は障害物を除去するプローブ140の能力を強化し、プローブ140がそこに配置されている間に、カテーテル111への流体の流入又は流出を促進し、それによってカテーテル111の開通性を増大させることができる。
【0026】
図3Cは、遠位部分141及び遠位端140aが拡大した中実の断面を有することを除いて、
図3Bと同様の例を提供する。コイルと同様に、この固体の拡大領域は、閉塞物又は障害物を除去するプローブ140の能力を高めることができる。
図3Cに示されているものと同様に、遠位端140aは、遠位部分141から形成されるか、又は、何らかの方法で(例えば、溶接又は接着剤を介して)、遠位部分141に取り付けられるドームとして構成され得る。遠位部分141が拡大した断面(又は、より大きな外径)を形成する実施形態では、この領域は、カテーテル111の遠位開口部又は先端部を損傷することなく遠位部分141をカテーテル111内に引き戻すことを容易にするために近位側にテーパー状にされてもよい。同様に、遠位端140aは、遠位端140aがカテーテル111の外に前進するときに、血管系への損傷を最小限にするために、遠位方向にテーパー状であってよい。
【0027】
図3Dは、形状部分142が概ね湾曲したwに類似する形状を有し、遠位部分141及び遠位端140aがコイルの形態である例を提供する。
【0028】
図3Eは、形状部分142が遠位部分141を包含する逆V字形状を有する例を提供する。また、遠位部分141は、コイルを形成する。
【0029】
図3Fは、形状部分142が遠位部分141を包含する逆V字形状を有する別の例を提供する。しかしながら、形状部分142の近位長さは、形状部分142の遠位長さよりも少ない程度に、近位部分143の長手方向軸に対して逸脱している。また、遠位端140aは、近位部分143の長手方向軸の下方に配置される。
【0030】
図3Gは、形状部分142が遠位部分141を包含する逆V字形状を有する別の例を提供する。しかしながら、形状部分142の遠位長さは、形状部分142の近位長さよりも少ない程度に、近位部分143の長手方向軸に対して逸脱している。
【0031】
図3Hは、形状部分142が遠位部分141を包含し、近位部分143に対して曲がる形である例を提供する。また、
図3Hは、いくつかの実施形態であって、プローブ140が、ワイヤとは対照的に、チューブの形態であり得ることを表す。
【0032】
図3Iは、形状部分142が螺旋142の形態であり、遠位部分141が近位部分143に対して湾曲している例を示す。
【0033】
図3A~3Iに示した変形例は相互に排他的ではなく、このような多くの変形例を共に採用することができる。例えば、遠位部分141は、説明された実施形態のいずれかにおいて、コイルを形成することができる。同様に、プローブ140は、説明された実施形態のいずれにおいても、チューブで形成され得る。さらに、形状部分142の異なる部分の向き及び長さを変更することができ、遠位部分141及び/又は近位部分143に対する形状部分142の向きもまた変更することができる。つまり、本開示の実施形態は、図に示す具体例に限定されるべきではない。
【0034】
図4A~4Cは、プローブ140が、カテーテル111の遠位端をどのように再配置させることができるかの例を提供する。
図4Aは、カテーテル111が患者の血管系401内に挿入されている間、カテーテルアダプタ110が患者の皮膚400に載っていることを示す。
図4Aはまた、プローブアセンブリ130がカテーテルアダプタ110に接続され、プローブ140がカテーテル111内に部分的に前進していることを示す。
図4A~4Cにおいて、プローブ140は、
図3Gに示す例に類似する。近位部分143は、カテーテル111のS字形状に適応するように示されているが、形状部分142及び遠位部分141は、カテーテル111内でその形状を実質的に維持する。
図4Aでは、形状部分142がカテーテル111の遠位端111aから実質的に離間しているため、遠位端111aは、血管系401の壁に対してその自然な位置に留まる。しかしながら、いくつかの実施形態では、形状部分142は、遠位部分141が遠位端111aに達するか、又は、それを越えて遠位に延びる前に、遠位端111aに持ち上げ力を加えるように構成されてもよい。
【0035】
図4Bに目を向けると、今度は、臨床医がプローブアクチュエータ133を採用して、プローブ140をさらにカテーテル111内にスライドさせたと仮定している。例えば、プローブアクチュエータ133が、スライド又は回転されると、プローブ140がスライド及び/又は回転するように、プローブアクチュエータ133は、プローブ140の近位端140bと整合することができる。描かれた例では、近位端140bは、プローブハウジング131の側壁を通してプローブアクチュエータ133が作用するくさびの形態である。そのような実施形態では、プローブハウジング131は、延長チューブの形態であってもよい。
【0036】
プローブアクチュエータ133の遠位移動により、プローブ140の遠位端140aは、現在、カテーテル111の遠位端111aから延出している。形状部分142が遠位端111aに配置されることに起因して、形状部分142は、遠位端111aに対して持ち上げ力を適用し、それによって、遠位端111aが血管系401の壁から離れるように持ち上げられるようになる。より詳細には、形状部分142が、カテーテル111内でその形状を実質的に保持するので、近位部分143に対する形状部分142の逆V字形状は、遠位端111aがカテーテル111の近位部分に対して上向きに配向させる。この持ち上げは、遠位端111aを血管系401の壁から遠ざけるだけでなく、遠位端111aを揺動させる。このようにして、遠位端111aが、血管系又は他の構造の壁に対向して位置するようになっていた場合、又は、そうでなければ閉塞していた場合、カテーテル111の再配置は、カテーテル111を通して血液サンプルを収集する能力又は流体を注入する能力を回復させ得る。この文脈では、持ち上げは相対的に使用され、プローブ140の回転方向に応じて、遠位端111aの下方又は側方への移動を包含し得る。
図4Cは、プローブ140の遠位端140aが、遠位端111aにあるか又はその近くにあるが、遠位端111aから遠位に延びない場合でも、形状部分142が、同様の方法でカテーテル111の遠位端111aに対して持ち上げ力を適用させ得ることを表している。
【0037】
図5は、プローブ140がカテーテル111に対して相対的に回転するように構成されている例を示している。この例では、プローブアセンブリ130は、臨床医が、プローブアクチュエータ133を回転させることによって、プローブ140を回転させることを可能にするように構成される。例えば、
図4A及び4Bを参照すると、プローブ140の近位端140bは、臨床医がプローブアクチュエータ133を回転させると、プローブ140の全体が回転するように、直接的又は間接的に、プローブアクチュエータ133に結合され得る。プローブ140を回転させることによって、臨床医は、形状部分142の向きを調整して、カテーテル111の遠位端111aがどの方向に再配置されるかを変えることができる。例えば、臨床医は、プローブ140を回転させて、遠位端111aを円形経路に沿って移動させ、前後に揺動させ、又は血流が妨げられない位置を見つけるまで移動させることができる。
【0038】
図6A~
図6Dは、プローブ140を用いてカテーテル111がどのように再配置され得るかの別の例を示している。これらの図において、カテーテル111は、いくつかの実施形態において静脈壁を表し得る表面600に対して示されている。
図6Aでは、プローブ140は、まだカテーテル111の中に前進していない。したがって、カテーテル111は、表面上に置かれている。
図6Bでは、プローブアクチュエータ133が、アダプタ114に向かって前進しているが、プローブ140はまだ、カテーテル111の遠位端111aに到達していない。したがって、カテーテル111は、表面上に置かれたままである。
【0039】
図6Cに目を向けると、プローブアクチュエータ133がさらに前進し、それによってプローブ140の遠位端140aが、カテーテル111の遠位端111aを越えて延在している。この例では、形状部分142は、
図3Fの例に類似する。したがって、遠位部分141が、遠位端111aから延びると、遠位端140aは、(患者の血管系を表し得る)表面に接触する可能性がある。形状部分142のために、遠位端111aは、表面から離れるように上方に持ち上げられる。より詳細には、形状部分142がその形状を保持するため、カテーテル111は、形状部分142の形状に適合することになる。
【0040】
図6Dに目を向けると、プローブアクチュエータ133は、その最も遠位な位置まで前進しており、その結果、形状部分142が遠位端111aから完全に延びた状態になっている。その結果、遠位端111aは、もはや形状部分142によって持ち上げられておらず、したがって、表面上に静止するように戻っている。いくつかの実施形態において、プローブ140は、形状部分142が遠位端111aから完全に延びるように構成されていない可能性があることに留意されたい。したがって、本開示の実施形態は、プローブアセンブリ130が、形状部分142が遠位端111aから延びることを防ぐように設計される場合、及び、プローブアセンブリ130が、形状部分142が遠位端111aから部分的又は完全に延びることを可能にするように設計される場合を包含するはずである。
【0041】
図6Cを参照すると、プローブ140が回転した場合、カテーテル111の遠位端111aは、円形経路に沿って移動するようにさせられ得る。また、プローブ140が遠位端140aにコイル又は他の拡大構造を含む場合、患者の血管系への外傷は最小限に抑えられ、同時に閉塞物の除去を潜在的に強化することができる。
【0042】
いずれにしても、形状部分142を有するプローブ140を採用することにより、カテーテル111が閉塞した場合でも、カテーテル111を介した採血や液体注入を可能にするために、カテーテル111を再配置することができる。このように、プローブ140は、カテーテルとは別の流体経路を提供するデバイスの使用を必要とせずに、カテーテルの開通性を延長させることができる。プローブ140は、カテーテル111を血液サンプルの収集に使用することを可能にするので、カテーテル111を通して挿入される別の小さいチューブを採用する場合に存在する流量と比較して、血液サンプルの収集中に改善された流量が存在し得る。しかしながら、
図3Hによって示されるように、形状部分142を提供するプローブは、別個の流体経路を提供するチューブの形態であり得る。
【0043】
プローブ140は、例えば、ニチノール又はステンレス鋼などの金属、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエーテルイミドなどのポリマー、又はそのような材料の組み合わせを含む任意の適切な材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、プローブ140は、例えば、ニッケルコーティングを有するステンレス鋼又はニチノールコア、又はポリマーコーティングを有する金属コアなどの第2の材料のコーティングを有する第1の材料で形成されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、プローブ140の遠位端140aは、プローブ140がカテーテル111を越えて遠位に進められるときに、より非外傷性になるように、丸く及び/又はテーパーが付けられてもよい。また、テーパー状の遠位端140aは、カテーテル111の遠位端111aの損傷を最小限に抑えながら、プローブ140をカテーテル111内に引き戻すのを容易にし得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、カテーテル111の遠位端111aを再配置する能力を提供することに加えて、プローブ140は、カテーテル111の近位部も補強することができる。例えば、プローブ140は、カテーテル111が形成される材料よりも剛性又は弾力性のある材料で形成されてもよい。したがって、プローブが、カテーテル111の内部に配置された状態で、プローブ140の近位部分143は、カテーテル111における(例えば、カテーテル111のS字部分)におけるねじれを防止することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、プローブ140は、カテーテル111のS字形状を変更することによって、カテーテル111の遠位端111aを再配置するように機能し得る。例えば、プローブ140が形成され得るより剛性の高い材料に起因して、近位部分143は、カテーテル111のS字領域をまっすぐにし、これにより、カテーテル111の遠位端111aが血管系内で前進させられる可能性がある。一方、形状部分142は、カテーテル111のS字形状部分内に配置され、より湾曲させ(すなわち、よりきついS字形状を形成し)、これにより、カテーテル111の遠位端111aが血管内で引っ込む可能性があり得る。
【0047】
要約すると、プローブは、カテーテルの遠位端を持ち上げ、前進させ、後退させ、及び/又は旋回させ、それによって患者の血管系内でカテーテルを再配置することができる形状部分を有するように構成することができる。この再配置により、カテーテルは、血管の壁又は他の解剖学的構造、及び、形成され得る血栓のような任意の障害物に対して相対的に移動することができる。カテーテルを再配置することで、カテーテルの開通性を延長し、長期留置カテーテルからの血液採取を容易にする。
【0048】
本明細書で記載されるすべての例及び条件付き文言は、本発明、および技術を促進するために発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本開示の実施形態は詳細に説明されているが、開示された実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に対する、さまざまな変更、置換、および改変がなされ得ることを理解されたい。
【国際調査報告】