(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】材料検査器具を作動させる方法、および、材料検査器具
(51)【国際特許分類】
G01N 22/00 20060101AFI20230714BHJP
G01N 22/04 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
G01N22/00 S
G01N22/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578754
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2021066352
(87)【国際公開番号】W WO2022002605
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】102020208116.6
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】スガーツ,ハイコ
(72)【発明者】
【氏名】ブロシ,ヤンーミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ハグマイヤー,サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】トラック,トルステン
(72)【発明者】
【氏名】レンク,イナ-ソフィ
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】本発明は、測定信号が検査物体(14)に発信され、検査物体(14)の表面(16)に対して相対的な材料検査器具の位置が検出されて、表面(16)の裏に隠れている検査物体(14)の区域(18)の材料特性を位置解像式および/または方向解像式に判定し、材料特性が少なくとも1つのデジタル式の表示オブジェクト(20,22,24,26,28,30,32)として物理的な表示ユニット(34)によって表される、特にハンドヘルド可能な材料検査器具を作動させる方法を前提とする。少なくとも1つの方法ステップで、同一の表示オブジェクト(22,24,26,28,30,32)が材料特性に追加して測定追加情報を特にカラーコーディング(39)によって表すことが提案される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定信号が検査物体(14)に発信され、検査物体(14)の表面(16)に対して相対的な材料検査器具の位置が検出されて、前記表面(16)の裏に隠れている検査物体(14)の区域(18)の材料特性を位置解像式および/または方向解像式に判定し、材料特性が少なくとも1つのデジタル式の表示オブジェクト(20,22,24,26,28,30,32)として物理的な表示ユニット(34)によって表される、特にハンドヘルド可能な材料検査器具を作動させる方法において、少なくとも1つの方法ステップで、同一の表示オブジェクト(22,24,26,28,30,32)が材料特性に追加して測定追加情報を特にカラーコーディング(39)によって表すことを特徴とする方法。
【請求項2】
材料特性と測定追加情報が少なくとも2つの方法ステップでそれぞれ異なる表示形式(36,38)で出力されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの方法ステップで、表示オブジェクト(32)の現在の表示形式(36,38)が前記測定追加情報および/または別の測定追加情報によって明示されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの方法ステップで、測定追加情報が材料種類をコーディングすることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの方法ステップで、測定追加情報のコーディング(39)が変更されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの方法ステップで、前記材料検査器具のセンサ領域(40)を表す別の表示オブジェクト(42)が、判定された材料特性に依存して表示転換を受けることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの方法ステップで、測定追加情報が、判定された材料特性に依存して深さ参照基準(44)を表すことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの方法ステップで、測定追加情報のコーディング(39)がフェードインされることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの方法ステップで、表される値範囲(46,47,48)が材料特性および/または測定追加情報について適合化されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法を実施するための、制御ユニット(50)と、表示ユニット(34)、特にカラーディスプレイとを有する材料検査器具。
【請求項11】
測定信号が検査物体(14)に発信され、検査物体(14)の表面(16)に対して相対的な材料検査器具の位置が検出されて、前記表面(16)の裏に隠れている検査物体(14)の区域(18)の材料特性を位置解像式および/または方向解像式に判定する、特にハンドヘルド可能な材料検査器具を作動させる方法において、少なくとも1つの方法ステップで、材料特性の表示が画像として前記材料検査器具により保存されることを特徴とする方法。
【請求項12】
少なくとも1つの方法ステップで、前記材料検査器具の表示ユニット(34)により作成された材料特性の現在の表示が保存されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの方法ステップで、前記材料検査器具の現在の測定データから特別に保存のために画像が新たに生起されることを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
以前に実行された測定で検出された追加データから追加的に画像が新たに生起されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの方法ステップで、新たに生起された画像が、前記材料検査器具の表示ユニット(34)の現在の表示の表示形式(36,38)とは異なる表し方で保存されることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの方法ステップで、材料特性の保存された少なくとも2つの画像が単一の画像にまとめられることを特徴とする、請求項11から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの方法ステップで、前記材料検査器具の利用者によって画像の保存が惹起されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの方法ステップで、画像の保存が自動的に行われることを特徴とする、請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの方法ステップで、前記材料検査器具のインターフェース(52)を介して画像が外部の記憶装置に伝送されることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
請求項11から19のいずれか1項に記載の方法を実施するための、制御ユニット(50)と記憶ユニット(54)とを有する材料検査器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
特許文献1より、測定信号が検査物体に発信され、検査物体の表面に対して相対的な材料検査器具の位置が検出されて、表面の裏に隠れている検査物体の区域の材料特性を位置解像式および/または方向解像式に判定し、材料特性が少なくとも1つのデジタル式の表示オブジェクトとして物理的な表示ユニットによって表される、特にハンドヘルド可能な材料検査器具を作動させる方法、およびこのような種類の材料検査器具がすでに公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、測定信号が検査物体に発信され、検査物体の表面に対して相対的な材料検査器具の位置が検出されて、表面の裏に隠れている検査物体の区域の材料特性を位置解像式および/または方向解像式に判定し、材料特性が少なくとも1つのデジタル式の表示オブジェクトとして物理的な表示ユニットによって表される、特にハンドヘルド可能な材料検査器具を作動させる方法を前提とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
少なくとも1つの方法ステップで、同一の表示オブジェクトが材料特性に追加して測定追加情報を特にカラーコーディングによって表すことが提案される。材料検査器具はセンサユニットを、特に、測定信号として特にマイクロ波領域および/または電波領域の電磁波を発信および受信するアンテナユニットを、含むのが好ましい。特にセンサユニットは、発信された測定信号の後方散乱された、特に反射された、割合を受信するために意図される。材料検査器具は、特に、材料特性の検出のために特に利用者によって検査物体の表面に配置されるために、および任意選択として、特に表面と材料検査器具との接触を維持しながら表面に対して相対的に変位させるために、意図される。材料検査器具は、少なくとも1つの転動部材を、特にホイール、ローラ、ボールなどを、材料検査器具を表面に配置するために、および/または表面に対して相対的に材料検査器具を動かすために、含むのが好ましい。材料検査器具は、特に表面での転動部材の転動を検出することによって表面に対して相対的な材料検査器具の位置を検出する、特に開始位置に対して相対的な変位を検出する、少なくとも1つの位置検出ユニットを、特にオドメータを、含むのが好ましい。材料検査器具は、特に、センサユニットにより検出された材料特性を評価し、それに依存して表示オブジェクトを作成し、出力のために表示ユニットへ伝送する、少なくとも1つの制御ユニットを含む。材料検査器具は少なくとも1つの記憶ユニットを含むのが好ましい。記憶ユニットは、たとえばリードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(Flash-EEPROM)などの書き換え可能なメモリとして構成されるのが好ましい。特に制御ユニットは、材料特性を特に生データとして、および/または評価された形態で、材料特性の保存されるべき値が検出されたときに位置検出ユニットで検出された材料検査器具の位置データとの組合せとして、記憶ユニットに保存する。
【0005】
センサユニットは材料特性として、特に、測定信号に対する検査物体の散乱挙動、反射挙動、透過挙動、および/または吸収挙動を検出する。特に制御ユニットは、材料特性に関わる空間的な変動を判定する。制御ユニットは、空間的に均一な基本材料を有する、たとえばコンクリート、中実木材、プレスボード、石膏プラスター、セラミック、プラスチック、またはその他の建設素材からなる検査物体の検査のために意図されるのが好ましい。特に制御ユニットは材料特性の変動から、検査物体の基本材料における包含物、たとえば水、および/または固体、たとえばねじ、送電線、鉄桁、水道管、気泡などを推定する。「均一な基本材料」とは、特に、材料特性に関する空間的な差異が、基本材料と異物の間の差異よりも小さい材料、または特に水分などの場所依存的な包含物に基づく空間的な差異よりも小さい材料を意味するものとする。本方法は、センサユニットでの測定によって基本材料の材料特性の平均値が、基本材料と包含物および/または異物との間の区別をするための参照基準として検出されるキャリブレーションステップを含むのが好ましい。その代替または追加として、制御ユニットのメモリおよび/または記憶ユニットに、特に基本材料と包含物および/または異物との間の区別をするための参照基準として制御ユニットから呼び出すことができる、さまざまな基本材料に関わるキャリブレーションデータが格納される。特に材料検査器具は、検査物体の基本材料における異物を位置特定するため、および/または包含物の空間的な推移を検出するために意図される。
【0006】
「制御ユニット」とは、特に、少なくとも1つの制御エレクトロニクスを有するユニットを意味するものとする。「制御エレクトロニクス」とは、特に、プロセッサユニットおよびメモリ、ならびにメモリに保存された動作プログラムを有するユニットを意味するものとする。表示ユニットは少なくとも1つのディスプレイを含み、特に少なくとも50×50ピクセルの、好ましくは100×100ピクセル以上の、特別に好ましくは200×200ピクセル以上の解像度のカラーディスプレイを含む。
【0007】
たとえばディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LEDディスプレイ)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLEDディスプレイ)、プラズマディスプレイ(PDP)などとして構成される。任意選択として表示ユニットは、特にディスプレイの明度、コントラスト、色飽和度などの表示設定を変更するための表示操作部材を含み、および/または特にコントロールランプなどの少なくとも1つの別の表示部材を含む。「意図される」とは、特に、特別にセットアップされ、特別にプログラミングされ、特別に設計され、および/または特別に装備されることを意味するものとする。ある物体が特定の機能のために意図されるとは、特に、その物体がその特定の機能を少なくとも1つの使用状態および/または動作状態のときに遂行および/または実行することを意味するものとする。
【0008】
「表示オブジェクト」とは、特に、材料検査器具による検査物体の検査に関与する特に単一の物理的な物体の、または特に単一の仮想的な物体の、表示ユニットにより表される表象を意味するものとする。表示オブジェクトにより表象される物理的な物体は、特に、検査物体、検査物体の表面、検査物体の部分区域、とりわけ検査物体の基本材料中における異物および/もしくは包含物、ならびに/または材料検査器具を含む。表示オブジェクトにより表象される仮想的な物体の例は、スケール、特に位置表示、または材料特性の値範囲、インフォメーションボックス、材料検査物体のセンサ領域などである。「単一の」物理的な物体とは、ここでは特に、センサユニットの解像能力を考慮したうえで、材料検査器具によって単独で解像可能な物理的物体を意味するものとする。特に、解像能力の意味で互いに近くに位置する、および/または材料特性の類似する値を有する、複数の物理的な物体を、制御ユニットによって単一の表示オブジェクトをなすようにまとめることができる。「表示される」物理的または仮想的な物体とは、以下においては特に、その物理的または仮想的な物体を表象する表示オブジェクトの簡略形を指す。制御ユニットは表示オブジェクトを作成、管理するのが好ましく、特に、制御ユニットは表示オブジェクトの表示を更新し、アクティブまたは非アクティブにする。表示ユニットは、制御ユニットの制御信号に依存して、表示ユニットのピクセルを表示オブジェクトに割り当てるのが好ましい。表示ユニットは、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、表示を出力するのが好ましい。表示は、少なくとも1つの背景と、少なくとも1つの表示オブジェクト、特に多数の表示オブジェクトとを含むのが好ましい。さまざまな表示オブジェクトが表示の中で互いに間隔をおいて配置されていてよく、または、部分的に隠すように配置されていてよい。表示の中のさまざまな表示オブジェクトが外側輪郭によって、または相違する塗りつぶしによって、特に着色によって、相互に、および特に表示の背景から、区切られるのが好ましい。表示ユニットが単一の表示オブジェクトに割り当てる表示ユニットのピクセルは、隣接して、または特にグループごとに互いに間隔をおいて、配置されていてよい。
【0009】
制御ユニットは、検出された材料特性に依存して少なくとも1つの表示オブジェクトを作成するのが好ましい。特に制御ユニットは、検査物体の基本材料中の異物および/または包含物を表象する少なくとも1つの表示オブジェクトを作成する。特に表示オブジェクトは、検査物体の部分区域の、特に参照基準と差異のある材料特性の値を有する異種物体の、空間的な延在、位置、および/もしくは配列、ならびに/または材料特性の、特に包含物の、空間的な推移を表す。表示オブジェクトは、特に材料特性の値、特に参照基準からの少なくとも二値的または段階的な差異と、材料検査器具に対して相対的な少なくとも一次元の、好ましくは二次元の、任意選択として三次元の位置とを、情報として担う。
【0010】
「測定追加情報」とは、特に、検出された位置依存的な材料特性から導き出される情報、および/または材料特性の検出にとって重要な制御ユニットの設定を表す情報を意味するものとする。測定追加情報の例は、異物の材料種類、測定信号の評価の信頼度、センサユニットの検出モード、制御ユニットの評価モードなどを含む。材料特性も表す同一の表示オブジェクトを含む測定追加情報の表示は、着色および/または表示オブジェクトのグレー段階によって行われるのが特別に好ましい。その代替または追加として測定追加情報は、たとえば表示オブジェクトの塗りつぶしまたは外側輪郭のパターン、表示オブジェクトの点滅、表示オブジェクトの透明度、表示オブジェクトの明度などによってコーディングされる。制御ユニットは、表示オブジェクトの評価に関して、たとえばスケール、位置参照基準などの少なくとも1つの別の表示オブジェクトを作成するのが好ましい。任意選択として別の表示オブジェクトは、測定追加情報および/または別の測定追加情報を追加的に表す。任意選択として制御ユニットは、材料特性の検出から独立した少なくとも1つの追加の表示オブジェクト、たとえば材料検査器具の充電状態表示、メニューバーなどを作成する。
【0011】
本発明による方法の実施形態により、大量の情報を表すことができるという利点がある。特に、現在のセンサ領域の外部に位置している異種物体についても、一覧性をもって情報を出力することができるという利点がある。
【0012】
さらに、材料特性と測定追加情報が少なくとも2つの方法ステップでそれぞれ異なる表示形式で出力されることが提案される。制御ユニットと表示ユニットは、利用者によって材料検査装置の操作部材が操作されたときに表示形式を転換するのが好ましい。たとえば制御ユニットと計算ユニットは、検査物体の異種物体の深さが表される表示形式と、検査物体の異種物体に突き当たらない最大の穿孔深さが表される表示形式との間で転換を行う。「深さ」とは、特に、検査物体の表面から検査物体の部分区域までの、特に異種物体までの、最小の間隔を意味するものとする。たとえば制御ユニットと計算ユニットは、検査物体の表面に対して垂直の断面図を表す表示形式と、検査物体の表面に対して平行の平面図を表す表示形式との間で転換を行う。たとえば制御ユニットと計算ユニットは、材料検査器具の現在のセンサ領域を表す表示形式と、材料特性の以前の検出表示に依拠して現在のセンサ領域を超える検査物体のパノラマ図を表す表示形式との間で転換を行う。たとえば制御ユニットと表示ユニットは、材料特性の少なくとも2つの空間的な推移および/またはそこから導き出されるパラメータが重ね合わされて、特に共通のスケールまたは二重スケールとともに表される表示形式と、少なくとも2つの空間的な推移が互いに間隔をおいて、特にそれぞれ独自のスケールとともに、かつ特にオーバーラップなしに表される表示形式との間で転換を行う。たとえば制御ユニットと表示ユニットは、それぞれ材料特性の異なるスケーリング、特に対数スケーリングと線形スケーリングを表す、2つの表示形式の間で転換を行う。本発明に基づく実施形態により、数多くの適用ケースについて材料検査器具を利用できるという利点がある。
【0013】
さらに、少なくとも1つの方法ステップで、表示オブジェクトの現在の表示形式が測定追加情報および/または別の測定追加情報によって明示されることが提案される。少なくとも1つの表示オブジェクトが深さ参照基準として構成されるのが好ましい。深さ参照基準は、特に、現在表示されている検出場所から表示されている深さスケールまで少なくとも延びる、検査物体の表示されるべき表面に対して平行の線を含むのが好ましい。深さ参照基準は、特に設定依存的および/または表示形式依存的に、現在検出されて表示されている異種物体の深さ、表示されている異種物体のうち判定された最小の深さを有しているものの深さ、利用者により設定される穿孔深さ、および/または特に表示されている異種物体から安全間隔を有する最大限可能な穿孔深さで、表示される。深さ参照基準の測定追加情報は、たとえば穿孔深さと、表示されている異種物体の深さとの間で区別をするために意図される。たとえば穿孔深さを明示するために、特に深さ参照基準の線に当接する穿孔ヘッドが測定追加情報としてフェードインされる。たとえば表示されている異種物体の深さを明示するために、穿孔ヘッドがフェードアウトされる。本発明に基づく実施形態により、材料検査器具の取扱いを直感的に構成することができるという利点がある。特に、異なる表示形式を互いに一義的に区別可能にすることができるという利点がある。
【0014】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、測定追加情報が材料種類をコーディングすることが提案される。制御ユニットは、材料特性の空間的な変動に依存して、検査物体の部分区域の、特に異種物体の、材料種類を判定するのが好ましい。たとえば制御ユニットは、磁性金属、非磁性金属、送電管路、非金属、およびその他の材料の間で区別を行う。材料種類が異なる異種物体を表象する表示オブジェクトは、それぞれ異なる色、特にそれぞれ異なる塗りつぶし色を有するのが好ましい。その代替として表示オブジェクトは同じ塗りつぶし色を有し、表示オブジェクト内部のカラーマーキング、たとえば点、および/または特に色付きの記号によって異なる材料がコーディングされる。本発明に基づく実施形態により、検査物体の基本材料中の異なる異種物体をそれぞれ別様に表すことができるという利点がある。特に、現在のセンサ領域の外部にある異種物体を明示できるという利点がある。特に、異種物体の差別化された明示のための別の表示オブジェクトの個数を少なく抑えることができるという利点がある。
【0015】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、特にすでに挙げた測定追加情報のコーディングが変更されることが提案される。コーディングは、特に材料検査器具の操作部材による利用者入力に依存して変更されるのが好ましい。コーディングは、コーディングをする要素、たとえば表示オブジェクトの色、表示オブジェクトのパターン、表示オブジェクトの記号などの、コーディングされる要素への、たとえば材料特性の値範囲、判定された材料種類への、少なくとも1つの割当、特に多数の割当を含む。コーディングが変更されるとき、割当が、特に個々の割当が、アクティブまたは非アクティブにされるのが好ましい。特に表示ユニットは、標準表示で割当が非アクティブにされるときに、表示オブジェクトを表示する。任意選択として表示ユニットは、割当が非アクティブになるとともに表示オブジェクトが完全にフェードアウトされる、少なくとも1つの表示モードを含む。任意選択として制御ユニットは、割当をアクティブまたは非アクティブにすることで、相応のコーディングされた要素の判定をアクティブまたは非アクティブにする。その代替として制御ユニットは、特に利用者入力により惹起されて割当そのものを変更し、すなわち、コーディングされている要素に、コーディングをする新たな要素を、特に別の色を、割り当てる。任意選択として、制御ユニットのメモリに少なくとも2つの異なるコーディングが保存されていて、特に、利用者がこれらの中から選択を行うことができる。本発明に基づく実施形態により、材料検査器具を利用者に合わせて、特に色覚障害のある利用者にも合わせて、フレキシブルかつ個別に適合化可能であるという利点がある。特に利用者は、たとえば可能な穿孔個所を探すために、多くのアクティブな割当と豊富な情報とを有する一般的な表示モードと、たとえば電気配線を追跡するために、少ないアクティブな割当と高い一覧性とを有する特別な表示モードとの間で転換を行うことができるという利点がある。
【0016】
これに加えて、少なくとも1つの方法ステップで、特にすでに挙げた材料検査器具のセンサ領域を表す別の表示オブジェクトが、判定された材料特性に依存して表示転換を受けることが提案される。表示ユニットは、少なくともパノラマ図のときに、材料検査器具のセンサ領域を超える検査物体の部分図を示すのが好ましい。センサ領域とは、特に、センサユニットに割り当てられる測定容積であって、その中ではセンサユニットの感度が所定の閾値を上回っている測定容積を意味する。特にセンサ領域は材料検査器具とともに、および/またはセンサユニットのアライメントとともに、検査物体に対して相対的に一緒に動く。センサ領域を表す別の表示オブジェクトは、センサユニットの感度のある個所を表象する焦点マーキングを含み、および/またはセンサユニットの感度の閾値に達する個所をマーキングする少なくとも1つの境界マーキングを含む。表示ユニットは、警告または警告解除を出力するために、表示されるセンサ領域を転換するのが好ましい。表示されるセンサ領域の表し方は、少なくとも2つの色の間で転換がなされるのが特別に好ましい。たとえば表示ユニットは、異種物体のために所定の穿孔深さに到達できないときにセンサ領域を1つの表し方で、特に赤色で表し、所定の穿孔深さの内部に異種物体が判定されなかったときには別の表し方で、特に緑色や白色で表す。任意選択として表示ユニットは、表示されるセンサ領域の表示転換に伴って、材料検査器具の現在の個所での穿孔に対して記号および/またはテキスト出力として警告を発する追加表示オブジェクトをフェードインおよびフェードアウトする。その代替として、表示されるセンサ領域が、現在検出されている材料種類によってコーディングされて表示される。本発明に基づく実施形態により、特に好ましく少ない別の表示オブジェクトによって、材料特性の用途依存的な評価を表示することができるという利点がある。
【0017】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、測定追加情報が、判定された材料特性に依存して、特にすでに挙げた深さ参照基準を表すことが提案される。深さ参照基準は、現在検出されている材料種類によってコーディングされて表されるのが好ましい。任意選択として利用者は材料検査器具の操作部材を通じて、特に現在のセンサ領域を超える、材料検査器具の位置についての値範囲を設定する。材料検査器具の位置について規定された値範囲内で制御ユニットが複数の材料種類を判定したときには、深さ参照基準は、検査物体の表面から最小の間隔を有する異種物体に合わされるのが好ましく、任意選択として、その材料種類またはニュートラルな色でコーディングされる。本発明に基づく実施形態により、複数の異種物体がある場合に、深さ参照基準を特定の異種物体に容易に割り当てることができるという利点がある。
【0018】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、測定追加情報のコーディングがフェードインされることが提案される。表示ユニットは材料検査器具の動作中に、現在検出されている材料特性に関わる、特に材料種類に関わる、コーディングの特に個々の割当を表示する少なくとも1つの別の表示オブジェクトを、現在の測定内容とともに表示するのが好ましい。表示ユニットは、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、アクティブになっているすべての、および現在の表示の生起のために適用されるすべての、コーディングの割当の選択肢全部を含む、または特に事前に設定された1つの選択肢を含む、コーディングの凡例をフェードインするのが好ましい。凡例の表示は、材料検査器具の動作中に継続して現在の測定の表示とともに、たとえばサイドバーとしてフェードインすることができ、または、現在の測定の表示を一時的に覆うようにフェードインすることができる。利用者は、材料検査器具の操作部材を操作することで、コーディングのフェードインを惹起するのが好ましい。コーディングの、特に凡例の、フェードアウトは、材料検査器具の操作部材を操作することによって、または手から放すことによって、あるいは自動式に、特に所定のタイムスパンの経過後に、行うことができる。本発明に基づく実施形態により、材料検査器具を簡易に操作して読み取ることができるという利点がある。
【0019】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、材料特性および/または測定追加情報について、表される値範囲が適合化されることが提案される。値範囲の適合化は、特に材料特性の検出された値範囲に依存して、制御ユニットにより自動的に適合化することができ、または、材料検査器具の操作部材の操作により利用者によって適合化することができる。たとえば値範囲の適合化にあたって、表示される値範囲の最小の値および/または最大の値が規定される。たとえば値範囲の適合化にあたって、値範囲の対数スケーリングと線形スケーリングとの間で転換が行われる。本発明に基づく実施形態により表示を好ましく用途依存的に、かつ好ましくフレキシブルに構成することができる。特に、表示のエリアを良好に活用できるという利点がある。
【0020】
さらに本発明は、特にハンドヘルド可能な、特にすでに挙げた、もしくはその代替の、材料検査器具を作動させる、特にすでに挙げた、もしくはその代替の方法を前提とし、特にすでに挙げた測定信号が、特にすでに挙げた検査物体に発信され、特にすでに挙げた検査物体の表面に対して相対的な材料検査器具の位置が検出されて、表面の裏に隠れている検査物体の区域の、特にすでに挙げた材料特性を位置解像式および/または方向解像式に判定する。
【0021】
少なくとも1つの方法ステップで、材料特性の表示が画像として材料検査器具により保存されることが提案される。特に、特にすでに挙げた材料検査器具の制御ユニットが、特にすでに挙げた材料検査器具の記憶ユニットに画像を保存する。制御ユニットは、測定信号に依存して、特にすでに挙げた少なくとも1つの表示オブジェクトを作成し、これが画像で表される。特に、ここで説明している方法および上で説明した方法を、互いに独立して、または相互に組合せとして、特にすでに挙げた材料検査器具で、または代替的な材料検査器具で、具体化することができる。両方の方法が互いを条件とすることはなく、互いを排除し合うこともない。両方の方法が組合せとして具体化される好ましい実施形態では、特に好ましい相乗効果が得られる。任意選択として、制御ユニットは、特にすでに挙げた材料検査器具の表示ユニットに画像を出力する。たとえば画像は、検査物体の断面図、特に透明に表される検査物体の表面の平面図、検査物体の三次元の部分図、材料特性の一次元または多次元の空間的推移などを示す。画像は記憶ユニットの不揮発性メモリに、および/またはメモリーカードに保存されるのが好ましい。任意選択として、特にすでに挙げた材料検査器具のセンサユニットにより検出された生データが、および/または制御ユニットにより生データから判定された材料特性の値が、特に画像に追加して、特に不揮発性メモリに保存される。その代替として、センサユニットにより検出された生データが、および/または制御ユニットにより生データから判定された材料特性の値が、揮発性メモリに格納されて、特に画像の作成後に、または特に複数の画像が作成される測定シリーズの終了後に、能動的に消去され、および/または書き換えが惹起される。
【0022】
本方法の本発明に基づく実施形態により、後の利用および/または評価のために材料特性を同一の器具により検出して保存することができるという利点がある。特に、画像を記録するための外部の記録器具を省略できるという利点がある。特に、大量の情報を保存することができる。特に、現在のセンサ領域の外部に位置する異種物体についても情報を保存できるという利点がある。特に、すでに事前評価された、かつ特にカラーでコーディングされた、材料特性を保存することができるという利点がある。
【0023】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、特にすでに挙げた材料検査器具の表示ユニットにより作成された材料特性の現在の表示が保存されることが提案される。特に、制御ユニットと表示ユニットがスクリーンショットを作成し、これが画像として保存される。スクリーンショットは、たとえばメニューバー、ステータス表示、サイドバーなどを含めて表示ユニットの表示全体を含むことができ、または表示の一部分、特に材料特性を表す一部分を含むことができる。任意選択として、利用者が材料検査器具の操作部材を通じて、スクリーンショットとして保存されるべき表示の一部分を、保存のときに、および/または保存に先行する本方法の設定段階のときに、選択する。特に制御ユニットは、表示の出力のために表示ユニットに送信されたデータストリームのコピーを画像として記憶ユニットに保存する。本発明に基づく実施形態により、利用者が材料特性を画像として簡単に保存できるという利点がある。特に、表示ユニットの表示が画像のプレビューとしての役目を果たすことができるという利点がある。
【0024】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、材料検査器具の現在の測定データから特別に保存のために画像が新たに生起されることが提案される。制御ユニットが表示には関わりなく画像を生起して、これを記憶ユニットに、特に表示ユニットによる出力をすることなく保存する。任意選択として、特に表示として表示されるよりも高い別の解像度で画像が保存される。本発明に基づく実施形態により、表示ユニットの制約に関わりなく、特にディスプレイのサイズや解像能力に関わりなく、画像を保存できるという利点がある。特に、いっそう高い情報内容を画像に取り込むことができる。
【0025】
さらに、以前に実行された測定で検出された追加データから画像が新たに生起されることが提案される。記憶ユニットは、現在の測定データを追加データとして少なくとも一時的に記憶ユニットに、または制御ユニットのメモリに、後で利用するために、特に材料検査器具の現在のセンサ領域を超える検査物体の部分の材料特性を表すために、保存するのが好ましい。特に制御ユニットは、特に現在のセンサ領域で検出された現在の測定データと、追加データとから、画像および/または表示を生起する。本発明に基づく実施形態により、画像が検査物体の広い一部分を表すことができるという利点がある。特に、検査物体の測定された一部分を有利にも少ない画像に保存することができる。特に、画像のオーバーヘッドを小さく抑えることができるという利点がある。
【0026】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、新たに生起された画像が、材料検査器具の表示ユニットの現在の表示の表示形式とは異なる表し方で保存されることが提案される。表示ユニットの表示は制御ユニットによって現在の測定データから、および任意選択としてセンサユニットにより検出されて制御ユニットにより加工された追加データから、生成される。この表示は材料特性に加えて、別の表示オブジェクトまたは追加の表示オブジェクトとして、たとえばステータス表示、メニューバー、時刻、警告指示、現在のセンサ領域などを含み、これらが特に材料特性と部分的にオーバーラップするように表される。利用者または制御ユニットは、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、プリセットされたプロファイルを通じて、特に材料特性に追加して表示オブジェクトが画像に保存されるか否かを、特にどの表示オブジェクトが保存されるかを、選択するのが好ましい。保存される画像は表示ユニットの表示と同一であってよく、または表示と相違していてよい。任意選択として、新たに生起された画像が利用者による操作のために表示ユニットに出力される。任意選択として、画像がマルチレイヤの画像フォーマットで保存され、特に画像の1つのレイヤが材料特性を含み、少なくとも1つの別のレイヤが別の表示オブジェクトおよび/または追加の表示オブジェクトを含む。本発明に基づく実施形態により、画像を他の利用法および/または評価に合わせて適合化することができるという利点がある。特に、特に測定の実行のためには表示に必要ではない、および/または表示のオーバーロードによって測定の実行を困難にする、別の表示オブジェクトや事前評価を画像に追加的に組み込むことができる。特に、別の利用法および/または評価にとって重要でない別の表示オブジェクトおよび/または追加の表示オブジェクトを、画像で省略することができるという利点がある。さらに、特にアライメント補助などをフェードインすることで、特に表示がその評価および/または別の利用法に適しているか否かを顧慮することなく、センサユニットでの測定プロセスに合わせて表示を適合化できるという利点がある。
【0027】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、保存された材料特性の少なくとも2つの画像が単一の画像にまとめられることが提案される。制御ユニットは、検査物体の表面に対して相対的に材料検査器具のそれぞれ異なる位置で作成された、または、材料検査器具の、特にセンサユニットの、それぞれ異なる設定をもって同じ位置で作成された、少なくとも2つの画像を単一の画像にまとめる。制御ユニットは、オーバーヘッドとともに集約するために画像を保存するのが好ましい。オーバーヘッドは、特に、画像が検出された検査物体の表面に対して相対的な材料検査器具の位置を含み、および/または画像が検出されたセンサユニットの設定を含む。オーバーヘッドは独立したファイルとして構成されていてよく、または、帰属する画像とともに単一のメタファイルに保存されていてよい。制御ユニットは、互いにオーバーラップする画像があるとき、それ自体として周知のスティッチ法により、それぞれの画像のオーバーラップ領域を融合するのが好ましい。任意選択として制御ユニットは、互いに間隔をおく画像があるとき、それぞれの画像の間の中間領域を補間する。本発明に基づく実施形態により、特に材料検査器具そのものよりも広い、検査物体の広い一部分を単一の画像で表すことができるという利点がある。
【0028】
これに加えて、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、材料検査器具の利用者によって画像の保存が惹起されることが提案される。特に材料検査器具は、保存を惹起するための少なくとも1つの操作部材を含む。任意選択として表示ユニットは、材料検査器具の現在の位置に依存して、および、画像が直近に保存された位置に依存して、特に複数の画像を隙間なくつなぎ合わせるために、および/または冗長的なデータを回避するために、現在の位置で新たな画像が保存されるべきか否かを表示する。保存を惹起するための操作部材は、特に当該操作部材が材料検査器具のグリップの近傍の表面および/または内部に配置されることによって、材料検査器具を保持するのと同じ手で操作可能であるのが好ましい。本発明に基づく実施形態により、何が保存されるかの選択に関して、およびそのために必要なデータ容量に関して、利用者が好ましく幅広いコントロールを行うことができる。特に、後続する画像の通覧を短くすませることができるという利点がある。
【0029】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、画像の保存が自動的に行われることが提案される。制御ユニットは、特に規則的な空間的間隔および/または時間的間隔をおいて画像を保存する。その追加または代替として、検査物体の、それ以外では均質な基本材料中での異種物体の検知によって保存が惹起される。自動的な保存は、特に、材料検査器具の動作の時間帯全体のあいだ行うことができる。その代替として自動的な保存は、利用者によってアクティブにされる材料検査器具の記録モードの時間帯のあいだ行われる。その代替として自動的な保存は、利用者が材料検査器具の操作部材を能動的に、特に復帰力に抗して、操作している時間帯のあいだ行われる。本発明に基づく実施形態により、一部分を体系的に検出して画像に保存することができるという利点がある。特に、材料特性の隙間のない保存を容易に実現できるという利点がある。
【0030】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、画像が特にすでに挙げた材料検査器具のインターフェースを介して外部の記憶装置に伝送されることが提案される。インターフェースは有線式に、たとえばUSB端子、Lightning端子、R-232端子、イーサネット端子などとして、無線式に、特に電波式に、たとえばWi-Fiモジュール、ブルートゥースモジュール、ZigBeeモジュールなどとして、および/またはデータ担体式に、特にメモリーカードリーダー・レコーダーとして構成されていてよい。制御ユニットは、インターフェースを介して画像を外部の記憶装置へ、特に画像の画像後処理のため、画像に示されている材料特性の評価のため、および/または材料検査器具による測定のデジタル式のプロトコル作成のために伝送するのが好ましい。その代替または追加として、制御ユニットはインターフェースを介してセンサユニットの生データを、および/または制御ユニットにより判定された材料特性を、外部の記憶装置へ伝送する。外部の記憶装置は、たとえばスマートフォン、タブレット、サーバー、PCなどとして構成されていてよい。本発明に基づく実施形態により、材料検査器具の記憶ユニットを小さく抑えることができ、または、制御ユニットのメモリによって具体化することができるという利点がある。特に測定信号の評価が少なくとも部分的にアウトソーシングされれば、制御ユニットの最大の計算出力とエネルギー消費量を小さく抑えることができるという利点がある。
【0031】
これに加えて、本発明による方法を実施するための、特にすでに挙げた制御ユニットと、特にすでに挙げた表示ユニット、特にカラーディスプレイとを有する、特にハンドヘルド可能な材料検査器具が提案される。材料検査器具は、特にマイクロ波領域および/または電波領域の電磁波を発信するための少なくとも1つの送信部材と、特にマイクロ波領域および/または電波領域の電磁波を受信するための少なくとも1つの受信部材とを含むセンサユニット、特にアンテナユニットを含む。任意選択として、送信部材と受信部材は同一のコンポーネントによって、特に同一のアンテナ部材によって、構成される。センサユニットは、たとえば信号発生器、増幅器、アナログ式および/またはデジタル式の信号フィルタなどを有する送受信エレクトロニクスを含むのが好ましい。材料検査器具は、センサユニットを収容する、および/またはセンサユニットが配置される、ハウジングを含むのが好ましい。「ハンドヘルド可能な」とは、特に、保持装置および/または搬送装置を援用することなく、手で保持可能および/または搬送可能であることを意味するものとする。特に材料検査器具は、20kgよりも少ない、好ましくは10kgよりも少ない、特別に好ましくは5kgよりも少ない質量を有する。任意選択として材料検査器具は、ハウジングから突出するグリップをハウジングの中に収納するグリップ窪みを有し、および/または利用者によって材料検査器具を取り扱うためにハウジングに配置されるグリップ面を有する。材料検査器具は、ハウジングに支承される少なくとも1つの転動部材、特に2つの、好ましくは4つの転動部材を含むのが好ましい。表示ユニットはハウジングに、特に転動部材と反対を向くハウジングの側に、配置され、特にその中に収納される。材料検査器具は、少なくとも1つの位置検出ユニット、特にオドメータを含む。材料検査器具は少なくとも記憶ユニットを含む。記憶ユニットは、特に以前の測定に由来する材料特性の値を現在の測定へフェードインするための揮発性メモリを含むことができ、および/または特に現在の測定に後続する材料特性の評価のための不揮発性メモリを含むことができる。任意選択として記憶ユニットは、特にメモリーカードおよび/またはメモリースティックなどの交換可能なデータ担体のための書き込み部材および/または読み取り部材を含む。その代替または追加として材料検査器具は、特に検出された位置依存的な材料特性の外部での評価および/または前処理のために、外部の器具との有線式および/または無線式の、特に電波式の通信のためのインターフェースを含む。材料検査器具は、利用者入力のための少なくとも1つの操作部材、特に複数の操作部材、たとえばボタン、スイッチ、スライドキー、回転つまみなどを含む。その代替または追加として、表示ユニットのディスプレイがタッチスクリーンとして構成される。特に制御ユニット、記憶ユニット、インターフェース、位置検出ユニット、および/またはセンサユニットはハウジングの内部に配置される。本発明に基づく実施形態により、好ましくユーザー適合的であり好ましく直感的に取扱可能である材料検査器具を提供することができるという利点がある。特に、好ましく高い情報内容を好ましく一覧性をもって表示可能である材料検査器具を提供することができる。
【0032】
このとき本発明による方法および/または本発明による材料検査器具は、上に説明した用途や実施形態だけに限定されるものではない。特に本発明による方法および/または本発明による材料検査器具は、ここに記載されている機能形態を履行するために、ここに挙げている個数の個々の部材、コンポーネント、およびユニット、ならびに方法ステップとは異なる個数を有することができる。さらに、ここでの開示で記載されている値範囲は、挙げられている限度の内部にある値も開示されているものとみなされ、任意に適用可能であるとみなされるべきである。
【0033】
その他の利点は以下の図面の説明から明らかとなる。図面には本発明の実施例が表されている。図面、明細書、および特許請求の範囲は、数多くの構成要件を組合せの形で含んでいる。当業者は、これらの構成要件を目的に即して単独でも着目し、有意義な別の組合せにまとめる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明による材料検査器具を示す模式図である。
【
図3】本発明による方法による深さ測定の過程での表示オブジェクトを示す模式図である。
【
図4】本発明による方法の過程での表示形式の転換の過程における表示オブジェクトを示す模式図である。
【
図5】本発明による方法による水分測定の過程での表示オブジェクトを示す模式図である。
【
図6】本発明による方法の過程でのアライメント補助を含む表示オブジェクトを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は材料検査器具12を示している。材料検査器具12は、特に、検査物体14(
図3参照)の、特に壁、地面、天井などの、基本材料の中の異種物体および/または包含物、特に水分の位置特定のために構成される。材料検査器具12はハウジング64を含んでいる。材料検査器具12は、電磁波を、特にマイクロ波および/または電波を、発信および受信するためのセンサユニット65を含んでいる。センサユニット65は、ハウジング64の中および/またはハウジング64の載置面の表面に配置される。ハウジング64の載置面は、特に、材料検査器具12での測定時に検査物体14の表面16のほうに向けてアライメントされるために意図される。材料検査器具12は、検査物体14の表面16に沿って材料検査器具12を手動で案内するために、特にハウジング64から突き出す、またはハウジング64によって形成されるグリップ60を含むのが好ましい。材料検査器具12は、少なくとも1つの転動部材56,58、好ましくは複数の、特に4つの転動部材56,58を含むのが好ましい。転動部材56,58はハウジング64に支承される。特に、転動部材56,58は表面16との直接的な接触のために意図され、および、ハウジング64の載置面を、特にセンサユニット65を、検査物体14の表面16から離間して配置するために意図される。材料検査器具12は、特に転動部材56,58のうちの少なくとも1つの転動を検出することによって、検査物体14の表面16に対して相対的な材料検査器具12の変位を判定するために意図される、少なくとも1つの距離センサ(ここには図示せず)を含んでいる。材料検査器具12は長軸63を有するのが好ましい。特に、転動部材56,58のうちの少なくとも1つの回転軸が、長軸63に対して少なくとも実質的に垂直に延びる。その代替として、転動部材56,58のうちの少なくとも1つの回転軸は、長軸63に対して少なくとも実質的に平行に配置されるか、または追加的にそのようにアライメント可能である。材料検査器具12は、
図2から
図6で詳しく説明する方法10を実施するための制御ユニット50を含んでいる。材料検査器具12は記憶ユニット54を含んでいる。材料検査器具12は、センサの測定結果を表すための表示ユニット34を含んでいる。表示ユニット34はカラーディスプレイとして構成されるのが特別に好ましい。表示ユニット34は、載置面と反対を向くほうのハウジング64の側に配置されている。材料検査器具12は、少なくとも1つの操作部材62を含んでいる。材料検査器具12は、たとえば検査物体14の断面図で異種物体を表すため(
図3および
図4を参照)、特に透明に表される表面16を見る平面図で異種物体を表すため(
図5参照)、および/または測定信号、材料特性などの曲線推移100を表すため(
図6参照)に構成される。材料検査器具12は、特に、上記のような表し方をするための専用器具として構成されていてよく、または、上記の表し方のうちの複数の間で転換をすることができる汎用器具として構成されていてよい。
【0036】
図2は方法10のフローチャートを示している。方法10は測定ステップ66を含んでいる。方法10は記憶ステップ68を含んでいる。方法10は表示ステップ70を含んでいる。方法10はコーディング表示ステップ72を含んでいる。方法10は、特に表示記憶ステップ74を含んでいる。その代替または追加として、方法10は画像生成ステップ76を含む。任意選択として、方法10は調整ステップ78を含む。方法10は画像後処理ステップ80を含んでいる。
【0037】
方法10は、材料検査器具12を作動させるために意図される。測定ステップ66で、検査物体14(
図3参照)に測定信号が発信される。材料検査器具12の位置が、検査物体14の表面16に対して相対的に、距離センサによって検出される。表面16の裏に隠れている検査物体14の区域18の材料特性が、位置解像式および/または方向解像式に判定される。記憶ステップ68で、材料特性と位置とが合わせて記憶ユニット54の揮発性メモリに、および/または記憶ユニット54の不揮発性メモリに、制御ユニット50によって保存される。表示ステップ70で、材料特性が少なくとも1つのデジタル式の表示オブジェクト20,22,24,26,28,30,32(
図3参照)として表示ユニット34により表される。少なくとも1つの方法ステップで、同一の表示オブジェクト22,24,26,28,30,32が、材料特性に追加して、測定追加情報を特にカラーコーディング39によって表す。材料特性と測定追加情報は、表示ステップ70で、それぞれ異なる表示形式36,38で出力される。表示オブジェクト32の現在の表示形式36,38は、当該測定追加情報および/または別の測定追加情報によって明示される。表示ステップ70で、測定追加情報は材料種類をコーディングする。表示ステップ70の間に、または方法10のプリセットステップの間に、測定追加情報のコーディング39が特に操作部材62を用いて変更される。コーディング表示ステップ72で、測定追加情報のコーディング39がフェードインされる。
表示ステップ70の間に、または方法10のプリセットステップの間に、表される値範囲46,47,48(
図3から
図6参照)が、材料特性および/または測定追加情報について特に操作部材62を用いて適合化される。
【0038】
方法10の少なくとも1つの方法ステップで、材料特性の表示が画像として材料検査器具12により保存される。表示記憶ステップ74で、材料検査器具12の表示ユニット34により作成された材料特性の現在の表示が保存される。特に、表示のために描画された画像がファイルとして記憶ユニット54に、または外部の記憶装置に保存される。材料検査器具12は、特に利用者によって保存が惹起された後に、表示ユニット34の現在の表示をグラフィックファイルとして保存する。現在の表示の範囲外に情報が存在するときは、これが任意選択として一緒に保存される。表面16に対して平行な1つの次元での材料検査器具12の変位を検出することができる材料検査器具12のケースでは、それにより、たとえば測定された領域全体の情報を含む、いっそう広範な画像が生成される。表面16に対して平行な2つの次元で材料検査器具12の変位を検出することができる材料検査器具12のケースでは、任意選択で、これら両方の次元で画像が表示に比較して拡張される。画像生成ステップ76で、材料検査器具12の現在の測定データから、画像が特別に保存のために新たに生起される。この画像は画像生成ステップ76で、以前に実行された測定で検出されて特に記憶ステップ68で保存された追加データから、追加的に新たに生起される。画像生成ステップ76で新たに生起される画像は、材料検査器具12の表示ユニット34の現在の表示の表示形式36,38とは異なる表し方で保存される。保存されるべき画像は、画像生成ステップ76で、存在している測定データから表示に関わりなく生成される。画像生成ステップ76は、表示記憶ステップ74の追加または代替として実行することができる。任意選択として、特に表示には含まれていない追加情報が画像にフェードインされる。任意選択として、画像の外部での評価またはその他の用途のために表示方式が適合化される。一覧性のために、表示には特定のデータが、たとえば発見された異種物体の深さが、現在の検出されている異種物体に関してのみ表示されるのが好ましい。保存される画像には、任意選択として、たとえば深さ、可能な穿孔深さ、および/または特に視覚的にコーディングされる材料種類などのデータが、各々の異種物体について表記される。その代替として画像の保存は自動的に、たとえば測定の終了後に、惹起される。方法10の少なくとも1つの方法ステップで、材料検査器具12の利用者によって画像の保存が惹起される。方法10の少なくとも1つの方法ステップで、画像の保存が自動的に行われる。任意選択として、画像に追加してオーバーヘッドが保存される。オーバーヘッドは、たとえば発見された異種物体や、材料検査器具12によって走査された一次元の経路または二次元の面などに関する情報を含む。その代替としてオーバーヘッドは、特に画像に代えて、データファイルとして保存される。画像後処理ステップ80で、保存されている材料特性の少なくとも2つの画像が単一の画像にまとめられる。特に、1つの次元または2つの次元へのスティッチングにより、複数の画像から単一の画像が作成される。画像後処理ステップ80で、画像が任意選択として材料検査器具12のインターフェース52を介して外部の記憶装置に伝送される。
【0039】
図3は、表示ユニット34の表示を例示として示している。表示ユニット34は、検査物体14の材料特性を表す表示オブジェクト20,22,24,26,28,30,32を示す。表示ユニット34は、たとえば材料検査器具12のセンサ領域40、値範囲46,47、特に材料特性の横方向位置と深さ、検査物体14の表面16、コーディング39の短縮形など、材料特性の評価に関する別の表示オブジェクト42,82,84,86,88を表す。任意選択として表示ユニット34は、たとえば材料検査器具12の充電状態表示、メニューバー、材料検査器具12の材料キャリブレーションなど、材料特性に関わりのない追加の表示オブジェクトを表す。方法10の少なくとも1つの方法ステップで、表示オブジェクト32のうちの1つの測定追加情報が、判定された材料特性に依存して深さ参照基準44を表す。特に表示ユニット34は、現時点でセンサ領域40にある材料特性と同じコーディング39で、特に同一の色で、深さ参照基準44を表す。コーディング表示ステップ72で、表示ユニット34はコーディング39を凡例90としてフェードインする。特に表示ユニット34は、発見された異種物体および/または検査物体14の基本材料を表象する表示オブジェクト20,22,24,26,28,30,32を、点や長尺状の点、特に線などの幾何学形状によって表す。測定追加情報を再現するコーディング39は、形状の着色によって具体化される。検知が重要な内容である場合には、表示オブジェクト20,22,24,26,28,30,32のうちの1つの形状の一部だけを着色するのが好ましい場合もあり得る。表示オブジェクト20,22,24,26,28,30,32の着色されていない部分は、たとえば外側の円は、検知された異種物体を意味する。表示オブジェクト20,22,24,26,28,30,32の着色された部分は、たとえば表示オブジェクト20,22,24,26,28,30,32の中央にある点は、コーディング39を意味する。色の代替または追加として、記号および/またはテキストによってコーディング39を具体化することもできる。色に意味を与えるために、凡例90がフェードインされる。凡例90は自動的に、および/またはキーとして構成される操作部材62を通じて、フェードインすることができる。その代替または追加として、特に操作を直感的に構成するために、現在検出されている検査物体14の部分区域についての記号および/またはテキストなどの別の表示オブジェクト20,22,24,26,28,30,32がフェードインされる。それにより利用者は、特に凡例90を参照することなく、使用時に色の意味を学習できるという利点がある。特定の分類の異種物体にのみ関心があるときには、異種物体をコーディングせずに表し、および/または異種物体をフェードアウトすることが可能である。任意選択として、認識された物体の音響式の出力が光学式のコーディング39をサポートし、またはこれに取って代わり、それは、たとえば周期、音量、またはプレーンテキストでの材料特性の通知によって、特に材料種類の通知によって、材料特性に依存して音響信号がコーディングされることによる。
【0040】
図4は、表示ユニット34の表示の表示形式36,38の転換を例示として示している。一例として、区別のために「物体深さ」と呼ぶ表示形式36のうちの1つが、材料特性の深さの評価のために構成されている。一例として、区別のために「穿孔深さ」と呼ぶ表示形式38のうちの1つが、最大限許容される穿孔深さの評価のために構成されている。方法10の少なくとも1つの方法ステップで、材料検査器具12のセンサ領域40を表す別の表示オブジェクト42が、判定された材料特性に依存して表示転換を受ける。特にセンサ領域40は、穿孔経路が空いているときには、表示オブジェクト30’で表される異常が穿孔経路に検知されたときとは別様に、特に別の色で、表される。任意選択として、特に追加として、警告メッセージ92が表示ユニット34で出力される。表示形式36,38の間の切換は、たとえば調整メニューやダイレクトキーを通じて行われる。表示形式36「物体深さ」では、検査物体14の隣接する表面16のほうを向く異種物体の物体上辺のすぐ上に、現在検出されている異種物体の水平方向の深さ参照基準44があり、そのようにして、異種物体の深さを示す。深さ参照基準44のマーカーが、深さスケールとして構成される別の表示オブジェクト82で深さを強調し、それによって読み取りをサポートする。マーカーならびに深さ参照基準44は、帰属性を強調するために、現在検出されている異種物体に合わせて色が適合化される。焦点マーキング、ならびにここでは破線で示す2つの境界マーキングが、センサ領域40を表す。境界マーキングは、特に、材料検査器具12の外側エッジに配置される。異種物体が特に破線の境界マーキングの間でセンサ領域40にあると、ただちに焦点マーキングと境界マーキングが赤で表され、それ以外の場合には緑になる。表示形式38「穿孔深さ」では、穿孔に関わりのある異種物体に対して定義された間隔をおいて、特に安全限界の間隔をおいて、深さ参照基準44がある。深さ参照基準44について援用される異種物体は現在検出されている異種物体であってよく、または複数の異種物体が援用されて、最小の深さにある物体が対象となる。深さ参照基準44について複数の物体が対象とされる場合、マーカーと深さラインがニュートラル色で表される。表示形式38「穿孔深さ」が現在選択されていることを識別表示するために、深さ参照基準44の上に、特にセンサ領域40の内部に、ドリルが表示される。隣接する表面16から深さ参照基準44までの領域では、特に穿孔が可能であることを明示するために、境界マーキングおよび/または焦点マーキングが緑で表される。深さ参照基準44から、表示されている検査物体14の隣接する表面16と反対を向くほうの端部までの領域では、特に異種物体への警告を発するために、境界マーキングおよび/または焦点マーキングが赤で表される。異種物体が浅すぎるために穿孔が可能でないときは、「穿孔が可能でない」ことを記号化するアイコンが表示される。両方の表示形式36,38において、任意選択として、音響出力が追加的に異種物体への警告を発する。任意選択として、利用者が所望の穿孔深さを調整する。表示ユニット34は、任意選択として、所望の穿孔深さへの穿孔を妨げる異種物体だけを表示する。
【0041】
図5は、表示ユニット34が材料特性を表示する別の表示形式96を示している。特に、この別の表示形式98は、表面16に対して相対的な材料検査器具12の横方向アライメントのためのアライメント補助94をここでは十字線の形態で、別の表示オブジェクトとして含んでいる。別の表示形式96は、表示形式36,38の代替または追加として、表示ユニット34により表示することができる。
【0042】
図6は、曲線推移100として構成される表示オブジェクト33によって表示ユニット34が材料特性を表す、追加の表示形式98を示している。特に測定追加情報が、曲線推移100によって区切られる面で表され、または、曲線推移100の表示として、たとえば曲線推移100の色として、もしくはパターンとして表される。曲線推移100は、たとえば相応の個所に異種物体がある蓋然性を示す目安であり、あるいは、検査物体14がどの程度湿っているかを示す目安である。測定追加情報が利用できる場合、任意選択としてさらに別の曲線推移が表される。これらの曲線推移100を重ね合わせることができ、特に、同一のスケールまたは二重スケールとともに表すことができ、たとえば異種物体の深さ、測定信号の進行時間、測定信号の信号強度、および/または異種物体の蓋然性とともに表示することができる。その代替として、複数の曲線推移100がそれぞれ独自の座標系とともに表され、これらの座標系を座標系のスケールに対して、特に縦座標に対して平行に、変位させて表すことができる。その代替として、曲線推移100、またはそれぞれの曲線推移100の間の面、および曲線推移100に属する座標系の横座標が、測定追加情報に応じて着色され、またはその他の方式でグラフィックが変更される。たとえば曲線推移100はそれ自体として異種物体の存在についての蓋然性を表し、または、検出された測定信号の信号強度を示す。たとえば曲線推移100の色、もしくはそれぞれの曲線推移100の間の面の色、および横座標は、異種物体の材料種類に関する情報を示す。表示を利用者によってパラメータ化可能であるのが好ましく、すなわち、表される値範囲48を測定追加情報のために適合化可能である。特に、どれだけの数の情報が表されるかに関わりなく、特に、1つまたは複数の曲線推移100が着色されて表されるか着色なしで表されるかに関わりなく、表される値範囲48を適合化可能である。たとえば座標系のスケールや測定追加情報の最小値および/または最大値を適合化可能である。最小値によって、発見可能な最小の異種物体がどれだけ小さくあり得るか、またはどれだけ脆弱であり得るかが調整される。特に最小値の引き上げによって、測定信号の望ましくない信号成分、特にノイズおよび/またはクラッタをフェードアウト可能である。最大値によって、最大限表される測定信号の信号強度を調整可能であり、特に、それにより測定信号が弱い場合でも表示ユニット34の面が好ましく活用される。表される値範囲48の適合化は、利用者によって手動で行うことができ、または、基本材料などのその他の利用者設定に依存して自動化して行うことができ、または、センサユニット65により判定される参照基準に依存して全面的に自動式に行うことができる。
【符号の説明】
【0043】
14 検査物体
16 表面
18 隠れた区域
20,22,24,26,28,30,32 表示オブジェクト
34 表示ユニット
36,38 表示形式
39 コーディング
40 センサ領域
42 別の表示オブジェクト
44 深さ参照基準
46,47,48 値範囲
50 制御ユニット
52 インターフェース
54 記憶ユニット
【手続補正書】
【提出日】2023-02-14
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
さらに、本方法の少なくとも1つの方法ステップで、画像が特にすでに挙げた材料検査器具のインターフェースを介して外部の記憶装置に伝送されることが提案される。インターフェースは有線式に、たとえばUSB端子、Lightning端子、R-232端子、イーサネット端子などとして、無線式に、特に電波式に、たとえばWi-Fiモジュール、ブルートゥース(登録商標)モジュール、ZigBeeモジュールなどとして、および/またはデータ担体式に、特にメモリーカードリーダー・レコーダーとして構成されていてよい。制御ユニットは、インターフェースを介して画像を外部の記憶装置へ、特に画像の画像後処理のため、画像に示されている材料特性の評価のため、および/または材料検査器具による測定のデジタル式のプロトコル作成のために伝送するのが好ましい。その代替または追加として、制御ユニットはインターフェースを介してセンサユニットの生データを、および/または制御ユニットにより判定された材料特性を、外部の記憶装置へ伝送する。外部の記憶装置は、たとえばスマートフォン、タブレット、サーバー、PCなどとして構成されていてよい。本発明に基づく実施形態により、材料検査器具の記憶ユニットを小さく抑えることができ、または、制御ユニットのメモリによって具体化することができるという利点がある。特に測定信号の評価が少なくとも部分的にアウトソーシングされれば、制御ユニットの最大の計算出力とエネルギー消費量を小さく抑えることができるという利点がある。
【国際調査報告】